JP6303905B2 - 超音波診断装置、超音波診断装置の画像処理方法、および、画像処理プログラム - Google Patents

超音波診断装置、超音波診断装置の画像処理方法、および、画像処理プログラム Download PDF

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Description

本発明は、超音波の送受信を行う超音波プローブを被検者の体表面、特に四肢関節に当接させて超音波診断を行う超音波診断装置、超音波画像解析方法及びそのプログラムに関するものである。
近年関節リウマチをはじめとする関節炎の疾患活動性の評価に超音波診断装置を用いることが一般的になりつつある。疾患活動性の評価にはBモード画像とパワードプラ画像が主に用いられており、Bモード画像では滑膜肥厚や滑液貯留、骨びらんを、パワードプラ画像では滑膜の炎症を観察することができる。
加えて、超音波画像を用いてこれらの疾患活動性をグレード別に判定する方法が提案されている。パワードプラ画像を用いて炎症の程度をグレード化する場合、観測される血流信号が肥厚した滑膜領域のうちどれだけの割合を占めているかでグレードを判定する。
疾患活動性を超音波画像の所見から客観的に定量化するためには、検査者の主観を含むユーザ操作をできるだけ排除し、一定の基準に沿って定量化することが好ましい。例えば、非特許文献1では、肥厚した滑膜を含む関節腔を超音波画像上にてフリーハンドでトレースし、このトレースした領域に占める血流信号の占有率を定量評価値として算出することが提案されている。しかしながら、検査者に関節腔をフリーハンドでトレースさせると、同一の超音波画像から関節腔をトレースしても検査者によって、また、同一の検査者でもトレースした時によって、トレース結果にばらつきが生じる。結果として定量化された血流信号の占有率に検査者の主観によるばらつきが生じることになる。
上記課題を解決するために、例えば特許文献1では骨表面を特定してから関節腔領域を切り出し、関節腔領域を解析することにより疾患活動性を客観的に定量化する方法が提案されている。この方法によれば、検査者の主観を排除するとともに、血流信号だけでなく、骨皮質の破壊、軟骨の損傷による関節の狭小化、滑膜肥厚に伴う関節包の伸展等の画像所見を定量評価することができる。
特開2013−056156号公報
小池隆夫、「超音波検査法を用いた関節リウマチの新しい診療」、P40−43、メディカルレビュー社、2010年3月10日
しかしながら、疾患活動性をより客観的に定量化するためには、骨表面、関節腔領域等の関節部位の構成要素の検出精度を向上させることが重要である。従来、このような構成要素の境界の検出は、輝度に対して閾値を設定する、輝度に対して構成要素の境界と略直交する向きに微分や2次微分を用いたエッジ検出技術が用いられている。しかしながら、このような手法では、関節部位のように多数の構成要素が存在する場所では、複数の境界が一体となった単一の線画として取得されるため、各構成要素を特定するためにはパターンマッチング等を行い、各エッジがどの構成要素の境界に対応するか判断する必要がある。そのため、必ずしも適正なパターンが存在するとは限らず、構成要素が特定できない事態や、構成要素と他の構成要素との境界位置の誤認識などが発生しうる。
本発明は、関節部位を構成する各構成要素を正確に特定可能な超音波診断装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る超音波診断装置は、関節部位を撮像した超音波画像から、前記関節部位の構成要素を示す画像部分を特定する超音波診断装置であって、超音波画像を取得して前記画像部分を特定する画像処理回路を備え、前記画像処理回路は、超音波画像を取得する超音波画像取得部と、前記超音波画像において、被検体表面と略垂直な被検体の深さ方向を第1方向、前記第1方向と直交する方向を第2方向としたとき、前記第2方向の画素位置がN(Nは1以上の整数)である第1特定画素と、前記第2方向の画素位置がN+1である第2特定画素とを、前記第2特定画素の輝度が大きく、かつ、前記第1特定画素と前記第2特定画素とが近接する場合に関連付けることを第2方向の全ての画素位置で行うことにより前記超音波画像から1以上の特徴線を検出し、前記構成要素間の境界を前記特徴線のいずれが示しているかを当該特徴線の前記第1方向における順序に基づいて特定し、各構成要素の境界を示す画像部分を特定する構成要素特定部とを備えることを特徴とする。
上記の構成によれば、構成要素の境界を示す特徴線がそれぞれ独立した形式で検出できるため、複数の特徴線の集合を各構成要素の境界を対応付けるためのパターンマッチングの必要がない。そのため、構成要素の境界線がいずれかの特徴線に対応しており、特徴線の形状にかかわらず、構成要素と他の構成要素との境界を正確に検出できる。また、仮に関節部位を示す画像部分の形状が一般的な関節部位を示す画像の形状と大きく異なっていても、深さ方向における各構成要素の順序は変わらないため、構成要素の取り違えをすることなく、正確に各構成要素を特定することが可能となる。
実施の形態に係る超音波診断装置のブロック図。 関節の概略の示した図。 (a)関節を撮像した超音波画像の一例を示す図。(b)リウマチに罹患した関節を撮像した超音波画像の一例を示す図。 実施の形態に係る超音波診断装置の動作を示すフローチャート。 実施の形態に係る超音波診断装置における構成要素の特定動作を示すフローチャート。 (a)関節を撮像した超音波画像における骨表面を示す図。(b)関節を撮像した超音波画像においてエッジの分類を示す図。 実施の形態に係る動的計画法を用いたエッジ検出の動作を示すフローチャート。 (a)関節を撮像した超音波画像において検出されたエッジを示す図。(b)実施の形態に係る動的計画法を用いたエッジ検出の一例を示す図。(c)実施の形態に係る動的計画法を用いたエッジ検出におけるValue値の例。(d)実施の形態に係る動的計画法を用いたエッジ検出の一例を示す図。(e)実施の形態に係る動的計画法を用いたエッジ検出におけるValue値の例。 実施の形態に係るエッジの分類動作を示すフローチャート。 (a)実施の形態に係る滑膜の特定の一例を示す図。(b)実施の形態に係る滑膜の特定の一例を示す図。 超音波画像において骨表面のエッジを示す図。 (a)実施の形態に係る関節の特定の一例を示す図。(b)実施の形態に係る関節の特定の一例を示す図。 実施の形態に係る関節包の特定の一例を示す図。 実施の形態に係る超音波診断装置における疾患活動性の定量化動作を示すフローチャート。 関節を撮像した超音波画像における骨びらんを示す図。 (a)実施の形態に係る骨びらんの検出を示す図。(b)骨びらんの検出のために用いる一階差分の概念図。(c)骨びらんの検出の動作を示す図。 (a)実施の形態に係る骨表面の定量化を示す図。(b)実施の形態に係る骨表面の定量化を示す図。 (a)実施の形態に係る骨表面の定量化を示す図。(b)実施の形態に係る骨びらんの定量化を示す図。 (a)実施の形態に係る関節包の定量化の一例を示す図。(b)実施の形態に係る関節包の定量化の一例を示す図。 (a)変形例に係る関節腔領域の特定の一例を示す図。(b)変形例に係る関節腔領域の特定の一例を示す図。(c)変形例に係る関節腔領域の特定の一例を示す図。 (a)実施の形態に係る関節腔領域の定量化の一例を示す図。(b)実施の形態に係る関節腔領域の定量化の一例を示す図。 実施の形態に係る関節腔領域の定量化の一例を示す図。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態に係る超音波診断装置20の構成を示すブロック図である。超音波診断装置20は、超音波送受信部21、超音波画像生成部22、記憶部23、エッジ検出部24、構成要素特定部25、病態解析部26、制御部27、画面生成部28を含む。超音波画像生成部22、記憶部23、エッジ検出部24、構成要素特定部25は、画像処理回路として1ブロックの回路として構成される。なお、超音波送受信部21、病態解析部26、制御部27、画面生成部28は画像処理回路とは別の回路として構成される。これらは、必要に応じて、画像処理回路の内部構成としても構わない。超音波プローブ11、入力部31、表示部32は超音波診断装置20に外部から接続される構成である。これらは、必要に応じて、超音波診断装置20に含めた構成としても構わない。
超音波プローブ11は、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)などからなる振動素子が一列に配置された振動素子アレイを備える、リニア型プローブである。超音波プローブ11は、超音波送受信部21で生成された超音波送信信号を送信超音波に変換して被検体に送出する。送出された送信超音波は、被検体である生体内の、関節部位の構成要素間の音響インピーダンスの差が存在する部分において反射される。この時、音響インピーダンスの差が顕著であるほど、反射する超音波のエネルギーも大きくなる。
反射された反射超音波は、超音波プローブ11で受信される。超音波プローブ11で受信された超音波は超音波受信信号として超音波送受信部21に入力される。超音波送受信部21は、整相加算によるビームフォーミングを行い、整相加算後の超音波受信信号を音響線信号として、超音波の1度の送受信に係る走査線の単位で超音波画像生成部22に出力する。
超音波画像生成部22は、超音波送受信部21から入力された音響線信号を集計し、包絡線検波、対数圧縮などを行って輝度データに変換するとともに、走査線の位置と深さとを直交座標に変換して、超音波画像を生成する。超音波画像生成部22で生成された超音波画像は記憶部23で一時的に記憶される。
記憶部23は、超音波画像や後述する構成要素の特定情報、疾患活動性を一時的に記憶している記憶装置であり、例えば、RAMや、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブなどで構成される。
入力部31は、検査者が検査者名、患者名、超音波診断装置の設定情報を入力するための構成であり、例えば、キーボード、トラックボール、ペンタブレット等の入力デバイスで構成される。また、例えば、後述する表示部32と一体のタッチパネル等であってもよい。
エッジ検出部24は、記憶部23に記憶されている超音波画像を読み出し、画像内のエッジを検出する。検出されたエッジは、関節部位の構成要素を示す画像部分(以下、単に「構成要素」と表記する)を超音波画像から特定するために用いられる。
構成要素特定部25は、エッジ検出部24が検出したエッジを用いて、超音波画像内の各構成要素を特定する。具体的には、関節部を撮像した超音波画像から、骨表面、関節位置、関節腔領域、滑膜のそれぞれを示す画像部分(以下、それぞれを単に「骨表面」、「関節位置」、「関節腔領域」、「滑膜」と表記する)を特定する。
病態解析部26は、構成要素特定部25が特定した超音波画像の各構成要素を解析し、リウマチの病態の疾患活動性を定量的に評価する。
制御部27は、入力部31を介してユーザが入力した設定情報を、記憶部23に記憶されている超音波画像と対応付けて保持する。また、構成要素特定部25が特定した超音波画像の各構成要素、病態解析部26による疾患活動性の評価結果をそれぞれ取得し、設定情報とともに画面生成部28に通知する。
画面生成部28は、記憶部23に記憶されている超音波画像を読み出す。また、画面生成部28は、入力部31から入力された検査者名、患者名、時間情報、超音波診断装置の設定情報と、病態解析部26による疾患活動性の評価結果とを制御部27から受け取り、読み出した超音波画像に重畳して、表示部32に出力する。
表示部32は、画面生成部28が生成した画像を検査者に提示するモニタであり、例えば、液晶ディスプレイである。
超音波送受信部21、超音波画像生成部22、エッジ検出部24、構成要素特定部25、病態解析部26、制御部27、画面生成部28はそれぞれ、例えば、メモリと、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphic Processing Unit)などのプログラマブルデバイスとソフトウェア、あるいは、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Ingegrated Circuit)などのハードウェアにより実現される。
<測定対象>
本実施の形態における主な被検体の測定対象は関節である。関節の一例として手指関節の概略を図2に示す。図2に示すように、関節は、骨111、骨121、軟骨112、軟骨122、滑膜130、関節包140からなる。骨111と骨121の先端部分にはそれぞれ、軟骨112と軟骨122が付帯しており、軟骨112と軟骨122を包むように滑膜130が存在する。さらに滑膜130を囲むように関節包140が骨111と骨121に付着している。
例えば、関節リウマチが進行すると、滑膜130の肥厚や滑膜130内の関節液の貯留、骨皮質の破壊による骨びらんが確認される。さらには軟骨112、軟骨122の破壊により関節の隙間が狭くなり、関節が強直する。また、多くの症例では、滑膜130内部において血管新生の増殖が確認される。
図3(a)、図3(b)を用いて、関節を撮像した超音波画像と関節リウマチの病態について説明する。
図3(a)は、関節リウマチに罹患していない関節を撮像した超音波画像である。超音波画像には、骨表面201、骨表面202、皮膚203、腱204、関節包205が描画される。骨表面201、骨表面202や皮膚203は比較的固い構成要素であるため、超音波画像上でも高輝度で描画される。骨表面201、骨表面202、関節包205に囲まれた領域は関節腔領域206である。
骨111、骨112に到達した超音波の大部分は骨表面で反射されるため、骨の内部はほとんど描画されず、骨表面のみが高輝度で描画される。腱204や関節包205は骨表面201、骨表面202、皮膚203と比較すると低輝度で描画される。また、滑膜130は腱204や関節包205と比較してさらに低輝度であり、軟骨112、軟骨122はほぼ輝度値を持たない。従って、関節部位を撮像した超音波画像において、皮膚203、骨表面201、骨表面202に加え、腱204、関節包205が比較的高い輝度で描画される。
一方、図3(b)は、関節リウマチに罹患している関節を撮像した超音波画像である。リウマチ疾患の活動性が進行するにしたがって滑膜130が肥厚するため、滑膜130を取り囲む関節包140も肥大する。そのため、超音波画像において、関節包205の肥大が確認される。また、骨皮質の破壊が骨びらん207として超音波画像所見に現れる。さらに、関節腔領域206の内部において、血管新生に起因する血流信号208が観測される。
<動作>
実施の形態1に係る超音波診断装置20の動作について説明する。図4は、超音波診断装置20の全体の動作を示すフローチャートである。
まず、超音波画像を取得する(ステップS101)。具体的には、超音波送受信部21が超音波プローブ11に超音波送信信号を送出し、超音波プローブ11は超音波送信信号を送信超音波に変換して被検体に送出する。超音波プローブ11は、被検体から反射された反射超音波を超音波受信信号に変換して超音波送受信部21に送出する。超音波送受信部21は超音波受信信号に対して整相加算によるビームフォーミングを行い、音響線信号を超音波画像生成部22に出力する。超音波画像生成部22は、音響線信号に対して包絡線検波、対数圧縮などを行って輝度データに変換するとともに、走査線の位置と深さとを直交座標に変換して、超音波画像を生成する。以下、超音波画像はBモード画像であるとするが、超音波画像はBモード画像に限定されるものではなく、Mモード画像、パワードプラ画像等、超音波を用いて生成される任意の画像であってよい。超音波画像生成部22で生成された超音波画像は記憶部23に記憶される。
次に、超音波画像から構成要素を特定する(ステップS200)。この動作により、超音波画像から、骨表面、滑膜、および、これらから、骨端、関節位置、関節包、関節腔領域が特定される。特定された各構成要素の情報は記憶部23に記憶される。詳細は後述する。
次に、疾患活動性を定量化する(ステップS300)。疾患活動性とは、関節リウマチなどの関節疾患について、罹患の有無や罹患している場合の進行度を示す指標であり、例えば、滑膜や関節包の肥厚度、骨表面の滑らかさ、関節の形状、関節腔領域における血流の有無およびその範囲等である。疾患活動性を定量化することにより、関節疾患の罹患の有無や進行度の判断、所定期間における疾患の進行状況などを客観的に評価でき、被検者に対する的確なケア等が行える。この動作により、特定された骨表面、滑膜、関節、関節包、関節腔領域における関節リウマチの疾患活動性が定量化される。定量化された各疾患活動性の情報は記憶部23に記憶される。詳細は後述する。
最後に、画像を生成して表示部32に出力する(ステップS102)。具体的には、記憶部23に記憶されている超音波画像に、入力部31から入力された検査者名、患者名、時間情報、超音波診断装置の設定情報と、病態解析部26による疾患活動性の評価結果とを重畳して、表示部32に出力する。
<構成要素の特定>
上述のステップS200における構成要素の特定について詳細に説明する。図5は構成要素の特定動作を示すフローチャートである。
なお、本実施の形態に係る超音波画像において、深さ方向がy軸であり、y軸と直交する方向、すなわち、皮膚と略平行な方向がx軸であるとする。また、超音波画像の左上の端が原点であり、x軸は超音波画像の左側から右側に向けて座標値が増加するものとし、y軸は超音波画像の上側から下側に向けて座標値が増加するものとする。つまり、皮膚に近い側が上で、皮膚から遠い側が下となる。以下、深い側を下、浅い側を上と表記することがあるが、実体的には同じものを指す。
上述したように、被検体における構成要素間の音響インピーダンスの差が大きくなるほど反射超音波のエネルギーが大きくなる。したがって、超音波画像において輝度の高い線状の領域は構成要素の境界を示している可能性が高い。また、上述したように、骨表面は高輝度で描写され、骨表面より深い領域(骨内部)はほとんど輝度を持たないことから、構成要素の境界の候補を検出した後、まず骨表面を特定し、さらにその他の構成要素の境界を浅い側に検索していくことが効率的である。図6(a)は、関節領域を撮像した画像から輝度の高い線状の領域を抽出したものであり、骨表面301、骨表面302から順に特定を行う。なお、図6(a)では、骨表面301、302以外のエッジを破線で示している。
まず、エッジ検出部24がエッジの強調処理を行う(ステップS201)。具体的には、超音波画像、ここでは、Bモード画像に対してエッジの抽出を行い、抽出されたエッジ画像と元のBモード画像とを合成する。このようにすることで、構成要素の境界の1つが独立した2つのエッジとして抽出されるなど不完全なエッジ抽出が行われたとしても、元のBモード画像が補間を行うため、後述のエッジ検出において検出されたエッジ(特徴線)が途切れることがない。ここで用いるエッジの抽出方法は、Sobelフィルタ、二次微分法、事前に設定した骨表面の輝度値の代表値、あるいは検査者が入力部31を介して入力する値を閾値として二値化処理を行う方法、Sobelオペレータ、ラプラシアンフィルタ等を用いて微分画像から強勢なエッジを取り出す方法、連続したエッジを抽出するCanny法などが挙げられる。例えば、Sobelオペレータを用いて一次微分画像を作成する場合、超音波画像に対して水平方向に強度をもつエッジが強調されるようにオペレータの微分係数を以下の式[数1]で示されるLyのように設定する。式[数1]のLyは、画像の上から下への方向の輝度変化を強調するための微分係数であり、画像の水平方向に伸展するエッジを抽出することができる。
次に、エッジ検出部24が動的計画法でエッジを検出する(ステップS202)。ここで検出の対象とするエッジは、被写体たる関節部位における構成要素の境界線、または繊維状組織の繊維を示す特徴線であり、上述のエッジ強調で抽出したエッジとは異なり、最も輝度の高い場所とは限らない。動作の詳細を図7のフローチャートに示す。
まず、エッジ検出部24は、x座標が1である全ての画素について(ステップS401)、輝度値を取得する(ステップS402)。次に、取得した輝度値について、y軸の方向に極大値(ピーク)となっている画素を取り出し、それらの画素を探索開始点として保持する(ステップS403)。以下、j個(jは1以上の整数)の探索開始点について、それぞれの座標を(1,yj)と表記する。
次に、探索開始点の各々について、同一のエッジを構成する画素を探索する。具体的には、まずx座標が1だけ増加する、x座標が2である全ての画素について(ステップS404)、探索開始点の各々について対応点の検索を行う。具体的には、x座標が2である全ての画素の輝度値を取得する(S406)。そして、下記の式[数2]に基づき、x座標が2である全ての画素のうち、値Valueが最小となる画素を探索する。
ここで、L(x,y)とは、座標(x,y)の画素の輝度値である。また、係数m、nについて、n>0>mの関係を満たす。
具体的には、まず上記Valueが所定の閾値Thを下回るか否かを判定する(ステップS407)。これは、|y−yj|が極度に大きい場合、すなわちy座標が大きく異なる場合は連続したエッジであると見なせないためである。なお、この判定はValueが閾値Thを下回るか否かではなく、|y−yj|が所定の閾値を下回るか否かで行うとしてもよい。次に、上記Valueが所定の閾値Thを下回る画素について、上記Valueが最小値となる画素を特定する。具体的には、上記Valueが最小値Minを下回るか否かを判定し(ステップS408)、下回る場合に、y座標を変数pに格納するとともに、Valueを新たな最小値Minとする(ステップS409)。なお、最小値Minの初期値は閾値Thと同一であるとしてもよいし、最小値Minが未定義である場合には、ステップS408をYesと判定することとしてもよい。
ステップS407〜S409の処理をx座標が2である全ての画素に対して実施するため、これらの処理を、座標(2,y)が超音波画像の下端に達するまで(ステップS410)、yを1ずつ加算しながら(ステップS411)繰り返し行う。
このようにすることで、Valueが所定の閾値Thを下回る(ステップS407でYesとなる)座標が1以上存在した場合に、Valueが最小値となるy座標が変数pに、その時のValue値が最小値Minに格納されることになる。したがって、変数pに値が格納されている場合(ステップS412でYes)、探索開始点(1,yj)に対して(x,p)をエッジを構成する次の点であるとして対応付け、(x,p)を新たな探索開始点とする(ステップS413)。一方、Valueが所定の閾値Thを下回る(ステップS407でYesとなる)座標が1つも存在しない場合、変数pに値が格納されないので(ステップS412でNo)、この場合は、エッジが(x−1,yj)で終了していると判断する(ステップS414)。
ステップS407〜S414の処理を全ての探索開始点に対して繰り返し実行することで(ステップS415、S416)、x座標x−1(=1)の探索開始点の全てについて、対応する点があれば新たな探索開始点とすることができ、対応する点がなければエッジが終了していると判定できる。なお、x座標x−1(=1)の複数の探索開始点からx座標x(=2)の単一の対応点が対応する場合には、最もValue値が小さい組み合わせ以外の組み合わせについて、エッジがx座標x(=2)の単一の対応点で終了しているとしてもよいし、その組み合わせを無効であるとして、他の対応点を検索するとしてもよい。
次に、さらに、x座標が2である全ての画素について輝度値を取得し、y軸の方向に極大値となっている座標を取り出し、各座標を探索開始点(x,yj)に追加する(ステップS417)。このとき、ステップS413において既に新たな探索開始点として特定されている点については、重複となるため追加を行わない。これにより、(1)ステップS413で特定された、(x−1,yj)に対応する点、(2)y軸の方向に極大値となっている(1)以外の点、が新たな探索開始点として設定される。
新たな検索開始点に対し、ステップS404〜S417の処理を繰り返し実行する(ステップS418)。このようにすることで、x=2の探索開始点に対し、x=3の対応点の有無の検出と、x=3の探索開始点の設定が行われる。この処理を画面の右端に至るまで繰り返し実行することにより、y軸と略平行のエッジが効率よく、かつ誤認の少ない方法で検出できる。例えば、エッジに重なるような高輝度のノイズをエッジと誤認識したり、超音波画像の中央で途切れたエッジと、浅い側の別のエッジとを単一のエッジと誤認識したりすることを防ぐことができる。この処理を繰り返すことで、例えば、図8(a)に示すように、骨表面と推測される構成要素の境界を検出することができる。
図8(b)、(d)に、画素の輝度値と検出されるエッジとの関係を示す。図8(b)は図3における領域A、図8(d)は図3における領域Bにおける、各画素と輝度値との関係を示す。なお、ここで、m=−1、n=20、Th=−20とする。図8(b)では、エッジ501とエッジ502とが検出されている。単にy軸に沿って輝度値の極大値を検出した場合、x=4において(4,1)と(4,2)とが検出されるため、(3,2)と(4,1)とが対応し、(3,6)と(4,2)とが対応すると誤認する可能性がある。しかしながら、本実施の形態に係る方法では、y座標の差を考慮するため、エッジ502において(4,2)がエッジ502の一部であると誤認することがない。図8(c)に(3,6)を探索開始点とした場合のValue値を示すが、(4,2)のValue値は−20、(4,6)のValue値は−70となるため、(3,6)と(4,6)が関連付けられ、(3,6)と(4,2)とが関連付けられることがない。
また、図8(d)では、エッジ503〜506が検出されている。ここで、エッジ504について、図8(b)と同様に、(5,2)や(5,10)等がエッジの一部であると誤認することがなく、正しくエッジを検出できる。図8(e)に(4,6)を探索開始点とした場合のValue値を示すが、これにより、Value値が全て閾値Th(=−20)以上であるため、(4,6)と対応する画素がない。そのため、エッジ504が(4,6)で途切れることが正しく認識され、エッジ503やエッジ506と一体化されるような事態が発生しない。また、探索開始点に対する対応点が1つであるため、エッジ505とエッジ506を枝分かれした1つのエッジとして誤認識することがなく、(4,12)から(5,12)へのValue値が−70となることから、エッジ505の輝度の部分的に低い一部(4,12)〜(5,12)を検出漏れしたりすることがない。そのため、エッジ505とエッジ506において、エッジ505にエッジ506が近接していることを正しく認識できる。
図5に戻って説明を続ける。次に、構成要素特定部25は検出されたエッジを分類することで、骨表面を検出する(ステップS203)。図6(b)は、検出されたエッジを、皮膚セグメント303、腱セグメント304、骨セグメント305に分類した状態を示している。解剖学的に、最も浅い位置に皮膚があり、最も深い位置に骨表面があり、その間に腱や関節包があることが分かっているので、例えば、K−meansやmean−shiftなどの画像上で距離が近いエッジを同じセグメントに分類する手法により、ステップS202で検出したエッジをセグメントに分類することができる。これにより、骨セグメント305に含まれるエッジが骨表面であると検出できる。
具体的には、図9のフローチャートに示すような動作となる。まず、浅い領域のエッジに対し(ステップS501)、超音波画像の左端から右端に至っているか否かを判定し(ステップS502)、肯定的であれば、皮膚セグメントであると分類する(ステップS503)。一方、深い領域のエッジに対し(ステップS504)、2つのエッジからなり、向かい合う箇所が下向きとなっているか否か(ステップS505)、および、エッジの下の輝度が低いか否か(ステップS506)を判定し、いずれも肯定的であれば、骨セグメントであると分類する(ステップS507)。一方、深い領域と浅い領域の中間に存在するエッジ、浅い領域に存在するが皮膚セグメントでないエッジ、深い領域に存在するが骨セグメントでないエッジは、腱セグメントであると分類する(ステップS509)。
これにより、関節部位の構成要素の境界がいずれかのエッジとして正確に検出され、かつ、それらのエッジが骨表面、皮膚、関節包または筋繊維または腱、のいずれかに分類されることになる。
<その他の構成要素の特定>
図5に戻って説明を続ける。次に、構成要素特定部25は輝度値を基に滑膜を検出する(ステップS204)。図10(a)、(b)は、滑膜の検出プロセスを示した図である。図10(a)のエッジ452は、検出された骨表面である。構成要素特定部25は、各x座標において、超音波画像の上端から骨表面までの各画素について輝度値を取得し、滑膜か否かを検出する。例えば、x=xkの直線451上の画素を、腱や筋繊維か、滑膜かに分類する。具体的には、(1)滑膜は筋繊維等より深い位置に存在する、(2)滑膜の輝度は筋繊維等の輝度より低い、の2つをもとに、輝度値と深さに従って画素を2グループに分類する。以上の処理を全てのx座標について行うことにより滑膜の存在する領域が検出できる。図10(b)は、超音波画像上に検出された滑膜の領域481を示したものである。
図5に戻って説明を続ける。次に、骨表面から、関節、骨端、関節腔領域を特定する(ステップS204)、以下、それぞれの検出方法について説明する。
関節は、以下のように検出する。図11に、検出された骨表面301、302を示す。関節は、骨表面301と骨表面302とが連続していない断裂部であると判定できる(図9のステップS508)。なお、図12(a)のように2つの骨表面301、302に対して2つの関節位置381、382を特定してもよいし、図12(b)のように関節の全体から二つの骨表面を包括する関節位置383を特定してもよい。
骨端は、次のように検出する。まず、骨表面の検出結果を平坦化する。次に、骨表面上の各点における曲率を算出する。最後に、骨表面の曲率が正となり、かつ凸形状をしている点を骨端とする。骨端は骨ごとにあるので、骨表面302に対しても同様の処理を行い、骨端を検出する。図11において円で囲まれている箇所が骨端である。
関節包は以下のように検出する。図13は、超音波画像上において、骨表面301、302および関節より浅い位置に存在するエッジを示したものである。エッジ391、394はいずれも、関節腔領域と骨表面301、302より浅い位置にあるエッジである。解剖学上、図2に示すように関節包140は骨111、121と接しているため、超音波画像においても、関節包は骨表面301、302と接している。さらに、関節腔領域は輝度が小さく、関節包と骨表面は高輝度である。そのため、ステップS202で検出されたエッジのうち、骨表面301、302と接し、当該エッジと骨表面301、302とで囲まれた領域が低輝度であるようなエッジを関節包として特定できる。図13において、地点392で骨表面301と接し、地点393で骨表面302と接する、関節包394が検出される。具体的には、図9のフローチャートにおけるステップS509以降のように、腱セグメントと分類されたエッジに対し、両端が骨表面301、302と接するか否か(ステップ510)、および、当該エッジと骨表面301、302とで囲まれた領域が低輝度であるか否か(ステップS511)をそれぞれ判定し、いずれも肯定的であれば、当該エッジを関節包であると判定し(ステップS512)、いずれかが否定的であれば、当該エッジを筋繊維であると判定する(ステップS513)。
関節包が特定されると、骨表面301、302、関節包に囲まれた領域であって、かつ、輝度の低い領域が関節腔領域であると特定することができる。
<疾患活動性の定量化>
上述のステップS300における疾患活動の定量化について詳細に説明する。図14は疾患活動の定量化を示すフローチャートである。
≪骨表面の定量化≫
まず、病態解析部26が骨表面の定量化を行う(ステップS301)。リウマチ症状が進行するに従って、骨表面301には図15のように骨びらん311が観測されるようになる。従って、骨表面301から骨びらんを抽出し、骨びらんの進行度を定量評価することが可能である。
まず、骨びらん311を抽出する。骨びらん311は骨表面が極値を持つ地点として抽出することが可能である。図16(a)に示すように、骨びらんが存在する骨表面321は凹型に変形している。この凹みを、骨表面上の極値として検出する。具体的には、図16(b)に示すように、超音波画像におけるx軸方向とy軸方向のそれぞれにおいて骨表面の一階差分、すなわち、骨表面上で隣り合うi番目の画素325と(i+1)番目の画素326のx軸、y軸それぞれの座標位置の差を算出し、その極値を検出する。より具体的には式[数3]により算出される。
まず、x軸の原点側から骨表面321の一階差分を計算する。極値322においては、x軸方向の一階差分の値が極値322の画素を境に大きく減少し、画素323にて再び元に戻る。また、画素323を境にy軸方向の一階差分の符号がマイナスからプラスに反転し、極値324周辺でプラスからマイナスに再び反転する。一階差分の値が大きく変動する、または、符号が反転する画素が局所的な領域331の内部に複数存在する場合、その領域内には骨びらんが存在すると判断することができる。
骨びらんが存在する局所的な領域を特定する方法を、図16(c)を使って説明する。まず、局所的な領域331内に含まれる骨表面321の画素の一階差分を計算し、骨びらんが含まれているかどうかを判断する。なお、画素の一階差分は、x軸、y軸両方向において計算される。次に、局所的な領域331を骨表面321に沿って一定距離移動させる。この2つの動作を逐次繰り返すことで、骨びらんが存在する局所的な領域を自動的に特定することができる。一方、骨びらんが存在しない骨表面について同様に一階差分を計算すると、x軸、y軸ともに一階差分が大きく変化することはなく、従って極値も持たないため、骨びらんが存在しないことが自動的に判定される。
次に、検出した骨びらんを定量化する。定量化の一つの手段として、関数をフィッティングさせ、フィッティング誤差を算出する方法がある。図17(a)は骨びらんがある場合の、骨表面361とフィッティング関数362とを示している。一方、図17(b)は骨びらんがない場合の、骨表面363とフィッティング関数364とを示している。図17(a)、図17(b)に示されるとおり、骨びらんがある場合、骨びらんがない場合と比較して骨表面とフィッティング関数との差分であるフィッティング誤差が大きい。また、骨びらんが進行するほど、骨表面の平滑さが失われるため、フィッティング誤差が大きい。従って、フィッティング誤差が骨びらんの進行度を示す指標となる。
ここで、フィッティングに使う関数は任意だが、骨びらんの部分とフィッティング関数とがフィットするのは好ましくなく、次数の選択に注意が必要である。なお、骨びらんが複数存在する場合は、各骨びらんのフィッティング誤差を個別に採用してもよいし、複数の骨びらんのフィッティング誤差の最大値、最小値、合計値、平均値、中央値等の統計量を算出しても構わない。
また、図18(a)に示すように、骨表面全体に関数をフィッティングさせてもよい。具体的には、骨表面の最深部、あるいは断裂部(関節位置)から左右に分けて、左右それぞれに関数をフィッティングさせる方法である。このように骨表面全体に関数をフィッティングさせる場合は、骨びらんの位置を検出する必要はない。図18(a)に、骨表面365にフィッティングさせた関数371と、骨表面366にフィッティングさせた関数372とを示す。骨びらんがある場合、フィッティングした関数371と骨表面365との誤差は大きくなるため、この場合もフィッティング誤差を定量化することで、骨びらんの存在を知ることができ、リウマチの疾患活動性の評価も可能となる。なお、この場合も、フィッティングに使う関数は任意だが、骨びらんの部分とフィッティング関数がフィットするのは好ましくなく、次数の選択に注意が必要である。
もしくは、骨びらんを直接定量化するとしてもよい。図18(b)は、骨びらんと判定された骨表面367に楕円関数373をフィッティングさせたものである。この場合、例えば、最小二乗法を用いてフィッティング関数を決定することができる。この場合、定量化の指標としては、例えば、楕円の面積、長径、短径、偏心率等の楕円の幾何学的諸量を用いることができる。なお、骨びらんが複数存在する場合、それぞれの骨びらんについて定量化指標を用いてもよいし、各骨びらんを定量化した後の指標の最大値、最小値、合計値、平均値、中央値等の統計量を用いるとしてもよい。
≪滑膜の定量化≫
次に、滑膜の定量化を行う(ステップS302)。図10(b)は滑膜の定量化を示した図である。ここで、検出された滑膜を領域481に示す。ここで、ステップS204で検出された骨端308、309に対し、骨端308と骨端309とを結ぶ直線を直線482、骨端308を通りy軸と平行な直線を直線483、骨端309を通りy軸と平行な直線を直線484として示す。
上述したように、関節リウマチが進行すると滑膜が肥厚する。滑膜が肥厚すると、まず皮膚の側、すなわち超音波画像の上方に滑膜が肥厚し、さらに肥厚が進行すると、滑膜が超音波画像の左右方向にも広がっていく。そのため、滑膜が直線482、483、484のいずれも越えていない状態をスコアGS1とする。また、滑膜が直線482を越え、直線482、483、484に囲まれた関節情報の領域485まで進展している状態をスコアGS2とする。さらに、滑膜が直線483や484を越え、直線482の左側の領域486および直線482の右側の領域487の少なくとも一方にまで進展している状態をスコアGS3とする。なお、図10(b)に示す滑膜を示す領域481は、直線482を越えて領域485まで進展しているが、直線483および直線484のいずれも越えていないため、スコアGS2と判断される。
≪関節の定量化≫
次に、関節を定量化する(ステップS303)。関節リウマチの進行に伴って軟骨が減少するため、図2に示すように、骨111と骨121とが近接する。従って、超音波画像において、関節位置の間隔が狭小化していく。そのため、関節位置の間隔を定量化することでリウマチの疾患活動性を評価できる。具体的には、図12(a)に示された関節位置381と関節位置382との距離、または、水平距離(x座標の差分)を定量化する。
≪関節包の定量化≫
次に、関節包を定量化する(ステップS304)。図2に示すように、関節リウマチの進行に伴って滑膜130が肥厚するため、滑膜を包括する関節包140も進展する。従って、超音波画像上では、関節包のエッジが変形する。従って、関節包の長さ、高さ、幅、面積等を定量化することにより、リウマチの疾患活動性の評価をすることが可能である。
関節包の長さ、高さ、幅、面積を定量化する方法を図19(a)、(b)を用いて説明する。
関節包の長さは、関節包のエッジ394の長さを持って定量化する。
関節包の高さは、関節包のエッジ394においてy座標が最も小さくなる極大値401から、関節包のエッジ394の左端402を通る水平線404と、関節包のエッジ394の右端403を通る水平線405とのそれぞれに対して垂直に下した垂直線406、407のそれぞれの長さを持って定量化する。なお、この2つの長さは個別に用いてもよいし、最大値、最小値、平均値、合計値等の統計量を用いてもよい。または、図19(b)に示すように、関節包のエッジ394の左端402と右端403とを結ぶ直線411に対して関節包のエッジ394の極大値401から垂直に下した垂直線412の長さを関節包の高さとして定量化してもよい。
関節包の幅は、関節包の左端402と右端403との間の水平距離408(x座標の差)、あるいは、左端402と右端403とを結ぶ直線411の長さを持って定量化する。
関節包の面積は、関節包のエッジ394と直線411とに囲まれた領域内の面積、すなわち領域内のピクセル数を持って定量化する。
なお、関節包のエッジ394の左端402と右端403との位置はステップS509で検出した座標、関節包のエッジ394の極大値401は関節包のエッジ394を構成する画素のうちy座標が最小となる点であるとしたが、例えば、ユーザが入力部31を介して指定する、としてもよい。
≪関節腔領域の定量化≫
次に、関節腔領域を定量化する(ステップS305)。関節腔領域を定量化する指標は、関節腔領域の面積、高さ、幅、角度があげられる。図21(a)には、関節腔領域423、関節腔領域の高さ431、関節腔領域の幅432を示している。図21(b)には、関節位置から関節包の両端に向かう矢印433と、関節腔領域の角度434を示す。
関節腔領域の面積は、関節腔領域423内のピクセル数をカウントすることで定量化される。
関節腔領域の幅は、関節腔領域423内の各画素におけるx座標の最大値と最小値の差、あるいは、関節包の左端と右端のx座標の差(水平距離)で定量化される。
関節腔領域の高さは、関節腔領域423内の各画素におけるy座標の最大値と最小値の差で定量化される。
関節腔領域の角度は、関節位置の中心から関節腔領域の両端のそれぞれへと向かう2つの矢印433がなす角434として定量化される。具体的には、関節位置の中心はステップS204で特定された関節位置381、382の中点を用いることができる。なお、関節腔領域の両端については、ステップS204で特定された関節包394の両端を用いてもよいし、上述した関節腔領域の幅の定量化で用いた、x座標が最大となる点およびx座標が最小となる画素の座標を用いてもよい。
また、血流信号を含むパワードプラ画像を用いて、関節腔領域の定量化を行ってもよい。関節リウマチが進行すると、滑膜に血管新生が起こるため、滑膜領域に血流信号が検出される。図22に、パワードプラ画像における血流信号442、443、444を示す。定量化の指標としては、関節腔領域423内に観測される血流信号442、443の総面積、関節腔領域423の面積に対する血流信号442、443の総面積の割合、連続した領域として計測される血流信号の個数などがあげられる。なお、血流信号444は関節腔領域423の領域外であるため、定量化の対象化としない。
また、血流信号の位置を定量化の対象としてもよい。リウマチの病状が進行すると滑膜が肥厚するため、関節腔領域の上方に血流信号が観測されるからである。まず、関節腔領域423を横断する直線を、関節腔領域423を上方と下方に分割する境界線441とする。境界線441の両端は、上述した関節腔領域の幅や角度と同様、ステップS204で特定された関節包394の両端を用いてもよいし、上述した関節腔領域の幅の定量化で用いた、x座標が最大となる画素およびx座標が最小となる画素の座標を用いてもよい。または、ユーザが入力部31を介して境界線441を入力してもよい。次に、血流信号を境界線441の上方の血流信号442と下方の血流信号443の2カテゴリに区別し、それぞれの領域において、血流信号の総面積、関節腔領域423の面積に対する血流信号の総面積の割合、連続した領域として計測される血流信号の個数を定量化する。
また、境界線441の上方と下方に位置する血流信号のそれぞれに係数を設定し、式[数4]に従って重みづけ平均として定量化してもよい。
ここで、ω1は境界線441の上方に位置する血流信号に付与された係数、Q1は境界線441の上方に位置する血流信号から導かれる定量化値、ω2は境界線441の下方に位置する血流信号に付与された係数、Q2は境界線441の下方に位置する血流信号から導かれる定量化値である。Q1とQ2は、上方/下方それぞれに位置する血流信号の総面積、関節腔領域423の面積に対する血流信号の総面積の割合、連続した領域として計測される血流信号の個数のいずれかであり、Q1とQ2には同じ種類の定量化評価値を用いることが好ましい。
また、境界線441から血流信号までの位置までの垂直距離を定量化に用いてもよい。図22に示されるように、血流信号442から境界線441まで垂直に下した垂直線445の長さと、血流信号443から境界線441まで垂直に下した垂直線446の長さとを評価値とする。このとき、境界線441から上方に位置する血流信号に対しては境界線441から遠方であるほど高い評価値、境界線441から下方に位置する血流信号に対しては境界線441から遠方であるほど低い評価値となるようにし、評価値の合計値を持って定量化を行う。または、距離による評価値を用いて重みづけを行ってもよい。例えば、それぞれの血流信号に対する境界線441からの距離に基づく評価値をln、血流信号の面積をVnとして、式[数5]により血流信号の面積に重みづけを行ってもよい。
この場合、血流の位置と面積を包括的に評価可能な定量化値を定義できる。なお、Vnには関節腔領域423の面積に対する血流信号の総面積の割合、連続した領域として観測される血流信号の個数を用いても構わない。また、lnにはそれぞれの血流信号に対する関節位置の中心からの直線距離を用いても構わない。このようにすれば、関節位置の中心からの距離が遠いほど高い評価値、関節位置の中心に近いほど低い評価値となる。
<まとめ>
上記構成により、構成要素の境界を示す特徴線がそれぞれ独立した形式で検出し、複数の特徴線の集合を各構成要素の境界と対応付けることができる。そのため、構成要素の境界線、すなわち、骨表面、皮膚、関節腔がいずれかの特徴線に対応している。そのため、線画状に1つのエッジを検出する場合と比較すると、パターンマッチングの必要がないため、適正な比較パターンがない場合に判断ができない、不適切な比較パターンを用いて境界を誤認識するといった事態を防ぐことができる。また、輝度のみを用いてエッジを検出する場合と異なり、輝度の高いエッジが他のエッジに近接する場合や、高輝度ノイズがエッジに重なることによるエッジを誤認識する事態を防ぐことができる。
さらに、パターンマッチングのような多くの演算を必要とせず、演算量の削減にも奏功する。
そのため、各構成要素を高精度に検出することができ、検査者に依存しない、信頼性の高い病態の定量化を行うことができる。
<実施の形態に係るその他の変形例>
(1)実施の形態では、超音波診断装置20が骨表面、滑膜、関節、関節包、関節腔領域の全てについて疾患活動性を定量化するとしたが、本発明は必ずしもこの場合に限定されない。超音波診断装置20は、例えば、骨表面、滑膜、関節、関節包、関節腔領域のうち、一部のみを定量化してもよく、また、ユーザが入力部31を用いて指定した疾患活動性の定量化のみを行うとしてもよい。なお、定量化する際に特定を必要としない構成要素は必ずしも検出する必要はなく、例えば、滑膜を定量化しない場合、滑膜を検出しないとしてもよい。
また、超音波診断装置20は、定量化を行わずに構成要素の検出のみを行い、定量化等の処理は外部装置に処理させるものとしてもよい。
(2)実施の形態では、超音波診断装置20が超音波プローブ11を用いて超音波画像を取得し、取得した画像に対して構成要素の検出と疾患活動性の定量化を行うとしたが、本発明は必ずしもこの場合に限定されない。超音波診断装置20は、例えば、記憶部23に複数の超音波画像を記憶し、記憶部23から任意の超音波画像を取得して、構成要素の検出と疾患活動性の定量化を行うとしてもよい。あるいは、例えば、外付けのハードディスクやSDカード等のメモリデバイス、ネットワーク上のサーバ、NAS(Network Access Storage)等の外部の記憶手段等から超音波画像を取得して、構成要素の検出と疾患活動性の定量化を行うとしてもよい。
(3)実施の形態では、超音波診断装置20が関節包394を特定することで関節腔領域423を検出するとしたが、本発明は必ずしもこの場合に限定されない。例えば、関節包を定量化しない場合、以下のように、関節位置を用いて、関節包を検出することなく直接的に関節腔領域を検出してもよい。
すなわち、超音波画像において関節腔領域の輝度は骨表面や関節包と比べて低いことを用いて、動的輪郭モデルや領域拡張法等により低輝度に描画される関節腔領域を検出する。図20(a)に示すように、ステップS205で特定された関節位置381と関節位置382とを用いて、例えば、関節位置381と関節位置382との中点から上方に、初期探索点421を設定し、低輝度に描画される領域を反復的に拡大する。図20(b)は、拡大された探索領域422を示す。このようにすることで、図20(c)に示すように、関節腔領域423を検出することができる。なお、検出に当たり、ステップS205で特定された骨表面301、302を利用してもよい。
なお、初期探索点421は、関節位置381と関節位置382との中点から上方であるとしたが、この場合に限られず、例えば、関節位置381と関節位置382との中点でもよいし、検査者が入力部31を用いて設定を行うとしてもよい。
(4)実施の形態では、ステップS405〜S415において、探索開始点の処理順について言及しなかったが、例えば、超音波画像の下方から順に処理するとしてもよいし、または、輝度の高い順に処理するとしてもよい。このようにすることで、高輝度で描画される骨表面や皮膚を正確に抽出した後、関節包等を特定することができる。
(5)実施の形態では、ステップS202のエッジの検出を行う前にステップS201のエッジの強調処理を行うとしたが、本発明は必ずしもこの場合に限られない。例えば、エッジの強調処理を行わないとしてもよい。
また、ステップS202でエッジを1つ検出する度に、ステップS205において各エッジがどの構成要素の境界であるかを判定し、その後、超音波画像からステップS202で検出したエッジを除外してから再度ステップS201でエッジの強調処理を行い、ステップS202で再びエッジの検出を行うとしてもよい。あるいは、ステップS205において各エッジがどの構成要素の境界であるかを判定した後、特定のエッジ以外のエッジを除外してから再度ステップS201でエッジの強調処理を行い、ステップS202で当該特定のエッジを再度検出し直すとしてもよい。このようにすることで、さらにエッジの検出精度を向上させることができる。
(6)実施の形態において、エッジ検出部24は、探索開始点に対して式[数2]で示されるValue値が最小になる対応点を対応付けるとしたが、本発明は必ずしもこの場合に限定されない。Value値は、対応点の輝度が高いほど小さくなり、かつ、探索開始点と対応点との距離が短いほど、あるいは、探索開始点と対応点とのy座標の差が小さいほど小さくなるような値であればよく、例えば、探索開始点と対応点との距離を輝度値で除算した値であってもよい。
(7)実施の形態において、エッジ検出部24は、1画素の探索開始点に対し、x座標が1だけ異なる対応点を対応付けるとしたが、本発明は必ずしもこの場合に限定されない。例えば、探索開始点は2画素×2画素の画素群であり、対応点は画素群における左上の画素のx座標が2だけ異なる、探索開始点と同サイズの画素群であってもよい。このとき、画素群の輝度は、左上の画素等画素群における特定の画素の輝度値であってもよいし、画素群全体の輝度の平均値、最大値、中間値等の統計値を用いてもよい。また、画素群のサイズは2画素×2画素のサイズに限られず、エッジ検出の精度に影響しない範囲で、4画素×4画素、3画素×2画素等、任意のサイズを用いてよい。
(8)実施の形態において、血流信号を含むパワードプラ画像を用いて、関節腔領域の定量化を行う場合について説明したが、例えば、血流信号を含むパワードプラ画像を用いて、滑膜の定量化を行ってもよい。すなわち、滑膜の領域481内に観測される血流信号442、443の総面積、滑膜の領域481の面積に対する血流信号442、443の総面積の割合、連続した領域として計測される血流信号の個数などを定量化してもよい。また、式[数4]や式[数5]を用いて定量化してもよい。関節リウマチの進行による新生血管は滑膜に発生するため、このようにすることで、疾患活動性をより正確に評価することができる。
(9)実施の形態において、エッジ検出部24は、x座標が最小の探索開始点からx座標値が増加する方向に対応点を探索するとしたが、本発明は必ずしもこの場合に限定されない。例えば、x座標が最大の探索開始点からx座標値が減少する方向に対応点を探索するとしてもよい。また、探索開始点に対して、x座標値が増加する方向と減少する方向との両方に対応点を探してもよく、この場合に、x軸方向に折り返すようなエッジを検出することができる。このような場合、骨びらんの検出において、x軸方向の一階差分の値が大きく変動するか否かを検出する代わりに、x軸方向の一階差分の符号が変化するか否かを検出してもよい。
(10)実施の形態および各変形例に係る超音波診断装置は、その構成要素の全部又は一部を、1チップ又は複数チップの集積回路で実現してもよいし、コンピュータのプログラムで実現してもよいし、その他どのような形態で実施してもよい。例えば、超音波診断装置を1チップで実現してもよいし、画像生成部のみを1チップで実現し、構成要素特定部等を別のチップで実現してもよい。
集積回路で実現する場合、典型的には、LSI(Large Scale Integration)として実現される。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩、又は派生する別技術により、LSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。
また、各実施の形態および各変形例に係る超音波診断装置は、記憶媒体に書き込まれたプログラムと、プログラムを読み込んで実行するコンピュータとで実現されてもよい。記憶媒体は、メモリカード、CD−ROMなどいかなる記録媒体であってもよい。また、本発明に係る超音波診断装置は、ネットワークを経由してダウンロードされるプログラムと、プログラムをネットワークからダウンロードして実行するコンピュータとで実現されてもよい。
(11)以上で説明した実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程、工程の順序などは一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない工程については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。
また、発明の理解の容易のため、上記各実施の形態で挙げた各図の構成要素の縮尺は実際のものと異なる場合がある。また本発明は上記各実施の形態の記載によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
さらに、超音波診断装置においては基板上に回路部品、リード線等の部材も存在するが、電気的配線、電気回路について当該技術分野における通常の知識に基づいて様々な態様を実施可能であり、本発明の説明として直接的には無関係のため、説明を省略している。尚、上記示した各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示したものではない。
<補足>
以下に、実施の形態に係る超音波診断装置、超音波診断装置の画像処理方法、および、画像処理プログラムの構成および効果について説明する。
(1)実施の形態に係る超音波診断装置は、関節部位を撮像した超音波画像から、前記関節部位の構成要素を示す画像部分を特定する超音波診断装置であって、超音波画像を取得して前記画像部分を特定する画像処理回路を備え、前記画像処理回路は、超音波画像を取得する超音波画像取得部と、前記超音波画像において、被検体表面と略垂直な被検体の深さ方向を第1方向、前記第1方向と直交する方向を第2方向としたとき、前記第2方向の画素位置がN(Nは1以上の整数)である第1特定画素と、前記第2方向の画素位置がN+1である第2特定画素とを、前記第2特定画素の輝度が大きく、かつ、前記第1特定画素と前記第2特定画素とが近接する場合に関連付けることを第2方向の全ての画素位置で行うことにより前記超音波画像から1以上の特徴線を検出し、前記構成要素間の境界を前記特徴線のいずれが示しているかを当該特徴線の前記第1方向における順序に基づいて特定し、各構成要素の境界を示す画像部分を特定する構成要素特定部とを備えることを特徴とする。
また、実施の形態に係る超音波診断装置の画像処理方法は、関節部位を撮像した超音波画像から前記関節部位の構成要素を示す画像部分を特定する超音波診断装置の画像処理方法であって、超音波画像を取得し、前記超音波画像において、被検体表面と略垂直な被検体の深さ方向を第1方向、前記第1方向と直交する方向を第2方向としたとき、前記第2方向の画素位置がN(Nは1以上の整数)である第1特定画素と、前記第2方向の画素位置がN+1である第2特定画素とを、前記第2特定画素の輝度が大きく、かつ、前記第1特定画素と前記第2特定画素とが近接する場合に関連付けることを第2方向の全ての画素位置で行うことにより前記超音波画像から1以上の特徴線を検出し、前記構成要素間の境界を前記特徴線のいずれが示しているかを当該特徴線の前記第1方向における順序に基づいて特定し、各構成要素の境界を示す画像部分を特定することを特徴とする。
また、実施の形態に係る画像処理プログラムは、関節部位を撮像した超音波画像から前記関節部位の構成要素を示す画像部分を特定する超音波診断装置に用いられるプロセッサに画像処理を行わせる画像処理プログラムであって、前記画像処理は、超音波画像を取得し、前記超音波画像において、被検体表面と略垂直な被検体の深さ方向を第1方向、前記第1方向と直交する方向を第2方向としたとき、前記第2方向の画素位置がN(Nは1以上の整数)である第1特定画素と、前記第2方向の画素位置がN+1である第2特定画素とを、前記第2特定画素の輝度が大きく、かつ、前記第1特定画素と前記第2特定画素とが近接する場合に関連付けることを第2方向の全ての画素位置で行うことにより前記超音波画像から1以上の特徴線を検出し、前記構成要素間の境界を前記特徴線のいずれが示しているかを当該特徴線の前記第1方向における順序に基づいて特定し、各構成要素の境界を示す画像部分を特定することを特徴とする。
このようにすることで、構成要素の境界を示す特徴線がそれぞれ独立した形式で検出できるため、複数の特徴線の集合を各構成要素の境界を対応付けるためのパターンマッチングの必要がない。そのため、構成要素の境界線がいずれかの特徴線に対応しており、特徴線の形状にかかわらず、構成要素と他の構成要素との境界を正確に検出できる。また、仮に関節部位を示す画像部分の形状が一般的な関節部位を示す画像の形状と大きく異なっていても、深さ方向における各構成要素の順序は変わらないため、構成要素の取り違えをすることなく、正確に各構成要素を特定することが可能となる。
(2)また、実施の形態に係る上記(1)の超音波診断装置は、前記構成要素特定部は、前記構成要素間の境界として骨表面を前記第1方向において深い前記特徴線から特定し、さらに、前記骨表面より深さが浅く、前記特徴線が検出されていない領域から、前記第1方向における輝度の変化に基づいて、滑膜を示す画像部分を特定する、としてもよい。
このようにすることで、骨表面と超音波画像とから、滑膜領域をさらに検出することができる。
(3)また、実施の形態に係る上記(1)の超音波診断装置は、前記第1方向はy軸と平行であって前記第2方向はx軸と平行であり、第1特定画素は、x座標がNである複数の画素のうち、前記第1方向において輝度が極大となる画素、または、Nが2以上である場合においてx座標がN−1である第1特定画素に対して第2特定画素として関連付けられた画素のいずれかであり、前記第1特定画素の座標を(N,yN)とし、x座標がN+1である任意の画素の輝度をL(N+1,y)、当該画素の座標を(N+1,y)とした場合、前記第2特定画素は、x座標がN+1である画素のうち、Value=m・L(N+1,y)+n・|y−yN|(m、nはn>0>mを満たす実数)で示される値Valueが最小となる画素である、としてもよい。
このようにすることで、輝度が大きく、かつ、y軸方向の座標差の小さい画素を選択し続けることで特徴線が形成されるため、構成要素と他の構成要素との境界を正確に検出できる。
(4)また、実施の形態に係る上記(3)の超音波診断装置は、前記画像処理回路は、さらにエッジ強調部を備え、前記構成要素特定部は、前記エッジ強調部が前記超音波画像のエッジ強調を行った結果から前記第1特定画素と前記第2特定画素とを関連付けることにより前記特徴線を検出する、としてもよい。
このようにすることで、エッジ強調によって構成要素と他の構成要素との境界が強調されるため、より正確に構成要素と他の構成要素との境界を検出できる。
(5)また、実施の形態に係る上記(1)の超音波診断装置は、前記超音波画像から1つの前記特徴線を検出する動作を繰り返し行うことで複数の前記特徴線を検出し、新たな特徴線を検出する際、検出された前記特徴線を前記超音波画像から除外してから、特徴線の検出を行う、としてもよい。
このようにすることで、既に検出された特徴線に係る画素が他の特徴線の検出に影響を与えないため、より正確に構成要素と他の構成要素との境界を検出できる。
(6)また、実施の形態に係る上記(1)の超音波診断装置は、前記構成要素特定部は、各構成要素の境界を示す画像部分を特定する際に、前記複数の特徴線を、深さが浅い特徴線を皮膚セグメント、深さが深い特徴線を骨セグメントに分類し、前記皮膚セグメントに分類された特徴線から皮膚を示す画像部分を、前記骨セグメントに分類された特徴線から骨表面を示す画像部分を、それぞれ特定する、としてもよい。
このようにすることで、検出された特徴線を、解剖学に基づいてその順序からどの構成要素とどの構成要素との境界であるかをセグメント分けすることができる。
(7)また、実施の形態に係る上記(6)の超音波診断装置は、前記構成要素特定部は、さらに、両端が前記骨表面に近接し、かつ、骨表面より前記第1方向において浅い側にある特徴線を、関節包を示す画像部分と特定する、としてもよい。
このようにすることで、検出された骨表面と、解剖学とに基づいて関節包を示す画像部分を特定することができる。
(8)また、実施の形態に係る上記(6)の超音波診断装置は、前記構成要素特定部は、さらに、前記骨表面に断裂部分が存在し、かつ、前記骨表面の断裂部分が前記骨表面の他の部分より第1方向において深い場合に、前記断裂部分の中心を、前記第2方向における関節位置の中心を示すと特定する、としてもよい。
このようにすることで、検出された骨表面と、解剖学とに基づいて関節位置を示す画像部分を特定することができる。
(9)また、実施の形態に係る上記(7)の超音波診断装置は、前記構成要素特定部はさらに、前記関節包と、全骨表面との間の領域を、関節腔領域を示す画像部分として特定する、としてもよい。
このようにすることで、検出された関節位置と、解剖学とに基づいて関節腔領域を示す画像部分を特定することができる。
(10)また、実施の形態に係る上記(6)の超音波診断装置は、さらに、前記構成要素特定部が特定した前記骨表面を示す画像部分を用いて、前記骨表面における疾患活動性の定量化を行う病態解析部を備える、としてもよい。
このようにすることで、骨表面の形状に基づいて疾患活動性を定量化することができる。
(11)また、実施の形態に係る上記(10)の超音波診断装置は、前記病態解析部は、前記骨表面の滑らかさを定量化する、としてもよい。
このようにすることで、骨表面の形状の滑らかさに基づいて疾患活動性を定量化することができる。
(12)また、実施の形態に係る上記(11)の超音波診断装置は、前記病態解析部は、前記骨表面を示す画像部分に所定の関数をフィッティングし、前記骨表面を示す画像部分と前記所定の関数との誤差を前記骨表面の滑らかさとして定量化する、としてもよい。
このようにすることで、骨表面の形状の滑らかさを定量化することができる。
(13)また、実施の形態に係る上記(10)の超音波診断装置は、前記病態解析部は、前記骨表面における骨びらんを定量化する、としてもよい。
このようにすることで、骨びらんに基づいて疾患活動性を定量化することができる。
(14)また、実施の形態に係る上記(13)の超音波診断装置は、前記病態解析部は、前記骨表面を示す画像部分における前記第1方向もしくは前記第2方向の一階差分を算出し、算出された一階差分の変動に基づいて前記骨びらんを示す画像部分を特定し、前記骨びらんを示す画像部分に所定の関数をフィッティングし、前記骨びらんを示す画像部分と前記所定の関数との誤差を前記骨表面の滑らかさとして定量化する、としてもよい。
このようにすることで、骨びらんの位置を特定し、骨びらんの形状に基づいて骨表面の形状の滑らかさを定量化することができる。
(15)また、実施の形態に係る上記(8)の超音波診断装置は、前記構成要素特定部が特定した前記骨表面を示す画像部分を用いて、前記関節における疾患活動性の定量化を行う病態解析部を備え、前記病態解析部は、前記骨表面の断裂部分の直線距離、または、水平距離を定量化する、としてもよい。
このようにすることで、関節部位の形状に基づいて疾患活動性を定量化することができる。
(16)また、実施の形態に係る上記(7)の超音波診断装置は、前記構成要素特定部が特定した前記関節包を示す画像部分を用いて、前記関節包における疾患活動性の定量化を行う病態解析部を備え、前記病態解析部は、前記関節包の厚さ、前記関節包の幅、前記関節包の長さ、前記関節包の面積の少なくとも1以上を定量化する、としてもよい。
このようにすることで、関節包の形状に基づいて疾患活動性を定量化することができる。
(17)また、実施の形態に係る上記(16)の超音波診断装置は、前記病態解析部は、前記関節包を示す画像部分の前記第1方向における座標が最大値となる座標と、前記関節包を示す画像部分の端点の前記第1方向における座標との差、もしくは、前記関節包を示す画像部分の前記第1方向における座標が最大値となる座標から、前記関節包を示す画像部分の両端を結ぶ直線との距離を前記関節包の厚さとして定量化し、前記関節包を示す画像部分の両端となる2つの座標の、前記第2方向に沿った座標差を前記関節包の幅として定量化し、記関節包を示す前記特徴線における、前記関節包を示す画像部分の一端から他端までの長さを前記関節包の長さとして定量化し、前記関節包を示す前記特徴線と、前記関節包を示す画像部分の両端を結ぶ直線とに囲まれた面積を前記関節包の面積として定量化する、としてもよい。
このようにすることで、検出された関節包を示す画像の特徴点に基づき、関節包の疾患活動性を定量化することができる。
(18)また、実施の形態に係る上記(9)の超音波診断装置は、前記構成要素特定部が特定した前記関節腔領域を示す画像部分を用いて、前記関節腔領域における疾患活動性の定量化を行う病態解析部を備え、前記病態解析部は、関節腔領域の高さ、前記関節腔領域の幅、前記関節腔領域の面積、前記関節腔領域の形状の少なくとも1以上を定量化する、としてもよい。
このようにすることで、関節腔領域の形状に基づいて疾患活動性を定量化することができる。
(19)また、実施の形態に係る上記(18)の超音波診断装置は、前記病態解析部は、前記関節腔領域を示す画像部分における、前記第1方向の座標の最大値と最小値との差を、前記関節腔領域の高さとして定量化し、前記関節腔領域を示す画像部分における、前記第2方向の座標の最大値と最小値との差を、前記関節腔領域の幅として定量化し、骨表面を示す画像部分の断裂部の中心と関節包を示す画像部分の両端とをそれぞれ結んだ直線がなす角を前記関節腔領域の形状として定量化する、としてもよい。
このようにすることで、検出された関節腔領域を示す画像の特徴点に基づき、関節腔領域の疾患活動性を定量化することができる。
(20)また、実施の形態に係る上記(18)の超音波診断装置は、前記病態解析部は、前記関節腔領域を示す画像部分における血流信号の総面積、前記関節腔領域を示す画像部分における血流信号の総面積と前記関節腔領を示す画像部分の面積との比、前記関節腔領域を示す画像部分における連続した領域としての血流信号の個数の少なくとも1以上を定量化する、としてもよい。
このようにすることで、関節腔領域と血流信号とに基づき、関節腔領域の疾患活動性を定量化することができる。
(21)また、実施の形態に係る上記(20)の超音波診断装置は、前記病態解析部は、前記関節腔領域を示す画像部分における血流信号の総面積、前記関節腔領域を示す画像部分における血流信号の総面積と前記関節腔領を示す画像部分の面積との比、前記関節腔領域を示す画像部分における連続した領域としての血流信号の個数の少なくとも1以上と、前記関節腔領域を示す画像部分における血流信号の位置とを組み合わせて定量化する、としてもよい。
このようにすることで、血流信号とその位置とに基づき、関節腔領域の疾患活動性を定量化することができる。
(22)また、実施の形態に係る上記(21)の超音波診断装置は、前記構成要素特定部が特定した前記滑膜を示す画像部分を用いて、前記滑膜における疾患活動性の定量化を行う病態解析部を備える、としてもよい。
このようにすることで、滑膜の状態に基づいて疾患活動性を定量化することができる。
(23)また、実施の形態に係る上記(22)の超音波診断装置は、前記病態解析部は、前記滑膜を示す画像部分が、骨幹端を示す画像部分をつなぐ直線を超えるか否か、および、骨幹部を示す画像部分への伸展があるか否かに基づいて定量化する、としてもよい。
このようにすることで、滑膜の範囲に基づいて疾患活動性を定量化することができる。
(24)また、実施の形態に係る上記(22)の超音波診断装置は、前記病態解析部は、前記滑膜を示す画像部分における血流信号の総面積、前記滑膜を示す画像部分における血流信号の総面積と前記滑膜を示す画像部分の面積との比、前記滑膜を示す画像部分における連続した領域としての血流信号の個数の少なくとも1以上を定量化する、としてもよい。
このようにすることで、滑膜と血流信号とに基づき、滑膜の疾患活動性を定量化することができる。
(25)また、実施の形態に係る上記(24)の超音波診断装置は、前記病態解析部は、前記滑膜を示す画像部分における血流信号の総面積、前記滑膜を示す画像部分における血流信号の総面積と前記滑膜を示す画像部分の面積との比、前記滑膜を示す画像部分における連続した領域としての血流信号の個数の少なくとも1以上と、前記滑膜を示す画像部分における血流信号の位置とを組み合わせて定量化する、としてもよい。
このようにすることで、血流信号とその位置とに基づき、滑膜の疾患活動性を定量化することができる。
本発明にかかる超音波診断装置は、関節リウマチ診断など、関節部位の診断および関節炎等の疾患活動性の評価に利用することができる。
11 超音波プローブ
20 超音波診断装置
21 超音波送受信部
22 超音波画像生成部
23 記憶部
24 エッジ検出部
25 構成要素特定部
26 病態解析部
27 制御部
28 画面生成部
31 入力部
32 表示部
111、121 骨
112、122 軟骨
130 滑膜
140、205、394 関節包
201、202、301、302 骨表面
203 皮膚
206 関節腔領域
208 血流信号
303 皮膚セグメント
304 腱セグメント
305 骨セグメント
308、309 骨端

Claims (27)

  1. 関節部位を撮像した超音波画像から、前記関節部位の構成要素を示す画像部分を特定する超音波診断装置であって、
    超音波画像を取得して前記画像部分を特定する画像処理回路を備え、
    前記画像処理回路は、
    超音波画像を取得する超音波画像取得部と、
    前記超音波画像において、被検体表面と略垂直な被検体の深さ方向を第1方向、前記第1方向と直交する方向を第2方向としたとき、前記第2方向の画素位置がN(Nは1以上の整数)である第1特定画素と、前記第2方向の画素位置がN+1である第2特定画素とを、前記第2特定画素の輝度が大きく、かつ、前記第1特定画素と前記第2特定画素とが近接する場合に関連付けることを第2方向の全ての画素位置で行うことにより前記超音波画像から1以上の特徴線を検出し、前記構成要素間の境界を前記特徴線のいずれが示しているかを当該特徴線の前記第1方向における順序に基づいて特定し、各構成要素の境界を示す画像部分を特定する構成要素特定部と
    を備えることを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記構成要素特定部は、前記構成要素間の境界として骨表面を前記第1方向において深い前記特徴線から特定し、さらに、前記骨表面より深さが浅く、前記特徴線が検出されていない領域から、前記第1方向における輝度の変化に基づいて、滑膜を示す画像部分を特定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記第1方向はy軸と平行であって前記第2方向はx軸と平行であり、
    第1特定画素は、x座標がNである複数の画素のうち、前記第1方向において輝度が極大となる画素、または、Nが2以上である場合においてx座標がN−1である第1特定画素に対して第2特定画素として関連付けられた画素のいずれかであり、
    前記第1特定画素の座標を(N,yN)とし、x座標がN+1である任意の画素の輝度をL(N+1,y)、当該画素の座標を(N+1,y)とした場合、前記第2特定画素は、x座標がN+1である画素のうち、
    Value=m・L(N+1,y)+n・|y−yN| (m、nはn>0>mを満たす実数)
    で示される値Valueが最小となる画素である
    ことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  4. 前記画像処理回路は、さらにエッジ強調部を備え、
    前記構成要素特定部は、前記エッジ強調部が前記超音波画像のエッジ強調を行った結果から前記第1特定画素と前記第2特定画素とを関連付けることにより前記特徴線を検出する
    ことを特徴とする請求項3に記載の超音波診断装置。
  5. 前記構成要素特定部は、前記超音波画像から1つの前記特徴線を検出する動作を繰り返し行うことで複数の前記特徴線を検出し、
    新たな特徴線を検出する際、検出された前記特徴線を前記超音波画像から除外してから、特徴線の検出を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  6. 前記構成要素特定部は、各構成要素の境界を示す画像部分を特定する際に、
    前記複数の特徴線を、深さが浅い特徴線を皮膚セグメント、深さが深い特徴線を骨セグメントに分類し、
    前記皮膚セグメントに分類された特徴線から皮膚を示す画像部分を、前記骨セグメントに分類された特徴線から骨表面を示す画像部分を、それぞれ特定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  7. 前記構成要素特定部は、さらに、両端が前記骨表面に近接し、かつ、骨表面より前記第1方向において浅い側にある特徴線を、関節包を示す画像部分と特定する
    ことを特徴とする請求項6に記載の超音波診断装置。
  8. 前記構成要素特定部は、さらに、前記骨表面に断裂部分が存在し、かつ、前記骨表面の断裂部分が前記骨表面の他の部分より第1方向において深い場合に、前記断裂部分の中心を、前記第2方向における関節位置の中心を示すと特定する
    ことを特徴とする請求項6に記載の超音波診断装置。
  9. 前記構成要素特定部はさらに、前記関節包と、前記骨表面との間の領域を、関節腔領域を示す画像部分として特定する
    ことを特徴とする請求項7に記載の超音波診断装置。
  10. さらに、前記構成要素特定部が特定した前記骨表面を示す画像部分を用いて、前記骨表面における疾患活動性の定量化を行う病態解析部を備える
    ことを特徴とする請求項6に記載の超音波診断装置。
  11. 前記病態解析部は、前記骨表面の滑らかさを定量化する
    ことを特徴とする請求項10に記載の超音波診断装置。
  12. 前記病態解析部は、前記骨表面を示す画像部分に所定の関数をフィッティングし、前記骨表面を示す画像部分と前記所定の関数との誤差を前記骨表面の滑らかさとして定量化する
    ことを特徴とする請求項11に記載の超音波診断装置。
  13. 前記病態解析部は、前記骨表面における骨びらんを定量化する
    ことを特徴とする請求項10に記載の超音波診断装置。
  14. 前記病態解析部は、前記骨表面を示す画像部分における前記第1方向もしくは前記第2方向の一階差分を算出し、算出された一階差分の変動に基づいて前記骨びらんを示す画像部分を特定し、前記骨びらんを示す画像部分に所定の関数をフィッティングし、前記骨びらんを示す画像部分と前記所定の関数との誤差を前記骨表面の滑らかさとして定量化する
    ことを特徴とする請求項13に記載の超音波診断装置。
  15. 前記構成要素特定部が特定した前記骨表面を示す画像部分を用いて、前記関節における疾患活動性の定量化を行う病態解析部を備え、
    前記病態解析部は、前記骨表面の断裂部分の直線距離、または、水平距離を定量化する
    ことを特徴とする請求項8に記載の超音波診断装置。
  16. 前記構成要素特定部が特定した前記関節包を示す画像部分を用いて、前記関節包における疾患活動性の定量化を行う病態解析部を備え、
    前記病態解析部は、前記関節包の厚さ、前記関節包の幅、前記関節包の長さ、前記関節包の面積の少なくとも1以上を定量化する
    ことを特徴とする請求項7に記載の超音波診断装置。
  17. 前記病態解析部は、前記関節包を示す画像部分の前記第1方向における座標が最大値となる座標と、前記関節包を示す画像部分の端点の前記第1方向における座標との差、もしくは、前記関節包を示す画像部分の前記第1方向における座標が最大値となる座標から、前記関節包を示す画像部分の両端を結ぶ直線との距離を前記関節包の厚さとして定量化し、
    前記関節包を示す画像部分の両端となる2つの座標の、前記第2方向に沿った座標差を前記関節包の幅として定量化し、
    前記関節包を示す前記特徴線における、前記関節包を示す画像部分の一端から他端までの長さを前記関節包の長さとして定量化し、
    前記関節包を示す前記特徴線と、前記関節包を示す画像部分の両端を結ぶ直線とに囲まれた面積を前記関節包の面積として定量化する
    ことを特徴とする請求項16に記載の超音波診断装置。
  18. 前記構成要素特定部が特定した前記関節腔領域を示す画像部分を用いて、前記関節腔領域における疾患活動性の定量化を行う病態解析部を備え、
    前記病態解析部は、関節腔領域の高さ、前記関節腔領域の幅、前記関節腔領域の面積、前記関節腔領域の形状の少なくとも1以上を定量化する
    ことを特徴とする請求項9に記載の超音波診断装置。
  19. 前記病態解析部は、前記関節腔領域を示す画像部分における、前記第1方向の座標の最大値と最小値との差を、前記関節腔領域の高さとして定量化し、
    前記関節腔領域を示す画像部分における、前記第2方向の座標の最大値と最小値との差を、前記関節腔領域の幅として定量化し、
    骨表面を示す画像部分の断裂部の中心と関節包を示す画像部分の両端とをそれぞれ結んだ直線がなす角を前記関節腔領域の形状として定量化する
    ことを特徴とする請求項18に記載の超音波診断装置。
  20. 前記病態解析部は、前記関節腔領を示す画像部分における血流信号の総面積、前記関節腔領域を示す画像部分における血流信号の総面積と前記関節腔領を示す画像部分の面積との比、前記関節腔領域を示す画像部分における連続した領域としての血流信号の個数の少なくとも1以上を定量化する
    ことを特徴とする請求項18に記載の超音波診断装置。
  21. 前記病態解析部は、前記関節腔領域を示す画像部分における血流信号の総面積、前記関節腔領域を示す画像部分における血流信号の総面積と前記関節腔領を示す画像部分の面積との比、前記関節腔領域を示す画像部分における連続した領域としての血流信号の個数の少なくとも1以上と、前記関節腔領を示す画像部分における血流信号の位置とを組み合わせて定量化する
    ことを特徴とする請求項20記載の超音波診断装置。
  22. 前記構成要素特定部が特定した前記滑膜を示す画像部分を用いて、前記滑膜における疾患活動性の定量化を行う病態解析部を備える
    ことを特徴とする請求項2に記載の超音波診断装置。
  23. 前記病態解析部は、前記滑膜を示す画像部分が、骨幹端を示す画像部分をつなぐ直線を超えるか否か、および、骨幹部を示す画像部分への伸展があるか否かに基づいて定量化する
    ことを特徴とする請求項22に記載の超音波診断装置。
  24. 前記病態解析部は、前記滑膜を示す画像部分における血流信号の総面積、前記滑膜を示す画像部分における血流信号の総面積と前記滑膜を示す画像部分の面積との比、前記滑膜を示す画像部分における連続した領域としての血流信号の個数の少なくとも1以上を定量化する
    ことを特徴とする請求項22に記載の超音波診断装置。
  25. 前記病態解析部は、前記前記滑膜を示す画像部分における血流信号の総面積、前記滑膜を示す画像部分における血流信号の総面積と前記滑膜を示す画像部分の面積との比、前記滑膜を示す画像部分における連続した領域としての血流信号の個数の少なくとも1以上と、前記滑膜を示す画像部分における血流信号の位置とを組み合わせて定量化する
    ことを特徴とする請求項24記載の超音波診断装置。
  26. 関節部位を撮像した超音波画像から前記関節部位の構成要素を示す画像部分を特定する超音波診断装置の画像処理方法であって、
    超音波画像を取得し、
    前記超音波画像において、被検体表面と略垂直な被検体の深さ方向を第1方向、前記第1方向と直交する方向を第2方向としたとき、前記第2方向の画素位置がN(Nは1以上の整数)である第1特定画素と、前記第2方向の画素位置がN+1である第2特定画素とを、前記第2特定画素の輝度が大きく、かつ、前記第1特定画素と前記第2特定画素とが近接する場合に関連付けることを第2方向の全ての画素位置で行うことにより前記超音波画像から1以上の特徴線を検出し、前記構成要素間の境界を前記特徴線のいずれが示しているかを当該特徴線の前記第1方向における順序に基づいて特定し、各構成要素の境界を示す画像部分を特定する
    ことを特徴とする画像処理方法。
  27. 関節部位を撮像した超音波画像から前記関節部位の構成要素を示す画像部分を特定する超音波診断装置に用いられるプロセッサに画像処理を行わせる画像処理プログラムであって、
    前記画像処理は、
    超音波画像を取得し、
    前記超音波画像において、被検体表面と略垂直な被検体の深さ方向を第1方向、前記第1方向と直交する方向を第2方向としたとき、前記第2方向の画素位置がN(Nは1以上の整数)である第1特定画素と、前記第2方向の画素位置がN+1である第2特定画素とを、前記第2特定画素の輝度が大きく、かつ、前記第1特定画素と前記第2特定画素とが近接する場合に関連付けることを第2方向の全ての画素位置で行うことにより前記超音波画像から1以上の特徴線を検出し、前記構成要素間の境界を前記特徴線のいずれが示しているかを当該特徴線の前記第1方向における順序に基づいて特定し、各構成要素の境界を示す画像部分を特定する
    ことを特徴とする画像処理プログラム。
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