JP6308907B2 - 連続混練機 - Google Patents

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Description

本発明は、互いに異方向に回転する混練ロータを用いて樹脂材料の混練を行う連続混練機に関するものである。
一般に、連続混練機は、水平方向に沿って長尺に形成された筒状のバレルと、このバレルの内部に挿入されて材料を混練する一対の混練ロータとを備えている。
連続混練機では、上述したバレルの長手方向の一方側に高分子樹脂のペレットや粉状の添加物などの材料を供給するフィード部が設けられており、フィード部に供給された材料は長手方向の中途側に設けられた混練部に送られる。混練部では、一対の混練ロータ間で材料にせん断力を付与しながら混練が行われ、混練後の材料は長手方向の他方側に設けられた絞り部(混練度調整部)に送られる。絞り部では材料の内圧が高められる。
このようにして、絞り部で内圧が高められた材料は絞り部のさらに下流側に位置する排出部から連続混練機の外部に排出される。そして、特許文献1や特許文献2に示すように、排出部では材料を例えばバレルの下方に引き出し、引き出された材料をギヤポンプなどで昇圧してからペレタイザなどに送っている。
特開平10−6330号公報 特開平11−291327号公報
ところで、連続混練機は、押出機などに比べれば材料を押し出す能力は高いものではない。それゆえ、何らかの理由で排出部での排出がスムーズに行われないと、材料が混練部に必要以上に滞留して、混練品質が悪化する原因となる。
特許文献1や特許文献2の如き、排出部に2条や3条の排出翼を用いた連続混練機で混練を行うと、排出部に材料が必要以上に滞留して、排出部から材料がスムーズに排出されなくなることが起こりやすいことが現場の実績として分かっている。
このように排出部で滞留が生じた場合には、混練ロータの出力を高くしてでも材料を強制的に下流側に送って、混練後の材料品質を良好なものに維持する必要がある。ところが、このような混練ロータの出力アップは、連続混練機に対し過負荷となる虞があり、係る過負荷に耐える連続混練機を製造するために、製造コストが高騰する虞があった。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、排出部で材料の排出をスムーズに行うことができるようにして、良好な混練品質で混練を行うことができる連続混練機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の連続混練機は以下の技術的手段を講じている。
即ち、本発明の連続混練機は、内部が空洞とされたバレルと、当該バレルに収容された一対の混練ロータとを備え、これら一対の混練ロータが異なる回転方向に向かって噛み合い状態で回転する連続混練機であって、前記バレル内には、前記混練ロータの軸方向に沿って、材料を供給するフィード部、材料を混練する混練部、混練された材料をバレル外に排出する排出部が順に設けられており、前記排出部に位置する混練ロータが、周方向に少なくとも1条の排出翼を備えていることを特徴とする。
なお、好ましくは、前記一対の混練ロータのそれぞれに備えられた排出翼が互いに非接触で回転するように、前記一対の混練ロータ間の回転位相差が設定されているとよい。
なお、好ましくは、前記回転位相差は、一対の排出翼同士が干渉し合う位相差より大きい角度であって、且つ90°より小さい値とされているとよい。
なお、好ましくは、前記バレルの内径(バレル内周の半径)をrとした場合に、前記排出翼が設けられた部分の混練ロータの最大外径r(混練ロータの外周の最大半径)が、0.985rより小さくされているとよい。
なお、好ましくは、前記排出翼の先端には、バレルの内周面に正対する頂部が設けられており、前記頂部の周方向に沿った幅が、前記バレルの内径rの0.05倍以上とされているとよい。
なお、好ましくは、前記排出部に位置する混練ロータにおける、前記排出翼の設置箇所とは異なる箇所には、前記バレル外への混練された材料の排出を阻害しない排出非阻害翼が少なくとも1条以上設けられており、前記排出非阻害翼は、前記バレルの内径をrとした場合に、前記排出非阻害翼が設けられた部分の混練ロータの最大外径rが、0.95r以下となるように形成されているとよい。
なお、好ましくは、前記排出部に位置する混練ロータにおける、前記排出翼の設置箇所とは異なる箇所には、前記バレル外への混練された材料の排出を阻害しない排出非阻害翼が少なくとも1条以上設けられており、前記排出非阻害翼の先端には、バレルの内周面に正対する頂部が設けられており、前記排出翼の頂部からバレルの内周面までのクリアランスに対する、前記排出非阻害翼の頂部からバレルの内周面までのクリアランスの比が、3.0以上とされているとよい。
また、本発明に係る連続混練機の最も好ましい形態は、内部が空洞とされたバレルと、当該バレルに収容された一対の混練ロータとを備え、これら一対の混練ロータが異なる回転方向に向かって噛み合い状態で回転する連続混練機であって、前記バレル内には、前記混練ロータの軸方向に沿って、材料を供給するフィード部、材料を混練する混練部、混練された材料をバレル外に排出する排出部が順に設けられており、前記排出部に位置する混練ロータが、周方向に少なくとも1条の排出翼を備えており、前記排出翼の頂部の最大外径r と、前記混練ロータの軸心間の距離Lとの間に、r >0.5Lという関係が成立し、前記一対の混練ロータの排出翼の回転領域重なっていると共に、前記一対の混練ロータのそれぞれに備えられた排出翼が、互いに接触せずに回転するように、前記一対の混練ロータ間の回転位相差が設定されていることを特徴とする。
本発明の連続混練機によれば、排出部で材料の排出をスムーズに行うことができるようにして、良好な混練品質で混練を行うことができる。
本発明に係る連続混練機の正面断面図である。 図1のA−A線断面図である。 (a)は排出部の混練ロータの斜視図、(b)は排出部の混練ロータの正面図、(c)は排出部の混練ロータの断面図である。 (a)は実施例1の連続混練機で混練した後の材料粒子の分布を示した図であり、(b)は左側の排出翼の排出能力が最大となった場合における混練後の材料粒子の流動方向を示した図であり、(c)は右側の排出翼の排出能力が最大となった場合における混練後の材料粒子の流動方向を示した図である。 (a)は実施例2の連続混練機で混練した後の材料粒子の分布を示した図であり、(b)は左側の排出翼の排出能力が最大となった場合における混練後の材料粒子の流動方向を示した図であり、(c)は右側の排出翼の排出能力が最大となった場合における混練後の材料粒子の流動方向を示した図である。 (a)は従来例の連続混練機で混練する前の材料粒子の分布を示した図であり、(b)は同連続混練機で混練した後の材料粒子の分布を示した図であり、(c)は混練後の材料粒子の流動方向を示した図である。 (a)は、材料の流量がバレル内直径の3乗の0.00032倍であるときに、排出部での材料の充填率を実施例、従来例で比較したグラフであり、(b)は、材料の流量がバレル内直径の3乗の0.00064倍であるときに、排出部での材料の充填率を、実施例、従来例で比較したグラフである。 実施例5、実施例6、及び比較例3に用いた排出非阻害翼が1条の混練ロータの断面図である。 図8Aの混練ロータを図8Aの場合とは異なる回転位相で示した断面図である。 「3翼の例」に用いた排出非阻害翼が1条の混練ロータを示した断面図である。 排出非阻害翼の翼長を変化させた場合に、バレルの充填率がどのように変化するかを示した図である。
以下、本発明に係る連続混練機1の実施形態を、図面に基づき詳しく説明する。
図1は、本発明の連続混練機1の実施形態を示している。本実施形態の連続混練機1は、内部が空洞に形成されたバレル2と、バレル2の内部を軸心方向に沿って挿通する一対の混練ロータ3、3とを有している。連続混練機1では、一対の混練ロータ3、3は互いに異方向に向かって噛み合い状態で回転しており、一対の混練ロータ3、3間で樹脂などの材料を混練を行う構成とされている。
なお、以降の説明において、図1の紙面の左側を連続混練機1を説明する際の上流側とし、紙面の右側を下流側とする。また、図1の紙面の左右方向を連続混練機1を説明する際の軸方向とする。
バレル2は軸方向に沿って長い筒状に形成されており、その内部は軸垂直方向の断面が2つの円が円周の一部同士を介して互いに重なっためがね形状の空洞となっている。バレル2は、上流側から軸方向に沿って複数の部分(図1の例では4つの部分)に分かれている。これら4つの部分は、上流側から順に、材料を供給するフィード部4、材料を混練する混練部5、材料の内圧を高める絞り部6、材料をバレル外に排出する排出部7で構成されている。
フィード部4は、バレル2の内外を連通するように上方に向かって開口した材料供給口8を備えている。この材料供給口8は、バレル2の下側(底側)の壁面を上下に貫通するように形成されており、バレル2内に材料を供給できるようになっている。また、材料供給口8には、材料を投入しやすくするために、上方に向かって漏斗状に広がるホッパ9が設けられている。
混練部5は、バレル2の軸方向の中途側、正確にはフィード部4の下流側に設けられた部分である。この混練部5に対応した位置の混練ロータ3には後述する混練フライト10が用いられており、混練部5はフィード部4からバレル2内に供給された材料を混練フライト10を用いて混練する部分となっている。
絞り部6は、混練部5のさらに下流側に配備された部分であり、混練部5に材料を滞留させて材料の混練度を調整する機能を備えている。絞り部6は、バレル2内を流通する材料の流れを遮断したり変化させたりすることができるゲート部材11を備えており、ゲート部材11で材料の流通速度を変化させることで混練度を調整できるようになっている。この絞り部6のさらに下流側、言い換えればバレル2の最も下流側には、混練された材料をバレル2の外部に排出する排出部7が設けられている。
混練ロータ3は、上述したバレル2の内部を挿通するように左右一対設けられている。各混練ロータ3は、それぞれの回転中心がバレル2の空洞をなす上記した2つの円の各中心と一致するように設けられている。各混練ロータ3は、バレル2の両端のさらに外側でそれぞれ軸受12により支持されている。一対の混練ロータ3、3は、上述したフィード部4、混練部5、排出部7のそれぞれに対応して、互いに機能が異なる複数種のフライトを軸方向に備えている。
すなわち、フィード部4には螺旋状にねじれた翼形を利用して材料を下流側に送り出すスクリュフライト13が設けられており、混練部5には材料にせん断力を付与することで材料を混練する混練フライト10が設けられており、絞り部6には混練部5で混練された材料をバレル2外に排出する排出翼14が設けられている。
図2は、図1の連続混練機1を排出部7の位置で切断した断面図(A−A線断面図)である。
図2に示すように、排出部7は、バレル2の最も下流側の端部に設けられた部分である。排出部7には、バレル2内の材料を排出する排出翼14が設けられている。また、排出部7に軸方向に対応したバレル2の下側の外周壁には排出口15が形成されており、排出部7では排出口15を介して材料をバレル2外に送り出すことができるようになっている。
また、排出部7の先には、排出口15から抜き出された材料を圧送するギアポンプ16と、ギアポンプ16から圧送されてきた材料から異物を除去するスクリーンチェンジャ17と、スクリーンチェンジャ17で異物が除去された材料を粒状のペレットに加工するペレタイザ18とが設けられている。
ところで、本実施形態の連続混練機1は、排出部7に位置する混練ロータ3の排出翼14が、周方向に少なくとも1条であることを特徴としている。
例えば、周方向に排出翼14が1条だけとされている場合、排出部7から材料を排出する際に排出翼14同士が干渉し合うことが無くなり、材料の排出が効率良く行われる。つまり、本実施形態の連続混練機1は、排出部7からの材料の排出性を高めるために、通常は複数条設けられる排出翼14をあえて1条としたものとなっている。
なお、排出翼14の設置数は1条を基本とするが、図3(c)、図3(d)の二点鎖線で示すような、翼の反対側に突起形状のような形で混練に影響を与えない程度の短い翼形状の部分が存在していても構わない。
具体的には、本実施形態の連続混練機1は、それぞれの混練ロータ3に設けられる排出翼14を少なくとも1条とした上で、排出翼14同士の配置関係、つまり排出翼14の形状や位相差を、この連続混練機1に供給される材料の総流量に合わせて最適な数値に調整している。
つまり、上述した排出翼14は、一方の混練ロータ3の排出翼14と、他方の混練ロータ3の排出翼14とが互いに接触しない程度の位相差δであって、材料の排出が最も効率良くなる位相差δをあけて回転するようになっている。この排出翼14同士の間に形成される位相差δは、一対の排出翼14が互いに干渉しない位相差δinterfere(δinterfereは翼形状により変化する、例えば57°)より大きくするとよい。特に好ましくは、総流量がバレル2の内直径(直径)Dの3乗の0.00064倍と大きい場合には、位相差δは、δinterfere〜90°および -δinterfere〜 -90°の範囲に設定すると良く、さらにこの範囲内でもできる限りδinterfereに近い値とするのが好ましい。また、総流量がバレル2の内直径Dの3乗の0.00032倍と小さい場合には、位相差δは、δinterfere〜180°および -δinterfere〜 -180°の範囲に設定しても良い。
また、排出翼14の最大外径r、言い換えれば混練ロータ3の軸心Cから排出翼14の先端までの距離は、バレル2の内径(半径)をrとした場合に、0.985rより小さい寸法とされている。そして、排出翼14の先端には、バレルの内周面に正対する平面状に形成された頂部19が設けられており、頂部19の周方向に沿った幅Wは、バレル2の内径rの0.05倍以下とされている。
上記した排出翼14の形状や位相差、及び材料の総流量との関係について詳しく説明する。
図3(a)及び図3(b)に示すように、排出翼14は、円筒形状とされた混練ロータ3の外周面から径外側に向かって突出するように形成されており、軸垂直方向に沿った断面が略三角形状とされている。排出翼14は、混練ロータ3の外周面に少なくとも1条に亘って形成されていて、混練ロータ3の軸心Cの周りを螺旋を描くように捻れている。
また、図3(c)に示すように、排出翼14の先端にはバレル2の内周面に正対する頂部19(ランド部)が形成されている。この頂部19は、混練ロータ3の軸心Cから径方向に最大外径rだけ距離をあけて形成されており、バレル2の内径をrとした場合に、排出翼14の頂部19の最大外径rは、次の式(1)を満足する。
また、上述した排出翼14の頂部19は、周方向に沿った幅がWとされていて、この頂部19の幅Wはバレル2の内径rを用いて式(2)のように示される。
上述した式(2)を満足することで、機械的強度の不足に起因する排出翼14の破損を防止することが可能となる。なお、Wを極端に大きくする(W≫0.05r)と、排出翼14でのせん断エネルギが大きくなり過ぎるため、Wをできる限り0.05rに近づけた方がよい。
さらに、本実施形態の連続混練機1は上述したように噛み合い型とされており、排出翼14の頂部19の最大外径rと、混練ロータ3の軸心間の距離Lとの間に、次の関係が成立する。
そして、本実施形態の連続混練機1は、上述した式(1)〜式(3)に加えて、さらに一方の混練ロータ3の排出翼14が、他方の混練ロータ3の排出翼14に対して、位相差δ(回転位相差δ)だけずれて回転するようになっている。この位相差δは、一方の混練ロータ3の排出翼14と、他方の混練ロータ3の排出翼14とが互いに接触しない値とされており、また一方の混練ロータ3の排出翼14が材料を排出している際に、この材料の排出を他方の排出翼14の回転が阻害しない(干渉し合わない)ような値とされている。
具体的には、上述した位相差δは、一対の排出翼14が互いに干渉しない位相差δinterfereより大きくするとよい。特に好ましくは、総流量がバレル2の内直径Dの3乗の0.00064倍と大きい場合には、位相差δは、δinterfere〜90°および -δinterfere〜 -90°の範囲に設定すると良く、さらにこの範囲内でもできる限りδinterfereに近い値とするのが好ましい。また、総流量がバレル2の内直径Dの3乗の0.00032倍と小さい場合には、位相差δは、δinterfere〜180°および -δinterfere〜 -180°の範囲に設定しても良い。
上述した式(1)〜式(3)の関係を満足した上で、このような位相差δで排出翼14を噛み合わせれば、一方の混練ロータ3の排出翼14が材料を排出している際に、もう一方の排出翼14が材料をバレル2側に引き戻すことがなくなり、材料の総流量が0.00064×(D)(kg/h)と多い場合にも、0.00032×(D)(kg/h)と小さい場合にも排出部14での材料の排出をスムーズに行うことが可能となる。
なお、排出翼14同士の位相差δが上述した角度範囲となるのは、次のような実験結果に基づいている。
図4〜図6は、初期状態においてバレル2内の混練ロータ3の周囲に存在していた材料の流体が、混練ロータ3が回転するに連れて、バレル2内でどのように拡散していくかを、コンピュータシミュレーションで計算したものであり、排出部7から材料の流体がどのように排出されるかを示している。
なお、シミュレーションは2次元モデルで行った。そのため、実際の混練では軸方向の上流側から流れ込んできた材料の流体が排出口15から排出されるが、本シミュレーションでは、バレル2の内部に上方から材料の流体を取り入れ、排出口15から材料の流体が排出されるといった境界条件下で計算を行っている。
さらに、シミュレーションに用いた設定条件は、材料の流体の総流量が単位時間当たりの質量で0.00032×(D)(kg/h)、または0.00064×(D)(kg/h)の場合であり、また材料の流体の密度が750kg/m3、さらに排出口15付近の圧力が0.25MPaで、左側の混練ロータ3が軸方向の下流側から見て時計回り、右側の混練ロータ3が反時計回りに回転するというものである。
なお、図4は本実施形態の排出翼14が設けられた排出部7であって、排出翼14同士が位相差δ=90°とされている場合(実施例1)の結果を示している。また、図5は、本実施形態の排出翼14を備えた混練ロータ3であるが、排出翼14同士の位相差δが180°とされている場合(実施例2)の結果を示している。さらに、図6は、排出翼が3翼とされた従来の混練ロータを用いた場合(従来例)の結果を示している。
まず、図6の従来例の結果から説明する。
[従来例]
図6(a)は、従来例の連続混練機において、混練開始前のバレル内での材料分散状態を示したものである。図6(a)に示すように、混練開始前のバレル内には、材料の流体を示す要素が上下方向及び左右方向に規則正しく並んでいる。具体的には、これらの要素は、混練ロータの表面近傍を除く領域に配備されており、バレルの内部で上下方向及び左右方向に等しい間隔をあけて並んでいる。
また、バレル内には、上流側から一定の供給速度で新たな材料の流体が供給されるため、この新たに供給される材料の流体の挙動を予測するために、バレルの上側から新たな要素が単位時間当たりの質量で0.00064×(D)(kg/h)の流量で供給されているものとして、バレル内で各要素がどのように移動するかを計算した。
図6(b)は、混練開始後に混練ロータが20回転した場合に、材料の流体を示す各要素がバレル内のどの位置まで分散するかを分布図として示したものである。材料の流体を示す各要素は、図6(a)の状態に比べれば広範囲に分散しているものの、分散範囲はバレル内の混練ロータの周辺に限定されており、どの要素も排出部の外側に達しておらず、未だ排出が行われていないことが分かる。つまり、混練ロータが20回転した後でも、材料の排出能力に乏しい従来の連続混練機では、材料の排出が十分に行われていないことが分かる。
図6(c)は、混練ロータが20回転した時点で、バレル内の各位置にある材料の流体がどの方向に移動しつつあるかを、矢印の向きで示したものである。排出口に近い側に配備された混練ロータ(図6の紙面における左側の混練ロータ)に着目した場合、混練ロータのすぐ下側では、矢印の向きはいずれもバレルの外側を向いており、材料を排出する向きに材料が流れつつあることが分かる。
ところが、混練ロータから下方に離れるにつれて、矢印の向きはバレルの内側を向くようになり、材料をバレル内に引き戻す向きに材料が流れていることが分かる。また、排出口から遠い側に配備された混練ロータ(図6の紙面における右側の混練ロータ)の周囲では、矢印の向きは殆どがバレルの内側を向いており、材料をバレル内に引き戻す流れが支配的であることが分かる。
このことから、従来例の混練ロータでは、一方の混練ロータで材料を排出しようとしても、他方の混練ロータで材料をバレル内に引き戻す方向に材料が流れ、バレル内を全体で見れば図6(b)に示すように材料が殆ど分散せずバレル内に停滞してしまうことが分かる。
なお、この図6(a)〜図6(b)の結果は流量が0.00064×(D)(kg/h)の場合のものであるが、流量が0.00032×(D)(kg/h)の場合にも同様な結果が得られることを発明者は確認している。つまり、上述したように3翼の排出翼を用いた場合に材料が殆ど分散せずバレル内に停滞してしまうという結果は、流量が0.00032×(D)(kg/h)の場合にも0.00064×(D)(kg/h)の場合にも同様に得られる。
[実施例1]
図4(a)は、図6(b)と同様に実施例1(位相差が90°)の連続混練機1において、混練ロータ3が20回転した場合の材料の流体の分布状態を、材料の総流量が0.00064×(D)(kg/h)の場合について分布図として示したものである。図4(a)では、各要素(材料の流体)が、図6(b)の場合に比べてバレル2内で広範囲に分散しており、上述した従来例の排出翼に比べると材料を排出する能力が高いことがわかる。
図4(b)は、図6(c)と同様に20回転後にバレル2内の各位置で材料がどの方向に移動しつつあるかを、矢印の向きで示したものである。排出口15に近い混練ロータ3(図4の紙面の左側の混練ロータ)に着目した場合、混練ロータ3の左側〜下側にかけての広い範囲で、矢印の向きはいずれもバレル2の外側を向いており、材料を排出する向きに材料が流れていることが分かる。
一方、排出口15から遠い混練ロータ3(図4の紙面の右側の混練ロータ3)の下側では、図6(c)と同様に矢印の向きはいずれもバレル2の内側を向いており、材料をバレル2内に引き戻す向きに材料の流れが生じている。しかし、図4(a)の排出口15の下側に位置する部分では、材料の流れ方向はいずれも排出側を向いており、材料を引き戻す流れは生じているものの、排出口15に近い混練ロータ3の流れには殆ど影響しておらず、図6(c)の場合に比べればバレル2内に材料を引き戻す作用が弱いことが分かる。
なお、混練ロータ3の回転状態によっては、図4(c)に示すように、右側の混練ロータ3で排出しようとする材料を左側の混練ロータ3が引き戻すといった流れが生じる場合もある。この図4(c)の状態においても、排出口15に遠い側の混練ロータ3の近傍でバレル2の外側を向いて流れる材料に生じており、排出口15に近い側の混練ロータ3の近傍でバレル2の内側を向く流れが材料に生じているが、材料の流れはバレル2全体で見
れば排出方向を向いている。
このことから、実施例1の連続混練機1では、一方の混練ロータ3で材料を排出しようとする材料の流れが生じ、他方の混練ロータ3では材料をバレル内に引き戻す方向に材料の流れが生じるが、バレル2内全体で見れば材料は排出側に向かって流れており、材料を排出する能力が従来の連続混練機に比して優れていることが分かる。
また、図4(a)〜図4(c)に示す実施例1は、流量が0.00064×(D)(kg/h)の場合の結果であるが、流量が0.00032×(D)(kg/h)とされた場合(図7に示す実施例3の場合)にも同様な結果が得られることを発明者は確認している。つまり、上述した結果は0.00032×(D)(kg/h)または0.00064×(D)(kg/h)のいずれの流量についても同様に成立する。
[実施例2]
最後に、実施例2の連続混練機1での結果を説明する。
図5(a)は、実施例2(位相差が180°)の連続混練機1において、図4(a)や図6(b)と同様に混練ロータ3の回転数が20回転の場合に、バレル2内における各要素(材料の流体)の位置を分布図として示したものである。図5(a)に示す各要素は、図6(b)の場合に比べればバレル2内で広範囲に分散しているが、図4(a)の場合に比べれば分散している範囲は狭くなっており、従来例の排出翼に比べれば材料を排出する能力は高いものの、実施例1ほど排出能力は高くないことが分かる。
また、図5(b)は、図4(b)や図6(c)と同様に20回転後にバレル2内の各位置で材料がどの方向に移動しているかを、矢印の向きで示したものである。排出口15に近い混練ロータ3(図5の紙面の左側の混練ロータ3)の下側では、混練ロータ3の近傍の位置では矢印の向きはいずれもバレル2の外側を向いているものの、混練ロータ3から離れた位置では材料を引き戻す向きに材料が流れている。
また、排出口15から遠い混練ロータ3(図5の紙面の右側の混練ロータ3)の下側では、図4(b)や図6(c)と同様に矢印の向きはいずれもバレル2の内側を向いており、材料をバレル2内に引き戻す向きに材料の流れが生じている。
図5(c)は、右側の混練ロータ3で排出しようとする材料を左側の混練ロータ3が引き戻すといった流れが生じる場合についてのものである。この図5(c)でも、排出口15から遠い側の混練ロータ3の近傍でバレル2の外側を向く流れが材料に生じているものの、排出口15に近い側の混練ロータ3の近傍で生じるバレル2の内側を向く流れの方が強い。
つまり、実施例2の連続混練機1では、一方の混練ロータ3で生じる材料を排出しようとする流れに比して、他方の混練ロータ3で生じる材料をバレル2内に引き戻す方向の流れの方がやや優勢であり、材料を排出する能力は従来例よりは良好であるものの、実施例1ほど強くないことが分かる。
なお、図5(a)〜図5(c)に示す実施例2は流量が0.00064×(D)(kg/h)の場合の結果であるが、流量が0.00032×(D)(kg/h)の場合(図7に示す実施例4の場合)には、実施例2とは異なり高い排出能力が発揮されることを発明者は確認している。つまり、位相差が180°の排出翼14を用いる場合、材料の流量が0.00064×(D)(kg/h)の場合には排出能力が低くくなるが、材料の流量が0.00032×(D)(kg/h)の場合には、高い排出能力を発揮し、両者は異なる結果となる。
図7(a)及び図7(b)は、上述した従来例、実施例1〜実施例4について、排出部15における材料の充填率の推移を比較して示した図である。図7の横軸は混練ロータ3の累積回転数であり、縦軸は充填率である。また、図7(a)は、材料の流量がバレル内直径Dが0.00064倍とされた実施例1、実施例2及び従来例1の充填率を示しており、図7(b)は、材料の流量がバレル内直径Dの0.00032倍とされた実施例3、実施例4及び従来例2の充填率を示している。
流体の総流量を、単位時間当たりの質量で、バレルの内直径Dの3乗の0.00064倍とした図7(a)の結果では、位相差が90°の実施例1の結果からも明らかなように、混練ロータ3の累積回転数が大きくなっても、充填率は80%前後のままであり、十分な排出能力を備えていることがわかる。ところが、実施例2の結果を見ると、混練ロータ3の累積回転数が大きくなるに連れ、充填率は徐々に大きくなり、92%前後のままで上昇する。このことから、実施例2の排出能力は実施例1ほど大きいものではないことがわかる。さらに、従来例1の結果を見ると、混練ロータ3の累積回転数が大きくなるに連れ、充填率は97%まで急激に大きくなり、その後も上昇し続ける。このことから、1翼の排出翼は、3翼の排出翼よりも高い排出能力があり、排出ロータ形状として適していると考えられる。
一方、材料の流量が、単位時間当たりの質量で、バレル2の内直径Dの3乗の0.00032倍とされた図7(b)の結果では、排出翼14が1翼の場合は、位相差が90°の実施例3でも、位相差が180°の実施例4でも、累積回転数が大きくなると充填率が80%以下で安定し、十分な排出能力があることがわかる。
一方、3翼ロータの従来例2については、累積回転数が大きくなると、充填率が93%程度まで大きくなりバレル内が材料でほぼ完全に充満していることがわかる。このことから、従来例2の排出能力は従来例1と同様に非常に小さいものと考えられる。
また、以上のことから、排出翼14の位相差δを一対の排出翼14が互いに干渉しない位相差δinterfere〜90°の範囲とすれば、排出部7で材料の排出をスムーズに行って、良好な混練品質を維持しつつ効率良く混練を行うことができると判断される。
ところで、上述した図3(c)、図3(d)中で二点鎖線で示したように、排出翼14の反対側に突起形状のような形で混練に影響を与えない程度の短い翼形状の部分が存在していても、本願発明が有する優れた混練材料の排出性の作用効果を得ることができる。このような短い翼形状の部分は排出翼14の排出性を阻害しないものとなっており、本願明細書では排出非阻害翼20と称する。以降では、排出非阻害翼20について説明する。
なお、本願発明の排出非阻害翼20は、排出翼14の排出性を阻害しないという意味で「排出非阻害翼」と呼称しているが、バレル2内の混練材料の吸込み作用を生じない「非吸込み翼」ということもできる。
図8A及び図8Bに示すように、排出非阻害翼20は、上述した排出翼14と同様に、排出部7に位置する混練ロータ3に形成されるものとなっている。具体的には、この排出非阻害翼20は、排出翼14の設置箇所とは異なる箇所に、少なくとも1条以上設けられている。この排出非阻害翼20の設置数は1翼であっても良いし、2翼以上であっても良い。なお、図8A及び図8Bでは、1条の排出翼14と1条の排出非阻害翼20とが設けられ、外観上は2条とされた連続混練機を例に挙げている。また、図9では、1条の排出翼14と2条の排出非阻害翼20とが設けられ、外観上は3条とされた連続混練機を例に挙げている。
この排出非阻害翼20は、混練ロータ3の外周面に、排出翼14と均等な間隔をあけて配備されている。そのため、排出非阻害翼20の設置数が1翼の場合には、排出翼14と混練ロータ3の軸心Cを挟んで反対側の位置に、つまり軸心Cを中心に180°の位相差をあけて排出非阻害翼20が形成されることとなる。また、排出非阻害翼20の設置数が2翼の場合には、混練ロータ3の軸心Cを中心として排出翼14と排出非阻害翼20とがほぼ120°の位相差をあけて形成されることとなる。
ただし、これらの排出非阻害翼20と排出翼14の位置関係は一例を示すものであり、排出非阻害翼20と排出翼14とは均等な間隔を有していなくとも良い。
排出非阻害翼20は、排出翼14と同様に外周側に向かって突出した断面形状を備えている。バレル2の内径をrとした場合に、排出非阻害翼20が設けられた部分の混練ロータ3の最大外径rが、0.95r以下となるように形成されたものとなっている。詳しくは、排出非阻害翼20は、混練ロータ3の軸心Cから頂部20aまでの長さ(以降、翼長という)が、上述した排出翼14より若干短く形成された翼であるが、このわずかな翼長の差により混練材料に対する排出性を大きく変化可能なものとなっている。
つまり、排出翼14と同じ翼長を持つような翼を排出部7に新たに1条設けると、新たな翼によってバレル2の外部に排出された混練材料を再びバレル2内に戻すような逆流(例えば、図6(c)の○内に示すような流れ)が発生する。そのため、排出翼14と同じ翼長の翼を排出翼14の他に設けると混練材料の排出性が悪化する。しかし、排出翼14より翼長が短い翼を排出非阻害翼20として排出翼14に加えて設けるのであれば、上述した混練材料の逆流は殆ど発生せず、混練材料の排出性を良好な状態に保持することが可能となる。
次に、混練材料に対する排出性に殆ど影響を及ぼさないような排出非阻害翼20の翼長について説明する。
本願発明の連続混練機1においては、排出非阻害翼20の翼長は、混練ロータ3の軸心Cから排出非阻害翼20の頂部20aまでの長さであり、「r」で示される。この排出非阻害翼20の翼長rは、混練ロータ3の軸心Cからバレル2の内周面までの長さ(バレル2の内径)をrとした場合に、0.95r以下、より好ましくは0.92r以下となるように形成されたものとなっている。排出非阻害翼20を0.95r以下、より好ましく0.92r以下の長さとすれば、混練材料の排出性が排出翼14に比べて低下するため、排出部7から一旦排出された混練材料をバレル2内に引き戻すような逆流を生起することがなくなり、バレル2内の混練材料をスムーズに排出することが可能となる。
また、排出翼14に対する排出非阻害翼20の特徴を示すのに翼長を用いるのではなく、各翼の頂部からバレル2の内周面までのクリアランスを用いることもできる。
つまり、上述した排出翼14の頂部19からバレル2の内周面までのクリアランスをCL1、また排出非阻害翼20の頂部20aからバレル2の内周面までのクリアランスをCL2とした場合に、これらのクリアランス比(CL2/CL1)が以下の式(4)に示されるような関係を満足する場合に、本願発明の排出非阻害翼20が設けられていると考えることもできる。
言い換えれば、式(4)の関係は、上述したバレル2の内径をr、排出非阻害翼20の翼長をrとし、さらに混練ロータ3の軸心Cから排出翼14の頂部19までの距離をrとした場合に、式(5)のように示すこともできる。
上述のような式(4)及び式(5)を満足する翼長に排出非阻害翼20を形成すれば、混練ロータ3の回転に合わせて排出非阻害翼20が移動しても、バレル2内の混練材料に逆流が発生し難くなる。その結果、排出翼14に加えて排出非阻害翼20を排出部7に設けても、1翼の排出翼14により得られた排出性が損なわれることがない。そのため、排出翼14が1条だけのときと同様な優れた排出性を得ることが可能となる。
次に、実施例及び比較例を用いて、上述した排出非阻害翼20の翼長と排出性との関係、つまり排出翼14に加えて排出非阻害翼20を設けた場合の作用効果を更に詳しく説明する。
実施例及び比較例は、いずれも排出非阻害翼20の翼長を変えた混練ロータ3が挿入されたバレル2内において、バレル2内の混練材料がどのように分散していくかをコンピュータシミュレーションを用いて解析したものである。
なお、「実施例5」、「実施例6」、及び「比較例3」は、いずれも排出翼14が1条、排出非阻害翼20が1条の2翼の混練ロータ3を用いている。また、「3翼の例(実施例7)」は、排出翼14が1条、排出非阻害翼20が2条の3翼の混練ロータ3を用いた例である。
さらに、これらの実施例5、実施例6、実施例7(3翼の例)及び比較例3は、表1に示すように、クリアランス比(排出翼14の頂部からバレル2の内周面までのクリアランスに対する、排出非阻害翼20の頂部からバレル2の内周面までのクリアランスの比(CL2/CL1))を248〜1630%の範囲で変化させたものとなっている。
このようにして排出非阻害翼20の翼長を変化させた場合に、バレル2内の混練材料がどのように分散していくかを充填率の変化として評価した。結果を図10に示す。
図10の実施例5(バツ印の凡例)の結果を見ると、累積回転数が増加するにつれて、充填率は徐々に小さくなっており、バレル2内の混練材料が排出されていることが分かる。また、このような累積回転数の増加に伴って充填率が低下する傾向は、実施例5より排出非阻害翼20の翼長が大きい実施例6(白抜きの四角の凡例)に対しても、同様に見受けられる。しかし、バレル内径rに対する比率で表現すれば、この比率が75.68%の実施例5や92.12%の実施例6では、充填率が低下する傾向が見られるが、さらに排出非阻害翼20の翼長が大きい比較例3(実線の凡例)では、異なったものとなる。つまり、排出非阻害翼20の翼長がバレル内径rに対する比率で96.30%となる比較例では、累積回転数が増加しても充填率は上昇したまま低下することがなく、混練材料がバレル2外に排出されるどころか、バレル2内に充填されたまま排出されないことになる。
そこで、本願発明の連続混練機では、良好な排出性が得られる92.12%と、排出性が悪くなる96.30%との間である95%を排出非阻害翼20の翼長の境界値(上限値)として採用し、排出非阻害翼20の翼長がバレル内径rの95%以下、より好ましくはバレル内径rの92%以下とした場合に、バレル2内から混練材料が良好に排出されるものと判断している。
なお、この排出非阻害翼20の翼長と排出性との関係は、排出非阻害翼20の翼数が1条以上の場合にも成立する。
すなわち、実施例7として示す「3翼の例(黒塗りの三角形の凡例)」は、翼長がバレル内径rの88.66%の排出非阻害翼20が2条設けられたものである。図10を見ると、この実施例7の充填率も、翼数が1条の実施例5や実施例6と同様に累積回転数の増加に伴って低下する傾向を示しており、翼数が実施例5や実施例6より多い実施例7でも排出性を良好にできる作用効果が得られていることが分かる。
以上のことから、排出翼14に比べて翼長が若干短い程度の排出非阻害翼20であっても、翼長をバレル内径rの95%以下、より好ましくはバレル内径rの92%以下にすれば、混練材料の排出性を阻害しないものとなり、さらにこのような排出非阻害翼20が2条以上設けられていても良好な排出性には影響がないと判断される。
また、上述した排出非阻害翼20の特徴は、バレル2の内周面との間のクリアランスを用いても規定することができる。すなわち、排出翼14の頂部からバレル2の内周面までのクリアランスをCL1、排出非阻害翼20の頂部からバレル2の内周面までのクリアランスをCL2とした場合に、クリアランス比(CL2/CL1)を百分率を用いて表1のように示すことができる。
この表1のクリアランス比では、クリアランス比が248%の場合が比較例3、クリアランス比が1630%、337%、704%の場合が実施例5、6、7となっている。このことから、クリアランス比を用いた場合、クリアランス比が300%以上、言い換えれば排出翼14のクリアランスの3.0倍以上のクリアランスとなるように排出非阻害翼20の翼長を設定した場合、より好ましくは排出翼14の3.4倍以上のクリアランスとなるように排出非阻害翼20の翼長を設定した場合に、良好な排出性を保持することが可能
になると考えられる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 連続混練機
2 バレル
3 混練ロータ
4 フィード部
5 混練部
6 絞り部
7 排出部
8 材料供給口
9 ホッパ
10 混練フライト
11 ゲート部材
12 軸受
13 スクリュフライト
14 排出翼
15 排出口
16 ギアポンプ
17 スクリーンチェンジャ
18 ペレタイザ
19 頂部
20 排出非阻害翼
20a 排出非阻害翼の頂部

Claims (6)

  1. 内部が空洞とされたバレルと、当該バレルに収容された一対の混練ロータとを備え、これら一対の混練ロータが異なる回転方向に向かって噛み合い状態で回転する連続混練機であって、
    前記バレル内には、前記混練ロータの軸方向に沿って、材料を供給するフィード部、材料を混練する混練部、混練された材料をバレル外に排出する排出部が順に設けられており、
    前記排出部に位置する混練ロータが、周方向に少なくとも1条の排出翼を備えており、
    前記排出翼の頂部の最大外径r と、前記混練ロータの軸心間の距離Lとの間に、r >0.5Lという関係が成立し、前記一対の混練ロータの排出翼の回転領域重なっていると共に、
    前記一対の混練ロータのそれぞれに備えられた排出翼が、互いに接触せずに回転するように、前記一対の混練ロータ間の回転位相差が設定されていることを特徴とする連続混練機。
  2. 前記回転位相差は、一対の排出翼が干渉し合う位相差より大きい角度であって、且つ90°より小さい値とされていることを特徴とする請求項1に記載の連続混練機。
  3. 前記バレルの内径をrとした場合に、前記排出翼が設けられた部分の混練ロータの最大外径rが、0.985rより小さくされていることを特徴とする請求項1または2に記載の連続混練機。
  4. 前記排出翼の先端には、バレルの内周面に正対する頂部が設けられており、
    前記頂部の周方向に沿った幅が、前記バレルの内径rの0.05倍以上とされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の連続混練機。
  5. 前記排出部に位置する混練ロータにおける、前記排出翼の設置箇所とは異なる箇所には、前記バレル外への混練された材料の排出を阻害しない排出非阻害翼が少なくとも1条以上設けられており、
    前記排出非阻害翼は、前記バレルの内径をrとした場合に、前記排出非阻害翼が設けられた部分の混練ロータの最大外径rが、0.95r以下となるように形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の連続混練機。
  6. 前記排出部に位置する混練ロータにおける、前記排出翼の設置箇所とは異なる箇所には、前記バレル外への混練された材料の排出を阻害しない排出非阻害翼が少なくとも1条以上設けられており、
    前記排出非阻害翼の先端には、バレルの内周面に正対する頂部が設けられており、
    前記排出翼の頂部からバレルの内周面までのクリアランスに対する、前記排出非阻害翼の頂部からバレルの内周面までのクリアランスの比が、3.0以上とされていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の連続混練機。
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