JP6303415B2 - 電子錠 - Google Patents
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Description
以下に、本発明の第1実施形態について添付図面を参照して説明する。
本実施形態に係る電子錠は、自前の電源を有しておらず、NFC通信機能付きの携帯端末からのNFC通信用の電磁波を電源として駆動し、当該携帯端末に対して認証を行い、認証に成功すれば解錠する。
本実施形態に係る電子錠10は、アンテナ1と、RFID(Radio Frequency Identification)チップ2と、整流回路3と、制御マイコン4と、解錠機構5と、ラッチ(latch:かんぬき、掛け金)6を備える。
アンテナ1は、NFC通信機能付きの携帯端末20からNFC通信用の電磁波を受信する。NFC通信用の電磁波の伝達方式としては、電波方式(マイクロ波方式)を想定している。但し、実際には、電磁誘導方式を採用しても良い。一般的には、UHF帯や2.45GHz帯の場合には電波方式(マイクロ波方式)が利用され、13.56MHz以下の低い周波数の場合には電磁誘導方式が利用されている。このとき、携帯端末20は、NFC通信用の電磁波を介して、認証情報を電子錠10側に送信する。認証情報としては、RFIDチップ2に予め登録されているID及び鍵値を想定している。また、ID及び鍵値は、PIN(Personal Identification Number)コード等でも良い。携帯端末20は、このような電子錠10側のID及び鍵値を予め登録しておき、電子錠10を解錠する際に当該ID及び鍵値をNFC通信用の電磁波で電子錠10側に送信する。但し、実際には、ID及び鍵値に限らず、RFIDチップ2に予め登録可能な他のデータでも良い。例えば、携帯端末20側のID及び鍵値をRFIDチップ2に予め登録しておけば、携帯端末20側のID及び鍵値を認証情報として使用することが可能である。すなわち、電子錠10と携帯端末20とが共有できる認証情報であれば良い。また、実際には、複数の電子錠10が、共通の(同一の)認証情報を共有しても良い。
本実施形態に係る電子錠は、RFIDチップと、解錠装置とを備える。RFIDチップは、NFC通信機能付きの携帯端末が出力するNFC通信用の電磁波を電源として駆動し、携帯端末から受信した認証情報を、予め記憶している認証情報と照合し、照合の結果、一致していれば解錠信号を発生する。解錠装置は、NFC通信用の電磁波を整流した上で電源として駆動し、解錠信号に応じて、ラッチのロックを解錠するための解錠機構を駆動して、ラッチを解錠する。
(3)電源が無い/乏しい施設や対象物の鍵、若しくは利用頻度が低い施設や対象物の鍵として使用することを考えた場合、常にNFC通信用の電磁波を発生し続ける必要がある従来方式の電子錠では、設置が困難であったり、無駄が多過ぎたりすることがあるが、本実施形態に係る電子錠ならば、このような問題を解消することができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係る電子錠では、RFIDチップは、第1実施形態と同様に、NFC通信機能付きの携帯端末からのNFC通信用の電磁波を電源として駆動し、当該携帯端末に対して認証を行う。一方、解錠装置は、NFC通信用の電磁波を昇圧回路により昇圧して出力し、昇圧回路から出力された電力を電源として駆動し、RFIDチップからの解錠信号に応じて解錠する点で、第1実施形態と異なる。
本実施形態に係る電子錠10は、アンテナ1と、RFIDチップ2と、整流回路3と、制御マイコン4と、解錠機構5と、ラッチ6と、昇圧回路7とを備える。
アンテナ1、RFIDチップ2、整流回路3、制御マイコン4、解錠機構5、及びラッチ6については、上記の第1実施形態と同様である。
本実施形態では、第1実施形態を基本として、更に、NFC通信用の電磁波を電源とし、電源電圧を昇圧する昇圧回路を設ける。解錠機構は、昇圧回路から出力された電力で駆動する。
(1)例えば、NFC通信用の電磁波の電力だけでは解錠機構を駆動するのに不十分であるような場合、昇圧回路を用いて電圧を昇圧することで解錠機構を駆動することができるようになる。
(2)その他については、基本的に、第1実施形態と同様の効果を奏する。
次に、参考例である第3実施形態について説明する。
本実施形態に係る電子錠では、RFIDチップは、第1実施形態と同様に、NFC通信機能付きの携帯端末からのNFC通信用の電磁波を電源として駆動し、当該携帯端末に対して認証を行う。一方、解錠装置は、別途、解錠用電池を備え、制御マイコンのみNFC通信用の電磁波を電源として駆動し、解錠機構は解錠用電池を電源として駆動する点で、第1実施形態と異なる。
本実施形態に係る電子錠10は、アンテナ1と、RFIDチップ2と、整流回路3と、制御マイコン4と、解錠機構5と、ラッチ6と、解錠用電池8と、スイッチ9とを備える。
アンテナ1、RFIDチップ2、整流回路3、制御マイコン4、解錠機構5、及びラッチ6については、上記の第1実施形態と同様である。
なお、必要であれば、第2実施形態で説明した昇圧回路7が、解錠用電池8と解錠機構5との間に設けられていても良い。
本実施形態では、第1実施形態を基本として、更に、解錠機構を駆動するための電力を供給する解錠用電池と、解錠用電池と解錠機構とを接続するためのスイッチとを設ける。制御マイコンは、解錠信号に応じて、スイッチをONにする。スイッチは、ONになった場合、解錠用電池と解錠機構とを電気的に接続して、解錠用電池の電力を解錠機構に供給する。解錠機構は、解錠用電池の電力で駆動する。
(2)解錠用電池はNFC通信に使用されるものではなく、解錠時に解錠機構にのみ使用されるものであり、通常はスイッチがOFFとなっているため、常時使用されるNFC通信にも使用される電池と比べて消耗が少ない。したがって、少数/小型の電池でも良い。
(3)その他については、基本的に、第1実施形態と同様の効果を奏する。
上記の各実施形態は、組み合わせて実施することも可能である。例えば、第3実施形態に係る電子錠に、第2実施形態に係る電子錠の昇圧回路を設置しても良い。また、第1〜第3実施形態の構成を全て適用し、NFC通信用の電磁波を電源とした際の電力量に応じて、制御マイコンが、昇圧回路や解錠用電池の使用の許否を決定できるようにしても良い。トランジスタ等を用いれば、回路を切り替えることは可能である。例えば、NFC通信用の電磁波のみで解錠機構が駆動できる場合には第1実施形態を実施し、不十分な場合には第2実施形態を実施し、まだ電力が不足する場合には第3実施形態を実施するようにしても良い。
図4を参照して、上記の各実施形態に共通な解錠処理について説明する。
(1)ステップS101
電子錠10のアンテナ1は、携帯端末20の接近に伴い、携帯端末20から出力されるNFC通信用の電磁波を受信する。ここでは、電子錠10は、自身と携帯端末20との間の距離が、NFC通信可能な距離になった時点でNFC通信用の電磁波を受信する。また、電子錠10は、NFC通信可能な距離が維持されている間は、携帯端末20からNFC通信用の電磁波が出力されている限り、NFC通信用の電磁波を受信し続ける。
電子錠10のRFIDチップ2は、NFC通信用の電磁波を電源として起動し、携帯端末20からの通信待ちとなる。このとき、アンテナ1を介してNFC通信により携帯端末20側に起動した旨や認証情報の要求等を通知するようにしても良い。
(3)ステップS103
電子錠10のアンテナ1は、携帯端末20からNFC通信により認証情報を受信する。このとき、携帯端末20は、登録している認証情報を自動的に/プロトコルに従って/無条件に電子錠10側に送信しても良いし、利用者が指定した認証情報を電子錠10側に送信するようにしても良い。例えば、携帯端末20は、利用者が入力操作により入力した認証情報を電子錠10側に送信するようにしても良い。また、複数の認証情報を登録している場合、複数の認証情報の中から利用者が選択した認証情報を電子錠10側に送信するようにしても良い。
電子錠10のRFIDチップ2は、予め登録されている認証情報と、携帯端末20から受信した認証情報とを照合する。照合の結果、一致していなければ、再度、携帯端末20からの通信待ちとなる(ステップS102に戻る)。このとき、電子錠10にNFC通信用の電磁波を電源として駆動する音声出力装置や発光素子等(図示せず)を設けておき、一致しなかった旨を示す警報の発生や点灯/点滅等をするようにしても良い。若しくは、アンテナ1を介してNFC通信により携帯端末20側に一致しなかった旨を通知するようにしても良い。
電子錠10のRFIDチップ2は、照合の結果、一致していれば、解錠信号を制御マイコン4に出力する。このとき、電子錠10にNFC通信用の電磁波を電源として駆動する音声出力装置や発光素子等(図示せず)を設けておき、一致した旨を示す警報の発生や点灯/点滅等をするようにしても良い。若しくは、アンテナ1を介してNFC通信により携帯端末20側に一致した旨を通知するようにしても良い。
(6)ステップS106
電子錠10の制御マイコン4は、解錠信号を受信すると、解錠機構5を駆動して、ラッチ6のロックを解錠する。制御マイコン4が解錠機構5を駆動する方式については、第1〜第3実施形態のいずれの方式でも良い。
アンテナ1及びRFIDチップ2は、携帯端末20に対する認証を行う「認証回路」として動作する。また、アンテナ1、整流回路3、制御マイコン4、解錠機構5、及びラッチ6(昇圧回路7、解錠用電池8、及びスイッチ9がある場合には、これらも含む)は、解錠信号に応じて電子錠10のロックを解錠する「解錠装置」として動作する。ここでは、認証回路と解錠装置がアンテナ1を共用することを想定している。但し、実際には、アンテナ1は、認証回路側と、解錠装置側とにそれぞれ設けられていても良い。例えば、電子錠10に2つのアンテナ1を設け、一方のアンテナ1がRFIDチップ2にのみ接続され、他方のアンテナ1が整流回路3にのみ接続されていても良い。これにより、認証回路側と、解錠装置側とで電源を分けることができる。
これにより、以下のような効果を奏する。
(2)認証回路を非接触式ICカード型にすれば、電子錠10側の認証情報の変更が容易になると考えられる。また、認証回路自体の更新も容易になる。
(4)通常は認証回路を外した状態にしておけば、不使用時/不在時に電子錠10に対して不正な認証処理が試行される心配が無くなる。更に、解錠装置が認証回路のアンテナを共用している場合、認証回路を外せば解錠装置に電源供給できなくなるため、不正な解錠が行われる心配も無くなる。
(1)計算機/電子機器に対して、常にNFC通信用の電磁波を発生し続ける必要が無い電子錠を導入することができる。
(2)電子錠10は計算機/電子機器から電力供給を受ける必要がない。したがって、計算機/電子機器の電源を切った状態であっても、電子錠10を使用することができる。
また、電子錠10を家電に適用し、冷蔵庫や電子レンジ、洗濯機、炊飯器等の施錠/解錠を行うことも考えられる。電子レンジについては、施錠/解錠時には使用されていないと考えられ、使用中に施錠/解錠する事態も想定し難いため、電波干渉対策は不要である。
(1)家電に対して、常にNFC通信用の電磁波を発生し続ける必要が無い電子錠を導入することができる。
(2)電子錠10は家電から電力供給を受ける必要がない。したがって、これらの家電の電源を切った状態であっても、電子錠10を使用することができる。
なお、NFC通信は一例に過ぎない。実際には、電子錠10が携帯端末20から電力及びデータを取得できる技術であれば良い。例えば、「ISO/IEC 14443」、「ISO/IEC 18092」、「ISO/IEC 15693」で規定される無線通信規格を利用したものや、その他の近接通信方式を用いることができる。
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、実際には、上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。
2… RFIDチップ(ICチップ)
3… 整流回路
4… 制御マイコン(制御回路)
5… 解錠機構
6… ラッチ
7… 昇圧回路
8… 解錠用電池
9… スイッチ
10… 電子錠
20… 携帯端末
Claims (5)
- 外部の携帯端末を電源として駆動し、前記携帯端末から受信した認証情報を、予め記憶している認証情報と照合し、照合の結果、一致していれば解錠信号を発生する認証回路と、
前記携帯端末を電源として駆動し、前記解錠信号に応じて、ロックを解錠する解錠装置と、
を備え、
前記認証回路は、
前記携帯端末が出力する近距離無線通信用の電磁波を受信するアンテナと、
前記近距離無線通信用の電磁波を電源として駆動し、前記携帯端末から前記近距離無線通信用の電磁波を介して受信した認証情報を、予め記憶している認証情報と照合し、照合の結果、一致していれば解錠信号を発生するICチップと、を備え、
前記解錠装置は、前記ICチップからの解錠信号を入力する制御マイコンと、電力により駆動してロックを解錠する解錠機構とを備え、
前記アンテナに前記ICと並列に接続する配線によって、前記アンテナと前記制御マイコン及び解錠機構とが電気的に接続されると共に前記配線の途中に整流回路を介装させることで、ロックを解錠する前記解錠装置を前記携帯端末を電源として駆動可能となっていることを特徴とする電子錠。 - 前記アンテナとは別に、前記携帯端末が出力する近距離無線通信用の電磁波を受信する電力用アンテナを有し、
前記配線は、前記アンテナの代わりに、前記電力用アンテナに接続することを特徴とする請求項1に記載の電子錠。 - 前記整流器と前記解錠機構とを電気的に接続する配線部分に、電源電圧を昇圧する昇圧回路を更に備え、
前記解錠機構は、前記昇圧回路から出力された電力で駆動されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子錠。 - 前記アンテナを介して前記携帯端末から取得した電力を充電して前記解錠機構に電力を供給可能な電池を有しないことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子錠。
- 前記認証回路は、着脱可能な非接触式ICカード型であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電子錠。
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