JP6310315B2 - 熱源システム - Google Patents

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Description

本発明は、冷凍機等の空調あるいは温調設備における熱源システムに関するものであり、特に搬送動力を低減して省エネルギーに寄与する熱源システムに関するものである。
従来から、冷凍機等の熱源装置では変流量制御と呼ばれる制御が知られている。これは、負荷に応じて熱媒体(冷水・温水・冷却水・熱源水・ブラインなど)の流量を最小化し、搬送動力を低減することで省エネルギーに寄与しようとする制御である。
一般に、熱交換器の圧力損失は流量の2乗に比例するため、同じ熱交換器であれば搬送動力は原理的に流量の3乗に比例する。すなわち、たとえば負荷が半分の場合に流量を半分にすることができると、搬送動力は1/8とすることができるため、省エネルギー性が高い。
特開昭57−117762号公報
しかしながら、変流量制御を行う場合、熱源装置では熱交換器の伝熱管内の熱媒体の流速が問題となる。すなわち、伝熱管内の流速があまりに小さいと、伝熱管内に汚れ等が堆積し、頻繁に清掃等が必要となったり、伝熱管内の熱媒体流量に偏りが生じて冷凍機の性能を悪化させたり、そもそも流速が低下することは伝熱管の水側伝熱を悪化させるため、それ自体が性能悪化の一因となる。
このため、変流量制御を行う場合、運用上最低量とされる熱媒体流量(通常、定格流量の50%程度)においても伝熱管内の流速が設計上の規定値を下回らないように、いわゆるパス数を増やしたりして一定の流速を確保しようとする。
ところが、このようにパス数を増やすことは逆に定格条件や高負荷(大流量運転)時の圧力損失を増大させてしまう。すなわち、一般にパス数を増やすと圧力損失はパス数比の3乗に比例して増大する。たとえば2パスの熱交換器を3パスとすると圧力損失は約3.3倍、1パスの熱交換器を2パスとすると、それだけで圧力損失は8倍程度になり、逆に搬送動力を増やしてしまう。特に、パス数は整数値しか取れないため、必要以上に圧力損失を増大させることになりがちである。
熱交換器のパス数と圧力損失との関係について具体的に比較する。熱交換器のパスが2パスで、圧力損失が30kPaで、変流量範囲が60%以上の冷凍機があった場合、これを3パスとすると、変流量範囲は40%以上とできるが、定格条件での圧力損失は約100kPaとなる。ここで、変流量範囲とは、定格流量を100%とし、変流量制御が可能な範囲を云う。また、冷凍機だけが定格流量の40%まで運転可能でも、設備側配管も最低流量が規定されるために流量をそこまで低下させることは困難で、実際には定格流量の50%程度が下限となることが多い。
図8は、従来の2パスの熱交換器と3パスの熱交換器について設備側の最低流量を50%とし、熱源装置以外の配管圧力損失を300kPaと仮定して所要搬送動力を比較した図である。図8に示すように、この条件では、負荷が57%以下の場合は3パスとして変流量範囲を広くしたほうが搬送動力が小さくなるが、57%以上の場合は2パスよりも3パスとするほうが搬送動力が増大する。このため、低負荷時に搬送動力が低減できても、高負荷時に増大してしまうため、かえって動力が増加したり、十分な低減効果を得られないことがある。
本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、設備側の熱媒体循環量を最小化し、搬送動力を低減しながら冷凍機の性能の低下をさせにくく、コンパクトで高効率な熱源システムを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明の熱源システムは、需要側もしくは排熱側熱媒体の流量が負荷に応じて変化する熱源システムにおいて、冷凍機の熱交換器の、熱媒体の出口側から入口側に熱媒体を送り前記熱交換器に熱媒体を循環させる再循環ポンプを備え、熱媒体の前記出口側と前記入口側として、前記熱交換器の水室に前記再循環ポンプを接続し、前記再循環ポンプの吐出側の配管は、低負荷時に前記熱交換器の伝熱への寄与度が低い伝熱管に連通されている前記水室の底部中央に接続されており、前記熱交換器を通過する熱媒体の流量が所定の値以下に減少した場合に、前記再循環ポンプを運転することを特徴とする。なお排熱側とは、冷凍機にあっては冷却水等の排熱を取り去る側の熱媒体を指し、ヒートポンプ機等であれば河川水やヒーティングタワー循環水など、熱源となる排熱を有する側の熱媒体を意味する。
本発明によれば、需要側もしくは排熱側の負荷に応じて熱媒体の流量が変流量で制御され、負荷が十分に大きい場合、ほぼ定格の流量の熱媒体を熱交換器に循環させる。負荷が減少するにしたがって、熱媒体の循環量を斬減させ、熱交換器の最小流量まで低下させる。熱交換器の流量が最小流量まで低下したことを検知(例えば、熱交換器の入口側と出口側の圧力差で検知)し、再循環ポンプを運転する。これにより、需要側もしくは排熱側の熱媒体流量にかかわらず、再循環ポンプにより熱交換器内には常に最小流量以上の流量が確保される。
本発明によれば、冷凍機と再循環ポンプとを一体の装置としてレイアウトでき、制御装置等も一体化しやすくなるため設置スペースの低減等に大きな効果をもたらす。
本発明では、冷凍機の熱交換器において再循環ポンプを水室に接続する場合、伝熱への寄与度が小さい伝熱管の近辺に熱媒体を供給するのがよい。このように、伝熱への寄与度の小さな伝熱管近辺に再循環する熱媒体(冷水)を供給することにより、再循環する低温の熱媒体(冷水)は寄与度の小さな伝熱管に多く流れ、寄与度の大きな伝熱管には比較的高温の熱媒体(冷水)が供給されることとなる。再循環する熱媒体(冷水)が多く流れる伝熱管は、これにより伝熱量が低下するが、全体としてみれば伝熱量が低下しない伝熱管が大部分を占めるため、伝熱性能の悪化を最小にとどめることができる。
本発明の好ましい態様は、熱媒体の流量は、熱交換器内を通過する熱媒体の差圧により算出することを特徴とする。
本発明によれば、熱交換器の入口側と出口側の圧力差は、熱交換器内の流量の(1/2)乗に比例するため、流量が低下するにしたがって圧力差も小さくなるので、熱媒体の流量は、熱交換器内を通過する熱媒体の差圧により算出することができる。
本発明の好ましい態様は、前記再循環ポンプの回転速度を熱交換器を通過する熱媒体の流量または差圧が規定値となるように制御することを特徴とする。
本発明によれば、熱交換器を通過する熱媒体の流量または熱交換器の入口側と出口側の圧力差が規定値となるように、再循環ポンプの回転速度が制御されるため、熱交換器内を流れる熱媒体の流量も一定となり、熱交換器が必要とする熱媒体の流量が確保される。
本発明の好ましい態様は、前記熱交換器は、冷凍機の蒸発器または冷凍機の凝縮器であることを特徴とする。ここで、冷凍機の凝縮器には温水器も含まれる。
本発明の好ましい態様は、前記熱交換器は冷凍機の凝縮器と過冷却器であって、前記凝縮器と前記過冷却器とは並列に接続され、前記再循環ポンプを前記過冷却器出口から前記凝縮器入口に向けて接続したことを特徴とする。
本発明によれば、過冷却器の冷却水流量と再循環量とでどちらが多いかによって凝縮器と過冷却器との間の冷却水の流れる向きは変わるが、いずれにせよ過冷却器を出た比較的温度の低い冷却水を、再循環ポンプにより再循環させて凝縮器の入口に送ることで、凝縮器と過冷却器の両方の性能低下を最小限に抑えながら運転できる。
本発明によれば、設備側の熱媒体循環量を最小化し、従来よりも大幅に搬送動力を低減しながら、冷凍機の性能の低下をさせにくく、コンパクトで高効率な熱源システムを構築することができる。
図1は、本発明に係る熱源システムの第1の実施形態を示す模式図である。第1の実施形態は冷凍機の蒸発器に本発明を適用した場合のものである。 図2は、従来の2パスの熱交換器および3パスの熱交換器と本発明の2パスの熱交換器とについて、設備側の最低流量を50%とし、熱源装置以外の配管圧力損失を300kPaと仮定して所要搬送動力を比較した図である。 図3は、本発明に係る熱源システムの第2の実施形態を示す模式図である。 図4(a),(b)はターボ冷凍機に本発明を適用した実施形態を示す図であり、再循環ポンプを熱交換器の水室に接続した構成を備えたターボ冷凍機を示す図である。 図5は、本発明に係る熱源システムの第3の実施態様を示す模式的側面図である。 図6は、本発明に係る熱源システムの第4の実施形態を示す模式的側面図である。 図7は、本発明に係る熱源システムの第5の実施形態を示す模式図である。 図8は、従来の2パスの熱交換器と3パスの熱交換器について設備側の最低流量を50%とし、熱源装置以外の配管圧力損失を300kPaと仮定して所要搬送動力を比較した図である。
以下、本発明に係る熱源システムの実施形態を図1乃至図7を参照して説明する。図1乃至図7において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、本発明に係る熱源システムの第1の実施形態を示す模式図である。第1の実施形態は冷凍機の蒸発器に本発明を適用した場合のものである。
図1に示すように、冷凍機の蒸発器1と設備2との間で、冷水ポンプ3により熱媒体としての冷水が配管4を介して循環されている。蒸発器1は熱交換器を構成し、以下においては蒸発器1を適宜熱交換器とも称する。冷水ポンプ3の回転速度はインバータにより制御され、設備側の負荷に応じて冷水(熱媒体)の流量が変流量範囲で制御されている。
図1に示すように、蒸発器1の出口に接続された配管4を蒸発器1の出口近傍で分岐して配管5を設け、配管5に再循環ポンプ6を設置し、配管5の端部を蒸発器1の入口に接続された配管4に接続している。この構成により、蒸発器1の出口側から熱媒体(冷水)を配管5によって分岐し、再循環ポンプ6により蒸発器1の入口側に熱媒体(冷水)を再循環させている。
設備側の負荷が十分に大きい場合、冷水ポンプ3はほぼ定格の流量の冷水を循環させる。設備側の負荷が減少するにしたがって、冷水ポンプ3は冷水の循環量を斬減させ、蒸発器1の最小流量まで低下させる。
図1に示すように、本発明では蒸発器1の入口側と出口側の圧力差(圧損)を計測する差圧検出器8が設置されている。熱交換器の圧力差は、熱交換器内の流量の(1/2)乗に比例するため、流量が低下するにしたがって圧力差も小さくなる。
ここで、差圧検出器8で計測した圧力差が、蒸発器1の最小流量時の圧力差を下回ると、冷凍機あるいは付属する制御装置が再循環ポンプ6を運転する。再循環ポンプ6は熱交換器の圧力差が規定値となるように運転される。圧力差を一定とすることで流量も一定となり、熱交換器が必要とする冷水の流量が確保されることとなる。圧力差は、前述の蒸発器1の最小流量時の圧力差をやや上回る圧力とするのが良く、このようにすると、設備側の冷水流量にかかわらず、再循環ポンプ6により蒸発器内には常に最小流量以上の流量が確保される。
一方、再度、設備側の負荷が増大し、設備側の冷水(熱媒体)の循環量が増大すると、再循環ポンプ6の回転速度を最低の回転速度としても圧力差が規定値を上回るようになる。この圧力差があらかじめ設定した圧力差を一定時間以上上回ると、再循環ポンプ6は運転を停止する。なお、再循環ポンプが遠心式ポンプなど冷水が逆流する形式のポンプである場合は、再循環ポンプに逆止弁などを設けることは言うまでもない。
次に、再循環ポンプ6を設けたことによる省エネルギー効果を説明する。このときの熱交換器は、前述の2パスの冷凍機の熱交換器の仕様とし、その他の条件も同一とする。
再循環ポンプ6を運転していない場合は、搬送動力は冷水ポンプ3の動力のみでよく、従来の場合と変わらない。このため、最小流量以上では3パスの冷凍機よりも必要な搬送動力は小さくなる。一方、差圧検出器8で計測した圧力差が、蒸発器1の最小流量時の圧力差を下回ることにより、再循環ポンプ6が運転されると、冷水ポンプ3の動力は負荷に応じて小さくなるが、再循環ポンプ6を運転する動力が必要となる。しかしながら、再循環ポンプ6は冷凍機の圧力損失分だけを受け持てばよいため、増加する動力は少ない。
図2は、従来の2パスの熱交換器および3パスの熱交換器と本発明の2パスの熱交換器とについて、設備側の最低流量を50%とし、熱源装置以外の配管圧力損失を300kPaと仮定して所要搬送動力を比較した図である。図2において従来の2パスの熱交換器および3パスの熱交換器の所要搬送動力のグラフは図8に示すものと同一である。
図2に示すように、本発明の熱交換器は、負荷が50%以下では従来の3パスの場合と同等またはやや少ない搬送動力であり、負荷が50%以上では従来の2パスの場合と同じ搬送動力である。このように、本発明では、負荷が50%以上では従来の2パスの場合と同じ搬送動力でありながら、負荷が50%以下でも搬送動力の増加を最小限とできるため、全体として搬送動力が小さくなる。
図2に示す比較計算は実際の流量制御範囲、特に設備側の圧力損失の大小によりその節減量が変化したり、あるいは優位性が逆転することもあるが、多くの場合は優位となり、特に冷凍機の熱交換器の圧損が、設備側の圧損に比べて小さい場合は優位性が高い。
なお、再循環ポンプ6の流量は、設備側の最小流量と、蒸発器の最小流量の差だけ搬送すればよいので、この場合では定格の流量の10%程度でよく、ヘッドも熱交換器の差圧程度でよいため、本流の冷水ポンプ3に比べて非常に小さなポンプでよい。また、高価な流量計等を必要とせず、安価な差圧検出器で制御できるので非常に安価に熱源システムを構築することができる。
図3は、本発明に係る熱源システムの第2の実施形態を示す模式図である。
第2の実施形態では、再循環ポンプ6を熱交換器の水室間に接続している。すなわち、蒸発器1の出口側水室1aと蒸発器1の入口側水室1bとを接続する配管5を設け、配管5に再循環ポンプ6を設置している。その他の構成は、図1に示す熱源システムと同様である。このようにすると、冷凍機と再循環ポンプとを一体の装置としてレイアウトでき、制御装置等も一体化しやすくなるため設置スペースの低減等に大きな効果をもたらす。前述のように、この場合の冷水流量は定格の流量の10%程度で十分なので、再循環ポンプの配管も相応に小さい。たとえば、500冷凍トンの冷凍機であれば蒸発器のノズル(出入口)は200A(200mm)程度となるが、再循環ポンプ用のノズル(出入口)は65A(65mm)程度でよい。この程度の配管とポンプであれば、冷凍機のさまざまな空きスペースに配置することは容易であり、システム全体の小型化に大きく寄与する。
図4(a),(b)は、ターボ冷凍機に本発明を適用した実施形態を示す図であり、再循環ポンプを熱交換器の水室に接続した構成を備えたターボ冷凍機を示す図である。図4(a)はターボ冷凍機の外観構造を示す正面図であり、図4(b)はターボ冷凍機の外観構造を示す側面図である。
図4(a),(b)に示すように、ターボ冷凍機は蒸発器1と凝縮器11とを有し、蒸発器1で蒸発した冷媒蒸気を圧縮機12で圧縮して凝縮器11へと送る。凝縮器11で凝縮した冷媒液は、エコノマイザ(中間冷却器)13で冷却され、蒸発器1へと戻る。また、冷凍機を制御する制御盤14が、蒸発器1に取り付けられている。図4(a)に示すように、エコノマイザ13と制御盤14は冷凍機本体から張り出す形となることが多い。このとき、蒸発器1および凝縮器11の側面で、これらの機器が置かれていない部分は、空きスペースとなる。本実施形態では、蒸発器1と凝縮器11のそれぞれの水室1a,11aに、冷水の再循環ポンプ6と冷却水の再循環ポンプ6とを接続し、冷水の再循環ポンプ6と冷却水の再循環ポンプ6とをこの空きスペースに配置している。さらに、冷凍機の制御盤14にこれらの再循環ポンプ6を制御させている。このようにすると、冷凍機の空きスペースを用いて本発明を実施できるため、スペースを節約でき、また、制御も最適化しやすい。
図5は、本発明に係る熱源システムの第3の実施態様を示す模式的側面図である。第3の実施形態は冷凍機の蒸発器に本発明を適用した場合のものである。
冷凍機の熱交換器の伝熱管は、一般に均一に伝熱に寄与することは少なく、一部に伝熱に対する寄与度の小さな伝熱管がある。このような伝熱管は、部分負荷となるとさらに伝熱に対して寄与度が小さくなる。たとえば、蒸発器であれば蒸発器の下部の伝熱管は、器内の冷媒の自重により蒸発が妨げられており、伝熱に対する寄与度が少ない。凝縮器であれば、冷媒蒸気の入口から遠い伝熱管は、一般に蒸気による圧力損失が大きく、また、伝熱管近辺の冷媒蒸気流速が小さくなるため、凝縮量が少なくなる。
本発明では、冷凍機の熱交換器において再循環ポンプを水室に接続する場合、伝熱への寄与度が小さい伝熱管の近辺に熱媒体を供給するのがよい。これは、再循環する冷水の温度が低いためである。すなわち、熱源システムの冷水の出口温度は一般に5〜10℃程度であり、再循環する冷水の温度はこの温度に等しい。これに対して一般に熱源システムの入口の冷水温度はこれより5〜10℃高い。このため、再循環する冷水を熱交換器の入口の冷水と混合してしまうと、冷水温度が全体的に下がり、熱交換器内の蒸発温度が0.5〜1℃程度低下し、結果的に冷凍機の効率が悪化することになる。
そこで、本発明では、図5に示すように、再循環ポンプ6の吐出側の配管5を水室1aの底部中央に接続することにより、再循環ポンプ6から吐出され再循環する冷水(熱媒体)を水室1aの底部中央に供給する。水室1aの上部には、設備側から配管4を介して冷水が戻る。図5において配管5が接続された部分を囲むように水室1a内に点線L1が描かれているが、この点線L1で囲まれた水室内の部分は、伝熱への寄与度が小さい伝熱管に連通されている部分であり、この点線L1で囲まれた部分に再循環する冷水を供給する。このように、伝熱への寄与度の小さな伝熱管近辺に再循環する冷水を供給することにより、再循環する低温の冷水は寄与度の小さな伝熱管に多く流れ、寄与度の大きな伝熱管には比較的高温の冷水が供給されることとなる。再循環する冷水が多く流れる伝熱管は、これにより伝熱量が低下するが、全体としてみれば伝熱量が低下しない伝熱管が大部分を占めるため、伝熱性能の悪化を最小にとどめることができる。特に、低負荷となると伝熱が悪化する伝熱管は実際には多くあり、また、本発明の再循環ポンプが運転されるのは言うまでもなく低負荷の条件であるので、大変有効である。
また、上述のことは再循環ポンプの吸込み側についてもいえる。すなわち、伝熱管出口の冷水温度は一様ではなく、伝熱の悪い伝熱管の出口の冷水は、比較的高温である。この比較的高温の冷水を取り出し、再循環ポンプにより再循環させることで、熱交換器入口側の温度低下を抑えることができるだけでなく、熱交換器出口における冷水温度は逆に低下するので、蒸発温度が高くなり、むしろ性能が改善する。
いうまでもなく、これは凝縮器や温水器でも同じ効果を生じる。ただし、伝熱に対する寄与度の小さな伝熱管は熱交換器の構造や、想定される負荷等によっても異なる。たとえば、圧縮式冷凍機の凝縮器では、冷凍機の性能を向上させるために過冷却器(サブクーラ)を装備しているものがある。過冷却器は凝縮器で凝縮した、凝縮温度(概略冷却水出口温度)である冷媒液を、さらに冷却水入口温度近くまで冷却するものである。
図6は、本発明に係る熱源システムの第4の実施形態を示す模式的側面図である。第4の実施形態は過冷却器を装備した凝縮器に本発明を適用した場合のものである。
本発明の再循環水(凝縮器出口冷却水)を、過冷却器の入口近くに供給してしまうと、過冷却器の水量が少ないこともあり、過冷却器入口の冷却水温度が局所的に上昇することとなる。このようになると過冷却器の性能は極端に低下する。
そこで、本発明では、図6に示すように、再循環ポンプ6の吐出側の配管5を凝縮器11の水室11aの一側面に接続することにより、再循環ポンプ6から供給された再循環水(凝縮器出口冷却水)を過冷却器の入口から遠いところに供給し、再循環水が過冷却器に流れないようにするのが良い。図6において水室11a内に点線L2が描かれているが、この点線L2で囲まれた水室内の部分は、過冷却器の入口に連通されている部分であり、この点線L2で囲まれた部分より遠いところに再循環水を供給し、再循環水が過冷却器に流れないようにする。場合によっては、図6に示すように、水室11a内に整流板17を設けることにより、設備側からの冷却水を矢印で示すように再循環水の入口部に向かって導き、再循環ポンプ6から供給された再循環水が点線L3内に留まるようにし再循環水が過冷却器に流れないようにすることが好ましい。
一方、過冷却器出口の冷却水温度は、凝縮器の出口冷却水温度に比べて低いことが多い。すなわち、図6に示すように、再循環ポンプ6へ供給される再循環の冷却水は、過冷却器出口付近からとることが望ましい。過冷却器と凝縮器とが別途になっている冷凍機でも、同様に考えればよい。
図7は、本発明に係る熱源システムの第5の実施形態を示す模式図である。第5の実施形態は凝縮器と過冷却器とが別体になっている場合に本発明を適用したものである。
図7に示すように、凝縮器11と過冷却器18とが別体の場合、再循環ポンプ6は過冷却器18の出口と、凝縮器11の入口との間に設けるのがよい。このように構成することにより、過冷却器の冷却水流量と再循環量とでどちらが多いかによって凝縮器11と過冷却器18との間の冷却水の流れる向きは変わるが、いずれにせよ過冷却器18を出た比較的温度の低い冷却水を、再循環ポンプ6により再循環させて凝縮器11の入口に送ることで、凝縮器11と過冷却器18の両方の性能低下を最小限に抑えながら運転できる。
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内において、種々の異なる形態で実施されてよいことは勿論である。
1 蒸発器
1a 出口側水室
1b 入口側水室
2 設備
3 冷水ポンプ
4 配管
5 配管
6 再循環ポンプ
8 差圧検出器
11 凝縮器
12 圧縮機
13 エコノマイザ
14 制御盤
17 整流板
18 過冷却器

Claims (6)

  1. 需要側もしくは排熱側熱媒体の流量が負荷に応じて変化する熱源システムにおいて、
    冷凍機の熱交換器の、熱媒体の出口側から入口側に熱媒体を送り前記熱交換器に熱媒体を循環させる再循環ポンプを備え、
    熱媒体の前記出口側と前記入口側として、前記熱交換器の水室に前記再循環ポンプを接続し、
    前記再循環ポンプの吐出側の配管は、低負荷時に前記熱交換器の伝熱への寄与度が低い伝熱管に連通されている前記水室の底部中央に接続されており、
    前記熱交換器を通過する熱媒体の流量が所定の値以下に減少した場合に、前記再循環ポンプを運転することを特徴とする熱源システム。
  2. 熱媒体の流量は、前記熱交換器内を通過する熱媒体の差圧により算出することを特徴とする請求項1に記載の熱源システム。
  3. 前記再循環ポンプの回転速度を前記熱交換器を通過する熱媒体の流量または差圧が規定値となるように制御することを特徴とする請求項1または2に記載の熱源システム。
  4. 前記熱交換器は、冷凍機の蒸発器または冷凍機の凝縮器であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の熱源システム。
  5. 前記水室内に整流板を設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の熱源システム。
  6. 前記熱交換器は冷凍機の凝縮器と過冷却器であって、前記凝縮器と前記過冷却器とは並列に接続され、前記再循環ポンプを前記過冷却器出口から前記凝縮器入口に向けて接続したことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の熱源システム。
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