JP6301601B2 - 牛の過排卵誘起用皮下注射剤 - Google Patents

牛の過排卵誘起用皮下注射剤 Download PDF

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Description

本発明は、牛に及ぼすストレスが小さく、1回の投与でも牛に過排卵を誘起できる皮下注射剤、そのような注射剤調製用のキット、及びそのような注射剤を牛に皮下注射する工程を含む優良子牛の生産方法に関する。
牛の畜産業においては、優良な子牛を生産するために、雌牛から体内受精卵を採取し、その受精卵を他の雌牛に移植する方法が採用されている。そのため、雌牛に性腺刺激ホルモン製剤を投与して過排卵を誘起させた上で、人工授精を行い、その後に受精卵を採取するという方法が実施されている。
上記方法の実施に際し、従来は、雌牛に多数回にわたって性腺刺激ホルモン製剤が投与されていた。しかし、ホルモン製剤の多数回の投与は、雌牛にストレスを与えるのみならず、獣医師の負担も大きいものであった。
そこで、本発明者等は、特許文献1において、1回の投与で過排卵を誘起できる牛の過排卵誘起剤と、そのような過排卵誘起剤を牛に投与する工程を含む優良子牛の生産方法を提案した。この過排卵誘起剤は、水酸化アルミニウムゲルと性腺刺激ホルモンとを含むものである。この過排卵誘起剤における水酸化アルミニウムの濃度は、アルミニウム量で表して1.0乃至5.0mg/mLであり、牛1頭あたりの投与量は、性腺刺激ホルモンとして10乃至50AUであり、過排卵誘起剤の量としては2乃至20mLである。したがって、牛1頭あたり1回で、アルミニウム量で表して2乃至100mgの水酸化アルミニウムが投与されることとなる。なお、特許文献1の実施例に関しては、過排卵誘起剤における水酸化アルミニウムの濃度は、アルミニウム量で表して1.28mg/mLと1.44mg/mLであり、1回の投与における水酸化アルミニウムの総量は、アルミニウム量で表して6.4乃至14.4mgである。また、特許文献1の実施例に記載された優良子牛の生産方法は、牛の過排卵誘起剤を、雌牛に筋肉注射によって投与するというものである。
ここで、注射による薬剤の投与経路としては、皮下、皮内及び筋肉内がある。特許文献2には、ウサギ等の実験動物に過剰排卵を誘起させる方法であるが、水酸化アルミニウムゲルと卵胞刺激ホルモンとを含む徐放性卵胞刺激剤を、動物の皮下に単数回投与することが記載されている。特許文献2においては、徐放性卵胞刺激剤における水酸化アルミニウムの濃度は、アルミニウム量で表して1乃至10mg/mLであり、1回の投与における水酸化アルミニウムの総量は、アルミニウム量で表して0.1乃至50mgである。また、実施例については、水酸化アルミニウムの濃度は、アルミニウム量で表して3mg/mLであり、1回の投与における水酸化アルミニウムの総量は、アルミニウム量で表して4.5mgである。
非特許文献1には、豚由来卵胞刺激ホルモンを水酸化アルミニウムゲルに吸着させたものを、雌牛の皮下に1回投与し、その後、その牛の血漿中における豚由来卵胞刺激ホルモン濃度の推移を検討した結果が記載されている。この際のアルミニウムの濃度は1.3mg/mLであり、牛1頭あたりの1回投与量は、卵胞刺激ホルモンとして30AUであり、皮下注射剤の量としては12.5mL又は5mLであり、したがって、水酸化アルミニウムの総量は、アルミニウム量で表して16.25mg又は6.5mgである。
上記のように、水酸化アルミニウムが、性腺刺激ホルモンを徐放させるために使用されている。しかし、性腺刺激ホルモン製剤における水酸化アルミニウムの適切な濃度や1回の投与におけるその適切な総量は、必ずしも検討されてはいない。
特許第4408017号公報 特開2005−281245号公報
福岡県農業総合試験場研究報告26
本発明者等は、特許文献1において提案された水酸化アルミニウムゲルを含む牛の過排卵誘起剤を、雌牛に筋肉注射によって投与していた。しかし、特許文献2や非特許文献1に記載されているように、皮下注射での投与でも過排卵を誘起できれば、牛へのストレスをさらに低減することができる。また、筋肉注射の場合には、注射部位に硬結が生じることがあり、そのような硬結が生じた部位は食肉として使用しない方針であるが、皮下注射を採用すれば、そのような硬結が生じた部位の食肉への混入の問題も回避できる。ここで、水酸化アルミニウムゲルを含む牛の過排卵誘起剤を皮下注射で投与した場合に、副作用が小さく且つ適切な効果が得られる水酸化アルミニウムの濃度や総量は、研究されていない。性腺刺激ホルモンは有効成分であるから、過排卵を生じさせるための適切な投与量がある。一方、水酸化アルミニウムについては、これは性腺刺激ホルモンを徐放性とするための助剤であるから、目的とする効果が発揮される範囲内において、可能な限り少量の使用が望まれていると考える。
本発明は、このような状況下においてなされたものであり、水酸化アルミニウムと性腺刺激ホルモンとを含有し、1回の投与でも雌牛に過排卵を誘起できる皮下注射剤と、そのような注射剤調製用のキット、及びそのような注射剤を牛に皮下注射する工程を含む優良子牛の生産方法の提供を目的とする。
本発明者等は、1回の投与でも雌牛に過排卵を誘起できる皮下注射剤を提供すべく研究を重ね、その結果として、本件発明を完成させた。
即ち、本発明は、水酸化アルミニウムの濃度がアルミニウム量で表した時に0.2mg/mL以上且つ1.0mg/mL未満である水酸化アルミニウムゲルと、有効量の性腺刺激ホルモンとを含むことを特徴とする牛の過排卵誘起用皮下注射剤に関する。
また、本発明は、(1)水酸化アルミニウムゲルが内封されてなる容器と、性腺刺激ホルモンが内封されてなる容器と、性腺刺激ホルモン溶解用液体が内封されてなる容器とを含む、又は、(2)水酸化アルミニウムの濃度がアルミニウム量で表した時に0.2mg/mL以上且つ1.0mg/mL未満である水酸化アルミニウムゲルが内封されてなる容器と、性腺刺激ホルモンが内封されてなる容器とを含む、上記の本発明に係る牛の過排卵誘起用皮下注射剤を調製するためのキットに関する。
さらに、本発明は、上記の本発明に係る牛の過排卵誘起用皮下注射剤を雌牛に皮下注射する工程、発情を生じさせて人工授精を行う工程、及び受精卵を回収する工程を含むことを特徴とする優良子牛の生産方法に関する。以下において、「受精卵」を「胚」と表現する場合がある。
本発明により、雌牛に人工授精を行うに際し、雌牛に与えるストレスが非常に小さくなる。また、獣医師の負担も軽減される。
本発明では、注射部位が皮下であり且つ水酸化アルミニウムの投与量や注射剤自体の投与量を少量とすることが可能である。このため、注射部位に腫れ及び硬結が生じ難いという効果も得られる。腫れや硬結が生じた部位は、食肉としての利用の際には廃棄されるので、腫れや硬結が生じなければ、食肉として有効利用される割合が高まる。
本発明の注射剤は、皮下注射用のものである。これは、水酸化アルミニウムゲルと、性腺刺激ホルモンとを含む。
本発明において使用される水酸化アルミニウムゲルは、懸濁液である。その一例を挙げると、日本薬局方(第6局)収載の水酸化アルミニウムゲルがある。水酸化アルミニウムゲルは、如何なる製法によって製造されたものであってもよい、その製法の例は、次のとおりである。先ず、適当な濃度の塩化アルミニウム水溶液又は硫酸カリウムアルミニウム・12水和物の水溶液を調製する。これに水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを6乃至7程度に調整し、ゲルを得る。次いで、所望のアルミニウム濃度となるように、水を加える。また、硫酸アンモニウムアルミニウム12水和物水溶液にアンモニア水を加えて水酸化アルミニウムの沈殿を形成させ、上清を除去して残った沈殿を蒸留水で洗浄し(ネスラー試薬で確認しながら残存アンモニアが無くなるまで洗浄する)、洗浄後の沈澱に生理的リン酸緩衝液又は生理食塩水を加えてゲルを調製することもできる。
得られた水酸化アルミニウムゲルは、滅菌に供される。滅菌はオートクレーブによる方法が好ましいが、殺菌剤や防腐剤を水酸化アルミニウムゲルに加えることによって滅菌してもよい。
本発明の注射剤において、水酸化アルミニウムの濃度は、アルミニウム量で表して、0.2mg/mL以上且つ1.0mg/mL未満であり、0.2乃至0.8mg/mLであることが好ましく、0.3乃至0.6mg/mLであることがさらに好ましい。アルミニウム量で表した濃度が0.2mg/mL未満では、性腺刺激ホルモンの吸着が不十分となる場合があり、1.0mg/mL以上では、注射部位に腫れが生じる場合がある。
また、本発明の注射剤1回投与量中に含有される水酸化アルミニウムの総量は、アルミニウム量で表して、1.0mg以上かつ5.0mg未満であり、1.0乃至4.5mgであることが好ましく、1.5乃至3.0mgであることがさらに好ましい。1回投与量中のアルミニウム量で表した水酸化アルミニウムの総量が1.0mg未満では、性腺刺激ホルモンの吸着が不十分となる場合があり、5.0mg以上では、注射部位に腫れが生じる場合がある。なお、液体注射剤を例えば2回(2頭分の)投与量で調製した場合には、調製された液体注射剤に含有される水酸化アルミニウムの総量は、上記値の2倍となる。
性腺刺激ホルモンとしては、通常はAU(アーマー単位)で表示される卵胞刺激ホルモン(Follicle Stimulating Hormone、略称FSH)が用いられるが、AUに相当する生物学的力価を発現する他の性腺刺激ホルモンを使用してもよい。適切な過排卵を誘起させるために、その投与量は、牛1頭分1回投与量の注射剤が、10乃至50AUのFSHを含むことが好ましく、20乃至40AUのFSHを含むことがさらに好ましい。したがって、液体注射剤を例えば2回(2頭分の)投与量で調製した場合には、調製された液体注射剤に含有される性腺刺激ホルモンの総量は、上記値の2倍となる。性腺刺激ホルモンの形態は特に限定されないが、その一例としては、凍結乾燥粉末が挙げられる。
注射剤の、牛1頭分の1回投与量は、好ましくは2乃至20mL、さらに好ましくは2.5乃至8mL、特に好ましくは3乃至5mLである。2mL未満では、注射剤に適切な量の性腺刺激ホルモン及び水酸化アルミニウムを含有させることができない場合があり、一方、20mLを越えると牛に苦痛を与える。
本発明に係る牛の過排卵誘起用皮下注射剤を調製するための本発明の皮下注射剤調製用キットには、(1)水酸化アルミニウムゲルが内封されてなる容器と、性腺刺激ホルモンが内封されてなる容器と、性腺刺激ホルモン溶解用液体が内封されてなる容器とを含むものと、(2)水酸化アルミニウムの濃度がアルミニウム量で表した時に0.2mg/mL以上且つ1.0mg/mL未満である水酸化アルミニウムゲルが内封されてなる容器と、性腺刺激ホルモンが内封されてなる容器とを含むものとがある。これらのキットは、さらに、上記のキット構成部材すべてを入れるための外装材(例えば外箱)と、使用方法等を記載した説明書等の他の構成部材をも含むことができる。
ここで、「容器」とは、その内部に物質(固体や液体等)を封入できるものであればよい。容器の例としては、ガラス製やプラスチック製のアンプルやバイアル、ポリマー製の袋が挙げられる。また、性腺刺激ホルモン溶解用液体とは、性腺刺激ホルモンを溶解できる、生理食塩水や各種緩衝液等の、通常、注射剤の調製に使用されている液体である。
キット(1)では、水酸化アルミニウムゲルが内封されてなる容器の構成部材である水酸化アルミニウムゲルの水酸化アルミニウム濃度は、本発明の牛の過排卵誘起用皮下注射剤における水酸化アルミニウム濃度よりも高い。キット(1)の構成要素である水酸化アルミニウムゲルと、性腺刺激ホルモン溶解用液体(但し、性腺刺激ホルモンが添加されてなるもの)とを適切な割合で混合することにより、水酸化アルミニウムの濃度がアルミニウム量で表した時に0.2mg/mL以上且つ1.0mg/mL未満となればよい。したがって、キット(1)を使用する場合には、通常は、先ず、性腺刺激ホルモンをその溶解用液体に溶解させ、その後、得られた溶液を水酸化アルミニウムゲルと適切な割合で混合することにより、本発明の牛の過排卵誘起用皮下注射剤とする。
キット(2)では、水酸化アルミニウムゲルが内封されてなる容器の構成部材である水酸化アルミニウムゲルの水酸化アルミニウム濃度は、本発明の牛の過排卵誘起用皮下注射剤における水酸化アルミニウム濃度と同じである。したがって、キット(2)を使用する場合には、性腺刺激ホルモンを直接水酸化アルミニウムゲルに溶解させることにより、本発明の牛の過排卵誘起用皮下注射剤とする。
なお、キット(1)及び(2)のいずれも、それらの構成要素は、1回(1頭分の)投与量の注射剤の調製に適するものとは限らない。例えば、2回(2頭分の)投与量の注射剤が調製できるような構成であってもよい。2回(2頭分の)投与量の注射剤を調製した場合には、調製された注射剤の1/2量を、1頭に投与する。
本発明に係る優良子牛の生産方法は、本発明の注射剤を雌牛に皮下注射する工程、発情を生じさせて人工授精を行う工程、及び受精卵を回収する工程を含む。本発明の注射剤の投与は、通常は1回のみ行う。皮下注射を行う部位は限定されないが、万が一腫れが生じても、食肉の廃棄量が増えない首の周囲が好ましい。一般的には黄体期の雌牛に本発明の注射剤を皮下注射し、その48乃至72時間後に例えば排卵誘起を目的としてプロスタグランジンF2αを投与し、発情を生じさせた上で人工授精を行い、その6〜8日後に受精卵(胚)を回収する。回収された受精卵(胚)は、他の雌牛に移植して成長させる。
以下に、実施例により、本発明を具体的に説明する。
(実施例1)水酸化アルミニウムゲルの調製(その1)
無水換算で14.85gの塩化アルミニウムを水に溶解し、400mLの水溶液を調製した。別途、水酸化ナトリウム約5.0gを水に溶解して適切な濃度の水溶液を調製した。この水酸化ナトリウム水溶液を塩化アルミニウム水溶液に徐々に加え、pHを6.5乃至6.6とした。その後、水を加えて全量1Lとした。水酸化アルミニウムの濃度は、アルミニウム換算で3mg/mL(理論値)である。
このようにして調製された水酸化アルミニウムゲル100mLを、100mL容バイアルに充填し、ゴム栓とアルミキャップで密封した。これを、オートクレーブで105℃、30分の条件で滅菌した。滅菌後、バイアル内容物を均一に混合した。これを、以下の実験で水酸化アルミニウムゲルとして使用した。
(実施例2)水酸化アルミニウムゲルの調製(その2)
無水換算で28.74gの硫酸カリウムアルミニウムを水に溶解し、400mLの水溶液を調製した。別途、水酸化ナトリウム約5.0gを水に溶解して適切な濃度の水溶液を調製した。この水酸化ナトリウム水溶液を硫酸カリウムアルミニウム水溶液に徐々に加え、pHを6.4乃至6.6とした。この液体を遠心分離(約3,000rpm;5分間)し、上澄み液を除去した。残渣に除去した上澄み液と同量の水を入れ、よく振盪した。遠心分離、上澄み液の除去及び水の添加の工程を、再度繰り返した。その後、塩化ナトリウム9.0gを加えて溶解し、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを6.4乃至6.6に調整し、さらに水を加えて全量1Lとした。水酸化アルミニウムの濃度は、アルミニウム換算で3mg/mL(理論値)である。このようにして調製された水酸化アルミニウムゲルを、実施例1と同様の方法でバイアルに充填し、滅菌した。
(実験1)過排卵に対する水酸化アルミニウムの濃度及び総量の影響を調べるための試験
1. 注射剤の調製
実施例1で調製した水酸化アルミニウムゲル(Al換算濃度:3mg/mL)を用い、Al換算濃度が0.6mg/mL、0.3mg/mL及び0.15mg/mLとなるように生理食塩水で希釈した。このようにして調製した各濃度の水酸化アルミニウムゲル溶液5mLに、アントリンR−10(共立製薬株式会社製の前葉性性腺刺激ホルモン(FSH))30アーマー単位(A.U.)を溶解し、4種類の注射剤を調製した。これらの注射剤における水酸化アルミニウムの濃度(Al換算濃度)及び総量(Al換算総量)は、表1に示す通りであった。
2. 注射剤の投与、人工授精及び受精卵の回収
黒毛和種肉用牛6頭を1群とした。先ず、Al換算濃度が3mg/mLの注射剤5mLを、各雌牛の頸部に皮下注射した。その48時間後に、プロスタグランジンF2αを投与した。発情が生じたら授精を行い、授精の7日後に胚を回収した。胚の回収から40日以上が経過した後に、Al換算濃度が0.6mg/mLの注射剤を使用したこと以外は上記と同様の処置を行った。その後、同様に40日以上の間隔をあけて、Al換算濃度が0.3mg/mLの注射剤、Al換算濃度が0.15mg/mLの注射剤を使用して、同様の処置を行った。
3. 結果
結果を表1に示す。表1から明らかなように、注射剤における水酸化アルミニウムの濃度(Al換算濃度)が0.15mg/mLでは、移植可能胚数は有意に少なかった。一方、0.3mg/mL以上であって今回の実験において採用した濃度範囲では、濃度を高くしても、発情期大卵胞数、黄体数、残存卵胞数、回収胚数及び移植可能胚数に、有意な差はなかった。
Figure 0006301601
(実験2)過排卵に対する水酸化アルミニウムの濃度の影響を調べるための試験
注射剤中の水酸化アルミニウムの濃度(Al換算濃度)及び投与量を表2に示す値とし、試験に供した黒毛和種肉用牛の数を表2に示す値としたこと以外は、実験1と同様の実験を行った。結果を表2に示す。雌牛に投与された水酸化アルミニウムの総量(Al換算総量)は同じであっても、水酸化アルミニウムの濃度(Al換算濃度)が最も濃い場合(1.5mg/mL)には、移植可能胚数が少なかった。
Figure 0006301601
(実験3)腫脹・硬結の大きさの測定
実験1において、本発明の注射剤を皮下注射によって投与した部位(頸部)における腫脹・硬結の大きさを経時的に測定した。結果を表3に示す。表3より、注射剤中の水酸化アルミニウムの濃度(Al換算濃度)が高く且つ総量(Al換算総量)が多いと、腫脹や硬結が大きくなることが明らかである。
Figure 0006301601

Claims (8)

  1. 有効量の性腺刺激ホルモンと水酸化アルミニウムとを含み、水酸化アルミニウムの濃度がアルミニウム量で表した時に0.2乃至0.8mg/mLであることを特徴とする牛の過排卵誘起用皮下注射剤。
  2. 牛の過排卵誘起用皮下注射剤1回投与量中に含有される水酸化アルミニウムの総量が、アルミニウム量で表して1.0mg以上且つ5.0mg未満である、請求項1に記載の牛の過排卵誘起用皮下注射剤。
  3. 性腺刺激ホルモンの含有量が10乃至50AU/回であるか、又は、10乃至50AUに相当する生物学的力価を発現する量/回である、請求項1又は2に記載の牛の過排卵誘起用皮下注射剤。
  4. 水酸化アルミニウムの濃度が、アルミニウム量で表した時に0.3乃至0.6mg/mLである、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の牛の過排卵誘起用皮下注射剤。
  5. 水酸化アルミニウムゲルが内封されてなる容器と、性腺刺激ホルモンが内封されてなる容器と、性腺刺激ホルモン溶解用液体が内封されてなる容器とを含む、請求項1乃至のいずれか一項に記載の牛の過排卵誘起用皮下注射剤調製用のキット
  6. 水酸化アルミニウムの濃度がアルミニウム量で表した時に0.2乃至0.8mg/mLである水酸化アルミニウムゲルが内封されてなる容器と、性腺刺激ホルモンが内封されてなる容器とを含む、請求項1乃至のいずれか一項に記載の牛の過排卵誘起用皮下注射剤調製用キット。
  7. 水酸化アルミニウムの濃度がアルミニウム量で表した時に0.3乃至0.6mg/mLである水酸化アルミニウムゲルが内封されてなる容器と、性腺刺激ホルモンが内封されてなる容器とを含む、請求項に記載の牛の過排卵誘起用皮下注射剤調製用キット。
  8. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の注射剤を雌牛に皮下注射する工程、発情を生じさせて人工授精を行う工程、及び受精卵を回収する工程を含むことを特徴とする優良子牛の生産方法
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