JP6318213B2 - 燃料電池スタック - Google Patents

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Description

本発明は、収納ケースの開口部を貫通して設けられたセル電圧検出用フラットケーブルを備えた燃料電池スタックに関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる電解質膜の両側に、それぞれアノード側電極及びカソード側電極を配設した電解質膜・電極構造体(MEA)を、セパレータによって挟持した発電セル(単位燃料電池)を備えている。
この種の燃料電池は、通常、所望の発電力を得るために、所定数(例えば、数十〜数百)の発電セルを積層した燃料電池スタックとして使用されている。この種の燃料電池スタックでは、各発電セルが所望の発電性能を有しているか否かを検出する必要がある。このため、一般的には、セパレータに設けられたセル電圧検知用端子を電圧検出装置(セル電圧モニタ)に接続して、発電時の発電セル毎のセル電圧を検出することが行われている(例えば、下記特許文献1参照)。
特開2000−223141号公報
ところで、燃料電池スタックでは、安全に関する法規により、水素がスタック外部に漏れ出ないようにするためのガスバリア構造を設けることが求められている。このような法規要求を満たすため、燃料電池スタックでは、発電セルが複数積層されてなるセル積層体を収納ケース内に収納することで、上記ガスバリア構造を実現している。
一方、収納ケースによる上記ガスバリア構造を維持しつつ、セパレータに設けられたセル電圧検知用端子を電圧検出装置に接続するために、収納ケースに設けた開口部にグロメットを配置して、当該グロメットに設けた孔にケーブルを通してシールすることが考えられる。しかしながら、燃料電池スタックは例えば数百もの発電セルから構成される場合があり、数百本の単体ケーブルを個別にグロメット孔に通してシールする手法では、グロメットが巨大化してしまうためスペースが十分に取れない。
そこで、並列配置された複数の導線(単線)を有するフラットケーブル(フラットハーネス)を用いることで、ケーブル集約による小型化を図ることが考えられる。この場合、フラットケーブルは、収納ケースの所望のシール性を確保しつつ、収納ケースの開口部に設けられたグロメットを介して外部に導出されることが求められる。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、フラットケーブルの採用によるグロメットの小型化が可能であるとともに、収納ケースからのガス漏れのないシール構造を実現することが可能な燃料電池スタックを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、電解質膜の両側に電極が設けられる電解質膜・電極構造体とセパレータとが積層された発電セルと、前記発電セルが複数積層されたセル積層体を収納する収納ケースとを備え、前記セパレータにはセル電圧検知用端子が設けられ、前記セル電圧検知用端子にはフラットケーブルが接続され、前記フラットケーブルは前記収納ケースに設けられた開口部を貫通して前記収納ケースの外部に導出されている燃料電池スタックであって、前記開口部には、厚み方向に貫通するスリットを有するEPDM製のグロメットが設けられており、前記フラットケーブルは、前記スリットに挿通されるとともに、前記グロメットに中間層を介して隣接して設けられたシリコーン製のポッティング部により密封されており、前記中間層は、前記グロメットと前記ポッティング部との間に設けられるとともに、液状のシリコーン製ポッティング材の硬化を阻害しない材料からなることを特徴とする。
上記の燃料電池スタックにおいて、前記中間層は、硫黄、窒素化合物、有機金属塩を含まない材料からなることが好ましい。
上記の燃料電池スタックにおいて、前記中間層は、前記フラットケーブルが挿通された貫通孔が形成されたシートにより構成されていることが好ましい。
上記の燃料電池スタックにおいて、前記中間層は、アクリル塗料又は接着剤からなるコーティング部により構成されていることが好ましい。
本発明の燃料電池スタックによれば、収納ケースの開口部を貫通するフラットケーブルの外周部が、ポッティング部により密封されている。このため、フラットケーブルの採用によるグロメットの小型化が可能であるとともに、収納ケースからのガス漏れのないシール構造を実現することが可能である。また、液状のシリコーン製ポッティング材は、EPDMと接触すると硬化しにくいが、本発明では、EPDM製のグロメットとポッティング部との間に、液状のシリコーン製ポッティング材の硬化を阻害しない中間層が設けられているため、液状のシリコーン製ポッティング材を確実に硬化させることができる。
本発明の実施形態に係る燃料電池スタックの斜視図である。 上記燃料電池スタックの概略図である。 フラットケーブルのシール構造の斜視図である。 上記シール構造の断面図である。 上記シール構造を構成するグロメットの斜視図である。 図6Aは、上記シール構造を構成するシールプレートの上面側からの斜視図であり、図6Bは、シールプレートの下面側からの斜視図である。 グロメット、ポッティング部及び中間部の要部断面図である。 中間層を構成するシートの斜視図である。 変形例に係るポッティング部を備えたシール構造の断面図である。
以下、本発明に係る燃料電池スタックについて好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
図1に示す本発明の実施形態に係る燃料電池スタック10は、例えば、図示しない燃料電池電気自動車に搭載される。燃料電池スタック10は、複数の発電セル12(単位燃料電池)が積層されてなるセル積層体13と、セル積層体13を収納する収納ケース14とを備える。図1では、複数の発電セル12が電極面を立位姿勢にして水平方向(矢印B方向)に積層されている。なお、複数の発電セル12は、重力方向(矢印C方向)に積層されてもよい。
図2に示すように、発電セル12は、電解質膜・電極構造体16と、電解質膜・電極構造体16を挟持する第1セパレータ18及び第2セパレータ20とを備える。第1セパレータ18及び第2セパレータ20は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、あるいはその金属表面に防食用の表面処理を施した金属板により構成される。
第1セパレータ18及び第2セパレータ20は、平面が矩形状を有するとともに、金属製薄板を波形状にプレス加工することにより、断面凹凸形状に成形される。なお、第1セパレータ18及び第2セパレータ20は、金属セパレータに代えて、例えば、カーボンセパレータを使用してもよい。
電解質膜・電極構造体16は、例えば、炭化水素系又はパーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜22と、固体高分子電解質膜22を挟持するアノード電極24及びカソード電極26とを備える。
詳細は図示しないが、アノード電極24及びカソード電極26は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子をガス拡散層の表面に一様に塗布して形成される電極触媒層とを有する。電極触媒層は、例えば、固体高分子電解質膜22の両面に形成されている。
セル積層体13には、酸化剤ガス(例えば、酸素含有ガス)を供給するための図示しない酸化剤ガス供給連通孔と、酸化剤ガスを排出するための図示しない酸化剤ガス排出連通孔とが設けられている。複数の発電セル12において、酸化剤ガス供給連通孔及び酸化剤ガス排出連通孔は、積層方向である矢印B方向に互いに連通している。
また、セル積層体13には、燃料ガス(例えば、水素含有ガス)を供給するための図示しない燃料ガス供給連通孔と、燃料ガスを排出するための図示しない燃料ガス排出連通孔とが設けられている。複数の発電セル12において、燃料ガス供給連通孔及び燃料ガス排出連通孔は、積層方向である矢印B方向に互いに連通している。
さらに、セル積層体13には、冷却媒体を供給するための冷却媒体供給連通孔32aと、冷却媒体を排出するための冷却媒体排出連通孔32bとが設けられている(図1参照)。複数の発電セル12において、冷却媒体供給連通孔32a及び冷却媒体排出連通孔32bは、積層方向である矢印B方向に互いに連通している。
図2において、第1セパレータ18の電解質膜・電極構造体16に向かう面18aには、例えば、矢印B方向に延在する燃料ガス流路28が形成される。燃料ガス流路28は、上述した燃料ガス供給連通孔と燃料ガス排出連通孔とに連通する。
一方、第2セパレータ20の電解質膜・電極構造体16に向かう面20aには、例えば、矢印B方向に延在する酸化剤ガス流路30が設けられる。酸化剤ガス流路30は、上述した酸化剤ガス供給連通孔と酸化剤ガス排出連通孔とに連通する。
互いに隣接する発電セル12における一方の第1セパレータ18の面18bと他方の第2セパレータ20の面20bとの間には、冷却媒体供給連通孔32a及び冷却媒体排出連通孔32b(図1参照)に連通する冷却媒体流路34が形成される。冷却媒体流路34は、燃料ガス流路28の裏面形状と酸化剤ガス流路30の裏面形状とが重なり合って形成される。
本実施形態では、2枚のセパレータで1枚のMEAを挟持するセルを積層するとともに、各セル間に冷却媒体を流通させる各セル冷却構造が採用されている。なお、複数のセル毎に冷却媒体を流通させる、所謂、間引き冷却構造が採用されてもよい。その際、セルは、3枚以上のセパレータと2枚以上のMEAを備えている。
発電セル12の積層方向一端には、第1ターミナルプレート36a、第1絶縁プレート38a及び第1エンドプレート40aが、外方に向かって、順次、配設される。発電セル12の積層方向他端には、第2ターミナルプレート36b、第2絶縁プレート38b及び第2エンドプレート40bが、外方に向かって、順次、配設される。
図示していないが、第1エンドプレート40aには、上述した酸化剤ガス供給連通孔に連通する酸化剤ガス供給マニホールド部材、上述した酸化剤ガス排出連通孔に連通する酸化剤ガス排出マニホールド部材、上述した燃料ガス供給連通孔に連通する燃料ガス供給マニホールド部材及び上述した燃料ガス排出連通孔に連通する燃料ガス排出マニホールド部材が取り付けられている。
図1に示すように、第2エンドプレート40bには、一対の冷却媒体供給連通孔32aに連通する冷却媒体供給マニホールド部材42aと、一対の冷却媒体排出連通孔32bに連通する冷却媒体排出マニホールド部材42bとが取り付けられている。
収納ケース14は、車幅方向(矢印B方向)両端の2辺(面)が第1エンドプレート40a及び第2エンドプレート40bにより構成される。収納ケース14の車長方向(矢印A方向)両端の2辺(面)は、横長プレート形状の前方サイドパネル44a及び後方サイドパネル44bにより構成される。収納ケース14の車高方向(矢印C方向)両端の2辺(面)は、上方サイドパネル46a及び下方サイドパネル46bにより構成される。上方サイドパネル46a及び下方サイドパネル46bは、横長プレート形状を有する。
前方サイドパネル44a及び後方サイドパネル44bが、ネジ48により第1エンドプレート40a及び第2エンドプレート40bに気密及び液密に固定されるとともに、上方サイドパネル46a及び下方サイドパネル46bが、ネジ48により第1エンドプレート40a、第2エンドプレート40b、前方サイドパネル44a及び後方サイドパネル44bに気密及び液密に固定されている。これにより、第1エンドプレート40a、第2エンドプレート40b、前方サイドパネル44a、後方サイドパネル44b、上方サイドパネル46a及び下方サイドパネル46bが一体化した収納ケース14が組み立てられている。
上記のように構成される収納ケース14は、水素等の反応ガスが収納ケース14から外部に漏れ出ないようにするためのガス隔離構造(ガスバリア)として機能する。
図2に示すように、各発電セル12には、セル電圧検知用端子50が設けられている。セル電圧検知用端子50は、上述した第1セパレータ18(又は第2セパレータ20)の下辺から下方に突出して設けられている。セル電圧検知用端子50は、上述した第1セパレータ18(又は第2セパレータ20)のどの位置に設けられてもよい。なお、3枚のセパレータを有する間引き冷却構造が採用される場合には、セル電圧検知用端子50は、例えば、中間のセパレータに設けられる。
各セル電圧検知用端子50には、コネクタ52を介してフラットケーブル54(フラットハーネス)が接続されている。なお、セル電圧検知用端子50とフラットケーブル54を電気的に接続すればよく、特に構造は限定されない。本実施形態に係る燃料電池スタック10では、複数のフラットケーブル54が設けられている。コネクタ52は、収納ケース14の内面(具体的には、下方サイドパネル46bの内面)に固定されている。フラットケーブル54は、並列に配置された複数の導線を一体で有するとともに、厚さ方向の両側の面が略フラットな形状を有する帯状ケーブルである。
複数のフラットケーブル54は、収納ケース14の内部で、厚み方向に互いに積層されている。図2及び図3に示すように、複数のフラットケーブル54は、収納ケース14(具体的には、下方サイドパネル46b)に設けられた開口部14aを介して、収納ケース14の外部に導出されている。複数のフラットケーブル54は、収納ケース14の外部で、図示しないセル電圧検出装置に接続されている。セル電圧検出装置は、例えば、収納ケース14の外面に固定されている。セル電圧検出装置は、発電時の発電セル12毎のセル電圧(起電力)を個別に検出する。
図3及び図4に示すように、収納ケース14(下方サイドパネル46b)の開口部14aには、ポッティング部62によって複数のフラットケーブル54の外周部を密封するシール構造56が設けられている。図4に示すように、シール構造56は、開口部14aに設けられたEPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)製のグロメット58と、開口部14aに設けられたシールプレート60と、シリコーン製のポッティング部62とを有する。
グロメット58は、下方サイドパネル46bの外面46b1側(下面側)に、開口部14aを覆うように配置されている。グロメット58には、該グロメット58の厚み方向に貫通するスリット64が複数設けられている。
図5に示すように、複数のスリット64は、グロメット58の厚み方向と直交する方向に互いに間隔を置いて設けられている。グロメット58は、厚み方向と直交する一方向に長尺な形状を有しており、複数のスリット64は、グロメット58の長尺方向に沿って互いに平行に延在している。
スリット64の貫通方向一端部(開口部14a側の端部)には、幅狭部68が設けられている。幅狭部68により、スリット64における他の部分よりも狭い狭窄部が形成されている。図4において、幅狭部68は、フラットケーブル54の両面に接触している。
図4及び図5に示すように、グロメット58は、開口部14a側(シールプレート60側)に向かって突出する嵌合凸部74と、嵌合凸部74の外側に設けられ嵌合凸部74の周囲を周回するフランジ部76と、嵌合凸部74とフランジ部76との間を構成する中間部78とを有する。嵌合凸部74に、上述した複数のスリット64が形成されている。
図5に示すように、嵌合凸部74は、グロメット58の長尺方向に沿って延在するとともに、嵌合凸部74の外周面(側周面)には、外方に突出する第1シール突起80が設けられている。第1シール突起80は、嵌合凸部74の外周面の全周に亘って延在するとともに、嵌合凸部74の突出方向(スリット64の貫通方向)に互いに間隔を置いて複数列(図示例では2列)設けられている。複数例の第1シール突起80は、列毎に高さ(嵌合凸部74の外周面からの突出高さ)が異なっていてもよい。
図4に示すように、中間部78は、嵌合凸部74の開口部14aと反対側の端部から外方に広がるとともに、開口部14a側に向かって屈曲している。このため、嵌合凸部74と中間部78との間には、嵌合凸部74の周囲を一周囲む溝部82が形成されている。
フランジ部76は、中間部78の外周縁から外方に延出している。フランジ部76の、収納ケース14(下方サイドパネル46b)に対向する面76aには、収納ケース14の外面(下方サイドパネル46bの外面46b1)に向かって突出する第2シール突起84が設けられている。第2シール突起84は、フランジ部76の全周に亘って延在するとともに、面76aに沿う方向に互いに間隔を置いて複数列(図示例では2列)設けられている。
第2シール突起84は、収納ケース14の外面(外面46b1)と全周に亘って接触(密着)している。これにより、フランジ部76と収納ケース14の外面との間には、気密及び液密のシール部が形成されている。
図4に示すように、グロメット58は、ブラケット86により収納ケース14(下方サイドパネル46b)に固定されている。ブラケット86は、厚さ方向に貫通する孔部86aを有する板状部材であり、図示しない固定部品(ネジ等)により収納ケース14に強固に固定されている。ブラケット86は、グロメット58よりも硬質の材料(例えば、硬質樹脂、金属等)により構成されている。
孔部86aにグロメット58の一部(上述した嵌合凸部74及び中間部78)が挿入されており、孔部86aに挿入されたグロメット58の当該一部は、ブラケット86の孔部86aから突出している。ブラケット86は、グロメット58のフランジ部76に当接するとともに、当該フランジ部76を収納ケース14の外面に向けて押圧している。
図4、図6A及び図6Bに示すように、シールプレート60は、筒状周壁部88と、筒状周壁部88から外方に突出した外周プレート90と、筒状周壁部88と間隔を置いて対向するように外周プレート90から突出した係合壁部92とを有する。シールプレート60は、上述したグロメット58と同様に、一方向に長尺な形状を有する。図6A及び図6Bに示すように、筒状周壁部88は、シールプレート60の長尺方向に沿って長尺である。
図4に示すように、複数のフラットケーブル54は、筒状周壁部88の内側に挿通されて、収納ケース14の外部に導出されている。
筒状周壁部88の一端側(収納ケース14の内部側)には、ポッティング部62が収納(充填)された収納凹部88aが設けられている。収納凹部88aは、一端側がテーパ形状となっている。筒状周壁部88の他端側(収納ケース14の外部側)には、グロメット58の嵌合凸部74が嵌合した嵌合凹部88bが設けられている。収納凹部88aと嵌合凹部88bは筒状周壁部88内で繋がっており、シールプレート60の厚み方向に貫通する貫通孔を構成している。筒状周壁部88の内面には、内方に突出した突出壁部88cが設けられている。突出壁部88cは、収納凹部88aと嵌合凹部88bとの境界壁を構成している。
嵌合凹部88bの内周部は、嵌合凸部74の外周部(上述した第1シール突起80)と全周に亘って接触(密着)している。これにより、嵌合凹部88bの内周部と嵌合凸部74の外周部との間には気密及び液密のシール部が形成されている。
外周プレート90は、筒状周壁部88の上記一端側から外方に突出している。外周プレート90の外周縁部は、下方サイドパネル46bの内面46b2(開口部14aを囲む部分の内面)に対向している。係合壁部92は、内側(筒状周壁部88側)に向かって弾性変形可能に構成されるとともに、開口部14aに挿入されている。
係合壁部92には、下方サイドパネル46bの外面(開口部14aを囲む部分の外面)に係合する爪部92aが設けられている。外周プレート90と爪部92aとの間に、下方サイドパネル46b(開口部14aを囲む縁部)が保持されることにより、シールプレート60が下方サイドパネル46b(開口部14a)に固定されている。
シールプレート60は、グロメット58よりも硬質の材料により構成される。シールプレート60は、例えば、硬質樹脂により構成される。シールプレート60の構成材料としては、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)やPEEK系(ポリエーテルエーテルケトン)等のエンプラあるいはスーパーエンプラ等が挙げられる。
図4に示すように、ポッティング部62は、収納凹部88aに収納(充填)されている。ポッティング部62により、複数のフラットケーブル54が密封されている。ポッティング部62は、複数のフラットケーブル54の各々の外周部に密着している。従って、ポッティング部62は、隣接するフラットケーブル54間にも充填されている。また、ポッティング部62は、収納凹部88aの内周面に密着している。
ポッティング部62は、中間層94を介してグロメット58(具体的には嵌合凸部74)に隣接して設けられている。ポッティング部62は、グロメット58側の第1ポッティング層62aと、グロメット58と反対側で第1ポッティング層62aに隣接する第2ポッティング層62bとを有する。すなわち、ポッティング部62は、開口部14aの貫通方向に積層した2層のポッティング層からなる。本実施形態において、第2ポッティング層62bの厚みは、第1ポッティング層62aの厚みよりも大きい。
第1ポッティング層62aを構成する樹脂材料の粘度(第1ポッティング層62aを形成するために、収納凹部88aに流し込む液状(硬化前)の第1のシリコーン製ポッティング材の粘度)は、第2ポッティング層62bを構成する樹脂材料の粘度(第2ポッティング層62bを形成するために、収納凹部88aに流し込む液状(硬化前)の第2のシリコーン製ポッティング材の粘度)よりも高い。第1のシリコーン製ポッティング材の硬化によって形成された第1ポッティング層62aの硬度は、第2のシリコーン製ポッティング材の硬化によって形成された第2ポッティング層62bの硬度よりも高い。
第1ポッティング層62a及び第2ポッティング層62bを構成するシリコーン製ポッティング材は、それぞれ、本剤と硬化剤とを混合すると化学反応により硬化する2液式が用いられるとよい。
図7に示すように、EPDM製のグロメット58と、シリコーン製のポッティング部62との間には、中間層94が設けられている。具体的に、中間層94は、グロメット58の嵌合凸部74(天面74a)に隣接して配置されており、ポッティング部62は、グロメット58の嵌合凸部74と反対側で中間層94に隣接して配置されている。従って、ポッティング部62は、グロメット58に直接接触していない。
中間層94は、液状のシリコーン製ポッティング材の硬化を阻害しない材料からなる。液状のシリコーン製ポッティング材の硬化を阻害しない材料としては、例えば、硫黄、窒素化合物、有機金属塩を含まない材料が挙げられる。具体的には、シリコーン、軟質ウレタン、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。
中間層94の厚さt1は、ポッティング部62の厚さt2よりも薄い。本実施形態のように、ポッティング部62が第1ポッティング層62aと第2ポッティング層62bとを有する場合、中間層94の厚さt1は、第1ポッティング層62aの厚さt3よりも薄いことが好ましい。中間層94の厚さt1は、例えば、0.3〜2.0mmに設定されることが好ましい。
中間層94は、例えば、フラットケーブル54が挿通されたスリット状の貫通孔94a1を有するシート94aにより構成される。本実施形態の場合、図7に示すように、シート94aは、複数のフラットケーブル54がそれぞれ挿通された複数の貫通孔94a1を有する。
図8に示すように、各貫通孔94a1は、シート94aの長尺方向に沿って延在するとともに、シート94aの厚さ方向に貫通している。各貫通孔94a1は、貫通孔94a1の内面とフラットケーブル54との間に実質的に隙間が形成されないように、フラットケーブル54の横断面形状と略同一形状に形成されている。なお、液状のポッティング材が入り込まない程度の微小な隙間であれば、フラットケーブル54と貫通孔94a1の内面との間に隙間が形成されてもよい。
シート94aはさらに、複数の貫通孔94a1にそれぞれの一端部に連なる複数の切れ目94a2を有する。各切れ目94a2は、貫通孔94a1の延在方向に沿って延在するとともに、シート94aの周縁部に達している。
図4に示したポッティング部62の形成工程においては、シールプレート60が開口部14a(収納ケース14)に固定され、シールプレート60の嵌合凹部88bにグロメット58の嵌合凸部74が嵌合され、複数のスリット64に複数のフラットケーブル54が個別に挿通された状態で、中間層94を構成するシート94aが嵌合凸部74の天面74a上に配置される。この場合、シート94aには複数の切れ目94a2(図8参照)が設けられているため、各切れ目94a2を介して各フラットケーブル54を各貫通孔94a1に容易に挿入することができる。これにより、シート94aを嵌合凸部74の天面74aに容易に配置することができる。
次に、収納凹部88aに液状のシリコーン製ポッティング材が流し込まれる。この場合、嵌合凸部74の天面74aにはシート94aが配置されているため、液状のポッティング材は、嵌合凸部74(EPDM)に接触しない。そして、当該ポッティング材が硬化することにより、ポッティング部62が形成される。
中間層94は、上述したシート94aに代えて、アクリル塗料、接着剤等からなるコーティング部94bにより構成されてもよい。ポッティング部62の形成工程においては、シールプレート60が開口部14a(収納ケース14)に固定され、シールプレート60の嵌合凹部88bにグロメット58の嵌合凸部74が嵌合され、複数のスリット64に複数のフラットケーブル54が個別に挿通された状態で、アクリル塗料や接着剤等の液状のコーティング材が嵌合凸部74の天面74a上に塗布される。この場合、収納凹部88aの底部において嵌合凸部74の天面74aが直接露出しないように(収納凹部88aの底部において露出する天面74aをすべて覆うように)、スリット64に挿通されたフラットケーブル54の周囲及びフラットケーブル54間の天面74aに、コーティング材が塗布される。
そして、液状のコーティング材が硬化することによりコーティング部94bが形成されたら、次に、収納凹部88aに液状のシリコーン製ポッティング材が流し込まれる。この場合、嵌合凸部74の天面74aにコーティング部94bが設けられているため、液状のポッティング材は、嵌合凸部74(EPDM)に接触しない。そして、当該ポッティング材が硬化することにより、ポッティング部62が形成される。
このように構成される燃料電池スタック10の動作について、以下に説明する。
図2において、発電セル12の酸化剤ガス流路30には、図示しない酸化剤ガス供給連通孔を介して、酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給される。発電セル12の燃料ガス流路28には、図示しない燃料ガス供給連通孔を介して、水素含有ガス等の燃料ガスが供給される。さらに、発電セル12の冷却媒体供給連通孔32a(図1参照)には、純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体が供給される。
このため、酸化剤ガスは、酸化剤ガス流路30に沿って移動し、電解質膜・電極構造体16のカソード電極26に供給される。一方、燃料ガスは、燃料ガス流路28に沿って移動し、電解質膜・電極構造体16のアノード電極24に供給される。従って、電解質膜・電極構造体16では、カソード電極26に供給される酸化剤ガスと、アノード電極24に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費されて発電が行われる。
次いで、電解質膜・電極構造体16のカソード電極26に供給されて消費された酸化剤ガスは、図示しない酸化剤ガス排出連通孔を介して排出される。一方、電解質膜・電極構造体16のアノード電極24に供給されて消費された燃料ガスは、図示しない燃料ガス排出連通孔を介して排出される。
また、冷却媒体流路34に導入された冷却媒体は、冷却媒体流路34を移動して電解質膜・電極構造体16を冷却した後、冷却媒体排出連通孔32b(図1参照)を介して排出される。
このような燃料電池スタック10の運転時(発電時)において、各発電セル12は、図2に示したように、セル電圧検知用端子50に接続されたフラットケーブル54を介して図示しないセル電圧検出装置に接続されている。このため、セル電圧検出装置により、各発電セル12の電圧(起電力)が測定される。
この場合、本実施形態に係る燃料電池スタック10では、図4に示したように、収納ケース14の開口部14aを貫通するフラットケーブル54の外周部が、ポッティング部62により密封されている。このため、フラットケーブル54の採用によるグロメット58の小型化が可能であるとともに、収納ケース14からのガス漏れ(水素ガス等の反応ガスの漏れ)のないシール構造56を実現することが可能となる。
本実施形態では、EPDM製のグロメット58とシリコーン製のポッティング部62との間に、液状のシリコーン製ポッティング材の硬化を阻害しない中間層94が設けられているため、液状のシリコーン製ポッティング材を確実に硬化させることができる。すなわち、液状のシリコーン製ポッティング材は、EPDMと接触すると硬化しにくいため、中間層94が設けられない場合には、ポッティング部62の形成工程において、EPDM製のグロメット58に液状のシリコーン製ポッティング材が直接接触し、当該ポッティング材が硬化しないおそれがある。
これに対し、本実施形態では、中間層94によってEPDM製のグロメット58とシリコーン製のポッティング部62とが隔離されているため、ポッティング部62の形成時に、液状のシリコーン製ポッティング材が、EPDM製のグロメット58に直接接触しない。これにより、液状のシリコーン製ポッティング材の硬化が阻害されない。従って、液状のシリコーン製ポッティング材を確実に硬化させることができ、所望のシール性を備えたポッティング部62を良好に形成することができる。
また、本実施形態では、中間層94は、硫黄、窒素化合物、有機金属塩を含まない材料からなる。このため、中間層94によって、液状のシリコーン製ポッティング材の硬化が阻害されることを良好に防止することができる。
さらに、本実施形態では、図7に示したように、中間層94は、フラットケーブル54が挿通された貫通孔94a1が形成されたシート94aにより構成されている。このため、簡単且つ経済的な構成で、液状のシリコーン製ポッティング材を確実に硬化させることができる。
上述したように、中間層94は、アクリル塗料又は接着剤からなるコーティング部94bにより構成されてもよい。この場合、液状のコーティング材を収納凹部88aに流し込むことで、フラットケーブル54との間に隙間のない中間層94を簡単且つ確実に形成することができる。
また、本実施形態では、開口部14aには、グロメット58と密着するとともに収納凹部88aを有するシールプレート60が配置されている。そして、この収納凹部88aにポッティング部62が収納されている。このため、収納凹部88aを有するシールプレート60によって、開口部14aを貫通するフラットケーブル54の周囲にポッティング層を形成する領域が容易に確保される。このため、フラットケーブル54の外周部を一層良好に密封することができる。
さらに、本実施形態では、図4に示したように、複数のフラットケーブル54が、互いに間隔を置いて並設された複数のスリット64に個別に挿通されている。これにより、複数のフラットケーブル54は、複数のスリット64によって間隔を置いた状態で保持される。このため、複数のフラットケーブル54における隣接するフラットケーブル54間もポッティング部62によって密封されることで、良好なシール性が得られる。
しかも、本実施形態では、第1ポッティング層62aを構成する樹脂材料の粘度は、第2ポッティング層62bを構成する樹脂材料の粘度よりも高い。このため、ポッティング部62の形成時に、最初に充填されるポッティング材(第1ポッティング層62aを構成する樹脂材料)の粘度が比較的高いため、ポッティング材がスリット64を介して流れ出ることを防止することができる。なお、ポッティング部62の形成工程においては、シールプレート60が開口部14a(収納ケース14)に固定され、シールプレート60の嵌合凹部88bにグロメット58の嵌合凸部74が嵌合され、さらに複数のスリット64に複数のフラットケーブル54が個別に挿通された状態で、収納凹部88aにポッティング材が流し込まれる。
また、ポッティング部62の形成時に、次に充填されるポッティング材(第2ポッティング層62bを構成する樹脂材料)の粘度が比較的低いため、複数のフラットケーブル54における隣接するフラットケーブル54間にポッティング材を短時間で確実に充填することができる。従って、密封性の高いポッティング部62を良好に形成することができる。
なお、図4において破線矢印で示すように、水素ガス等の反応ガスが、収納ケース14内から、収納ケース14(下方サイドパネル46b)とシールプレート60との間を介してグロメット58側に進入する可能性がある。
そこで、本実施形態では、図4に示したように、グロメット58の嵌合凸部74の外周部に第1シール突起80が設けられ、第1シール突起80がシールプレート60の嵌合凹部88bの内周部に密着している。このため、水素ガス等の反応ガスが、収納ケース14内から、嵌合凸部74と嵌合凹部88bの間及びスリット64を通って外部へ漏れ出ることを防止することができる。
また、本実施形態では、グロメット58のフランジ部76に第2シール突起84が設けられ、第2シール突起84が収納ケース14の外面に密着している。このため、水素ガス等の反応ガスが、収納ケース14内から、グロメット58のフランジ部76と収納ケース14の外面との間を通って外部へ漏れ出ることを防止することができる。
なお、上述した実施形態では、ポッティング部62は、互いに異なる物性(硬度)をもつ第1ポッティング層62aと第2ポッティング層62bとを有する2層構造からなるが、単層構造によって構成されてもよい。すなわち、図9に示す変形例に係るシール部構56aのように、互いに異なる硬度をもつ複数のポッティング層を有しない単層構造からなるポッティング部62cが設けられてもよい。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能である。
10…燃料電池スタック 12…発電セル
13…セル積層体 14…収納ケース
14a…開口部 16…電解質膜・電極構造体
18…第1セパレータ 20…第2セパレータ
50…セル電圧検知用端子 54…フラットケーブル
58…グロメット 62…ポッティング部
62a…第1ポッティング層 62b…第2ポッティング層
64…スリット 88a…収納凹部
94…中間層 94a…シート
94b…コーティング部

Claims (4)

  1. 電解質膜の両側に電極が設けられる電解質膜・電極構造体とセパレータとが積層された発電セルと、前記発電セルが複数積層されたセル積層体を収納する収納ケースとを備え、前記セパレータにはセル電圧検知用端子が設けられ、前記セル電圧検知用端子にはフラットケーブルが接続され、前記フラットケーブルは前記収納ケースに設けられた開口部を貫通して前記収納ケースの外部に導出されている燃料電池スタックであって、
    前記開口部には、厚み方向に貫通するスリットを有するEPDM製のグロメットが設けられており、
    前記フラットケーブルは、前記スリットに挿通されるとともに、前記グロメットに中間層を介して隣接して設けられたシリコーン製のポッティング部により密封されており、
    前記中間層は、前記グロメットと前記ポッティング部との間に設けられるとともに、液状のシリコーン製ポッティング材の硬化を阻害しない材料からなる、
    ことを特徴とする燃料電池スタック。
  2. 請求項1記載の燃料電池スタックにおいて、
    前記中間層は、硫黄、窒素化合物、有機金属塩を含まない材料からなる、
    ことを特徴とする燃料電池スタック。
  3. 請求項2記載の燃料電池スタックにおいて、
    前記中間層は、前記フラットケーブルが挿通された貫通孔が形成されたシートにより構成されている、
    ことを特徴とする燃料電池スタック。
  4. 請求項2記載の燃料電池スタックにおいて、
    前記中間層は、アクリル塗料又は接着剤からなるコーティング部により構成されている、
    ことを特徴とする燃料電池スタック。
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