JP6314376B2 - 導電性パターンを有する三次元構造体の製造方法及び三次元構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性パターンを有する三次元構造体の製造方法に関する。
導電性パターンを有する三次元構造体を形成する方法として、樹脂を射出成形し、その成形品の表面に回路パターン、もしくはマスクパターンを印刷または転写して無電解メッキを施し、導電性パターンを形成する方法は広く知られている。(例えば、特許文献1参照。)しかしながら、この方法では、成形品の形状が概平坦な場合のみ形成可能であり、三次元形状を持つ成形品に対しては実用できるものはない。
また、無電解メッキ可能な樹脂を一次成形し、次いで無電解メッキがされない樹脂で二次成形し、一次成形品の表面にだけ電気回路を形成することが知られている。(例えば、特許文献2等参照。)しかしながら、上記方法では、一次成形物を二次金型に挿入する必要があり作業が繁雑である。また、一次金型と二次金型の二つの金型が必要なため、特に少ロットの成形品に対してはコストが高くなる傾向にある。また、二次成形時には射出方向に限りがあるので、構造体の形状や導電性パターン形状に制限が発生する。
小ロットの導電性パターンを有する構造体を形成する方法としては、導電性の光硬化樹脂と絶縁性の光硬化樹脂を用いた光造形法を使った方法が知られている。(例えば、特許文献3参照。)
この方法では、導電性光硬化樹脂と絶縁性光硬化樹脂とをあるピッチで選択的に積層していくことによって、三次元構造体および導電性パターンを形成する。そのため、三次元構造体表面および内部に導電性パターンを形成することが可能である。
しかし、液状の導電性光硬化樹脂を貯留した槽と絶縁性光硬化樹脂を貯留した槽を往復する必要があり、さらに移動の際には各樹脂の混入による汚染を防ぐために洗浄工程をはさむ必要がある。そのためタクトタイム・コストが増加する。また、各槽内で被加工物の高さ方向の位置決めをする必要があるため、高さ方向の誤差が増加する。そして、構造部にも光硬化樹脂を用いる必要があるために、造形サイズが大きくなると材料使用量も多くなるためコスト増となる。
また、光造形法に用いられる光硬化性樹脂は、ウレタン・アクリル・エポキシ系などに限られており、材料選択性が低いという問題がある。
以上の問題を解決するために、溶融樹脂を積層する熱溶融積層法(FDM法;fused deposition modeling)を用いることによって導電性の熱可塑性樹脂と絶縁性の熱可塑性樹脂を積層する方法により導電性パターンを有する三次元構造体を容易に形成する方法がある。しかし、導電性の熱可塑性樹脂は充填剤により導電特性を持たせたものであり、体積抵抗率は102〜1010Ω・m程度にとどまる。そして、体積抵抗率を下げるために充填剤を増やすと成形性が低下するという問題がある。
また、FDM法により無電解メッキ可能な樹脂と無電解メッキがされない樹脂を成形し、無電解メッキ可能な部分のみに回路を形成するといった方法や、マスクパターンを二次成形する方法も考えられる。(例えば、特許文献4参照。)
しかし、FDM法は各層の接着時に層間に圧力がかからないため、層間の密着性が低いという問題がある。特に相溶性の無い異材を積層する場合には、さらに密着性が低下する。化学的な親和性が強い樹脂同士を選択する場合には問題とならないが、材料の選択性は低くなる。
そこで本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、構造部に汎用樹脂の使用が可能であり、バルクの金属並みの体積抵抗率を持つ導電性パターンを有する三次元構造体の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係る導電性パターンを有する三次元構造体の製造方法は、導電性パターンを有する三次元構造体の製造方法において、第一の熱可塑性樹脂または第一の熱可塑性組成物を流動状態とし、ヘッドから押し出すことにより形成される第一の熱可塑性樹脂または第一の熱可塑性組成物を含む構造部と、第二の熱可塑性樹脂または第二の熱可塑性組成物を流動状態とし、前記ヘッドから押し出すことにより形成される第二の熱可塑性樹脂または第二の熱可塑性組成物を含む導電性パターン下地部と、前記構造部と前記導電性パターン下地部とを接着するバインダー部と、を有する層状体を形成する層状体形成工程と、前記層状体を積層することによって三次元構造体を形成する三次元構造体形成工程と、前記三次元構造体の前記導電性パターン下地部に導電性パターンを形成する導電性パターン形成工程と、を備え、前記バインダー部は、第一の熱可塑性樹脂または第一の熱可塑性組成物と、第二の熱可塑性樹脂または第二の熱可塑性組成物と、を前記ヘッド内で流動状態とし、一体で押し出すことにより形成された多層構造であることを特徴とする
本発明によれば、構造部に汎用樹脂の使用が可能であり、バルクの金属並みの体積抵抗率を持つ導電性パターンを有する三次元構造体の製造方法を提供することができる。
(a)製造された導電性パターンを有する三次元構造体の斜視図である。(b1)〜(b4)yz平面で三次元構造体を切断したときの各工程における断面図である。(c1)〜(c4)xz平面で三次元構造体を切断したときの各工程における断面図である。 本発明に係る導電性パターンを有する三次元構造体の製造方法の第一の実施形態に用いる製造装置の概略図である。 (a)図2に示すヘッドの詳細を示す拡大概略図である。(b)バインダー部に第三の熱可塑性樹脂を用いる場合のヘッドの詳細を示す拡大概略図である。(c)第一の熱可塑性樹脂と第二の熱可塑性樹脂とを主成分とするポリマーアロイを溶融混練する場合のヘッドの詳細を示す拡大概略図である。 (a)第一の熱可塑性樹脂と第二の熱可塑性樹脂とが多層化された構成のバインダー部の概略断面図である。(b)図4(a)に示した構成のバインダー部を備える三次元構造体の概略断面図である。 本発明に係る導電性パターンを有する三次元構造体の製造方法の第二の実施の形態における液滴付与手段による導電性パターン形成の概略図である。
本発明に係る導電性パターンを有する三次元構造体の製造方法は、導電性パターン201を有する三次元構造体10の製造方法において、第一の熱可塑性樹脂21または第一の熱可塑性組成物を流動状態とし、ヘッド101から押し出すことにより形成される第一の熱可塑性樹脂21または第一の熱可塑性組成物を含む構造部1と、第二の熱可塑性樹脂22または第二の熱可塑性組成物を流動状態とし、前記ヘッド101から押し出すことにより形成される第二の熱可塑性樹脂22または第二の熱可塑性組成物を含む導電性パターン下地部2と、前記構造部1と前記導電性パターン下地部2とを接着するバインダー部3と、を有する層状体を形成する層状体形成工程と、前記層状体を積層することによって三次元構造体10を形成する三次元構造体形成工程と、前記三次元構造体10の前記導電性パターン下地部2に導電性パターン201を形成する導電性パターン形成工程と、を備えることを特徴とする。
FDM法を用いて異なる樹脂を積層し三次元構造体を作成する際には、積層時に層間に十分な圧力がかからないため、層間の密着性を得ることができない。そのため本発明では、層間にバインダー部を挟むことで層間の密着性を向上させる。
次に、本発明に係る導電性パターンを有する三次元構造体の製造方法についてさらに詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の説明において本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
《第一の実施形態》
図1に本発明に係る導電性パターンを有する三次元構造体の製造方法で製造された導電性パターンを有する三次元構造体の例と、その製造方法を示す。
図1(a)が製造された導電性パターンを有する三次元構造体の斜視図である。図1(b1)〜(b4)は、yz平面で三次元構造体を切断したときの各工程における断面図を示している。同様に、図1(c1)〜(c4)は、xz平面で三次元構造体を切断したときの各工程における断面図を示している。
作成には熱融解積層法(以下、FDM法;fused deposition modeling)を用いる。FDM法は、樹脂ワイヤーをヘッド内で溶融し、押出手段によってノズルから押出した流動状態の樹脂を積層することで三次元構造体を作成する方法である。
FDM法では熱可塑性樹脂であれば広範な材料を用いることが可能である。
また、熱可塑性樹脂には機能性を出すために充填材としてフィラー等も混ぜることが可能である。フィラーとしては、例えば、充填材ガラス繊維、無機フィラー、炭素繊維、金属フレーク、金属粒子などが挙げられる。
本発明に係る導電性パターンを有する三次元構造体10の製造方法の第一の実施形態に用いる製造装置の概略を図2に示す。搬送ステージ100とヘッド101と、スプールボックス104と、スプールボックス内に複数設けられた樹脂スプール105と、冷却手段103とからなる。搬送ステージ100とヘッド101は相対的にx、y、zの三方向に移動させることが可能である。
そして、ヘッド101の搬送ステージ100に対向した面に設けられたノズル102から流動状態の樹脂を押出しながら、搬送ステージ100とヘッド101をXY方向に相対的に移動させることでXY平面上に(第一の)層状体11を作成する。層状体11の作成を終えたら、搬送ステージ100とヘッド101をZ軸方向に相対移動させ、次の(第二の)層状体12の作成を行う。
冷却手段103は、流動状態の樹脂を冷却することで固定化するためのものである。
本実施の形態に用いられるヘッドの詳細な構成を図3(a)に示す。
ヘッド101は、第一〜第四供給孔107a,107b,107c,107dと、第三供給孔107c及び第四供給孔107dが連通する連通孔109と、加熱手段106(106a,106b)と、押出し手段108と、ノズル102と、を有する。押出手段108は複数設けられてなり、供給孔それぞれに対応して配置されている。
第一供給孔107a、第2供給孔107bの熱可塑性樹脂(第一の熱可塑性樹脂21、第二の熱可塑性樹脂22)については、押出手段108によって樹脂ワイヤーを送り込み、第一加熱手段106aによって流動状態とする。さらに押出手段108によって樹脂ワイヤーを送り込むことで、第一加熱手段106a近傍の流動状態の樹脂を押出し、ノズル102を通して細線形状として押し出されることで層状体(第一〜第三の層状体11,12,13等)を作成する。第三供給孔107c、第四供給孔107dの熱可塑性樹脂は、押出手段108によって同時に送り込まれ第二加熱手段106bによって流動状態となり、さらに押出手段108によって押出され、連通孔109で加圧一体化される。加圧一体化された第一の熱可塑性樹脂21と第二の熱可塑性樹脂22とからなる流動体は、ノズル102を通して細線形状として押し出されることで層状体(第一〜第三の層状体11,12,13等)を作成する。
図示は省略するが、流動状態の熱可塑性樹脂に充填材を付与して混練する機構があってもよい。また、押出し力を補助するために、複数の押出手段や空気圧等による加圧機構を備えてもよい。
なお、バインダー部に第三の熱可塑性樹脂23を用いる場合のヘッド概略を図3(b)、第一の熱可塑性樹脂21と第二の熱可塑性樹脂22とを主成分とするポリマーアロイを溶融混練する場合のヘッド概略を図3(c)に示す。
以下、詳細な製造方法を説明する。
本実施の形態では、バインダー部3は第一の熱可塑性樹脂21と第二の熱可塑性樹脂22との多層構造として説明するが、必ずしもこの構成に限定されるものではない。第三の熱可塑性樹脂23をバインダー部3として用いる場合(図3(b)のヘッド構成の場合)や、第一の熱可塑性樹脂21と第二の熱可塑性樹脂22とを主成分とするポリマーアロイをバインダー部3として用いる場合(図3(c)のヘッド構成の場合)も同様である。
バインダー部が第一の熱可塑性樹脂と第二の熱可塑性樹脂との多層構造の場合、ヘッド内で第一の熱可塑性樹脂および第二の熱可塑性樹脂を一体化させるので、積層時に一体化させる場合と比べて高温高圧化での一体化が可能となり、二つの樹脂同士の密着性を高めることが可能となる。また、バインダー部に構造部と導電性パターン下地部と同じ材料を使用しているため、材料のコストを下げることが可能である。
<層状体形成工程>
まず、図(b1)および図(c1)に示すように搬送ステージ100上に第1の層状体11を作成する。
第一の層状体11は構造部1のみで構成される。構造部11の作成はFDM法によって第一の熱可塑性樹脂を層状に形成することで行う。
第一の熱可塑性樹脂には、非導電性の難めっき性熱可塑性樹脂が使用される。難めっき性の非導電性の熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等のエンジニアリングプラスチックが好ましい。
また、第一の熱可塑性樹脂に代えて、第一の熱可塑性組成物を用いてもよい。第一の熱可塑性組成物としては、カーボン・木粉等の有機物や、ガラス繊維・炭酸カルシウム粉末等の無機フィラーや、着色顔料を、前記第一の熱可塑性樹脂に添加したものが挙げられる。
次に、図1(b2)および(c2)に示すように、第一の層状体11の上に第二の層状体12を作成する。第二の層状体12はバインダー部3と構造部1とで構成される。バインダー部3も構造部1と同様にFDM法を用いて熱可塑性樹脂を積層することで作成する。
バインダー部3は第一の熱可塑性樹脂と第二の熱可塑性樹脂とが多層化されたもので構成される(図4(a)、図4(b)参照。)。
第二の熱可塑性樹脂には、易めっき性の熱可塑性樹脂もしくは熱可塑性樹脂組成物が使用される。易めっき性の熱可塑性樹脂としては、物理的に粗面化され易いか特定の溶剤・薬品・活性エネルギー線等に侵され易いものを用いる。例えば、ポリエチレン・塩化ビニル・ポリ乳酸・ABS樹脂等が好ましい。
また、第二の熱可塑性樹脂に代えて、第二の熱可塑性組成物を用いてもよい。第二の熱可塑性組成物としては、前記易めっき性の熱可塑性樹脂に鉄・銀・ニッケル・コバルト・錫・パラジウム等の金属ナノ粒子を含有した熱可塑性組成物や、前記難めっき性の熱可塑性樹脂に、同様に、鉄・銀・ニッケル・コバルト・錫・パラジウム等の金属ナノ粒子を含有した熱可塑性組成物等が挙げられる。
構造部1に関しては、第一の層状体11と同様であるため説明を省略する。
さらに、図1(b3)および(c3)に示すように、第一の層状体11および第二の層状体12の上に第三の層状体13を作成する。第三の層状体13はバインダー部3と構造部1と導電性パターン下地部2とで構成される。導電性パターン下地部2の作成はFDM法によって第二の熱可塑性樹脂を層状に形成することで行う。
構造部1とバインダー部3に関しては第一の層状体11および第二の層状体12と同様であるため説明を省略する。
なお、前述のとおりバインダー部には第三の熱可塑性樹脂を用いてもよく、この第三の熱可塑性樹脂は第一の熱可塑性樹脂(第一の熱可塑性組成物)に対して相溶性を有し、且つ、第二の熱可塑性樹脂(第二の熱可塑性組成物)に対して相溶性を有することが好ましい。第一の熱可塑性樹脂と第二の熱可塑性樹脂とに対して相溶性のある第三の熱可塑性樹脂をバインダー部に用いることで、第一の熱可塑性樹脂と第二の熱可塑性樹脂とが直接接触する場合と比べて密着性を高めることが可能となる。
また、第三の熱可塑性樹脂に代えて、第三の熱可塑性組成物を用いてもよい。第三の熱可塑性組成物としては、極性の大きい樹脂、例えば塩化ビニル・ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
<三次元構造体形成工程>
以上の工程を繰り返すことで、図1(b4)および(c4)に示すような三次元構造体10を形成する。
この積層の際には、層状体が流動しない温度で余熱していることが好ましい。積層中の積層体が流動性を持たない温度で余熱することで、密着性を高めることが可能となるため好ましい。ここで、余熱するとは、成形物に熱を加えて、流動する温度以下でなるべく高い温度に保つということ、また、雰囲気の温度をコントロールすることで、充分に除冷されない状態を作る(徐冷する)ということを意味する。
バインダー部3は、第一の熱可塑性樹脂と第2の熱可塑性樹脂とが隣接しないように、その間に形成する。ただし、同一の層内(層状体内)で隣接する場合には、層間(積層された層状体の上下)の場合に比べて密着性は問題とならないためバインダー部を形成しなくてもよい。
<導電性パターン形成工程>
次に、作成した三次元構造体10に無電解めっきにより導電性パターン201を選択的に形成する。選択的に第二の熱可塑性樹脂を粗面化することや触媒を含有した熱可塑性樹脂を用いることによって、第二の熱可塑性樹脂22上に導電性パターン201が形成される。触媒を添加していない場合には、第二の熱可塑性樹脂のみが膨潤する有機溶剤等により、第二の熱可塑性樹脂22の表面を粗面化する。その後、無電解めっきを行うことで銅・ニッケル等の導電性パターン201を作成する。
導電性パターン形成工程は、湿式めっきで行い選択的に導電性パターンを作成することで、導電性パターンとして導電性樹脂を用いる場合に比べて、低い体積抵抗率の導電性パターンの作成が可能となるため好ましい。
《第二の実施形態》
第二の実施形態を示す。装置概略は第一の実施形態に液滴付与手段200を追加したものである。
本実施の形態のヘッドの詳細を図3(c)に示す。第一の実施の形態のヘッドに混練手段110を加えたものである。図3(c)では混練手段110は一つであるが、複数個あってもよい。
第一の実施形態と同様、第一の熱可塑性樹脂からなる構造部1と第二の熱可塑性樹脂からなる導電性パターン下地部2とを積層していく。
次いで、ヘッド101内で混練手段110により、第一の熱可塑性樹脂または第一の熱可塑性組成物と、第二の熱可塑性樹脂または第二の熱可塑性組成物と、を溶融混練することによりポリマーアロイを作成する。このポリマーアロイを用いることで、第一の熱可塑性樹脂と第二の熱可塑性樹脂とが直接接触する場合と比べて密着性を高めることが可能となる。また、ポリマーアロイのワイヤーを溶融して積層する場合には再分離が問題となるが、ポリマーアロイをヘッド内で溶融混練し作成するため、再分離を防ぐことが可能となる。
本実施の形態では、バインダー部3は第一の熱可塑性樹脂または第一の熱可塑性組成物と、第二の熱可塑性樹脂または第二の熱可塑性組成物とを主成分とするポリマーアロイから構成されるものとして説明する。ただし、必ずしもこの構成に限定されるものではなく、第三の熱可塑性樹脂や第一熱可塑性樹脂と第二熱可塑性樹脂との多層構造である場合も同様である。
なお、主成分とは、質量分率の合計が70%を超えるものを意味する。
本実施の形態の場合、第一の熱可塑性樹脂には疎液性の非導電性熱可塑性樹脂、第一の熱可塑性組成物には疎液性の非導電性熱可塑性組成物を用いる。具体的には、ABSやポリカーボネート等が好ましいものとして挙げられる。
第二の熱可塑性樹脂には親液性の熱可塑性樹脂、第二の熱可塑性組成物には親液性の非導電性熱可塑性組成物を用いる。具体的には、ポリ乳酸やポリアミドやポリビニルアルコール等の吸水性熱可塑性樹脂に吸水性の無機フィラーが含まれているものが好ましいものとして挙げられる。吸水性の無機のフィラーとしては、アルミナ、二酸化ケイ素が好ましい。あるいは、吸水性の小さい樹脂に、吸水性の無機フィラーを含有させたものでもよい。
<パターン形成ステップ>
形成された三次元構造体10に対して、液滴付与手段200によって金属ナノ粒子が分散された溶液を導電性パターン下地部2に付与する(図5)。液滴付与手段200は、三次元構造物10に付与を行うため、インクジェット法などのような非接触なものが望ましい。使用するインクジェット法の方式に特に制限はない。
<導電性発現ステップ>
溶液が付与された三次元構造体に対して、赤外線照射や焼成などによってエネルギーを付与することで、金属ナノ粒子を融着させることで導電性パターンを形成する。
また、第二の熱可塑性樹脂、第二の熱可塑性組成物が吸水性の熱可塑性樹脂・樹脂組成物の場合には、溶媒の吸収により金属ナノ粒子を融着させることができ、液滴付与後のエネルギー付与(融着手段)の必要がなく、より短時間で導電性パターン201の形成が可能となる。
このように導電性パターンを形成することで、導電性パターンとして導電性樹脂を用いる場合に比べて、低い体積抵抗率の導電性パターンの作成が可能となるため好ましい。また、湿式めっきを用いる場合の洗浄工程など煩雑な工程を省くことが可能となる。
以上説明した第一の実施の形態および第二の実施の形態によれば、FDM法で構造部と導電性パターン下地部を作成しているため、材料選択性が高く、安価に製造することが可能となる。また、射出成形で作成した場合と比べて形状の自由度が高く、型が必要無いので小ロット製造時のコストも安くすることが可能である。さらに、異材をFDM法により形成すると層間の密着性が問題となるが、バインダー部を介すことで密着性の向上が可能となる。またさらに、バインダー部に中間の熱収縮率を持つ材料を用いることによって、熱収縮差を緩和することも可能である。
1 構造部
2 導電性パターン下地
3 バインダー部
10 三次元構造体
11 第一の層状体
12 第二の層状体
13 第三の層状体
21 第一の熱可塑性樹脂
22 第二の熱可塑性樹脂
23 第三の熱可塑性樹脂
100 搬送ステージ
101 ヘッド
102 ノズル
103 冷却手段
104 スプールボックス
105 樹脂スプール
106 加熱手段
106a 第一加熱手段
106b 第二加熱手段
107a 第一供給孔
107b 第二供給孔
107c 第三供給孔
107d 第四供給孔
108 押出手段
109 連通孔
110 混練手段
200 液滴付与手段
201 導電性パターン
特許3379725号公報 特開平10−190193号公報 特開2004−22623号公報 特開2005−217279号公報

Claims (9)

  1. 導電性パターンを有する三次元構造体の製造方法において、
    第一の熱可塑性樹脂または第一の熱可塑性組成物を流動状態とし、ヘッドから押し出すことにより形成される第一の熱可塑性樹脂または第一の熱可塑性組成物を含む構造部と、
    第二の熱可塑性樹脂または第二の熱可塑性組成物を流動状態とし、前記ヘッドから押し出すことにより形成される第二の熱可塑性樹脂または第二の熱可塑性組成物を含む導電性パターン下地部と、
    前記構造部と前記導電性パターン下地部とを接着するバインダー部と、を有する層状体を形成する層状体形成工程と、
    前記層状体を積層することによって三次元構造体を形成する三次元構造体形成工程と、
    前記三次元構造体の前記導電性パターン下地部に導電性パターンを形成する導電性パターン形成工程と、を備え、
    前記バインダー部は、第一の熱可塑性樹脂または第一の熱可塑性組成物と、第二の熱可塑性樹脂または第二の熱可塑性組成物と、を前記ヘッド内で流動状態とし、一体で押し出すことにより形成された多層構造であることを特徴とする導電性パターンを有する三次元構造体の製造方法。
  2. 導電性パターンを有する三次元構造体の製造方法において、
    第一の熱可塑性樹脂または第一の熱可塑性組成物を流動状態とし、ヘッドから押し出すことにより形成される第一の熱可塑性樹脂または第一の熱可塑性組成物を含む構造部と、
    第二の熱可塑性樹脂または第二の熱可塑性組成物を流動状態とし、前記ヘッドから押し出すことにより形成される第二の熱可塑性樹脂または第二の熱可塑性組成物を含む導電性パターン下地部と、
    前記構造部と前記導電性パターン下地部とを接着するバインダー部と、を有する層状体を形成する層状体形成工程と、
    前記層状体を積層することによって三次元構造体を形成する三次元構造体形成工程と、
    前記三次元構造体の前記導電性パターン下地部に導電性パターンを形成する導電性パターン形成工程と、を備え、
    前記バインダー部は、第三の熱可塑性樹脂または第三の熱可塑性組成物を含み、
    該第三の熱可塑性樹脂または第三の熱可塑性組成物は、前記第一の熱可塑性樹脂または前記第一の熱可塑性組成物に対して相溶性を有し、且つ、前記第二の熱可塑性樹脂または前記第二の熱可塑性組成物に対して相溶性を有することを特徴とする導電性パターンを有する三次元構造体の製造方法。
  3. 前記第三の熱可塑性樹脂または第三の熱可塑性組成物は、前記第一の熱可塑性樹脂または前記第一の熱可塑性組成物と、前記第二の熱可塑性樹脂または前記第二の熱可塑性組成物と、を主成分とするポリマーアロイであることを特徴とする請求項に記載の導電性パターンを有する三次元構造体の製造方法。
  4. 前記ポリマーアロイは、前記ヘッド内で、前記第一の熱可塑性樹脂または前記第一の熱可塑性組成物と、前記第二の熱可塑性樹脂または前記第二の熱可塑性組成物と、を溶融混練することによって作成されることを特徴とする請求項に記載の導電性パターンを有する三次元構造体の製造方法。
  5. 前記第一の熱可塑性樹脂または前記第一の熱可塑性組成物は難めっき材料であり、
    前記第二の熱可塑性樹脂または前記第二の熱可塑性組成物は易めっき材料であり、
    前記導電性パターン形成工程は、湿式めっきで形成することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の導電性パターンを有する三次元構造体の製造方法。
  6. 前記第一の熱可塑性樹脂または前記第一の熱可塑性組成物は疎液性であり、
    前記第二の熱可塑性樹脂または前記第二の熱可塑性組成物は親液性であり、
    前記導電性パターン形成工程は、金属ナノ粒子が分散された溶液を前記導電性パターン下地部に付与するパターン形成ステップと、前記金属ナノ粒子を融着させる導電性発現ステップと、を含むことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の導電性パターンを有する三次元構造体の製造方法。
  7. 前記第二の熱可塑性樹脂または前記第二の熱可塑性組成物は、吸水性の無機物フィラー
    を含有する吸水性の熱可塑性樹脂または吸水性の熱可塑性組成物であることを特徴とする請求項に記載の導電性パターンを有する三次元構造体の製造方法。
  8. 前記三次元構造体形成工程における積層中に、前記層状体が流動しない温度で余熱していることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の導電性パターンを有する三次元構造体の製造方法。
  9. 第一の熱可塑性樹脂または第一の熱可塑性組成物を含む構造部と、第二の熱可塑性樹脂または第二の熱可塑性組成物を含む導電性パターン下地部と、前記構造部と前記導電性パターン下地部とを接着するバインダー部と、を有する層状体を積層してなる三次元構造体であって、
    前記バインダー部は、前記構造部と前記導電性パターン下地部との間に形成されるとともに、少なくとも一部の同一層内では、前記構造部と前記導電性パターン下地部が前記バインダー部を介さずに接していることを特徴とする三次元構造体。
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