以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1(b)は本発明の課題解決手段である時間ダイバーシティについて説明する概念図である。一般に、時間ダイバーシティは、時間をずらして同じ内容を送信することで、ダイバーシティ効果を得る方法である。
図1(b)において、上段がA/D変換後の音声データ、中段がデータ圧縮後の音声データ、下段がOFDM変調時のデータの組合せを示す。OFDM変調方式として、次のようなOFDM変調方式を一例として説明する。
・シンボル長83.3μsec(有効シンボル長78.4μsec)
・キャリア間隔12.75kHz
・キャリア総数46
・伝送帯域幅586.5kHz
まず、音声信号をA/D変換部において、デジタル変換する。音声信号の情報源符号化(サンプリング)は、例えば、サンプリング周波数として、48kHzが利用され、量子化ビット長としては、24bitが利用される。
24bitの音声データを瞬時圧縮又はADPCM(adaptive differential pulse code modulation:適応的差分パルス符号変調)により、データ量を例えば半分の12bitに圧縮(情報量削減)する。この圧縮により例えば8サンプリング分のデータが、上記OFDM変調による1つのOFDMシンボルで伝送できる。データ圧縮をしない伝送であれば、4サンプリング分のデータを1つのOFDMシンボル(すなわち、8サンプリング分のデータを2つのOFDMシンボル)で伝送するが、データ量を半分に圧縮したことにより、時間遅れを生じることなく、同じOFDMシンボルを2回送信することができ、時間ダイバーシティが可能となる。
同じOFDMシンボルを送信する際は、レーダーパルスとの干渉があったとしても、少なくとも一方のOFDMシンボルは影響を受けない程度にOFDMシンボルの送信タイミングをずらすことが必要であり、また、他方、受信側では2つの同じOFDMシンボルを受信後にデータ処理を行なうため、送受信時間を短くするためには、できるだけ両者の送信タイミングを近づけることが必要である。
したがって、レーダーパルス(パルス性雑音)の影響を回避し、且つ、送受信遅れを最小限にするため、1つのレーダーパルスにより影響を受ける最大のOFDMシンボル期間を単位に、データ送信を繰り返すことが望ましい。図1(a)に示すように、例えば、シンボル長83.3μsecのOFDMシンボルに対してパルス幅160μsecのレーダーパルスが存在するとき、1つのレーダーパルスで最大連続した3シンボルが影響を受けるから、3個のOFDMシンボルを単位に(すなわち、同一の音声信号を含むOFDMシンボルの間に他の2つのOFDMシンボルを挟んで)、データの送信を繰り返すことになる。なお、マイクの送受信遅延が許される範囲であれば、同一の音声信号を含むOFDMシンボルを送信する間隔をさらに広げることも可能である。
また、データ誤りを排除するため、同じOFDMシンボルを3回以上繰り返して送信することも可能である。この場合は、データ圧縮がさらに必要であり音声品質が劣化するデメリットがあるが、受信したデータに基づいて多数決判定を有効に利用でき、全体としてデータを確実に受信することができる。また、バーストノイズに強い等のメリットがある。OFDMシンボルの繰り返し回数や繰返し周期は、求められる性能に応じて適宜選択することが望ましい。音声品質とデータの遅延時間を考慮すると、同一データを2回送信することが効率的であり、以下の実施例では、2回の送信を主として説明を行う。
なお、後に詳しく説明するが、受信側では、2つの同じOFDMシンボルデータを比較し、品質の良い方を選択したり、或いは、品質が悪い信号を除去し、受信できたデータを合成して品質改善をしたり、様々な手法により2つの同じOFDMシンボルデータを有効に利用することができる。
図1(b)を参照すると、サンプリング番号1〜8の音声データが、番号1〜8の圧縮後データとなり、最初のOFDMシンボル(0シンボル)に変調されて送信される。同様に、サンプリング番号9〜16の音声データが、番号9〜16の圧縮後データとなり、次のOFDMシンボル(1シンボル)に変調されて送信され、サンプリング番号17〜24の音声データが、番号17〜24の圧縮後データとなり、3番目のOFDMシンボル(2シンボル)に変調されて送信される。その後、4番目のOFDMシンボル(3シンボル)として最初のOFDMシンボル(0シンボル)と同一のデータが再度送信され、5番目のOFDMシンボル(4シンボル)として2番目のOFDMシンボル(1シンボル)と同一のデータが、また、6番目のOFDMシンボル(5シンボル)として3番目のOFDMシンボル(2シンボル)と同一のデータが再度送信される。次いで、サンプリング番号25〜32の音声データが、番号25〜32の圧縮後データとなり、7番目のOFDMシンボル(6シンボル)に変調されて送信され(図示せず)、以下、これを繰り返すこととなる。
なお、図1では、最初のOFDMシンボル(0シンボル)の送信が、サンプリング番号13の音声データのタイミングから始まっているが、これは、サンプリング番号17〜24の音声データと、3番目のOFDMシンボル(2シンボル)の送信時期の関係を考慮したものであり、各音声データの信号処理時間と、対応するOFDMシンボルの送信時期を考慮して、全体のデータ送信タイミングを適宜調整し、制御することができる。
図1においては、レーダーパルス(パルス幅160μsec)により最大連続3個のOFDMシンボルが干渉を受けるが、上記のような2回のデータ伝送を行うことにより、少なくとも一方のOFDMシンボルはパルスと重なることが無いから、受信側で信号品質の良いデータを選択することにより、レーダーパルスの影響を回避できる。なお、レーダーパルスのパルス幅が広い場合は、同一データを送信する間隔をさらに広げ、繰り返し単位となる期間がレーダーパルス幅より長くなるようにすればよい。
(実施の形態1)
本発明の時間ダイバーシティを実現するOFDM送信装置を、実施の形態1として説明する。
図2は、本発明の実施例1に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置101の構成を示すブロック図である。実施例1のOFDM送信装置101は、瞬時圧伸処理によりデータの圧縮と伸張を行う方式の送信装置である。
図2に示すように、OFDM送信装置101は、A/D変換部11と、瞬時圧縮部12と、エネルギー拡散部13と、外符号符号化部14と、内符号符号化部15と、データ蓄積部16と、データ抽出部17と、キャリア変調部18と、周波数インターリーブ部19と、OFDMフレーム構成部20と、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部21と、D/A変換部22と、周波数変換部23と、送信アンテナ24とを備える。これらの構成のうち、キャリア変調部18と、周波数インターリーブ部19と、OFDMフレーム構成部20と、IFFT部21は、IFFT部21の後の図示しないガードインターバル付加部を含めて、OFDM変調部を構成する。
各構成要素について説明する。A/D変換部11は、マイクから入力されるアナログの音声信号をデジタル信号に変換し、瞬時圧縮部12に出力する。音声信号の情報源符号化(サンプリング)は、サンプリング周波数として、例えば、48kHz又は32kHzが利用される。量子化ビット長としては、例えば24bitや16bitが利用される。
瞬時圧縮部12は、入力されたデジタル信号(例えば24ビット)を瞬時圧縮し、例えばデータ量を半分にして12ビットのデジタル信号に変換する。瞬時圧縮は、予め24bit→12bit圧伸則を定めておき、その対応関係に従ってデータの圧縮をする方法であり、時間遅延を生じることなく、直ちにデータ圧縮をすることができる。また、24bitで量子化を行った後、不要な下位の8bitの情報を削除し、その後に16bit→12bitの圧伸則に従ってデータの圧縮をしても良い。なお、データの圧縮率は1/2に限られるものではなく、デジタル音声信号を遅延が生じることなく2回データ送信できる範囲で、適切なデータ量に圧縮を行うことができる。瞬時圧縮部12で圧縮された信号は、エネルギー拡散部13に出力される。
エネルギー拡散部13は、音声情報の偏りによりOFDMの特定のキャリアにエネルギーが集中しないように、外符号符号化部13の出力信号を、擬似ランダム信号等を用いてランダム化する。
外符号符号化部14は、データを所定のブロック長のブロックに区切り、ブロックごとにパリティビットを付加する。RS(リード・ソロモン)符号、BCH符号、差集合巡回符号、あるいは、CRC符号により、ブロック符号化を行って外符号を生成し、内符号符号化部15に出力する。これは、受信側で誤り訂正を行うため、或いは誤り検出を行い、誤ったブロックに対してコンシールメントを行うためである。例えば、BCH符号を用いることで、遅延時間を少なくすることができる。例えば、RS(204,188)符号の場合、符号1ブロックに含まれるビット数は、204Byte=1632bitであり、符号化及び復号による遅延時間は1310μsとなる。これに対し、BCH(144,128)符号の場合、符号1ブロックに含まれるビット数が144bitであり、符号化及び復号による遅延時間は115μsである。なお、ここでのブロックは、1つのOFDMシンボルで送信できるビット数のデータの集合である。ただし、外符号符号化は、複数の誤り訂正符号を組み合わせた連接符号のときの処理であって、連接符号ではない場合は、外符号符号化部14は省略してもよい。
内符号符号化部15は、外符号符号化部14から入力される信号を内符号化(例えば、畳み込み符号化)し、内符号を生成してデータ蓄積部16に出力する。
ここで、ブロック単位での処理を遅延の発生なく行う条件について、補足的に説明する。デジタルの音声信号をブロック単位で入力し、ブロックごとに処理を行う場合、外符号符号化部14による外符号の符号長をNoとすると、外符号符号化部14から出力される1ブロックあたりのデータ量aは、No(単位はビット)と等しい。また、内符号符号化部15による内符号化率をRi、後のキャリア変調部18における変調方式の変調多値数をM、OFDM信号のデータキャリア数をNdとすると、OFDM信号1シンボルあたりのデータ量bは、Ri×M×Nd(単位はビット)で表される。
ここで、a=bの場合、外符号符号化部14からブロック単位で処理するごとに出力される符号長のaビットと、内符号符号化部15及びOFDM変調部にてシンボル単位で処理すべきデータ量のbビットが等しいため、外符号符号化部14から出力されるaビット(=bビット)のデータを直ちに内符号符号化処理、OFDM変調処理を実行することができる。そこで、符号長Noが次式(1)を満たすようにパラメータを設定する。
No=Ri×M×Nd (1)
No=Ri×M×Ndとなるようにパラメータを設定することにより、OFDM信号を連続して生成することができるため、送信レート調整用のバッファメモリは不要となり、外符号符号化部14に入力されるデータに対する、内符号符号化部15及びOFDM変調部から出力されるデータの遅延を少なくすることができる。なお、このようなパラメータ設定は、以降の実施例においても、同様に設定できる。
次に、データ蓄積部16は、外符号符号化及び内符号符号化が終了し、キャリア変調を行う前のブロック単位のデータである内符号出力を蓄積する。このデータ蓄積部16は、今回の時間ダイバーシティを行うにあたり、同じ音声信号を含むOFDM信号(シンボル)を複数回(例えば2回)効率的に送信するために必要となる構成であり、複数回のデータ送信が終了するまでブロック単位のデータを蓄積しておく。なお、データ蓄積部16は、キャリア変調を行う前のどの段階のデータを保持しても良く、瞬時圧縮部12の出力データを保持してもよい。しかし、同一の音声信号を含むOFDM信号(シンボル)を効率的に複数回送信するためには、キャリア変調を行う前の内符号出力を蓄積することが効率的である。
データ抽出部17は、データ蓄積部16に蓄積されているブロック単位のデータである内符号出力を、所定の順番で抽出し、キャリア変調部18に出力する。図1(b)の同一の音声信号を含むデータの送信のインターバル(同一の音声信号を含むOFDM信号間の間隔)を2個分のOFDMシンボル期間とする場合を例とすれば、第1ブロック(内符号出力)、第2ブロック、第3ブロックの順でデータを抽出した後、再び、第1ブロック、第2ブロック、第3ブロックの順でデータを抽出し、その後、第4ブロック、第5ブロック・・・の順でデータを抽出し、キャリア変調部18に出力する。また、同一の音声信号を含むデータの送信のインターバルが1個分のOFDMシンボル期間で良い場合には、第1ブロック、第2ブロック、第1ブロック、第2ブロック、第3ブロック、第4ブロック、第3ブロック、第4ブロック・・・の順でデータを抽出すれば良いこととなる。なお、様々なレーダーパルス幅に対応するため、データ抽出部17は、外部からの操作により、データ抽出の順番(すなわち、同じデータを次に送るまでのインターバル)を調整できる機能を有することが望ましい。
キャリア変調部18は、その内部に図示しないビットインターリーブ部とマッピング部を備えており、データ抽出部17から入力される信号(内符号)に対し、ビットローテーション等の大きな時間遅れを生じさせないビット単位でのデータの並び替え(ビットインターリーブ)を行い、その後、キャリアごとに所定の変調方式(変調多値数M)に応じてIQ平面へのマッピングを行い、キャリア変調信号を生成し、周波数インターリーブ部19に出力する。
周波数インターリーブ部19は、特定の搬送波が妨害を受けた場合の耐性を向上させるために、本来隣接しているシンボルのキャリア番号を並び替え、データを周波数的に分散するものである。周波数的に分散するように並び替えたデータをOFDMフレーム構成部20に出力する。なお、移動受信時の伝送特性を改善する目的、例えばOFDM信号の帯域全体が同時に減衰するようなフラットフェージング環境下では、周波数インターリーブの効果が得られないため、周波数インターリーブ部19の後段に、時間的にデータを分散させる時間インターリーブ部(図示せず)を挿入し、強力な伝送路符号化としてもよい。
OFDMフレーム構成部20は、周波数インターリーブ部19から入力される信号に対して、パイロット信号を挿入して配置することによりOFDMフレームを生成し、IFFT部21に出力する。パイロット信号は、信号生成時の振幅及び位相が既知であるため、受信側において伝送路特性を推定することができる。OFDMフレーム構成部20は、パイロット信号として、分散して配置されるSP(Scattered Pilot)信号に加え、シンボル方向に連続して配置されるCP(Continual Pilot)信号を挿入してもよい。また、制御情報を伝送するための信号であるTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号を挿入してもよい。OFDMフレーム構成は、例えば、総キャリア数46(データキャリア数39又は40)のものが利用されるが、他の総キャリア数のものを利用しても良い。
IFFT部21は、OFDMフレーム構成部20から入力されるOFDMフレームに対して、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform:逆高速フーリエ変換)処理を施して有効シンボル期間のIFFT出力信号を生成する。なお、IFFT部21で生成されたIFFT出力信号は、図示しないガードインターバル付加部に出力され、ガードインターバル付加部は、IFFT部21から入力される有効シンボル期間のIFFT出力信号の先頭に、IFFT出力信号の後半部分をコピーしたガードインターバルを挿入する。ガードインターバルは、OFDM信号を受信する際にシンボル間干渉を低減させるために挿入されるものであり、マルチパス遅延波の遅延時間がガードインターバル長を超えないように設定される。
D/A変換部22は、作成されたOFDMシンボル信号に対して、デジタル/アナログ変換をする。
周波数変換部23は、D/A変換部22によりアナログ信号化されたデータを送信周波数に変換する。
その後、送信周波数に変換された信号を、電力増幅して送信アンテナ24から送信する。このように、実施例1の瞬時圧伸処理のOFDM送信装置101が構成され、信号処理が行われる。
図3は、本発明の実施例2に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置102の構成を示すブロック図である。図2における実施例1のOFDM送信装置101と同じ構成ブロックは、実施例1と同じ符号を付し、説明を簡略化する。
実施例2に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置102は、実施例1のOFDM送信装置101の構成と比較して、エネルギー拡散部13と外符号符号化部14の順序が逆になっている点が相違する。
図3に示すように、OFDM送信装置102は、A/D変換部11と、瞬時圧縮部12と、外符号符号化部14と、エネルギー拡散部13と、内符号符号化部15と、データ蓄積部16と、データ抽出部17と、キャリア変調部18と、周波数インターリーブ部19と、OFDMフレーム構成部20と、IFFT部21と、D/A変換部22と、周波数変換部23と、送信アンテナ24とを備える。これらの構成のうち、キャリア変調部18と、周波数インターリーブ部19と、OFDMフレーム構成部20と、IFFT部21は、IFFT部21の後の図示しないガードインターバル付加部を含めて、OFDM変調部を構成することは、実施例1と同じである。
各構成要素および外符号符号化部14の省略、時間インターリーブ部(図示せず)については実施例1と同じであり説明を省略する。
エネルギー拡散部13において、外符号符号化部14で付加されたパリティビットと音声データを含めた信号を拡散することができるので、実施例1よりもデータ(エネルギー)の片寄りを減らすことが可能となる。
図4は、本発明の実施例3に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置103の構成を示すブロック図である。実施例3のOFDM送信装置103は、ADPCM(adaptive differential pulse code modulation:適応的差分パルス符号変調)処理によりデータの圧縮(符号化)と復元(復号)を行う方式の送信装置である。図2における実施例1のOFDM送信装置101と同じ構成ブロックは、実施例1と同じ符号を付し、説明を簡略化する。
実施例3に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置103は、実施例1のOFDM送信装置101の構成と比較して、データ圧縮処理部が瞬時圧縮部12からADPCM符号化部25となっている点が相違する。
図4に示すように、OFDM送信装置103は、A/D変換部11と、ADPCM符号化部25と、エネルギー拡散部13と、外符号符号化部14と、内符号符号化部15と、データ蓄積部16と、データ抽出部17と、キャリア変調部18と、周波数インターリーブ部19と、OFDMフレーム構成部20と、IFFT部21と、D/A変換部22と、周波数変換部23と、送信アンテナ24とを備える。これらの構成のうち、キャリア変調部18と、周波数インターリーブ部19と、OFDMフレーム構成部20と、IFFT部21は、IFFT部21の後の図示しないガードインターバル付加部を含めて、OFDM変調部を構成することは、実施例1と同じである。
各構成要素について説明する。A/D変換部11の機能は、実施例1(図2)と同じであり、マイクから入力されるアナログの音声信号をデジタル信号に変換し、ADPCM符号化部25に出力する。
ADPCM符号化部25は、入力されたデジタル信号(例えば24ビット)を符号化(データ圧縮)し、例えば12ビットのデジタル信号に変換する。なお、圧縮後のデータ量は12ビットに限られるものではなく、デジタル音声信号を遅延が生じることなく2回データ送信できる範囲で、適切なデータ量に圧縮を行うことができる。ADPCMは、過去に復号された信号標本と現在の信号標本との差分信号を符号化する差分パルス符号変調(DPCM、差分PCM)を改良した方法であって、適応予測及び適応量子化を利用し、量子化幅を変化させて効率的なデータ圧縮を行うものである。当該技術分野において一般的なデータ圧縮技術であるので、詳細な説明は省くが、ADPCM符号化処理を利用することより、時間遅延を生じることなくデータ圧縮をすることができる。ADPCM符号化部25で圧縮された信号は、エネルギー拡散部13に出力される。
その後の信号処理は、実施例1と同様である。エネルギー拡散部13による出力信号のランダム化処理、外符号符号化部14によるブロックごとのパリティビットを付加する外符号符号化処理、内符号符号化部15による内符号の生成処理を経て、データ蓄積部16にキャリア変調を行う前のブロック単位のデータである内符号出力を蓄積する。実施例1と同様に、連接符号ではない場合は、外符号符号化部14は省略してもよく、また蓄積するデータはキャリア変調を行う前のどの段階のデータを保持しても良く、ADPCM符号化部25の出力データを保持してもよい。データ抽出部17で、データ蓄積部16に蓄積されているブロック単位のデータを所定の順番で抽出してキャリア変調部18に出力し、次いで、キャリア変調部18でのビットインターリーブ及びIQ平面へのマッピングによるキャリア変調信号生成、周波数インターリーブ部19による隣接データの周波数的な並び替え処理、OFDMフレーム構成部20によるOFDMフレーム生成、IFFT部21でのIFFT処理による有効シンボル期間のIFFT出力信号生成、ガードインターバルの挿入によるOFDMシンボル信号生成、D/A変換部22によるOFDMシンボル信号に対するデジタル/アナログ変換、周波数変換部23による送信周波数への変換を行い、電力増幅して送信アンテナ24からOFDM変調信号を送信する。なお、移動受信時の伝送特性を改善する目的、例えばOFDM信号の帯域全体が同時に減衰するようなフラットフェージング環境下では、周波数インターリーブの効果が得られないため、周波数インターリーブ部19の後段に、時間的にデータを分散させる時間インターリーブ部(図示せず)を挿入し、強力な伝送路符号化としてもよい。
このように、実施例3のADPCM処理のOFDM送信装置103が構成され、信号処理が行われる。
図5は、本発明の実施例4に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置104の構成を示すブロック図である。図4における実施例3のOFDM送信装置103と同じ構成ブロックは、実施例3と同じ符号を付し、説明を簡略化する。
実施例4に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置104は、実施例3のOFDM送信装置103の構成と比較して、エネルギー拡散部13と外符号符号化部14の順序が逆になっている点が相違する。
図5に示すように、OFDM送信装置104は、A/D変換部11と、ADPCM符号化部25と、外符号符号化部14と、エネルギー拡散部13と、内符号符号化部15と、データ蓄積部16と、データ抽出部17と、キャリア変調部18と、周波数インターリーブ部19と、OFDMフレーム構成部20と、IFFT部21と、D/A変換部22と、周波数変換部23と、送信アンテナ24とを備える。これらの構成のうち、キャリア変調部18と、周波数インターリーブ部19と、OFDMフレーム構成部20と、IFFT部21は、IFFT部21の後の図示しないガードインターバル付加部を含めて、OFDM変調部を構成することは、実施例3と同じである。
各構成要素および外符号符号化部14の省略、時間インターリーブ部(図示せず)については実施例3と同じであり説明を省略する。
エネルギー拡散部13において、外符号符号化部14で付加されたパリティビットと音声データを含めた信号を拡散することができるので、実施例3よりもデータ(エネルギー)の片寄りを減らすことが可能となる。
図6は、本発明の実施例5に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置105の構成を示すブロック図である。実施例5のOFDM送信装置105は、デジタル音声信号のデータ圧縮手段について、瞬時圧縮処理とADPCM符号化処理とを選択可能にした方式の送信装置である。図2における実施例1のOFDM送信装置101及び図4における実施例3のOFDM送信装置103と同じ構成ブロックは、実施例1,3と同じ符号を付し、説明を簡略化する。
実施例5に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置105は、実施例1のOFDM送信装置101の構成と比較して、データ圧縮処理部が瞬時圧縮部12とADPCM部25と選択部26を備えている点が相違する。
図6に示すように、OFDM送信装置105は、A/D変換部11と、瞬時圧縮部12と、ADPCM符号化部25と、選択部26と、エネルギー拡散部13と、外符号符号化部14と、内符号符号化部15と、データ蓄積部16と、データ抽出部17と、キャリア変調部18と、周波数インターリーブ部19と、OFDMフレーム構成部20と、IFFT部21と、D/A変換部22と、周波数変換部23と、送信アンテナ24とを備える。これらの構成のうち、キャリア変調部18と、周波数インターリーブ部19と、OFDMフレーム構成部20と、IFFT部21は、IFFT部21の後の図示しないガードインターバル付加部を含めて、OFDM変調部を構成することは、実施例1,3と同じである。
各構成要素について説明する。A/D変換部11の機能は、実施例1(図2)と同じであり、マイクから入力されるアナログの音声信号をデジタル信号に変換し、瞬時圧縮部12及びADPCM符号化部25に出力する。
瞬時圧縮部12は、実施例1と同様に、予め定めた圧伸則の対応関係に従ってデータの瞬時圧縮をし、選択部26に出力する。また、ADPCM符号化部25は、実施例3と同様に、入力されたデジタル信号に対してADPCM符号化処理を行うことより、時間遅延を生じることなくデータ圧縮をし、選択部26に出力する。
選択部26は、図示しない外部からの信号により、瞬時圧縮部12で処理された圧縮データと、ADPCM符号化部25で処理された圧縮データのうち、いずれか一方を選択してエネルギー拡散部13に出力する。
その後の信号処理は、実施例1及び実施例3と同様である。エネルギー拡散部13による出力信号のランダム化処理、外符号符号化部14によるブロックごとのパリティビットを付加する外符号符号化処理、内符号符号化部15による内符号の生成処理を経て、データ蓄積部16にキャリア変調を行う前のブロック単位のデータである内符号を蓄積する。実施例1と同様に、連接符号ではない場合は、外符号符号化部14は省略してもよく、また蓄積するデータはキャリア変調を行う前のどの段階のデータを保持しても良く、瞬時圧縮部12の出力データを保持してもよいし、ADPCM符号化部25の出力データを保持してもよいし、選択部26の出力データを保持してもよい。データ抽出部17で、データ蓄積部16に蓄積されているブロック単位のデータを所定の順番で抽出してキャリア変調部18に出力し、次いで、キャリア変調部18でのビットインターリーブ及びIQ平面へのマッピングによるキャリア変調信号生成、周波数インターリーブ部19による隣接データの周波数的な並び替え処理、OFDMフレーム構成部20によるOFDMフレーム生成、IFFT部21でのIFFT処理による有効シンボル期間のIFFT出力信号生成、ガードインターバルの挿入によるOFDMシンボル信号生成、D/A変換部22によるOFDMシンボル信号に対するデジタル/アナログ変換、周波数変換部23による送信周波数への変換を行い、電力増幅して送信アンテナ24からOFDM変調信号を送信する。なお、移動受信時の伝送特性を改善する目的、例えばOFDM信号の帯域全体が同時に減衰するようなフラットフェージング環境下では、周波数インターリーブの効果が得られないため、周波数インターリーブ部19の後段に、時間的にデータを分散させる時間インターリーブ部(図示せず)を挿入し、強力な伝送路符号化としてもよい。
このように、実施例5の圧縮手段選択型のOFDM送信装置105が構成され、信号処理が行われる。
図7は、本発明の実施例6に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置106の構成を示すブロック図である。図6における実施例5のOFDM送信装置105と同じ構成ブロックは、実施例5と同じ符号を付し、説明を簡略化する。
実施例6に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置106は、実施例5のOFDM送信装置105の構成と比較して、エネルギー拡散部13と外符号符号化部14の順序が逆になっている点が相違する。
図7に示すように、OFDM送信装置106は、A/D変換部11と、瞬時圧縮部12と、ADPCM符号化部25と、選択部26と、外符号符号化部14と、エネルギー拡散部13と、内符号符号化部15と、データ蓄積部16と、データ抽出部17と、キャリア変調部18と、周波数インターリーブ部19と、OFDMフレーム構成部20と、IFFT部21と、D/A変換部22と、周波数変換部23と、送信アンテナ24とを備える。これらの構成のうち、キャリア変調部18と、周波数インターリーブ部19と、OFDMフレーム構成部20と、IFFT部21は、IFFT部21の後の図示しないガードインターバル付加部を含めて、OFDM変調部を構成することは、実施例5と同じである。
各構成要素および外符号符号化部14の省略、時間インターリーブ部(図示せず)については実施例5と同じであり説明を省略する。
エネルギー拡散部13において、外符号符号化部14で付加されたパリティビットと音声データを含めた信号を拡散することができるので、実施例5よりもデータ(エネルギー)の片寄りを減らすことが可能となる。
なお、実施例1〜6では、音声信号の品質を高めるためA/D変換部11において大きな量子化ビット長(24ビット)でデジタル化し、その後にデータ圧縮又は符号化を行ったが、予め小さい量子化ビット長でA/D変換を行い、データ圧縮又は符号化をすることなく、以降の信号処理を行うことも可能である。
図8は、本発明の実施例7に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置107の構成を示すブロック図である。実施例7のOFDM送信装置107は、実施例1〜6のOFDM送信装置と回路構成が異なっており、送信装置が情報源符号化部Aと伝送路符号化部Bに分かれている。
図8に示すように、OFDM送信装置107は、A/D変換部11と、音声圧縮部12,25,26と、データ蓄積部16と、多重化部27と、エネルギー拡散部13と、誤り訂正符号化部28と、キャリア変調部18と、周波数インターリーブ部19と、OFDMフレーム構成部20と、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部21と、ガードインターバル付加部29とを備える。これらの構成のうち、A/D変換部11と、音声圧縮部12,25,26と、データ蓄積部16と、多重化部27は、情報源符号化部Aを構成する。また、エネルギー拡散部13と、誤り訂正符号化部28と、キャリア変調部18と、周波数インターリーブ部19と、OFDMフレーム構成部20と、IFFT部21と、ガードインターバル付加部29は、伝送路符号化部Bを構成する。なお、キャリア変調部18と、周波数インターリーブ部19と、OFDMフレーム構成部20と、IFFT部21と、ガードインターバル付加部29は、OFDM変調部を構成する。
各構成要素について説明する。A/D変換部11は、これまで説明されたものと同じであり、例えば、サンプリング周波数48kHz、量子化ビット長24bitで、音声信号の情報源符号化(サンプリング)を行う。
音声圧縮部12,25,26は、その符号からも明らかなように、これまで説明した各種の音声データの圧縮手段を総括的に表記したものである。すなわち、音声圧縮部は、瞬時圧縮部12であり、又は、ADPCM符号化部25であり、又は、瞬時圧縮部12とADPCM符号化部25と選択部26から構成されるデータ圧縮手段が選択可能な圧縮部である。これらのいずれかの構成とすることができる。また、他の適切なデータ圧縮手段を採用しても良い。さらに、情報源符号化処理においてサンプリングの情報量を小さくすることにより、音声圧縮部を省略することもできる。音声圧縮部12,25,26で圧縮された信号は、データ蓄積部16に出力される。
データ蓄積部16は、これまで説明されたものとその構成は同じである。しかしながら、実施例7の送信装置107では、エネルギー拡散も符号化処理も行われていないデータ圧縮されたままの音声信号データを蓄積する。蓄積されたデータは、多重化部27に出力される。
多重化部27は、データ蓄積部16に蓄積されている圧縮済みの音声データを所定の順番で抽出し、指定された回数繰り返して、すなわち、多重化してシリアルデータを作成する。また、後段の伝送路符号化部Bで共通の処理が可能となるよう、情報ビットレートを一定にするための付加情報を音声データに付加する。例えば、伝送路符号化部Bで1248kbpsの情報ビットレートを前提とした符号化処理が予定されており、時間ダイバーシティとして2回の繰り返し送信を行いたいとき、量子化ビット数24bit、サンプリング周波数48kHzのデジタル音声データに対して、情報圧縮率1/2の音声圧縮を行い、12bitに圧縮された音声データをデータ蓄積部16に蓄積しておく。多重化部27は、12bitに圧縮されたデータを抽出して、所定の周期で2回繰り返すと共に、12bit×2の音声データあたり、2bitの付加情報を選択して付加する。これにより、音声レートは576kbps×2となり、付加情報レートは96kbpsとなって、全体の情報ビットレートが1248kbpsとなる。同様に、時間ダイバーシティとして3回の繰り返し送信を行いたいとき、量子化ビット数24bit、サンプリング周波数48kHzのデジタル音声データに対して、情報圧縮率1/3の音声圧縮を行い、8bitに圧縮された音声データをデータ蓄積部16に蓄積しておく。多重化部27は、8bitに圧縮されたデータを抽出して、所定の周期で3回繰り返すと共に、8bit×3の音声データあたり、2bitの付加情報を選択して付加する。これにより、音声レートは384kbps×3となり、付加情報レートは96kbpsとなって、全体の情報ビットレートが1248kbpsとなる。このように、付加情報ビット数を選択することにより、伝送路符号化部Bに送る情報ビットレートを一定にでき、その後の処理の共通化が可能となる。なお、この付加情報は、単純に情報ビットレートの調整に利用しても良いが、さらに、例えば、パリティビットとして利用したり、繰り返し回数を示す情報を持たせる等、様々な情報を持ったデータとすることもできる。また、多重化部27は、必要に応じてデータのブロック化も行う。
エネルギー拡散部13は、これまで説明されたものと同じであり、多重化部27の出力信号を、擬似ランダム信号等を用いてランダム化する。
誤り訂正符号化部28は、エネルギー拡散部13から入力される信号に対して、例えば、畳み込み符号化等を行い、その後データ誤りが発生しても訂正できるように符号化をする。誤り訂正符号化部28は、他の実施例の内符号符号化部15と等しい働きをする。符号化したデータはキャリア変調部18に出力する。
キャリア変調部18は、これまで説明されたものと同じであり、その内部にビットインターリーブ部181とマッピング部182を備えており、誤り訂正符号化部28から入力される信号に対し、ビットローテーション等の大きな時間遅れを生じさせないビット単位でのデータの並び替え(ビットインターリーブ)を行い、その後、キャリアごとに所定の変調方式(変調多値数M)に応じてIQ平面へのマッピングを行い、キャリア変調信号を生成し、周波数インターリーブ部19に出力する。
周波数インターリーブ部19は、これまで説明されたものと同じであり、キャリア番号を並び替え、周波数的に分散したデータをOFDMフレーム構成部20に出力する。なお、移動受信時の伝送特性を改善する目的、例えばOFDM信号の帯域全体が同時に減衰するようなフラットフェージング環境下では、周波数インターリーブの効果が得られないため、周波数インターリーブ部19の後段に、時間的にデータを分散させる時間インターリーブ部(図示せず)を挿入し、強力な伝送路符号化としてもよい。
OFDMフレーム構成部20は、これまで説明されたものと同じであり、周波数インターリーブ部19から入力される信号に対して、SP(Scattered Pilot)信号、CP(Continual Pilot)信号、及びTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号を挿入して配置することによりOFDMフレームを生成し、IFFT部21に出力する。なお、時間ダイバーシティの伝送方式においては、データの複数送り回数(繰り返し回数)や、送り周期の情報を、TMCC信号の中の情報として設定することが望ましい。
IFFT部21は、これまで説明されたものと同じであり、OFDMフレーム構成部20から入力されるOFDMフレームに対して、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform:逆高速フーリエ変換)処理を施してIFFT出力信号を生成する。
ガードインターバル付加部29は、IFFT部21から入力されるIFFT出力信号の先頭に、有効シンボル期間のIFFT出力信号の後半部分をコピーしたガードインターバルを挿入する。これにより、送信すべきOFDMシンボル信号が生成される。このエネルギー拡散部13からガードインターバル付加部29までの処理を、伝送路符号化部Bとして共通化できる。
なお、その後は、図示しないD/A変換部により、作成されたOFDMシンボル信号に対して、デジタル/アナログ変換をし、さらに、図示しない周波数変換部によりアナログ信号化されたデータを送信周波数に変換する。その後、送信周波数に変換された信号を、電力増幅して送信アンテナから送信する。このように、実施例7のOFDM送信装置107が構成され、信号処理が行われる。
ところで、信号伝送において、フェージングや干渉に対する耐性を向上させるため、データを時間軸上で分散させること、すなわち、時間インターリーブを利用することができる。同じデータを繰り返して送信する時間ダイバーシティに代わり、許容できる範囲で時間インターリーブを行うことは、ノイズ対策として有効である。また、時間ダイバーシティと時間インターリーブを組み合わせることも有効である。時間インターリーブは、畳み込みインターリーブを用いる。図9(a)に時間インターリーブ回路の構成を示す。当該回路において、各バッファに対して入力及び出力を順次切り替えることにより、時間インターリーブされたデータが得られる。
図9(a)で、miは例えば、mi = (i×5) mod 39 とする。ncは、データキャリアの本数(この例では39)、iはシンボル内キャリア番号を示す。シンボルバッファのI×miの値が整数でない場合は、小数点以下を切り上げて整数とする。
時間インターリーブ長は、図9(b)に示すようにセル長(I)の値を変えることで6種類のパラメータを選択できる。時間インターリーブ後のフレームの先頭は、一番遅延されたデータが入っているシンボルの先頭とする。
(実施の形態2)
以下に、本発明の時間ダイバーシティを実現するOFDM受信装置を、実施の形態2として説明する。
図10は、本発明の実施例8に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置201の構成を示すブロック図である。実施例8のOFDM受信装置201は、瞬時圧伸処理によりデータの圧縮と伸張を行う方式の受信装置であり、さらに、受信信号のMER(Modulation Error Ratio :変調誤差比)や雑音電力等で信号の品質比較を行う受信装置である。
図10に示すように、OFDM受信装置201は、少なくとも1系統のFFT(Fast Fourier Transform)部30(301〜304)と、遅延器31(311〜314)と、信号品質算出部32(321〜328)と、復調部50(501〜508)と、比較・選択・合成部33と、コンシールメント部39と、瞬時伸張部40と、D/A変換部41とを備える。このうち復調部50(501〜508)は、周波数デインターリーブ部34と、キャリア復調部35と、内符号復号部36と、外符号復号部37と、エネルギー逆拡散部38とから成る。なお、図10においては、4系統のダイバーシティ(いわゆる空間ダイバーシティ)受信を行っているために、4つのFFT部30を備えており、これらの出力を比較・選択・合成しているが、これは一例であってFFT部は2系統でも1系統でも、適切なものを選択すればよい。これらの構成のうち、FFT部30、周波数デインターリーブ部34と、キャリア復調部35は、OFDM復調部を構成する。なお、OFDM復調部は、FFT部30の前に、それぞれ図示しないガードインターバル除去部を備えている。また、図では省略されているが、アンテナから受信された受信信号は、受信周波数変換部により中間周波数に変換され、A/D変換部でデジタル信号に変換し、ガードインターバル除去処理がされた後、FFT部30に入力されることは、当該技術分野において自明のことである。
各構成要素について説明する。FFT部30(301〜304)は、受信後にデジタル化されガードインターバルが除去された信号に対してFFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)処理を施す。この実施例8においては、FFT部30の出力信号は、遅延器31(311〜314)と信号品質算出部32(321,323,325,327)とに出力する。
遅延器31(311〜314)は、時間ダイバーシティとして1回目に送信されたOFDM信号(シンボル)と2回目に送信されたOFDM信号(シンボル)のタイミング調整を行うために設けられており、送信装置側で設定された同一の音声信号を含む信号の再送間隔に対応した信号遅延(例えば、図1(b)の例であれば、3OFDMシンボル期間に相当する遅延)を生じさせて信号を出力する。なお、送信側でのOFDM信号(シンボル)の様々な再送間隔に対応できるように、遅延器31の遅延時間を外部より調整できる機能を有することが望ましい。
信号品質算出部32(321〜328)は、FFT処理後の信号(遅延器31を経た信号も含む)に対して、MER(Modulation Error Ratio :変調誤差比)や雑音電力等をそれぞれ算出し、その信号の品質を示すデータとして比較・選択・合成部33に出力する。また、FFT処理後の信号は、復調部50(501〜508)に送られる。
復調部50(501〜508)は、それぞれ、周波数デインターリーブ部34と、キャリア復調部35と、内符号復号部36と、外符号復号部37と、エネルギー逆拡散部38とから成る。送信側で時間インターリーブが施されている場合は、FFT部30(301〜304)の出力信号を時間デインターリーブ部(図示せず)に入力し、時間デインターリーブを行った後に周波数デインターリーブ部34に入力される。周波数デインターリーブ部34は、FFT部30(301〜304)処理後の信号(遅延器31を経た信号も含む)に対して、周波数デインターリーブ処理を行い、周波数的に並び替えられたデータを元に戻す。
キャリア復調部35は、周波数デインターリーブ部34から入力される信号に対して、キャリアごとに復調を行い、内符号復号部36に出力する。復調する際には、SP信号を抽出し、基準値(既知の振幅と位相)と比較することにより、SP信号の存在するキャリアの伝送路特性を算出し、算出した伝送路特性を時間方向および周波数方向に補間し、全てのOFDMキャリアの伝送路特性の推定値を算出する。キャリア復調部35は、その内部に図示しないデマッピング部とビットデインターリーブ部を備えており、推定された伝送路特性に基づいて、図示しないデマッピング部でI信号値とQ信号値を得て、ビット単位のデータに復調する。また、図示しないビットデインターリーブ部において、送信側のキャリア変調部18においてビット単位で並べ替えたデータを、元の配列に戻す。
内符号復号部36は、キャリア復調部35から入力される信号を内符号復号処理する。内符号復号部36は、ビタビ復号等の復号化処理では復号・訂正しきれないデータが生じた場合、後述するコンシールメント部39に対して、どの音声信号のブロックに誤りが含まれているかとの情報を有する「誤り情報」を送信するように構成することができる。
次に、外符号復号部37は、送信側で付加した誤り訂正符号を利用して、誤り訂正又は誤り検出を行う。伝送路において生じた誤りが離散的であれば、誤り訂正符号を利用して、誤りを正確に訂正することが可能である。しかしながら、時間的に連続するバーストノイズが発生した場合には、誤り訂正符号を利用しても、外符号復号部37でデータ復元ができなくなる場合がある。このような場合は、外符号復号部37は、誤り訂正符号を利用して復号・訂正処理したデータとともに、訂正しきれなかったデータの情報、すなわち、どのブロックに誤りが含まれているかとの情報を有する「誤り情報」をコンシールメント部39に送る。また、CRC符号を利用して、誤りの有無を「エラーフラグ」として出力することも有効な手段である。なお、連接符号ではない場合は、外符号復号部37は省略してよい。
エネルギー逆拡散部38は、エネルギー逆拡散を施して、元の信号出力に戻し、比較・選択・合成部33に出力する。
比較・選択・合成部33は、信号品質算出部32(321〜328)から出力された信号品質データとしてのMERや雑音電力等を比較し、各系統の復調部50を経た信号から品質の良い信号を選択し、必要に応じて信号の合成を行う。信号の合成を行うことにより利得を得ることができる。比較・選択・合成部33の処理としては、例えば、(1)MERが最大の信号を選択して出力する処理、(2)所定の値以上のMERを示す信号を選択して、選択された信号を最大比合成により合成して出力する処理、(3)雑音電力が最小の信号を選択して出力する処理、(4)所定の値以下の雑音電力を示す信号を選択して、選択された信号を最大比合成により合成して出力する処理、等が想定されるが適切な手段を選択して処理を行うことができる。なお、上記(2)の処理を選択する場合、「所定の値以上のMER」として受信可能な信号品質にある信号を全て選択するように設定することもできる。同様に上記(4)の処理を選択する場合、「所定の値以下の雑音電力」として受信可能な信号品質(CN比)にある信号をすべて選択するように設定することもできる。レーダーパルス等の影響を受けた場合には、FFT部30から直接出力された系統の信号と、遅延器32を経た系統の信号のどちらか一方のみが選択される。結果として、パルス性雑音の影響を受けていないOFDM信号に基づいて音声信号を生成することができる。また、どちらの信号もレーダーパルスの干渉を受けていない場合には、8系統の信号を合成して利得を得ることができ、従来と比較して感度が高く、品質の良い受信が可能となる。比較・選択・合成部33により選択又は合成された信号は、コンシールメント部39に出力される。
コンシールメント部39は、内符号復号部36及び/又は外符号復号部37から送られた誤り情報に基づいて、訂正できなかった誤りデータに対してコンシールメント処理を行う。なお、「コンシールメント」とは、誤りデータを正確に元のデータに訂正するのではなく、当該誤りデータを他の値で代替することにより修正又は修復することを意味する。これにより、実質的なデータの訂正効果を得ることができる。誤り情報は、内符号復号部36と外符号復号部37の少なくとも一方から送られるようにすれば良く、直前の外符号復号部37から送られた誤り情報に基づいてコンシールメント処理を行うのが効率的である。
コンシールメント処理としては、次のようなものが考えられ、いずれか最適な処理を選択すれば良い。
1)データが誤りの場合、誤りが発生する直前の値を保持する。
2)データが誤りの場合、一定値を挿入する。
3)データが誤りの場合、零値を挿入する。
4)データが誤りの場合、一定値を挿入して、帯域制限フィルタ処理を施す。
5)データが誤りの場合、零値を挿入して、帯域制限フィルタ処理を施す。
6)データが誤りの場合、前後のデータで線形補間を行う。
ここで、帯域制限フィルタ処理は、音声帯域である20Hz〜20kHzのバンドパスフィルタを通過させることにより、不自然な信号データを除去する処理である。
このようなコンシールメント処理を行った後、コンシールメント部39は、データを瞬時伸張部40に出力する。
瞬時伸張部40は、入力されたデジタル信号(例えば12ビット)を瞬時伸張し、例えば24ビットのデジタル信号に変換する。この瞬時伸張には、予め設定した圧伸則を用いることにより、時間遅延を生じることなくデータの伸張処理ができる。瞬時伸張部40で伸張された信号は、D/A変換部41に出力される。
D/A変換部41は、伸張されたデジタルデータを、デジタル/アナログ変換し、アナログ音声信号を出力する。
なお、図10では、コンシールメント処理を行った後に瞬時伸張を行っているが、コンシールメント部39と瞬時伸張部40との配置を入れ替えて、瞬時伸張を行ったデータに対してコンシールメント処理を行うこともできる。
このように実施の形態2にかかるOFDM受信装置によれば、時間ダイバーシティにより複数回送信されたOFDMシンボル信号のうち、信号品質が良好な信号を利用して復調・復号処理を行うことにより、ノイズの無い音声出力を得ることができる。
ここで、2回送信されたOFDM信号の処理について補足する。本発明の送受信方法では、同じOFDM信号(シンボル)のデータのうち、1回目のデータと2回目のデータの区別を受信装置側で判断する必要がある。また、同じOFDMの1フレームで様々な信号の繰り返し間隔に対応する必要がある。その解決法の一例として、OFDM変調の1フレームを60シンボルとする。60という数字は、2,3,4,5の最小公倍数であり、多種類の送信間隔に対応できる。
OFDMフレーム先頭から何シンボル目なのか(シンボル番号)は受信装置で判断できるので、例えば、3シンボル毎に2回データを送信する例だと、以下のようになる。
1番目データ : 0シンボルと3シンボルで判定
2番目データ : 1シンボルと4シンボルで判定
3番目データ : 2シンボルと5シンボルで判定
4番目データ : 6シンボルと9シンボルで判定
5番目データ : 7シンボルと10シンボルで判定
・ ・
・ ・
30番目データ :56シンボルと59シンボルで判定
ただ、上記の1フレームが60シンボルとした場合であっても、4シンボル毎に2回データを送信する際に、1フレームで完結しない問題が生じる。その場合には、(1)1フレームを120シンボルにする、(2)1フレームを60シンボルのままにして、偶数フレーム、奇数フレームで判定を行い、120シンボルのスーパーフレームとみなす、といった対策を行えば良い。
図11は、本発明の実施例9に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置202の構成を示すブロック図である。図10における実施例8のOFDM受信装置201と同じ構成ブロックは、実施例8と同じ符号を付し、説明を簡略化する。
実施例9に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置202は、実施例8のOFDM受信装置201の構成と比較して、外符号復号部37とエネルギー逆拡散部38の順序が逆になっている点が相違する。
図11に示すように、OFDM受信装置202は、少なくとも1系統のFFT部30(301〜304)と、遅延器31(311〜314)と、信号品質算出部32(321〜328)と、復調部51(511〜518)と、比較・選択・合成部33と、コンシールメント部39と、瞬時伸張部40と、D/A変換部41とを備える。復調部51(511〜518)は、周波数デインターリーブ部34と、キャリア復調部35と、内符号復号部36と、エネルギー逆拡散部38と、外符号復号部37とから成る。なお、FFT部30の前に、それぞれ図示しないガードインターバル除去部を備えており、図では省略されているが、アンテナから受信された受信信号は、受信周波数変換部により中間周波数に変換され、A/D変換部でデジタル信号に変換し、ガードインターバル除去処理がされた後、FFT部30に入力されることは、当該技術分野において自明のことである。
各構成要素および時間デインターリーブ部(図示せず)、外符号復号部37の省略については実施例8と同じであり説明を省略する。
なお、実施例8のOFDM受信装置201と実施例9のOFDM受信装置202との選択については、送信側が、エネルギー拡散部の後段に外符号符号化部を設けた構成(実施例1)の場合は、受信側では、外符号復号部の後段にエネルギー逆拡散部を設ける構成(実施例8)を採用し、送信側が、外符号符号化部の後段にエネルギー拡散部を設けた構成(実施例2)の場合は、受信側では、エネルギー逆拡散部の後段に外符号復号部を設ける構成(実施例9)を採用することが望ましい。この送信側と受信側の構成の対応関係は、他の実施例においても同じである。
図12は、本発明の実施例10に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置203の構成を示すブロック図である。実施例10のOFDM受信装置203は、ADPCM処理によりデータの圧縮(符号化)と復元を行う方式の受信装置であり、さらに、受信信号のMER(Modulation Error Ratio :変調誤差比)や雑音電力等で信号の品質比較を行う受信装置である。図10における実施例8のOFDM受信装置201と同じ構成ブロックは、実施例8と同じ符号を付し、説明を簡略化する。
実施例10に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置203は、実施例8のOFDM受信装置201の構成と比較して、圧縮データの復元処理部が瞬時伸長部40からADPCM復号部42となっている点が相違する。
図12に示すように、OFDM受信装置203は、少なくとも1系統のFFT部30(301〜304)と、遅延器31(311〜314)と、信号品質算出部32(321〜328)と、復調部50(501〜508)と、比較・選択・合成部33と、コンシールメント部39と、ADPCM復号部42と、D/A変換部41とを備える。このうち復調部50(501〜508)は、周波数デインターリーブ部34と、キャリア復調部35と、内符号復号部36と、外符号復号部37と、エネルギー逆拡散部38とから成る。なお、図12においては、4系統のダイバーシティ(いわゆる空間ダイバーシティ)受信を行っているために、4つのFFT部30を備えており、これらの出力を比較・選択・合成しているが、これは一例であってFFT部は2系統でも1系統でも、適切なものを選択すればよい。なお、実施例8と同じく、図では省略されているが、アンテナから受信された受信信号は、受信周波数変換部により中間周波数に変換され、A/D変換部でデジタル信号に変換され、ガードインターバル除去処理がされた後、FFT部30に入力されることは、当該技術分野において自明のことである。
各構成要素について説明する。図12において、FFT部30(301〜304)からコンシールメント部39までの処理は、図10の実施例8と同一である。すなわち、受信後にデジタル化され、FFT部30(301〜304)でFFT処理を施された信号は、直接又は遅延器31(311〜314)を介して信号品質算出部32(321〜328)に入力され、MERや雑音電力等がそれぞれ算出される。
その後、復調部50において、送信側で時間インターリーブが施されている場合は、時間デインターリーブ部(図示せず)に入力し、時間デインターリーブを行った後に周波数デインターリーブ部34に入力される。周波数デインターリーブ部34により、周波数的に並び替えられたデータを元に戻す周波数デインターリーブ処理を行い、キャリア復調部35にて、推定された伝送路特性に基づいてデマッピング処理を行いI信号値とQ信号値を得てビットデータに復調し、ビットデインターリーブ処理により、ビット単位で並べ替えたデータを元の配列に戻す。次いで、内符号復号部36による内符号復号処理、外符号復号部37にて、送信側で付加した誤り訂正符号を利用して、誤り訂正又は誤り検出を行い、エネルギー逆拡散部38によるエネルギー逆拡散を施す。なお、連接符号ではない場合は、外符号復号部37は省略してよい。比較・選択・合成部33は、信号品質データとしてのMERや雑音電力等を比較し、各系統の復調部50を経た信号から品質の良い信号を選択し、必要に応じて信号の合成を行う。さらに、コンシールメント部39により、内符号復号部36及び/又は外符号復号部37から送られた誤り情報に基づいて、訂正できなかった誤りデータに対して、誤りが発生する直前の値を保持する等のコンシールメント処理を行う。その後、コンシールメント部39は、データをADPCM復号部42に出力する。
ADPCM復号部42は、入力されたデジタル信号(例えば12ビット)をADPCM復号処理により、元の24ビットのデジタル信号に復号する。この復号処理は、ADPCM符号化の逆処理であって、公知の手段を利用して、時間遅延を生じることなくデータの復号処理ができる。ADPCM復号部42で復号された信号は、D/A変換部41に出力される。
D/A変換部41は、復号されたデジタルデータを、デジタル/アナログ変換し、アナログ音声信号を出力する。
このように、実施例10のOFDM受信装置203が構成され、信号処理が行われる。
図13は、本発明の実施例11に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置204の構成を示すブロック図である。図12における実施例10のOFDM受信装置203と同じ構成ブロックは、実施例10と同じ符号を付し、説明を簡略化する。
実施例11に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置204は、実施例10のOFDM受信装置203の構成と比較して、外符号復号部37とエネルギー逆拡散部38の順序が逆になっている点が相違する。
図13に示すように、OFDM受信装置204は、少なくとも1系統のFFT部30(301〜304)と、遅延器31(311〜314)と、信号品質算出部32(321〜328)と、復調部51(511〜518)と、比較・選択・合成部33と、コンシールメント部39と、ADPCM復号部42と、D/A変換部41とを備える。復調部51(511〜518)は、周波数デインターリーブ部34と、キャリア復調部35と、内符号復号部36と、エネルギー逆拡散部38と、外符号復号部37とから成る。なお、図では省略されているが、アンテナから受信された受信信号は、受信周波数変換部により中間周波数に変換され、A/D変換部でデジタル信号に変換し、ガードインターバル除去処理がされた後、FFT部30に入力されることは、当該技術分野において自明のことである。
各構成要素および時間デインターリーブ部(図示せず)、外符号復号部37の省略については実施例10と同じであり説明を省略する。
図14は、本発明の実施例12に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置205の構成を示すブロック図である。実施例12のOFDM受信装置205は、データの瞬時圧伸処理とADPCM処理を選択可能な方式の受信装置であり、さらに、受信信号のMER(Modulation Error Ratio :変調誤差比)や雑音電力等で信号の品質比較を行う受信装置である。図10における実施例8のOFDM受信装置201及び図12における実施例10のOFDM受信装置203と同じ構成ブロックは、実施例8,10と同じ符号を付し、説明を簡略化する。
実施例12に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置205は、実施例8,10のOFDM受信装置201,203の構成と比較して、圧縮データの復元処理部として、瞬時伸張部40とADPCM復号部42とその選択部43を備えている点が相違する。
図14に示すように、OFDM受信装置205は、少なくとも1系統のFFT部30(301〜304)と、遅延器31(311〜314)と、信号品質算出部32(321〜328)と、復調部50(501〜508)と、比較・選択・合成部33と、コンシールメント部39と、瞬時伸張部40と、ADPCM復号部42と、選択部43と、D/A変換部41とを備える。このうち復調部50(501〜508)は、周波数デインターリーブ部34と、キャリア復調部35と、内符号復号部36と、外符号復号部37と、エネルギー逆拡散部38とから成る。なお、図14においては、4系統のダイバーシティ(いわゆる空間ダイバーシティ)受信を行っているために、4つのFFT部30を備えており、これらの出力を比較・選択・合成しているが、これは一例であってFFT部は2系統でも1系統でも、適切なものを選択すればよい。なお、実施例8,10と同じく、図では省略されているが、アンテナから受信された受信信号は、受信周波数変換部により中間周波数に変換され、A/D変換部でデジタル信号に変換され、ガードインターバル除去処理がされた後、FFT部30に入力されることは、当該技術分野において自明のことである。
各構成要素について説明する。図14において、FFT部30(301〜304)からコンシールメント部39までの処理は、図10の実施例8及び図12の実施例10と同一である。
すなわち、受信後にデジタル化され、FFT部30(301〜304)でFFT処理を施された信号は、直接又は遅延器31(311〜314)を介して信号品質算出部32(321〜328)に入力され、MERや雑音電力等がそれぞれ算出される。
その後、復調部50において、送信側で時間インターリーブが施されている場合は、時間デインターリーブ部(図示せず)に入力し、時間デインターリーブを行った後に周波数デインターリーブ部34に入力される。周波数デインターリーブ部34により、周波数的に並び替えられたデータを元に戻す周波数デインターリーブ処理を行い、キャリア復調部35にて、推定された伝送路特性に基づいてデマッピング処理を行いI信号値とQ信号値を得てビットデータに復調し、ビットデインターリーブ処理により、ビット単位で並べ替えたデータを元の配列に戻す。次いで、内符号復号部36による内符号復号処理、外符号復号部37にて、送信側で付加した誤り訂正符号を利用して、誤り訂正又は誤り検出を行い、エネルギー逆拡散部38によるエネルギー逆拡散を施す。なお、連接符号ではない場合は、外符号復号部37は省略してよい。比較・選択・合成部33は、信号品質データとしてのMERや雑音電力等を比較し、各系統の復調部50を経た信号から品質の良い信号を選択し、必要に応じて信号の合成を行う。さらに、コンシールメント部39により、内符号復号部36及び/又は外符号復号部37から送られた誤り情報に基づいて、訂正できなかった誤りデータに対して、誤りが発生する直前の値を保持する等のコンシールメント処理を行う。その後、コンシールメント部39は、データを瞬時伸張部40及びADPCM復号部42に出力する。
瞬時伸張部40は、実施例8と同じく入力されたデジタル信号(圧縮されたデータ)を所定の圧伸則に基づいて瞬時伸張し、選択部43に出力する。また、ADPCM復号部42は、実施例10と同じく入力されたデジタル信号をADPCM復号処理により元のビット数のデジタル信号に復号し、選択部43に出力する。
選択部43は、図示しない外部からの信号により、瞬時伸張部40で処理された伸張データと、ADPCM復号部42で処理された復号データのうち、送信側で選択したデータ圧縮手段に対応する処理を選択して、D/A変換部41に出力する。
D/A変換部41は、伸張又は復号されたデジタルデータを、デジタル/アナログ変換し、アナログ音声信号を出力する。
このように、実施例12のOFDM受信装置205が構成され、信号処理が行われる。
図15は、本発明の実施例13に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置206の構成を示すブロック図である。図14における実施例12のOFDM受信装置205と同じ構成ブロックは、実施例12と同じ符号を付し、説明を簡略化する。
実施例13に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置206は、実施例12のOFDM受信装置205の構成と比較して、外符号復号部37とエネルギー逆拡散部38の順序が逆になっている点が相違する。
図15に示すように、OFDM受信装置206は、少なくとも1系統のFFT部30(301〜304)と、遅延器31(311〜314)と、信号品質算出部32(321〜328)と、復調部51(511〜518)と、比較・選択・合成部33と、コンシールメント部39と、瞬時伸張部40と、ADPCM復号部42と、選択部43と、D/A変換部41とを備える。復調部51(511〜518)は、周波数デインターリーブ部34と、キャリア復調部35と、内符号復号部36と、エネルギー逆拡散部38と、外符号復号部37とから成る。なお、図では省略されているが、アンテナから受信された受信信号は、受信周波数変換部により中間周波数に変換され、A/D変換部でデジタル信号に変換し、ガードインターバル除去処理がされた後、FFT部30に入力されることは、当該技術分野において自明のことである。
各構成要素および時間デインターリーブ部(図示せず)、外符号復号部37の省略については実施例12と同じであり説明を省略する。
図16は、本発明の実施例14に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置207の構成を示すブロック図である。実施例14のOFDM受信装置207は、瞬時圧伸処理によりデータの圧縮と伸張を行う方式の受信装置であり、さらに、受信信号の内符号復号部による処理を行った後のエラー信号を利用して受信信号の選択・合成を行う受信装置である。図10ないし図15における実施例8〜13のOFDM受信装置201〜206と同じ構成ブロックは、同じ符号を付し、説明を簡略化する。
図16に示すように、OFDM受信装置207は、少なくとも1系統のFFT部30(301〜304)と、遅延器31(311〜314)と、復調部52(521〜528)と、比較・選択・合成部53と、コンシールメント部39と、瞬時伸張部40と、D/A変換部41とを備える。このうち、復調部52は、周波数デインターリーブ部34と、キャリア復調部35と、内符号復号部36と、外符号復号部37と、エネルギー逆拡散部38とから成る。なお、図16においては、4系統のダイバーシティ(いわゆる空間ダイバーシティ)受信を行っているために、4つのFFT部30を備えているが、これは一例であってFFT部は2系統でも1系統でも、適切なものを選択すればよい。また、既に説明したとおり、図では省略されているが、アンテナから受信された受信信号は、受信周波数変換部により中間周波数に変換され、A/D変換部でデジタル信号に変換され、ガードインターバル除去処理がされた後、FFT部30に入力されることは、当該技術分野において自明のことである。
各構成要素について説明する。図16において、FFT部30(301〜304)が、受信後にデジタル化された信号に対してFFT処理を施し、遅延器31(311〜314)が、送信装置側で設定された同一の音声信号を含む信号の再送間隔に対応した信号遅延を生じさせて信号を出力することは、実施例8〜13と同じである。この実施例14においては、FFT部30(301〜304)の出力信号と、遅延器31(311〜314)の出力信号は、復調部52(521〜528)に入力される。
復調部52(521〜528)は、それぞれ、周波数デインターリーブ部34と、キャリア復調部35と、内符号復号部36と、外符号復号部37と、エネルギー逆拡散部38とから成る。送信側で時間インターリーブが施されている場合は、時間デインターリーブ部(図示せず)に入力し、時間デインターリーブを行った後に周波数デインターリーブ部34に入力される。周波数デインターリーブ部34は周波数デインターリーブ処理を行い、周波数的に並び替えられたデータを元に戻し、また、キャリア復調部35は、キャリアごとに復調を行い、推定された伝送路特性に基づいてデマッピング処理を行いI信号値とQ信号値を得てビットデータに復調し、ビットデインターリーブ処理により、ビット単位で並べ替えたデータを元の配列に戻す。内符号復号部36は、キャリア復調部35から入力される信号を内符号復号処理し、復号処理で復号・訂正しきれないデータが生じた場合、誤りが生じていることを示す「エラーフラグ」を出力する。さらに外符号復号部37は、送信側で付加した誤り訂正符号を利用して、復号と誤り訂正又は誤り検出を行い、エネルギー逆拡散部38は、エネルギー逆拡散を施して、元の信号出力に戻す。なお、連接符号ではない場合は、外符号復号部37は省略してよい。結局、復調部52は、エネルギー逆拡散部38までの処理で復号したデータを比較・選択・合成部53に出力するとともに、内符号復号部36での復号処理に誤りが生じた場合に、「エラーフラグ」を比較・選択・合成部53に出力する。
比較・選択・合成部53は、復調部52(521〜528)から出力された「エラーフラグ」を利用して、エネルギー逆拡散部38までを経た各系統の信号(復調部52からの出力信号)から品質の良い信号を選択し、必要に応じて信号の合成を行う。比較・選択・合成部51の処理としては、例えば、(1)エラーフラグに基づきエラー無しの信号を選択して出力する処理、(2)エラーフラグに基づきエラー無しの信号を全て選択して、選択された信号を最大比合成により合成して出力する処理、(3)エラーフラグを用いることなく復調部52(521〜528)の各出力信号に基づく多数決判定、等が想定されるが適切な手段を選択して処理を行うことができる。比較・選択・合成部53により選択又は合成された信号は、コンシールメント部39に出力される。
コンシールメント部39以降の処理は、実施例8と同じである。すなわち、コンシールメント部39は、外符号復号部37から送られた誤り情報に基づいて、訂正できなかった誤りデータに対して、誤りが発生する直前の値を保持する等のコンシールメント処理を行い、処理を行った後のデータを瞬時伸張部40に出力する。
瞬時伸張部40は、予め設定した圧伸則を用いて、入力されたデジタル信号を瞬時伸張し、D/A変換部41は、伸張されたデジタルデータを、デジタル/アナログ変換し、アナログ音声信号を出力する。
なお、図16では、コンシールメント処理を行った後に瞬時伸張を行っているが、コンシールメント部39と瞬時伸張部40との配置を入れ替えて、瞬時伸張を行ったデータに対してコンシールメント処理を行うこともできる。
このように、実施例14のOFDM受信装置207が構成され、信号処理が行われる。
図17は、本発明の実施例15に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置208の構成を示すブロック図である。図16における実施例14のOFDM受信装置207と同じ構成ブロックは、実施例14と同じ符号を付し、説明を簡略化する。
実施例15に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置208は、実施例14のOFDM受信装置207の構成と比較して、外符号復号部37とエネルギー逆拡散部38の順序が逆になっている点が相違する。
図17に示すように、OFDM受信装置208は、少なくとも1系統のFFT部30(301〜304)と、遅延器31(311〜314)と、復調部54(541〜548)と、比較・選択・合成部53と、コンシールメント部39と、瞬時伸張部40と、D/A変換部41とを備える。このうち、復調部54は、周波数デインターリーブ部34と、キャリア復調部35と、内符号復号部36と、エネルギー逆拡散部38と、外符号復号部37とから成る。既に説明したとおり、図では省略されているが、アンテナから受信された受信信号は、受信周波数変換部により中間周波数に変換され、A/D変換部でデジタル信号に変換され、ガードインターバル除去処理がされた後、FFT部30に入力されることは、当該技術分野において自明のことである。
各構成要素および時間デインターリーブ部(図示せず)、外符号復号部37の省略については実施例14と同じであり説明を省略する。
図18は、本発明の実施例16に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置209の構成を示すブロック図である。実施例16のOFDM受信装置205はADPCM処理によりデータの圧縮(符号化)と復元を行う方式の受信装置であり、さらに、受信信号の内符号復号部による処理を行った後のエラー信号を利用して受信信号の選択・合成を行う受信装置である。図10ないし図17における実施例8〜15のOFDM受信装置201〜208と同じ構成ブロックは、同じ符号を付し、説明を簡略化する。
図18に示すように、OFDM受信装置209は、少なくとも1系統のFFT部30(301〜304)と、遅延器31(311〜314)と、復調部52(521〜528)と、比較・選択・合成部53と、コンシールメント部39と、ADPCM復号部42と、D/A変換部41とを備える。このうち、復調部52は、周波数デインターリーブ部34と、キャリア復調部35と、内符号復号部36と、外符号復号部37と、エネルギー逆拡散部38とから成る。なお、図18においては、4系統のダイバーシティ(いわゆる空間ダイバーシティ)受信を行っているために、4つのFFT部30を備えているが、これは一例であってFFT部は2系統でも1系統でも、適切なものを選択すればよい。また、既に説明したとおり、図では省略されているが、アンテナから受信された受信信号は、受信周波数変換部により中間周波数に変換され、A/D変換部でデジタル信号に変換され、ガードインターバル除去処理がされた後、FFT部30に入力されることは、当該技術分野において自明のことである。
各構成要素について説明する。図18において、FFT部30(301〜304)からコンシールメント部39までの処理は、図16の実施例14と同一である。すなわち、受信後にデジタル化され、FFT部30(301〜304)でFFT処理を施された信号は、直接又は遅延器31(311〜314)を介して復調部52(521〜528)に入力される。復調部52(521〜528)は、送信側で時間インターリーブが施されている場合は、時間デインターリーブ部(図示せず)に入力し、時間デインターリーブを行った後に周波数デインターリーブ部34に入力される。周波数デインターリーブ部34と、キャリア復調部35と、内符号復号部36と、外符号復号部37と、エネルギー逆拡散部38の処理に基づいて、エネルギー逆拡散部38までの処理をしたデータを比較・選択・合成部53に出力するとともに、内符号復号部36での復号処理に誤りが生じた場合に、「エラーフラグ」を比較・選択・合成部53に出力する。
比較・選択・合成部53は、復調部52(521〜528)から出力された「エラーフラグ」を利用して(又は利用せずに)、エネルギー逆拡散部38までを経た各系統の信号(復調部52からの出力信号)から品質の良い信号を選択し、必要に応じて信号の合成を行い、次いで、コンシールメント部39により、外符号復号部37から送られた誤り情報に基づいて、訂正できなかった誤りデータに対してコンシールメント処理を行う。なお、連接符号ではない場合は、外符号復号部37は省略してよい。その後、ADPCM復号部42は、入力されたデジタル信号をADPCM復号処理により、元のビット数のデジタル信号に復号する。ADPCM復号部42で復号された信号は、D/A変換部41に出力され、D/A変換部41は、復号されたデジタルデータを、デジタル/アナログ変換し、アナログ音声信号を出力する。
このように、実施例16のOFDM受信装置209が構成され、信号処理が行われる。
図19は、本発明の実施例17に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置210の構成を示すブロック図である。図18における実施例16のOFDM受信装置209と同じ構成ブロックは、実施例16と同じ符号を付し、説明を簡略化する。
実施例17に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置210は、実施例16のOFDM受信装置209の構成と比較して、外符号復号部37とエネルギー逆拡散部38の順序が逆になっている点が相違する。
図19に示すように、OFDM受信装置210は、少なくとも1系統のFFT部30(301〜304)と、遅延器31(311〜314)と、復調部54(541〜548)と、比較・選択・合成部53と、コンシールメント部39と、ADPCM復号部42と、D/A変換部41とを備える。このうち、復調部54は、周波数デインターリーブ部34と、キャリア復調部35と、内符号復号部36と、エネルギー逆拡散部38と、外符号復号部37とから成る。既に説明したとおり、図では省略されているが、アンテナから受信された受信信号は、受信周波数変換部により中間周波数に変換され、A/D変換部でデジタル信号に変換され、ガードインターバル除去処理がされた後、FFT部30に入力されることは、当該技術分野において自明のことである。
各構成要素および時間デインターリーブ部(図示せず)、外符号復号部37の省略については実施例16と同じであり説明を省略する。
図20は、本発明の実施例18に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置211の構成を示すブロック図である。実施例18のOFDM受信装置211はデータの瞬時圧伸処理とADPCM処理を選択可能な方式の受信装置であり、さらに、受信信号の内符号復号部による処理を行った後のエラー信号を利用して受信信号の選択・合成を行う受信装置である。図10ないし図19における実施例8〜17のOFDM受信装置201〜210と同じ構成ブロックは、同じ符号を付し、説明を簡略化する。
図20に示すように、OFDM受信装置211は、少なくとも1系統のFFT部30(301〜304)と、遅延器31(311〜314)と、復調部52(521〜528)と、比較・選択・合成部53と、コンシールメント部39と、瞬時伸張部40と、ADPCM復号部42と、選択部43と、D/A変換部41とを備える。このうち、復調部52は、周波数デインターリーブ部34と、キャリア復調部35と、内符号復号部36と、外符号復号部37と、エネルギー逆拡散部38とから成る。なお、図20においては、4系統のダイバーシティ(いわゆる空間ダイバーシティ)受信を行っているために、4つのFFT部30を備えているが、これは一例であってFFT部は2系統でも1系統でも、適切なものを選択すればよい。また、既に説明したとおり、図では省略されているが、アンテナから受信された受信信号は、受信周波数変換部により中間周波数に変換され、A/D変換部でデジタル信号に変換され、ガードインターバル除去処理がされた後、FFT部30に入力されることは、当該技術分野において自明のことである。
各構成要素について説明する。図20において、FFT部30(301〜304)からコンシールメント部39までの処理は、図16の実施例14と同一である。すなわち、受信後にデジタル化され、FFT部30(301〜304)でFFT処理を施された信号は、直接又は遅延器31(311〜314)を介して復調部52(521〜528)に入力される。復調部52(521〜528)は、送信側で時間インターリーブが施されている場合は、時間デインターリーブ部(図示せず)に入力し、時間デインターリーブを行った後に周波数デインターリーブ部34に入力される。周波数デインターリーブ部34と、キャリア復調部35と、内符号復号部36と、外符号復号部37と、エネルギー逆拡散部38の処理に基づいて、エネルギー逆拡散部38までの処理をしたデータを比較・選択・合成部53に出力するとともに、内符号復号部36での復号処理に誤りが生じた場合に、「エラーフラグ」を比較・選択・合成部53に出力する。なお、連接符号ではない場合は、外符号復号部37は省略してよい。
比較・選択・合成部53は、復調部52(521〜528)から出力された「エラーフラグ」を利用して(又は利用せずに)、エネルギー逆拡散部38までを経た各系統の信号(復調部52からの出力信号)から品質の良い信号を選択し、必要に応じて信号の合成を行い、次いで、コンシールメント部39により、外符号復号部37から送られた誤り情報に基づいて、訂正できなかった誤りデータに対してコンシールメント処理を行う。その後、コンシールメント部39は、データを瞬時伸張部40及びADPCM復号部42に出力する。
瞬時伸張部40は、実施例14と同じく入力されたデジタル信号(圧縮されたデータ)を所定の圧伸則に基づいて瞬時伸張し、選択部43に出力する。また、ADPCM復号部42は、実施例16と同じく入力されたデジタル信号をADPCM復号処理により元のビット数のデジタル信号に復号し、選択部43に出力する。選択部43は、図示しない外部からの信号により、瞬時伸張部40で処理された伸張データと、ADPCM復号部42で処理された復号データのうち、送信側で選択したデータ圧縮手段に対応する処理を選択して、D/A変換部41に出力する。D/A変換部41は、伸張又は復号されたデジタルデータを、デジタル/アナログ変換し、アナログ音声信号を出力する。
このように、実施例18のOFDM受信装置211が構成され、信号処理が行われる。
図21は、本発明の実施例19に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置212の構成を示すブロック図である。図20における実施例18のOFDM受信装置211と同じ構成ブロックは、実施例18と同じ符号を付し、説明を簡略化する。
実施例19に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置212は、実施例18のOFDM受信装置211の構成と比較して、外符号復号部37とエネルギー逆拡散部38の順序が逆になっている点が相違する。
図21に示すように、OFDM受信装置212は、少なくとも1系統のFFT部30(301〜304)と、遅延器31(311〜314)と、復調部54(541〜548)と、比較・選択・合成部53と、コンシールメント部39と、瞬時伸張部40と、ADPCM復号部42と、選択部43と、D/A変換部41とを備える。このうち、復調部54は、周波数デインターリーブ部34と、キャリア復調部35と、内符号復号部36と、エネルギー逆拡散部38と、外符号復号部37とから成る。既に説明したとおり、図では省略されているが、アンテナから受信された受信信号は、受信周波数変換部により中間周波数に変換され、A/D変換部でデジタル信号に変換され、ガードインターバル除去処理がされた後、FFT部30に入力されることは、当該技術分野において自明のことである。
各構成要素および時間デインターリーブ部(図示せず)、外符号復号部37の省略については実施例18と同じであり説明を省略する。
図22は、本発明の実施例20に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置213の構成を示すブロック図である。実施例20のOFDM受信装置213は、瞬時圧伸処理によりデータの圧縮と伸張を行う方式の受信装置であり、さらに、受信信号の外符号復号部による処理を行った後のエラー信号を利用して受信信号の選択・合成を行う受信装置である。図16ないし図21における実施例14〜19のOFDM受信装置207〜212と同じ構成ブロックは、同じ符号を付し、説明を簡略化する。
図22に示すように、OFDM受信装置213は、少なくとも1系統のFFT部30(301〜304)と、遅延器31(311〜314)と、復調部55(551〜558)と、比較・選択・合成部53と、コンシールメント部39と、瞬時伸張部40と、D/A変換部41とを備える。このうち、復調部55は、周波数デインターリーブ部34と、キャリア復調部35と、内符号復号部36と、外符号復号部37と、エネルギー逆拡散部38とから成る。なお、図22においては、4系統のダイバーシティ(いわゆる空間ダイバーシティ)受信を行っているために、4つのFFT部30を備えているが、これは一例であってFFT部は2系統でも1系統でも、適切なものを選択すればよい。また、既に説明したとおり、図では省略されているが、アンテナから受信された受信信号は、受信周波数変換部により中間周波数に変換され、A/D変換部でデジタル信号に変換され、ガードインターバル除去処理がされた後、FFT部30に入力されることは、当該技術分野において自明のことである。
各構成要素について説明する。図22において、FFT部30(301〜304)が、受信後にデジタル化された信号に対してFFT処理を施し、遅延器31(311〜314)が、送信装置側で設定された同一の音声信号を含む信号の再送間隔に対応した信号遅延を生じさせて信号を出力することは、実施例8〜19と同じである。この実施例20においては、FFT部30(301〜304)の出力信号と、遅延器31(311〜314)の出力信号は、復調部55(551〜558)に入力される。
復調部55(551〜558)は、それぞれ、周波数デインターリーブ部34と、キャリア復調部35と、内符号復号部36と、外符号復号部37と、エネルギー逆拡散部38とから成る。送信側で時間インターリーブが施されている場合は、時間デインターリーブ部(図示せず)に入力し、時間デインターリーブを行った後に周波数デインターリーブ部34に入力される。周波数デインターリーブ部34は周波数デインターリーブ処理を行い、周波数的に並び替えられたデータを元に戻し、また、キャリア復調部35は、キャリアごとに復調を行い、推定された伝送路特性に基づいてデマッピング処理を行いI信号値とQ信号値を得てビットデータに復調し、ビットデインターリーブ処理により、ビット単位で並べ替えたデータを元の配列に戻す。内符号復号部36は、キャリア復調部35から入力される信号を内符号復号処理し、外符号復号部37は、送信側で付加した誤り訂正符号を利用して、復号と誤り訂正又は誤り検出を行い、復号処理で復号・訂正しきれないデータが生じた場合、誤りが生じていることを示す「エラーフラグ」を出力する。エネルギー逆拡散部38は、エネルギー逆拡散を施して、元の信号出力に戻す。なお、連接符号ではない場合は、外符号復号部37は省略してよい。結局、復調部55は、エネルギー逆拡散部38までの処理で復号したデータを比較・選択・合成部53に出力するとともに、外符号復号部37での復号処理に誤りが生じた場合に、「エラーフラグ」を比較・選択・合成部53に出力する。
比較・選択・合成部53は、復調部55(551〜558)から出力された「エラーフラグ」を利用して、エネルギー逆拡散部38までを経た各系統の信号(復調部55からの出力信号)から品質の良い信号を選択し、必要に応じて信号の合成を行う。比較・選択・合成部53の処理としては、実施例14,15と同様に、例えば、(1)エラーフラグに基づきエラー無しの信号を選択して出力する処理、(2)エラーフラグに基づきエラー無しの信号を全て選択して、選択された信号を最大比合成により合成して出力する処理、(3)エラーフラグを用いることなく復調部55(551〜558)の各出力信号に基づく多数決判定、等が想定されるが適切な手段を選択して処理を行うことができる。比較・選択・合成部53により選択又は合成された信号は、コンシールメント部39に出力される。なお、コンシールメント部39は、外符号復号部38から送られた誤り情報に基づいてコンシールメント処理を行うことができるが、比較・選択・合成部53でエラー無しの信号のみを選択した場合は、特に処理は行われない。
その後、瞬時伸張部40は、予め設定した圧伸則を用いて、入力されたデジタル信号を瞬時伸張し、D/A変換部41は、伸張されたデジタルデータを、デジタル/アナログ変換し、アナログ音声信号を出力する。
このように、実施例20のOFDM受信装置213が構成され、信号処理が行われる。
図23は、本発明の実施例21に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置214の構成を示すブロック図である。図22における実施例20のOFDM受信装置213と同じ構成ブロックは、実施例20と同じ符号を付し、説明を簡略化する。
実施例21に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置214は、実施例20のOFDM受信装置213の構成と比較して、外符号復号部37とエネルギー逆拡散部38の順序が入れ替わっている点が相違する。
図23に示すように、OFDM受信装置214は、少なくとも1系統のFFT部30(301〜304)と、遅延器31(311〜314)と、復調部56(561〜568)と、比較・選択・合成部53と、コンシールメント部39と、瞬時伸張部40と、D/A変換部41とを備える。このうち、復調部56は、周波数デインターリーブ部34と、キャリア復調部35と、内符号復号部36と、エネルギー逆拡散部38と、外符号復号部37とから成る。なお、既に説明したとおり、図では省略されているが、アンテナから受信された受信信号は、受信周波数変換部により中間周波数に変換され、A/D変換部でデジタル信号に変換され、ガードインターバル除去処理がされた後、FFT部30に入力されることは、当該技術分野において自明のことである。
各構成要素および時間デインターリーブ部(図示せず)、外符号復号部37の省略については実施例20と同じであり説明を省略する。
図24は、本発明の実施例22に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置215の構成を示すブロック図である。実施例22のOFDM受信装置215は、ADPCM処理によりデータの圧縮(符号化)と復元を行う方式の受信装置であり、さらに、受信信号の外符号復号部による処理を行った後のエラー信号を利用して受信信号の選択・合成を行う受信装置である。図16ないし図23における実施例14〜22のOFDM受信装置207〜214と同じ構成ブロックは、同じ符号を付し、説明を簡略化する。
図24に示すように、OFDM受信装置215は、少なくとも1系統のFFT部30(301〜304)と、遅延器31(311〜314)と、復調部55(551〜558)と、比較・選択・合成部53と、コンシールメント部39と、ADPCM復号部42と、D/A変換部41とを備える。このうち、復調部55は、周波数デインターリーブ部34と、キャリア復調部35と、内符号復号部36と、外符号復号部37と、エネルギー逆拡散部38とから成る。なお、図22においては、4系統のダイバーシティ(いわゆる空間ダイバーシティ)受信を行っているために、4つのFFT部30を備えているが、これは一例であってFFT部は2系統でも1系統でも、適切なものを選択すればよい。また、既に説明したとおり、図では省略されているが、アンテナから受信された受信信号は、受信周波数変換部により中間周波数に変換され、A/D変換部でデジタル信号に変換され、ガードインターバル除去処理がされた後、FFT部30に入力されることは、当該技術分野において自明のことである。
各構成要素について説明する。図24において、FFT部30(301〜304)からコンシールメント部39までの処理は、図22の実施例20と同一である。すなわち、受信後にデジタル化され、FFT部30(301〜304)でFFT処理を施された信号は、直接又は遅延器31(311〜314)を介して復調部55(551〜558)に入力される。復調部55(551〜558)は、送信側で時間インターリーブが施されている場合は、時間デインターリーブ部(図示せず)に入力し、時間デインターリーブを行った後に周波数デインターリーブ部34に入力される。周波数デインターリーブ部34と、キャリア復調部35と、内符号復号部36と、外符号復号部37と、エネルギー逆拡散部38の処理に基づいて、エネルギー逆拡散部38までの処理で復号したデータを比較・選択・合成部53に出力するとともに、外符号復号部37での復号処理に誤りが生じた場合に、「エラーフラグ」を比較・選択・合成部53に出力する。なお、連接符号ではない場合は、外符号復号部37は省略してよい。
比較・選択・合成部53は、復調部55(551〜558)から出力された「エラーフラグ」を利用して(又は利用せずに)、エネルギー逆拡散部38までを経た各系統の信号(復調部55からの出力信号)から品質の良い信号を選択し、必要に応じて信号の合成を行い、次いで、コンシールメント部39によるコンシールメント処理を行う。その後、ADPCM復号部42は、入力されたデジタル信号をADPCM復号処理により、元のビット数のデジタル信号に復号する。ADPCM復号部42で復号された信号は、D/A変換部41に出力され、D/A変換部41は、復号されたデジタルデータを、デジタル/アナログ変換し、アナログ音声信号を出力する。
このように、実施例22のOFDM受信装置215が構成され、信号処理が行われる。
図25は、本発明の実施例23に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置216の構成を示すブロック図である。図24における実施例22のOFDM受信装置215と同じ構成ブロックは、実施例22と同じ符号を付し、説明を簡略化する。
実施例23に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置216は、実施例22のOFDM受信装置215の構成と比較して、外符号復号部37とエネルギー逆拡散部38の順序が入れ替わっている点が相違する。
図25に示すように、OFDM受信装置216は、少なくとも1系統のFFT部30(301〜304)と、遅延器31(311〜314)と、復調部56(561〜568)と、比較・選択・合成部53と、コンシールメント部39と、ADPCM復号部42と、D/A変換部41とを備える。このうち、復調部56は、周波数デインターリーブ部34と、キャリア復調部35と、内符号復号部36と、エネルギー逆拡散部38と、外符号復号部37とから成る。既に説明したとおり、図では省略されているが、アンテナから受信された受信信号は、受信周波数変換部により中間周波数に変換され、A/D変換部でデジタル信号に変換され、ガードインターバル除去処理がされた後、FFT部30に入力されることは、当該技術分野において自明のことである。
各構成要素および時間デインターリーブ部(図示せず)、外符号復号部37の省略については実施例22と同じであり説明を省略する。
図26は、本発明の実施例24に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置217の構成を示すブロック図である。実施例24のOFDM受信装置217は、データの瞬時圧伸処理とADPCM処理を選択可能な方式の受信装置であり、さらに、受信信号の外符号復号部による処理を行った後のエラー信号を利用して受信信号の選択・合成を行う受信装置である。図16ないし図25における実施例14〜23のOFDM受信装置207〜216と同じ構成ブロックは、同じ符号を付し、説明を簡略化する。
図26に示すように、OFDM受信装置217は、少なくとも1系統のFFT部30(301〜304)と、遅延器31(311〜314)と、復調部55(551〜558)と、比較・選択・合成部53と、コンシールメント部39と、瞬時伸張部40と、ADPCM復号部42と、選択部43と、D/A変換部41とを備える。このうち、復調部55は、周波数デインターリーブ部34と、キャリア復調部35と、内符号復号部36と、外符号復号部37と、エネルギー逆拡散部38とから成る。なお、図26においては、4系統のダイバーシティ(いわゆる空間ダイバーシティ)受信を行っているために、4つのFFT部30を備えているが、これは一例であってFFT部は2系統でも1系統でも、適切なものを選択すればよい。また、既に説明したとおり、図では省略されているが、アンテナから受信された受信信号は、受信周波数変換部により中間周波数に変換され、A/D変換部でデジタル信号に変換され、ガードインターバル除去処理がされた後、FFT部30に入力されることは、当該技術分野において自明のことである。
各構成要素について説明する。図26において、FFT部30(301〜304)からコンシールメント部39までの処理は、図22の実施例20と同一である。すなわち、受信後にデジタル化され、FFT部30(301〜304)でFFT処理を施された信号は、直接又は遅延器31(311〜314)を介して復調部55(551〜558)に入力される。復調部55(551〜558)は、送信側で時間インターリーブが施されている場合は、時間デインターリーブ部(図示せず)に入力し、時間デインターリーブを行った後に周波数デインターリーブ部34に入力される。周波数デインターリーブ部34と、キャリア復調部35と、内符号復号部36と、外符号復号部37と、エネルギー逆拡散部38の処理に基づいて、エネルギー逆拡散部38までの処理で復号したデータを比較・選択・合成部53に出力するとともに、外符号復号部37での復号処理に誤りが生じた場合に、「エラーフラグ」を比較・選択・合成部53に出力する。
比較・選択・合成部53は、復調部55(551〜558)から出力された「エラーフラグ」を利用して(又は利用せずに)、エネルギー逆拡散部38までを経た各系統の信号(復調部55からの出力信号)から品質の良い信号を選択し、必要に応じて信号の合成を行い、次いで、コンシールメント部39によるコンシールメント処理を行い、データを瞬時伸張部40及びADPCM復号部42に出力する。なお、連接符号ではない場合は、外符号復号部37は省略してよい。
瞬時伸張部40は、実施例20と同じく入力されたデジタル信号(圧縮されたデータ)を所定の圧伸則に基づいて瞬時伸張し、選択部43に出力する。また、ADPCM復号部42は、実施例22と同じく入力されたデジタル信号をADPCM復号処理により元のビット数のデジタル信号に復号し、選択部43に出力する。選択部43は、図示しない外部からの信号により、瞬時伸張部40で処理された伸張データと、ADPCM復号部42で処理された復号データのうち、送信側で選択したデータ圧縮手段に対応する処理を選択して、D/A変換部41に出力する。D/A変換部41は、伸張又は復号されたデジタルデータを、デジタル/アナログ変換し、アナログ音声信号を出力する。
このように、実施例24のOFDM受信装置217が構成され、信号処理が行われる。
図27は、本発明の実施例25に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置218の構成を示すブロック図である。図26における実施例24のOFDM受信装置217と同じ構成ブロックは、実施例24と同じ符号を付し、説明を簡略化する。
実施例25に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置218は、実施例24のOFDM受信装置217の構成と比較して、外符号復号部37とエネルギー逆拡散部38の順序が入れ替わっている点が相違する。
図27に示すように、OFDM受信装置218は、少なくとも1系統のFFT部30(301〜304)と、遅延器31(311〜314)と、復調部56(561〜568)と、比較・選択・合成部53と、コンシールメント部39と、瞬時伸張部40と、ADPCM復号部42と、選択部43と、D/A変換部41とを備える。このうち、復調部56は、周波数デインターリーブ部34と、キャリア復調部35と、内符号復号部36と、エネルギー逆拡散部38と、外符号復号部37とから成る。既に説明したとおり、図では省略されているが、アンテナから受信された受信信号は、受信周波数変換部により中間周波数に変換され、A/D変換部でデジタル信号に変換され、ガードインターバル除去処理がされた後、FFT部30に入力されることは、当該技術分野において自明のことである。
各構成要素および時間デインターリーブ部(図示せず)、外符号復号部37の省略については実施例24と同じであり説明を省略する。
なお、実施例8〜25においては、瞬時伸張又はADPCM復号処理によりデータの復元を行ったが、送信側でデータの圧縮がなければ、OFDM受信装置側においてこのような伸張・復号処理が不要であることは言うまでもない。
図28は、本発明の実施例26に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置219の構成を示すブロック図である。実施例26のOFDM受信装置219は、実施例7のOFDM送信装置107に対応した構成を有する受信装置であるが、OFDM信号の形式が同じであれば、実施例1〜6のOFDM送信装置101〜106から送信したOFDM信号を受信することもできる。さらに、実施例26は、複数回送信された同一データの多数決判定を利用して、ノイズによる信号劣化を除去する受信装置である。
図28に示すように、OFDM受信装置219は、少なくとも1系統の受信系統を備えており、ガードインターバル除去部44と、FFT(Fast Fourier Transform)部30と、波形等化部45と、周波数デインターリーブ部34と、キャリア復調部35と、誤り訂正復号部46と、エネルギー逆拡散部38と、遅延器31(311〜312)と、多数決判定部58と、音声データ復元部40,42,43と、D/A変換部41とから成る。なお、図では省略されているが、アンテナから受信された受信信号は、受信周波数変換部により中間周波数に変換され、A/D変換部でデジタル信号に変換し、ガードインターバル除去部44に入力されることは、当該技術分野において自明のことである。
各構成要素について説明する。図10ないし図27における実施例8〜25のOFDM受信装置201〜218と同じ構成ブロックは、同じ符号を付し、説明を簡略化する。まず、ガードインターバル除去部44は、デジタル信号に変換された受信信号から、ガードインターバルを除去し、有効シンボル信号を作成し、FFT部30に出力する。これは、実施例8〜25においても行われていた処理を明示したものである。
FFT部30は、ガードインターバルが除去された信号に対してFFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)処理を施す。波形等化部45は、伝送路の影響により変化した信号を、パイロット信号等を利用して伝送路の伝達関数を求め、この伝達関数の逆特性で処理することにより、本来の信号波形に戻す処理を行う。これは、実施例8〜25においても行われていた処理を明示したものである。
送信側で時間インターリーブが施されている場合は、時間デインターリーブ部(図示せず)に入力し、時間デインターリーブを行った後に周波数デインターリーブ部34に入力される。周波数デインターリーブ部34は、FFT処理及び波形等化処理された信号に対して、周波数デインターリーブ処理を行い、周波数的に並び替えられたデータを元に戻す。
キャリア復調部35は、周波数デインターリーブ部34から入力される信号に対して、キャリアごとに復調を行い、誤り訂正復号部46に出力する。キャリア復調部35は、その内部にデマッピング部351とビットデインターリーブ部352を備えており、デマッピング部351でI信号値とQ信号値を得て、ビット単位のデータに復調した後、ビットデインターリーブ部352において、送信側のキャリア変調部18においてビット単位で並べ替えたデータを、元の配列に戻す。
誤り訂正復号部46は、キャリア復調部35から入力される信号に対して、例えば、ビタビ復号等の所定の復号化処理を行う。これは、実施例8〜25においても行われていた内符号復号処理と実質的に等しい。
次に、エネルギー逆拡散部38は、エネルギー逆拡散を施して、元の信号に戻す。ここまでで、データの復調処理が終了する。なお、図には示されていないが、送信側で付加情報としてパリティビットを付加した場合は、そのパリティビットを利用した誤り訂正復号処理をさらに追加しても良い。
エネルギー逆拡散部38の出力信号は、遅延器31(311〜312)を介して多数決判定部58に送られる。ここでは、送信側からOFDM信号(シンボル)が3回の繰り返し回数で送信されることを前提として、回路ブロックが構成されている。遅延器31は、時間ダイバーシティとして複数回送信された信号のタイミング調整を行うために設けられており、最初に送られた信号は2段の遅延器31(311〜312)を介して多数決判定部58に送られ、2回目に送られた信号は1段の遅延器311を介して多数決判定部58に送られ、3回目に送られた信号は直接多数決判定部58に送られる。
多数決判定部58は、3回の繰り返しで送信された信号を比較し、仮に不一致がある場合は、多数決の原理で正しい情報を判定して、出力する。結果として、パルス性雑音の影響を受けていないOFDM信号に基づいて音声信号を生成することとなる。
音声データ復元部40,42,43は、その符号からも明らかなように、これまで説明した各種の音声データの伸張・復号手段を総括的に表記したものである。すなわち、音声データ復元部は、瞬時伸張部40であり、又は、ADPCM復号部25であり、又は、瞬時伸張部40とADPCM復号部42と選択部43から構成されるデータ伸張・復号手段が選択可能な復元部である。これらのいずれかの構成とすることができる。また、他の適切な音声データ復元手段を採用しても良い。音声データ復元部40,42,43で復元された信号は、D/A変換部41に出力される。
D/A変換部41は、伸張されたデジタルデータを、デジタル/アナログ変換し、アナログ音声信号を出力する。
このように実施例26のOFDM受信装置によれば、時間ダイバーシティにより3回送信されたOFDMシンボル信号を復調処理した後、多数決判定を行うことにより、ノイズの無い音声出力を得ることができる。
図29は、本発明の実施例27に係るワイヤレスマイク用OFDM受信装置220の構成を示すブロック図である。実施例27のOFDM受信装置220は、実施例7のOFDM送信装置107に対応した構成を有する受信装置であるが、OFDM信号の形式が同じであれば、実施例1〜6のOFDM送信装置101〜106から送信したOFDM信号を受信することもできる。実施例27のOFDM受信装置220は、信号を複数ブランチ、すなわち、2系統のダイバーシティ(いわゆる空間ダイバーシティ)で受信する受信装置であり、さらに、複数回送信された同一データの多数決判定を利用する受信装置である。
図29に示すように、OFDM受信装置220は、2系統の受信系統を備えており、ガードインターバル除去部44(441〜442)と、FFT部30(301〜302)と、遅延器31(311〜314)と、最大比合成部47(471〜473)と、復調部57(571〜573)と、多数決判定部58と、音声データ復元部40,42,43と、D/A変換部41とから成る。復調部57(571〜573)は、それぞれ、周波数デインターリーブ部34と、キャリア復調部35と、誤り訂正復号部46と、エネルギー逆拡散部38とからなる。なお、図では省略されているが、アンテナから受信された受信信号は、受信周波数変換部により中間周波数に変換され、A/D変換部でデジタル信号に変換し、ガードインターバル除去部44に入力されることは、当該技術分野において自明のことである。
各構成要素について説明する。図28における実施例26のOFDM受信装置219と同じ構成ブロックは、同じ符号を付し、説明を簡略化する。実施例27も実施例26と同様に、3回の繰り返し信号を受信する構成の装置である。
まず、ガードインターバル除去部44(441〜442)は、それぞれ、デジタル信号に変換された受信信号から、ガードインターバルを除去し、FFT部30(301〜302)に出力する。
FFT部30(301〜302)でFFT処理された信号は、繰り返し番号ごとの各シンボルに分けられて、遅延器31(311〜314)を介して最大比合成部47(471〜473)に入力される。すなわち、最初に送信されてきたOFDMシンボル信号は、2段の遅延器31(311〜314)を経て最大比合成部473に入力され、次に送信されてきたOFDMシンボル信号は、1段の遅延器31(311、313)を経て最大比合成部472に入力され、3番目に送信されてきたOFDMシンボル信号は、直接最大比合成部471に入力され、3つの信号の同期をとる。
最大比合成部47(471〜473)は、2系統から得た同相の信号に基づいて最大比合成処理を行い、強度の強い信号を得て、復調部57(571〜573)に出力する。
復調部57(571〜573)は、OFDMシンボル信号の復調を行う。すなわち、送信側で時間インターリーブが施されている場合は、時間デインターリーブ部(図示せず)に入力し、時間デインターリーブを行った後に周波数デインターリーブ部34に入力される。周波数デインターリーブ部34で周波数デインターリーブ処理を行い、キャリア復調部35において、デマッピング部351でI信号値とQ信号値を得て、ビット単位のデータに復調した後、ビットデインターリーブ部352で、データを元の配列に戻す。
さらに、誤り訂正復号部46で、例えば、ビタビ復号等の所定の復号化処理を行い、エネルギー逆拡散部38で、エネルギー逆拡散を施して、元の信号に戻す。ここまでで、データの復調処理が終了する。なお、図には示されていないが、送信側で付加情報としてパリティビットを付加した場合は、そのパリティビットを利用した誤り訂正復号処理をさらに追加しても良い。
復調部57(571〜573)の出力信号は、多数決判定部58に送られ、多数決判定部58は、3回の繰り返しで送信された信号を比較し、仮に不一致がある場合は、多数決の原理で正しい情報を判定して、出力する。
音声データ復元部40,42,43は、図28と同様に、各種の音声データの伸張・復号手段を総括的に表記したものである。音声データ復元部40,42,43で復元された信号は、D/A変換部41に出力される。D/A変換部41は、伸張されたデジタルデータを、デジタル/アナログ変換し、アナログ音声信号を出力する。
このように実施例27のOFDM受信装置によれば、時間ダイバーシティにより3回送信されたOFDMシンボル信号を、2系統で受信して最大比合成した上で復調処理した後、多数決判定を行うことにより、ノイズの無い音声出力を得ることができる。
図30〜図33は、実施例7に係るワイヤレスマイク用OFDM送信装置107(及び実施例26,27に係るOFDM受信装置219,220)で用いられるパラメータの一例である。図30は伝送帯域幅600kHzの伝送モード600k−mode4、600k−mode3、図31は伝送帯域幅600kHzの伝送モード600k−mode2、600k−mode1、図32は伝送帯域幅288kHzの伝送モード288k−mode4、288k−mode3、288k−mode2、288k−mode1、図33は伝送帯域幅192kHzの伝送モード192k−mode4、192k−mode3、192k−mode2のそれぞれの伝送パラメータを示している。
例えば、図30の伝送モード600k−mode4においては、情報圧縮率をそれぞれ1/2、1/3、1/4として、音声レート576kbpsの2回送信、384kbpsの3回送信、288kbpsの4回送信を行うことができ(付加情報レートはいずれも96kbps)、且つ、そのとき伝送路符号化処理を、符号化率2/3、キャリア変調方法16QAM、FFTクロック周波数1.632MHzの共通化された伝送方式で送信できる。また、伝送モード600k−mode3においては、情報圧縮率をそれぞれ1/3、1/4、1/6として、音声レート384kbpsの2回送信(付加情報レート168kbps)、288kbpsの3回送信(付加情報レート72kbps)、192kbpsの4回送信(付加情報レート168kbps)を行うことができ、且つ、そのとき伝送路符号化処理を、符号化率1/2、キャリア変調方法16QAM、FFTクロック周波数1.632MHzの共通化された伝送方式で送信できる。
同様に、音声の情報圧縮率と、付加情報ビット数を調整することにより、伝送ビットレートを同一にし、2回送信、3回送信、4回送信等の多種類の時間ダイバーシティを、伝送路符号化部の処理を共通化して実行できる。したがって、送信回数(すなわち、情報源符号化処理)の切替を行うことにより、多種類の時間ダイバーシティが可能な送信装置(ラジオマイク)を実現することができる。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各ブロック等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数のブロック等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。