しかしながら、以上の技術によれば、特許文献1については、多数のパーツを用いて、対象幼児に迷路を創作させることを目的とした考案であることから、該件はこの限りではないと思われるが、特許文献2及び3については、迷路のコースを増大させる目的のために、複数のピースや付属品を使用する構成となっており、準備や手順にも手間がかかる等、総じて煩雑な印象を否めず、その上、構成される新たな迷路コースの組み合わせも限られており、充分な解決には至っていない。また、特許文献1も含めた上記3件共に、平面基盤上での迷路ゲームであり、従来技術との比較に於いても変化に乏しく、遊戯者の要求を満たすまでには、多くの課題を残す内容となっている。
本発明は、上記の特許文献に見られる問題点に鑑みて、煩雑な作業や付属品を排除し、新たな迷路のコースをシンプルに且つスムーズに構成して、その組み合わせを飛躍的に増大させることを目的とし、さらには実体遊具の具現化を目指して、立体構成による迷路ゲームの提供を課題とする。
以上の課題を解決するために、請求項1に記載のコース転置式の迷路ゲームは、本体aは、各々が水平回転自在に連結された同軸状の複数の回転体からなり、前記回転体の境界部で分割され連続する外表面を有してなる立体形状体であって、前記回転体の各々外表面上には、同心円上に配置された逸脱防止部と、それに略垂直方向に配置された前記逸脱防止部とでコースが構成された迷路、又はコースと遊びの空間とで構成された迷路の、何れかの一部が表示され、前記回転体の境界部上には、前記逸脱防止部と前記境界部上のみそれぞれの幅が均一に構成された前記コースの幅1単位との各々、又は前記逸脱防止部と前記境界部上のみそれぞれの幅が均一に構成された前記コースの幅と前記遊びの空間の幅の合算幅1単位との各々を有し、前記境界部で前記回転体を前記1単位回転させる毎に、新たな迷路のコースが形成され、少なくとも一箇所は前記コースが一致するように構成されていることを特徴としている。
また、請求項2に記載のコース転置式の迷路ゲームは、本体bは、各々が水平回転自在に連結された同心円状の複数の回転体からなり、前記回転体の境界部で分割され連続する外表面を有してなる円形板状体であって、前記回転体の各々外表面上には、同心円上に配置された逸脱防止部と、それに略垂直方向に配置された前記逸脱防止部とでコースが構成された迷路、又はコースと遊びの空間とで構成された迷路の、何れかの一部が表示され、前記回転体の境界部上には、前記逸脱防止部と前記境界部上のみそれぞれの幅が均一に構成された前記コースの幅1単位との各々、又は前記逸脱防止部と前記境界部上のみそれぞれの幅が均一に構成された前記コースの幅と前記遊びの空間の幅の合算幅1単位との各々を有し、前記境界部で前記回転体を前記1単位回転させる毎に、新たな迷路のコースが形成され、少なくとも一箇所は前記コースが一致するように構成されていることを特徴としている。
請求項3に記載のコース転置式の迷路ゲームは、前記回転体は、各々迷路面からの高さ方向に一定間隙を隔てて連結固設され、硬性透明性を有する外郭部を有して、前記外郭部を有する前記回転体が水平回転自在に連結されてなり、迷路内を移動する移動子を具備して、前記移動子をゴールへ向けて転動させるゲームであって、前記逸脱防止部は、前記移動子の逸脱を防止するための高さ又は深さを有し、前記迷路のコースは、前記外郭部との間に、前記移動子がスムーズに移動でき、且つ前記移動子がコースを外れないように一定の距離が保たれ、前記回転体を前記1単位回転させる毎に、新たな迷路のコースが形成され、少なくとも一箇所は前記コースが一致して前記移動子の通行が可能となるように構成されていることを特徴としている。
次に、請求項4に記載のコース転置式の迷路ゲームは、前記外郭部を有する前記回転体が水平回転自在に連結されてなり、一部に磁石に吸着される金属を備えて前記迷路内を移動する移動子と、前記外郭部の外側に、長手方向端部に磁石を備えた操作棒とを具備し、前記操作棒で前記外郭部の外側から前記迷路内の前記移動子を吸着してゴールを目指すゲームであることを特徴としている。
また、請求項5に記載のコース転置式の迷路ゲームは、前記本体bを構成する前記回転体、及び前記本体bを構成する前記回転体が有する前記外郭部は、一部あるいは複数部に、前記回転体を容易に回転させるための転置補助部を有していることを特徴としている。
さらに、請求項6に記載のコース転置式の迷路ゲームは、前記本体bは、台枠部を有しており、前記迷路のコースが前記台枠部にまで及んで表示される場合の前記台枠部と前記回転体との境界部上には、前記逸脱防止部と前記境界部上のみそれぞれの幅を均一とした前記コースの幅1単位との各々、又は、前記逸脱防止部と前記境界部上のみそれぞれの幅を均一とした前記コースの幅と前記遊びの空間の幅の合算幅1単位との各々を有し、前記境界部で前記回転体を前記1単位回転させる毎に、新たな迷路のコースが形成され、少なくとも一箇所は前記コースが一致するように構成されており、又、前記外郭部を有する前記本体bが前記台枠部を有する場合に於いて、前記台枠部は、少なくとも前記台枠部に表示される前記コースの部分まで前記外郭部を有しており、前記台枠部との境界部に係る前記回転体を前記1単位回転させる毎に、新たな迷路のコースが形成され、少なくとも一箇所は前記コースが一致して前記移動子の通行が可能となるように構成されていることを特徴としている。
次に、請求項7に記載のコース転置式の迷路ゲームは、前記本体aの少なくとも一方の極部が平面部を有し、前記平面部を底面部として載置させ、又、前記外郭部を有する前記本体aは、前記外郭部と前記本体aの少なくとも各々一方の極部が平面部を有し、前記平面部を底面部として載置させたことを特徴としている。
また、請求項8に記載のコース転置式の迷路ゲームは、底面部を有していない前記本体aは、前記本体aを水平回転自在に保持する支持体を有し、又、前記外郭部を有し、底面部を有していない前記本体aは、前記外郭部を有する前記本体aを水平回転自在に保持する支持体を有していることを特徴としている。
さらにまた、請求項9に記載のコース転置式の迷路ゲームは、底面部を有していない前記本体aは、内部に、前記本体aの一方の極部から残り一方の極部までを貫通する軸心と、外部に、前記軸心の対向方向に湾曲して設けられ、前記軸心を、前記本体aが水平回転自在になるように軸支するフレームと、前記フレームを、前記本体aが仰角度を持つように保持する支持体とを有しており、又、前記外郭部を有し、底面部を有していない前記本体aは、内部に、前記外郭部と前記本体aの一方の極部から残り一方の極部までを貫通する軸心と、外部に、前記軸心の対向方向に湾曲して設けられ、前記軸心を、前記外郭部を有する前記本体aが水平回転自在になるように軸支するフレームと、前記フレームを、前記外郭部を有する前記本体aが仰角度を持つように保持する支持体とを有していることを特徴としている。
本発明によれば、煩雑な付属品や手順を用いることなく、新たな迷路のコースをシンプルな作業でスムーズに形成し、且つその組み合わせを飛躍的に増大させることができ、さらには従来にはない実体遊具として、立体構成による迷路ゲームの提供を可能とする。
まず、請求項1のコース転置式の迷路ゲームは、従来より課題とされてきた新たな迷路のコースが付属品やパーツ等を用いることなく、ただ回転体を水平方向へ所望単位回転させるだけという非常にシンプルな操作で、ストレスなくスムーズに構成でき、さらに1単位毎の変更が可能であるため、その組み合わせも従来技術との比較に於いて飛躍的に増大させることができる。
また、立体構成の曲面上になされた迷路のコースであることから、文字通り立体的な臨場感が得られ、さらに、コースを一目で見渡せる平面構成と比べ、球体等の立体形状体の曲面上になされるコースが立体の裏側にまで及ぶため、読み取りが困難となり、ルート解明がより難しく飽きられにくい構成となる。また、形状が球体等の立体形であるため、その形を手に取って楽しむことができ、遊戯者に安定感と満足感を与え、さらに、屋外や車中等いずれの場所、あるいはどんな姿勢での使用も可能となる。
また、請求項2のコース転置式の迷路ゲームは、円形板状体に於いても、立体形状体と同様に、新たな迷路のコースが付属品やパーツ等を用いることなく、ただ回転体を水平方向へ所望単位回転するだけという極めてシンプルな操作でスムーズに構成でき、さらに1単位毎の変更が可能であるため、その組み合わせも従来技術との比較に於いて飛躍的に増大させることができる。
次に、請求項3のコース転置式の迷路ゲームに於いて、外郭部を有する回転体から構成された本体a、あるいは本体bの迷路内に移動子を具備し、該移動子をゴールへ向けて転動させるゲームとする時の、まず本体a即ち立体形状体の場合の効果に於いては、移動子を、立体構成からなる球体等の曲面上になされた迷路行程を縦横に転動させるものであるため、従来の平面基盤上でのゲームと比べてコースが文字通り立体的であり、移動子が思わぬ方向へ転がってしまったり等、ゴールまでの行程にはより高い集中力が要求され、緊張感もより高まって面白さが増大する。
次に、請求項3に記載のコース転置式の迷路ゲームに於ける、外郭部を有する円形板状体の場合の効果に於いては、透明ケースに格納した基盤迷路と、迷路内を移動する鉄球等を具備して、該鉄球等を迷路内に放して転動させるゲームを、主に小型の簡易型形態で目にすることがあるが、やはり従来の単一コースのみの構成では、安価な簡易タイプの該形態に甘んじざるを得ない現状がある。然しながら、当該コース転置式の迷路ゲームでは、迷路のコースの組み合わせを格段に有するため、本格的な仕様の遊具として市場へ提供することができる。
さらに、請求項4のコース転置式の迷路ゲームの、一部に磁石に吸着される金属を備えた移動子と、外郭部の外側に、長手方向端部に磁石を備えた操作棒を具備し、該操作棒の磁石で移動子を外郭部の壁面を挟んで吸着させ、ゴールを目指すゲームとする時の立体形状体の場合の効果に於いては、外郭部の壁面を挟んで操作棒の磁石に吸着したわずかな吸着面だけに支持された移動子を、立体構成による球体等の曲面上になされた迷路コースを縦横に移動させる必要があるため、移動子を落下させることなくゴールへ運ぶには相応の操作力が求められることとなり、従来技術の遊具よりさらに難度の高いゲーム構成とすることができる。
また、コースが立体の裏側にまで及ぶためルート解明がより困難となるなどゲームの面白さを高めることができる上、さらにいずれの場合も立体であることから平面基盤状のゲームとは異なり、その実体遊具を手に取って楽しむことができるため遊戯者との距離が縮まってより深い親しみと愛着を得ることができる。
さらに、請求項4の円形板状体からなるコース転置式の迷路ゲームの効果については、一部に磁石に吸着される金属を備えた鉄球等と、外郭部の外側に操作棒を具備して、該操作棒で鉄球等を吸着しゴールまで移動させる迷路ゲームがとりわけ幼児を対象として多く市販されているが、該幼児を対象とする迷路のコースは単純化されているため、既成の単一コースのみでは容易に飽きられやすく、数回の使用で見向きもされなくなってしまう現状がある。然しながら当該コース転置式の迷路ゲームでは、幼児が自分で回転体を回転させ、1単位毎にコースを変更することができる上、例えばロードマップ型などでは殊に1単位回転させる毎に迷路の景色に変化が表れるため、その都度新鮮な驚きが得られる等、飽きさせない構成とすることができる。
また、外郭部を有する立体形状体及び円形板状体の双方からなるコース転置式の迷路ゲームに於いても、請求項1又は請求項2について述べた効果と同様に、回転体を水平方向へ所望単位回転させるだけという非常にシンプルな操作で新たな迷路のコースをスムーズに形成することができ、さらに1単位毎の変更が可能となるため、新たな迷路コースの組み合わせが膨大なものとなる。
さらに請求項5のコース転置式の迷路ゲームは、円形板状体からなる当該コース転置式の迷路ゲームの回転体を、外郭部を有する又は有していない構成の双方に於いて、手や指のみで水平に動かすのは時に滑りやすく困難な場合もあるが、摘みや窪みや引手等の転置補助部を設けることにより、幼児でも容易に該回転体を回転させることができる。
請求項6のコース転置式の迷路ゲームに於いては、円形板状体からなるコース転置式の迷路ゲームに台枠部を設ければ、例えば強化紙等で構成する場合など、耐久性を向上させることができる。また、迷路のコースを台枠部にまで及んで表示したり、該台枠部にゲームのタイトルやイラスト等を表示することが可能となる上、回転体部分に迷路コースのみを表示することができるため、スペース配分が効率化されてゲームに集中しやすい構成となる。
次に、請求項7のコース転置式の迷路ゲームの効果について述べれば、該平面部を底にして載置することにより、立体の無用の転がりを防いで自立性を持たせることができる。また、手に持つことなくテーブル等に置いてゲームを楽しんだり、棚などに安定して収納することができる。
請求項8のコース転置式の迷路ゲームの効果については、より安価に、本体aに回転自在になる構造と支持体を持たせることができ、また支持体を設ける該構成により、遊戯者は立体の側面や裏側にまで及んでルートを辿る折りにも、コース転置式の迷路ゲームをテーブル等に置いたまま、より楽な姿勢でゲームを楽しむことができる上、棚などに安定収納、あるいは飾ることを可能とする。
また、請求項9のコース転置式の迷路ゲームに於いては、球体又は楕円体から成る本体aに仰角度と水平回転自在になる構造を持たせ、台座や支柱等の支持体を設ける構成により、遊戯者は体や頭などを動かす必要がなく、椅子等に座って快適な視線角度を保ったままルートを辿ることができる。さらに棚などに飾る上でも、知的なインテリアとして新たな存在感を創成する。
こうした効果を齎す当該コース転置式の迷路ゲームは、迷路を実体遊具とする上での根源的な課題を解決して、殆どゲームソフトや紙媒体やアプリ等からの提供だけに限られていた従来の迷路ゲームの現状から、どの家庭にも一つはあるという定番の遊具として、遊戯者が実際に手に取って楽しめる実体遊具を具現化し、これを普及させることを可能として、迷路ゲームにおける幅と可能性を広げることができる。
また、今後さらに超高齢化社会を迎えようとしている今日、IT社会から隔絶されている老人にとっても、実体を手にして楽しめる当該コース転置式の迷路ゲームは、脳を活性化させる遊具として、所謂「痴ほう症予防」のための有効な手立てとなるなど、幅広い年齢層にとって有益なものとなる。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
図1−1から図1−3に示したコース転置式の迷路ゲームの実施例については(以下、立体形状体からなるコース転置式の迷路ゲームは、その実施例を球体で示していく)、まず図1−1に一部拡大図をもって例示したように、各々がその外表面上に、同心円上に配置された逸脱防止部13と、それに略垂直方向に配置された逸脱防止部13とでコースが構成された幾何学型の迷路、又は、図1−2に例示したように、コースと遊びの空間とで構成されたロードマップ型の迷路の何れかの一部を表示した回転体3の各々を、水平回転自在に連結して本体a1即ち立体形状体である球体を形成する。
こうしてなる該球体の外表面は、各々回転体の境界部4で分割されながら、該境界部も含めて連続するフラットな立体表面を成すように、且つ、該球体の外表面に表示される迷路の全景においても、回転体の境界部4を含め、切れ目なく連続して表示されるように形成する。
そこで、各々のこれ等回転体の境界部4上の迷路の詳細について説明すると、その外表面上に、同心円上に配置された逸脱防止部13と、それに略垂直方向に配置された逸脱防止部13とでコースが構成された迷路を表示した本体a1からなるコース転置式の迷路ゲームの場合は、図1−1に一部拡大図で示したように、コースを構成する逸脱防止部13と、境界部4上に係る幅についてのみそれぞれを均一に構成したコースの幅5を1単位7とした1単位7幅とを、立体外表面と迷路面を構成する上で、回転体同士の分割個所である該境界部も切れ目なく連続して表示されるように、但し回転体の境界部4で双方の回転体3を回転する際に接触しないように、回転体の境界部4と接する該回転体表面の先端部ぎりぎりに配置する。
こうしてなる迷路の一部を表示した回転体3を1単位7回転する毎に、境界部4に係る双方の回転体3各々の該逸脱防止部13の配置構成により、コースが塞がれたり、あるいは開かれたりして新たな迷路が形成される構成となっているが、遊戯者が興味を損なわないように、その都度少なくとも一箇所はコース5が一致するように構成する。
尚、このコース5が一致するとは、回転体の境界部4に垂直な方向に、一方の回転体3の表面から他方の回転体3の表面へ移動可能なコースを構成させることであり、さらに、立体形状体の外表面とは外に面する表面のことであり、さらに言えば迷路を表示する上で有効な表面のことであるが、例えば半球体やドーム型や電球型等のように底面部を有する立体形状体の場合などに於いて、該底面部は外表面との接面部にルート解明や移動子の移動に不都合な角度を形成するため、迷路を表示するのは避けた方が望ましいが、該角度に丸みを持たせる等の対策を講じるなど、ルート解明や移動子10の移動に支障を来さない場合は該底面部に迷路を表示する構成としてもよい。
また、本体a1を構成する各々の回転体3を水平回転自在に連結する該連結方法の実施可能な例を述べれば、まず第一には、全ての回転体3を貫通軸に水平回転自在に固定する連結方法、また第二には、全ての回転体3の外表面上側の縁同士を水平回転自在に噛み合わせる連結方法がある。さらには他にも既存の技術で可能な方法、いかなる手段を用いてもよい。
次に、コースと遊びの空間とで構成された迷路を表示する本体a1からなるコース転置式の迷路ゲームの場合について説明すれば、各々の回転体3の境界部4上には、図1−2に示したように、逸脱防止部13と、境界部4上に係る幅についてのみそれぞれの幅を均一に構成したコースの幅5と遊びの空間の幅6の合算幅1単位7との各々が配置され、回転体3を1単位7回転して、新たな1単位7を一致させる毎に別の迷路が形成される構成となっているが、図1−2に示したロードマップ型の迷路の場合などは、対象遊戯者である幼児が飽きず楽しめるように、その都度少なくとも一箇所はコースが行き止まりにならず先へ繋がるように構成する。
この場合、同心円上に又はそれに対して略垂直方向に配置された逸脱防止部13からなる幾何学型の迷路や、コースと遊びの空間からなるロードマップ型等の迷路を表示した本体a1からなる当該コース転置式の迷路ゲーム全てに共通して、例えば4個の回転体3で構成し、A、B、C、3箇所の境界部4を有する場合は、AはAの、BはBの、CはCのそれぞれの1単位7幅を有していればよく、全ての境界部4や、境界部4以外の他の部分のコースの幅や遊びの空間の幅を等しくする必要はない。
図1−1及び図1−2は2個の回転体3から、図1−3は4個の回転体3から構成されるコース転置式の迷路ゲームの実施例である。なお、本体a1即ち立体形状体は、球体以外の楕円体や、底面部を有する半球体やドーム型や電球型等、水平断面形状が円形を成して回転可能であればどんな形体でもよく、これを何個の回転体3で構成するか、また、迷路の境界部4を立体形状体のどこに設けるか等は随意自由であるが、本体a1、本体b2に共通して、新たなコースの組み合わせは回転体3の数に比例して増大するものである。
さらに、該本体a1即ち立体形状体を形成する部材はプラスチックやアクリルや木部材や強化紙等、立体を形成できるものであればよく、その内部は空洞でも、あるいは積み木のように中身の詰まった固体でもよい。
次に、図2に示した実施例については、コースと遊びの空間とで構成されたロードマップ型の迷路の、あるいは同心円上に配置された逸脱防止部13と、それに略垂直方向に配置された逸脱防止部13とで構成された幾何学型の迷路の場合も同様であるが、何れかの迷路の一部を表示し、中心部分については円盤体を、それ以外の部分については環状体を成している4個の回転体3を、水平回転自在に連結して本体b2即ち円形板状体を構成したものである。
故に、構成された該本体b2の外表面は、各々回転体の境界部4においてその都度分割されながら、該境界部も含めて連続するフラットな板状体表面を成すように、且つ、本体b2の外表面に表示される迷路の全景においても、回転体の境界部4を含め、切れ目なく連続して表示されるように形成する。
さらに、この本体b2即ち円形板状体の場合も同様に、回転体3の境界部4に係る幅のみ均一に構成されたコースの幅5、あるいはコースの幅5とコースの脇に設けられた遊びの空間の幅6の合算幅を1単位7として、回転体3を水平方向へ1単位7回転させる毎に、新たな迷路のコースが形成される構成となっているが、遊戯者の興味を損なわないように、その都度少なくとも一箇所はコースが一致するように、又は、対象遊戯者である幼児が飽きず楽しめるように、コースが行き止まりにならず先へ繋がるように構成する。
この本体b2を構成する各々の回転体3を水平回転自在に連結する実施可能な連結方法としては、例えば、本体a1で例示した全ての回転体3の外表面上側の縁同士を水平回転自在に噛み合わせる連結方法や、又は、各々の回転体3の底面部に設けた該底面部を一巡するスリットと、本体b2の下に敷いたプレート状の台等に設けたT金具とで、各々の回転体3をプレートを介して水平回転可能に連結する方法もあるが、既存技術からなる如何なる手段、随意の方法を用いてもよい。
次に、図3−1から図3−5について述べれは、これは硬性透明性を備える部材、例えばプラスチックやアクリル等からなる外郭部8を有する回転体3を水平回転自在に連結して外郭部を有する本体a1即ち立体構成による球体を構成し、その迷路内に移動子10を具備してなるコース転置式の迷路ゲーム、又は、該迷路内に移動子10と、外郭部8の外側に操作棒11を具備してなるコース転置式の迷路ゲームの、それぞれの実施例である。
これ等の実施例を詳細に説明すると、図3−1と図3−2については2個の回転体3の、また図3−5については6個の回転体3の各々に、迷路面からの高さ方向即ち迷路面に対して垂直方向に一定の間隙を隔てて外郭部8を連結固設し、こうしてなる外郭部8を有した回転体3の各々を水平回転自在に連結して、外郭部8を有する本体a1を構成する。
迷路のコースが有する逸脱防止部13には、図3−1及び図3−2に一部拡大図で示したように、壁等による高さや、又は図3−3に一部拡大図で示したように、コースを溝で構成し溝壁による深さを加えて、移動子10がコースから逸脱するのを防止しており、迷路のコースと外郭部8との間には、移動子10がスムーズに移動でき、且つ移動子10がコースを外れないように一定の距離を保っている。
さらに外郭部8を有するこの場合も、図3−1と図3−2及び図3−5に示したように、回転体の境界部4上に係る迷路の態様は、壁からなる逸脱防止部13で構成されるコースの幅5を1単位7として、あるいは図3−3に示したように、コースの幅5と遊びの空間の幅6を加えた合算幅を1単位7として、回転体の境界部4で回転体3を1単位7回転させる毎に新たな迷路のコースが形成され、その都度少なくとも一箇所はコース5が一致、又はコースが先へ繋がって、移動子10の通行が可能となるように構成する。
そこで、図3−1に示した実施例は、これは外郭部8を有する2個の回転体3から構成された本体a1の迷路内に、鉄球等の移動子10を具備して、該移動子10を、立体構成による球体の曲面上にある迷路面を転動させながらルートを探し、コースを進めてゴールを目指すゲーム方法によるコース転置式の迷路ゲームの一例である。
さらに、図3−2に示した実施例については、外郭部8を有する2個の回転体3から、図3−5の実施例については外郭部8を有する6個の回転体3から、それぞれ構成された本体a1の迷路内に、磁石12に吸着される金属を備えた移動子10と、外郭部8の外側に、長手方向端部に磁石12を備えた操作棒11を具備して、該操作棒11の磁石12に外郭部8の壁面を挟んで迷路内の移動子10を吸着し、球体の曲面上にある迷路をルート解明しながらゴールを目指すゲーム方法としたコース転置式の迷路ゲームの一例である。
また、図3−3に示した実施例については、外郭部8を有し、外表面上にロードマップ型の迷路の一部を表示した2個の回転体3の各々を水平回転自在に連結して立体構成による球体の本体a1を構成し、一部拡大図で示したように、コースを溝として、該コースが有する逸脱防止部13を外表面からの深さを有する溝壁として構成した本体a1の迷路内に、磁石12に吸着される金属を備えて迷路内を移動する移動子10と、外側に、端部に磁石12を備えた操作棒11を具備し、該操作棒11の磁石12で迷路内の移動子10を吸着して、曲面上にある迷路のコースを進めゴールを目指すゲーム方法としたコース転置式の迷路ゲームの一例である。
図3−4は、図3−5に示した実施例である6個の回転体3から本体a1即ち立体構成による球体を形成したコース転置式の迷路ゲームを透視図で示したものである。
次に、図4に示した円形板状体からなるコース転置式の迷路ゲームの実施例については、その外表面上に幼児用ロードマップ型の迷路の一部を表示した4個の回転体3の各々に外郭部8を連結固設し、その各々を水平回転自在に連結して構成した、外郭部を有する本体b2の迷路内に、磁石に吸着される金属を備えた移動子10を、外側には、端部に磁石12を備えた操作棒11を具備して、該操作棒11の磁石12で移動子10を外郭部8の壁面を挟んで吸着し、ゴールを目指すゲームとしたコース転置式の迷路ゲームである。
このように、幼児用のロードマップ型の迷路や、あるいは幾何学型の迷路を表示した該円形板状体からなるコース転置式の迷路ゲームが外郭部8を有した場合も同様に、回転体の境界部4上に係る幅についてのみ各々を均一にしたコースの幅5を1単位7、あるいはコースの幅5とコースの脇に設けられた遊びの空間の幅6を加えた合算幅を1単位7として、境界部4上で回転体3を1単位7回転させる毎に、新たな迷路のコースが形成され、その都度少なくとも一箇所はコース5が一致、あるいはコースが先へ繋がって移動子10の通行が可能となるように構成する。
尚、本体a1、又は本体b2からなるコース転置式の迷路ゲームの双方に於いて、外郭部8を有する場合に具備される移動子10は、鉄球に限らず、キャラクターや車や動物の形など、迷路内をスムーズに移動でき、また操作棒を具備する構成に於いて併用する場合は、一部に磁石に吸着される金属を備えていれば、その形状形態は自由であり、さらに遊戯者がコースを認識できるよう、平面状に又は隆起状に施した色分けや直線や曲線等で構成する逸脱防止部13、あるいは移動子がコースを逸脱しないように壁や溝壁等で構成する逸脱防止部13に於いても、それぞれの用途に適っていればその形状形態は随意自由であり、また、回転体3と外郭部8を連結固設する手段も、支柱を設けたりあるいは逸脱防止部13の上面を外郭部8の内壁に固設したり等、又は他に既存する如何なる技術を用いてもよい。
さらに、本体a1又は本体b2の外表面上に表示する迷路の種類も、回転体の境界部4において1単位7を構成できれば、幾何学型の迷路やロードマップ型の迷路以外の如何なる迷路を表示する構成としても随意自由である。また本体a1と本体b2からなり、外郭部8を有する全ての当該コース転置式の迷路ゲームが、操作棒11を用いるゲームとする場合の該操作棒11は、立体形状体又は円形板状体を成す本体a1又は本体b2の内部に収納、あるいは外部の何れかに紐等で繋ぎ止める構成としてもよい。
次に、本体b2即ち円形板状体からなるコース転置式の迷路ゲームに転置補助部14を設けた図4及び前述の図2の実施例について述べれば、外郭部8を有するあるいは有していない双方に於ける回転体3を水平回転させる上で、幼児でも該迷路のコースを転置する転置操作が容易に行えるように、回転体3又は回転体3が有する外郭部8の一部か複数部に、図4と前述の図2に示したような摘みや、あるいは指を掛ける窪みや引手等の転置補助部14を設けてこれを補助する構成としたものである。
さらに、図5に示した本体b2即ち円形板状体を成す本体b2に、下部と側部から保護補強する台枠部15を設けたコース転置式の迷路ゲームの実施例について、これは台枠部15との境界部に接する回転体3と該台枠部15を、回転体3が水平回転自在になるように連結し、また図5に示したように、迷路のコースを台枠部15にまで及んで表示する場合も、これまで述べて来た境界部4の迷路構成と同様に、台枠部15との境界部に係るコースの幅5とコースの脇に設けられた遊びの空間の幅6との合算幅を1単位7とし、回転体3を1単位7回転する毎に迷路のコースが変更され、その都度少なくとも一箇所はコース5が一致、又はコースが先へ繋がるように構成する。
また、外郭部8を有する本体b2に台枠部15を設けたコース転置式の迷路ゲームに於いて、迷路のコースが台枠部15にまで及んで表示される場合は、少なくともこの台枠部15に表示した迷路のコースの部分までが外郭部8を有する構成とし、回転体3と該台枠部15との境界部に係る回転体3を1単位7回転させる毎に迷路のコースが変更されて、その都度少なくとも一箇所はコース5が一致、又はコースが先へ繋がって、移動子10の通行が可能となるように構成する。
尚、該台枠部15は、本体b2の側部を枠部材で囲繞する構成としてもよい。また、台枠部15の部材や、また形状や形態に於いても丸型や多角形型や動物型やキャラクター型等、本体b2との調和がなされていれば、随意如何なる構成としてもよい。
次に、図6−1に示したコース転置式の迷路ゲームの実施例については、本体a1に自立性を持たせるために、本体a1の少なくとも一方の極部を平面成形し、該平面部16を底面部として載置するものである。該平面部16に於ける迷路構成については、該底面部と外表面との接面部に生じた角度は緩やかであるため、該平面部に迷路を表示する構成としてもよいが、ルート解明に不都合な場合は、該角度に丸みを持たせる等の対策を講じてもよい。
また、図6−2に示した実施例については、図6−1に示した本体a1が外郭部8を有する場合のものであるが、外郭部8を有する本体a1に自立性を持たせるために、本体a1と外郭部8との少なくとも各々一方の極部を平面成形し、該平面部16を底面部として載置する。外郭部8を有するこの場合の平面部16における迷路構成は、該迷路内を移動子10が移動するため、底面部とする該平面部16には迷路を表示しない方が望ましいが、該底面部と外表面との接面部に生じた角度は緩やかであるため、該平面部に迷路を表示する構成としてもよく、移動子10の移動に不都合な場合は、該角度に丸みを持たせる等の対策を講じてもよい。
次に、図7に示したコース転置式の迷路ゲームの実施例については、外郭部8を有する本体a1内部の一方の極部から残り一方の極部まで軸心18を、外郭部8を有する本体a1が該軸心18まわりを水平回転自在になるように貫通し、該軸心18を支持体20である支柱と台座で支持する構成とした一例であるが、外郭部8を有さない本体a1に支持体20を設ける構成とした場合に於いても同様であり、その双方に於いて、本体a1又は外郭部8を有する本体a1を、直接、該本体a1又は外郭部8を有する本体a1の立体形状がなす凸形状に対応した凹形状の台座等の支持体20に載置するだけとし、該凹形状の台座等の中で本体a1を回転自在に動かすことができる構成としてもよい。
さらに、図8−1及び図8−2の実施例については、底面部を有していない本体a1、例えば球体や楕円体等の立体形状体からなり、外郭部8を有する又は有していない双方に於いて、本体a1に水平回転自在になる構造と仰角度17を持たせ、これを支持体20で支持する構成としたコース転置式の迷路ゲームの一例である。
詳細には、まず、本体a1が外郭部8を有していない場合に於いて、図8−1に側面図で例示したように、本体a1の内部に、本体a1の一方の極部から残り一方の極部までと、さらに各々の極部から外側へ突出させて軸心18を貫通し、本体a1の外部には、軸心18の対向方向に本体a1の外表面に沿うように湾曲させて装置したフレーム19が、軸心18を本体a1が水平回転自在になるように軸支し、該フレーム19を支持する支持体20が、本体a1に遊戯者の視線角度に対応する仰角度17を持たせてこれを保持するものである。
次に、本体a1が外郭部8を有するコース転置式の迷路ゲームに於いては、外郭部8を有する本体a1の内部に、外郭部8と本体a1の一方の極部から残り一方の極部までとさらに外郭部8の外側へ突出させて軸心18を貫通し、外郭部8を有する本体a1の外部には、軸心18の対向方向に外郭部8の外表面に沿うように湾曲して装置したフレーム19が、軸心18を、外郭部8を有する本体a1が水平回転自在になるように軸支し、該フレーム19を支持する支持体20が、外郭部8を有する本体a1に遊戯者の視線角度に対応する仰角度17を持たせてこれを保持している。
図8−1は、内部の軸心18を破線で表した側面図であり、図8−2は、仰角度17と水平回転自在になる構造と支持体20を有するコース転置式の迷路ゲームの実施例の斜視図である。
尚、支持体20として、支柱を用いずフレーム19を直接台座等に固設する構成としてもよい。またフレーム19及び支持体20の部材やデザイン等は随意自由である。
以上、本発明の実施の形態を説明した。