JP6309337B2 - 検知装置、検知装置の駆動方法、及び入力装置 - Google Patents

検知装置、検知装置の駆動方法、及び入力装置 Download PDF

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Description

本発明の一態様は、検知装置、入力装置、入出力装置、半導体装置または検知装置の駆動方法に関する。
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の一態様の技術分野は、物、方法、または、製造方法に関するものである。または、本発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関するものである。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、それらの駆動方法、または、それらの製造方法、を一例として挙げることができる。
情報伝達手段に係る社会基盤が充実されている。これにより、多様で潤沢な情報を職場や自宅だけでなく外出先でも情報処理装置を用いて取得、加工または発信できるようになっている。
このような背景において、携帯可能な情報処理装置が盛んに開発されている。
例えば、携帯可能な情報処理装置は持ち歩いて使用されることが多く、落下により思わぬ力が情報処理装置およびそれに用いられる表示装置に加わることがある。破壊されにくい表示装置の一例として、発光層を分離する構造体と第2の電極層との密着性が高められた構成が知られている(特許文献1)。
特開2012−190794号公報
本発明の一態様は、利便性または信頼性に優れた新規な検知装置を提供することを課題の一とする。または、利便性または信頼性に優れた新規な検知装置の駆動方法を提供することを課題の一とする。または、新規な検知装置、新規な検知装置の駆動方法または新規な半導体装置を提供することを課題の一とする。
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
本発明の一態様は、検知ユニットと、変換回路と、を有する。
検知ユニットは、選択信号、第1の制御信号および第2の制御信号、第1の電源電位および定電流を供給され、第1の検知信号および第2の検知信号を供給することができる。
変換回路は、第1の検知信号および第2の検知信号を供給され、第1の検知信号に基づく第1の検知情報および第2の検知信号に基づく第2の検知情報を供給することができる。
なお、検知ユニットは、近接するものとの距離に基づいて第1の検知信号を供給する第1の検知部および近接するものとの距離に基づいて第2の検知信号を供給する第2の検知部を備える。
また、第1の検知部は、制御端子が、選択信号を供給することができる選択信号線と電気的に接続され、第1の端子が、第1の検知信号を供給することができる第1の信号線と電気的に接続される第1のスイッチを備える。
また、制御端子が、第1の制御信号を供給することができる第1の制御線と電気的に接続され、第1の端子が第1の電源電位を供給することができる第1の配線と電気的に接続される第2のスイッチを備える。
また、ゲートが第2のスイッチの第2の端子と電気的に接続され、第1の電極が第1のスイッチの第2の端子と電気的に接続され、第2の電極が定電流を供給することができる第2の配線と電気的に接続される第1の増幅トランジスタを備える。
また、第1の電極が第1の増幅トランジスタのゲートと電気的に接続され、第2の電極が第2の制御信号を供給することができる第2の制御線と電気的に接続される第1の容量素子を備える。
また、第2の検知部は、制御端子が、選択信号線と電気的に接続され、第1の端子が、第2の信号線と電気的に接続される第3のスイッチを備える。
また、制御端子が第1の制御線と電気的に接続され、第1の端子が第1の配線と電気的に接続される第4のスイッチを備える。
また、ゲートが第4のスイッチの第2の端子と電気的に接続され、第1の電極が第3のスイッチの第2の端子と電気的に接続され、第2の電極が第2の配線と電気的に接続される第2の増幅トランジスタを備える。
また、第1の電極が第2の増幅トランジスタのゲートと電気的に接続され、第2の電極が第2の制御線と電気的に接続される第2の容量素子と、を備える。
また、本発明の一態様は、検知ユニットが、定電流を供給することができる電源を備える。
また、第1の増幅トランジスタの第2の電極が、前記電源によって供給される定電流を供給することができる配線と電気的に接続される。
また、第2の増幅トランジスタの第2の電極が、前記電源によって供給される定電流を供給することができる配線と電気的に接続される。
また、電源は、ゲートが第2の電源電位を供給することができる配線と電気的に接続され、第1の電極が第3の電源電位を供給することができる配線と電気的に接続され、第2の電極が定電流を供給される前記配線に電気的に接続される上記の検知装置である。
また、本発明の一態様は、第2の検知部が、第1の検知部から5mm以内、好ましくは2.5mm以内、より好ましくは1mm以内の範囲に配設される上記の検知装置である。
上記本発明の一態様の検知装置は、第1の検知信号および第2の検知信号を供給する検知ユニットと、第1の検知信号および第2の検知信号を供給され第1の検知情報および第2の検知情報を供給することができる変換回路と、を含んで構成される。
なお、第1の検知信号は、第1の増幅トランジスタのゲートが電気的に接続される第1のノードの電位の変化および第2の増幅トランジスタのゲートが電気的に接続される第2のノードの電位の変化に基づいて、第1の検知部によって供給される。
また、第2の検知信号は、第1の検知部に隣接し且つ第1の増幅トランジスタのゲートが電気的に接続される第1のノードの電位および第2の増幅トランジスタのゲートが電気的に接続される第2のノードの電位の変化に基づいて、第2の検知部によって供給される。
これにより、隣接して配設される複数の検知部が供給する検知信号を比較して検知情報を供給することができる。その結果、利便性または信頼性に優れた新規な検知装置を提供できる。
また、本発明の一態様は、以下のステップを備える検知装置の駆動方法である。
第1のスイッチおよび第3のスイッチを導通状態にする選択信号、第2のスイッチおよび第4のスイッチを導通状態にする第1の制御信号を供給し、第1の検知信号および第2の検知信号を取得する第1のステップを有する。
また、第1のスイッチおよび第3のスイッチを導通状態にする選択信号、第2のスイッチおよび第4のスイッチを非導通状態にする第1の制御信号およびパルス状の第2の制御信号を供給し、第1の検知信号および第2の検知信号を取得する第2のステップを有する。
また、第2のステップで供給された第1の検知信号を第1のステップで供給された第1の参照信号と比較して第1の検知情報を取得し、第2のステップで供給された第2の検知信号を第1のステップで供給された第2の参照信号と比較して第2の検知情報を取得する第3のステップを有する。
また、第3のステップで取得した第1の検知情報と第2の検知情報を比較して、検知装置に近接するものについての検知情報を決定する第4のステップと、を有する上記の検知装置の駆動方法である。
上記本発明の一態様の検知装置の駆動方法は、第1の検知部の第1のノードおよび第1の検知部に隣接する第2の検知部の第2のノードに第1の電源電位に基づく電位を供給し、参照信号を取得する第1のステップと、第1の容量素子および第2の容量素子の第2の電極にパルス状の第2の制御信号を供給し、第1のステップで得た参照信号との差を取得する第2のステップと、隣接する複数の検知部から得られた信号を比較して、検知情報を決定する第3のステップと、を含んで構成される。
これにより、第1の検知部が第1のノードの電位の変化および第2のノードの電位の変化に基づいて供給する第1の検知信号および第1の検知部に隣接する第2の検知部が第1のノードの電位の変化および第2のノードの電位の変化に基づいて供給する第2の検知信号を比較して、検知情報を供給することができる。その結果、利便性または信頼性に優れた新規な検知装置の駆動方法を提供できる。
また、本発明の一態様は、検知ユニットと、選択信号線と、第1の制御線と、第1の信号線と、第2の信号線と、第2の制御線と、第1の配線と、変換回路と、基材と、を有する入力装置である。
複数の検知ユニットは、マトリクス状に配設される。
複数の選択信号線は、行方向に配設される複数の検知ユニットと電気的に接続され且つ選択信号を供給することができる。
複数の第1の制御線は、行方向に配設される複数の検知ユニットと電気的に接続され且つ第1の制御信号を供給することができる。
複数の第1の信号線は、列方向に配設される複数の検知ユニットと電気的に接続され且つ第1の検知信号を供給することができる。
複数の第2の信号線は、列方向に配設される複数の検知ユニットと電気的に接続され且つ第2の検知信号を供給することができる。
第2の制御線は、複数の検知ユニットと電気的に接続され且つ第2の制御信号を供給することができる。
第1の配線は、複数の検知ユニットと電気的に接続され且つ第1の電源電位を供給することができる。
第2の配線は、複数の検知ユニットと電気的に接続され且つ定電流を供給することができる。
変換回路は、第1の検知信号を供給することができる配線および第2の検知信号を供給することができる配線と電気的に接続され、検知情報を供給することができる。
基材は、複数の検知ユニット、選択信号線、第1の制御線、第1の信号線、第2の信号線、第2の制御線、第1の配線および第2の配線を支持する。
なお、検知ユニットは、近接するものとの距離に基づいて第1の検知信号を供給する第1の検知部および近接するものとの距離に基づいて第2の検知信号を供給する第2の検知部を備える。
また、第1の検知部は、制御端子が、選択信号を供給することができる選択信号線と電気的に接続され、第1の端子が、第1の検知信号を供給することができる第1の信号線と電気的に接続される第1のスイッチを備える。
また、制御端子が、第1の制御信号を供給することができる第1の制御線と電気的に接続され、第1の端子が第1の電源電位を供給することができる第1の配線と電気的に接続される第2のスイッチとを備える。
また、ゲートが第2のスイッチの第2の端子と電気的に接続され、第1の電極が第1のスイッチの第2の端子と電気的に接続され、第2の電極が定電流を供給することができる第2の配線と電気的に接続される第1の増幅トランジスタを備える。
また、第1の電極が第1の増幅トランジスタのゲートと電気的に接続され、第2の電極が第2の制御信号を供給することができる第2の制御線と電気的に接続される第1の容量素子を備える。
また、第2の検知部は、制御端子が、選択信号線と電気的に接続され、第1の端子が、第2の信号線と電気的に接続される第3のスイッチを備える。
また、制御端子が第1の制御線と電気的に接続され、第1の端子が第1の配線と電気的に接続される第4のスイッチを備える。
また、ゲートが第4のスイッチの第2の端子と電気的に接続され、第1の電極が第3のスイッチの第2の端子と電気的に接続され、第2の電極が第2の配線と電気的に接続される第2の増幅トランジスタを備える。
また、第1の電極が第2の増幅トランジスタのゲートと電気的に接続され第2の電極が第2の制御線と電気的に接続される第2の容量素子と、を備える入力装置である。
また、本発明の一態様は、第2の検知部は、第1の検知部から5mm以内、好ましくは2.5mm以内、より好ましくは1mm以内の範囲に配設される上記の入力装置である。
上記本発明の一態様の検知装置は、マトリクス状に配設された複数の検知ユニットと、第1の制御線と、選択信号線と、第1の信号線と、第2の信号線と、第2の制御線と、第1の配線と、第2の配線と、これらを支持する基材と、検知ユニットに設けられた第1の検知部が供給する第1の検知信号および第1の検知部に隣接する第2の検知部が供給する第2の検知信号を供給され、検知情報を供給することができる変換回路と、を含んで構成される。
これにより、隣接して配設される複数の検知部が供給する検知信号を比較して検知情報を供給することができる。その結果、利便性または信頼性に優れた新規な検知装置を提供できる。
なお、本明細書において、EL層とは発光素子の一対の電極間に設けられた層を示すものとする。従って、電極間に挟まれた発光物質である有機化合物を含む発光層はEL層の一態様である。
また、本明細書において、物質Aを他の物質Bからなるマトリクス中に分散する場合、マトリクスを構成する物質Bをホスト材料と呼び、マトリクス中に分散される物質Aをゲスト材料と呼ぶものとする。なお、物質A並びに物質Bは、それぞれ単一の物質であっても良いし、2種類以上の物質の混合物であっても良いものとする。
なお、本明細書中において、発光装置とは画像表示デバイス、発光デバイス、もしくは光源(照明装置含む)を指す。また、発光装置にコネクター、例えばFPC(Flexible printed circuit)もしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または発光素子が形成された基板にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て発光装置に含むものとする。
本明細書に添付した図面では、構成要素を機能ごとに分類し、互いに独立したブロックとしてブロック図を示しているが、実際の構成要素は機能ごとに完全に切り分けることが難しく、一つの構成要素が複数の機能に係わることもあり得る。
本明細書においてトランジスタが有するソースとドレインは、トランジスタの極性及び各端子に与えられる電位の高低によって、その呼び方が入れ替わる。一般的に、nチャネル型トランジスタでは、低い電位が与えられる端子がソースと呼ばれ、高い電位が与えられる端子がドレインと呼ばれる。また、pチャネル型トランジスタでは、低い電位が与えられる端子がドレインと呼ばれ、高い電位が与えられる端子がソースと呼ばれる。本明細書では、便宜上、ソースとドレインとが固定されているものと仮定して、トランジスタの接続関係を説明する場合があるが、実際には上記電位の関係に従ってソースとドレインの呼び方が入れ替わる。
本明細書においてトランジスタのソースとは、活性層として機能する半導体膜の一部であるソース領域、或いは上記半導体膜に接続されたソース電極を意味する。同様に、トランジスタのドレインとは、上記半導体膜の一部であるドレイン領域、或いは上記半導体膜に接続されたドレイン電極を意味する。また、ゲートはゲート電極を意味する。
なお、「膜」という言葉と、「層」という言葉とは、場合によっては、または、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
本明細書においてトランジスタが直列に接続されている状態とは、例えば、第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方のみが、第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方のみに接続されている状態を意味する。また、トランジスタが並列に接続されている状態とは、第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方が第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方に接続され、第1のトランジスタのソースまたはドレインの他方が第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方に接続されている状態を意味する。
本明細書において接続とは、電気的な接続を意味しており、電流、電圧または電位が、供給可能、或いは伝送可能な状態に相当する。従って、接続している状態とは、直接接続している状態を必ずしも指すわけではなく、電流、電圧または電位が、供給可能、或いは伝送可能であるように、配線、抵抗、ダイオード、トランジスタなどの回路素子を介して間接的に接続している状態も、その範疇に含む。
本明細書において回路図上は独立している構成要素どうしが接続されている場合であっても、実際には、例えば配線の一部が電極として機能する場合など、一の導電膜が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合もある。本明細書において接続とは、このような、一の導電膜が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合も、その範疇に含める。
また、本明細書中において、トランジスタの第1の電極または第2の電極の一方がソース電極を、他方がドレイン電極を指す。
本発明の一態様によれば、利便性または信頼性に優れた新規な検知装置を提供できる。または、利便性または信頼性に優れた新規な入力装置を提供できる。または、利便性または信頼性に優れた新規な検知装置の駆動方法を提供できる。または、新規な検知装置、新規な検知装置の駆動方法または、新規な半導体装置を提供できる。
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
実施の形態に係る検知装置の構成を説明するブロック図、回路図およびタイミングチャート。 実施の形態に係る検知装置の構成を説明するブロック図。 実施の形態に係る入出力装置の構成を説明する投影図。 実施の形態に係る入出力装置の構成を説明する断面図。 実施の形態に係る検知装置の構成を説明するブロック図および回路図。 実施の形態に係る検知装置の構成を説明するブロック図および回路図。 実施の形態に係る検知回路に用いることができるトランジスタの構成を説明する図。 実施の形態に係る積層体の作製工程を説明する模式図。 実施の形態に係る積層体の作製工程を説明する模式図。 実施の形態に係る積層体の作製工程を説明する模式図。 実施の形態に係る支持体に開口部を有する積層体の作製工程を説明する模式図。 実施の形態に係る加工部材の構成を説明する模式図。 実施の形態に係る情報処理装置の構成を説明する投影図。 実施の形態に係る情報処理装置の構成を説明する投影図。
本発明の一態様の検知装置は、第1の検知信号および第2の検知信号を供給する検知ユニットと、第1の検知信号および第2の検知信号を供給され第1の検知情報および第2の検知情報を供給することができる変換回路と、を含んで構成される。
なお、第1の検知信号は、第1の増幅トランジスタのゲートが電気的に接続される第1のノードの電位の変化および第2の増幅トランジスタのゲートが電気的に接続される第2のノードの電位の変化に基づいて、第1の検知部によって供給される。
また、第2の検知信号は、第1の検知部に隣接し且つ第1の増幅トランジスタのゲートが電気的に接続される第1のノードの電位および第2の増幅トランジスタのゲートが電気的に接続される第2のノードの電位の変化に基づいて、第2の検知部によって供給される。
これにより、隣接して配設される複数の検知部が供給する検知信号を比較して検知情報を供給することができる。その結果、利便性または信頼性に優れた新規な検知装置を提供できる。
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
なお、「膜」という言葉と、「層」という言葉とは、場合によっては、または、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の検知装置の構成について、図1を参照しながら説明する。
図1は本発明の一態様の検知装置の構成を説明する図である。図1(A)は本発明の一態様の検知装置10のブロック図であり、図1(B)は検知装置10に用いることができる検知ユニット10Uの回路図である。
<検知装置の構成例1.>
本実施の形態で説明する検知装置10は、選択信号、第1の制御信号および第2の制御信号、第1の電源電位および定電流Iを供給され、第1の検知信号および第2の検知信号を供給することができる検知ユニット10Uを有する。
また、第1の検知信号および第2の検知信号を供給され、第1の検知信号に基づく第1の検知情報および第2の検知信号に基づく第2の検知情報を供給することができる変換回路15を有する。なお、変換回路15は第1の検知情報を出力端子OUT1に供給し、第2の検知情報を出力端子OUT2に供給する。
検知ユニット10Uは、近接するものとの距離に基づいて第1の検知信号を供給する第1の検知部10(1)および近接するものとの距離に基づいて第2の検知信号を供給する第2の検知部10(2)を備える。
第1の検知部10(1)は、制御端子が、選択信号を供給することができる選択信号線G1と電気的に接続され、第1の端子が、第1の検知信号を供給することができる第1の信号線ML1と電気的に接続される第1のスイッチを備える。例えば、トランジスタM11を第1のスイッチに用いることができる(図1(B)参照)。
また、制御端子が、第1の制御信号を供給することができる第1の制御線RESと電気的に接続され、第1の端子が第1の電源電位を供給することができる第1の配線VRESと電気的に接続される第2のスイッチを備える。例えば、トランジスタM12を第2のスイッチに用いることができる。
また、ゲートが第2のスイッチ(トランジスタM12)の第2の端子と電気的に接続され、第1の電極が第1のスイッチ(トランジスタM11)の第2の端子と電気的に接続され、第2の電極が定電流Iを供給することができる第2の配線PWと電気的に接続される第1の増幅トランジスタM10を備える。
また、第1の電極が第1の増幅トランジスタM10のゲートと電気的に接続され、第2の電極が第2の制御信号を供給することができる第2の制御線CSと電気的に接続される第1の容量素子C1を備える。
第2の検知部10(2)は、制御端子が選択信号線G1と電気的に接続され、第1の端子が第2の信号線ML2と電気的に接続される第3のスイッチを備える。例えば、トランジスタM13を第3のスイッチに用いることができる。
また、制御端子が第1の制御線RESと電気的に接続され、第1の端子が第1の配線VRESと電気的に接続される第4のスイッチを備える。例えば、トランジスタM14を第4のスイッチに用いることができる。
また、ゲートが第4のスイッチ(トランジスタM14)の第2の端子と電気的に接続され、第1の電極が第3のスイッチ(トランジスタM13)の第2の端子と電気的に接続され、第2の電極が第2の配線PWと電気的に接続される第2の増幅トランジスタM20を備える。
また、第1の電極が第2の増幅トランジスタM20のゲートと電気的に接続され、第2の電極が第2の制御線CSと電気的に接続される第2の容量素子C2と、を備える。
また、本実施の形態で説明する検知装置10の第2の検知部10(2)は、好ましくは第1の検知部10(1)から5mm以内、好ましくは2.5mm以内、より好ましくは1mm以内の範囲に配設される。
本実施の形態で説明する検知装置10は、第1の検知信号および第2の検知信号を供給する検知ユニット10Uと、第1の検知信号および第2の検知信号を供給され第1の検知情報および第2の検知情報を供給することができる変換回路15と、を含んで構成される。
なお、第1の検知信号は、第1の増幅トランジスタM10のゲートが電気的に接続される第1のノードA1の電位の変化および第2の増幅トランジスタM20のゲートが電気的に接続される第2のノードA2の電位の変化に基づいて、第1の検知部10(1)によって供給される。
また、第2の検知信号は、第1の検知部10(1)に隣接し且つ第1の増幅トランジスタM10のゲートが電気的に接続される第1のノードA1の電位および第2の増幅トランジスタM20のゲートが電気的に接続される第2のノードA2の電位の変化に基づいて、第2の検知部10(2)によって供給される。
これにより、隣接して配設される複数の検知部が供給する検知信号を比較して検知情報を供給することができる。その結果、利便性または信頼性に優れた新規な検知装置を提供できる。
なお、大気中において、指などの大気より大きな誘電率を備えるものが導電膜に近接すると、指と導電膜の間の静電容量が変化する。この静電容量の変化を検知して検知信号を供給することができる。具体的には、導電膜および当該導電膜に一方の電極が接続された容量素子を用いることができる。静電容量の変化に伴い電荷の分配が引き起こされ、容量素子の両端の電極の電圧が変化する。この電圧の変化を検知信号に用いることができる。例えば、第1の容量素子C1の電極間の電圧は、第1の電極11または第2の電極12と電気的に接続された導電膜にものが近接することにより変化する。
《全体の構成》
検知装置10は、検知ユニット10Uまたは変換回路15を有する。
《検知ユニット》
検知ユニット10Uは、第1のスイッチ、第2のスイッチ、第3のスイッチまたは第4のスイッチを備える。
また、第1の増幅トランジスタM10または第2の増幅トランジスタM20を備える。
また、第1の容量素子C1または第2の容量素子C2を備える。
検知ユニット102Uは、第1の検知部10(1)または第2の検知部10(2)を備える。なお、第2の検知部10(2)は、好ましくは第1の検知部10(1)から5mm以内、好ましくは2.5mm以内、より好ましくは1mm以内の範囲に配設される。また、第1の検知信号が第2の検知信号より大きく且つ第2の検知信号との差が最大になる位置を調べることにより、第1の検知部10(1)の位置を知ることができ、第2の検知信号が第1の検知信号より大きく且つ第1の検知信号との差が最大になる位置を調べることにより、第2の検知部10(2)の位置を知ることができる。
第1の検知部10(1)は、第1のスイッチ、第2のスイッチ、第1の増幅トランジスタM10および第1の容量素子C1を備えてもよい。
第2の検知部10(2)は、第3のスイッチ、第4のスイッチ、第2の増幅トランジスタM20および第2の容量素子C2を備えてもよい。
なお、検知ユニット10Uを支持する基材に検知ユニット10Uを形成するための膜を成膜し、加工する方法を用いて、検知ユニット10Uを形成してもよい。
または、検知ユニット10Uの一部を他の基材に形成し、形成された一部を基材に転置する方法を用いて、検知ユニット10Uを形成してもよい。
検知ユニット10Uの作製方法の一例を、実施の形態6乃至実施の形態8において詳細に説明する。
《スイッチ》
制御端子に供給される制御信号に基づいて、第1の端子と第2の端子を導通状態または非導通状態にすることができるスイッチを、第1のスイッチ乃至第4のスイッチに用いることができる。例えば、トランジスタを用いることができる。特に、第1の増幅トランジスタM10または第2の増幅トランジスタM20と同一の工程で作製することができるトランジスタを用いると、工程を簡略なものにすることができる。
《トランジスタ》
第1の増幅トランジスタM10または第2の増幅トランジスタM20は半導体層を有する。
例えば、4族の元素、化合物半導体または酸化物半導体を半導体層に用いることができる。具体的には、シリコンを含む半導体、ガリウムヒ素を含む半導体またはインジウムを含む酸化物半導体などを半導体層に適用できる。または、有機半導体を用いることができる。テトラセンやペンタセンなどのアセン類、オリゴチオフェン誘導体、フタロシアニン類、ペリレン誘導体、ルブレン、Alq3、TTF−TCNQ、ポリチオフェン(ポリ−3−ヘキシルチオフェンなど)、ポリアセチレン、ポリフルオレン、ポリフェニレンビニレン、ポリピロール、ポリアニリン、ペンタセン、アントラセン、ルブレン、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、ポリアセチレン、ポリ−3−ヘキシルチオフェン(P3HT)、ポリパラフェニレンビニレン(PPV)、フタロシアニンなどを有機半導体に用いることができる。
なお、酸化物半導体を半導体層に適用したトランジスタの構成を、実施の形態5において詳細に説明する。
《容量素子》
絶縁性の膜と、絶縁性の膜を挟持する2つの導電性の膜と、を備える容量素子を、第1の容量素子C1または第2の容量素子C2に適用できる。
有機材料、無機材料または有機材料と無機材料の複合材料等を絶縁性の膜に用いることができる。
例えば、ガラス、セラミックス、金属等の無機材料を絶縁性の材料に用いることができる。
具体的には、無アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、カリガラスまたはクリスタルガラス等を、絶縁膜に用いることができる。
具体的には、金属酸化物膜、金属窒化物膜若しくは金属酸窒化物膜等を、絶縁膜に用いることができる。例えば、酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素、アルミナ膜等を、絶縁膜に用いることができる。
例えば、樹脂、樹脂フィルムまたはプラスチック等の有機材料を絶縁膜に用いることができる。
具体的には、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート若しくはアクリル樹脂等の樹脂フィルムまたは樹脂板を、絶縁膜に用いることができる。
例えば、繊維状または粒子状の金属、ガラスもしくは無機材料等を樹脂フィルムに分散した複合材料を、絶縁膜に用いることができる。
例えば、繊維状または粒子状の樹脂もしくは有機材料等を無機材料に分散した複合材料を、絶縁膜に用いることができる。
例えば、無機導電性材料、有機導電性材料、金属または導電性セラミックスなどを、導電膜に用いることができる。
具体的には、アルミニウム、金、白金、銀、クロム、タンタル、チタン、モリブデン、タングステン、ニッケル、鉄、コバルト、イットリウム、ジルコニウム、パラジウムまたはマンガンから選ばれた金属元素、上述した金属元素を含む合金または上述した金属元素を組み合わせた合金などを配線等に用いることができる。特に、アルミニウム、クロム、銅、タンタル、チタン、モリブデン、タングステンの中から選択される一以上の元素を含むと好ましい。特に、銅とマンガンの合金がウエットエッチング法を用いた微細加工に好適である。
具体的には、アルミニウム膜上にチタン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にチタン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、窒化タンタル膜または窒化タングステン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、チタン膜と、そのチタン膜上にアルミニウム膜を積層し、さらにその上にチタン膜を形成する三層構造等を用いることができる。
具体的には、アルミニウム膜上にチタン、タンタル、タングステン、モリブデン、クロム、ネオジム、スカンジウムから選ばれた元素の膜、または複数組み合わせた合金膜、もしくは窒化膜を積層する積層構造を用いることができる。
または、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などの導電性酸化物を導電膜に用いることができる。
または、グラフェンまたはグラファイトを導電膜に用いることができる。グラフェンを含む膜は、例えば膜状に形成された酸化グラフェンを含む膜を還元して形成することができる。還元する方法としては、熱を加える方法や還元剤を用いる方法等を挙げることができる。
または、導電性高分子を導電膜に用いることができる。
《制御線、選択信号線、信号線または配線》
検知装置10は、第1の制御線、第2の制御線、第1の配線、第2の配線、選択信号線、第1の信号線または第2の信号線と電気的に接続される。
選択信号線G1は選択信号を供給することができる。
第1の制御線RESは第1の制御信号を供給することができ、第2の制御線CSは第2の制御信号を供給することができる。
第1の配線VRESは第1の電源電位を供給することができ、第2の配線PWは定電流Iを供給することができる。
第1の信号線ML1は第1の検知信号を供給することができ、第2の信号線ML2は第1の検知信号を供給することができる。
導電性を有する材料を第1の制御線、第2の制御線、第1の配線、第2の配線、選択信号線、第1の信号線または第2の信号線等に用いる。
例えば、第1の容量素子C1または第2の容量素子C2に用いることができる上記の導電膜と同様の材料を用いることができる。
《変換回路》
変換回路105は、第1の検知信号および第2の検知信号を変換し、第1の出力端子OUT1または第2の出力端子OUT2に供給することができる。
さまざまな回路を変換回路105に用いることができる。例えば、積分回路を用いて電流を電圧に変換してもよい。
例えば、検知ユニットが備えるトランジスタと同一の工程で形成されるトランジスタを用いることができる。
<検知装置の構成例2.>
本発明の一態様の検知装置の別の構成について、図5を参照しながら説明する。
図5は本発明の一態様の検知装置の構成を説明する図である。図5(A)は本発明の一態様の検知装置10のブロック図であり、図1(B)は検知装置10に用いることができる検知ユニット10UBの回路図である。
検知ユニット10UBは、定電流を供給することができる電源を備える点および、第1の増幅トランジスタM10の第2の電極および第2の増幅トランジスタM20の第2の電極が、定電流を供給することができる配線に電気的に接続される点が、図1を参照しながら説明する検知ユニット10Uとは異なる。ここでは異なる構成について詳細に説明し、同様の構成を用いることができる部分は、上記の説明を援用する。
電源は、例えば定電流を供給できる。具体的には、電源はトランジスタM0を備える。トランジスタM0は、ゲートが電源電位を供給することができる配線BIASに電気的に接続され、第1の電極が第1の増幅トランジスタM10の第2の電極および第2の増幅トランジスタM20の第2の電極に電気的に接続され、第2の電極が電源電位を供給することができる配線VPIに電気的に接続される。
トランジスタM0は、例えば定電流を第1の増幅トランジスタM10の第2の電極および第2の増幅トランジスタM20の第2の電極に供給することができる。
配線BIASは、例えば第2の電源電位を供給することができる。
配線VPIは、例えば第3の電源電位を供給することができる。
なお、第2の電源電位からトランジスタM0の閾値電圧だけ降下した電圧以上の電圧がトランジスタM0の第1の電極と第2の電極の間に印加されるように、第3の電源電位を供給する。
例えば、n型のトランジスタを用いる場合は、第1の電源電位を第2の電源電位より大きくし、第2の電源電位を第3の電源電位より大きくする。
なお、n型のトランジスタに替えてp型のトランジスタを用いて検知ユニットを構成することもできる。また、n型のトランジスタおよびp型のトランジスタを用いて検知ユニットを構成することもできる。
また、p型のトランジスタを用いる場合は、第1の電源電位を第2の電源電位より小さくし、第2の電源電位を第3の電源電位より小さくする。
検知ユニット10UBは、定電流を供給するトランジスタM0を備える。これにより、定電流を検知ユニット10UBに供給するための配線を短くすることができる。その結果、検知ユニット10UBを用いて、ノイズの影響を受けにくい検知装置を提供することができる。
本実施の形態で説明する検知装置10の変形例は、選択信号、第1の制御信号および第2の制御信号、第1の電源電位、第2の電源電位および第3の電源電位を供給され、第1の検知信号および第2の検知信号を供給することができる検知ユニット10UBを有する(図5(A)参照)。
また、第1の検知信号および第2の検知信号を供給され、第1の検知信号に基づく第1の検知情報および第2の検知信号に基づく第2の検知情報を供給することができる変換回路15を有する。なお、変換回路15は第1の検知情報を出力端子OUT1に供給し、第2の検知情報を出力端子OUT2に供給する。
検知ユニット10UBは、定電流を供給することができる電源、近接するものとの距離に基づいて第1の検知信号を供給する第1の検知部10(1)および近接するものとの距離に基づいて第2の検知信号を供給する第2の検知部10(2)を備える。なお、上記の第2の配線PWに替えて、電源が定電流Iを供給する(図5(B)参照)。
電源は、ゲートが第2の電源電位を供給することができる配線BIASに電気的に接続され、第1の電極が第3の電源電位を供給することができる配線と電気的に接続され、第2の電極は定電流を供給されることができる配線と電気的に接続されるトランジスタM0を備える。
第1の検知部10(1)は、制御端子が、選択信号を供給することができる選択信号線G1と電気的に接続され、第1の端子が、第1の検知信号を供給することができる第1の信号線ML1と電気的に接続される第1のスイッチを備える。例えば、トランジスタM11を第1のスイッチに用いることができる。
また、制御端子が、第1の制御信号を供給することができる第1の制御線RESと電気的に接続され、第1の端子が第1の電源電位を供給することができる第1の配線VRESと電気的に接続される第2のスイッチを備える。例えば、トランジスタM12を第2のスイッチに用いることができる。
また、ゲートが第2のスイッチ(トランジスタM12)の第2の端子と電気的に接続され、第1の電極が第1のスイッチ(トランジスタM11)の第2の端子と電気的に接続され、第2の電極が電源から供給される定電流を供給することができる配線と電気的に接続される第1の増幅トランジスタM10を備える。
また、第1の電極が第1の増幅トランジスタM10のゲートと電気的に接続され、第2の電極が第2の制御信号を供給することができる第2の制御線CSと電気的に接続される第1の容量素子C1を備える。
第2の検知部10(2)は、制御端子が選択信号線G1と電気的に接続され、第1の端子が第2の信号線ML2と電気的に接続される第3のスイッチを備える。例えば、トランジスタM13を第3のスイッチに用いることができる。
また、制御端子が第1の制御線RESと電気的に接続され、第1の端子が第1の配線VRESと電気的に接続される第4のスイッチを備える。例えば、トランジスタM14を第4のスイッチに用いることができる。
また、ゲートが第4のスイッチ(トランジスタM14)の第2の端子と電気的に接続され、第1の電極が第3のスイッチ(トランジスタM13)の第2の端子と電気的に接続され、第2の電極が電源から供給される定電流を供給することができる配線と電気的に接続される第2の増幅トランジスタM20を備える。
また、第1の電極が第2の増幅トランジスタM20のゲートと電気的に接続され、第2の電極が第2の制御線CSと電気的に接続される第2の容量素子C2と、を備える。
また、本実施の形態で説明する検知装置10の変形例の第2の検知部10(2)は、好ましくは第1の検知部10(1)から5mm以内、好ましくは2.5mm以内、より好ましくは1mm以内の範囲に配設される。
<検知装置の駆動方法>
検知装置10の駆動方法を説明する(図1(A)乃至図1(C)参照)。
《第1のステップ》
第1のステップにおいて、第1のスイッチ(第1のトランジスタM11)および第3のスイッチ(第3のトランジスタM13)を導通状態にする選択信号、第2のスイッチ(第2のトランジスタM12)および第4のスイッチ(第2のトランジスタM14)を導通状態にする第1の制御信号を供給し、第1の検知信号および第2の検知信号を取得する(図1(C)期間T1参照)。
これにより、第2のスイッチ(トランジスタM12)の第2の端子、第1の増幅トランジスタM10のゲートおよび第1の容量素子C1の第1の電極が電気的に接続される第1のノードA1の電位を、第1の電源電位に基づくものにする。
また、第4のスイッチ(トランジスタM14)の第2の端子、第2の増幅トランジスタM20のゲートおよび第2の容量素子C2の第1の電極が電気的に接続される第2のノードA2の電位を、第1の電源電位に基づくものにする。
第1のノードA1の電位および第2のノードA2の電位を、第1の電源電位に基づく電位にすることにより、およそ等しい電流が第1の信号線ML1および第2の信号線ML2に流れることになる。第1の信号線ML1を流れる電流および第2の信号線ML2を流れる電流の和は、第2の配線または電源が供給する定電流Iの大きさとなる(図1)。
なお、第1のステップにおいて第1の信号線ML1に流れる電流に基づく第1の検知信号を第1の参照信号ref1とし、第2の信号線ML2に流れる電流に基づく第2の検知信号を第2の参照信号ref2とすることができる。
《第2のステップ》
第2のステップにおいて、第1のスイッチ(第1のトランジスタM11)および第3のスイッチ(第3のトランジスタM13)を導通状態にする選択信号、第2のスイッチ(第2のトランジスタM12)および第4のスイッチ(第4のトランジスタM14)を非導通状態にする第1の制御信号を供給する。
また、パルス状の第2の制御信号を供給し、第1の検知信号および第2の検知信号を取得する(図1(C)期間T2参照)。
これにより、パルス状の第2の制御信号は、第1の容量素子C1を介して第1のノードA1の電位を変化し、第2の容量素子C2を介して第2のノードA2の電位を変化する。例えば、矩形波をパルス状の第2の制御信号に用いることができる。
なお、パルス状の第2の制御信号によってもたらされる第1のノードA1の電位の変化は、第1のノードA1と電気的に接続する導電膜とその導電膜に近接するもの(例えば指)との静電容量に依存する。
また、パルス状の第2の制御信号によってもたらされる第2のノードA2の電位の変化は、第2のノードA2と電気的に接続する導電膜とその導電膜に近接するもの(例えば指)との静電容量に依存する。
これにより、第1のノードA1の電位の変化と第2のノードA2の電位の変化は、第1の検知部10(1)の導電膜からそれに近接するものまでの第1の距離および第2の検知部10(2)の導電膜からそれに近接するものまでの第2の距離の違いに基づいて異なるものになる。その結果、第1の検知部10(1)と第2の検知部10(2)は、互いに異なる大きさの第1の検知信号および第2の検知信号を供給することができる。
《第3のステップ》
第3のステップにおいて、第2のステップで供給された第1の検知信号を第1のステップで供給された第1の参照信号と比較して、第1の検知情報を取得する。
また、第2のステップで供給された第2の検知信号を第1のステップで供給された第2の参照信号と比較して、第2の検知情報を取得する。
具体的には、第1の検知信号から変換された第1の検知情報から、第1の参照信号から変換された第1の参照情報を差し引いて第1の検知部10(1)が供給する第1の検知情報を取得する。
具体的には、第2の検知信号から変換された第2の検知情報から、第2の参照信号から変換された第2の参照情報を差し引いて第2の検知部10(2)が供給する第2の検知情報を取得する。
《第4のステップ》
第4のステップにおいて、第3のステップで取得した第1の検知情報と第2の検知情報を比較して、検知装置10に近接するものについての検知情報を取得することができる。
本実施の形態で説明する検知装置10の駆動方法は、第1の電源電位に基づく電位を、第1の検知部10(1)の第1のノードA1および第1の検知部に隣接する第2の検知部10(2)の第2のノードA2に供給し、参照信号を取得する第1のステップと、パルス状の第2の制御信号を、第1の容量素子C1および第2の容量素子C2の第2の電極に供給し検知信号を取得する第2のステップと、第2のステップで得た検知信号と第1のステップで得た参照信号を比較して、検知情報を取得する第3のステップとを含んで構成される。
これにより、第1の検知部が第1のノードの電位の変化および第2のノードの電位の変化に基づいて供給する第1の検知信号および第1の検知部に隣接する第2の検知部が第1のノードの電位の変化および第2のノードの電位の変化に基づいて供給する第2の検知信号を比較して、検知情報を供給することができる。その結果、利便性または信頼性に優れた新規な検知装置の駆動方法を提供できる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の検知装置の構成について、図6を参照しながら説明する。
図6は本発明の一態様の検知装置の構成を説明する図である。図6(A)は本発明の一態様の検知装置10のブロック図であり、図6(B)は検知装置10に用いることができる検知ユニット10UCの回路図である。
<検知装置の構成例>
本実施の形態で説明する検知装置10は、選択信号、第1の制御信号および第2の制御信号、第1の電源電位、第2の電源電位、第3の電源電位および第4の電源電位を供給され、第1の検知信号および第2の検知信号を供給することができる検知ユニット10UCを有する(図6(A)参照)。
また、第1の検知信号および第2の検知信号を供給され、第1の検知信号に基づく第1の検知情報および第2の検知信号に基づく第2の検知情報を供給することができる変換回路15を有する。なお、変換回路15は第1の検知情報を出力端子OUT1に供給し、第2の検知情報を出力端子OUT2に供給する。
検知ユニット10UCは、定電流を供給することができる電源、近接するものとの距離に基づいて第1の検知信号を供給する第1の検知部10(1)および近接するものとの距離に基づいて第2の検知信号を供給する第2の検知部10(2)を備える。なお、電源が定電流Iを供給する(図6(B)参照)。
電源は、ゲートが第2の電源電位を供給することができる配線BIASに電気的に接続され、第1の電極が第3の電源電位を供給することができる配線と電気的に接続され、第2の電極は定電流を供給されることができる配線と電気的に接続されるトランジスタM0を備える。
第1の検知部10(1)は、制御端子が、選択信号を供給することができる選択信号線G1と電気的に接続され、第1の端子が、第1の検知信号を供給することができる第1の信号線ML1と電気的に接続される第1のスイッチを備える。例えば、トランジスタM11を第1のスイッチに用いることができる。
また、制御端子が、第1の制御信号を供給することができる第1の制御線RESと電気的に接続され、第1の端子が第1の電源電位を供給することができる第1の配線VRESと電気的に接続される第2のスイッチを備える。例えば、トランジスタM12を第2のスイッチに用いることができる。
また、ゲートが第2のスイッチ(トランジスタM12)の第2の端子と電気的に接続され、第1の電極が第1のスイッチ(トランジスタM11)の第2の端子と電気的に接続され、第2の電極が電源から供給される定電流を供給することができる配線と電気的に接続される第1の増幅トランジスタM10を備える。
また、制御端子が第2の制御信号を供給することができる第2の制御線CSと電気的に接続され、第1の端子が第2のスイッチの第2の端子に電気的に接続される第5のスイッチを備える。例えば、トランジスタM15を第5のスイッチに用いることができる。
また、制御端子が第1の制御信号を供給することができる第1の制御線RESに電気的に接続され、第1の端子が第4の電源電位を供給することができる配線COMと電気的に接続され、第2の端子が第5のスイッチの第2の端子と電気的に接続される第6のスイッチを備える。例えば、トランジスタM16を第6のスイッチに用いることができる。
第2の検知部10(2)は、制御端子が選択信号線G1と電気的に接続され、第1の端子が第2の信号線ML2と電気的に接続される第3のスイッチを備える。例えば、トランジスタM13を第3のスイッチに用いることができる。
また、制御端子が第1の制御線RESと電気的に接続され、第1の端子が第1の配線VRESと電気的に接続される第4のスイッチを備える。例えば、トランジスタM14を第4のスイッチに用いることができる。
また、ゲートが第4のスイッチ(トランジスタM14)の第2の端子と電気的に接続され、第1の電極が第3のスイッチ(トランジスタM13)の第2の端子と電気的に接続され、第2の電極が電源から供給される定電流を供給することができる配線と電気的に接続される第2の増幅トランジスタM20を備える。
また、制御端子が第2の制御信号を供給することができる第2の制御線CSと電気的に接続され、第1の端子が第2のスイッチの第2の端子に電気的に接続される第7のスイッチを備える。例えば、トランジスタM17を第5のスイッチに用いることができる。
また、制御端子が第1の制御信号を供給することができる第1の制御線RESに電気的に接続され、第1の端子が第4の電源電位を供給することができる配線COMと電気的に接続され、第2の端子が第7のスイッチの第2の端子と電気的に接続される第8のスイッチを備える。例えば、トランジスタM18を第8のスイッチに用いることができる。
また、本実施の形態で説明する検知装置10の第2の検知部10(2)は、好ましくは第1の検知部10(1)から5mm以内、好ましくは2.5mm以内、より好ましくは1mm以内の範囲に配設される。
なお、第1の検知部10(1)は、第5のスイッチの第2の端子、第6のスイッチの第2の端子および第1の導電膜が接続された第3のノードA3を備える。
また、第2の検知部10(2)は、第7のスイッチの第2の端子、第8のスイッチの第2の端子および第1の導電膜と電気的に絶縁された第2の導電膜が接続された第4のノードA4を備える。
本実施の形態で説明する検知装置10は、第1の検知信号および第2の検知信号を供給する検知ユニット10UCと、第1の検知信号および第2の検知信号を供給され第1の検知情報および第2の検知情報を供給することができる変換回路15と、を含んで構成される。
なお、第1の検知信号は、第1の増幅トランジスタM10のゲートが電気的に接続される第1のノードA1の電位の変化および第2の増幅トランジスタM20のゲートが電気的に接続される第2のノードA2の電位の変化に基づいて、第1の検知部10(1)によって供給される。
また、第2の検知信号は、第1の検知部10(1)に隣接し且つ第1の増幅トランジスタM10のゲートが電気的に接続される第1のノードA1の電位および第2の増幅トランジスタM20のゲートが電気的に接続される第2のノードA2の電位の変化に基づいて、第2の検知部10(2)によって供給される。
これにより、隣接して配設される複数の検知部が供給する検知信号を比較して検知情報を供給することができる。その結果、利便性または信頼性に優れた新規な検知装置を提供できる。
なお、所定の電位を配線COMが供給する第4の電源電位にすることができる。例えば、第1の電源電位と異なる電位を、第4の電源電位に用いることができる。
<検知装置の駆動方法>
本実施の形態で例示する検知装置10は、実施の形態1で説明する検知装置10と同様の方法を用いて駆動することができる。
具体的には、第5のスイッチ(トランジスタM15)が非導通状態において第1の制御信号が供給されることにより、第1のノードA1に第1の電源電位に基づく電位が供給され、第3のノードA3に第4の電源電位に基づく電位が供給される(第1のステップ)。なお、第3のノードA3に電気的に接続される第1の導電膜にものが近接すると、静電容量に変化が生じる。
また、第7のスイッチ(トランジスタM17)が非導通状態において第1の制御信号が供給されることにより、第2のノードA2に第1の電源電位に基づく電位が供給され、第4のノードA4に第4の電源電位に基づく電位が供給される。なお、第4のノードA4に電気的に接続される第2の導電膜に物が近接すると、静電容量に変化が生じる。
次いで、第2のスイッチ(トランジスタM12)および第6のスイッチ(トランジスタM16)が非導通状態において、第5のスイッチ(トランジスタM15)を導通状態にする第2の制御信号を供給すると、第1のノードA1と第3のノードA3が電気的に接続される(第2のステップ)。
第4のスイッチ(トランジスタM14)および第8のスイッチ(トランジスタM18)が非導通状態において、第7のスイッチ(トランジスタM17)を導通状態にする第2の制御信号を供給すると、第2のノードA2と第4のノードA4が電気的に接続される。
これにより、第1の導電膜に近接するものがもたらす静電容量の変化が、第1のノードA1の電位を変化し、第2の導電膜に近接するものがもたらす静電容量の変化が、第2のノードA2の電位を変化する。その結果、第1の検知部10(1)と第2の検知部10(2)は互いに異なる大きさの第1の検知信号および第2の検知信号を供給する。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の入力装置の構成について、図2を参照しながら説明する。
図2は本発明の一態様の入力装置の構成を説明する図である。図2(A)は本発明の一態様の入力装置100のブロック図であり、図2(B)は入力装置100に用いることができる検知ユニット10U(i,j)の構成を説明するブロック図である。
<入力装置の構成例1.>
本実施の形態で説明する入力装置100は、m行n列のマトリクス状に配設される複数の検知ユニット10U(i,j)を有する(図2(A)参照)。
なお、m、n、iおよびjは自然数である。また、mまたはnのいずれか一方は2以上である。iはm以下である。jはn以下である。
また、行方向に配設される複数の検知ユニット10U(i,j)と電気的に接続され且つ選択信号を供給することができる複数の選択信号線G1(i)と、行方向に配設される複数の検知ユニット10U(i,j)と電気的に接続され且つ第1の制御信号を供給することができる複数の第1の制御線RES(i)と、を有する。
また、列方向に配設される複数の検知ユニット10U(i,j)と電気的に接続され且つ第1の検知信号を供給することができる複数の第1の信号線ML1(j)と、列方向に配設される複数の検知ユニット10U(i,j)と電気的に接続され且つ第2の検知信号を供給することができる複数の第2の信号線ML2(j)と、を有する。
また、複数の検知ユニット10U(i,j)と電気的に接続され且つ第2の制御信号を供給することができる第2の制御線CSと、を有する。
また、複数の検知ユニット10U(i,j)と電気的に接続され且つ第1の電源電位を供給することができる第1の配線VRESと、複数の検知ユニット10U(i,j)と電気的に接続され且つ定電流を供給することができる第2の配線PWと、を有する。
また、第1の検知信号を供給することができる信号線ML1(j)および第2の検知信号を供給することができる信号線ML2(j)と電気的に接続され、検知情報を端子OUT(j)に供給することができる変換回路105(j)と、を有する。
また、複数の検知ユニット10U(i,j)、選択信号線G1(i)、第1の制御線RES(i)、第1の信号線ML1(j)、第2の信号線ML2(j)、第2の制御線CS、第1の配線および第2の配線PWを支持する基材16と、を有する。
検知ユニット10U(i,j)は、近接するものとの距離に基づいて第1の検知信号を供給する第1の検知部10(1)および近接するものとの距離に基づいて第2の検知信号を供給する第2の検知部10(2)を備える。
第1の検知部10(1)は、制御端子が、選択信号を供給することができる選択信号線G1(i)と電気的に接続され、第1の端子が、第1の検知信号を供給することができる第1の信号線ML1(j)と電気的に接続される第1のスイッチを備える。例えば、トランジスタM11を第1のスイッチに用いることができる(図1(B)参照)。
また、制御端子が、第1の制御信号を供給することができる第1の制御線RES(i)と電気的に接続され、第1の端子が第1の電源電位を供給することができる第1の配線VRESと電気的に接続される第2のスイッチを備える。例えば、トランジスタM12を第2のスイッチに用いることができる。
また、ゲートが第2のスイッチ(トランジスタM12)の第2の端子と電気的に接続され、第1の電極が第1のスイッチ(トランジスタM11)の第2の端子と電気的に接続され、第2の電極が定電流を供給することができる第2の配線PWと電気的に接続される第1の増幅トランジスタM10を備える。
また、第1の電極が第1の増幅トランジスタM10のゲートと電気的に接続され、第2の電極が第2の制御信号を供給することができる第2の制御線CSと電気的に接続される第1の容量素子C1を備える。
第2の検知部10(2)は、制御端子が選択信号線G1と電気的に接続され、第1の端子が第2の信号線ML2(j)と電気的に接続される第3のスイッチを備える。例えば、トランジスタM13を第3のスイッチに用いることができる。
また、制御端子が第1の制御線RESと電気的に接続され、第1の端子が第1の配線VRESと電気的に接続される第4のスイッチを備える。例えば、トランジスタM14を第4のスイッチに用いることができる。
また、ゲートが第4のスイッチ(トランジスタM14)の第2の端子と電気的に接続され、第1の電極が第3のスイッチの第2の端子と電気的に接続され、第2の電極が第2の配線PWと電気的に接続される第2の増幅トランジスタM20を備える。
また、第1の電極が第2の増幅トランジスタM20のゲートと電気的に接続され第2の電極が第2の制御線CSと電気的に接続される第2の容量素子と、を備える。
また、本実施の形態で説明する入力装置100に用いる検知ユニット10U(i,j)の第2の検知部10(2)は、第1の検知部10(1)から5mm以内、好ましくは2.5mm以内、より好ましくは1mm以内の範囲に配設される。
本実施の形態で説明する入力装置100は、マトリクス状に配設された複数の検知ユニット10U(i,j)と第1の制御線RES(i)と、選択信号線G1(i)と、第1の信号線ML1(j)と、第2の信号線ML1(j)と、第2の制御線CSと、第1の配線VRESと、第2の配線PWと、これらを支持する基材16と、検知ユニット10U(i,j)に設けられた第1の検知部10(1)が供給する第1の検知信号および第1の検知部10(1)に隣接する第2の検知部10(2)が供給する第2の検知信号を供給され、検知情報を供給することができる変換回路と、を含んで構成される。
これにより、隣接して配設される複数の検知部が供給する検知信号を比較して検知情報を供給することができる。その結果、利便性または信頼性に優れた新規な入力装置を提供できる。
また、入力装置100は選択信号および第1の制御信号をi行目に配置された検知ユニット10U(i,j)に供給する駆動回路GDを備えてもよい。
また、入力装置100はj列目に配置された検知ユニット10U(i,j)に第1の検知信号および第2の検知信号を供給され検知情報を供給することができる変換回路105(j)を含む変換器CONVを備えてもよい。
以下に、入力装置を構成する個々の要素について説明する。なお、これらの構成は明確に分離できず、一つの構成が他の構成を兼ねる場合や他の構成の一部を含む場合がある。
また、入力装置100は、複数の検知ユニット10U(i,j)を有する点、選択信号線G1(i)、第1の制御線RES(i)、第1の信号線ML1(j)、第2の信号線ML2(j)、第2の制御線CS、第1の配線および第2の配線PWを有する点、これらの構成を支持する基材16を有する点、複数の変換回路204(j)を有する点が、図1を参照しながら説明する検知装置10とは異なる。ここでは異なる構成について詳細に説明し、同様の構成を用いることができる部分は、上記の説明を援用する。
言い換えると、実施の形態1で説明する検知ユニット10Uと同様の構成を検知ユニット10U(i,j)に用いることができ、変換回路15と同様の構成を変換回路105(j)に用いることができる。
《全体の構成》
実施の形態1で説明する検知ユニット10Uと同様の構成を検知ユニット10U(i,j)に用いることができる。
実施の形態1で説明する変換回路15と同様の構成を変換回路105(j)に用いることができる。
実施の形態1で説明する第1の制御線、第2の制御線、第1の配線、第2の配線、選択信号線、第1の信号線または第2の信号線同様の構成を、選択信号線G1(i)、第1の制御線RES(i)、第1の信号線ML1(j)、第2の信号線ML2(j)、第2の制御線CS、第1の配線または第2の配線PWに用いることができる。
《基材》
基材16は、複数の検知ユニット10U(i,j)、選択信号線G1(i)、第1の制御線RES(i)、第1の信号線ML1(j)、第2の信号線ML2(j)、第2の制御線CS、第1の配線または第2の配線PWを支持する基材16。また、変換回路105(j)を支持してもよい。
特に、可撓性を有する材料を基材16に用いると、入力装置100を折り畳んだ状態または展開された状態にすることができる。
折り畳まれた状態の入力装置100は可搬性に優れる。これにより、入力装置100の使用者は、入力装置100を片手で把持しながら操作して位置情報を供給できる。
また、展開された状態の入力装置100は一覧性に優れる。これにより入力装置100の使用者は、入力装置100に多様な情報を表示しながら操作して、位置情報を供給できる。
有機材料、無機材料または有機材料と無機材料の複合材料等を可撓性の基材16に用いることができる。
5μm以上2500μm以下、好ましくは5μm以上680μm以下、より好ましくは5μm以上170以下、より好ましくは5μm以上45μm以下、より好ましくは5μm以上45μm以下、より好ましくは8μm以上25μm以下の厚さを有する材料を、基材16に用いることができる。
また、意図しない不純物の透過が抑制された材料を基材16に好適に用いることができる。例えば、水蒸気の透過率が10−5g/m・day以下、好ましくは10−6g/m・day以下である材料を好適に用いることができる。
また、線膨張率がおよそ等しい材料を基材16に好適に用いることができる。例えば、線膨張率が1×10−3/K以下、好ましくは5×10−5/K以下、より好ましくは1×10−5/K以下である材料を好適に用いることができる。
例えば、樹脂、樹脂フィルムまたはプラスチックフィルム等の有機材料を、基材16に用
いることができる。
例えば、金属板または厚さ10μm以上50μm以下の薄板状のガラス板等の無機材料を、基材16に用いることができる。
例えば、金属板、薄板状のガラス板または無機材料の膜を樹脂フィルム等に貼り合せた複合材料を、基材16に用いることができる。
例えば、繊維状または粒子状の金属、ガラスもしくは無機材料を樹脂フィルムに分散した複合材料を、基材16に用いることができる。
具体的には、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート若しくはアクリル樹脂等の樹脂フィルムまたは樹脂板を用いることができる。
具体的には、無アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、カリガラス若しくはクリスタルガラス等を用いることができる。
具体的には、金属酸化物膜、金属窒化物膜若しくは金属酸窒化物膜等を用いることができる。例えば、酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素、アルミナ膜等を適用できる。
具体的には、SUSまたはアルミニウム等を用いることができる。
<入力装置の構成例2.>
本発明の一態様の入力装置の別の構成について、図2および図5を参照しながら説明する。
図5は本発明の一態様の入力装置に用いることができる検知ユニット10UBの変形例の構成を説明する図である。
検知ユニット10Uに替えて、検知ユニット10UBを用いることができる。検知ユニット10UBを用いる場合は、第2の配線PWに替えて配線BIASおよび配線VPIを用いる。
配線BIASは、第2の電源電位を供給することができ、配線VPIは第3の電源電位を供給することができる。
基材16は、第2の配線PWに替えて配線BIASおよび配線VPIを支持する。
<入力装置の構成例3.>
本発明の一態様の入力装置の別の構成について、図2および図6を参照しながら説明する。
図6は本発明の一態様の入力装置に用いることができる検知ユニット10UCの変形例の構成を説明する図である。
検知ユニット10Uに替えて、検知ユニット10UCを用いることができる。検知ユニット10UCを用いる場合は、第2の配線PWに替えて配線BIASおよび配線VPIを用いる。また、配線COMを用いる。
配線BIASは、第2の電源電位を供給することができ、配線VPIは第3の電源電位を供給することができる。また、配線COMは第4の電源電位を供給できる。
基材16は、第2の配線PWに替えて配線BIAS、配線VPIおよび配線COMを支持する。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の入力装置を用いた入出力装置の構成について、図3および図4を参照しながら説明する。
図3は本発明の一態様の入出力装置500の構成を説明する投影図である。なお、説明の便宜のために検知ユニット10U(i,j)の一部および画素502の一部が拡大されている。
図4(A)は図3に示す本発明の一態様の入出力装置500のZ1−Z2における断面の構造を示す断面図であり、図4(B)および図4(C)は図4(A)に示す構造の一部を置換することができる構造の変形例を示す断面図である。
<入出力装置の構成例>
本実施の形態で説明する入出力装置500は、表示部501および表示部501に重なる入力装置100を有する(図3参照)。
入力装置100は、マトリクス状に配設される複数の検知ユニット10U(i,j)を有する。
また、行方向(図中に矢印Rで示す)に配置される複数の検知ユニット10U(i,j)が電気的に接続される選択信号線G1(i)と、第1の制御線RES(i)と、を有する。
また、列方向(図中に矢印Cで示す)に配置される複数の検知ユニット10U(i,j)が電気的に接続される第1の信号線ML1(j)と、第2の信号線ML2(j)と、を有する。
また、第2の制御信号を供給することができる第2の制御線CS、第1の電位を供給することができる第1の配線VRES、定電流を供給することができる第2の配線PWを備える。
また、検知ユニット10U(i,j)は、第1の検知部10(1)および第1の検知部10(1)に隣接する第2の検知部10(2)を有する。
第1の検知部10(1)は、第1の検知信号を第1の信号線ML1に供給することができる。第2の検知部10(2)は、第2の検知信号を第2の信号線ML2に供給することができる。
トランジスタまたは/および検知素子等を第1の検知部10(1)に用いることができる。また、トランジスタまたは/および検知素子等を第2の検知部に用いることができる。例えば、導電膜と当該導電膜に電気的に接続される容量素子を検知素子に用いることができる。具体的には、トランジスタM12、トランジスタM12の第2の電極と電気的に接続される第1の容量素子C1を用いることができる(図4参照)。
第1の容量素子C1は絶縁層13、絶縁層13を挟持する第1の電極11および第2の電極12を備える。
また、検知ユニット10U(i,j)は、マトリクス状に配置された複数の窓部14を有する(図3参照)。窓部14は可視光を透過し、遮光性の層BMを複数の窓部14の間に配設してもよい。
窓部14に重なる位置に着色層を備える。着色層は、所定の色の光を透過する。なお、着色層はカラーフィルタということができる。例えば、青色の光を透過する着色層CFB、緑色の光を透過する着色層CFGまたは赤色の光を透過する着色層CFRを用いることができる。また、黄色の光を透過する着色層や白色の光を透過する層を用いてもよい。
表示部501は、マトリクス状に配置された複数の画素502を有する。画素502は入力装置100の窓部14と重なるように配置されている。
画素502は、検知ユニット10U(i,j)に比べて高い精細度で配置されてもよい。
本実施の形態で説明する入出力装置500は、可視光を透過する窓部14を具備する検知ユニット10U(i,j)を複数備える入力装置100と、窓部14に重なる画素502を複数備える表示部501と、を有し、窓部14と画素502の間に着色層を含んで構成される。また、それぞれの検知ユニットに他の検知ユニットへの電気的な干渉を低減することができるスイッチが配設されている。なお、トランジスタ等をスイッチに用いることができる。
これにより、各検知ユニットが検知する検知情報を検知ユニットの位置情報と共に供給することができる。また、画像を表示する画素の位置情報に関連付けて検知情報を供給することができる。また、検知情報を供給させない検知ユニットと信号線を非導通状態にすることで、検知信号を供給させる検知ユニットへの電気的な干渉を低減することができる。その結果、利便性または信頼性に優れた新規な入出力装置を提供することができる。
例えば、入出力装置500の入力装置100は検知情報を検知して位置情報と共に供給することができる。具体的には、入出力装置500の使用者は、入力装置100に触れた指等をポインタに用いて様々なジェスチャー(タップ、ドラッグ、スワイプまたはピンチイン等)をすることができる。
入力装置100は入力装置100に近接または接触する指等を検知して、検知した位置または軌跡等を含む検知情報を供給することができる。
演算装置は供給された検知情報が所定の条件を満たすか否かをプログラム等に基づいて判断し、所定のジェスチャーに関連付けられた命令を実行する。
これにより、入力装置100の使用者は、指等を用いて所定のジェスチャーを供給し、所定のジェスチャーに関連付けられた命令を演算装置に実行させることができる。
例えば、入力装置100は、一の第1の信号線ML1に検知情報を供給することができる複数の検知ユニットの第1の検知部10(1)から一の検知ユニットを選択し、選択された検知ユニットを除いた他の検知ユニットと当該一の第1の信号線ML1を非導通状態にすることができる。これにより、選択されていない他の検知ユニットの第1の検知部10(1)がもたらす選択された検知ユニットへの第1の検知部10(1)の電気的な干渉を低減することができる。
具体的には、選択されていない検知ユニットの第1の検知部10(1)の検知素子がもたらす選択された検知ユニットの検知素子への電気的な干渉を低減できる。なお、上記の記載は、第1の検知部10(1)を第2の検知部10(2)に読み替え且つ第1の信号線ML1を第2の信号線ML2に読み替えることができる。
例えば、容量素子および当該容量素子の一の電極が電気的に接続された導電膜を検知素子に用いる場合において、選択されていない検知ユニットの導電膜の電位がもたらす、選択された検知ユニットの導電膜の電位への干渉を低減することができる。具体的には、雑音の低減に寄与することができる。
これにより、入力装置100はその大きさに依存することなく、検知ユニットを駆動して、検知情報を供給させることができる。例えば、ハンドヘルド型に用いることができる大きさから、電子黒板に用いることができる大きさまで、さまざまな大きさの入力装置100を提供することができる。
また、入力装置100が折り畳まれた状態および展開された状態にすることができ且つ折り畳まれた状態と展開された状態とで選択されていない検知ユニットがもたらす選択された検知ユニットへの電気的な干渉が異なる場合においても、入力装置100の状態に依存することなく検知ユニットを駆動して、検知情報を供給させることができる。
また、入出力装置500の表示部501は表示情報Vを供給されることができる。例えば、演算装置は表示情報Vを供給することができる。
以上の構成に加えて、入出力装置500は以下の構成を備えることもできる。
入出力装置500の入力装置100は、駆動回路GDまたは変換器CONVを備えてもよい。また、フレキシブル基板FPC1と電気的に接続されてもよい。
入出力装置500の表示部501は、走査線駆動回路503g、配線511または端子519を備えてもよい。また、フレキシブルプリント基板FPC2と電気的に接続されてもよい。
また、傷の発生を防いで入出力装置500を保護する保護層17を備えてもよい。例えば、セラミックコート層またはハードコート層を保護層17に用いることができる。具体的には、酸化アルミニウムを含む層またはUV硬化樹脂を用いることができる。また、入出力装置500が反射する外光の強度を弱める反射防止層567pを用いることができる。具体的には円偏光板を用いることができる。
以下に、入出力装置500を構成する個々の要素について説明する。なお、これらの構成は明確に分離できず、一つの構成が他の構成を兼ねる場合や他の構成の一部を含む場合がある。
例えば、複数の窓部14に重なる位置に着色層を備える入力装置100は、入力装置100であるとともにカラーフィルタでもある。
また、例えば入力装置100が表示部501に重ねられた入出力装置500は、入力装置100であるとともに表示部501でもある。なお、表示部501に入力装置100が重ねられた入出力装置500をタッチパネルともいう。
《全体の構成》
本実施の形態で説明する入出力装置500は、入力装置100または表示部501を有する。
なお、入出力装置500の作製方法の一例を実施の形態6乃至実施の形態8において詳細に説明する。
《入力装置》
入力装置100は、検知ユニット10U、選択信号線G1、第1の信号線ML1(j)および第2の信号線ML2(j)ならびに窓部14および第1の基材16を備える。
なお、基材16に入力装置100を形成するための膜を成膜し、当該膜を加工する方法を用いて、入力装置100を形成してもよい。
または、入力装置100の一部を他の基材に形成し、当該一部を基材16に転置する方法を用いて、入力装置100を形成してもよい。
《検知ユニット》
検知ユニット10U(i,j)は近接または接触するものを検知して検知情報を供給する。例えば静電容量、照度、磁力、電波または圧力等を検知して、検知した物理量に基づく情報を供給する。具体的には、容量素子、光電変換素子、磁気検知素子、圧電素子または共振器等を検知素子に用いることができる。
検知ユニット10U(i,j)は、例えば、近接または接触するものとの間の静電容量の変化を検知する。具体的には、導電膜および導電膜と電気的に接続された検知回路を用いてもよい。
なお、大気中において、指などの大気より大きな誘電率を備えるものが導電膜に近接すると、指と導電膜の間の静電容量が変化する。この静電容量の変化を検知して検知信号を供給することができる。具体的には、導電膜および当該導電膜に一方の電極が接続された容量素子を含む検知回路を用いることができる。静電容量の変化に伴い電荷の分配が引き起こされ、容量素子の両端の電極の電圧が変化する。この電圧の変化を検知信号に用いることができる。例えば、第1の容量素子C1の電極間の電圧は一方の電極に電気的に接続された導電膜にものが近接することにより変化する。
例えば、実施の形態2で説明する構成を検知ユニット10U(i,j)に用いることができる。検知ユニット10U(i,j)は第1の検知部10(1)と第2の検知部10(2)を備える。
第1の検知部10(1)は検知情報を第1の信号線ML1(j)に供給し、第2の検知部10(2)は検知情報を第2の信号線ML2(j)に供給する。
《スイッチ、トランジスタ》
検知ユニット10U(i,j)は、制御信号に基づいて導通状態または非導通状態にすることができるスイッチを備える。例えば、トランジスタをスイッチに用いることができる。
また、検知信号を増幅するトランジスタを検知ユニット10U(i,j)に用いることができる。
同一の工程で作製することができるトランジスタを、検知信号を増幅するトランジスタおよびスイッチに用いることができる。これにより、作製工程が簡略化された入力装置100を提供できる。
トランジスタは半導体層を備える。例えば、4族の元素、化合物半導体または酸化物半導体を半導体層に用いることができる。具体的には、シリコンを含む半導体、ガリウムヒ素を含む半導体またはインジウムを含む酸化物半導体などを半導体層に適用できる。
様々な結晶性を備える半導体層をトランジスタに用いることができる。例えば、非結晶を含む半導体層、微結晶を含む半導体層、多結晶を含む半導体層または単結晶を含む半導体層等を用いることができる。具体的には、アモルファスシリコン、レーザーアニールなどの処理により結晶化したポリシリコンまたはSOI(Silicon On Insulator)技術を用いて形成された半導体層等を用いることができる。
半導体層に用いる酸化物半導体は、例えば、少なくともインジウム(In)、亜鉛(Zn)及びM(Al、Ga、Ge、Y、Zr、Sn、La、CeまたはHf等の金属)を含むIn−M−Zn酸化物で表記される膜を含むことが好ましい。または、InとZnの双方を含むことが好ましい。
スタビライザーとしては、ガリウム(Ga)、スズ(Sn)、ハフニウム(Hf)、アルミニウム(Al)、またはジルコニウム(Zr)等がある。また、他のスタビライザーとしては、ランタノイドである、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)等がある。
酸化物半導体膜を構成する酸化物半導体として、例えば、In−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Zn系酸化物、In−Hf−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物、In−Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Hf−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Hf−Zn系酸化物、In−Hf−Al−Zn系酸化物、In−Ga系酸化物を用いることができる。
なお、ここで、In−Ga−Zn系酸化物とは、InとGaとZnを主成分として有する酸化物という意味であり、InとGaとZnの比率は問わない。また、InとGaとZn以外の金属元素が入っていてもよい。
なお、酸化物半導体を半導体層に適用したトランジスタの構成を、実施の形態5において詳細に説明する。
《配線》
入力装置100は、選択信号線G1(i)、第1の制御線RES(i)、第1の信号線ML1(j)、第2の信号線ML2(j)、第2の制御線CS、第1の配線VRESまたは第2の配線PW等を備える。
導電性を有する材料をこれらの配線に用いることができる。
例えば、無機導電性材料、有機導電性材料、金属または導電性セラミックスなどを、配線に用いることができる。
具体的には、アルミニウム、金、白金、銀、クロム、タンタル、チタン、モリブデン、タングステン、ニッケル、鉄、コバルト、イットリウム、ジルコニウム、パラジウムまたはマンガンから選ばれた金属元素、上述した金属元素を含む合金または上述した金属元素を組み合わせた合金などを配線等に用いることができる。特に、アルミニウム、クロム、銅、タンタル、チタン、モリブデン、タングステンの中から選択される一以上の元素を含むと好ましい。特に、銅とマンガンの合金がウエットエッチング法を用いた微細加工に好適である。
具体的には、アルミニウム膜上にチタン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にチタン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、窒化タンタル膜または窒化タングステン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、チタン膜と、そのチタン膜上にアルミニウム膜を積層し、さらにその上にチタン膜を形成する三層構造等を用いることができる。
具体的には、アルミニウム膜上にチタン、タンタル、タングステン、モリブデン、クロム、ネオジム、スカンジウムから選ばれた元素の膜、または複数組み合わせた合金膜、もしくは窒化膜を積層する積層構造を用いることができる。
または、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などの導電性酸化物を用いることができる。
または、グラフェンまたはグラファイトを用いることができる。グラフェンを含む膜は、例えば膜状に形成された酸化グラフェンを含む膜を還元して形成することができる。還元する方法としては、熱を加える方法や還元剤を用いる方法等を挙げることができる。
または、導電性高分子を用いることができる。
《駆動回路》
駆動回路GDは、例えば選択信号を所定のタイミングで供給することができる。具体的には、選択信号を選択信号線G1ごとに所定の順番で供給する。また、さまざまな回路を駆動回路GDに用いることができる。例えば、シフトレジスタ、フリップフロップ回路などの組み合わせ回路などを用いることができる。例えば、入力装置100が表示部501の所定の動作に基づいて動作するように、駆動回路GDが選択信号を供給してもよい。具体的には、表示部501の帰線期間中に入力装置100が動作するように選択信号を供給してもよい。これにより、表示部501の動作に伴う雑音を入力装置100が検知してしまう不具合を軽減できる。
変換器CONVは、検知ユニット10U(i,j)が供給する検知信号を検知情報に変換してフレキシブルプリント基板FPC1に供給することができるさまざまな回路を、変換器CONVに用いることができる(図3(B)参照)。例えば、検知ユニットに配設された検知回路と電気的に接続されることによりソースフォロワ回路やカレントミラー回路を構成することができる回路を、変換回路CONVに用いることができる。また、検知信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換回路を備えていてもよい。
なお、変換器CONVは変換回路105(j)を複数備えていてもよい。変換回路105(j)は、第1の信号線ML1(j)および第2の信号線ML2(j)が供給する信号を電圧に変換して供給してもよい。
《基材》
基材16は、製造工程に耐えられる程度の耐熱性および製造装置に適用可能な厚さおよび大きさを備えるものであれば、特に限定されない。特に、可撓性を有する材料を基材16に用いると、入力装置100を折り畳んだ状態または展開された状態にすることができる。なお、表示部501が表示をする側に入力装置100を配置する場合は、透光性を有する材料を基材16に用いる。
有機材料、無機材料または有機材料と無機材料等の複合材料等を基材16に用いることができる。
例えば、ガラス、セラミックスまたは金属等の無機材料を基材16に用いることができる。
具体的には、無アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、カリガラスまたはクリスタルガラス等を、基材16に用いることができる。
具体的には、金属酸化物膜、金属窒化物膜若しくは金属酸窒化物膜等を、基材16に用いることができる。例えば、酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素、アルミナ膜等を、基材16に用いることができる。
例えば、樹脂、樹脂フィルムまたはプラスチック等の有機材料を基材16に用いることができる。
具体的には、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート若しくはアクリル樹脂等の樹脂フィルムまたは樹脂板を、基材16に用いることができる。
例えば、薄板状のガラス板または無機材料等の膜を樹脂フィルム等に貼り合わせた複合材料を基材16に用いることができる。
例えば、繊維状または粒子状の金属、ガラスもしくは無機材料等を樹脂フィルムに分散した複合材料を、基材16に用いることができる。
例えば、繊維状または粒子状の樹脂もしくは有機材料等を無機材料に分散した複合材料を基材16に用いることができる。
また、単層の材料または複数の層が積層された積層材料を、基材16に用いることができる。例えば、基材と基材に含まれる不純物の拡散を防ぐ絶縁層等が積層された積層材料を、基材16に用いることができる。
具体的には、ガラスとガラスに含まれる不純物の拡散を防ぐ酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜等から選ばれた一または複数の膜が積層された積層材料を、基材16に適用できる。
または、樹脂と樹脂を透過する不純物の拡散を防ぐ酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜等が積層された積層材料を、基材16に適用できる。
具体的には、可撓性を有する基材16b、意図しない不純物の拡散を防ぐバリア膜16aおよび基材16bとバリア膜16aを貼り合わせる樹脂層16cの積層体を用いることができる(図6(A)参照)。
《フレキシブルプリント基板》
フレキシブルプリント基板FPC1は、タイミング信号、電源電位等を供給し、検知信号を供給される。
《表示部》
表示部501は、マトリクス状に配置された複数の画素502を備える(図3参照)。
なお、基材510に表示部501を形成するための膜を成膜し、当該膜を加工する方法を用いて、表示部501を形成してもよい。
または、表示部501の一部を他の基材に形成し、当該一部を基材510に転置する方法を用いて、表示部501を形成してもよい。
《画素》
画素502は副画素502B、副画素502Gおよび副画素502Rを含み、それぞれの副画素は表示素子と表示素子を駆動する画素回路を備える。
《画素回路》
画素に能動素子を有するアクティブマトリクス方式、または、画素に能動素子を有しないパッシブマトリクス方式を表示部に用いることが出来る。
アクティブマトリクス方式では、能動素子(アクティブ素子、非線形素子)として、トランジスタだけでなく、さまざまな能動素子(アクティブ素子、非線形素子)を用いることが出来る。例えば、MIM(Metal Insulator Metal)、又はTFD(Thin Film Diode)などを用いることも可能である。これらの素子は、製造工程が少ないため、製造コストの低減、又は歩留まりの向上を図ることができる。または、これらの素子は、素子のサイズが小さいため、開口率を向上させることができ、低消費電力化や高輝度化をはかることが出来る。
アクティブマトリクス方式以外のものとして、能動素子(アクティブ素子、非線形素子)を用いないパッシブマトリクス型を用いることも可能である。能動素子(アクティブ素子、非線形素子)を用いないため、製造工程が少ないため、製造コストの低減、又は歩留まりの向上を図ることができる。または、能動素子(アクティブ素子、非線形素子)を用いないため、開口率を向上させることができ、低消費電力化、又は高輝度化などを図ることが出来る。
画素回路は、例えば、トランジスタ502tを含む。
表示部501はトランジスタ502tを覆う絶縁膜521を備える。絶縁膜521は画素回路に起因する凹凸を平坦化するための層として用いることができる。また、絶縁膜521に不純物の拡散を抑制できる層を含む積層膜を適用することができる。これにより、予期せぬ不純物の拡散によるトランジスタ502t等の信頼性の低下を抑制できる。
《表示素子》
さまざまな表示素子を表示部501に用いることができる。例えば、電気泳動方式や電子粉流体方式やエレクトロウェッティング方式などにより表示を行う表示素子(電子インクともいう)、シャッター方式のMEMS表示素子、光干渉方式のMEMS表示素子、液晶素子などを用いることができる。
また、透過型液晶ディスプレイ、半透過型液晶ディスプレイ、反射型液晶ディスプレイ、直視型液晶ディスプレイなどに用いることができる表示素子を適用できる。
例えば、射出する光の色が異なる有機エレクトロルミネッセンス素子を副画素毎に適用してもよい。
例えば、白色の光を射出する有機エレクトロルミネッセンス素子を表示素子に適用できる。
発光素子550Rは、下部電極、上部電極、下部電極と上部電極の間に発光性の有機化合物を含む層を有する。
副画素502Rは発光モジュール580Rを備える。副画素502Rは、発光素子550Rおよび発光素子550Rに電力を供給することができるトランジスタ502tを含む画素回路を備える。また、発光モジュール580Rは発光素子550Rおよび光学素子(例えば着色層CFR)を備える。
なお、特定の波長の光を効率よく取り出せるように、発光モジュール580Rに微小共振器構造を配設することができる。具体的には、特定の光を効率よく取り出せるように配置された可視光を反射する膜および半反射・半透過する膜の間に発光性の有機化合物を含む層を配置してもよい。
発光モジュール580Rは、光を取り出す方向に着色層CFRを有する。着色層は特定の波長を有する光を透過するものであればよく、例えば赤色、緑色または青色等の光を選択的に透過するものを用いることができる。なお、他の副画素を着色層が設けられていない窓部に重なるように配置して、着色層を透過しないで発光素子の発する光を射出させてもよい。
着色層CFRは発光素子550Rと重なる位置にある。これにより、発光素子550Rが発する光の一部は着色層CFRを透過して、図中に示す矢印の方向の発光モジュール580Rの外部に射出される。
着色層(例えば着色層CFR)を囲むように遮光性の層BMがある。
なお、光を取り出す側に封止材560が設けられている場合、封止材560は発光素子550Rと着色層CFRに接する。
下部電極は絶縁膜521の上に配設される。下部電極に重なる開口部が設けられた隔壁528を備える。なお、隔壁528の一部は下部電極の端部に重なる。
下部電極は、上部電極との間に発光性の有機化合物を含む層を挟持して発光素子(例えば発光素子550R)を構成する。画素回路は発光素子に電力を供給する。
また、隔壁528上に、基材16と基材510の間隔を制御するスペーサを有する。
なお、半透過型液晶ディスプレイや反射型液晶ディスプレイを実現する場合には、画素電極の一部、または、全部が、反射電極としての機能を有するようにすればよい。例えば、画素電極の一部、または、全部が、アルミニウム、銀、などを有するようにすればよい。
また、反射電極の下に、SRAMなどの記憶回路を設けることも可能である。これにより、さらに、消費電力を低減することができる。また、適用する表示素子に好適な構成を様々な画素回路から選択して用いることができる。
《基材》
可撓性を有する材料を基材510に用いることができる。例えば、基材16に用いることができる材料を基材510に適用することができる。
なお、基材510が透光性を必要としない場合は、例えば透光性を有しない材料、具体的にはSUSまたはアルミニウム等を用いることができる。
例えば、可撓性を有する基材510bと、意図しない不純物の拡散を防ぐバリア膜510aと、基材510bおよびバリア膜510aを貼り合わせる樹脂層510cと、が積層された積層体を基材510に好適に用いることができる(図4(A)参照)。
《封止材》
封止材560は基材16と基材510を貼り合わせる。封止材560は空気より大きい屈折率を備える。また、封止材560側に光を取り出す場合は、封止材560は光学接合層を兼ねる。
なお、画素回路および発光素子(例えば発光素子550R)は基材510と基材16の間にある。
《走査線駆動回路の構成》
走査線駆動回路503g(1)は選択信号を供給する。例えば、トランジスタ503tまたは容量503cを含む。なお、画素回路と同一の工程で同一基板上に形成することができるトランジスタを駆動回路に用いることができる。
《走査線、信号線、電源線等》
表示部501は、走査線、信号線および電源線等の配線を有する。さまざまな導電膜を用いることができる。例えば、上記の入力装置100に用いることができる導電膜と同様の材料を用いることができる。
表示部501は、信号を供給することができる配線511を備え、端子519が配線511に設けられている。なお、画像信号および同期信号等の信号を供給することができるフレキシブルプリント基板FPC2が端子519に電気的に接続されている。
なお、フレキシブルプリント基板FPC2にはプリント配線基板(PWB)が取り付けられていても良い。
《他の構成》
表示部501は、反射防止層567pを画素に重なる位置に備える。反射防止層567pとして、例えば円偏光板を用いることができる。
<入出力装置の変形例>
様々なトランジスタを入力装置100または/および表示部501に適用できる。
ボトムゲート型のトランジスタを入力装置100に適用する場合の構成を図4(A)に示す。
ボトムゲート型のトランジスタを表示部501に適用する場合の構成を図4(A)および図4(B)に図示する。
例えば、酸化物半導体、アモルファスシリコン等を含む半導体層を図4(A)に図示するトランジスタ502tおよびトランジスタ503tに適用することができる。
例えば、レーザーアニールなどの処理により結晶化させた多結晶シリコンを含む半導体層を、図4(B)に図示するトランジスタ502tおよびトランジスタ503tに適用することができる。
トップゲート型のトランジスタを表示部501に適用する場合の構成を、図4(C)に図示する。
例えば、多結晶シリコンまたは単結晶シリコン基板等から転置された単結晶シリコン膜等を含む半導体層を、図4(C)に図示するトランジスタ502tおよびトランジスタ503tに適用することができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様の検知回路等に用いることのできるトランジスタの構成について、図7を用いて説明する。
図7(A)乃至図7(C)に、トランジスタ151の上面図及び断面図を示す。図7(A)はトランジスタ151の上面図であり、図7(B)は、図7(A)の一点鎖線A−B間の切断面の断面図に相当し、図7(C)は、図7(A)の一点鎖線C−D間の切断面の断面図に相当する。なお、図7(A)では、明瞭化のため、構成要素の一部を省略して図示している。
なお、本実施の形態において、第1の電極はトランジスタのソース電極またはドレイン電極の一方を、第2の電極は他方を指すものとする。
トランジスタ151は、基板102上に設けられるゲート電極104aと、基板102及びゲート電極104a上に形成される絶縁膜106及び絶縁膜107を含む第1の絶縁膜108と、第1の絶縁膜108を介して、ゲート電極104aと重なる酸化物半導体膜110と、酸化物半導体膜110に接する第1の電極112a及び第2の電極112bとを有する。
また、第1の絶縁膜108、酸化物半導体膜110、第1の電極112a及び第2の電極112b上に、絶縁膜114、116、118を含む第2の絶縁膜120と、第2の絶縁膜120上に形成されるゲート電極122cとを有する。
ゲート電極122cは、第1の絶縁膜108及び第2の絶縁膜120に設けられる開口142eにおいて、ゲート電極104aと接続する。また、絶縁膜118上に画素電極として機能する導電膜122aが形成され、導電膜122aは、第2の絶縁膜120に設けられる開口142aにおいて、第2の電極112bと接続する。
なお、第1の絶縁膜108は、トランジスタ151の第1のゲート絶縁膜として機能し、第2の絶縁膜120は、トランジスタ151の第2のゲート絶縁膜として機能する。また、導電膜122aは、画素電極として機能する。
本実施の形態に示すトランジスタ151は、チャネル幅方向において、ゲート電極104a及びゲート電極122cの間に、第1の絶縁膜108及び第2の絶縁膜120を介して酸化物半導体膜110が設けられている。また、ゲート電極104aは図7(A)に示すように、上面形状において、第1の絶縁膜108を介して酸化物半導体膜110の側面と重なる。
第1の絶縁膜108及び第2の絶縁膜120には複数の開口を有する。代表的には、図7(B)に示すように、第2の電極112bの一部が露出する開口142aを有する。また、図7(C)に示すように、開口142eを有する。
開口142aにおいて、第2の電極112bと導電膜122aが接続する。
また、開口142eにおいて、ゲート電極104a及びゲート電極122cが接続する。
ゲート電極104a及びゲート電極122cを有し、且つゲート電極104a及びゲート電極122cを同電位とすることで、キャリアが酸化物半導体膜110の広い範囲を流れる。これにより、トランジスタ151を移動するキャリアの量が増加する。
この結果、トランジスタ151のオン電流が大きくなる共に、電界効果移動度が高くなり、代表的には電界効果移動度が10cm/V・s以上、さらには20cm/V・s以上となる。なお、ここでの電界効果移動度は、酸化物半導体膜の物性値としての移動度の近似値ではなく、トランジスタの飽和領域における電流駆動力の指標であり、見かけ上の電界効果移動度である。
なお、トランジスタのチャネル長(L長ともいう。)を0.5μm以上6.5μm以下、好ましくは1μmより大きく6μm未満、より好ましくは1μmより大きく4μm以下、より好ましくは1μmより大きく3.5μm以下、より好ましくは1μmより大きく2.5μm以下とすることで、電界効果移動度の増加が顕著である。また、チャネル長が0.5μm以上6.5μm以下のように小さいことで、チャネル幅も小さくすることが可能である。
また、ゲート電極104a及びゲート電極122cを有することで、それぞれが外部からの電界を遮蔽する機能を有するため、基板102及びゲート電極104aの間、ゲート電極122c上に設けられる荷電粒子等の電荷が、酸化物半導体膜110に影響しない。この結果、ストレス試験(例えば、ゲート電極にマイナスの電位を印加する−GBT(Gate Bias−Temperature)ストレス試験)の劣化が抑制されると共に、異なるドレイン電圧におけるオン電流の立ち上がり電圧の変動を抑制することができる。
なお、BTストレス試験は加速試験の一種であり、長期間の使用によって起こるトランジスタの特性変化(即ち、経年変化)を、短時間で評価することができる。特に、BTストレス試験前後におけるトランジスタのしきい値電圧の変動量は、信頼性を調べるための重要な指標となる。BTストレス試験前後において、しきい値電圧の変動量が少ないほど、信頼性が高いトランジスタであるといえる。
以下に、基板102およびトランジスタ151を構成する個々の要素について説明する。
《基板102》
基板102としては、アルミノシリケートガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラスなどのガラス材料を用いる。量産する上では、基板102は、第8世代(2160mm×2460mm)、第9世代(2400mm×2800mm、または2450mm×3050mm)、第10世代(2950mm×3400mm)等のマザーガラスを用いることが好ましい。マザーガラスは、処理温度が高く、処理時間が長いと大幅に収縮するため、マザーガラスを使用して量産を行う場合、作製工程の加熱処理は、好ましくは600℃以下、さらに好ましくは450℃以下、さらに好ましくは350℃以下とすることが望ましい。
《ゲート電極104a》
ゲート電極104aに用いる材料としては、アルミニウム、クロム、銅、タンタル、チタン、モリブデン、タングステンから選ばれた金属元素、または上述した金属元素を成分とする合金か、上述した金属元素を組み合わせた合金等を用いて形成することができる。また、ゲート電極104aに用いる材料は、単層構造でも、二層以上の積層構造としてもよい。例えば、アルミニウム膜上にチタン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にチタン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、窒化タンタル膜または窒化タングステン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、チタン膜と、そのチタン膜上にアルミニウム膜を積層し、さらにその上にチタン膜を形成する三層構造等がある。また、アルミニウムに、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、クロム、ネオジム、スカンジウムから選ばれた元素の膜、または複数組み合わせた合金膜、もしくは窒化膜を用いてもよい。また、ゲート電極104aに用いる材料としては、例えば、スパッタリング法を用いて形成することができる。
《第1の絶縁膜108》
第1の絶縁膜108は、絶縁膜106と絶縁膜107の2層の積層構造を例示している。なお、第1の絶縁膜108の構造はこれに限定されず、例えば、単層構造または3層以上の積層構造としてもよい。
絶縁膜106としては、例えば、窒化酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜などを用いればよく、PE−CVD装置を用いて積層または単層で設ける。また、絶縁膜106を積層構造とした場合、第1の窒化シリコン膜として、欠陥が少ない窒化シリコン膜とし、第1の窒化シリコン膜上に、第2の窒化シリコン膜として、水素放出量及びアンモニア放出量の少ない窒化シリコン膜を設けると好適である。この結果、絶縁膜106に含まれる水素及び窒素が、後に形成される酸化物半導体膜110へ移動または拡散することを抑制できる。
絶縁膜107としては、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜などを用いればよく、PE−CVD装置を用いて積層または単層で設ける。
また、第1の絶縁膜108としては、絶縁膜106として、例えば、厚さ400nmの窒化シリコン膜を形成し、その後、絶縁膜107として、厚さ50nmの酸化窒化シリコン膜を形成する積層構造を用いることができる。該窒化シリコン膜と、該酸化窒化シリコン膜は、真空中で連続して形成すると不純物の混入が抑制され好ましい。なお、ゲート電極104aと重畳する位置の第1の絶縁膜108は、トランジスタ151のゲート絶縁膜として機能する。また、窒化酸化シリコンとは、窒素の含有量が酸素の含有量より大きい絶縁材料であり、他方、酸化窒化シリコンとは、酸素の含有量が窒素の含有量より大きな絶縁材料のことをいう。
《酸化物半導体膜110》
酸化物半導体膜110は、酸化物半導体を用いると好ましく、該酸化物半導体としては、少なくともインジウム(In)、亜鉛(Zn)及びM(Al、Ga、Ge、Y、Zr、Sn、La、CeまたはHf等の金属)を含むIn−M−Zn酸化物で表記される膜を含むことが好ましい。または、InとZnの双方を含むことが好ましい。また、該酸化物半導体を用いたトランジスタの電気特性のばらつきを減らすため、それらと共に、スタビライザーを含むことが好ましい。
スタビライザーとしては、ガリウム(Ga)、スズ(Sn)、ハフニウム(Hf)、アルミニウム(Al)、またはジルコニウム(Zr)等がある。また、他のスタビライザーとしては、ランタノイドである、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)等がある。
酸化物半導体膜110を構成する酸化物半導体として、例えば、In−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Zn系酸化物、In−Hf−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物、In−Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Hf−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Hf−Zn系酸化物、In−Hf−Al−Zn系酸化物を用いることができる。
なお、ここで、In−Ga−Zn系酸化物とは、InとGaとZnを主成分として有する酸化物という意味であり、InとGaとZnの比率は問わない。また、InとGaとZn以外の金属元素が入っていてもよい。
酸化物半導体膜110の成膜方法は、スパッタリング法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法、CVD法、パルスレーザ堆積法、ALD(Atomic Layer Deposition)法等を適宜用いることができる。とくに、酸化物半導体膜110を成膜する際、スパッタリング法を用いると緻密な膜が形成されるため、好適である。
酸化物半導体膜110として、酸化物半導体膜を成膜する際、できる限り膜中に含まれる水素濃度を低減させることが好ましい。水素濃度を低減させるには、例えば、スパッタリング法を用いて成膜を行う場合には、成膜室内を高真空排気するのみならずスパッタガスの高純度化も必要である。スパッタガスとして用いる酸素ガスやアルゴンガスは、露点が−40℃以下、好ましくは−80℃以下、より好ましくは−100℃以下、より好ましくは−120℃以下にまで高純度化したガスを用いることで酸化物半導体膜に水分等が取り込まれることを可能な限り防ぐことができる。
また、成膜室内の残留水分を除去するためには、吸着型の真空ポンプ、例えば、クライオポンプ、イオンポンプ、チタンサブリメーションポンプを用いることが好ましい。また、ターボ分子ポンプにコールドトラップを加えたものであってもよい。クライオポンプを用いて排気した成膜室は、例えば、水素分子、水(HO)など水素原子を含む化合物(より好ましくは炭素原子を含む化合物も)等の排気能力が高いため、当該成膜室で成膜した膜中に含まれる不純物の濃度を低減できる。
また、酸化物半導体膜110として、酸化物半導体膜をスパッタリング法で成膜する場合、成膜に用いる金属酸化物ターゲットの相対密度(充填率)は90%以上100%以下、好ましくは95%以上100%以下とする。相対密度の高い金属酸化物ターゲットを用いることにより、成膜される膜を緻密な膜とすることができる。
なお、基板102を高温に保持した状態で酸化物半導体膜110として、酸化物半導体膜を形成することも、酸化物半導体膜中に含まれうる不純物濃度を低減するのに有効である。基板102を加熱する温度としては、150℃以上450℃以下とすればよく、好ましくは基板温度が200℃以上350℃以下とすればよい。
次に、第1の加熱処理を行うこがと好ましい。第1の加熱処理は、250℃以上650℃以下、好ましくは300℃以上500℃以下の温度で、不活性ガス雰囲気、酸化性ガスを10ppm以上含む雰囲気、または減圧状態で行えばよい。また、第1の加熱処理の雰囲気は、不活性ガス雰囲気で加熱処理した後に、脱離した酸素を補うために酸化性ガスを10ppm以上含む雰囲気で行ってもよい。第1の加熱処理によって、酸化物半導体膜110に用いる酸化物半導体の結晶性を高め、さらに第1の絶縁膜108及び酸化物半導体膜110から水素や水などの不純物を除去することができる。なお、酸化物半導体膜110を島状に加工する前に第1の加熱工程を行ってもよい。
《第1の電極、第2の電極》
第1の電極112aおよび第2の電極112bに用いることのできる導電膜112の材料としては、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、またはタングステンからなる単体金属、またはこれを主成分とする合金を単層構造または積層構造として用いることができる。とくに、アルミニウム、クロム、銅、タンタル、チタン、モリブデン、タングステンの中から選択される一以上の元素を含むと好ましい。例えば、アルミニウム膜上にチタン膜を積層する二層構造、タングステン膜上にチタン膜を積層する二層構造、銅−マグネシウム−アルミニウム合金膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜または窒化チタン膜と、そのチタン膜または窒化チタン膜上に重ねてアルミニウム膜または銅膜を積層し、さらにその上にチタン膜または窒化チタン膜を形成する三層構造、モリブデン膜または窒化モリブデン膜と、そのモリブデン膜または窒化モリブデン膜上に重ねてアルミニウム膜または銅膜を積層し、さらにその上にモリブデン膜または窒化モリブデン膜を形成する三層構造等がある。なお、酸化インジウム、酸化錫または酸化亜鉛を含む透明導電材料を用いてもよい。また、導電膜は、例えば、スパッタリング法を用いて形成することができる。
《絶縁膜114、116》
第2の絶縁膜120は、絶縁膜114、116、118の3層の積層構造を例示している。なお、第2の絶縁膜120の構造はこれに限定されず、例えば、単層構造、2層の積層構造、または4層以上の積層構造としてもよい。
絶縁膜114、116としては、酸化物半導体膜110として用いる酸化物半導体との界面特性を向上させるため、酸素を含む無機絶縁材料を用いることができる。酸素を含む無機絶縁材料としては、例えば酸化シリコン膜、または酸化窒化シリコン膜等が挙げられる。また、絶縁膜114、116としては、例えば、PE−CVD法を用いて形成することができる。
絶縁膜114の厚さは、5nm以上150nm以下、好ましくは5nm以上50nm以下、好ましくは10nm以上30nm以下とすることができる。絶縁膜116の厚さは、30nm以上500nm以下、好ましくは150nm以上400nm以下とすることができる。
また、絶縁膜114、116は、同種の材料の絶縁膜を用いることができるため、絶縁膜114と絶縁膜116の界面が明確に確認できない場合がある。したがって、本実施の形態においては、絶縁膜114と絶縁膜116の界面は、破線で図示している。なお、本実施の形態においては、絶縁膜114と絶縁膜116の2層構造について、説明したが、これに限定されず、例えば、絶縁膜114の単層構造、絶縁膜116の単層構造、または3層以上の積層構造としてもよい。
絶縁膜118は、外部からの不純物、例えば、水、アルカリ金属、アルカリ土類金属等が、酸化物半導体膜110へ拡散するのを防ぐ材料で形成される膜であり、更には水素を含む。
絶縁膜118の一例としては、厚さ150nm以上400nm以下の窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜等を用いることができる。本実施の形態においては、絶縁膜118として、厚さ150nmの窒化シリコン膜を用いる。
また、上記窒化シリコン膜は、不純物等からのブロック性を高めるために、高温で成膜されることが好ましく、例えば基板温度100℃以上基板の歪み点以下、より好ましくは300℃以上400℃以下の温度で加熱して成膜することが好ましい。また高温で成膜する場合は、酸化物半導体膜110として用いる酸化物半導体から酸素が脱離し、キャリア濃度が上昇する現象が発生することがあるため、このような現象が発生しない温度とする。
《導電膜122a、ゲート電極122c》
導電膜122a、ゲート電極122cに用いることのできる導電膜としては、インジウムを含む酸化物を用いればよい。例えば、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物(以下、ITOと示す。)、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電性材料を用いることができる。また、導電膜122a、122bに用いることのできる導電膜としては、例えば、スパッタリング法を用いて形成することができる。
なお、本実施の形態に示す構成及び方法などは、他の実施の形態に示す構成及び方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様の入力装置または入出力装置を作製する際に用いることができる積層体の作製方法について、図8を参照しながら説明する。
図8は積層体を作製する工程を説明する模式図である。図8の左側に、加工部材および積層体の構成を説明する断面図を示し、対応する上面図を、図8(C)を除いて右側に示す。
<積層体の作製方法>
加工部材80から積層体81を作製する方法について、図8を参照しながら説明する。
加工部材80は、第1の基板F1と、第1の基板F1上の第1の剥離層F2と、第1の剥離層F2に一方の面が接する第1の被剥離層F3と、第1の被剥離層F3の他方の面に一方の面が接する接合層30と、接合層30の他方の面が接する基材S5と、を備える(図8(A−1)および図8(A−2))。
なお、加工部材80の構成の詳細は、実施の形態7で説明する。
《剥離の起点の形成》
剥離の起点F3sが接合層30の端部近傍に形成された加工部材80を準備する。
剥離の起点F3sは、第1の被剥離層F3の一部が第1の基板F1から分離された構造を有する。
第1の基板F1側から鋭利な先端で第1の被剥離層F3を刺突する方法またはレーザ等を用いる方法(例えばレーザアブレーション法)等を用いて、第1の被剥離層F3の一部を剥離層F2から部分的に剥離することができる。これにより、剥離の起点F3sを形成することができる。
《第1のステップ》
剥離の起点F3sがあらかじめ接合層30の端部近傍に形成された加工部材80を準備する(図8(B−1)および図8(B−2)参照)。
《第2のステップ》
加工部材80の一方の表層80bを剥離する。これにより、加工部材80から第1の残部80aを得る。
具体的には、接合層30の端部近傍に形成された剥離の起点F3sから、第1の基板F1を第1の剥離層F2と共に第1の被剥離層F3から分離する(図8(C)参照)。これにより、第1の被剥離層F3、第1の被剥離層F3に一方の面が接する接合層30および接合層30の他方の面が接する基材S5を備える第1の残部80aを得る。
また、剥離層F2と被剥離層F3の界面近傍にイオンを照射して、静電気を取り除きながら剥離してもよい。具体的には、イオナイザーを用いて生成されたイオンを照射してもよい。
また、剥離層F2から被剥離層を剥離する際に、剥離層F2と被剥離層F3の界面に液体を浸透させる。または液体をノズル99から噴出させて吹き付けてもよい。例えば、浸透させる液体または吹き付ける液体に水、極性溶媒等を用いることができる。
液体を浸透させることにより、剥離に伴い発生する静電気等の影響を抑制することができる。また、剥離層を溶かす液体を浸透しながら剥離してもよい。
特に、剥離層F2に酸化タングステンを含む膜を用いる場合、水を含む液体を浸透させながらまたは吹き付けながら第1の被剥離層F3を剥離すると、第1の被剥離層F3に加わる剥離に伴う応力を低減することができ好ましい。
《第3のステップ》
第1の接着層31を第1の残部80aに形成し、第1の接着層31を用いて第1の残部80aと第1の支持体41を貼り合わせる(図8(D−1)および図8(D−2)参照)。これにより、第1の残部80aから、積層体81を得る。
具体的には、第1の支持体41と、第1の接着層31と、第1の被剥離層F3と、第1の被剥離層F3に一方の面が接する接合層30と、接合層30の他方の面が接する基材S5と、を備える積層体81を得る(図8(E−1)および図8(E−2)参照)。
なお、様々な方法を、接合層30を形成する方法に用いることができる。例えば、ディスペンサやスクリーン印刷法等を用いて接合層30を形成する。接合層30を接合層30に用いる材料に応じた方法を用いて硬化する。例えば接合層30に光硬化型の接着剤を用いる場合は、所定の波長の光を含む光を照射する。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様の入力装置または入出力装置を作製する際に用いることができる積層体の作製方法について、図9および図10を参照しながら説明する。
図9および図10は積層体を作製する工程を説明する模式図である。図9および図10の左側に、加工部材および積層体の構成を説明する断面図を示し、対応する上面図を、図9(C)、図10(B)および図10(C)を除いて右側に示す。
<積層体の作製方法>
加工部材90から積層体92を作製する方法について、図9乃至図10を参照しながら説明する。
加工部材90は、接合層30の他方の面が、基材S5に換えて第2の被剥離層S3の一方の面に接する点が加工部材80と異なる。
具体的には、基材S5に換えて、第2の基板S1、第2の基板S1上の第2の剥離層S2、第2の剥離層S2と他方の面が接する第2の被剥離層S3を有し、第2の被剥離層S3の一方の面が、接合層30の他方の面に接する点が、異なる。
加工部材90は、第1の基板F1と、第1の剥離層F2と、第1の剥離層F2に一方の面が接する第1の被剥離層F3と、第1の被剥離層F3の他方の面に一方の面が接する接合層30と、接合層30の他方の面に一方の面が接する第2の被剥離層S3と、第2の被剥離層S3の他方の面に一方の面が接する第2の剥離層S2と、第2の基板S1と、がこの順に配置される(図9(A−1)および図9(A−2)参照)。
なお、加工部材90の構成の詳細は、実施の形態7で説明する。
《第1のステップ》
剥離の起点F3sが接合層30の端部近傍に形成された加工部材90を準備する(図9(B−1)および図9(B−2)参照)。
剥離の起点F3sは、第1の被剥離層F3の一部が第1の基板F1から分離された構造を有する。
例えば、第1の基板F1側から鋭利な先端で第1の被剥離層F3を刺突する方法またはレーザ等を用いる方法(例えばレーザアブレーション法)等を用いて、第1の被剥離層F3の一部を剥離層F2から部分的に剥離することができる。これにより、剥離の起点F3sを形成することができる。
《第2のステップ》
加工部材90の一方の表層90bを剥離する。これにより、加工部材90から第1の残部90aを得る。
具体的には、接合層30の端部近傍に形成された剥離の起点F3sから、第1の基板F1を第1の剥離層F2と共に第1の被剥離層F3から分離する(図9(C)参照)。これにより、第1の被剥離層F3と、第1の被剥離層F3に一方の面が接する接合層30と、接合層30の他方の面に一方の面が接する第2の被剥離層S3と、第2の被剥離層S3の他方の面に一方の面が接する第2の剥離層S2と、第2の基板S1と、がこの順に配置される第1の残部90aを得る。
また、剥離層S2と被剥離層S3の界面近傍にイオンを照射して、静電気を取り除きながら剥離してもよい。具体的には、イオナイザーを用いて生成されたイオンを照射してもよい。
また、剥離層S2から被剥離層を剥離する際に、剥離層S2と被剥離層S3の界面に液体を浸透させる。または液体をノズル99から噴出させて吹き付けてもよい。例えば、浸透させる液体または吹き付ける液体に水、極性溶媒等を用いることができる。
液体を浸透させることにより、剥離に伴い発生する静電気等の影響を抑制することができる。また、剥離層を溶かす液体を浸透しながら剥離してもよい。
特に、剥離層S2に酸化タングステンを含む膜を用いる場合、水を含む液体を浸透させながらまたは吹き付けながら第1の被剥離層S3を剥離すると、第1の被剥離層S3に加わる剥離に伴う応力を低減することができ好ましい。
《第3のステップ》
第1の残部90aに第1の接着層31を形成し(図9(D−1)および図9(D−2)参照)、第1の接着層31を用いて第1の残部90aと第1の支持体41を貼り合わせる。これにより、第1の残部90aから、積層体91を得る。
具体的には、第1の支持体41と、第1の接着層31と、第1の被剥離層F3と、第1の被剥離層F3に一方の面が接する接合層30と、接合層30の他方の面に一方の面が接する第2の被剥離層S3と、第2の被剥離層S3の他方の面に一方の面が接する第2の剥離層S2と、第2の基板S1と、がこの順に配置された積層体91を得る(図9(E−1)および図9(E−2)参照)。
《第6のステップ》
積層体91の第1の接着層31の端部近傍にある第2の被剥離層S3の一部を、第2の基板S1から分離して、第2の剥離の起点91sを形成する。
例えば、第1の支持体41および第1の接着層31を、第1の支持体41側から切削し、且つ新たに形成された第1の接着層31の端部に沿って第2の被剥離層S3の一部を第2の基板S1から分離する。
具体的には、剥離層S2上の第2の被剥離層S3が設けられた領域にある、第1の接着層31および第1の支持体41を、鋭利な先端を備える刃物等を用いて切削し、且つ新たに形成された第1の接着層31の端部に沿って、第2の被剥離層S3の一部を第2の基板S1から分離する(図10(A−1)および図10(A−2)参照)。
このステップにより、新たに形成された第1の支持体41bおよび第1の接着層31の端部近傍に剥離の起点91sが形成される。
《第7のステップ》
積層体91から第2の残部91aを分離する。これにより、積層体91から第2の残部91aを得る。(図10(C)参照)。
具体的には、第1の接着層31の端部近傍に形成された剥離の起点91sから、第2の基板S1を第2の剥離層S2と共に第2の被剥離層S3から分離する。これにより、第1の支持体41bと、第1の接着層31と、第1の被剥離層F3と、第1の被剥離層F3に一方の面が接する接合層30と、接合層30の他方の面に一方の面が接する第2の被剥離層S3と、がこの順に配置される第2の残部91aを得る。
また、剥離層S2と被剥離層S3の界面近傍にイオンを照射して、静電気を取り除きながら剥離してもよい。具体的には、イオナイザーを用いて生成されたイオンを照射してもよい。
また、剥離層S2から被剥離層を剥離する際に、剥離層S2と被剥離層S3の界面に液体を浸透させる。または液体をノズル99から噴出させて吹き付けてもよい。例えば、浸透させる液体または吹き付ける液体に水、極性溶媒等を用いることができる。
液体を浸透させることにより、剥離に伴い発生する静電気等の影響を抑制することができる。また、剥離層を溶かす液体を浸透しながら剥離してもよい。
特に、剥離層S2に酸化タングステンを含む膜を用いる場合、水を含む液体を浸透させながらまたは吹き付けながら第1の被剥離層S3を剥離すると、第1の被剥離層S3に加わる剥離に伴う応力を低減することができ好ましい。
《第9のステップ》
第2の残部91aに第2の接着層32を形成する(図10(D−1)および図10(D−2)参照)。
第2の接着層32を用いて第2の残部91aと第2の支持体42を貼り合わせる。このステップにより、第2の残部91aから、積層体92を得る(図10(E−1)および図10(E−2)参照)。
具体的には、第1の支持体41bと、第1の接着層31と、第1の被剥離層F3と、第1の被剥離層F3に一方の面が接する接合層30と、接合層30の他方の面に一方の面が接する第2の被剥離層S3と、第2の接着層32と、第2の支持体42と、をこの順に配置される積層体92は備える。
<支持体に開口部を有する積層体の作製方法>
開口部を支持体に有する積層体の作製方法について、図11を参照しながら説明する。
図11は、被剥離層の一部が露出する開口部を支持体に有する積層体の作製方法を説明する図である。図11の左側に、積層体の構成を説明する断面図を示し、対応する上面図を右側に示す。
図11(A−1)乃至図11(B−2)は、第1の支持体41bより小さい第2の支持体42bを用いて開口部を有する積層体92cを作製する方法について説明する図である。
図11(C−1)乃至図11(D−2)は、第2の支持体42に形成された開口部を有する積層体92dを作製する方法について説明する図である。
《支持体に開口部を有する積層体の作製方法の例1》
上記の第9のステップにおいて、第2の支持体42に換えて、第1の支持体41bより小さい第2の支持体42bを用いる点が異なる他は、同様のステップを有する積層体の作製方法である。これにより、第2の被剥離層S3の一部が露出した状態の積層体を作製することができる(図11(A−1)および図11(A−2)参照)。
液状の接着剤を第2の接着層32に用いることができる。または、流動性が抑制され且つあらかじめ枚葉状に成形された接着剤(シート状の接着剤ともいう)を用いることができる。シート状の接着剤を用いると、第2の支持体42bより外側にはみ出す接着層32の量を少なくすることができる。また、接着層32の厚さを容易に均一にすることができる。
また、第2の被剥離層S3の露出した部分を切除して、第1の被剥離層F3が露出する状態にしてもよい(図11(B−1)および図11(B−2)参照)。
具体的には、鋭利な先端を有する刃物等を用いて、露出した第2の被剥離層S3に傷を形成する。次いで、例えば、傷の近傍に応力が集中するように粘着性を有するテープ等を露出した第2の被剥離層S3の一部に貼付し、貼付されたテープ等と共に第2の被剥離層S3の一部を剥離して、その一部を選択的に切除することができる。
また、接合層30の第1の被剥離層F3に接着する力を抑制することができる層を、第1の被剥離層F3の一部に選択的に形成してもよい。例えば、接合層30と接着しにくい材料を選択的に形成してもよい。具体的には、有機材料を島状に蒸着してもよい。これにより、接合層30の一部を選択的に第2の被剥離層S3と共に容易に除去することができる。その結果、第1の被剥離層F3を露出した状態にすることができる。
なお、例えば、第1の被剥離層F3が機能層と、機能層に電気的に接続された導電層F3bと、を含む場合、導電層F3bを第2の積層体92cの開口部に露出させることができる。これにより、例えば開口部に露出された導電層F3bを、信号が供給される端子に用いることができる。
その結果、開口部に一部が露出した導電層F3bは、機能層が供給する信号を取り出すことができる端子に用いることができる。または、機能層が供給される信号を外部の装置が供給することができる端子に用いることができる。
《支持体に開口部を有する積層体の作製方法の例2》
第2の支持体42に設ける開口部と重なるように設けられた開口部を有するマスク48を、積層体92に形成する。次いで、マスク48の開口部に溶剤49を滴下する。これにより、溶剤49を用いてマスク48の開口部に露出した第2の支持体42を膨潤または溶解することができる(図11(C−1)および図11(C−2)参照)。
余剰の溶剤49を除去した後に、マスク48の開口部に露出した第2の支持体42を擦る等をして、応力を加える。これにより、マスク48の開口部に重なる部分の第2の支持体42等を除去することができる。
また、接合層30を膨潤または溶解する溶剤を用いれば、第1の被剥離層F3を露出した状態にすることができる(図11(D−1)および図11(D−2)参照)。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態8)
本実施の形態では、本発明の一態様の入力装置または入出力装置に加工することができる加工部材の構成について、図12を参照しながら説明する。
図12は積層体に加工することができる加工部材の構成を説明する模式図である。
図12(A−1)は、積層体に加工することができる加工部材80の構成を説明する断面図であり、図12(A−2)は、対応する上面図である。
図12(B−1)は、積層体に加工することができる加工部材90の構成を説明する断面図であり、図12(B−2)は、対応する上面図である。
<1.加工部材の構成例>
加工部材80は、第1の基板F1と、第1の基板F1上の第1の剥離層F2と、第1の剥離層F2に一方の面が接する第1の被剥離層F3と、第1の被剥離層F3の他方の面に一方の面が接する接合層30と、接合層30の他方の面が接する基材S5と、を有する図12(A−1)および図12(A−2)。
なお、剥離の起点F3sが、接合層30の端部近傍に設けられていてもよい。
《第1の基板》
第1の基板F1は、製造工程に耐えられる程度の耐熱性および製造装置に適用可能な厚さおよび大きさを備えるものであれば、特に限定されない。
有機材料、無機材料または有機材料と無機材料等の複合材料等を第1の基板F1に用いることができる。
例えば、ガラス、セラミックス、金属等の無機材料を第1の基板F1に用いることができる。
具体的には、無アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、カリガラスまたはクリスタルガラス等を、第1の基板F1に用いることができる。
具体的には、金属酸化物膜、金属窒化物膜若しくは金属酸窒化物膜等を、第1の基板F1に用いることができる。例えば、酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素、アルミナ膜等を、第1の基板F1に用いることができる。
具体的には、SUSまたはアルミニウム等を、第1の基板F1に用いることができる。
例えば、樹脂、樹脂フィルムまたはプラスチック等の有機材料を第1の基板F1に用いることができる。
具体的には、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート若しくはアクリル樹脂等の樹脂フィルムまたは樹脂板を、第1の基板F1に用いることができる。
例えば、金属板、薄板状のガラス板または無機材料等の膜を樹脂フィルム等に貼り合わせた複合材料を第1の基板F1に用いることができる。
例えば、繊維状または粒子状の金属、ガラスもしくは無機材料等を樹脂フィルムに分散した複合材料を、第1の基板F1に用いることができる。
例えば、繊維状または粒子状の樹脂もしくは有機材料等を無機材料に分散した複合材料を、第1の基板F1に用いることができる。
また、単層の材料または複数の層が積層された積層材料を、第1の基板F1に用いることができる。例えば、基材と基材に含まれる不純物の拡散を防ぐ絶縁層等が積層された積層材料を、第1の基板F1に用いることができる。
具体的には、ガラスとガラスに含まれる不純物の拡散を防ぐ酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜等から選ばれた一または複数の膜が積層された積層材料を、第1の基板F1に適用できる。
または、樹脂と樹脂を透過する不純物の拡散を防ぐ酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜等が積層された積層材料を、第1の基板F1に適用できる。
《第1の剥離層》
第1の剥離層F2は、第1の基板F1と第1の被剥離層F3の間に設けられる。第1の剥離層F2は、第1の基板F1から第1の被剥離層F3を分離できる境界がその近傍に形成される層である。また、第1の剥離層F2は、その上に被剥離層が形成され、第1の被剥離層F3の製造工程に耐えられる程度の耐熱性を備えるものであれば、特に限定されない。
例えば無機材料または有機樹脂等を第1の剥離層F2に用いることができる。
具体的には、タングステン、モリブデン、チタン、タンタル、ニオブ、ニッケル、コバルト、ジルコニウム、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、シリコンから選択された元素を含む金属、該元素を含む合金または該元素を含む化合物等の無機材料を第1の剥離層F2に用いることができる。
具体的には、ポリイミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリカーボネート若しくはアクリル樹脂等の有機材料を用いることができる。
例えば、単層の材料または複数の層が積層された材料を第1の剥離層F2に用いることができる。
具体的には、タングステンを含む層とタングステンの酸化物を含む層が積層された材料を第1の剥離層F2に用いることができる。
なお、タングステンの酸化物を含む層は、タングステンを含む層に他の層を積層する方法を用いて形成することができる。具体的には、タングステンの酸化物を含む層を、タングステンを含む層に酸化シリコンまたは酸化窒化シリコン等を積層する方法により形成してもよい。
また、タングステンの酸化物を含む層を、タングステンを含む層の表面を熱酸化処理、酸素プラズマ処理、亜酸化窒素(NO)プラズマ処理または酸化力の強い溶液(例えば、オゾン水等)を用いる処理等により形成してもよい。
具体的には、ポリイミドを含む層を第1の剥離層F2に用いることができる。ポリイミドを含む層は、第1の被剥離層F3を形成する際に要する様々な製造工程に耐えられる程度の耐熱性を備える。
例えば、ポリイミドを含む層は、200℃以上、好ましくは250℃以上、より好ましくは300℃以上、より好ましくは350℃以上の耐熱性を備える。
第1の基板F1に形成されたモノマーを含む膜を加熱し、縮合したポリイミドを含む膜を用いることができる。
《第1の被剥離層》
第1の被剥離層F3は、第1の基板F1から分離することができ、製造工程に耐えられる程度の耐熱性を備えるものであれば、特に限定されない。
第1の被剥離層F3を第1の基板から分離することができる境界は、第1の被剥離層F3と第1の剥離層F2の間に形成されてもよく、第1の剥離層F2と第1の基板F1の間に形成されてもよい。
第1の被剥離層F3と第1の剥離層F2の間に境界が形成される場合は、第1の剥離層F2は積層体に含まれず、第1の剥離層F2と第1の基板F1の間に境界が形成される場合は、第1の剥離層F2は積層体に含まれる。
無機材料、有機材料または単層の材料または複数の層が積層された積層材料等を第1の被剥離層F3に用いることができる。
例えば、金属酸化物膜、金属窒化物膜若しくは金属酸窒化物膜等の無機材料を、第1の被剥離層F3に用いることができる。
具体的には、酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素、アルミナ膜等を、第1の被剥離層F3に用いることができる。
例えば、樹脂、樹脂フィルムまたはプラスチック等を、第1の被剥離層F3に用いることができる。
具体的には、ポリイミド膜等を、第1の被剥離層F3に用いることができる。
例えば、第1の剥離層F2と重なる機能層と、第1の剥離層F2と機能層の間に当該機能層の機能を損なう不純物の意図しない拡散を防ぐことができる絶縁層と、が積層された構造を有する材料を用いることができる。
具体的には、厚さ0.7mmのガラス板を第1の基板F1に用い、第1の基板F1側から順に厚さ200nmの酸化窒化珪素膜および30nmのタングステン膜が積層された積層材料を第1の剥離層F2に用いる。そして、第1の剥離層F2側から順に厚さ600nmの酸化窒化珪素膜および厚さ200nmの窒化珪素が積層された積層材料を含む膜を第1の被剥離層F3に用いることができる。なお、酸化窒化珪素膜は、酸素の組成が窒素の組成より多く、窒化酸化珪素膜は窒素の組成が酸素の組成より多い。
具体的には、上記の第1の被剥離層F3に換えて、第1の剥離層F2側から順に厚さ600nmの酸化窒化珪素膜、厚さ200nmの窒化珪素、厚さ200nmの酸化窒化珪素膜、厚さ140nmの窒化酸化珪素膜および厚さ100nmの酸化窒化珪素膜を積層された積層材料を含む膜を被剥離層に用いることができる。
具体的には、第1の剥離層F2側から順に、ポリイミド膜と、酸化シリコンまたは窒化シリコン等を含む層と、機能層と、が順に積層された積層材料を用いることができる。
《機能層》
機能層は第1の被剥離層F3に含まれる。
例えば、機能回路、機能素子、光学素子または機能膜等もしくはこれらから選ばれた複数を含む層を、機能層に用いることができる。
具体的には、表示装置に用いることができる表示素子、表示素子を駆動する画素回路、画素回路を駆動する駆動回路、カラーフィルタまたは防湿膜等もしくはこれらから選ばれた複数を含む層を挙げることができる。
《接合層》
接合層30は、第1の被剥離層F3と基材S5を接合するものであれば、特に限定されない。
無機材料、有機材料または無機材料と有機材料の複合材料等を接合層30に用いることができる。
例えば、融点が400℃以下好ましくは300℃以下のガラス層または接着剤等を用いることができる。
例えば、光硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤または/および嫌気型接着剤等の有機材料を接合層30に用いることができる。
具体的には、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等を含む接着剤を用いることができる。
《基材》
基材S5は、製造工程に耐えられる程度の耐熱性および製造装置に適用可能な厚さおよび大きさを備えるものであれば、特に限定されない。
基材S5に用いることができる材料は、例えば、第1の基板F1と同様のものを用いることができる。
《剥離の起点》
加工部材80は剥離の起点F3sを接合層30の端部近傍に有していてもよい。
剥離の起点F3sは、第1の被剥離層F3の一部が第1の基板F1から分離された構造を有する。
第1の基板F1側から鋭利な先端で第1の被剥離層F3を刺突する方法またはレーザ等を用いる方法(例えばレーザアブレーション法)等を用いて、第1の被剥離層F3の一部を剥離層F2から部分的に剥離することができる。これにより、剥離の起点F3sを形成することができる。
<2.加工部材の構成例2>
積層体にすることができる、上記とは異なる加工部材の構成について、図12(B−1)および図12(B−2)を参照しながら説明する。
加工部材90は、接合層30の他方の面が、基材S5に換えて第2の被剥離層S3の一方の面に接する点が加工部材80と異なる。
具体的には、加工部材90は、第1の剥離層F2および第1の剥離層F2に一方の面が接する第1の被剥離層F3が形成された第1の基板F1と、第2の剥離層S2および第2の剥離層S2に他方の面が接する第2の被剥離層S3が形成された第2の基板S1と、第1の被剥離層F3の他方の面に一方の面を接し且つ第2の被剥離層S3の一方の面と他方の面が接する接合層30と、を有する。(図12(B−1)および図12(B−2)参照)。
《第2の基板》
第2の基板S1は、第1の基板F1と同様のものを用いることができる。なお、第2の基板S1を第1の基板F1と同一の構成とする必要はない。
《第2の剥離層》
第2の剥離層S2は、第1の剥離層F2と同様の構成を用いることができる。また、第2の剥離層S2は、第1の剥離層F2と異なる構成を用いることもできる。
《第2の被剥離層》
第2の被剥離層S3は、第1の被剥離層F3と同様の構成を用いることができる。また、第2の被剥離層S3は、第1の被剥離層F3と異なる構成を用いることもできる。
具体的には、第1の被剥離層F3が機能回路を備え、第2の被剥離層S3が当該機能回路への不純物の拡散を防ぐ機能層を備える構成としてもよい。
具体的には、第1の被剥離層F3が第2の被剥離層に向けて光を射出する発光素子、当該発光素子を駆動する画素回路、当該画素回路を駆動する駆動回路を備え、発光素子が射出する光の一部を透過するカラーフィルタおよび発光素子への意図しない不純物の拡散を防ぐ防湿膜を第2の被剥離層S3が備える構成としてもよい。なお、このような構成を有する加工部材は、可撓性を有する表示装置として用いることができる積層体にすることができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態9)
本実施の形態では、本発明の一態様の入出力装置を用いて構成することができる情報処理装置の構成について、図13を参照しながら説明する。
図13は本発明の一態様の情報処理装置を説明する図である。
図13(A)は本発明の一態様の情報処理装置K100の入出力装置K20が展開された状態を説明する投影図であり、図13(B)は図13(A)の切断線X1−X2における情報処理装置K100の断面図である。図13(C)は入出力装置K20が折り畳まれた状態を説明する投影図である。
<情報処理装置の構成例>
本実施の形態で説明する情報処理装置K100は、入出力装置K20と、演算装置K10と、筐体K01(1)乃至筐体K01(3)を有する(図13参照)。
《入出力装置》
入出力装置K20は、表示部K30および入力装置K40を備える。入出力装置K20は、画像情報Vを供給され且つ検知情報Sを供給する。
表示部K30は画像情報Vを供給され、入力装置K40は検知情報Sを供給する(図13(B)参照)。
入力装置K40と表示部K30が一体に重ねられた入出力装置K20は、表示部K30であるとともに、入力装置K40でもある。
なお、入力装置K40にタッチセンサを用い、表示部K30に表示パネルを用いた入出力装置K20は、タッチパネルである。
《表示部》
表示部K30は、第1の領域K31(11)、第1の屈曲できる領域K31(21)、第2の領域K31(12)、第2の屈曲できる領域K31(22)および第3の領域K31(13)がこの順で縞状に配置された領域K31を有する(図13(A)参照)。
表示部K30は、第1の屈曲できる領域K31(21)に形成される第1の畳み目および第2の屈曲できる領域K31(22)に形成される第2の畳み目で折り畳まれた状態および展開された状態にすることができる(図13(A)および図13(C)参照)。
《演算装置》
演算装置K10は、演算部および演算部に実行させるプログラムを記憶する記憶部を備える。また、画像情報Vを供給し且つ検知情報Sを供給される。
《筐体》
筐体は、筐体K01(1)、ヒンジK02(1)、筐体K01(2)、ヒンジK02(2)および筐体K01(3)を含み、この順に配置される。
筐体K01(3)は、演算装置K10を収納する。また、筐体K01(1)乃至筐体K01(3)は、入出力装置K20を保持し、入出力装置K20を折り畳まれた状態または展開された状態にすることができる(図13(B)参照)。
本実施の形態では、3つの筐体が2つのヒンジを用いて接続される構成を備える情報処理装置を例示する。この構成を備える情報処理装置は、入出力装置K20を2か所で折って折り畳むことができる。
なお、n(nは2以上の自然数)個の筐体を(n−1)個のヒンジを用いて接続してもよい。この構成を備える情報処理装置は、入出力装置K20を(n−1)箇所で折って折り畳むことができる。
筐体K01(1)は、第1の領域K31(11)と重なり、釦K45(1)を備える。
筐体K01(2)は、第2の領域K31(12)と重なる。
筐体K01(3)は、第3の領域K31(13)と重なり、演算装置K10、アンテナK10AおよびバッテリーK10Bを収納する。
ヒンジK02(1)は、第1の屈曲できる領域K31(21)と重なり、筐体K01(1)を筐体K01(2)に対して回動可能に接続する。
ヒンジK02(2)は、第2の屈曲できる領域K31(22)と重なり、筐体K01(2)を筐体K01(3)に対して回動可能に接続する。
アンテナK10Aは、演算装置K10と電気的に接続され、信号を供給または供給される。
また、アンテナK10Aは、外部装置から無線で電力を供給され、電力をバッテリーK10Bに供給する。
バッテリーK10Bは、演算装置K10と電気的に接続され、電力を供給または供給する。
《折り畳みセンサ》
折り畳みセンサK41は、筐体が折り畳まれた状態かまたは展開された状態かを検知し、筐体の状態を示す情報を供給する。
演算装置K10は、筐体の状態を示す情報を供給される。
筐体K01の状態を示す情報が折り畳まれた状態を示す情報である場合、演算装置K10は第1の領域K31(11)に第1の画像を含む画像情報Vを供給する(図13(C)参照)。
また、筐体K01の状態を示す情報が展開された状態を示す情報である場合、演算装置K10は表示部K30の領域K31に画像情報Vを供給する(図13(A))。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態10)
本実施の形態では、本発明の一態様の情報処理装置の構成について、図14を参照しながら説明する。
図14は本発明の一態様の情報処理装置を説明する図である。
図14(A−1)乃至図14(A−3)は、本発明の一態様の情報処理装置の投影図である。
図14(B−1)および図14(B−2)は、本発明の一態様の情報処理装置の投影図である。
図14(C−1)乃至図14(C−2)は、本発明の一態様の情報処理装置の上面図および底面図ある。
《情報処理装置A》
情報処理装置3000Aは、入出力部3120および入出力部3120を支持する筐体3101を有する(図14(A−1)乃至図14(A−3)参照)。
また、情報処理装置3000Aは、演算部および演算部に実行させるプログラムを記憶する記憶部、演算部を駆動する電力を供給するバッテリーなどの電源を備える。
なお、筐体3101は、演算部、記憶部またはバッテリーなどを収納する。
情報処理装置3000Aは、側面または/および上面に表示情報を表示することができる。
情報処理装置3000Aの使用者は、側面または/および上面に接する指を用いて操作命令を供給することができる。
《情報処理装置B》
情報処理装置3000Bは、入出力部3120および入出力部3120bを有する(図14(B−1)および図14(B−2)参照)。
また、情報処理装置3000Bは入出力部3120を支持する筐体3101および可撓性を有するベルト状の筐体3101bを有する。
また、情報処理装置3000Bは入出力部3120bを支持する筐体3101を有する。
また、情報処理装置3000Bは、演算部および演算部に実行させるプログラムを記憶する記憶部、演算部を駆動する電力を供給するバッテリーなどの電源を備える。
なお、筐体3101は、演算部、記憶部またはバッテリーなどを収納する。
情報処理装置3000Bは、可撓性を有するベルト状の筐体3101bに支持される入出力部3120に表示情報を表示することができる。
情報処理装置3000Bの使用者は、入出力部3120に接する指を用いて操作命令を供給することができる。
《情報処理装置C》
情報処理装置3000Cは、入出力部3120ならびに入出力部3120を支持する筐体3101および筐体3101bを有する(図14(C−1)乃至図14(C−2)参照)。
入出力部3120および筐体3101bは可撓性を有する。
また、情報処理装置3000Cは、演算部および演算部に実行させるプログラムを記憶する記憶部、演算部を駆動する電力を供給するバッテリーなどの電源を備える。
なお、筐体3101は、演算部、記憶部またはバッテリーなどを収納する。
情報処理装置3000Cは、筐体3101bの部分で二つに折り畳むことができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
A1 第1のノード
A2 第2のノード
A3 第3のノード
A4 第4のノード
BIAS 配線
C1 容量素子
C2 容量素子
COM 配線
CONV 変換器
CS 第2の制御線
F1 基板
F2 剥離層
F3 被剥離層
F3b 導電層
F3s 起点
G1 選択信号線
K01 筐体
K02 ヒンジ
K10 演算装置
K10A アンテナ
K10B バッテリー
K20 入出力装置
K30 表示部
K31 領域
K40 入力装置
K41 折り畳みセンサ
K45 釦
K100 情報処理装置
M0 トランジスタ
M10 増幅トランジスタ
M11 トランジスタ
M12 トランジスタ
M13 トランジスタ
M14 トランジスタ
M15 トランジスタ
M16 トランジスタ
M17 トランジスタ
M18 トランジスタ
M20 増幅トランジスタ
ML1 信号線
ML2 信号線
OUT 端子
OUT1 出力端子
OUT2 出力端子
PW 第2の配線
RES 第1の制御線
S1 基板
S2 剥離層
S3 被剥離層
S5 基材
T1 期間
T2 期間
VPI 配線
VRES 第1の配線
FPC1 フレキシブルプリント基板
FPC2 フレキシブルプリント基板
10 検知装置
10(1) 第1の検知部
10(2) 第2の検知部
10U 検知ユニット
10UB 検知ユニット
10UC 検知ユニット
11 電極
12 電極
13 絶縁層
14 窓部
15 変換回路
16 基材
16a バリア膜
16b 基材
16c 樹脂層
17 保護層
30 接合層
31 接着層
32 接着層
41 支持体
41b 支持体
42 支持体
42b 支持体
48 マスク
49 溶剤
80 加工部材
80a 残部
80b 表層
81 積層体
90 加工部材
90a 残部
90b 表層
91 積層体
91a 残部
91s 起点
92 積層体
92c 積層体
92d 積層体
99 ノズル
100 入力装置
102 基板
102U 検知ユニット
104a ゲート電極
105 変換回路
106 絶縁膜
107 絶縁膜
108 絶縁膜
110 酸化物半導体膜
112 導電膜
112a 電極
112b 電極
114 絶縁膜
116 絶縁膜
118 絶縁膜
120 絶縁膜
122a 導電膜
122b 導電膜
122c ゲート電極
142a 開口
142e 開口
151 トランジスタ
204 変換回路
500 入出力装置
501 表示部
502 画素
502B 副画素
502G 副画素
502R 副画素
502t トランジスタ
503c 容量
503g 走査線駆動回路
503t トランジスタ
510 基材
510a バリア膜
510b 基材
510c 樹脂層
511 配線
519 端子
521 絶縁膜
528 隔壁
550R 発光素子
560 封止材
567p 反射防止層
580R 発光モジュール
3000A 情報処理装置
3000B 情報処理装置
3000C 情報処理装置
3101 筐体
3101b 筐体
3120 入出力部
3120b 入出力部

Claims (5)

  1. 検知ユニットと変換回路とを有し、
    前記検知ユニットは、第1の検知部および第2の検知部を備え、
    前記第1の検知部は、近接するものとの距離に基づいて1の検知信号を供給する機能を有し、
    前記第2の検知部は、近接するものとの距離に基づいて2の検知信号を供給する機能を有し、
    前記変換回路は、前記第1の検知信号および前記第2の検知信号を供給され、前記第1の検知信号に基づく第1の検知情報および前記第2の検知信号に基づく第2の検知情報を供給することができ、
    前記第1の検知部は、第1のスイッチ、第2のスイッチ、第1の増幅トランジスタおよび第1の容量素子を有し、
    前記第1のスイッチの制御端子、選択信号を供給することができる選択信号線と電気的に接続さ
    前記第1のスイッチの第1の端子前記第1の検知信号を供給することができる第1の信号線と電気的に接続さ
    前記第2のスイッチの制御端子、第1の制御信号を供給することができる第1の制御線と電気的に接続さ
    前記第2のスイッチの第1の端子は、第1の電源電位を供給することができる第1の配線と電気的に接続さ
    前記第1の増幅トランジスタのゲートは、前記第2のスイッチの第2の端子と電気的に接続され、
    前記第1の増幅トランジスタの第1の電極は、前記第1のスイッチの第2の端子と電気的に接続され、
    前記第1の増幅トランジスタの第2の電極は、定電流を供給することができる第2の配線と電気的に接続さ
    前記第1の容量素子の第1の電極は、前記第1の増幅トランジスタのゲートと電気的に接続され、
    前記第1の容量素子の第2の電極は、第2の制御信号を供給することができる第2の制御線と電気的に接続さ
    前記第2の検知部は、第3のスイッチ、第4のスイッチ、第2の増幅トランジスタおよび第2の容量素子を有し、
    前記第3のスイッチの制御端子、前記選択信号線と電気的に接続され、
    前記第3のスイッチの第1の端子前記第2の検知信号を供給することができる第2の信号線と電気的に接続さ
    前記第4のスイッチの制御端子、前記第1の制御線と電気的に接続され、第1の端子が前記第1の配線と電気的に接続さ
    前記第2の増幅トランジスタのゲートは、前記第4のスイッチの第2の端子と電気的に接続され、
    前記第2の増幅トランジスタの第1の電極は、前記第3のスイッチの第2の端子と電気的に接続され、
    前記第2の増幅トランジスタの第2の電極は、前記第2の配線と電気的に接続さ
    前記第2の容量素子の第1の電極は、前記第2の増幅トランジスタのゲートと電気的に接続され、
    前記第2の容量素子の第2の電極は、前記第2の制御線と電気的に接続されることを特徴とする検知装置。
  2. 請求項1において、
    前記検知ユニット、定電流を供給することができる電源を備え、
    前記第1の増幅トランジスタの第2の電極が、前記電源電気的に接続され、
    前記第2の増幅トランジスタの第2の電極が、前記電源電気的に接続され、
    前記電源は、トランジスタを有し、
    前記トランジスタのゲートは、第2の電源電位を供給することができる配線と電気的に接続され、
    前記トランジスタの第1の電極は、第3の電源電位を供給することができる配線と電気的に接続され、
    前記トランジスタの第2の電極は、定電流を供給される線に電気的に接続されることを特徴とする検知装置。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記第2の検知部は、前記第1の検知部から5mm以内の範囲に配設されることを特徴とする検知装置。
  4. 請求項1乃至請求項3に記載の検知装置の駆動方法であって、
    前記選択信号を供給し、前記第1のスイッチおよび前記第3のスイッチを導通状態とし前記第1の制御信号を供給し、前記第2のスイッチおよび前記第4のスイッチを導通状態としたときに、第1の検知信号および第2の検知信号を取得する第1のステップと、
    前記選択信号を供給し、前記第1のスイッチおよび前記第3のスイッチを導通状態とし前記第1の制御信号およびパルス状の第2の制御信号を供給し、前記第2のスイッチおよび前記第4のスイッチを非導通状態としたときに、第1の検知信号および第2の検知信号を取得する第2のステップと、
    前記第2のステップで供給された前記第1の検知信号を前記第1のステップで前記第1の信号線に流れる電流に基づき決定した第1の参照信号と比較して第1の検知情報を取得し、前記第2のステップで供給された前記第2の検知信号を前記第1のステップで前記第2の信号線に流れる電流に基づき決定した第2の参照信号と比較して第2の検知情報を取得する第3のステップと、
    前記第3のステップで取得した第1の検知情報と前記第2の検知情報を比較して、前記検知装置に近接するものについての検知情報を決定する第4のステップと、を有することを特徴とする検知装置の駆動方法。
  5. 請求項1乃至請求項3に記載された、前記検知ユニットがマトリクス状に配置されたことを特徴とする入力装置。
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