JP6303716B2 - 高炉大樋の乾燥装置 - Google Patents

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Description

本発明は、高炉大樋の内表面に施工された不定形耐火物を乾燥させる高炉大樋の乾燥装置に関する。
高炉からの出銑された溶銑が流れる大樋には、レンガが敷き詰められた後、表面に不定形耐火物が施工される。この不定形耐火物はライニングと呼ばれている。ライニングは、大樋内に中子を挿入配置してこれらの間に不定形耐火物を流し込み、適当な時間の養生後に中子を離型し、大樋内に養生された不定形耐火物の稼働面(溶銑と接触する内壁面)からガスバーナで加熱して乾燥させることにより形成される。
ここで、不定形耐火物の乾燥においては、稼働面側から加熱することで施工された不定形耐火物の内部に熱を伝導して含有水分を水蒸気化させている。この際、不定形耐火物の表面温度を局所的に高温にすることなく、表面全体を均一に昇温することが重要である。
例えば特許文献1には、樋カバーの天上部にバーナを適宜配列して一体化し、圧空又は外部吸引により完全燃焼させることで乾燥する高炉鋳床樋の乾燥装置が開示されている。かかる乾燥装置は耐火物を表面より乾燥し昇熱させている。
また、例えば特許文献2には、樋のように細長い長尺状に施工された耐火物でも、耐火物の特性に応じたヒートパターンで均一に乾燥・昇温することで、スポーリングや爆裂の発生を防止する昇温用スリット型バーナ装置が開示されている。
実開昭58−129499号公報 特開2001-4110号公報
しかし、上記特許文献1では、水分を含んだ耐火物を、表面から昇温・乾燥するため、耐火物を高温に急激に昇温するとスポーリングや爆裂が発生しやすくなる。
また、上記特許文献2では、バーナ装置は三重筒ヘッダーとスリットノズルから構成されているが、バーナは燃料ガスと燃焼空気とをバーナノズル部で混合し燃焼するため、噴射される火炎は高温となり、乾燥を目的とした低い温度の雰囲気の形成には不向きである。さらに、スリットバーナには高圧の燃料ガスと燃焼空気を供給しているため、スリット部から燃料ガスおよび燃焼空気は高速で噴射されている。このため、噴射された火炎が樋床面を直撃して局所的に高温となる箇所が発生し、スポーリングや爆裂を発生する可能性が存在する。また、特許文献2のバーナ装置は、旋回羽根やスリットノズル等構造が精緻で複雑であり高価である等の問題もある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、高炉大樋に施工された不定形耐火物を、低温で昇温むらが生じないように昇温・乾燥することが可能な高炉大樋の乾燥装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、高炉の大樋の内表面に施工された不定形耐火物を乾燥させる乾燥装置が提供される。かかる高炉大樋の乾燥装置は、高炉の大樋の内表面に施工された不定形耐火物を乾燥させる乾燥装置であって、前記大樋の底部の不定形耐火物上長手方向に延設され、長手方向に所定の間隔で複数の燃料ガス噴射孔が形成された、燃料ガスを供給する燃料ガス供給部と、前記燃料ガス供給部の上方から燃焼空気を供給する燃焼空気供給部と、前記大樋の長手方向の上流側と下流側に設けられ、乾燥させる不定形耐火物が施工されている乾燥対象領域を他の領域と仕切る仕切部材と、前記仕切部材で仕切られた前記乾燥対象領域の上方を覆う上板と、前記大樋に施工された不定形耐火物、前記仕切部材および前記上板により形成された乾燥空間の内部と外部とを連通させ、前記乾燥空間内部で発生した排ガスを外部へ排出する排出部と、を備える。
燃焼空気供給部は、前記燃料ガス供給部の直上に、前記大樋の長手方向に沿って配置され、長手方向に所定の間隔で複数の燃焼空気噴射孔が形成されてもよい。
また、燃料ガス供給部から供給される燃料ガス供給量は、形成される火炎が大樋の内側面に直接当たらないように調整される。
以上説明したように本発明によれば、高炉大樋に施工された不定形耐火物を、低温で昇温むらが生じないように昇温・乾燥することができる。
本発明の第1の実施形態に係る高炉大樋の乾燥装置を示す斜視図である。 同実施形態に係る高炉大樋の乾燥装置を示す部分断面側面図である。 同実施形態に係る燃料ガスヘッダーおよび燃焼空気ヘッダーを示す側面図である。 図3のA−A切断線における断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る高炉大樋の乾燥装置を示す部分断面側面図である。 従来の乾燥装置の一構成例を示す斜視図である。 従来の乾燥装置を示す部分断面側面図である。 図7のB−B切断線における断面図である。 実施例において、不定形耐火物の乾燥が完了するまでの雰囲気温度変化を示すグラフである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.第1の実施形態>
[1−1.乾燥装置の構成]
図1〜図4を参照して、本発明の第1の実施形態に係る高炉大樋の乾燥装置100の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る高炉大樋の乾燥装置100を示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る高炉大樋の乾燥装置100を示す部分断面側面図である。図3は、本実施形態に係る燃料ガスヘッダー110および燃焼空気ヘッダー120を示す側面図である。図4は、図3のA−A切断線における断面図である。なお、図1および図2では、説明のため、一部の構成部材の大きさを誇張して表現している。
本実施形態に係る高炉大樋の乾燥装置100は、大樋5にライニングである不定形耐火物を施工した後に、不定形耐火物を乾燥させるために大樋5に設置され使用される装置である。乾燥装置100は、図1および図2に示すように、燃料ガスヘッダー110と、燃焼空気ヘッダー120と、2枚の仕切板132、134と、上板140と、煙突150と、観察窓160とから構成される。大樋5に施工された不定形耐火物を仕切板132、134および上板140で囲うことにより、不定形耐火物を乾燥させる空間(以下、「乾燥空間」ともいう。)が形成される。また、燃料ガスヘッダー110および燃焼空気ヘッダー120は、不定形耐火物を乾燥させる乾燥バーナを構成する。
本実施形態に係る乾燥装置100は、乾燥バーナを乾燥空間内に設けて低温(約300℃程度)の均一な雰囲気を形成し、不定形耐火物を適切に昇温・乾燥させるものである。なお、乾燥装置100を使用する高炉の大樋5は、幅1.0m〜1.6m程度、深さ1.0m程度のものが一般的である。
(燃料ガスヘッダー)
燃料ガスヘッダー110は、燃料ガスを不定形耐火物の乾燥空間に供給する燃料ガス供給部である。燃料ガスヘッダー110は、図1および図2に示すように、大樋5の底面付近に長手方向(y方向)に延設される。本実施形態では、大樋5の底面側から乾燥させるようにするため、燃料ガスヘッダー110はなるべく大樋5の底面に近接して配置すると共に、該燃料ガスヘッダー110と大樋5の底面との間を燃料ガスが流通可能となるようにしている。例えば図2に示すように、大樋5の底面に支持部材102、102を設け、その上に燃料ガスヘッダー110を載置させることで、燃料ガスヘッダー110を大樋5の底面近くに安定して設置することができる。
燃料ガスヘッダー110は、長手方向両端部が閉じた中空の部材であって、一端側には、外部から供給される燃料ガスを燃料ガスヘッダー110に流入させる燃料ガス配管114が連通されている。燃料ガスヘッダー110の周面には、長手方向に所定の間隔で複数の燃料ガス噴射孔112が形成されている。これにより、乾燥空間の長手方向全域にわたってまんべんなく燃料ガスを供給することができる。より好ましくは、燃料ガス噴射孔112は、大樋5の両側面に向かって燃料ガスが噴射されるように、各側面と対向する位置に形成される。例えば、図4に示すように、燃料ガス噴射孔112は、燃料ガスヘッダー110の外周面のうち、鉛直方向(z方向)に直交する径方向の位置に形成してもよい。なお、燃料ガスヘッダー110から供給される燃料ガスには燃焼空気は含まれない。
(燃焼空気ヘッダー)
燃焼空気ヘッダー120は、燃焼空気を不定形耐火物の乾燥空間に供給する燃焼空気供給部である。燃焼空気ヘッダー120は、図1および図2に示すように、燃料ガスヘッダー110の直上に、燃料ガスヘッダー110と同様に長手方向(y方向)に延設される。このような構成とする場合、燃焼空気ヘッダー120は燃料ガスヘッダー110に固定され一体構造としてもよい。
燃焼空気ヘッダー120も、長手方向両端部が閉じた中空の部材であって、一端側には、外部から供給される燃焼空気を燃焼空気ヘッダー120に流入させる燃焼空気配管124が連通されている。燃焼空気ヘッダー120の周面には、長手方向に所定の間隔で複数の燃焼空気噴射孔122が形成されている。より好ましくは、燃焼空気噴射孔122は、大樋5の両側面に向かって燃焼空気が噴射されるように、各側面と対向する位置に形成される。
例えば、図4に示すように、燃焼空気噴射孔122は、燃焼空気ヘッダー120の外周面のうち、鉛直方向(z方向)に直交する径方向の位置に形成してもよい。また、燃料ガス噴射孔112から噴射されている燃料ガスに点火して形成された火炎を乱さないように、燃焼空気噴射孔122は、噴射される燃焼空気が直接火炎に当たらない位置に形成されるのがよい。
燃焼空気ヘッダー120は、燃料ガスヘッダー110と略同一長さに構成される。長手方向における燃焼空気噴射孔122の形成間隔(ピッチ)は、図3に示すように、燃料ガスヘッダー110の燃料ガス噴射孔112と略同一とするのがよい。燃料ガスの噴射位置に適切に燃焼空気を供給することができる。また、燃焼空気ヘッダー120は、燃料ガスヘッダー110よりも大径の管により形成してもよい。例えば燃焼空気ヘッダー120と燃料ガスヘッダー110との径の比は3:1程度とすることができる。なお、燃焼空気ヘッダー120から供給される燃焼空気は、空気比2程度に設定されている。
(仕切板)
仕切板132、134は、不定形耐火物の施工された領域を挟むように大樋5の長手方向の上流側と下流側に設けられる板状の仕切部材である。仕切板132、134は、大樋5の長手方向の断面開口部分を長手方向の上流側と下流側とで塞ぐ。これにより、大樋5の長手方向について、不定形耐火物が施工された領域を外部と遮断される。
(上板)
上板140は、仕切板132、134で仕切られた不定形耐火物が施工されている領域の上方を覆う部材である。上板140は、例えば図1に示すように、大樋5の幅方向(x方向)両端上面に架け渡して設けられる。上板140には、耐熱性のある軽量の板状部材を用いるのがよい。本実施形態では、2枚の波板でセラミックファイバーブランケットを挟み積層して構成された板状部材を上板140として用いる。このような構成の上板140は、軽量であり、大樋5に簡単に敷設することができる。上板140の形状はかかる例に限定されず、例えば波のない平板であってもよい。
なお、乾燥空間は、煙突150による排出部を除き、なるべく密閉された空間とすることで、昇温効率を高めることができる。しかし、乾燥空間を完全に密閉しなくとも本実施形態に係る乾燥装置100による効果には大きく影響することはない。したがって、本実施形態のように上板140として波板を利用したときに、波板と大樋5の両端上面との間にできる隙間程度は問題ない。また、上板140として波板を利用すると、図1に示すように、波板の流れ方向が大樋5の長手方向と交わるように波板を設置すれば、波板が大樋5の内部側に撓むこともない。
また、上板140には、後述する煙突150や観察窓160を設けるための開口が形成される。さらに、上板140に、燃料ガスヘッダー110へ燃料ガスを外部から供給する燃料ガス配管114や燃焼空気ヘッダー120へ燃焼空気を外部から供給する燃焼空気配管124等を設けるための開口をさらに形成してもよい。
(煙突)
煙突150は、燃料ガスの燃焼により乾燥空間内で発生した排ガスを乾燥空間外に排出する筒状部材である。煙突150は、上板140に対して略垂直に設けられ、乾燥空間の内部と外部とを連通させる。上板140の設置位置は特に限定されないが、例えば乾燥空間の長手方向の中央部付近に設けてもよい。煙突150は、排ガスが乾燥空間から排出される程度の長さ、例えば2m程度の長さを有する。また、煙突150は、容易に設置できるよう、軽量の材質から形成するのがよい。
(観察窓)
観察窓160は、乾燥空間内の火炎状態を観察するために上板140の一部に設けられる。観察窓160は、例えば上板140の一部を開口し、その開口部分に耐熱ガラス等の耐熱性のある透明部材を設けることで形成される。これにより、乾燥空間内の火炎状態を観察することができるとともに、乾燥空間をほぼ密閉した状態に維持することができる。
[1−2.乾燥装置の設置方法]
本実施形態に係る乾燥装置100は、以下のように大樋5に設置して使用される。まず、大樋5に不定形耐火物が施工された領域に、乾燥バーナを構成する燃料ガスヘッダー110および燃焼空気ヘッダー120が大樋5の底面に設置される。燃料ガスヘッダー110および燃焼空気ヘッダー120は、例えば燃料ガス噴射孔112と燃焼空気噴射孔122との位置を調整して、予め一体にしてもよい。
大樋5の底面には、支持部材102、102が燃料ガスヘッダー110の両端を支持するように設けられる。なお、支持部材102は少なくとも1つ設けられていればよく、燃料ガスヘッダー110を安定して支持するために2つ以上設けられるのがよい。支持部材102、102上に燃料ガスヘッダー110が載置され、その直上(鉛直方向上側)に燃焼空気ヘッダー120が設けられる。このとき、燃料ガスヘッダー110の燃料ガス噴射孔112および燃焼空気ヘッダー120の燃焼空気噴射孔122は、大樋5の側面と対向している。
次いで、大樋5の長手方向において、燃料ガスヘッダー110および燃焼空気ヘッダー120が設置された不定形耐火物の施工領域の上流側と下流側に、仕切板132、134を大樋5に設置する。仕切板132、134により、不定形耐火物の施工領域が他の領域と区切られる。
その後、燃料ガスヘッダー110に燃料ガス、燃焼空気ヘッダー120に燃焼空気を外部からそれぞれ供給し、燃料ガス噴射孔112から燃料ガスを噴射し、燃焼空気噴射孔122から燃焼空気を噴射する。そして、外部から点火トーチ(図示せず。)にて燃料ガス噴射孔112から噴射されている燃料ガスに点火する。燃料ガスの燃焼に必要な酸素は、火炎周辺の燃焼空気噴射孔122から噴射されている燃焼空気によって確保される。噴射された燃焼空気は拡散して燃料ガスが噴射されている部分に供給されるので、形成される火炎は緩慢燃焼の軟らかい火炎となる。火炎は、燃料ガスの供給量を調整して、乾燥対象である不定形耐火物に直接衝突しない大きさとされる。
例えば、幅1060mmの大樋5において、幅方向中央に直径80mmの燃料ガスヘッダー110が長手方向に延設されるとする。燃料ガスヘッダー110の燃料ガス噴射孔112の直径は5mmとする。このとき、大樋5の側面に施工された不定形耐火物に燃料ガス噴射孔112の火炎が直接当たらないように燃料ガスの供給量を調整して、燃料ガスの噴射速度を約8〜22m/sの間に設定する。燃料ガスの噴射速度が8m/sより小さいと火炎長さが短くなり過ぎ、不定形耐火物を乾燥させるのに十分な雰囲気温度を形成することができない。一方、燃料ガスの噴射速度が22m/sより大きくなると火炎長さが長くなり、火炎が不定形耐火物に直接当たってしまう。このように、燃料ガスの供給量を調整して、不定形耐火物に直接衝突しない火炎を形成する。
作業者は、燃料ガスヘッダー110の各燃料ガス噴射孔112に適切に火炎が形成されていることを確認した後、不定形耐火物が施工された領域の上方を上板140で覆う。上板140は、1枚の板であってもよく、複数枚の板を敷設して構成してもよい。上板140を設置することで、不定形耐火物が施工された領域に、ほぼ密閉された乾燥空間が形成される。このような乾燥空間を形成することで、雰囲気温度を均一にすることができ、また、燃料ガスを有効に活用することができる。その後、上板140の開口部分に燃料ガスの燃焼により発生した排ガスを排出させる煙突150が設置される。
このよう乾燥空間を形成して軟らかい火炎で不定形耐火物を乾燥することで、点火初期から乾燥に望ましい低温の雰囲気温度を形成することが可能となる。また、本実施形態に係る乾燥装置100は、燃料ガスを大樋5の底面側にて長手方向全体にわたって供給することで、大樋5に施工された不定形耐火物を底面側から均一に乾燥させることができる。したがって、不定形耐火物を高温にまで急激に昇温させてしまい、スポーリングや爆裂が発生するのを防止することができる。
乾燥空間が形成され不定形耐火物の乾燥が行われているときの乾燥空間内部の状態は、上板140に形成された観察窓160から視認することができる。例えば、観察窓160から火炎が形成されているかを目視確認して、燃焼安全を確認できる。万が一失火している場合には、作業者は、燃料ガス供給系統に設置した遮断弁を閉じて、安全を確保することができる。あるいは、乾燥空間外に火炎監視装置(図示せず。)を設置し、火炎監視装置により観察窓160から乾燥空間内部を観察するようにしてもよい。この場合、火炎監視装置は、失火を検知すると遮断弁を閉じるように遮断弁を制御可能に構成してもよい。
[1−3.まとめ]
以上、本実施形態に係る乾燥装置100の構成とその機能について説明した。本実施形態によれば、燃料ガスヘッダー110を大樋5の底面付近に設け、長手方向に所定の間隔で燃料ガスを供給し、燃料ガスヘッダー110の上方から燃焼空気ヘッダー120より燃焼空気を供給する。これにより、燃料ガスは、予め燃料ガスと混合される一次空気を用いず、燃料ガス噴射孔112から噴射された後に乾燥空間に供給された燃焼空気(すなわち、二次空気)から、燃焼に必要な酸素をすべて得て燃焼する。このように、燃料ガスヘッダー110と燃焼空気ヘッダー120とからいわゆる赤火式の燃焼バーナを構成することで、燃料ガスヘッダー110の長手方向に軟らかい火炎を形成できる。
また、仕切板132、134、上板140により、乾燥対象である不定形耐火物が施工された領域にほぼ密閉された乾燥空間を形成することで、冷たい外気の流入もなく、水分を含んだ不定形耐火物を乾燥するのに適した均一な低温雰囲気を形成することができる。これにより、樋のように細長く長尺状の部材に対して長手方向に長い領域に施工された不定形耐火物を、爆裂やスポーリングを発生させることなく均一に乾燥することができる。また、乾燥空間をほぼ密閉状態とすることで、燃料ガスを有効に活用することができる。
さらに、本実施形態に係る乾燥装置100を用いることで、不定形耐火物を効率よく乾燥させることができることに加え、装置構成も簡単であり、現場での作業が容易に行うことができるので、作業時間も短縮できるという効果もある。
<2.第2の実施形態>
次に、図5を参照して、本発明の第2の実施形態に係る高炉大樋の乾燥装置200の構成について説明する。図5は、本実施形態に係る高炉大樋の乾燥装置200を示す部分断面側面図である。なお、図5では、説明のため、一部の構成部材の大きさを誇張して表現している。
本実施形態に係る高炉大樋の乾燥装置200は、第1の実施形態に係る乾燥装置100と同様、大樋5にライニングである不定形耐火物を施工した後に、不定形耐火物を乾燥させるために大樋5に設置され使用される装置である。乾燥装置200は、第1の実施形態に係る乾燥装置100と比較して、乾燥空間への燃焼空気の供給方法と排ガスの排出位置が相違する。以下では、乾燥装置200の構成とその機能について、この相違点を主として説明し、同一の構成および機能を有する構成要素については詳細な説明を省略する。
本実施形態に係る乾燥装置200は、図5に示すように、燃料ガスヘッダー110と、2枚の仕切板132、134と、上板140と、煙突150と、観察窓160とから構成される。第1の実施形態と同様、大樋5に施工された不定形耐火物を仕切板132、134および上板140で囲うことにより、不定形耐火物を乾燥させる乾燥空間が形成される。一方、本実施形態では、燃料ガスヘッダー110と、乾燥空間に外部から燃焼空気を供給する燃焼空気配管124とから、不定形耐火物を乾燥させる乾燥バーナが構成されている。
燃料ガスヘッダー110は、大樋5の底面付近に長手方向(y方向)に延設される。燃料ガスヘッダー110は、第1の実施形態と同様、例えば大樋5の底面に設置した支持部材102、102に載置して、なるべく大樋5の底面に近接するように設置される。燃料ガスヘッダー110に所定の間隔で形成されている燃料ガス噴射孔112の形成位置や大きさ等のサイズも、第1の実施形態と同様に構成される。
燃料ガス噴射孔112から噴射される燃料ガスを燃焼させるための燃焼空気は、本実施形態に係る乾燥装置200では、乾燥空間の長手方向一端側から、燃焼空気配管124から直接乾燥空間内に供給される。このとき、燃焼空気配管124の燃焼空気が噴射される供給口126は、燃料ガスヘッダー110よりも上方に位置させる。これにより、燃焼空気が拡散して各燃料ガス噴射孔112に酸素が供給されるため、緩慢燃焼の軟らかい火炎を形成することができる。
乾燥空間の一端側から燃焼空気を供給する場合、燃料ガスの燃焼により発生した排ガスを排出する煙突150は、図5に示すように、燃焼空気が供給される一端側と反対側の乾燥空間の長手方向他端側に設けられる。これにより、乾燥空間内に燃焼空気配管124の供給口126から煙突160へ向かう気流が形成され、燃料ガスを乾燥空間内にまんべんなく供給することができるとともに、排ガスを効率よく煙突150から排出させることができる。
すなわち、本実施形態に係る乾燥装置200においても、第1の実施形態と同様、燃料ガスヘッダー110を大樋5の底面付近に設け、長手方向に所定の間隔で燃料ガスを供給し、燃料ガスヘッダー110の上方から燃焼空気配管124より燃焼空気が供給される。これにより、燃料ガスは、予め燃料ガスと混合される一次空気を用いず、燃料ガス噴射孔112から噴射された後に乾燥空間に供給された燃焼空気(すなわち、二次空気)から、燃焼に必要な酸素をすべて得て燃焼する。このように、燃料ガスヘッダー110と燃焼空気配管124とからいわゆる赤火式の燃焼バーナを構成することで、燃料ガスヘッダー110の長手方向に軟らかい火炎を形成できる。
また、仕切板132、134、上板140により、乾燥対象である不定形耐火物が施工された領域にほぼ密閉された乾燥空間を形成することで、冷たい外気の流入もなく、水分を含んだ不定形耐火物を乾燥するのに適した均一な低温雰囲気を形成することができる。これにより、樋のように細長く長尺状の部材に対して長手方向に長い領域に施工された不定形耐火物を、爆裂やスポーリングを発生させることなく均一に乾燥することができる。また、乾燥空間をほぼ密閉状態とすることで、燃料ガスを有効に活用することができる。
さらに、本実施形態に係る乾燥装置200も、第1の実施形態に係る乾燥装置100と同様に、簡単な装置構成で、現場での設置作業も容易に行うことができる。したがって、本実施形態に係る乾燥装置200を用いることで、作業時間も短縮できるという効果もある。
本発明に係る乾燥装置について、形成される乾燥空間の雰囲気および不定形耐火物の乾燥完了までの時間を検証した。本検証においては、第1の実施形態に係る構成の乾燥装置100を用いた。乾燥装置を、不定形耐火物が長手方向に4400mmにわたって施工された、幅1060mm、深さ1000mmの大樋内部に設置した。乾燥装置の燃料ガスヘッダーは、長さが3600mmの、直径80Aの円管であって、その外周面には、鉛直方向に対して直交する径方向の位置に、直径5mmの燃料ガス噴射孔が300mmの間隔で形成されている。また、燃焼空気ヘッダーは、長さが3600mmの、直径250Aの円管であって、その外周面には、鉛直方向に対して直交する径方向の位置に、直径16mmの燃焼空気噴射孔が300mmの間隔で形成されている。燃料ガスヘッダーの燃料ガス噴射孔と燃焼空気ヘッダーの燃焼空気噴射孔とは、長手方向の同一位置に形成されている。
比較例として、図6〜図8に示す構成の乾燥装置10により、幅1060mm、深さ1000mmの大樋内部に長手方向に4400mmにわたって施工された不定形耐火物を乾燥させた。図6は、従来の乾燥装置10の一構成例を示す斜視図である。図7は、図6に示す従来の乾燥装置10を示す部分断面側面図である。図8は、図7のB−B切断線における断面図である。
乾燥装置10は、本発明の乾燥装置と同等に、大樋5の底面に設置された支持部材13、13上に燃料ガスヘッダー11を載置し、燃料ガスヘッダー11の設置された領域の上方に上板14を敷設して構成されている。燃料ガスヘッダー11は本発明と同様であり、長さが3600mmの、直径80Aの円管であって、その外周面には、図8に示すように、鉛直方向に対して直交する径方向の位置に、直径5mmの燃料ガス噴射孔が300mmの間隔で形成されている。
なお、乾燥装置10も、本発明の乾燥装置100と同様、燃料ガスヘッダー11からは燃焼空気を含まない燃料ガスのみが燃料ガス噴射孔12から噴射される。また、各燃料ガス噴射孔12に形成される火炎は、大樋5の内側面に施工された不定形耐火物に直接衝突しないように燃料ガスの供給量は調整される。
上板14は、大樋5の長手方向に適当な間隔で燃料ガスヘッダー11の上方に隙間を開けて敷設した。この隙間を通して燃焼に必要な燃焼空気を流入させるとともに、燃料ガスの燃焼により発生する排ガスを排出する。乾燥装置10では燃料ガスヘッダー11に対する燃料ガスヘッダー11の上方の隙間の長手方向開口割合が30%となるように、3枚の上板14を敷設した。なお、大樋5を長手方向に仕切る仕切板は設けなかった。
これらの乾燥装置を用いて、乾燥空間の雰囲気温度を300℃に設定し、不定形耐火物を乾燥させた。その際の、乾燥空間の雰囲気温度が300℃となるまでの燃料ガスの供給量を下記表1に示し、不定形耐火物の乾燥が完了するまでの雰囲気温度変化を図9に示す。
Figure 0006303716
図9および表1に示すように、従来の乾燥装置を用いた比較例では、乾燥バーナの点火から約24時間後に不定形耐火物の乾燥が完了した。比較例では、燃料ガスヘッダーの上方の、上板間の隙間からの放熱が大きく、雰囲気温度を300℃とするために、乾燥の中期(8h〜16h)、終期(16h〜24h)には8時間毎の燃料ガスの供給量を増加しなければならなかった。不定形耐火物の乾燥完了時における雰囲気温度の標準偏差は33.2℃であった。
一方、本発明の乾燥装置を用いた実施例では、乾燥バーナの点火から約16時間後に不定形耐火物の乾燥が完了した。このとき、乾燥空間内の雰囲気温度は、乾燥バーナの点火から約8時間後には雰囲気温度が300℃近くまで上昇し、その後は約300℃が維持された。燃料ガスの供給量は一定であった。不定形耐火物の乾燥完了時における雰囲気温度の標準偏差は20.2℃であり、比較例よりも乾燥空間よりも雰囲気温度のばらつきが小さいことが分かった。また、不定形耐火物においてスポーリングや爆裂は生じなかった。
以上より、本発明の乾燥装置を用いることで、乾燥バーナに点火した後、早期に乾燥に適した低温の雰囲気を形成して目標とする雰囲気温度を維持することができ、不定形耐火物を早期に乾燥させることができた。燃料ガス使用量も少なく省エネルギであり、雰囲気温度の偏差も小さく、ムラのない均一な乾燥空間の雰囲気が形成できた。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、乾燥空間内に設置する乾燥バーナ(燃料ガスヘッダー、第1の実施形態の場合にはさらに燃焼空気ヘッダー)はそれぞれ1つとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、複数の乾燥バーナを大樋の長手方向に複数設けてもよい。
100、200 乾燥装置
102 支持部材
110 燃料ガスヘッダー
112 燃料ガス噴射孔
114 燃料ガス配管
120 燃焼空気ヘッダー
122 燃焼空気噴射孔
124 燃焼空気配管
132、134 仕切板
140 上板
150 煙突
160 観察窓

Claims (3)

  1. 高炉の大樋の内表面に施工された不定形耐火物を乾燥させる乾燥装置であって、
    前記大樋の底部の不定形耐火物上長手方向に延設され、長手方向に所定の間隔で複数の燃料ガス噴射孔が形成された、燃料ガスを供給する燃料ガス供給部と、
    前記燃料ガス供給部の上方から燃焼空気を供給する燃焼空気供給部と、
    前記大樋の長手方向の上流側と下流側に設けられ、乾燥させる不定形耐火物が施工されている乾燥対象領域を他の領域と仕切る仕切部材と、
    前記仕切部材で仕切られた前記乾燥対象領域の上方を覆う上板と、
    前記大樋に施工された不定形耐火物、前記仕切部材および前記上板により形成された乾燥空間の内部と外部とを連通させ、前記乾燥空間内部で発生した排ガスを外部へ排出する排出部と、
    を備える、高炉大樋の乾燥装置。
  2. 前記燃焼空気供給部は、前記燃料ガス供給部の直上に、前記大樋の長手方向に沿って配置され、長手方向に所定の間隔で複数の燃焼空気噴射孔が形成されている、請求項1に記載の高炉大樋の乾燥装置。
  3. 前記燃料ガス供給部から供給される燃料ガス供給量は、形成される火炎が前記大樋の内側面に直接当たらないように調整される、請求項1または2に記載の高炉大樋の乾燥装置。
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