以下に添付の図面を参照して説明された本発明の実施例から、本発明の構成、作用及び他の特徴が容易に理解されるであろう。以下に説明される実施例は、本発明の技術的特徴が3GPPシステムに適用された例である。
本明細書ではLTEシステム及びLTE−Aシステムを用いて本発明の実施例を説明するが、これは例示に過ぎず、本発明の実施例は、上述した定義に該当するいかなる通信システムにも適用可能である。また、本明細書は、FDD方式を基準にして本発明の実施例について説明するが、これは例示に過ぎず、本発明の実施例は、H−FDD方式又はTDD方式にも容易に変形されて適用されてもよい。
また、本明細書では、基地局をRRH(remote radio head)、eNB、TP(transmission point)、RP(reception point)、中継機(relay)などを含む包括的な名称として使うことができる。
図2は、3GPP無線接続網規格に基づく端末とE−UTRANとの間の無線インターフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)のコントロールプレーン及びユーザプレーンの構造を示す図である。コントロールプレーンとは、端末(UE)とネットワークとが呼を管理するために用いる制御メッセージが送信される通路のことを意味する。ユーザプレーンとは、アプリケーション層で生成されたデータ、例えば、音声データ又はインターネットパケットデータなどが送信される通路のことを意味する。
第1層である物理層は、物理チャネル(Physical Channel)を用いて上位層に情報送信サービス(Information Transfer Service)を提供する。物理層は、上位の媒体接続制御(Medium Access Control)層とは送信チャネル(Transport Channel)を介して接続されている。該送信チャネルを通じて媒体接続制御層と物理層との間にデータが移動する。送信側の物理層と受信側の物理層との間には物理チャネルを通じてデータが移動する。該物理チャネルは、時間及び周波数を無線リソースとして活用する。具体的に、物理チャネルは、下りリンクにおいてOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式で変調され、上りリンクにおいてSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)方式で変調される。
第2層の媒体接続制御(Medium Access Control;MAC)層は、論理チャネル(Logical Channel)を通じて、上位層である無線リンク制御(Radio Link Control;RLC)層にサービスを提供する。第2層のRLC層は、信頼できるデータ送信を支援する。RLC層の機能は、MAC内部の機能ブロックとしてもよい。第2層のPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層は、帯域幅の狭い無線インターフェースでIPv4やIPv6のようなIPパケットを效率的に送信するために、余分の制御情報を減らすヘッダー圧縮(Header Compression)機能を果たす。
第3層の最下部に位置する無線リソース制御(Radio Resource Control;RRC)層は、コントロールプレーンにのみ定義される。RRC層は、無線ベアラー(Radio Bearer)の設定(Configuration)、再設定(Re−configuration)及び解除(Release)に関連して、論理チャネル、送信チャネル及び物理チャネルの制御を担当する。無線ベアラー(RB)とは、端末とネットワーク間のデータ伝達のために第2層により提供されるサービスのことを意味する。そのために、端末のRRC層とネットワークのRRC層とはRRCメッセージを互いに交換する。端末のRRC層とネットワークのRRC層間にRRC接続(RRC Connected)がある場合に、端末はRRC接続状態(Connected Mode)にあり、そうでない場合は、RRC休止状態(Idle Mode)にあるようになる。RRC層の上位にあるNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理(Session Management)と移動性管理(Mobility Management)などの機能を果たす。
基地局(eNB)を構成する一つのセルは、1.25、2.5、5、10、15、20MHzなどの帯域幅のいずれか一つとして設定され、複数の端末に下り又は上り送信サービスを提供する。互いに異なるセルは、互いに異なる帯域幅を提供するように設定することができる。
ネットワークから端末にデータを送信する下り送信チャネルとしては、システム情報を送信するBCH(Broadcast Channel)、ページングメッセージを送信するPCH(Paging Channel)、ユーザトラフィックや制御メッセージを送信する下りSCH(Shared Channel)などがある。下りマルチキャスト又は放送サービスのトラフィック又は制御メッセージは、下りSCHを通じて送信されてもよく、別の下りMCH(Multicast Channel)を通じて送信されてもよい。一方、端末からネットワークにデータを送信する上り送信チャネルとしては、初期制御メッセージを送信するRACH(Random Access Channel)、ユーザトラフィックや制御メッセージを送信する上りSCH(Shared Channel)がある。送信チャネルの上位に存在し、送信チャネルにマッピングされる論理チャネル(Logical Channel)としては、BCCH(Broadcast Control Channel)、PCCH(Paging Control Channel)、CCCH(Common Control Channel)、MCCH(Multicast Control Channel)、MTCH(Multicast Traffic Channel)などがある。
図3は、3GPPシステムに用いられる物理チャネル及びこれらのチャネルを用いた一般の信号送信方法を説明するための図である。
端末は、電源が入ったり、新しくセルに進入したりした場合に、基地局と同期を取る等の初期セル探索(Initial cell search)作業を行う(S301)。そのために、端末は、基地局からプライマリ同期チャネル(Primary Synchronization Channel;P−SCH)及びセカンダリ同期チャネル(Secondary Synchronization Channel;S−SCH)を受信して基地局と同期を取り、セルIDなどの情報を取得すればよい。その後、端末は、基地局から物理放送チャネル(Physical Broadcast Channel)を受信し、セル内放送情報を取得できる。一方、端末は、初期セル探索段階で、下りリンク参照信号(Downlink Reference Signal;DL RS)を受信し、下りリンクチャネル状態を確認できる。
初期セル探索を終えた端末は、物理下りリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDCCH)、及び該PDCCHに載せられた情報に基づいて物理下りリンク共有チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDSCH)を受信することによって、より具体的なシステム情報を取得できる(S302)。
一方、基地局に最初に接続したり信号送信のための無線リソースがない場合には、端末は、基地局にランダムアクセス手順(Random Access Procedure;RACH)を行ってよい(S303乃至S306)。そのために、端末は、物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel;PRACH)を通じて特定シーケンスをプリアンブルとして送信し(S303及びS305)、PDCCH及び対応するPDSCHを通じて、プリアンブルに対する応答メッセージを受信すればよい(S304及びS306)。競合ベースのRACHについては、衝突解決手順(Contention Resolution Procedure)をさらに行ってもよい。
上述の手順を行った端末は、以降、一般的な上りリンク/下りリンク信号送信手順として、PDCCH/PDSCH受信(S307)、及び物理上りリンク共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel;PUSCH)/物理上りリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel;PUCCH)送信(S308)を行えばよい。特に、端末はPDCCHを通じて下りリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)を受信する。ここで、DCIは、端末に対するリソース割当情報のような制御情報を含んでおり、その使用目的によってフォーマットが異なっている。
一方、端末が上りリンクを通じて基地局に送信する又は端末が基地局から受信する制御情報としては、下りリンク/上りリンクACK/NACK信号、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Index)、RI(Rank Indicator)などを含む。3GPP LTEシステムでは、端末は、これらのCQI/PMI/RIなどの制御情報をPUSCH及び/又はPUCCHを通じて送信してもよい。
図4は、LTEシステムで用いられる無線フレームの構造を例示する図である。
図4を参照すると、無線フレーム(radio frame)は10ms(327200×Ts)の長さを有し、10個の均等なサイズのサブフレーム(subframe)で構成されている。それぞれのサブフレームは1msの長さを有し、2個のスロット(slot)で構成されている。それぞれのスロットは0.5ms(15360×Ts)の長さを有する。ここで、Tsはサンプリング時間を表し、Ts=1/(15kHz×2048)=3.2552×10-8(約33ns)で表示される。スロットは時間領域において複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域において複数のリソースブロック(Resource Block;RB)を含む。LTEシステムにおいて一つのリソースブロックは12個の副搬送波×7(6)個のOFDMシンボルを含む。データの送信される単位時間であるTTI(Transmission Time Interval)は一つ以上のサブフレーム単位に定めることができる。上述した無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、又はスロットに含まれるOFDMシンボルの数は様々に変更されてもよい。
図5は、下りリンク無線フレームにおいて一つのサブフレームの制御領域に含まれる制御チャネルを例示する図である。
図5を参照すると、サブフレームは14個のOFDMシンボルで構成されている。サブフレーム設定によって先頭の1乃至3個のOFDMシンボルは制御領域として用いられ、残り13〜11個のOFDMシンボルはデータ領域として用いられる。同図で、R1乃至R4は、アンテナ0乃至3に対する基準信号(Reference Signal(RS)又はPilot Signal)を表す。RSは、制御領域及びデータ領域を問わず、サブフレーム内に一定のパターンで固定される。制御チャネルは、制御領域においてRSの割り当てられていないリソースに割り当てられ、トラフィックチャネルもデータ領域においてRSの割り当てられていないリソースに割り当てられる。制御領域に割り当てられる制御チャネルには、PCFICH(Physical Control Format Indicator CHannel)、PHICH(Physical Hybrid−ARQ Indicator CHannel)、PDCCH(Physical Downlink Control CHannel)などがある。
PCFICHは物理制御フォーマット指示子チャネルで、毎サブフレームごとにPDCCHに用いられるOFDMシンボルの個数を端末に知らせる。PCFICHは、最初のOFDMシンボルに位置し、PHICH及びPDCCHに優先して設定される。PCFICHは4個のREG(Resource Element Group)で構成され、それぞれのREGはセルID(Cell IDentity)に基づいて制御領域内に分散される。一つのREGは4個のRE(Resource Element)で構成される。REは、1副搬送波×1 OFDMシンボルと定義される最小物理リソースを表す。PCFICH値は帯域幅によって1〜3又は2〜4の値を指示し、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)で変調される。
PHICHは、物理HARQ(Hybrid−Automatic Repeat and request)指示子チャネルで、上りリンク送信に対するHARQ ACK/NACKを運ぶために用いられる。すなわち、PHICHは、UL HARQのためのDL ACK/NACK情報が送信されるチャネルを表す。PHICHは、1個のREGで構成され、セル特定(cell−specific)にスクランブル(scrambling)される。ACK/NACKは1ビットで指示され、BPSK(Binary phase shift keying)で変調される。変調されたACK/NACKは拡散因子(Spreading Factor;SF)=2又は4で拡散される。同一のリソースにマップされる複数のPHICHは、PHICHグループを構成する。PHICHグループに多重化されるPHICHの個数は、拡散コードの個数によって決定される。PHICH(グループ)は周波数領域及び/又は時間領域においてダイバーシティ利得を得るために3回反復(repetition)される。
PDCCHは物理下りリンク制御チャネルで、サブフレームにおける先頭のn個のOFDMシンボルに割り当てられる。ここで、nは1以上の整数で、PCFICHによって指示される。PDCCHは一つ以上のCCEで構成される。PDCCHは、送信チャネルであるPCH(Paging channel)及びDL−SCH(Downlink−shared channel)のリソース割当に関する情報、上りリンクスケジューリンググラント(Uplink Scheduling Grant)、HARQ情報などを各端末又は端末グループに知らせる。PCH(Paging channel)及びDL−SCH(Downlink−shared channel)はPDSCHを通じて送信される。したがって、基地局と端末は一般に、特定の制御情報又は特定のサービスデータ以外は、PDSCHを通じてデータをそれぞれ送信及び受信する。
PDSCHのデータがいずれの端末(一つ又は複数の端末)に送信されるものか、これら端末がどのようにPDSCHデータを受信してデコードしなければならないかに関する情報などは、PDCCHに含まれて送信される。例えば、特定PDCCHが「A」というRNTI(Radio Network Temporary Identity)でCRCマスクされており、「B」という無線リソース(例、周波数位置)及び「C」というDCIフォーマット、すなわち、伝送形式情報(例、伝送ブロックサイズ、変調方式、コーディング情報など)を用いて送信されるデータに関する情報が、特定サブフレームで送信されると仮定する。この場合、セル内の端末は、自身が持っているRNTI情報を用いて検索領域でPDCCHをモニター、すなわち、ブラインドデコードし、「A」のRNTIを持っている一つ以上の端末があると、これらの端末はPDCCHを受信し、受信したPDCCHの情報に基づいて「B」と「C」によって指示されるPDSCHを受信する。
図6は、LTEシステムで用いられる上りリンクサブフレームの構造を示す図である。
図6を参照すると、上りリンクサブフレームは、制御情報を運ぶPUCCH(Physical Uplink Control CHannel)が割り当てられる領域と、ユーザデータを運ぶPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)が割り当てられる領域とに区別される。サブフレームにおいて中間部分がPUSCHに割り当てられ、周波数領域においてデータ領域の両側部分がPUCCHに割り当てられる。PUCCH上で送信される制御情報は、HARQに用いられるACK/NACK、下りリンクチャネル状態を示すCQI(Channel Quality Indicator)、MIMOのためのRI(Rank Indicator)、上りリンクリソース割当要請であるSR(Scheduling Request)などがある。一つの端末に対するPUCCHは、サブフレーム内の各スロットで互いに異なる周波数を占める一つのリソースブロックを使用する。すなわち、PUCCHに割り当てられる2個のリソースブロックはスロット境界で周波数ホッピング(frequency hopping)する。特に、図6は、m=0のPUCCH、m=1のPUCCH、m=2のPUCCH、m=3のPUCCHがサブフレームに割り当てられるとしている。
以下、MIMOシステムについて説明する。MIMO(Multiple−Input Multiple−Output)は、複数個の送信アンテナと複数個の受信アンテナを使用する方法で、この方法によりデータの送受信効率を向上させることができる。すなわち、無線通信システムの送信端あるいは受信端で複数個のアンテナを使用することによって容量を増大させ、性能を向上させることができる。以下、本文献ではMIMOを「多重アンテナ」と呼ぶこともできる。
多重アンテナ技術では、一つの全体メッセージを受信するに単一のアンテナ経路に依存せず、複数のアンテナに受信されたデータ断片(fragment)をまとめて併合することによってデータを完成する。多重アンテナ技術を用いると、特定のサイズのセル領域内でデータ伝送速度を向上させたり、又は特定のデータ伝送速度を保障しながらシステムカバレッジ(coverage)を増加させることができる。また、この技術は、移動通信端末と中継機などに幅広く使用可能である。多重アンテナ技術によれば、単一のアンテナを使用した従来技術による移動通信における伝送量の限界を克服することが可能になる。
一般的な多重アンテナ(MIMO)通信システムの構成図が、図7に示されている。送信端では送信アンテナがN
T個設けられており、受信端では受信アンテナがN
R個が設けられている。このように送信端及び受信端の両方とも複数個のアンテナを使用する場合は、送信端又は受信端のいずれか一方のみ複数個のアンテナを使用する場合に比べて、理論的なチャネル伝送容量がより増加する。チャネル伝送容量の増加はアンテナの数に比例する。これにより、伝送レートが向上し、周波数効率が向上する。1個のアンテナを使用する場合の最大伝送レートをR
oとすれば、多重アンテナを使用する場合の伝送レートは、理論的に、下記の数式1のように、最大伝送レートR
oにレート増加率R
iを掛けた分だけ増加可能となる。ここで、R
iは、N
TとN
Rのうちの小さい値を表す。
例えば、4個の送信アンテナと4個の受信アンテナを用いるMIMO通信システムでは、単一アンテナシステムに比べて理論上、4倍の伝送レートを取得できる。このような多重アンテナシステムの理論的容量増加が90年代半ばに証明されて以来、これを実質的なデータ伝送率の向上へと導くための種々の技術が現在まで活発に研究されている。それらのいくつかの技術は既に3世代移動通信と次世代無線LANなどの様々な無線通信の標準に反映されている。
現在までの多重アンテナ関連研究動向をみると、様々なチャネル環境及び多重接続環境における多重アンテナ通信容量計算などと関連した情報理論側面の研究、多重アンテナシステムの無線チャネル測定及び模型導出の研究、及び伝送信頼度の向上及び伝送率の向上のための時空間信号処理技術の研究などを含め、様々な観点で活発に研究が進行されている。
多重アンテナシステムにおける通信方法をより具体的な方法で説明するべく、それを数学的にモデリングすると、次のように示すことができる。図7に示すように、N
T個の送信アンテナとN
R個の受信アンテナが存在するとする。まず、送信信号について説明すると、N
T個の送信アンテナがある場合に、送信可能な最大情報はN
T個であるから、送信情報を下記の数式2のようなベクトルで表現できる。
一般に、チャネル行列のランクの物理的な意味は、与えられたチャネルで互いに異なった情報を送信できる最大数を意味する。したがって、チャネル行列のランク(rank)は、互いに独立した(independent)行(row)又は列(column)の個数のうち、最小個数と定義され、よって、行列のランクは、行(row)又は列(column)の個数より大きくなることはない。数式的に例を挙げると、チャネル行列Hのランク(rank(H))は、数式6のように制限される。
また、多重アンテナ技術を用いて送る互いに異なった情報のそれぞれを「送信ストリーム(Stream)」、又は簡単に「ストリーム」と定義するものとする。このような「ストリーム」は、「レイヤ(Layer)」と呼ぶこともできる。そのため、送信ストリームの個数は当然ながら、互いに異なった情報を送信できる最大数であるチャネルのランクより大きくなることがない。したがって、チャネル行列Hは、下記の数式7のように表すことができる。
ここで、「# of streams」は、ストリームの数を表す。一方、ここで、1個のストリームは1個以上のアンテナから送信可能であるということに留意されたい。
1個以上のストリームを複数のアンテナに対応させる様々な方法が存在する。この方法を、多重アンテナ技術の種類によって次のように説明できる。1個のストリームが複数のアンテナから送信される場合は空間ダイバーシティ方式といえ、複数のストリームが複数のアンテナから送信される場合は空間マルチプレクシング方式といえる。勿論、これらの中間方式である、空間ダイバーシティと空間マルチプレクシングとの混合(Hybrid)した形態も可能である。
以下では、参照信号についてより詳しく説明する。
一般に、チャネル測定のためにデータと共に送信側と受信側の両方で既に知っている参照信号が送信側から受信側に送信される。このような参照信号は、チャネル測定に加え、変調技法を知らせて復調過程が行われるようにする役割を持つ。参照信号は、基地局と特定端末のための専用参照信号(dedicated RS;DRS)、すなわち、端末特定参照信号と、セル内の全端末のためのセル特定参照信号である共通参照信号(common RS又はCell specific RS;CRS)とに区別される。また、セル特定参照信号は、端末でCQI/PMI/RIを測定して基地局に報告するための参照信号を含み、これをCSI−RS(Channel State Information−RS)と称する。
図8及び図9は、4個のアンテナを用いた下りリンク送信を支援するLTEシステムにおける参照信号の構造を示す図である。特に、図8は一般(normal)CP(Cyclic Prefix)の場合を示し、図9は拡張(extended)CPの場合を示す。
図8及び図9を参照すると、格子に記載された0乃至3は、アンテナポート0乃至3のそれぞれに対応してチャネル測定とデータ復調のために送信されるセル特定参照信号であるCRS(Common Reference Signal)を意味し、セル特定参照信号のCRSは、データ情報領域の他、制御情報領域全般にわたっても端末に送信されている。
また、格子に記載された「D」は、端末特定RSである下りリンクDM−RS(Demodulation−RS)を意味し、DM−RSは、データ領域、すなわち、PDSCHを通じて単一アンテナポート送信を支援する。端末特定RSであるDM−RS存在の有無は上位層を通じて端末にシグナリングされる。図8及び図9は、アンテナポート5に対応するDM−RSを例示しており、3GPP標準文書36.211ではアンテナポート7乃至14、すなわち、総8個のアンテナポートに対するDM−RSも定義している。
図10は、現在3GPP標準文書で定義している下りリンクDM−RS割当例を示す図である。
図10を参照すると、DM−RSグループ1にはアンテナポート{7、8、11、13}に該当するDM−RSがアンテナポート別シーケンスを用いてマップされ、DM−RSグループ2にはアンテナポート{9、10、12、14}に該当するDM−RSが同様、アンテナポート別シーケンスを用いてマップされる。
一方、上述したCSI−RSは、CRSとは別にPDSCHに対するチャネル測定を目的に提案されたし、CRSとは違い、CSI−RSは、多重セル環境でセル間干渉(inter−cell interference;ICI)を減らすために、最大32通りの異なったCSI−RS設定(configuration)が定義されてもよい。
CSI−RS設定は、アンテナポートの個数によってそれぞれ異なり、隣接セル間には、できるだけ、異なったCSI−RS設定と定義されたCSI−RSが送信されるように構成される。CSI−RSは、CRSとは違い、最大8個のアンテナポートまで支援し、3GPP標準文書では、アンテナポート15乃至22までの総8個のアンテナポートを、CSI−RSのためのアンテナポートとして割り当てる。下記の表1及び表2は、3GPP標準文書で定義しているCSI−RS設定を示すものであり、特に、表1は、一般CP(Normal CP)である場合を、表2は、拡張CP(Extended CP)である場合を示している。
本発明では、複数の入出力アンテナ及び多次元アンテナ構造を有することができる大規模MIMO(massive MIMO)技法が適用されたシステムの上りリンク及び下りリンクで効果的にチャネル状態情報(channel state information;CSI)フィードバックを行うための方法を提案する。
次世代無線通信システムでは能動アンテナシステム(active antenna system;AAS)の導入が考慮されている。信号の位相及び大きさを調整できる増幅器とアンテナとが分離されている既存の受動アンテナとは違い、能動アンテナは、それぞれのアンテナが増幅器のような能動素子を含むように構成されたものを意味する。能動アンテナシステムは、増幅器とアンテナとを接続するための別のケーブル、コネクター、その他ハードウェアなどを必要とせず、エネルギー及び運用コストの側面で効率性が高いという特長を有する。特に、能動アンテナシステムは、各アンテナ別電子式ビーム制御(electronic beam control)方式を支援しているため、ビーム方向及びビーム幅を考慮した精巧なビームパターン又は3−次元ビームパターンを形成するなどの進歩したMIMO技術を可能にさせる。
このように、能動アンテナのような進歩したアンテナシステムの導入から、複数の入出力アンテナと多次元アンテナ構造を有する大規模MIMO(massive MIMO)構造も考慮されている。一例として、既存の一字型アンテナ配列(或いは、1次元アンテナ配列)と違い、2−次元アンテナ配列を形成する場合、能動アンテナシステムの能動アンテナによって3−次元ビームパターンを形成することができる。
図12は、大規模MIMO技術の概念図である。特に、図12は、基地局又は端末が、能動アンテナシステムベースの3Dビーム形成が可能な複数の送/受信アンテナを有するシステムを図式化したものである。
図12を参照すると、送信アンテナ観点で3−次元ビームパターンを活用する場合、ビームの水平方向だけでなく、垂直方向への準−静的又は動的なビーム形成も行うことができ、垂直方向のセクター形成などの応用を考慮することができる。また、受信アンテナ観点では、大規模受信アンテナを活用して受信ビームを形成するとき、アンテナ配列利得(antenna array gain)による信号電力上昇の効果を期待することができる。
このため、上りリンクの場合、基地局が複数のアンテナを用いて端末から送信される信号を受信することができ、この時、端末は、干渉の影響を減らすために大規模受信アンテナの利得を考慮して自身の送信電力を非常に低く設定することができるという長所がある。
以下、大規模MIMO技術を適用するための、アンテナ仮想化(antenna virtualization)について説明する。
図13は、アンテナ仮想化の概念を示す図である。特に、図13は、CSI−RSはS個のアンテナポートを使用し、CRSはC個のアンテナポートを使用するとした。また、CSI−RSのためのアンテナ仮想化行列Bは、UE特定に定義され、CRSのためのアンテナ仮想化行列Aは、全UEに同一に定義されると仮定する。
また、最終アンテナの送信信号は、周波数選択的なアンテナ仮想化適用のために、次の式8のように、それぞれのアンテナの送信信号にそれぞれ異なる時間遅延を適用して送信することができる。
ここで、アンテナ仮想化行列Bは、該当のUEに受信される信号のエネルギーが最大となるように設定することが好ましく、UE別にUEの位置などによって決定されなければならない。アンテナ仮想化行列Bを定義するために、上りリンクと下りリンク間のチャネル対称性に基づいてSRSを活用することができ、UEの位置変更及びチャネル環境変化などによる最適のアンテナ仮想化行列Bの追跡には、SRS及び以前に報告されたCSIフィードバック情報などを用いることができる。
本発明では、能動アンテナシステムのような大規模(massive)MIMO技法を具現するために、パネルアンテナを活用する閉ループ(closed−loop)3−次元MIMOビームフォーミングのためのCSIフィードバック方法について説明する。
図14は、本発明に係る3−次元MIMOビームフォーミングの概念を例示する図である。特に、図14は、eNBのアンテナが、水平(Horizontal)方向にL個のアンテナポートが存在し、垂直(Vertical)方向にM個のアンテナポートが存在すると仮定する。すなわち、L*Mパネルアンテナ構造を仮定する。ここで、L個のアンテナポート及びM個のアンテナポートは、物理的なアンテナポートであってもよく、アンテナ仮想化行列で表現される論理的なアンテナポートであってもよい。
ただし、図14では、説明の便宜のために、L=8及びM=4の場合を例示する。すなわち、この場合は、8*4パネルアンテナ構造であり、総32個のアンテナポートから送出される信号が、水平方向及び垂直方向にビームが形成され、3−次元MIMO送信を実現できるようにする。
具体的に、水平方向に構成されたL個のアンテナポートがPAL(physical−antenna−layer)の第1層、第2層、…、第M層にそれぞれ存在する総N=L*Mアンテナポートから信号を送出する前に、図13で例示したように特定のアンテナ仮想化行列を適用することによって、水平方向のL個のアンテナポートから送出される信号がVALの第1層、第2層、…、第M層のいずれか特定の層にビーム(beam)を形成することができる。
したがって、VAL m=1におけるL個のアンテナポートは、VALの第1層をターゲッティングするL個のアンテナポートということができ、一般的には、VAL m=MにおけるL個のアンテナポートをVALの第M層をターゲッティングするL個のアンテナポートということができる。また、eNBがL−ポートCSI−RS設定を定義するとすれば、VALの第1層をターゲッティングするL−ポートCSI−RS設定とVALの第M層をターゲッティングするL−ポートCSI−RS設定とは異なってもよい。
1. 図14のような形態の3−次元ビームフォーミングが可能な能動アンテナシステムがeNBに具現されたとき、レガシーUEの動作として、各VALごとに最適化された互いに異なる垂直方向にプリコーディングされた(或いは、特定仮想化行列Bが適用された)L−ポートCSI−RSをM個設定する方式を考慮することができる。ここで、レガシーUEは、eNBのアンテナが上述のパネルアンテナ構造であるという点を認知できないUEであり、UEの受信アンテナもパネルアンテナ構造でない場合を指す。
ここで、垂直方向にプリコーディングされるということは、図14のように水平方向にL−ポートCSI−RSをeNBが送信する際、L個のアンテナポートのそれぞれに対して該当のCSI−RSシーケンスをそのまま送信するのではなく、垂直方向のM個のアンテナのそれぞれのCSI−RSシーケンスに特定の因子を掛けることで垂直方向に特定の方向性をあらかじめ形成させるということを意味する。
すなわち、図14のように、垂直方向にM個の因子値の構成によって、垂直に近い方向のビームを形成させ、地面に到達する際にeNB周辺の最も近いリング(Ring)形態の領域にビームが集中するようにした場合を、VALの第1層に最適化するために垂直方向にプリコーディングされたL−ポートCSI−RSを送信することと見なすことができる。
或いは、eNBと近い地点に高いビルなどがある場合、垂直に近いビームは、実際にこのビルの1階の高さの領域に集中しうる。また、図14で、最も遠くに存在するリング領域をターゲッティングするビームの場合、上記ビルがeNBと近い地点に存在すると、実際にこのビルの高層の地域にビームが集中しうる。以下、垂直方向という用語は、特定のM個の因子を適用することによって特定VALをターゲッティングし得るようにeNBの一種の傾斜(tilting)角度を電気的に(electrical)調節した方向を意味する。
このような動作のために、eNBは、VALの第1層、第2層、…、第M層のそれぞれに最適化された垂直方向にプリコーディングされたL−ポートCSI−RSを、各VAL層別に総M個を生成し、リソース管理セットに含めて送信することができる。また、レガシーUEは、リソース管理セットに含まれた総M個のL−ポートCSI−RSのそれぞれに対してCSI−RSベースのRSRP(Reference Signal Received Power)を報告することができ、これによって、測定セットが設定されうる。例えば、UE1は、VALの第1層に該当するL−ポートCSI−RSに対してCSIフィードバックを行い、UE2はVALの第M層に該当するL−ポートCSI−RSに対してCSIフィードバックを行い、これによって、レガシーUEのための垂直方向ビームフォーミングも、特定方向の細密なビームを形成することができる。
また、レガシーUEの場合、UEの位置情報が高い信頼レベルで予測可能であれば、いずれか一層に最適化された特定L−ポートCSI−RSを設定し、3−次元ビームフォーミング効果をUE−トランスペアレント(transparent)に提供することもできる。この場合、レガシーUEは、他の層のCSI−RSに対してはいずれもZP(Zero Power)CSI−RSと定義し、PDSCHに対してレートマッチングを行うことが好ましい。
或いは、レガシーUEの位置情報に対して信頼レベルを保障できないと、垂直方向には、既存のように特定方向性がない広範囲なビームを形成する追加の8−ポートCSI−RSを設定する方式も可能である。
2. 次に、eNBのアンテナが上述のパネルアンテナ構造であるという点を認知するUEの動作について説明する。
(1)この場合にも、上述した1.と同様に、各VALごとに最適化された互いに異なる垂直方向にプリコーディングされた(或いは、特定仮想化行列Bが適用された)L−ポートCSI−RSをM個設定する方式を考慮することができる。
このような動作のために、eNBは、VALの第1層、第2層、…、第M層のそれぞれに最適化された垂直方向にプリコーディングされたL−ポートCSI−RSを、各VAL層別に総M個生成し、リソース管理セットに含めて送信することができる。また、UEは、リソース管理セットに含まれた総M個のL−ポートCSI−RSのそれぞれに対してCSI−RSベースのRSRP(Reference Signal Received Power)を報告することができ、これによって、測定セットが設定されうる。したがって、UE別に異なる層のL−ポートCSI−RSを設定し、このためのフィードバックを行うことができる。
又は、複数VALのL−ポートCSI−RS(最大M個)を設定し、各VALに対するCSIフィードバック時に、層別に独立したCSIを計算せず、L*Mパネルアンテナの全体にわたって最適化されたRI、PMI、CQIなどのCSIを計算してフィードバックすることができる。ただし、L*Mパネルアンテナから、3−次元ビームフォーミングの適用されたPDSCHを受信するようになるという事実を、上位層信号であるRRC信号などで事前に受信する必要がある。
このような動作のために、eNBが実際に各M個のL−ポートCSI−RSを送信する場合には、アンテナ仮想化行列の適用無しで、特定PALの一つの層でのみL−ポートCSI−RSを送出し、他のPAL層におけるL−ポートCSI−RSは送出しない方式として具現されてもよい。
さらに、CSIフィードバック自体を、M個の層のそれぞれに対して個別に報告することもできるが、最適化されたCSIフィードバック自体を再び定義することもできる。すなわち、L*Mパネルアンテナに最適化された単一CSIフィードバックを定義することができる。例えば、RIの場合、そのサイズを3ビット以上と定義し、最大ランクとしてL*Mまで支援することができる。さらに、PMIの場合、M個のL−Tx PMIを各層に対して報告する方式、又は1個の水平方向L−Tx PMIと1個の垂直方向M−Tx PMIをフィードバックする方式を考慮することができる。特に、後者の場合、eNBが1個のL−Tx PMIと1個のM−Tx PMIを用いて2−次元インターポレーション(interpolation)を適用することであり、特に、垂直方向M−Tx PMIは、UEが設定されたM個のL−ポートCSI−RSリソースのそれぞれから一つのアンテナポートを選択して定義した垂直方向M−ポートCSI−RSを仮定し、これに対応するPMIを意味する。勿論、CQIは、上記最適化されたRI/PMIが用いられたとき、L*Mパネルアンテナを用いた送信から期待されるCQI値を計算することができる。
さらに、L*Mパネルアンテナの全体にわたって最適化されたRI、PMI、CQIなどのCSIをフィードバックしても、サブバンドCSI報告の場合、サブバンド選択は、各層間に共通サブバンドが選択されるように制限することができる。
CSIフィードバックをM個の層のそれぞれに対して個別に報告しても、RIは、各層間に共通に適用されるRIを設定するように制限することもできる。又は、特定基準層に対してのみサブバンドCSIを報告し、他の層に対するサブバンドCSIは、上記特定基準層と同一の値として報告したり報告しなくてもよく、他の情報に取り替える方法を考慮してもよい。さらに、各層に対応するCSI−RSの周期及びオフセットも、一定区間以内と制限されてもよい。
(2)又は、L*Mパネルアンテナに対する2−次元インターポレーションを仮定し、これを代表し得るプリコーディングされていない(或いは、特定プリコーディングが適用された)水平方向L−ポートCSI−RSリソース(例えば、水平方向を代表する1個のCSI−RS)と、プリコーディングされていない(或いは、特定プリコーディングが適用された)垂直方向M−ポートCSI−RSリソース(例えば、垂直方向を代表する1個のCSI−RSリソース)をUEにする設定する方式も考慮することができる。
このような方式によれば、ネットワークのシグナリングオーバーヘッドを最小化することができる。すなわち、ネットワークは、水平方向L−ポートCSI−RSがレガシーUEにも共に設定されてCSI測定時に用いられてもよいため、1個の垂直方向M−ポートCSI−RSのみ追加されればよい。特に、垂直方向M−ポートCSI−RSはレガシーUEにとってはZP CSI−RSとして取り扱われてもよい。
ただし、L*Mパネルアンテナから、3−次元ビームフォーミングの適用されたPDSCHを受信するようになるという事実を上位層信号であるRRC信号などで事前に受信する必要がある。
CSIフィードバックの場合、水平方向L−ポートCSI−RSと垂直方向M−ポートのそれぞれに対して個別のCSI報告を行うことができる。勿論、RI及び/又はサブバンドはそれぞれに対して共通に適用するという制限を適用することができ、さらに、各方向のCSI−RSの周期及びオフセットも一定区間以内であるという制限を与えることもできる。
又は、垂直方向M−ポートCSI−RSに対してはランク1のM−Tx PMIのみをフィードバックするように制限することもできる。すなわち、ランク1に制限された状態で垂直方向M−Tx PMIをフィードバックすることによって、その後、PDSCH送信時に、垂直方向にこのようなPMIを適用することができる。
又は、L*Mパネルアンテナに対して最適化された単一CSIを定義することもできる。例えば、RIの場合、そのサイズを3ビット以上と定義し、最大ランクとしてL*Mまで支援することができる。さらに、PMIの場合、UEが1個のL−Tx PMIと1個のM−Tx PMIを報告し、eNBが2−次元インターポレーションを適用して最終PMIを算出するようにする場合を考慮することができる。
勿論、クロネッカープロダクト演算子又は他の方式で両行列を2−次元インターポレーションする場合、このような連結方式はeNB及びUE間に共有される必要があるはずである。勿論、CQIは、上記最適化されたRI/PMIが用いられたとき、L*Mパネルアンテナを用いた送信から期待されるCQI値を計算することができる。
勿論、水平方向L−ポートCSI−RSリソースと垂直方向M−ポートCSI−RSリソースが設定される場合にも、端末は、L*Mパネルアンテナの総M個の層のそれぞれに対して個別CSI報告を行うこともできる。勿論、RI及び/又はサブバンドはそれぞれに対して共通に適用するという制限を適用することができ、さらに、各方向のCSI−RSの周期及びオフセットも一定区間以内であるという制限を与えることもできる。特に、サブバンドの場合、特定基準層と同一の値として報告したり報告しなくてもよく、他の情報に取り替える方法を考慮することもできる。
(3)最後に、水平方向にランダム化された垂直方向M−ポートCSI−RSリソース(例えば、1個のCSI−RS)をロング−ターム(long−term)周期に設定し、アンテナポート別RSRP或いは特定形態のアンテナポート別平均電力値をM個報告することができる。これによって、垂直方向のビーム因子決定はロング−ターム周期に、すなわち、半静的に行われるようにすることができる。一方、水平方向のCSIフィードバックは、プリコーディングされていない(或いは、特定プリコーディングが適用された)水平方向L−ポートCSI−RSリソース(例えば、1個のCSI−RS)を既存と同様にショート−ターム(Short−term)周期にシグナルすることができる。
ここで、水平方向にランダム化された垂直方向M−ポートCSI−RSとは、RB別に或いはPRG(Precoding Resource block Group)のような特定周波数リソース単位別に異なった任意の水平方向ビーム因子(beam coefficient)をランダムに選択してCSI−RSシーケンスに適用することによって、水平方向へのビームをランダム化するということを意味する。
このような方式は、垂直方向は半−静的スイッチングの用途にのみ用いられ、その後は、既存と同様に水平方向CSIフィードバックがなされるという点で、上述した(2)に比べて端末複雑度が低減できるという長所がある。
また、水平方向にランダム化された垂直方向M−ポートCSI−RSを受信したUEは、垂直方向の各アンテナポート別に1個のREに集まる(CSI−RSシーケンスにコード分割多重化(CDM)技法が適用されると、2個のRE或いはそれ以上のREに集まる)エネルギーを比較し、エネルギーの大きい垂直方向アンテナポートを一つ選択することができる。或いは、CDMが適用されない場合、水平方向にランダム化された垂直方向1ポートCSI−RSを各層別に1個ずつ総M個を送信し、UEが各CSI−RS別に集まるエネルギーを比較するようにすることもできる。或いは、CDMが適用されて1−ポートCSI−RSがn個のREにCDMされる場合、水平方向にランダム化された垂直方向1−ポートCSI−RSを各層別に1個ずつ総M個を送信し、UEが、各n個のREにCDMされて受信されるCSI−RSをデスクランブリング(descrambling)した後に、CSI−RS別に集まるエネルギーを比較するようにすることもできる。
一方、水平方向のショート−タームL−Tx CSIフィードバックは、基本的に、既存のL−Tx CSIフィードバックと同一に端末が報告することができる。ただし、eNBは、このようなCSIフィードバックを受け、実際に当該UEにPDSCH送信時には、事前に半静的に選択された垂直方向ビームまで適用するはずである。このため、CQI自体はeNB側で補正することができる。このようなeNB側においてのCQI補正の有無を、RRCシグナリング或いはDCIから明示的な方法或いは暗黙的な方法によってUEが事前に認知する必要がある。
或いは、UEは、自身が選択した垂直方向を考慮して、3ビットサイズのRIを過測定(over−estimate)して選択し、それに基づいてPMI/CQIを計算して報告する方式も可能である。すなわち、UEは、自身が半−静的に選択/報告した垂直方向のビームまで考慮してRI/PMI/CQIを計算して報告する。
或いは、UEは、自身が半−静的に選択/報告した垂直方向のビームに対してeNBから特定確認(confirmation)情報を受信することができ、このような確認情報に基づいて、当該垂直方向のビームを実際に適用できる特定時点からこのような垂直方向のビームも考慮してRI/PMI/CQIを計算して報告することができる。
さらに、UEが選択されたアンテナポートのRSRPを勘案してRI/PMI/CQIを計算するようにすることもできる。例えば、各アンテナポート当たりM個のRSRPを平均した値と選択されたアンテナポートのRSRP値との比率を、水平方向L−ポートCSI−RSリソースで知らせるPc(ratio of PDSCH EPRE to CSI−RS EPRE)値に適用して追加のスケーリングを行った後、RI/PMI/CQIを計算するようにすることもできる。
ここで、アンテナポート選択結果は別途に報告せず、水平方向L−Tx CSIフィードバック時に、RI或いはロングターム周期のPMIとの結合エンコーディングによって報告することができる。アンテナポート選択結果は、垂直方向ビームスイッチングに使用するロング−ターム周期の情報であり、よって、他のロング−ターム周期のフィードバック情報との結合エンコーディングによって送信するようにすることによって、別途の報告のためのリソースが消費されないという長所がある。
勿論、垂直方向M−ポートCSI−RSに対してはランク1のM−Tx PMIをさらにフィードバックすることも考慮することができる。すなわち、ランク1に制限された状態で垂直方向M−Tx PMIをフィードバックすることによって、その後のPDSCH送信時に、垂直方向に当該PMIを適用することができる。
2−次元アンテナ配列に対するコードワード−対−レイヤマッピング規則及びCQI計算方案
前述したように、複数個の次元又は方向に対するランク(例えば、Rank_H及びRank_V)が定義される場合、このように複数個の異なった属性のランクの組合せ又は積(product)の形態で最終ランクを決定することができる。以下、これをプロダクトランク(product rank)と称する。
また、プリコーディング行列の決定においても、複数個の次元又は方向に対して最適のPMI(例えば、PMI_H及びPMI_V)を独立して(independently)決定することもでき、プロダクトランクを考慮してそれぞれの次元に対するPMI(例えば、PMI_H及びPMI_V)の積によって決定される最終PMIが最適となるように、上記それぞれの次元に対するPMIを決定することもできる。
このようにプロダクトランクを考慮するCQIを計算又は決定する際に、既存のコードワード−対−レイヤマッピング規則(codeword(CW)−to−layer mapping rule)及び/又は既存のCQI定義及び計算方式をそのまま適用すると、個別次元におけるCQIを決定することはできるが、これは2−次元アンテナ配列による3−次元ビームフォーミングによって構成される実際チャネル状態を正しく反映できないという問題につながる。そこで、本発明では、新しいコードワード−対−レイヤマッピング規則について提案し、これと関連して新しいCQI定義及び計算方式について提案する。
本発明に関する理解を助けるために、既存の複数個のコードワードベースのMIMO送信方式について説明する。
図15は、複数のコードワードベースのMIMO送信構成を説明するためのブロック図である。
空間多重化(spatial multiplexing)を目的に、多重送信ストリーム又は多重送信レイヤ送信方式を適用することができる。個別送信ストリーム/レイヤ又は任意の送信ストリーム/レイヤグループ別にリンク適応(link adaptation)を適用することができる。リンク適応を適用するために、ストリーム/レイヤ(又は、ストリーム/レイヤグループ)別に区別されるMCS(Modulation and Coding Scheme)を適用することができるが、そのために、複数のコードワード(Multiple CodeWord;MCW)ベース送信を行うことができる。
情報ビットは、送信ブロック(TB)の単位にエンコードされ、TBがエンコードされた結果物をコードワード(CW)ということができる。一つ以上のコードワードは、スクランブリング信号を用いてスクランブルすることができる。スクランブリングされたコードワードは、送信信号の種類及び/又はチャネル状態によってBPSK、QPSK、16QAM又は64QAM方式で複素シンボルに変調される。その後、変調された複素シンボルは、一つ以上のレイヤにマップされる。
TB−対−CWのマッピング関係は、次のように定義することができる。例えば、2個の送信ブロックは、TB1及びTB2と表現し、2個のコードワードはCW0及びCW1と表現すると仮定する(又は、2個のコードワードのインデックスをCW1及びCW2と表現することもできる)。2個の送信ブロック(TB1及びTB2)が全て活性化された場合、第1送信ブロック(TB1)は第1コードワード(CW0)に、第2送信ブロック(TB2)は第2コードワード(CW1)にマップすることができる。仮に、送信ブロック−対−コードワードスワップ(swap)が適用される場合には、第1送信ブロック(TB1)を第2コードワード(CW1)に、第2送信ブロック(TB2)を第1コードワード(CW0)にマップすることができる。一方、2個の送信ブロックのいずれか一方が非活性化され、残り一方のみが活性化される場合、活性化された一つの送信ブロックを第1コードワード(CW0)にマップすることができる。すなわち、一つの送信ブロックは一つのコードワードにマップされる関係を有する。また、送信ブロックが非活性化される場合は、送信ブロックのサイズが0である場合を含む。送信ブロックのサイズが0である場合には、当該送信ブロックはコードワードにマップされない。
次に、コードワード−対−レイヤマッピング関係は、送信方式によって、次の表4及び表5のように表すことができる。
上記の表4は、空間多重化(Spatial Multiplexing)方式で信号を送信する場合の例であり、表5は、送信ダイバーシティ(Transmit Diversity)方式で信号を送信する場合の例を示している。また、上記の表4及び表5において、x(a) (i)は、インデックスaを有するレイヤのi番目のシンボルを表し、d(q) (i)は、インデックスqを有するコードワードのi番目のシンボルを表す。上記の表4及び表5における「Number of layers」項目と「Number of codewords」項目から、送信に用いられるコードワード個数及びレイヤ個数のマッピング関係がわかり、「Codeword−to−Layer mapping」項目は、各コードワードのシンボルがどのようにレイヤにマップされるかを示している。
上記の表4及び表5からわかるように、一つのコードワードは一つのレイヤにシンボル単位にマップして送信されてもよいが、表5の2番目の場合のように、一つのコードワードが最大4個のレイヤに分散してマップされてもよい。このように、一つのコードワードが複数のレイヤに分散してマップされる場合、各コードワードを構成するシンボルは、レイヤ別に順次にマップして送信されることがわかる。一方、単一コードワードベース送信の場合には、エンコーダ及び変調ブロックが一つずつしか存在しない。
図15に示すように、レイヤにマップされた信号は、チャネル状態によって選択された所定プリコーディング行列によって一つ以上の送信アンテナポートに割り当てることができる。このように処理したアンテナポート別送信信号は、それぞれ、送信に用いられる時間−周波数リソース要素にマップし、その後、OFDM信号生成を経て送信することができる。
図16は、既存のLTEシステムで定義されるコードワード−対−レイヤマッピングを説明するための図である。
図16では、一つのCWが一つのレイヤにマップされる場合については別のマッピングブロックを図示していないが、CWとレイヤが一対一マップされると理解しなければならない。一つのCWが複数個のレイヤにマップされる場合は、S/P(Serial/Parallel)ブロックで表現する。プリコーディングブロックに入力される信号は、それぞれ、区分されるレイヤを意味する。レイヤは、プリコーディングブロックを経て一つ以上のアンテナポートにマップすることができる。
また、図16で、2個のコードワードが複数個のレイヤにマップされる規則において、可能な限り、2個のコードワードに対して均等な個数のレイヤがマップされるようにすることがわかる。すなわち、レイヤの個数が偶数である場合には、2個のCWに同一個数のレイヤが分けてマップされ、レイヤの個数が奇数である場合には、2個のCWにマップされるレイヤの個数の差が1を超えていない。
図16に示すように、初期送信では、ランク値が1である場合(すなわち、レイヤの個数が1個である場合)には、1個のコードワードが送信されると定義され、ランク値が1を超える場合(すなわち、レイヤの個数が2個以上である場合)には、2個のCWが送信されと定義される。一方、2個のCWを送信したものの、そのいずれかのCWに対しては受信端でデコーティングに成功しない場合(すなわち、NACKが発生した場合)には当該CWを再送信しなければならないが、この場合には、1個のCW送信であっても、2個以上のレイヤを用いて送信することを支援できる。ここで、1個のCWの再送信は、一つのコードワードのみイネーブル(enable)され、残りのコードワードはディセーブル(disable)されることと表現することもできる。
このように、現在定義されているLTE又はLTE−Aシステム(例えば、3GPP LTEリリース−11以前の標準に従う無線通信システム)によれば、N−ポートCSI−RSに対してRIが2以上である場合(すなわち、ランクが1を超える場合)には、CQIは2個のCWに対するCQIとして構成され、RIが1である場合(すなわち、ランクが1である場合)には、CQIが1個のCWに対するCQIとして構成される。
2−次元アンテナ配列を用いた3−次元ビームフォーミングを支援するシステムでは、UEが水平方向(H−方向)のL−ポートCSI−RSに基づくCSI(RI/PMI/CQI)を決定し、垂直方向(V−方向)のM−ポートCSI−RSに基づくCSI(RI/PMI/CQI)を決定して、最終的には3−次元ビームフォーミングに適したCSI(RI/PMI/CQI)を決定しなければならない。
ここで、既存のN−ポートCSI−RSに基づくCQIを決定する方式が、H−方向のL−ポートCSI−RSに基づくCQIにもそのまま適用され、V−方向のM−ポートCSI−RSに基づくCQIにもそのまま適用される場合には、2個を超えるCWを支援することが必要である。一方、3−次元ビームフォーミングを支援するシステムでも2個までのコードワードを支援するとすれば、既存のコードワード−対−レイヤマッピング規則やCQI計算方式はそのまま適用し難い。そこで、本発明では、新しいコードワード−対−レイヤマッピング規則及びCQI計算方式について提案する。
2−次元アンテナ配列に対するCQI計算方案
説明の便宜のために、2−次元アンテナ配列の場合に適用可能なプリコーディング方式においてクロネッカープロダクト(Kronecker product)を用いたプリコーディング方式を取り上げて本発明の実施例について説明する。ただし、本発明の範囲がこれに制限されるわけではなく、他の方式のプリコーディングが適用される場合にも本発明の原理を同様に適用することができる。
例えば、上記の式9のようにH−PMとV−PMのクロネッカープロダクト演算によって最終PMIが
の形態で決定されると仮定する。この場合、最終ランクは、V−PMの基礎となったランク値(すなわち、Rank_V)とH−PMの基礎となったランク値(すなわち、Rank_H)との積によって決定されるため、プロダクトランク(product rank)の形態で最終ランクが決定されるといえる。
ここで、最終PMIが適用される全体アンテナポートの個数が上記の式9の例示のように32個のアンテナポートまで支援するシステム(例えば、8*4形態の2−次元アンテナ配列)を仮定すると、単純には、1,2,3,...,32のいかなる自然数値のランクも支援し、それぞれのランク値に対する全てのPMIをコードブックの形態であらかじめ設計することが、既存のLTEシステムにおけるコードブック設計原理といえる。しかし、このように全てのランク値に対するコードブックを設計することは、大規模アンテナ、3−次元ビームフォーミングなどの環境ではそのオーバーヘッドが過大となり、フィードバック複雑度を招く非効率的な方式となりうる。
このため、プロダクトランク方式では、最終ランクを、RI_VとRI_Hの公倍数に該当する値にのみ決めると、フィードバックオーバーヘッドを減らすことができ、V−PM及びH−PMを選択する上で仮定すべきランク値の候補の個数も減らすことができる。したがって、3−次元ビームフォーミングを支援する一方で、UEのフィードバック複雑度は大きく増加させなくてすむ。
これによって、UEは、H−方向L−ポートCSI−RSに対するRI_H/PMI_H/CQI_H(又は、その一部)を計算及び報告し、V−方向M−ポートCSI−RSに対するRI_V/PMI_V/CQI_V(又は、その一部)を計算及び報告するとすれば、最終ランクは、RI_V*RI_Hのようにプロダクトランク(product rank)値として決定し、最終PMは、PMI_Vから決定されるV−PMとPMI_Hから決定されるH−PMとのクロネッカープロダクト演算結果である
が最適のPMとなるようにするPMI_V及びPMI_Hによって決定することができる。
ここで、プロダクトランクに基づいてRI及びPMIを決定するとすれば、CQI_VとCQI_HをどのようにUEが計算及び報告すべきかについては、次のような2つの方式を考慮することができる。方式1は、UEにトランスペアレント(transparent)にCQI_V及びCQI_Hをそれぞれ独立して決定してフィードバックする方式である。方式2は、UEに非トランスペアレント(non−transparent)に最終RI及び最終PMIを考慮してCQIを決定してフィードバックする方式である。
まず、方式1について具体的に説明する。
方式1によれば、UEは、CQI_VをV−方向M−ポートCSI−RSのみに基づいて(すなわち、H−方向のCSI−RS又はそれから決定されるCSIは考慮しないで)計算することができる。すなわち、CQI_Vを計算するときには、V−方向M−ポートCSI−RSに対して決定されたRI_V及びPMI_Vのみを適用した時に10%のFER(Frame Error Rate)を達成できるCQI_Vを選択することができる。また、CQI_Hは、H−方向L−ポートCSI−RSのみに基づいて(すなわち、V−方向のCSI−RS又はそれから決定されるCSIは考慮しないで)計算することができる。すなわち、CQI_Hを計算するときには、H−方向L−ポートCSI−RSに対して決定されたRI_H及びPMI_Hのみを適用した時に10%のFERを達成できるCQI_Hを選択することができる。このような方式は、CQI_VとCQI_Hを独立して/別途に計算する方式ということができ、これは、既存の1次元アンテナ配列においてN−ポートCSI−RSに基づいてCQIを決定する方式の単純拡張として理解することができる。ただし、CQI_V及びCQI_Hを個別に計算するとき、プロダクトランク方式においてクロネッカープロダクトの形態で決定される最終PMIをさらに考慮することができる。
このような方式によれば、H−方向とV−方向のそれぞれにおいてランク値が1である場合に対するCQI(すなわち、1個のCW送信に対するCQI)はもとより、ランク値が1を超える場合に対するCQI(すなわち、1個を超えるCW送信に対するCQI)も計算することができる。
このように計算されるCQI_H及びCQI_Vは、基地局側で様々に活用することができる。例えば、RI_V=1に基づくCQI_Vが報告されると、基地局にとって、当該CQI_Vの計算の基礎となったPMI_VをV−方向アンテナ要素に適用する場合に得られる利得を決定することができる。また、基地局は、統計的な推定値又は特定規則によって上記CQI_Vを適用する場合に得る利得の程度を予想し、それに基づいて、UEが報告したH−方向のCQI_Hを基地局の立場で補正することができる。すなわち、UEの報告したCQI_Hは、V−方向のプリコーディングによって得られる利得を考慮しないで計算されたものだとすれば、基地局の立場では、CQI_VとCQI_Hを総合的に考慮して、V−方向のプリコーディングが適用される場合に実際に得られるCQI_Hの値を予想することによって、3−次元ビームフォーミングに一層適したプリコーディング行列及びCQIレベルを予測することができる。
更なる例示として、RI_V>1に基づくCQI_Vが報告される場合では、CQI_Vは、2個のCWを仮定して計算されたものである。一方、RI_H=1である場合には、CQI_Hは、1個のCW送信を仮定して計算されたものであり、RI_H>1なら、CQI_Hは、2個のCW送信を仮定して計算されたものである。ここで、最終ランクRIALL(=RI_V*RI_H)は、RI_HよりもRI_V倍増加すると見なすことができる。この場合には、基地局がCQI_Vを考慮してCQI_Hを補正する際に、2個のCWを仮定して計算されたCQI_VにおいてそれぞれのCWに対するCQI値(すなわち、f(CW1)及びf(CW2))の比率によってCQI_Hを補正することができる。具体的に、VALのそれぞれの層にCQI_VのCW1及びCW2のうちいずれのCWがマップされるかを決定し(この時に用いられるコードワード−対−レイヤマッピング規則の詳細については後述する)、当該CWがCQI_Vで占める比率だけCQI_Hを補正することができる。
また、方式1の適用において、UEは、CQI_VとCQI_Hを独立して決定するが、プロダクトランク及びクロネッカープロダクト演算によるPMに対する仮定に基づいてCQIを決定する場合に、UEの自身の受信アンテナ個数などのUEケーパビリティを考慮しなければならない。具体的に、UEは、最終プロダクトランク値がUEの受信可能な最大ランクを超えてはならないという制約(restriction)を考慮してRI/PMI/CQIを計算することができる。
例えば、UEが最大に受信可能なアンテナ個数(又は、これと関連したパラメータ)又はUEが最大に支援可能なランク値(又は、レイヤ個数)に対するケーパビリティ情報を定義することができる。このようなケーパビリティ情報は、基地局の要請に応じて、UEが初期接続を行う際に、特定イベントが発生する際に、又はあらかじめ約束された規則に従って、UEから基地局に提供することができる。
UEは、自身の最大支援可能ランク値(すなわち、プロダクトランクの観点で最大支援可能なランク値)以下となるようにRI_H及びRI_Vを選択しなければならないという制約を考慮してH−方向及びV−方向のそれぞれに対するCSIを計算することができる。又は、基地局からの指示がある場合にのみ(例えば、上位層(RRC)シグナリングによって又はDCIによる動的シグナリングによって)UEの最大支援可能ランク値の制約を考慮してCSIを計算することができる。
すなわち、方式1によってUEがCQI_V及びCQI_Hをそれぞれ独立して決定して別途にフィードバックしても、最終ランクRIALL(=RI_H*RI_V)がUEの最大支援ランク値を越えてはならないという制約を考慮してRI_H及びRI_Vを選択しなければならず、このようなランクに基づいてその他のCSI(例えば、PMI_H、PMI_V、CQI_H、CQI_Vなど)を計算及び報告することができる。
次に、方式2について具体的に説明する。
UEは、プロダクトランク及びクロネッカープロダクトの形態で決定される最終PMに対する仮定に基づいて2−次元アンテナ配列に対する(すなわち、H−方向とV−方向のチャネル特性を同時に考慮した)CQIを計算することができる。具体的に、UEは、H−方向L−ポートCSI−RSに基づいてチャネルを測定してチャネル行列H
Hを推定し、V−方向M−ポートCSI−RSに基づいてチャネルを測定してチャネル行列H
Vを推定することができる。これによって、2−次元アンテナ配列(すなわち、L*Mパネルアンテナ構造)に対する全体チャネル行列を、H
H及びH
Vを用いて推定することができる。例えば、H
H及びH
Vのインターポレーションによって全体チャネル行列H
ALLを推定するとすれば、
と表現することができる。
このようにUEが推定したHALLに対して、UEは、上記最終プロダクトランク及びクロネッカープロダクトの形態の最終PMを仮定して最適のRI_V/PMI_V/CQI_V及びRI_H/PMI_H/CQI_Hを計算することができる。この時には、UEの受信器ビームフォーミング仮定(例えば、MMSE(Minimum Mean Square Error)、MMSE−IRC(Interference Rejection Combiner)など)をさらに考慮してそれぞれのレイヤ(又は、それぞれのランク)別に受信SINR(Signal−to−Interference plus Noise Ratio)を計算することができる。
このような複数個のレイヤに対するSINR値の中から、所定のグループに属するレイヤに対するSINR値の平均(average)を取ったSINR値に基づいてCQI値を計算することができる。ここで、上記所定のグループに属したレイヤは、同一の一つのCWにマップされるレイヤと定義することができる。いずれのレイヤがいずれのCWにマップされるかによって上記SINR平均値が変わるので、コードワード−対−レイヤマッピング規則をどのように定めるかが重要である。これに関する本発明の実施例については後で詳述する。
このような方式2は、UEがH−方向のCSI−RSにのみ基づいてHHを推定し、V−方向のCSI−RSにのみ基づいてHVを推定した後に、HH及びHVに基づいてさらに推定される全体チャネル行列HALLに基づいてCSIを計算することと理解できる。したがって、いくつかの部分チャネル行列(例えば、HH及びHV)の組合せによって推定された全体チャネル行列HALLは、実際のチャネル状態を大きな誤差無く反映できる環境に、より適切に用いることができる。例えば、基地局は、現在チャネル環境が、前述したようなチャネル環境であるか判断し、そうである場合にのみ、UEが方式2に従ってCSIを計算及びフィードバックするように設定することもできる。
また、方式2に従って、特定CWにマップされるレイヤに対するSINR平均によって決定されるCQIは、CQI_Hのみとして計算/報告されたり、CQI_Vのみとして計算/報告されたり、又はCQI_H及びCQI_Vが別個として計算/報告されたり、CQI_HとCQI_Vを区分しない全体CQIであるCQIALLとして計算/報告されてもよい。いずれの方式でCQIを計算/報告するかは、コードワード−対−レイヤマッピング規則に従って別々に適用することができ、その詳細については後述する。
2−次元アンテナ配列に対するコードワード−対−レイヤマッピング方案
前述したように、UEは、RankALL(例えば、RI_Hによって指示されるRank_HとRI_Vによって指示されるRank_Vとのプロダクトランク値)及びPMALL(例えば、PMI_Hによって指示されるH−PMとPMI_Vによって指示されるV−PMとのクロネッカープロダクト演算によって決定されるPM)を決定することができる。また、UEは、受信器ビームフォーミングもさらに考慮してRankALL及びPMALLを決定することができる。以下では、表現の簡明化のために、RIALLは、RankALLを示す値又はRankALL値そのものを意味し、PMIALLは、PMALLを示す値又はPMALLそのものを意味すると定義する。
ここで、UEは、RIALL個のレイヤ(又は、ストリーム)のそれぞれに対して最適のSINR値を計算することができる。ここで、RIALL個のレイヤに対応するRIALL個のSINR値の中からいかなるSINR値同士の平均を取ってCW別CQI値を計算するかは、コードワード−対−レイヤマッピング規則に従って決定することができる。
図17は、本発明に係るコードワード−対−レイヤマッピング規則の例示を説明するための図である。
図17では、コードワード−対−レイヤマッピング規則に対する3つの例示的なオプションであるOption 1、Option 2及びOption 3を示している。コードワード−対−レイヤマッピング関係について説明する前に、まず、2−次元アンテナ配列の例示を挙げてランク、アンテナポート、レイヤの相互関係について簡略に説明する。
基地局の2−次元アンテナ配列は、V−方向にM個のアンテナポート、H−方向にL個のアンテナポートで構成されると仮定する。これによって、アンテナドメイン(又は、アンテナポートドメイン)でM*L行列によって2−次元アンテナ配列を表現することができる。
また、V−方向のプリコーディング行列であるV−PMは、V−方向におけるレイヤ−対−アンテナポートマッピング関係を定義する。例えば、V−方向にRI_V個のレイヤが存在する場合、V−PMは、M*RI_V行列と表現することができる。また、H−方向のプリコーディング行列であるH−PMは、H−方向におけるレイヤ−対−アンテナポートマッピング関係を定義する。例えば、H−方向にRI_H個のレイヤが存在する場合、H−PMは、L*RI_H行列と表現することができる。
次に、レイヤドメイン観点からすれば、2−次元アンテナ配列によって形成可能なレイヤは、RI_V*RI_H行列によって表現することができる。この場合、RI_V*RI_H個の互いに区分されるレイヤを特定することができる。すなわち、RI_V*RI_H行列の要素のそれぞれは、一つのレイヤに該当する。また、CQI計算においていずれのレイヤのSINR値の平均を取るべきかとの観点では、RI_V*RI_H行列の要素のそれぞれは、当該レイヤのSINR値と見なすことができる。
ここで、いずれのレイヤがいずれのコードワードにマップされるかは、様々な方式で定義することができる。その例示を図式化したものが、図17のOption 1,Option 2、Option 3である。
Option 1は、RI_H方向でのみCW1とCW2を区分する例示である。すなわち、H−方向で定義される複数個のレイヤは、CW1とCW2に分けて(例えば、図16のように、可能なかぎり均等に分散して)マップされる。一方、V−方向で定義されるレイヤはCW1とCW2のいずれか一方のみにマップされる(すなわち、CW1とCW2に分散マップされない)。
Option 2は、RI_V方向でのみCW1とCW2を区分する例示である。すなわち、V−方向で定義される複数個のレイヤは、CW1とCW2に分けて(例えば、図16のように、可能なかぎり均等に分散して)マップされる。一方、H−方向で定義されるレイヤは、CW1とCW2のいずれか一方のみにマップされる(すなわち、CW1とCW2に分散マップされない)。
Option 3は、既存のLTE標準における最大2個のTBという制限を越えて、3個以上のTBを支援するシステムで適用し得る例示である。この場合、3個以上のTBのそれぞれに対してCWを生成し、これによって3個以上のCWを、Option 3で示すように、H−方向及びV−方向の両方においてCWにできるだけ均等に分散してマップすることができる。又は、TBとCWのマッピング関係を新しく定めてもよい。このように拡張された個数のTBを支援する場合にも、最大支援可能なTBの個数をあらかじめ定めることができる。例えば、Option 3のように最大支援可能なTBの個数を4にすることができる。このような場合、RIALL(=RI_H*RI_V)の総レイヤ要素の個数に対して、あらかじめ定められた特定規則に従ってレイヤインデックス(すなわち、1,2,3,...,RIALL)を与えることができる。
以下、図17のコードワード−対−レイヤマッピングにおいてOption 1及びOption 2についてより詳しく説明する。
CQI計算の観点において、Option 1の場合は、各列別にSINR値を(すなわち、H−方向で同一列に該当する要素を)平均化することと表現することができる。Option 2の場合は、各行別にSINR値を(すなわち、V−方向で同一行に該当する要素を)平均化することと表現することができる。
その後、Option 1の場合は、H−方向では、CW1に該当する列グループに属した要素のSINRを平均化してCW1に対するCQIを決定し、CW2に該当する列グループに属した要素のSINRを平均化してCW2に対するCQIを決定することと表現することができる。Option 2の場合は、V−方向では、CW1に該当する行グループに属した要素のSINRを平均化してCW1に対するCQIを決定し、CW2に該当する行グループに属した要素のSINRを平均化してCW2に対するCQIを決定することと表現することができる。
すなわち、CQI計算の観点で、Option 1は、RI_V方向では全てのレイヤに該当するSINR値が平均化されているとすれば、RI_H方向にのみCW−対−レイヤマッピングを考慮してCQIを計算することと表現することができる。これによって、最終CQIは、H−方向における2個のCWに対するCQIとして計算することができる。
同様に、Option 2は、RI_H方向では全てのレイヤに該当するSINR値が平均化されているとすれば、RI_V方向にのみCW−対−レイヤマッピングを考慮してCQIを計算することと表現することができる。これによって、最終CQIは、V−方向における2個のCWに対するCQIとして計算することができる。
これによって、UEが報告すべきフィードバックコンテンツとしては、RI_H、RI_V、PMI_H、PMI_Vを含み、さらに、一つのCQIを報告することができる。すなわち、CQIは、CQI_V及びCQI_Hを別個に計算及び報告せず、一つの最終CQI(例えば、CQIALL)として計算及び報告することができる。すなわち、Option 1によれば、CQI_H’がCQIALLに該当し、Option 2によれば、CQI_V’がCQIALLに該当してもよい。ここで、Option 1によるCQI_H’は、V−方向のチャネル特性を考慮せず、上記の方式1によってH−方向のみを考慮して計算されたCQI_Hと同一のものではなく、Option 2によるCQI_V’も、H−方向のチャネル特性を考慮せず、上記の方式1によってV−方向のみを考慮して計算されたCQI_Vと同一のものではないことに注意されたい。
一方、CSIフィードバック送信方式には、非周期的(aperiodic)CSIフィードバックと周期的(periodic)CSIフィードバックとがある。非周期的CSIフィードバックは、基地局の要請のような特定イベントが発生した場合に、CSIフィードバック情報を送信する方式である。周期的CSIフィードバックは、あらかじめ定められた送信時点で制限された容量のコンテナ(container)を用いてCSIを送信する方式である。
非周期的CSIフィードバックにおいては、上記のような本発明で提案する5つのフィードバックコンテンツ(すなわち、RI_H、RI_V、PMI_H、PMI_V、及びCQIALL)の全て或いは一部を一つのサブフレーム上で報告することができる。
非周期的CSIフィードバックは、例えば、PUSCHを介して送信されることから送信容量の余裕があるが、周期的CSIフィードバックは、PUCCHを介して送信され、送信容量に制限があるため、CSIタイプ別に送信時点(例えば、送信周期、オフセットなど)が所定の規則にしたがってあらかじめ定められなければならない。
したがって、前述したように、5つのフィードバックコンテンツが構成される場合のために、周期的CSIフィードバック設定が新しく設計される必要がある。
本発明によれば、RI_H及びRI_Vに対して別々の周期及び/又はオフセットを適用することができる。例えば、RI_H及びRI_Vの送信周期は同一であるが、互いに異なるオフセットが設定されて異なった時点で送信されるようにすることができる。又は、RI_H及びRI_Vの送信周期と送信オフセットが同一に設定され、RI_H及びRI_Vが同一時点で多重化(multiplex)して送信されてもよい。又は、RI_H及びRI_Vの送信周期も互いに異なるように設定し、送信オフセットも互いに異なるように設定してもよい。
次に、PMI_H及びPMI_Vに対して別々の周期及び/又はオフセットを適用することができる。例えば、PMI_H及びPMI_Vの送信周期は同一であるが、互いに異なるオフセットが設定されて異なった時点で送信されるようにすることができる。又は、PMI_H及びPMI_Vの送信周期と送信オフセットが同一であり、同一の時点で多重化して送信されてもよい。又は、PMI_H及びPMI_Vの送信周期も互いに異なり、送信オフセットも互いに異なるように設定してもよい。さらに、PMI_Hの送信時点は、RI_Hの送信周期に基づいて設定し(例えば、RI_H送信のNサイクル間にPMI_HがX回送信されるように設定し、RI_Hの送信時点を基準にPMI_Hのオフセットを設定することができる。)、PMI_Vの送信時点はRI_Vの送信周期に基づいて設定することができる。
次に、CQIALL(すなわち、Option 1によれば最大2CWに対するCQI_H’のみ、又はOption 2によれば最大2CWに対するCQI_V’のみ)の送信時点は、特定周期及びオフセットによって決定することができる。例えば、Option 1によってCQI_H’を送信される場合には、PMI_Hの送信周期/オフセットに基づいてPMI_Hと共に多重化して送信されたり、他の時点に分離(disjoint)して送信されるように設定することができる。又は、Option 2によってCQI_V’が送信される場合には、PMI_Vの送信周期/オフセットに基づいてPMI_Vと共に多重化して送信されたり、他の時点に分離して送信されるように設定することができる。
すなわち、CQI_H’及びCQI_V’の両方を報告する必要はなく、Option 1又はOption 2のいずれのコードワード−対−レイヤマッピング方式であるかによってCQI_H’又はCQI_V’のいずれか一方のみを報告するように周期的フィードバック設定を設計することができる。
Option 1によってCQI_H’のみが報告される場合には、CQI_V’が送信されるように設計された時点でCQI_V’は送信されない(これを、CQI_V’がドロップ(drop)すると表現することができる)。同様に、Option 2によってCQI_V’のみが報告される場合には、CQI_H’が送信されるように設計された時点でCQI_H’は送信されない(これを、CQI_H’がドロップすると表現することができる)。
言い換えると、コードワード−対−レイヤマッピング規則の候補によってあらかじめCQIALLの送信時点(例えば、Option 1によるCQI_H’の送信時点とOption 2によるCQI_V’の送信時点との和集合)が定義され、いずれの候補が適用されるかによってその一部の送信時点でのみ(例えば、Option 1に従う場合にはCQI_H’の送信時点でのみ、又はOption 2に従う場合にはCQI_V’の送信時点でのみ)CQIALLが送信され、残りの送信時点では(例えば、Option 1に従う場合にはCQI_V’の送信時点、又はOption 2に従う場合にはCQI_H’の送信時点)ではCQIALLが送信されない(又は、CQIALLがドロップする)。
更なる例示として、UEがコードワード−対−レイヤマッピングの全ての候補を仮定してそれによるCQIをそれぞれ計算し、計算されたCQIの全てを報告する方案を適用することもできる。
例えば、UEは、RI_H、RI_V、PMI_H及びPMI_Vを決定し、Option 1のコードワード−対−レイヤマッピングが適用される場合を仮定してCQI_H’を計算し、またOption 2のコードワード−対−レイヤマッピングが適用される場合を仮定してCQI_V’を計算する。そして、実際にいずれのコードワード−対−レイヤマッピング規則が適用されるかにかかわらず、CQI_H’及びCQI_V’のそれぞれをOption 1及びOption 2の場合のために設計された送信時点で基地局に報告することができる。すなわち、CQI_H’及びCQI_V’のいずれもドロップしないで送信すると表現することができる。
これによって、基地局では、CQI_H’及びCQI_V’のいずれかのCQIを選択的に用いたり、両者を考慮して最も適したCQIを決定することもできる。また、基地局は、コードワード−対−レイヤマッピング規則の候補のうちいずれの候補を用いるのが最も好適であるかを決定することができる。基地局が決定したコードワード−対−レイヤマッピング規則をUEに知らせ、それに基づいて下りリンク信号のスケジューリングを行うことができる。基地局の決定したコードワード−対−レイヤマッピング規則は、準−静的(semi−static)に(例えば、上位層(例えば、RRC)シグナリングによって)又は動的(dynamic)に(例えば、DCIによって)UEに知らせることができる。これによって、UEは、いずれのコードワード−対−レイヤマッピング規則が適用されたかを確認し、それに基づいて下りリンク信号を正しくデコードすることができる。
図18は、本発明に係るコードワード−対−レイヤマッピング規則の更なる例示を説明するための図である。
図18のOption 1a及びOption 2aの例示は、それぞれ、図17のOption 1及びOption 2を拡張したものと理解することができる。図18の例示では、RI_H=5及びRI_V=3のレイヤドメイン行列で、総RIALL=15個のレイヤ要素(又は、レイヤに該当するSINR値)のインデックスを行優先(row first)方式で1,2,3,...,15としている。このようなレイヤインデックスは例示に過ぎず、列優先方式でレイヤインデックスを与えることもでき、他の方式でレイヤインデックスを与えることもできる。レイヤインデックスをつける様々な方式については、図21を参照して後述する。
Option 1aは、Option 1と同様に、主に、RI_H方向でCW1とCW2を区分してコードワード−対−レイヤマッピングを行う。但し、Option 1がレイヤ要素を列(column)の単位にCW1とCW2にできるだけ均等に分けてマップする方式だといえば、Option 1aは全体RIALL個のレイヤ要素をCW1とCW2にできるだけ均等に分けてマップする方式だといえる。このため、第1及び第2列のレイヤ要素(例えば、レイヤインデックス1,6,11,2,7,12)はいずれもCW1にマップされ、第4及び第5列のレイヤ要素(例えば、レイヤインデックス4,9,14,5,1015)はいずれもCW2にマップされるが、第3列の3個のレイヤ要素のうちの1つ(例えば、レイヤインデックス3)はCW1に、2つ(例えば、レイヤインデックス8,13)はCW2にマップされるように設定することができる。これによって、全体15個のレイヤ要素のうちの7個はCW1に、8個はCW2にマップされる。仮に、全体レイヤ要素の個数が偶数であれば、CW1とCW2に同一個数のレイヤ要素がマップされるはずである。
Option 2aは、Option 2と同様に、主に、RI_V方向でCW1とCW2を区分してコードワード−対−レイヤマッピングを行う。但し、Option 2がレイヤ要素を行(row)の単位にCW1とCW2にできるだけ均等に分けてマップする方式だといえば、Option 2aは全体RIALL個のレイヤ要素をCW1とCW2にできるだけ均等に分けてマップする方式といえる。このため、上から第1行のレイヤ要素(例えば、レイヤインデックス1,2,3,4,5)はいずれもCW1にマップされ、位から第3行のレイヤ要素(例えば、レイヤインデックス11,12,13,14,15)はいずれもCW2にマップされるが、第2行の5個のレイヤ要素のうち2つ(例えば、レイヤインデックス6,7)はCW1に、3つ(例えば、レイヤインデックス8,9,10)はCW2にマップされるように設定することができる。これによって、全体15個のレイヤ要素のうちの7個はCW1に、8個はCW2にマップされる。全体レイヤ要素の個数が偶数であれば、CW1とCW2に同一個数のレイヤ要素がマップされるはずである。
これによって、CW1にマップされるレイヤ要素の集合であるSet 1に該当するSINR値を平均してCW1に対するCQIを計算し、CW2にマップされるレイヤ要素の集合であるSet 2に該当するSINR値を平均してCW2に対するCQIを計算することができる。また、全体RIALL個のSINR値のうちSet 1とSet 2ができるだけ均等な個数の要素を含むようにするマッピング方式は、Option 1a又はOption 2aの他にも、様々な方式とあらかじめ定義されてもよく、いずれのマッピング方式が適用されるかは、基地局が上位層シグナリング又は動的シグナリングによってUEに知らせることができる。
すなわち、本発明で提案するコードワード−対−レイヤマッピング方式は、RI_H及びRI_Vで定義される2−次元レイヤドメインにおいて、CW1及びCW2にマップされるレイヤ要素を、所定の2−次元的な境界線で区分される領域と定義する様々な方式を含み、それぞれの領域に属したレイヤ要素に該当するSINR値を平均化して該当のコードワードに対するCQIを計算することを含む。
図19は、本発明に係るコードワード−対−レイヤマッピング規則の更なる例示を説明するための図である。
Option 1bは、Option 1又はOption 1aと同様に、主にRI_H方向を基準にコードワード−対−レイヤマッピングを適用する。但し、Option 1bでは、CWにマップされるレイヤ要素を行別にスイッチングすることができる。具体的に、Option 1bの上から第1行に属した5個のレイヤ要素をできるだけ均等にCW1とCW2に分散マップする方式として、2個のレイヤ要素はCW1に、3個のレイヤ要素はCW2にマップすることを仮定することができる。次に、上から第2行に属した5個のレイヤ要素に対しては、2個のレイヤ要素はCW2に、3個のレイヤ要素はCW1にマッピングすることができる。次に、上から第3行に属した5個のレイヤ要素に対しては、2個のレイヤ要素はCW1に、3個のレイヤ要素はCW2にマップすることができる。このように、一つの行に属したRI_H方向のコードワード−対−レイヤマッピング方式は、従来の技術(例えば、図16)と同様に適用するが、互いに異なる行ではCW1とCW2の順序が変更又はスイッチングされるように配置することができる。これによって、それぞれのコードワードにマップされるレイヤのビーム方向のダイバーシティを向上させることができる。
Option 2bは、Option 2又はOption 2aと同様に、主に、RI_V方向を基準にコードワード−対−レイヤマッピングを適用する。但し、Option 2bでは、CWにマップされるレイヤ要素を列別にスイッチングすることができる。具体的に、Option 2bの第1列に属した3個のレイヤ要素をできるだけ均等にCW1とCW2に分散マップする方式として、1個のレイヤ要素はCW1に、2個のレイヤ要素はCW2にマップすることを仮定することができる。次に、第2列に属した3個のレイヤ要素に対しては、1個のレイヤ要素はCW2に、2個のレイヤ要素はCW1にマップすることができる。次に、第3列に属した3個のレイヤ要素に対しては、1個のレイヤ要素はCW1に、2個のレイヤ要素はCW2にマップすることができる。次に、第4列に属した3個のレイヤ要素に対しては、1個のレイヤ要素はCW2に、2個のレイヤ要素はCW1にマップすることができる。次に、第5列に属した3個のレイヤ要素に対しては、1個のレイヤ要素はCW1に、2個のレイヤ要素はCW2にマップすることができる。このように、一つの列に属したRI_V方向のコードワード−対−レイヤマッピング方式は、従来の技術(例えば、図16)と同様に適用するが、互いに異なる列ではCW1とCW2の順序が変更又はスイッチングされるように配置することができる。これによって、それぞれのコードワードにマップされるレイヤのビーム方向のダイバーシティを向上させることができる。
図19の例示で提案するようなコードワード−対−レイヤマッピング規則が適用されるか、いずれのマッピング方式が適用されるかは、上位層シグナリング又は動的シグナリングを用いてUEに知らせることができる。
前述した本発明の様々な例示において、いずれのコードワード−対−レイヤマッピング規則が適用されるかは基地局がUEに動的シグナリング(例えば、DCI)を用いて知らせることができるが、このような動的シグナリングは、非周期的CSIフィードバックをトリガーする情報を含むこともできる。
また、前述した本発明の様々な例示によるコードワード−対−レイヤマッピングに関する情報は、初期送信又は再送信に対して指示されてもよい。
図20は、本発明に係るレイヤインデックスマッピング方式を説明するための図である。
図20の例示のうち、Alt 1a、Alt 1b、Alt 2a、Alt 2bは行優先でレイヤインデックスを与える方式であり、Alt 3a、Alt 3b、Alt 4a、Alt 4bは行優先でレイヤインデックスを与える方式である。行優先方式は、レイヤドメイン行列(例えば、RI_V*RI_H行列)で一つの行に属した要素にレイヤインデックスを全てつけた後に、次の行に属した要素にレイヤインデックスを与える方式である。同様に、列優先方式は、レイヤドメイン行列で一つの列に属した要素にレイヤインデックスを全てつけた後に、次の列に属した要素にレイヤインデックスをつける方式である。これによって、全体RIALL個のレイヤ要素に1,2,3,...,RIALL(RI_V*RI_H)のインデックスを与えることができる。
図20のRI_V*RI_H行列で、RI_Vは、下から上にランク値が高くなる順に整列され、RI_Hは、左から右にランク値が高くなる順に整列されており、これを基準にそれぞれの例示について説明する。
Alt 1aは、それぞれの行において、RI_H方向に、低いランクから高いランクの順序でレイヤインデックスを与え、RI_V方向では高いランクから低いランクの順序でレイヤインデックスを与える方式である。具体的に、RI_V方向で最も高いランクに該当する行(図20で、上から第1行)のレイヤ要素のうち、RI_H方向に最も低いランクの要素には1のインデックスが与えられ、順に1の増分を持つインデックスが与えられ、最後のレイヤ要素にはRI_Hのインデックスが与えられる。次の行(すなわち、RI_V方向で2番目に高いランクに該当する行)のレイヤ要素にRI_H+1,RI_H+2,...,2RI_Hのインデックスが与えられる。最後の行(すなわち、RI_V方向で最も低いランクに該当する行)のレイヤ要素には、(RI_V−1)*RI_H+1,(RI_V−1)*RI_H+2,...,RI_V*RI_Hのインデックスが与えられる。
Alt 1bは、それぞれの行でRI_H方向に高いランクから低いランクの順序でレイヤインデックスを与え、RI_V方向では低いランクから高いランクの順序でレイヤインデックスを与える方式である。
Alt 2aは、それぞれの行でRI_H方向に高いランクから低いランクの順序でレイヤインデックスを与え、RI_V方向でも高いランクから低いランクの順序でレイヤインデックスを与える方式である。
Alt 2bは、それぞれの行でRI_H方向に低いランクから高いランクの順序でレイヤインデックスを与え、RI_V方向でも低いランクから高いランクの順序でレイヤインデックスを与える方式である。
Alt 3aは、それぞれの列で、RI_V方向に低いランクから高いランクの順序でレイヤインデックスを与え、RI_H方向でも低いランクから高いランクの順序でレイヤインデックスを与える方式である。
Alt 3bは、それぞれの列でRI_V方向に高いランクから低いランクの順序でレイヤインデックスを与え、RI_H方向でも高いランクから低いランクの順序でレイヤインデックスを与える方式である。
Alt 4aは、それぞれの列でRI_V方向に高いランクから低いランクの順序でレイヤインデックスを与え、RI_H方向では低いランクから高いランクの順序でレイヤインデックスを与える方式である。
Alt 4bは、それぞれの列でRI_V方向に低いランクから高いランクの順序でレイヤインデックスを与え、RI_H方向では高いランクから低いランクの順序でレイヤインデックスを与える方式である。
このような様々なレイヤインデックスマッピングパターンは、あらかじめ定義しておくことができ、いずれのレイヤインデックスマッピングパターンが適用されるかは、基地局がUEに上位層シグナリングなどを用いて知らせることができる。また、図20の例示に制限されず、本発明の範囲は、2−次元レイヤドメイン行列のレイヤ要素を互いに区別するようにインデックスを割り当てる様々な方式を含む。
図21乃至図23は、最大4個のコードワードが支援される場合の、本発明に係るコードワード−対−レイヤマッピングの例示を示す図である。
例えば、最大4個のコードワードを支援するシステムにおけるコードワード−対−レイヤマッピングは、レイヤドメイン2−次元行列において図20のような方式でレイヤインデックスが与えられ、図17のOption 3のような方式によって、いずれのレイヤ要素がいずれのコードワードにマップされるかを定義する方式として決定することができる。ここで、図17のOption 3は、単なる例示であり、様々な方式でコードワード−対−レイヤマッピングを定義することができる。
図21乃至図23の例示では、最大支援可能なTBの個数が4であり、RI_Hは、1,2,3,...,8の中の一つの値を有し、RI_Vは、1,2,3,...,8の中の一つの値を有する場合に、PRI(product RI)値は1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,12,14,15,16,18,...,64の中の一つを有することができる。ここで、PRI値はRI_V*RI_Hと定義されることから、上記の例示で11,13,17,19,23,...の値を有しない点に留意されたい。
図21乃至図23の例示では、複数個のコードワードのそれぞれにマップされるレイヤの個数をできるだけ均等に分配している。
一方、図21の例示では、再送信(ReTx)の場合、初期送信ではPRI>1(すなわち、PRIが2以上)の多重コードワード送信が行われたが、そのいずれか一つのコードワードが受信端で成功的にデコードされず、当該一つのコードワードに対する再送信が行われる際、一つのコードワードが2、3又は4個のレイヤにマップされることを示している。ここで、一つのコードワードの再送信は、一つのコードワードのみがイネーブル(enable)され、残りのコードワードはディセーブル(disable)されることと表現することもできる。一つのコードワードの再送信(又は、一つのコードワードのみイネーブルされ、残りのコードワードはディセーブルされる)の場合のコードワード−対−レイヤマッピングは、図21の一部に対してのみ示しているが、図22又は図23におけるより高いランクの送信においても、2個又は3個のコードワードの再送信(又は、複数個のコードワードはイネーブルされ、残りのコードワードはディセーブルされる)に対して同様に適用可能である。
前述したような本発明で提案するコードワード−対−レイヤマッピング方式について、図15の信号処理過程に従って具体的に説明する。
図15と同様に、2個のコードワードのエンコードされたビットに対するスクランブリング過程、及びスクランブルされたビットに対する変調過程を行うことができる。ただし、2つ以上のコードワードが支援される場合には、複数個のコードワードのそれぞれに対してスクランブリング及び変調を行うことができる。
複素変調シンボルのブロックがレイヤマッパー(layer mapper)に入力される。レイヤマッパーの出力を行列X(i)と表現するものとする。
以下では、行列X(i)のそれぞれの元素を単一インデックス変数で表記する方式(すなわち、構造1)と、複数インデックス変数の対で表記する方式(構造2)とに分けて説明する。
例えば、空間多重化(spatial multiplexing)に対するレイヤマッピングの場合には、従来の方式による上記の表4のコードワード−対−レイヤマッピング規則を、下記の表6のように、2−次元アンテナ配列(又は、3−次元ビームフォーミング)を支援するMIMO送信構造に適した形態と新しく定義することができる。
上記の表6で、「Number of codewords」項目には、2コードワードに対する例示と4コードワードに対する例示も含む。すなわち、本発明に係るコードワード−対−レイヤマッピング規則は、2以上の個数のコードワードにも適用することができる。
また、上記の表6における「Number of layers」項目の値は、本発明のプロダクトランク(product rank)の値(すなわち、PRI又はRIALL)の値と定義される。すなわち、PRI値は、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,12,14,15,16,18,...,64の中の一つを有することができ、11,13,17,19,23,...の値を有しない。
上記の表6ではPRI=14の場合のみまで2CW又は4CWに対するコードワード−対−レイヤマッピングを例示しているが、これに制限されず、PRI=15,16,18,20,21,...の場合における2以上の個数のコードワードに対しても、同様の原理でコードワード−対−レイヤマッピング規則が定められてもよい。
本発明に係る行列レイヤドメインX(i)は、式10のように表現することができる。
上記の式10は一つの例示に過ぎず、行列X(i)は、RI_H個の行とRI_V個の列を有する行列とすることもでき、これによって、
及び行列X(i)のマッピング関係も異なるように定義されてもよい。
本発明で提案する3−次元ビームフォーミングのためのプリコーディング構造において、図17で示すプリコーディング行列V−PM及びH−PMをそれぞれ、行列WH(i)及びWV(i)と表記することができる。また、プリコーディング行列WH(i)及びWV(i)は、上記行列X(i)の前後で掛けられる。ここで、後ろで掛けられるプリコーディング行列は、トランスポーズ(transpose)を取る。行列X(i)がRI_H*RI_Vサイズの行列であるか、又はRI_V*RI_Hサイズの行列であるかによって、WH(i)及びWV(i)がX(i)に掛けられる位置を替えることができる。
例えば、ベクトルのブロックy(i)は、式11のように定義することができる。
上記の式11で、プリコーディング行列W
H(i)は、L*RI_Hサイズの行列であり、プリコーディング行列W
V(i)は、M*RI_Vサイズの行列である。P=L*Mである。
ここで、WH(i)とWV(i)の位置及びRI_HとRI_Vの位置などは互いに置き換わってもよいことは自明である。すなわち、上記の例示は、説明の便宜上、WH(i)を従来のプリコーディング行列の位置に対応付けて記述したものであるが、H方向とV方向は互いに対称なものであるから、いずれの方向に関係したパラメータを先に記述するかによって、関連した数式は対称的に変形されうるはずである。
上記の式10のように、レイヤマッパーの出力をベクトル形態ではなく行列X(i)形態で表し、3−次元ビームフォーミングのためのプリコーディング行列WH(i)とWV(i)を行列X(i)の前/後に掛ける形態の構造によって、本発明で提案する様々な方式のコードワード−対−レイヤマッピング規則が数式で表現しやすい。また、プリコーディング行列WH(i)とWV(i)のそれぞれが、式11のように一般的な行列演算で表現されるため、クロネッカープロダクトを用いて表現する方式に比べて、プリコーディング行列のそれぞれの個別的な特性を分析及び最適化し、より効率的なUE動作に適したプリコーディング行列が設計しやすい。
また、上記の式10及び式11で提案する構造によってレイヤマッピング及びプリコーディングが、上記の表6で表すようなコードワード−対−レイヤマッピング規則と一致するように、上記の式10でインデックスrが行優先で(例えば、図20のAlt 1aのように)与えられるようにすることができる。
次に、構造2は、レイヤマッパーの出力行列X(i)のそれぞれの元素を複数のインデックス変数(例えば、rH及びrV)で表記する方法といえる。
構造2によれば、レイヤマッパーの出力行列X(i)を式12のように表現することができる。
上記の式12で、rH=0,1,...,RI_H−1であり、rV=0,1,...,RI_V−1である。
上記の式12のようにX(i)が表現される場合にも、上記の式11及びそれと関連した説明を同一に適用することができる。
また、上記の式12のように表現されるX(i)のそれぞれの元素に対して、本発明で提案する様々なコードワード−対−レイヤマッピング規則を適用することができる。例えば、上記の表4のような空間多重化に対するコードワード−対−レイヤマッピング規則を、下記の表7のような形態と新しく定義することができる。
上記の表7で、「Number of codewords」項目では、2個のコードワードに対する例示だけでなく、図22又は図23のような4コードワードに対する例示も含む。すなわち、本発明は、2コードワード以上の複数個のコードワード(例えば、N CWs)に対しても、上記の表7で表すように、コードワード−対−レイヤマッピング規則を適用することができる。
また、表7で、「Number of layers」項目は、本発明で定義するプロダクトランク(又は、RI
ALL)値に該当し、
と定義されるため、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,12,14,15,16,18,...,64の中の一つを有することができる。ここで、上記の例示で、11,13,17,19,23,...の値を有しない点に留意されたい。
また、表7では、初期送信の場合のみを説明しており、1レイヤ送信又は再送信の場合には、図21や表6で例示的に説明した事項をそのまま適用したり、又はインデックスを修正することによって適用することができる。
また、図21や表6で、4CW初期送信が行われた後、一部のコードワードに対する再送信の場合(又は、4CWの一部のみがイネーブルされ、残りはディセーブルされる場合)、1個のコードワードのみが再送信(又は、1個のコードワードのみイネーブル)されることを例示する。しかし、これに制限されるず、2CW再送信(又は、2個のコードワードのみイネーブル)されたり、3CW再送信(又は、3個のコードワードのみ再送信)されてもよく、これは、再送信に関するスケジューリング情報(すなわち、DCIシグナリングを用いたスケジューリング情報)によって示すことができる。
このため、N個のコードワードに対する初期送信後に、N個の中の一部又は全てのコードワードに対する再送信(又は、N CWsの中でN以下の個数のコードワードのみがイネーブルされ、残りのコードワードはディセーブル)される場合を仮定すると、基地局は、N以下の個数のスケジューリング情報(例えば、DCIシグナリング)を用いて選択的なコードワードに対する再送信(又は、イネーブルされるコードワードに対する送信)をトリガーすることができる。そのために、DCIフォーマット上に、レイヤの個数、復調参照信号のポート個数、スクランブリング識別子情報(例えば、nSCID)に関する情報を提供するマッピングテーブルが定義されてもよいが、N個のコードワードの中でk(k=<N)個のコードワードのみがイネーブルされ、N−k個のコードワードはディセーブルされる場合に対して、それぞれのk値(例えば、1,2,...,N)によって別個のマッピングテーブルとして定義されて基地局とUE間にあらかじめ約束されてもよく、基地局が上位層シグナリングを用いて、特定テーブルによる情報が用いられるということをUEに知らせてもよい。
上記の表7は、上記の本発明で例示した様々なコードワード−対−レイヤマッピング規則のうち、図18のOption 1aの例示に該当する。図18のOption 2aのようなコードワード−対−レイヤマッピング規則は、表8のように表現することができる。
上記の表7と表8の例示を対比すると、RI_HとRI_Vに対するそれぞれのforループ構文の順序を変更して構成していることがわかる。
また、図19のOption 1b又はOption 2bのようなコードワード−対−レイヤマッピング規則を適用するためには、下記の式13のようにモジューロ(modulo)演算を用いることができる。
上記の式13で、係数a及びbは、上記の表7や表8のようなアルゴリズムを適用するために、インデックスに対する適切なパラメータとして設定することができる。すなわち、上記の式13は例示に過ぎず、本発明の範囲は、図19のOption 1b、Option 2bのようにレイヤドメイン2−次元行列上でCW1、CW2が交互にマップされるようにするためにモジューロ演算のような関数を活用する様々な変形例を含むことができる。
上記の図17でOption 1及びOption 2のようなコードワード−対−レイヤマッピング規則は、それぞれ、下記の表9及び表10のように表現することができる。
また、図17でのOption 1及びOption 2は、それぞれ、下記の表9及び表10のように記述することができる。
また、図17のOption 3のように、レイヤドメイン2−次元行列を格子構造に分割してN個(例えば、図17のOption 3の例示ではN=4)のコードワードにマップさせる方式も、上記の表9や表10を一般化し、rH及びrVインデックスを、レイヤドメイン2−次元行列が格子構造に分割されるように、インデクシング及びループ構造を用いて表現することができる。
以上、本発明で提案する2−次元アンテナ配列による3−次元ビームフォーミング(又は、3−次元MIMO)のためのプリコーディング構造及びコードワード−対−レイヤマッピング方式を、次のようにまとめることができる。
例えば、図17のOption 1(又は、上記の表9)のようなコードワード−対−レイヤマッピング規則を適用する場合、H方向では複数個のCW(例えば、CW0及びCW1)ができるだけ同一個数のレイヤに分散してマップされる「均等分散(evenly distributed)」の特徴を有すると表現することができ、V方向では全てのレイヤが一つのコードワードにマップされる「1−対−全部(one−to−all)」の特徴を有すると表現することができる。ここで、均等分散は、偶数個のレイヤが偶数個のコードワードに分散マップされる場合には、同一個数のレイヤがそれぞれのコードワードにマップされることを意味し、奇数個のレイヤ又は奇数個のコードワードである場合には、それぞれのコードワードにマップされるレイヤの個数の差が1以下(すなわち、0又は1)であることを意味することができる。
すなわち、H次元(dimension)では、H方向の複数個の送信ビームが複数個のコードワードにできるだけ均等に分散されて送信される。例えば、H方向においてN個の送信ビームのうちのk個の送信ビームはCW0の送信のために用いられ、残りのN−k個の送信ビームはCW1の送信のために用いられる。また、V次元では、V方向の複数個の送信ビームがいずれも一つの同一CWの送信のために用いられる。
例えば、図17のOption 2(又は、上記の表10)のようなコードワード−対−レイヤマッピング規則を適用する場合、V方向では複数個のCW(例えば、CW0及びCW1)ができるだけ同一個数のレイヤに分散してマップされる「均等分散」の特徴を有すると表現することができ、H方向では全てのレイヤが一つのコードワードにマップされる「1−対−全部」の特徴を有すると表現することができる。
すなわち、V次元では、V方向の複数個の送信ビームが複数個のコードワードにできるだけ均等に分散されて送信される。例えば、V方向でN個の送信ビームのうちのk個の送信ビームはCW0の送信のために用いられ、残りN−k個の送信ビームはCW1の送信のために用いられる。また、H次元では、H方向の複数個の送信ビームがいずれも一つの同一CWの送信のために用いられる。
上記のような特徴を総合すると、本発明の提案によるコードワード−対−レイヤマッピングの一般規則は、次のように表現することができる。第1次元の複数個のレイヤ要素は複数個のコードワードにできるだけ均等に分散マップされ、第2次元の複数個のレイヤ要素は主に一つのコードワードにマップされる。
このため、図17のOption 1のようなコードワード−対−レイヤマッピング規則は、次のように表現される。第1次元(この例示ではH方向)の複数個のレイヤ要素は、複数個のコードワードにできるだけ均等に分散マップされる。第2次元(この例示ではV方向)の複数個のレイヤ要素は全て一つのコードワードにマップされる。
図17のOption 2のようなコードワード−対−レイヤマッピング規則は、次のように表現される。第1次元(この例示ではV方向)の複数個のレイヤ要素は、複数個のコードワードにできるだけ均等に分散マップされる。第2次元(この例示ではH方向)の複数個のレイヤ要素は全て一つのコードワードにマップされる。
上記のようなコードワード−対−レイヤマッピング規則の特徴は、2個の異なった次元(例えば、H方向及びV方向)は、アンテナドメインでは全く互いに対称であるが、それにも拘わらず、互いに異なる次元に対してそれぞれ異なる方式のコードワード−対−レイヤマッピング規則が適用されると表現することもできる。
次に、図18のOption 1aのようなコードワード−対−レイヤマッピング規則は、次のように表現される。第1次元(この例示ではH方向)の複数個のレイヤ要素は、複数個のコードワードにできるだけ均等に分散マップされる。第2次元(この例示ではV方向)の複数個のレイヤ要素は、一つのコードワードにマップされる第1マッピングタイプ、及び複数個のレイヤ要素が複数個のコードワードにできるだけ均等に分散される第2マッピングタイプを含む。ここで、第1マッピングタイプの場合の数が、第2マッピングタイプの場合の数よりも多い(又は、一つの場合のみが第2マッピングタイプに従い、残りの場合は第1マッピングタイプに従う)。ここで、第1マッピングタイプの場合の数と第2マッピングタイプの場合の数との和は、第1次元の要素の個数と同一である。
図18のOption 2aのようなコードワード−対−レイヤマッピング規則は、次のように表現される。第1次元(この例示ではV方向)の複数個のレイヤ要素は、複数個のコードワードにできるだけ均等に分散マップされる。第2次元(この例示ではH方向)の複数個のレイヤ要素は、一つのコードワードにマップされる第1マッピングタイプ、及び複数個のレイヤ要素が複数個のコードワードにできるだけ均等に分散される第2マッピングタイプを含む。ここで、第1マッピングタイプの場合の数が第2マッピングタイプの場合の数よりも多い(又は、一つの場合のみが第2マッピングタイプに従い、残りの場合は第1マッピングタイプに従う)。ここで、第1マッピングタイプの場合の数と第2マッピングタイプの場合の数との和は、第1次元の要素の個数と同一である。
さらに、本発明に係るコードワード−対−レイヤマッピング規則において、コードワード再送信の場合(又は、複数個のコードワードのうち、一部がイネーブルされ、残りはディセーブルされる場合)には、第2次元における複数個のレイヤ要素は全て一つのコードワードにマップされると定義することができる。既存の無線通信システムにおけるコードワード−対−レイヤマッピング規則(例えば、図16)では、初期送信の場合には「均等分配」方式のマッピング方式に従うが、再送信の場合(又は、一つのコードワードのみがイネーブルされる場合)には「1−対−全部」方式に従うのと違い、本発明の提案によれば、第2次元ではコードワード初期送信でも再送信でも同一に「1−対−全部」方式のコードワード−対−レイヤマッピング規則に従うと定義することができる。
さらに、本発明の例示は、H方向及びV方向の2つの空間的な次元を仮定して説明したが、本発明の範囲は、次元の個数に制限されない。すなわち、3個以上の次元に対しても、本発明で提案する原理を同様に適用することができる。例えば、D(D>=2)個の次元のうち、特定の一つの次元でのみ複数個のCWが複数個のレイヤにできるだけ均等に分散マップされるようにし、残りD−1個の次元のそれぞれでは複数個のレイヤが主に一つのCWにマップされるように設定することができる。又は、D(D>=2)個の次元のうち、特定の一つの次元でのみ複数個のCWが複数個のレイヤにできるだけ均等に分散マップされるようにし、残りD−1個の次元のうち、特定の一つの次元でのみ複数個のレイヤが主に一つのCWにマップされるように設定することもできる。
また、前述したようなコードワード−対−レイヤマッピング規則に従って3−次元ビームフォーミングのためのCQIを計算(すなわち、同一のコードワードにマップされるレイヤ要素に該当するSINR値の平均を用いてCQIを計算)することができる。
以上で説明した本発明の提案技術は、3−次元ビームフォーミングが可能な上記のL*Mパネルアンテナに対するCSI測定を目的とする他の参照信号、例えば、CRS、SRS、TRS(tracking RS)、DMRS、或いは他の形態のセル特定参照信号或いは端末特定参照信号に対しても同一に或いは類似に拡張適用することができる。
図24は、本発明の一実施例に係るチャネル状態情報送受信方法を説明するための図である。
段階S2410で、基地局は、下りリンクチャネルを測定に用いられる下りリンク信号(例えば、下りリンク参照信号)を端末に送信することができ、端末はこれを受信することができる。
段階S2420で、端末は、下りリンク信号を用いて下りリンクチャネルを測定することができる。端末は、測定された下りリンクチャネルに基づいて、3−次元ビームフォーミングに対するチャネル状態情報を決定及び/又は計算することができる。例えば、プロダクトランク(product rank)に基づいて、複数個の次元(例えば、H方向とV方向)のそれぞれに適切なランク値(例えば、RI_H及びRI_V)を決定することができる。また、決定されたプロダクトランクに基づいて最適の全体プリコーディング行列(PMALL)を決定し、この場合のそれぞれの次元におけるPMI(例えば、PMI_H及びPMI_V)を決定することができる。また、それぞれの次元に対するCQI(例えば、CQI_H及びCQI_V)を決定したり、全体CQIを決定することができる。ここで、コードワード−対−レイヤマッピング規則にしたがって、それぞれのコードワードにマップされるレイヤを決定することができ、当該レイヤのSINRの平均を用いて当該コードワードに適したCQIを決定することができる。
段階S2430で、端末は、3−次元ビームフォーミングに関するチャネル状態情報(例えば、RI_H、RI_V、PMI_H、PMI_V、又はCQI(CQI_H、CQI_V及び/又はCQIALL)の中の一つ以上)を基地局に報告することができる。チャネル状態情報の報告は、周期的又は非周期的方式で行うことができる。
図24で説明する例示的な方法は、説明の簡明化のために動作のシリーズで表現したが、これは、段階が行われる順序を制限するためのものではなく、必要によって、それぞれの段階は同時に又は異なる順序で行われてもよい。また、本発明で提案する方法を具現する上で、図24で例示する全ての段階が必要なわけではない。
前述したような本発明の方法において、前述した本発明の様々な実施例で説明した事項は、独立して適用されたり又は2つ以上の実施例が同時に適用されるように具現することができる。
図25は、本発明に係る端末装置及び基地局装置の好適な実施例の構成を示す図である。
図25を参照すると、本発明に係る基地局装置10は、送信器11、受信器12、プロセッサ13、メモリ14及び複数個のアンテナ15を備えることができる。送信器11は、外部装置(例えば、端末)への各種信号、データ及び情報を送信することができる。受信器12は、外部装置(例えば、端末)からの各種信号、データ及び情報を受信することができる。プロセッサ13は、基地局装置10の動作全般を制御することができる。複数個のアンテナ15は、例えば、2−次元アンテナ配置によって構成することができる。
本発明の一例による基地局装置10のプロセッサ13は、本発明で提案する例示によってチャネル状態情報を受信するように構成することができる。基地局装置10のプロセッサ13は、その他にも、基地局装置10が受信した情報、外部に送信する情報などを演算処理する機能を果たし、メモリ14は、演算処理された情報などを所定時間に記憶することができる。メモリ14は、バッファ(図示せず)などの構成要素に取り替えてもよい。
図25を参照すると、本発明に係る端末装置20は、送信器21、受信器22、プロセッサ23、メモリ24及び複数個のアンテナ25を備えることができる。複数個のアンテナ25は、MIMO送受信を支援する端末装置を意味する。送信器21は、外部装置(例えば、基地局)への各種信号、データ及び情報を送信することができる。受信器22は、外部装置(例えば、基地局)からの各種信号、データ及び情報を受信することができる。プロセッサ23は端末装置20の動作全般を制御することができる。
本発明の一例による端末装置20のプロセッサ23は、本発明で提案する例示によってチャネル状態情報を送信するように構成することができる。端末装置20のプロセッサ23は、その他にも、端末装置20が受信した情報、外部に送信する情報などを演算処理する機能を果たし、メモリ24は、演算処理された情報などを所定時間に記憶することができる。メモリ24は、バッファ(図示せず)などの構成要素に取り替えてもよい。
このような端末装置20の具体的な構成は、前述した本発明の様々な実施例で説明した事項が独立して適用されたり又は2つ以上の実施例が同時に適用されるように具現することができ、重複する内容についての説明は、明確性のために省略する。
また、本発明の様々な実施例の説明において、下りリンク送信主体(entity)又は上りリンク受信主体としては主に基地局を挙げて説明し、下りリンク受信主体又は上りリンク送信主体としては主に端末を挙げて説明したが、本発明の範囲がこれに制限されるものではない。例えば、上記の基地局についての説明は、セル、アンテナポート、アンテナポートグループ、RRH、送信ポイント、受信ポイント、アクセスポイント、中継機などが端末への下りリンク送信主体となったり端末からの上りリンク受信主体となる場合にも同様に適用することができる。また、中継機が端末への下りリンク送信主体となったり端末からの上りリンク受信主体となる場合、又は中継機が基地局への上りリンク送信主体となったり基地局からの下りリンク受信主体となる場合にも、本発明の様々な実施例で説明した本発明の原理を同様に適用することができる。
上述した本発明の実施例は、様々な手段によって実現することができる。例えば、本発明の実施例は、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの結合などによって実現することができる。
ハードウェアによる実現の場合、本発明の実施例に係る方法は、一つ又はそれ以上のASICs(Application Specific Integrated Circuits)、DSPs(Digital Signal Processors)、DSPDs(Digital Signal Processing Devices)、PLDs(Programmable Logic Devices)、FPGAs(Field Programmable Gate Arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって実現することができる。
ファームウェアやソフトウェアによる実現の場合、本発明の実施例に係る方法は、以上で説明された機能又は動作を実行するモジュール、手順又は関数などの形態として実現することができる。ソフトウェアコードはメモリユニットに記憶され、プロセッサによって駆動されてもよい。メモリユニットは、プロセッサの内部又は外部に設けられ、既に公知の様々な手段によって当該プロセッサとデータを交換することができる。
以上、開示された本発明の好適な実施の形態に関する詳細な説明は、当業者が本発明を実現して実施できるように提供された。上記では本発明の好適な実施の形態を参照して説明したが、当該技術の分野における熟練した当業者にとっては、添付の特許請求の範囲に記載の本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本発明を様々に修正及び変更できることは明らかである。したがって、本発明は、ここに開示された実施の形態に制限されるものではなく、ここに開示された原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を与えようとするものである。