JP4098526B2 - 交通情報提供システム及びその方法、交通情報提供プログラム - Google Patents

交通情報提供システム及びその方法、交通情報提供プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、渋滞予測情報等の交通情報を提供するための交通情報提供システム及びその方法、並びにその交通情報提供システムをコンピュータを利用して実現するための交通情報提供プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、交通渋滞の対策として、既存の道路網を効率的に利用する施策が望まれている。この施策の一つに、道路を利用して車で移動する際の出発時刻を変化させて交通需要を時間的に平準化する交通需要管理(TDM)施策があり、その効果が期待されている。例えば、フレックスタイム制の導入等により通勤時間帯をずらしてもらうことによって、交通需要の分散化を図り交通渋滞を緩和するなどがある。
なお、以下の説明においては、道路利用による移動のことを「旅行」と称する。また、この移動にかかる所要時間のことを「旅行時間」と称する場合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一方、休日においては、平日の通勤時間帯のように、交通需要の空間的または時間的変動特性を明確に定型化することができない。したがって、休日の交通需要を把握することがTDM施策における課題となっている。しかしながら、休日の旅行の目的は観光やリクリエーションといった目的地や出発時刻に対する自由度が高い場合が多く、その交通需要を把握することは困難である。このために、交通渋滞の対策として有効な施策を実施することができないという問題が生じている。
【0004】
ところで、渋滞予測情報(例えば、特定時間帯における特定路線区間の移動にかかる予測所要時間)が予め得られれば、旅行者自ら渋滞しそうな経路や時間帯を避けることが考えられる。特に、休日の旅行のように目的地や出発時刻に対する自由度が高い場合にはその可能性が高い。このような知見に基づき、渋滞予測情報を提供することができれば、休日のみならず平日の交通渋滞の緩和にも有効な施策となりうる。
【0005】
ここで、いかにして精度のよい渋滞予測情報を求めるかということが課題となる。上述したように、休日においては交通需要の空間的または時間的変動特性を明確に定型化することができないので、多数の旅行者の道路利用予定(例えば、利用日時、経路)を把握することが、休日の渋滞予測情報を精度よく求める上で重要である。
このような理由から、多数の旅行者の道路利用予定を把握して渋滞予測情報を求め、この渋滞予測情報を提供することができる交通情報提供システムの実現が要望されている。
【0006】
また、別の課題として、その渋滞予測情報を広く流通させた場合、多数の旅行者が渋滞を避けるために同じ経路や時間帯を選択する可能性があり、却って交通渋滞の発生を促す結果となる虞がある。このため、複数の旅行者に対して交通需要の調整を行うことができる交通情報提供システムであることが望ましい。
【0007】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、多数の旅行者の道路利用予定を把握して渋滞予測情報を求め、この渋滞予測情報を提供することができる交通情報提供システム及びその方法を提供することにある。
【0008】
また、本発明は、複数の旅行者に対して交通需要の調整を行うことができる交通情報提供システム及びその方法を提供することも目的とする。
【0009】
また、本発明は、その交通情報提供システムをコンピュータを利用して実現するための交通情報提供プログラムを提供することも目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明に係る交通情報提供システムは、利用者から道路利用予定を通信回線を介して取得するための情報収集手段と、前記道路利用予定に基づいて該当経路の交通需要を予測する交通需要予測手段と、前記交通需要予測手段によって予測された予測交通需要に基づいて渋滞予測情報を求める渋滞予測手段と、前記渋滞予測情報を通信回線を介して利用者へ提供するための情報提供手段と、を備え、前記渋滞予測情報を利用者の端末に表示する画面に、時間帯別の予測所要時間の表示欄と利用時間帯の変更を行うための利用時間帯選択欄とを設けたことを特徴とする。
【0011】
本発明に係る交通情報提供システムにおいて、前記情報収集手段は、選択形式により、利用者に対して道路利用予定の提供を促すことを特徴としている。
【0012】
本発明に係る交通情報提供システムにおいて、前記情報収集手段は、前記渋滞予測手段によって渋滞予測情報が更新された場合に、利用者に対して既に提供済みの道路利用予定を変更するか否かを確認することを特徴としている。
【0013】
本発明に係る交通情報提供システムにおいて、利用者毎に前記道路利用予定の履歴を記憶する道路利用予定履歴記憶手段を備え、前記情報提供手段は、前記渋滞予測手段によって渋滞予測情報が更新された場合に、該更新後の渋滞予測情報の内、前記履歴に基づいて利用者毎に適切な情報を選択して提供することを特徴としている。
【0014】
本発明に係る交通情報提供システムにおいて、前記交通需要予測手段は、予め計測された交通量の統計情報を前記交通需要の予測に用いることを特徴としている。
【0015】
本発明に係る交通情報提供システムにおいて、前記交通需要予測手段は、前記道路利用予定に基づいた予測交通需要と、前記統計情報に基づいた予測交通需要との重み付き平均を求め、この結果を前記渋滞予測手段へ提供することを特徴としている。
【0016】
本発明に係る交通情報提供システムにおいて、前記交通需要予測手段は、前記重み付き平均による予測交通需要に対して、利用者の道路利用時間帯の変更を反映させることを特徴としている。
【0017】
本発明に係る交通情報提供システムにおいて、前記渋滞予測手段は、交通流状態記述モデルを用いて前記渋滞予測情報を求めることを特徴としている。
【0018】
本発明に係る交通情報提供システムにおいて、前記渋滞予測情報または前記予測交通需要に基づいて、前記道路利用予定の提供者についての利用予定路線区間の推奨旅行プランを作成する旅行プラン作成手段を備え、前記旅行プラン作成手段は、渋滞になる前後の時間帯を推奨利用時間帯として前記推奨旅行プランを作成し、前記情報提供手段は、前記道路利用予定の提供者に対して前記推奨旅行プランを提示することを特徴とする。
【0019】
本発明に係る交通情報提供システムにおいて、前記旅行プラン作成手段は、前記推奨旅行プランの内容に、該プラン採用時における報奨内容を含めることを特徴とする。
また、本発明の交通情報提供システムの実施形態によれば、道路利用上の代償または報奨の内容を利用者へ通知することを特徴とする。
また、本発明の交通情報提供システムの実施形態によれば、前記情報提供手段は、前記渋滞予測情報を利用者へ提供する際に、当該道路利用予定に係る道路利用上の代償内容も通知することを特徴とする。
【0020】
本発明に係る交通情報提供方法は、利用者から道路利用予定を通信回線を介して取得する過程と、前記道路利用予定に基づいて該当経路の交通需要を予測する過程と、この予測された予測交通需要に基づいて渋滞予測情報を求める過程と、前記渋滞予測情報を通信回線を介して利用者へ提供する過程と、を含み、前記渋滞予測情報を利用者の端末に表示する画面に、時間帯別の予測所要時間の表示欄と利用時間帯の変更を行うための利用時間帯選択欄とを設けることを特徴とする。
【0021】
本発明に係る交通情報提供プログラムは、利用者から道路利用予定を通信回線を介して取得する処理と、前記道路利用予定に基づいて該当経路の交通需要を予測する処理と、この予測された予測交通需要に基づいて渋滞予測情報を求める処理と、前記渋滞予測情報を通信回線を介して利用者へ提供する処理と、をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであり、前記渋滞予測情報を利用者の端末に表示する画面に、時間帯別の予測所要時間の表示欄と利用時間帯の変更を行うための利用時間帯選択欄とを設けることを特徴とする。
これにより、前述の交通情報提供システムがコンピュータを利用して実現できるようになる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による交通情報提供システム1の構成を示すブロック図である。この図1に示す交通情報提供システム1は、交通需要を予測して渋滞予測情報を求める交通需要・渋滞予測演算装置2と、各種交通情報を記憶する記憶装置3とから構成される。交通情報提供システム1の交通需要・渋滞予測演算装置2及び記憶装置3は、データ伝送可能な通信ネットワーク5にそれぞれ接続されている。交通需要・渋滞予測演算装置2は、通信ネットワーク5を介して記憶装置3にアクセス可能である。また、交通需要・渋滞予測演算装置2は、通信ネットワーク5に接続されたデータ通信可能な端末4との間でデータを送受することが可能である。
【0023】
この交通情報提供システム1は、交通情報提供サービスを実現するためのものであって、交通情報提供サービス用のホームページを介して渋滞予測情報等の交通情報を提供する。また、このホームページを介して利用者から道路利用予定の提供を受ける。この道路利用予定の内容としては、少なくとも道路の利用日とその利用時間帯、経路(路線および区間)の情報を含める。これ以外には、旅行目的や使用車種、利用時間帯変更が可能か否かなどの情報を含めるようにしてもよい。
【0024】
端末4は、交通情報提供サービス用のホームページを閲覧するためのWebブラウザ機能(Web検索・回覧機能)を有している。端末4は、このWebブラウザ機能により交通情報提供システム1(交通需要・渋滞予測演算装置2)へアクセスして交通情報提供サービス用ホームページの画面を自己の表示画面上に表示したり、あるいは該ホームページからデータをダウンロードして取得することができる。交通情報提供サービスの利用者は、端末4を使用して交通情報提供システム1のホームページにアクセスし、交通情報を授受することが可能である。
【0025】
なお、通信ネットワーク5としては、電話回線網や専用回線網、あるいは、インターネットと呼ばれるコンピュータネットワークなどが利用可能である。また、端末4としては、据え置き型パーソナルコンピュータ、あるいは可搬型パーソナルコンピュータや携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants:個人用情報機器)と称される携帯型の端末が利用可能である。携帯可能な端末を利用すれば、利用者は旅行途中でも交通情報提供システム1にアクセスし、交通情報を授受することができる。例えば、経路選択時に交通情報(渋滞予測情報など)を取得して活用することが可能である。
【0026】
図2は、図1に示す交通需要・渋滞予測演算装置2の構成を示すブロック図である。この図2において、符号11は通信ネットワーク5に接続してデータを送受する通信部であって、この通信部11により端末4との間でデータ通信が行われる。符合12は交通情報提供サービス用のホームページを提供するためのWeb機能を有するWeb処理部である。符号13は、交通需要を予測して渋滞予測情報を求める交通需要・渋滞予測処理を行う処理部であって、交通需要予測部14と、旅行時間予測部15と、旅行プラン作成部16とを有する。
【0027】
交通需要予測部14は、利用者から提供された道路利用予定、または交通量の統計情報に基づいて該当経路(特定路線区間)の交通需要を予測する。旅行時間予測部15は、交通需要予測部14によって予測された予測交通需要に基づいて渋滞予測情報を求める。旅行プラン作成部16は、渋滞予測情報または予測交通需要に基づいて、道路利用予定の提供者についての推奨旅行プランを作成する。
【0028】
なお、上記処理部12,13は専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、各処理部12,13はメモリおよびCPU(中央処理装置)により構成され、各処理部12,13の機能を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
【0029】
また、この交通需要・渋滞予測演算装置2には、周辺機器として入力装置、表示装置等(いずれも図示せず)が接続されるものとする。ここで、入力装置とはキーボード、マウス等の入力デバイスのことをいう。表示装置とはCRT(Cathode Ray Tube)や液晶表示装置等のことをいう。
【0030】
図1の記憶装置3には各種交通情報が記憶される。この交通情報には、道路情報、予め計測された交通量の統計情報、上記交通需要・渋滞予測演算装置2が求めた予測交通需要及び渋滞予測情報、利用者毎の道路利用予定の履歴、などが含まれる。交通需要・渋滞予測演算装置2は、この記憶装置3に接続してそれら交通情報にアクセスすることができる。
上記道路情報には、
・ノード(経路接続点)位置情報;交差点、合流部、分流部の位置を示す情報
・リンク幾何情報;道路区間長、車線数など
・道路ネットワーク構造;ノードとリンクの接続関係を示す情報
・リンク交通流特性;リンク容量、飽和交通流特性、ジャム密度など
・セントロイド(起点、終点)位置と道路ネットワーク接続情報
・信号制御データ
・時間指定交通規制データ;道路工事予定など
・有料道路の通行料金データ
などが含まれる。
また、予め計測された交通量の統計情報には、時間帯別の目的地別交通量等の各種交通需要の統計値や、最大渋滞長、ピーク時間帯などの統計値が含まれる。
【0031】
なお、記憶装置3は、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリや、CD−ROM等の読み出しのみが可能な記録媒体、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成されるものとする。また、この記憶装置3は、データベースサーバ内にあり、図1に示すように交通需要・渋滞予測演算装置2が通信によりこの記憶装置3にアクセスするものであってもよく、あるいは、交通需要・渋滞予測演算装置2に内蔵されるものであってもよい。
【0032】
次に、上述した図1の交通情報提供システム1において、交通情報提供サービスを実施する際の動作を説明する。図3は、図1の交通情報提供システム1が行う交通情報提供処理の流れを説明するためのシーケンス図である。以下の説明において、交通需要・渋滞予測演算装置2、記憶装置3及び端末12はそれぞれ通信ネットワーク5に接続されているが、特に説明がない場合は、この通信ネットワーク5を介してデータ等の送受が行われるものとする。
【0033】
また、交通需要・渋滞予測演算装置2と記憶装置3または端末12との間のデータの送受は、図2の通信部11を介して行われる。また、端末4への通情報提供サービス用ホームページの表示はWeb処理部12により行われる。また、処理部13は、該ホームページ上で入力された入力データをWeb処理部12から受け取る。また、処理部13は、Web処理部12を介してホームページ上へデータを出力する。
【0034】
先ず、利用者Aは端末4を使用して交通情報提供システム1(交通需要・渋滞予測演算装置2)の交通情報提供サービス用ホームページにアクセスし、このポームページの内容に従って道路利用予定(利用日時、路線および区間)を入力し、この入力データを交通需要・渋滞予測演算装置2へ送信する(図3のステップS1)。このポームページ画面の一例を図4、図5に示す。図4は、渋滞の予測対象日を選択するための画面の構成例を示す図である。図5は、予定利用時間帯と、路線および区間(流入インターチェンジ(IC)、流出IC)を選択するための画面の構成例を示す図である。これら図4、図5には、利用対象道路が東名高速道路(上り方面、御殿場IC〜東京料金所)の場合の例を示している。Web処理部12は、記憶装置3の道路情報を使用してそれら選択画面を構成する。
【0035】
図4、図5に示すように、各選択画面の内容は、選択形式で道路利用予定の入力を促すようになっている。利用者は、図4の「予測対象日」選択画面の表示内容に従って利用日を入力する。また、入力した予測対象日について、「今回が初めて」か、あるいは「過去に予測を見たが、その後の変化を閲覧する」のか、を選択する。これらの入力完了後、送信ボタンを押すと、入力データが交通需要・渋滞予測演算装置2に送信され、次に、図5の「予定利用時間帯,流入IC,流出IC」選択画面が表示される。ここでも、利用者はその表示内容に従って予定利用時間帯、流入IC、及び流出ICを入力し、送信ボタンを押す。これにより、上記ステップS1の処理が完了する。
【0036】
次いで、交通需要・渋滞予測演算装置2の交通需要予測部14は、それら入力データ(予測対象日、予定利用時間帯、流入IC、流出IC)を受け取ると、記憶装置3から該当路線(東名高速道路の上り方面)の交通需要の統計値を読み出し、この統計値に基づいて当該経路の利用希望日時前後の交通需要を予測する(図3のステップS2)。
【0037】
ここで、交通需要予測部14が交通需要の統計値から特定路線区間の利用希望日時前後の交通需要を予測する処理を説明する。図8は、東名自動車道上り,綾瀬バス停(終点まで30.510kpの地点)付近における感知器データに基づく交通量対交通密度の相関データをグラフ化した図である。この交通量対交通密度相関データは記憶装置3に予め記録されている。先ず、各道路区間において、交通量−交通密度相関の分布の疎部へ原点から直線P1を引き、この直線P1の傾きを臨界速度とする。また、非渋滞時および渋滞時の分布をそれぞれ直線P2,P3として近似し、この直線P2,P3の傾きとして得られる自由流速度(Vf)とボトルネック容量(μ)に対応する渋滞側の交通密度(Kj)を推定する。
【0038】
図9に、渋滞・非渋滞の時間と距離との概念図を示す。時刻tに渋滞末尾に到着した車両(VC)は、非渋滞時であれば渋滞区間(ΣL)を自由流速度(Vf)で走行してΣL/Vf後にボトルネック地点に到着する。渋滞時には、速度がVfから渋滞流速度(Vj)へと低下し遅れ時間(T)が発生する。この概念を基に、交通需要予測部14は、交通需要の推定を行う。
【0039】
図10に、累積交通需要曲線の推定概念図を示す。交通需要予測部14は、感知器データの収集時間単位ごとに、ΣLを構成する各区間のKjと各区間長との積を算定し、この値の渋滞区間分の総和をとりVCの前方に存在する車の台数(総前車数)を推定する(図10のΣLKj)。次いで、この総前車数から、VCがボトルネックに到着するまでに要する基準時間(ΣL/Vf)の間に捌ける量(μ×ΣL/Vf)を割り引く。こうして、捌け残り量(ΣLKj-μ×ΣL/Vf)を推定する。この値をVCのボトルネック到着時刻(t+ΣL/Vf)でのボトルネック容量の累積値に加算することにより、渋滞末尾における累積交通需要曲線Q1を推定し、この累積交通需要曲線Q1に基づいて特定路線区間の利用希望日時前後の予測交通需要を求める。交通需要予測部14は、この予測交通需要を記憶装置3に記録する。
【0040】
次に、図3のステップS3において、旅行時間予測部15が、この交通需要予測部14によって求められた予測交通需要に基づいて利用希望日時前後の流入ICからボトルネック地点通過までの予測所要時間を求める処理を説明する。
旅行時間予測部15は、交通需要予測部14によって求められた予測交通需要に基づいて、利用希望日時前後の流入ICからボトルネック地点通過までの予測所要時間(渋滞予測情報)を、交通流状態記述モデルを用いて求める。この交通流状態記述モデルとしては、待ち行列モデルなどが利用可能である。図4に示す例では、綾瀬バス停留所(綾瀬BS)前がボトルネック地点であり、ここを通過するまでの所要時間を予測する。
【0041】
先ず、旅行時間予測部15は、記憶装置3に記録されている最大渋滞長およびピーク時間帯の統計値に、予測交通需要を加味して所要時間(渋滞予測情報)を推定する。図9に示すように、時刻tに渋滞末尾に到着した車両iが、そこからボトルネック地点に到着するまでに要する時間tf(t)は、渋滞が発生していなければ、(1)式で表される。
【0042】
【数1】
Figure 0004098526
【0043】
但し、ljは区間jの長さであり、m(t)は時刻tにおける渋滞区間のセットを示す。
次いで、図10に示すように、渋滞末尾の需要を表す「渋滞末尾における交通需要累積曲線Q1」をtf(t)だけ右に変移させると、ボトルネック地点における需要(曲線Q2で示す)となる。渋滞時には、速度がujから渋滞流中の平均速度へと低下し、(2)式に示すように遅れ時間T(t)が発生する。
【0044】
【数2】
Figure 0004098526
【0045】
この遅れ時間T(t)は、時刻tにおいて車両iの位置からボトルネック地点までの区間に存在する車両台数から、tf(t)の間にボトルネック容量μで捌ける分を差し引いた台数が、ボトルネック容量μで捌けるまでの時間として、(3)式に示すように推定することができる。
【0046】
【数3】
Figure 0004098526
【0047】
旅行時間予測部15は、この(3)式により、利用希望日時前後の流入ICからボトルネック地点通過までの予測所要時間を求める。
【0048】
次いで、このようにして求められた予測所要時間が利用者Aに通知される。このポームページ画面の一例を図6に示す。図6は、予測所要時間の表示および利用時間帯の変更を行うための画面の構成例を示す図である。図6に示すように、利用希望日時(8月20日、15〜16時)前後の流入IC(御殿場IC)からボトルネック地点(綾瀬BS前)通過までの予測所要時間が表示される。
【0049】
なお、このステップS3において、Web処理部12は、図6に示すように、利用者に対して既に提供済みの道路利用予定を変更するか否かを確認する。これにより、利用者に対して道路利用予定を変更する契機を与え、この結果として旅行者が、自ら渋滞しそうな経路や時間帯を避けることができるという効果が得られる。
【0050】
また、Web処理部12は、記憶装置3に記録されている利用希望日時における通行料金も、端末4へ送信して利用者Aへ通知する。これにより、旅行者が該通行料金に応じて道路利用予定を変更することが期待できる。例えば、渋滞ピーク時の通行料金が高く設定されていれば、この渋滞ピーク時の割高な通行料金(道路利用上の代償内容)を通知することによって、旅行者が道路利用予定を変更し、その渋滞ピークの時間帯を避けて道路利用することが期待できる。また、道路利用上の代償内容として渋滞発生が予想される道路工事予定等の道路状況を通知するようにしても、利用者Aが道路利用予定を変更し、その渋滞発生が予想される日時あるいは経路を避けて道路利用することが期待できる。
【0051】
また、Web処理部12は、旅行時間予測部15によって渋滞予測情報(予測所要時間や渋滞する時間帯など)が更新された場合に、利用者に対して既に提供済みの道路利用予定を変更するか否かを確認する。これは、利用者が図4の「予測対象日」選択画面で「過去に予測を見たが、その後の変化を閲覧する」を選択した際、該当渋滞予測情報が前回提供した情報から更新されていた場合に、Web処理部12は、該更新後の渋滞予測情報を提供し、利用者に対して既に提供済みの道路利用予定を変更するか否かを確認する。これにより、利用者に対して道路利用予定を変更する契機を適時に与えることができる。この結果、道路利用予定の変更情報(渋滞しそうな経路や時間帯を避ける情報など)を適時に収集して、予測交通需要に反映することができるという効果が得られる。
【0052】
また、Web処理部12は、渋滞予測情報が更新された場合に、該更新後の渋滞予測情報の内、記憶装置3に記憶されている利用者毎の道路利用予定の履歴に基づいて各利用者にとって適切な情報を選択して提供するようにしてもよい。例えば、過去の利用頻度が高い路線や利用時間帯の情報を優先的に提供する。これにより、利用者に対して能率よく渋滞予測情報を提供することができるという効果が得られる。
【0053】
次いで、利用者Aは予測所要時間および通行料金を考慮して利用日時を決定し、利用日時を変更しない場合にはそのまま送信ボタンを押す。一方、変更する場合には、図6に示す画面の表示内容に従って利用日時を選択し、送信ボタンを押す。これにより、入力データ(利用日時)が交通需要・渋滞予測演算装置2に送信される(図3のステップS4)。次いで、交通需要予測部14は、その入力データ(利用日時)を受け取ると、当該路線区間(東名高速道路の上り方面、御殿場IC〜綾瀬BS前)の予測交通需要を更新して記録装置3に記録する(図3のステップS5)。
【0054】
ここで、ステップS5において、交通需要予測部14が予測交通需要を更新する処理を説明する。図11は希望利用時間帯反映の概念図である。先ず、上記ステップS2で求めた予測交通需要(交通需要の統計値に基づいて予測した予測交通需要;図11の波形W1で示す)に、利用者の希望利用時間帯を反映させる処理を行う。この処理においては、各希望利用時間帯の利用者数(波形W2で示す)をそれぞれ正規化し、重み付き平均を行うことによって、交通需要の統計値に基づいて予測した予測交通需要に、希望利用時間帯を反映させる。正規化は(4),(5)式により行う。
【0055】
【数4】
Figure 0004098526
【数5】
Figure 0004098526
【0056】
また、重み付き平均は(6)式により行う。
【0057】
【数6】
Figure 0004098526
【0058】
但し、重みαdは、
「αd=(最大アクセス数(予想)/処理時点dでのアクセス数)×重みの最大値」
である。
【0059】
次いで、利用者一人当たりの選択行動を総需要の移動とするために、拡大係数βdを掛けて利用者一人分の重みを決定し、変更後の利用時間帯(ステップS4で受け取った利用日時)に需要を移動させる。図12にこの利用時間帯変更の概念図を示す。波形W3は、上記(4)〜(6)式により希望利用時間帯が反映された予測交通需要を示す。そして、波形W4が、変更後の利用時間帯に移動された予測交通需要を示す。利用者一人分の重みWdは、(7)式により求められる。
【0060】
【数7】
Figure 0004098526
【0061】
但し、拡大係数βdは、「βd=(最大アクセス数(予想)/処理時点dでのアクセス数)×情報利用層割合最大値」
である。この拡大係数βdとしては、高速道路の交通需要マネージメントに関する調査研究報告書(平成10年度,日本道路公団有料道路部,財団法人高速道路調査会)に記載されている情報利用層の割合(約3割)を用いることができる。
【0062】
従って、利用時間帯変更の修正後の需要は、(8),(9)式により求められる。
【0063】
【数8】
Figure 0004098526
【数9】
Figure 0004098526
【0064】
このようにして、ステップS5の予測交通需要の更新が行われる。
次いで、図3のステップS6において他の利用者Bからの道路利用予定(利用日時、路線および区間)を受け取ると、旅行時間予測部15は、記憶装置3から予測交通需要を読み出し、上記ステップS3と同様にして予測所要時間を求め、この予測所要時間と該当通行料金とが利用者Bに通知される(図3のステップS7、S8)。次いで、ステップS9において交通需要予測部14は、利用者Bから、予測所要時間および通行料金を考慮して決定された利用日時を受け取ると、上記ステップS5と同様にして、当該路線区間の予測交通需要を更新して記録装置3に記録する(図3のステップS9、S10)。
このようにして、各利用者から道路利用予定の提供を受けて、該当路線区間の予測需要を更新していく。
【0065】
次に、他の路線からの合流を考慮する必要がある場合の交通需要修正方法を説明する。例えば、東名高速道路の上り方面、御殿場IC〜東京料金所間では、終点まで35.740kpの地点である厚木ジャンクション(JCT)において、小田原厚木道路との合流がある。この合流により、小田原厚木道路から東名高速道路の上り方面路線へ車両が流入すると、東名高速道路の上り方面路線の交通容量が減少することになる。したがって、この交通容量の減少を考慮した交通需要の修正を行う必要がある。
【0066】
図13は、この東名高速道路の上り方面、御殿場IC〜東京料金所間における交通需要修正方法の分類表である。この分類表における分類A〜Hの各修正方法を以下に示す。
分類A.需要移動後、厚木JCTに渋滞末尾が到達するとき,過剰分は無視する。
分類B.(8)式のみを使用して利用時間帯変更の修正を行い、(9)式による修正は行わない。
分類C.「厚木JCT容量÷綾瀬BS容量」を掛けて需要を移動させる。需要移動後、厚木JCTに渋滞末尾が到達するとき、過剰分は無視する。
分類D.「厚木JCT容量÷綾瀬BS容量」を掛けて需要を差し引く。(9)式による修正は行わない。
分類E.需要移動後、厚木JCTに渋滞末尾が到達するとき、過剰分は無視する。
分類F.通常どおり、(8),(9)式により修正処理を行う。
分類G.通常どおり、(8),(9)式により修正処理を行う。
分類H.通常どおり、(8),(9)式により修正処理を行う。
【0067】
図14にこの交通需要修正に基づく所要時間推定の概念図を示す。交通需要修正後、図14に示す概念に基づいて所要時間を予測する。先ず、渋滞末尾が厚木JCTに到達した時点で、ボトルネック容量を厚木JCTにおける交通容量(擬似ボトルネック容量(厚木JCT)で示す)として累積交通需要曲線R1を描く。この累積交通需要曲線R1から、厚木JCT以西で被る遅れ時間T1を求める。この遅れ時間T1、渋滞末尾が厚木JCTに到達した時点の遅れ時間T2(厚木JCT以東で被る遅れ時間)を加算し、さらに、自由流速度での旅行時間を加算した値を所要時間とする。
【0068】
次に、旅行プラン作成部16が推奨旅行プランを作成する処理について説明する。旅行プラン作成部16は、ある路線区間における予測交通需要とこの予測交通需要に基づく渋滞予測情報に基づいて、当該路線区間の利用を予定している利用者についての推奨旅行プランを作成する。
【0069】
例えば、利用者Aが路線区間(東名高速道路の上り方面、御殿場IC〜綾瀬BS前)を、利用希望日時(8月20日、15〜16時)で利用しようとして、当該道路利用予定を提供する。そして、この提供時における渋滞予測情報(予測所要時間)が、図6に示すように、75分であったとする。その後、他の利用者の当該路線区間の利用予定により予測交通需要が更新され、利用者Aの道路利用予定に係る渋滞予測情報(予測所要時間)が、図7の修正済所要時間表示画面に示すように、渋滞ピークに近い135分になったとする。これは、図6に示す渋滞ピークの時間帯(18〜20時)を考慮した利用者が、そのピーク付近の時間帯を避けて、利用者Aの利用時間帯(15〜16時)などに利用時間帯を変更したためと考えられる。
【0070】
このような場合に、旅行プラン作成部16は、推奨旅行プランを作成して当該時間帯の利用を希望している利用者へ提供し、各利用者間において道路利用予定を調整する。ここで、旅行プラン作成部16は、渋滞になる前後の時間帯(例えば、13時以前、または21時以降)を推奨利用時間帯として推奨旅行プランを作成する。あるいは、他の路線(例えば、一般道)の利用を推奨する。
【0071】
また、この調整においては、渋滞を緩和するために足りうる分の利用時間帯変更者を募る必要がある。そこで、この募集を容易にするために、旅行プラン作成部16は、推奨旅行プランの内容に、該プラン採用時における報奨内容を含める。例えば、推奨利用時間帯における通行料金を渋滞時間帯(例えば、13〜21時)よりも低額に設定し、この料金内容(渋滞時間帯の割高料金と、推奨利用時間帯における割安料金)を提示する。このようにして、道路利用予定の提供者へ道路利用予定の変更を促すようにすれば、旅行者が推奨旅行プランの内容に従って道路を利用することがさらに期待できる。この結果、複数の旅行者に対して交通需要の調整をよりスムーズに行うことができるようになる。
上記報奨内容としては、通行料金に関するもの以外に、買物割引クーポン券等の提供などであってもよい。例えば、渋滞区間前の御殿場IC付近のショッピングモールの買物割引クーポン券を提供するようにする。これにより、御殿場ICから流入予定の旅行者は該クーポン券を使用してショッピングすることで、流入時間をずらしやすくなる。また、御殿場IC通過予定の旅行者が御殿場ICで流出することも期待できる。このように、報奨内容を提示することによって交通需要の調整効果を高めることが可能である。
【0072】
なお、上述した実施形態においては、道路利用上の代償(例えば、渋滞ピーク時の割高な通行料金)や報奨(例えば、買物割引クーポン券の提供)の内容を利用者へ通知して道路利用予定の変更を促すようにしたが、交通需要の調整効果の高め具合に応じて代償または報奨のいずれか、あるいは双方を選択して通知するようにしてもよい。例えば、元々通行料金に割高感のある道路区間の場合には渋滞ピーク時のさらに割高な通行料金を通知する。他方、通行料金に割安感のある道路区間の場合には、渋滞ピーク時の割高な通行料金(道路利用上の代償)を通知しても調整効果が望めないので、買物割引クーポン券の提供など、報奨内容を通知する。このように、渋滞しそうな道路区間あるいは時間帯に応じて代償と報奨を使い分けし、旅行者が、渋滞にぶつかりそうな道路利用予定をより一層変更したくなるようにする。
【0073】
なお、上述した実施形態においては、Web処理部と通信部が情報収集手段及び情報提供手段に対応する。また、交通需要予測部が交通需要予測手段に対応し、旅行時間予測部が渋滞予測手段に対応する。また、旅行プラン作成部が旅行プラン作成手段に対応する。
【0074】
また、図2に示す交通需要・渋滞予測演算装置の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより交通情報提供処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0075】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0076】
以上、本発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、利用者から道路利用予定を通信回線を介して取得するようにしたので、多数の旅行者の道路利用予定を適時(出発直前、あるいは経路選択時等)に把握することが可能となる。さらに、この道路利用予定に基づいて該当経路の交通需要を予測して渋滞予測情報を求めるようにしたので、精度のよい渋滞予測情報が得られる。さらに、この渋滞予測情報を利用者へ提供するようにしたので、旅行者は渋滞予測情報を予め得ることができるようになり、渋滞しそうな経路や時間帯を避けて道路を利用することができる。この結果、交通需要が時間的に平準化されることになるので、休日においても交通渋滞が緩和されるという効果が期待できる。したがって、本発明を利用すれば、交通渋滞に対する有効な交通需要管理(TDM)施策を実現することができるという優れた効果を奏する。
【0078】
また、選択形式により、利用者に対して道路利用予定の提供を促すようにしたので、利用者は道路利用予定(例えば、時間帯や経路)を滞ることなくスムーズに提供することができる。これにより、利用者にとっては情報提供に係る作業負担が軽減されることとなり、より多くの利用者から道路利用予定の提供を受けることに奏するという効果が得られる。
【0079】
また、渋滞予測情報が更新された場合に、利用者に対して既に提供済みの道路利用予定を変更するか否かを確認するようにしたので、利用者に対して道路利用予定を変更する契機を適時に与えることができる。この結果、道路利用予定の変更情報(渋滞しそうな経路や時間帯を避ける情報など)を適時に収集して、予測交通需要に反映することができるという効果が得られる。
【0080】
また、渋滞予測情報が更新された場合に、該更新後の渋滞予測情報の内、利用者毎に適切な情報を選択して提供するようにしたので、能率よく渋滞予測情報を提供することができるという効果が得られる。
【0081】
また、予め計測された交通量の統計情報を交通需要の予測に用いるようにしたので、より精度よく予測交通需要を求めることができる。
【0082】
また、道路利用予定に基づいた予測交通需要と、統計情報に基づいた予測交通需要との重み付き平均を求め、この結果により渋滞予測情報が求められる。これにより、渋滞予測情報には道路利用予定の内容が適切に反映されることとなるので、より精度のよい渋滞予測情報を利用者に提供することができるようになる。
【0083】
また、重み付き平均による予測交通需要に対して、利用者の道路利用時間帯の変更を反映させるようにしたので、利用者が道路利用時間帯を変更した際の予測交通需要更新にかかる処理量を低減して処理時間を短縮することができる。これにより、利用者との情報の授受をよりリアルタイムに行うことができるという効果が得られる。
【0084】
また、交通流状態記述モデルを用いて渋滞予測情報を求めるようにしたので、渋滞予測情報を求めるための処理量を低減して処理時間を短縮することができる。これによっても、利用者との情報の授受をよりリアルタイムに行うことができるという効果が得られる。
【0085】
また、道路利用予定の提供者へ推奨旅行プランを提示して道路利用予定の変更を促すことになるので、旅行者が推奨旅行プランの内容に従って道路を利用することが期待できる。この結果として、複数の旅行者に対して交通需要の調整を行うことができるようになるので、本発明を利用して交通需要を時間的に平準化するという交通渋滞に対するTDM施策を、より効果的に活用することができるようになる。
【0086】
また、道路利用上の代償または報奨の内容を利用者へ通知するようにしたので、旅行者が該代償または報奨の内容に応じて道路利用予定を変更することが期待できる。例えば、推奨旅行プランの内容に、該プラン採用時における報奨内容を含め、より一層、道路利用予定の提供者へ道路利用予定の変更を促すようにする。このようにすれば、旅行者が推奨旅行プランの内容に従って道路を利用することがさらに期待できるので、複数の旅行者に対して交通需要の調整をよりスムーズに行うことができるようになる。
【0087】
また、渋滞予測情報を利用者へ提供する際に、当該道路利用予定に係る道路利用上の代償内容も通知するようにすれば、例えば、道路利用上の代償内容として渋滞ピーク時の割高な通行料金を通知すれば、旅行者が道路利用予定を変更し、その渋滞ピークの時間帯を避けて道路利用することが期待できる。あるいは、道路利用上の代償内容として渋滞発生が予想される道路工事予定等の道路状況を通知する場合にも、旅行者が道路利用予定を変更し、その渋滞発生が予想される日時あるいは経路を避けて道路利用することが期待できる。このようにすれば、旅行者自らが渋滞を避けて道路を利用することが期待できるので、複数の旅行者の交通需要の調整が自動的に行われるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による交通情報提供システム1の構成を示すブロック図である。
【図2】 図1に示す交通需要・渋滞予測演算装置2の構成を示すブロック図である。
【図3】 図1の交通情報提供システム1が行う交通情報提供処理の流れを説明するためのシーケンス図である。
【図4】 利用者に提供する交通情報提供サービス用ホームページ画面の構成例を示す第1の図である。
【図5】 利用者に提供する交通情報提供サービス用ホームページ画面の構成例を示す第2の図である。
【図6】 利用者に提供する交通情報提供サービス用ホームページ画面の構成例を示す第3の図である。
【図7】 利用者に提供する交通情報提供サービス用ホームページ画面の構成例を示す第4の図である。
【図8】 交通量対交通密度の相関を示す図である。
【図9】 渋滞・非渋滞の時間と距離との概念を示す図である。
【図10】 累積交通需要曲線を推定する際の概念を示す図である。
【図11】 希望利用時間帯を予測交通需要に反映する際の概念を示す図である。
【図12】 予測交通需要の利用時間帯変更の概念を示す図である。
【図13】 交通需要修正方法の分類表の構成例を示す図である。
【図14】 交通需要修正に基づく所要時間推定の概念を示す図である。
【符号の説明】
1 交通情報提供システム
2 交通需要・渋滞予測演算装置
3 記憶装置
4 端末
5 通信ネットワーク
11 通信部
12 Web処理部
13 処理部
14 交通需要予測部
15 旅行時間予測部
16 旅行プラン作成部

Claims (12)

  1. 利用者から道路利用予定を通信回線を介して取得するための情報収集手段と、
    前記道路利用予定に基づいて該当経路の交通需要を予測する交通需要予測手段と、
    前記交通需要予測手段によって予測された予測交通需要に基づいて渋滞予測情報を求める渋滞予測手段と、
    前記渋滞予測情報を通信回線を介して利用者へ提供するための情報提供手段と、を備え、
    前記渋滞予測情報を利用者の端末に表示する画面に、時間帯別の予測所要時間の表示欄と利用時間帯の変更を行うための利用時間帯選択欄とを設けたことを特徴とする交通情報提供システム。
  2. 前記渋滞予測情報または前記予測交通需要に基づいて、前記道路利用予定の提供者についての利用予定路線区間の推奨旅行プランを作成する旅行プラン作成手段を備え、
    前記旅行プラン作成手段は、渋滞になる前後の時間帯を推奨利用時間帯として前記推奨旅行プランを作成し、
    前記情報提供手段は、前記道路利用予定の提供者に対して前記推奨旅行プランを提示することを特徴とする請求項1に記載の交通情報提供システム。
  3. 前記旅行プラン作成手段は、前記推奨旅行プランの内容に、該プラン採用時における報奨内容を含めることを特徴とする請求項2に記載の交通情報提供システム。
  4. 前記渋滞予測手段は、交通流状態記述モデルを用いて前記渋滞予測情報を求め、利用予定路線区間に他路線との合流部がある場合、渋滞末尾が合流部に到達した時点で、該合流部における交通容量をボトルネック容量として該合流部上流の渋滞予測情報を求めることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の交通情報提供システム。
  5. 前記情報収集手段は、選択形式により、利用者に対して道路利用予定の提供を促すことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の交通情報提供システム。
  6. 前記情報収集手段は、前記渋滞予測手段によって渋滞予測情報が更新された場合に、利用者に対して既に提供済みの道路利用予定を変更するか否かを確認することを特徴とする請求項5に記載の交通情報提供システム。
  7. 利用者毎に前記道路利用予定の履歴を記憶する道路利用予定履歴記憶手段を備え、
    前記情報提供手段は、前記渋滞予測手段によって渋滞予測情報が更新された場合に、該更新後の渋滞予測情報の内、前記履歴に基づいて利用者毎に適切な情報を選択して提供することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の交通情報提供システム。
  8. 前記交通需要予測手段は、予め計測された交通量の統計情報を前記交通需要の予測に用いることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の交通情報提供システム。
  9. 前記交通需要予測手段は、前記道路利用予定に基づいた予測交通需要と、前記統計情報に基づいた予測交通需要との重み付き平均を求め、この結果を前記渋滞予測手段へ提供することを特徴とする請求項8に記載の交通情報提供システム。
  10. 前記交通需要予測手段は、前記重み付き平均による予測交通需要に対して、利用者の道路利用時間帯の変更を反映させることを特徴とする請求項9に記載の交通情報提供システム。
  11. 利用者から道路利用予定を通信回線を介して取得する過程と、
    前記道路利用予定に基づいて該当経路の交通需要を予測する過程と、
    この予測された予測交通需要に基づいて渋滞予測情報を求める過程と、
    前記渋滞予測情報を通信回線を介して利用者へ提供する過程と、を含み、
    前記渋滞予測情報を利用者の端末に表示する画面に、時間帯別の予測所要時間の表示欄と利用時間帯の変更を行うための利用時間帯選択欄とを設けることを特徴とする交通情報提供方法。
  12. 利用者から道路利用予定を通信回線を介して取得する処理と、
    前記道路利用予定に基づいて該当経路の交通需要を予測する処理と、
    この予測された予測交通需要に基づいて渋滞予測情報を求める処理と、
    前記渋滞予測情報を通信回線を介して利用者へ提供する処理と、をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであり、
    前記渋滞予測情報を利用者の端末に表示する画面に、時間帯別の予測所要時間の表示欄と利用時間帯の変更を行うための利用時間帯選択欄とを設けることを特徴とする交通情報提供プログラム。
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