JP6302489B2 - 抗菌性組成物、ワイプ、及び方法 - Google Patents

抗菌性組成物、ワイプ、及び方法 Download PDF

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Description

抗菌性流体を予め充填してある消毒ワイプが、日用品及び他の無孔表面を清浄化するため及び消毒するためにこれまで使用されてきた。こうした流体の中でも、四級アンモニウムタイプの消毒剤を含む水性組成物は、非常に一般的である。チモール及びクエン酸をベースとした組成物などの、他の組成物が開発されてきている。しかしながら、これらのタイプの組成物を使用することにはいくつかの欠点がある。例えば、水分濃度が低い場合に皮膚及び眼を刺激する傾向、技術文献上の喘息の症状との相関、及び塩化ベンザルコニウム溶液を用いて洗浄した場合、後に残った薬品を取り除くために食品と接触する表面を濯ぐ必要を想定すると、塩化ベンザルコニウムの安全性プロフィールにいくつかの問題をもたらす。チモールをベースとする組成物は、一部の用途に対して、十分に広い死滅範囲を有しない場合がある。加えて、チモールの蒸気圧が比較的高いので、不快なにおいをもたらす可能性をはらんでいる。クエン酸をベースとする処方は、幅広い抗菌有効性に対して低いpH(約2.0)を有する傾向がある。かかる低いpHレベルにおける処方は、皮膚の刺激並びに感受性が強い表面に対する損傷のある程度のリスクを呈する。広範な死滅の範囲を有し、好ましい安全性プロフィールを有し、かつ乾燥時に過度な量の残留物を残さない、消費者が使いやすい抗菌性ワイプの必要性が存在する。
本開示は、抗菌性組成物、ワイプ、並びに組成物及びワイプの使用及び作成の方法を提供する。かかる組成物は、典型的には幅広く様々な表面に塗布したときに有用である。これらは、微生物、特に細菌、菌類、及びウイルスの有効な減少、抑制、又は排除を提供することができる。好ましくは、微生物は、比較的幅広く様々な微生物であり、これにより、本開示組成物は、広範な作用を有する。
意義深いことに、本開示のある特定の実施形態は、微生物の耐性を生成することに対する非常に低い潜在能力を有する。したがって、望ましくない細菌を絶滅させるために、かかる組成物を1日以上にわたって複数回塗布することができる。
一実施形態では、本開示は、かかる組成物を含む抗菌性組成物、並びにウェットワイプを提供し、この組成物は、組成物の総重量を基準として、0.1重量%〜1.0重量%の抗菌脂質、組成物の総重量を基準として、0.1重量%〜2.0重量%の陰イオン性及び/又は双極性界面活性剤、組成物の総重量を基準として、0.03重量%〜2.0重量%の可溶性有機酸及び/又は可溶性有機酸塩を含む賦活剤、及び組成物の総重量を基準として、少なくとも85重量%の水を含む。
本開示のかかる組成物(所望によりウェットワイプ内に組み込まれる)では、抗菌脂質及び賦活剤は、10:1〜1:40の割合で存在し、界面活性剤及び抗菌脂質は、0.5:1より大きい割合で存在する。
本開示のかかる組成物(所望によりウェットワイプ内に組み込まれる)では、抗菌脂質は、多価アルコール(C8〜C12)の飽和脂肪酸エステル、多価アルコールの(C12〜C22)不飽和脂肪酸エステル、多価アルコールの(C8〜C12)飽和脂肪族エーテル、多価アルコールの(C12〜C22)不飽和脂肪族エーテル、これらのアルコキシル化誘導体、又はこれらの組み合わせを含み、アルコキシル化誘導体が、多価アルコール、(C5〜C12)1,2−飽和アルカンジオール、及び(C12〜C18)1,2−不飽和アルカンジオールの1モルにつき5モル未満のアルコキシドを有する、但し、スクロース以外の多価アルコールについては、エステルは、少なくとも80重量%のモノエステルを含み、エーテルは少なくとも80重量%のモノエーテルを含み、スクロースについては、エステルは、少なくとも80重量%のモノエステル、ジエステル、又はこれらの組み合わせを含む、抗菌脂質である。
本開示のかかる組成物(所望によりウェットワイプ内に組み込まれる)では、pHは、3〜6であり、かつ最高のpKaを呈する1官能性有機酸よりも1ユニット大きいpKa以下であり、又は存在する多官能性有機酸について5未満の最高のpKa値より1ユニット大きいpKa以下である。
本開示のかかる組成物(所望によりウェットワイプ内に組み込まれる)は、物理的に安定な使用準備済の形態であり、かつ以下の、抗菌脂質は、23℃でそのままの形態であるとき液体である、又は組成物は、光透過率試験によって測定したとき、0.5cmの光路長で550nmにおいて少なくとも80%の光透過率を有する、のうちの少なくとも一方が真である(すなわち、これらの特性の一方又は両方を持つ)。本開示のある特定の組成物は、これらの先の2つの特性の両方を持つ。
ある特定の実施形態では、本開示の組成物(所望によりウェットワイプ内に組み込まれる)は、抗菌有効性試験(antimicrobial efficacy test)により評価したとき、5%のBSAを用いて、グラム陽性菌及びグラム陰性菌に対して30秒間で試験細菌の少なくとも3〜6のlog減少(log reduction)を示す。
ある特定の実施形態では、本開示の組成物(所望によりウェットワイプ内に組み込まれる)は、消毒活性、殺ウイルス活性、及び殺菌活性試験(Disinfectant, Virucidal, and Sanitizer Efficacy Test)によって、細菌及びウイルスの不活性化を示し、かつ抗菌有効性試験によってグラム陽性菌とグラム陰性菌との両方の抗菌性死滅(antimicrobial kill)を示す。
本開示は方法も提供する。一実施形態では、少なくとも4℃の温度で、1つ以上の微生物を死滅又は不活性化するのに有効な時間の間、本明細書に記載するような(所望によりウェットワイプ中に組み込まれる)抗菌性組成物に微生物を接触させるステップを含む、微生物を死滅又は不活性化する方法がある。
(特別の定めのない限り)記載されているすべての成分の濃度は、「使用準備済(ready−to−use)の」又は「そのままで使用される(as used)」組成物の濃度であることを理解すべきである。組成物は、濃縮形態とすることができる。すなわち、組成物の特定の実施形態は、適切な賦形剤でユーザーによって希釈される濃縮物の形態とすることができる。
好ましくは、抗菌脂質成分は、少なくとも0.1重量%の量で存在する。特別の定めのない限り、すべての重量パーセントは、「使用準備済」又は「そのままで使用される」組成物の総重量を基準とする。好ましくは、抗菌脂質成分が多価アルコールのモノエステル、多価アルコールのモノエーテル、又はこれらのアルコキシル化誘導体を含む場合、抗菌脂質成分の総重量を基準として、50重量%を超えない、より好ましくは40重量%を超えない、更により好ましくは、25重量%を超えない、及び更により好ましくは15重量%を超えないジエステル、ジエーテル、トリエステル、トリエーテル、又はこれらのアルコキシル化誘導体が存在する。
「有効量」は、組成物中に存在する場合、抗菌脂質及び/又は賦活剤の量が、全体として、特定の量、頻度、及び期間で適用すると、結果的に許容可能なレベルの微生物になるように微生物の1つ以上の種を減少、抑制、又は排除する抗菌(例えば、抗ウイルス、抗細菌、又は抗真菌を含む)作用を提供することを意味する。典型的には、これは、臭気、食中毒、又は他の有害な応答を生じない十分低いレベルであり、かつ望ましくは感知不可能なレベルである。本開示の組成物において成分の濃度又は量は、別々に考慮した場合、受入可能なレベルまで死滅しない場合があり、又は望ましくない微生物をさほど広範に死滅しない場合があり、又は死滅速度がさほど速くない場合があるが、そのような成分を併用することにより、(同じ条件下で同じ成分を単独で使用した場合と比較して)(好ましくは相乗効果的な)抗菌作用の強化が実現されることを理解すべきである。
「親水性」は、23℃の温度で、親水性物質及び水の総重量を基準として、少なくとも7重量%、好ましくは少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも20重量%、更により好ましくは少なくとも25重量%、更により好ましくは少なくとも30重量%、最も好ましくは少なくとも40重量%の分量で、水(又は特定されるような他の水溶液)の中に溶解又は分散する材料を指す。成分は、化合物を60℃で水と少なくとも4時間十分に混合し、これを、24時間の間23〜25℃に冷却した後、及び組成物を十分に混合すると均一な透明の溶液となり、4cmのパスレングスを有する広口瓶の中に可視的な曇り、相分離、又は沈殿物が無い場合、溶解されたと考えられる。典型的には、1×1cmのセル内に定置したとき、試料は、好適な分光光度計で、655nmの波長において測定したとき、70%より大きい透過率を呈する。水分散性で親水性の物質は、水中に親水性成分を5重量%混合したものを激しく振盪した後に、水中に分散して均一な混濁分散を形成する。好ましい親水性成分は、水溶性である。
「賦活剤」とは、抗菌脂質成分の有効性を強化する構成成分を意味し、これにより抗菌脂質を含まない組成物と、賦活剤成分を含まない組成物とを別個に使用するとき、それらは組成物全体として同じレベルの抗菌作用を提供しない。例えば、抗菌脂質がない場合、賦活剤成分は、はっきりと認識できる抗菌作用を提供しない場合がある。強化効果は、死滅水準、死滅速度、及び/又は死滅する微生物の範囲に関連する場合があり、すべての微生物について見られない場合がある。実際、死滅水準の強化レベルは、大腸菌のようなグラム陰性菌において、最も頻繁に見られる。賦活剤は、残りの組成物と組み合わされるとき、組成物が全体として、賦活剤成分を含まない組成物の作用と抗菌脂質成分を含まない組成物の作用との合計よりも大きい作用を示すように、共力剤となる場合がある。
「微生物(microorganism)」又は「微生物(microbe)」とは、細菌、酵母、カビ、菌類、原生動物、マイコプラズマ、並びにウイルス(脂質エンベロープRNA及びDNAウイルスを含む)を指す。
「抗菌脂質」は、好ましくは、100グラムの脱イオン水につき1.0グラム(1.0g/100g)の水中溶解度を超えない防腐剤を意味する。好ましい抗菌脂質は、0.5g/100g脱イオン水以下、より好ましくは0.25g/100g脱イオン水以下、更により好ましくは0.10g/100g脱イオン水以下の、水への溶解度を有する。溶解度は、「Conventional Solubility Estimations」in Solubility of Long−Chain Fatty Acids in Phosphate Buffer at pH 7.4,Henrik Vorum et al.,in Biochimica et.Biophysica Acta.,1126、135〜142(1992)に記載されるように、放射性標識化合物を使用して判定される。好ましい抗菌脂質は、脱イオン水100グラム(g)につき少なくとも100マイクログラム(μg)、より好ましくは、少なくとも500μg/100g脱イオン水、更により好ましくは、少なくとも1000μg/100g脱イオン水の脱イオン水への溶解度を有する。抗菌脂質は、好ましくは、最大で6.2、より好ましくは、最大で5.8、及び更により好ましくは、最大で5.5の親水性/親油性バランス(HLB)有する。抗菌脂質は、好ましくは、少なくとも3、好ましくは、少なくとも3.2、及び更により好ましくは、少なくとも3.4のHLBを有する。
本明細書で使用する場合、「脂肪」という用語は、特別の定めのない限り、6〜14(奇数又は偶数)個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキル又はアルキレン部分を意味する。
用語「含む(comprise)」及びこの変形は、明細書及び請求項にこれらの用語が現れるとき、制限する意味を持たない。
本明細書で使用する場合、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、「少なくとも1つの」、及び「1つ以上の」は、交換可能に使用される。「及び/又は」と用語は、列挙された要素のうちの1つ又はすべてを意味する。
また本明細書において、端点による数の範囲の列挙は、その範囲内に包含されるすべての数(例えば、1〜5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5等)を含む。
本開示の上記の「課題を解決するための手段」は、本開示の開示される各実施形態又はすべての実現形態を説明することを意図したものではない。以下の説明は、例示的な実施形態をより具体的に例示するものである。本出願の全体を通していくつかの箇所で、実施例のリストによって指針が提供されるが、これらの実施例は様々な組み合わせで使用することができる。いずれの場合も、記載される列挙は、あくまで代表的な群としてのみの役割を果たすものであって、排他的な列挙として解釈するべきではない。
本開示は、抗菌性(例えば、抗ウイルス、抗細菌、及び抗真菌を含む)組成物、ワイプ、キット、並びに作成及び使用の方法を提供する。これらの組成物は、例えば、多価アルコールの脂肪酸エステル、多価アルコールの脂肪族エーテル、又はこれらの(エステル又はエーテルのいずれかの)アルコキシル化誘導体などの1つ以上の抗菌脂質、1つ以上の賦活剤、1つ以上の界面活性剤、水、及び1つ以上の所望による親水性共溶媒を含む。
本開示の組成物を、表面に有効な抗菌作用を提供するために使用することができる。本開示の組成物及びワイプを、細菌、菌類、及びウイルスなどの1つ以上の微生物を死滅又は不活性化するために有効な条件下の方法で使用することができる。ある特定の実施形態では、本開示の組成物及びワイプは、消毒活性、殺ウイルス活性、及び殺菌活性試験(実施例の項で例示される)によって、細菌とウイルスとの両方の不活性化を示し、かつ抗菌有効性試験(実施例の項で例示される)によってグラム陽性菌とグラム陰性菌との両方の抗菌性死滅を示す。
ある特定の実施形態では、本開示の組成物及びワイプは、実施例の項で例示される抗菌有効性試験によって評価するとき、グラム陽性菌及びグラム陰性菌に対して5%のBSAを用いて30秒間で、試験細菌の少なくとも3のlog減少(並びに、ある特定の実施形態では、6のlog減少ほどまで高い)を示す。
そのために表面を処理する場合がある、特に関連する有機体としては、ブドウ球菌spp.、連鎖球菌spp.、シュードモナスspp.、エンテロコッカスspp.、及びエシェリキアspp.、アスペルギルスspp.、フサリウムspp.、カンジダspp.、リステリアsp.などの食品病原体、リステリア・モノサイトゲネス、カンピロバクターsp.、クロストリジウムsp.、サルモネラsp.、並びにこれらの組み合わせなどの細菌が挙げられる。他の関連する有機体としては、ヘルペスウイルス、ライノウイルス、ヒトコロナウイルス、及びインフルエンザなどのウイルスが挙げられ、特に悪性の有機体としては、黄色ブドウ球菌(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)などの耐性種を包む)、表皮ブドウ球菌、肺炎球菌、エンテロコッカス・フェカリス、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)、緑膿菌、大腸菌、クロコウジカビ、アスペルギルス・フミガータス、アスペルギルス・クラバタス、フザリウム・ソラニ、フザリウム・オキスポラム、フザリウム・クラミドスポラム、カンジダ・アルビカンス、カンジダ・グラブラタ、カンジダ・クルセイ、及びこれらの組み合わせが挙げられる。本開示の組成物及びワイプは、黄色ブドウ球菌、豚コレラ菌、サルモネラ・ティフィムリウム、サルモネラ・エンテリカ、エロバクター・エロゲネス、肺炎桿菌、大腸菌、又はこれらの組み合わせなどの細菌の死滅又は不活性化のために特に有効である。
本開示の組成物は、幅広く様々な表面上に使用することができる。例えば、これらは、医療用(例えば、外科用)機器、フロアタイル、カウンタートップ、タブ、ディッシュなどの硬い表面上、並びに手袋(例えば、キッチン用、医療用、及び外科用手袋)の上に使用することができる。これらは、例えば、スワブ、クロス、スポンジ、フォーム、不織布、及び紙製品(例えば、ペーパータオル及びワイプ)からも送達することができる。典型的には、本開示の組成物は、ワイプから送達される。
本開示の組成物は、特に使用準備済の形態のとき、幅広く様々な微生物に対して有効なだけでなく、物理的にも安定である。本明細書で定義される場合、「物理的に安定した」組成物とは、23℃で少なくとも3ヵ月、及び好ましくは少なくとも6ヵ月保管している間に、相当量の沈殿、結晶化、相分離、及び同様のものに起因してそれらの元の状態から著しく変化しない組成物である。特に好ましい組成物は、物理的に安定であり、組成物の10ミリリットル(10mL)の試料を15mLの円錐形のメモリ付きのプラスチック製の遠心管(Corning)に定置し、Heraeus Sepatech GmbH(Osterode,West Germany)製のLabofuge B、model2650(又は類似の遠心分離器2275X g)を使用して3,000の毎分回転数(rpm)で10分間遠心分離し、遠心管の底部又は頂部に可視的な相分離が見られなかった。
光沢のある表面及びガラスに使用される場合がある日用品のワイプの重要な特性は、乾燥した組成物が曇りを少ししか残さないことである。光学的に透明な組成物は、乾燥後に曇りをよりわずかしかもたらさない傾向がある。更に、透き通った透明な組成物は、消費者にとって好ましい場合がある。ある特定の実施形態では、本開示の組成物は、実施例の項で例示される光透過率試験に従って測定するとき、0.5cmの光路長で550nmにおいて少なくとも80%の光学的な透過率を有する。好ましい組成物は、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、及び最も好ましくは少なくとも95%の光透過率を有する。
本開示の組成物を用いて表面を処理した後に存在する残留物の指標として、光沢測定を使用することができる。ある特定の実施形態では、本開示の組成物は、実施例の項で例示されるように、%光沢減少/曇り試験によって、清浄な試験表面と比較したときに、拭った後に10%未満の、好ましくは5%未満のパーセント光沢減少を呈する。
本開示の好ましい組成物は、良好な化学的安定性を呈する。例えばこれは、しばしばエステル交換を行う抗菌性脂肪酸エステルについて特に考慮され得る。加えて、抗菌性脂肪酸エステルは、脂肪酸と多価アルコールとに加水分解することができる。好ましい組成物は、23℃での5日間の初期平衡期間を超えて、4週間の40℃(3つの試料の平均値)でのエージング後、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、更により好ましくは少なくとも92%、及び更により好ましくは少なくとも95%、の抗菌脂質成分を保持する。最も好ましい組成物は、23℃での5日間の初期平衡期間を超えて、密封容器中で4週間の40℃でのエージング後、少なくとも平均97%の抗菌脂質成分を保持する。パーセント保持は、保持される抗菌脂質成分の重量パーセントを意味するものと理解される。これは、密封容器中でエージングされた(すなわち、5日間の初期平衡期間を超えてエージングされた)試料中に残留しており、劣化を引き起こしていない量と、(好ましくは同一バッチから)同等に調製され、かつ23℃で5日間放置した試料の実測濃度と、を比較することによって判定される。抗菌脂質成分の濃度は、好ましくは、ガスクロマトグラフィを使用して判定される。
抗菌脂質
抗菌脂質は、抗菌作用の少なくとも一部を提供する組成物の成分である。すなわち、抗菌脂質は、少なくとも1つの微生物に対して、少なくともいくらかの抗菌作用を有する。これは本開示の組成物の主活性成分であると一般に考えられる。
ある特定の実施形態では、抗菌脂質は、多価アルコールの(C8〜C12)飽和脂肪酸エステル、多価アルコールの(C12〜C22)不飽和脂肪酸エステル、多価アルコールの(C8〜C12)飽和脂肪族エーテル、多価アルコールの(C12〜C22)不飽和脂肪族エーテル、これらのアルコキシル化誘導体、(C5〜C12)1,2−飽和アルカンジオール、及び(C12〜C18)1,2−不飽和アルカンジオール、又はこれらの組み合わせを含む。
多価アルコールの脂肪酸エステルは、好ましくは次式:
(R−C(O)−O)−Rであり、式中Rは、(C8〜C12)飽和脂肪酸、又は(C12〜C22)不飽和脂肪酸(多価不飽和脂肪酸を含む)の残基であり、Rは、多価アルコール(典型的には及び好ましくは、グリセリン、プロピレングリコール及びスクロースであるが、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール等を含む幅広く様々な他のものを使用することもできる)の残基であり、かつn=1若しくは2である。R基は、少なくとも1つの遊離ヒドロキシル基(好ましくは、グリセリン、プロピレングリコール、又はスクロースの残基)を含む。好ましい多価アルコールの脂肪酸エステルは、(C8〜C12)飽和脂肪酸から誘導されるエステルである。多価アルコールがグリセリン又はプロピレングリコールである実施形態においては、n=1であるが、多価アルコールがスクロースであるときは、n=1又は2である。
代表的な脂肪酸モノエステルには、ラウリン(モノラウリン)酸、カプリル(モノカプリル)酸、及びカプリン(モノカプリン)酸のグリセロールモノエステル、並びにラウリン酸、カプリル酸、及びカプリン酸のプロピレングリコールモノエステル、並びにスクロースのラウリン酸、カプリル酸、及びカプリン酸モノエステルが挙げられるがこれらに限定されない。他の脂肪酸モノエステルには、オレイン(18:1)、リノール(18:2)、リノレン(18:3)、及びアラコン(arachonic)(20:4)不飽和(多不飽和を含む)脂肪酸のグリセリン及びプロピレングリコールモノエステルが挙げられる。一般に知られているように、例えば18:1は、化合物が18個の炭素原子と1つの炭素−炭素二重結合を有することを意味する。好ましい不飽和鎖は、シス異性体形態において少なくとも1個の不飽和基を有する。特定の好ましい実施形態では、本組成物で使用するのに好適な脂肪酸モノエステルには、GML又は商品名ラウリシジン(LAURICIDIN)(通常、モノラウリン又はグリセロールモノラウレートと称されるラウリン酸のグリセロールモノエステル)として知られるもの、グリセロールモノカプレート、グリセロールモノカプリレート、プロピレングリコールモノラウレート、プロピレングリコールモノカプレート、プロピレングリコールモノカプリレート、及びこれらの組み合わせなどの、ラウリン酸、カプリル酸、及びカプリン酸の既知のモノエステルが挙げられる。
代表的なスクロースの脂肪酸ジエステルには、スクロースのラウリン酸、カプリル酸、及びカプリン酸ジエステル、並びにこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。
多価アルコールの脂肪族エーテルは、好ましくは、式(R−O)−Rであり、式中、Rは、(C8〜C12)飽和脂肪族基、又は(C12〜C22)不飽和(多価不飽和を含む)脂肪族基であり、Rは、グリセリン、スクロース、又はプロピレングリコールの残基であり、n=1又は2である。グリセリン及びプロピレングリコールの場合、n=1であり、スクロースの場合、n=1又は2である。好ましい脂肪族エーテルは、(C8〜C12)アルキル基のモノエーテルである。
代表的な脂肪族モノエーテルとしては、ラウリルグリセリルエーテル、カプリルグリセリルエーテル、カプリリルグリセリルエーテル、ラウリルプロピレングリコールエーテル、カプリルプロピレングリコールエーテル、及びカプリリルプロピレングリコールエーテルが挙げられるがこれらに限定されない。他の脂肪族モノエーテルとしては、オレイル(18:1)、リノレイル(18:2)、リノレニル(18:3)、及びアラキドニル(arachonyl)(20:4)不飽和及びポリ不飽和脂肪族アルコールのグリセリン、並びにプロピレングリコールモノエーテルが挙げられる。特定の好ましい実施形態では、本組成物で使用するのに好適な脂肪族モノエーテルとしては、ラウリルグリセリルエーテル、カプリルグリセリルエーテル、カプリリルグリセリルエーテル、ラウリルプロピレングリコールエーテル、カプリルプロピレングリコールエーテル、カプリリルプロピレングリコールエーテル、及びこれらの組み合わせが挙げられる。不飽和鎖は、好ましくは、シス異性体形において少なくとも1個の不飽和結合を有する。
多価アルコールの脂肪酸エステル又は脂肪族エーテルは、従来の技法により、アルコキシル化、好ましくはエトキシル化及び/又はプロポキシル化することができる。アルコキシル化化合物は、好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、及びこれらの混合物、並びに類似のオキシラン化合物からなる群から選択される。総アルコキシレートが比較的低く維持される限り、前述の脂肪酸エステル及び脂肪族エーテルのアルコキシル化誘導体(例えば、残りのアルコール基(複数可)がエトキシル化及び/又はプロポキシル化されたもの)もまた、抗菌作用を有する。すなわち、アルコキシル化誘導体は、1モルの多価アルコール、(C5〜C12)1,2−飽和アルカンジオール、及び(C12〜C18)1,2−不飽和アルカンジオールにつき5モル未満のアルコキシドを有する。
スクロース以外の多価アルコールについては、エステルは少なくとも80重量%のモノエステルを含み、かつエーテルは少なくとも80重量%のモノエーテルを含み、及びスクロースについては、エステルは少なくとも80重量%のモノエステル、ジエステル、又はこれらの組み合わせを含む。すなわち、いくつかの状況では、開始材料の成分としては、二官能性又は三官能性エステル及びエーテルを避けるのが望ましい。
ある特定の実施形態では、抗菌脂質としては、多価アルコールのモノエステル、多価アルコールのモノエーテル、若しくはこれらのアルコキシル化誘導体、又はこれらの組み合わせが挙げられる。ある特定の実施形態では、抗菌脂質は、プロピレングリコールモノラウレート、プロピレングリコールモノカプレート、プロピレングリコールモノカプリレート、又はこれらの組み合わせを含む。
ある特定の実施形態では、抗菌脂質は、(C5〜C12)1,2−飽和アルカンジオール、及び/又は(C12〜C18)1,2−不飽和アルカンジオールである。例としては、1,2ヘキサンジオール、1,2オクタンジオール、1,2デカンジオール、1,2オレイルジオール、及びこれらの混合物が挙げられる。特に好ましい材料は、SYMDIOL 68であり、これは、1,2ヘキサンジオールと1,2オクタンジオールとの混合物であり、Symrise Inc.(Teterboro,NJ)から入手可能である。
ある特定の実施形態では、所望の抗菌脂質は、そのままの形態(すなわち、溶媒と混合せずに)のとき、室温(23℃)で液体である。
本開示の組成物は、1つ以上の脂肪酸エステル、脂肪族エーテル、アルコキシル化脂肪酸エステル、又はアルコキシル化脂肪族エーテルを、所望の結果を作り出すために適切なレベルで含む。
本開示の組成物は、組成物の総重量を基準として、好ましくは少なくとも0.1重量%、更により好ましくは少なくとも0.25重量%、更により好ましくは少なくとも0.5重量%、更により好ましくは少なくとも1重量%の総量の抗菌脂質を含む。
本開示の組成物は、組成物の総重量を基準として、好ましくは1.0重量%を超えない総量の抗菌脂質を含む。
本開示の組成物を乾燥した後に残る曇りを低減するために、ある特定の実施形態では、抗菌脂質は、室温で液体である抗菌脂質を含むのが好ましい。例えば、グリセロールモノラウレートは、比較的結晶質の高融解固体であり、著しい残留物を残すことがわかっているが、プロピレングリコールモノラウレート及びプロピレングリコールモノカプリレートは、液体であり、かつ残留物がずっと少なく、場合によってはほとんど曇りがない。追加的に、グリセロールモノラウレートなどの固体抗菌脂質は、曇りの少ない組成物を生成するために液体抗菌脂質とブレンドすることができる。曇りを、実施例で考察する光沢度計を用いて評価することができる。ある特定の実施形態では、重要な因子は、固体と液体抗菌脂質とのそのままの混合物は室温で液体のままであると思われる。代替的には、固体抗菌脂質の曇りを他の賦形剤の添加によって低減することができ、この賦形剤は、結晶化を中断させ、それによって乾燥した組成物を液体のまま保持し、拭った表面上に結晶を形成させない。
賦活剤
本開示の組成物は、賦活剤を含む。ある特定の実施形態では、特に大腸菌及びシュードモナスsp.などのグラム陰性菌に対する抗菌作用を強化するために賦活剤(好ましくは、共力剤)が機能する。選択された賦活剤は、好ましくは、細菌の細胞外皮に影響を与える。理論に束縛されるものではないが、賦活剤は、抗菌脂質をより容易に細胞の細胞質に入れることにより、及び/又は細胞外皮の破壊を促進することにより、機能すると現在考えられている。
賦活剤としては、可溶性有機酸及び/又は可溶性有機酸塩が挙げられる。この状況では、「可溶性」とは、光学的に透明な組成物の結果のように、23℃で、使用準備済組成物中に可溶であることを指す。すなわち、かかる組成物は、実施例の項で例示される光透過率試験に従って測定するとき、0.5cmの光路長で550nmにおいて少なくとも80%の光学的な透過率を有する。好ましい可溶性有機酸及び/又は可溶性有機酸塩は、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、並びに最も好ましくは少なくとも95%の光透過率を有する組成物を提供する。
有機酸としては、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸、他のカルボン酸、(C1〜C4)アルキルカルボン酸、(C6〜C12)アリールカルボン酸、(C6〜C12)アラルキルカルボン酸、(C6〜C12)アルカリールカルボン酸を挙げてもよい。これらの酸の塩は、ナトリウム、カリウム、及びリチウムなどの一価の金属、アンモニウム、一級、二級、三級、及び四級アミンを含む1官能性アミンなどの対イオンを含む。カルシウム及びマグネシウムなどの二価の金属、並びに多官能性アミンは、あまり好ましくないが、いくつかの組成物では有用である。所望により、様々な組み合わせの賦活剤を用いることができる。
ある特定の実施形態では、有機酸は、α−ヒドロキシ酸である。
有機酸と有機酸塩との組み合わせを使用するある特定の実施形態では、典型的には、有機酸塩は、有機酸の部分的な中和によって形成される。例えば、代替的に、有機酸は、pH調節手段として、異なる有機酸の塩と混合される場合がある。例えば、有機酸と有機酸塩との両方を含むある特定の実施形態では、塩は、使用される有機酸の塩ではない。例えば、乳酸と安息香酸ナトリウムとを混合する場合がある。
ある特定の実施形態では、少なくとも第1の及び第2の酸が本開示の組成物中で使用され、第1の酸はプロトン化した形態で添加され、かつ第2の酸は、第1の酸とは異なる別個の形態で、その可溶性塩として添加される。
1つ以上の賦活剤を、所望の結果を生み出すために好適な濃度で、本開示の組成物に使用してもよい。ある特定の実施形態では、賦活剤は、組成物の総重量を基準として、少なくとも0.03重量%の総量で存在する。ある特定の実施形態では、賦活剤は、組成物の総重量を基準として、2.0重量%を超えない総量で存在し、しばしば1.5重量%を超えない量で存在する。
ある特定の実施形態では、抗菌脂質の全濃度に対する賦活剤の全濃度は、重量基準で10:1〜1:40の割合である。
ある特定の実施形態では、本開示の組成物のpHは、少なくとも3.0、好ましくは、少なくとも3.5、及びしばしば少なくとも4である。ある特定の実施形態では、本開示の組成物のpHは、6を超えず、及びしばしば5を超えない。
ある特定の実施形態では、本開示の組成物のpHは、最高のpKaを呈する有機酸よりも1ユニット大きいpKa以下であり、pKaは、水中のそれぞれの個々の有機酸の滴定によって測定され、かつ多くの参考文献によって報告される。多重の酸基を有する酸については、所望は、少なくとも1つのカルボン酸の少なくとも一部をプロトン化した形態に保つことである。一般に、pKaは、5未満の最高のpKaであることになる。したがって、pKaは、多官能性有機酸について5未満の最高のpKa値より1ユニット大きいpKa以下である。例えば、クエン酸は、3.1、4.8、及び6.4のpKa値を報告している。したがって、組成物のpHは、酸の少なくとも一部をプロトン化した形態で2及び3に維持するために5.8未満に保たれることになる。
α−ヒドロキシ酸。α−ヒドロキシ酸は、典型的には、次式:
(CROH)COOHで表される組成物であり、
式中、R及びRは、それぞれ独立してH又は(C1〜C8)アルキル基(直鎖、分枝鎖、又は環状)、(C6〜C12)アリール、若しくは(C6〜C12)アラルキル又はアルカリール基(アルキル基は、直鎖、分枝鎖、又は環状)であり、式中、R及びRは、所望により1つ以上のカルボン酸基で置換されてもよく、かつn=1〜3であり、好ましくは、n=1〜2である。
例示的なα−ヒドロキシ酸としては、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、2−ヒドロキシブタン酸、3−ヒドロキシブタン酸、マンデル酸、グルコン酸、グリコール酸、酒石酸、α−ヒドロキシエタン酸、アスコルビン酸、α−ヒドロキシオクタン酸、ヒドロキシカプリル酸、及びサリチル酸、並びにこれらの誘導体(例えば、ヒドロキシル、フェニル基、ヒドロキシフェニル基、アルキル基、ハロゲン、並びにこれらの組み合わせによって置換された化合物)が挙げられるがこれらに限定されない。好ましいα−ヒドロキシ酸としては、乳酸、リンゴ酸、及びマンデル酸が挙げられる。これらの酸は、D、L、又はDL形であってもよく、遊離酸、ラクトン、又はこれらの部分的塩として存在してもよい。このような形態はすべて、「酸」という用語に包含される。好ましくは、酸は遊離酸の形態で存在する。特定の好ましい実施形態においては、本開示の組成物において有用なα−ヒドロキシ酸は、乳酸、マンデル酸、リンゴ酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される。他の好適なα−ヒドロキシ酸は、米国特許第5,665,776号(Yu)に記載されている。
β−ヒドロキシ酸。β−ヒドロキシ酸は、典型的には、次式:
Figure 0006302489

により表される化合物であり、式中、R、R、及びRは、それぞれ独立してH、又は(C1〜C8)アルキル基(飽和直鎖、分枝鎖、又は環状基)、(C6〜C12)アリール、若しくは(C6〜C12)アラルキル基、若しくはアルカリール基(アルキル基は、直鎖、分枝鎖、又は環状)であり、式中、R及びRは、所望により1つ以上のカルボン酸基で置換されてもよく、m=0又は1であり、n=1〜3(好ましくは、n=1〜2)であり、かつR21は、H、(C1〜C4)アルキル又はハロゲンである。
代表的なβ−ヒドロキシ酸としては、サリチル酸、β−ヒドロキシブタン酸、トロパ酸、及びトレトカン酸が挙げられるがこれらに限定されない。特定の好ましい実施形態では、本開示の組成物で有用なβ−ヒドロキシ酸は、サリチル酸、β−ヒドロキシブタン酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される。他の好適なβ−ヒドロキシ酸は、米国特許第5,665,776号(Yu)に記載されている。
他のカルボン酸。α−カルボン酸及びβ−カルボン酸以外のカルボン酸が、賦活剤成分の中での使用のために好適である。これらとしては、典型的には12個以下の炭素原子を有するアルキル、アリール、アラルキル、又はアルカリルカルボン酸が挙げられる。これらの好ましいクラスは、次式:
10(CR11 COOHにより表すことができ、
式中、R10及びR11は、それぞれ独立して、H、又は(C1〜C4)アルキル基(これは、直鎖、分枝鎖、又は環状基とすることができる)、(C6〜C12)アリール基、アリール基とアルキル基との両方を含有する(C6〜C12)基(これは、直鎖、分枝鎖、又は環状基とすることができる)であり、式中、R10及びR11は、所望により1つ以上カルボン酸基で置換されてもよく、n=0〜3であり、好ましくは、n=0〜2である。好ましくは、カルボン酸は、(C1〜C4)アルキルカルボン酸、(C6〜C12)アラルキルカルボン酸、又は(C6〜C12)アルカリルカルボン酸であってもよい。例示的な酸としては、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、ベンジル酸、ノニル安息香酸、及び同様のものが挙げられるがこれらに限定されない。
界面活性剤
本開示の組成物は、1つ以上の界面活性剤を含んで、組成物を乳化することができ、組成物が表面を湿潤するのを助け、かつ/又は微生物と接触するのを補助することができる。本明細書で使用する場合、「界面活性剤」という用語は、水の表面張力及び/又は水と不混和性液体との間の界面張力を減少させる能力を有する両親媒性物質(共有結合している極性及び無極性領域の両方を有する分子)を意味する。この用語は、石鹸、洗剤、乳化剤、表面活性剤、及び同様のものを含むことを意味する。
界面活性剤は、典型的には、陰イオン性界面活性剤若しくは双極性(すなわち、両性)界面活性剤、又はこれらの組み合わせ(所望により非イオン性界面活性剤も含む)である。これは、幅広く様々な従来の界面活性剤を含むが、ある特定のエトキシル化界面活性剤は、抗菌脂質成分の抗菌活性を低下させる又は排除する可能性がある。この不活性化の正確な機構は未知であり、かつすべてのエトキシル化界面活性剤がこの負の効果を示すわけではない。例えば、ポロキサマー(ポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシド)界面活性剤は、抗菌脂質成分と親和性があることが示されているが、ICIにより商品名TWEENとして販売されているもののようなエトキシ化ソルビタン脂肪酸エステルは親和性がない。これらは大まかな一般化であり、作用は配合に依存する可能性があることに留意すべきである。当業者は、配合を作製して、実施例の項に記載するように抗菌作用を試験することにより、界面活性剤の適合性を容易に決定することができる。所望により、様々な界面活性剤の組み合わせを使用することができる。
ある特定の抗菌脂質は、両親媒性物質であり、表面活性である場合があることに留意すべきである。例えば、本明細書に記載するある特定の抗菌アルキルモノグリセリドは表面活性である。本開示のある特定の実施形態については、抗菌脂質成分は「界面活性剤」成分とは異なると考えられる。
好ましい界面活性剤は、少なくとも4、及びより好ましくは、少なくとも8のHLB(すなわち、親水性と親油性のバランス)を有するものである。更により好ましい界面活性剤は、少なくとも12のHLBを有する。最も好ましい界面活性剤は、少なくとも15のHLBを有する。
界面活性剤の様々なクラスの例を、以下に記載する。ある特定のより好ましい実施形態では、本開示の組成物で有用な界面活性剤は、スルホネート、サルフェート、ホスホネート、ホスフェート、スルタイン(sultaine)、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
ある特定のより好ましい実施形態では、本開示の組成物で有用な界面活性剤は、非イオン性界面活性剤を更に含む。
1つ以上の界面活性剤は、本開示の組成物中で、所望の結果を生成するために有効な量で使用される場合がある。ある特定の実施形態では、界面活性剤は、使用準備済組成物の総重量を基準として、少なくとも0.1重量%、より好ましくは少なくとも0.5重量%、及び更により好ましくは少なくとも1.0重量%の総量で存在する。ある特定の実施形態では、界面活性剤は、使用準備済組成物の総重量を基準として、2.0重量%以下の総量で存在する。
ある特定の実施形態では、抗菌脂質の全濃度に対する界面活性剤の全濃度の割合は、0.5:1より大きい。ある特定の実施形態では、抗菌脂質の全濃度に対する界面活性剤の全濃度の割合は、4:1を超えず、かつある特定の実施形態では、2.5:1を超えない。
陰イオン性界面活性剤。例示的な陰イオン性界面活性剤としては、サルコシネート、グルタメート、アルキルサルフェート、アルキルエーテル硫酸ナトリウム又はアルキルエーテル硫酸カリウム、アルキルエーテル硫酸アンモニウム、ラウレス−n−硫酸アンモニウム、ラウレス−n−硫酸、イセチオネート、グリセリルエーテルスルホネート、スルホスクシネート、アルキルグリセリルエーテルスルホネート、アルキルホスフェート、アラルキルホスフェート、アルキルホスホネート、及びアラルキルホスホネートが挙げられるがこれらに限定されない。これらの陰イオン性界面活性剤は、金属又は有機アンモニウム対イオンを有する場合がある。ある特定のより好ましい実施形態では、本開示の組成物で有用な陰イオン性界面活性剤は、以下のものからなる群から選択される。
1.スルホネート及びサルフェート。好適な陰イオン性界面活性剤としては、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アルキルスルホネート、アルキルエーテルスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルベンゼンエーテルサルフェート、アルキルスルホアセテート、第二級アルカンスルホネート、第二級アルキルサルフェート、及び同様のものなどの、スルホネート及びサルフェートが挙げられる。これらの多くは、下式により表すことができる。
14−(OCHCH(OCH(CH)CH−(Ph)−(OCHCH−(O)−SO
及び
14−CH[SO−M]−R15
式中、a及びb=0又は1であり、n、p、及びm=0〜100(好ましくは、0〜20、及びより好ましくは、0〜10)であり、R14は、上記の通りに定義され、少なくとも1つのR14又はR15は、少なくともC8であり、R15は、(C1〜C12)アルキル基(飽和直鎖、分枝鎖、又は環状基)であり、所望によりN原子、O原子、若しくはS原子、又はヒドロキシル基、カルボキシル基、アミド基、若しくはアミン基によって置換されてもよく、Ph=フェニルであり、かつMは、H、Na、K、Li、アンモニウム、又はトリエタノールアミン若しくは第四級アンモニウム基などのプロトン化した第三級アミンなどのカチオン性対イオンである。
上記式中、エチレンオキシド基(すなわち、「n」基及び「m」基)及びプロピレンオキシド基(すなわち、「p」基)は、逆の順番並びに無作為、順次、又はブロック配列で生じる可能性がある。このクラスにおいて好ましくは、R14は、R16−C(O)N(CH)CHCH−などのアルキルアミド基、並びに−OC(O)−CH−などのエステル基を含み、式中、R16は、(C8〜C22)アルキル基(分枝鎖、直鎖、又は環状基)である。例としては、Stepan Company(Northfield,IL)から入手可能なPOLYSTEP B12(n=3〜4であり、M=ナトリウムである)及びB22(n=12であり、M=アンモニウムである)、並びに、メチルタウリン酸ナトリウム(日光ケミカルズ株式会社(日本、東京)からNIKKOL CMT30の商品名で入手可能)などのラウリルエーテルサルフェートなどのアルキルエーテルスルホネート;Clariant Corp.(Charlotte,NC)から入手可能なナトリウム(C14〜C17)二級アルカンスルホネート(α−オレフィンスルホネート)であるHostapur SASなどの二級アルカンスルホネート;Stepan CompanyからALPHASTEP PC−48の商品名で入手可能なメチル−2−スルホ(C12〜C16)エステルナトリウム、及び2−スルホ(C12〜C16)脂肪酸二ナトリウムなどのメチル−2−スルホアルキルエステル;両方ともStepan Companyからの、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム(商品名LANTHANOL LAL)及びラウレススルホコハク酸二ナトリウム(STEPANMILD SL3)として入手可能なアルキルスルホアセテート及びアルキルスルホスクシネート;Stepan CompanyからSTEPANOL AMの商品名で入手可能なラウリル硫酸アンモニウムなどのアルキルサルフェート;Cytec IndustriesからAerosol OTとして入手可能なジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどのジアルキルスルホスクシネートが挙げられるがこれらに限定されない。
2.ホスフェート及びホスホネート。好適な陰イオン性界面活性剤としてはまた、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、アラルキルホスフェート、及びアラルキルエーテルホスフェートなどのホスフェートも挙げられる。多くは、以下の式によって表される場合がある。
[R14−(Ph)−O(CHCHO)(CHCH(CH)O)−P(O)[O
式中、Ph、R14、a、n、p、及びMは、上記に定義され、rは、0〜2であり、q=1〜3であり、但し、q=1のとき、r=2で、q=2のとき、r=1で、かつq=3のとき、r=0である。上記と同様、エチレンオキシド基(すなわち、「n」基)及びプロピレンオキシド基(すなわち、「p」基)は、逆の順番並びに無作為、順次、又はブロック配列で生じる可能性がある。例としては、Clariant Corp.からHOSTAPHAT 340KLという商品名で市販されている、一般にトリラウレス−4−ホスフェートと呼ばれるモノ−、ジ−、及びトリ−(アルキルテトラグリコールエーテル)−o−リン酸エステルの混合物、並びにCroda Inc.(Parsipanny,NJ)からCRODAPHOS SGという商品名で入手可能なPPG−5セテス10ホスフェート、並びにこれらの混合物が挙げられる。
双極性界面活性剤。双極性(すなわち両性)タイプの界面活性剤としては、第三級アミン基を有する界面活性剤が挙げられ、これはプロトン化並びに第四級アミン含有双極性界面活性剤であってもよい。特に有用なものは、以下を含む。
1.カルボン酸アンモニウム双極性イオン。このクラスの界面活性剤は、以下の式によって表すことができる。
17−(C(O)−NH)−R18−N(R19−R20−COO
式中、a=0又は1であり、R17は、(C7〜C21)アルキル基(飽和直鎖、分枝鎖、又は環状基)、(C6〜C22)アリール基、又は(C6〜C22)アラルキル基若しくはアルカリル基(飽和直鎖、分枝鎖、又は環状アルキル基)であり、式中、R17は、所望により、1つ以上のN原子、O原子、若しくはS原子、又は1つ以上のヒドロキシル基、カルボキシル基、アミド基、若しくはアミン基によって置換されていてもよく、R19は、H又は(C1〜C8)アルキル基(飽和直鎖、分枝鎖、又は環状基)であり、式中、R19は、所望により、1つ以上のN原子、O原子、若しくはS原子、又は1つ以上のヒドロキシル基、カルボキシル基、アミン基、(C6〜C9)アリール基、又は(C6〜C9)アラルキル基若しくはアルカリル基によって置換されていてもよく、R18、及びR20は、それぞれ独立して、同一であっても異なってもよい(C1〜C10)アルキレン基であり、所望により、1つ以上のN原子、O原子、若しくはS原子、又は1つ以上のヒドロキシル基、若しくはアミン基によって置換されていてもよい。
より好ましくは、上記の式中、R17は(C1〜C18)アルキル基であり、R19は、好ましくはメチル又はベンジル基で、最も好ましくはメチル基で置換された(C1〜C2)アルキル基である。R19がHの場合、より高いpH値では界面活性剤は、例えば、Na、K、Liなどのカチオン性対イオンと共に第三級アミンとして、又は第四級アミン基として存在することができることが理解される。
このような双極性界面活性剤の例としては、ココベタイン及びコカミドプロピルベタインなどの特定のベタイン(McIntyre Group Ltd.(University Park,IL)からMACKAM CB−35及びMACKAM Lという商品名で市販されている)、ラウロアンホ酢酸ナトリウムなどのモノアセテート、ラウロアンホ酢酸二ナトリウムなどのジアセテート、ラウルアミノプロピオン酸などのアミノ−及びアルキルアミノ−プロピオネート(McIntyre Group Ltd.から、それぞれ、MACKAM 1L、MACKAM 2L、及びMACKAM 151Lという商品名で市販されている)が挙げられるがこれらに限定されない。
2.スルホン酸アンモニウム双極性イオン。このクラスの双極性(すなわち、両性)界面活性剤は、しばしば「スルタイン」又は「スルホベタイン」と称され、以下の式によって表すことができる。
17−(C(O)−NH)−R18−N(R19−R20−SO
式中、R17−R20及び「a」は、上記定義の通りである。例としては、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン(McIntyre Group Ltd.からMACKAM50−SBとして市販されている)が挙げられる。スルホ両性界面活性剤は、スルホネート基が非常に低いpH値でもイオン化されたままであるため、カルボキシレート両性界面活性剤よりも好ましい場合がある。
所望による非イオン性界面活性剤。例示的な非イオン性界面活性剤としては、アルキルグルコシド、アルキルポリグルコシド、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、スクロースエステル、脂肪酸と多価アルコールとのエステル、脂肪酸アルカノールアミド、エトキシ化脂肪酸、エトキシ化脂肪族の酸、エトキシ化脂肪族アルコール(例えば、両方ともSigma(St.Louis,MO)から、TRITON X−100という商品名で入手可能なオクチルフェノキシポリエトキシエタノール及びNONIDET P−40という商品名で入手可能なノニルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール)、エトキシ化及び/又はプロポキシル化脂肪族アルコール(例えば、ICI(Wilmington,DE)からBRIJという商品名で入手可能なもの)、エトキシ化グリセリド、エトキシ化/プロポキシル化ブロックコポリマー(BASFから入手可能なPLURONIC及びTETRONIC界面活性剤などの)、エトキシ化環状エーテル付加物、エトキシ化アミド及びイミダゾリン付加物、エトキシ化アミン付加物、エトキシ化メルカプタン付加物、アルキルフェノールによるエトキシ化濃縮物、エトキシ化窒素系疎水性物質、エトキシ化ポリオキシプロピレン、ポリマー性シリコーン、フッ素化界面活性剤(例えば、3M Co.(St.Paul,MN)からFLUORAD−FS 300という商品名で入手可能なもの、及びDupont de Nemours Co.(Wilmington,DE)からZONYLという商品名で入手可能なもの)、及び重合性(反応性)界面活性剤(例えば、PPG Industries,Inc.(Pittsburgh,PA)からMAZONという商品名で入手可能なSAM 211(アルキレンポリアルコキシサルフェート)界面活性剤)が挙げられるがこれらに限定されない。特定の好ましい実施形態では、本発明の組成物で有用な非イオン性界面活性剤は、BASFからのPLURONICなどのポロキサマー、ソルビタン脂肪酸エステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
親水性共溶媒
本開示の組成物は、水を含む。水は、組成物の総重量を基準として、少なくとも85重量%、又は少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%の量で存在する。
本開示の組成物は、組成物中のエンハンサー成分を可溶化し、かつ/若しくは物理的に安定させるのを助けるため、並びに/又は抗菌活性及び/若しくは抗菌活性の速度を高めるために、親水性共溶媒を含むことができる。十分な量の親水性成分の取りこみは、死滅の速さと死滅の程度との両方について抗菌作用を向上させることができる。理論に束縛されるものではないが、親水性共溶媒成分の取りこみは、保湿剤として作用する場合があり、乾燥を減速するので、それによって使用の間に、抗菌性組成物が微生物を死滅する時間はより長くなる。組成物が一旦完全に乾燥すると、抗菌作用が非常に弱くなると考えられる。
親水性共溶媒は、典型的には、23℃で、少なくとも7重量%、好ましくは少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも20重量%、更により好ましくは少なくとも25重量%、及び更により好ましくは少なくとも40重量%の水中溶解度を有する化合物である。最も好ましくは、親水性成分は、23℃で無限に水中混和することができる。
例示的な親水性共溶媒としては、グリコール、低級アルコール、典型的には1〜6アルコール基を有し、好ましくはエチレンオキシドに基づくポリエーテルポリオール、短鎖アルキルエステル、又はこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。ある特定の実施形態では、所望による親水性共溶媒としては、グリセロール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコールを含むグリコール(すなわち、2つのヒドロキシル基を含有するもの);C1〜C4低級アルコール、メトキシ末端ポリエチレングリコール350、PEG 400、PEG 1000、glycereth 18、スクロースポリエーテル、及び同様のもの、並びにジメチルイソソルビド及びラウレス−4などの水溶性エーテルなどのエーテル;トリアセチン、酢酸メチル、乳酸メチル、乳酸エチルエステル、ポリエトキシレート化グリコールのエステルを含む短鎖アルキルエステル(すなわち、上記の溶解度の限度に適合するように十分小さい数の炭素原子を有する);又はこれらの組み合わせが挙げられる。
水以外では、1つ以上の親水性共溶媒が生成する所望の結果を生み出すのに有効な量で本開示の組成物中に使用される場合がある。ある特定の実施形態では、親水性共溶媒は、組成物の総重量を基準として、少なくとも0.1重量%の量で存在する。ある特定の実施形態では、親水性共溶媒は、組成物の総重量を基準として、最大で3重量%の量で存在する。
所望による添加剤
本開示の組成物は、クリーニングワイプ(すなわち、ウェットワイプ)の中に従来から見られる添加剤成分を追加的に採用する場合がある。したがって、例えば、組成物は、米国特許第5,951,993号に開示されるものなどの更なる染料、香料、滑沢剤、増粘剤、安定剤、保存剤、皮膚軟化剤及び保湿剤、低濃度(例えば、5%重量/重量未満)の、グリース及びオイルの除去を助ける、テルペン(例えば、リモネン)、パラフィン系溶媒、及び炭化水素溶媒などの溶媒、植物油、C2〜C4低級アルキルアルコール、及び同様のもの、又はこれらの組み合わせを含有する場合がある。
ある特定の有機体の増殖抑制を補助するために、処方中に保存剤を含むことも好適である場合がある。適切な保存剤としては、パラベン(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル等)、2ブロモ−2−ニトロ−1,3−ジオール;5−ブロモ−5−ニトロ−1,3−ジオキサン、クロロブタノール、ジアゾリジニル尿素;ヨードプロピニルブチルカルバメート、フェノキシエタノール、ハロゲン化クレゾール、メチルイソチアゾリノン、並びにこれらの化合物の組み合わせなどの業界標準の化合物が挙げられる。
本明細書に記載される、要求される又は所望による構成成分のために選択される濃度又は範囲は、直接使用するための組成物を配合するか、あるいは使用前に希釈するための濃縮物を配合するか、並びに選択された特定の構成成分、その組成物の最終的な用途、及び当業者には周知の他の因子に依存することを、当業者は理解するであろう。例えば、保存剤は、組成物の総重量を基準として、最大で1.0重量%の量で存在することができる。
送達方法及びワイプ
本開示の組成物を様々な技法を使用して送達することができる。これは、処理する表面区域上に噴霧する、浸漬する、拭う、滴下する、注ぐ、拭く、又は同様のことによって達成される。
ある特定の実施形態では、本開示の組成物は、表面への送達のために基材(例えば、織布又は編布、不織布、スポンジ、フォーム、ペーパータオルなどの紙製品、おてふき、これらの基材の1つ以上の積層体で所望による更にフィルムを備えるもの、及びワイプ)から送達することができる。例えば、組成物は、表面に接触するとき、少なくとも組成物の一部を表面に送達するワイプ又はパッドから送達することができる。基材は、組成物を本質的に瞬時に送達するために使用される場合があり、又は表面と接触したままにされる場合がある。
「ウェット」ワイプは、基材が抗菌性組成物で予め湿されているワイプである。ほとんどの場合ワイプは、組成物で飽和されている(すなわち、使用される基材の吸収能力いっぱいである)。しかし、必ずしもこのようになっている必要はない。これは、ワイプの吸収能力及び抗菌性処方に依存することになる。ワイプが十分な活性物質を充填することができる限り、完全に飽和している必要はない。場合によっては、ワイプは過飽和、すなわち、ワイプの吸収能力より多くの液体を有してもよい。これは、例えば、ワイプを過剰な液体組成物が入った容器から送達することによって達成される。ウェットワイプは、典型的には、密閉された単回使用包装、若しくは再密閉可能な複数回使用包装、又はしばしば過剰の液体を有するキャニスターで販売される。「ウェット」ワイプは、最高100%固体の濃縮物を用いてコーティングされ、引き続いてユーザーによって水を用いて濡らされる、ワイプも含む。例えば、孔が開いたワイプのロールを容器に入れて提供することができ、その容器にユーザーが、ワイプのロール内に毛管作用で吸い上げるように所定の量の水を添加する。
不織基材を、合成材料、天然材料、若しくは化学的に改質した天然材料から、又はこれらの混合物から作成することができる。好適な合成材料としては、ポリエチレン(LDPE、LLDPE、メタロセンポリエチレン、及び同様のもの)を含むポリオレフィン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、ポリブチレン、エチレンビニルアセテートコポリマー及びエチレンアクリレートコポリマーなどのエチレンコポリマー;PET、PETG、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバレレート、ポリエチレンスクシネート、及び同様のものを含むがこれに限定されない脂肪族及び芳香族ポリエステル;ポリアミド、ポリウレタン、Kratonポリマーなどのブロックコポリマー、熱可塑性デンプン、並びにコポリマー及びポリマーブレンドなどの合成有機ポリマーが挙げられるがこれらに限定されない。非合成材料としては、天然又は化学的に改質した天然材料が挙げられる。人工材料としては、誘導体又は再生品のいずれかのセルロースから製造された材料が挙げられる。人工繊維の典型的な実施例は、再生されたビスコースレーヨン及び酢酸セルロースである。天然繊維としては、木材パルプ、綿、レーヨン、竹、ジュート、及び麻繊維が挙げられるがこれらに限定されない。基材は、当該技術分野で既知の任意の方法で調製することができる。本発明に関連して使用されてもよい不織基材を作製するための好適な製造プロセスとしては、カーディング、メルトブロウン、ウェットレイド、エアレイド、スパンボンド、水流交絡、ニードルパンチング、熱接着等、及びこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。不織基材のために使用された繊維は、不定長さの繊維(例えば、フィラメント)、別個の長さの繊維(例えば、ステープルファイバー)、及びマルチフィラメント糸を含むことができる。使用される繊維は、また、シース/コア、サイドバイサイド、及びスプリット繊維を含む複合要素繊維であってもよい。基材は、単一層又は多層構造とすることができる。不織基材は、その表面上にパターン状に印刷した硬化した樹脂又は結合剤を有する不織布などの研磨材ワイプにもすることができる。
本開示のある特定の実施形態では、微生物を死滅又は不活性化する方法が提供される。方法は、本明細書に記載する抗菌性組成物(又はかかる組成物を含むウェットワイプ)を用いて、少なくとも4℃(好ましくは、少なくとも20℃)の温度で(典型的には、大気圧で)、1つ以上の微生物を死滅又は不活性化するのに有効な時間の間(好ましくは、所望の微生物減少レベルを達成するために十分な時間の間)、微生物に接触することを含む。
本開示の方法のある特定の実施形態では、少なくとも4℃の温度で、1つ以上の細菌を死滅するのに有効な時間の間、微生物は細菌を含み、抗菌性組成物(又はかかる組成物を組み込むウェットワイプ)が、使用される。ある特定の実施形態では、細菌は、ブドウ球菌spp.、連鎖球菌spp.、エシェリキアspp.、エンテロコッカスspp.、シュードモナスspp.、又はこれらの組み合わせを含む。ある特定の実施形態では、細菌は、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌、化膿連鎖球菌、又はこれらの組み合わせを含む。
本開示の方法のある特定の実施形態では、微生物は1つ以上のウイルスを含み、抗菌性組成物(又はかかる組成物を組み込むウェットワイプ)は、1つ以上のウイルスを不活性化するために有効な条件下で使用される。
本開示の方法のある特定の実施形態では、微生物は1つ以上の菌類を含み、抗菌性組成物(又はかかる組成物を組み込むウェットワイプ)は、1つ以上の菌類を死滅するために有効な条件下で使用される。
例示的な実施形態
1.抗菌性組成物であって、
組成物の総重量を基準として、0.1重量%〜1.0重量%の抗菌脂質
(抗菌脂質は、多価アルコールの(C8〜C12)飽和脂肪酸エステル、多価アルコールの(C12〜C22)不飽和脂肪酸エステル、多価アルコールの(C8〜C12)飽和脂肪族エーテル、多価アルコールの(C12〜C22)不飽和脂肪族エーテル、これらのアルコキシル化誘導体、又はこれらの組み合わせを含み、アルコキシル化誘導体が、多価アルコール、(C5〜C12)1,2−飽和アルカンジオール、及び(C12〜C18)1,2−不飽和アルカンジオールの1モルにつき5モル未満のアルコキシドを有する、但し、スクロース以外の多価アルコールについては、エステルは、少なくとも80重量%のモノエステルを含み、エーテルは少なくとも80重量%のモノエーテルを含み、スクロースについては、エステルは、少なくとも80重量%のモノエステル、ジエステル、又はこれらの組み合わせを含む)と、
組成物の総重量を基準として、0.1重量%〜2.0重量%の陰イオン性及び/又は双極性界面活性剤と、
組成物の総重量を基準として、0.03重量%〜2.0重量%の可溶性有機酸及び/又は可溶性有機酸塩を含む賦活剤と、
組成物の総重量を基準として、少なくとも85重量%の水と、を含み、
抗菌脂質及び賦活剤は、10:1〜1:40の割合で存在し、
界面活性剤及び抗菌脂質は、0.5:1より大きい割合で存在し、
組成物のpHは、3〜6であり、かつ最高のpKaを呈する1官能性有機酸よりも1ユニット大きいpKa以下であり、又は存在する多官能性有機酸について5未満の最高のpKa値より1ユニット大きいpKa以下であり、
組成物は、物理的に安定な使用準備済の形態であり、以下の、
抗菌脂質が、23℃でそのままの形態であるとき液体である、又は
組成物が、光透過率試験によって測定したとき、0.5cmの光路長で550nmにおいて少なくとも80%の光透過率を有する、のうちの少なくとも一方が真である、抗菌性組成物。
2.組成物であって、
抗菌脂質が、23℃でそのままの形態であるとき液体であり、
組成物が、光透過率試験によって測定したとき、0.5cmの光路長で550nmにおいて少なくとも80%の光透過率を有する、組成物。
3.30秒抗菌有効性試験において、5%のBSAを用いて、グラム陽性菌及びグラム陰性菌に対して3〜6のlog減少の抗菌活性を示す、実施形態1又は2に記載の組成物。
4.賦活剤が、組成物の総重量を基準として、0.03重量%〜1.5重量%の量で存在する、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の組成物。
5.水が、組成物の総重量を基準として、少なくとも90重量%の量で存在する、実施形態1〜4のいずれか1つに記載の組成物。
6.水が、組成物の総重量を基準として、少なくとも95重量%の量で存在する、実施形態1〜5のいずれか1つに記載の組成物。
7.親水性共溶媒を更に含む、実施形態1〜6のいずれか1つに記載の組成物。
8.親水性共溶媒が、グリコール、C1〜C4低級アルコール、エーテル、短鎖アルキルエステル、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態7に記載の組成物。
9.親水性共溶媒が、組成物の総重量を基準として、最高3重量%の量で存在する、実施形態7又は8に記載の組成物。
10.抗菌脂質が、多価アルコールのモノエステル、多価アルコールのモノエーテル、又はこれらのアルコキシル化誘導体、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態1〜9のいずれか1つに記載の組成物。
11.抗菌脂質が、プロピレングリコールモノラウレート、プロピレングリコールモノカプレート、プロピレングリコールモノカプリレート、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態1〜9のいずれか1つに記載の組成物。
12.可溶性有機酸が、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸、(C1〜C4)アルキルカルボン酸、(C6〜C12)アリールカルボン酸、(C6〜C12)アラルキルカルボン酸、(C6〜C12)アルカリールカルボン酸、又はこれらの組み合わせである、実施形態1〜11のいずれか1つに記載の組成物。
13.可溶性有機酸が、α−ヒドロキシ酸である、実施形態12に記載の組成物。
14.組成物が、少なくとも第1の酸と第2の酸とを含み、第1の酸は、そのプロトン化した形態で添加され、かつ第2の酸は、第1の酸とは別個の酸であり、かつその可溶性塩として添加される、実施形態1〜13のいずれか1つに記載の組成物。
15.界面活性剤が、スルホネート、サルフェート、ホスホネート、ホスフェート、スルタイン、又はこれらの混合物を含む、実施形態1〜14のいずれか1つに記載の組成物。
16.非イオン性界面活性剤を更に含む、実施形態1〜15のいずれか一項に記載の組成物。
17.抗菌有効性試験によって評価するとき、5%のBSAを用いて、30秒間で試験細菌において少なくとも3のlog減少を示す、実施形態1〜16のいずれか1つに記載の組成物。
18.消毒活性、殺ウイルス活性、及び殺菌活性試験によって、細菌及びウイルスの不活性化を示し、かつ抗菌有効性試験によってグラム陽性菌とグラム陰性菌との両方の抗菌性死滅を示す、実施形態1〜17のいずれか1つに記載の組成物。
19.組成物のpHが4〜6である、実施形態1〜18のいずれか1つに記載の組成物。
20.組成物のpHが4〜5である、実施形態1〜19のいずれか1つに記載の組成物。
21.基材、及び基材中に含浸した組成物を含み、組成物が、
組成物の総重量を基準として、0.1重量%〜1.0重量%の抗菌脂質
(抗菌脂質は、多価アルコールの(C8〜C12)飽和脂肪酸エステル、多価アルコールの(C12〜C22)不飽和脂肪酸エステル、多価アルコールの(C8〜C12)飽和脂肪族エーテル、多価アルコールの(C12〜C22)不飽和脂肪族エーテル、これらのアルコキシル化誘導体、又はこれらの組み合わせを含み、アルコキシル化誘導体が、多価アルコール、(C5〜C12)1,2−飽和アルカンジオール、及び(C12〜C18)1,2−不飽和アルカンジオールの1モルにつき5モル未満のアルコキシドを有する、但し、スクロース以外の多価アルコールについて、エステルは、少なくとも80重量%のモノエステルを含み、エーテルは少なくとも80重量%のモノエーテルを含み、スクロースについては、エステルは、少なくとも80重量%のモノエステル、ジエステル、又はこれらの組み合わせを含む)と、
組成物の総重量を基準として、0.1重量%〜2.0重量%の陰イオン性及び/又は双極性界面活性剤と、
組成物の総重量を基準として、0.03重量%〜2.0重量%の、可溶性有機酸及び可溶性有機酸塩を含む賦活剤と、
組成物の総重量を基準として、少なくとも85重量%の水と、を含み、
抗菌脂質及び賦活剤は、10:1〜1:40の割合で存在し、
界面活性剤及び抗菌脂質は、0.5:1より大きい割合で存在し、
組成物のpHは、3〜6であり、かつ最高のpKaを呈する1官能性有機酸よりも1ユニット大きいpKa以下であり、又は存在する多官能性有機酸について5未満の最高のpKa値より1ユニット大きいpKa以下であり、
組成物が、物理的に安定な使用準備済の形態であり、以下の、
抗菌脂質が、23℃でそのままの形態であるとき液体である、又は
組成物が、光透過率試験によって測定したとき、0.5cmの光路長で550nmにおいて少なくとも80%の光透過率を有する、のうちの少なくとも一方が真である、抗菌性組成物である、ウェットワイプ。
22.
抗菌脂質が、23℃でそのままの形態であるとき液体であり、
組成物が、光透過率試験によって測定したとき、0.5cmの光路長で550nmにおいて少なくとも80%の光透過率を有する、実施形態21に記載のウェットワイプ。
23.光沢減少/曇り試験によって試験したとき、清浄な試験表面と比較して、拭った後に10%未満のパーセント光沢減少を呈する、実施形態21又は22に記載のウェットワイプ。
24.組成物が、親水性共溶媒を更に含む、実施形態21〜23のいずれか1つに記載のウェットワイプ。
25.親水性共溶媒が、グリコール、C1〜C4低級アルコール、エーテル、短鎖アルキルエステル、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態24に記載のウェットワイプ。
26.親水性共溶媒が、組成物の総重量を基準として、最高10重量%の量で存在する、実施形態25に記載のウェットワイプ。
27.組成物が、保存剤を更に含む、実施形態21〜26のいずれか1つに記載のウェットワイプ。
28.保存剤が、組成物の総重量を基準として、最高1.0重量%の量で存在する、実施形態27に記載のウェットワイプ。
29.液体抗菌脂質が、多価アルコールのモノエステル、多価アルコールのモノエーテル、又はこれらのアルコキシル化誘導体、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態28に記載のウェットワイプ。
30.抗菌脂質が、プロピレングリコールモノラウレート、プロピレングリコールモノカプレート、プロピレングリコールモノカプリレート、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態28に記載のウェットワイプ。
31.可溶性有機酸が、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸、(C1〜C4)アルキルカルボン酸、(C6〜C12)アリールカルボン酸、(C6〜C12)アラルキルカルボン酸、(C6〜C12)アルカリールカルボン酸、又はこれらの組み合わせである、実施形態21〜30のいずれか1つに記載のウェットワイプ。
32.可溶性有機酸が、α−ヒドロキシ酸である、実施形態31に記載のウェットワイプ。
33.有機酸の可溶性塩が、少なくとも第1の酸と第2の酸とを含み、第1の酸は、そのプロトン化した形態で添加され、第2の酸は、第1の酸とは別個の酸であり、かつ可溶性塩として添加される、実施形態31に記載のウェットワイプ。
34.界面活性剤が、スルホネート、サルフェート、ホスホネート、ホスフェート、スルタイン、又はこれらの混合物を含む、実施形態21〜33のいずれか1つに記載のウェットワイプ。
35.組成物が、非イオン性界面活性剤を更に含む、実施形態21〜34のいずれか1つに記載のウェットワイプ。
36.抗菌有効性試験を用いて評価したとき、グラム陽性菌及びグラム陰性菌に対して、5%のBSAを用いて30秒間で試験細菌の少なくとも3〜6のlog減少を示す、実施形態21〜35のいずれか1つに記載のウェットワイプ。
37.消毒活性、殺ウイルス活性、及び殺菌活性試験によって、細菌及びウイルスの不活性化を示し、かつ抗菌有効性試験によってグラム陽性菌とグラム陰性菌との両方の抗菌性死滅を示す、実施形態21〜36のいずれか1つに記載のウェットワイプ。
38.少なくとも4℃の温度で、1つ以上の微生物を死滅又は不活性化するのに有効な時間の間、実施形態1に記載の抗菌性組成物に微生物を接触させるステップを含む、微生物を死滅又は不活性化する方法。
39.少なくとも4℃の温度で1つ以上の細菌を死滅するのに有効な時間の間、微生物が細菌を含み、かつ抗菌性組成物が使用される、実施形態38に記載の方法。
40.細菌が、ブドウ球菌spp.、連鎖球菌spp.、エシェリキアspp.、エンテロコッカスspp.、シュードモナスspp.、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態39に記載の方法。
41.細菌が、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌、化膿連鎖球菌、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態40に記載の方法。
42.微生物が、1つ以上のウイルスを含み、かつ抗菌性組成物が、1つ以上のウイルスを不活性化するために有効な条件下で使用される、実施形態38に記載の方法。
43.微生物が、1つ以上の菌類を含み、かつ抗菌性組成物が、1つ以上の菌類を死滅するために有効な条件下で使用される、実施形態38に記載の方法。
44.少なくとも4℃の温度で、1つ以上の微生物を死滅又は不活性化するのに有効な時間の間、実施形態21に記載のウェットワイプに微生物を接触させるステップを含む、微生物を死滅又は不活性化する方法。
45.微生物が細菌を含む、実施形態44に記載の方法。
46.細菌が、ブドウ球菌spp.、連鎖球菌spp.、エシェリキアspp.、エンテロコッカスspp.、シュードモナスspp.、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態45に記載の方法。
47.細菌が、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌、化膿連鎖球菌、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態46に記載の方法。
48.少なくとも4℃の温度で1つ以上のウイルスを不活性化するのに有効な時間の間、微生物が1つ以上のウイルスを含み、かつウェットワイプが使用される、実施形態44に記載の方法。
49.少なくとも4℃の温度で1つ以上の菌類を死滅するのに有効な時間の間、微生物が1つ以上の菌類を含み、かつ抗菌性組成物が使用される、実施形態44に記載の方法。
材料
CAPMUL(登録商標)908P、プロピレングリコールモノカプリレートは、Abitec Corporation(Columbus,OH)から入手可能である。
SENSIVA(登録商標)SC50、カプリルグリセリルエーテルは、Schulke Inc(Fairfield,NJ)から入手可能である。
クエン酸(無水)は、Ashland(Covington,KY)から入手可能である。
安息香酸ナトリウムは、Emerald Performance Materials、LLC(Cuyahoga Falls,OH)から入手可能である。
ソルビン酸カリウム塩は、Sigma Aldrich(St.Louis,MO)から入手可能である。
PREVENTOL(登録商標)ON Extra、オルトフェニルフェナートナトリウム(71.7%)は、LANXESS Corporation(Pittsburgh,PA)から入手可能である。
メチルパラベンは、Clariant Corporation(Charlotte,NC)から入手可能である。
プロピルパラベンは、Clariant Corporation(Charlotte,NC)から入手可能である。
NAXOLATE(登録商標)AS−LG−85、ラウリル硫酸ナトリウムは、Nease Corporation(Blue Ash,OH)から入手可能である。
ナトリウムラウリルエーテルサルフェートは、Stepan Company(Northfield,IL)から入手可能である。
ARLASILK(商標)CDM、ナトリウムココPG−ジモニウムクロリドホスフェートは、Croda Inc.(Edison.NJ)から入手可能である。
GLUCOPON(商標)215UP、カプリリル/デシルグルコシドは、Cognis Corporation(BASF)(Cincinnati,OH)から入手可能である。
GLUCOPON(商標)420UP、カプリリル/ミリスチルグルコシド、Cognis Corporation(BASF)(Cincinnati,OH)から入手可能である。
プロピレングリコールは、Dow Chemical Company(Midland,MI)から入手可能である。DOWANOL(商標)DPM、ジプロピレングリコールメチルエーテルは、Dow Chemical Company(Midland,MI)から入手可能である。
VERSENE(商標)NA、EDTA二ナトリウムは、Dow Chemical Company(Midland,MI)から入手可能である。
精油、芳香剤は、Symrise(Teterboro,NJ)から入手可能である。
水酸化ナトリウム(20%)は、Sigma Aldrich(St.Louis,MO)から入手可能である。
基材
ワイプA:セルロース系不織布(坪量48.5g/m)、Suominen Corporation(Windsor Locks,CT)から製品コードWL 102010で入手可能。
ワイプB:70%セルロース/30%ポリプロピレン不織布(坪量40g/m)、Suominen Corporation(Windsor Locks,CT)から製品コードWL 180240で入手可能。
ワイプC:70/30ポリエステル/レーヨンスパンレース不織布(坪量45g/m)、Jacob Holm Industries(Candler,NC)から入手可能。
ワイプD:コーティングされた研磨材スパンレース不織布ワイプ(坪量55g/m)、N.R.Spuntech Industries Ltd.(Roxboro,NC)から製品コードSpunlace 13P55V40P60GDPFで入手可能。
試験方法
光透過率
透過率パーセントデータ(%T)が、PerkinElmer(登録商標)LAMBDA(商標)1050UV/Vis分光測光器(PerkinElmer(Waltham,MA)から入手可能)を使用して得られた。試料は、空気基準を用いて0.5cmのセル内で、標準のLAMBDA(商標)1050デュアルビームコンパートメントを使用して測定された。ベースラインは、石英スライド及び空気基準を使用して収集された。スペクトルは、0.25%T未満の標準偏差を用いて3倍で測定された。情報収集間隔:1nm。収集モード:吸光度(収集後、%透過に変換された)。収集範囲:350〜700ナノメートル(nm)。
光沢減少/曇り
光沢の読取値は、BYK−Gardnerによって製作されたカタログ番号4446の、BYK Gardner Micro−TRI−gloss(登録商標)光沢メーターを使用して測定された。光沢メーターは較正され、角度の幾何学的形状は20°の角度に設定された。試験表面として、厚さ0.55cmの黒いガラスパネル(長さ60.5cm×幅21.5cm)が使用された。ガラスクリーナー(WINDEX(商標)など)を用いて試験表面を十分に洗浄し、乾燥させた。初期光沢の読取値を得るために、試験表面の長さに沿った4つの場所(約14cm、21cm、26cm、及び31cm)で清浄な試験表面の光沢を測定し、読取値を平均化した(初期光沢)。試験する抗菌性ウェットワイプの3つの試験片(7インチ(in)×8in(18cm×20cm))を切り取り、四つ折りにした(3.5in×4in(8.9cm×10cm))。次いで、ワイプ試験試料を、ワイプの長さ方向(4in(10cm))が移動する(拭う)方向と直角になるように試験装置(可撓性のガラス裏材に取り付けた幅17cmのクリップボード)に取り付けた。試験試料の上に500グラムの荷重をかけた。次いで、ワイプ試料を、清浄な試験表面上を23cm/5秒間(sec)の速度で1回通過させ、23℃及び50%の相対湿度(RH)で、表面を乾燥させた。次いで、拭った表面の光沢読取値を、試験表面対照の初期光沢の読取値を得るために使用された同一の4つの場所のそれぞれで測定し、記録し、読取値を平均化した(最終光沢)。3つのワイプ試料のそれぞれを用いた試験の前に、初期光沢読取値が測定された。拭った表面に対するパーセント光沢減少(36個の読取値の平均値)対試験表面対照に対するパーセント光沢減少(12個の読取値の平均値)が計算された。
%光沢減少=100×[(平均初期光沢−平均最終光沢)/平均初期光沢]
抗菌活性
抗菌性組成物(形成された組成物か又は充填済みのワイプから絞り出した液体かのいずれか)の有効性を判定するために、インビトロで、ASTM E2315−03(「タイム・キル手順を使用する抗菌作用の評価のための標準ガイド」)に基づくタイム・キル・アッセイが使用された。いくつかの異なる微生物に向けて組成物の作用を試験した。微生物を、好適な寒天培地(トリプティックソイ寒天培地)上で増殖し、接種材料を、細胞密度が約1.0×10CFU/mLの5%ウシ血清アルブミン(BSA)を添加したButterfieldのリン酸緩衝液内に調製した。それぞれの試験試料(試料サイズは3mL)を、30μLの接種材料と組み合せ、かつ良好な混合を得るためにボルテックスミキサーを使用した。時間点(30秒間)を決定した後、抗菌作用を停止するために試料を中和した。Dey−Engleyブロスを中和溶液として使用した。中和した試料を、更に遂次的に希釈し、かつ3Mの好気性のPETRIFILM(商標)上にプレーティングした。インキュベーションの後、表示された生存している微生物の数をCFU(コロニー形成単位)で計数した。抗菌作用が検出限界より低い場合、中和した試料の全量をプレーティングするか、又は中和した試料をセルロース膜を通して濾過した。インキュベーションに続いて、プレート又は膜を微生物の増殖について評価した。試験対照は、Butterfieldのリン酸緩衝液を接種材料と組み合わせることによって調製され、データが、試験試料と同一の様式で得られた。
消毒活性、殺ウイルス活性、及び殺菌活性
いくつかの実施例を広範な消毒活性、殺ウイルス活性、及び殺菌剤消毒活性について10分間の露出時間で試験した。消毒剤及び殺ウイルス剤試験を、EPAガイドライン:OCSPP 810.2200に従って実施した。殺菌剤試験を、EPAガイドライン:OCSPP 810.2300に従って実施した。試験した抗菌性組成物に対しては、ワイプ基材を抗菌性組成物で飽和した。次いで、試験にウシ胎児血清を5%充填した有機土壌を使用して、いくつかの異なる微生物に向けて充填済みのワイプの作用を試験した。
抗菌性組成物の調製
典型的な手順では、水性抗菌性組成物を、有機酸及び/又は有機酸塩を周囲温度でガラスビーカー内で、撹拌棒を使用して撹拌して、脱イオン水で完全に溶解することによって調製した。次いで、界面活性剤を追加し、完全に溶解するまで撹拌を継続した。次いで、保存剤(必要な場合)を追加した。次いで、この混合物に抗菌脂質、共界面活性剤、及び芳香剤(含まれる場合)を追加し、完全に透明な組成物が得られるまで混合を継続した。次いで、必要に応じて、結果として得られた透明な組成物を、20%水酸化ナトリウム溶液を用いて所望のpHに調整した。
(実施例1〜12)
実施例1〜12については、表1及び表2に示す抗菌性組成物を、上記のように調製した。実施例1〜8を抗菌活性について上記の方法により試験した。結果を表1に示す。実施例9〜12を透過率パーセントについて上記の方法により試験した。結果を表2に示す。
Figure 0006302489
Figure 0006302489
(実施例13〜26)
実施例13〜26については、表3に示す抗菌性組成物を、上記のように調製した。抗菌性ワイプを、それぞれの処方を用いて、300重量%〜600重量%の抗菌性組成物(基材の乾燥重量を基準として)を不織基材(ワイプB)に含浸することによって調製し、これにより、基材を抗菌性組成物で飽和した。次いで、室温で1〜3日間置いた後、ワイプから液体を絞り出した。絞り出した液体の抗菌活性を、上記の方法を使用して30秒間の露出時間で試験した。結果を表3に示す。
抗菌性ワイプを、実施例13〜22の処方に対して300重量%〜600重量%のそれぞれの抗菌性組成物(基材の乾燥重量を基準として)を不織基材(ワイプC)に含浸することによっても調製し、これにより、基材を抗菌性組成物で飽和した。次いで、室温で1〜3日間置いた後、ワイプから液体を絞り出した。次いで、ワイプを、上記のように光沢減少を試験するために使用した。結果を表3に示す。
Figure 0006302489
実施例22の処方を、広範な消毒活性及び殺ウイルス活性についても、上記のように10分間の露出時間で試験した。不織基材(ワイプC:70%ポリエステル/30%レーヨン)は、300重量%〜600重量%の抗菌性組成物(基材の乾燥重量を基準として)を含み、これにより基材は抗菌性組成物で飽和された。次いで、室温で1〜3日間置いた後、ワイプから液体を絞り出した。絞り出した液体を、消毒活性及び殺ウイルス活性について上記の方法を使用して10分間の露出時間で試験した。結果を表4及び表5に示す。
Figure 0006302489
Figure 0006302489
(実施例27及び実施例28)
実施例27及び実施例28については、表6に示す抗菌性組成物を、上記のように調製した。抗菌性ワイプを、それぞれの処方を用いて、300重量%〜600重量%の抗菌性組成物(基材の乾燥重量を基準として)を不織基材(ワイプA、ワイプB、及びワイプD)に含浸することによって調製し、これにより、基材を抗菌性組成物で飽和した。次いで、室温で1〜3日間置いた後、ワイプから液体を絞り出した。絞り出した液体を、消毒活性、殺ウイルス活性、及び殺菌活性について上記の方法を使用して試験した。結果を表7に示す。
Figure 0006302489
Figure 0006302489

注記:>99.9%は、log10減少>3を意味する。
本明細書に引用される特許、特許文献、及び刊行物の完全な開示内容は、あたかもそれぞれが個々に組み込まれたのと同様に、それら全体が参照により組み込まれる。本開示の範囲及び趣旨を逸脱することなく本開示に対する様々な改変及び変更が可能であることは当業者には明らかであろう。本開示は、本明細書に記載される説明的実施形態及び実施例によって不要に限定されることを意図せず、更にかかる実施例及び実施形態はあくまで一例として示されるのみであって、本開示の範囲は以下の特許請求の範囲によってのみ限定されることが意図されることを理解するべきである。

Claims (6)

  1. 抗菌性組成物であって、
    前記組成物の総重量を基準として、0.1重量%〜0.55重量%の抗菌脂質(前記抗菌脂質は、多価アルコールの(C8〜C12)飽和脂肪酸エステル、多価アルコールの(C12〜C22)不飽和脂肪酸エステル、多価アルコールの(C8〜C12)飽和脂肪族エーテル、多価アルコールの(C12〜C22)不飽和脂肪族エーテル、これらのアルコキシル化誘導体、又はこれらの組み合わせを含み、前記アルコキシル化誘導体が、多価アルコール、(C5〜C12)1,2−飽和アルカンジオール、及び(C12〜C18)1,2−不飽和アルカンジオールの1モルにつき5モル未満のアルコキシドを有する、但し、スクロース以外の多価アルコールについて、前記エステルは、少なくとも80重量%のモノエステルを含み、前記エーテルは少なくとも80重量%のモノエーテルを含み、スクロースについては、前記エステルは、少なくとも80重量%のモノエステル、ジエステル、又はこれらの組み合わせを含む)と、
    前記組成物の前記総重量を基準として0.1重量%〜2.0重量%の陰イオン性及び/又は双極性界面活性剤と、
    前記組成物の前記総重量を基準として0.03重量%〜2.0重量%の可溶性有機酸及び/又は可溶性有機酸塩を含む賦活剤と、
    前記組成物の前記総重量を基準として少なくとも85重量%の水と、を含み、
    抗菌脂質の全濃度に対する前記賦活剤の全濃度は、重量基準で10:1〜0.025:1の割合であり、
    抗菌脂質の全濃度に対する前記界面活性剤の全濃度の割合は、0.5:1より大きく、4:1以下であり、
    前記組成物のpHは、3〜6であり、かつ最高のpKaを呈する1官能性有機酸よりも1ユニット大きいpKa以下であり、又は存在する多官能性有機酸について5未満の最高のpKa値より1ユニット大きいpKa以下であり、
    前記組成物は、物理的に安定な使用準備済の形態であり
    前記抗菌脂質が、23℃でそのままの形態であるとき液体であり、
    前記組成物が、光透過率試験によって測定したとき、0.5cmの光路長で550nmにおいて少なくとも85%の光透過率を有する、抗菌性組成物。
  2. 前記抗菌脂質が、多価アルコールのモノエステル、多価アルコールのモノエーテル、又はこれらのアルコキシル化誘導体、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記可溶性有機酸が、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸、(C1〜C4)アルキルカルボン酸、(C6〜C12)アリールカルボン酸、(C6〜C12)アラルキルカルボン酸、(C6〜C12)アルカリールカルボン酸、又はこれらの組み合わせである、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記界面活性剤が、スルホネート、サルフェート、ホスホネート、ホスフェート、スルタイン、又はこれらの混合物を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 基材、及び基材中に含浸した請求項1〜4のいずれか一項に組成物を含み、前記組成物が、前記組成物の総重量を基準として、0.1重量%〜0.55重量%の抗菌脂質(前記抗菌脂質は、多価アルコールの(C8〜C12)飽和脂肪酸エステル、多価アルコールの(C12〜C22)不飽和脂肪酸エステル、多価アルコールの(C8〜C12)飽和脂肪族エーテル、多価アルコールの(C12〜C22)不飽和脂肪族エーテル、これらのアルコキシル化誘導体、又はこれらの組み合わせを含み、前記アルコキシル化誘導体が、多価アルコール、(C5〜C12)1,2−飽和アルカンジオール、及び(C12〜C18)1,2−不飽和アルカンジオールの1モルにつき5モル未満のアルコキシドを有する、但し、スクロース以外の多価アルコールについて、前記エステルは、少なくとも80重量%のモノエステルを含み、前記エーテルは少なくとも80重量%のモノエーテルを含み、スクロースについては、前記エステルは、少なくとも80重量%のモノエステル、ジエステル、又はこれらの組み合わせを含む)と、
    前記組成物の総重量を基準として、0.1重量%〜2.0重量%の陰イオン性及び/又は双極性界面活性剤と、
    前記組成物の総重量を基準として、0.03重量%〜2.0重量%の、可溶性有機酸及び可溶性有機酸塩を含む賦活剤と、
    前記組成物の総重量を基準として、少なくとも85重量%の水と、を含み、
    抗菌脂質の全濃度に対する前記賦活剤の全濃度は、重量基準で10:1〜0.025:1の割合であり、
    抗菌脂質の全濃度に対する前記界面活性剤の全濃度の割合は、0.5:1より大きく、4:1以下であり、
    前記組成物のpHは、3〜6であり、かつ最高のpKaを呈する1官能性有機酸よりも1ユニット大きいpKa以下であり、又は存在する多官能性有機酸について5未満の最高のpKa値より1ユニット大きいpKa以下であり、
    前記組成物は、物理的に安定な使用準備済の形態であり、
    前記抗菌脂質が、23℃でそのままの形態であるとき液体であり、
    前記組成物が、光透過率試験によって測定したとき、0.5cmの光路長で550nmにおいて少なくとも85%の光透過率を有する、抗菌性組成物である、ウェットワイプ。
  6. 光沢減少/曇り試験によって試験したとき、清浄な試験表面と比較して、拭った後に10%未満のパーセント光沢減少を呈する、請求項5に記載のウェットワイプ。
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