JP6314656B2 - 道路交通需要予測装置及び道路交通需要予測方法 - Google Patents

道路交通需要予測装置及び道路交通需要予測方法 Download PDF

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Description

本発明は、道路交通需要予測装置及び道路交通需要予測方法に関する。
従来から、道路交通需要を予測するためには、道路交通需要データベースと共に、天候、イベント等の環境状況を表すグローバルコンテキストを利用するもの、または、業務・公共車両運行計画を利用するものがあった。このような技術の公知のものとしては、例えば、特許文献1に記載の経路演算装置がある。
特開2006−146889号公報
しかしながら、上記した特許文献1に記載の発明は、過去の道路交通データ、将来のグローバルコンテキスト(複数の人員に共通した環境、比較的広い特定の地域等に係る情報)及び業務車両や公共車両の運行計画(業務・公共車両運行計画)を考慮して道路交通需要予測を求めている。ただし、特許文献1に記載の発明は、一般車の将来挙動を考慮していない。一般車の将来挙動は、道路交通の状態を決定する重要な因子である。
即ち、一般車両の道路交通需要は、同じグローバルコンテキスト下でも、グローバルコンテキストに係る人員よりも少数の人員に共通した環境、あるいはグローバルコンテキストに係る地域よりも人員が少数の組織に係るパーソナルコンテキストによって変動する。小さな道路交通需要の変動であっても、全体的な道路交通量が飽和状態に達すると渋滞が発生する。公知の道路交通需要予測は、一般車両に関する道路交通量の変動を因子として考慮していないため、渋滞発生の予測について十分な精度を得ることができない。
本発明は、上記した点に鑑みてなされたものであり、道路交通需要予測に道路交通の状態の重要な因子である一般車の将来挙動を取り込み、道路交通需要予測の精度を向上させることを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の道路交通需要予測装置は、道路交通需要予測部を備える。道路交通需要予測部は、道路交通需要データベースから道路交通需要に係る道路交通需要データを取得し、複数の人員に共通の環境あるいは特定の地域に係る情報であるグローバルコンテキストを取得するグローバルコンテキストを取得し、個人の環境あるいは特定の組織体に係る情報であるパーソナルコンテキストを取得する。そして、パーソナルコンテキストから個人が車両を走行させる際の走行行動を予測する。また、前記道路交通需要データ、前記グローバルコンテキスト及び前記予測行動を示す予測行動データを用い、道路交通需要を予測する。
本発明は、個人の環境あるいは特定の組織体に係る情報であるパーソナルコンテキストから個人が車両を走行させる際の走行行動を予測する。そして、本発明は、道路交通需要データやグローバルコンテキストと共に、パーソナルコンテキストから推測された予測行動データを用いて道路交通需要を予測している。このため、本発明は、道路交通需要予測に道路交通の状態の重要な因子である一般車の将来挙動を取り込み、道路交通需要予測の精度を向上させることができる。
本発明の第1実施形態の道路交通需要予測装置を含むシステムの構成を示す図である。 図1に示した道路交通需要予測装置を、組織体及び組織体に属する構成員のスケジュールをパーソナルコンテキストとして使用する構成に適用した例を示す図である。 図2に示した道路交通需要予測装置で行われる予測行動情報を生成するための処理を説明するためのフローチャートを示す図である。 図1、図2に示した道路交通需要予測部が実行する道路交通需要予測の処理のフローチャートを示した図である。 本発明の第1実施形態の道路交通需要予測装置の変形例1を説明するための図である。 図5に示した変形例1の予測行動情報を生成するための処理を説明するためのフローチャートを示す図である。 図6−1に示したフローチャートの一部を詳細に説明するための図である。 本発明の第1実施形態の道路交通需要予測装置の変形例2を説明するための図である。 本発明の第2実施形態の道路交通需要予測装置を含むシステムを示した図である。 図8に示したゾーン別道路交通需要予測部が、対象地域を走行ゾーンに分割することを説明するための図である。 図8に示した道路交通需要予測装置のゾーン別道路交通需要予測部が実行する道路交通需要予測の処理のフローチャートを示した図である。 図8に示した道路交通需要予測装置のゾーン別道路交通需要予測部が走行ゾーン毎に対象者の道路交通需要が全体需要に与える影響の大きさを評価する方法を説明するための表である。 本発明の第3実施形態の道路交通需要予測装置を含むシステムを示した図である。 図12に示した走行ゾーン別道路交通需要・渋滞予測部が実行する道路交通需要・渋滞予測の処理のフローチャートを示した図である。 図12に示した走行ゾーン別道路交通需要・渋滞予測部が平均道路交通需要余裕データベースを作成する手順を説明するためのフローチャートである。 本発明の第4実施形態の道路交通需要予測装置を含むシステムを示した図である。 図15に示した道路リンク別道路交通需要予測部が実行する道路交通需要予測の処理のフローチャートを示した図である。 図15に示した道路リンク別道路交通需要予測部が、道路リンク毎に対象者の道路交通需要が全体需要に与える影響の大きさを評価する方法を説明するための表である。 本発明の第5実施形態の道路交通需要予測装置を含むシステムを示した図である。 図18に示した道路リンク別道路交通需要・渋滞予測部が実行する道路交通需要・渋滞予測の処理のフローチャートを示した図である。 図18に示した道路リンク別道路交通需要・渋滞予測部が道路リンク毎の平均道路交通需要余裕データベースを作成する手順を説明するためのフローチャートである。 本発明の第6実施形態の道路交通需要予測装置を含むシステムを示した図である。 図21に示した第6実施形態の道路交通需要予測部で実行される処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の第6実施形態の対象地域を走行ゾーンに分割する処理手順を説明するためのフローチャートである。 図23−1に示したフローチャートの一部を詳細に説明するための図である。 図23−2に示したフローチャートの処理によって細分化される走行ゾーンを説明するための図である。 本発明の第6実施形態の長方形格子状の走行ゾーンを細分割した状態を示す模式図である。 図2−1のステップS237からステップS252に示した変数を決定する処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の第7実施形態の走行ゾーンの細分割を説明するためのフローチャートである。 本発明の第7実施形態の走行ゾーンの細分割が行われた対象地域を表した模式図である。 本発明の第7実施形態の方法によって細分割された走行ゾーン上に、施設等の位置を重ね合わせて示した図である。 本発明の第8実施形態の対象地域の細分割を説明するためのフローチャートである。 本発明の第8実施形態で対象地域を細分割した状態を示す模式図である。 本発明の第7実施形態の方法によって細分割された走行ゾーン上に、施設等の位置を重ね合わせて示した図である。
以下、本発明の道路交通需要予測装置、道路交通需要予測方法の実施形態を説明する。
[第1実施形態]
1.1 道路交通需要予測装置の構成
図1は、第1実施形態の道路交通需要予測装置を含むシステムの構成を示す図である。図1に示したシステムは、道路交通需要予測装置1と、道路交通需要データベース2と、によって構成される。道路交通需要データベース2は、道路交通需要に係る道路交通需要データ103を蓄積している。
道路交通需要予測装置1は、パーソナルコンテキスト入力部11、走行行動予測部12及び道路交通需要予測部13を備えている。また、道路交通需要予測部13は、グローバルコンテキスト101、業務・公共車両運行計画情報102、道路交通需要データ103を取得するアンテナ14を備えている。
グローバルコンテキスト101は、複数の人員に共通の環境あるいは特定の地域に係るコンテキスト(ひとまとまりの情報)である。第1実施形態では、グローバルコンテキストとして、例えば、天候に関する情報やイベントに関する情報を用いる。第1実施形態において、イベントに関するグローバルコンテキストは、例えば、イベントの内容、開催日時、曜日といった比較的多数の人員に共通の環境に関する。また、天候に関するグローバルコンテキストは、都道府県、市町村といった比較的広い特定の地域に関する。
業務・公共車両運行計画情報102は、業務車両及び公共車両の運行計画に係る情報である。第1実施形態では、業務車両を、所謂業務用自動車において、例えば、物品を輸送することに使用される車両を指す。また、第1実施形態では、所謂業務用自動車において、例えば、路線バスといった乗客の運送に使用される車両を公共車両と記す。道路交通需要データ103には、複数の人員の平均的な道路交通需要である平均道路交通需要データと、個人毎の平均的な道路交通需要である個人道路交通需データとが含まれる。
パーソナルコンテキストは、グローバルコンテキストに係る人員よりも少数の人員、あるいはグローバルコンテキストに係る地域よりも狭い地域に係るコンテキストである。第1実施形態では、パーソナルコンテキストとして、例えば、企業、団体及び自治体といった組織体、あるいは組織体に属する人員(構成員)に共通の環境に関する情報を使用する。
パーソナルコンテキストとしては、例えば、情報提供を承諾した個人、あるいは情報提供を承諾した組織体の情報、及び承諾不要で入手可能な公開情報の少なくとも一つを使用することができる。このとき、パーソナルコンテキスト入力部11は、例えば、組織体のスケジュール及び組織体に属する構成員のスケジュールの少なくとも一方をパーソナルコンテキストとして取得することができる。また、パーソナルコンテキスト入力部11は、例えば、情報提供サービスの会員のスケジュール及び会員がインターネット上で授受した情報の履歴の少なくとも一方をパーソナルコンテキストとして取得することができる。さらに、パーソナルコンテキスト入力部11は、例えば、インターネット・クラウド・サービス上に流通している情報をパーソナルコンテキストとして取得することができる。
走行行動予測部12は、パーソナルコンテキストから個人が車両を走行させる際の走行行動を予測する。道路交通需要予測部13は、道路交通需要データ、グローバルコンテキスト101及び走行行動予測部12によって予測された予測行動を示す予測行動情報104を使い、道路交通需要を予測する。
図2は、図1に示した道路交通需要予測装置1を、組織体及び組織体に属する構成員のスケジュールをパーソナルコンテキストとして使用する構成に適用した例を示している。図2に示した道路交通需要予測装置3は、移動予定抽出部21、走行経路・時刻予測部22、道路交通需要予測部13を有している。なお、図2に示した道路交通需要予測部13は、図1に示したように、アンテナ14によってグローバルコンテキスト101、業務・公共車両運行計画情報102及び道路交通需要データ103を取得している(図2では図示を省く)。
図2に示した道路交通需要予測装置3において、移動予定抽出部21は、予め情報提供を承諾した組織体のスケジュール及び組織体の構成員のスケジュールから移動予定情報202を抽出する。このとき、移動予定抽出部21は、組織体のイントラネット上のアウトルック201を参照し、構成員移動予定情報203を生成する。構成員移動予定情報203は、走行経路・時刻予測部22に出力される。
走行経路・時刻予測部22は、住所データベース(D・B)25から組織体の構成員の住所に関する住所情報207を取得する。また、走行経路・時刻予測部22は、構成員移動履歴D・B26と接続し、構成員の移動履歴情報204を取得する。なお、移動履歴情報204には、構成員のスケジュールにあるイベントの出発地、目的地、出発地から目的地へ向かう移動手段(交通モード:自動車、電車、飛行機、徒歩等)の情報が含まれている。
さらに、走行経路・時刻予測部22は、道路ネットワークデータD・B23から道路ネットワークに関するネットワーク情報205を取得し、POI(Point Of Interest)D・B24から場所に関する場所情報206を取得している。POID・B24は、例えば、構成員が任意に選択した場所に関する情報を蓄積するものであってもよい。また、構成員が過去に出発地、目的地、経由地とした場所に関する情報を蓄積するものであってもよい。
走行経路・時刻予測部22は、各データベースから取得した情報と共に、構成員移動予定情報203を用いて走行経路・時刻を予測する。走行経路・時刻予測部22は、予測の結果を使って走行経路・時刻予測結果に関する情報を生成し、予測行動情報104として出力する。
このとき、走行経路・時刻予測部22は、パーソナルコンテキストの提供を承諾した一つ以上の組織体の情報を集約して道路交通需要予測を行うセンター機能を担う。このため、組織体の情報セキュリティの観点から、第1実施形態は、走行経路・時刻予測部22として機能するコンピュータを組織体の内部に置いてもよい。そして、走行経路・時刻予測部22は、走行経路・時刻予測結果を示す予測行動情報104を生成する工程を組織体の内部で行い、走行経路・時刻予測結果のみを道路交通需要予測部13に出力することが考えられる。
上記した道路交通需要予測装置3において、走行経路・時刻予測部22はパーソナルコンテキスト取得部に対応する。また、走行経路・時刻予測部22は、走行行動予測部に対応する。道路交通需要予測部13は、予測行動情報104を用いて道路交通需要予測を行う。
1.2 道路交通需要予測方法
図3は、図2に示した道路交通需要予測装置1で行われる予測行動情報104を生成するための処理を説明するためのフローチャートを示す図である。図3に示したフローチャートを実行するプログラムは、汎用的なコンピュータ上で動作し、道路交通需要予測の処理を実行する。また、プログラムは、1つのコンピュータ上で動作するものであってもよいし、機能毎に異なる複数のコンピュータにインストールされ、共同して道路交通需要予測を行うものであってもよい。
図2に示した移動予定抽出部21は、アウトルック201の構成員スケジューラーの情報をパーソナルコンテキストとして入力する。走行経路・時刻予測部22は、構成員スケジューラーに記録された各構成員(個人)の将来(例えば明日)のスケジュールの開始時刻、終了時刻、場所、内容を読み取る(ステップS31)。そして、読み取ったスケジュールにおけるイベントの場所を目的地に設定する(ステップS32)。
走行経路・時刻予測部22は、ステップS31において読み取ったスケジュールがその日の最初のスケジュールであるか否かを判断する(ステップS33)。判断の結果、その日の最初のスケジュールであった場合には(ステップS33:Yes)、出発地を自宅に設定する(ステップS34)。また、ステップS33の判断の結果、読み取ったスケジュールが最初のスケジュールでない場合(ステップS33:No)、読み取ったスケジュールの一つ前のスケジュールの目的地を出発地に設定する(ステップS35)。
次に、走行経路・時刻予測部22は、構成員移動履歴D・B26を検索する(ステップS36)。そして、構成員移動履歴D・B26にステップS32で設定した目的地(D)とステップS34またはステップS35で設定した出発地(O)の組合せ(ペア)である設定ODペアと同じODペア(一致ODペア)があるか否か判断する(ステップS37)。ステップS37の判断の結果、一致ODペアが構成員移動履歴D・B26にない場合(ステップS37:No)、構成員移動履歴D・B26を検索し(ステップS38)、出発地、目的地、移動時間帯等の移動状況が類似した類似ODペアがあるか否か判断する(ステップS39)。構成員移動履歴D・B26に類似ODペアがない場合(ステップS39:No)、走行経路・時刻予測部22は、ステップS31からステップS42までの処理を、移動予定抽出部21によって抽出された構成員の全てについて行った否か判断する(ステップS43)。
ステップS37において、一致ODペアがあると判断した場合(ステップS37:Yes)、またはステップS39において類似ODペアがあると判断した場合(ステップS39:Yes)、走行経路・時刻予測部22は、一致ODペアまたは類似ODペアに対応する道路交通モードが自動車であるか否かを判断する(ステップS40)。ステップS40の判断の結果、道路交通モードが自動車でない場合(ステップS40:No)、走行経路・時刻予測部22は、ステップS31からステップS42までの処理を、移動予定抽出部21によって抽出された構成員の全てについて行った否か判断する(ステップS43)。
ステップS40において、一致ODペアまたは類似ODペアに対応する道路交通モードが自動車であると判断した場合(ステップS40:Yes)、走行経路・時刻予測部22は、スケジュールの開始時間と所定の余裕時間と、出発地と目的地との間を移動するのに必要な平均移動所有時間とから、移動開始時刻と終了時刻を設定する(ステップS41)。そして、走行経路・時刻予測部22は、設定した出発地、目的地、移動開始時刻、移動終了時刻、一致ODペアまたは類似ODペア間の経路の履歴(図中では「履歴ペアの経路」と記す)を予測行動情報104として出力する(ステップS42)。
さらに、走行経路・時刻予測部22は、ステップS31からステップS42までの処理を、移動予定抽出部21によって抽出された構成員の全てについて行った否か判断する(ステップS43)。判断の結果、走行経路・時刻予測部22は、全ての構成員について処理が終了していると判断した場合(ステップS43:Yes)、予測行動情報104生成の処理を終了する。また、処理が行われていない構成員が存在すると判断した場合、走行経路・時刻予測部22は、ステップS31において未処理の構成員のスケジュールを読み取る(ステップS31)。
1.3 道路交通需要予測部
図4は、図1、図2に示した道路交通需要予測部13が実行する道路交通需要予測の処理のフローチャートを示した図である。なお、図4中に示した記号または関数は、以下の因子を示す。
Figure 0006314656
なお、上記した因子のうち、以降、個人の将来道路交通需要を「個人の将来的な道路交通需要」と記し、個人の将来的な道路交通需要から推計して得られる将来道路交通需要と区別する。
道路交通需要予測部13は、図1に示したグローバルコンテキスト(例えば、曜日、時刻、天候、イベントの内容等)101と、道路交通需要D・B2に蓄積されている道路交通需要データ103とから、グローバルコンテキストが示す環境における(以下、「グローバルコンテキストにおける」と記す)平均道路交通需要を抽出する(ステップS51)。平均道路交通需要は、推計対象である明日のグローバルコンテキストにおける過去の平均道路交通需要を表す。
次に、道路交通需要予測部13は、個人の将来的な走行経路・時刻予測結果を積算して総和をとり、個人の将来的な道路交通需要を集計する(ステップS52)。個人の将来的な道路交通需要は、例えば、「明日」のグローバルコンテキストである曜日、時間、天候、イベント等に基づく個人の道路交通需要を表す。さらに、道路交通需要予測部13は、図1に示した道路交通需要D・B2から、グローバルコンテキストにおける個人の平均道路交通需要を抽出する(ステップS53)。個人の平均道路交通需要は、グローバルコンテキストにおける、個人の過去の平均道路交通需要を表す。
道路交通需要予測部13は、グローバルコンテキストにおける個人の平均道路交通需要の変化と、平均道路交通需要の変化との関係性を予め把握しておく。このようにすることにより、道路交通需要予測部13は、個人の将来的な道路交通需要、個人の平均道路交通需要、平均道路交通需要から、グローバルコンテキストにおける将来道路交通需要を推計する(ステップS54)。将来道路交通需要を求める関数は、以下の式(1)によって与えられる。
Figure 0006314656
なお、式(1)中のαは、重み付け係数を示している。
[変形例]
本発明の第1実施形態は、以上説明した構成に限定されるものではない。以下、第1実施形態のパーソナルコンテキストを取得する変形例について説明する。なお、変形例の説明にあたり、第1実施形態で説明した構成と同様の構成については同様の符号を付し、その説明を一部略す。
・変形例1
図5は、第1実施形態の変形例1を説明するための図である。図5に示した変形例1の道路交通需要予測装置4は、移動予定抽出部21、走行経路・時刻予測部22、道路交通需要予測部13、移動予定推定部58を備えている。道路交通需要予測装置4は、予め情報提供を承諾した会員(道路交通情報提供サービス等の会員。以下、単に「会員」とする)のパーソナルスケジューラー55やメールの履歴、インターネットの検索履歴、SNSのテキストの履歴から会員の移動予定を抽出し、走行行動を予測する。
移動予定抽出部21は、会員のサービスアプリケーションがインストールされているスマートフォン等の個人情報機器(以下、「スマートフォン」と記す)上のパーソナルスケジューラー55を参照する。そして、参照したパーソナルスケジューラー55に記録されている情報から、会員の移動予定情報501を抽出する。
移動予定推定部58は、情報提供サービスの会員のスケジュール及び会員がインターネット上で授受した情報の履歴の少なくとも一方をパーソナルコンテキストとし、パーソナルコンテキストから会員の移動に関する予定を推定する。即ち、移動予定推定部58は、会員がスマートフォンを使用して送受信したメール、インターネット、SNS等インターネットでの情報56の授受の履歴情報502から、移動行動に関するデータマイニングを行い、推定移動予定情報503を生成する。走行経路・時刻予測部22は、会員移動履歴D・B57と接続し、会員の移動履歴情報504を取得する。なお、移動履歴情報504には、会員のスケジュールにあるイベントの出発地、目的地、出発地から目的地へ向かう移動手段(交通モード:自動車、電車、飛行機、徒歩等)が含まれている。
さらに、走行経路・時刻予測部22は、住所情報207、ネットワーク情報205、場所情報206を取得している。そして、走行経路・時刻予測部22は、会員の走行経路、移動開始時刻と終了時刻を予測し、会員走行経路・時刻予測結果情報を生成し、予測行動情報104として道路交通需要予測部13に出力する。
図6−1、図6−2は、変形例1の予測行動情報104を生成するための処理を説明するためのフローチャートを示す図である。図6−1に示すように、図5に示した移動予定抽出部21は、パーソナルスケジューラー55の情報をパーソナルコンテキストとして入力する。また、移動予定推定部58は、履歴情報502から会員の移動行動を推定し、推定移動予定情報503を生成する(ステップS71)。そして、推定された移動行動におけるイベントの場所を目的地に設定する(ステップS72)。
ここで、ステップS71に示したサブルーチンの処理を、図6−2を使って説明する。図6−2に示したように、移動予定推定部58は、会員のパーソナルスケジューラー55から、各会員の将来(たとえば明日)のスケジュールの開始時刻、終了時刻、場所、内容を読み取る(ステップS711)。次に、メール、検索、SNS等で授受された情報の履歴情報502から、移動行動に関するデータマイニングを行い(ステップS712)、移動行動を推定する(ステップS713)。移動予定推定部58は、ステップS711において読み取った会員のパーソナルスケジュールと、ステップS713で推定した推定移動予定情報503が示す行動予定とを時系列にソートする(ステップS714)。ソートの結果得られたスケジュール等は、変形例1の推定移動予定情報503となる。
走行経路・時刻予測部22は、推定移動予定情報503から、処理対象となるスケジュールがその日の最初のスケジュールか否かを判断し(ステップS73)、その日の最初のスケジュールであった場合には(ステップS73:Yes)、出発地を自宅に設定する(ステップS74)。また、ステップS73の判断の結果、読み取ったスケジュールが最初のスケジュールでない場合(ステップS73:No)、走行経路・時刻予測部22は、読み取ったスケジュールの一つ前のスケジュールの目的地を出発地に設定する(ステップS75)。
次に、走行経路・時刻予測部22は、会員移動履歴D・B22を検索する(ステップS76)。そして、会員移動履歴D・B22にステップS72で設定した目的地(D)とステップS74またはステップS75で設定した出発地(O)の組合せ(ペア)である設定ODペアと同じ一致ODペアがあるか否か判断する(ステップS77)。ステップS77の判断の結果、一致ODペアが会員移動履歴D・B22にない場合(ステップS77:No)、会員移動履歴D・B22を検索し(ステップS78)、出発地、目的地、移動時間帯等の移動状況が類似した類似ODペアがあるか否か判断する(ステップS79)。会員移動履歴D・B22に類似ODペアがない場合(ステップS79:No)、走行経路・時刻予測部22は、ステップS72からステップS82までの処理を、移動予定抽出部21によって抽出された会員の全てについて行った否か判断する(ステップS83)。
ステップS77において、一致ODペアがあると判断した場合(ステップS77:Yes)、またはステップS79において類似ODペアがあると判断した場合(ステップS79:Yes)、走行経路・時刻予測部22は、一致ODペアまたは類似ODペアに対応する道路交通モードが自動車であるか否かを判断する(ステップS80)。ステップS80の判断の結果、道路交通モードが自動車でない場合(ステップS80:No)、走行経路・時刻予測部22は、ステップS72からステップS82までの処理を、移動予定抽出部21によって抽出された会員の全てについて行った否か判断する(ステップS83)。
ステップS80において、一致ODペアまたは類似ODペアに対応する道路交通モードが自動車であると判断した場合(ステップS80:Yes)、走行経路・時刻予測部22は、スケジュールの開始時間と所定の余裕時間と、出発地と目的地との間を移動するのに必要な平均移動所有時間とから、移動開始時刻と終了時刻を設定する(ステップS81)。そして、走行経路・時刻予測部22は、設定した出発地、目的地、移動開始時刻、移動終了時刻、一致ODペアまたは類似ODペア間の経路の履歴(図中では「履歴ペアの経路」と記す)を予測行動情報104として出力する(ステップS82)。
さらに、走行経路・時刻予測部22は、ステップS72からステップS82までの処理を、移動予定抽出部21によって抽出された会員の全てについて行った否か判断する(ステップS83)。判断の結果、走行経路・時刻予測部22は、全ての会員について処理が終了していると判断した場合(ステップS83:Yes)、予測行動情報104生成の処理を終了する。また、処理が行われていない会員が存在すると判断した場合(ステップS83:No)、走行経路・時刻予測部22は、ステップS71において未処理の会員のスケジュールを読み取る(ステップS71)。
・変形例2
図7は、第1実施形態の変形例2を説明するための図である。図7に示した変形例2の道路交通需要予測装置5は、移動予定抽出部21、走行経路・時刻予測部22、道路交通需要予測部13、移動予定推定部78を備えている。移動予定推定部78は、インターネット・クラウド・サービス79上に流通している情報をパーソナルコンテキストとし、パーソナルコンテキストから人員の移動に関する予定を推定する。
変形例2では、インターネット上に流通している情報から人々(組織体や会等の所属に依らない複数の個人)の移動行動を推定する。移動予定推定部78は、SNSメッセージ701、ブログメッセージ702、検索履歴703等のインターネット上で入手可能な情報をインターネット・クラウド・サービス79から取得する。また、移動予定推定部78は、GPS(Global Positioning System)等の測位部71から移動予定を推定する対象者の位置・移動情報706を収集する。なお、位置・移動情報706は、道路交通需要予測装置5に対して自身の位置情報を提供した者(情報提供者)の現在地や、現在地の位置を時刻に対応付けて記録した移動情報を含む。
移動予定推定部78は、SNSメッセージ701、ブログメッセージ702、検索履歴703からデータマイニングによって人々が移動に関して興味を持っている事象に関する情報を抽出する。そして、抽出した情報から人々の今後の移動に関する行動を推定する。推定した結果から、移動予定推定部78は、推定移動予定情報705を作成して走行経路・時刻予測部22に出力する。
走行経路・時刻予測部22は、一般移動履歴D・B77と接続し、情報提供を許諾した個人の移動履歴情報704を取得する。なお、移動履歴情報704には、個人が過去に行った移動の出発地、目的地、出発地から目的地へ向かう移動手段(交通モード:自動車、電車、飛行機、徒歩等)が含まれている。
さらに、走行経路・時刻予測部22は、住所情報207、ネットワーク情報205、場所情報206を取得している。そして、走行経路・時刻予測部22は、個人の走行経路、移動開始時刻と終了時刻を予測し、個人走行経路・時刻予測結果情報を生成し、予測行動情報104として道路交通需要予測部13に出力する。
道路交通需要予測部13は、個人の走行経路、移動開始時刻と終了時刻を推測して得られる個人走行経路・時刻予測結果情報を使って道路交通需要を予測する。このため、第1実施形態は、パーソナルコンテキストから一般車の将来挙動を取り込むことができ、道路交通需要の予測精度を高めることができる。
[第2実施形態]
2.1 道路交通需要予測装置の構成
以下、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態の説明において、第1実施形態で説明した構成と同様の構成については同様の符号を付し、その説明を一部略す。第2実施形態の道路交通需要予測装置は、道路交通需要予測を行う対象となる対象地域を対象地域より小さい小領域(以下、「走行ゾーン」と記すに分割し、走行ゾーン毎に予測を行うものである。
図8は、第2実施形態の道路交通需要予測装置6を含むシステムを示した図である。道路交通需要予測装置6は、パーソナルコンテキスト入力部11、走行行動予測部82及び走行ゾーン別道路交通需要予測部83を備えている。また、走行ゾーン別道路交通需要予測部83は、グローバルコンテキスト101、業務・公共車両運行計画情報102、道路交通需要データ103を取得するアンテナ14を備えている。
走行行動予測部82は、パーソナルコンテキストから個人が車両を走行させる際の走行行動を予測する。第2実施形態では、走行行動予測部82が、構成員が今後走行すると考えられる道路と、道路を走行する時刻とを予測し、予測結果を示す将来走行経路・時刻予測結果情報114(予測行動情報104に相当)を生成する。
走行ゾーン別道路交通需要予測部83は、道路交通需要データ、グローバルコンテキスト101及び走行行動予測部82によって予測された将来走行経路・時刻予測結果を示す将来走行経路・時刻予測結果情報114を使い、走行ゾーン毎に道路交通需要予測を行う。
図9(a)、(b)は、走行ゾーン別道路交通需要予測部83が、対象地域を走行ゾーンに分割することを説明するための図である。走行ゾーン別道路交通需要予測部83は、図9(a)に示すように、対象地域を格子状に走行ゾーンに分割する。または、走行ゾーン別道路交通需要予測部83は、図9(b)に示すように、対象地域を行政界に準じて走行ゾーンに分割している。
2.2 道路交通需要予測方法
図10は、図8に示した道路交通需要予測装置6の走行ゾーン別道路交通需要予測部83が実行する道路交通需要予測の処理のフローチャートを示した図である。なお、図10中に示した記号または関数は、以下の因子を示す。
Figure 0006314656
走行ゾーン別道路交通需要予測部83は、走行行動予測部82が出力した将来走行経路・時刻予測結果情報114を入力する。将来走行経路・時刻予測結果情報114は、走行ゾーン毎に生成されている。そして、走行ゾーン別道路交通需要予測部83は、個人の将来的な走行経路・時刻予測結果を走行ゾーン毎に積算して走行ゾーン毎の総和をとり、個人の将来的な道路交通需要を集計する(ステップS91)。そして、走行ゾーン別道路交通需要予測部83は、処理対象となる走行ゾーンiと時間帯Tとを抽出する(ステップS92)。
走行ゾーン別道路交通需要予測部83は、グローバルコンテキスト101を入力し、道路交通需要D・B2からステップS92で抽出した走行ゾーンi及び時間帯Tのグローバルコンテキストにおける平均道路交通需要を抽出する(ステップS93)。続いて、走行ゾーン別道路交通需要予測部83は、道路交通需要D・B2からステップS92で抽出した走行ゾーンi及び時間帯Tのグローバルコンテキストにおける構成員の平均道路交通需要を抽出する(ステップS94)。
走行ゾーン別道路交通需要予測部83は、後述する方法によって走行ゾーンの構成員の影響の大きさを求め、走行ゾーンの構成員の影響の大きさを、予め定めたランクA、ランクB、ランクCのいずれかに振り分ける(ステップS95)。
走行ゾーンiの構成員の影響の大きさがランクAに該当する場合、走行ゾーン別道路交通需要予測部83は、関数fを使って将来道路交通需要を推計する(ステップS96)。また、走行ゾーン別道路交通需要予測部83は、走行ゾーンiの構成員の影響の大きさがランクBに該当する場合に関数fを使って将来道路交通需要を推計し(ステップS97)し、走行ゾーンiの構成員の影響の大きさがランクCに該当する場合に関数fを使って将来道路交通需要を推計する(ステップS98)。関数f、関数f、関数fは、式(1)において重み付け係数αの値が異なる式で表される。
第2実施形態では、影響ランクが中程度(例えばランクB)の場合、相対的に値が小さい重み付け係数を有する関数(例えば関数f)を使って将来道路交通需要を推計する。また、影響ランクが相対的に高い(例えばランクA)場合、相対的に値が大きい重み付け係数を有する関数(例えば関数f)を使って将来道路交通需要を推計する。さらに、第2実施形態では、影響ランクが相対的に低い(例えばランクC)場合、相対的に値が小さい重み付け係数(例えば「0」)を有する関数(例えば関数f)を使って将来道路交通需要を推計する。
図11は、図8に示した走行ゾーン別道路交通需要予測部83が、走行ゾーン毎に対象者の道路交通需要が道路交通需要全体に与える影響の大きさを評価する方法を説明するための表である。図11に示した表の行は走行ゾーンを示し、列は走行ゾーンに対応する組織体数(工場、事業所、官公庁等の数)、組織体の構成員の合計人数、構成員の自宅数、POI数(第2実施形態では、観光地やイベント会場等非日常的なPOIだけではなく、商業施設、病院、官公庁窓口等の日常的な立ち寄り先を含む)、幹線道路の長さ、一般道の道路長さ、交差点数等(道路属性)を計数し、走行ゾーンの道路交通需要が平均道路交通需要に与える影響をランキング評価する。
なお、第2実施形態では、影響の大きさを3つのレベルに設定し、各レベルを「×」、「○」、「◎」で表している。例えば、図11中に示した「×」は最も影響が小さいレベルを示し、「◎」は最も影響が大きいレベルを示し、「○」は「×」よりも大きく、「◎」よりも影響が小さいレベルを示す。走行ゾーン別道路交通需要予測部83は、「×」、「○」、「◎」を走行ゾーン毎に集計し、走行ゾーンの影響ランク(第2実施形態ではA、B、C)を決定する。
第2実施形態は、図11に示したパラメータ(走行ゾーン毎の組織体の数、組織体の構成員の数、構成員の移動に係る出発地の数、POIの数、道路属性)の全てを使って個人の道路交通需要の影響の程度を評価するものに限定されない。第2実施形態は、このようなパラメータの少なくとも1つを使って個人の道路交通需要の影響の程度を評価するものであればよい。
[第3実施形態]
3.1 道路交通需要予測装置の構成
以下、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態の説明において、第1実施形態、第2実施形態で説明した構成と同様の構成については同様の符号を付し、その説明を一部略す。第3実施形態の道路交通需要予測装置は、道路交通需要D・B2から抽出される走行ゾーン毎の平均道路交通需要余裕及び個人の平均道路交通需要とパーソナルコンテキストから予測される個人の将来的な道路交通需要とを用いて、将来道路交通渋滞を推計するものである。
図12は、第3実施形態の道路交通需要予測装置7を含むシステムを示している。道路交通需要予測装置7は、パーソナルコンテキスト入力部11、走行行動予測部122及び走行ゾーン別道路交通需要・渋滞予測部123を備えている。走行ゾーン別道路交通需要・渋滞予測部123は、グローバルコンテキスト101、業務・公共車両運行計画情報102、道路交通需要データ103を取得するアンテナ14を備えている。
走行行動予測部122は、パーソナルコンテキストから個人が車両を走行させる際の走行行動を予測する。第3実施形態では、走行行動予測部122が、構成員が今後走行すると考えられる道路と、道路を走行する時刻とを予測し、予測結果を示す将来走行経路・時刻予測結果情報114を生成する。
走行ゾーン別道路交通需要・渋滞予測部123は、道路交通需要データ、グローバルコンテキスト101及び走行行動予測部122によって予測された将来走行経路・時刻予測結果を示す将来走行経路・時刻予測結果情報114を使い、走行ゾーン毎に道路交通需要及び渋滞の予測を行っている。
2.2 道路交通需要・渋滞予測方法
図13は、図12に示した道路交通需要予測装置7の走行ゾーン別道路交通需要・渋滞予測部123が実行する道路交通需要・渋滞予測の処理のフローチャートを示した図である。なお、図13中に示した記号または関数は、以下の因子を示す。
Figure 0006314656
走行ゾーン別道路交通需要・渋滞予測部123は、グローバルコンテキスト101と道路交通需要データベース2から取得した道路交通需要データ103とから、グローバルコンテキスト101における構成員の走行ゾーンi、時間帯kの平均道路交通需要を抽出する(ステップS131)。次に、走行ゾーン別道路交通需要・渋滞予測部123は、道路交通需要データ103を使って集計した平均道路交通需要余裕から、グローバルコンテキスト101における走行ゾーンi、時間帯kの平均道路交通需要余裕データを抽出する(ステップS132)。なお、第3実施形態では、抽出された平均道路交通需要余裕データを蓄積し、平均道路交通需要余裕データD・B124を作成する。
平均道路交通需要余裕は、平均的な道路交通需要に対して、どの程度道路交通需要が増加すると渋滞が発生するかという、渋滞発生までに受容可能な道路交通需要の大きさを表す。
次に、走行ゾーン別道路交通需要・渋滞予測部123は、構成員の将来走行経路・時刻予測結果情報114から、翌日の構成員の走行ゾーンi、時間帯kの道路交通需要を抽出する(ステップS133)。続いて、走行ゾーン別道路交通需要・渋滞予測部123は、翌日に相当する過去の構成員の走行ゾーンi、時間帯kの道路交通需要の平均値を道路交通需要D・B2から取得する。そして、翌日の構成員の走行ゾーンi、時間帯kの道路交通需要と翌日の構成員の走行ゾーンi、時間帯kの道路交通需要の平均値との差分(較差)を算出する(ステップS134)。さらに、走行ゾーン別道路交通需要・渋滞予測部123は、ステップS134で算出した較差と、平均道路交通需要余裕とを比較する(ステップS135)。
ステップS135の比較の結果、平均道路交通需要余裕より較差が小さい場合には(ステップS135:No)、渋滞が発生しないと予測される。このとき、走行ゾーン別道路交通需要・渋滞予測部123は、ステップS137に進んで以上の処理を全グローバルコンテキストg、全走行ゾーンi、全時間帯kについて終了したか否か判断する(ステップS137)。全グローバルコンテキストg、全走行ゾーンi、全時間帯kについて処理が終了したと判断した場合(ステップS137:Yes)、走行ゾーン別道路交通需要・渋滞予測部123は、全ての処理を終了する。
一方、ステップS135において平均道路交通需要余裕より較差が大きい場合には(ステップS135:Yes)、渋滞が発生することが予測される。このため、走行ゾーン別道路交通需要・渋滞予測部123は、較差と平均道路交通需要余裕との差を計算し(ステップS136)、較差と平均道路交通需要余裕との差を走行ゾーンi、時間帯kの渋滞の程度の予測値として出力する(ステップS136)。走行ゾーン別道路交通需要・渋滞予測部123は、以上の処理を全グローバルコンテキストg、全走行ゾーンi、全時間帯kについて終了したか否か判断する(ステップS137)。そして、走行ゾーン別道路交通需要・渋滞予測部123は、全グローバルコンテキストg、全走行ゾーンi、全時間帯kについて処理が終了した場合には全ての処理を終了し(ステップS137:Yes)、処理が終了していない場合には(ステップS137:No)、ステップS131に戻って次の処理を実行する。
図14は、走行ゾーン別道路交通需要・渋滞予測部123が走行ゾーン毎の平均道路交通需要余裕データベース124を作成する手順を説明するためのフローチャートである。
なお、図14中に示した記号または関数は、以下の因子を示す。
Figure 0006314656
走行ゾーン別道路交通需要・渋滞予測部123は、道路交通需要データベース2から、グローバルコンテキストにおける走行ゾーンi、時間帯kの道路交通需要を抽出する(ステップS141)。次に、複数の走行ゾーンi、複数の時間帯kの道路交通需要(以下、「データ群」とも記す)の平均値を算出する(ステップS142)。次に、走行ゾーン別道路交通需要・渋滞予測部123は、データ群の最大値を算出する(ステップS143)。ステップS143で算出された最大値は、飽和道路交通流量となり、飽和道路交通流量以上の道路交通需要があると渋滞が発生すると考えられる。
さらに、走行ゾーン別道路交通需要・渋滞予測部123は、データ群の平均値と最大値の差を算出する(ステップS144)。ステップS144において算出したデータ群の平均値と最大値の差は、グローバルコンテキストにおける走行ゾーンi、時間帯kの平均道路交通需要余裕となる。走行ゾーン別道路交通需要・渋滞予測部123は、平均道路交通需要余裕を平均道路交通需要余裕D・B124に書き込む(ステップS145)。
走行ゾーン別道路交通需要・渋滞予測部123は、全グローバルコンテキストg、全走行ゾーンi、全時間帯kについて処理が終了したか否か判断する(ステップS146)。処理が終了している場合には全ての処理を終了し(ステップS146:Yes)、処理が終了していない場合には(ステップS146:No)、ステップS141に戻って次の処理を実行する。
[第4実施形態]
4.1 道路交通需要予測装置の構成
以下、本発明の第4実施形態を説明する。第4実施形態の説明において、第1実施形態から第3実施形態で説明した構成と同様の構成については同様の符号を付し、その説明を一部略す。第4実施形態の道路交通需要予測装置は、道路交通需要予測を行う対象となる対象地域を道路とし、道路を道路リンクに分割し、道路リンク毎に予測を行うものである。なお、第4実施形態では、道路を分岐点で分割し、分割した道路(道路区間)の各々を「道路リンク」と記す。
図15は、第4実施形態の道路交通需要予測装置8を含むシステムを示している。道路交通需要予測装置8は、パーソナルコンテキスト入力部11、走行行動予測部152及び道路リンク別道路交通需要予測部153を備えている。また、道路リンク別道路交通需要予測部153は、グローバルコンテキスト101、業務・公共車両運行計画情報102、道路交通需要データ103を取得するアンテナ14を備えている。
走行行動予測部152は、パーソナルコンテキストから個人が車両を走行させる際の走行行動を予測する。第4実施形態では、走行行動予測部152が、構成員が今後走行すると考えられる道路と、道路を走行する時刻とを予測し、予測結果を示す将来走行経路・時刻予測結果情報154を生成する。
道路リンク別道路交通需要予測部153は、道路交通需要データ、グローバルコンテキスト101及び走行行動予測部152によって予測された将来走行経路・時刻予測結果を示す将来走行経路・時刻予測結果情報154を使い、道路リンク毎に道路交通需要を予測する。
4.2 道路交通需要予測方法
図16は、図15に示した道路交通需要予測装置8の道路リンク別道路交通需要予測部153が実行する道路交通需要予測の処理のフローチャートを示した図である。なお、図16中に示した記号または関数は、以下の因子を示す。
Figure 0006314656
道路リンク別道路交通需要予測部153は、走行行動予測部152が出力した将来走行経路・時刻予測結果情報154を入力する。将来走行経路・時刻予測結果情報154は、道路リンク毎に生成されている。そして、道路リンク別道路交通需要予測部153は、個人の将来的な走行経路・時刻予測結果を道路リンク毎に積算して道路リンク毎の総和をとり、個人の将来的な道路交通需要を集計する(ステップS161)。そして、道路リンク別道路交通需要予測部153は、処理対象となる道路リンクiと時間帯Tとを抽出する(ステップS162)。
道路リンク別道路交通需要予測部153は、グローバルコンテキストを入力し、道路交通需要D・B2からステップS162で抽出した道路リンクi及び時間帯Tのグローバルコンテキストにおける平均道路交通需要を抽出する(ステップS163)。続いて、道路リンク別道路交通需要予測部153は、道路交通需要D・B2からステップS162で抽出した道路リンクi及び時間帯Tのグローバルコンテキストにおける構成員の平均道路交通需要を抽出する(ステップS164)。
道路リンク別道路交通需要予測部153は、後述する方法によって道路リンクの構成員の影響の大きさを求め、道路リンクの構成員の影響の大きさを、予め定めたランクA、ランクB、ランクCのいずれかに振り分ける(ステップS165)。
道路リンクの構成員の影響の大きさがランクAに該当する場合、道路リンク別道路交通需要予測部153は、関数fを使って将来道路交通需要を推計する(ステップS166)。また、道路リンク別道路交通需要予測部153は、道路リンクの構成員の影響の大きさがランクBに該当する場合に関数fを使って将来道路交通需要を推計し(ステップS167)、道路リンクの構成員の影響の大きさがランクCに該当する場合に関数fを使って将来道路交通需要を推計する(ステップS168)。関数f、関数f、関数fは、式(1)において重み付け係数αの値が異なる式で表される。
第4実施形態では、影響ランクが中程度(例えばランクB)の場合、相対的に値が小さい重み付け係数を有する関数(例えば関数f)を使って将来道路交通需要を推計する。また、影響ランクが相対的に高い(例えばランクA)場合、相対的に値が大きい重み付け係数を有する関数(例えば関数f)を使って将来道路交通需要を推計する。さらに、第4実施形態では、影響ランクが相対的に低い(例えばランクC)場合、ランクBの重み付け係数よりも小さい重み付け係数(例えば「0」)を有する関数(例えば関数f)を使って将来道路交通需要を推計する。
図17は、図15に示した道路リンク別道路交通需要予測部153が、道路リンク毎に対象者の道路交通需要が全体需要に与える影響の大きさを評価する方法を説明するための表である。図17に示した表の行は道路リンクを示し、列は道路リンクに対応する組織体数(工場、事業所、官公庁等の数)、組織体の構成員の合計人数、構成員の自宅数、POI数(第4実施形態では、観光地やイベント会場等非日常的なPOIだけではなく、商業施設、病院、官公庁窓口等の日常的な立ち寄り先を含む)、幹線道路の長さ、一般道の道路長さ、交差点数等を計数し、道路リンクの道路交通需要が平均道路交通需要に与える影響をランキング評価する。
第4実施形態では、影響の大きさを3つのレベルに設定し、各レベルを「×」、「○」、「◎」で表している。例えば、図17中に示した「×」は最も影響が小さいレベルを示し、「◎」は最も影響が大きいレベルを示し、「○」は「×」よりも大きく、「◎」よりも影響が小さいレベルを示す。道路リンク別道路交通需要予測部153は、「×」、「○」、「◎」を道路リンク毎に集計し、道路リンクの影響ランク(第4実施形態ではA、B、C)を決定する。
なお、第4実施形態は、図17に示したパラメータ(走行ゾーン毎の組織体の数、組織体の構成員の数、構成員の移動に係る出発地の数、POIの数、道路属性)の全てを使って個人の道路交通需要の影響の程度を評価するものに限定されない。第4実施形態は、このようなパラメータの少なくとも1つを使って個人の道路交通需要の影響の程度を評価するものであればよい。
[第5実施形態]
5.1 道路交通需要予測装置の構成
以下、本発明の第5実施形態を説明する。第5実施形態の説明において、第1実施形態から第4実施形態で説明した構成と同様の構成については同様の符号を付し、その説明を一部略す。第5実施形態の道路交通需要予測装置は、道路交通需要D・B2から抽出される道路リンク毎の平均道路交通需要余裕及び個人の平均道路交通需要とパーソナルコンテキスト101から予測される個人の将来的な道路交通需要とを用いて、将来道路交通渋滞を推計するものである。
図18は、第5実施形態の道路交通需要予測装置9を含むシステムを示している。第5実施形態の道路交通需要予測装置9は、パーソナルコンテキスト入力部11、走行行動予測部152及び道路リンク別道路交通需要・渋滞予測部183を備えている。道路リンク別道路交通需要・渋滞予測部183は、グローバルコンテキスト101、業務・公共車両運行計画情報102、道路交通需要データ103を取得するアンテナ14を備えている。
走行行動予測部152は、パーソナルコンテキストから個人が車両を走行させる際の走行行動を予測する。第5実施形態では、走行行動予測部152が、構成員が今後走行すると考えられる道路と、道路を走行する時刻とを予測し、予測結果を示す将来走行経路・時刻予測結果情報154(予測行動情報104に相当)を生成する。
道路リンク別道路交通需要・渋滞予測部183は、道路交通需要データ、グローバルコンテキスト101及び走行行動予測部152によって予測された将来走行経路・時刻予測結果を示す将来走行経路・時刻予測結果情報154を使い、道路リンク毎に道路交通需要及び渋滞の予測を行っている。
5.2 道路交通需要・渋滞予測方法
図19は、図18に示した道路交通需要予測装置9の道路リンク別道路交通需要・渋滞予測部183が実行する道路交通需要・渋滞予測の処理のフローチャートを示した図である。なお、図19中に示した記号または関数は、以下の因子を示す。
Figure 0006314656
道路リンク別道路交通需要・渋滞予測部183は、グローバルコンテキストと道路交通需要データベース2から取得した道路交通需要データ103とから、グローバルコンテキストにおける構成員の道路リンクi、時間帯kの平均道路交通需要を抽出する(ステップS191)。次に、道路リンク別道路交通需要・渋滞予測部183は、道路交通需要データ103を使って集計した平均道路交通需要余裕から、グローバルコンテキストにおける道路リンクi、時間帯kの平均道路交通需要余裕データを抽出する(ステップS192)。なお、第5実施形態では、抽出された平均道路交通需要余裕データを蓄積し、平均道路交通需要余裕データD・B184を作成する。
平均道路交通需要余裕は、平均的な道路交通需要に対して、どの程度道路交通需要が増加すると渋滞が発生するかという、渋滞発生までに受容可能な道路交通需要の大きさを表す。
次に、道路リンク別道路交通需要・渋滞予測部183は、構成員の将来走行経路・時刻予測結果情報154から、翌日の構成員の道路リンクi、時間帯kの道路交通需要を抽出する(ステップS193)。続いて、道路リンク別道路交通需要・渋滞予測部183は、過去の翌日に相当する日の構成員の道路リンクi、時間帯kの道路交通需要の平均値を道路交通需要D・B2から取得する。そして、翌日の構成員の道路リンクi、時間帯kの道路交通需要と翌日の構成員の道路リンクi、時間帯kの道路交通需要の平均値との差分(較差)を算出する(ステップS194)。さらに、道路リンク別道路交通需要・渋滞予測部183は、ステップS194で算出した較差と、平均道路交通需要余裕とを比較する(ステップS195)。
ステップS195の比較の結果、平均道路交通需要余裕より較差が小さい場合には(ステップS195:No)、渋滞が発生しないと予測される。このとき、道路リンク別道路交通需要・渋滞予測部183は、ステップS197に進んで以上の処理を全グローバルコンテキストg、全道路リンクi、全時間帯kについて終了したか否か判断する(ステップS197)。全グローバルコンテキストg、全道路リンクi、全時間帯kについて処理が終了したと判断した場合(ステップS197:Yes)、道路リンク別道路交通需要・渋滞予測部183は、全ての処理を終了する。
一方、ステップS195において平均道路交通需要余裕より較差が大きい場合には(ステップS195:Yes)、渋滞が発生することが予測される。このため、道路リンク別道路交通需要・渋滞予測部183は、較差と平均道路交通需要余裕との差を計算し(ステップS196)、較差と平均道路交通需要余裕との差を道路リンクi、時間帯kの渋滞の程度の予測値として出力する(ステップS196)。道路リンク別道路交通需要・渋滞予測部183は、以上の処理を全道路リンクi、全時間帯kについて終了したか否か判断する(ステップS197)。そして、道路リンク別道路交通需要・渋滞予測部183は、全道路リンクi、全時間帯kについて処理が終了した場合には全ての処理を終了し(ステップS197:Yes)、処理が終了していない場合には(ステップS197:No)、ステップS191に戻って次の処理を実行する。
図20は、道路リンク別道路交通需要・渋滞予測部183が道路リンク毎の平均道路交通需要余裕データベース184を作成する手順を説明するためのフローチャートである。
なお、図20中に示した記号または関数は、以下の因子を示す。
Figure 0006314656
道路リンク別道路交通需要・渋滞予測部183は、道路交通需要データベース2から、あるグローバルコンテキストにおける道路リンクi、時間帯kの道路交通需要を抽出する(ステップS201)。次に、複数の道路リンクi、複数の時間帯kの道路交通需要(以下、「データ群」とも記す)の平均値を算出する(ステップS202)。次に、道路リンク別道路交通需要・渋滞予測部183は、データ群の最大値を算出する(ステップS203)。ステップS203で算出された最大値は、飽和道路交通流量となり、飽和道路交通流量以上の道路交通需要があると渋滞が発生すると考えられる。
さらに、道路リンク別道路交通需要・渋滞予測部183は、データ群の平均値と最大値の差を算出する(ステップS204)。ステップS204において算出したデータ群の平均値と最大値の差は、抽出したグローバルコンテキストにおける道路リンクi、時間帯kの平均道路交通需要余裕となる。道路リンク別道路交通需要・渋滞予測部183は、平均道路交通需要余裕を平均道路交通需要余裕D・B124に書き込む(ステップS205)。
道路リンク別道路交通需要・渋滞予測部183は、全グローバルコンテキスト、全道路リンクi、全時間帯kについて処理が終了したか否か判断する(ステップS206)。処理が終了している場合には全ての処理を終了し(ステップS206:Yes)、処理が終了していない場合には(ステップS206:No)、ステップS201に戻って次の処理を実行する。
以上、説明したように、本発明の第1実施形態から第5実施形態によれば、パーソナルコンテキストから一般車の将来挙動を取り込むことにより、道路交通需要の予測精度を高めることができる。
情報源は、組織体の構成員、サービス会員、インターネット・クラウド・サービス上の情報としているため、広範囲なパーソナルコンテキストを取り込むことができる。さらに、対象地域を走行ゾーンに分割し、走行ゾーン毎の道路交通需要における個人の道路交通需要の影響ランクによって道路交通需要推計手法を変えることによって、推計処理を効率的に行うことができる。また、道路交通需要データベースから導出した平均道路交通需要余裕を用いることで、効率よく将来道路交通渋滞を推計することができる。
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態について説明する。なお、第6実施形態において、第1実施形態から第5実施形態のいずれかで説明した構成については同様の符号を付し、その説明を省くものとする。
図21は、第6実施形態の道路交通需要予測装置1を含むシステムを示した図である。道路交通需要予測装置1は、パーソナルコンテキスト入力部11、走行行動予測部12及び道路交通需要予測部13を備えている。また、道路交通需要予測部13は、グローバルコンテキスト101、業務・公共車両運行計画情報102、道路交通需要データ103を取得するアンテナ14を備えている。第6実施形態の道路交通需要予測装置1は、道路交通需要予測部13がアンテナ14によって構成員の道路交通需要データベース211から構成員の平均道路交通需要を取得する点で第1実施形態と相違する。また、第6実施形態では、走行行動予測部12が、組織体を構成する構成員の走行行動を予測するものとする。
6.1 道路交通需要予測
図22は、第6実施形態の道路交通需要予測部13で実行される処理を説明するためのフローチャートである。なお、図22中に示した記号または関数は、以下の因子を示す。
Figure 0006314656
道路交通需要予測部13は、走行行動予測部12によって予測された構成員の将来走行経路・時刻予測結果(予測行動情報104)から、構成員の将来道路交通需要を集計する(ステップS221)。ここで、構成員は、パーソナルコンテキストを提供している組織体を構成する各個人を指す。
また、道路交通需要予測部13は、グローバルコンテキスト101を読み込む(ステップS222)。さらに、道路交通需要予測部13は、グローバルコンテキスト101における対象地域のゾーン分割を行い、対象地域を複数の走行ゾーン{Zii…i}に分割する(ステップS223)。対象地域の分割後、道路交通需要予測部13は、以降の処理を走行ゾーン{Zii…i}毎に実行する。
道路交通需要予測部13は、道路交通需要D・B2からグローバルコンテキストにおける平均道路交通需要を抽出する(ステップS224)。そして、道路交通需要予測部13は、図21に示した構成員の道路交通需要D・B211からグローバルコンテキスト101における構成員の平均道路交通需要を抽出する(ステップS225)。さらに、道路交通需要予測部13は、ステップS221において集計された構成員の将来道路交通需要から、グローバルコンテキストgにおける構成員の平均道路交通需要を抽出する(ステップS226)。
道路交通需要予測部13は、以上の処理によって抽出した情報を使い、グローバルコンテキスト101における将来道路交通需要の推計を行う(ステップS227)。
6.2 対象地域の分割(走行ゾーンの生成)
図23−1は、第6実施形態の対象地域を走行ゾーンに分割する処理手順を説明するためのフローチャートである。図23−1に示した処理は、図22に示したステップS223のサブルーチンの内容を示したものであり、図1に示した道路交通需要予測部13が実行する。
道路交通需要予測部13は、先ず、対象地域を予め設定されている初期サイズの走行ゾーンに分割して走行ゾーン群{Z}を生成する(ステップS231)。道路交通需要予測部13は、以降の処理をステップS231において生成した走行ゾーン群{Z}に含まれる全ての走行ゾーンについて実行する。
道路交通需要予測部13は、走行ゾーンのインデックスを取り込み、取り込んだインデックスをZとして扱う(ステップS232)。次に、道路交通需要予測部13は、走行ゾーンZ内の組織体数NSite、構成員数Nmember、自宅数NHome、POI数NPoi、道路規格FC毎の道路長LFC、グローバルコンテキストにおける道路交通需要の変動量ΔQを読み込む(ステップS233)。ここで、組織体とは、パーソナルコンテキストを企業、団体等の単位で提供している場合の提供母体を指す。自宅数は、構成員が居住している居所の数を指す。道路規格は、道路構造令による道路区分等、道路の機能の分類を示す。
次に、道路交通需要予測部13は、走行ゾーンZのゾーンサイズSZoneを調べ、ゾーンサイズSZoneを予め設定されている走行ゾーンの最小値SZone minと比較する(ステップS234)。ゾーンサイズSZoneが走行ゾーンの最小値SZone minより大きい場合(ステップS234:No)、走行ゾーンZ内の組織体数NSite、構成員数Nmember、自宅数NHome、POI数NPoi、道路規格FC毎の道路長LFC、グローバルコンテキストにおける道路交通需要の変動量ΔQを、それぞれパラメータ毎に予め設定されている所定の値と比較する(ステップS237、ステップS238、ステップS239、ステップS240、ステップS241、ステップS242)。
ステップS237からステップS242において、走行ゾーンZ内の組織体数NSite、構成員数Nmember、自宅数NHome、POI数NPoi、道路規格FC毎の道路長LFC、グローバルコンテキストにおける道路交通需要の変動量ΔQの少なくとも1つが所定の値(走行ゾーンZ内の組織体数NSite max、構成員数Nmember max、自宅数NHome max、POI数NPoi max、道路規格FC毎の道路長LFC max、グローバルコンテキストにおける道路交通需要の変動量ΔQgmax)より大きいと判断した場合(ステップS237、ステップS238、ステップS239、ステップS240、ステップS241、ステップS242:No)、道路交通需要予測部13は、走行ゾーンZを再分割する(ステップS243)。そして、走行ゾーンのインデックスの桁数を増加させる(ステップS244)。
また、道路交通需要予測部13は、ステップS237からステップS242において全てイエスと判断した場合(ステップS237、ステップS238、ステップS239、ステップS240、ステップS241、ステップS242:Yes)、次の走行ゾーンZについて同様の処理を繰り返す。
そして、道路交通需要予測部13は、全てのi(全ての走行ゾーン)について処理が終了したか否か判断する(ステップS235)。ステップS235において全ての走行ゾーンZについて処理が終了していない場合(ステップS234:No)、道路交通需要予測部13は、ステップS232に戻って次の走行ゾーンZについて処理を行う。
一方ステップS235において、全ての走行ゾーンZについて処理が終了したと判断した場合(ステップS234:Yes)、道路交通需要予測部13は、全ての走行ゾーンZについて、走行ゾーン群{Z}({Zii…i})の地理情報、走行ゾーンZ内の組織体数NSite、構成員数Nmember、自宅数NHome、POI数NPoi、道路規格FC毎の道路長LFC、グローバルコンテキストにおける道路交通需要の変動量ΔQを書きだす(ステップS236)。
なお、第6実施形態は、走行ゾーンZ内の組織体数NSite、構成員数Nmember、自宅数NHome、POI数NPoi、道路規格FC毎の道路長LFC、グローバルコンテキストにおける道路交通需要の変動量ΔQの全てを使って走行ゾーンの細分割を決定するものに限定されるものではない。第6実施形態は、走行ゾーンZ内の組織体数NSite、構成員数Nmember、自宅数NHome、POI数NPoi、道路規格FC毎の道路長LFC、グローバルコンテキストにおける道路交通需要の変動量ΔQの少なくとも1つを使って走行ゾーンの細分割を決定するものであればよい。
6.3 走行ゾーンの細分割(長方形格子状に走行ゾーンの細分割)
図23−2は、図23−1に示したステップS234のサブルーチンの内容を説明するためのフローチャートである。図23−2に示したフローチャートは、長方形の格子状に走行ゾーンを細分化する処理を説明する処理を示している。
図24は、図23−2に示したフローチャートの処理によって細分化される走行ゾーンZを説明するための図である。図24に示した走行ゾーンZは、図中の縦方向の長さがΔY、図中の横方向の長さがΔXの矩形形状を有している。図23−2に示したフローチャートは、図24に示した走行ゾーンZを走行ゾーンZI1、走行ゾーンZI2、走行ゾーンZI3、走行ゾーンZI4の4つに細分割する例を説明する。
図23−2に戻り、道路交通需要予測部13は、走行ゾーンZの端点座標(X,Y)と、サイズ(ΔX,ΔY)とを読み込む(ステップS251)。第6実施形態においては、走行ゾーンZを、X方向、Y方向共に二等分する。このため、道路交通需要予測部13は、走行ゾーンZI1のサイズを(ΔX/2,ΔY/2)とする。また、道路交通需要予測部13は、走行ゾーンZの図中左下点(端点)のX座標を走行ゾーンZI1の端点のX座標とし、走行ゾーンZI1のY座標を走行ゾーンZの端点のY座標にΔY/2を加算した座標とする(ステップS252)。
また、道路交通需要予測部13は、走行ゾーンZI2のサイズを(ΔX/2,ΔY/2)とし、走行ゾーンZの端点のX座標にΔX/2を加算した座標を走行ゾーンZ2のX座標とし、走行ゾーンZの端点のY座標にΔYI/2を加算した座標を走行ゾーンZI2のY座標とする(ステップS253)。また、道路交通需要予測部13は、走行ゾーンZI3のサイズを(ΔX/2,ΔY/2)とし、走行ゾーンZの端点のX座標を走行ゾーンZI3のX座標とし、走行ゾーンZの端点のY座標を走行ゾーンZI3のY座標とする(ステップS254)。さらに、道路交通需要予測部13は、走行ゾーンZI4のサイズを(ΔX/2,ΔY/2)とし、走行ゾーンZの端点のX座標にΔX/2を加算した座標を走行ゾーンZI4のX座標とし、走行ゾーンZの端点のY座標を走行ゾーンZI4のY座標とする(ステップS255)。
以上の処理の後、道路交通需要予測部13は、走行ゾーンZI1、走行ゾーンZI2、走行ゾーンZI3、走行ゾーンZI4のサイズと端点の座標とを出力し、図23−1に示したメインルーチンに戻る。
図25は、第6実施形態の長方形格子状に走行ゾーンを細分割した状態を示す模式図である。図25は、対象地域を初期サイズとし、対象地域を対象地域内の組織体数NSite、構成員数Nmember、自宅数NHome、POI数NPoi、道路規格FC毎の道路長LFC(対象地域内の道路の規格毎の長さ)、グローバルコンテキストにおける道路交通需要(道路交通需要D・B2から抽出される交通需要)の変動量ΔQに応じた細分割を行った結果、対象地域を四つのレベルのゾーンサイズに分割した状態を示している。図25によれば、個人の走行行動の出発地、目的地、POI、道路等が密に配置された箇所ではゾーンサイズが小さくなることが分かる。また、図25によれば、個人の走行行動の出発地、目的地、POI、道路等の配置が疎である地域のゾーンサイズが大きくなることが分かる。
6.4 走行ゾーンZ内の組織体数NSite max、構成員数Nmember max、自宅数NHome max、POI数NPoi max、道路規格FC毎の道路長LFC max、グローバルコンテキストにおける道路交通需要の変動量ΔQgmaxの決定
第6実施形態は、走行ゾーンZ内の組織体数NSite、構成員数Nmember、自宅数NHome、POI数NPoi、道路規格FC毎の道路長LFC、グローバルコンテキストにおける道路交通需要の変動量ΔQの少なくとも1つが対応する最大値である走行ゾーンZ内の組織体数NSite max、構成員数Nmember max、自宅数NHome max、POI数NPoi max、道路規格FC毎の道路長LFC max、グローバルコンテキストにおける道路交通需要の変動量ΔQgmax(以下、「各変数最大値」あるいは「変数の解像度」とも記す)を超えた場合に走行ゾーンを細分割する。このような最大値は、対象地域によって相違する。また、最大値は、対象地域が同じであってもグローバルコンテキストによって相違する。
第6実施形態は、対象地域毎に、代表的なグローバルコンテキストについて事前に各変数最大値を定めておく。
なお、走行ゾーンの細分割は、走行ゾーンを細かく分割するほど走行ゾーンに対応した高い精度で処理を行うことができる。しかし、走行ゾーンを細かく細分割すると、走行ゾーンの数が増加することよって計算リソースの負荷が増大する。このため、各変数最大値の決定は、計算リソースの制限下で、最大の計算精度が得られるように、変数の解像度のバランスをとることが求められる。
第6実施形態は、上記理由により、各変数最大値の決定を、所与の制約条件下での多変数空間における目的関数の極値問題と考える。そして、第6実施形態は、計算リソースの制限によって決まる走行ゾーン数の範囲内で、各変数最大値の微小な変化によって起きる最終的な目的関数である将来道路交通需要の推計値の変化が最小となる状態を求めている。
図26は、図23−1に示したステップS237からステップS242に示した走行ゾーンZ内の組織体数NSite max、構成員数Nmember max、自宅数NHome max、POI数NPoi max、道路規格FC毎の道路長LFC max、グローバルコンテキストにおける道路交通需要の変動量ΔQgmaxを決定するための処理を説明するためのフローチャートである。なお、第6実施形態において、図26に示した処理は、第6実施形態の道路交通需要予測装置の道路交通需要予測部13で予め行うものとする。しかし、図26に示した処理は、他のパーソナルコンピュータで予め行い、結果を道路交通需要予測部13に保存するものであってもよい。
道路交通需要予測部13は、変数最大値を算出する処理に利用可能な計算リソースのメモリ容量や演算速度、適用状況等を考慮し、細分割によって生成可能な走行ゾーンの最大数NZONE maxを設定する(ステップS261)。
次に、道路交通需要予測部13は、対象地域内の組織体数NSite、構成員数Nmember、自宅数NHome、POI数NPoi、道路規格FC毎の道路長LFC、グローバルコンテキストにおける道路交通需要の変動量ΔQの各変数に適当な初期値を与え、走行ゾーン別道路交通需要予測処理を行う(ステップS262)。
道路交通需要予測部13は、ステップS264で行った走行ゾーン別道路交通需要予測処理の結果から総ゾーン数NZONEを算出する(ステップS263)。そして、走行ゾーン毎の将来道路交通需要の推計値TDii…i を算出する。このとき、道路交通需要予測部13は、各変数を予め設定した比較的微小な値ずつ変化させながら推計値TDii…i を算出する(ステップS264)。そして、道路交通需要予測部13は、総ゾーン数が最大ゾーン数以下の範囲において(ステップS265)、将来道路交通需要の推計値TDii…i の総和の変化が最小となる条件を探索する(ステップS266)。ステップS266において、推定値が条件を満たした場合(ステップS266:Yes)、道路交通需要予測部13は、推定値の算出に使用された各変数を出力する。
また、道路交通需要予測部13は、ステップS265において総ゾーン数NZONEが最大ゾーン数NZONE max以下でなかった場合(ステップS265:No)、ステップS266において将来道路交通需要の推計値TDii…i の総和の変化が最小でなかった場合(ステップS266:No)、走行ゾーンZ内の組織体数NSite max、構成員数Nmember max、自宅数NHome max、POI数NPoi max、道路規格FC毎の道路長LFC max、グローバルコンテキストにおける道路交通需要の変動量ΔQgmaxを調整し(ステップS268)、新たな変数として設定する(ステップS269)。
さらに、道路交通需要予測部13は、設定された新たな変数を使ってステップS262の処理を実行する。
[第7実施形態]
次に、本発明の第7実施形態について説明する。なお、第7実施形態において、第1実施形態ないし第6実施形態のいずれかで説明した構成については同様の符号を付し、その説明を省くものとする。第7実施形態の道路交通需要予測装置は、対象地域を行政で定められた境界で分割して複数の矩形形状の走行ゾーンを生成するものである。
第7実施形態の道路交通需要予測装置は、第6実施形態の道路交通需要予測装置と同様に構成されている。このため、第7実施形態では、道路交通需要予測装置の図示及び説明を省く。
7.1 走行ゾーンの細分割(行政境界に基づく細分割)
図27は、第7実施形態の走行ゾーンの細分割を説明するためのフローチャートである。第7実施形態では、連接する「町」、「丁目」のレベルの地域であるCゾーンの集合として走行ゾーン(第7実施形態では「町丁目ゾーン」とも記す)を表現する。
道路交通需要予測部13は、町丁目ゾーン{CCM}のGIS情報(座標、面積、隣接ゾーン)を読み込む(ステップS271)。そして、町丁目ゾーンを、座標値、隣接ゾーンの情報を用い、一方向に隣接する順番でソートする。この結果、道路交通需要予測部13は、{CCM}={CCM ,…,CCM }の順番でCゾーンが保存される町丁目ゾーンを生成する(ステップS272)。
次に、道路交通需要予測部13は、CゾーンCCM ,…,CCM の面積を順番に1つずつ加えて走行ゾーンZI1を生成する(ステップS273、S274)。そして、道路交通需要予測部13は、走行ゾーンZI1の面積と走行ゾーンZの面積とを比較し(ステップS275)、走行ゾーンZI1の面積が走行ゾーンZの面積の概ね1/2に達するまでステップS273、S274、S275の処理を繰り返す。そして、走行ゾーンZI1の面積が走行ゾーンZの面積の概ね1/2に達すると(ステップS275:Yes)、走行ゾーンZI1の形成を終了する。
なお、ここでいう「概ね」とは、CゾーンCCM ,…,CCM の面積を足し合わせていくうちに、足し合わされた合計の面積と走行ゾーンZの面積の1/2の値との差が予め定めたプラスの所定の値の範囲にあること、あるいはマイナスの所定の値の範囲にあることをいう。
また、道路交通需要予測部13は、走行ゾーンZI1に加えられなかった残りのCゾーンからなる走行ゾーン{CCMj+1 ,…,CCM }を走行ゾーンZI2とする(ステップS277)。そして、道路交通需要予測部13は、走行ゾーンZI1{CCM I1}の情報と、走行ゾーンZI2{CCM I2}の情報とを書きだす(ステップS278)。
図28は、第7実施形態の走行ゾーンの細分割が行われた対象地域を表した模式図である。図28に示した例では、走行ゾーンZIは、町丁目ゾーンCCM からCCM13 で構成されている。第7実施形態では、走行ゾーンZI1を生成するに際して、町丁目ゾーンCCM からCCM を足し合わせた時点で走行ゾーンZI1の面積が走行ゾーンZの面積の概ね1/2に達し、処理を終了している。
このため、図28に示した例では、走行ゾーンZが、走行ゾーンZI1と走行ゾーンZI2とに細分割されている。
なお、第7実施形態は、図27に示したフローチャートで示した方法によって走行ゾーンを細分割する構成に限定されるものではない。例えば、組織体の構成員の出発地、目的地及びPOIとなり得る施設等の存在の粗密を考慮して行政境界に基づく走行ゾーンの分割をしてもよい。
図29は、このような第7実施形態の方法によって細分割された走行ゾーン上に、出発地、目的地及びPOIとなり得る施設等の位置を重ね合わせて示した図である。図29によれば、出発地、目的地及びPOIとなり得る施設が密な地域は細分割後の個々の走行ゾーンのサイズが小さく、目的地及びPOIとなり得る施設が疎な地域は細分割後の個々の走行ゾーンのサイズが大きいことが分かる。
さらに、第7実施形態は、細分割された走行ゾーンのサイズを、対象地域内の道路の規格毎の長さの分布、道路交通需要D・B2から抽出される道路交通需要の少なくともいずれか1つに基づいて変化するものであってよい。
[第8実施形態]
次に、本発明の第8実施形態を説明する。なお、第8実施形態において、第1実施形態ないし第7実施形態のいずれかで説明した構成については同様の符号を付し、その説明を省くものとする。第8実施形態は、道路における一の分岐点と他の分岐点との間の道路リンクが連接して構成するパスを走行ゾーンとするものである。
第8実施形態の道路交通需要予測装置は、第6実施形態の道路交通需要予測装置と同様に構成されている。このため、第8実施形態では、道路交通需要予測装置の図示及び説明を省く。
8.1 走行ゾーンの細分割(走行ゾーンを道路リンクによって規定する)
図30は、第8実施形態の連接する道路リンクからなるパスを走行ゾーンとした場合の対象地域の細分割を説明するためのフローチャートである。なお、第8実施形態では、GISデータにおける道路情報の最小単位である道路リンク(道路の一の分岐と他の分岐との間の部分)を用い、連接する道路リンクを連ねることで構成される経路をパスと記す。第8実施形態は、パスを走行ゾーンとして使用する。
第8実施形態では、道路交通需要予測部13が、走行ゾーンZを構成する道路リンク{Link}のGIS情報(座標、長さ、連接リンク)を読み込む(ステップS301)。なお、第8実施形態では、予め対象地域の道路リンクから道路リンクの連接状態、長さ及び数から複数の道路リンクを選択し、選択した道路リンクを使ってパスを作っておく。そして、複数のパスの情報を走行ゾーン{Zi}として保存しておく。
道路交通需要予測部13は、走行ゾーンZを構成する道路リンク{Link}を、道路リンクの座標や連接リンク情報を基に、連接する順にソートする(ステップS302)。そして、道路交通需要予測部13は、走行ゾーンZIjの「j」を1に設定する(ステップS303)。
ソートの結果、道路リンク{Link}は、{Link ,…Link }の順に保存される(ステップS302)。次に、道路交通需要予測部13は、道路リンク{Link}に含まれる複数のLink ,…Link を順に足し合わせる(ステップS304、305、306)。そして、道路交通需要予測部13は、道路リンクを足し合わせて構成された走行ゾーンZI1の長さが走行ゾーンZの長さの概ね1/2に達すると(ステップS305:Yes)、道路リンクを足し合わせる処理を終了する。足し合わされた道路リンクは、走行ゾーンZI1となる。
なお、ここでいう「概ね」とは、道路リンクLink ,…Link の長さを足し合わせていくうちに、足し合わされた合計の長さと走行ゾーンZの長さの1/2の値との差が予め定めたプラスの所定の値の範囲にあること、あるいはマイナスの所定の値の範囲にあることをいう。
次に、道路交通需要予測部13は、走行ゾーンZI1の生成に使用しない残りの道路リンクによって走行ゾーンZI2を生成する(ステップS307)。以上の処理の後、道路交通需要予測部13は、走行ゾーンZI1を構成する道路リンク{Link }及び走行ゾーンZI2を構成する道路リンク{Link }の情報を書きだす(ステップS308)。
図31は、以上説明した道路リンクが連接して構成するパスを走行ゾーンとして分割した対象地域を説明するための模式図である。図31においては、道路リンクLink …Link11 が走行ゾーンZを構成する。図31に示した例では、道路リンクLink からLink までを加算した時点で合計の長さが概ね走行ゾーンZの長さの1/2に達する。このため、図31に示した例においては、道路リンクLink …Link が走行ゾーンZI1を構成し、道路リンクLink …Link11 が走行ゾーンZI2を構成する。
図32は、道路リンクが連接して構成するパスを走行ゾーンとして分割した対象地域に、個人の移動の出発地、目的地及びPOIとなり得る施設の位置を重ねて示した図である。図32によれば、出発地、目的地及びPOIとなり得る施設の近傍では走行ゾーンZI1が相対的に短いことが分かる。また、走行ゾーンZI1は、出発地、目的地及びPOIとなり得る施設からの距離が長くなるにしたがって相対的に長くなる傾向があることが分かる。
以上、説明してきたように、本発明の第6実施形態から第8実施形態によれば、予測処理を行う単位であるゾーンを、グローバルコンテキスト毎に、個人の走行行動の出発地(O)、目的地(D)、POIの分布や道路規格毎の長さ、平均道路交通需要の変化の大きさ等に応じて細分割することで、道路ネットワーク形状の要因、出発地、目的地、POIの空間的な分布、そして、グローバルコンテキストによる時間的変化の要因までを考慮しゾーンを細分割し、対象地域の箇所に応じた適切な解像度を確保し、予測精度および計算効率の向上を図ることが可能となる。
なお、以上説明した第1実施形態ないし第8実施形態は、本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは言うまでもない。
(実施形態の効果)
本発明の実施形態の道路交通需要予測装置及び道路交通需要予測方法であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)道路交通需要予測装置1は、道路交通需要データベース2から道路交通需要に係る道路交通需要データを取得し、複数の人員に共通の環境あるいは特定の地域に係る情報であるグローバルコンテキスト101を取得するアンテナ14と、個人の環境あるいは特定の組織体に係る情報であるパーソナルコンテキストから予測した個人が車両を走行させる際の走行行動に係る予測行動データを入力し、道路交通需要データ、グローバルコンテキスト及び予測行動データを用い、道路交通需要予測を行う道路交通需要予測部13と、を備える。
このため、道路交通需要予測装置は、道路交通の主要な部分を占める一般車の将来挙動を取り込み、高い精度で道路交通需要の予測を行うことができる。
(2)道路交通需要予測装置1は、パーソナルコンテキストを取得するパーソナルコンテキスト取得部111と、パーソナルコンテキストから予測行動データを生成する走行行動予測部12と、を備える。
(3)道路交通需要予測部13は、道路交通需要予測を行う対象となる対象地域をこの対象地域よりも小さい走行ゾーンに分割し、この走行ゾーン毎に予測を行う。
このため、道路交通需要予測装置は、個人の走行行動予測処理に、走行ゾーン毎の特徴を反映することができる。
(4)パーソナルコンテキスト入力部111は、情報提供を承諾した個人の情報提供を承諾した組織体の情報、及び承諾不要で入手可能な公開情報の少なくとも一つをパーソナルコンテキストとして取得する。
このため、広範囲なパーソナルコンテキストを取り込むことができる。
(5)パーソナルコンテキスト入力部111は、組織体のスケジュール及びこの組織体に属する構成員のスケジュールの少なくとも一方をパーソナルコンテキストとして取得する。
このため、多数の個人のスケジュールを取得することができる。
(6)パーソナルコンテキスト入力部111は、情報提供サービスの会員のスケジュール及び当該会員がインターネット上で授受した情報の履歴の少なくとも一方をパーソナルコンテキストとして取得し、さらに、取得したパーソナルコンテキストから会員の移動に関する予定を推定する移動予定推定部58を備える。
このため、組織体の構成員とは異なる属性(情報提供サービスの会員)の個人のスケジュールを取得することができる。
(7)パーソナルコンテキスト入力部111は、インターネット・クラウド・サービス79上に流通している情報をパーソナルコンテキストとして取得し、さらに、取得したパーソナルコンテキストから個人の移動に関する予定を推定する移動予定推定部78を備える。
このため、広範囲の移動行動に関する情報、予定を取得することができる。
(8)アンテナ14は、取得したグローバルコンテキスト101における平均道路交通需要及びグローバルコンテキスト101における個人の平均道路交通需要を道路交通需要データとして取得し、走行行動予測部12は、パーソナルコンテキストから予測した個人の将来的な道路交通需要を予測行動データとして生成し、道路交通需要予測部13は、平均道路交通需要、個人の平均道路交通需要及び個人の将来的な道路交通需要から将来道路交通需要を推計する。
このため、人員の将来的な道路交通需要を推計することができる。
(9)道路交通需要予測部13は、道路交通需要予測を行う対象となる対象地域を複数の走行ゾーンに分割すると共に、この走行ゾーン毎の道路交通需要に対する個人の道路交通需要の影響の程度によって将来道路交通需要の推計方法を変更する。
このため、将来道路交通需要推計の処理を効率的に行うことができる。
(10)道路交通需要予測部13は、対象地域を、道路区間を単位にして走行ゾーンに分割する。
このため、詳細なスケールの道路交通需要予測が可能となる。
(11)道路交通需要予測部13は、個人の道路交通需要の影響の程度を、走行ゾーン毎の組織体の数、この組織体の構成員の数、この構成員の移動に係る出発地の数、POIの数、道路属性の少なくとも1つを使って評価する。
このため、高い精度で個人の道路交通需要の影響をランク分けすることができ、将来道路交通需要推計の処理を効率的に行うとともに、高い予測精度を得ることができる。
(12)道路交通需要予測部13は、道路交通需要データベース2から抽出される走行ゾーン毎の平均道路交通需要余裕及び個人の平均道路交通需要とパーソナルコンテキストから予測される個人の将来的な道路交通需要とを用いて、将来道路交通渋滞を推計する。
このため、道路交通需要データベースに蓄積されたデータ及びパーソナルコンテキストのみを用い、効率よく将来道路交通渋滞を推計することができる。
(13)道路交通需要予測部13は、道路交通需要データベース2から抽出されるグローバルコンテキスト、走行ゾーン、時間帯毎の道路交通需要から平均道路交通需要余裕を算出する。
このため、道路交通需要データベースから取得したデータのみを使って平均道路交通需要余裕を導出することができる。
(14)道路交通需要予測部13は、走行ゾーンのサイズをグローバルコンテキスト及びパーソナルコンテキストの少なくとも一方に応じて変更し、走行ゾーンのサイズは、個人の移動の出発地、目的地、POIの分布、対象地域内の道路の規格毎の長さの分布、道路交通需要データベースから抽出される道路交通需要の少なくともいずれか1つに対応して変化する。
このため、対象地域の箇所毎に地域の地理的状況、グローバルコンテキスト情報及びパーソナルコンテキストに応じた適切な解像度のゾーンサイズを選択することができ、予測精度の向上及び予測処理の効率化を図れることができる。また、対象地域の箇所毎のゾーンサイズの設定にあたり、ゾーンサイズは、個人の走行行動の出発地(O)、目的地(D)、POIの分布の少なくとも1つに対応して変化する。さらに、ゾーンサイズは、対象地域内の道路の規格毎の長さの分布、上記道路交通需要データベースから抽出される道路交通需要のいずれか一つに対応して変化する。このため、箇所毎の道路交通需要の予測に適した走行ゾーンのサイズを選択することができ、予測精度の向上及び予測処理の効率化を図ることができる。
(15)道路交通需要予測部13は、対象地域を格子状に分割して複数の矩形形状の走行ゾーンを生成する。
このため、予測処理の計算の効率を高め、走行ゾーンの生成に係る処理の負荷を軽減することができる。
(16)道路交通需要予測部13は、対象地域を行政で定められた境界に基づき分割して複数の走行ゾーンを生成する。
このため、地域の状況に則して走行ゾーンを効率的に生成することが可能となる。
(17)道路交通需要予測部13は、道路における一の分岐点と他の分岐点との間の道路リンクが連接して構成するパスを走行ゾーンとする。
このため、道路の部分毎の道路交通需要を直接予測することができる。
(18)道路交通需要予測部13は、個人の移動の出発地、目的地、POIの分布、対象地域内の道路の規格毎の長さの分布、道路交通需要データベースから抽出される道路交通需要の少なくともいずれか1つに係る変数の走行ゾーン毎の値が予め設定された値である変数最大値以下になるように走行ゾーンの大きさを設定する。
このため、変数に適した解像度を得ることができ、道路交通需要予測の精度及び計算効率を高めることができる。
(19)変数最大値は、走行ゾーンの総数が予め設定された走行ゾーン総数以下であると共に、変数最大値の変化による将来道路交通需要の予測された値の変化が最小となるように設定される。
このため、処理計算リソースの範囲の中で、目的変数である将来道路交通需要の予測精度が最も高いゾーン分割を行うことができる。
(20)道路交通需要データベースから道路交通需要に係る道路交通需要データを取得する道路交通需要データ取得工程と、複数の人員に共通の環境あるいは特定の地域に係る情報であるグローバルコンテキストを取得するグローバルコンテキスト取得工程と、個人の環境あるいは特定の組織体に係る情報であるパーソナルコンテキストから生成された、個人が車両を走行させる際の走行行動に係る予測行動データを入力し、道路交通需要データ、グローバルコンテキスト及び予測行動データを用い、道路交通需要予測を行う道路交通需要予測工程と、を含む。
このため、道路交通需要予測方法は、道路交通の主要な部分を占める一般車の将来挙動を取り込み、高い精度で道路交通需要の予測を行うことができる。
上記の本発明の実施形態は、パーソナルコンテキストを入手し、一般車両の将来道路交通需要を推測し、道路交通需要データベースとともに全体の道路交通需要を予測することによって上記(1)から(20)の効果を奏する。
パーソナルコンテキストには、企業、団体、自治体等の組織体のスケジュール、組織体の構成員のスケジュールや情報提供サービス会員のスケジュール、会員がメール、検索、ソーシャルネットーワークシステム(SNS)のテキスト履歴等が使用できる。また、パーソナルコンテキストには、組織体の構成員や情報提供サービス会員がインターネット上で授受した情報、インターネット・クラウド・サービス上の不特定多数の利用者の検索、及びSNS履歴等が使用できる。
また、本発明の実施形態は、全体の道路交通需要を予測にあたり、対象地域を走行ゾーンに分けることができる。そして、パーソナルコンテキストを収集した対象者の日常の移動行動を基に、自動車移動の出発地、目的地、道路等の分布によって、対象者の道路交通需要の全体需要への影響の大きさを評価する。本発明の実施形態は、影響の大きさの評価の結果によってランク分けを行い、ランクに応じて道路交通需要予測の手法を変更することができる。このようは本発明の実施形態は、道路交通需要を効率的に予測することができる。走行ゾーンは、対象地域を面的に分割するばかりでなく、道路リンク単位として対象地域を分割して生成することができる。
さらに、本発明の実施形態は、走行ゾーン毎に、平均道路交通需要から飽和道路交通需要に至るまでの道路交通需要余裕を予め求めておくようにしてもよい。そして、道路交通需要余裕と、対象者の道路交通需要の平均値と将来需要との差分とから、道路が将来的に飽和・過飽和の状態に至るか否かの判断をすることも可能である。
本発明は、道路交通需要予測をする装置全般に使用することができる。また、道路交通需要予測の結果をテレビ、ラジオ及びインターネットを使って提供するサービスに利用することができる。さらに、道路交通需要予測の結果は、交通、運搬及び観光等に係る調査にも利用することができる。
1,3,4,5,6,7,8,9 道路交通需要予測装置
2 道路交通需要データベース
11 パーソナルコンテキスト入力部
12,82,122,152 走行行動予測部
13 道路交通需要予測部
14 アンテナ
21 移動予定抽出部
22 走行経路・時刻予測部
55 パーソナルスケジューラー
58,78 移動予定推定部
71 測位部
79 インターネット・クラウド・サービス
83 走行ゾーン別道路交通需要予測部
101 グローバルコンテキスト
102 公共車両運行計画情報
103 道路交通需要データ
104 予測行動情報
111 パーソナルコンテキスト入力部
114 時刻予測結果情報
123 走行ゾーン別道路交通需要・渋滞予測部
124 平均道路交通需要余裕データベース
153 道路リンク別道路交通需要予測部
154 時刻予測結果情報
183 道路リンク別道路交通需要・渋滞予測部
184 平均道路交通需要余裕データベース
201 アウトルック
202 移動予定情報
203 構成員移動予定情報
204 移動履歴情報
205 ネットワーク情報
206 場所情報
207 住所情報
211 道路交通需要データベース
501 移動予定情報
502 履歴情報
503,705 推定移動予定情報
504,704 移動履歴情報
701 SNSメッセージ
702 ブログメッセージ
703 検索履歴
706 位置・移動情報

Claims (14)

  1. 複数の人員に共通の環境あるいは特定の地域に係る情報であるグローバルコンテキストを取得するグローバルコンテキスト取得部と、
    前記グローバルコンテキスト取得部によって取得した前記グローバルコンテキストにおける平均道路交通需要及び前記グローバルコンテキストにおける個人の平均道路交通需要を道路交通需要データとして取得する道路交通需要データ取得部と、
    個人の環境あるいは特定の組織体に係る情報であるパーソナルコンテキストを取得するパーソナルコンテキスト取得部と、
    前記パーソナルコンテキストから個人の将来的な道路交通需要を生成する走行行動予測部と、
    前記平均道路交通需要、前記個人の平均道路交通需要及び前記個人の将来的な道路交通需要から将来の道路交通需要予測を行う道路交通需要予測部と、
    を備えることを特徴とする道路交通需要予測装置。
  2. 前記パーソナルコンテキストは、前記個人、前記組織体及び組織体を構成する構成員のうち少なくとも一つの、スケジュール、メールの履歴、インターネットの検索履歴及びSNSの履歴のうち少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載の道路交通需要予測装置。
  3. 前記道路交通需要予測部は、道路交通需要予測を行う対象となる対象地域を小領域に分割し、当該小領域毎に予測を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の道路交通需要予測装置。
  4. 前記パーソナルコンテキスト取得部は、情報提供を承諾した個人の情報、情報提供を承諾した組織体の情報及び承諾不要で入手可能な公開情報の少なくとも一つを前記パーソナルコンテキストとして取得することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の道路交通需要予測装置。
  5. 前記パーソナルコンテキスト取得部は、前記組織体のスケジュール及び前記組織体に属する構成員のスケジュールの少なくとも一方を前記パーソナルコンテキストとして取得することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の道路交通需要予測装置。
  6. 前記パーソナルコンテキスト取得部は、情報提供サービスの会員のスケジュール及び当該会員がインターネット上で授受した情報の履歴の少なくとも一方を前記パーソナルコンテキストとして取得し、さらに、取得した前記パーソナルコンテキストから前記会員の移動に関する予定を推定する移動予定推定部を備えることを特徴とする請求項から5のいずれか1項に記載の道路交通需要予測装置。
  7. 前記パーソナルコンテキスト取得部は、インターネット・クラウド・サービス上に流通している情報を前記パーソナルコンテキストとして取得し、さらに、取得した前記パーソナルコンテキストから個人の移動に関する予定を推定する移動予定推定部を備えることを特徴とする請求項から5のいずれか1項に記載の道路交通需要予測装置。
  8. 前記道路交通需要予測部は、道路交通需要予測を行う対象となる対象地域を小領域に分割すると共に、当該小領域毎の道路交通需要に対する個人の道路交通需要の影響の程度によって将来道路交通需要の推計方法を変更することを特徴とする請求項に記載の道路交通需要予測装置。
  9. 前記道路交通需要予測部は、前記個人の道路交通需要の影響の程度を、小領域毎の前記組織体の数、前記組織体の構成員の数、該構成員の移動に係る出発地の数、POI(Point Of Interest)の数、道路属性の少なくとも1つを使って評価することを特徴とする請求項に記載の道路交通需要予測装置。
  10. 前記道路交通需要予測部は、道路交通需要データベースから抽出される前記グローバルコンテキスト、前記小領域、時間帯毎の道路交通需要から、前記道路交通需要データベースから抽出される前記小領域毎の平均道路交通需要余裕を算出することを特徴とする請求項に記載の道路交通需要予測装置。
  11. 前記道路交通需要予測部は、前記小領域のサイズを前記グローバルコンテキスト及び前記パーソナルコンテキストの少なくとも一方に応じて変更し、前記小領域のサイズは、個人の移動の出発地、目的地、POI(Point Of Interest)の分布、前記対象地域内の道路の規格毎の長さの分布、道路交通需要データベースから抽出される道路交通需要の少なくともいずれか1つに対応して変化することを特徴とする請求項に記載の道路交通需要予測装置。
  12. 前記小領域は、道路区間を単位にして分割した領域、前記対象地域を格子状に分割した矩形形状の領域、前記対象地域を行政で定められた境界に基づき分割した領域及び道路における一の分岐点と他の分岐点との間の道路リンクが連接して構成するパスのうちいずれかであることを特徴とする請求項3に記載の道路交通需要予測装置。
  13. 前記道路交通需要予測部は、個人の移動の出発地、目的地、POI(Point Of Interest)の分布、前記対象地域内の道路の規格毎の長さの分布、前記道路交通需要データベースから抽出される道路交通需要の少なくともいずれか1つに係る変数の前記小領域毎の値が予め設定された値である変数最大値以下になるように前記小領域の大きさを設定することを特徴とする請求項1に記載の道路交通需要予測装置。
  14. 複数の人員に共通の環境あるいは特定の地域に係る情報であるグローバルコンテキストを取得するグローバルコンテキスト取得工程と、
    前記グローバルコンテキスト取得工程で取得した前記グローバルコンテキストにおける平均道路交通需要及び前記グローバルコンテキストにおける個人の平均道路交通需要を道路交通需要データとして取得する道路交通需要データ取得工程と、
    個人の環境あるいは特定の組織体に係る情報であるパーソナルコンテキストを取得するパーソナルコンテキスト取得工程と、
    前記パーソナルコンテキスト取得工程で取得したパーソナルコンテキストから個人の将来的な道路交通需要を生成する走行行動予測工程と、
    前記平均道路交通需要、前記個人の平均道路交通需要及び前記個人の将来的な道路交通需要から将来の道路交通需要予測を行う道路交通需要予測工程と、
    を含むことを特徴とする道路交通需要予測方法。
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