JP6301708B2 - ブラシ付きモータ - Google Patents

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Description

本発明は、ブラシ付きモータに関するものである。
従来、ブラシ付きモータにおいて、回転時に整流子がブラシから受ける力によって異音が発生し、その異音が騒音や振動等の一因となっている。特に、ブラシ付きモータを高い静粛性が要求される車載モータに用いる場合、その騒音等が懸念材料の一つとなっている。
そこで、整流子の外周面に設けた複数のセグメント(整流子片)の周方向幅を不等にして隣接するセグメント間に形成したアンダーカット(溝)の位置を等間隔としない整流子が提案されている(例えば、特許文献1)。
特許第3994010号公報
ところで、上記特許文献1のモータにおいては、正極ブラシと負極ブラシが相対向して配置されたモータであって、モータの1回転当たりの正極及び負極ブラシが隣り合うセグメントを同時に跨ぐ回数は多かった。従って、1回転当たりの正極及び負極ブラシが隣り合うセグメントを同時に跨ぐ回数が多い分だけモータ特性の低下、巻線に供給される電流値の変動幅が大きく、回転トルクの変動、振動及び異音が大きかった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、不等角度間隔に形成されたセグメントのアンダーカットとブラシとの位置関係で発生する異音の異音レベルを抑えることができるブラシ付きモータを提供することにある。
上記課題を解決するブラシ付きモータは、複数のセグメントをそれぞれ絶縁分離するアンダーカットの形成位置が回転軸の中心軸を中心に不等角度間隔に形成された整流子を電機子とともに前記回転軸に固着したブラシ付きモータであって、前記電機子の外側に磁極の向きが異なる永久磁石が等間隔に配置されるとともに、異なるセグメント間を配線する均圧線により前記整流子の外周に、互いに相対向しない位置に正極ブラシと負極ブラシが配置され、等間隔に配置された前記永久磁石の数をPz(但し、4以上の偶数)とし、前記セグメントの数をNとしたとき、N=Pz(K−0.5)(但し、Kは、定数であって、2以上の自然数)の関係が成立し、しかも、各セグメント間に形成されるアンダーカットのアンダーカット間隔を基準角度θzとし、その基準角度θzが、θz=(360度/Pz)±(360度/2N)の関係式で規定されるとき、その規定された前記基準角度θzとは異なる少なくとも1組のアンダーカットのアンダーカット間隔を有した。
この構成によれば、正極及び負極ブラシが同時に隣り合うセグメントを跨ぐことはないことから、巻線に供給される電流値の変動幅を小さくできる。その結果、モータは、加振力を分散でき、振動、異音を低減できる。
上記構成において、前記正極ブラシと前記負極ブラシがなすブラシ配置角をθbとしたとき、θb=360度/(Pz×K) (但し、Kは定数であって自然数)で規定される前記ブラシ配置角θbに、前記正極ブラシと前記負極ブラシが配置されていない場合、前記ブラシ配置角θbからのずれ角をθy(但し、θy<360度/2Pz)とし、その時の前記基準角度θzが、θz=(360度/Pz)±(360/2N)±θyの関係式で規定されるとき、その規定された前記基準角度θzとは異なる少なくとも1組のアンダーカットのアンダーカット間隔を有したことが好ましい。
上記構成によれば、正極及び負極ブラシが同時に隣り合うセグメントを跨ぐことはなことから、巻線に供給される電流値の変動幅を小さくできる。その結果、モータは、加振力を分散でき、振動、異音を低減できる。
上記課題を解決するブラシ付きモータは、複数のセグメントをそれぞれ絶縁分離するアンダーカットの形成位置が回転軸の中心軸を中心に不等角度間隔に形成された整流子を電機子とともに前記回転軸に固着したブラシ付きモータであって、前記電機子の外側に磁極の向きが異なる永久磁石が等間隔に配置されるとともに、異なるセグメント間を配線する均圧線により前記整流子の外周に、互いに相対向しない位置に正極ブラシと負極ブラシが配置され、等間隔に配置された前記永久磁石の数をPz(但し、4以上の偶数)とし、前記セグメントの数をNとしたとき、N=Pz×K(但し、Kは、定数であって、2以上の自然数)の関係が成立し、しかも、各セグメント間に形成されるアンダーカットのアンダーカット間隔を基準角度θzとし、その基準角度θzが、基準角度θz=360度/Pzの関係式で規定されるとき、その規定された前記基準角度θzとは異なる少なくとも1組のアンダーカットのアンダーカット間隔を有した。
この構成によれば、1回転当たりの正極及び負極ブラシが同時に隣り合うセグメントを跨ぐ回数を少なくできることから、巻線に供給される電流値の変動幅を小さくできる。その結果、モータは、加振力を分散でき、振動、異音を低減できる。
上記構成において、前記正極ブラシと前記負極ブラシがなすブラシ配置角をθbとしたとき、θb=360度/(Pz×K) (但し、Kは定数であって自然数)で規定される前記ブラシ配置角θbに、前記正極ブラシと前記負極ブラシが配置されていない場合、前記ブラシ配置角θbからのずれ角をθy(但し、θy<360度/2P)とし、その時の前記基準角度θzが、θz=(360/Pz)±θyの関係式で規定されるとき、その規定された前記基準角度θzとは異なる少なくとも1組のアンダーカットのアンダーカット間隔を有したことが好ましい。
上記構成によれば、1回転当たりの正極及び負極ブラシが同時に隣り合うセグメントを跨ぐ回数を少なくできることから、巻線に供給される電流値の変動幅を小さくできる。その結果、モータは、加振力を分散でき、振動、異音を低減できる。
本発明によれば、不等角度間隔に形成されたセグメントのアンダーカットとブラシとの位置関係で発生する異音の異音レベルを抑えることができる。
第1実施形態の4極10セグメントブラシ付きモータの断面図。 同じく、各セグメントを軸線方向から見た正面図。 同じく、巻線の巻線方法を示す展開図。 等ピッチの4極10セグメントブラシ付きモータの各セグメントを軸線方向から見た正面図。 等ピッチの4極10セグメントブラシ付きモータの巻線方法を示す展開図。 (a)は実施形態の4極10セグメントブラシ付きモータの加振力の各n次周波数成分に対する加振力のグラフ、(b)は等ピッチの4極10セグメントブラシ付きモータの各n次周波数成分に対する加振力のグラフ。 第2実施形態の4極12セグメントブラシ付きモータの各セグメントを軸線方向から見た正面図。 同じく、巻線の巻線方法を示す展開図。 等ピッチの4極12セグメントブラシ付きモータの各セグメントを軸線方向から見た正面図。 等ピッチの4極12セグメントブラシ付きモータの巻線方法を示す展開図。 第3実施形態の4極10セグメントブラシ付きモータの各セグメントを軸線方向から見た正面図。 同じく、(a)は不等角度間隔に形成されたアンダーカットを示す軸線方向から見た正面図、(b)は不等角度間隔に配置されたアンダーカットにおける各基準線に対するずれ角度を示すグラフ。 従来の等角度間隔に形成されたアンダーカットを示す軸線方向から見た正面図。 実施形態の指標値に対する無負荷回転数を示すグラフ。 同じく、指標値に対する無負荷電流を示すグラフ。 不等角度間隔に配置されたアンダーカットの極端な例を説明する各アンダーカットのずれ角度を示すグラフ。 ブラシ付きモータの別例であってスロットの数が磁極の数で割り切れるモータのセグメントとブラシの配置を示す軸線方向からみた正面図。 ブラシ付きモータの別例であって極対数が3のモータの各内周面領域でのアンダーカットにおける各基準線に対するずれ角度を示すグラフ。 ブラシ付きモータの別例であって各セグメントを軸線方向から見た正面図。
(第1実施形態)
以下、ブラシ付きモータを具体化した第1実施形態を図1〜図6に従って説明する。
図1に示すようにブラシ付きモータ1は、モータハウジング2を有している。モータハウジング2は、円筒状のヨークハウジング3と、ヨークハウジング3のリア側開口部を閉塞するエンドカバー4と、ヨークハウジング3のフロント側開口部を閉塞する絶縁材よりなるフロントカバー5を有している。
ヨークハウジング3の内周面3aには、複数(本実施形態では4個)の永久磁石6が、周方向に配置固定されている。4個の永久磁石6は、径方向内側がN極、径方向外側がS極に磁化された2個の永久磁石6と、径方向内側がS極、径方向外側がN極に磁化された2個の永久磁石6とが周方向に交互に配置されている。すなわち、磁極の向きが径方向で異なる永久磁石6が、ヨークハウジング3の内周面3aに等間隔に交互に配置されている。これによって、本実施形態のブラシ付きモータ1は、極数Pzが4(極対数Pは2)のモータとなる。
モータハウジング2内には、電機子7が設けられている。電機子7は、ヨークハウジング3の中心軸線上に配置された回転軸8と、その回転軸8に固着された電機子コア9と、その電機子コア9に巻回された巻線10と、電機子コア9に隣接して回転軸8に固定された整流子11を備えている。
回転軸8は、エンドカバー4の中央位置とフロントカバー5の中央位置に設けた軸受12,13を介してモータハウジング2に対して回転可能に支持されている。回転軸8は、その先端がフロントカバー5から突出し、出力軸として図示しない被駆動機構に回転力を付与する。
電機子コア9は、回転軸8に固着され、同回転軸8の中心軸線Oを中心に径方向外側に放射状に延びる複数(本実施形態では10個)のティース9aを有している。10個のティース9aは、周方向に所定の等ピッチに形成されていて、各ティース9aの径方向先端面は、ヨークハウジング3の内周面3aに配置された永久磁石6と相対向する。従って、電機子コア9は、ティース9aの数が10であることから、ティース9aとティース9aの間に形成されるスロットの数は10となる。そして、各ティース9aには、巻線10が巻回されている。
図1及び図2に示すように、整流子11は、電機子コア9に隣接し、フロントカバー5内に位置する回転軸8に固着されていて、同電機子コア9とともに回転軸8と一体回転する。整流子11は、その外周面に複数のセグメントSGが設けられている。そして、本実施形態のセグメントSGのセグメント数Nは、ティース9aの数(スロットの数)に対応して10個としている。従って、本実施形態のブラシ付きモータ1は、4極10セグメントのブラシ付きモータである。ここで、10個のセグメントSGについて、個々に区別して説明するときには説明の便宜上、図2において時計回り方向に順番に第1〜第10セグメントSG1〜SG10という。
なお、図2においての時計回り方向をモータ1の正回転方向という。従って、反時計回り方向をモータ1の逆回転方向をいう。
図1に示すように、各セグメントSG(SG1〜SG10)の軸線方向の電機子コア9側端部には、径方向外側に折り返し形成されたライザ11bがそれぞれ一体形成されている。各セグメントSGのライザ11bには、ティース9aに巻回した巻線10が掛け止めされている。そして、巻線10は、その掛け止めされた部分がヒュージングにてライザ11bに固定されることで、そのライザ11bを有するセグメントSGと電気的に接続されている。
図3は、各セグメントSG1〜SG10と10個のティース9aの間での巻線10の結線を示す展開図である。巻線10は、互いに隣り同士のティース9aをまとめて巻回しその始端を一方のセグメントSGに、終端を他方のセグメントSGに電気的に接続していく重ね巻きにて巻回されている。
また、図3に示すように、ブラシの数を正極及び負極ブラシB1,B2の2つに削減するため、5個の第1〜第5均圧線WL1〜WL5を一対のセグメントSG間に配線している。詳述すると、第1均圧線WL1は、第1セグメントSG1と第6セグメントSG6の間に配線されている。また、第2均圧線WL2は、第2セグメントSG2と第7セグメントSG7の間に配線されている。また、第3均圧線WL3は、第3セグメントSG3と第8セグメントSG8の間に配線されている。また、第4均圧線WL4は、第4セグメントSG4と第9セグメントSG9の間に配線されている。また、第5均圧線WL5は、第5セグメントSG5と第10セグメントSG10の間に配線されている。
そして、図2に示すように、第1〜第10セグメントSG1〜SG10は、正極及び負極ブラシB1,B2の2つが径方向外側から摺接可能に圧接されている。正極及び負極ブラシB1,B2は、互いに相対向しないように周方向に90度のピッチ(ブラシ配置角θb)で離間した位置に配置されている。
詳述すると、図1に示すように、フロントカバー5に内側面には、ベースプレート15が整流子11を囲むように延出形成されている。ベースプレート15には、正極及び負極ブラシB1,B2をそれぞれ収容する2個(図1には1個のみ図示)のブラシボックス16が回転軸8の中心軸線Oに向かってそれぞれ延出形成されている。
2個のブラシボックス16は、その周方向中心位置が回転軸8の中心軸線Oを中心に周方向に90度互いに離間するように形成されている。2個のブラシボックス16は、径方向内側が開口し、回転軸8側から見たその開口部の形状は四角形状になっている。そして、一方のブラシボックス16内には、正極ブラシB1が挿入されている。他方のブラシボックス16内には、負極ブラシB2が挿入されている。
従って、図2に示すように、正極ブラシB1と負極ブラシB2は、2個のブラシボックス16が中心軸線Oを中心に周方向に90度互いに離間されて形成されていることから、回転軸8の中心軸線Oを中心に周方向に90度互いに離間する。つまり、正極及び負極ブラシB1,B2の摺接面の周方向中心位置が回転軸8の中心軸線Oを中心に周方向に90度互いに離間、即ち、ブラシ配置角θb(=360/(Pz×K))は90度である。なお、Pzは極数、Kは、自然数であってこの場合は1である。
また、両ブラシボックス16には、それぞれの正極及び負極ブラシB1,B2を径方向内側に弾性力を付勢する圧縮コイルばね19が挿入される。
その結果、正極及び負極ブラシB1,B2は、それぞれがブラシボックス16に沿って案内されながら径方向内側に移動可能となり、それぞれのブラシボックス16の径方向内側の開口部から突出して整流子11の各セグメントSGに対して摺接可能に圧接する。
これによって、これら正極ブラシB1と負極ブラシB2と摺接するセグメントSGを介して正極ブラシB1と負極ブラシB2から電機子コア9に巻回した巻線10に電流が供給され、ブラシ付きモータ1は正逆回転する。
なお、図2に示すように、第1〜第10セグメントSG1〜SG10は、回転軸8に固着された円筒状の絶縁部材11aの外周面に固着にされ、隣接するセグメントSG間は、アンダーカット(溝)Cにて絶縁されている。これら10個のアンダーカットCは、全ての周方向の間隔(アンダーカット幅G)が同じに形成している。ここで、10個のアンダーカットCについて、個々に区別して説明するときには説明の便宜上、正回転方向に順番に第1〜第10アンダーカットC1〜C10という。
第1〜第10セグメントSG1〜SG10の形成方法は、円筒状の導電金属基材(図示せず)を軸方向に沿ってカットして形成されている。詳述すると、円筒状の導電金属基材を回転軸8に固着した絶縁部材11aの外周面に外嵌固着する。そして、絶縁部材11aの外周面に固着した円筒状の導電金属基材を周方向に予め定めた10箇所から軸方向に沿ってカットし互いに絶縁分離させて、第1〜第10セグメントSG1〜SG10を形成している。そして、軸線方向にカットした部分が第1〜第10アンダーカットC1〜C10となる。
ここで、第1〜第10アンダーカットC1〜C10の位置は、回転軸8の中心軸線Oを中心として周方向に等角度間隔(等ピッチ)になるように形成していない。つまり、第1〜第10アンダーカットC1〜C10の位置は、周方向に予め定めた不等角度間隔(不等ピッチ)になるように形成されている。
(アンダーカットCの形成位置)
次に、整流子11の10個のセグメントSG(SG1〜SG10)を形成するにあたっての第1〜第10アンダーカットC1〜C10の形成位置について説明する。
まず、図4は、従来の4極10セグメントモータの第1〜第10アンダーカットC1〜C10の形成位置を示し、回転軸8の中心軸線Oを中心として周方向に等ピッチ(=36度)で形成されている場合を示す。この時、回転軸8の中心軸線Oから各アンダーカットC1〜C10の周方向中心位置を通過する直線を正回転方向に順番に第1〜第10基準線L1〜L10とする。
ちなみに、図5は、図4に示す従来の4極10セグメントブラシ付きモータの巻線10の結線を示す展開図であって、本実施形態と同様に、巻線10は重ね巻きにて巻回されている。
本実施形態のブラシ付きモータ1は、図4に示す従来の4極10セグメントブラシ付きモータと同じで極数Pzが4、セグメント数Nが10であって、以下の関係式が成立するモータに属するモータである。
N=Pz(K−0.5)
ここで、極数Pzは、4以上の偶数である。また、Kは、定数であって2以上の自然数である。
この関係式が成立するブラシ付きモータは、スロットの数(ティースの数)が極数Pzで割り切れないモータである。そして、本実施形態のブラシ付きモータ1は、定数Kが3の時、上記関係式が成立するモータである。
ここで、N=Pz(K−0.5)が成立し、かつ、各アンダーカットの位置が等ピッチに形成されているブラシ付きモータの場合、1つのアンダーカットCを基準として、以下に定義する基準角度θzの位置に他のアンダーカットCの周方向中心位置が存在する。
θz=(360度/Pz)±(360度/2N)
ここで、極数Pzが4、セグメント数Nが10の場合、基準角度θz=(360度/4)±(360度/20)=90度±18度となり、基準角度θzは、108度と72度の2つを得る。この2つ基準角度θzは、1つのアンダーカットからみて、この108度の位置と72度の位置に他のアンダーカットがそれぞれ存在することを意味する。
2つの基準角度θzのうち、一方の基準角度θzである72度を第1基準アンダーカット間隔θz1といい、他方の基準角度θzである108度を第2基準アンダーカット間隔θz2という。
つまり、図4に示す4極10セグメントのモータの時、例えば第1アンダーカットC1を基準とした場合、第1基準アンダーカット間隔θz1離間した位置に第3アンダーカットC3が、第2基準アンダーカット間隔θz2離間した位置に第4アンダーカットC4が存在する。
ところで、本実施形態の第1〜第10アンダーカットC1〜C10の位置は、図2に示すように、不等ピッチになるように形成されている。
つまり、本実施形態では、基準角度θz(=(360度/Pz)±(360度/2N))で規定した第1及び第2基準アンダーカット間隔θz1,θz2とは異なるアンダーカット間隔θx1,θx2が少なくとも1組設定されている。
図2において、第1アンダーカットC1を基準とする第1基準アンダーカット間隔θz1(=72度)に対してアンダーカット間隔θx1を70度とするとともに、第2基準アンダーカット間隔θz2(=108度)に対してアンダーカット間隔θx2を110度としている。
その結果、図2における第3アンダーカットC3は、その第3基準線L3aが図4に示す第3アンダーカットC3の第3基準線L3に対して反時計回り方向に2度ずれた位置にくるように形成される。また、図2における第4アンダーカットC4は、その第4基準線L4aが図4に示す第4アンダーカットC4の第4基準線L4に対して時計回り方向に2度ずれた位置にくるように形成される。
これによって、図2に示す第3アンダーカットC3と第4アンダーカットC4間のピッチが36度(等ピッチ)と異なり40度の不等ピッチとなる。そして、40度の不等ピッチを形成したことで、4度分を他の各ピッチで補償するために、第2アンダーカットC2と第4アンダーカットC4間のピッチ、及び、第4アンダーカットC4と第5アンダーカットC5間のピッチを34度の不等ピッチにしている。
従って、34度の不等ピッチに対応する位置に設けられる第2及び第4セグメントSG2,SG4の周方向の幅は、36度の等ピッチに対応する位置に設けられたセグメントSGの周方向の幅に対して、短く形成される。一方、40度の不等ピッチに対応する位置に設けられる第3セグメントSG3の周方向の幅は、36度の等ピッチに対応する位置に設けられたセグメントSGの周方向の幅に対して、長く形成される。
また、本実施形態では、図2に示す第8アンダーカットC8も、その第8基準線L8aが図4に示す第8アンダーカットC8の第8基準線L8に対して反時計回り方向に2度ずれた位置にくるように形成されている。さらに、図2に示す第9アンダーカットC9も、その第9基準線L9aが図4に示す第9アンダーカットC9の第9基準線L9に対して時計回り方向に2度ずれた位置にくるように形成されている。
これによって、図2に示す第8アンダーカットC8と第9アンダーカットC9間のピッチが36度(等ピッチ)と異なり40度の不等ピッチとなる。同様に、40度の不等ピッチを形成したことで、4度分を他の各ピッチで補償するために、第7アンダーカットC7と第8アンダーカットC8間のピッチ、及び、第9アンダーカットC9と第10アンダーカットC10間のピッチを34度の不等ピッチにしている。
従って、34度の不等ピッチに対応する位置に設けられる第7及び第9セグメントSG7,SG9の周方向の幅は、36度の等ピッチに対応する位置に設けられたセグメントSGの周方向の幅に対して、短く形成される。一方、40度の不等ピッチに対応する位置に設けられる第8セグメントSG8の周方向の幅は、36度の等ピッチに対応する位置に設けられたセグメントSGの周方向の幅に対して、長く形成される。
このように、本実施形態では、第1〜第5アンダーカットC1〜C5の右半分に、2つの34度の不等ピッチと、1つの40度の不等ピッチを1組としたこれら不等ピッチに対応して周方向の幅が異なるセグメントSGをそれぞれ形成している。さらに、第6〜第10アンダーカットC6〜C10の左半分にも、2つの34度の不等ピッチと、1つの40度の不等ピッチを1組としたこれら不等ピッチに対応して周方向の幅が異なるセグメントSGをそれぞれ形成している。
なお、本実施形態では、40度の不等ピッチを形成したことで、4度分を他の各ピッチで補償するために、2つの34度の不等ピッチで補償したが、例えば、1つの32度の不等ピッチで補償してもよい。この場合も、第1〜第5アンダーカットC1〜C5の右半分に、1つの32度の不等ピッチに対応した1つのセグメントSGと、1つの40度の不等ピッチに対応した1つセグメントSGを形成してもよい。
また、本実施形態では、第1及び第2基準アンダーカット間隔θz1,θz2(基準角度θz)とは異なるアンダーカット間隔θx1,θx2を、70度と110度とした。すなわち、第3基準線L3に対して反時計回り方向に2度ずらした第3基準線L3aの位置に第3アンダーカットC3を形成するとともに、第4基準線L4に対して時計回り方向に2度ずらした第4基準線L4aの位置に第4アンダーカットC4を形成した。
しかし、この異なるアンダーカット間隔θx1,θx2は、70度と110度に限定されるものではない。つまり、上記の場合、第3基準線L3に対して反時計回り方向にずらす角度、及び、第4基準線L4に対して時計回り方向にずらす角度はそれぞれ2度に限定されない。
但し、ずらす角度が大き過ぎて、第3基準線L3aが第2基準線L2に近づくことによって、第2セグメントSG2(第4セグメントSG4も同様)の周方向の幅が予め定めた値より小さくならないように限定されている。
これは、第2セグメントSG2を挟んで第1及び第3セグメントSG1,SG3の3つのセグメント(第4セグメントSG4も同様)が正極ブラシB1または負極ブラシB2が同時に接触しないことである。そこで、3つのセグメントが同時に正極ブラシB1または負極ブラシB2に接触しない第2セグメントSG2(第4セグメントSG4も同様)の周方向の幅となるずらし角度の範囲内となるように限定している。
次に、上記のように構成したブラシ付きモータ1の作用について説明する。
ブラシ付きモータ1は、正極ブラシB1と負極ブラシB2とがなすブラシ配置角θbが90度であることから、正極及び負極ブラシB1,B2が同時に隣り合うセグメントSGを跨ぐことはない。つまり、正極ブラシB1が隣りのセグメントSGに跨いで接触する接触タイミング及び離間する離間タイミングは、負極ブラシB2が隣りのセグメントSGに跨いで接触する接触タイミング及び離間する離間タイミングと異なる。
これによって、同時に跨ぐ場合に比べ巻線10に供給される電流値の変動幅を小さくできことから、ブラシ付きモータ1の加振力を分散でき、振動、異音を低減できる。
しかも、第1〜第12セグメントSG1〜SG12において、4極10セグメントのブラシ付きモータ1で定義される基準角度θz、つまり、第1及び第2基準アンダーカット間隔θz1,θz2とは異なるアンダーカット間隔θx1,θx2を、2組設定している。
つまり、第1〜第12セグメントSG1〜SG12の内、32度の不等ピッチに対応する位置に設けた第2、第4、第7及び第9セグメントSG2,SG4,SG7,SG9の周方向の幅を、36度の等ピッチに対応する位置に設けたセグメントSGの周方向の幅よりも短くした。さらに、40度の不等ピッチに対応する位置に対応する第3及び第8セグメントSG3,SG8の周方向の幅を、36度の等ピッチに対応する位置に設けたセグメントSGの周方向の幅よりも長くした。
従って、回転時に正極及び負極ブラシB1,B2から各セグメントSG1〜SG10が受ける力によって生じる異音は極大化されず平均化されて、異音レベルを低く抑制される。
ここで、図6(a)は、回転数を6500rpm以下で回転させた場合の、図2に示す不等ピッチのアンダーカットを含む4極10セグメントのブラシ付きモータ1の各加振力のn次成分に対する加振力の大きさを実験により得られたグラフである。また、図6(b)は、同じく回転数を6500rpm以下で回転させた場合の、図4に示す全て等ピッチのアンダーカットの4極10セグメントのブラシ付きモータの各加振力のn次成分に対する加振力の大きさを実験により得られたグラフである、
図6(a)及び図6(b)から明らかなように、不等ピッチのアンダーカットを含む4極10セグメントのブラシ付きモータ1の場合、全て等ピッチのアンダーカットの4極10セグメントのブラシ付きモータの場合に比べて大幅に加振力を低減することができる。
次に、上記第1実施形態の効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、4極10セグメントのブラシ付きモータ1であって、正極ブラシB1と負極ブラシB2がなすブラシ配置角θbを90度した。これによって、正極及び負極ブラシB1,B2が同時に隣り合うセグメントSGを跨ぐ場合に比べて巻線10に供給される電流値の変動幅を小さくできる。その結果、ブラシ付きモータ1は、加振力を分散できことから、振動及び異音を低減できる。
(2)上記実施形態では、第1〜第10アンダーカットC1〜C10において、4極10セグメントのブラシ付きモータ1で定義される基準角度θz、即ち、第1及び第2基準アンダーカット間隔θz1,θz2とは異なるアンダーカット間隔θx1,θx2を、2組設けた。
従って、回転時に正極及び負極ブラシB1,B2から各セグメントSG1〜SG10が受ける力によって生じる異音を極大化せず平均化して、異音レベルを低く抑制させることができる。
(3)本実施形態では、異なるセグメントSG間を配線する均圧線WL1〜WL5を用いて、正極ブラシB1と負極ブラシB2の数を、それぞれ1つにしたので、ブラシ振動による接触不良の発生率が低下し、所望の不等ピッチ接触が確実に得られる。
なお、上記第1実施形態を以下のように変更して実施してもよい。
○上記第1実施形態では、正極ブラシB1と負極ブラシB2がなすブラシ配置角θbを90度した。これを、図2に示すように、実線で示す正極ブラシB1を、2点鎖線で示すようにずらして配置してもよい。この場合、そのずれ角をθyとした時、θy<(360度/2Pz)の範囲で変更することが好ましい。
そして、ずれ角をθyだけずらすことに伴って、上記基準角度θzは、以下の関係式となる。
θz=(360度/Pz)±(360度/2N)±θb
この場合、上記関係式から得られる基準アンダーカット間隔と異なるアンダーカット間隔に位置するアンダーカットが少なくとも1組設けられることになる。この場合も巻線10に供給される電流値の変動幅を小さくできる。その結果、ブラシ付きモータ1は、加振力を分散でき、振動、異音を低減できる。
○上記第1実施形態では、4極10セグメントのブラシ付きモータ1であった。しかし、4極10セグメントのブラシ付きモータ1以外であって、N=Pz(K−0.5)が成立するブラシ付きモータに応用してもよい。ちなみに、Kは、2または4以上の自然数となる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図7〜図10に従って説明する。
上記した第1実施形態で説明したブラシ付きモータ1は、極数をPz、セグメント数をNとしたとき、N=Pz(K−0.5)という関係式が成立するモータであった。
第2実施形態のブラシ付きモータ1は、極数をPz、セグメント数をNとしたとき、以下の関係式が成立するモータである。
N=Pz×K
ここで、極数Pzは、4以上の偶数である。また、Kは、定数であって2以上の自然数である。
この関係式が成立するブラシ付きモータは、第1実施形態と相異して、スロットの数(ティースの数)が極数Pzで割り切れるモータである。
そして、第2実施形態では、説明の便宜上、極数Pzが4、定数Kが3、セグメント数Nが10の、所謂4極12セグメントのブラシ付きモータ1について説明する。なお、第2実施形態は、セグメントSGの数Nが12(ティース9aの数が12)で、その12個のセグメントSGに対して形成される12個のアンダーカットの位置が、周方向に予め定めた不等角度間隔(不等ピッチ)になる点が特徴を有する。
従って、説明の便宜上、アンダーカットの形成位置についてのみ詳細に説明する。
(アンダーカットCの形成位置)
整流子11の12個のセグメントSG(SG1〜SG12)を形成するにあたっての第1〜第12アンダーカットC1〜C12の形成位置について説明する。
まず、図9は、従来の4極12セグメントブラシ付きモータの第1〜第12アンダーカットC1〜C12の形成位置を示し、回転軸8の中心軸線Oを中心として周方向の等ピッチ(=30度)に形成されている場合を示す。この時、回転軸8の中心軸線Oから各アンダーカットC1〜C12の周方向中心位置を通過する直線を正回転方向に順番に第1〜第12基準線L1〜L12とする。
ちなみに、図10は、図9に示す従来の4極12セグメントブラシ付きモータの巻線10の結線を示す展開図であって、巻線10は重ね巻きにて巻回されている。
そして、ブラシの数を正極及び負極ブラシB1,B2の2つに削減するため、6個の第1〜第6均圧線WL1〜WL6を一対のセグメントSG間に配線している。詳述すると、第1均圧線WL1は、第12セグメントSG12と第6セグメントSG6の間に配線されている。また、第2均圧線WL2は、第1セグメントSG1と第7セグメントSG7の間に配線されている。また、第3均圧線WL3は、第2セグメントSG2と第8セグメントSG8の間に配線されている。また、第4均圧線WL4は、第3セグメントSG3と第9セグメントSG9の間に配線されている。また、第5均圧線WL5は、第4セグメントSG4と第10セグメントSG10の間に配線されている。また、第6均圧線WL6は、第5セグメントSG5と第11セグメントSG11の間に配線されている。
図7に示す第2実施形態のブラシ付きモータ1は、図9に示す等ピッチの4極12セグメントブラシ付きモータと同じで極数Pzが4、セグメント数Nが12であって、以下の関係式が成立するモータに属するモータである。
N=Pz×K
ここで、N=Pz×Kが成立し、かつ、各アンダーカットの位置が等ピッチに形成されている場合、1つのアンダーカットCを基準として、以下に定義する基準角度θzの位置に他のアンダーカットCの周方向中心位置が存在する。
θz=(360度/Pz)
ここで、極数Pzが4、セグメント数Nが12の場合、基準角度θzは、90度となる。この基準角度θz(=90度)は、1つのアンダーカットからみて、この90度の位置に他のアンダーカットが存在することを意味する。
つまり、図9に示す等ピッチの4極12セグメントブラシ付きモータの時、例えば第1アンダーカットC1を基準とした場合、基準角度θz離間した位置に第4アンダーカットC4が存在する。
一方、第2実施形態の第1〜第12アンダーカットC1〜C12の位置は、図7に示すように、不等ピッチになるように形成されている。
つまり、第2実施形態では、基準角度θz(=360度/Pz)で規定した角度とは異なるアンダーカット間隔θxを少なくとも1組設定されている。
図7において、第1アンダーカットC1を基準とする基準角度θzと異なるアンダーカット間隔θxを88度としている。
その結果、図7に示す第4アンダーカットC4は、その第4基準線L4aが図9に示す第4アンダーカットC4の第4基準線L4に対して反時計回り方向に2度ずれた位置にくるように形成される。
これによって、図7に示す第3アンダーカットC3と第4アンダーカットC4間のピッチが30度(等ピッチ)と異なり28度の不等ピッチとなる。そして、28度の不等ピッチを形成したことで、2度分を他の各ピッチで補償するために、第4アンダーカットC4と第5アンダーカットC5間のピッチを32度の不等ピッチにしている。
従って、28度の不等ピッチに対応する位置に設けられる第3セグメントSG3の周方向の幅は、30度の等ピッチに対応する位置に設けられたセグメントSGの周方向の幅に対して、短く形成される。一方、32度の不等ピッチに対応する位置に設けられる第4セグメントSG4の周方向の幅は、30度の等ピッチに対応する位置に設けられたセグメントSGの周方向の幅に対して、長く形成される。
また、本実施形態では、図7に示す第10アンダーカットC10も、その第10基準線L10aが図9に示す第10アンダーカットC10の第10基準線L10に対して反時計回り方向に2度ずれた位置にくるように形成されている。
これによって、図7に示す第9アンダーカットC9と第10アンダーカットC10間のピッチが36度(等ピッチ)と異なり28度の不等ピッチとなる。そして、28度の不等ピッチを形成したことで、2度分を他の各ピッチで補償するために、第10アンダーカットC10と第11アンダーカットC11間のピッチを32度の不等ピッチにしている。
従って、28度の不等ピッチに対応する位置に設けられる第9セグメントSG9の周方向の幅は、30度の等ピッチに対応する位置に設けられたセグメントSGの周方向の幅に対して、短く形成される。一方、32度の不等ピッチに対応する位置に設けられる第10セグメントSG10の周方向の幅は、30度の等ピッチに対応する位置に設けられたセグメントSGの周方向の幅に対して、長く形成される。
このように、本実施形態では、第1〜第6アンダーカットC1〜C6の右半分に、1つの28度の不等ピッチと、1つの32度の不等ピッチを1組としたこれら不等ピッチに対応して周方向の幅が異なるセグメントSGをそれぞれ形成している。さらに、第7〜第12アンダーカットC7〜C12の左半分にも、1つの28度の不等ピッチと、1つの32度の不等ピッチを1組としたこれら不等ピッチに対応して周方向の幅が異なるセグメントSGをそれぞれ形成している。
なお、第2実施形態では、基準角度θzとは異なるアンダーカット間隔θxを、88度とした。すなわち、第4基準線L4に対して反時計回り方向に2度ずらした第4基準線L4aの位置に第4アンダーカットC4を形成した。
しかし、基準角度θzと異なるアンダーカット間隔θxは、88度に限定されるものではない。つまり、上記の場合、第4基準線L4に対して反時計回り方向にずらす角度は2度に限定されない。
但し、ずらす角度が大き過ぎて、第4基準線L4aが第3基準線L3に近づくことによって、第3セグメントSG3の周方向の幅が予め定めた値より小さくならないように限定されている。
つまり、第3セグメントSG3を挟んで第2及び第4セグメントSG2,SG4の3つのセグメントが正極ブラシB1または負極ブラシB2が同時に接触しないことである。そこで、3つのセグメントが同時に正極ブラシB1または負極ブラシB2に接触しない第3セグメントSG3の周方向の幅となるずらし角度の範囲内となるように限定している。
ちなみに、図8に示すように、第2実施形態のブラシ付きモータ1の巻線10も重ね巻きにて巻回されている。
次に、上記のように構成したブラシ付きモータ1の作用について説明する。
ブラシ付きモータ1は、正極ブラシB1と負極ブラシB2とがなすブラシ配置角θbが90度であることから、回転軸8が30度回転する毎に正極及び負極ブラシB1,B2が同時に隣り合うセグメントSGを跨ぐことない。つまり、正極及び負極ブラシB1,B2が同時に隣り合うセグメントSGを跨ぐ場合と、跨ぐ場合が生じることから、回転軸8の1回転当たりの正極及び負極ブラシB1,B2が同時に隣り合うセグメントSGを跨ぐ回数が少ない。
これによって、同時に跨ぐ回数が多い場合に比べて巻線10に供給される電流値の変動幅を小さくできることから、ブラシ付きモータ1の加振力を分散でき、振動、異音を低減できる。
しかも、第1〜第12セグメントSG1〜SG12において、4極12セグメントのブラシ付きモータ1で定義される基準角度θz(=90度)とは異なるアンダーカット間隔θxを、2組設定している。
つまり、第1〜第12セグメントSG1〜SG12の内、28度の不等ピッチに対応する位置に設けた第3及び第9セグメントSG3,SG9の周方向の幅を、30度の等ピッチに対応する位置に設けたセグメントSGの周方向の幅よりも短くした。さらに、32度の不等ピッチに対応する位置に対応する第4及び第10セグメントSG4,SG10の周方向の幅を、30度の等ピッチに対応する位置に設けたセグメントSGの周方向の幅よりも長くした。
従って、回転時に正極及び負極ブラシB1,B2から各セグメントSG1〜SG12が受ける力によって生じる異音は極大化されず平均化されて、異音レベルを低く抑制される。
次に、上記第2実施形態の効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、4極12セグメントのブラシ付きモータ1であって、正極ブラシB1と負極ブラシB2がなすブラシ配置角θbを90度した。これによって、ブラシ付きモータ1の1回転当たりの正極及び負極ブラシB1,B2が同時に隣り合うセグメントSGを跨ぐ回数を低減できることから、巻線10に供給される電流値の変動幅を小さくできる。その結果、ブラシ付きモータ1は、加振力を分散でき、振動及び異音を低減できる。
(2)上記実施形態では、第1〜第12アンダーカットC1〜C12において、4極12セグメントのブラシ付きモータ1で定義される基準角度θzとは異なるアンダーカット間隔θxを、2組設設けた。
従って、回転時に正極及び負極ブラシB1,B2から各セグメントSG1〜SG12が受ける力によって生じる異音を極大化せず平均化して、異音レベルを低く抑制させることができる。
(3)本実施形態では、異なるセグメントSG間を配線する均圧線WL1〜WL6を用いて、正極ブラシB1と負極ブラシB2の数を、それぞれ1つにしたので、ブラシ振動による接触不良の発生率が低下し、所望の不等ピッチ接触が確実に得られる。
なお、上記第1実施形態を以下のように変更して実施してもよい。
○上記第2実施形態では、正極ブラシB1と負極ブラシB2がなすブラシ配置角θbを90度した。これを、図7に示すように、実線で示す正極ブラシB1を、2点鎖線で示すようにずらして配置してもよい。この場合、そのずれ角をθyとした時、θy<(360度/2Pz)の範囲で変更することが好ましい。
そして、ずれ角をθyだけずらすことに伴って、上記基準角度θzは、以下の関係式となる。
θz=(360度/Pz)±θb
この場合、上記関係式から得られる基準アンダーカット間隔と異なるアンダーカット間隔に位置するアンダーカットが少なくとも1組設けられることになる。この場合も巻線10に供給される電流値の変動幅を小さくできる。その結果、ブラシ付きモータ1は、加振力を分散でき、振動、異音を低減できる。
○上記第2実施形態では、4極12セグメントのブラシ付きモータ1であった。しかし、4極12セグメントのブラシ付きモータ1以外であって、N=Pz×Kが成立するブラシ付きモータに応用してもよい。ちなみに、Kは、2または4以上の自然数となる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について図11〜図16に従って説明する。
上記した第3実施形態で説明したブラシ付きモータ1は、第1実施形態で説明した4極10セグメントのブラシ付きモータと同じであって、その10個のセグメントSGに対して形成される10個のアンダーカットの形成方法が異なる点が特徴を有する。従って、説明の便宜上、アンダーカットの形成位置について説明する。
図11に示すように、第1〜第10セグメントSG1〜SG10は、回転軸8に固着された円筒状の絶縁部材11aの外周面に固着にされているとともに、正極ブラシB1と負極ブラシB2は、回転軸8の中心軸線Oを中心に周方向に90度互いに離間して配置されている。
隣接する各セグメントSG1〜SG10間は、アンダーカット(溝)Cにてそれぞれ絶縁されている。これら10個の第1〜第10アンダーカットC1〜C10は、全ての周方向の間隔(アンダーカット幅G)が同じに形成している。
ここで、第1〜第10アンダーカットC1〜C10の位置は、回転軸8の中心軸線Oを中心として周方向に等角度間隔になるように形成していない。つまり、第1〜第10アンダーカットC1〜C10の位置は、周方向に予め定めた不等角度間隔になるように形成されている。
これは、以下の2つの目的に基づいてその形成位置を設定している。第1の目的は、回転時に正極及び負極ブラシB1,B2と摺接する各セグメントSGが正極及び負極ブラシB1,B2から受ける力によって生じる異音の低減を図ることである。第2の目的は、正回転と逆回転においてアンダーカットCのピッチパターン(ブラシB1,B2を通過する通過タイミング)の相異に基づくモータ特性の変化を低減することである。そして、その形成位置ついては、後述する。
なお、アンダーカット幅Gが全て同じ幅である第1〜第10アンダーカットC1〜C10が不等角度間隔に形成されていることから、第1〜第10セグメントSG1〜SG10は、その周方向の幅(セグメント幅W)が同じならない。従って、第1〜第10セグメントSG1〜SG10において、そのセグメント幅Wが最小の幅(最小セグメント幅Wmin)を有するセグメントSGが存在する。
そのため、正極及び負極ブラシB1,B2のセグメントSGと摺接する摺接面であってその周方向の幅(ブラシ幅)Fは、後述する最小セグメント幅Wminとアンダーカット幅Gとの間で一定の関係をもって設定されている。なお、正極及び負極ブラシB1,B2のブラシ幅Fは、同じ幅である。
(アンダーカットCの形成位置)
次に、整流子11の10個のセグメントSGを形成するにあたっての第1〜第10アンダーカットC1〜C10の形成位置について説明する。
図13は、従来の第1〜第10アンダーカットC1〜C10の位置を示し、回転軸8の中心軸線Oを中心として周方向に等角度(=36度)の間隔(標準ピッチ)にて形成されている場合を示す。この時、回転軸8の中心軸線Oから各アンダーカットC1〜C10の周方向中心位置を通過する直線を正回転方向に順番に第1〜第10基準線L1〜L10とする。
図12(a)は、第3実施形態の第1〜第10アンダーカットC1〜C10の位置を示し、回転軸8の中心軸線Oを中心として周方向に不等角度間隔に形成されている。この時、回転軸8の中心軸線Oから各アンダーカットC1〜C10の周方向中心位置を通過する直線を正回転方向に順番に第1〜第10基準線L1a〜L10aとする。
図12(a)に示すように、第1アンダーカットC1の周方向中心位置(第1基準線L1a)は、第1基準線L1に対して、逆回転方向に1度(=−1度)だけずれた位置に形成されている。
第2アンダーカットC2の周方向中心位置(第2基準線L2a)は、第2基準線L2に対して、逆回転方向に1度(=−1度)だけずれた位置に形成されている。
第3アンダーカットC3の周方向中心位置(第3基準線L3a)は、第3基準線L3に対して、正回転方向に1度(=+1度)だけずれた位置に形成されている。
第4アンダーカットC4の周方向中心位置(第4基準線L4a)は、第4基準線L4に対して、逆回転方向に1度(=−1度)だけずれた位置に形成されている。
第5アンダーカットC5の周方向中心位置(第5基準線L5a)は、第5基準線L5に対して、正回転方向に1度(=+1度)だけずれた位置に形成されている。
第6アンダーカットC6の周方向中心位置(第6基準線L6a)は、第6基準線L6に対して、逆回転方向に1度(=−1度)だけずれた位置に形成されている。
第7アンダーカットC7の周方向中心位置(第7基準線L7a)は、第7基準線L7に対して、逆回転方向に1度(=−1度)だけずれた位置に形成されている。
第8アンダーカットC8の周方向中心位置(第8基準線L8a)は、第8基準線L8に対して、正回転方向に1度(=+1度)だけずれた位置に形成されている。
第9アンダーカットC9の周方向中心位置(第9基準線L9a)は、第9基準線L9に対して、逆回転方向に1度(=−1度)だけずれた位置に形成されている。
第10アンダーカットC10の周方向中心位置(第10基準線L10a)は、第10基準線L10に対して、正回転方向に1度(=+1度)だけずれた位置に形成されている。
このように、第1〜第10アンダーカットC1〜C10を不等角度間隔の位置に形成した。その結果、正逆回転時に正極及び負極ブラシB1,B2と摺接する各セグメントSGが正極及び負極ブラシB1,B2から受ける力によって生じる異音は極大化されず平均化される。
図12(b)は、各アンダーカットC1〜C10における、各基準線L1〜L10に対するずれ角度を示すグラフを示す。なお、横軸は各アンダーカットC1〜C10を示し、縦軸は各基準線L1〜L10を0度とし、正回転方向をプラスのずれ角度とし、逆回転方向をマイナスのずれ角度を示す。
ここで、回転する方向によりブラシを通過するアンダーカットのピッチパターン(通過タイミング)が異なることに基づくモータ特性の検証を行う。
まず、各アンダーカットCのうちプラスのずれ角となるアンダーカットCのそれぞれのずれ角の合計(以下、正回転側合計という)Z1を求める。また、各アンダーカットCのうちマイナスのずれ角となるアンダーカットCのそれぞれのずれ角の合計(以下、逆回転側合計という)Z2を求める。続いて、正回転側合計Z1と逆回転側合計Z2の総和Z(=Z1+Z2)を求める。
図12(a)(b)に示すように、本実施形態では、ずれ角度が正回転方向に1度(=+1度)ずれたアンダーカットCは、第3、第5、第8、第10アンダーカットC3,C5,C8,C10の4個である。これらアンダーカットC3,C5,C8,C10の正回転方向のずれ角度の正回転側合計Z1は、+4度となる。
これに対して、ずれ角度が逆回転に1度(=−1度)ずれたアンダーカットCは、第1、第2、第4、第6,第7,第9アンダーカットC1,C2,C4,C6,C7,C9の6個である。これらアンダーカットC1,C2,C4,C6,C7,C9の逆回転方向のずれ角度の逆回転側合計Z2は−6度となる。
その結果、本実施形態の場合、総和Z(=Z1+Z2)は、−2度となる。
ここで、モータのモータ特性を求めるための指標値Qを下記のように定義する。
指標値Q=(総和Z/セグメント数N)/極対数P
そして、実験によって、指標値Qの値を変更し、指標値Qに対する無負荷回転数を求めるとともに、指標値Qに対する無負荷電流を求めた。
なお、この場合、指標値Qの値の変更は、セグメント数Nと極対数Pを一定にし、総和Zを変更することによって行った。つまり、セグメント数Nは10,極対数Pは2とし、総和Z(=Z1+Z2)を変更して、指標値Qの値を変更するようにした。
従って、指標値Qの単位は角度であって、総和Zが正回転方向にある場合には、指標値Qは+(プラス)の値に、総和Zが逆回転方向にある場合には、指標値Qは−(マイナス)の値となる。
図14は、実験により得られた指標値Qに対する無負荷回転数を示すグラフであって、横軸を指標値Qとし、縦軸を無負荷回転数(rpm)としている。
なお、図14は、ブラシ付きモータ1を正回転させて得たグラフであるが、ブラシ付きモータ1を逆回転させて実験した場合には、指標値Qが0度の位置をグラフの横軸に対して直交する直線を対称軸として対称の回転数特性線となる。つまり、ブラシ付きモータ1を逆回転させて実験した場合、図14の横軸の指標値Qをプラス・マイナス逆にした実験結果が得られる。
図14から明らかなように、指標値Q(=(総和Z/セグメント数N)/極対数P)、即ち、総和Zがマイナスの値からプラスの値に増加するに相対して、無負荷回転数が増加していくことがわかる。
なお、ブラシ付きモータ1を逆回転させた場合には、総和Zがプラスの値からマイナスの値に増加するに相対して、無負荷回転数が増加していく。
このとき、永久磁石6や電機子コア9の製造ばらつき等の個体差を考慮して、指標値Qが0、即ち、総和Zが0の時の無負荷回転数を中心値とし、正回転と逆回転の間でその特性の変化を許容範囲である±0.2%以内に抑えたい。
そのためには、指標値Qが0度を中心値として−0.5度<Q<+0.5度の範囲内にあれば、特性の変化を±0.2%に抑えることができる。言い換えれば、ブラシ付きモータ1を正逆回転させた場合でも、指標値Qが−0.5度<Q<+0.5度の範囲内にあれば特性の変化を±0.2%に抑えることができる。
図15は、実験により得られた指標値Qに対する無負荷電流を示すグラフであって、横軸を指標値Qとし、縦軸を無負荷電流(アンペア)としている。
なお、図15は、ブラシ付きモータ1を正回転させて得たグラフであるが、ブラシ付きモータ1を逆回転させて実験した場合には、指標値Qが0度の位置をグラフの横軸に対して直交する直線を対称軸として対称の電流特性線となる。つまり、ブラシ付きモータ1を逆回転させて実験した場合、図15の横軸の指標値Qをプラス・マイナス逆にした実験結果が得られる。
図15から明らかなように、指標値Q(=(総和Z/セグメント数N)/極対数P)、即ち、総和Zが0度の時を最小値としてマイナスに向かうほど及びプラスに向かうほど相対して無負荷電流が増加していくことがわかる。
なお、ブラシ付きモータ1を逆回転させた場合も同様に、総和Zが0度の時を最小値としてマイナスに向かうほど及びプラスに向かうほど相対して無負荷電流が増加していく。
そして、指標値Qが0度を中心値として−0.5度<Q<+0.5度の範囲内にあれば、無負荷電流の変化は小さい(±0.2%以内)ことがわかる。言い換えれば、ブラシ付きモータ1を正逆回転させた場合でも、指標値Qが−0.5度<Q<+0.5度の範囲内にあれば無負荷電流の変化は小さい。
従って、指標値Qを、−0.5度<Q<+0.5度の範囲内に設定すれば、ブラシ付きモータ1は、正逆回転した場合においても、無負荷電流の変化は小さくかつ無負荷回転数の変化を±0.2%に抑えることができることになる。
以上のことから、本実施形態のブラシ付きモータ1は、総和Zが−2度であって、セグメント数Nは10、極対数Pは2である。
従って、指標値Q(=(Z/N)/P)は、−0.1度となる。その結果、ブラシ付きモータ1は、正逆回転した場合においても、無負荷電流の変化は小さくかつ無負荷回転数の変化を±0.2%以内となる。
ところで、指標値Qの上記条件は、総和Z(=Z1+Z2)について10個のアンダーカットC(C1〜C10)を一括して求めた。
これを、4(=2P)個の永久磁石6で形成される周方向360度の内周面について、極対数P(=2)で区分された周方向にP(=2)個の内周面領域毎に、そのグループに属するそれぞれ相対向して相対配置される数の連続するアンダーカットCについて、総和Zを求める。そして、内周面領域毎に、即ち、そのグループに属するアンダーカットCにて求めたそれぞれの総和Zと、ブラシ付きモータ1のセグメント数N及び極対数Pを使って、内周面領域毎の指標値Qが、それぞれ±0.5度以内となるようになることが好ましい。
つまり、図12(b)に2点鎖線で示すように、本実施形態では、4個の永久磁石6で形成される周方向360度の内周面について、極対数P(=2)で区分され周方向180度の2つ個の第1及び第2内周面領域Da,Dbの分割される。そして、第1内周面領域Daまたは第2内周面領域Dbに属するそれぞれ相対向して相対配置される9個の連続するアンダーカットCについて、総和Za,Zbを求める。次に、第1及び第2内周面領域Da,Db毎に求めた総和Za,Zbを使って、第1内周面領域Daについての指標値Qa(=(Za/N)/P)を求めるとともに、第2内周面領域Dbについての指標値Qb(=(Zb/N)/P)を求める。
そして、第1及び第2内周面領域Da,Db毎の指標値Qa、Qbが、それぞれ±0.5度以内となるようになることが好ましい。
これは、極端な例であるが、第1内周面領域Daに相対位置する9個の連続するアンダーカットCが、全てずれ角度が正回転方向にあり、第2内周面領域Dbに相対位置する9個の連続するアンダーカットCが、全てずれ角度が逆回転方向にある場合のアンダーカットCの形成を除くためである。
図16は、4極22セグメントモータを使用して極端な例を示している。ここで、22個のアンダーカットCを第1〜第22アンダーカットC1〜C22とし、図16のグラフの横軸にそれらアンダーカットCを特定した。
この場合、指標値Qが、−0.5度<Q<+0.5度の条件を満たす。しかし、各内周面領域Da,Dbで、指標値Qa、Qbが−0.5度以下又は+0.5度以上となる。
このような場合、ブラシB1,B2とセグメントSGで行われる電流の切替(整流)タイミングが、360度/極対数Pの位置で異なるため、ブラシ付きモータ1の磁気加振力のタイミングがずれてアンバランスとなり、振動・騒音が発生する好ましくない状態を発現する。
これを未然に防ぐために、第1及び第2内周面領域Da,Db毎の指標値Qa、Qbが、それぞれ±0.5度以内となることが好ましい。
本実施形態のブラシ付きモータ1の場合、4個の永久磁石6で形成される周方向360度の内周面は、極対数P(=2)で区分すると周方向180度の2つの第1及び第2内周面領域Da,Dbに区分されている。このとき、10個のアンダーカットC1〜C10において、周方向に連続した5個のアンダーカットCがそれぞれ区分された2つの第1及び第2内周面領域Da,Dbに相対向して相対配値される。
図12(b)に2点鎖線で示すように、第1内周面領域Daに第1〜第5アンダーカットC1〜C5が対向するように相対配値され、第2内周面領域Dbに第6〜第10アンダーカットC6〜C10が対向するように相対配値された状態を示す。
この時、第1内周面領域Daのおける第1〜第5アンダーカットC1〜C5を使っての指標値Qa(=(Za/N)/P)を求める。
この場合、図12(b)に示すように、第1内周面領域Daにおいて、ずれ角度が正回転方向に1度(=+1度)ずれたアンダーカットCは、第3、第5アンダーカットC3,C5の2個である。これらアンダーカットC3,C5の正回転方向のずれ角度の正回転側合計Z1aは、+2度となる。
これに対して、ずれ角度が逆回転に1度(=−1度)ずれたアンダーカットCは、第1、第2、第4アンダーカットC1,C2,C4の3個である。これらアンダーカットC1,C2,C4の逆回転方向のずれ角度の逆回転側合計Z2aは−3度となる。その結果、第1内周面領域Daのおける総和Za(=Z1a+Z2a)は、−1度となる。
そして、第1内周面領域Daのおける指標値Qa(=(Za/N)/P)は、−0.05度となる。
また、第2内周面領域Dbのおける第6〜第10アンダーカットC6〜C10を使っての指標値Qb(=(Zb/N)/P)を求める。
この場合、図12(b)に示すように、第2内周面領域Dbにおいて、ずれ角度が正回転方向に1度(=+1度)ずれたアンダーカットCは、第8、第10アンダーカットC8,C10の2個である。これらアンダーカットC8,C10の正回転方向のずれ角度の正回転側合計Z1bは、+2度となる。
これに対して、ずれ角度が逆回転に1度(=−1度)ずれたアンダーカットCは、第6、第7、第9アンダーカットC6,C7,C9の3個である。これらアンダーカットC6,C7,C9の逆回転方向のずれ角度の逆回転側合計Z2bは−3度となる。その結果、第2内周面領域Dbのおける総和Zb(=Z1b+Z2b)は、−1度となる。
そして、第2内周面領域Dbのおける指標値Qb(=(Zb/N)/P)は、−0.05度となる。
従って、本実施形態のブラシ付きモータ1は、ブラシB1,B2とセグメントSGで行われる電流の切替(整流)タイミングによって、ブラシ付きモータ1の磁気加振力のタイミングがずれてアンバランスが発生することに基づく振動・騒音の発生を抑制する。
(ブラシ幅F、最小セグメント幅Wmin、アンダーカット幅Gの設定)
ところで、アンダーカットC1〜C10が不等角度の間隔に配置されることから、以下の2つの問題点が生じる場合がある。
1つ目は、90度離間して配置されている正極ブラシB1と負極ブラシB2が、同時にアンダーカットCを跨いでしまいモータ特性を低下させる。
2つ目は、90度離間して配置されている正極ブラシB1と負極ブラシB2が、それぞれ最小セグメント幅WminのセグメントSGを挟んで3つのセグメントSGを同時に接触してモータ特性を低下させる。
1つ目の問題は、スロットの数が磁極の数で割り切れないモータ、即ち、各磁極に対してスロットルを等しい数に分配できないモータの場合に生じる。各磁極に対してスロットルを等しい数に分配できないモータは、トルク変動を抑えたり、整流効果を上げたりするのに優れている。
これに対して、2つ目の問題は、スロットの数が磁極の数で割り切れるモータ、即ち、各磁極に対してスロットルを等しい数に分配できるモータの場合に生じる。各磁極に対してスロットルを等しい数に分配できるモータは、高トルクを出すのに優れている。
本実施形態のブラシ付きモータ1は、スロット数が10で、磁極の数Pzが4(=2P)であって、スロットの数を磁極の数で割り算すると2.5となり、各磁極に対してスロットルを等しい数に分配できないモータであって、1つ目の問題が生じる虞がある。
そこで、本実施形態の場合、1つ目の問題が生じないように、ブラシ幅Fを、最小セグメント幅Wminとアンダーカット幅Gとの関係において、以下の条件を満たすように設定している。
(Wmin+2×G)/2>0.8×F
ここで、ブラシ幅Fを0.8倍とした。これは、正逆回転するブラシ付きモータ1の実際の正極及び負極ブラシB1,B2の周方向の接触幅を考慮してブラシ幅Fを0.8倍にしている。
また、最小セグメント幅WminとなるセグメントSGは、図11及び図12(a)に示すように、第3、第5、第8、第10セグメントSG3,SG5,SG8,SG10の4個である。
そして、ブラシ幅Fを、上記条件を満たす幅に設定することにより、正極ブラシB1と負極ブラシB2が、同時にアンダーカットCを跨ぐことはなく、同時に跨ぐことによるモータ特性の低下を防止できる。
次に、上記のように構成したブラシ付きモータ1の作用を説明する。
隣り合う10個のセグメントSG間に形成された各アンダーカットC1〜C10を不等角度間隔の位置に形成したことから、回転時に正極及び負極ブラシB1,B2から受ける力によって生じる異音は極大化されず平均化される。これによって、異音レベルが低く抑制される。
また、セグメント数Nが10、極対数Pが2のブラシ付きモータ1において、総和Z(=Z1+Z2)を−2度になるようにして、指標値Q(=(Z/N)/P)を、−0.1度とした。これによって、指標値Qが−0.5度<Q<+0.5度の範囲内となり、ブラシ付きモータ1は、正逆回転した場合において無負荷電流の変化は小さく(±0.2%以内)かつ無負荷回転数の変化を±0.2%以内することができる。
さらに、4個の永久磁石6で形成される周方向360度の内周面を、極対数P(=2)で割って区分された周方向180度の2つの内周面領域Da,Dbに対して、回転時に連続した9個のアンダーカットCがそれぞれ相対向して相対配値される。そして、2つの内周面領域Da,Dbに対峙する9個のアンダーカットCのそれぞれの総和Zを±0.5度の範囲内に設定した。
これによって、ブラシB1,B2とセグメントSGで行われる電流の切替(整流)タイミングに基づくブラシ付きモータ1の磁気加振力のタイミングがずれることはない。これによって、ブラシ付きモータ1の磁気加振力のタイミングのアンバランスに起因して発生する振動・騒音が抑制される。
さらにまた、ブラシ付きモータ1は、スロットの数が10で、磁極の数が4(=2P)であって、各磁極に対してスロットルを等しい数に分配できないモータである。そのため、ブラシ幅Fを、最小セグメント幅Wminとアンダーカット幅Gとの関係において、(Wmin+2×G)/2>0.8×Fを満たすように設定した。その結果、正極ブラシB1と負極ブラシB2が、同時にアンダーカットCを跨ぐことはない。
次に、上記第3実施形態の効果を以下に記載する。
(1)本実施形態によれば、10個の第1〜第10セグメントSG1〜SG10間に形成された各アンダーカットC1〜C10を不等角度間隔の位置に形成したので、回転時に正極及び負極ブラシB1,B2から受ける力によって生じる異音の異音レベルを低く抑制できる。
(2)本実施形態によれば、セグメント数Nが10、極対数Pが2のブラシ付きモータ1において、総和Z(=Z1+Z2)を−2度にして、指標値Qを−0.5度<Q<+0.5度の範囲内の−0.1度とした。従って、ブラシ付きモータ1は、正逆回転した場合において無負荷電流の変化を小さく(±0.2%以内)かつ無負荷回転数の変化を±0.2%以内することができる。
(3)本実施形態によれば、4個の永久磁石6で形成される周方向360度の内周面を、極対数P(=2)で割って区分された周方向180度の2つの内周面領域Da,Dbに対峙するそれぞれ9個のアンダーカットCの総和Zaを−1度、総和Zbを+1度して、それぞれの指標値Qa,Qbを±0.5度の範囲内に設定した。従って、ブラシB1,B2とセグメントSGで行われる電流の切替(整流)タイミングに基づくブラシ付きモータ1の磁気加振力のタイミングがずれることはなく、ブラシ付きモータ1の磁気加振力のタイミングのアンバランスに起因して発生する振動・騒音を抑制することができる。
(4)本実施形態によれば、ブラシ付きモータ1は、スロットの数が10で、磁極の数が4(=2P)であって、各磁極に対してスロットルを等しい数に分配できない。そのため、ブラシ幅Fを、最小セグメント幅Wminとアンダーカット幅Gとの関係において、(Wmin+2×G)/2>0.8×Fを満たすように設定したので、正極及び負極ブラシB1,B2が、同時にアンダーカットCを跨ぐことはない。従って、同時に跨ぐことによるモータ特性の低下は防止される。
なお、上記第3実施形態は、以下のように変更してもよい。
○上記第3実施形態では、スロットの数が磁極の数で割り切れないモータ(各磁極に対してスロットルを等しい数に分配できないモータ)について、ブラシ幅Fを最小セグメント幅Wminとアンダーカット幅Gとの関係において、(Wmin+2×G)/2>0.8×Fを満たすように設定した。
これに対して、スロットの数が磁極の数で割り切れるモータ(各磁極に対してスロットルを等しい数に分配できるモータ)の場合、ブラシ幅Fを以下のように設定してもよい。
例えば、図17に示すように、12個のセグメントSGで、スロットの数(=12)が磁極の数(=4)のモータがある。この場合、スロットの数(=12)が磁極の数(=4)で割り切れ、各磁極に対してスロットルを等しい数に分配できるブラシ付きモータ1である。このブラシ付きモータ1の場合、正極ブラシB1と負極ブラシB2は、それぞれ最小セグメント幅WminのセグメントSGを挟んで3つのセグメントSGを同時に接触しない必要がある。
この場合、ブラシ幅Fを、最小セグメント幅Wminとアンダーカット幅Gとの関係において、以下の条件を満たすように設定する。
(Wmin+2×G)>0.8×F
これによって、正極ブラシB1と負極ブラシB2は、それぞれ最小セグメント幅WminのセグメントSGを挟んで3つのセグメントSGを同時に接触することはなく、同時に接触することによるモータ特性の低下を防止できる。
○上記第3実施形態では、極対数Pが2のブラシ付きモータ1に具体化したが、例えば、極対数Pが3である6極21セグメント(21スロット)のブラシ付きモータに応用してもよい。
この場合、図18のグラフに示すように、6個の永久磁石6で形成される周方向360度の内周面について、極対数P(=3)で区分され周方向120度の3つ個の第1〜第3内周面領域Da,Db,Dcに分割される。ここで、21個のアンダーカットCを第1〜第21アンダーカットC1〜C21とし、図18のグラフの横軸にそれらアンダーカットCを特定した。
そして、各内周面領域Da,Db,Dcに属するそれぞれ相対向して相対配置される7個の連続するアンダーカットCについて、総和Za,Zb,Zcを求める。次に、第1内周面領域Daについての指標値Qa(=(Za/N)/P)を求める。また、第2内周面領域Dbについての指標値Qb(=(Zb/N)/P)を求める。さらに、第3内周面領域Dcについての指標値Qc(=(Zc/N)/P)を求める。
そして、第1〜第3内周面領域Da,Db、Dc毎の指標値Qa,Qb,Qcが、それぞれ±0.5度以内となるようにする。
なお、このブラシ付きモータ1は、スロットの数が磁極の数で割り切れないモータであることから、ブラシ幅Fを最小セグメント幅Wminとアンダーカット幅Gとの関係において、(Wmin+2×G)/2>0.8×Fを満たすように設定する必要がある。
なお、第1実施形態〜第3実施形態では、図1に示すように、正極ブラシB1及び負極ブラシB2をブラシボックス16内に配設した圧縮コイルはね19にて径方向内側に押圧した。これを、図19に示すように、第1及び第2トーションスプリングSP1,SP2を用いてそれぞれ正極及び負極ブラシB1,B2を押圧するように実施してもよい。この場合、第1トーションスプリングSP1は、正極ブラシB1の周方向時計回り側に位置したベースプレート15から延出形成した支柱R1に挿入支持される。そして、第1トーションスプリングSP1の一端を係合ピンT1にて時計回り方向の回動を規制した状態で、第1トーションスプリングSP1の他端にて正極ブラシB1の背面を径方向内側に押圧する。
一方、第2トーションスプリングSP2は、負極ブラシB2の周方向反時計回り側に位置したベースプレート15から延出形成した支柱R2に挿入支持される。そして、第2トーションスプリングSP2の一端を係合ピンT2にて反時計回り方向の回動を規制した状態で、第2トーションスプリングSP2の他端にて正極ブラシB1の背面を径方向内側に押圧する。
このとき、第1トーションスプリングSP1と第2トーションスプリングSP2は、両スプリングSP1,SP2間を挟んだ角度の中間を通る中心線に対して対称に配置される。従って、時計回り方向に整流子11が回転したときには、第2トーションスプリングSP2の押圧によって負極ブラシB2の径方向中心軸の向きが時計回り方向に偏るため、負極ブラシB2が各セグメントSGと摺接する際の圧力を小さくできブラシ振動を低減できる。反対に、反時計回り方向に整流子11が回転したときには、第1トーションスプリングSP1の押圧によって正極ブラシB1の径方向中心軸の向きが反時計回り方向に偏るため、正極ブラシB1が各セグメントSGと摺接する際の圧力を小さくできブラシ振動を低減できる。
1…ブラシ付きモータ、2…モータハウジング、3…ヨークハウジング、3a…内周面、4…エンドカバー、5…フロントカバー、6…永久磁石、7…電機子、8…回転軸、9…電機子コア、9a…ティース、10…巻線、11…整流子、11a…絶縁部材、11b…ライザ、12,13…軸受、15…ベースプレート、16…ブラシボックス、19…圧縮コイルばね、B1…正極ブラシ、B2…負極ブラシ、O…中心軸線、Pz…極数、P…極対数、N…セグメント数、C…アンダーカット、C1〜C12…第1〜第12アンダーカット、SG…セグメント、SG1〜SG12…第1〜第12セグメント、L1〜L12…第1〜第12基準線、L1a〜L10a…第1〜第10基準線、Z,Za,Zb…総和、Z1…合計(正回転側合計)、Z2…合計(逆回転側合計)、Q,Qa,Qb…指標値、Da,Db…第1及び第2内周面領域、Dc…第3内周面領域、F…ブラシ幅、G…アンダーカット幅、W…セグメント幅、Wmin…最小セグメント幅、θz…基準角度、θz1,θz2…第1及び第2基準アンダーカット間隔、θb…ブラシ配置角、θy…ずれ角、WL1〜WL6…第1〜第6均圧線、SP1,SP2…第1及び第2トーションスプリング、R1,R2…支柱、T1,T2…係合ピン。

Claims (4)

  1. 複数のセグメントをそれぞれ絶縁分離するアンダーカットの形成位置が回転軸の中心軸を中心に不等角度間隔に形成された整流子を電機子とともに前記回転軸に固着したブラシ付きモータであって、
    前記電機子の外側に磁極の向きが異なる永久磁石が等間隔に配置されるとともに、異なるセグメント間を配線する均圧線により前記整流子の外周に、互いに相対向しない位置に正極ブラシと負極ブラシが配置され、
    等間隔に配置された前記永久磁石の数をPz(但し、4以上の偶数)とし、前記セグメントの数をNとしたとき、
    N=Pz(K−0.5) (但し、Kは、定数であって、2以上の自然数)
    の関係が成立し、
    しかも、各セグメント間に形成されるアンダーカットのアンダーカット間隔を基準角度θzとし、その基準角度θzが、
    θz=(360度/Pz)±(360度/2N)
    の関係式で規定されるとき、
    その規定された前記基準角度θzとは異なる少なくとも1組のアンダーカットのアンダーカット間隔を有したことを特徴とするブラシ付きモータ。
  2. 請求項1に記載のブラシ付きモータにおいて、
    前記正極ブラシと前記負極ブラシがなすブラシ配置角をθbとしたとき、
    θb=360度/(Pz×K) (但し、Kは定数であって自然数)
    で規定される前記ブラシ配置角θbに、前記正極ブラシと前記負極ブラシが配置されていない場合、
    前記ブラシ配置角θbからのずれ角をθy(但し、θy<360度/2Pz)とし、
    その時の前記基準角度θzが、
    θz=(360度/Pz)±(360/2N)±θy
    の関係式で規定されるとき、
    その規定された前記基準角度θzとは異なる少なくとも1組のアンダーカットのアンダーカット間隔を有したことを特徴とするブラシ付きモータ。
  3. 複数のセグメントをそれぞれ絶縁分離するアンダーカットの形成位置が回転軸の中心軸を中心に不等角度間隔に形成された整流子を電機子とともに前記回転軸に固着したブラシ付きモータであって、
    前記電機子の外側に磁極の向きが異なる永久磁石が等間隔に配置されるとともに、異なるセグメント間を配線する均圧線により前記整流子の外周に、互いに相対向しない位置に正極ブラシと負極ブラシが配置され、
    等間隔に配置された前記永久磁石の数をPz(但し、4以上の偶数)とし、前記セグメントの数をNとしたとき、
    N=Pz×K (但し、Kは、定数であって、2以上の自然数)
    の関係が成立し、
    しかも、各セグメント間に形成されるアンダーカットのアンダーカット間隔を基準角度θzとし、その基準角度θzが、
    基準角度θz=360度/Pz
    の関係式で規定されるとき、
    その規定された前記基準角度θzとは異なる少なくとも1組のアンダーカットのアンダーカット間隔を有したことを特徴とするブラシ付きモータ。
  4. 請求項3に記載のブラシ付きモータにおいて、
    前記正極ブラシと前記負極ブラシがなすブラシ配置角をθbとしたとき、
    θb=360度/(Pz×K) (但し、Kは定数であって自然数)
    で規定される前記ブラシ配置角θbに、前記正極ブラシと前記負極ブラシが配置されていない場合、
    前記ブラシ配置角θbからのずれ角をθy(但し、θy<360度/2P)としたとき、
    その時の前記基準角度θzが、
    θz=(360/Pz)±θy
    の関係式で規定されるとき、
    その規定された前記基準角度θzとは異なる少なくとも1組のアンダーカットのアンダーカット間隔を有したことを特徴とするブラシ付きモータ。
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