JP6317168B2 - 穿孔具、穿孔装置及び穿孔機構 - Google Patents

穿孔具、穿孔装置及び穿孔機構 Download PDF

Info

Publication number
JP6317168B2
JP6317168B2 JP2014089013A JP2014089013A JP6317168B2 JP 6317168 B2 JP6317168 B2 JP 6317168B2 JP 2014089013 A JP2014089013 A JP 2014089013A JP 2014089013 A JP2014089013 A JP 2014089013A JP 6317168 B2 JP6317168 B2 JP 6317168B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cover body
space
drilling
suction port
blade
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014089013A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015205491A (ja
Inventor
昭弘 酒井
昭弘 酒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mirai Kogyo KK
Original Assignee
Mirai Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mirai Kogyo KK filed Critical Mirai Kogyo KK
Priority to JP2014089013A priority Critical patent/JP6317168B2/ja
Publication of JP2015205491A publication Critical patent/JP2015205491A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6317168B2 publication Critical patent/JP6317168B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Perforating, Stamping-Out Or Severing By Means Other Than Cutting (AREA)

Description

本発明は、壁材に透孔を穿設するための穿孔具、穿孔装置及び穿孔機構に関する。
従来、壁裏に設置された配線ボックス等を壁表に臨ませて、該配線ボックスに対してコンセントやスイッチ等の配線器具を壁表から取り付け可能にすべく、壁材に所定の透孔を形成する種々の穿孔装置が用いられている。
例えば、特許文献1は、バネ性のある鋼材により無端ベルト状に形成された穿孔刃(1)を回転機構(9)により回転させて壁材に非円形の透孔を穿設する穿孔具(7)を開示している。この穿孔具(7)は、回転機構(9)を備えた穿孔具本体(5)と、穿孔刃(1)を覆うカバー体(2)とを備える。該穿孔刃(1)が回転機構(9)に取り付けられた状態で、カバー体(2)が穿孔具本体(5)から取り外し可能に設けられているとともに、カバー体(2)の先端側の一部が、穿孔刃(1)の回転軸(10)に対して横方向に分割可能な分割体(6)で形成されている。そして、回転機構(9)に穿孔刃(1)が取り付けられた状態で穿孔具本体(5)にカバー体(2)が取り付けられ、分割体(6)が穿孔刃(1)の先端側外面に接近して当節することによって、穿孔刃(1)の形状が非円形に矯正される。
特許文献1の穿孔具(7)を用いて、壁裏の配線ボックスを壁表に臨ませるべく透孔(T)を壁材(H)に穿設する場合(特許文献1の図7参照)、穿孔具(7)の位置合わせ部(49)を選考基準位置(X)に配置するとともに、ドリル(39、41)を壁材に食い込ませることにより、穿孔具(7)の位置決めをする。この状態で、電気ドリル(8)を作動させ、回転軸(10)とともに穿孔刃(1)を壁材(H)へ向けて前進させながら壁材(H)を切削していくことによって、穿孔刃(1)で壁材(H)に透孔(T)を穿設する。
特開2010−269399号公報
しかしながら、特許文献1のような従来の穿孔具では、回転軸を壁材へ向けて前進させて壁材に切れ込むように穿孔刃を壁内に押し込むには大きな力が必要である。特に、壁材が比較的厚く、硬い場合、作業者は穿孔具を所定位置に保持しながら壁材に対して穿孔刃を力強く押し付けることが求められる。あるいは、作業者が力を発揮し難い姿勢を取らざるを得ないような穿孔位置に透孔を形成する場合、穿孔刃を壁材に対して押し込む力が足りずに、穿孔作業が非常に困難となることが考えられる。その結果、穿孔時に、作業者が力んで穿孔具が傾いたり、位置ずれしたりすることにより、所定位置に所望の形状の透孔を壁材に形成することに失敗する虞があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、穿孔刃の押し込みに必要な力を軽減することができる穿孔具、穿孔装置及び穿孔機構を提供することにある。
請求項1に記載の穿孔具は、壁材を所定の穿孔軌跡で穿孔する穿孔刃、及び、該穿孔刃を覆うとともに前端に開口端部を有するカバー体を備え、カバー体の前端を壁材に当接させた状態で穿孔刃をカバー体の開口端部から前進させることにより、壁材に透孔を穿設する穿孔具であって、
穿孔刃の移動に伴ってカバー体内部を前後に摺動可能であり、カバー体の内部空間を前端側の第1空間と後端側の第2空間とに所定の気密性で仕切る摺動体を備え、
カバー体の周壁には、摺動体よりも前端側に吸引口が形成され、カバー体の開口端部が壁材に当接した状態で吸引口を介して第1空間の空気が吸引されることにより、第2空間に対して第1空間が負圧になって穿孔刃の前進が助力されることを特徴とする。
請求項2に記載の穿孔具は、請求項1に記載の穿孔具において、吸引口には、空気とともに壁材の切粉を吸引可能な吸引器が接続される接続部が設けられており、カバー体の前端が壁材に当接した状態で、吸引口に接続された吸引器で第1空間の空気が選択的に吸引されると、摺動体が前端側に引き寄せられて穿孔刃の前進が助力されることを特徴とする。
請求項3に記載の穿孔具は、請求項1又は2に記載の穿孔具において、カバー体には、吸引口を介して第1空間の空気を吸引したときに、第1空間を負圧に維持しつつ、第1空間内で吸引口に向かう気流を形成すべく、外部空間から第1空間に空気を給気するための給気部が設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載の穿孔具は、請求項1から3のいずれかに記載の穿孔具において、摺動体の外周面がカバー体の周壁内面に全周に亘って密接していることを特徴とする。
請求項5に記載の穿孔具は、請求項1から4のいずれかに記載の穿孔具において、摺動体は、穿孔刃を駆動可能に支持するとともに穿孔刃を伴ってカバー体内を移動する摺動体本体と、摺動体本体の外周に形成されてカバー体周壁の内面に密接するシール体と、を備えてなることを特徴とする。
請求項6に記載の穿孔具は、請求項5に記載の穿孔具において、摺動体本体の前面及び後面の少なくとも一方には、摺動体本体の隙間を覆う封止部材が配置されていることを特徴とする。
請求項7に記載の穿孔装置は、
請求項1から6のいずれか一項に記載の穿孔具と、
空気とともに壁材の切粉を吸引可能であり、吸引口に連接された接続部に接続された吸引器と、を備え、
カバー体の前端が壁材に当接した状態で、吸引口に接続された吸引器でカバー体の内部空間の前端側の空気が局所的に吸引されると、摺動体が前方に引き寄せられて穿孔刃の前進が助力されることを特徴とする。
請求項8に記載の穿孔機構は、
請求項1から6のいずれか一項に記載の穿孔具と、
穿孔刃を回転駆動すべく、穿孔具の回転駆動軸に連結された電動工具と、
空気とともに壁材の切粉を吸引可能であり、吸引口に連接された接続部に接続された吸引器と、を備え、
カバー体の前端が壁材に当接した状態で、吸引口に接続された吸引器でカバー体の内部空間の空気の前端側が局所的に吸引されると、摺動体が前方に引き寄せられて穿孔刃の前進が助力されることを特徴とする。
請求項1に記載の穿孔具によれば、カバー体周壁に形成された吸引口を介して、摺動体によって所定の気密性で仕切られた内部空間の前端側の空気を局所的に排出することにより、第1空間が選択的に減圧されて、第1空間と第2空間との間に実質的に気圧差が生じる。この気圧差が摺動体を前端側に移動させるように作用して、穿孔刃の前進を助力する。すなわち、本発明の穿孔具は、透孔を壁材に穿設する際の穿孔刃の押し込みに必要な力を低減することができる。
請求項2に記載の穿孔具によれば、請求項1に記載の穿孔具の効果に加えて、吸引口の接続部に吸引器を接続して、該吸引器を作動させることにより、空気とともに穿設時に壁材の切削によって生じる切粉を吸引器で簡単に吸引可能である。また、カバー体の前端(又は開口端部)が壁材に当接して、カバー体の内部空間がほぼ閉鎖された状態で、吸引器を作動させることにより、摺動体よりも先端側の第1空間の気圧を簡単且つ迅速に低下させることができる。このように、吸引器で第1空間の空気を選択的に吸引することにより、摺動体を前端側に引き寄せて穿孔刃の前進を効果的に補助することができる。
請求項3に記載の穿孔具によれば、請求項1又は2に記載の穿孔具の効果に加えて、給気部は、吸引口を介して第1空間の空気を吸引したときに、第1空間を負圧に維持しつつ、第1空間内で吸引口に向かう気流を発生させる。すなわち、給気部によって引き起こされた吸引口方向への気流に乗って、穿孔時にカバー体内各所に飛散した壁材の切粉が吸引口へと集められる。これにより、透孔を壁材に穿設する際の穿孔刃の押し込みに必要な力を低減するとともに、切粉の吸引をスムーズ且つ確実に行うことが可能である。
請求項4に記載の穿孔具によれば、請求項1から3のいずれかに記載の穿孔具の効果に加えて、摺動体の外周面とカバー体の周壁内面とが全周に亘って接していることにより、摺動体とカバー体との間の隙間を埋めて、第1空間と第2空間との間の気圧差を高め、透孔を壁材に穿設する際の穿孔刃の押し込みに必要な力をより一層低減することができる。
請求項5に記載の穿孔具によれば、請求項1から4のいずれかに記載の穿孔具の効果に加えて、摺動体本体の外周にシール体を形成して摺動体を構成したことにより、シール体がカバー体の周壁内面に(隙間なく)密着する。すなわち、摺動体は、より高い気密性を第1空間及び第2空間の間に形成する。その結果、第1空間及び第2空間の間の気圧差が高まり、透孔を壁材に穿設する際の穿孔刃の押し込みに必要な力をより一層低減することができる。
請求項6に記載の穿孔具によれば、請求項5に記載の穿孔具の効果に加えて、摺動体本体を封止部材で覆うことにより、摺動体で仕切られた第1空間及び第2空間の間の気密性を向上させて、穿孔刃の押し込みに必要な力をより一層低減することができる。
請求項7に記載の穿孔装置によれば、請求項1から6のいずれかの穿孔具の効果を穿孔装置として発揮することができる。すなわち、本発明の穿孔装置は、透孔を壁材に穿設する際の穿孔刃の押し込みに必要な力を低減することができる。
請求項8に記載の穿孔機構によれば、請求項1から6のいずれかの穿孔具の効果を穿孔機構として発揮することができる。すなわち、本発明の穿孔機構は、透孔を壁材に穿設する際の穿孔刃の押し込みに必要な力を低減することができる。
本発明の一実施形態(実施例1)における穿孔具の斜視図。 図1の穿孔具の(a)正面図、及び、(b)側面図。 図1の穿孔具の(a)平面図、及び、(b)底面図。 図2の穿孔具のA−A断面図。 図4の穿孔具の部分拡大断面図。 図5の穿孔具の(a)B−B断面図、及び、(b)プーリを互いに接近させた状態を示す断面図。 図5の穿孔具の(a)C−C断面図、及び、(b)D−D断面図。 図1の穿孔具の分解斜視図。 図1の穿孔具で壁材を穿孔する第1工程を示す模式図。 図1の穿孔具で壁材を穿孔する第2工程を示す模式図。 本発明の別実施形態(実施例2)における穿孔具の部分拡大斜視図。 図11の穿孔具で壁材を穿孔するときのカバー体内部の模式図であり、(a)はその横断面視、(b)はその縦断面視である。 本発明の別実施形態(実施例3)における穿孔具の斜視図。 図13の穿孔具の(a)正面図、及び、(b)側面図。 図14の穿孔具のE−E断面図。 図13の穿孔具で壁材を穿孔する第1工程を示す模式図。 図13の穿孔具で壁材を穿孔する第2工程を示す模式図。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において参照する各図の形状は、好適な形状寸法を説明する上での概念図又は概略図であり、寸法比率等は実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。つまり、本発明は、図面における寸法比率に限定されるものではない。また、本発明における上下左右の方向は、相対的な位置を示す概念にすぎず、これらを入れ替えて適用可能であることは言うまでもない。
(実施例1)
図1から図7を参照して、本発明の一実施形態の楕円穿孔式の穿孔具100の構造を説明する。本実施形態において、穿孔装置は、穿孔具100及び吸引器140からなる概念である。また、穿孔機構は、穿孔具100、吸引器140(例えば、掃除機、集塵機、真空ポンプなど)及び電動工具150(例えば、電気ドリル、電動ドライバなど)からなる概念である。
図1は、本実施形態の穿孔具100の斜視図である。図2(a)、(b)は、該穿孔具100の正面図及び側面図である。図3(a)、(b)は、該穿孔具100の平面図及び底面図である。図4は、該穿孔具100のA−A断面図である。図5は、該穿孔具100の部分拡大A−A断面図である。図6(a)、(b)は、該穿孔具100のB−B断面図である。図7(a)、(b)は、該穿孔具100のC−C断面図及びD−D断面図である。
図1に示すとおり、一実施形態の穿孔具100は、楕円(長円)形状の穿孔軌跡を有する穿孔刃102を支持する穿孔具本体101と、該穿孔具本体101に着脱自在に取り付けられたカバー体121と、を備えてなる。本実施形態において、穿孔具100の穿孔刃102の刃先側を前方、且つ、その反対側を後方として定義する。後述するとおり、穿孔具本体101は、穿孔刃102、支持体103、支持軸104、位置決め軸105、係合軸106、回転駆動軸107、ハンドル部108、カバー体支持部109及び摺動体111を備えてなる。また、カバー体121は、周壁121a、開口端部122(環状当接面122a)、分割片123、吸引口124、接続部125、被係合部128及び水準器129を備えてなる。
図1から図3に示すように、当該穿孔具100前端の開口端部122には、穿孔時に壁材Wに当接可能な縦長の小判型の環状当接面122aが形成されている。そして、この環状当接面122aの内側には、縦長の小判型の楕円(長円)形状の穿孔軌跡を有する複数の鋸刃からなる穿孔刃102が配置されている。該穿孔刃102は、バネ性のある鋼材により無端ベルト状に形成されている。この楕円形状の穿孔刃102の外周面をカバー体121の周壁121aが覆っている。該カバー体121の周壁121aは、その横断面で略長円形状を有する筒体として構成されている。より詳細には、周壁121aは、平坦面状の左右側壁と、凸曲面状の上壁及び底壁とからなり、前端近傍で底壁が下方に膨出している。この周壁121aは、透明な合成樹脂で成形されている。また、該穿孔具100の前端でカバー体121が開放し、開口端部122が形成されている。そして、該穿孔刃102はカバー体121に対して相対移動可能であり、穿孔時に前進して、その刃先が開口端部122から突出する。
図2(b)及び図3(a)(b)に示すとおり、穿孔具100の前端(開口端部122)から穿孔刃102とともに位置決め軸105及び一対の係合軸106が突出している。図2(a)の正面視において、穿孔具本体101の長円形状の支持体103が、カバー体121内部で開口端部121aから前方に臨んでいる。図2(a)に示すとおり、位置決め軸105は、支持体103の中央の貫通孔に貫通配置されている。つまり、位置決め軸105は、穿孔刃102の穿孔軌跡の中心に位置し、穿孔の位置決めを行うためのものである。他方、図2(a)において、位置決め軸105の上下に等距離で離隔した位置に一対の係合軸106が配置され、支持体103を貫通している。後述するとおり、一対の係合軸106は、穿孔刃102と同時に前進及び後退するように構成されている。
また、穿孔具本体101は、後端で電動工具150に連結される回転駆動軸107と、該回転駆動軸107が貫通するとともに作業者が把持可能に後端側で円柱状に延びるハンドル部108と、該ハンドル部108の先端から外方に鍔状に延出したカバー体支持部109と、該カバー体支持部109の前端側で前後に移動可能であるとともに回転駆動軸107の回転で駆動される穿孔刃102の駆動機構と、を備える。このカバー体支持部109の外周縁は略長円形状を有し、カバー体121の後端部を装着可能に構成されている。また、該ハンドル部108の後方に突出する該回転駆動軸107は、電動ドリル、電動ドライバ等の電動工具150の先端軸を連結可能な六角形状の頭部に形成されている。すなわち、本穿孔具100では、カバー体121を穿孔具本体101に装着した上で、電動工具150で回転駆動軸107を回転駆動し、駆動機構で穿孔刃102をカバー体121内で相対的に前進及び回転させることによって、穿孔刃102を開口端部122から突出させて壁材Wに透孔を穿設可能である。
また、ハンドル部108には、切削深さ調整部108aが設けられている。この切削深さ調整部108aを回転させることにより、穿孔刃102が先端から突出する量を調整することができる。さらに、カバー体121の上側外面には、目盛り121bが表示されおり、穿孔刃102の突出量を目視することができる。つまり、透明なカバー体121を通して、カバー体121内部の駆動機構(摺動体111)の移動距離を目盛り121bに従って読み取ることができる。
本実施形態では、カバー体121が穿孔具本体101のカバー体支持部109に着脱自在に装着されて、カバー体周壁121aが穿孔刃102及び該駆動機構を側方から覆っている。カバー体121の後端縁形状とカバー体支持部109の正面視形状とは略同一であり、カバー体121及びカバー体支持部109は実質的に隙間なく連結されている。次に、この着脱機構をより詳細に説明する。カバー体支持部109の外周縁の左右両側には、弾性変形可能な一対の係合爪109aが前方に突出形成されている。他方、該一対の係合爪109aに対応する位置で、カバー体121の周壁121aの左右両側には、一対の被係合部128が設けられている。被係合部128は、内側に撓ませた状態の係合爪109aを内挿し、挿通後に外側に弾性復帰した係合爪109aを係止可能に形成されている。すなわち、一対の係合爪109aを一対の被係合部128に挿通して係合させることにより、カバー体121の後端縁とカバー体支持部109の外周縁が合致し、カバー体121が穿孔具本体101のカバー体支持部109に取り付けられる。他方、カバー体121を穿孔具本体101から離脱させるには、一対の係合爪109aを再び内側に撓み変形させて、係合爪109を被係合部128から引き抜けばよい。さらに、カバー体121の周壁121a外面において、前端側で被係合部128に隣接した位置にロック部128aが設けれている。該ロック部128aを後端側に移動させることにより、ロック部128aが係合爪109aの内側への撓み変形を規制する。その結果、カバー体121が穿孔具本体101から離脱不能に固定される。
また、本実施形態では、カバー体121の先端側の一部が、穿孔刃102の中心軸に対して横方向に分割可能な一対の分割体123、123で形成されている(図2(a)及び図8参照)。該一対の分割体123、123の内周面を穿孔刃102の側面に当接させることで、該穿孔刃102を非円形に矯正している。すなわち、穿孔刃102は自然の状態で断面円筒形状を有するが、分割体123、123の長円形状の内周面が穿孔刃102の外周面に当接することにより、所望の楕円形状の透孔を穿設可能な穿孔軌跡が維持されている。分割体123、123は、上方の回動軸123aで正面視左右方向に回動可能に軸支されているとともに、下方で側方からビス123bで固定されている。なお、穿孔刃102を穿孔部本体101から分解するときに、ビス123bによる固定が解除されて分割体123、123が開放されるが、通常の使用時には、分割体123、123が開放されることはない。
さらに、穿孔具100のカバー体121の上面には、図3(a)に示されているとおり、液体式の水準器129が設置されている。該水準器129は、楕円孔を傾かせずに正確に穿孔するために用いられる。この水準器129は、穿孔具本体101上で回転可能に固定された回転台129aと、当該回転台129a上に搭載された液体(オイル)を密封する筒体129bと、当該筒体129bに刻印された目盛り129cと、水準器129の傾きに応じて当該目盛り129c上を移動する気泡129dとを備える。この目盛り129cの内側に気泡129dが位置するように穿孔具100の姿勢を水平方向に調節及び維持する。図3(a)に示すとおり、この筒体129bは回転台129a上で回転可能であるとともに、穿孔具本体101及び回転台129aの係合関係(図示せず)により、1/8回転(45度)ごとに係止される。つまり、筒体129bは、穿孔具本体101の上面において、左右方向、前後方向及び斜め方向に沿って3つの配置をとり得る。例えば、筒体129bが左右方向に沿って配置された場合、気泡129dが目盛り129cの内側に位置していると、穿孔刃102の穿孔軌跡の短軸が水平方向に維持される。また、筒体129bが前後方向に沿って配置された場合、気泡129dを目盛り129cの内側に位置していると、穿孔具100の前後軸(すなわち、位置決め軸123、回転駆動軸126等)が水平方向に維持される。さらに、筒体129bが斜め方向(前後軸から45度)に沿って配置された場合、気泡129dが目盛り129cの内側に位置していると、穿孔刃102の短軸及び穿孔具100の前後軸の両方が同時に水平方向に維持される。これら水準器129の3つの配置は穿孔具100の使用状況に応じて使い分け可能である
次に、図4を参照して、穿孔具本体101の駆動機構及びカバー体121の内部構造を説明する。
図4に示すとおり、穿孔具100の後端から回転駆動軸107が延びており、ハンドル部108及びカバー体支持部109の中心を貫通している。また、カバー体121内部には、回転駆動軸107に駆動される正面視長円形状の摺動体111と、その前方で該摺動体111に回転可能に支持された一対の係合軸106と、該一対の係合軸106を包囲して該一対の係合軸106の回転及び前進運動に伴って回転及び前進する穿孔刃102とが収容されている。さらに、穿孔具本体101のカバー体支持部109の前面には、穿孔具100の前端近傍まで延びる2本の支持軸104が固定されている。該2本の支持軸104は、摺動体111の前後面を貫通し、穿孔刃102の内方で延びている。この2本の支持軸104にガイドされて摺動体111が前後に移動可能である。
また、支持軸104の先端には、正面視長円形状の支持体103が固着されている。該支持体103は、穿孔刃102の内方に配置されている(図2(a)参照)。そして、支持体103の略中央には、位置決め軸105が貫通配置されている。この位置決め軸105は、付勢バネ105aによって前方に付勢された状態で支持体103に対して突出又は後退可能に支持されている。さらに、位置決め軸105の上下で、一対の係合軸106の先端が支持体103の貫通孔を貫通している。該一対の係合軸106は、穿孔刃102とともに支持体103に対して相対的に前後に移動可能である。後述するとおり、穿孔時に穿孔具100の開口端部122(環状当接面122a)を壁面に宛がうと、位置決め軸105が壁材Wに当接し、付勢バネ105aの付勢力に抗して後退するとともに、一対の係合軸106の先端が壁材Wに食い込む。すなわち、位置決め軸105及び2本の係合軸106が協働して機能し、穿孔具100の穿孔刃102をずれることなく所定位置に維持する。
図4に示すように、カバー体周壁121aの前端近傍の底部には、カバー体121の内部空間の空気やダスト(切粉d)が通過可能な吸引口124が形成されている。また、カバー体周壁121aは前端において下方に膨出しており、穿孔時に生じる切粉dを集塵しやすい構造を有する。すなわち、この膨出部に吸引口124が隣接配置されているので、該吸引口124を介して効果的に切粉dを回収することができる。さらに、該吸引口124は、(前進した)摺動体111よりも前端側に位置するように構成されている。換言すると、摺動体111の前進は、吸引口124の後部までに規制されている。
そして、吸引口124には、外部から吸引器140を接続するための接続部125が後方側に連設されている。すなわち、該接続部125は、吸引器140を接続して、吸引口124を介してカバー体121の内部空間の空気及び/又はダストを外部空間に排出可能とする。該接続部125は、その先端で吸引口124に連通した筒体125aと、該筒体125aの後端で開口した接続口125bとからなる。該接続口125bの内周面には、内面に突出可能なロック爪125dが形成されている。そして、接続口125b近傍で筒体125aに連結された短筒状のロックリング125cを操作することにより、ロック爪125dを内面に突出させることができる。当該接続部125によれば、例えば、掃除機のホース等の一般的な蛇腹状の可撓管を接続口125b内部に配置した上で、ロックリング125cを回転させることにより、ロック爪125dを可撓管の蛇腹外面に食い込ませて、可撓管を接続部125に脱抜不能に接続することができる。なお、吸引器140は、掃除機、集塵機、真空ポンプ等であり、一般的に、可撓管等を介して接続部125に接続可能である。
次に、図5から図7を参照して、穿孔具本体101の駆動機構の構造を詳細に説明する。
図5に示すとおり、摺動体111は、正面視長円形状の筐体構造を有する摺動体本体112と、該摺動体本体112の外周側面に配置されたシール体113と、該摺動体本体112の後面をほぼ密封するように配置された第1封止部材114と、該摺動体本体112の前面の回転駆動部(一対の係合軸106の基端)を封止する第2封止部材115と、を備える。
摺動体本体112は、穿孔刃102を駆動可能に支持するとともに該穿孔刃102を伴ってカバー体121内を移動するように構成されている。すなわち、当該摺動体本体112は、駆動ギヤ112a、伝導ギヤ112b、可動体112c及び調節ネジ112dを内包しており、穿孔刃102の駆動機構の一部(ギヤボックス)として機能する。また、摺動体本体112の内部には、一対の係合軸106の基端部106aが回転可能に支持されている。該基端部106aには、係合軸106のドリル軸が埋め込まれている。そして、摺動体本体112の内部まで回転駆動軸107の先端部が延出しており、その先端部が駆動ギヤ112aに固着されている。伝導ギヤ112aは、該駆動ギヤ112aに噛合するように配置されている。すなわち、回転駆動軸107の回転が駆動ギヤ112aを介して伝導ギヤ112bに伝達される。該伝導ギヤ112bは、一方の係合軸106の基端部106aに固着されており、伝導ギヤ112bの回転に伴って係合軸106が回転する。他方の係合軸106の基端部106aには、ギヤが接続されていない。すなわち、他方の係合軸106は、自由に回転可能な状態で摺動体本体112内に支持されている。
そして、一方の係合軸106の基端部106aの摺動体本体112から前方に突出した部分には、主動プーリ106bが固着されている。該主動プーリ106bは、一方の係合軸106の回転に従って回転する。同様に、他方の係合軸106の基端部106aの摺動体本体112から前方に突出した部分には、従動プーリ106cが固着されている。そして、図6(a)に示すとおり、これら主動プーリ106b及び従動プーリ106cには、1本の無端ベルト状のタイミングベルト106dが巻回されている。すなわち、主動プーリ106bが回転することにより、タイミングベルト106dを介して、従動プーリ106cが従動して回転する。この従動プーリ106cの回転に伴って、他方の係合軸106が回転する。
また、図5に示すように、他方の係合軸106の基端部106aには、ギヤの代わりに可動体112cが配置されている。該可動体112cは調節ネジ112dによって上方に移動可能である。そして、該可動体112cの上方移動に伴って、図6(b)に示すように、他方の係合軸106及び従動プーリ106cが一方の係合軸106及び主動プーリ106b側に接近し、タイミングベルト106dの巻回が緩む。すなわち、調節ネジ112dを操作して主動プーリ106b及び従動プーリ106cを互いに接近させることにより、タイミングベルト106dを脱着することができる。主に、この調節ネジ112dの操作は、主動プーリ106b及び従動プーリ106cにタイミングベルト106dを脱着するときに行われる。他方、この接近させた状態から、主動プーリ106b及び従動プーリ106cにタイミングベルト106dを緩んだ状態で巻回し、調節ネジ112dを操作して主動プーリ106b及び従動プーリ106cを互いに離隔させることにより、タイミングベルト106dを主動プーリ106b及び従動プーリ106cに堅く巻き付けることができる。
さらに、タイミングベルト106dには、前方に延び出る金属の細板状の複数の連結片106eが固定されている。該連結片106eによって、タイミングベルト106dと穿孔刃102の基端とが連結されている。つまり、摺動体111の前進又は後退に伴って、一対の係合軸106とともに穿孔刃102が前進又は後退し、尚且つ、タイミングベルト106dの回転に伴って穿孔刃102が回転する。
すなわち、本実施形態の駆動機構では、電動工具150等で回転駆動軸107に回転力を入力すると、その回転力が伝導ギヤ112bに伝達され、一方の係合軸106が回転するとともに主動プーリ106bが回転し、該主動プーリ106bがタイミングベルト106dを周方向に駆動することにより、一対の係合軸106及び穿孔刃102がほぼ同時に回転運動を行う。また、回転駆動軸107と摺動体111とが連結されているので、回転駆動軸107を前端(壁材W)側に押し込むと、支持軸104に沿って摺動体111がカバー体121内で前方に摺動する。そして、該摺動体111の前進に伴って、穿孔刃102が前進してカバー体121の開口端部122から突出する。
また、本実施形態では、図5及び図7に示すとおり、摺動体本体112の外周面には、その周方向全周においてシール体113が設けられている。このシール体113は、スポンジ状又はゴム状の柔軟な合成樹脂で形成されており、弾性変形可能である。そして、該シール体113は、摺動体本体112の外周及びカバー体121の周壁121a内面の両方に対して、その周方向全周で接している。すなわち、摺動体111がカバー体121の内部空間を巨視的な気密状態で前端側の第1空間S1及び後端側の第2空間S2に仕切っている。換言すると、第1空間S1及び第2空間S2は、内部空間内で、空気が通過不可能又は通過し難い状態で実質的に摺動体111によって隔絶されている。そして、シール体113の外周面がカバー体周壁121a内面に接しつつ、摺動体111がカバー体121内で摺動することにより、第1空間S1及び第2空間S2の体積比率が変化する。
そして、該シール体113は、カバー体周壁121a内面と摺動体本体112外周面との間の隙間よりも大きく形成されていることが好ましい。すなわち、シール体113が両者に挟まれて圧潰された状態でカバー体113内部に配置されることにより、変形したシール体113全体がカバー体周壁121a内面と摺動体本体112外周面とに隙間なく密着する。これにより、第1空間S1及び第2空間S2の間の気密性をより高めることができる。
また、図5及び図7(a)に示すとおり、摺動体本体112後面には、透明な合成樹脂板である第1封止部材114が取り付けられている。この第1封止部材114は、回転駆動する係合軸106の基端部106a端面を含む摺動体本体112後面全体を被覆している。すなわち、第1封止部材114は、(摺動体本体111と係合軸基端部106との間の隙間のような)摺動体本体112の細かい隙間を覆って、摺動体111に仕切られた第1空間S1及び第2空間S2の間の気密性をより高めている。
さらに、図5及び図7(b)に示すとおり、該摺動体本体112前面と主動プーリ106b及び従動プーリ106cとの間には、一対のフェルト状の第2封止部材115が配置されている。第2封止部材115は、主動プーリ106b及び従動プーリ106cに接した状態で摺動体本体112前面に貼り付けられているが、その材質の低摩擦抵抗特性によって、主動プーリ106b及び従動プーリ106cの回転を阻害することはない。該一対の第2封止部材115が、一対の係合軸106の基端部106aが貫通する摺動体本体112の貫通孔の隙間を覆って、摺動体111に仕切られた第1空間S1及び第2空間S2の間の気密性をより高めている。
なお、「巨視的な気密状態」とは、第1空間S1及び第2空間S2の間の境界面(摺動体111)に空気の通り道(細かい隙間)が多少残っている場合をも含む概念である。つまり、摺動体111の「所定の気密性」は、後述するように、掃除機などの吸引器140で吸引口124から空気を吸引した際、少なくとも第1空間S1及び第2空間S2の気圧に差が生じる程度であれば足りる。すなわち、本発明の効果を発揮するのに摺動体に完全な気密性(微視的な気密状態)が求められるわけではない。
図8は、本実施形態の穿孔具100の分解斜視図である。図8を参照して、カバー体121を穿孔具本体101に組み付けて、穿孔具100を組み立てる方法を説明する。図8に示すとおり、連結片106eを介してタイミングベルト106dに穿孔刃102が固定された穿孔具本体101に対して、分割体123、123が開放した状態のカバー体121を穿孔刃102の刃先側から近づける。そして、穿孔刃102先端をカバー体121の後端側開口に挿通して、穿孔具本体101のカバー体支持部109とカバー体121の後端縁とを近接させる。このとき、摺動体111のシール体113は、カバー体周壁121a内面で弾性変形して押し潰される。次いで、カバー体支持部109の係合爪109aをカバー体121の被係合部128に差し込んで、ロック部128aでロックすることにより、穿孔具本体101とカバー体121とが離脱不能に連結される。続いて、一対の分割体123で穿孔刃102を側方から矯正するように、回動軸123aを軸として一対の分割体123を近接方向に回動させて、ビス123bで固定することによって、穿孔具100を組み立てることができる。さらに、穿孔作業を行う際には、穿孔具100の接続部125に、吸引装置140のホースを接続して、穿孔装置を構成する。そして、穿孔具100の回転駆動軸107の頭部に電動工具150を連結することにより、穿孔機構を構成する。
次に、図9及び図10を参照して、本実施形態の穿孔具100(穿孔装置、穿孔機構)を用いて、壁材Wに透孔を穿設する工程を説明する。
まず、壁材Wに楕円形状の透孔を穿孔する位置を定め、その穿孔中心位置を壁面にマーキングする。図示しないが、一般的に、壁裏に配設された配線ボックスの(配線器具用の)取付孔が透孔を介して壁表に臨むように透孔の位置が定められる。このような場合、配線ボックスに設けられた磁石の位置を壁表側から磁気探知器で探知することにより、配線ボックスを壁表に臨ませるべく、透孔の穿孔中心位置を決定することができる。
そして、ハンドル部108を把持しつつ、穿孔中心位置に位置決め軸105を合わせ、且つ、水準器129を使用して穿孔具100の姿勢を水平に維持する。そして、水平姿勢のまま、穿孔具100の環状当接面122aを壁面に押し付けて、位置決め軸105を後方に引っ込ませるとともに、一対の係合軸106の先端を壁材Wに食い込ませて、穿孔刃102の位置を定める。このとき、電動工具150で係合軸106を回転駆動することにより、簡単に係合軸106を壁材Wに食い込ませることができる。このように、環状当接面122aが壁面に当接した状態では、カバー体121の開口端部122が閉鎖され、カバー体121の内部空間が閉塞された状態にある。そして、図9に示すとおり、吸引器140を作動させることにより、吸引口124を介して、摺動体111で実質的に気密状態に仕切られた内部空間の前端側の空気を局所的に吸い出す。このとき、カバー体121の前端が壁面に吸着されるとともに、第1空間S1内の空気が選択的に吸い出され、第1空間S1内の気圧の方が第2空間S2内の気圧よりも一時的に低くなる。この気圧差が摺動体111を前端側に移動させるように作用(助力)する。
次いで、図10に示すとおり、吸引器140を作動させて吸引口124から空気を吸引しつつ、回転駆動軸107に取り付けられた電動工具150を駆動させると共に穿孔具100(または電動工具150)を前方に押し込む。吸引器140の吸引力で摺動体111の前進を助力しつつ、穿孔刃102及び係合軸106を壁材W内に前進させる。図10に示すとおり、穿孔刃102の前進で壁材Wが切削されることにより、カバー体121内部で壁材Wの多量の切粉dが飛散する。この切粉dは、前進する摺動体111によって吸引口124付近に掻き集められ、吸引口124を通して空気とともに吸引器140に吸い込まれる。また、摺動体111によって第2空間S2が第1空間S1から隔絶されているので、切粉dが第2空間S2に入り込むことが防止されている。そして、穿孔刃102を壁材Wの裏面に抜けるまで前進させることにより、穿孔刃102の穿孔軌跡に対応する楕円形状の透孔を壁材Wに穿設することができる。なお、本実施形態では、一対の係合軸106が壁材Wの切削片に食い込んで係合しているので、穿孔刃102の回転と共に切削片が回転して剥がれることなどを防止し、バリ等がないきれいな穿孔を安定して形成できる。
以下、本発明に係る一実施形態の壁材の穿孔具100(穿孔装置、穿孔機構)の作用効果について説明する。
本実施形態では、壁材Wの穿孔時において、カバー体121の開口端部122を壁材Wに当接させながら吸引口124を介して吸引器140でカバー体121内部の空気を局所的に吸引することにより、摺動体111で仕切られた第1空間S1と第2空間S2との間に気圧差が生じる。すると、内部空間全体の気圧を均一にすべく、相対的に高気圧の第2空間S2の空気が相対的に低気圧の第1空間S1に移動しようとする力が摺動体111に作用する。その結果、吸引器140の吸引力で摺動体111が前方に引き寄せられるように、穿孔刃102の前進が助力される。すなわち、透孔を壁材Wに穿設する際の穿孔刃102の押し込みに必要な力を低減し、従来の穿孔具と比べて弱い力で穿孔刃102を壁材Wに対して押し込むことができる。また、吸引器140を作動させている間、その吸引力によりカバー体121前端が壁面に吸着するため、穿孔具100の姿勢を傾かせずに穿孔刃102を真っ直ぐに前進させて、壁材Wに透孔をより確実に穿設することができる。さらに、本実施形態では、図10に示すように、吸引器140は、壁材Wの穿孔で生じる切粉dを第1空間S1の空気とともに吸い込むため、穿孔具100やその周囲が汚れることを軽減している。さらに、摺動体111は、前進とともに切粉dを吸引口124近傍に掻き集めて、切粉dを吸引器140で吸引することを補助するように機能する。
また、本実施形態では、シール体113に加えて、摺動体111に第1封止部材114及び第2封止部材115を設けたことにより、摺動体111の細かい隙間を埋めて、第1空間S1及び第2空間S2の間の気密性をより高めている。この気密性の向上により、カバー体121の内部空間でより高い気圧差を形成することが可能であり、摺動体111の前進をより効果的に助力することができる。さらに、本実施形態では、駆動機構の一部である筐体構造(摺動体本体112)にシール体113等を形成して、カバー体121の内部空間を仕切る摺動体111を構成した。これにより、本実施形態の穿孔具100は、その構造を複雑化することなく、既存の構造を利用して簡単且つ低コストで製造可能である。
(実施例2)
実施例2の穿孔具100’は、実施例1の穿孔具100に対して給気部131を追加で設けたものである。図11及び図12を参照して、該給気部131の構造及び機能を説明する。図11は、穿孔具100’の部分拡大斜視図である。図12は、穿孔時の穿孔具100’の断面を示す模式図である。なお、図12は、穿孔時の空気の流れを示す模式図であり、説明の便宜上、内部構造の描写を部分的に省略している。
図11に示すとおり、カバー体121には、吸引口124近傍で、その外部空間から第1空間S1に空気を給気するための給気部131が設けられている。該給気部131は、カバー体121の内部空間に配置された円筒状の給気筒132と、該給気筒132の先端に形成された給気口133と、該給気口133の反対端で外部空間と連通する給気孔134と、から構成されている。この給気筒132は、吸引口124の前方且つ穿孔刃102の外方で第1空間S1内に配置されている。そして、該給気筒132の外面が、カバー体121の周壁121aの片方(本実施例では、正面視右側)の側壁近傍に固定されている。より具体的には、給気筒132が周壁121aの側壁及び底壁を隙間なく貫通している。さらに、給気口133が吸引口124近傍に延びる給気筒132先端で開口している。該給気口133は、吸引口124よりも僅かに高い位置に配置されている。また、該給気口133は、吸引口124の開口位置から反対方向(すなわち、前方斜め上方向)を向いて開口している。そして、給気筒132の他端には、周壁121aの底部を貫通して、給気孔134が外部空間に連通するように臨んでいる。
図12(a)、(b)に示すとおり、穿孔時に吸引器140で第1空間S1の空気を吸引すると、給気部131によって外部空間から空気が給気されて、第1空間S1を(外部空間又は第2空間S2に対して)負圧に維持しつつ、第1空間S1内で吸引口124に向かう気流が発生する。すなわち、吸引口124を介して空気が排出されて第1空間S1が負圧になることによって、給気部131を介して外部空間の空気が第1空間S1に流れ込み、この流入した空気が第1空間S1内で旋回気流を発生させつつ、吸引口124を介して吸引器140に吸い込まれる。このように、第1空間S1を負圧に保ちつつ旋回気流を発生させるには、吸引口124から排出される第1空間S1の空気の量が給気口133から流入する空気の量を上回るように、吸引口124及び給気口131の開口面積比が定められる。そして、本実施形態では、給気口131の開口面積が吸引口124の開口面積の約10〜20%であることが好ましい。また、内部空間に効果的な気流の渦(旋回気流)を発生させるべく、給気口133は、吸引口124と同じく前方斜め上方向を向いていることが好ましい。なぜなら、給気口133が吸引口124と対向していると、給気口133から流入した空気が直接的に吸引口124に吸い込まれて、第1空間S1に渦状の気流が発生し難い、あるいは、気流の渦が小さくなるからである。
旋回気流発生の形態をより詳細に説明すると、図12(a)に示すとおり、穿孔具100’の横断面において、気流は、カバー体121の周壁121a内面を周方向に沿って回転する。すなわち、給気部131が周壁121aの片側の側壁に設けられているとともに吸引口124の上方で給気口133が上方に開口しているため、外部空間の空気が側壁に沿って上方に吹き上がり、周壁121a内面に沿って周方向に1回転してから吸引口124に吸い込まれる。このカバー体121の周方向の旋回気流に乗って、穿孔時にカバー体121内各所に飛散した壁材Wの切粉dが吸引口124へと集められる。
他方、図12(b)に示すとおり、穿孔具100’の縦断面において、気流は、第1空間S1内で前後方向に回転する。すなわち、給気部131が吸引口124の位置と反対側を向いて開口していることにより、外部空間の空気が前端側の壁面に向かって斜め上方向に吹き出され、壁面、周壁121a、摺動体111に沿って、前後に1回転してから吸引口124に吸い込まれる。このカバー体121の前後方向の旋回気流に乗って、穿孔時にカバー体内各所に飛散した壁材Wの切粉dが吸引口124へと集められる。
すなわち、本実施例の穿孔具100’では、給気口131が前方及び上方の両方(つまり、斜め上方向)に開口しているため、カバー体121内に周方向及び前後方向の両方に旋回する気流の渦を発生させることができる。これにより、透孔を壁材Wに穿設する際の穿孔刃102の押し込みに必要な力を低減するとともに、切粉dの吸引をスムーズ且つ確実に行うことが可能である。
なお、上記において給気部131の好ましい形態を説明したが、本発明において、少なくとも第1空間S1を負圧に保ちつつ、気流を発生させることができれば、上記給気部131の形態(位置、開口方向)に限定されることはない。例えば、カバー体121の周方向及び前後方向の旋回気流のいずれか一方を発生させるように給気口の向きを変更してもよい。あるいは、カバー体121の周壁121aの上部に給気部として貫通孔を穿設してもよい。この場合においても、穿孔時に上方から下方への気流を発生させて、切粉dを該気流に乗せて吸引口124へと導くことが可能である。
(実施例3)
上述した実施例1の穿孔具100は楕円穿孔式であるが、本発明の穿孔具はこれに限定されない。また、実施例1の穿孔部100では、摺動体111が穿孔刃102の駆動機構として機能するが、本発明はこれに限定されない。以下に説明する実施例2の穿孔具200は、正円穿孔式の穿孔具であり、且つ、駆動機構と独立して別途、摺動体を設けたものである。実施例2の穿孔工具200は、上記実施形態と同様に本発明の作用効果を発揮することができる。
図13から図15を参照して、本発明の別実施形態の正円穿孔式の穿孔具200の構造を説明する。図13は、該穿孔具200の斜視図である。図14(a)(b)は、該穿孔具200の正面図及び側面図である。図15は、該穿孔具200のE−E断面図である。
図11から図15に示すとおり、穿孔具200は、穿孔具本体201と、カバー体221とを備えてなる。穿孔具本体201は、正円状の穿孔軌跡の穿孔刃202と、その穿孔中心に位置する位置決め軸205と、回転駆動軸207と、ハンドル部208と、摺動体211と、を備える。また、カバー部材221は、円筒状の周壁221a、及び、その後端で閉塞した円板状の後壁222bからなり、その前端で開口している。そして、該カバー体221は、正面視円形の開口端部222、周壁221aの前端近傍に穿設された吸引口224、及び、吸引器240を接続するために該吸引口224に連接された接続部225と、を備える。図15に示すように、カバー体221の後壁221bを回転駆動軸207が貫通した状態で、穿孔具本体201とカバー体221とがビス228で固定されている。
図14(a)に示すとおり、該穿孔具200前端の開口端部222に形成された正円環状の環状当接面222の内側には、回転して正円形状の穿孔軌跡を描く一対の穿孔刃202が形成されている。穿孔刃202は、その中心(位置決め軸205)から等距離に位置する2つの単刃からなり、回転駆動軸207の回転に伴って、1つの正円状の穿孔軌跡を描くように構成されている。この穿孔具200には、これら穿孔刃202間の距離(穿孔径)を調節可能な穿孔径調整機構202aが設けられており、この穿孔径調整機構202aを目盛りに従って操作する(すなわち、つまみを回す)ことにより、各穿孔刃202が互いに近接又は離隔し、穿孔直径を所望の値に設定することができる。
この穿孔刃202の穿孔軌跡の中心には、位置決め軸205が配置されている。該位置決め軸205は、ドリル状の先端部を有し、正円形状の透孔の穿孔中心位置に配置される。また、位置決め軸205は、回転駆動軸207と同軸であり、且つ、一対の穿孔刃205を支持している。そして、穿孔具200の後端に設けられた回転駆動軸207を所定量、前方(穿孔方向)に押し込むと、穿孔刃202及び位置決め軸205が同時に所定量だけ突出するように構成されている。さらに、当該回転駆動軸207に入力される回転に従って、穿孔刃202及び位置決め軸205が共に回転する。すなわち、該位置決め軸205は、一対の穿孔刃202と共に回転して壁材Wに進入可能に構成されている。さらに、穿孔具本体201のハンドル部208に設けられた切削深さ調整部208aが穿孔刃202及び位置決め軸205の突出量を制限可能であり、当該切削深さ調整部208aを回転させて、その目盛りを合わせることによって切削深さを調整することができる。
そして、図15に示すとおり、カバー体221の内部空間を第1空間S1及び第2空間S2に仕切るべく、摺動体211が穿孔刃202の後方に配置されている。該摺動体211は、円板状の摺動体本体212と、該摺動体本体212の外周に形成されたシール体213と、その中心で該摺動体本体212と回転駆動軸207とを連結する軸受け部216と、を備える。
摺動体本体212は、剛性の円板であり、合成樹脂や金属等で形成される。また、軸受け部216は、回転駆動軸207が摺動体本体212内で回転可能であるように、回転駆動軸207と摺動体本体212とを連結している。すなわち、該摺動体211では、電動工具250で回転駆動軸207を回転駆動したときに摺動体本体212は回転しないが、回転駆動軸207の前進に伴って摺動体本体212が前進するように摺動体本体212と回転駆動軸207とが連結されている。
摺動体本体212の外周面には、シール体213が形成されている。このシール体213は、スポンジ状又はゴム状の柔軟な合成樹脂(例えば、ゴムパッキン)で形成されており、弾性変形可能である。そして、該シール体213は、摺動体本体212の外周及びカバー体221の周壁221a内面の両方に対して、その周方向全周で接している。すなわち、摺動体211がカバー体221の内部空間を巨視的な気密状態で前端側の第1空間S1及び後端側の第2空間S2に仕切っている。そして、シール体213の外周面がカバー体周壁221a内面に接しつつ、摺動体211がカバー体221内で移動することにより、第1空間S1及び第2空間S2の体積比率が変化する。
さらに、カバー体221の周壁221a底部には、該カバー体221の内部空間の空気やダスト(切粉d)が通過可能な吸引口224が形成されている。該吸引口224は、(前進した)摺動体211よりも前端側に位置する。そして、吸引口224には、外部から吸引器240を接続するための接続部225が後方側に連設されている。すなわち、該接続部225は、吸引器240を接続して、吸引口224を介してカバー体221の内部空間の空気及び/又はダストを外部空間に排出可能とする。該接続部225は、実施例1の接続部125と同様の構造を有する。すなわち、吸引器240を接続部225に脱抜不能に接続することができる。
次に、図16及び図17を参照して、本実施形態の穿孔具200(穿孔装置、穿孔機構)を用いて、壁材Wに透孔を穿設する工程を説明する。
まず、壁材Wに楕円形状の透孔を穿孔する位置を定め、その穿孔中心位置を壁面にマーキングする。図示しないが、一般的に、壁裏に配設された配線ボックスの(配線器具用の)取付孔が透孔を介して壁表に臨むように透孔の位置が定められる。なお、円穿孔の場合、2つの正円状の透孔を上下に重合させるように壁材Wに穿孔して、配線ボックスの取付孔を壁表に臨ませることが一般的である。
そして、穿孔中心位置に位置決め軸205を合わせる。そして、穿孔具200の環状当接面222を壁面に押し付けて、位置決め軸205の先端を壁材Wに食い込ませる。このように環状当接面222が壁面に当接した状態では、カバー体221の開口端部221bが閉鎖され、カバー体221の内部空間が閉塞された状態にある。そして、図16に示すとおり、吸引器240を作動させることにより、吸引口224を介して、摺動体211で気密状態に仕切られた内部空間の前端側の空気を局所的に吸い出す。このとき、第1空間S1内の空気が選択的に吸い出され、第1空間S1内の気圧の方が第2空間S2の内の気圧よりも一時的に低くなる。この気圧差が摺動体211を前端側に移動させるように作用(助力)する。
次いで、図10に示すとおり、吸引器240を作動させて吸引口224から空気を吸引しつつ、回転駆動軸207に取り付けられた電動工具250を駆動させると共に穿孔具100(または電動工具250)を前方に押し込む。すなわち、吸引器240で摺動体211の前進を助力しつつ、摺動体211とともに穿孔刃202及び位置決め軸206を壁材W内に前進させる。図17に示すとおり、穿孔刃202の前進で壁材Wが切削されることにより、カバー体221内部で壁材Wの多量の切粉dが飛散する。この切粉dは、前進する摺動体211によって吸引口224付近に掻き集められ、吸引口224を通して空気とともに吸引器140に吸い込まれる。また、摺動体211によって第2空間S2が第1空間S1から隔絶されているので、切粉dが第2空間S2に入り込むことが防止されている。そして、穿孔刃202を壁材Wの裏面に抜けるまで前進させることにより、穿孔刃202の穿孔軌跡に対応する正円形状の透孔を壁材Wに穿設することができる。
(変形例)
本発明は、上述の実施例1〜2の形態に限定されず、種々の変形及び改変を想定している。すなわち、本発明の作用効果を発揮する限りにおいて、各部材の形状、材質等を任意に選択可能であり、あるいは、付随的な構成要素を任意に省略又は変更可能である。例えば、本発明は、変形例として以下の形態を取り得る。
・上記実施形態では、カバー体周壁内面に対してシール体がその周方向全体に亘って密接している。しかしながら、摺動体の前後に気圧差を形成可能であれば、シール体とカバー体周壁内面との接触が部分的に欠けていてもよい。
・上記実施形態では、穿孔具の回転駆動軸を駆動する手段として電動工具を挙げているが、手動の回転駆動手段を用いてもよい。あるいは、穿孔刃が回転しなくても壁材を穿孔(打ち抜き)可能に構成されていれば、回転駆動軸及び回転駆動手段を省略してもよい。例えば、前後に往復運動する穿孔刃で壁材に穿孔してもよい。このような場合、穿孔刃が回転運動しないため、穿孔刃の穿孔形状は楕円、正円形状に制限されず、任意の形状を選択可能である。例えば、穿孔刃の先端を矩形状にすることで、矩形状の透孔を壁材に穿設することができる。
・上記実施形態では、吸引器の一部を接続部に接続することによって、カバー体の内部空間の空気を吸引しているが、接続部を省略してもよい。すなわち、吸引器を吸引口に直接差し込んで、吸引器を手で保持しつつ内部空間の空気を吸引してもよい。
・本実施形態では、カバー体と穿孔具本体とが脱着可能に取りつけられているが、これらを一体的に形成することも可能である。
・本実施形態の穿孔具から、例えば、支持体、支持軸、位置決め軸、係合軸、水準器等を省略してもよい。
・上記実施形態では、吸引口を介して吸引器で壁材の切粉を吸引可能であるが、切粉を吸引せずに第1空間の空気のみを選択的に吸引してもよい。例えば、吸引口をカバー体の上部に配置してもよく、または、吸引口に通気性のフィルタを取り付けてもよい。
・上記実施形態では、摺動体が吸引口の前方に移動しないように配置されている。しかし、本発明は、摺動体が吸引口を超えて前方に移動することを制限するものではない。なぜなら、摺動体が吸引口の後方で前進する際に既に本発明の作用効果が発揮されているからである。
・上記実施形態は、穿孔具を別体の電動駆動手段(電動工具)で駆動する構成を採用した。しかしながら、本発明の穿孔具は、電動駆動手段を穿孔具に内蔵してもよい。例えば、穿孔具本体は、回転駆動軸に一体的に連結された電動モータ及び/又は該電動モータを駆動するための電源手段(電池、電源ケーブル等)を備えてもよい。
本発明は上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限りにおいて種々の態様で実施しうるものである。
100 穿孔具
101 穿孔具本体
102 穿孔刃
103 支持体
104 支持軸
105 位置決め軸
106 係合軸
107 回転駆動軸
108 ハンドル部
109 カバー体支持部
111 摺動体
112 摺動体本体
113 シール体
114 第1封止部材
115 第2封止部材
121 カバー体
121a 周壁
122 開口端部
122a 環状当接面
123 分割片
124 吸引口
125 接続部
128 被係合部
129 水準器
131 給気部
132 給気筒
133 給気口
134 給気孔
140 吸引器(掃除機)
150 電動工具(電動ドライバ)
S1 第1空間
S2 第2空間
W 壁材
d 切粉

Claims (8)

  1. 壁材を所定の穿孔軌跡で穿孔する穿孔刃、及び、該穿孔刃を覆うとともに前端に開口端部を有するカバー体を備え、前記カバー体の前記開口端部を前記壁材に当接させた状態で前記穿孔刃を前記カバー体の前記開口端部から前進させることにより、前記壁材に透孔を穿設する穿孔具であって、
    前記穿孔刃の移動に伴って前記カバー体内部を前後に摺動可能であり、前記カバー体の内部空間を前端側の第1空間と後端側の第2空間とに所定の気密性で仕切る摺動体を備え、
    前記カバー体の前記周壁には、前記摺動体よりも前端側に吸引口が形成され、前記カバー体の前記開口端部が前記壁材に当接した状態で前記吸引口を介して前記第1空間の空気が吸引されることにより、前記第2空間に対して前記第1空間が負圧になって前記穿孔刃の前進が助力されることを特徴とする穿孔具。
  2. 前記吸引口には、空気とともに前記壁材の切粉を吸引可能な吸引器が接続される接続部が設けられており、前記カバー体の前記開口端部が前記壁材に当接した状態で、前記吸引口に接続された前記吸引器で前記第1空間の空気が選択的に吸引されると、前記摺動体が前端側に引き寄せられて前記穿孔刃の前進が助力されることを特徴とする請求項1に記載の穿孔具。
  3. 前記カバー体には、前記吸引口を介して前記第1空間の空気を吸引したときに、前記第1空間を負圧に維持しつつ、前記第1空間内で前記吸引口に向かう気流を形成すべく、外部空間から前記第1空間に空気を給気するための給気部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の穿孔具。
  4. 前記摺動体の外周面が前記カバー体の周壁内面に全周に亘って密接していることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の穿孔具。
  5. 前記摺動体は、前記穿孔刃を駆動可能に支持するとともに前記穿孔刃を伴って前記カバー体内を移動する摺動体本体と、前記摺動体本体の外周に形成されて前記カバー体周壁の内面に密接するシール体と、を備えてなることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の穿孔具。
  6. 前記摺動体本体の前面及び後面の少なくとも一方には、前記摺動体本体の隙間を覆う封止部材が配置されていることを特徴とする請求項5に記載の穿孔具。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の穿孔具と、
    空気とともに前記壁材の切粉を吸引可能であり、前記吸引口に連接された接続部に接続された吸引器と、を備え、
    前記カバー体の前記開口端部が前記壁材に当接した状態で、前記吸引口に接続された前記吸引器で前記カバー体の前記内部空間の前端側の空気が局所的に吸引されると、前記摺動体が前方に引き寄せられて前記穿孔刃の前進が助力されることを特徴とする穿孔装置。
  8. 請求項1から6のいずれか一項に記載の穿孔具と、
    前記穿孔刃を回転駆動すべく、前記穿孔具の回転駆動軸に連結された電動工具と、
    空気とともに前記壁材の切粉を吸引可能であり、前記吸引口に連接された接続部に接続された吸引器と、を備え、
    前記カバー体の前記開口端部が前記壁材に当接した状態で、前記吸引口に接続された前記吸引器で前記カバー体の前記内部空間の空気の前端側が局所的に吸引されると、前記摺動体が前方に引き寄せられて前記穿孔刃の前進が助力されることを特徴とする穿孔機構。
JP2014089013A 2014-04-23 2014-04-23 穿孔具、穿孔装置及び穿孔機構 Active JP6317168B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014089013A JP6317168B2 (ja) 2014-04-23 2014-04-23 穿孔具、穿孔装置及び穿孔機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014089013A JP6317168B2 (ja) 2014-04-23 2014-04-23 穿孔具、穿孔装置及び穿孔機構

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015205491A JP2015205491A (ja) 2015-11-19
JP6317168B2 true JP6317168B2 (ja) 2018-04-25

Family

ID=54602755

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014089013A Active JP6317168B2 (ja) 2014-04-23 2014-04-23 穿孔具、穿孔装置及び穿孔機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6317168B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102028856B1 (ko) * 2019-02-18 2019-10-04 김순석 집진장치 및 그를 포함하는 천공장치

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0755404B2 (ja) * 1992-12-14 1995-06-14 富士重工業株式会社 穿孔機の冷却集塵装置
JP5285504B2 (ja) * 2009-05-21 2013-09-11 未来工業株式会社 穿孔具
JP5537379B2 (ja) * 2010-10-20 2014-07-02 株式会社マキタ 集塵装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015205491A (ja) 2015-11-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101199673B1 (ko) 천공 공구용 집진기구
JP5700991B2 (ja) 集塵ケースおよびそれを備えた切削加工機
US8397342B2 (en) Debris removal system for power tool
JP2011062447A (ja) 鼻毛カッター
JP2010162893A (ja) カッター組立体及び電動鉛筆削り機
JP6691484B2 (ja) 吸塵ドリル及び吸塵ユニット
CN104439391A (zh) 一种打孔除尘装置
JP2011062446A (ja) 鼻毛カッター
US8205648B2 (en) Electronic pencil sharpener
JP6317168B2 (ja) 穿孔具、穿孔装置及び穿孔機構
CN204353521U (zh) 一种打孔除尘装置
JP2009012395A (ja) 穿孔工具
KR20190086018A (ko) 회전 절삭 공구 및 회전 절삭 작동 조립체
US20200061734A1 (en) Chip collecting device
JP5993126B2 (ja) 吸塵装置
JP5229682B2 (ja) 穿孔工具
JP3836102B2 (ja) 壁孔穿孔器
JP5788746B2 (ja) 電動工具用集塵装置及び電動工具
JP6610212B2 (ja) 集塵装置及び穿孔機
JP2018062021A (ja) ホールソー
JP5451127B2 (ja) 穿孔具及び配線ボックスの開口形成穿孔装置
JPH10225811A (ja) 切粉受けカバー体を備えた穿孔具
JP4347021B2 (ja) 切断工具におけるダストケースの取り付け構造
JP4203366B2 (ja) 防塵カバー付き電動工具
JP5277729B2 (ja) 穿孔工具

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161215

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171019

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171211

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180306

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180329

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6317168

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250