以下、図面と共に本発明に係る無線LANルータ及び無線LANルータ制御方法の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に本実施形態に係る無線LANルータ10を示す。無線LANルータ10は、クライアント端末20に対してインターネット30等の通信網での通信(例えば、パケット通信)を可能とさせる通信機器である。無線LANルータ10は、無線LAN(具体的には例えば、Wi−Fi)のアクセスポイントの機能を有している。無線LANルータ10と、クライアント端末(具体的には例えば、Wi−Fiクライアント)20とは無線LANによって接続される。また、無線LANルータ10は、無線によってインターネット30等の通信網に接続する機能を有している。例えば、無線LANルータ10は、移動体通信機能を有しており、移動体通信網を介してインターネット30に接続する。即ち、無線LANルータ10は、モバイル無線LANルータである。
クライアント端末20は、ユーザに用いられる通信機器(デバイス)であり、無線LANで通信を行う機能を有している。具体的には、クライアント端末20は、スマートフォン、タブレット型端末、携帯電話機及びPC(パーソナルコンピュータ)(ノートPCを含む)等に相当する。また、クライアント端末20は、例えば、通信機能付きの監視カメラといった上記以外の装置であってもよい。各クライアント端末20には、予め個々のクライアント端末20を識別する情報であるMACアドレスが設定されている。図1に示すように、クライアント端末20には、後述する無線LANルータ10による通信規制(制御)を受ける規制対象端末と、当該通信規制を受けない規制非対象端末とがある。なお、規制対象端末と規制非対象端末とは、クライアント端末20の機能としては相違していなくてもよく、無線LANルータ10において設定されていればよい。
本実施形態では、一例として、クライアント端末20が子供に用いられる場合を想定している。また、別の例として、クライアント端末20が企業等の法人内において従業員に用いられる場合を想定している。
インターネット30は、無線LANルータ10を介したクライアント端末20の接続先となる通信網である。なお、当該通信網は、必ずしもインターネット30でなくてもよく、無線LANルータ10が無線(例えば、上述した移動体通信)によって接続できるものであれば、どのような通信網であってもよい。例えば、企業における社内ネットワークであってもよい。
引き続いて、本実施形態に係る無線LANルータ10の機能構成について説明する。図1に示すように、無線LANルータ10は、中継部11と、判断用情報取得部12と、制御部13とを備えて構成される。
中継部11は、インターネット30等の通信網に無線によって接続すると共に、無線によるクライアント端末20からの接続を受け付けて自装置10に接続されるクライアント端末20に対して当該通信網での通信を可能とさせる中継手段である。即ち、中継部11は、モバイル無線LANルータとしての機能を有している。中継部11が有するモバイル無線LANルータとの機能は、従来と同様のものでよいが、具体的には以下の機能である。
中継部11は、自装置10が存在していることを示す(即ち、無線LANアクセスポイントがあることを示す)信号であるビーコン(Beacon)を定期的に送信(送出)する。クライアント端末20は、当該ビーコンを受信することで無線LANアクセスポイントとしての無線LANルータ10を認識する。
中継部11は、クライアント端末20から自装置10への接続要求を受け付ける。接続要求には、接続要求を行ったクライアント端末20のMACアドレスが含まれている。中継部11は、接続要求を受け付けると、自装置10を介した当該クライアント端末20による通信を可能とするルーティング処理を行い、通信に用いられるIPアドレスを、接続要求に係るクライアント端末20に対して付与する(割り当てる)。中継部11は、クライアント端末20からインターネット30を介した通信相手への通信データを受信して、当該通信データのインターネット30への送信を行う。即ち、中継部11は、通信データの中継を行う。
中継部11は、クライアント端末20から自装置10への接続及びクライアント端末20からの通信データの中継に関して、制御部13からの制御を受ける。制御部13からの制御については後述する。
判断用情報取得部12は、クライアント端末20の自装置10を介したインターネット30での通信可否を判断するための判断用情報として取得する判断用情報取得手段である。判断用情報取得部12は、自装置10の位置及び現時点の時刻の少なくとも何れかを判断用情報として取得する。例えば、判断用情報取得部12は、GPS(Global Positioning System)測位機能を有しており、当該GPS測位機能により自装置10の現時点の位置を緯度及び経度の情報として取得する。また、判断用情報取得部12は、時計機能を有しており、当該時計機能によって現時点の時刻を取得する。判断用情報取得部12は、定期的(例えば、数分毎)に判断用情報を取得する。あるいは、判断用情報取得部12は、上記の判断が必要になった場合(制御部13の要求を受けた場合)に判断用情報を取得することとしてもよい。
判断用情報取得部12は、自装置10に近接しているクライアント端末20に関する情報を判断用情報として取得することとしてもよい。無線LANルータ10とクライアント端末20との間で送受信される無線LANの信号が届く範囲は、限られた一定の範囲である。従って、例えば、無線LANルータ10と信号を送受信しているクライアント端末20を、無線LANルータ10に近接しているクライアント端末20とすることとする。あるいは、より後述するようにGPS等によって得られた位置情報に基づいて、無線LANルータ10に近接しているクライアント端末20を判断してもよい。
判断用情報取得部12は、具体的には、中継部11を介したクライアント端末20の通信に係る通信量を判断用情報として取得することとしてもよい。例えば、判断用情報取得部12は、中継部11によるクライアント端末20毎の通信を監視しておき、クライアント端末20毎の通信量を示す情報を取得する。通信量は、例えば、送受信が行われたデータのバイト(Byte)単位の量である。判断用情報取得部12は、クライアント端末20毎の通信量を一定の期間毎(例えば、1日あるいは1ヶ月毎)の累計通信量として取得する。判断用情報取得部12は、取得した通信量の情報を、自装置10が備える通信量データベースに格納しておくこととしてもよい。通信量データベースは、例えば、図2に示すテーブルによってクライアント端末20のMACアドレスと当該クライアント端末20の累計通信量とを対応付けて格納する。判断用情報取得部12は、取得した判断用情報を制御部13に出力する。
制御部13は、判断用情報取得部12から入力された判断用情報に応じて、中継部11に対して、クライアント端末20のインターネット30での通信可否(クライアント端末20からの通信データの中継可否)の制御を行う制御手段である。制御部13は、クライアント端末20に応じて(クライアント端末20毎に)上記の制御を行うこととしてもよい。
具体的には、制御部13は、予め記憶した図3に示す通信条件判定テーブルに基づいて制御の判断(判定)を行う。通信条件判定テーブルは、判断用情報に応じてどのように制御を行うかを示す条件(規制ルール)を示す情報である。図3に示す通信条件判定テーブルは、クライアント端末20毎の条件を格納している。即ち、図3に示す通信条件判定テーブルは、クライアント端末20毎に制御を行う場合に用いられる。
図3に示すように、通信条件判定テーブルには、MACアドレスと、対象情報と、規制条件とが対応付けられて格納されている。MACアドレスは、クライアント端末20のMACアドレスである。対象情報は、制御にどの種別の判断用情報を用いるかを示す情報である。規制条件は、制御(規制)の条件を示す情報である。規制条件は、対象情報の欄に含まれる種別の判断用情報毎に設定される。なお、図3の通信条件判定テーブルにおいて「N/A」は、制御(規制)の条件が無いことを示している。
通信条件判定テーブルは、予め無線LANルータ10の管理者によって設定される。例えば、子供に用いられるクライアント端末20からアクセスされる無線LANルータ10では、親によって設定される。法人の従業員に用いられるクライアント端末20からアクセスされる無線LANルータ10では、法人の管理者によって設定される。
中継部11は、クライアント端末20から自装置10への接続要求を受け付けると接続要求を制御部13に出力する。制御部13は、当該接続要求に含まれる、(当該接続要求を行ったクライアント端末20の)MACアドレスが、通信条件判定テーブルのMACアドレスの欄の何れかのMACアドレスに一致するか否か(接続要求に含まれるMACアドレスが通信条件判定テーブルに含まれているか否か)を判断する。接続要求に含まれるMACアドレスが通信条件判定テーブルに含まれていないと判断した場合には、制御部13は、非登録端末である旨を中継部11に通知する。中継部11は、その旨の通知を受けると当該接続要求を拒否する。その場合、中継部11は、当該接続要求を行ったクライアント端末20に対して接続拒否の通知を行う。なお、非登録端末の場合、上記のように一律に通信(中継)を禁止することとしてもよいし、あるいは一律に通信を許可することとしてもよい。
接続要求に含まれるMACアドレスが通信条件判定テーブルに含まれていると判断した場合には、制御部13は、登録端末である旨を中継部11に通知する。中継部11は、その旨の通知を受けると、当該接続要求を行ったクライアント端末20についてのルーティング処理を行う。中継部11は、接続要求の受信に応じたルーティング処理の結果、クライアント端末20に付与したIPアドレスを、接続許可を示す旨と合わせてクライアント端末20に通知する。また、中継部11は、当該IPアドレスを、自装置10が備えるルーティングテーブルにクライアント端末20のMACアドレスに対応付けて格納する。図4にルーティングテーブルを示す。
また、その場合(接続要求に含まれるMACアドレスが通信条件判定テーブルに含まれていると判断した場合)、制御部13は、判断用情報取得部12から入力された判断用情報と、通信条件判定テーブルにおいて当該MACアドレスに対応付けられている規制条件とから、クライアント端末20のインターネット30での通信可否を判断する。当該判断には、当該MACアドレスに対応付けられている対象情報に対応する種別の判断用情報が用いられる。例えば、対象情報が「時間、位置」(図3の1行目のデータ)であれば、現時点の時刻及び自装置10の位置を用いる。判断に用いられる判断用情報は、判断用情報取得部12から入力された判断用情報の最新のもの、あるいはその時点で判断用情報取得部12によって取得されたものである。
通信条件判定テーブルにおける規制条件のうち、時間の欄、及び時間の欄の右隣の反転の欄は、現時点の時刻に基づく判断に用いられる。時間の欄には、例えば、9:00〜18:00といった1日における時間帯の情報が格納される。反転の欄には、0又は1の値が格納される。反転の欄の値が0であった場合には、時間の欄の時間帯以外の時間帯において規制を行う(自装置10を介したクライアント端末20のインターネット30での通信を禁止する)ことを示している(該当時間内規制解除)。一方で、反転の欄の値が1であった場合には、時間の欄の時間帯において規制を行うことを示している(該当時間外規制解除)。
通信条件判定テーブルにおける規制条件のうち、位置の欄、距離の欄及び距離の欄の右隣の反転の欄は、自装置10の位置に基づく判断に用いられる。位置の欄には、例えば、緯度及び経度による位置を示す情報が格納される。距離の欄には、例えば、100mといった距離を示す情報が格納される。位置の欄の位置を中心とした距離の欄の距離までの位置を境界とすると、当該境界によりエリアを構成することができる(円形のエリアになる)。反転の欄には、0又は1の値が格納される。反転の欄の値が0であった場合には、上記のエリア外において規制を行う(自装置10を介したクライアント端末20のインターネット30での通信を禁止する)ことを示している(該当位置内規制解除)。一方で、反転の欄の値が1であった場合には、上記のエリア内において規制を行うことを示している(該当位置外規制解除)。
通信条件判定テーブルにおける規制条件のうち、通信量の欄は、クライアント端末20の通信量に基づく判断に用いられる。クライアント端末の通信量が、通信量の欄の値を超えている場合に規制を行う(自装置10を介したクライアント端末20のインターネット30での通信を禁止する)ことを示している。
なお、例えば、図3に示す通信条件判定テーブルの3行目のデータのように、クライアント端末20によっては、規制条件が全く設定されていなくてもよい。このクライアント端末20は、条件なく自装置10を介したインターネット30での通信を行うことができる。このクライアント端末20は、図1に示す規制非対象端末である。例えば、管理者用のPCであるクライアント端末20や予め条件なしでの通信が許可されたユーザのクライアント端末20を規制非対象端末とする。なお、何れかの規制条件が設定されたクライアント端末20は、図1に示す規制対象端末である。
制御部13は、判断用情報取得部12から入力された判断用情報と、通信条件判定テーブルにおいて当該MACアドレスに対応付けられている規制条件とを比較することでクライアント端末20のインターネット30での通信可否を判断する。なお、複数の種別の判断用情報を用いて判断する場合には、制御部13は、何れかの判断用情報に基づき通信が禁止(規制)されると判断したら(一つでも通信を禁止されると判断したら)、当該クライアント端末20の上記通信を禁止すると判断する。あるいは、制御部13は、全ての判断用情報に基づき通信が禁止(規制)されると判断したら、当該クライアント端末20の上記通信を禁止すると判断することとしてもよい。
上記の規制は、具体的には、無線LANルータ10が学校に位置しており、時間帯が授業中である場合に通信(パケット通信)を禁止し、一方で、無線LANルータ10が学校又は学童保育の場所に位置しており、時間帯が放課後である場合に通信(パケット通信)を許可するというように行われる。あるいは、無線LANルータ10が工場又はオフィスに位置している場合には、秘密保持のため外部ネットワーク(インターネット30)への接続を禁止し、無線LANルータ10が工場又はオフィス以外の場所に位置している場合には、外部ネットワーク(インターネット30)への接続を許可するというように行われる。
制御部13は、クライアント端末20のインターネット30での通信可否の判断に係る情報を、図4に示すルーティングテーブルに当該情報を格納する。図4に示すルーティングテーブルにおけるインターネットルーティングの欄がその旨の情報である。制御部13は、通信を許可すると判断した場合には、インターネットルーティングの欄に1の値(規制非対象)を格納する。制御部13は、通信を禁止(規制)すると判断した場合には、インターネットルーティングの欄に0の値(規制対象)を格納する。
中継部11は、クライアント端末20からインターネット30を介した通信相手への通信データを受信すると、ルーティングテーブルを参照する。中継部11は、ルーティングテーブルにおいて当該クライアント端末20のMACアドレス(あるいは、IPアドレス)に対応付けられたインターネットルーティングの欄の値が何れであるか判断する。インターネットルーティングの欄の値が1であれば、中継部11は、当該通信データのインターネット30への送信を行う。インターネットルーティングの欄の値が0であれば、中継部11は、当該通信データのインターネット30への送信を禁止し、通信が行えない旨(通信NGの旨)をクライアント端末20に通知する。
クライアント端末20が規制非対称であるか規制対象であるかは、判断用情報の経時的な変化により変わりうる。従って、制御部13は、判断用情報取得部12から判断用情報を入力する度に、あるいは、定期的に判断用情報取得部12から入力された判断用情報と、通信条件判定テーブルにおいて当該MACアドレスに対応付けられている規制条件とを比較することでクライアント端末20のインターネット30での通信可否を判断する。この判断は、ルーティングテーブルに登録されている全てのクライアント端末20を対象として行われる。制御部13は、当該判断に基づき、ルーティングテーブルにおけるインターネットルーティングの欄の値を更新(アップデート)する。
また、上記の制御部13の機能では、クライアント端末20のインターネット30での通信の制御は、クライアント端末20毎に異なる条件で行うこととしていたが、一律に行うこととしてもよい。その場合、制御部13は、図3に示す通信条件判定テーブルの対象情報と規制条件とに対応する情報を、クライアント端末20に対応付けずに記憶しておき、その情報に基づいて全てのクライアント端末20に対して同じように制御を行う。以上が、本実施形態に係る無線LANルータ10の機能構成である。
図5に本実施形態に係る無線LANルータ10のハードウェア構成を示す。図5に示すように無線LANルータ10は、CPU(Central Processing Unit)101、主記憶装置であるRAM(RandomAccess Memory)102及びROM(Read Only Memory)103、移動体通信を行うための移動体通信モジュール104、移動体通信用アンテナ105、無線LAN通信を行うための無線LANモジュール106、並びに無線LAN用アンテナ107等のハードウェアを備える、コンピュータを含む装置として構成される。これらの構成要素がプログラム等により動作することにより、上述した無線LANルータ10の機能が発揮される。以上が、本実施形態に係る無線LANルータ10の構成である。
引き続いて、図6〜図9のシーケンス図を用いて、本実施形態に係る無線LANルータ10で実行される処理(無線LANルータ10の動作方法)である無線LANルータ制御方法を説明する。まず、図6のシーケンス図を用いて、クライアント端末20が、無線LANルータ10を介してインターネット30での通信が可能になる場合の処理を説明する。
本処理では、まず、無線LANルータ10では、中継部11からクライアント端末20に対してビーコンが送信される(S01)。クライアント端末20では、ビーコンが受信されることで無線LANルータ10が認識される。続いて、無線LANルータ10では、判断用情報取得部12によって、判断用情報として自装置10の位置を示す位置情報が取得される(S02、判断用情報取得ステップ)。また、判断用情報取得部12によって、判断用情報として現時点の時刻を示す時刻情報が取得される(S03、判断用情報取得ステップ)。取得された判断用情報は、判断用情報取得部12から制御部13に出力される。
また、制御部13によって、判断用情報取得部12から入力された判断用情報と、通信条件判定テーブルに格納されている情報とが比較することでクライアント端末20のインターネット30での通信可否が判断される。制御部13によって、当該判断の結果、ルーティングテーブルにおけるインターネットルーティングの欄の値が更新(アップデート)される(S04、制御ステップ)。上記のS01〜S04の処理は定期的に行われる。また、S01〜S04の処理は、必ずしも上述した順序でなくてもよく、それぞれの処理が任意のタイミングで行われてもよい。
ここで、クライアント端末20から無線LANルータ10に対して接続要求が送信される。この接続要求は、例えば、ユーザがクライアント端末20によりインターネット30での通信を行いたい場合に、ユーザのクライアント端末20に対する操作をトリガとして送信される。無線LANルータ10では、中継部11によって当該接続要求が受信される(S05)。受信された接続要求は、中継部11から制御部13に出力される。
続いて、制御部13によって、当該接続要求に含まれるMACアドレスが通信条件判定テーブルに含まれているか否かが判断される(S06、制御ステップ)。当該接続要求に含まれるMACアドレスが通信条件判定テーブルに含まれていると判断されると続いて、制御部13によって、判断用情報取得部12から入力された判断用情報と、通信条件判定テーブルにおいて当該MACアドレスに対応付けられている規制条件とから、クライアント端末20のインターネット30での通信可否が判断される(S07、制御ステップ)。ここでは、クライアント端末20のインターネット30での通信が許可されるものと判断される(インターネットルーティングの欄の値が1となる)。
また、S06において、当該接続要求に含まれるMACアドレスが通信条件判定テーブルに含まれていると判断されると、上記の処理に加えて制御部13から中継部11に対して、その旨が通知される。続いて、中継部11によって、ルーティング処理が行われ、IPアドレスが接続許可を示す旨と合わせてクライアント端末20に通知される(S08)。中継部11によって付与されたIPアドレスと、制御部13による判断結果(認証結果、インターネットルーティングの欄の値)とが、クライアント端末20のMACアドレスに対応付けられてルーティングテーブルに格納される(S09、制御ステップ)。ここでは、当該クライアント端末20は、インターネット30での通信を許可されたものとする。上記のS05〜S09の処理は、一連の処理として行われる。
ここで、クライアント端末20から無線LANルータ10に対してインターネット30を介した通信相手への通信データが送信される。この接続要求は、例えば、ユーザが通信相手との間で通信を行いたい場合に、ユーザのクライアント端末20に対する操作をトリガとして送信される。無線LANルータ10では、中継部11によって当該通信データが受信される(S10)。通信データが受信されると、続いて、中継部11によって、ルーティングテーブルにおいて、送信元のクライアント端末20のMACアドレスに対応付けられたインターネットルーティングの欄の値が何れであるかが判断される(S11、制御ステップ)。ここでは、インターネットルーティングの欄の値が1であるので、中継部11によって当該通信データがインターネット30へ送信される(S12、制御ステップ)。また、この場合、判断用情報取得部12によって、中継部11の通信データの中継によって行われたクライアント端末20の通信に係る通信量が判断用情報として取得される(S13、判断用情報取得ステップ)。ここで、取得された通信量を示す情報は、通信量データベースに格納され、次の制御部13による判断に用いられる。上記のS10〜S13の処理は、一連の処理として行われる。以上が、クライアント端末20が、無線LANルータ10を介してインターネット30での通信が可能になる場合の処理である。
続いて、図7のシーケンス図を用いて、クライアント端末20が、無線LANルータ10の通信条件判定テーブルに登録されていなかった場合の処理を説明する。図7におけるS21〜S25の処理は、図6におけるS01〜S05の処理と同様である。
S25に続いて、制御部13によって、当該接続要求に含まれるMACアドレスが通信条件判定テーブルに含まれているか否かが判断される(S26、制御ステップ)。当該接続要求に含まれるMACアドレスが通信条件判定テーブルに含まれていないと判断されると続いて、制御部13から中継部11に対して、その旨が通知される。この場合、中継部11によるルーティング処理は行われず、中継部11からクライアント端末20に対して接続拒否の通知が行われる(S27)。この場合、クライアント端末20は、無線LANルータ10を利用した通信を行うことができない。以上が、クライアント端末20が、無線LANルータ10の通信条件判定テーブルに登録されていなかった場合の処理である。
続いて、図8のシーケンス図を用いて、クライアント端末20が、無線LANルータ10への登録が可能であるが、無線LANルータ10を介したインターネット30での通信ができない場合の処理を説明する。図8におけるS31〜S39の処理は、図6におけるS01〜S09の処理と同様である。但し、図8におけるS37では、クライアント端末20のインターネット30での通信が禁止されるものと判断される(インターネットルーティングの欄の値が0となる)。
ここで、クライアント端末20から無線LANルータ10に対してインターネット30を介した通信相手への通信データが送信される。無線LANルータ10では、中継部11によって当該通信データが受信される(S40)。通信データが受信されると、続いて、中継部11によって、ルーティングテーブルにおいて、送信元のクライアント端末20のMACアドレスに対応付けられたインターネットルーティングの欄の値が何れであるかが判断される(S41、制御ステップ)。ここでは、インターネットルーティングの欄の値が0であるので、中継部11によって、当該通信データのインターネット30への送信が禁止され、通信が行えない旨(通信NGの旨)がクライアント端末20に通知される(S42、制御ステップ)。上記のS40〜S42の処理は、一連の処理として行われる。以上が、クライアント端末20が、無線LANルータ10への登録が可能であるが、無線LANルータ10を介したインターネット30での通信ができない場合の処理である。
続いて、図9のシーケンス図を用いて、図6の処理の後、クライアント端末20が、無線LANルータ10を介したインターネット30での通信ができなくなる場合の処理を説明する。図9において、図6に示される処理の後、実行されるS51〜S53の処理は、図6におけるS02〜S04の処理と同様である。但し、図9におけるS53では、判断用情報が、経時的に変化しており、クライアント端末20のインターネット30での通信が禁止されるものと判断される(インターネットルーティングの欄の値が0となる)。例えば、現時点の時刻が、クライアント端末20の規制対象時間となる。
ここで、クライアント端末20から無線LANルータ10に対してインターネット30を介した通信相手への通信データが送信される。無線LANルータ10では、中継部11によって当該通信データが受信される(S54)。通信データが受信されると、続いて、中継部11によって、ルーティングテーブルにおいて、送信元のクライアント端末20のMACアドレスに対応付けられたインターネットルーティングの欄の値が何れであるかが判断される(S55、制御ステップ)。ここでは、インターネットルーティングの欄の値が0であるので、中継部11によって、当該通信データのインターネット30への送信が禁止され、通信が行えない旨(通信NGの旨)がクライアント端末20に通知される(S56、制御ステップ)。上記のS54〜S56の処理は、一連の処理として行われる。以上が、図6の処理の後、クライアント端末20が、無線LANルータ10を介したインターネット30での通信ができなくなる場合の処理である。
上記の処理のように、判断用情報が変化したことにより(例えば、時間の経過や無線LANルータ10の移動)、無線LANルータ10を介したインターネット30での通信を行えていたクライアント端末20が通信できなくなる場合がある。逆に、無線LANルータ10を介したインターネット30での通信を行えていなかったクライアント端末20が通信できるようになる場合もある。以上が、本実施形態に係る無線LANルータ10で実行される処理である。
上述したように、本実施形態に係る無線LANルータ10では、自装置10の位置及び現時点の時刻の少なくとも何れかに応じて、自装置10を介したクライアント端末20のインターネット30での通信可否の制御が行われる。例えば、管理者(例えば、親又は法人の管理者)が認めた場所、又は認めた場所以外では通信を規制することができる。あるいは、管理者が認めた時間帯、又は認めた時間帯以外では通信を規制することができる。従って、位置及び時刻の何れかの状況に応じてクライアント端末20に対して適切に通信を行わせることができる。
具体的には、学校内や授業時間中には、クライアント端末20のインターネット30での通信を禁止し、放課後や学校外(小学生の学童保育の場所等)では、クライアント端末20の通信を許可することができる。また、企業等の法人においても、特定エリア内(例えば、工場内)や特定時間(例えば、業務時間内)のみ、インターネットあるいは社内ネットワークとの通信を可能にさせることができる。
なお、このような通信規制はクライアント端末20において設定を行うこともできる。しかしながら、このように規制を行おうとすると個々のクライアント端末20において設定する必要があり、手間が大きくなる。一方で、本実施形態のように無線LANルータ10において規制を行うこととすると、無線LANルータ10が複数のユーザのクライアント端末20が同時に利用することを目的としているため、管理が容易かつ一元管理が可能となる。また、本実施形態とは異なり固定ルータではADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)や光回線等を該当場所に設置する必要があり、工事等の作業が必要となる。本実施形態に係る無線LANルータ10のようにモバイルルータであれば必要なときに回線を提供するというモバイル性を生かすことができる。
また、本実施形態のようにクライアント端末20毎に規制ルールを設けておき、クライアント端末20に応じて制御を行うこととしてもよい。この構成によれば、制御が必要なクライアント端末20に対してのみ制御を行うことができる。従って、クライアント端末20に対して更に適切に通信を行わせることができる。但し、クライアント端末20毎に制御を分ける必要がない場合等には、上述したようにクライアント端末20毎の制御ではなく一律にクライアント端末20に対する制御を行ってもよい。
また、本実施形態のように、無線LANルータ10に近接しているクライアント端末20に関する情報を判断用情報として取得して制御を行うこととしてもよい。この構成によれば、無線LANルータ10に近接しているクライアント端末20に係る状況に応じた制御を行うことができる。
具体的には例えば、本実施形態のように無線LANルータ10の中継部11を介したクライアント端末20の通信に係る通信量を判断用情報としてもよい。この構成によれば、クライアント端末20の通信量に応じた制御を行うことができる。例えば、特定のクライアント端末20の通信量が過剰になることを防止することができる。
引き続いて、本実施形態の変形例について説明する。上述した実施形態では、判断用情報として用いる無線LANルータ10に近接しているクライアント端末20に関する情報は、クライアント端末20の通信量であった。しかしながら、無線LANルータ10に近接しているクライアント端末20に関する情報として以下の情報を用いることで、より多彩な制御を行うことが可能となる。
例えば、上述した実施形態では、企業等の法人において、無線LANルータ10の管理者が業務時間を設定し、その業務時間帯のみにクライアント端末20に対してインターネット30での通信を許可することができる。しかしながら、従業員は残業等する場合もあるため、日毎の設定入力を行わなければならず面倒である。それを解決するため、上述した実施形態に係る無線LANルータ10の機能に加えて、無線LANルータ10に以下の機能を付加することができる。
ユーザが上司や同僚と一緒にいる場合は、業務中である可能性が高い。従って、上司等が使用しているクライアント端末20が、無線LANルータ10の近くにある場合、又は上司等が使用しているクライアント端末20が無線LANルータ10に接続(アクセス)中の場合に業務時間外であっても、業務中と判定しユーザのクライアント端末20の無線LANルータ10を介したインターネット30での通信を許可する。このような制御によって、予め設定した業務時間によらずに誰と一緒にいるかによって、アクセス制御を行うことができる。
上記の制御を実現するために無線LANルータ10は、以下の機能構成を有する。即ち、判断用情報取得部12は、自装置10に近接しているクライアント端末20を特定する情報を判断用情報として取得する。上述したように、無線LANルータ10と信号を送受信しているクライアント端末20を、無線LANルータ10に近接しているクライアント端末20とすることとしてもよい。また、判断用情報取得部12は、クライアント端末20から、当該クライアント端末20の位置を示す位置情報を受信して、当該位置情報と自装置10の位置情報とを比較して、クライアント端末20が自装置10に近接しているか否かを判断してもよい。クライアント端末20の位置情報は、例えば、クライアント端末20が有するGPS測位機能によって取得される。また、判断用情報取得部12は、例えば、クライアント端末20の位置情報と自装置10の位置情報とからクライアント端末20と自装置10との間の距離を算出して、当該距離が予め設定された閾値以下であれば、当該クライアント端末20を自装置10に近接しているクライアント端末20と判断する。また、判断用情報取得部12は、上記の方法以外でクライアント端末20と自装置10との間の距離を示す情報を取得して、上記の判断を行うこととしてもよい。
判断用情報取得部12は、クライアント端末20を特定する情報として、例えば、中継部11によって受信されるクライアント端末20からの接続要求に含まれるMACアドレスを取得する。また、無線LANルータ10への接続にログインIDが必要である構成である場合には、判断用情報取得部12は、クライアント端末20を特定する情報として、クライアント端末20から送信されるログインIDを取得することとしてもよい。
制御部13は、判断用情報取得部12によって取得された判断用情報によって特定されるクライアント端末20が、予め設定されたクライアント端末20か否かを判断して、当該判断に応じて制御を行う。例えば、制御部13は、上司等が使用しているクライアント端末20を特定する情報を予め記憶しておき、記憶した情報の中に、判断用情報であるクライアント端末20を特定する情報が含まれるか否かを判断する。制御部13は、記憶した情報の中に判断用情報が含まれると判断した場合には、規制ルールによってクライアント端末20が無線LANルータ10を介した通信を行えない時間帯とされている時間帯であっても(あるいは、時間帯に基づく規制ルールがあるか否かにかかわらず、以下同様)、業務中としてその他のクライアント端末20の通信を許可する制御を行う(インターネットルーティングの欄の値を1にする)。
あるいは、制御部13は、記憶した情報の中に判断用情報が含まれないと判断した場合には、規制ルールによってクライアント端末20が無線LANルータ10を介した通信を行える時間帯とされている時間帯であっても(あるいは、時間帯に基づく規制ルールがあるか否かにかかわらず、以下同様)、業務時間外としてその他のクライアント端末20の通信を禁止する制御を行う(インターネットルーティングの欄の値を0にする)。
この構成によれば、特定のクライアント端末20が、無線LANルータ10に近接しているか否かに応じた制御を行うことができる。引いては、特定のクライアント端末20を保持しているユーザ(例えば、上司等)が、無線LANルータ10に近接しているか否かに応じた制御を行うことができる。また、ユーザが誰と一緒にいるかによって、アクセス制御を行うことができる。
上司等のクライアント端末20が、無線LANルータ10の近くにある場合であっても、その上司がユーザ直属の上司等でなく、たまたま近くにいる別の部署の上司等である場合がある。そのような場合には、ユーザが業務中でない可能性もある。そのような場合を考慮して、以下の構成を取ることができる。
制御部13は、上司等が使用しているクライアント端末20を特定する情報と上司等の直属の部下のクライアント端末20を特定する情報とを対応付けて予め記憶しておく。例えば、クライアント端末20を特定する情報としてMACアドレス、あるいは電話番号を用いて、上記の対応付け(関連性)を無線LANルータ10が備えるデータベースで保持しておく。
制御部13は、自装置10に近接しているクライアント端末20に上司等が使用しているクライアント端末20が含まれていると判断した場合には、上記の対応付けの情報を参照して当該上司等の直属の部下のクライアント端末20に対してのみ、無線LANルータ10を介した通信を行う。即ち、直属の上司等のクライアント端末20がユーザのクライアント端末20の近くにある場合には、業務中と判定し通信を許可し、直属ではない上司等のクライアント端末20がユーザのクライアント端末20の近くにある場合には、業務中と判定せず通信を許可しないこととする。このようにすることで、より正確に業務中であるかを判定し、状況に応じてクライアント端末20に対して適切に通信を行わせることができる。
また、上司等のクライアント端末20が、無線LANルータ10の近傍に位置する場合でも、上司等が不在で業務中でない可能性がある。そのような場合を考慮して、以下の構成を取ることができる。
判断用情報取得部12は、自装置10に近接しているクライアント端末20の時系列の位置を示す情報を判断用情報として取得する。例えば、クライアント端末20の位置を示す情報は、上述したクライアント端末20のGPS測位機能によって得られたものである。また、この場合、時系列でのクライアント端末20の位置情報が必要となるため、例えば、一定時間毎(例えば、数分毎)にクライアント端末20から無線LANルータ10に対して送信される。また、判断用情報取得部12は、上記と同様に自装置10に近接しているクライアント端末20を特定する情報を判断用情報として取得する。
制御部13は、判断用情報取得部12によって取得されたクライアント端末20の時系列の位置情報に基づいて、クライアント端末20の移動状態を判断して、当該判断に応じて制御を行う。制御部13は、例えば、予め設定した特定のクライアント端末20(例えば、上司等のクライアント端末20)の時系列の位置情報に基づいて、予め設定した一定時間、クライアント端末20が全く移動しないか否か(一定時間、位置情報に変化がないか否か)を判断する。制御部13は、一定時間、特定のクライアント端末20が全く移動しないと判断した場合には、規制ルールによってクライアント端末20が無線LANルータ10を介した通信を行える時間帯とされている時間帯であっても、業務外である(上司等は不在であり、ユーザは業務中ではない)としてその他のクライアント端末20の通信を禁止する制御を行う(インターネットルーティングの欄の値を0にする)。
あるいは、制御部13は、一定時間の間に、特定のクライアント端末20が移動している判断した場合には、規制ルールによってクライアント端末20が無線LANルータ10を介した通信を行えない時間帯とされている時間帯であっても、業務中としてその他のクライアント端末20の通信を許可する制御を行う(インターネットルーティングの欄の値を1にする)。
この構成によれば、クライアント端末20の移動状態に応じた制御を行うことができる。引いては、クライアント端末20を保持しているユーザの移動状態に応じた制御を行うことができる。これにより、より正確に業務中であるかを判定し、状況に応じてクライアント端末20に対して適切に通信を行わせることができる。
また、上司等のクライアント端末20が、無線LANルータ10の近傍に位置する場合でも、当該上司等が業務外であったり、当該上司が仕事をさぼったりしていることが考えられる。即ち、当該上司等が悪い上司である可能性がある。そのような場合であっても、上司等の数が一定以上の場合は、(全員が悪い可能性は少ないため)業務中と判定し、ユーザのクライアント端末20の通信を許可することとしてもよい。例えば、以下の構成を取ることができる。
判断用情報取得部12は、上記と同様に自装置10に近接しているクライアント端末20を特定する情報を判断用情報として取得する。制御部13は、判断用情報取得部12によって取得されたクライアント端末20を特定する情報によって特定されるクライアント端末20のうち、予め設定されたクライアント端末20(例えば、上司等のクライアント端末20)の数に応じて制御を行う。例えば、制御部13は、その数と予め設定した閾値とを比較して制御を行う。
制御部13は、上司等のクライアント端末20の数が予め設定した閾値以上である判断した場合には、規制ルールによってクライアント端末20が無線LANルータ10を介した通信を行えない時間帯とされている時間帯であっても、業務中としてその他のクライアント端末20の通信を許可する制御を行う(インターネットルーティングの欄の値を1にする)。
あるいは、制御部13は、上司等のクライアント端末20の数が予め設定した閾値未満である判断した場合には、規制ルールによってクライアント端末20が無線LANルータ10を介した通信を行える時間帯とされている時間帯であっても、業務外としてその他のクライアント端末20の通信を禁止する制御を行う(インターネットルーティングの欄の値を0にする)。
この構成によれば、無線LANルータ10に近接している特定のクライアント端末20の数に応じた制御を行うことができる。引いては、特定のクライアント端末20を保持しているユーザの数に応じた制御を行うことができる。これにより、より正確に業務中であるかを判定し、状況に応じてクライアント端末20に対して適切に通信を行わせることができる。なお、クライアント端末20の数の判断は、上記に限られず、同じ時間に同じ場所に同僚が複数いるか否かによって行われてもよい。
また、上司等と一緒にいる場合であっても、ユーザ本人は仕事をしていない可能性がある。そのような場合を考慮して、以下の構成を取ることができる。
判断用情報取得部12は、中継部11を介したクライアント端末20のアクセス先を示す情報を判断用情報として取得する。例えば、アクセス先を示す情報は、インターネット30上のWebサイトのURL(Uniform Resource Locator)である。
制御部13は、判断用情報取得部12によって取得されたアクセス先を示す情報に応じて制御を行う。例えば、制御部13は、予め無線LANルータ10の管理者によって事前に登録された不適切なアクセス先(業務目的外のWebサイトのアクセス先)を示す情報を予め記憶しておき、クライアント端末20のアクセス先が当該不適切なアクセス先に一致しているか否かを判断して制御を行う。
制御部13は、クライアント端末20のアクセス先のうち、不適切なアクセス先である割合(確率)が予め設定した閾値以上である判断した場合には、規制ルールによって当該クライアント端末20が無線LANルータ10を介した通信を行える時間帯とされている時間帯であっても、業務外として当該クライアント端末20の通信を禁止する制御を行う(インターネットルーティングの欄の値を0にする)。
あるいは、制御部13は、クライアント端末20のアクセス先のうち、不適切なアクセス先である割合(確率)が予め設定した閾値未満である判断した場合には、規制ルールによって当該クライアント端末20が無線LANルータ10を介した通信を行えない時間帯とされている時間帯であっても、業務中として当該クライアント端末20の通信を許可する制御を行う(インターネットルーティングの欄の値を1にする)。
この構成によれば、クライアント端末のアクセス先に応じた制御を行うことができる。これにより、より正確に業務中であるかを判定し、状況に応じてクライアント端末20に対して適切に通信を行わせることができる。
また、上司等のクライアント端末20が、無線LANルータ10の近傍(無線LANルータ10から一定の距離以内)に位置する場合でも、上司等とユーザとが一定以上の距離がある場合もある。その場合は、上司等はユーザが業務をしているか確認できない。そのため、ユーザは上司の目を盗み、仕事をさぼったり、不正使用等をしたりしている可能性もある。そのような場合を考慮して、以下の構成を取ることができる。
判断用情報取得部12は、上記と同様に自装置10に近接しているクライアント端末20の位置を示す情報(例えば、GPSによる位置情報)及び当該クライアント端末20を特定する情報を判断用情報として取得する。また、この場合、判断用情報取得部12は、複数のクライアント端末20についての判断用情報を取得する。
制御部13は、判断用情報取得部12によって取得されたクライアント端末20の位置情報に基づいて特定される、複数のクライアント端末20間の位置関係に応じて制御を行う。例えば、制御部13は、クライアント端末20の位置情報に基づいてクライアント端末20間の距離を算出する。なお、制御部13は、どのクライアント端末20間の位置関係を制御に用いるかを予め記憶しておく。例えば、制御部13は、上司等のクライアント端末20と規制対象となるユーザのクライアント端末20との距離を算出する。制御部13は、その距離と予め設定した閾値とを比較して制御を行う。
制御部13は、距離が予め設定した閾値以上である判断した場合には、規制ルールによって規制対象のクライアント端末20が無線LANルータ10を介した通信を行える時間帯とされている時間帯であっても、業務外として規制対象のクライアント端末20の通信を禁止する制御を行う(インターネットルーティングの欄の値を0にする)。また、制御部13は、時系列のクライアント端末20の位置情報に基づき、予め設定した一定時間以上、上司等のクライアント端末20とユーザのクライアント端末20の距離が予め設定した閾値以上である場合に、上記の制御を行うこととしてもよい。
あるいは、制御部13は、距離が予め設定した閾値未満である判断した場合には、規制ルールによって規制対象のクライアント端末20が無線LANルータ10を介した通信を行えない時間帯とされている時間帯であっても、業務中として規制対象のクライアント端末20の通信を許可する制御を行う(インターネットルーティングの欄の値を1にする)。
この構成によれば、例えば、上記のようにクライアント端末20間の距離といった位置関係に応じた制御を行うことができる。引いては、クライアント端末20を保持しているユーザ間の位置関係に応じた制御を行うことができる。これにより、より正確に業務中であるかを判定し、状況に応じてクライアント端末20に対して適切に通信を行わせることができる。
上記のように制御の判断を行うことで、実質的に制御を行う時間帯をフレキシブルに自動決定することができる。なお、上記に記載した構成は、互いに矛盾しない限り、組み合わせることとしてもよい。