JP6309734B2 - 生体分子計測装置 - Google Patents

生体分子計測装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6309734B2
JP6309734B2 JP2013209073A JP2013209073A JP6309734B2 JP 6309734 B2 JP6309734 B2 JP 6309734B2 JP 2013209073 A JP2013209073 A JP 2013209073A JP 2013209073 A JP2013209073 A JP 2013209073A JP 6309734 B2 JP6309734 B2 JP 6309734B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
isfet
mosfet
measuring device
biomolecule
cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013209073A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015072240A5 (ja
JP2015072240A (ja
Inventor
河原 尊之
尊之 河原
善光 柳川
善光 柳川
板橋 直志
直志 板橋
竹村 理一郎
理一郎 竹村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi High Tech Corp
Original Assignee
Hitachi High Technologies Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi High Technologies Corp filed Critical Hitachi High Technologies Corp
Priority to JP2013209073A priority Critical patent/JP6309734B2/ja
Priority to CN201480054573.0A priority patent/CN105593675B/zh
Priority to PCT/JP2014/076446 priority patent/WO2015050225A1/ja
Priority to GB1605558.4A priority patent/GB2534318B/en
Priority to US15/026,657 priority patent/US10481125B2/en
Publication of JP2015072240A publication Critical patent/JP2015072240A/ja
Publication of JP2015072240A5 publication Critical patent/JP2015072240A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6309734B2 publication Critical patent/JP6309734B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/403Cells and electrode assemblies
    • G01N27/414Ion-sensitive or chemical field-effect transistors, i.e. ISFETS or CHEMFETS
    • G01N27/4145Ion-sensitive or chemical field-effect transistors, i.e. ISFETS or CHEMFETS specially adapted for biomolecules, e.g. gate electrode with immobilised receptors
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/403Cells and electrode assemblies
    • G01N27/414Ion-sensitive or chemical field-effect transistors, i.e. ISFETS or CHEMFETS
    • G01N27/4148Integrated circuits therefor, e.g. fabricated by CMOS processing

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)

Description

本発明は、生体分子計測装置に関し、特に半導体技術を用いた生体分子計測装置に関する。
近年、半導体技術を用いた生体分子計測装置が注目されている。特許文献1には、半導体技術で製造したpHセンサアレイ(半導体センサ)によって、デオキシリボ核酸(DNA)の塩基配列を低コスト、高速に決定するDNAシーケンサが記載されている。半導体センサは、対象とする生体分子試料と試薬との反応を電気信号の強弱で定量化することができる。そのため、従来のような高価な蛍光試薬が不要で、コスト面で有利である。また、半導体の微細加工技術によって数百万から数億のセンサを、1個の半導体基板に集積可能で、並列に測定できるため、測定のスループットも向上しやすい。
生体分子計測装置の分野で特に良く用いられる半導体センサの一つは、イオン感応性電界効果トランジスタ(Ion Sensitive Field Effect Transistor:以下、ISFETと称する)である。ISFETとは、イオン感応膜上に誘起される界面電位を測定するデバイスである。
特許文献1では、ISFETを用いることによって、試薬によるDNAの伸長反応によって発生する水素イオン濃度の変化を測定している。DNAを構成する塩基には4種類があるが、その特定の塩基でのみ反応し水素イオンを発生する試薬を用いることで、水素イオン濃度変化から塩基の種類を特定することが可能となる。ここで、4種類の塩基とは、アデニン、チミン、シトシン、グアニンである。
水素イオン濃度の変化による理論上の電圧変化は、理論的にはネルンストの式と呼ばれる式から求めることができる。例えば、25℃において、電圧変化は、おおよそ59mV/pHである。この変化(変動)が、ISFETのゲート電圧に変化を与え、ISFETの出力電流が変化する。実際には、水素イオン濃度の変動に対する電圧変動は、理論値より低く、pHあたり数10mV程度となる。上記DNAの伸長反応によって発生する水素イオン濃度の変化は、反応を起させるDNA鎖の数と反応を起させる空間の大きさや試薬にもよるが、pHの変化では0.1程度である。そのため、ISFETの出力信号の変化は極めて小さい。
これを解決するために、ISFETの高感度化が検討されている。この例として特許文献2に記載されている技術がある。特許文献2においては、多数のISFETが、アレイ状に配置されており、その図75Fには、水素イオンの濃度変化を検出する単位セルが、75F1として示されている。この単位セル75F1は、高感度化の機能を備えている。図75Fにおいて、ISFETとして示されている部分が、ISFETの回路表現であり、ISFETは、イオン感応膜(部分)75F6と、これがゲートに接続されたMOSFET(トランジスタ)75F2とから構成されている。同図において、75F3はバイアス電流を与えるMOSFETであり、75F4は出力信号線75F7(Column Bus)と接続するためのMOSFETである。また、同図において、Row Selectは、単位セル75F1を選択する信号線である。
この特許文献2においては、ISFETの高感度化はMOSFET75F5によってなされる。すなわち、MOSFET75F2の出力はMOSFET75F5のゲートに入力されている。水素イオン濃度の変化によって、MOSFET75F2とイオン感応膜75F6で構成されたところのISFETのゲート電圧が変化する。この変化により、ISFETの出力電流が変化する。この変化は、MOSFET75F5で一旦増幅される。すなわち、水素イオン濃度の変化によるISFET出力電流の小さな変化は増幅される。増幅された後、MOSFET75F4を介して出力信号線75F7に出力される。これにより、ISFETの高感度化を図る様にしている。
一方、ISFETのデバイス中に、測定対象のイオンに由来する以外の電荷が存在すると、これは測定誤差の要因となる。一般に、半導体プロセスでは、デバイスの製造時にプラズマによる加工やイオン注入を行うため、デバイス中に電荷が蓄積されやすいという課題がある。係る課題に関連して、非特許文献1には、特に、イオン感応膜、保護膜、電極の界面や、フローティング電極、ゲート酸化膜に電荷が蓄積されることが記載されている。非特許文献1には、こうした電荷の蓄積により、ISFETのしきい値電圧が±10V程度オフセットすることが記載されている。
この様なオフセットが存在すると、特許文献2の図75Fに示されている様な構成では、オフセットもそのまま増幅されてしまうことになる。
この様なオフセットを取り除く従来技術として、紫外線を照射することで電荷にエネルギーを与えてデバイス外部へと抜き出す方法が、特許文献1に記載されている。また、紫外線の照射は、例えば10時間など、長時間行う必要があることが、非特許文献2に記載されている。また別の方法として、ホットエレクトロン注入により、捕獲電荷によるしきい値電圧の変化を低減できる旨が、非特許文献3に記載されている。
特表2010−513869号公報 米国特許出願公開第2010/0301398A1号公報
ISFETの高感度化を図るために、増幅作用のあるMOSFETを挿入すると、ISFETの大きなオフセットも増幅してしまう。このため、本来の水素イオン濃度の変化(PHの変化)を検出することが困難となってしまう。また、紫外線を照射することにより、電荷を放出する技術においては、紫外線を長時間照射することが必要であり、試料である生体分子を破壊する恐れもある。非特許文献3では、オフセットを低減する方法に関し、単体ISFETへのホットエレクトロン注入については検討されている。しかしながら、特に複数のISFETをアレイ状に配置した生体分子測定装置に好適な方法については何ら検討がなされていない。
本発明の目的は、複数のISFETを有し、高感度な生体分子計測装置を提供することである。
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
すなわち、生体分子計測装置には、生体分子試料と試薬との反応により発生するイオンを検知する半導体センサが設置される。当該半導体センサは、半導体基板において、アレイ状に配置され、それぞれがイオンを検知する複数のセルと、アレイに配置された複数の読み出し線とを有している。アレイ状に配置された複数のセルのそれぞれは、フローティングゲートを有し、イオンの濃度の変化を検知するISFETと、ISFETの出力を受けるゲートを有し、ISFETの出力を増幅する第1のMOSFETと、第1のMOSFETの出力を、複数の読み出し線の内の対応する読み出し線に、選択的に伝達する第2のMOSFETとを含んでいる。さらに、複数のセルのそれぞれは、ISFETに接続され、ISFETにおいてホットエレクトロン(ホットキャリア)を発生させ、電荷をISFETのフローティングゲートに注入させる第3のMOSFETを具備している。ここで、第2のMOSFETと第3のMOSFETとは、別々に制御されることができる。
第2のMOSFETを制御することにより、第1のMOSFETにより増幅されたISFETの出力を読み出すことができる。例えば、読み出した出力に基づいて、第3のMOSFETを制御する。第3のMOSFETを制御することによって、ISFETにおいてホットエレクトロン(ホットキャリア)が発生され、発生した電荷をISFETのフローティングゲートに注入させることができる。これにより、読み出した出力に基づいて、ISFETのしきい値電圧を設定することが可能となる。この様にして、アレイ状に配置された複数のセルのそれぞれにおけるISFETのしきい値電圧を設定することにより、製造時等において蓄積された電荷によって生じたしきい値電圧の変動を、複数のISFET間で低減することが可能となり、高感度な生体分子計測装置を得ることが可能となる。
一実施の形態においては、生体分子計測装置は、複数のセルのそれぞれにおけるISFETのフローティングゲートから、半導体基板へトンネル電流を流させる第1動作モードを有する。第1動作モードを実行することにより、複数のISFETのそれぞれのしきい値電圧は、所定の方向(高い方向あるいは低い方向)へ変化する。これにより、複数のISFETのしきい値電圧を揃えることが可能となる。
また、一実施の形態においては、生体分子計測装置は、第3のMOSFETを制御して、ISFETのフローティングゲートへ電荷を注入する動作と、第2のMOSFETを制御して、ISFETの出力を、読み出し線へ伝達し、ISFETのしきい値電圧が所定の範囲にあるか否かを判定する動作とを交互に行わせ、複数のセルのそれぞれにおけるISFETのしきい値電圧が、所定の範囲に納まる様にする。
さらに、一実施の形態においては、ISFETのフローティングゲートへ電荷を注入する動作の前に、前記した第1動作モードが実行される。これにより、複数のISFETのそれぞれのしきい値電圧を、所定の方向へ変化させた後、それぞれのISFETのしきい値電圧が所定の範囲に納まる様に制御されるため、より正確に、各ISFETのしきい値電圧を所定の範囲に納めることが可能となる。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
高感度な生体分子計測装置を提供することができる。
実施の形態1に係わるセルの構成を示す回路図である。 (A)および(B)は、オフセットをキャンセルする仕組みを説明するための模式図である。 (A)〜(G)は、実施の形態1の動作を示す波形図である。 (A)〜(E)は、実施の形態1の他の動作を示す波形図である。 実施の形態2に係わる半導体センサの構成を示す回路図である。 生体分子計測装置の構成を示すブロック図である。 半導体センサの模式的な断面図である。 半導体センサの断面図である。 半導体センサの平面図である。 半導体センサの平面図である。 半導体センサの平面図である。 半導体センサの平面図である。 実施の形態3に係わる半導体センサの回路図である。 実施の形態4に係わる半導体センサの回路を示す回路図である。 実施の形態5に係わる半導体センサの模式的な断面図である。 生体分子計測装置の構成を示すブロック図である。 (A)および(B)は、生体分子計測装置の動作を説明する波形図である。 生体分子計測装置の動作を説明する波形図である。 実施の形態6に係わるセルの構成を示す回路図である。 セルの構成を示す回路図である。 生体分子計測装置の動作を説明する波形図である。 実施の形態7に係わる半導体センサの構成を示す回路図である。 (A)および(B)は、生体分子計測装置のデータ処理部分の機能を示す図である。 生体分子計測装置のデータ処理部分の構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部分には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は、原則として省略する。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。また、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことはいうまでもない。
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
(実施の形態1)
半導体センサは、1個の半導体基板に半導体技術で製造される。すなわち、半導体センサは、半導体技術で1個の半導体基板に形成され、半導体基板においてアレイ状に配置された複数のセルを有する。生体分子測定装置には、例えば、後で図6を用いて説明するが、半導体センサが設置される。
本実施の形態においては、アレイ状に配置された複数のセルのそれぞれは、セルの高感度化を図るために、ISFETと、増幅作用のあるトランジスタを備え、更に、ISFETのオフセットを低減する動作が可能なトランジスタと、この動作に必要な信号線とを備える。以下、複数の実施の形態を説明するが、以下の説明では、トランジスタとして、半導体基板に形成されたNチャンネル型電界効果トランジスタ(MOSFET)を用いるものとする。勿論、Nチャンネル型MOSFETは、一例であり、種々のトランジスタを用いることが可能である。
図1は、本実施の形態に係わるセルの構成を示す回路図である。同図には、アレイ状に配置された複数のセルのうちの1個のセルC11の構成が示されている。アレイ状に配置された複数のセルは、互いに同じ構成にされている。
図1において、M1〜M3のそれぞれは、MOSFETである。セルC11は、ISFETと、第1のMOSFETM2と、第2のMOSFETM3と、第3のMOSFETM1とを含んでいる。ISFETは、フローティングゲートを有するMOSFETMSとイオン感応膜100とを有している。ISFETのデバイス構造は、後で図2の(A)および(B)を用いて一例を説明するが、ISFETのイオン感応膜100は、溶液に浸される。また、ISFETに設けられているMOSFETMSは、フローティングゲートを有するMOSFETとして動作する。
MOSFETMSのドレイン電極(端子)には、動作に応じた電圧がバイアス電圧VBiasとして印加され、MOSFETMSのソース電極(端子)は、ノードN1に接続されている。MOSFETMSのバックゲート(この例では、半導体基板)には、制御電圧VBがバックバイアス電圧として印加される。この制御電圧VBは、セルC11内の他のMOSFETM1〜M3のバックゲートに印加されるバックバイアス電圧とは独立にしてもよいし、共通にしてもよい。図1には、MOSFETM1のバックゲートにも制御電圧VBが印加されている例が示されている。なお、独立に印加する場合は、半導体技術では良く知られているように、電気的に他のMOSFETと絶縁するために電気極性の異なる半導体領域を設けて形成する。
MOSFETMSのソース電極が接続されたノードN1は、MOSFETM1とM2とに接続している。この構成に、本実施の形態の一つの特徴がある。すなわち、ISFET内のMOSFETMSのソース電極(ノードN1)は、第3のMOSFETM1のドレイン電極に接続されている。また、第3のMOSFETM1のゲートはオフセットキャンセル信号線WC1に接続され、オフセットキャンセル信号線WC1によって駆動される。この構成によって、後述するように、ISFET内のMOSFETMSのオフセットを低減することができる。ここで、ISFET内のMOSFETMSのオフセット、言い換えればISFETのオフセットは、例えば製造時に蓄積された電荷によって生じる。半導体基板の位置によって、蓄積される電荷量が異なるため、MOSFETMSのしきい値電圧は、アレイ状に配置されたセル毎に異なる値となって現れる。
本実施の形態においては、これを調整して、それぞれのMOSFETMS(ISFET)のしきい値電圧を同じ値に近づけることが可能となる。つまり、セル毎に、しきい値電圧に対して異なる変化量を与えることが可能となる。また、ISFET内のMOSFETMSのバックゲートに対して印加される制御電圧VBを所定の値とし、イオン感応膜100が浸される溶液に対して負電圧を制御電圧VRとして印加することにより、MOSFETM1を用いて、MOSFETMSへ与えるしきい値電圧の変化方向とは逆の方向へ変化させることもできる。
本実施の形態の更なる特徴として、MOSFETMSのソース電極(ノードN1)は、第1のMOSFETM2のゲートにも接続されている。このMOSFETM2の一方の電極(ソース電極またはドレイン電極)は、そのゲートが読み出し信号線WR1に接続され、読み出し信号線WR1で制御される第2のMOSFETM3を介して、読み出し線R1に接続される。これによって、MOSFETMSにより、それに接続されたところのイオン感応膜100で検知した信号変化は、MOSFETM2で増幅される。増幅された信号は、選択的にMOSFETM3によって、読み出し線に伝達されることになる。この選択的な伝達動作は、MOSFETM3が読み出し信号線WR1によって、MOSFETM1とは独立に制御される。すなわち、前述のMOSFETM1によるMOSFETMS(ISFET)のしきい値電圧を変える動作と伝達動作とを独立に制御できる。この点も、本実施の形態の一つの特徴である。この特徴により、MOSFETMSのしきい値電圧を所望の値に設定した後、MOSFETMSからの信号を増幅して出力できる。これによって高感度化を実現できる。
例えば特許文献2に示されている技術では、MOSFETMSからの信号を増幅することはできたが、MOSFETMSの信号そのものがオフセットを持つため、イオン感応膜で検知した信号を高感度に取り出すことが難しかった。読み出し線R1はセンスアンプSAの一方の入力に接続される。センスアンプSAは、他方の入力に印加されているレファレンス電圧Vrefと一方の入力に接続されている読み出し線R1との間の電圧差を増幅し、その結果をOUTに出力する。
なお、図1から理解される様に、MOSFETM2の他方の電極(ドレイン電極またはソース電極)は、電源電圧Vdに接続され、MOSFETM2の一方の電極(ソース電極またはドレイン電極)は、MOSFETM3の他方の電極(ドレイン電極またはソース電極)に接続されている。また、MOSFETM3の一方の電極(ソース電極またはドレイン電極)は、対応する読み出し線R1に接続されている。言い換えるならば、MOSFETM2とM3は、電源電圧Vdと読み出し線R1との間に直列に接続されている。
更に、MOSFETM1の他方の電極(ドレイン電極またはソース電極)は、MOSFETMSのソース電極(ノードN1)に接続され、MOSFETM1の一方の電極(ソース電極またはドレイン電極)は、回路の接地電圧Vsに接続されている。言い換えるならば、バイアス電圧VBiasと回路の接地電圧Vsとの間で、MOSFETMS(ISFET)とMOSFETM1とは直列に接続されている。MOSFETM1が、ISFET内のMOSFETMSと直列に接続されていることにより、このMOSFETM1をオン状態としたとき、MOSFETMSのソース電極(ノードN1)は、回路の接地電圧Vsとなる。これにより、MOSFETMSは、バイアス電圧VBiasとノードN1との間に電流を流すチャンネルを形成することが可能となる。
本実施の形態によれば、アレイ状に配置したISFETを含む各セルの高感度化を実現できる。
図2の(A)および(B)は、オフセットをキャンセルする仕組みを説明するための模式図である。すなわち、図2の(A)および(B)には、MOSFETMS、M1と、これらを動作させるのに必要な信号線とによって、MOSFETMSのしきい値電圧を変化させることが示されている。図2の(A)および(B)には、図1に示したセルC11を構成する素子のうち、MOSFETMSとMOSFETM1の模式的な断面が示されている。図2の(A)と(B)において、示されているMOSFETMS、M1の構造は共に同じである。
図2の(A)において、ISFETは、MOSFETMSとそれに接続されたイオン感応膜100とを有している。この実施の形態においては、感応膜100は、絶縁膜209を介してMOSFETMSのフローティングゲート203に接続さている。図2の(A)において、200は、半導体センサの上に設置されるフローセルである。フローセル200は、溶液201によって満たされる。溶液201としては、例えば生体分子試料と試薬とが混合した溶液である。また、フローセル200には、参照電極202が設けられており、参照電極202には、参照用の制御電圧VRが印加される。
同図において、上側に示された溶液201に、ISFETのイオン感応膜100部分が浸されており、絶縁膜209を介して、フローティング電極203をそのゲート電極としたMOSFETMSが形成されている。MOSFETMSは、一方の電極に対応するソース領域を形成する半導体領域205と、他方の電極に対応するドレイン領域を形成する半導体領域204とを有しており、これらに半導体領域204および205は、半導体基板208に形成されている。また、この半導体基板208の上側であって、前記した半導体領域204と205との間に、MOSFETMSのゲート電極が配置されている。
このMOSFETMSと直列に接続される様に、MOSFETM1が配置されている。この実施の形態においては、MOSFETM1は、半導体基板208に形成された半導体領域205が、その他方の電極に対応する半導体領域(ドレイン領域)とされ、同じく半導体基板208に形成された半導体領域206が、その一方の電極に対応する半導体領域(ソース領域)とされている。また、半導体基板208の上側であって、半導体領域205と206の間に配置されたゲート電極を、MOSFETM1は有している。特に制限されないが、上記半導体領域205は、MOSFETMSのソース領域とMOSFETM1のドレイン領域として機能する。この様に、この実施の形態においては、MOSFETMSとM1の半導体基板208は共通となっており、この半導体基板208は、MOSFETMS、M1のバックゲートとしても機能し、バイアス電圧VBが印加される。なお、上記したMOSFETM2およびM3も、上記したMOSFETM1と同様にして、半導体基板208に形成されている。
なお、先に述べたように、本明細書においては、MOSFETとしてNチャンネル型MOSFETを用いる場合を説明している。従って、図2の(A)において、半導体基板208は、P型の半導体であり、半導体領域204〜206は、N型の半導体である。また、ソース/ドレインと言う表現は電位により変わるため、本明細書において、ソース/ドレインの表現は一例であると理解して頂きたい。
この構造において、制御電圧VBとVRの組み合わせにより、2つの動作が可能となる。図2の(A)の動作では、例えば回路の接地電圧Vs(0V)が制御電圧VBとして半導体基板208に印加される。この場合、負の電圧(例えば−5V)が制御電圧VRとして、参照電極202に印加される。このとき、MOSFETMSおよびM1のそれぞれのソース(ソース電強)とドレイン(ドレイン電極)、およびMOSFETM1のゲートには、例えば回路の接地電圧Vs(0V)が印加される。この状態では、フローセル200における溶液201が、参照電極202に印加されている負の制御電圧VRにより、負電位となる。一方、半導体基板208には接地電圧Vsが印加されているため、半導体基板208の電位は、フローセル200における溶液201の電位よりも高くなる。これにより、MOSFETMSのフローティング電極203と半導体基板208の間に、フローティングゲート203に蓄積されている負電荷を半導体基板208側へ引き寄せる様な電位差が発生する。
参照電極202に印加される制御電圧VRの値が、例えば−5Vと充分に大きければ、フローティング電極203に蓄積されている負電荷は半導体基板208側に引き抜かれる。同図には示されていないが、フローティング電極203と半導体基板208との間には絶縁膜があるが、トンネル電流が流れるため、トンネル電流として負電荷は半導体基板208へ引き抜かれる。これによって、前述した理由で、フローティングゲート203に捕獲(蓄積)された余分な負電荷を引き抜く動作が実現できる。
図2の(B)の動作では、制御電圧VBは、例えば回路の接地電圧Vs(0V)にされ、制御電圧VRは、例えば正の所望の電圧にされる。また、MOSFETMSのドレイン(図1のバイアス電圧VBias)には、例えば5Vを印加し、MOSFETM1のゲートにも同様な電圧(5V)を印加する。さらに、MOSFETM1のソースは、例えば接地電圧Vs(0V)にする。制御電圧VRを所望の電圧にすることにより、MOSFETMSおよびM1において共通の半導体領域205を介して、MOSFETMSのドレイン(ドレイン領域204)から、MOSFETM1のソース(ソース領域206)へ電流(グラウンド電流)が流れる。このとき、このグラウンド電流の一部が、ホットエレクトロンとしてフローティング電極203に注入される。ホットエレクトロンがフローティングゲート203に注入されることにより、MOSFETMSのしきい値電圧が変わる。この様に、図2の(B)は、負電荷を引き抜いた図2の(A)の動作とは逆であり、しきい値電圧が変化する方向も図2の(A)とは逆の方向にできる。
この様に、本実施の形態では、MOSFETMS、M1と、これらを動作させるのに必要な信号線によって、MOSFETMSのしきい値電圧を、所望の方向へ変化させることができる。すなわち、電荷の蓄積により生じるMOSFETMSのオフセットをキャンセルすることが可能となる。
図3の(A)〜(G)は、図1に示したセルC11の構成において、図2の(B)に示した動作を行うときの動作波形図である。同図において、横軸は時間を示している。また、それぞれの波形において、縦軸は電圧を示している。この説明では、溶液201(図2の(B))として、調整用の適当なpHの溶液を用いている。勿論、実際の測定動作に用いる洗浄液や酵素を溶かし込むことに用いる溶媒でも良い。
以下に述べる動作によれば、セル毎にMOSFETMS(ISFET)のしきい値電圧の変化の大きさを変えることができる。これによって、例えば製造時の電荷蓄積によって、各セルのMOSFETMSが異なるしきい値電圧、つまりオフセットを持ってしまったり、或いは、動作を続けている内に異なってきたりしても、同じしきい値電圧に揃えることが可能となる。これによって、それぞれ、ISFETを含み、増幅機能を備えた複数のセルから、高感度なアレイとしての信号を得ることができる。例を挙げて後で説明するが、ひとつの測定の過程で、例えば試薬の温度が変えられる。この温度を変える前にしきい値電圧を変化させて、温度を変えた後の信号をより高感度に得ることもできる。
図3において、まず、制御電圧VRに所望の信号電圧VRWを印加する。すなわち、制御電圧VRの値をVRWにする。この状態で、MOSFETM1のゲートに接続されているオフセットキャンセル信号線WC1に信号電圧VCM(図2の(B)では5V)を印加する。一方、バイアス電圧VBiasには、電圧VBW(図2の(B)では5V)を印加する。これによって、MOSFETMSおよびM1がオン状態となる。この状態では、図2の(B)で説明した様に、MOSFETMSにおいて、ホットエレクトロンが発生し、発生したホットエレクトロンの一部が、フローティングゲート203に注入される。これにより、図3において、「MS:しきい値変更」と記載している期間、すなわち、オフセットキャンセル信号線WC1がハイレベル(VCM)にされている期間において、MOSFETMSのしきい値電圧が変更される。
その後、本実施の形態では、ISFET(MOSFETMS)の信号の読み出しを行う。信号の読み出しを行う場合、制御電圧VRおよびバイアス電圧VBiasには、それぞれ、VRRおよびVBRの信号電圧を与える。信号電圧VRRおよびVBRのそれぞれの電圧値は、上記した電圧VRWおよびVBWよりも低い値にされる。また、読み出しを行うため、ここでは、MOSFETM2およびM3を動作させる。そのために、MOSFETM3の制御を行う読み出し信号線WR1に、信号電圧VRMを与える。これによって、MOSFETMSのこの時のしきい値の状態に応じた信号が、読み出し線R1に読み出される(伝達する)。読み出し線R1の電圧と、予め、定めたレファレンス電圧Vrefとの比較をセンスアンプSAで行い、所定の範囲になったか否かを判定し、OUTへ出力する。これを、本願明細書においては、ベリファイ動作と呼ぶ。
ベリファイ動作の判定において、所定に範囲にあると判定した場合には、MOSFETMS(ISFET)のしきい値電圧は、所定の範囲に納まっているものとする。一方、この判定において、所定に範囲に納まっていないと判定した場合には、MOSFETMS(ISFET)のしきい値電圧は、所定の範囲に納まっていないものとする。そして、MOSFETMS(ISFET)のしきい値電圧が所定の範囲に納まっていれば、MOSFETMSのしきい値電圧を変化させる動作は、行わず終了となる。一方、MOSFETMSのしきい値電圧が所定の範囲に納まっていないと判定した場合には、図3に示した「MS:しきい値変更」期間の動作を繰り返す。
アレイ状に配置された複数のセルのそれぞれに対して、しきい値変更の動作と、MOSFETMSのしきい値を読み出すベリファイ動作(図3では「MS:しきい値ベリファイ」期間の動作)とを交互に1回あるいは複数回実行する。この場合、「しきい値ベリファイ動作」期間において、ISFETのしきい値電圧が所定の範囲に納まっているか否に従って、しきい値変更の動作としきい値ベリファイの動作を繰り返すか否かを定める。これによって、アレイ状に配置した各セルのISFETのしきい値電圧をほぼ同じに揃えることができる。
なお、図3の(D)において、「MS:しきい値ベリファイ」の期間、オフセットキャンセル信号線WC1は、ロウレベルになっているが、この期間においては、オフセットキャンセル信号線WC1に所定の信号電圧を印加する様にしてもよい。この様にすることにより、この期間において、MOSFETM1をバイアス電流が流れることになり、ノードN1(図1)に最適な電圧を発生させることが可能となる。また、図3の(G)には、センスアンプSAの出力OUTの例示として、MOSFETMSのしきい値電圧を変更する場合と変更不要の場合が、「MS:再印加必要」と「MS:変更終了」として示されている。
図4の(A)〜(E)は、図1に示したセルC11において、図2の(A)で説明した動作(第1動作モード)を行うときの波形図である。この動作モードにおいては、参照電極202に、その電圧値として、負電圧である信号電圧VRTを有する制御電圧VRが与えられる。これによって、図2の(A)で説明したようにフローティングゲート203から半導体基板208に負電荷を引き抜くことができる。なお、図4の(A)において、半導体基板208に印加される制御電圧VBは、ロウレベルとなっているが、一点破線で示されている様に、この動作の期間は、ハイレベルにしてもよい。
図4に示した動作(図2の(A))は、例えば、図3の動作を行う前に、アレイ状に配置された複数のセルに対して一括して行い、全てのセルのMOSFETMSのしきい値電圧をひとつの方向に大きく動かす様にすることが望ましい。図4に示した動作を行った後、図3に示した動作を行う様にすれば、一括してしきい値電圧を移動させた後、この方向とは逆の方向に各セルのしきい値を必要な値だけ変化させることができる。これによって、広い範囲で、アレイ状に配置した各セルのISFETのしきい値電圧が異なっていてもほぼ同じ値に揃えることが可能となる。
なお、図3の(B)に示した制御電圧VBおよび図4に示したバイアス電圧VBiasのそれぞれは、例えば接地電圧Vsである。
(実施の形態2)
図5は、実施の形態2に係わる半導体センサの構成を示す回路図である。半導体センサは、アレイ状に配置された複数のセルを有する。図5には、アレイ状に配置された複数のセルのうち、2行、2列のセルが、代表として示されている。また、同図には、アレイに配置される信号線WR1、WR2、WC1、WC2および読み出し線R1、R2も示されている。
同図において、C11、C12、C21、C22は、アレイにおいて2行、2列に配置されたセルである。セルC11、C12、C21、C22は、互いに同じ構成にされており、それぞれの構成は、図1で説明したセルC11と同じ構成を有している。アレイには、複数の信号配線WR1、WR2、WC1、WC2と、読み出し線R1、R2が配置されている。アレイ状に配置された複数のセルにおいて、同じ行に配置された複数のセルC11、C12(C21、C22)には、複数の信号線のうち、その行に対応した読み出し信号線WR1と、オフセットキャンセル信号線WC1(WR2、WC2)が接続されている。また、アレイ状に配置された複数のセルにおいて、同じ列に配置された複数のセルC11、C21(C12、C22)には、複数の読み出し線のうち、その列に対応した読み出し線R1(R2)が接続されている。また、各読み出し線R1、R2には、対応するセンスアンプSA1、SA2が接続されている。各セルと信号線および読み出し線との接続は、図1と同じである。
各セルC11、C12、C21、C22のそれぞれにおけるMOSFETMSのしきい値電圧を変更する動作は、先に図2〜図4を用いて説明した動作と同じである。
この実施の形態においては、アレイを構成する複数のセルC11、C12、C21、C22に対して、一括して、図4に示した動作を行う。これにより、セルのそれぞれにおけるMOSFETMSのしきい値電圧は、一方向へ移動する。その後、例えば、アレイの行毎に、図3に示した動作を行う。すなわち、図5では、同じ行に配置されたセルC11、C12(C21、C22)に対して、図3に示した動作を行う。この様にして、行単位で、セルのしきい値電圧が、所望の値になる様に制御される。この場合、同じ行に配置されたセルにおいても、MOSFETMSのフローティングゲート203に蓄積されている電荷量が異なることが考えられる。そのため、同じ行に配置されたセル間においても、図3に示した動作が実行される繰り返し回数が変わることがある。また、列毎に、センスアンプSAが異なるため、この様に行単位で図3に示した動作を行うことができ、しきい値電圧を所定の範囲に納める動作の高速化を図ることが可能となる。
この様にして、例え巨大なセル数のアレイであっても、各セルのISFET(MOSFETMS)のしきい値電圧をほぼ等しく揃えることができ、各セルに備えた増幅用のMOSFETM2によって高感度に信号を取得することができる。
例えば、図3に示した動作で、各セルのMOSFETMSのしきい値電圧を所定の範囲に納めた後、生体分子の計測が行われる。すなわち、試薬によるDNAの伸長反応によって発生する水素イオン濃度の変化の検出が、アレイに配置された複数のセルにより行われる。この測定においては、センスアンプSA1、SA2の出力OUT1、OUT2が、水素イオン濃度の変化を示す信号となる。そのため、複数個のセル(行単位)で並列的に、水素イン濃度の変化を測定することが可能となる。なお、測定の途中で、しきい値電圧を変更する動作を行っても勿論よい。
<生体分子計測装置の構成>
図6は、生体分子計測装置全体の構成を示すブロック図である。測定対象の生体分子試料は、実際には後で示すようにビーズに付着され、半導体センサ(ISFETアレイチップ)1002上に装填されたフローセル200(図2の(A)および(B))に充填される。
半導体センサ(ISFETアレイチップ)1002は、ISFETアレイ304、選択回路305、読み出し回路309および制御回路315を具備しており、これらは、半導体技術によって、1個の半導体基板に形成されている。ISFETアレイ304は、図5で述べたアレイを有している。選択回路305は、読み出し信号線WR1、WR2およびオフセットキャンセル信号線WC1、WC2の電圧を制御して、ISFETアレイ304から、複数のセルを選択する。例えば、読み出し信号線WR1をハイレベルにし、残りの読み出し信号線WR2をロウレベルにして、この読み出し信号線WR1に接続された複数のセルC11、C12を選択する。選択されたセルからの信号は読み出し線R1、R2により、読み出し回路309に伝えられる。
制御回路315は、図3および図4において説明した動作を行うために、読み出し回路309からの出力を受け、選択回路305およびVR・VB形成回路600を制御する。
先ず、図4に示した動作の制御においては、全てのセルのしきい値電圧を一括に変更するために、選択回路305に対して、全ての読み出し信号線WR1、WR2と全てのオフセットキャンセル信号線WC1、WC2をロウレベルにすることを指示する。また、このとき、制御回路315は、制御電圧VBおよびVRを形成するVR・VB形成回路600に対して、図4に示した電圧VR、VBを形成させ、フローセル200に設けられた参照電極202および半導体基板208へ印加させる。
さらに、制御回路315は、図4に示した動作を実行した後、選択回路305に対して、ISFETアレイ304におけるオフセットキャンセル信号線WC1、WC2を、例えば順次選択する様に指示をする。このとき、選択されたセルにおけるMOSFETMSのしきい値電圧を変更する様に、図3に示した様な制御電圧VB、VRおよびバイアス電圧VBiasを形成し、参照電極202、半導体基板208および各セルへ供給する様に、VR・VB形成回路600へ指示する。なお、図6では、図面が複雑になるのを避けるために、VR・VB形成回路600からISFETアレイ304に供給されるバイアス電圧VBiasは図示されていないが、この実施の形態においては、バイアス電圧VBiasもVR・VB形成回路600により形成される。
制御回路315は、ISFET304において、オフセットキャンセル信号線WC1に接続されたセルに対するしきい値電圧の変更を実施した後、図3において説明したベリファイ動作(MS:しきい値ベリファイの動作)を実行し、その結果を読み出し回路309から受け取る。受け取った結果に従って、図3において説明した様に、再度しきい値電圧を変更するセルに対しては、そのセルに対応するオフセットキャンセル信号線を選択レベルにして、しきい値電圧の変更の動作を行う様に、選択回路305およびVR・VB形成回路600を制御する。このとき、再度しきい値電圧の変更が必要でないセルに対しては、しきい値電圧の変更動作を行わない。また、読み出し回路309から受け取った結果が、選択されたセルの全てが、しきい値電圧の変更を必要でないことを示す場合は、上記した様に次のオフセットキャンセル信号線WC2を選択し、同様の動作を繰り返す。この様にして、アレイに含まれる全てのセルにおけるMOSFETMSのしきい値電圧が所定の範囲に納まる様にする。
生体分子試料の測定をする場合の説明に戻る。生体分子試料の測定においては、1種または複数種類の試薬が、送液装置303によって試薬容器301から選ばれ、経路302および313を通って、フローセル200へ送液される。フローセル200へ送液された試薬は、ISFETアレイチップ1002上で生体分子試料と反応する。この反応の生成物であるイオンの濃度変化を、ISFETアレイ304で検出する。反応後の廃液は、経路314を通って廃液容器310で回収される。送液装置303の実現方法としては、例えば、一般的な送液ポンプを複数使用しても良いし、またはアルゴンなどの不活性ガスを、試薬容器ごとに用意されたバルブを介して圧力を調整しながら試薬容器301に注入して、ガスの圧力で容器から試薬を押し出しても良い。
コントローラ312は、あらかじめプログラムされた実験シーケンスとデータ処理装置311で取得したデータに応じて、送液装置303の送液ポンプの送液量の調整、ISFETアレイチップ1002の動作状態の制御、データ処理装置311の制御、試薬流路上またはISFETアレイ上に配置された参照電極(図1のVR)の電圧を制御する。データ処理装置311は、ISFETアレイチップ1002から出力されたデータを取得、解析するものであり、A/D変換器を搭載したインターフェースボードや、処理を加速するための演算装置(後述)やコンピュータから構成される。
同図では、VR・VB形成回路600は、半導体センサとは別に生体分子測定装置に設けられているが、この回路も半導体センサと同じ半導体基板に形成してもよい。
図7は、半導体センサの模式的な断面図である。図7において、C11は、図1に示したセルである。半導体センサにおいては、半導体基板208の上側に、セル毎に対応したウェルを有する。図7には、セルC11に対応したウェルが700として示されている。このウェル700の底面には、対応するセルC11内のISFETのイオン感応膜100が配置される。溶液201は、このウェル700において、イオン感応膜100と接触する。この様に、ウェル700は、セル毎に対応し、対応するセルの感応膜100を囲む様な独立した反応部屋である。ウェル700には、測定対象の生体分子試料が付着したビーズ701が装着される。なお、イオン感応膜100の材料の中で、特に半導体プロセスで成膜しやすい材料としては、酸化シリコンSiO2、窒化シリコンSi34、酸化アルミニウムAl23、酸化タンタルTa25などがある。これらの材料は、それぞれイオンごとに検出感度が異なり、例えばTa25は上記材料の中で、水素イオンの検出感度が最も高く、一方でナトリウムイオンに関する感度が最も低い。従って、Ta25は、水素イオンを測定する用途、言い換えれば、溶液の水素イオン指数pHを測る用途に好適である。
<半導体センサの構造>
図8は、半導体センサの模式的な断面図である。同図には、セルC11に含まれているMOSFETMS、M1の断面も、ウェル700と共に示されている。図8において、101は、MOSFETのソースやドレインを構成する拡散層であり、204(101)はMOSFETMSのドレイン拡散層、206(101)はMOSFETM1のソース拡散層を示している。また、205(101)は、MOSFETMSおよびM1の共通の拡散層を示している。
図8において、102は、MOSFETMS、M1のゲート電極であり、103、105、および107は、金属配線間を接続する金属層である。また、104、106、108は、金属配線層である。MOSFETMSのゲートは、これらの金属層を介して上部まで達し、等価的に絶縁層を介した形でイオン感応膜100に接続している。金属層はフローティングゲートとなる。反応を起こす部屋であるウェル700は、更に上層の金属配線を用いてその形が形成される。このウェル700にDNAシーケンサであれば、予め増殖させた同種のDNA鎖800を多数付着させたビーズ701を装着する。この状態で試薬を流し、DNAの伸長反応によって発生する水素イオン濃度の変化を測定する。
この実施の形態では、ISFETのしきい値電圧をウェル700間で同じ値とでき、かつ、ISFETの出力を増幅する機能を各セルが持っているという特徴がある。これによって、高感度でこの水素イオン濃度の変化を検出できる。
図9〜図11は、セルC11の平面図である。半導体技術を用いて、半導体基板208に、セルC11を構成する素子(MOSFETMS、MOSFETM1〜M3)を形成する。図9〜図11には、半導体技術を用いて、これらの素子を形成する製造工程における平面(レイアウト)が示されている。なお、図8に示した断面図と図9〜図11に示す製造工程別の平面図とは対応しているので、以下、図8も参照にしながら、図9〜図11の製造工程を説明する。
図9において、102は、絶縁膜を介してP型の半導体基板208に形成されたMOSFETMS、M1〜M3のゲート電極である。また、101は、半導体基板208に形成されたN型半導体領域であり、これらのMOSFETのソース領域およびドレイン領域を構成する。なお、図9および図10には、MOSFETMS、M1〜M3のそれぞれが対応する領域に、対応する符号MS、M1〜M3が記載されている。特に制限されないが、ソース領域およびドレイン領域を構成するN型の半導体領域101は、ゲート電極をマスクとして、セルフアラインで形成されている。例えば、ゲート電極をマスクとして、P型の半導体基板208にイオン注入をすることにより、N型の半導体領域101を形成する。このとき、ゲート電極もイオンにさらされるため、電荷の蓄積が生じることが考えられる。
ゲート電極とソース領域およびドレイン領域に対応する半導体領域を形成した後、層間絶縁膜が、半導体基板208上に形成される。形成された層間絶縁膜にコンタクト用の開口部(穴)が形成され、層間絶縁膜上に金属配線層104が形成される。金属配線層104は、素子の電極を形成する様な形状にエッチングされる。また、層間絶縁膜に開口された開口部に金属層103が埋め込まれ、この埋め込まれた金属層103により、素子の電極である金属層104と、素子のゲート電極との間、および素子の電極である金属配線層104とソース領域およびドレイン領域との間が接続される。図10には、この様にして、エッチングにより形成された電極用の金属配線104が、素子に接続され状態が示されている。
さらに、層間絶縁膜が形成され、この層間絶縁膜の所定の位置に開口部が設けられる。この層間絶縁膜の上には、金属配線層106が形成され、所望の平面形状になる様に、エッチングが行われる。この様にして形成された金属配線層106は、開口部に埋め込まれた金属配線層105によって、電気的に金属配線層104に接続される。図11には、この様にして形成された平面形状が示されている。図11において、R1は読み出し線であり、Vsは回路の接地電圧を給電する接地電圧配線であり、VBiasは、バイアス電圧VBiasを給電する電圧配線である。この実施の形態においては、金属配線層106により、読み出し線R1、接地電圧配線Vs、電圧配線VBiasが形成されている。
図12には、金属配線106を形成した後、層間絶縁膜を形成し、この層間絶縁膜の所定の位置に開口部を形成し、更に金属配線層108を形成した状態が示されている。金属配線層108は、回路を構成する様に所定の平面形状になる様に、エッチングされている。また、所定の平面形状の金属配線層108は、開口部に埋め込まれた金属配線層107によって、金属配線層106に電気的に接続されている。図12において、WR1およびWC1は、先に説明した読み出し信号線WR1およびWC1を構成する信号配線で有り、Vdは、電源電圧Vdを給電する電源配線である。この実施の形態においては、金属配線層106よりも上層の金属配線層108によって、信号配線WR1、WC1および電源配線Vdが形成されている。また、この実施の形態においては、読み出し線R1を形成する信号配線R1と信号配線WR1、WC1は、直交する様に配置(レイアウト)されている。
MOSFETMSのフローティングゲートは、この実施の形態においては、積み上げられた複数の金属層102、104、108およびこれらに金属層を電気的に接続する金属層103、105、107によって構成されている。フローティングゲートを構成する金属層108の上層には、図12には示されていないが、イオン感応膜100が設けられる。イオン感応膜100は、ウェル700の底面に備えられ、ウェル700によって囲まれている。このレイアウト例を用いれば、ISFETのしきい値電圧の変更とISFETの出力を増幅する機能を持ったセルを実現できる。
(実施の形態3)
図13は、実施の形態3に係わる半導体センサの構成を示す回路図である。図13に示した半導体センサは、図7に示した半導体センサと類似している。ここでは、図7に示した半導体センサと異なる部分を主に説明する。図7に示した半導体センサと比較すると、図13に示した半導体センサは、セルC11の回路構成が異なっている。すなわち、図13に示したセルC11には、図7に示したセルC11に対して、Nチャンネル型MOSFETM4が追加されている。MOSFETM4は、MOSFETM3のゲートと同様に、読み出し信号線WR1に接続されたゲートを有している。また、MOSFETM4の一方の電極は、MOSFETM2のゲートに接続され、その他方の電極はノードN1に接続されている。これにより、MOSFETM4の1対の電極間は、読み出し信号線WR1の値に従って、電気的に接続(オン)/非接続(オフ)とされる。言い換えるならば、読み出し信号線WR1に従ってオン/オフとなるMOSFETM4が、ノードN1とMOSFETM3のゲートとの間に直列に接続されている。
MOSFETMSのしきい値電圧を変更する際には、先に述べた様に、オフセットキャンセル信号線WC1の電圧によって、MOSFETM1がオン状態にされる。一方、このときには、読み出し信号線WR1によってMOSFETM3がオフ状態にされる。この実施の形態においては、MOSFETMSのしきい値電圧を変更する際に、MOSFETM4も読み出し信号線WR1によってオフ状態とされる。これによって、MOSFETMSのしきい値電圧を変更する時に使用する高い電圧(バイアス電圧VBias)が、MOSFETM2のゲートに印加されるのを防ぐことが可能となり、セルの信頼性が向上することが可能となる。なお、MOSFETMSの出力を読み出す際には、読み出し信号線WR1がハイレベルとなり、オフセットキャンセル信号線WC1がロウレベルとなるため、MOSFETM4はオン状態となり、MOSFETMSの出力は、MOSFETM4を介してMOSFETM2のゲートに伝えられる。図13には、代表として1個のセルC11のみが示されているが、半導体センサにおいては、図13に示したセルが、図5で説明した様にアレイ状に配置されている。
(実施の形態4)
図14は、実施の形態4に係わる半導体センサの回路を示す回路図である。図14に示した半導体センサは、図5に示した半導体センサに類似している。図14において、図5と異なる部分を主に説明する。図5に示した半導体センサと比較した場合、セルの構成が図5とは異なっている。すなわち、アレイ状に配置された複数のセルが、図14と図5とでは異なっている。図14に示したセルC11、C12、C21、C22のそれぞれは、互いに同じ構成にされている。そのため、ここではセルC11を代表として説明する。
セルC11は、MOSFETM2の一方の電極が、対応する読み出し線に接続され、その他方の電極がMOSFETM3の一方の電極に接続されている。MOSFETM3の他方の電極は回路の接地電圧Vsに接続されている。また、MOSFETM2のゲートは読み出し信号線WR1に接続され、MOSFETM3のゲートは、MOSFETMSとMOSFETM1のそれぞれの一方の電極に接続されている。MOSFETM1の他方の電極は回路の接地電圧Vsに接続され、MOSFETMSの他方の電極は、MOSFETM4の一方の電極に接続され、MOSFETM4の他方の電極はバイアス電圧VBiasに接続されている。さらに、MOSFETM4のゲートは読み出し信号線WR1に接続され、MOSFETM1のゲートはオフセットキャンセル信号線WC1に接続されている。
この実施の形態においては、ISFET(MOSFETMS)の信号を増幅する役割が、MOSFETM2(図1、図13の例)ではなく、MOSFETM3に与えられる。これによって、MOSFETの種類をPチャンネル型MOSFETとしたり、或いはこれまでの説明例のようにNチャンネル型MOSFETであってもMOSFETに加わる電圧条件を変えることができ(バイアス状態の変更)、より高感度をすることができる場合がある。
また、この実施の形態においては、バイアス電圧VBiasとMOSFETMSとの間に、MOSFETM4を設けたことにより、MOSFETMSのしきい値電圧を変更する際、例えば図5のアレイ構造では所望のISFET以外にも電圧が印加されてしまうが、これを避けることができる。すなわち、しきい値電圧を変更したいセルに対応する読み出し信号線WRをハイレベルにし、残りの読み出し信号線WRをロウレベルにすることにより、所望のセル内のISFETに対してバイアス電圧VBiasが印加される様にすることができる。このとき、所望のセル以外のセルにおけるISFETにバイアス電圧が印加されるのを防ぐことができるため、所望のISFET以外に印加される電圧によって、望まないISFETにおいて、そのしきい値電圧が変化するのを低減することが可能となる。
この実施の形態においては、MOSFETMSのしきい値電圧を変更する際には、そのMOSFETMSを含むセル(例えばC11)に対応する読み出し信号線(例えばWR1)をハイレベルにし、残りの読み出し信号線WR2をロウレベルにする。また、このとき、オフセットキャンセル信号線WC1をハイレベルにし、オフセットキャンセル信号線WC2をロウレベルにする。これにより、例えば1列のセルに対してしきい値電圧の変更を行う。このときには、他の列のセルに対して、バイアス電圧VBiasがMOSFETMSに印加されるのを防ぐことが可能となる。また、セルの信号を読み出す際には、オフセットキャンセル信号線WC1、WC2をロウレベルとし、読み出すセルに対応した読み出し信号線WR(例えば、WR1)をハイレベルにし、残りの読み出し信号線WR2をロウレベルにする。
この実施の形態で述べたような機能のMOSFETを追加することは、単独でも良いし、複合であっても良い。例えば、図1の構成において、バイアス電圧VBiasとMOSFETMSとの間にMOSFETM4を設けても良い。また、図1の構成において、MOSFETM2、M3の役割を変えても良い。さらにNチャンネル型MOSFETをPチャンネル型MOSFETに入れ替えても、混在させても良い。
(実施の形態5)
図15は、実施の形態5に係わる半導体センサの構成を示す模式的な断面図である。この実施の形態は、図7に示した実施の形態に類似している。図7に示した実施の形態との相違点を主に説明する。図7に示した実施の形態と比較した場合、図15の実施の形態においては、アレイ状に配置された各ウェルの温度を変更するためのヒーター(Heater)1500が、設けられている。この実施の形態においては、ヒーター1500は、互いに近接したウェル間に設けられた金属配線により構成されている。この互いに近接しているウェル間に配置されている金属配線に対して、電流を供給することにより、当該金属配線は発熱し、ウェルの温度を変化させることができる。これによって、試薬によるDNAの伸長反応自体を制御した装置を実現できる。この様な温度制御と、高感度なアレイ状に配置したISFETを含むセルとによって、更に確度の高い塩基配列を得ることができる。
DNAの伸長反応に限らず、一般的には試薬による生体分子の反応は、温度に依存する。これを利用して、例えば、後述する低温での状態を参照して、実際の反応温度での状態変化をより高感度に捉えることができる。
図16は、図15に示したヒーター1500を有する半導体センサを用いる場合の生体分子計測装置の構成を示すブロック図である。図16に示した生体分子計測装置は、図6に示した生体分子計測装置に類似しているので、相違点を主に説明する。図6の生体分子計測装置と比較すると、ISFETアレイチップ(半導体センサ)1002に、温度センサ307と、ヒーター1500を制御するヒーター制御回路308(図ではヒーター)が設けられている。ヒーター制御回路308は、温度センサ307からの温度情報に基づいて、各ウェル間に配置されたヒーター1500へ供給する電流を制御する。温度センサ307によって、実際の反応が起こっている温度を的確に捉えることができ、詳細な温度制御が可能となる。なお、温度センサ307は半導体構造を利用して構成しても良い。
図17の(A)および(B)は、図16に示した生体分子計測装置の動作を説明する波形図である。図17の(A)および(B)において、横軸は、時間を示しており、縦軸は、同図において上から、温度の変化1700、試薬の投入状態1701、ISFETからの信号1702、1704をそれぞれ示している。また、図17の(A)は、ISFETのMOSFETMSに対して上記した様なホットエレクトロンの注入を行わなかった場合を示しており、図17の(B)は、ISFETのMOSFETMSに対して上記した様なホットエレクトロンの注入を行った場合を示している。
先ず、図17の(A)から説明をする。前サイクルの反応で用いた試薬を洗い流すために、洗浄が行われる。この洗浄で用いられる洗浄液は、例えば5℃と温度の低い洗浄液を使用する。この後、同様に低温に保った反応試薬が投入される。この状態では、温度が低いので、例えばDNAの伸長反応自体は起こらない、もしくは、起こっても極めて小さな確率である。一方で、反応は起こらなくとも、反応試薬そのものもpH濃度を持っている。このpH濃度に反応してISFETは一定の信号1703(破線)を出力する。ここでは、この信号を、反応試薬由来信号(BG)と称する。
この後の時刻t0において、ヒーター1500に電流を給電し、各ウェル700内の温度を上昇させ、試薬の温度を上昇させる。すると、反応試薬によってDNAの伸長反応が起こり、これによって変化した水素イオン濃度の変化をISFETは検知し、伸長反応に対応した信号を出力する。すなわち、一定の信号1703と信号1702との差が、伸張反応に対応した伸張信号となる。増幅機能付きで、オフセットを無くしたISFETであれば、この低温での反応試薬のpH濃度も、温度を上げた後の伸長反応によりpH濃度変化も高感度に検知することができる。その後、ヒーターへの電流を止め、低温の洗浄液を流すことで反応試薬は流され、温度も下がり、次の測定の準備が整った状態となる。これを繰り返して行う。
この実施の形態においては、図17の(B)に示した様に更なる高感度化が可能である。図17の(A)では、低温での反応試薬のpH濃度を、反応試薬由来信号(BG)として検出してしまう。そのため、これを後段の処理(データ処理装置311(図16)の計算処理等)で取り除く必要がある。また、図17の(A)では模式的に示したが、一般に伸長反応での変化よりも、低温での反応試薬による信号の方が大きい。これは高感度化を目指す場合には、大きなバックグラウンド(BG)とも見えしばしば邪魔となる。しかしながら、ISFETのオフセットを減じる動作を利用すればこれを低減することができる。
すなわち、図17の(B)に示す様に、低温での反応試薬による信号が出た後の時刻(t1)において、ホットエレクトロンを注入して、このバックグラウンド(BG)が出力に現れないように、各ISFETのしきい値電圧を変更する(時刻t2)。バックグラウンド(BG)をキャンセルした後の時刻t0において、温度上げて伸長反応を行わせる。すると、バックグラウンド(BG)に基づく信号(破線1705)を低減し、ISFET信号には伸長による変化の部分(信号1740と1705の差)のみが主に現れる。このような構成と動作によって、目的の反応によるpH濃度変化を検知することが可能となる。なお、一般に、生体分子の反応は秒のオーダであるのに対して、ホットエレクトロン注入の動作は数10マイクロ秒のオーダである。よって、測定の途中で、ホットエレクトロンの注入を行っても全体の測定が遅くなることは無い。また、一度、設定すれば、測定の度にしきい値電圧を変更する必要が無い場合もある。
図18は、図17の(B)で行ったホットエレクトロンの注入の動作を詳しく示した波形図である。図18において、その上側には、図17の(B)に示した波形を再度示している。図18の下側には、ISFETからの信号1704を、特に時刻t1から時刻t2の間で拡大した波形が示されている。
図18の下側に示した信号1704は、ベリファイ動作によって変化する。低温での反応試薬による信号が出た後(時刻t1)、図3で説明した様に、ISFET(MOSFETMS)のフローティングゲートに対して、ホットエレクトロン(HC)の注入と、ISFETのベリファイ動作を繰り返す。すなわち、ホットエレクトロンの注入(1)を行い、セル(ISFET)の出力が所定の範囲内になっているか否かの確認(ベリファイ動作(2))を行い、所定の範囲内になっていない場合、ホットエレクトロンの注入(1)を行い、ベリファイ動作(2)を繰り返す。一方、所定の範囲内になっている場合は、ホットエレクトロンの注入は行わない。これによって、低温での反応試薬による信号が、例えばウェル毎に異なっていたり、検出する塩基毎に異なっていても、その時に最適な値までバックグランド(BG)をキャンセルすることが可能となる。しかも、低温での反応試薬による反応は秒のオーダの反応である。一方、ホットエレクトロン(HC)注入+ベリファイ動作は数十マイクロ秒のオーダである。そのため、ホットエレクトロン注入とベリファイ動作を100回繰り返しても数ミリ秒のオーダである。すなわち、図では説明のために、ホットエレクトロン(HC)注入+ベリファイ動作を拡大して書いてあるが、実際の動作ではこの動作は測定全体には殆ど影響を与えない。この実施の形態においては、ISFETのしきい値電圧ではなく、信号1704の電圧が所定の範囲に納まる様に、ホットエレクトロンの注入とベリファイ動作とを繰り返して、実施していると見なすこともできる。
(実施の形態6)
図19は、実施の形態6に係わるセルの構成を示す回路図である。図19に示したセルの構成は図1に示したセルの構成に類似しているので、相違点を主に説明する。図19に示したセルC11には、ISFETの出力信号であるアナログ値をデジタルビットに変換するアナログ/デジタル変換回路ADC1900と、これを一時的に蓄えるメモリ回路MEM1901とを備えている。図示されていないが、アレイ状に配置された他のセルのそれぞれも、図19に示したセルC11と同じ構成とされている。ISFETのオフセットを減じる機能とISFETの信号を増幅する機能を各セルに備えているので、他の高感度化を妨げる要因はこれらセルから後段へ信号を送る時である。この実施の形態では、セル毎にISFETの出力を直接デジタル信号に変換して、保持する。これによって、高感度でオフセットを減じたセルの性能を最大限に引き出すことが可能である。
<変形例>
図20は、図19の変形例を示す回路図である。この変形例においては、複数のセルC11、C21に対して共通のアナログ/デジタル変換回路ADC200とメモリ回路MEM201とが設けられている。この変形例においては、セルC11とセルC21とを時分割で動作させる。時分割で動作させることにより、アナログ/デジタル変換回路ADC200とメモリ回路MEM201とを、複数のセルで共用することが可能となり、面積の小型化を図ることが可能となる。
図21は、実施の形態6に係わるセルを用いた場合の動作を示す波形図である。すなわち、セル毎に、あるいは複数個のセル毎にアナログ/デジタル変換回路ADCを備えた生体分子計測装置の動作を示す波形図である。同図は、図17の(A)と類似している。すなわち、図17の(A)で説明した様に、低温である反応試薬そのものの反応である反応試薬由来信号(BG)を、時刻t0〜時刻t1の間で、デジタル化してメモリ回路MEMに取り込む(データMEM0)。次に、温度を上昇させて、実際の反応での信号を、時刻t2〜時刻t3の間で取り込む(データMEM1)。この場合、各々の時刻でデジタル化して、後段に伝えるので、信号劣化が無く、よって高感度化の性能を保持できる。更には、簡単な構成で、セル内で差分のデータ(MEM1とMEM0との差分)を作ることができる。この様にすることにより、外との信号の送受が減るのでその分、雑音が減り高感度化に寄与でき、更に信号の量も減らせることが可能となる。なお、図において、WR1は、セルC11の読み出し信号線WR1の電圧の変化を示している。
(実施の形態7)
図22は、実施の形態7に係わる半導体センサの構成を示す回路図である。この実施の形態は、更に高感度化を追求する例である。先の述べた複数の実施の形態により、ISFETを備えた各セルを高感度することができる。高感度のセルを得ることができるので、セルの出力を判定する際に用いるリファレンスについても高精度であることが望ましい。この実施の形態では、これをウェルの大きさが2種類のセルを用いて、高精度なリファレンスを実現する。
図22において、セルC11,C12のそれぞれは、図13に示したセルC11と同じ回路構成を有している。一方、セルC11、C12のISFETに接続されたイオン感応膜100が設けられるウェルの寸法が、セルC11とセルC12とで異なっている。すなわち、セルC11が結合されるウェル700は、測定分子を付着させたビーズ701を装着させる様な寸法にされ、セルC12が結合されるウェル700は、それにビーズ701が装着されない様な寸法にされる。この場合、それぞれのウェル700において、イオン感応膜100のサイズなどは変えずに、ウェルの寸法あるいは形状を変えてビーズが装着しないウェルを形成する。この様にしたセルC11とC12の読み出し線RCR、RCLは、センスアンプSAの対の入力に沿って配置する。この様な構成とすることにより、センスアンプSAの一対の入力には必ず、ビーズ700の装着したものと、装着していないものの組となる(本来、装着できるウェルにビーズが入っていない状態はありえるが、これは測定には寄与しない)。こうすれば、センスアンプSAのレファレンスとして、反応試薬はあるが生体物質との反応は行わないウェルの信号を常に得ることができる。
また、生体物質との反応を行うウェルと、反応試薬はあるが生体物質との反応は行わないウェルとを組にして準備してあるので、センスアップSAの出力OUTをリファレンスとして用いることにより、温度などその他の要因はほぼ同じ条件とでき、理想的なレファレンスを準備することができる。
図22においては、セルC12に結合されたウェルの開口を、セルC11に結合されたウェルの開口に対して、その寸法を大きくしている例を示したが、セルC12に結合されたウェルの開口を、ビース700の径よりも小さくしてもよい。この様にすれば、ビーズが、ウェルに装着するのを防ぐことができる。また、図22の様にした場合には、セルC12に結合されたウェルにビーズが侵入することが考えられるが、洗浄工程において、進入したビーズは洗い出されることになる。なお、図22において、1500はヒーターを示している。
これまでに述べた複数の実施の形態により、ISFETを有する高感度なセルが実現される。これを用いた高感度生体分子計測装置におけるDNAシーケンサを例に、データ処理装置の実施の形態を、図23の(A)および(B)と、図24とに示す。
従来のDNAシーケンサにおいては、図23の(A)に示す様に、DNAチップと呼ばれる特定のDNAの塩基の並びに反応するチップ(チップA〜チップC)を用意して、低コストながら高感度化を実現している。しかしながら、これでは必要な診断項目が変わると、測定内容や範囲が変わり、チップを作り直す必要があった。
複数の実施の形態で述べたように、それぞれISFETを備え、そのISFETのオフセットを低減し、増幅作用を備えた複数のセルを用いて、アレイを実現できるため、半導体技術によって極めて安価でありながら高感度なISFETアレイが実現できる。このようなアレイを有する半導体センサは、汎用であり、どのような塩基配列も読み取ることができる。よって、図23の(B)に示すように、主眼は読み取りそのものではなく、データ処理装置部分によって、その後の必要な診断項目に必要な情報を如何に容易に得られるかが重要となる。つまり、診断領域の増加、変化にはDNAチップのように新しいチップを開発するのでなく、複数の実施の形態で述べた高感度なISFETを有する半導体センサで、測定を行い、データ処理装置部分でソフトにより対応する。複数の実施の形態で述べた構成は、この様なDNAシーケンサにおいて、複数のチップの開発等を削減でき、コストの低減を図ることもできる。
図24は、複数の実施の形態で述べたISFETアレイと組み合わせるデータ処理装置のブロック構成を示すブロック図である。診断毎に読み取ったDNA情報を検査する方法は異なるので、これを高速に行うために、データ処理装置は、その機能を動的に変更できる動的再構成型高速マッチングボード2400により構成する。シーケンサの出力は、シーケンサ出力データバッファ2401に蓄えられる。これを、日々クラウドからの情報でアップデートされるレファレンス2406との比較を、高速なパタンパッチングエンジン2404で行う。高速パタンパッチングエンジン2404は、これもクラウドでアップデートされる検出に有用な塩基配列を参照テーブルとして備え、CAMと同じ原理によって高速にパタンマッチングを行う。ボード全体は制御CPU2405で管理され、認証やデータのトレース情報2403、そのデータのオーサビリティのチェックを行う。また、IO部2403には暗号化の機能を備えている。このようにボードを、実施の形態で述べた安価で高感度なISFETアレイと組み合わせれば、個別のニーズ又は最新の医学データに基づき、測定したデータから価値ある情報を高速かつ安価に得る装置を実現できる。
以上本発明者によってなされた発明を、前記実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。実施の形態においては、ISFETのしきい値電圧を変更するのに、ホットエレクトロンを注入することを説明したが、ホットエレクトロンに限らず、ホットキャリアであればよい。
C11、C12、C21、C22 セル
ISFET イオン感応性電界効果トランジスタ
MS、M1〜M4 MOSFET(MOSトランジスタ)
R1 読み出し線
SA センスアンプ
Vref レファレンス電圧
WR1 読み出し信号線
WC1 オフセットキャンセル信号線
VR 制御電圧
101 拡散層
102 ゲート電極
103〜108 配線及び接続層
202 参照電極

Claims (6)

  1. 生体分子試料と試薬との反応により発生するイオンを検知する半導体センサが設置される生体分子計測装置であって、
    前記半導体センサは、
    半導体基板と、
    前記半導体基板において、アレイ状に配置され、それぞれがイオンを検知する複数のセルと、
    前記複数のセルによるアレイに配置された複数の読み出し線と、
    を具備し、
    前記複数のセルのそれぞれは、
    フローティングゲートを有し、イオンの濃度の変化を検知するISFETと、
    前記ISFETの出力を受けるゲートを有し、前記ISFETの出力を増幅する第1のMOSFETと、
    前記第1のMOSFETの出力を、前記複数の読み出し線の内の対応する読み出し線に、選択的に伝達する第2のMOSFETと、
    前記ISFETに接続され、前記ISFETにおいてホットエレクトロンを発生させ、電荷を前記ISFETのフローティングゲートに注入させる第3のMOSFETと、
    を具備し、
    前記第2のMOSFETと前記第3のMOSFETとが、別々に制御され
    前記第1のMOSFETにより増幅された、前記ISFETの出力に基づいて、前記ISFETのしきい値電圧を設定する、生体分子計測装置。
  2. 請求項1に記載の生体分子計測装置において、
    前記生体分子計測装置は、前記複数のセルのそれぞれにおける前記ISFETのフローティングゲートから、前記半導体基板へトンネル電流を流させる第1動作モードを有する、生体分子計測装置。
  3. 請求項1に記載の生体分子計測装置において、
    前記生体分子計測装置は、前記第3のMOSFETを制御して、前記ISFETのフローティングゲートへ電荷を注入する動作と、前記第2のMOSFETを制御して、前記ISFETの出力を、前記対応する読み出し線へ伝達し、前記ISFETのしきい値電圧が、所定の範囲にあるか否かを判定する動作とを、交互に行う、生体分子計測装置。
  4. 請求項1、2または3に記載の生体分子計測装置において、
    前記イオンは、前記生体分子試料と前記試薬とによる第1の反応と、前記第1の反応とは異なる第2の反応により発生し、
    前記生体分子計測装置は、前記第2の反応によって発生するイオンによる前記ISFETのしきい値電圧の変化を、減少させる様に、前記フローティングゲートに電荷の注入を行う、生体分子計測装置。
  5. 請求項4に記載の生体分子計測装置において、
    前記第1の反応は、前記試薬の温度を変更することにより生じる、生体分子計測装置。
  6. 請求項3に記載の生体分子計測装置において、
    前記生体分子計測装置は、前記ISFETのフローティングゲートへ電荷を注入する前記動作の前に、前記複数のセルのそれぞれにおける前記ISFETのフローティングゲートから、前記半導体基板へ電荷を引き抜く、生体分子計測装置。

JP2013209073A 2013-10-04 2013-10-04 生体分子計測装置 Active JP6309734B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013209073A JP6309734B2 (ja) 2013-10-04 2013-10-04 生体分子計測装置
CN201480054573.0A CN105593675B (zh) 2013-10-04 2014-10-02 生物分子测量装置
PCT/JP2014/076446 WO2015050225A1 (ja) 2013-10-04 2014-10-02 生体分子計測装置
GB1605558.4A GB2534318B (en) 2013-10-04 2014-10-02 Biomolecule measuring device
US15/026,657 US10481125B2 (en) 2013-10-04 2014-10-02 Biomolecule measuring device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013209073A JP6309734B2 (ja) 2013-10-04 2013-10-04 生体分子計測装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2015072240A JP2015072240A (ja) 2015-04-16
JP2015072240A5 JP2015072240A5 (ja) 2016-09-29
JP6309734B2 true JP6309734B2 (ja) 2018-04-11

Family

ID=52778809

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013209073A Active JP6309734B2 (ja) 2013-10-04 2013-10-04 生体分子計測装置

Country Status (5)

Country Link
US (1) US10481125B2 (ja)
JP (1) JP6309734B2 (ja)
CN (1) CN105593675B (ja)
GB (1) GB2534318B (ja)
WO (1) WO2015050225A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10611994B2 (en) 2016-08-30 2020-04-07 International Business Machines Corporation Electrochemical sensors for cell culture monitoring
CN110312932B (zh) * 2016-11-07 2021-12-21 Dnae诊断有限公司 化学敏感场效应晶体管阵列
JP7088541B2 (ja) * 2018-05-24 2022-06-21 ラピスセミコンダクタ株式会社 測定装置及び測定方法
US20220113305A1 (en) * 2020-10-14 2022-04-14 Morton M. Mower System, apparatus, and method for viral monitoring in effluent

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4743954A (en) * 1985-06-07 1988-05-10 University Of Utah Integrated circuit for a chemical-selective sensor with voltage output
US7960776B2 (en) * 2006-09-27 2011-06-14 Cornell Research Foundation, Inc. Transistor with floating gate and electret
EP2092322B1 (en) 2006-12-14 2016-02-17 Life Technologies Corporation Methods and apparatus for measuring analytes using large scale fet arrays
US20100301398A1 (en) 2009-05-29 2010-12-02 Ion Torrent Systems Incorporated Methods and apparatus for measuring analytes
US9433046B2 (en) * 2011-01-21 2016-08-30 Once Innovations, Inc. Driving circuitry for LED lighting with reduced total harmonic distortion
US8878257B2 (en) * 2010-06-04 2014-11-04 Freescale Semiconductor, Inc. Methods and apparatus for an ISFET
AU2011226767B1 (en) 2010-06-30 2011-11-10 Life Technologies Corporation Ion-sensing charge-accumulation circuits and methods
WO2012036679A1 (en) * 2010-09-15 2012-03-22 Life Technologies Corporation Methods and apparatus for measuring analytes
JP6014480B2 (ja) * 2012-12-07 2016-10-25 株式会社日立ハイテクノロジーズ 生体分子計測装置および生体分子の計測方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN105593675B (zh) 2018-09-25
GB2534318A (en) 2016-07-20
WO2015050225A1 (ja) 2015-04-09
CN105593675A (zh) 2016-05-18
US20160245777A1 (en) 2016-08-25
US10481125B2 (en) 2019-11-19
JP2015072240A (ja) 2015-04-16
GB2534318B (en) 2020-09-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6649428B2 (ja) イオン感応性電荷蓄積回路および方法
JP5876044B2 (ja) 低濃度ドープドレインを有する化学的感応性センサ
JP6438420B2 (ja) 化学反応および化合物の検出および測定のためのトランジスタ回路
US11008611B2 (en) Double gate ion sensitive field effect transistor
TWI303714B (en) Nucleic acid detecting sensor, nucleic acid detecting chip, and nucleic acid detecting circuit
CN105911126B (zh) 匹配的晶体管对电路
JP2018081105A (ja) 生物学的および化学的分析のための集積センサアレイ
US20160173080A1 (en) System for reducing noise in a chemical sensor array
JP6030153B2 (ja) 生体分子計測装置
JP6309734B2 (ja) 生体分子計測装置
JP6014480B2 (ja) 生体分子計測装置および生体分子の計測方法
KR101287445B1 (ko) 바이오 센서 어레이 소자 및 그 제작 방법과 바이오 센서 칩 및 그 제작 방법
US11028438B2 (en) Windowed sequencing
JPWO2014207877A1 (ja) 半導体装置およびその製造方法
JP2015072240A5 (ja)
Luo et al. Improved pH Sensing Performance with Microarray ISFETs under Pulse AC Bias
Shah et al. Special Session: Calibrating mismatch in an ISFET with a Floating-Gate

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160815

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160815

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170801

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170926

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180306

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180315

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6309734

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350