JP6304851B1 - 処方探索システム及び方法、処方探索プログラム - Google Patents

処方探索システム及び方法、処方探索プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】患者の症状等から最適な処方を、専門家を介することなく自動的に探索する。【解決手段】実際の症状が入力される入力ステップと、データベース3に記憶されている各症状と、その処方との3段階以上の第1連関度を参照し、入力ステップにおいて入力された症状に基づき、1以上の処方を探索する探索ステップとを有し、データベース3は、各症状と、その処方との関係を新たに取得した場合には、これを第1連関度に反映させることで更新することを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、患者の症状から最適な処方を自動的に探索する上で好適な処方探索システム及び方法、処方探索プログラムに関するものである。
糖尿病や癌、高血圧等を始めとした各種疾患や薄毛の各種症状に対して最適な処方を提供する試みは従来より各種研究されている。また顔のシミやニキビ、たわみ、肌荒れといった美容に影響する各種症状に対して最適な処方を提供する試みは従来より各種研究されている。
これらの各種症状に対する最適な処方は、患者の食生活に基づく摂取物や、患者の年齢、性別、遺伝等を始めとした属性情報に大きく影響を受ける。このため、各患者ごとに最適な処方を提案するためには、その患者ごとに摂取物や属性情報を検出し、その検出した摂取物や属性情報との関係性を考慮した上で最適な処方を提供する必要がある。
しかしながら、この患者の摂取物や属性情報はそれぞれ多岐に亘るものであり、これらの組み合わせは数百万通りにも及ぶことになり膨大な数に及ぶ。このため、個々の摂取物や属性情報や、その組み合わせに対する最適な処方を人手によりマニュアルで探索することは困難を極めるのが現状であった。
従来においては、患者の属性情報に対して、処方薬の相互作用をチェックする医療支援システムが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また症状に対する処方の適合度について定量化してコンピュータに記憶させ、入力された患者の症状と、当該適合度とに基づいて、患者に対する最適な処方を提案する技術も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2008−113807号公報
しかしながら、上述した特許文献1、2の開示技術では、各症状に対する、各摂取物並びに各属性情報の組み合わせに対する最適な処方を提案する点までは開示されていない。このため、上述した特許文献1、2の開示技術を組み合わせただけでは当業者を以ってしても、多岐に亘る患者の摂取物や属性情報に応じた処方を提案することができない。
これに加えて、上述した特許文献1、2の開示技術では、特に薄毛の各種症状や美容に影響する各種症状に対する処方の探索手法については特段開示されていない。
そこで、本発明は上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、各症状に対する、各摂取物並びに各属性情報の組み合わせに対する最適な処方を提案することができ、特に薄毛の各種症状や美容に影響する各種症状に対する最適な処方も探索することが可能な処方探索システム及び方法、処方探索プログラムを提供することにある。
本発明を適用した処方探索システムは、各症状と、各生活習慣並びに各属性情報の何れか1以上との組み合わせと、その処方との3段階以上の第1連関度が予め記憶されているデータベースと、上記組み合わせを構成する情報が入力される入力手段と、上記データベースに記憶されている第1連関度を参照し、上記入力手段を介して入力された上記情報に基づき、1以上の処方を探索する探索手段とを備え、上記データベースには、上記探索手段により探索されて以前施された処方及び上記処方を実施した患者による各変化症状と、新たな処方との3段階以上の第2連関度が予め記憶され、上記入力手段は、以前施された処方を実施した実際の患者による変化症状が入力され、上記探索手段は、上記データベースに記憶されている第2連関度を参照し、上記入力手段を介して入力された上記変化症状及び以前施された処方に基づき、1以上の新たな処方を探索する探索手段とを備えることを特徴とする。
本発明を適用した処方探索システムは、以前の生活習慣及び以前からの各変化症状と、新たな処方との3段階以上の第2連関度が予め記憶されているデータベースと、実際に以前の生活習慣及び当該生活習慣を実施した実際の患者による変化症状が入力される入力手段と、上記データベースに記憶されている第2連関度を参照し、上記入力手段を介して入力された上記以前の生活習慣及び上記変化症状に基づき、1以上の新たな処方を探索する探索手段とを備えることを特徴とする。
本発明を適用した処方探索プログラムは、各症状と、各生活習慣並びに各属性情報の何れか1以上との組み合わせと、その処方との3段階以上の第1連関度を予め取得する第1連関度取得ステップと、上記組み合わせを構成する情報が入力される入力ステップと、上記第1連関度取得ステップにより取得した第1連関度を参照し、上記入力ステップにおいて入力された上記情報に基づき、1以上の処方を探索する探索ステップと、上記探索ステップにおいて探索されて以前施された処方及び上記処方を実施した患者による各変化症状と、新たな処方との3段階以上の第2連関度を取得する第2連関度取得ステップと、以前施された処方を実施した実際の患者による変化症状が入力される変化症状入力ステップと、上記第2連関度取得ステップにおいて取得した第2連関度を参照し、上記変化症状入力ステップにおいて入力された上記変化症状及び以前施された処方に基づき、1以上の新たな処方を探索する新処方探索ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明を適用した処方探索プログラムは、以前の生活習慣及び以前からの各変化症状と、新たな処方との3段階以上の第2連関度を取得する第2連関度取得ステップと、実際に以前の生活習慣及び当該生活習慣を実施した実際の患者による変化症状が入力される変化症状入力ステップと、上記第2連関度取得ステップにおいて取得した第2連関度を参照し、上記変化症状入力ステップを介して入力された上記以前の生活習慣及び上記変化症状に基づき、1以上の新たな処方を探索する新処方探索ステップとを有し、上記各ステップをコンピュータにより実行することを特徴とする。
本発明を適用した処方探索方法は、各症状と、各生活習慣並びに各属性情報の何れか1以上との組み合わせと、その処方との3段階以上の第1連関度を予め取得する第1連関度取得ステップと、上記組み合わせを構成する情報が入力される入力ステップと、上記第1連関度取得ステップにより取得した第1連関度を参照し、上記入力ステップにおいて入力された上記情報に基づき、1以上の処方を探索する探索ステップと、上記探索ステップにおいて探索されて以前施された処方及び上記処方を実施した患者による各変化症状と、新たな処方との3段階以上の第2連関度を取得する第2連関度取得ステップと、以前施された処方を実施した実際の患者による変化症状が入力される変化症状入力ステップと、上記第2連関度取得ステップにおいて取得した第2連関度を参照し、上記変化症状入力ステップにおいて入力された上記変化症状及び以前施された処方に基づき、1以上の新たな処方を探索する新処方探索ステップとを有し、上記各ステップをコンピュータが実行することを特徴とする。
本発明を適用した処方探索方法は、以前の生活習慣及び以前からの各変化症状と、新たな処方との3段階以上の第2連関度を取得する第2連関度取得ステップと、実際に以前の生活習慣及び当該生活習慣を実施した実際の患者による変化症状が入力される変化症状入力ステップと、上記第2連関度取得ステップにおいて取得した第2連関度を参照し、上記変化症状入力ステップを介して入力された上記以前の生活習慣及び上記変化症状に基づき、1以上の新たな処方を探索する新処方探索ステップとを有し、上記各ステップをコンピュータが実行することを特徴とする。
上述した構成からなる本発明によれば、操作部を介して新たに取得した症状から、第1連関度を参照することで処方を判別することが可能となる。しかも本発明によれば、これらの判別動作を人手を介することなく自動的に行うことが可能となる。これにより、新たに取得した症状から、専門的知識を有するスタッフが解析を行うことに対する人件費と時間を要する必要がなくなる。
本発明を適用した処方探索システム1の全体構成を示すブロック図である。 本発明を適用した処方探索システム1を構成する探索装置2のブロック図である。 疾患(生活習慣病)の各症状と患者への処方との間で3段階以上の第1連関度が予め定義されている例を示す図である。 疾患(生活習慣病)の複数の症状との組み合わせに対して、1以上の処方が第1連関度を介して関連付けされている例を示す図である。 疾患(生活習慣病)に関する以前施された処方及びその処方を実施した患者による各変化症状と、新たな処方との3段階以上の第2連関度を示す図である。 薄毛の各症状と患者への処方との間で3段階以上の第1連関度が予め定義されている例を示す図である。 薄毛の複数の症状との組み合わせに対して、1以上の処方が第1連関度を介して関連付けされている例を示す図である。 薄毛に対する以前施された処方及びその処方を実施した患者による各変化症状と、新たな処方との3段階以上の第2連関度を示す図である。 美容に関する各症状と患者への処方との間で3段階以上の第1連関度が予め定義されている例を示す図である。 美容に関する複数の症状との組み合わせに対して、1以上の処方が第1連関度を介して関連付けされている例を示す図である。 美容に関する以前施された処方及びその処方を実施した患者による各変化症状と、新たな処方との3段階以上の第2連関度を示す図である。
以下、本発明を適用した処方探索システムについて、図面を参照しながら詳細に説明をする。
図1は、本発明を適用した処方探索システム1の全体構成を示すブロック図である。処方探索システム1は、患者の症状等から最適な処方を、専門家を介することなく自動的に探索するものであり、データベース3と、このデータベース3に接続された探索装置2とを備えている。
データベース3は、患者に対して提供すべき処方に関するデータベースが構築されている。このデータベース3には、公衆通信網を介して送られてきた情報、或いは本システムのユーザによって入力された情報が蓄積される。またデータベース3は、探索装置2からの要求に基づいて、この蓄積した情報を探索装置2へと送信する。データベース3は、人工知能により制御されるものであってもよい。この人工知能はいかなる周知の人工知能技術に基づくものであってもよい。
探索装置2は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)等を始めとした電子機器で構成されているが、PC以外に、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末、ウェアラブル端末等、他のあらゆる電子機器で具現化されるものであってもよい。
図2は、探索装置2の具体的な構成例を示している。この探索装置2は、探索装置2全体を制御するための制御部24と、操作ボタンやキーボード等を介して各種制御用の指令を入力するための操作部25と、有線通信又は無線通信を行うための通信部26と、最適な検出アルゴリズム情報を探索する探索部27と、ハードディスク等に代表され、実行すべき検索を行うためのプログラムを格納するための記憶部28とが内部バス21にそれぞれ接続されている。さらに、この内部バス21には、実際に情報を表示するモニタとしての表示部23が接続されている。
制御部24は、内部バス21を介して制御信号を送信することにより、探索装置2内に実装された各構成要素を制御するためのいわゆる中央制御ユニットである。また、この制御部24は、操作部25を介した操作に応じて各種制御用の指令を内部バス21を介して伝達する。
操作部25は、キーボードやタッチパネルにより具現化され、プログラムを実行するための実行命令がユーザから入力される。この操作部25は、上記実行命令がユーザから入力された場合には、これを制御部24に通知する。この通知を受けた制御部24は、探索部27を始め、各構成要素と協調させて所望の処理動作を実行していくこととなる。
また、この操作部25を介して、更に、実際に処方を施す患者の症状、生活習慣、患者の属性情報及び性格が入力される。ユーザが患者自身である場合には、患者自ら操作部25を介してこれらの情報を入力し、ユーザが患者に対して助言するコンサルタントであれば、その患者から聞き出した情報をコンサルタントがこの操作部25を介して入力することとなる。
探索部27は、操作部25を介して入力された情報から患者に対して最適な処方を探索する。この探索部27は、探索動作を実行するに当たり、必要な情報として記憶部28に記憶されている各種情報を読み出す。この探索部27は、人工知能により制御されるものであってもよい。この人工知能はいかなる周知の人工知能技術に基づくものであってもよい。
表示部23は、制御部24による制御に基づいて表示画像を作り出すグラフィックコントローラにより構成されている。この表示部23は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)等によって実現される。
記憶部28は、ハードディスクで構成される場合において、制御部24による制御に基づき、各アドレスに対して所定の情報が書き込まれるとともに、必要に応じてこれが読み出される。また、この記憶部28には、本発明を実行するためのプログラムが格納されている。このプログラムは制御部24により読み出されて実行されることになる。
次に、上述した構成からなる処方探索システム1の動作について説明をする。
先ず操作部25を介して実際に処方を施す患者の症状、生活習慣、属性及び性格が入力される。この入力された情報は、探索部27、データベース3へと送られる。
探索部27は、操作部25から送られてきた情報に基づき、患者に対して最適な処方を探索する。この探索部27による探索の過程において、データベース3に記憶されている情報を参照する。
このデータベース3には、各症状、各生活習慣、各属性情報及び患者の各性格と、患者への処方との3段階以上の第1連関度が予め記憶されている。この第1連関度は、少なくとも各症状と患者への処方との間で少なくとも関連付けが行われていればよく、各生活習慣、各属性情報及び患者の各性格との間で第1連関度を介して関連付けが行われていることは特段必須とはならない。
疾患の処方探索
図3は、疾患の各症状と患者への処方との間で3段階以上の第1連関度が予め定義されている例を示している。各症状がこの第1連関度を介して左側に配列し、各処方が第1連関度を介して右側に配列している。第1連関度は、左側に配列された症状に対して、何れの処方と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各症状が、いかなる処方に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、症状から最適な処方を選択する上での的確性を示すものである。
これに加えて、この第1連関度は、各症状と、摂取物や属性情報との組み合わせに対して、1以上の処方を関連付けするものである。
症状は、疾患各種症状であり、例えば血糖値、ヘモグロビンA1cの量等の直接的症状も、健康診断におけるそれ以外の各種検査値、体内ミネラル量等の間接的症状も含むものである。これら症状は、各種医療データにあらわされる指標も、医師、患者、評価者等が感覚値として感じた結果(含むVAS評価)等も含む。
生活習慣は、患者が生活する上で関係するあらゆる事象が含まれる。この生活習慣とは、例えば食生活に関するものであれば、その食事の際に摂取する摂取物や食事の量、食事の時間等が含まれる。ここでいう摂取物は、患者が摂取可能なあらゆるものが含まれ、食物、飲料、サプリメント、薬剤等である。また生活習慣は、睡眠に関するものであれば、睡眠時間、起床時刻、就寝時刻等が含まれる。また、生活習慣は、運動に関するものであれば、運動時間や運動のメニュー等も含まれる。また、生活習慣は、睡眠、入浴、仕事等も含まれる。
患者の属性情報としては、年齢、性別、職業、同居人の有無等、2親等以内に同種の症状の人が要るか否か、或いは医療機関による検診結果等の情報も含まれる。
処方は、いかなる栄養素を摂取するか、いかなる生活習慣とするか、いかなる薬剤を摂取すべきかといった、症状を緩和するあらゆるものが含まれる。また処方は、医療施術も含む。処方は、施すべき処方のスケジュールや治療計画を提示するようにしてもよい。
疾患とは、例えば生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症等)やそれ以外のあらゆる病気を含む。この疾患においては、花粉症を含まないものとしてもよい。この疾患とはアレルギー性の症状も含まれる。以下の例では、この疾患として生活習慣病を例にとり説明をする。
図3の例では、生活習慣病の症状における75グラムのブドウ糖を飲み2時間後の血糖値が200(mg/dl)未満と、生活習慣(摂取物)における緑黄色野菜の摂取量が60g未満と、属性における年齢が30〜40代との組み合わせのノードR、症状におけるヘモグロビンが6.5%以上と、生活習慣(摂取物)における緑黄色野菜の摂取が120g以上との組み合わせのノードS、症状における空腹時血糖値が126(mg/dl)未満と、年齢が50代以上との組み合わせのノードTがそれぞれ設けられている。そして、このノードRは、「決まった時間に時間をかけて食事をする」の第1連関度が70%、「甘いものや脂っぽい食事を避ける」の第1連関度が20%となっている。またノードSは、「緑黄色野菜を120g以上取る」の第1連関度が70%、「決まった時間に時間をかけて食事をする」の第1連関度が50%、「甘いものや脂っぽい食事を避ける」の第1連関度が30%となっている。ノードTは、「食物繊維を含む食品を取る」の第1連関度が60%、「日に3分間以上の運動を行う」の第1連関度が40%となっている。
このような組み合わせの第1連関度を予め取得しておく。次に探索部27は、このような第1連関度を参照し、操作部25を介して新たに入力された症状、生活習慣、属性情報が、第1連関度の左側の何れに該当するかを判別する。仮に操作部25を介して新たに入力された症状が、75グラムのブドウ糖を飲み2時間後の血糖値が200(mg/dl)未満であり、摂取物が緑黄色野菜の摂取量が60g未満であり、属性が年齢が30〜40代である場合には、ノードRに該当するため、かかるノードRの第1連関度70%である「決まった時間に時間をかけて食事をする」や、第1連関度20%である「甘いものや脂っぽい食事を避ける」等を選択することとなる。同様に操作部25を介して新たに入力された症状がヘモグロビンが6.5%以上であり、摂取物が緑黄色野菜の摂取が120g以上である場合には、ノードSに該当するため、かかるノードSの第1連関度70%である「緑黄色野菜を120g以上取る」、第1連関度50%である「決まった時間に時間をかけて食事をする」、第1連関度30%である「甘いものや脂っぽい食事を避ける」等を選択することとなる。
なお第1連関度は、いわゆる機械学習を通じて更新が可能なモデルで構成されていてもよく、ニューラルネットワークで構成されていてもよい。またこの第1連関度は、深層学習がなされることを前提としたネットワークで構成されていてもよい。
探索部27は、このようにデータベース3に記憶されている第1連関度を参照し、操作部25を介して新たに入力された症状、生活習慣、属性情報が、第1連関度の左側に配列された各症状、生活習慣、属性情報の何れに該当するかを判別する。
探索部27は、操作部25を介して新たに取得した症状、生活習慣、属性情報に基づき、これら第1連関度を参照することにより、処方を選択する作業を行う。このとき、探索部27は、最も第1連関度の高い処方を選択するようにしてもよい。上述したように第1連関度が高いほど、その選択の的確性が高くなるためである。しかし、探索部27は、最も第1連関度の高い処方を選択する場合に限定されることはなく、第1連関度が中程度のもの、又は第1連関度が低いものをあえて選択するようにしてもよい。また、これ以外に症状、生活習慣、属性情報と処方との間で矢印が繋がっていない第1連関度が0%である処方を選択してもよいことは勿論である。探索部27は、この処方を一つ選択する場合に限定されるものではなく、第1連関度を参照した上であえて複数の処方を選択するようにしてもよい。探索部27によって探索された処方は、表示部23を介して表示される。
なお、この図3に挙げられている症状、生活習慣、属性情報、処方の各項目は一例であり、症状、生活習慣、属性情報、処方に該当するものであれば上述した処理動作を実行してもよいことは勿論である。
即ち、本発明を適用した処方探索システム1によれば、操作部25を介して新たに取得した症状から、上述した第1連関度を参照することで処方を判別することが可能となる。しかも本発明を適用した処方探索システム1によれば、これらの判別動作を人手を介することなく自動的に行うことが可能となる。これにより、新たに取得した症状から、専門的知識を有するスタッフが解析を行うことに対する人件費と時間を要する必要がなくなる。
また、本発明を適用した処方探索システム1では、3段階以上に設定されている第1連関度を介して処方の探索を行う点に特徴がある。第1連関度は、例えば0〜100%までの数値で記述することができるが、これに限定されるものではなく3段階以上の数値で記述できるものであればいかなる段階で構成されていてもよい。
このような3段階以上の数値で表される第1連関度に基づいて探索することで、複数の処方が選ばれる状況下において、当該連関度の高い順に探索して表示することも可能となる。このように第1連関度の高い順にユーザに表示できれば、より可能性の高い処方を優先的に選択して表示することもできる。一方、第1連関度の低い処方であってもセカンドオピニオンという意味で、そこから特定される処方を表示することができ、ファーストオピニオンにおいて表示された処方で症状が改善されない場合等において有用性を発揮することができる。
これに加えて、本発明によれば、第1連関度が1%のような極めて低い処方も見逃すことなく判断することができる。第1連関度が極めて低い処方であっても僅かな兆候として繋がっているものであり、何十回、何百回に一度は、有益な処方として役に立つ場合もあることをユーザに対して注意喚起することができる。
更に本発明によれば、このような3段階以上の第1連関度に基づいて探索を行うことにより、閾値の設定の仕方で、探索方針を決めることができるメリットがある。閾値を低くすれば、上述した第1連関度が1%の処方であっても漏れなく拾うことができる反面、正解の可能性が低い第1連関度に基づく処方を沢山拾ってしまう場合もある。一方、閾値を高くすれば、正解の可能性が高い処方のみ絞り込むことができる反面、何十回、何百回に一度は好適な解を示す処方を見落としてしまう場合もある。いずれに重きを置くかは、ユーザ側、システム側の考え方に基づいて決めることが可能となるが、このような重点を置くポイントを選ぶ自由度を高くすることが可能となる。
更に本発明では、上述した第1連関度を更新させるようにしてもよい。つまり、図3に示すような症状と、処方とを随時更新していく。この更新は、例えばインターネットを始めとした公衆通信網を介して提供された情報を反映させるようにしてもよい。また、専門家による研究データや論文、学会発表や、新聞記事、書籍等の内容に基づいてシステム側又はユーザ側が人為的に、又は自動的に更新するようにしてもよい。これらの更新処理においては人工知能を活用するようにしてもよい。
この第1連関度の更新は、症状と、それに対する処方との関係性に関する情報が入る都度、第1連関度を上昇させ、或いは下降させる。例えば、ある症状に対してある処方が効くことが論文や学会発表、その他実験的検証に基づく研究データ等を通じて新たに確認できた場合、その症状と処方との連関度を上昇させる。また、ある症状に対して、ある処方が効かないことが論文や学会発表、その他実験的検証に基づく研究データ等を通じて新たに確認できた場合、その症状と処方との第1連関度を下降させる。
第1連関度は、上述したように3段階以上とされていることで、このような第1連関度の上昇させたい場合、又は下降させたい場合に自在に対応することが可能となる。この第1連関度の更新そのものを上述した機械学習、深層学習を通じて行うようにしてもよい。
さらに今までに無い新たな症状が発見された場合、或いは今までに無い新たな処方が発見された場合、これらの間に新たに第1連関度を設定するようにしてもよい。そして、これらの新たな症状や処方に対する第1連関度を上述の如く更新させるようにしてもよい。
なお、第1連関度は、上述した実施の形態に限定されるものではない。図4の例では、複数の症状の組み合わせに対するノードUに対する第1連関度を定義したものである。即ち、このノードUは、空腹時血糖値、75グラムのブドウ糖を飲み2時間後の血糖値、随時血糖値、ヘモグロビンのうち2以上が繋がっている。このノードUには、更に生活習慣(摂取物)や属性も繋がっている。このノードUに対する新たな処方がそれぞれ第1連関度を通じて関連付けされている。
ちなみに、症状以外に、2以上の生活習慣(摂取物)の組み合わせや、2以上の属性情報の組み合わせが、ノードに関連付けされていてもよい。
また、本発明によれば、以前施された処方及びその処方を実施した患者による各変化症状と、新たな処方との3段階以上の第2連関度が予め記憶されているデータベース3を参照するようにしてもよい。この第2連関度は、例えばニューラルネットワーク等で構成されている。
ここでいう以前施された処方は、本発明を適用した処方探索システム1を通じて探索された処方であるか否かに係わらず、患者に対して以前施されたあらゆる処方を含むものである。以前施された処方は、症状を改善するための食事や生活習慣に関するものであれば他のいかなる項目も含まれる。この以前施された処方としては、他に処方薬の薬名や手術、摂取したサプリメントの名前や摂取頻度、改善した生活態様等も含まれる。
ここでいう変化症状は処方を実施することで変化した症状を示す。この変化症状は、処方実施前と比較して改善された症状以外に、悪化した症状、あるいは以前と何ら変わりない症状も含まれる。
このような操作部25を介して以前施された処方及びその処方を実施した患者による各変化症状が入力される。この入力された情報は、探索部27、データベース3へと送られる。
探索部27は、操作部25から送られてきた情報に基づき、患者に対して新たな処方を探索する。この探索部27による探索の過程において、データベース3に記憶されている情報を参照する。
このデータベース3には、上述した第2連関度が予め記憶されている。第2連関度は、左側に配列された以前施された各処方及び各変化症状の組み合わせに対して、何れの新たな処方と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この第2連関度は、以前施された各処方及び各変化症状の組み合わせが、いかなる新たな処方に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、症状から最適な処方を選択する上での的確性を示すものである。
図5は、この第2連関度の例を示している。以前施された各処方及び各変化症状がこの第2連関度を介して左側に配列し、新たな各処方が第2連関度を介して右側に配列している。
図5の例では、以前施された処方として「甘いものや脂っぽい食事を避ける」、「日に3分間以上の運動を行う」、並びに変化症状として空腹時血糖値126(mg/dl)以上のノードV、以前施された処方として「一口30回噛む」、「日に3分以上の運動を行う」、変化症状として空腹時血糖値126(mg/dl)未満、ヘモグロビン6.5%以上のノードWがそれぞれ設けられている。そして、このノードVは、新たな処方である「緑黄色野菜を120g以上取る」の第2連関度が70%、「決まった時間に時間をかけて食事をする」の第2連関度が40%となっている。またノードWは、新たな処方である「食物繊維を含む食品を取る」の第2連関度が80%、「日に3分間以上の運動を行う」の第2連関度が30%となっている。
このような組み合わせの第2連関度を予め取得しておく。次に探索部27は、このような第2連関度を参照し、操作部25を介して新たに入力された、以前施された処方及びその処方を実施した患者による各変化症状が、第2連関度の左側に配列された各項目の何れに該当するかを判別する。仮に操作部25を介して入力された、以前施された処方が「一口30回噛む」、「日に3分以上の運動を行う」、変化症状として空腹時血糖値126(mg/dl)未満、ヘモグロビン6.5%以上である場合は、ノードWに該当する。かかる場合には、ノードWの第2連関度を参照した上で新たな処方として「食物繊維を含む食品を取る」、「日に3分間以上の運動を行う」等を選択していくこととなる。
このように、以前施された処方及びその処方を実施した患者による各変化症状に基づいて、新たな処方を自動的に探索することが可能となる。このため、患者の症状を継続的に観察し、これに応じた最適な処方を選択することができる。以前施された処方が比較的強いものである場合であって、その後の患者の症状が改善された場合には、以前よりも弱い処方に切り替える等、適時ベストな処方を提案し続けることが可能となる。
ちなみに、この第2連関度についても同様に更新させるようにしてもよい。つまり、図5に示すような以前施された処方及び各変化症状と新たな処方とを随時更新していく。この更新は、例えばインターネットを始めとした公衆通信網を介して提供された情報を反映させるようにしてもよい。また、専門家による研究データや論文、学会発表や、新聞記事、書籍等の内容に基づいてシステム側又はユーザ側が人為的に、又は自動的に更新するようにしてもよい。これらの更新処理においては人工知能を活用するようにしてもよい。
また、この第2連関度は、これら以前施された処方及び各変化症状以外に、上述した摂取物、属性情報、生活習慣、性格、外部情報の何れか1以上と組み合わせて処方との関連付けが行われていてもよいことは勿論である。
更にこの第2連関度の処理動作は、上述した第1連関度の処理動作に基づいて探索されて以前施された処方並びにその処方に基づいて変化した症状が入力される場合に限定されるものではなく、これとは無関係の以前施された処方が入力されるものであってもよい。かかる場合には、以前の処方よりも更に範囲を拡大させて、以前の生活習慣までも含めて参照するようにしてもよい。以前の生活習慣とは、現在に至るまでの生活習慣の履歴情報で構成されていてもよいし、以前のある時点において断続的に検知した生活習慣であってもよい。変化症状も同様に、現在に至るまでの症状の変化履歴で構成されていてもよいし、以前のある時点において断続的に検知した症状であってもよい。
発毛の処方探索
図6は、発毛の各症状と患者への処方との間で3段階以上の第1連関度が予め定義されている例を示している。各症状がこの第1連関度を介して左側に配列し、各処方が第1連関度を介して右側に配列している。第1連関度は、左側に配列された症状に対して、何れの処方と関連性が高いかの度合いを示すものである。
これに加えて、この第1連関度は、各症状と、生活習慣や属性情報との組み合わせに対して、1以上の処方を関連付けするものである。
症状は、薄毛の各種症状であり、例えば脱毛範囲、毛根症状、抜け毛の本数等の直接的症状も、頭皮状態、体内ミネラル量等の間接的症状も含むものである。これら症状は、各種医療データに表される指標も、医師、患者、評価者等が感覚値として感じた結果(含むVAS評価)等も含む。
生活習慣は、患者が生活する上で関係するあらゆる事象が含まれる。この生活習慣とは、例えば食生活に関するものであれば、その食事の際に摂取する摂取物や食事の量、食事の時間等が含まれる。ここでいう摂取物は、患者が摂取可能なあらゆるものが含まれ、食物、飲料、サプリメント、薬剤等である。また生活習慣は、睡眠に関するものであれば、睡眠時間、起床時刻、就寝時刻等が含まれる。また、生活習慣は、運動に関するものであれば、運動時間や運動のメニュー等も含まれる。また、生活習慣はヘアケアであれば、シャンプーやトニック等による髪や頭皮の手入れ、紫外線防止対策、マッサージ等も含まれる。
患者の属性情報としては、年齢、性別、職業、同居人の有無等、2親等以内に同種の症状の人が要るか否か、或いは医療機関による検診結果等の情報も含まれる。
処方は、いかなる栄養素を摂取するか、いかなる生活習慣とするか、いかなる薬剤を摂取すべきかといった、症状を緩和するあらゆるものが含まれる。また処方は、医療施術も含む。処方は、施すべき処方のスケジュールや治療計画を提示するようにしてもよい。
図6の例では、薄毛の症状における毛根症状が男性型脱毛と、生活習慣(摂取物)におけるタンパク質の量が少ない場合と、属性情報における薄毛遺伝が親族に薄毛者がいる場合との組み合わせのノードR、症状における毛根症状が脂漏性脱毛と、生活習慣(摂取物)におけるタンパク質の量が多い場合との組み合わせのノードS、症状における脱毛範囲がハミルトン分類YYYと、属性情報における薄毛遺伝が親族に薄毛者がいない場合との組み合わせのノードTがそれぞれ設けられている。そして、このノードRは、「赤身肉類の摂取量を増やす」の第1連関度が70%、「選択洗浄性シャンプーを3分/日こする」の第1連関度が20%となっている。またノードSは、「サイトカイン集合体導入0.1mg/回」の第1連関度が70%、「アミノ酸栄養系サプリメント2g/日」の第1連関度が50%、「選択洗浄性シャンプーを3分/日こする」の第1連関度が30%となっている。ノードTは、「エタノール系とニックを2分/日」の第1連関度が60%、「赤身肉類の摂取量を増やす」の第1連関度が40%となっている。
このような組み合わせの第1連関度を予め取得しておく。次に探索部27は、このような第1連関度を参照し、操作部25を介して新たに入力された症状、生活習慣、属性情報が、第1連関度の左側の何れに該当するかを判別する。仮に操作部25を介して新たに入力された症状が、薄毛の症状における毛根症状が男性型脱毛であり、生活習慣(摂取物)におけるタンパク質の量が少なく、属性情報における薄毛遺伝が親族に薄毛者がいる場合には、ノードRに該当するため、かかるノードRの第1連関度70%である「赤身肉類の摂取量を増やす」や、第1連関度20%である「選択洗浄性シャンプーを3分/日こする」等を選択することとなる。
なお、この図6に挙げられている症状、生活習慣、属性情報、処方の各項目は一例であり、症状、生活習慣、属性情報、処方に該当するものであれば上述した処理動作を実行してもよいことは勿論である。
なお、第1連関度は、上述した実施の形態に限定されるものではない。図7の例では、複数の症状の組み合わせに対するノードUに対する第1連関度を定義したものである。即ち、このノードUは、脱毛範囲がハミルトン分類XXX型、毛根症状がひこう性脱毛、生活習慣(摂取物)におけるタンパク質の量が多い、属性情報における薄毛遺伝が親族に薄毛者がいない、が繋がっている。即ち、ノードUに対して2以上の症状が繋がっている。
ちなみに、症状以外に、2以上の生活習慣(摂取物)の組み合わせや、2以上の属性情報の組み合わせが、ノードUに関連付けされていてもよい。
また、本発明によれば、以前施された処方及びその処方を実施した患者による各変化症状と、新たな処方との3段階以上の第2連関度が予め記憶されているデータベース3を参照するようにしてもよい。
なお、本実施形態においては、いわゆる生活習慣病に限定されるものではなく、あらゆる疾患に対する処方を探索する場合も同様に行うことができる。
図8は、この第2連関度の例を示している。以前施された各処方及び各変化症状がこの第2連関度を介して左側に配列し、新たな各処方が第2連関度を介して右側に配列している。
図8の例では、以前施された処方として「サイトカイン集合体導入0.1mg/回」、「赤身肉類の摂取量を増やす」、変化症状として脱毛範囲「ハミルトン分類XXX型」がそれぞれリンクするノードV、以前施された処方として「選択洗浄性シャンプーを3分/日こすり洗い」、「赤身肉類の摂取量を増やす」、変化症状として毛根症状「脂漏性脱毛」がそれぞれリンクするノードWがそれぞれ設けられている。そして、このノードVは、新たな処方である「サイトカイン集合体導入0.1mg/回」の第2連関度が70%、「アミノ酸栄養系サプリメント2g/日」の第2連関度が40%となっている。またノードWは、新たな処方である「選択洗浄性シャンプーを3分/日こする」の第2連関度が80%、「日に3分間以上の運動を行う」の第2連関度が30%となっている。
このような組み合わせの第2連関度を予め取得しておく。次に探索部27は、このような第2連関度を参照し、操作部25を介して新たに入力された、以前施された処方及びその処方を実施した患者による各変化症状が、第2連関度の左側に配列された各項目の何れに該当するかを判別する。仮に操作部25を介して入力された、以前施された処方が「選択洗浄性シャンプーを3分/日こすり洗い」、「赤身肉類の摂取量を増やす」、変化症状として脱毛範囲がハミルトン分類YYY、毛根症状が脂漏性脱毛である場合は、ノードWに該当する。かかる場合には、ノードWの第2連関度を参照した上で新たな処方として「選択洗浄性シャンプーを3分/日こすり洗い」、「日に3分間以上の運動を行う」等を選択していくこととなる。
ちなみに、この第2連関度についても同様に更新させるようにしてもよい。つまり、図5に示すような以前施された処方及び各変化症状と新たな処方とを随時更新していく。この更新は、例えばインターネットを始めとした公衆通信網を介して提供された情報を反映させるようにしてもよい。また、専門家による研究データや論文、学会発表や、新聞記事、書籍等の内容に基づいてシステム側又はユーザ側が人為的に、又は自動的に更新するようにしてもよい。これらの更新処理においては人工知能を活用するようにしてもよい。
また、この第2連関度は、これら以前施された処方及び各変化症状以外に、上述した摂取物、属性情報、生活習慣、性格、外部情報の何れか1以上と組み合わせて処方との関連付けが行われていてもよいことは勿論である。
更にこの第2連関度の処理動作は、上述した第1連関度の処理動作に基づいて探索されて以前施された処方並びにその処方に基づいて変化した症状が入力される場合に限定されるものではなく、これとは無関係の以前施された処方が入力されるものであってもよい。かかる場合には、以前の処方よりも更に範囲を拡大させて、以前の生活習慣までも含めて参照するようにしてもよい。以前の生活習慣とは、現在に至るまでの生活習慣の履歴情報で構成されていてもよいし、以前のある時点において断続的に検知した生活習慣であってもよい。変化症状も同様に、現在に至るまでの症状の変化履歴で構成されていてもよいし、以前のある時点において断続的に検知した症状であってもよい。
美容に対する処方探索
図9は、美容に関する各症状と処方との間で3段階以上の第1連関度が予め定義されている例を示している。各症状がこの第1連関度を介して左側に配列し、各処方が第1連関度を介して右側に配列している。第1連関度は、左側に配列された症状に対して、何れの処方と関連性が高いかの度合いを示すものである。
これに加えて、この第1連関度は、各症状と、生活習慣や属性情報との組み合わせに対して、1以上の処方を関連付けするものである。
症状は、美容に関する各種症状であり、例えば顔のくすみ、顔のしわ、顔のシミ等の直接的症状も、肌の水分量、体内ミネラル量等の間接的症状も含むものである。これら症状は、各種医療データにあらわされる指標も、医師、患者、評価者等が感覚値として感じた結果(含むVAS評価)等も含む。
生活習慣は、患者が生活する上で関係するあらゆる事象が含まれる。この生活習慣とは、例えば食生活に関するものであれば、その食事の際に摂取する摂取物や食事の量、食事の時間等が含まれる。ここでいう摂取物は、患者が摂取可能なあらゆるものが含まれ、食物、飲料、サプリメント、薬剤等である。また生活習慣は、睡眠に関するものであれば、睡眠時間、起床時刻、就寝時刻等が含まれる。また、生活習慣は、運動に関するものであれば、運動時間や運動のメニュー等も含まれる。また、生活習慣はスキンケアであれば、美容液による肌の手入れ、紫外線防止対策、クレンジング、マッサージ等も含まれる。
患者の属性情報としては、年齢、職業、同居人の有無等、2親等以内に同種の症状の人が要るか否か、或いは医療機関による検診結果等の情報も含まれる。
処方は、いかなる栄養素を摂取するか、いかなる生活習慣とするか、いかなる薬剤を摂取すべきかといった、症状を緩和するあらゆるものが含まれる。また処方は、医療施術も含む。処方は、施すべき処方のスケジュールや治療計画を提示するようにしてもよい。
図9の例では、症状における顔のくすみがレベル3である場合と、生活習慣(摂取物)におけるタンパク質の量が少ない場合と、属性における年齢が30〜40代との組み合わせのノードR、症状における顔のしわがレベル2である場合と、生活習慣(摂取物)におけるタンパク質が多い場合との組み合わせのノードSと、症状における顔のくすみがレベル2である場合と、属性情報における年齢が50代以上との組み合わせのノードTがそれぞれ設けられている。そして、このノードRは、「日に3分間以上の運動を行う」の第1連関度が70%、「保湿系美容液3mg/日」の第1連関度が20%となっている。またノードSは、「サイトカイン集合体導入0.1mg/回」の第1連関度が70%、「赤身肉類の摂取量を増やす」の第1連関度が50%、「保湿形美容液3mg/日」の第1連関度が30%となっている。ノードTは、「アミノ酸栄養系サプリメント2g/日」の第1連関度が60%、「日に3分間以上の運動を行う」の第1連関度が40%となっている。
このような組み合わせの第1連関度を予め取得しておく。次に探索部27は、このような第1連関度を参照し、操作部25を介して新たに入力された症状、生活習慣、属性情報が、第1連関度の左側の何れに該当するかを判別する。仮に操作部25を介して新たに入力された症状が、美容に対する症状における顔のくすみがレベル3であり、生活習慣(摂取物)におけるタンパク質の量が少なく、属性における年齢が30〜40代である場合には、ノードRに該当するため、かかるノードRの第1連関度70%である「日に3分間以上の運動を行う」や、第1連関度20%である「保湿系美容液3mg/日」等を選択することとなる。
なお、この図9に挙げられている症状、生活習慣、属性情報、処方の各項目は一例であり、症状、生活習慣、属性情報、処方に該当するものであれば上述した処理動作を実行してもよいことは勿論である。
なお、第1連関度は、上述した実施の形態に限定されるものではない。図10の例では、複数の症状の組み合わせに対するノードUに対する第1連関度を定義したものである。即ち、このノードUは、顔のくすみがレベル1、顔のしわがレベル2、生活習慣(摂取物)におけるタンパク質の量が多い、属性情報における年齢が50代以上、が繋がっている。即ち、ノードUに対して2以上の症状が繋がっている。
ちなみに、症状以外に、2以上の生活習慣の組み合わせや、2以上の属性情報の組み合わせが、ノードUに関連付けされていてもよい。
また、本発明によれば、以前施された処方及びその処方を実施した患者による各変化症状と、新たな処方との3段階以上の第2連関度が予め記憶されているデータベース3を参照するようにしてもよい。
図11は、この第2連関度の例を示している。以前施された各処方及び各変化症状がこの第2連関度を介して左側に配列し、新たな各処方が第2連関度を介して右側に配列している。
図11の例では、以前施された処方として「サイトカイン集合体導入0.1mg/回」、「赤身肉類の摂取量を増やす」、変化症状として顔のくすみがレベル1、がそれぞれリンクするノードV、以前施された処方として「保湿系美容液3mg/l」、「赤身肉類の摂取量を増やす」、顔のくすみがレベル2、顔のしわがレベル2、がそれぞれリンクするノードWがそれぞれ設けられている。そして、このノードVは、新たな処方である「サイトカイン集合体導入0.1mg/回」の第2連関度が70%、「イソフラボン系サプリメント1g/日」の第2連関度が40%となっている。またノードWは、新たな処方である「保湿系美容液3mg/日」の第2連関度が80%、「日に3分間以上の運動を行う」の第2連関度が30%となっている。
このような組み合わせの第2連関度を予め取得しておく。次に探索部27は、このような第2連関度を参照し、操作部25を介して新たに入力された、以前施された処方及びその処方を実施した患者による各変化症状が、第2連関度の左側に配列された各項目の何れに該当するかを判別する。仮に操作部25を介して入力された、以前施された処方が「保湿系美容液3mg/l」、「赤身肉類の摂取量を増やす」、変化症状における顔のくすみがレベル2、顔のしわがレベル2である場合は、ノードWに該当する。かかる場合には、ノードWの第2連関度を参照した上で新たな処方として「保湿系美容液3mg/日」、「日に3分間以上の運動を行う」等を選択していくこととなる。
ちなみに、この第2連関度についても同様に更新させるようにしてもよい。つまり、図5に示すような以前施された処方及び各変化症状と新たな処方とを随時更新していく。この更新は、例えばインターネットを始めとした公衆通信網を介して提供された情報を反映させるようにしてもよい。また、専門家による研究データや論文、学会発表や、新聞記事、書籍等の内容に基づいてシステム側又はユーザ側が人為的に、又は自動的に更新するようにしてもよい。これらの更新処理においては人工知能を活用するようにしてもよい。
また、この第2連関度は、これら以前施された処方及び各変化症状以外に、上述した摂取物、属性情報、生活習慣、性格、外部情報の何れか1以上と組み合わせて処方との関連付けが行われていてもよいことは勿論である。
更にこの第2連関度の処理動作は、上述した第1連関度の処理動作に基づいて探索されて以前施された処方並びにその処方に基づいて変化した症状が入力される場合に限定されるものではなく、これとは無関係の以前施された処方が入力されるものであってもよい。かかる場合には、以前の処方よりも更に範囲を拡大させて、以前の生活習慣までも含めて参照するようにしてもよい。以前の生活習慣とは、現在に至るまでの生活習慣の履歴情報で構成されていてもよいし、以前のある時点において断続的に検知した生活習慣であってもよい。変化症状も同様に、現在に至るまでの症状の変化履歴で構成されていてもよいし、以前のある時点において断続的に検知した症状であってもよい。
1 処方探索システム
3 データベース
21 内部バス
23 表示部
24 制御部
25 操作部
26 通信部
27 探索部
28 記憶部

Claims (12)

  1. 各症状と、各生活習慣並びに各属性情報の何れか1以上との組み合わせと、その処方との3段階以上の第1連関度が予め記憶されているデータベースと、
    上記組み合わせを構成する情報が入力される入力手段と、
    上記データベースに記憶されている第1連関度を参照し、上記入力手段を介して入力された上記情報に基づき、1以上の処方を探索する探索手段とを備え、
    上記データベースには、上記探索手段により探索されて以前施された処方及び上記処方を実施した患者による各変化症状と、新たな処方との3段階以上の第2連関度が予め記憶され、
    上記入力手段は、以前施された処方を実施した実際の患者による変化症状が入力され、
    上記探索手段は、上記データベースに記憶されている第2連関度を参照し、上記入力手段を介して入力された上記変化症状及び以前施された処方に基づき、1以上の新たな処方を探索する探索手段とを備えること
    を特徴とする処方探索システム。
  2. 以前の生活習慣及び以前からの各変化症状と、新たな処方との3段階以上の第2連関度が予め記憶されているデータベースと、
    実際に以前の生活習慣及び当該生活習慣を実施した実際の患者による変化症状が入力される入力手段と、
    上記データベースに記憶されている第2連関度を参照し、上記入力手段を介して入力された上記以前の生活習慣及び上記変化症状に基づき、1以上の新たな処方を探索する探索手段とを備えること
    を特徴とする処方探索システム。
  3. 上記データベースには、薄毛、美容、疾患の何れかに関する上記各症状との組み合わせの上記第1連関度が予め記憶されていること
    を特徴とする請求項1項記載の処方探索システム。
  4. 上記データベースには、薄毛、美容、疾患の何れかに関する上記各変化症状との組み合わせの上記第2連関度が予め記憶されていること
    を特徴とする請求項2記載の処方探索システム。
  5. 上記データベースは、各症状と、各生活習慣並びに各属性情報の何れか1以上との組み合わせと、その処方との関係を新たに取得した場合には、これを上記第1連関度に反映させることで更新すること
    を特徴とする請求項1項記載の処方探索システム。
  6. 上記第1連関度はニューラルネットワークで構成されており、
    上記データベースは、人工知能を活用することにより、上記第1連関度に上記反映を行うことで更新すること
    を特徴とする請求項5記載の処方探索システム
  7. 上記データベースは、以前の生活習慣及び以前からの各変化症状と、新たな処方との関係を取得した場合には、これを上記第2連関度に反映させることで更新すること
    を特徴とする請求項2記載の処方探索システム。
  8. 上記第2連関度はニューラルネットワークで構成されており、
    上記データベースは、人工知能を活用することにより、上記第2連関度に上記反映を行うことで更新すること
    を特徴とする請求項7記載の処方探索システム。
  9. 各症状と、各生活習慣並びに各属性情報の何れか1以上との組み合わせと、その処方との3段階以上の第1連関度を予め取得する第1連関度取得ステップと、
    上記組み合わせを構成する情報が入力される入力ステップと、
    上記第1連関度取得ステップにより取得した第1連関度を参照し、上記入力ステップにおいて入力された上記情報に基づき、1以上の処方を探索する探索ステップと、
    上記探索ステップにおいて探索されて以前施された処方及び上記処方を実施した患者による各変化症状と、新たな処方との3段階以上の第2連関度を取得する第2連関度取得ステップと、
    以前施された処方を実施した実際の患者による変化症状が入力される変化症状入力ステップと、
    上記第2連関度取得ステップにおいて取得した第2連関度を参照し、上記変化症状入力ステップにおいて入力された上記変化症状及び以前施された処方に基づき、1以上の新たな処方を探索する新処方探索ステップとをコンピュータに実行させること
    を特徴とする処方探索プログラム。
  10. 以前の生活習慣及び以前からの各変化症状と、新たな処方との3段階以上の第2連関度を取得する第2連関度取得ステップと、
    実際に以前の生活習慣及び当該生活習慣を実施した実際の患者による変化症状が入力される変化症状入力ステップと、
    上記第2連関度取得ステップにおいて取得した第2連関度を参照し、上記変化症状入力ステップを介して入力された上記以前の生活習慣及び上記変化症状に基づき、1以上の新たな処方を探索する新処方探索ステップとを有し、上記各ステップをコンピュータにより実行すること
    を特徴とする処方探索プログラム。
  11. 各症状と、各生活習慣並びに各属性情報の何れか1以上との組み合わせと、その処方との3段階以上の第1連関度を予め取得する第1連関度取得ステップと、
    上記組み合わせを構成する情報が入力される入力ステップと、
    上記第1連関度取得ステップにより取得した第1連関度を参照し、上記入力ステップにおいて入力された上記情報に基づき、1以上の処方を探索する探索ステップと、
    上記探索ステップにおいて探索されて以前施された処方及び上記処方を実施した患者による各変化症状と、新たな処方との3段階以上の第2連関度を取得する第2連関度取得ステップと、
    以前施された処方を実施した実際の患者による変化症状が入力される変化症状入力ステップと、
    上記第2連関度取得ステップにおいて取得した第2連関度を参照し、上記変化症状入力ステップにおいて入力された上記変化症状及び以前施された処方に基づき、1以上の新たな処方を探索する新処方探索ステップとを有し、
    上記各ステップをコンピュータが実行すること
    を特徴とする処方探索方法。
  12. 以前の生活習慣及び以前からの各変化症状と、新たな処方との3段階以上の第2連関度を取得する第2連関度取得ステップと、
    実際に以前の生活習慣及び当該生活習慣を実施した実際の患者による変化症状が入力される変化症状入力ステップと、
    上記第2連関度取得ステップにおいて取得した第2連関度を参照し、上記変化症状入力ステップを介して入力された上記以前の生活習慣及び上記変化症状に基づき、1以上の新たな処方を探索する新処方探索ステップとを有し、
    上記各ステップをコンピュータが実行すること
    を特徴とする処方探索方法。
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