JP2008073338A - 医用画像処理装置、医用画像処理方法及びプログラム - Google Patents

医用画像処理装置、医用画像処理方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】脳動脈瘤と偽陽性候補領域との識別精度を向上し得ること。
【解決手段】処理対象画像に存在する脳動脈瘤の候補領域が検出され、また、処理対象画像の位置座標系が予め定められた基準位置座標系に変換される。そして、変換された処理対象画像に存在する脳動脈瘤の候補領域の位置座標を示す変換済脳動脈瘤位置座標を含む特徴量が算出され、算出された変換済脳動脈瘤位置座標と予め定められた識別境界情報とに基づいて、脳動脈瘤の候補領域に含まれる偽陽性候補領域が削除される医用画像処理装置10。
【選択図】図1

Description

本発明は、患者の頭部を撮影して得られた医用画像を画像解析することにより、当該画像から病変候補に含まれる偽陽性候補を削除する医用画像処理装置、医用画像処理方法及びプログラムに関する。
近年、磁気共鳴撮影装置(以下、MRI;Magnetic Resonance Imagingという)の普及と高性能化に伴い、脳ドック検査の件数が急速に増加してきている。脳ドック検査の目的の一つは、血管において生じる未破裂脳動脈瘤を早期に発見し、適切な処置や治療を行うことによって、脳動脈瘤の破裂によるくも膜下出血等、重篤な疾患の発病を防止することにある。
医師による未破裂脳動脈瘤の検出は、MRIで血管内の血液の流れを画像化したMRA画像(Magnetic Resonance Angiography)を用いて行われる。通常、医師による読影時には3次元画像データを様々な角度からMIP処理(Maximum Intensity Projection;最大値輝度投影法)によって2次元化した画像が用いられるが、血管に生じる未破裂脳動脈瘤は小さいため、重なって表示される周囲の血管像との識別が困難であり、医師の疲労が激しい。また、この疲労による見落としの可能性も考えられる。
そこで、従来から、このような医師の診断支援を行うため、画像処理によって脳動脈瘤の位置を検出し、その結果を「第2の意見」として利用することによって、画像診断の正確性の向上を図ることを目的とした装置(例えば、非特許文献1、2参照)や、放射線画像の異常陰影の検出においては、異常陰影が存在する可能性が高い検出領域について、他の領域よりも優位に異常陰影を検出するように検出レベルを変え、異常陰影の検出精度を向上させる装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−8923号公報 増本智彦、MR Angiography を利用した脳動脈瘤のコンピュータ支援画像診断(CAD)の研究、第20巻、第8号、INNERVISION、2005年6月25日、第36頁 有村秀孝他、頭部MRAにおける脳動脈瘤のCADシステム、第19巻、第10号、INNERVISION、2004年9月25日、第22−25頁
脳動脈瘤を検出する場合、脳動脈瘤の候補領域を検出する処理と検出された脳動脈瘤の候補領域から偽陽性候補領域を削除する処理とが行われる。脳動脈瘤の候補領域から偽陽性候補領域を削除する処理は、検出された脳動脈瘤の候補領域の大きさや形状等の特徴量を算出し、当該特徴量を用いて脳動脈瘤の候補領域に含まれる偽陽性候補領域の削除を行っている。
脳動脈瘤が発生し易い部位は、中大脳動脈分岐部、前交通動脈、内頚動脈後交通動脈分岐部であることが知られており、また、偽陽性候補領域が発生しやすい部位として血管が急激に曲がる内頚動脈等が知られている。従って、これらの血管の位置の情報を特徴量として用い、従来技術のように位置に応じた検出レベルを変えることにより、脳動脈瘤と偽陽性候補領域との識別精度を向上させることが考えられる。
しかしながら、患者の頭部の画像から得られる血管像は、撮影時の患者の頭部の位置や撮影角度、頭部の形状や大きさ等の身体的な特徴などに起因した個人差があるため、各患者に応じて血管の位置の情報を取得することが困難である。
本発明の課題は、脳動脈瘤と偽陽性候補領域との識別精度を向上し得ることである。
請求項1に記載の発明は、処理対象画像に存在する脳動脈瘤の候補領域を検出する候補領域検出手段と、前記処理対象画像の位置座標系を予め定められた基準位置座標系に変換する画像変換手段と、前記画像変換手段により変換された前記処理対象画像に存在する前記脳動脈瘤の候補領域の位置座標を示す変換済脳動脈瘤位置座標を含む特徴量を算出する特徴量算出手段と、前記特徴量算出手段により算出された前記変換済脳動脈瘤位置座標と予め定められた識別境界情報とに基づいて、前記候補領域検出手段により検出された前記脳動脈瘤の候補領域に含まれる偽陽性候補領域を削除する偽陽性削除手段と、を備える医用画像処理装置であること、を特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の医用画像処理装置において、前記処理対象画像から血管領域を抽出する抽出手段を備え、前記画像変換手段は、前記基準位置座標系において一又は複数の血管部位の位置座標が予め定められた血管領域を含む参照画像を用い、当該参照画像の血管領域に前記処理対象画像の血管領域が略一致するように前記処理対象画像を剛体変形すること、を特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載の医用画像処理装置において、前記処理対象画像からベクトル集中度を算出する算出手段を備え、前記候補領域検出手段は、前記算出手段により算出されたベクトル集中度に基づいて前記処理対象画像に存在する脳動脈瘤の候補領域を検出し、前記特徴量算出手段は、前記候補領域検出手段により検出された前記処理対象画像に存在する前記脳動脈瘤の候補領域の大きさ、球形度、当該脳動脈瘤の候補領域におけるベクトル集中度の平均若しくはベクトル集中度の最大値のうち、少なくとも1つを前記特徴量として算出し、前記偽陽性削除手段は、前記変換済脳動脈瘤位置座標と前記識別境界情報との比較結果に加え、前記特徴量算出手段により算出された大きさ、球形度、当該脳動脈瘤の候補領域におけるベクトル集中度の平均若しくはベクトル集中度の最大値のうち、少なくとも1つに基づいて、前記候補領域検出手段により検出された前記脳動脈瘤の候補領域に含まれる偽陽性候補領域を削除すること、を特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の医用画像処理装置において、前記偽陽性削除手段は、判別分析、ニューラルネットワーク、サポートベクタマシンのうち少なくとも一つであること、を特徴としている。
請求項5に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の医用画像処理装置において、前記識別境界情報は、過去の脳動脈瘤の症例を用いたガウシアンカーネルのサポートベクタマシンにより生成されること、を特徴としている。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の医用画像処理装置において、前記処理対象画像は、MRIにおいてMRAの撮影方法により撮影されたMRA画像であること、を特徴としている。
請求項7に記載の発明は、医用画像処理装置における医用画像処理方法であって、処理対象画像に存在する脳動脈瘤の候補領域を検出する候補領域検出工程と、前記処理対象画像の位置座標系を予め定められた基準位置座標系に変換する画像変換工程と、前記画像変換工程により変換された前記処理対象画像に存在する前記脳動脈瘤の候補領域の位置座標を示す変換済脳動脈瘤位置座標を含む特徴量を算出する特徴量算出工程と、前記特徴量算出工程により算出された前記変換済脳動脈瘤位置座標と予め定められた識別境界情報とに基づいて、前記候補領域検出工程により検出された前記脳動脈瘤の候補領域に含まれる偽陽性候補領域を削除する偽陽性削除工程と、を含むこと、を特徴とする医用画像処理方法であること、を特徴としている。
請求項8に記載の発明は、コンピュータに、請求項1から6のいずれか一項に記載の医用画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラムであること、を特徴としている。
請求項1、7、8に記載の発明によれば、撮影角度や患者(被写体)の身体的な特徴などに起因した個体差が生じている脳動脈瘤の候補領域の位置座標を、画一的な基準位置座標系の位置座標(変換済脳動脈瘤位置座標)に変換でき、この変換済脳動脈瘤位置座標を患者の個体差に拘らず一般的に知られている脳動脈瘤が発生し易い部位及び正常な血管の部位の位置座標を識別する識別境界情報に適合させて、偽陽性候補領域を削除することができるため、明らかな偽陽性候補領域を脳動脈瘤の候補領域(陽性)から除外することができ、医師による脳動脈瘤と偽陽性候補領域との識別精度を向上できる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1と同様の効果を得られるのは勿論のこと、処理対象画像は患者毎に血管領域の形態の個体差が生じているが、剛体変形によって参照画像の血管領域に略一致するように処理対象画像を変換することより、処理対象画像の位置座標系を参照画像の位置座標系に精度よく変換させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2と同様の効果を得られるのは勿論のこと、ベクトル集中度の算出に基づいて脳動脈瘤の候補領域の検出精度を高めることができると共に、変換済脳動脈瘤位置座標と前記識別境界情報との比較結果に加え、算出される脳動脈瘤の候補領域の形状に関する情報(大きさ、球形度、当該脳動脈瘤の候補領域におけるベクトル集中度の平均若しくはベクトル集中度の最大値のうち、少なくとも1つ)に基づいて、偽陽性候補領域を削除することができるため、脳動脈瘤と偽陽性候補領域との識別精度を向上できる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1から3のいずれか一項と同様の効果を得られるのは勿論のこと、判別分析、ニューラルネットワーク、サポートベクタマシンのうち少なくとも一つを用いて、脳動脈瘤の候補領域に含まれる偽陽性候補領域を識別することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1から3のいずれか一項と同様の効果を得られるのは勿論のこと、一般的に知られている脳動脈瘤が発生し易い部位及び正常な血管の部位の位置座標等の過去の脳動脈瘤の症例を用いたガウシアンカーネルのサポートベクタマシンにより非線形性の高い識別境界情報を生成することができ、脳動脈瘤と偽陽性候補領域との識別精度を向上させることができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1から5のいずれか一項と同様の効果を得られるのは勿論のこと、MRA画像を処理対象画像として用いることができる。
まず、構成を説明する。
図1に、本実施形態における医用画像処理装置10の構成を示す。
この医用画像処理装置10は、検査撮影により得られた医用画像を画像解析することにより、当該医用画像から脳動脈瘤を検出するものである。
なお、この医用画像処理装置10を、医用画像を生成する画像生成装置や医用画像を保存・管理するサーバ、医師の読影に付すため、サーバに保存された医用画像を取り寄せて表示手段上に表示する読影端末等、各種装置がネットワークを介して接続された医用画像システムに設けることとしてもよい。また、本実施の形態では医用画像処理装置10単体で本発明を実現する例を説明するが、医用画像処理装置10における機能を上記医用画像システムの各構成装置に分散させて医用画像システム全体で本発明を実現することとしてもよい。
以下、医用画像処理装置10の各部について説明する。
医用画像処理装置10は、図1に示すように、制御部11、操作部12、表示部13、通信部14、記憶部15、脳動脈瘤検出部16を備えて構成されている。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等を備えて構成されており、記憶部15に格納されている各種制御プログラムを読み出して各種演算を行うとともに、各部12〜16における処理動作を統括的に制御する。
操作部12は、キーボードやマウス等を備え、オペレータによりこれらが操作されると、その操作に応じた操作信号を生成して制御部11に出力する。なお、表示部13におけるディスプレイと一体に構成したタッチパネルを備えることとしてもよい。
表示部13は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示手段を備え、制御部11からの指示に応じてこの表示手段上に、各種操作画面や、医用画像、医用画像から検出された脳動脈瘤の検出結果、その検出情報等の各種表示情報を表示させる。
通信部14は、通信用のインターフェイスを備え、ネットワーク上の外部装置と情報の送受信を行う。例えば、通信部14は画像生成装置から生成された医用画像を受信する、医用画像処理装置10における脳動脈瘤の検出情報を読影端末に送信する等の通信動作を行う。
記憶部15は、制御部11において用いられる制御プログラム、脳動脈瘤検出部16において用いられる検出処理等の各種処理プログラムの他、各プログラムの実行に必要なパラメータやその処理結果等のデータが記憶されている。
また、記憶部15は、脳動脈瘤の検出対象である医用画像やその検出結果の情報等を記憶している。
脳動脈瘤検出部16は、記憶部15に記憶されている処理プログラムとの協働により、処理対象画像に必要に応じて各種画像処理(階調変換処理、鮮鋭性調整処理、ダイナミックレンジ圧縮処理等)を施す。また、脳動脈瘤検出部16は検出処理を実行し、その検出結果を出力する。検出処理の内容については、後述する。
次に、上記医用画像処理装置10による脳動脈瘤の検出処理について説明する。
本実施形態では、MRIにより患者の頭部を撮影し、脳内血管の血流を画像化したMRA画像(3次元画像)から、脳動脈瘤の偽陽性候補を削除し、未破裂の脳動脈瘤の病変候補を検出する例を説明する。脳動脈瘤は、動脈の壁内にできる膨隆(拡張)のことであり、動脈壁に血流による圧力がかかることにより生じるものである。脳動脈瘤の内部では血栓が生じやすく、この脳動脈瘤が破裂すると、くも膜下出血等の重篤な疾患を発症することとなる。
図2は、検出処理の流れを説明するフローチャートである。この検出処理は、前述したように、脳動脈瘤検出部16が記憶部15に記憶される検出処理プログラムを読み込むことにより実行される処理である。
図2に示すように、検出処理ではまずMRAの3次元の医用画像の入力が行われる(ステップS1)。具体的には、脳動脈瘤検出部16により記憶部15に記憶されていた処理対象のMRA画像(以下、処理対象画像)の読み込みが行われる。
MRAは、MRIの血管撮像方法の一種である。MRIでは、被検体の足から頭の方向(この方向を体軸という)に傾斜磁場をかけることにより特定のスライス(断層)にのみエネルギーを吸収させることが可能である。撮像時には、スライス内の血管ではRFパルスで血液が飽和された状態となっているが、血管は常に血液の流れがあるため経時により非飽和の血流が流入するとそのスライスにおける信号強度が増加する。MRAは、この高信号を画像化することにより血流のある血管を画像化する方法である。
処理対象画像として用いられるMRA画像は、血液の流れを画像化したものであるため、被写体や撮影条件によってボクセルが等サイズではない直方体となったり、ボクセル値の最大値、最小値にばらつきが生じたりする。そこで、処理対象画像に関する前提条件を統一するため、入力された参照画像に対して正規化処理が施される(ステップS2)。
正規化処理としては、参照画像の正規化処理、階調変換処理が行われる。正規化処理では、ボクセルを構成する全ての辺が等サイズの3次元画像データとなるように、線形補間法により処理対象画像が変換される。次に、階調変換処理では、処理対象画像の全てのボクセルのボクセル値についてヒストグラムが作成され、ヒストグラムの上位5%以上のボクセル値を1024、最小のボクセル値を0として、処理対象画像の全てのボクセル値が0〜1024の階調に線形変換される。このとき、ボクセル値が高信号値であるほど濃度値1024に近く、低信号値であるほど濃度値0に近くなるように変換される。なお、濃度階調のレンジは、0〜1024に限らず適宜設定可能である。
図3に、正規化処理の一例を示す。
図3(a)に示す処理対象画像g1、図3(b)に示す処理対象画像g2はそれぞれ異なる患者を被写体としたものである。そのため、処理対象画像g1から得られたヒストグラムh1(図3(a)参照)と、処理対象画像g2から得られたヒストグラムh3(図3(b)参照)とでは、2つの極大点があるという特徴が共通するが、そのボクセル値の範囲にかなり相違があり、全体としてヒストグラム特性が異なるものとなっていることが分かる。このようなヒストグラム特性を有する処理対象画像g1、g2について上記の正規化処理を施した後に再度ヒストグラムを作成すると、図3(a)に示すヒストグラムh2、図3(b)に示すヒストグラムh4がそれぞれ得られる。ヒストグラムh2、h4から分かるように、正規化処理によって各処理対象画像g1、g2のヒストグラム特性がほぼ同じものとなっている。
正規化処理を終えると、当該正規化された処理対象画像から血管領域が抽出される(ステップS3)。
図4(a)に、MRA画像である処理対象画像g3の一例を示す。図4(a)に示すように、一般的に、MRA画像では、血管像は白く、その他の組織部分は黒っぽく表れるため、2値化画像では血管像はその他の領域とは異なる値となる。そこで、血管領域の抽出は、処理対象画像g3について閾値処理が施され2値化が行われ、領域拡張法により血管像と同程度の信号値を有する領域の抽出が行われることによって抽出される。
領域拡張法では、2値化画像を用いて始点となるボクセル(最も白く高濃度値のボクセル)を決定し、2値化処理前の処理対象画像g3においてその始点と決定されたボクセルの近傍26ボクセルを調べ、ある判定条件(例えば、濃度値が500以上であること)を満たす近傍ボクセルを血管領域と判断する。そして、この血管領域と判断された近傍ボクセルについても上記と同様の処理を繰り返す。このように、領域を拡張しながら判定条件を満たすボクセルを順次抽出することにより、血管領域を抽出することができる。
図4(b)に、図4(a)に示す正規化後の処理対象画像g3から抽出した血管領域の画像g4を示す。図4(b)に示す血管領域の画像g4は、図4(a)に示す正規化後の処理対象画像g3から血管領域を抽出し、当該血管領域を白(濃度値1024)、その他の領域を黒(濃度値0)で2値化したものである。
次に、偽陽性候補領域を削除するための特徴量として、脳動脈瘤の候補領域の大きさ等の形状に関する情報を特徴量として算出する処理と、脳動脈瘤の候補領域の位置に関する情報を特徴量として算出する処理とが並行して行われる。
まず、脳動脈瘤の候補領域の形状に関する情報を特徴量として算出する処理について説明する。
抽出された血管領域の画像に対し、ベクトル集中度フィルタが施され、各ボクセルにおけるベクトル集中度が算出され(ステップS4)、ベクトル集中度の算出結果に基づく脳動脈瘤の候補領域の検出が行われる(ステップS5)。
ベクトル集中度フィルタは、各ボクセルにおけるベクトル集中度を算出し、当該算出されたベクトル集中度の値をそのボクセルのボクセル値として画像化し出力するものである。ベクトル集中度は、濃度変化の勾配ベクトルの向きに着目し、ある注目点に対して近傍領域の勾配ベクトルがどの程度集中しているかを評価するものである。
脳動脈瘤の場合には線形状の血管上に球状の瘤が存在するため、勾配ベクトルは瘤の中心へ向かう傾向がある。一方、血管は線形状であるためそのような傾向は生じない。そのため、脳動脈瘤モデルの形状に近い領域は他の血管領域に比べてベクトル集中度の値が高い。従って、ベクトル集中度フィルタによりベクトル集中度が高い領域のみを出力することにより、脳動脈瘤の候補領域を検出することができる。
血管領域を構成する各ボクセルについてベクトル集中度が求められると、当該ベクトル集中度をボクセル値とする図5に示すようなフィルタ処理画像が出力される。図5に、ベクトル集中度が求められたフィルタ処理画像g5を示す。ベクトル集中度は0−1の範囲で出力されるので、図5では、ベクトル集中度が大きいほど(1に近いほど)、白く高濃度に表れるように画像化される。
そして、フィルタ処理画像について例えば閾値0.5を用いて2値化する閾値処理が施され、脳動脈瘤の候補領域の検出が行われる。すなわち、2値化により閾値0.5より大きいベクトル集中度を有するボクセルからなる領域が脳動脈瘤の候補領域として抽出される。
図6(a)に、図5に示すフィルタ処理画像の一部分の閾値処理前のフィルタ処理画像g6を示し、図6(b)に、フィルタ処理画像g6を閾値処理することにより得られるフィルタ処理画像g7を示す。図6(b)に示すように、2値化画像において白く表れている、つまりベクトル集中度が大きい画像領域が脳動脈瘤の候補領域として出力される。
なお、2値化するための閾値は、予め脳動脈瘤の存在が判明している教師画像を用いて決定しておく。すなわち、教師画像を2値化することにより、その存在が既に判明している脳動脈瘤の画像領域のみを抽出することができるような閾値が求められる。
また、閾値はp−タイル法等により統計的に解析して得ることとしてもよい。p−タイル法は、濃度ヒストグラムを求め、この濃度ヒストグラムにおいてある一定の面積比率p%を占めるところの濃度値を閾値として求める方法である。本実施形態では、フィルタ処理画像の濃度ヒストグラムを求め、最高濃度値側から面積比率p%を占めるところの濃度値を閾値として決定する。
脳動脈瘤の候補領域が検出された後、当該脳動脈瘤の候補領域の形状に関する情報を示す特徴量が算出される(ステップS6)。
脳動脈瘤はある一定の大きさを持ち、形状が球状であることから、本実施の形態では特徴量として脳動脈瘤の候補領域の大きさ、球形度、領域内の各ボクセルにおけるベクトル集中度の平均値を算出することとする。しかし、脳動脈瘤の形状を特徴付けることができるのであればどのような特徴量を用いるかは特に限定せず、例えば各ボクセルのベクトル集中度の最大値を算出することとしてもよいし、各ボクセルの濃度値の標準偏差等を算出することとしてもよい。
大きさの特徴量としては、候補領域を構成する各ボクセルの体積が算出される。ここでは、処理時間の短縮のため実際の体積ではなく、ボクセルの個数を算出してこれを体積を示す指標値として以後の演算に用いることとする。また、球形度の特徴量は、脳動脈瘤の候補領域の体積と同一体積の球を、脳動脈瘤の候補領域の重心と球の重心が一致するように配置したときに、この球と一致する脳動脈瘤の候補領域部分の体積と脳動脈瘤の候補領域の全体積との比率から求める。
次に、脳動脈瘤の候補領域の位置に関する情報を特徴量として算出する処理について説明する。
まず、参照画像について説明する。
参照画像は、処理対象画像の位置座標系を参照画像の位置座標系(基準位置座標系)に変換するために使用されるものである。
図7(a)に、参照画像g9の一例を示し、図7(b)に、図7(a)に示す参照画像g9の作成に用いた元画像g8を示す。
参照画像は、図7(a)に示すように、予め定められた平均的な血管の走行である3次元MRA画像上の血管像(例えば、図7(b))について、一又は複数の血管部位の位置及びその名称が予め設定された画像である。ここで、血管部位とは解剖学上の血管の分類をいい、血管部位の位置とは当該血管部位に属するボクセルの位置をいう。
図7(a)では、血管像に含まれる8つの血管部位(前大脳動脈、右中大脳動脈、左中脳動脈、右内頸動脈、左内頸動脈、右後大脳動脈、左後大脳動脈、脳底動脈)についてその位置座標を設定した例を示している。なお、図7(a)では8つの血管部位のうち、3つの血管部位(右中大脳動脈、前大脳動脈、脳底動脈)について名称を示している。
参照画像は、参照画像用に選択された、図7(b)に示すような頭部MRA画像の3次元データから作成される。まず、この3次元データからある間隔毎にアキシャル画像(体軸に垂直な面でボクセルを切り出した2次元断層画像)を作成する。そして、一のアキシャル画像において医師の指摘に基づき、手動操作により各血管部位に属するボクセルが指定される。これを体軸方向に位置を変えてスライスした各アキシャル画像について繰り返すことにより、3次元データを構成する全ボクセルのうち、各血管部位に属するボクセルの位置座標が設定される。
また、参照画像には血管の屈曲点、終局点、血管部位同士の交差点等の特徴的な箇所においてランドマークのボクセルが設定される。ランドマークは処理対象画像と参照画像との位置合わせに使用されるものであるが、詳細な説明は後述する。ランドマークについても医師の指摘に基づく手動操作に応じて設定される。
以上のようにして作成された参照画像は、記憶部15に保存される。
なお、参照画像の作成は医用画像処理装置10の脳動脈瘤検出部16で行ってもよいし、外部で作成されたものを記憶部15に保存することとしてもよい。また、血管領域に含まれる8つの血管部位を示すため、図7(a)では各血管部位を識別表示したが、実際の参照画像は背景が黒(低信号値)、血管像が白(高信号値)と2値化された画像である。そして、各血管部位に属するボクセルの位置座標、ランドマークであるボクセルの位置座標は、参照画像に付帯されている、或いは参照画像と対応付けて別ファイルとして記憶部15に保存されている。
血管領域が抽出された処理対象画像(以下、血管抽出画像)に対し、当該血管抽出画像の血管領域の位置と参照画像の血管領域の位置とを略一致させるため、互いの画像の重心座標を元に位置合わせが行われる(ステップS7)。重心座標は、血管像に属する全てのボクセルの重心となるボクセルの位置座標である。
図8を参照して、ステップS7における位置合わせを具体的に説明する。
図8(a)は、位置合わせ前の血管抽出画像と参照画像とを重ね合わせた図である。図8(a)に示すように、単に血管抽出画像と参照画像とを重ね合わせただけではそれぞれの血管領域の位置座標が一致していないことが分かる。
そこで、図8(a)に示すように血管抽出画像の重心座標P(x1、y1、z1)、参照画像の重心座標Q(x2、y2、y3)が求められ、この重心座標P、Qが一致するように、血管抽出画像と参照画像とが相対的に平行移動される。平行移動により各重心座標P、Qを一致させた結果が、図8(b)に示す図である。図8(b)に示すように、血管抽出画像の血管領域の位置座標と参照画像の血管領域の位置座標とが大まかに一致していることが分かる。
さらに精度よく位置合わせを行うため、血管抽出画像に対して剛体変形が行われる(ステップS8)。
まず、剛体変形の前処理として相互相関係数を用いた対応点の検索が行われる。剛体変形は、位置合わせを行う2つの画像についてそれぞれ複数の対応点を設定し、この2つの画像において設定された対応点がそれぞれ一致するように一方の画像を剛体変形するものである。ここでは、参照画像において予め定められているランドマークのボクセルと、局所的に画像特性が類似する血管抽出画像のボクセルが対応点として設定される。画像特性の類似性は、血管抽出画像と参照画像について相互相関係数が求められ、この相互相関係数に基づいて判断される。
図9(a)に、参照画像におけるランドマークを示す図g10、図9(b)に、血管抽出画像における対応点を示す図g11を示す。具体的には、図9(a)に示すように、予め参照画像の血管像において設定されている12点のランドマーク(a1〜a12)に対応する対応点が血管抽出画像から検索される。対応点の検索時には、図9(b)に示すように、血管抽出画像において、参照画像のランドマークa1と対応する位置のボクセルを開始点b1とするように、参照画像の各ランドマーク(a1〜a12)と対応する位置のボクセルを開始点(b1〜b12)とし、血管抽出画像及び参照画像において当該開始点(b1〜b12)及びランドマーク(a1〜a12)のボクセルからX軸、Y軸、Z軸方向に−10〜+10ボクセルの範囲(21×21×21ボクセルの立方領域)内のボクセルが探索され、各ボクセルについて、下記式(1)により相互相関係数C(以下、相関値Cという)が算出される。
上記式(1)においてA(i,j,k)は参照画像のボクセル位置、B(i,j,k)は血管抽出画像のボクセル位置を示す。IJKは探索領域のサイズを示し、IJK=21×21×21である。
また、α、βは、それぞれ参照画像、血管抽出画像における探索領域内のボクセル値の平均値であり、下記式(2)、(3)により示される。σ、σは、それぞれ参照画像、血管抽出画像における探索領域内のボクセル値の標準偏差であり、下記式(4)、(5)により示される。
相関値Cは−1.0〜1.0の値域を持ち、最大値1.0に近いほど、参照画像と血管抽出画像の画像特性が類似していることを示す。そこで、最も大きな相関値Cをとるボクセルの位置が、参照画像のランドマークに対応する血管抽出画像の対応点として設定される。
対応点が設定されると、この対応点に基づき血管抽出画像に対して剛体変形を施すことにより、血管抽出画像の血管領域と参照画像の血管領域との位置合わせが行われる。位置合わせは、最小二乗法を用いた剛体変形を複数回繰り返すICP(Iterative Closest Point)アルゴリズムにより血管抽出画像の対応点が参照画像のランドマークに一致するように行われる。このアルゴリズムによれば、剛体変形を行う毎に、参照画像のランドマークと血管抽出画像の対応点における距離の最小二乗誤差を算出し、当該最小二乗誤差がある閾値を超える等の終了条件を満たすまで剛体変形が繰り返される。
剛体変形によって参照画像の血管領域に略一致するように処理対象画像を変換することより、処理対象画像の位置座標系を参照画像の位置座標系に精度よく変換させることができ、患者による処理対象画像の血管領域の形態の個体差を解消することができる。
このように、参照画像の位置座標系に一致するように剛体変形された血管抽出画像の位置座標系は、参照画像の位置画像系と共通の座標系に変換されることとなり、血管抽出画像の位置座標系から参照画像の位置座標系に変換する変換行列が求まる。
そして、この変換行列と、ステップS5において検出された処理対象画像に存在する脳動脈瘤の候補領域の重心座標とに基づいて、脳動脈瘤の候補領域の位置に関する情報、即ち、参照画像の位置座標系におけるステップS5において検出された処理対象画像の脳動脈瘤の候補領域の重心座標を示す変換済脳動脈瘤位置座標が特徴量として算出される(ステップS9)。
ステップS6及びステップS9後、即ち、偽陽性候補領域を削除するための特徴量として、脳動脈瘤の候補領域の形状に関する情報及び脳動脈瘤の候補領域の位置に関する情報(変換済脳動脈瘤位置座標)が算出された後、これらの特徴量に基づいて偽陽性候補領域の削除が行われ(ステップS10)、削除されなかった脳動脈瘤の候補領域が脳動脈瘤とする検出結果が出力され(ステップS11)、本処理は終了される。
偽陽性候補領域の削除は、脳動脈瘤の候補領域において、脳動脈瘤(陽性候補領域)と正常組織である血管の領域(偽陽性候補領域)との識別が行われ、偽陽性候補領域と識別された脳動脈候補領域が削除される処理である。
偽陽性候補領域の識別を行う識別器としては、判別分析、ニューラルネットワーク、サポートベクタマシンのうち少なくとも一つを用いた識別器等、識別が行えるものであれば良いが、脳動脈瘤の候補領域の重心座標は非線形性が高いためサポートベクタマシンが好ましく、特に、ガウシアンカーネルのサポートベクタマシンが好ましい。
ガウシアンカーネルのサポートベクタマシンを識別器として用いる場合、予め定められた識別境界情報が構築されたサポートベクタマシンに、算出された特徴量が判別対象データとして入力され、入力された判別対象データが偽陽性候補領域のカテゴリに属するかが判別される。サポートベクタマシンは、2つのカテゴリに属するテストデータ群の分布に基づいて、各カテゴリを識別する識別境界を決定し、当該決定された識別境界により判別対象データが何れかのカテゴリに属するかを識別するものである。
サポートベクタマシンの構築は、過去の脳動脈瘤の症例を用いて、脳動脈瘤の特徴量及び偽陽性候補領域の特徴量が判別対象データとして予め設定されているテストデータ群に基づき、識別境界を示す識別関数を決定するサポートベクトルとなるテストデータをカテゴリ毎(例えば、脳動脈瘤、偽陽性候補領域)に求め、サポートベクトルとなるテストデータとカーネル関数の一種であるガウシアンカーネルとに基づいて、マージン領域(識別境界周辺でテストデータが存在しない領域)を最大とする最も識別精度の高い非線形の最適識別関数を識別境界情報として算出することによって、サポートベクタマシンが構築される。
以上のように、本実施の形態においては、脳動脈瘤検出部16が抽出手段、算出手段、候補領域検出手段、画像変換手段、特徴量算出手段、偽陽性削除手段として機能する。詳しくは、脳動脈瘤検出部16により実行される検出処理において、ステップS3が抽出工程、ステップS4が算出工程、ステップS5が候補領域検出工程、ステップS7及びステップS8が画像変換工程、ステップS6及びステップS9が特徴量算出工程、ステップS10が偽陽性削除工程に対応する。
本実施の形態と従来との検出結果をFROC(Free−response Receiver Operating Characteristic)解析した場合の評価結果について説明する。
図10に、100症例において、本実施の形態における検出処理を適用した検出結果のFROC曲線と従来の検出処理を適用した検出結果のFROC曲線のグラフを示す。図10に示すグラフの縦軸は、脳動脈瘤を正しく検出できた検出率を感度[%]として示し、横軸は1症例あたりに含まれる削除できなかった偽陽性候補領域の数[個/症例]を示している。
図10に示す△により形成され実線で示されたFROC曲線は、脳動脈瘤の候補領域の形状に関する情報を特徴量とした従来の検出処理における検出結果に基づくFROC曲線を示し、図10に示す●により形成され従来よりも太い実線で示されたFROC曲線は、脳動脈瘤の候補領域の形状に関する情報及び脳動脈瘤の候補領域の重心座標(変換済脳動脈瘤位置座標)を特徴量とした本実施の形態の検出処理における検出結果に基づくFROC曲線を示す。
図10に示す従来の検出結果に基づくFROC曲線上の点Aでは、感度が93.8[%]、1症例あたりの偽陽性候補領域の数が4.06[個/症例]であり、本実施の形態の検出結果に基づくFROC曲線上の点Bでは、感度が93.8[%]、1症例あたりの偽陽性候補領域の数が1.24[個/症例]であった。
このように、本実施の形態と従来とのFROC曲線を比較すると、同一感度(93.8[%])における1症例あたりの偽陽性候補領域の数は、従来は4.06[個/症例]であるのに対し、本発明では1.24[個/症例]となる。従って、本実施の形態において、同一感度における1症例あたりに含まれる削除できなかった偽陽性候補の数を従来よりも約3分の1に減少させることができ、偽陽性候補領域の削除精度を向上させることができた。
以上のように、本実施の形態によれば、撮影角度や患者(被写体)の身体的な特徴などに起因した個体差が生じている脳動脈瘤の候補領域の位置座標を、画一的な基準位置座標系の位置座標(変換済脳動脈瘤位置座標)に変換でき、この変換済脳動脈瘤位置座標を患者の個体差に拘らず一般的に知られている脳動脈瘤が発生し易い部位及び正常な血管の部位の位置座標を識別する識別境界情報に適合させることができるため、脳動脈瘤と偽陽性候補領域との識別精度を向上できる。
また、ベクトル集中度の算出に基づいて脳動脈瘤の候補領域の検出精度を高めることができると共に、変換済脳動脈瘤位置座標と前記識別境界情報との比較結果に加え、算出される脳動脈瘤の候補領域の形状に関する情報(大きさ、球形度、当該脳動脈瘤の候補領域におけるベクトル集中度の平均若しくはベクトル集中度の最大値のうち、少なくとも1つ)に基づいて、偽陽性候補領域を削除することができるため、脳動脈瘤と偽陽性候補領域との識別精度を向上できる。
また、脳動脈瘤の候補領域に含まれる偽陽性候補領域を識別するため、判別分析、ニューラルネットワーク、サポートベクタマシンのうちいずれか一つを用いることができる。
特に、一般的に知られている脳動脈瘤が発生し易い部位及び正常な血管の部位の位置座標等の過去の脳動脈瘤の症例を用いたガウシアンカーネルのサポートベクタマシンを用いた場合、非線形性の高い識別境界情報を生成することができ、脳動脈瘤と偽陽性候補領域との識別精度を向上させることができる。
本実施形態における医用画像処理装置10の構成図である。 検出処理の流れを説明するフローチャートである。 (a)は処理対象画像及び正規化処理を施す前後における処理対象画像のヒストグラムであり、(b)は(a)とは異なる被写体の処理対象画像及び正規化処理を施す前後における処理対象画像のヒストグラムである。 (a)はMRA画像の一例であり、(b)は(a)に示す正規化後の処理対象画像から抽出した血管領域の画像である。 ベクトル集中度が求められたフィルタ処理画像である。 (a)は閾値処理前のフィルタ処理画像であり、(b)は閾値処理後のフィルタ処理画像である。 (a)は参照画像の一例であり、(b)は参照画像の作成に用いた元画像である。 血管抽出画像と参照画像とを重ね合わせた図である。 参照画像におけるランドマークと、血管抽出画像における対応点とを示す図である。 100症例において、本実施の形態の検出処理を適用した検出結果のFROC曲線と従来の検出処理を適用した検出結果のFROC曲線のグラフである。
符号の説明
10 医用画像処理装置
11 制御部
12 操作部
13 表示部
14 通信部
15 記憶部
16 脳動脈瘤検出部

Claims (8)

  1. 処理対象画像に存在する脳動脈瘤の候補領域を検出する候補領域検出手段と、
    前記処理対象画像の位置座標系を予め定められた基準位置座標系に変換する画像変換手段と、
    前記画像変換手段により変換された前記処理対象画像に存在する前記脳動脈瘤の候補領域の位置座標を示す変換済脳動脈瘤位置座標を含む特徴量を算出する特徴量算出手段と、
    前記特徴量算出手段により算出された前記変換済脳動脈瘤位置座標と予め定められた識別境界情報とに基づいて、前記候補領域検出手段により検出された前記脳動脈瘤の候補領域に含まれる偽陽性候補領域を削除する偽陽性削除手段と、
    を備えること、
    を特徴とする医用画像処理装置。
  2. 前記処理対象画像から血管領域を抽出する抽出手段を備え、
    前記画像変換手段は、
    前記基準位置座標系において一又は複数の血管部位の位置座標が予め定められた血管領域を含む参照画像を用い、当該参照画像の血管領域に前記処理対象画像の血管領域が略一致するように前記処理対象画像を剛体変形すること、
    を特徴とする請求項1記載の医用画像処理装置。
  3. 前記処理対象画像からベクトル集中度を算出する算出手段を備え、
    前記候補領域検出手段は、
    前記算出手段により算出されたベクトル集中度に基づいて前記処理対象画像に存在する脳動脈瘤の候補領域を検出し、
    前記特徴量算出手段は、
    前記候補領域検出手段により検出された前記処理対象画像に存在する前記脳動脈瘤の候補領域の大きさ、球形度、当該脳動脈瘤の候補領域におけるベクトル集中度の平均若しくはベクトル集中度の最大値のうち、少なくとも1つを前記特徴量として算出し、
    前記偽陽性削除手段は、
    前記変換済脳動脈瘤位置座標と前記識別境界情報との比較結果に加え、前記特徴量算出手段により算出された大きさ、球形度、当該脳動脈瘤の候補領域におけるベクトル集中度の平均若しくはベクトル集中度の最大値のうち、少なくとも1つに基づいて、前記候補領域検出手段により検出された前記脳動脈瘤の候補領域に含まれる偽陽性候補領域を削除すること、
    を特徴とする請求項1又は2記載の医用画像処理装置。
  4. 前記偽陽性削除手段は、
    判別分析、ニューラルネットワーク、サポートベクタマシンのうち少なくとも一つであること、
    を特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
  5. 前記識別境界情報は、過去の脳動脈瘤の症例を用いたガウシアンカーネルのサポートベクタマシンにより生成されること、
    を特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
  6. 前記処理対象画像は、MRIにおいてMRAの撮影方法により撮影されたMRA画像であること、
    を特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
  7. 医用画像処理装置における医用画像処理方法であって、
    処理対象画像に存在する脳動脈瘤の候補領域を検出する候補領域検出工程と、
    前記処理対象画像の位置座標系を予め定められた基準位置座標系に変換する画像変換工程と、
    前記画像変換工程により変換された前記処理対象画像に存在する前記脳動脈瘤の候補領域の位置座標を示す変換済脳動脈瘤位置座標を含む特徴量を算出する特徴量算出工程と、
    前記特徴量算出工程により算出された前記変換済脳動脈瘤位置座標と予め定められた識別境界情報とに基づいて、前記候補領域検出工程により検出された前記脳動脈瘤の候補領域に含まれる偽陽性候補領域を削除する偽陽性削除工程と、
    を含むこと、を特徴とする医用画像処理方法。
  8. コンピュータを、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の医用画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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