JP6307654B1 - 装飾機能を備えた透明浴槽 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明の浴槽において、該浴槽構造体の側壁部や底板部等に、液体又は粘性液体が流動できる領域を設け、該領域内において装飾物へ動きを与へ、該装飾物に描かれた模様等の演出効果を、入浴の際に楽しむことができる浴槽の提供を課題とするものである。【解決手段】透光性浴槽と、流動性液体と、装飾物とから構成され、前記透光性浴槽には前記流動性液体を流動させる流動領域を有し、該流動領域に前記流動性液体と前記装飾物を混入させ、外部から前記流動領域の前記流動性液体を流動させる流動機構によって前記流動性液体内の前記装飾物を移動させることを基本構成とし、前記流動機構が、記流動性液体と比重の異なる前記装飾物との温度変化による対流を利用して前記透光性浴槽内の前記装飾物に動きを与える手段を採用することもできる。【選択図】図1

Description

本発明は、透明な浴槽の技術に関し、より詳しくは、特に猫足バスタブと呼ばれる単独設置型の浴槽に、透明な樹脂を用い、素材側壁内に液体が流れる流路を形成し、装飾体を外圧や、外部熱を与えることによって、装飾物を移動させ、係る動作を光の投光等によって入浴を楽しむことを可能とする浴槽の技術に関する。
日本人は、入浴時間に男性が27分、女性では34分を日常的に費やし、その入浴時間のうち、浴槽に溜めたお湯に身体を沈めて暖まる時間は約15分もあり、特に10代の若い女性では、17.9分もの長い時間、湯船につかっているという統計がある(平成23年社会生活基本調査(総務省))。これに対し、入浴は身体を綺麗にすることを目的としているため、シャワーのみで簡単に済ませることが多く、また、浴室に浴槽自体を有していないことも多い欧米諸国とでは、入浴に関する意識や考え方は大きく相違しているといえる。
このような習慣の違いから、我が国の浴槽と欧米のバスタブとでは、大きく構造が異なり、浴室自体の構造も相違している。通常、猫足付きの床置き型バスタブを設置するには、基本的に在来工法での施工となるため、モジュールを組み立てるだけのユニットバスと異なり、防水加工を施した部屋にモルタルを打ったり、タイルを貼ったり、湿式工法で仕上げられる浴室が必要となる。係る湿式工法による施工では、オーダーメイドすることによって、浴室内の空間を自分の個性を生かしてお洒落な演出でき、特に女性にとっては、夢の空間となるものと考えられる。
しかしながら、ユニットバスと比較すると、広めのスペースが必要となることや、浴室の空間が冷めやすくなるという欠点があり、また、日本の気候では、断熱材を床や壁にしっかり詰め込んだり、床暖房や浴室暖房などを使うことにもなることから、設置には大きな費用負担を要するなど、多くの問題が残されているといえる。特に既存の狭小住宅に備えるのは難しいといえるが、それでも尚、根強い人気があり、憧れの猫足バスタブは、中世風のロマンチックなデザインが、映画やドラマのワンシーンとして印象に残るなど、特に女性に人気があるため、新築の注文住宅や高級ホテル等の宿泊施設、或いはリラクゼーション関連施設では、これからはお客様の需要に対応して、バスタブ式の入浴施設を備える所も増加する可能性がある。
猫足バスタブは一般的に、ビクトリア式浴室の典型バスタブと認識されており、追い焚きができないなどの欠点や、基本的には足付きの置き型タイプで移動可能であっても、ホウロウ製のものは重く、狭い日本式の風呂場では機能的にもマッチせず、お洒落であっても手が届きにくいという問題がある。そこで、かかる問題を解決し、夢のある有意義な入浴環境を提供できる技術が求められているといえる。
本発明者以外からも、係る問題を解決しようと種々の技術提案がされている。例えば、特許文献1には、発明の名称を「表面装飾浴槽および浴槽の表面装飾方法ならびに表面装飾を有する浴槽の製造方法」とする技術が開示され、公知技術となっている(特許文献1参照)。具体的には「カラフルでバリエーション豊かな表面装飾が施された浴槽を安価に提供する」ことを課題とし、その解決手段は「浴槽の表面を研磨して研磨面を形成する研磨工程と、エポキシアクリル樹脂を塗布して下地層を形成する下塗り工程と、貝殻や花などの装飾物を配置し、透明なポリエステル樹脂やアクリル樹脂を塗布して装飾物が埋め込まれた埋込層を形成する注型工程と、耐熱性のあるエポキシアクリル樹脂を塗布して保護層を形成する上塗り工程とによって、表面装飾が施された浴槽を得る」というものである。しかし、バスタブに装飾物を埋め込むといった方法を採用していることから、固定された装飾物に時間とともに慣れ、飽きてしまうといった状況が予想される。そのため、いつまでも入浴を楽しむことが出来る浴槽とは言えず、上記課題を解決するに至っていない。
また、特許文献2には、発明の名称を「プラスチック浴槽における流れ模様の形成方法」とする技術が開示され、公知技術となっている(特許文献2参照)。具体的には「流れ模様を任意の形で形成でき、しかも個々の浴槽における柄を常に均一にしかも再現性よく形成できるうえ、模様が熱水によって変色するのを防止でき、さらに大理石に似た奥行きのある深み感を発現できる、プラスチック浴槽における流れ模様の形成方法を提供する」ことを課題とするもので、その解決手段は「透明のアクリル板を真空成形してブランク浴槽を得、ブランク浴槽の裏面にフィラー入りの下地層を形成し、下地層の表面に固定した位置決め治具に沿って、熱硬化性の着色樹脂を含浸させた繊維束を載置し、上記の下地層の処理をしたブランク浴槽に固定することにより、原模様を形成し、下地層と繊維束との表面に補強層を積層して浴槽を得る」というものである。しかし、係る発明では、一度デザイン化された流れの模様は固定されてしまい、入浴中の浴槽に光を透過させることの演出効果や、その模様に動きを与える等の本発明が課題とする特段の効果を発揮できず、上記課題を解決するに至っていない。
また、特許文献3には、発明の名称を「改良された模様入り浴槽の構造」とする技術が開示され、公知技術となっている(特許文献3参照)。具体的には「花柄や幾何的模様が印刷された浴槽を提供すること」を課題とするもので「所定の形状に成形された透明のアクリル樹脂成形品の裏側のほぼ平坦な面と、該平坦な面の上に貼着されたフィルムとの間に位置づけられ、前記平坦な面上に設けられた接着剤層、該接着剤層の上に所定の模様が形成された印刷層、該印刷層を含む前記アクリル樹脂成形品の裏側の面に形成された不透明なプライマー層と、さらにその上に形成されたFRPの補強層からなることを特徴とする」というものである。しかし、係る発明では、前記の特許文献2と同様に、係る発明では一度デザイン化された流れの模様は、固定されてしまい、入浴中の浴槽に光を透過させることの演出効果や、その模様に動きを与える等の本発明が課題とする特段の効果を発揮できず、上記課題を解決するに至っていない。
特開2004−344531号公報 特開2003−127241号公報 特開平10−168号公報
本発明は、入浴の際に、透明の浴槽内に描かれる模様を視覚的に楽しんだり、これらの模様等に動きに動きを与え、更なる効果を高めた演出を入浴中に楽しむことができる浴槽の提供を課題とするものである。
本発明は、透光性浴槽と、流動性液体と、装飾物とから構成され、前記透光性浴槽には前記流動性液体を流動させる流動領域を有し、該流動領域に前記流動性液体と前記装飾物を混入させ、外部から前記流動領域の前記流動性液体を流動させる流動機構によって前記流動性液体内の前記装飾物を移動させる構成を採用する。
また、本発明は、前記透光性浴槽にアクリル樹脂を用いた構成を採用することもできる。
また、本発明は、前記流動性液体が粘性調整剤により粘性を調整した構成を採用することもできる。
また、本発明は、前記流動機構が、前記透光性浴槽の床部を人の荷重によって押圧することにより該床部の変形を利用して前記流動領域内の前記流動性液体を流動させ、該流動により前記装飾物に動きを与える構成を採用することもできる。
また、本発明は、前記流動機構が、前記流動性液体の温度を変化させることにより生ずる対流を利用して、該流動性液体と比重(単位体積当たりの重量比)の異なる前記装飾物に動きを与える構成を採用することもできる。
また、本発明は、前記装飾物が調整部材により比重を調整した構成を採用することも有効である。
本発明に係る装飾機能を備えた透明浴槽によれば、ホウロウ製、金属製、又は非透光性の樹脂製ではできなかった光を透過して、映し出される模様の美しさを楽しむということができるという優れた効果を発揮する。
また、本発明に係る装飾機能を備えた透明浴槽によれば、金魚のような生物の動きを壁等に投影して視覚的にその動きの変化を楽しむといった優れた効果を発揮する。
また、本発明に係る装飾機能を備えた透明浴槽によれば、従来のホウロウ製に比べて極めて軽量に製造することが可能となり、ちょっとした移動も容易で、バスタブ型に必要とされる浴室に求められるスペースも小さな浴室でも出し入れが可能となるという従来のホウロウ製置き型式浴槽では得られない有利な効果を発揮するものである。
本発明に係る装飾機能を備えた透明浴槽の基本的な構成を示す基本構成説明図である。 本発明に係る流動機構による流動発生原理を説明する流動機構説明図である。 本発明に係る装飾機能を備えた透明浴槽の実施状態を示す実施例説明図である。 本発明に係る異なる比重の流動性液体を説明する実施例説明図である。 本発明に係る模様を投光器により壁等へ描く実施例を説明する実施例説明図である。
本発明は、浴槽に透光性樹脂素材を用い、その内部に流動領域40を設け、該流動領域40内部に充填させた流動性液体20並びに装飾物30に動きを与えることを最大の特徴とするものである。以下、図面に基づいて説明する。なお、本発明の技術的要部は、発明に示した形状や寸法、比率等に限定されるものではなく、本発明の技術的効果を発揮する範囲内において変更可能である。
図1は、本発明に係る装飾機能を備えた透明浴槽1の基本構成を示す基本構成説明図である。図1(a)は、本発明に係る装飾機能を備えた透明浴槽1の平面図であり、図1(b)は、本発明に係る装飾機能を備えた透明浴槽1の正面図であり、図1(c)は、本発明に係る装飾機能を備えた透明浴槽1の左側面図であり、図1(d)は、本発明に係る装飾機能を備えた透明浴槽1の右側面図である。
装飾物30は、流動性液体20の比重や粘性を考慮した素材に描かれる模様や形状によって装飾機能を発揮させる部材である。係る模様の形状は、図1に示した金魚やもみじの葉に限らず、例えば四季折々の装飾を楽しむように、春には桜、夏には花火、冬には図3に示すような雪を表現する装飾物30として利用するなど、好みに応じた装飾を楽しむことができる。
図2は、本発明に係る装飾機能を備えた透明浴槽1の流動機構50による流動発生原理を説明する流動機構説明図である。図2(a)は、流動領域40が両側壁部11から床部12まで連通して繋がっている状態を示す断面図であり、図2(b)は、流動慮域40が両側壁部11に独立して設けられている状態を示す断面図である。
図2(a)において、床部12の内部に構成される流動領域40は、人の入浴の際、その体重によって床部12が変形ないし下方に向かう内部応力によって、当該流動慮域40に体積変化や圧力変化が生じ、左右の側壁部11へ流動性液体20を動作流体として装飾物30に動きを与えることができることを示している。また、図2(b)に示した構成では、床部12からの圧力や変形を利用できないが、浴槽内部に充填されるお湯や水、或いは追い炊きされたお湯の流入によって、下部から上部へ向かう温度変化を利用した流動機構50を利用する態様の浴槽を示している。
透光性浴槽10は、形状を図1に示すような置き型式の浴槽とするのみならず、図面には示していないが、ユニットバスの浴槽にもその構造を適用できるものであり、大きさや形状には特に限定されるものではなく、入浴を可能とする形状や寸法、構造であればよい。また、透光性浴槽10の素材には、第一の条件としての物理的特性と、第二の条件としての化学的特性と、第三の条件としての機械的特性を備えることが必要であり、具体的には、物理的特性としては透光性が高いこと、化学的特性としては石鹸やシャンプー等の耐薬品性を有していること、機械的特性として安全性と耐久性を有していることである。
(第一の条件(透光性))
そこで、第一の条件である透光性について検討すると、樹脂を用いる場合、透光性を有するか否かは結晶性樹脂か非晶性樹脂かによって大別され、その違いによって透光性が大きく相違し、一般に結晶性のプラスチックは結晶部と非晶部がプラスチックの内部に混在し、屈折率が異なることにより光が境界で乱反射して不透明になるため、本発明の透光性浴槽10の素材には適さないものといえる。そこで、屈折率が均一で光を透過し、透明に近くなる非晶性の樹脂の中から強度にも優れた材質を選択することとなる。
特に透光性の優れた樹脂としては、PC(ポリカーボネート:ポリカ(透過率89%))、PET(ポリエチレンテレフタレート:ペット(透過率90%))、PVC(ポリ塩化ビニル:塩ビ(透過率82%))、及びPMMA(ポリメチルメタクリレート:アクリル(透過率93%))(以下、「アクリル」と表現する。)がある。
上記4種類の樹脂は、82%を超える透過率を備える樹脂を例示したものであり、特に透過率93%のアクリルは、ガラスの透過率92%を超える透光性を備える点において、本発明に用いる材料としての第一の条件を最も満たすと評価できる樹脂素材といえる。
(第二の条件(耐薬品性))
次に、第二の条件である耐薬品性について検討する。一般的な樹脂は、酸には強いが、強アルカリや有機溶剤には侵されるものが多い。しかし、樹脂の中には、耐アルカリ性が低く、アルカリ物質に接触すると白色化するものがある。pH11を超える強アルカリによっても白色化しない樹脂は少なく、最も耐アルカリ性を有する素材はアクリルである。なお、同じアクリルの中にも、耐薬品性を向上させたハード材が存在し、係るハード材を用いればトルエン、アセトン、メチルエチルケトンなどの溶剤に対しても影響を受けないため、これを用いることが望ましい。
また、アルコールやリモネン、更には界面活性剤といった薬品による化学的変化の影響についても考慮しなければならない。アルコールはヘアトニック等に用いられており、リモネンは化粧クリーム等の化粧品に用いられており、界面活性剤はシャンプーや石鹸などに用いられている薬品である。本発明に係る装飾機能を備えた透明浴槽1は、これらの薬品に対して影響を受けない化学的特性を有していることが必要である。
PCは硬度が低く、石鹸を用いてスポンジやブラシで洗浄すると傷つき、PETはアルカリ性物質に触れると、アルカリ性物質が水素イオンを引き寄せ、酸性物質と同様に化学反応を起こし、加水分解による劣化のおそれがある。これに対し、アクリルは樹脂素材の中でも耐薬品性にも優れている素材であり、アクリルを用いればこのような問題は生じない。
(第三の条件(安全性))
次に、第三の条件である安全性と耐久性について検討する。係る安全性及び耐久性は、素材の有する機械的特性に左右されることとなる。多様な樹脂の中でも、アクリルは引張強さが48~MPa、圧縮強さ73~125MPa、曲げ強さ73~131MPaと、浴槽に必要な機械的特性を有している。
上記第一から第三の条件の全て満たす素材として最も適した樹脂といえるものはアクリルと考えられる。
流動性液体20は、透光性浴槽10の内部に設けられる流動領域40内に充填される液体、又は粘性体である。
(比重)
流動性液体20に水を用いる場合、4℃での比重は1として、人が入浴する温度である40℃前後である時の比重は0.992と変化し、この温度差によって変化する比重の差と、装飾物30が同じ温度差によって変化する比重の差との関係により、装飾物30を浮き沈みさせることを可能とする。
なお、比重の調整は、流動性液体20に水を用いる場合、水の比重に対し、大きい比重(金属粉など)の調整部材31を付着させることで装飾物30が沈む方向へ作用させたり、小さい比重(油脂など)の調整部材31を付着させることで装飾物30が浮く方向へ作用させることが可能であるが、係る調整方法に限定されるものではなく、温度調整によるなど、他の方法であっても比重の調整を可能とする手段を用いればよい。
(粘性)
前記した温度差に係る比重の変化を利用するほか、装飾物30の上昇や下降の速度調整は粘性を利用することが有効であると考えられる。粘性がある流動性液体20内での装飾物30には、摩擦力、若しくはせん断応力が働き、移動距離に対する速度の変化を調整することが可能となり、例えば穏やかな動きを与えたい場合の装飾物30と、素早く動かしたい場合の装飾物30とでは、粘性調整剤21により粘性の大きさを変化させることによって速度の調整を図ることが可能である。
粘性調整剤21は、水に混入すると粘性が得られるパラフィンやキサンタンガムのような増粘多糖類などで、人体に無害なものを用いることが望ましい。
流動領域40は、透光性浴槽10の内部に充填された流動性液体20が流動できる領域である。なお、流動領域40は、図2(b)に示す浴槽の両側を別個に配置する構成と、図2(a)に示す底部から両側をつなぐ構成とが考えられる。流動領域40では、装飾物30の比重が充填された流動性液体20の比重より大きければ装飾物30を降下させ、小さければ浮上させる領域となることから、段差や大きな曲率が生じない形状とすることが必要となる。
流動機構50は、装飾物30を流動性液体20温度変化に基づき動きを与える構成と、他方、人の荷重により床を変形させることに基づき動きを与える構成が最も簡易な方法であると考えられる。温度変化による対流を発生させる構成や、圧力を加えることによる変形から吐出し力を得て流れを作る構成などの他、特に図面には示していないが、ポンプ等の圧力発生装置や、落下、或いは蛇口からの流水により流動領域40内に流れ場を作るなどの動きを与える構成でも、同様の効果を発揮させることが可能である。但し、本発明では、これらの機械的構成部材を用いることなく、シンプルで原始的な発想により、流動領域40内に流れ場を作りだすことを技術的な特徴とするものである。
図3は、本発明に係る装飾機能を備えた透明浴槽1の実施状態を示す実施例説明図である。図3(a)は、本発明に係る装飾機能を備えた透明浴槽1の平面図であり、図3(b)は、本発明に係る装飾機能を備えた透明浴槽1の正面図であり、図3(c)は、本発明に係る装飾機能を備えた透明浴槽1の左側面図であり、図3(d)は、本発明に係る装飾機能を備えた透明浴槽1の右側面図である。
図3(b)、図3(c)、及び図3(d)に示されているように、流動領域40内に比重の大きな雪だるまと、比重の小さな雪の結晶をデザイン化した装飾物30とが、それぞれ流動性液体20との比重の関係により、浮くか沈むかを特定できる機能を発揮させた状態を作りだすことが可能である。
例えば、流動性液体20の入浴時の40℃付近での比重がよりも大きい比重のフィルムに雪だるまを描いた装飾物30と、小さい比重のフィルムに雪の結晶をデザイン化した装飾物30を用いることで、雪だるまは常に底部に位置し、対流によって上昇してもその後下降する動作を見せ、他方、雪の結晶をデザイン化した装飾物30は、上昇する動作を見せ、更にその動きを速くさせたい場合は流動性液体20の粘性を低くし、ゆっくり動かしたい場合には粘性を高くすることにより、本発明に係る装飾機能を備えた透明浴槽1では自由に装飾物30の位置と動作速度を調節することができる。
また、向きについても、同一装飾物30において、一部に軽い比重の調整部材31と、一部に重い比重の調整部材31を付着させることで、流動領域40内で常に所望する向きに向いた状態で装飾物30を配置することが可能である。
図4は、本発明に係る異なる装飾機能を備えた透明浴槽1における装飾物30を特定の位置への配置とその動作速度の調整手段を説明する機能説明図である。図4(a)は、流動性液体20が一種類の比重のみで構成されている場合を示し、図4(b)は、流動性液体20が複数の異なる比重で階層的に構成されている場合を示している。
図4(a)における装飾物30は、上層と中層と下層にそれぞれ配置されて安定した状態となっている。係る配置状態を作る例として、装飾物30の比重を流動性液体20の比重と同一の比重に調整したものと、装飾物30に糖度を高く調整した流動性液体20を含ませて比重を大きくしたものと、油を用いて比重を小さくしたものとすれば、図4(a)に示すような配置構成に装飾物30を浮遊させることが可能となる。
図4(b)に示すように、本発明に係る装飾機能を備えた透明浴槽1では、流動領域40内に異なる比重の流動性液体20と、それぞれの比重と同一の比重で構成される装飾物30を充填することにより、比重の異なる層毎に、比重の装飾物30が配置されるように浮遊させることが可能となる。
図5は、本発明に係る模様を投光器により壁等へ描く実施例を説明する実施例説明図である。図5(a)は、本発明に係る投光性浴槽10の全体形状を凸レンズ状に形成する構成を示し、図5(b)は、投光性浴槽10の側壁部11を凸レンズ状に形成した構成を示し、何れも曲率による光の屈折を利用して集光し、鮮やかな模様等の装飾物30を壁等に描く演出効果を発揮させるものである。なお、係る演出効果は、浴槽に利用するのみならず浴室の壁やドア、或いはテーブル、たんす等の家具にも応用することが有益である。
図5(a)においては、浴槽の全周を周設するように流動領域40を設ける構成の場合、床部12と繋がる領域を設けてしまうと、強度的に弱くなることが考えられる。そこで、図5(b)のように、側壁部11のみ流動領域40を設ける構成でもよいが、これらの配置については強度、大きさ、装飾物30の種類等に応じて適宜適切な配置構成を採用することが望ましい。なお、図面には示していないが、床部12に排水用ドレインを設け、上部には装飾物30及び流動性液体20を流動領域40内に充填するための充填口を設け、季節や気分に合わせて装飾物30を自由に取り替えられる構成とすることも可能である。
本発明に係る装飾機能を備えた透明浴槽に、外部から光を照射することで、浴室内に装飾物30の光のシルエットを描き出すのみならず、これをゆっくりと移動させるという演出によりその動作を楽しみながら入浴できるといった癒し効果が得られ、リラクゼーションを提供する施設や高級ホテル等における需要が予測でき、産業上の利用可能性は高いものと思慮させるものである。
1 装飾機能を備えた透明浴槽
10 透光性浴槽
11 側壁部
12 床部
20 流動性液体
21 粘性調整剤
30 装飾物
31 調整部材
40 流動領域
50 流動機構

Claims (4)

  1. 透光性浴槽(10)と、
    粘性調整剤(21)により粘性を調整した流動性液体(20)と、
    装飾物(30)とから構成され、
    前記透光性浴槽(10)には前記流動性液体(20)を流動させる流動領域(40)を有し、
    該流動領域(40)に前記流動性液体(20)と前記装飾物(30)を混入させ、
    前記装飾物(30)は、前記流動性液体(20)と比較して軽い比重の調整部材(31)又は重い比重の調整部材(31)の何れか若しくは双方を付着させることで前記流動領域(40)内に所望する向き及び高さに配置し、
    外部から前記流動領域(40)の前記流動性液体(20)を流動させる流動機構(50)によって前記流動性液体(20)内の前記装飾物(30)を移動させることを特徴とする装飾機能を備えた透明浴槽(1)。
  2. 前記透光性浴槽(10)にアクリル樹脂を用いたことを特徴とする請求項1に記載の装飾機能を備えた透明浴槽(1)。
  3. 前記流動機構(50)が、
    前記透光性浴槽(10)の床部(12)を人の荷重によって押圧することにより該床部(12)の変形を利用して前記流動領域(40)内の前記流動性液体(20)を流動させ、
    該流動により前記装飾物(30)に動きを与えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の装飾機能を備えた透明浴槽(1)。
  4. 前記流動機構(50)が、前記流動性液体(20)の温度を変化させることにより生ずる対流を利用して、該流動性液体(20)と比重(単位体積当たりの重量比)の異なる前記装飾物(30)に動きを与えることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の装飾機能を備えた透明浴槽(1)。
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