JP6306531B2 - 光入射装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光ファイバ側面への光入射装置及び方法に関する。
光ファイバケーブルによる通信網の建設や保守を行うにあたり、ケーブル内あるいはユーザ宅における、光ファイバの心線を識別する必要性が作業現場で生じる。この作業を心線対照作業と呼ぶ。
従来の心線対照作業では、任意の光ファイバに対し、曲げ装置を用いて曲げを与え、その光ファイバの上流側に設置した心線対照用光源から出射される信号光を、光カプラを介して光ファイバに入射し、その光ファイバの曲部の側面から信号光を放射させ、これを受光器で検出することで、目的とする心線を特定する手法が一般的に用いられている(下記特許文献1参照)。また、心線対照用光源を光パルス試験器に置き換えることによって、光カプラを介して光ファイバの品質検査や故障位置探査を実行している。
さらに、異なる複数の作業現場における作業者同士の連絡手段として、光ケーブル内の非現用心線の片端から光信号を入力し、作業現場で心線を切断することなく外部より歪みを加え、偏波特性の変化、あるいは曲げによる損失変化を強度変調に置き換えたりすることで、音声信号を作り出すといった手法で光通話を行っている(例えば、下記特許文献2及び3参照)。
これらの作業では、いずれも目的に応じた信号光を安定的に、かつ、効率的に光ファイバに入力することが重要である。
このため、現在のところ、信号光入射手段は、所内設備の光カプラか、もしくは非現用心線であることを前提にした屋外設備の光コネクタに限られている。なお、コネクタがない場合は光ファイバの心線を切断して簡易コネクタ等を現場で作製し、信号光を入力することもある。ただし現状では、屋外設備の光コネクタからの信号光の入力はほとんど行われず、所内設備の光カプラが唯一の信号光入力手段として用いられている。
また近年、1本の光ファイバを光分岐器によって複数本の線路に分岐させる通信方式が実用化されている。この方式においては、所内設備側の光カプラからの入力では、光分岐器により全ての分岐線路に信号光が分配されるため、心線対照作業や光パルス試験(上述の光ファイバの品質検査や故障位置探査)が実施できないという問題がある。
あるいは、伝送論理リンクを継続しながら信号光を瞬断することなく光ファイバの切り替えを行う無瞬断切り替え装置及び方法に関する技術が検討されている(下記特許文献4参照)。ところが、実線路設備においては、光ファイバを二重化し迂回ルートに切り替える場合には、光ファイバの区間の両端に「2入力、N出力」の光分岐器が設置されていなければ実現することができない。そこで、光ファイバ設備の任意の場所において、光ファイバの側面から光を入射する装置が開発されている(下記特許文献5参照)。しかしながら、この装置は光ファイバの最適配置機構が備わっていないため、結合効率すなわち入射効率が悪く、実用化には至っていない。また、この技術には所外に「2入力、N出力」の光分岐器が設置されていなければ実施できないという問題がある。
したがって、作業者が光ファイバ設備のいずれの場所からも自由に信号光を入出射する技術が望まれていた。
特許3407812号公報 特開平7−38502号公報 特開平11−64691号公報 特開2009−253884号公報 特開2009−25210号公報
R. W. Hellwarth, "Generation of time-reversed wave fronts by nonlinear refraction," J. Opt. Soc. Am., January 1977, Vol. 67, No. 1, pp. 1-3. Yariv, Amnon Phase Conjugate Optics and Real-Time Holography [Invited Paper]. IEEE JOURNAL OF QUANTUM ELECTRONICS, SEPTEMBER 1978, VOL. QE-14, NO.9, pp. 650-660.
上述のように、これまでにも光ファイバの側面から入射したり出射したりする技術として、光入射装置が検討されてきた。しかしながら、光入射装置は入射効率や出射効率の低さが原因で、その適用領域の狭さや信頼性が光ファイバ端部からの入射・受光方式より劣ることから普及してこなかった。
従来技術では、光ファイバの側面への入射位置及び角度の最適化が困難であり、また、その調心に必要な機器の大きさや煩雑さにも問題があった。
また、曲げられた光ファイバ(曲げ光ファイバ)の曲部の側面から入射及び出射する際、曲げ光ファイバの曲部側面への入射光として、他の光ファイバ(入射用光ファイバ)の端面からの光を用いているため、ビーム形状が入射用光ファイバ固有の形状であり、曲げ光ファイバの側面からの出射(放射)光である「曲げ漏洩光」のビーム形状と整合することが困難であり、さらにそれらの波面の整合も困難である。
さらに、入射用光ファイバの外径の制限により、曲げ光ファイバとの距離を近接させることが難しいため、入射用光ファイバ端面から光が曲げ光ファイバに入射する際の回折効果により、この入射光は拡がってしまい、入射光の一部しか入射させられず、結合効率の向上には限界が存在する。
そのため、結合効率の向上を図るには、レンズ等の光学素子を組み合わせて入射光と曲げ漏洩光の波面を整合させることが必要である。
レンズ等の光学素子を複数組み合わせた空間光学系を構成することにより、結合効率は向上することが期待できるものの、光学系が大がかりとなる問題がある。
さらに、実用上の大きな課題として、曲げ光ファイバの特性に個体差が存在することが挙げられる。すなわち、曲げ光ファイバの曲部からの曲げ漏洩光の波面は、曲げ光ファイバのメーカあるいはロッド毎に異なることが想定されるため、光学系の調整・最適化が煩雑かつ困難である。
また、曲げ光ファイバ自体の個体差に加え、被覆材料の状態差、さらには曲げ光ファイバを曲げた際に発生する応力誘起複屈折量の違いなどにより、個々の曲げ光ファイバそれぞれにおいてレンズ系光学系の最適化が必要となり、より煩雑かつ困難な作業が要求される。
上記の課題に鑑み、本発明では、光ファイバ側面から信号光を効率よく結合させることができる、光入射装置及び方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する第1の発明に係る光入射装置は、
光ファイバの曲部の側面から光を入射する光入射装置であって、
前記曲部からの曲げ漏洩光に基づき、該曲げ漏洩光の位相共役光を生成し、該位相共役光を前記光ファイバに入射する、位相共役器を備える
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第2の発明に係る光入射装置は、
上記第1の発明に係る光入射装置において、
前記位相共役器は、4光波混合を用いており、前記曲げ漏洩光に基づき前記位相共役光を発生させる非線形光学材料を備える
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第3の発明に係る光入射装置は、
上記第2の発明に係る光入射装置において、
前記位相共役器は、
光を出力する光源と、
前記光を、前進ポンプ光と後進ポンプ光とに分岐させるビームスプリッタと、
前記ビームスプリッタからの前記前進ポンプ光と前記後進ポンプ光とを、互いに対向して前記非線形光学材料に入射するように反射するミラーとを備え、
前記非線形光学材料において、前記曲げ漏洩光と前記前進ポンプ光と前記後進ポンプ光とから、前記位相共役光を発生させる
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第4の発明に係る光入射装置は、
上記第2又は3の発明に係る光入射装置において、
前記非線形光学材料は、フォトリフラクティブ効果を有する材料である
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第5の発明に係る光入射装置は、
上記第2又は3の発明に係る光入射装置において、
前記非線形光学材料は、光カー効果を有する材料である
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第6の発明に係る光入射装置は、
上記第1の発明に係る光入射装置において、
前記位相共役器は、
参照光を出力する参照光光源と、
前記曲げ漏洩光と前記参照光とを干渉させ干渉光を生成するビームスプリッタと、
前記干渉光を検出する撮像素子と、
前記撮像素子が検出した前記干渉光の複素振幅を取得し、該複素振幅の位相共役な複素振幅を算出する信号処理装置と、
前記信号処理装置によって算出した前記位相共役な複素振幅に空間位相変調を施し、前記ビームスプリッタを通して前記参照光が入射されることにより、前記位相共役光を発生させる空間位相変調器とを備える
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第7の発明に係る光入射方法は、
光ファイバの曲部の側面から光を入射する光入射方法であって、
前記曲部の曲げ漏洩光に基づき、該曲げ漏洩光の位相共役光を生成し、該位相共役光を前記光ファイバに入射する
ことを特徴とする。
本発明に係る光入射装置及び方法によれば、光ファイバ側面から信号光を効率よく結合させることができる。
曲げ光ファイバからの曲げ漏洩光の電界振幅分布の計算例を示したグラフである。 図1に対応した曲げ光ファイバの屈折率分布のグラフである。 図1における解析領域右端(z=2000μm)での入射光電界振幅(放射複素電界振幅)分布を示すグラフである。 z=2000μmでの放射複素電界振幅の複素共役電界を初期電界とした入射光を、曲げ光ファイバへ入射・結合させる場合の電界分布を計算したグラフである。 z=8000μmにおける入射光電界振幅分布を示すグラフである。 実施例1に係る光入射装置及び方法を説明する模式図である。 実施例2に係る光入射装置及び方法を説明する模式図である。 従来技術による光結合をビーム伝搬法により計算した例を示したグラフである。 図8の計算に用いた曲げSMFの屈折率分布のグラフである。 従来技術によるz=0における入射光電界振幅分布のグラフである。 従来技術によるz=8000μmにおける入射光電界振幅分布を示すグラフである。
発明者らは、光ファイバ側面への光入射装置及び方法に関する技術を鋭意精査した結果、曲げ光ファイバへの入射光に、該曲げ光ファイバからの曲げ漏洩光の位相共役光(上記非特許文献1及び2参照)を使用すれば、上記課題が解決可能であることを見出した。
すなわち、曲げ漏洩光の位相共役光を用いることにより、ビーム径や波面の整合が自動的に可能となり、原理的に結合損失の存在しない曲げ光ファイバの曲部側面への光入射が実現可能であるという結論に至った。以下、本発明に係る光入射装置及び方法について説明する。
まず、「位相共役光」について説明する。簡単化のため、周波数ω、伝搬方向+zの単色平面波(第1平面波)を考え、これを下記式1で表す。
ただし、Ap(x,y)は位相項に比べ空間的にゆっくり変化する複素振幅(slowly varying amplitude)、kpは第1平面波のz方向波数、rvは空間座標ベクトルであり、c.cは直前の式の複素共役をとることを意味する。この第1平面波に対して、第2平面波を下記式2で表す。
ただし、kcは第2平面波のz方向波数である。ここで、φc(rv)=φp *(rv)、すなわち、Ac=Ap *かつkc=−kpが満たされるならば、第2平面波Ecは第1平面波Epの位相共役光であるという。上記式1と式2とを比較すると、第1平面波、第2平面波は、伝搬方向を含めて空間座標に依存した部分が互いに複素共役の関係にあることがわかる。また、下記式3が成立する。
これは、位相共役光である第2平面波Epが第1平面波Ecに対して、波面の形はそのままで時間軸だけが反転されていることを意味している。そのため、位相共役光を時間反転波ともいう。
以上が「位相共役光」についての説明である。
このような位相共役光の特徴の一つとして、空間的な位相補正作用がある。位相共役光の空間的な位相補正作用を利用すると、空間的位相歪の測定、逆歪の作成を、同時に、かつ精度良く行うことが可能である。
したがって、この位相共役光の空間的な位相補正作用を、曲げ光ファイバの曲部側面における光入射に応用すれば、曲げによる放射や被覆材で歪んだ波面を反転させて、あたかも時間を反転させたかのように、曲げ光ファイバからの曲げ漏洩光を元に戻すことが可能と考えられる。
そこで、曲げ光ファイバ側面における光入射への位相共役光の適用性を、数値計算により鋭意検討した。以下では、入射用光ファイバ及び曲げ光ファイバに、シングルモード光ファイバ(SMF)を用いたものとしている。
図8は、従来技術、すなわち入射用SMFを曲げSMFの曲部に突合せて側面入射させる技術による光結合を、ビーム伝搬法により計算した例を示すグラフである。すなわち、図8は、曲げSMFへ入射用SMF端面からの光をz=0μmの位置から入射する際の、光電界振幅分布を計算したものである。なお、図中の横軸は、入射光の曲げSMF中における伝搬方向(z方向)の距離を、縦軸は振幅(x方向)を表している。
図9は、図8の計算に用いた曲げSMFの屈折率分布のグラフであり、縦軸と横軸については上述した図8の説明と同様である。
なおここでは、入射用SMF及び曲げSMFの間にマッチングオイルを塗布し、空間はクラッドと同一の屈折率で満たされているものとしている。
入射用SMFの端面を曲げSMFの曲部に近接し、角度及び距離を最適化することにより結合を行う従来技術では、入射用SMFの外径により曲部に近接することができない。それゆえ、図8に示すように、入射用SMFの端面から出射した光は回折により拡がり、その多くが光ファイバ結合に寄与せず、結合効率が向上しない。
図10は、入射用SMFからの入射光電界振幅分布、すなわち、入射用SMF端面(z=0μm)での規格化電界分布を示すグラフであり、横軸は伝搬方向に対して垂直な方向の距離を、縦軸は光強度を表している。また、図11はz=8000μmにおける入射光電界振幅分布を示すグラフであり、縦軸及び横軸については図10の説明と同様である。
図10と図11とを比べると、曲げSMFの曲部中のコアに到達する光の割合が少ない。曲げSMFの曲部中のコアに到達できた一部の光においても、曲げ漏洩光のモードと波面の整合が取れていないため、結合への寄与が少なく、曲げSMFの導波モードの励振が容易ではないことが分かる。
図1は、曲げSMFからの曲げ漏洩光の電界振幅分布の計算例を示したグラフである。また、図2は、図1に対応した曲げSMFの屈折率分布のグラフである。図1での計算においては意図的に曲げ半径を小さくし、漏洩状態を模倣している。
図3は、図1における解析領域右端(z=2000μm)での入射光電界振幅(放射複素電界振幅)分布を示すグラフである。横軸は振幅(x方向)、縦軸は光強度を表している。
曲げ漏洩光の位相共役光の例として、図3に示すz=2000μmでの放射複素電界振幅の複素共役電界を初期電界とした入射光を、曲げSMFへ入射・結合させる場合の電界分布を計算した。図4はこの計算結果を示すグラフであり、横軸は入射光の曲げSMF中における伝搬方向(z方向)、縦軸は振幅を表している。なお、曲げSMFの曲げ半径等の状態は、従来技術での計算と同一である。
図4に示すように、曲げ漏洩光の位相共役光を入射光に用いる場合、自動的に曲げSMFの曲部に向かって入射光が逆伝搬し、曲げSMFに高い効率で結合していることが分かる。微弱な曲げ漏洩光電界を入射したにもかかわらず、従来技術での入出力電界分布(図8)と比較すると、多くの光が結合・伝搬していることが分かる。
図5は、曲げSMFの曲部で結合した光が曲げSMF中のz=8000μmの位置に到達した際の電界振幅分布を表すグラフである。
図5によると、従来技術で見られたクラッド領域(約0〜80及び120〜200μm)への光の散逸が少なく、効率的に曲げSMFの導波モードを励振していることがわかる。
従来技術と本発明による結合効率を精度よく比較するため、伝搬距離を波長λに比べ十分に長く(伝搬距離 z> 106×λ)した計算の結果、従来技術における結合損失、すなわち図10の光強度に対する z>106×λの領域での曲げSMF中の光強度の割合が、15dB以上あるのに対して、本発明の曲げ漏洩光の位相共役光を入射させた場合の結合損失、すなわち図3の光強度に対するz>106×λの領域での曲げSMF中の光強度の割合が、約5.65dBであり、大幅に結合効率が向上していることがわかった。
以上の検討から、位相共役光を用いることは結合効率向上に極めて有効であることが分かる。図4の計算では図1でのz=2000μmの位置での位相共役光を採用したが、他のzにおける位相共役光を採用したり、異なる曲げ状態のモデルで計算しても、ほぼ同様の結果であり、位相共役光を用いれば従来技術で不可避である煩雑な入射位置及び角度の最適化が不要であることを確認した。
以下、本発明に係る光入射装置及び方法について、実施例にて詳述する。
[実施例1]
本実施例は、非線形光学材料中での光混合を用いて光ファイバの曲部からの曲げ漏洩光(放射光)の位相共役光を発生させ、該曲部に位相共役光を入射するものである。以下、本実施例に係る側面光入射装置及び方法について、図6を用いて説明する。なお、以下では慣例に従い、曲げ漏洩光をプローブ光という(実施例2も同様)。
図6に示すように、本実施例に係る側面光入射装置は、位相共役器10及び光ファイバ曲げ装置12を備えている。位相共役器10は、プローブ光の位相共役光を生成し、該位相共役光をSMF11に入射するものであり、非線形光学材料13、高出力光源14、分岐比可変ビームスプリッタ15、及び、ミラー16,17を備えている。
光ファイバ曲げ装置12は、伝搬光101が伝搬するSMF11を曲げる装置である。SMF11の曲部11aからは、波長1550nmのプローブ光102が漏洩する。
非線形光学材料13は、LiNbO3結晶からなり、上記プローブ光102が入射するように配置される。高出力光源14は、プローブ光102と同じ波長1550nmを有する。また、分岐比可変ビームスプリッタ15は、入射光を分岐させるものであり、その際の分岐比が可変であるものである。本実施例における分岐比可変ビームスプリッタ15は、高出力光源14から出力された光を、前進ポンプ光103と後進ポンプ光104とに分岐させる。
ミラー16,17は、前進ポンプ光103と後進ポンプ光104とが互いに対向して非線形光学材料13に入射するように、それぞれ反射するものである。なお、プローブ光102と前進ポンプ光103との成す角度をθとしたとき、0°<θ<90°であるものとする。
以下、本実施例に係る側面光入射装置の動作について説明する。
まず、高出力光源14から出力された光を分岐比可変ビームスプリッタ15に入射し、前進ポンプ光103及び後進ポンプ光104を発生させ、ミラー16,17によって、前進ポンプ光103及び後進ポンプ光104をそれぞれ反射し、互いに対向伝搬するようにして非線形光学材料13に入射させる。なお本実施例では、ポンプ光103,104がプローブ光102に対して十分高強度であるものとする。
一方、光ファイバ曲げ装置12によって曲げられ、伝搬光101が伝搬するSMF11は、曲部11aからプローブ光102が漏洩する(図6中の101aで示すように、一部漏洩しない伝搬光もある)。
非線形光学材料13内では、プローブ光102と前進ポンプ光103の干渉により光強度分布が生じ、非線形光学効果により屈折率分布が発生し、微細な空間回折格子が形成される。この空間回折格子により、後進ポンプ光104をブラッグ回折させ、プローブ光102の位相共役光105を発生させる。
発生した位相共役光105は、SMF11の曲部11aに入射し、伝搬光101と逆向きの入射導波光106となる。
本実施例では、非線形光学材料13にLiNbO3結晶を用いることで、非線形光学効果としてフォトリフラクティブ効果を用いた縮退4光波混合に基づき、位相共役光105を発生させている。
このように、LiNbO3からなる非線形光学材料13内のフォトリフラクティブ効果を用いることにより、位相共役光105を高効率に発生させ、SMF11の曲部11aに入射することで、結合効率が改善した。
ただし、非線形光学材料13は、上記LiNbO3結晶以外にも、KTN、BaTiO3、SBN、BSO、GaAs、InP、CdTeのいずれかの結晶であれば同様の効果を奏する。
本実施例では、結合効率を改善したこと、及び、プローブ光102に対して十分高強度のポンプ光を用いたことにより、位相共役光の発生において利得を持たせることを実現したため、結合した光強度が従来技術に比べて大幅に改善及び向上した。
なお、非線形光学材料13は、フォトリフラクティブ効果を示すもの以外に、光カー効果を示す材料である、Na蒸気等のアルカリ金属蒸気、高非線形ガラス等の非晶質材料、CS2、アルカリハライド、半導体のいずれかを用いても、上記同様に従来技術に比べて結合効率が改善及び向上する。
[実施例2]
本実施例では、実施例1とは異なる手法で曲げ漏洩光の位相共役光を発生させる。すなわち、実施例1は純光学的に位相共役光を発生させているのに対し、本実施例では信号処理技術に基づいた複素振幅検出技術と生成技術により位相共役光を発生させるものである。本実施例に係る側面光入射装置及び方法について、図7を用いて説明する。
図7に示すように、本実施例に係る光入射装置は、SMF11、光ファイバ曲げ装置12、及び、位相共役器20を備えている。位相共役器20は、プローブ光の位相共役光を生成し、該位相共役光をSMF11に入射するものであり、コンピュータ(信号処理装置)23、参照光光源24、ビームスプリッタ25、CCD(撮像素子)26、及び、SLM(空間位相変調器)27を備えている。なお、SMF11、及び、光ファイバ曲げ装置12については実施例1と同様である。
ビームスプリッタ25は、波長1550nmのプローブ光102と、参照光光源24から出力された波長1550nmの参照光114とを干渉させ、干渉光113を生成するものである。
また、CCD26は干渉光113を検出し、コンピュータ23は、CCD26が検出した干渉光113の複素振幅を算出し、該複素振幅の位相共役な複素振幅を、信号処理技術を用いて算出する。
SLM27には、コンピュータ23によって算出した位相共役な複素振幅に空間位相変調を施す。なお、本実施例のSLM27には、液晶で構成される反射型SLMであるLCOS(Liquid crystal on silicon)を用いる。
以下、本実施例に係る光入射装置の動作について説明する。
まず、ビームスプリッタ25を通してプローブ光102を参照光光源24で発生させた参照光114と干渉させ、CCD26へ入射する。
次に、CCD26において干渉光113を検出した後、コンピュータ23上で、CCD26において検出した干渉光113の複素振幅を取得し、該複素振幅の位相共役な複素振幅を算出する。算出された位相共役な複素振幅に対しSLM27により空間位相変調を施し、参照光114をビームスプリッタ25に通してSLM27に入射することにより、プローブ光102の位相共役光105を発生させる。
発生した位相共役光105は、SMF11の曲部11aに入射し、伝搬光101と逆向きの入射導波光106となる。
本実施例においても実施例1と同様に、位相共役光105を高効率に発生させ、SMF11の曲部11aに入射することで、結合効率が改善した。なお、上述では撮像素子がCCDであるものとしたが、CCDの代わりにCMOSを用いてもよい。
本実施例では、結合効率を改善したこと、及び、プローブ光102に対して十分高強度の参照光114を用いたことにより、位相共役光の発生において利得を持たせることを実現したため、結合した光強度が従来技術に比べて大幅に改善及び向上した。
本発明は、光ファイバケーブルによる通信網の建設・保守に使用される光心線対照器、光パルス試験器あるいは光通信器、若しくは、サービス切り替え技術に用いられ、光ファイバの側面から信号光を入出射させる光ファイバカプリングとしての光入射装置及び方法として好適である。
10,20 位相共役器
11 SMF(シングルモード光ファイバ)
12 光ファイバ曲げ装置
13 非線形光学材料
14 高出力光源
15 分岐比可変ビームスプリッタ
16,17 ミラー
23 コンピュータ(信号処理装置)
24 参照光光源
25 ビームスプリッタ
26 CCD(撮像素子)
27 SLM(空間位相変調器)
101 伝搬光
102 プローブ光(曲げ漏洩光)
103 前進ポンプ光
104 後進ポンプ光
105 位相共役光
106 入射導波光
113 干渉光
114 参照光

Claims (7)

  1. 光ファイバの曲部の側面から光を入射する光入射装置であって、
    前記曲部からの曲げ漏洩光に基づき、該曲げ漏洩光の位相共役光を生成し、該位相共役光を前記光ファイバに入射する、位相共役器を備える
    ことを特徴とする光入射装置。
  2. 前記位相共役器は、4光波混合を用いており、前記曲げ漏洩光に基づき前記位相共役光を発生させる非線形光学材料を備える
    ことを特徴とする、請求項1に記載の光入射装置。
  3. 前記位相共役器は、
    光を出力する光源と、
    前記光を、前進ポンプ光と後進ポンプ光とに分岐させるビームスプリッタと、
    前記ビームスプリッタからの前記前進ポンプ光と前記後進ポンプ光とを、互いに対向して前記非線形光学材料に入射するように反射するミラーとを備え、
    前記非線形光学材料において、前記曲げ漏洩光と前記前進ポンプ光と前記後進ポンプ光とから、前記位相共役光を発生させる
    ことを特徴とする、請求項2に記載の光入射装置。
  4. 前記非線形光学材料は、フォトリフラクティブ効果を有する材料である
    ことを特徴とする、請求項2又は3に記載の光入射装置。
  5. 前記非線形光学材料は、光カー効果を有する材料である
    ことを特徴とする、請求項2又は3に記載の光入射装置。
  6. 前記位相共役器は、
    参照光を出力する参照光光源と、
    前記曲げ漏洩光と前記参照光とを干渉させ干渉光を生成するビームスプリッタと、
    前記干渉光を検出する撮像素子と、
    前記撮像素子が検出した前記干渉光の複素振幅を取得し、該複素振幅の位相共役な複素振幅を算出する信号処理装置と、
    前記信号処理装置によって算出した前記位相共役な複素振幅に空間位相変調を施し、前記ビームスプリッタを通して前記参照光が入射されることにより、前記位相共役光を発生させる空間位相変調器とを備える
    ことを特徴とする、請求項1に記載の光入射装置。
  7. 光ファイバの曲部の側面から光を入射する光入射方法であって、
    前記曲部の曲げ漏洩光に基づき、該曲げ漏洩光の位相共役光を生成し、該位相共役光を前記光ファイバに入射する
    ことを特徴とする光入射方法。
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