以下に添付図面を参照して、この発明にかかる電子血圧計の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(電子血圧計のハードウエア構成)
まず、この発明にかかる実施の形態の電子血圧計のハードウエア構成について説明する。図1は、この発明にかかる実施の形態の電子血圧計のハードウエア構成を示す説明図である。
図1において、この発明にかかる実施の形態の電子血圧計100は、カフ101を備えている。カフ101は、阻血袋、カフ帯などを備えて構成されている。電子血圧計100は、電池102、受信アンテナ103、JJY受信部104、測定制御部105、血圧計内蔵CPU106、結果表示部107、血圧測定ボタン108、時刻修正ボタン109が設けられた血圧計本体を備えている。血圧計本体における電池102、受信アンテナ103、JJY受信部104、測定制御部105、血圧計内蔵CPU106は、図示を省略する筐体内に収容されている。結果表示部107、血圧測定ボタン108、時刻修正ボタン109は、筐体の表面に設けられている。
カフ101と筐体とは、一体であってもよく、別体であってもよい。たとえば、手首式の電子血圧計100は、カフ101と筐体とが一体とされている。また、たとえば、上腕式の電子血圧計100は、カフ101と筐体とが別体とされる。カフ101と筐体とが別体である場合、カフ101と筐体とはエアホースなどを介して接続される。
電池102は、受信アンテナ103、JJY受信部104、測定制御部105、血圧計内蔵CPU106、結果表示部107など、電子血圧計100の各構成部に対して電力を供給する。電池102は、たとえば、一次電池102や二次電池102などを用いることができる。電子血圧計100は、交流電源からの交流電圧を充電用の直流電圧に変換する充電器を備えていてもよい。充電器は、公知の技術を用いて容易に実現可能であるため説明を省略する。
受信アンテナ103は、所定の送信局から送信される標準電波を受信する。標準電波は、標準時と周波数の国家標準または国際標準として政府や国際機関が放送している電波であって、たとえば、JJYなどの標準周波数報時局から送信され、タイムコードが重畳されている。タイムコードは、時間、日付、年、曜日、うるう秒、サマータイムなどの情報を含む。
JJY受信部104は、受信アンテナ103により受信した標準電波を周波数変換し、デジタル信号を生成する。JJY受信部104は、増幅器、フィルタ、A/Dコンバータなどによって構成することができる(いずれも図示を省略する)。増幅器は、アンテナによって受信した信号を増幅する。フィルタは、増幅器が増幅した信号から所望の周波数(たとえば、40kHz、60kHz)以外を除去する。A/Dコンバータは、所望の周波数以外を除去したアナログ値の信号を、デジタル値に変換する。
測定制御部105は、ポンプ、ポンプ駆動回路、エアバルブ、エアバルブ駆動回路、圧力センサ、A/Dコンバータなどによって構成することができる(いずれも図示を省略する)。測定制御部105は、たとえば、血圧計内蔵CPU106から出力された制御信号に基づいて、ポンプ駆動回路によりポンプを駆動制御する。ポンプ駆動回路は、ポンプを駆動制御することによって阻血袋に空気を送り込み、阻血袋を加圧する。ポンプ駆動回路は、阻血袋の圧力が所定の圧力となるように、阻血袋に圧縮気体を送り込む。
また、測定制御部105は、血圧計内蔵CPU106から出力された制御信号に基づいて、血圧の測定にかかる各部を駆動制御する。測定制御部105は、たとえば、血圧計内蔵CPU106から出力された制御信号に基づいて、エアバルブ駆動回路によりエアバルブを駆動制御し、エアバルブの開閉状態を制御する。エアバルブ駆動回路は、エアバルブを駆動制御することによって、阻血袋の圧力を維持するとともに、阻血袋の圧力の減圧をおこなう。エアバルブ駆動回路は、血圧の測定に際して、ポンプの動作によって高圧状態となった阻血袋の圧力の維持および減圧をおこなうとともに、測定終了後において阻血袋を大気圧に復帰させる。
圧力センサは、血圧値の測定時において変化する阻血袋の圧力を検出し、阻血袋の圧力検出信号を出力する。測定制御部105は、圧力センサから出力される阻血袋の圧力検出信号を増幅して、A/Dコンバータに出力する増幅器を備えていてもよい。この場合、測定制御部105は、A/Dコンバータにおいて増幅器から出力されたアナログ信号をデジタル化し、血圧計内蔵CPU106に出力する。
血圧計内蔵CPU106は、電子血圧計100全体の制御をつかさどる。血圧計内蔵CPU106は、CPU106a、ROM106b、RAM106c、EEPROM106dなどによって構成されるマイクロコンピュータによって実現することができる。血圧計内蔵CPU106(CPU106a)は、たとえば、時刻修正ボタン109が操作された場合に、受信アンテナ103により受信した標準電波に応じてJJY受信部104から出力される信号をデコードし、デコードした信号に基づいて電子血圧計100における時刻(絶対時刻)を修正する(図2を参照)。
また、血圧計内蔵CPU106は、たとえば、血圧測定ボタン108が操作された場合、ポンプ駆動回路やエアバルブ駆動回路に対して制御信号を出力し、ポンプなどを駆動制御することにより阻血袋内を加圧し、測定制御部105における圧力センサから出力される圧力検出信号に基づいて、血圧値の測定をおこなう(図2を参照)。血圧計内蔵CPU106は、血圧測定ボタン108が所定時間以上継続して操作され続けた場合、血圧測定ボタン108の操作が停止されるまで阻血袋内を加圧し、血圧測定ボタン108の操作が停止した時点から血圧値の測定をおこなってもよい。
また、血圧計内蔵CPU106(CPU106a)は、第1の発振部106eと第2の発振部106fとを備えている。第1の発振部106eおよび第2の発振部106fは、それぞれ、水晶振動子や発振回路によって構成され、電源から電圧が印加されることにより、1秒に1回のパルス信号を出力する。血圧計内蔵CPU106(CPU106a)は、第1の発振部106eや第2の発振部106fから出力されたパルス信号をそれぞれカウントすることによって絶対時刻や相対時刻を計時する。
結果表示部107は、血圧計内蔵CPU106によって駆動制御され、測定した血圧値(最高血圧値、最低血圧値)、脈拍、日付、時刻などを表示する。結果表示部107は、たとえば、LCD(Liquid Crystal Display)によって構成される表示画面と、当該表示画面の表示内容を制御する画像制御回路などによって実現することができる。結果表示部107は、LCDに代えて、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイによって表示画面を実現してもよい。血圧測定ボタン108や時刻修正ボタン109は、利用者による操作を受け付けた場合に、血圧計内蔵CPU106に対して操作信号を出力する。
電子血圧計100は、アラーム音を発声させるブザー(図示を省略する)を備えていてもよい。ブザーは、たとえば、圧電素子と金属板を貼り合わせた振動板のたわみ振動を発音源とする圧電ブザーによって実現することができる。圧電ブザーなどのブザーについては、公知の技術を用いて容易に実現可能であるため説明を省略する。
(電子血圧計100の機能的構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の電子血圧計100の機能的構成について説明する。図2は、この発明にかかる実施の形態の電子血圧計100の機能的構成を示すブロック図である。図2において、この発明にかかる実施の形態の電子血圧計100の機能は、操作部201、血圧測定部202、時刻情報受信部203、表示部204、絶対時刻計時部205、時刻修正部206、相対時刻計時部207、取得部208、記憶部209、判断部210、受信喚起部211によって実現される。
操作部201は、利用者による所定の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作に応じた信号を出力する。操作部201の機能は、具体的には、血圧測定ボタン108や時刻修正ボタン109などによって実現することができる。操作部201は、たとえば、血圧測定ボタン108に対する入力操作を受け付けた場合、血圧測定部202に対して、血圧の測定開始を指示する信号を出力する。また、操作部201は、たとえば、時刻修正ボタン109に対する操作を受け付けた場合、時刻情報受信部203に対して、時刻情報を含む電波の受信開始を指示する信号を出力する。
血圧測定部202は、操作部201に対する所定の入力操作を受け付けた場合に、血圧を測定する。血圧測定部202の機能は、たとえば、カフ101、測定制御部105、結果表示部107、血圧計内蔵CPU106などによって実現することができる。時刻情報受信部203は、時刻情報を含む電波を受信する。時刻情報受信部203は、たとえば、操作部201において所定の入力操作を受け付けた場合(時刻修正ボタン109に対する操作を受け付けた場合)、時刻情報を含む電波として、上記の標準電波を受信する。時刻情報受信部203の機能は、アンテナおよびJJY受信部104などによって実現することができる。
血圧測定部202において血圧の測定をおこなっている間に、操作部201に対する所定の入力操作(血圧測定ボタン108の操作)を受け付けた場合、上記の時刻情報受信部203は、電波の受信をおこなわない。
表示部204は、血圧測定部202が測定した血圧の測定値や記憶部209が記憶した測定結果を表示する。表示部204の機能は、LCDや有機ELなどの表示画面を備えた結果表示部107によって実現することができる。
絶対時刻計時部205は、時刻情報受信部203が受信した電波に含まれる時刻情報に基づいて絶対時刻を計時する。絶対時刻は、標準電波に含まれるタイムコードに基づいて特定される時刻によって実現することができる。絶対時刻計時部205の機能は、血圧計内蔵CPU106、より具体的には、血圧計内蔵CPU106が備えるCPU106a、ROM106b、RAM106c、第1の発振部106eなどによって実現することができる。
時刻修正部206は、時刻情報受信部203により電波を受信した場合、受信した時刻情報に基づいて、絶対時刻計時部205が計時する絶対時刻を修正する。時刻修正部206の機能は、血圧計内蔵CPU106、より具体的には、血圧計内蔵CPU106が備えるCPU106a、ROM106b、RAM106cなどによって実現することができる。時刻修正部206は、第1の発振部106eから出力されるパルス信号に基づいて血圧計内蔵CPU106内部で計時される絶対時刻を、標準電波に含まれるタイムコードに基づいて特定される最新の絶対時刻に更新する。
相対時刻計時部207は、電子血圧計100において電源の供給が開始された以降に設定された基準時点(基準時刻)に対する相対時刻を計時する。相対時刻計時部207の機能は、血圧計内蔵CPU106、より具体的には、血圧計内蔵CPU106が備えるCPU106a、ROM106b、RAM106c、第2の発振部106fなどによって実現することができる。
相対時刻は、第2の発振部106fから出力されるパルス信号に基づいて血圧計内蔵CPU106内部で計時される相対的な時刻によって実現することができる。相対時刻は、基準時点からの経過時間に基づいて計時することができる。相対時刻は、たとえば、基準時点(基準時刻)をゼロ(0:00)として、当該基準時点(基準時刻)に対する相対的な時刻によって示すことができる。
たとえば、電源の供給が開始された時点を基準時点(基準時刻)とする場合、相対時刻計時部207は、電源の供給が開始されてからの経過時間に基づいて相対時刻を計時する。また、たとえば、時刻修正部206によって絶対時刻の修正がおこなわれた時点のうち直近の時点を基準時点(基準時刻)とする場合、相対時刻計時部207は、前回絶対時刻の修正をおこなってからの経過時間に基づいて相対時刻を計時する。時刻修正部206によって絶対時刻の修正がおこなわれた時点のうち直近の時点を基準時点(基準時刻)とする場合、基準時点(基準時刻)は、時刻修正部206によって絶対時刻の修正がおこなわれるごとに更新される。
取得部208は、血圧測定部202による測定値を取得する。取得部208は、血圧測定部202により測定した血圧値(最高血圧値、最低血圧値)、脈拍などの測定値を取得する。また、取得部208は、測定値を取得した時点において絶対時刻計時部205が計時する絶対時刻、および、測定値を取得した時点において相対時刻計時部207が計時する相対時刻を取得する。取得部208の機能は、血圧計内蔵CPU106、より具体的には、血圧計内蔵CPU106が備えるCPU106a、ROM106b、RAM106cなどによって実現することができる。
記憶部209は、血圧測定部202による測定にかかる測定結果を記憶する。測定結果は、取得部208が取得した情報に基づいて構成され、血圧測定部202が測定した測定値、および、取得部208が測定値を取得した時点における絶対時刻および相対時刻を関連付けて構成される。記憶部209の機能は、たとえば、血圧計内蔵CPU106、より具体的には、血圧計内蔵CPU106が備えるCPU106a、EEPROM106dなどによって実現することができる。
判断部210は、基準時点(基準時刻)から相対時刻計時部207が計時する相対時刻までの経過時間の長さ(以下「判断用時間」という)が、あらかじめ設定された所定閾値を超えているか否かを判断する。所定閾値は、たとえば、30日分の秒数(60秒×60分×24時間×30日=2592000秒)とすることができる。この場合、判断部210は、基準時点(基準時刻)および相対時刻に基づいて、判断用時間が、30日(2592000秒)を超えたか否かを判断する。
時刻修正部206によって絶対時刻の修正がおこなわれるごとに基準時点(基準時刻)を更新する場合、判断部210は、前回絶対時刻を修正してから、すなわち基準時点(基準時刻)が更新されてから30日(2592000秒)を超えた時間が経過すると、時刻修正部206による絶対時刻の修正がおこなわれるまでの間、判断用時間が30日(2592000秒)を超えたと判断する。
判断部210は、取得部208が測定値を取得するごとに、当該測定値を取得した時点における判断用時間が、あらかじめ設定された所定閾値を超えているか否かを判断してもよい。あるいは、判断部210は、取得部208が測定値を取得した時点にかかわらず、常時、判断用時間を監視し、当該判断用時間の長さが所定閾値を超えているか否かを判断してもよい。判断部210の機能は、たとえば、血圧計内蔵CPU106、より具体的には、血圧計内蔵CPU106が備えるCPU106a、ROM106b、RAM106cなどによって実現することができる。
受信喚起部211は、判断部210の判断結果に基づいて、判断用時間の長さが所定閾値を超えている場合、時刻情報受信部203による電波の受信を喚起する。取得部208が測定値を取得するごとに判断用時間が所定閾値を超えているか否かを判断する場合、受信喚起部211は、測定をおこなっているタイミングあるいは測定が終了した直後のタイミングで、電波の受信を喚起することができる。あるいは、判断部210が常時判断用時間を監視し、当該判断用時間が所定閾値を超えているか否かを判断する場合、受信喚起部211は、判断用時間が所定閾値を超えたタイミングで直ちに電波の受信を喚起することができる。
受信喚起部211は、たとえば、上記の表示部204において所定の情報を表示することによって電波の受信を喚起する。具体的には、表示部204を実現する結果表示部107において「窓際設置マーク」を表示することによって電波の受信を喚起する。この場合、受信喚起部211の機能は、たとえば、血圧計内蔵CPU106や結果表示部107などによって実現することができる。
また、受信喚起部211は、さらに、絶対時刻の修正をおこなうことなく測定結果を所定数記憶した場合、時刻情報受信部203による電波の受信を喚起してもよい。この場合、具体的には、受信喚起部211は、たとえば、EEPROM106dのデータ容量および当該EEPROM106dに記憶した測定結果数に相当するデータ量に基づいて、当該データ量がEEPROM106dのデータ容量に達した場合、あるいは、当該データ容量に対して所定割合に達した場合に、時刻情報受信部203による電波の受信を喚起する。この場合、EEPROM106dに測定結果を所定数記憶するまでの間に絶対時刻の修正をおこなえば、受信喚起部211は、EEPROM106dのデータ量がEEPROM106dのデータ容量に達したとき、あるいは、当該データ容量に対して所定割合に達したときにも、電波の受信を喚起しない。
あるいは、EEPROM106dに記憶したデータ量と判断用時間とに基づいて、「EEPROM106dのデータ量がEEPROM106dのデータ容量に達したとき、あるいは、当該データ容量に対して所定割合に達したとき」あるいは「判断用時間が所定閾値に達した場合」のいずれか一方に該当する場合に、電波の受信を喚起するようにしてもよい。この場合、EEPROM106dのデータ量のみ、あるいは、判断用時間のみに基づいて絶対時刻を修正するよりも、頻度高く絶対時刻の修正がおこなわれる。
電子血圧計100がブザーを備えている場合、受信喚起部211は、たとえば、当該ブザーにより所定パターンのアラーム音を発声させることによって電波の受信を喚起してもよい。この場合、受信喚起部211の機能は、たとえば、血圧計内蔵CPU106やブザーなどによって実現することができる。
時刻修正部206は、受信喚起部211による喚起に応じた所定の入力操作を受け付けた場合、時刻情報受信部203により電波を受信し、受信した時刻情報に基づいて絶対時刻計時部205が計時する絶対時刻を修正する。具体的には、時刻修正部206は、受信喚起部211による喚起中に、操作部201において所定の入力操作(時刻修正ボタン109に対する入力操作)を受け付けた場合に、時刻情報受信部203により電波を受信し、絶対時刻計時部205が計時する絶対時刻を、受信した時刻情報に基づいて特定される絶対時刻に更新することによって、絶対時刻を修正する。
また、時刻修正部206は、絶対時刻を修正するとともに、修正した絶対時刻および相対時刻計時部207が計時する相対時刻に基づいて、記憶部209が記憶する測定結果における絶対時刻を修正する。具体的には、時刻修正部206は、記憶部209が記憶する絶対時刻のうち前回修正した絶対時刻より後に記憶された測定結果における絶対時刻を修正する。また、具体的には、時刻修正部206は、相対時刻計時部207が計時する相対時刻に基づいて、直近の測定結果における絶対時刻ほど修正量が大きくなるように当該絶対時刻を修正する。
時刻修正部206は、記憶部209が記憶する測定結果における相対時刻の逆転が生じないように絶対時刻を修正する。具体的には、時刻修正部206は、たとえば、電源の供給が開始された以降継続して計時される相対時刻に基づいて、修正した絶対時刻に基づいて時系列に並び替えられる測定結果における相対時刻の逆転が生じないように、測定結果における絶対時刻を修正する。より具体的には、時刻修正部206は、たとえば、最新(直近)の測定結果から日時を遡った場合に、絶対時刻を修正すると逆転が生じてしまうまでの範囲内に該当する測定結果における絶対時刻のみを修正する。
時刻修正部206は、受信喚起部211が電波の受信を喚起してから、当該喚起に応じた所定の入力操作を所定時間受け付けなかった場合、記憶部209が記憶する測定結果における絶対時刻の修正をおこなわない。上記の受信喚起部211は、さらに、絶対時刻の修正をおこなうことなく測定結果を所定数記憶した場合、時刻情報受信部203による電波の受信を喚起するようにしてもよい。すなわち、記憶部209における記憶量に応じた喚起は、記憶部209の記憶容量が所定量に達するまでの間に絶対時刻の修正がおこなわれなかった場合にのみおこなわれる。
時刻修正部206が絶対時刻を修正した場合、上記の相対時刻計時部207は、絶対時刻を修正した時点を新たな基準時点とし、当該新たな基準時点に対する相対時刻を計時する。これにより、直前の、絶対時刻を修正するまでの間に累積した誤差が解消され、相対時刻および判断用時間をあらたに計時することができる。
電子血圧計100において、血圧の測定をおこなっている間は、ポンプ(あるいはポンプを駆動するモータ)などが動作している。電波の受信と、ポンプ(あるいはポンプを駆動するモータ)などの動作とを並行しておこなうと、受信した電波にノイズが生じ、電波に基づいて特定される時刻の信頼性に劣る。
電子血圧計100においては、上記のように、血圧測定部202において血圧の測定をおこなっている間に、操作部201に対する所定の入力操作(血圧測定ボタン108の操作)を受け付けた場合、上記の時刻情報受信部203は、電波の受信をおこなわない。このため、使用者などが誤って血圧測定ボタン108を操作した場合にも、時刻修正部206による絶対時刻の修正はおこなわれない。これにより、信頼性の低い情報に基づいて絶対時刻が修正されることを防止し、電子血圧計100が計時する絶対時刻の信頼性を確保することができる。
(電子血圧計100の処理手順)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の電子血圧計100の処理手順について説明する。図3は、この発明にかかる実施の形態の電子血圧計100の処理手順を示すフローチャートである。図3のフローチャートは、電子血圧計100に電池102が挿入された場合に開始される。図3のフローチャートにおいて、まず、電子血圧計100に電池102が挿入されると、電子血圧計100を起動する(ステップS301)。
つぎに、相対時刻計時部207が計時する相対時刻TRの初期値を設定する(ステップS302)。ステップS302においては、相対時刻TRを初期値0(ゼロ)に設定する(TR=0)。そして、ステップS302において設定した初期値TR=0に対する相対時刻TRのカウントを開始する(ステップS303)。電子血圧計100においては、1秒ごとにTRを1ずつカウントアップする。また、結果表示部107に「窓際設置マーク」を点灯し(ステップS304)、電波の受信を喚起する。
つぎに、ステップS304において結果表示部107に「窓際設置マーク」を点灯した状態で、時刻修正ボタン109が操作されたか否かを判断する(ステップS305)。ステップS305において、時刻修正ボタン109が操作された場合(ステップS305:Yes)、標準電波を受信して(ステップS306)、受信した標準電波に基づいて、時計時刻(絶対時刻)の設定をおこなう。時計時刻は、上記の絶対時刻であって、標準電波に基づいて設定される時刻を示す。
そして、ステップS306において受信した標準電波に基づき、時計時刻の設定が完了したか否かを判断する(ステップS307)。ステップS307において、時計時刻の設定が完了していない場合(ステップS307:No)、ステップS306へ戻り、標準電波の受信をおこなう。一方、ステップS307において、時計時刻の設定が完了した場合(ステップS307:Yes)、時計時刻の設定が完了した時点における相対時刻TRをTR0として記憶する(ステップS308)。
つぎに、血圧測定ボタン108が操作されるまで待機し(ステップS309:No)、血圧測定ボタン108が操作された場合(ステップS309:Yes)、血圧を測定する(ステップS310)。ステップS310においては、たとえば、上記のように、阻血袋を加圧し、圧力センサから出力される圧力検出信号に基づいて血圧を測定する。また、血圧を測定した後は、阻血袋の圧力の減圧をおこなう。
つぎに、ステップS310において血圧を測定した時点における時計時刻(絶対時刻)TAnと、相対時刻TRnと、を取得する(ステップS311)。そして、ステップS310における血圧の測定による測定結果と、ステップS311において取得した時計時刻(絶対時刻)TAnおよび相対時刻TRnと、を関連付けてEEPROM106dに記憶する(ステップS312)。
つぎに、相対時刻TRnと、ステップS308において記憶したTR0との差分、すなわち、相対時刻TR0から相対時刻TRnまでの時間の長さ(以下「判定用時間」という)ΔTRが、所定閾値を超えているか否かを判断する(ステップS313)ことにより、時計時刻の信頼性を判定する。所定閾値は、上記のように、たとえば、30日分の秒数(60秒×60分×24時間×30日=2592000秒)とすることができる。すなわち、ステップS313においては、判定用時間ΔTRが2592000秒を超えているか否かを判断することにより、時計時刻の信頼性を判定する。
ステップS313において、判定用時間ΔTRが2592000秒を超えていない場合(ステップS313:No)、ステップS309へ移行して、血圧測定ボタン108が操作されるまで待機する。
一方、ステップS313において、判定用時間ΔTRが2592000秒を超えている場合(ステップS313:Yes)、結果表示部107に「窓際設置マーク」を点灯し(ステップS314)、電波の受信を喚起する。そして、ステップS314において結果表示部107に「窓際設置マーク」を点灯した状態で、時刻修正ボタン109が操作されたか否かを判断する(ステップS315)。ステップS315において、結果表示部107に「窓際設置マーク」を点灯している間に、時刻修正ボタン109が操作された場合(ステップS315:Yes)、標準電波を受信して(ステップS316)、受信した標準電波に基づいて、時計時刻(絶対時刻)の設定をおこなう。
そして、ステップS316において受信した標準電波に基づき、時計時刻の設定が完了したか否かを判断する(ステップS317)。ステップS317において、時計時刻の設定が完了していない場合(ステップS317:No)、ステップS316へ戻り、標準電波の受信をおこなう。一方、ステップS317において、時計時刻の設定が完了した場合(ステップS317:Yes)、ステップS317:Yesにおいて時計時刻の設定が完了した時点における時計時刻(絶対時刻)TA0と、ステップS317:Yesにおいて時計時刻の設定が完了した時点における相対時刻TRをTR0として記憶する(ステップS318)。
その後、ステップS318において記憶した時計時刻TA0に基づいて、EEPROM106dに既に記憶されている測定結果における絶対時刻を修正し(ステップS319)、ステップS309へ移行する。ステップS319においては、まず、メモリ時刻修正値TXを算出する。メモリ時刻修正値TXは、相対時刻TR0から相対時刻TRnを差し引いた値によって示される。そして、既に記憶されている測定結果における時計時刻(絶対時刻)TAnから、メモリ時刻修正値TXを差し引くことにより、修正後の測定結果におけるあらたな時計時刻(絶対時刻)TAnを算出する。その後、既に記憶されている測定結果における時計時刻(絶対時刻)TAnを、算出したあらたな時計時刻(絶対時刻)TAnに更新することにより既に記憶されている測定結果における絶対時刻を修正する。
また、ステップS319においては、EEPROM106dが記憶する絶対時刻のうち前回修正した絶対時刻より後に記憶された測定結果における絶対時刻を修正する。また、ステップS319においては、電源の供給が開始された以降継続して計時される相対時刻に基づいて、EEPROM106dが記憶する測定結果における相対時刻の逆転が生じないように絶対時刻を修正する。
また、ステップS319においては、計時する相対時刻に基づいて、直近の測定結果における絶対時刻ほど修正量が大きくなるように当該絶対時刻を修正するようにしてもよい。
一方、ステップS315において、結果表示部107に「窓際設置マーク」を点灯している間に、時刻修正ボタン109が操作されなかった場合(ステップS315:No)、結果表示部107に「窓際設置マーク」を点灯してから所定時間が経過するまで待機する(ステップS320)。そして、ステップS320において、結果表示部107に「窓際設置マーク」を所定時間点灯している間に、時刻修正ボタン109が操作されなかった場合(ステップS320:No)、ステップS315へ移行する。一方、結果表示部107に「窓際設置マーク」を点灯してから所定時間が経過するまでに、時刻修正ボタン109が操作された場合(ステップS320:Yes)、ステップS309へ移行する。
ステップS305において、結果表示部107に「窓際設置マーク」を点灯している間に、時刻修正ボタン109が操作されなかった場合(ステップS305:No)、結果表示部107に「窓際設置マーク」を点灯してから所定時間が経過するまで待機する(ステップS321)。そして、ステップS321において、結果表示部107に「窓際設置マーク」を所定時間点灯している間に、時刻修正ボタン109が操作されなかった場合(ステップS321:No)、ステップS305へ移行する。一方、結果表示部107に「窓際設置マーク」を点灯してから所定時間が経過するまでに、時刻修正ボタン109が操作された場合(ステップS321:Yes)、ステップS309へ移行する。
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態の電子血圧計100は、基準時点(基準時刻)TR0から相対時刻TRまでの時間の長さが、あらかじめ設定された所定閾値を超えている場合に電波の受信を喚起する。そして、当該喚起に応じた所定の入力操作を受け付けた場合、標準電波を受信し、受信した時刻情報に基づいて絶対時刻を修正するとともに、修正した絶対時刻および相対時刻に基づいてEEPROM106dが記憶する測定結果における絶対時刻を修正するようにしたことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の電子血圧計100によれば、基準時点からの相対時刻の長さが所定閾値を超えている場合は、電波の受信を喚起することにより、電波の受信環境に劣る屋内で使用される電子血圧計100であっても、正確な絶対時刻を計時することができ、正確な絶対時刻とともに記憶される測定結果の信頼性を確保することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の電子血圧計100によれば、電波の受信の喚起に応じて絶対時刻の修正をおこなうとともに、過去の測定結果に関連付けられた絶対時刻を修正することにより、絶対時刻の修正後の測定結果のみならず、過去の測定結果の信頼性を確保することができる。
このように、この発明にかかる実施の形態の電子血圧計100によれば、利用者に対して格別意識させることなく、電子血圧計100において正確な絶対時刻を計時し、正確な測定結果を提示することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の電子血圧計100は、血圧の測定にかかる測定値を取得した時点における、基準時点(基準時刻)TR0から相対時刻TRまでの時間の長さが、前回測定値を取得してから今回測定値をするまでの間隔であることを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の電子血圧計100によれば、血圧を測定するごとに、基準時点(基準時刻)TR0から相対時刻TRまでの長さが所定閾値を超えているか否かを判断し、適宜電波の受信を喚起することができる。これにより、使用者が電子血圧計100に対して確実に注意を払うタイミングにおいて、電波の受信を喚起することができる。
そして、これにより、電波の受信環境に劣る屋内で使用される電子血圧計100であっても、正確な絶対時刻を計時することができ、正確な絶対時刻とともに記憶される測定結果の信頼性を確保することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の電子血圧計100は、絶対時刻を修正した場合、当該絶対時刻を修正した時点を新たな基準時点(基準時刻)TR0とし、当該新たな基準時点(基準時刻)TR0に対する相対時刻を計時することを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の電子血圧計100によれば、絶対時刻を修正するごとに基準時点を更新することにより、相対時刻と基準時点との差分が累積することを防止することができ、適切な頻度で電波の受信を喚起することができる。これにより、利用者に対して、過剰に電波の受信を喚起することによる煩わしさを感じさせることなく、正確な絶対時刻を計時することができ、正確な絶対時刻とともに記憶される測定結果の信頼性を確保することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の電子血圧計100によれば、電波の受信の喚起に応じた所定の入力操作がおこなわれなかった場合、すなわち、前回絶対時刻を修正してから所定の時間が経過しているにもかかわらず絶対時刻の修正をおこなわない場合、基準時点が更新されないため、次回の血圧の測定に際しても、絶対時刻の修正をおこなうまで電波の受信の喚起をおこなうことができる。これにより、絶対時刻の修正がおこなわれないまま血圧を測定することを抑制し、正確な測定結果を提示することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の電子血圧計100は、EEPROM106dが記憶する絶対時刻のうち前回修正した絶対時刻より後に記憶された測定結果における絶対時刻を修正することを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の電子血圧計100によれば、前回修正した絶対時刻より後に記憶された測定結果における絶対時刻のみを修正することにより、前回修正した絶対時刻を今回さらに修正することに起因して測定結果における絶対時刻の時系列上の順序が逆転することを防止できる。これにより、利用者に対して格別意識させることなく、電子血圧計100において正確な絶対時刻を計時し、正確な測定結果を提示することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の電子血圧計100においては、計時する相対時刻に基づいて、直近の測定結果における絶対時刻ほど修正量が大きくなるように当該絶対時刻を修正するようにしてもよい。このような電子血圧計100によれば、絶対時刻を修正した直後(基準時点に直近する相対時刻)よりも、絶対時刻を修正してから時間が経過した方が、電子血圧計100が計時する絶対時刻の、正確な絶対時刻に対するズレ(誤差)量が大きくなるであろうことを考慮して、絶対時刻を修正することができる。これにより、利用者に対して格別意識させることなく、電子血圧計100において正確な絶対時刻を計時し、正確な測定結果を提示することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の電子血圧計100は、電源の供給が開始された以降継続して相対時刻を計時し、EEPROM106dが記憶する測定結果における相対時刻の逆転が生じないように絶対時刻を修正することを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の電子血圧計100によれば、電源の供給が開始された以降継続して計時される相対時刻の逆転が生じないように、測定結果における絶対時刻を修正することにより、利用者に対して格別意識させることなく、正確な測定結果を提示することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の電子血圧計100は、電波の受信を喚起してから、当該喚起に応じた所定の入力操作を所定時間受け付けなかった場合、EEPROM106dが記憶する測定結果における絶対時刻の修正をおこなわないことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の電子血圧計100によれば、電波の受信を喚起した後所定時間内に当該喚起に応じた所定の入力操作がおこなわれなかった場合は、絶対時刻の修正をおこなわないことにより、利用者に対して、絶対時刻の修正をおこなうまでの間継続して電波の受信を喚起することによる煩わしさを感じさせることを抑制できる。
また、この発明にかかる実施の形態の電子血圧計100においては、さらに、絶対時刻の修正をおこなうことなく測定結果を所定数記憶した場合、電波の受信を喚起するようにしてもよい。このような電子血圧計100によれば、絶対時刻の修正をおこなわないまま測定結果を所定数記憶した場合に電波の受信を喚起することにより、記憶部209の記憶容量の制限により、新たな測定結果を記憶するために既に記憶している測定結果の中から古い測定結果を消去する状況において、当該古い測定結果を消去する前に、絶対時刻の修正を促すことができる。これにより、たとえば、血圧値や測定日時などの測定結果をノートに書き写して管理している利用者に対して、書き写す前に測定結果が消去される事態を回避させるとともに、正確な測定結果を提示することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の電子血圧計100は、測定結果を表示する表示部204において所定の情報を表示することにより前記電波の受信を喚起することを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の電子血圧計100によれば、利用者に対して、絶対時刻の修正が必要であることを明確かつ確実に案内することができる。