JP6316271B2 - 質量分析計によって試料を迅速にスクリーニングするためシステムおよび方法 - Google Patents

質量分析計によって試料を迅速にスクリーニングするためシステムおよび方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6316271B2
JP6316271B2 JP2015255681A JP2015255681A JP6316271B2 JP 6316271 B2 JP6316271 B2 JP 6316271B2 JP 2015255681 A JP2015255681 A JP 2015255681A JP 2015255681 A JP2015255681 A JP 2015255681A JP 6316271 B2 JP6316271 B2 JP 6316271B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
tandem mass
mass
precursor
mass spectrometer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015255681A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016042105A (ja
Inventor
ボナー ロナルド
ボナー ロナルド
エー. テイト スティーブン
エー. テイト スティーブン
Original Assignee
ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド
ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド, ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド filed Critical ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド
Publication of JP2016042105A publication Critical patent/JP2016042105A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6316271B2 publication Critical patent/JP6316271B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/004Combinations of spectrometers, tandem spectrometers, e.g. MS/MS, MSn
    • H01J49/0045Combinations of spectrometers, tandem spectrometers, e.g. MS/MS, MSn characterised by the fragmentation or other specific reaction
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/0027Methods for using particle spectrometers
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/0027Methods for using particle spectrometers
    • H01J49/0031Step by step routines describing the use of the apparatus
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • H01J49/04Arrangements for introducing or extracting samples to be analysed, e.g. vacuum locks; Arrangements for external adjustment of electron- or ion-optical components

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)

Description

(関連出願の引用)
本願は、米国仮特許出願第61/411,028号(2010年11月8日出願)の利益を主張する。該出願は、その全体が参照により本明細書に引用される。
多くの用途では、実行されるべき多くの試料が存在するか、またはその結果が迅速に要求されるので、迅速な分析の必要性がある。多くの試料を要求する用途として、薬物スクリーニング、創薬代謝、ネットワーク生物学および生物学的実験、食物分析、プロセスモニタリング、法医学のためのDNA分析、ならびに低分子干渉RNA(siRNA)スクリーニングが挙げられるが、それらに制限されない。結果が迅速に返されることを要求する用途として、診断、薬物ドーピング、食物分析、および治療的モニタリングが挙げられるが、それらに制限されない。
迅速な試料分析を提供する方法の1つは、高速分離技法を従来の高分解能質量分析方法と結合するものである。例えば、試料は、高試料速度において、システム内に注入される。1つの高分解能質量スペクトルが、各試料に対して生成される。異なる試料のスペクトルが、次いで、比較される。
本方法は、試料間の小および大分子の明白な差異を同定することができるが、これらの差異のほんの僅かのみ、疾患等の着目項目を示し得る。最後に、本方法を使用することによって、僅かではあるが、重要な差異が、イオン抑制、非分解異性体、マトリクス効果、または同重体種が挙げられ得るが、それらに制限されない、追加の複雑性のため、喪失または隠され得る。
種々の実施形態において、非クロマトグラフ的である高速試料導入技法が、着目質量範囲全体にわたって、2つ以上の質量選択窓において、断片化スキャンを行い、迅速な試料分析方法を提供するタンデム質量分析技法と結合される。本方法は、意義深い結果を生成するための十分なMS/MS情報を提供することができ、かつ結果における重要な複雑性を明らかにすることができる。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
試料を迅速にスクリーニングするためのシステムであって、
タンデム質量分析計と、
非クロマトグラフ的である高速試料導入デバイスであって、前記タンデム質量分析計に複数の試料のうちの各試料を供給する高速試料導入デバイスと、
前記タンデム質量分析計および前記高速試料導入デバイスと通信しているプロセッサと
を備え、
前記プロセッサは、前記高速試料導入デバイスに、前記各試料を前記タンデム質量分析計に供給するように命令し、前記タンデム質量分析計に、前記各試料の着目質量範囲全体にわたって、2つ以上の質量選択窓において、断片化スキャンを実施するように命令する、システム。
(項目2)
前記2つ以上の質量選択窓は、固定の窓幅を有している、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記2つ以上の質量選択窓のうちの少なくとも2つは、異なる窓幅を有している、項目1に記載のシステム。
(項目4)
前記プロセッサは、前記プロセッサが、前記タンデム質量分析計に、前記断片化スキャンを実施するように命令する前に、前記タンデム質量分析計に、前記質量範囲の質量スペクトルを得るように命令する、項目1に記載のシステム。
(項目5)
前記高速試料導入デバイスは、フローインジェクション分析デバイス、イオン移動度分析デバイス、または迅速な試料清浄デバイスを備えている、項目1に記載のシステム。
(項目6)
前記プロセッサは、前記タンデム質量分析計に、前記2つ以上の質量選択窓のうちの少なくとも2つの間において、前記タンデム質量分析計の少なくとも1つのパラメータを変動させるように命令する、項目1に記載のシステム。
(項目7)
試料を迅速にスクリーニングする方法であって、
プロセッサを使用して、非クロマトグラフ的である高速試料導入デバイスに、複数の試料のうちの各試料をタンデム質量分析計に供給するように命令することと、
前記プロセッサを使用して、前記タンデム質量分析計に、前記各試料の着目質量範囲全体にわたって、2つ以上の質量選択窓において、断片化スキャンを実施するように命令することと
を含む、方法。
(項目8)
前記2つ以上の質量選択窓は、固定の窓幅を有している、項目7に記載の方法。
(項目9)
前記2つ以上の質量選択窓のうちの少なくとも2つは、異なる窓幅を有している、項目7に記載の方法。
(項目10)
前記プロセッサを使用して、前記タンデム質量分析計に、前記断片化スキャンを実施するように命令する前に、前記タンデム質量分析計に、前記質量範囲の質量スペクトルを得るように命令することをさらに含む、項目7に記載の方法。
(項目11)
前記プロセッサを使用して、前記タンデム質量分析計に、前記2つ以上の質量選択窓のうちの少なくとも2つの間において、前記タンデム質量分析計の少なくとも1つのパラメータを変動させるように命令することをさらに含む、項目7に記載の方法。
(項目12)
そのコンテンツがプログラムを含む非一時的かつ有形のコンピュータ可読記憶媒体を備えているコンピュータプログラム製品であって、前記プログラムは、試料を迅速にスクリーニングする方法を実施するようにプロセッサ上で実行される命令を有し、前記方法は、
システムを提供することであって、前記システムは、1つ以上の個別ソフトウェアモジュールを備え、前記個別ソフトウェアモジュールは、高速試料導入モジュールおよびタンデム質量分析モジュールを備えている、ことと、
前記高速試料導入モジュールを使用して、非クロマトグラフ的である高速試料導入デバイスに、複数の試料のうちの各試料をタンデム質量分析計に供給するように命令することと、
前記タンデム質量分析モジュールを使用して、前記タンデム質量分析計に、前記各試料の着目質量範囲全体にわたって、2つ以上の質量選択窓において、断片化スキャンを実施するように命令することと
を含む、コンピュータプログラム製品。
(項目13)
前記2つ以上の質量選択窓は、固定の窓幅を有している、項目12に記載のコンピュータプログラム製品。
(項目14)
前記2つ以上の質量選択窓のうちの少なくとも2つは、異なる窓幅を有している、項目12に記載のコンピュータプログラム製品。
(項目15)
前記タンデム質量分析モジュールを使用して、前記タンデム質量分析計に、前記断片化スキャンを実施するように命令する前に、前記タンデム質量分析計に、前記質量範囲の質量スペクトルを得るように命令することをさらに含む、項目12に記載のコンピュータプログラム製品。
当業者は、後述の図面が、例証目的に過ぎないことを理解するであろう。図面は、本教示の範囲をいかようにも制限することを意図するものではない。
図1は、本教示の実施形態が実装され得る、コンピュータシステムを例証するブロック図である。 図2は、種々の実施形態による、試料を迅速にスクリーニングするためのシステムを示す概略図である。 図3は、種々の実施形態による、試料を迅速にスクリーニングする方法を示す、例示的流れ図である。 図4は、種々の実施形態による、試料を迅速にスクリーニングする方法を実施する、1つ以上の個別のソフトウェアモジュールを含むシステムの概略図である。
本教示の1つ以上の実施形態を詳細に説明する前に、当業者は、本教示が、その適用において、以下の発明を実施するための形態に記載される、または図面に例証される、構造、構成要素の配列、およびステップの配列の詳細に制限されないことを理解するであろう。また、本明細書で使用される表現および専門用語は、説明の目的のためであって、制限としてみなされるべきではないことを理解されたい。
(コンピュータ実装システム)
図1は、本教示の実施形態が実装され得る、コンピュータシステム100を例証するブロック図である。コンピュータシステム100は、情報を通信するためのバス102または他の通信機構と、情報を処理するためにバス102と結合されたプロセッサ104とを含む。コンピュータシステム100は、プロセッサ104によって実行される命令を記憶するために、バス102に結合されるランダムアクセスメモリ(RAM)または他の動的記憶デバイスであり得るメモリ106も含む。メモリ106は、プロセッサ104によって実行される命令の実行の間、一時的変数または他の中間情報を記憶するためにも使用され得る。コンピュータシステム100は、プロセッサ104のための静的情報および命令を記憶するために、バス102に結合された読取専用メモリ(ROM)108または他の静的記憶デバイスをさらに含む。磁気ディスクまたは光ディスク等の記憶デバイス110は、情報および命令を記憶するために提供され、バス102に結合される。
コンピュータシステム100は、情報をコンピュータユーザに表示するために、バス102を介して、ブラウン管(CRT)または液晶ディスプレイ(LCD)等のディスプレイ112に結合され得る。英数字および他のキーを含む入力デバイス114は、情報およびコマンド選択をプロセッサ104に通信するために、バス102に結合される。別のタイプのユーザ入力デバイスは、方向情報およびコマンド選択をプロセッサ104に通信し、ディスプレイ112上のカーソル移動を制御するためのマウス、トラックボール、またはカーソル方向キー等のカーソル制御116である。本入力デバイスは、典型的には、デバイスが平面において位置を指定することを可能にする2つの軸、すなわち、第1の軸(すなわち、x)および第2の軸(すなわち、y)において、2自由度を有する。
コンピュータシステム100は、本教示を実施することができる。本教示のある実装によると、結果は、メモリ106内に含まれる1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスをプロセッサ104が実行することに応答して、コンピュータシステム100によって提供される。そのような命令は、記憶デバイス110等の別のコンピュータ可読媒体から、メモリ106内に読み込まれ得る。メモリ106内に含まれる命令のシーケンスの実行は、プロセッサ104に、本明細書に説明されるプロセスを行わせる。代替として、有線回路が、本教示を実装するためのソフトウェア命令の代わりに、またはそれと組み合わせて、使用され得る。したがって、本教示の実装は、ハードウェア回路およびソフトウェアの任意の具体的組み合わせに制限されない。
用語「コンピュータ可読媒体」は、本明細書で使用される場合、実行のために、命令をプロセッサ104に提供する際に関与する任意の媒体を指す。そのような媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体、および伝送媒体を含むが、それらに制限されない、多くの形態をとり得る。不揮発性媒体は、例えば、記憶デバイス110等の光学または磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、メモリ106等の動的メモリを含む。伝送媒体は、バス102を備えている配線を含む、同軸ケーブル、銅線、および光ファイバを含む。
コンピュータ可読媒体の一般的形態として、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、または任意の他の磁気媒体、CD−ROM、デジタルビデオディスク(DVD)、ブルーレイディスク、任意の他の光学媒体、サムドライブ、メモリカード、RAM、PROM、およびEPROM、フラッシュ−EPROM、任意の他のメモリチップまたはカートリッジ、あるいはコンピュータが読み取ることができる、任意の他の有形媒体が挙げられる。
コンピュータ可読媒体の種々の形態は、実行のために、1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスをプロセッサ104に搬送することに関わり得る。例えば、命令は、最初は、遠隔コンピュータの磁気ディスク上で搬送され得る。遠隔コンピュータは、命令をその動的メモリ内にロードし、モデムを使用して、電話回線を介して、命令を送信することができる。コンピュータシステム100にローカルのモデムは、データを電話回線上で受信し、赤外線送信機を使用して、データを赤外線信号に変換することができる。バス102に結合された赤外線検出器は、赤外線信号で搬送されるデータを受信し、データをバス102上に配置することができる。バス102は、データをメモリ106に搬送し、そこから、プロセッサ104は、命令を読み出し、実行する。メモリ106によって受信された命令は、随意に、プロセッサ104による実行の前後に、記憶デバイス110上に記憶され得る。
種々の実施形態による、方法を実施するためにプロセッサによって実行されるように構成される命令は、コンピュータ可読媒体上に記憶される。コンピュータ可読媒体は、デジタル情報を記憶するデバイスであることができる。例えば、コンピュータ可読媒体は、ソフトウェアを記憶するために、当技術分野において周知のように、コンパクトディスク読取専用メモリ(CD−ROM)を含む。コンピュータ可読媒体は、実行されるように構成される命令を実行するために好適なプロセッサによってアクセスされる。
本教示の種々の実装の以下の説明は、例証および説明の目的のために提示される。包括的でもなく、本教示を開示される精密な形態に制限するものでもない。修正および変形例は、前述の教示に照らして可能である、または本教示の実践から取得され得る。加えて、説明される実装は、ソフトウェアを含むが、本教示は、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせとして、またはハードウェア単独において、実装され得る。本教示は、オブジェクト指向および非オブジェクト指向両方のプログラミングシステムによって実装され得る。
(データ処理のシステムおよび方法)
前述のように、迅速な試料分析は、試料処理量を増加させること、または要求される結果を迅速に生成することにおいてに有用である。迅速な試料分析を提供する従来の方法は、高速分離技法を高分解能質量分析(MS)と結合することを含んでいる。そのような方法は、多くの場合、イオン抑制、非分解異性体、マトリクス効果、または同重体種が挙げられ得るが、それらに制限されない、追加の複雑な関係によって生じる結果における複雑性を明らかにすることが可能ではない。別の従来の方法は、高速分離技法を使用して、試料を導入し、MSスキャンを迅速に発生させ、次いで、MSスペクトルにおいて同定された選択イオンに関して、タンデム質量分析、すなわち、質量分析/質量分析(MS/MS)を実施するものである。高処理量を維持するために、制限された数のMS/MSスペクトルのみ、この方法で取得することができる。
非クロマトグラフ的である高速試料導入技法として、フローインジェクション分析(FIA)、移動度分析、または迅速試料清浄技法が挙げられ得るが、それらに制限されない。迅速試料清浄技法として、例えば、トラップおよび溶出技法が挙げられ得る。高速試料導入技法は、例えば、毎分約1試料の速度または頻度において、タンデム質量分析に対して試料を注入することができる。
タンデム質量分析は、異なる試料間のデータの複雑性を明らかにするために使用される。例えば、タンデム質量分析は、異性体を分解することができる。単一質量スペクトルでは、同一質量の異性体が存在することを明らかにしない。しかしながら、ある試料中の質量からの断片が、別の試料中の同一質量からの断片と若干異なり得るので、それらの異性体を断片化することは、異なる質量において試料間に差異があることを明らかにすることができる。
タンデム質量分析計上で実施される方法の特定性は、質量分析器に、狭質量選択窓幅、すなわち、前駆体質量選択窓幅を提供することによって改善される。狭質量選択窓幅は、例えば、1原子質量単位(amu)のオーダーである。代替として、方法の感度は、質量分析器に、広質量選択窓幅を提供することによって改善される。広質量選択窓幅は、例えば、約20または200amuである。
種々の実施形態において、十分な感度を伴う質量選択窓幅は、迅速な試料分析方法におけるタンデム質量分析計の第1の質量分析段階のために選択される。本質量選択窓幅を移動させることによって、短時間内に、どの質量を断片化させるかを決定する必要なく、質量範囲全体を断片化させることが可能となる。
より広い質量選択窓を選択することは、ある質量範囲を対象とするためにより少ない断片化スキャンを必要とする。例えば、狭質量選択窓幅1amuを使用してスキャンされる質量範囲200amuから600は、400回の断片化スキャンを必要とする。より広い質量選択窓幅100amuの使用は、僅か4回の断片化スキャンを必要とする。より広い質量選択窓は、したがって、試料が高速試料導入技法によって注入される速度において、試料を分析するために、着目質量範囲全体にわたって、試料を断片化するために使用される。
前述のように、より広い質量選択窓の選択は、タンデム質量分析の第1の段階のためにより狭い質量選択を選択するよりも、より優れた感度およびより低特定性を提供する。しかしながら、タンデム質量分析の第2の段階における高分解能検出を通して、いかなる特定性の喪失も取り戻すことができる。その結果、高特定性および高感度の両方を、全体的方法によって提供することができる。
種々の実施形態において、断片化スキャンは、ある質量範囲にわたって、均一または固定質量選択窓において生じる。質量範囲は、例えば、試料の好ましい質量範囲または試料の質量範囲全体を含むことができる。
質量分析ハードウェアにおける近年の発展は、ある質量範囲にわたって、単一値の代わりに、タンデム質量分析計の質量選択窓幅が変動されること、または任意の値に設定されることを可能にした。例えば、四重極質量フィルタまたは分析器に印加される無線周波数(RF)および直流(DC)電圧の両方の独立制御が、可変質量選択窓幅の選択を可能にすることができる。任意のタイプのタンデム質量分析計が、可変質量選択窓幅の選択を可能にすることができる。タンデム質量分析計は、2つ以上の質量分析を実施する1つ以上の物理的な質量分析器を含むことができる。タンデム質量分析計の質量分析器として、飛行時間(TOF)、四重極、イオントラップ、線形イオントラップ、オービトラップ、またはフーリエ変換質量分析器が挙げられ得るが、それらに制限されない。
種々の実施形態において、断片化スキャンは、ある質量範囲にわたって、可変質量選択窓とともに生じる。分析のある質量範囲にわたって、質量選択窓幅の値を変動させることは、特定性、感度、および分析の速度を改善することができる。例えば、化合物が存在することが既知である質量範囲の領域では、狭質量選択窓幅が使用される。これは、既知の化合物の特定性を向上させる。化合物が存在しないことが既知である質量範囲の領域では、広質量選択窓幅が使用される。これは、未知の化合物を見付け、それによって、分析の感度を改善することを可能にする。広および狭範囲の組み合わせは、固定狭窓を使用するよりも高速でスキャンを完了させることを可能にする。
また、質量範囲のある領域において、狭質量選択窓幅を使用することによって、質量スペクトル内の他の質量ピークは、着目質量ピークの分析に影響を及ぼす可能性が低い。他の質量ピークによって生じ得る影響の一部として、飽和、イオン抑制、または空間電荷効果が挙げられ得るが、それらに制限されない。
種々の実施形態において、質量範囲の一部に対して選定される質量選択窓幅の値は、試料に関する既知の情報に基づく。言い換えると、質量選択窓幅の値は、試料の既知または予期される複雑性に基づいて、質量範囲にわたって調節される。したがって、試料がより複雑である、または多数のイオンを有する場合、より狭い質量選択窓幅が使用され、試料が、あまり複雑ではない、または少数のイオンを有する場合、より広い質量選択窓幅が使用される。試料の複雑性は、例えば、試料の化合物分子量プロファイルを作成することによって決定することができる。
試料の化合物分子量プロファイルは、いくつかの方法において作成することができる。加えて、試料の化合物分子量プロファイルは、データ取得前またはデータ取得中に作成することができる。さらに、試料の化合物分子量プロファイルは、データ取得中にリアルタイムで作成することができる。
種々の実施形態において、ある質量範囲にわたって、可変窓幅を定義するために使用される化合物分子量プロファイルは、好ましくは、データ取得前に作成され、迅速な試料分析方法によって分析される全試料のために使用される。試料間で可変窓幅を変動させないことは、試料間の差異を容易に見つけることを可能にする。
タンデム質量分析計の他のパラメータは、ある質量範囲にわたって選択される、質量選択窓幅に依存する。これらの他のパラメータとして、衝突エネルギー等のイオン光学要素、または、例えば、蓄積時間等の非イオン光学要素が挙げられ得る。
その結果、種々の実施形態において、試料の分析はさらに、ある質量範囲にわたって、質量選択窓幅以外のタンデム質量分析計の1つ以上のパラメータを変動させることを含むことができる。そのようなパラメータを変動させることは、前述の追加の複雑性の望ましくない影響を低減させることができる。例えば、前駆体イオンが存在しないと考えられる、窓付き領域の断片化を通して、かつこれらの窓に対する蓄積時間を変動させることによって、マトリクス抑制の潜在的影響は、ある程度、緩和することができる。
種々の実施形態において、1つ以上の試料は、固定または可変質量選択窓幅を使用する後続分析の前に、分析されることができる。本試料の分析は、完全な分析または単一スキャンを含むことができる。完全な分析は、例えば、2つ以上のスキャンを含む。スキャンは、サーベイスキャン、ニュートラルロススキャン、または前駆体スキャンであり得るが、それらに制限されない。スキャンは、例えば、高分解能質量分析(HRMS)スペクトルを提供することができる。HRMSスペクトルは、前駆体イオンの正確な質量を決定するために使用されることができ、または1つ以上の試料中の前駆体イオンの質量分布を決定し、例えば、窓幅を定義するために使用されることができる。
HRMSスペクトルは、試料の指紋として使用することができる。ある場合には、指紋の比較は、ある質量範囲にわたって、窓内の全前駆体イオンを断片化する方法の標的であろう差異を既に示し得る一方、その他では、指紋は、窓幅および蓄積時間を決定するために使用されることができる。これは、例えば、ピーク密度(より多くのピークを伴う領域は、より狭い窓となる)またはピーク強度(大きなピークは、より狭い窓および短蓄積時間となる一方、他の領域は、ピーク密度に基づく窓に伴って、より時間が長くなる)に基づき得る。
迅速な試料分析方法後、データは、着目情報のためにマイニングされ、例えば、他の試料との比較または再分析のために記憶される。非常に高速なデータマイニングは、、例えば、ネットワーク生物学実験または高処理量スクリーニング(HTS)のために、あるいは結果の迅速ターンアラウンドを提供するために、多くの試料が実行されることを可能にする。非常に高度な検定の情報コンテンツは、2次元(2D)マップを試料から作成可能にする。データマイニングツールおよび技法は、(1)ライブラリ検索を行い、イオントレースまたはイオンプロファイルを作成するために使用することができる予期される化合物のライブラリ、(2)認められ得る潜在的ニュートラルロスによって決定される質量の分離を可能にするであろう抽出技法、ならびに(3)画像走査または試料中の類似性および差異の同定のための他の技法の使用を含み得るが、それらに制限されない。
情報の追加のレベルも、迅速な試料分析方法から抽出されることができる。例えば、多くの場合、同定(化合物の破壊曲線)またはデコンボリューションのための追加の情報が存在するように、異なる衝突エネルギーにおいて、いくつかのスキャンを実施することが可能である。例えば、化合物のMS/MSスペクトルは、複数の試料にわたる相関によって見つけることができる。すなわち、多くの試料にわたって、同一挙動を有する断片は、恐らく、同一化合物に由来する。デコンボリューションは、相関による化合物のスペクトルのデコンボリューションを伴う。
試料調製は、迅速な試料分析方法の別の重要な側面である。試料調製、特に、断片化は、化合物の種類を分離するために必要とされ、したがって、適切な窓および分析条件が適用されることができる。試料の事前濃縮もまた、潜在的に、例えば、固相抽出を介して、要求され、したがって、濃度は、検出可能レベルまで増加されることができる。必要とされる試料調製の量は、試料複雑性ならびに要求される感度および化合物の対象範囲に依存する。いくつかの用途では、それは、最小であり、その他では、非常に広範囲である。しかしながら、試料調製は、実際の分析速度が維持されるように、オフラインかつ自動様式において実施されることができる。
種々の実施形態において、迅速な試料分析方法は、合理的時間尺度において、数千個の試料を分析可能にすることによって、ネットワーク生物学を有意に有効化し得る。大規模自動化試料調製は、分析に先立って、試料(恐らく、1mLの血清または血漿)を化合物の種類(糖類、ヌクレオシド、アミノ酸、有機酸;脂質;ペプチド;タンパク質;miRNA…等の小極性分子)に細分するために使用される。類似アプローチは、市販製品(例えば、小規模および大規模治療法)、食物等を特徴づけるために使用される。
(タンデム質量分析システム)
図2は、種々の実施形態による、試料を迅速にスクリーニングするためのシステム200を示す概略図である。システム200は、タンデム質量分析計210、プロセッサ220、および高速試料導入デバイス230を含む。プロセッサ220は、コンピュータ、マイクロプロセッサ、または、質量分析計210および高速試料導入デバイス230に制御信号を送信し、それらからデータを受信し、データを処理可能な任意のデバイスであり得るが、それらに制限されない。
タンデム質量分析計210は、2つ以上の質量分析を実施する、1つ以上の物理的質量分析器を含むことができる。タンデム質量分析計の質量分析器として、飛行時間(TOF)、四重極、イオントラップ、線形イオントラップ、オービトラップ、またはフーリエ変換質量分析器が挙げられ得るが、それらに制限されない。タンデム質量分析計210は、それぞれ、空間または時間において、別個の質量分析段階またはステップを含むことができる。
高速試料導入デバイス230は、非クロマトグラフ的であり、FIA、イオン移動度分析、または迅速試料清浄技法を含むが、それらに制限されない、高速試料導入技法を実施することができる。高速試料導入デバイス230は、タンデム質量分析計210の一部であることも、システム200に示されるように、別個のデバイスであることもできる。高速試料導入デバイス230は、タンデム質量分析計210に、複数の試料のうちの各試料を供給する。
プロセッサ220は、タンデム質量分析計210および高速試料導入デバイス230と通信する。プロセッサ220は、高速試料導入デバイス230に、複数の試料のうちの各試料をタンデム質量分析計210に供給するように命令する。プロセッサ220は、次いで、タンデム質量分析計210に、各試料の着目質量範囲全体にわたって、2つ以上の質量選択窓において、断片化スキャンを実施するように命令する。2つ以上の質量選択窓は、例えば、隣接する質量選択窓である。
種々の実施形態において、質量範囲にわたって使用される2つ以上の質量選択窓は、固定の窓幅を有する。種々の実施形態において、質量範囲にわたって使用される2つ以上の質量選択窓のうちの少なくとも2つは、異なる窓幅を有する。
種々の実施形態において、プロセッサ220は、プロセッサ220が、タンデム質量分析計に、断片化スキャンを実施するように命令する前に、タンデム質量分析計210に、質量範囲の質量スペクトルを得るように命令する。
種々の実施形態において、プロセッサ220は、タンデム質量分析計210に、質量範囲にわたって使用される2つ以上の質量選択窓のうちの少なくとも2つの間において、タンデム質量分析計210の少なくとも1つのパラメータを変動させるように命令する。
(タンデム質量分析方法)
図3は、種々の実施形態による、試料を迅速にスクリーニングする方法300を示す、例示的流れ図である。
方法300のステップ310では、プロセッサを使用して、非クロマトグラフ的である高速試料導入デバイスが、複数の試料のうちの各試料をタンデム質量分析計に供給するように命令される。
ステップ320では、プロセッサを使用して、タンデム質量分析計が、複数の試料のうちの各試料の着目質量範囲全体にわたって、2つ以上の質量選択窓において、断片化スキャンを実施するように命令される。
(タンデム質量分析コンピュータプログラム製品)
種々の実施形態において、コンピュータプログラム製品は、非一時的かつ有形コンピュータ可読記憶媒体を含み、そのコンテンツは、試料を迅速にスクリーニングする方法を実施するように、プロセッサ上で実行される命令を伴う、プログラムを含む。本方法は、1つ以上の個別のソフトウェアモジュールを含むシステムによって実施される。
図4は、種々の実施形態による、試料を迅速にスクリーニングする方法を実施する、1つ以上の個別のソフトウェアモジュールを含む、システム400を示す概略図である。システム400は、高速試料導入モジュール410およびタンデム質量分析モジュール420を含む。
高速試料導入モジュール410は非クロマトグラフ的である高速試料導入デバイスに、複数の試料のうちの各試料をタンデム質量分析計に供給するように命令する。タンデム質量分析モジュール420は、タンデム質量分析計に、複数の試料のうちの各試料の着目質量範囲全体にわたって、2つ以上の質量選択窓において、断片化スキャンを実施するように命令する。
本教示は、種々の実施形態と併せて説明されるが、本教示が、そのような実施形態に制限されることを意図するものではない。対照的に、本教示は、当業者によって理解されるように、種々の代替、修正、および均等物を包含する。
さらに、種々の実施形態の説明において、本明細書は、ステップの特定のシーケンスとして、方法および/またはプロセスを提示し得る。しかしながら、方法またはプロセスが本明細書に記載されるステップの特定の順序に依拠しない程度において、方法またはプロセスは、説明されるステップの特定のシーケンスに制限されるべきではない。当業者が理解するであろうように、ステップの他のシーケンスも可能であり得る。したがって、本明細書に記載されるステップの特定の順序は、請求項に関する制限として解釈されるべきでない。加えて、方法および/またはプロセスを対象とする請求項は、そのステップの実施を書かれた順序に制限されるべきではなく、当業者は、シーケンスが、変動され得、依然として、種々の実施形態の精神および範囲内にあることを容易に理解することができる。

Claims (16)

  1. 試料を迅速にスクリーニングするためのシステムであって、前記システムは、
    タンデム質量分析計と、
    非クロマトグラフ的である高速試料導入デバイスであって、前記高速試料導入デバイスは、前記タンデム質量分析計に、複数の試料のうちの各試料を供給する、高速試料導入デバイスと、
    前記タンデム質量分析計および前記高速試料導入デバイスと通信しているプロセッサと
    を備え、
    前記プロセッサは、
    前記タンデム質量分析計に、前記高速試料導入デバイスによって供給される前記各試料のサーベイスキャンを実施することにより前駆体質量スペクトルを得るように命令することと、
    前記前駆体質量スペクトルから前記各試料中の前駆体イオンの質量分布を決定することにより、前記各試料の着目質量範囲全体にわたって2つ以上の広前駆体質量選択窓を定義することであって、前記2つ以上の広前駆体質量選択窓のうちの少なくとも2つは、異なる窓幅を有する、ことと、
    前記タンデム質量分析計に、前記各試料の前記着目質量範囲全体にわたって、前記2つ以上の広前駆体質量選択窓において、断片化スキャンを実施するように命令することと
    を実行する、システム。
  2. 前記タンデム質量分析計は、無線周波数(RF)電圧および直流(DC)電圧の両方の独立制御を可能にする四重極質量フィルタを含む、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記プロセッサは、
    前記タンデム質量分析計に、前記タンデム質量分析計の前記四重極質量フィルタの前記RF電圧および前記DC電圧を独立して制御することにより、前記各試料の前記着目質量範囲全体にわたって、前記2つ以上の広前駆体質量選択窓において、断片化スキャンを実施するように命令する、請求項2に記載のシステム。
  4. 前記高速試料導入デバイスは、フローインジェクション分析デバイス、イオン移動度分析デバイス、または迅速な試料清浄デバイスを備えている、請求項1に記載のシステム。
  5. 前記プロセッサは、前記タンデム質量分析計に、前記2つ以上の広前駆体質量選択窓のうちの少なくとも2つの間において、前記タンデム質量分析計の少なくとも1つのパラメータを変動させるように命令する、請求項1に記載のシステム。
  6. 前記プロセッサは、
    前記プロセッサが、前記タンデム質量分析計に、前記各試料のサーベイスキャンを実施することにより前駆体質量スペクトルを得るように命令する前に、前記高速試料導入デバイスに、前記各試料を前記タンデム質量分析計に供給するように命令する、請求項1に記載のシステム。
  7. 前記複数の試料は、前記高速試料導入デバイスによって注入される、請求項1に記載のシステム。
  8. 試料を迅速にスクリーニングする方法であって、前記方法は、
    プロセッサを使用して、非クロマトグラフ的である高速試料導入デバイスに、複数の試料のうちの各試料をタンデム質量分析計に供給するように命令することと、
    前記プロセッサを使用して、前記タンデム質量分析計に、前記高速試料導入デバイスによって供給される前記各試料のサーベイスキャンを実施することにより前駆体質量スペクトルを得るように命令することと、
    前記プロセッサを使用して、前記前駆体質量スペクトルから前記各試料中の前駆体イオンの質量分布を決定することにより、前記各試料の着目質量範囲全体にわたって2つ以上の広前駆体質量選択窓を定義することであって、前記2つ以上の広前駆体質量選択窓のうちの少なくとも2つは、異なる窓幅を有する、ことと、
    前記プロセッサを使用して、前記タンデム質量分析計に、前記各試料の前記着目質量範囲全体にわたって、前記2つ以上の広前駆体質量選択窓において、断片化スキャンを実施するように命令することと
    を含む、方法。
  9. 前記タンデム質量分析計は、無線周波数(RF)電圧および直流(DC)電圧の両方の独立制御を可能にする四重極質量フィルタを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記タンデム質量分析計に断片化スキャンを実施するように命令するステップは、
    前記タンデム質量分析計に、前記タンデム質量分析計の前記四重極質量フィルタの前記RF電圧および前記DC電圧を独立して制御することにより、前記各試料の前記着目質量範囲全体にわたって、前記2つ以上の広前駆体質量選択窓において、断片化スキャンを実施するように命令することを含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記プロセッサを使用して、前記タンデム質量分析計に、前記2つ以上の広前駆体質量選択窓のうちの少なくとも2つの間において、前記タンデム質量分析計の少なくとも1つのパラメータを変動させるように命令することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
  12. 前記複数の試料は、前記高速試料導入デバイスによって注入される、請求項8に記載の方法。
  13. コンテンツがプログラムを含む非一時的かつ有形のコンピュータ可読記憶媒体を備えているコンピュータプログラム製品であって、前記プログラムは、システムを使用して、試料を迅速にスクリーニングする方法を実施するようにプロセッサ上で実行される命令を有し、前記システムは、1つ以上の個別ソフトウェアモジュールを備え、前記個別ソフトウェアモジュールは、高速試料導入モジュールおよびタンデム質量分析モジュールを備えており、前記方法は、
    非クロマトグラフ的である高速試料導入デバイスに、前記高速試料導入モジュールを使用して、複数の試料のうちの各試料をタンデム質量分析計に供給するように命令することと、
    前記タンデム質量分析計に、前記タンデム質量分析モジュールを使用して、前記高速試料導入デバイスによって供給される前記各試料のサーベイスキャンを実施することにより前駆体質量スペクトルを得るように命令することと、
    前記タンデム質量分析モジュールを使用して、前記前駆体質量スペクトルから前記各試料中の前駆体イオンの質量分布を決定することにより、前記各試料の着目質量範囲全体にわたって2つ以上の広前駆体質量選択窓を定義することであって、前記2つ以上の広前駆体質量選択窓のうちの少なくとも2つは、異なる窓幅を有する、ことと、
    前記タンデム質量分析計に、前記タンデム質量分析モジュールを使用して、前記各試料の前記着目質量範囲全体にわたって、前記2つ以上の広前駆体質量選択窓において、断片化スキャンを実施するように命令することと
    を含み、
    前記タンデム質量分析計は、無線周波数(RF)電圧および直流(DC)電圧の両方の独立制御を可能にする四重極質量フィルタを含むコンピュータプログラム製品。
  14. 前記タンデム質量分析計に断片化スキャンを実施するように命令するステップは、
    前記タンデム質量分析計に、前記タンデム質量分析計の前記四重極質量フィルタの前記RF電圧および前記DC電圧を独立して制御することにより、前記各試料の前記着目質量範囲全体にわたって、前記2つ以上の広前駆体質量選択窓において、断片化スキャンを実施するように命令することを含む、請求項13に記載のコンピュータプログラム製品。
  15. コンテンツがプログラムを含む非一時的かつ有形のコンピュータ可読記憶媒体を備えているコンピュータプログラム製品であって、前記プログラムは、システムを使用して、試料を迅速にスクリーニングする方法を実施するようにプロセッサ上で実行される命令を有し、前記システムは、1つ以上の個別ソフトウェアモジュールを備え、前記個別ソフトウェアモジュールは、高速試料導入モジュールおよびタンデム質量分析モジュールを備えており、前記方法は、
    非クロマトグラフ的である高速試料導入デバイスに、前記高速試料導入モジュールを使用して、複数の試料のうちの各試料をタンデム質量分析計に供給するように命令することと、
    前記タンデム質量分析計に、前記タンデム質量分析モジュールを使用して、前記高速試料導入デバイスによって供給される前記各試料のサーベイスキャンを実施することにより前駆体質量スペクトルを得るように命令することと、
    前記タンデム質量分析モジュールを使用して、前記前駆体質量スペクトルから前記各試料中の前駆体イオンの質量分布を決定することにより、前記各試料の着目質量範囲全体にわたって2つ以上の広前駆体質量選択窓を定義することであって、前記2つ以上の広前駆体質量選択窓のうちの少なくとも2つは、異なる窓幅を有する、ことと、
    前記タンデム質量分析計に、前記タンデム質量分析モジュールを使用して、前記各試料の前記着目質量範囲全体にわたって、前記2つ以上の広前駆体質量選択窓において、断片化スキャンを実施するように命令することと
    を含み、
    前記複数の試料は、前記高速試料導入デバイスによって注入されるコンピュータプログラム製品。
  16. コンテンツがプログラムを含む非一時的かつ有形のコンピュータ可読記憶媒体を備えているコンピュータプログラム製品であって、前記プログラムは、システムを使用して、試料を迅速にスクリーニングする方法を実施するようにプロセッサ上で実行される命令を有し、前記システムは、1つ以上の個別ソフトウェアモジュールを備え、前記個別ソフトウェアモジュールは、高速試料導入モジュールおよびタンデム質量分析モジュールを備えており、前記方法は、
    非クロマトグラフ的である高速試料導入デバイスに、前記高速試料導入モジュールを使用して、複数の試料のうちの各試料をタンデム質量分析計に供給するように命令することと、
    前記タンデム質量分析計に、前記タンデム質量分析モジュールを使用して、前記高速試料導入デバイスによって供給される前記各試料のサーベイスキャンを実施することにより前駆体質量スペクトルを得るように命令することと、
    前記タンデム質量分析モジュールを使用して、前記前駆体質量スペクトルから前記各試料中の前駆体イオンの質量分布を決定することにより、前記各試料の着目質量範囲全体にわたって2つ以上の広前駆体質量選択窓を定義することであって、前記2つ以上の広前駆体質量選択窓のうちの少なくとも2つは、異なる窓幅を有する、ことと、
    前記タンデム質量分析計に、前記タンデム質量分析モジュールを使用して、前記各試料の前記着目質量範囲全体にわたって、前記2つ以上の広前駆体質量選択窓において、断片化スキャンを実施するように命令することと、
    前記タンデム質量分析計に、前記タンデム質量分析モジュールを使用して、前記2つ以上の広前駆体質量選択窓のうちの少なくとも2つの間において、前記タンデム質量分析計の少なくとも1つのパラメータを変動させるように命令すること
    含むコンピュータプログラム製品。
JP2015255681A 2010-11-08 2015-12-28 質量分析計によって試料を迅速にスクリーニングするためシステムおよび方法 Active JP6316271B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US41102810P 2010-11-08 2010-11-08
US61/411,028 2010-11-08

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013537216A Division JP5946836B2 (ja) 2010-11-08 2011-11-02 質量分析計によって試料を迅速にスクリーニングするためシステムおよび方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016042105A JP2016042105A (ja) 2016-03-31
JP6316271B2 true JP6316271B2 (ja) 2018-04-25

Family

ID=45688183

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013537216A Active JP5946836B2 (ja) 2010-11-08 2011-11-02 質量分析計によって試料を迅速にスクリーニングするためシステムおよび方法
JP2015255681A Active JP6316271B2 (ja) 2010-11-08 2015-12-28 質量分析計によって試料を迅速にスクリーニングするためシステムおよび方法

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013537216A Active JP5946836B2 (ja) 2010-11-08 2011-11-02 質量分析計によって試料を迅速にスクリーニングするためシステムおよび方法

Country Status (6)

Country Link
US (3) US9269553B2 (ja)
EP (1) EP2638563B1 (ja)
JP (2) JP5946836B2 (ja)
CN (2) CN103109346B (ja)
CA (1) CA2811470C (ja)
WO (1) WO2012063108A2 (ja)

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012063108A2 (en) * 2010-11-08 2012-05-18 Dh Technologies Development Pte. Ltd. Systems and methods for rapidly screening samples by mass spectrometry
JP5821767B2 (ja) * 2012-04-20 2015-11-24 株式会社島津製作所 クロマトグラフタンデム四重極型質量分析装置
WO2014045093A1 (en) * 2012-09-18 2014-03-27 Dh Technologies Development Pte. Ltd. Systems and methods for acquiring data for mass spectrometry images
US9779923B2 (en) * 2013-03-14 2017-10-03 Leco Corporation Method and system for tandem mass spectrometry
CA2905122A1 (en) * 2013-06-06 2014-12-11 Dh Technologies Development Pte. Ltd. Improved data quality after demultiplexing of overlapping acquisition windows
WO2016125059A1 (en) * 2015-02-05 2016-08-11 Dh Technologies Development Pte. Ltd. Interference detection and peak of interest deconvolution
JP6698668B2 (ja) * 2015-02-05 2020-05-27 ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド 断片化エネルギーを切り替えながらの幅広い四重極rf窓の高速スキャニング
WO2016145331A1 (en) * 2015-03-12 2016-09-15 Thermo Finnigan Llc Methods for data-dependent mass spectrometry of mixed biomolecular analytes
EP3335237B1 (en) * 2015-08-13 2023-12-06 DH Technologies Development PTE. Ltd. Deconvolution of mixed spectra
EP3193352A1 (en) 2016-01-14 2017-07-19 Thermo Finnigan LLC Methods for mass spectrometric based characterization of biological molecules
US10340130B2 (en) * 2016-04-05 2019-07-02 Thermo Finnigan Llc Data independent acquisition with variable multiplexing degree
US10049868B2 (en) 2016-12-06 2018-08-14 Rapiscan Systems, Inc. Apparatus for detecting constituents in a sample and method of using the same
US9911585B1 (en) 2016-12-21 2018-03-06 Thermo Finnigan Llc Data-independent mass spectral data acquisition including data-dependent precursor-ion surveys
US11094516B2 (en) * 2017-07-10 2021-08-17 Shimadzu Corporation Mass spectrometer, mass spectrometry method, and mass spectrometry program
US11721538B2 (en) * 2020-11-17 2023-08-08 Thermo Finnigan Llc Feeding real time search results of chimeric MS2 spectra into the dynamic exclusion list
GB2621395A (en) 2022-08-12 2024-02-14 Thermo Fisher Scient Bremen Gmbh Methods and mass spectrometry systems for acquiring mass spectral data
GB2621393A (en) 2022-08-12 2024-02-14 Thermo Fisher Scient Bremen Gmbh Methods and mass spectrometry systems for acquiring mass spectral data
GB2621394A (en) 2022-08-12 2024-02-14 Thermo Fisher Scient Bremen Gmbh Methods and mass spectrometry systems for acquiring mass spectral data

Family Cites Families (37)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB9710582D0 (en) * 1997-05-22 1997-07-16 Oxford Glycosciences Uk Ltd A method for de novo peptide sequence determination
US6748803B1 (en) * 2000-02-22 2004-06-15 Simmonds Precison Products, Inc. Liquid measurement system and shared interface apparatus for use therein
CA2340150C (en) * 2000-06-09 2005-11-22 Micromass Limited Methods and apparatus for mass spectrometry
WO2002048699A2 (en) * 2000-12-14 2002-06-20 Mds Inc. Doing Business As Mds Sciex Apparatus and method for msnth in a tandem mass spectrometer system
JP3990889B2 (ja) * 2001-10-10 2007-10-17 株式会社日立ハイテクノロジーズ 質量分析装置およびこれを用いる計測システム
US20040014143A1 (en) * 2002-05-29 2004-01-22 Haskins William E. Method and apparatus for detecting and monitoring peptides, and peptides identified therewith
GB0212470D0 (en) * 2002-05-30 2002-07-10 Shimadzu Res Lab Europe Ltd Mass spectrometry
US7196324B2 (en) * 2002-07-16 2007-03-27 Leco Corporation Tandem time of flight mass spectrometer and method of use
GB2390935A (en) * 2002-07-16 2004-01-21 Anatoli Nicolai Verentchikov Time-nested mass analysis using a TOF-TOF tandem mass spectrometer
GB0305796D0 (en) * 2002-07-24 2003-04-16 Micromass Ltd Method of mass spectrometry and a mass spectrometer
JP4738326B2 (ja) * 2003-03-19 2011-08-03 サーモ フィニガン リミテッド ライアビリティ カンパニー イオン母集団内複数親イオン種についてのタンデム質量分析データ取得
US7385187B2 (en) * 2003-06-21 2008-06-10 Leco Corporation Multi-reflecting time-of-flight mass spectrometer and method of use
DE05727506T1 (de) * 2004-03-12 2007-09-06 The University Of Virginia Patent Foundation Elektronentransferdissoziation zur biopolymer-sequenzanalyse
CA2501003C (en) * 2004-04-23 2009-05-19 F. Hoffmann-La Roche Ag Sample analysis to provide characterization data
CA2582578C (en) * 2004-10-08 2013-08-20 University Of Virginia Patent Foundation Simultaneous sequence analysis of amino- and carboxy- termini
CA2584871A1 (en) * 2004-11-08 2006-05-11 The University Of British Columbia Ion excitation in a linear ion trap with a substantially quadrupole field having an added hexapole or higher order field
GB0506288D0 (en) * 2005-03-29 2005-05-04 Thermo Finnigan Llc Improvements relating to mass spectrometry
US7451052B2 (en) * 2005-05-29 2008-11-11 Cerno Bioscience Llc Application of comprehensive calibration to mass spectral peak analysis and molecular screening
US8105788B2 (en) * 2005-12-08 2012-01-31 The University Of British Columbia Mucopolysaccharidosis (MPS) diagnostic methods, systems, kits and assays associated therewith
DE102005061425B4 (de) * 2005-12-22 2009-06-10 Bruker Daltonik Gmbh Rückgesteuerte Fragmentierung in Ionenfallen-Massenspektrometern
US20100285446A1 (en) * 2007-07-20 2010-11-11 Akos Vertes Methods for Detecting Metabolic States by Laser Ablation Electrospray Ionization Mass Spectrometry
EP2232524A4 (en) * 2007-12-04 2016-06-08 Dh Technologies Dev Pte Ltd SYSTEMS AND METHODS FOR ANALYZING SUBSTANCES USING A MASS SPECTROMETER
US7932487B2 (en) * 2008-01-11 2011-04-26 Thermo Finnigan Llc Mass spectrometer with looped ion path
US8067728B2 (en) * 2008-02-22 2011-11-29 Dh Technologies Development Pte. Ltd. Method of improving signal-to-noise for quantitation by mass spectrometry
GB2463633B (en) * 2008-05-15 2013-02-27 Thermo Fisher Scient Bremen MS/MS data processing
WO2009146345A1 (en) * 2008-05-29 2009-12-03 Waters Technologies Corporation Techniques for performing retention-time matching of precursor and product ions and for constructing precursor and product ion spectra
US8160819B2 (en) * 2008-08-22 2012-04-17 The United States Of America, As Represented By The Secretary Of Agriculture Rapid identification of proteins and their corresponding source organisms by gas phase fragmentation and identification of protein biomarkers
GB0900973D0 (en) * 2009-01-21 2009-03-04 Micromass Ltd Method and apparatus for performing MS^N
US8101908B2 (en) * 2009-04-29 2012-01-24 Thermo Finnigan Llc Multi-resolution scan
US8053723B2 (en) * 2009-04-30 2011-11-08 Thermo Finnigan Llc Intrascan data dependency
US8581176B2 (en) * 2009-05-27 2013-11-12 Dh Technologies Development Pte. Ltd. Method for high efficiency tandem mass spectrometry
GB0909285D0 (en) * 2009-05-29 2009-07-15 Micromass Ltd Method to detect and sequence post translationally modified peptides
GB0915474D0 (en) * 2009-09-04 2009-10-07 Micromass Ltd Multiple reaction monitoring with a time-of-flight based mass spectrometer
CA2810143C (en) 2010-09-08 2019-03-26 Dh Technologies Development Pte. Ltd. Systems and methods for using variable mass selection window widths in tandem mass spectrometry
WO2012035412A2 (en) * 2010-09-15 2012-03-22 Dh Technologies Development Pte. Ltd. Data independent acquisition of production spectra and reference spectra library matching
US8742333B2 (en) * 2010-09-17 2014-06-03 Wisconsin Alumni Research Foundation Method to perform beam-type collision-activated dissociation in the pre-existing ion injection pathway of a mass spectrometer
WO2012063108A2 (en) * 2010-11-08 2012-05-18 Dh Technologies Development Pte. Ltd. Systems and methods for rapidly screening samples by mass spectrometry

Also Published As

Publication number Publication date
JP5946836B2 (ja) 2016-07-06
WO2012063108A2 (en) 2012-05-18
US9269553B2 (en) 2016-02-23
JP2013541720A (ja) 2013-11-14
US20130240723A1 (en) 2013-09-19
US20170084436A1 (en) 2017-03-23
EP2638563A2 (en) 2013-09-18
US9543134B2 (en) 2017-01-10
US20160079048A1 (en) 2016-03-17
US10074526B2 (en) 2018-09-11
CN106252192A (zh) 2016-12-21
CN103109346B (zh) 2016-09-28
EP2638563B1 (en) 2022-10-05
CA2811470C (en) 2018-03-20
CN106252192B (zh) 2018-04-03
CN103109346A (zh) 2013-05-15
JP2016042105A (ja) 2016-03-31
WO2012063108A3 (en) 2012-07-19
CA2811470A1 (en) 2012-05-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6316271B2 (ja) 質量分析計によって試料を迅速にスクリーニングするためシステムおよび方法
JP6494588B2 (ja) 滞留時間の決定または確認のための窓処理質量分析データの使用
JP6185975B2 (ja) タンデム質量分析計において可変質量選択窓幅を用いるためのシステムおよび方法
US9768000B2 (en) Systems and methods for acquiring data for mass spectrometry images
EP3218703B1 (en) Determining the identity of modified compounds
JP6698668B2 (ja) 断片化エネルギーを切り替えながらの幅広い四重極rf窓の高速スキャニング
WO2021240441A1 (en) Operating a mass spectrometer for sample quantification

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161104

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20161117

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170328

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132

Effective date: 20170815

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171101

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180226

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180327

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6316271

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250