JP6301091B2 - 空気調和機 - Google Patents
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Description
また、前面側熱交換器50と背面側熱交換器60とは、空気流れ方向に伝熱管12をそれぞれ3列配置した構成となっている。ここで、伝熱管12の列数を増加させると、伝熱面積は増加し伝熱性能は向上するが、反面、通風抵抗が増加してしまう。逆に、伝熱管12の列数を減少させると、通風抵抗は減少するが、伝熱面積も減少して伝熱性能が低下してしまう。そのため、伝熱管12の径にもよるが、通風抵抗と伝熱性能とのバランスを考慮して伝熱管12の列数を3列に設定することが多い。
例えば、背面側熱交換器60の伝熱面積と前面面積とを拡大するために、図9に示すように、斜線で表した背面側熱交換器60の下部の領域部分61を段方向に延長して形成することが考えられる。しかしながら、そのようにすると、延長形成した領域部分61が、貫流ファン9から遠く離れて位置し、かつ貫流ファン9の背面に配置されるバックノーズ16で遮られてしまう。このため、背面側熱交換器60において空気の流れにくい箇所が生じてしまい、省エネ性を高めることに支障を来す。
しかしながら、前面側熱交換器50を、図9に示した前面側熱交換器50の下端と同じ高さまで段方向に延長すると、接続部分55が前方へ大きく張り出してしまい、前面側熱交換器50の奥行寸法が大きく増加してしまう。これを回避するために、高さ方向のある箇所において、後側の貫流ファン9に向けて前面側熱交換器50を屈曲させることが考えられる。なお、貫流ファン9の作動を考慮すると、接続部分55より下部側となる下部フィン54は、フィンの奥行き方向すなわち空気流通方向が概ね貫流ファン9の中心軸を向くことが望ましく、図10に示すような形状とすることが望ましい。
また、これとは逆に、直線部58を短く形成した場合には、直線部58を長く形成した場合に比べて直線部58の両端同士が相互に近接する状態となるため、縮流56の緩和を得られ難い課題がある。
初めに、本参考例に係る空気調和機の冷凍サイクルの構成について説明する。空気調和機は、図1に示すように、室外機1と室内機7とが、接続配管10によって接続されることで機能する。室外機1は、圧縮機2と、四方弁3と、室外熱交換器4と、絞り装置6と、プロペラファン5とを備えている。室内機7は,室内熱交換器8と、貫流ファン9とを備えている。冷凍サイクルの内部には、冷媒が封入されており、本参考例においては、冷媒としてR32が用いられている。
なお、線分L1は、フィン11の後縁の少なくとも一部を横切る位置関係とされていればよく、上部側フィン11Aの後縁202および接続部分200の後縁212を横切る位置関係とされていてもよい。
このような前面側熱交換器20は、室内機7に組み込まれた状態で、図2に示すように、貫流ファン9の前方を周方向に覆うように位置する。
なお、前縁201および後縁202において、直線部は一部分に形成されていればよく、他の部分に曲線状の部分を含んで形成されていてもよい。また、前縁201および後縁202が上下方向に2つの直線部(上下方向に連続する2つの直線部または上下方向に非連続とされた2つの直線部)を含んで形成されていてもよい。
なお、前縁301および後縁302において、湾曲部は一部分に形成されていればよく、他の部分に直線状の部分を含んで形成されていてもよい。また、前縁301および後縁302が上下方向に2つの湾曲部(上下方向に連続する2つの湾曲部または上下方向に非連続とされた2つの湾曲部)を含んで形成されていてもよい。
この点線401に対して、上部側フィン11Aの前縁201と点線401とのなす角のうち大きい方の角度をθ1とし、接続部分200の前縁211(前縁211に沿う基準線)と点線401とのなす角度のうち小さい方の角度をθ3とし、下部側フィン11Bの前縁301の上端における接線402(湾曲部の上端における接線402)と点線401とのなす角度のうち小さい方の角度をθ2としたときに、これらが、
θ1>θ3>θ2の関係を満たすように設定されている。
なお、この関係は、フィン11の後縁側についても同様である。
加えて、前縁301および後縁302が空気流れ方向の下流側に湾曲した形状であるため、図10に示す従来の室内熱交換器70に比べて、前縁301の空気流れ方向の上流側では室内機7の前面側筐体15(図2参照)との距離を確保することができる。また、同様に、後縁302の空気流れ方向の下流側では室内機7の前面側筐体15や貫流ファン9との距離を確保することができる。これにより、前面側筐体15の最上部15aより低い位置にある、前面側熱交換器20の下部側フィン11Bを流れる空気の流動抵抗を低減できる。したがって、図10に示す従来の室内熱交換器70に比べて、前面側熱交換器20の下部を通過する空気流量を増加できる。
これに対して、本参考例では、前記したように、図10に示す従来の室内熱交換器70に比べて、前面側熱交換器20の下部を通過する空気流量が増加し、風速分布の不均一を改善することが可能であることから、伝熱管12の列を場所ごとに減らして通風抵抗を調整する必要もなくなる。そのため、前面側熱交換器20における伝熱管12の列数をフィン11の長手方向に同数配置することができ、より多くの伝熱管12を配置することが可能となり、また冷媒流路の構成も容易である。したがって、伝熱性能の高い室内熱交換器8を得ることができ、高い省エネ性を得ることが可能となる。
また、本参考例では、前縁201と前縁211との角部221、前縁211と前縁301との角部222、後縁202と後縁212との角部223、および後縁212と後縁302との角部224をアール状としたものを示したが、これらはフィンを製造する際にバリの発生を抑える等、製造を容易にするためのものであり、これに限られることはなく、直線状としてもよく、また、形成しない場合であっても、前記した作用効果と同様の作用効果が得られる。
また、下部側フィン11Bにおいて、湾曲した前縁301の下端に連続する直線部を設けてもよく、湾曲した後縁302の下端に連続する直線部を設けてもよい。この場合にも湾曲部の存在により前記した作用効果と同様の作用効果が得られる。
図5を参照して第1実施形態の空気調和機について説明する。
本実施形態が前記参考例と異なるところは、接続部分200の前縁231および後縁232は、空気流れ方向の下流側から上流側に向けて湾曲状に突出する湾曲突出部を有している点であり、その他の構成に変更はない。
点線401に対して、上部側フィン11Aの前縁201と点線401とのなす角のうち大きい方の角度をθ1とし、接続部分200の前縁231上における貫流ファン9(図2参照)から最も離れた部分231aの接線406(基準線)と点線401とのなす角度のうち小さい方の角度をθ3とし、下部側フィン11Bの前縁301の上端における接線402(湾曲部の上端における接線402)と点線401とのなす角度のうち小さい方の角度をθ2としたときに、これらが、
θ1>θ3>θ2の関係を満たすように設定されている。
なお、この関係は、フィン11の後縁側についても同様である。
また、貫流ファン9から前面側熱交換器20の最前方となる箇所(最も離れた部分231a)までの距離は、参考例のものに比べてやや拡大するため、僅かに室内熱交換器8の奥行き寸法が増加することになるが、本実施形態においては、風速分布の更なる改善が図れ、より高い省エネ性と静音性を得ることができる。
また、前縁231および後縁232は、直線部を含んで形成されていてもよい。この場合においても前記した作用効果と同様の作用効果が得られる。
また、湾曲突出部は接続部分200の前縁231および後縁232に少なくとも1つ設けられていればよく、2つ以上設けられていてもよい。
9 貫流ファン
11 フィン
11A 上部側フィン
11B 下部側フィン
12 伝熱管
14 筐体
20 前面側熱交換器
22,23 空気吸込口
24 空気吹出口
200 接続部分
201 前縁
201a 上端
202 後縁
211 前縁
212 後縁
231 前縁
231a 最も離れた部分
232 後縁
301 前縁
301a 下端
302 後縁
401 点線(水平線)
406 接線(基準線)
L1 線分
W1 伝熱管同士の間隔
Claims (5)
- 空気吸込口および空気吹出口を有する筐体と、前記筐体内に設けられた貫流ファンと、フィンおよび前記フィンを貫通するU字状に曲げられた伝熱管で構成され、前記貫流ファンを取り囲むように略逆V字状に配置されたクロスフィンチューブ型の室内熱交換器と、を備え、
前記室内熱交換器は、前面側熱交換器と背面側熱交換器とを有し、
前記前面側熱交換器を構成するフィンは、
その前縁の上端と下端とを結ぶ線分が前記フィンの後縁を横切るように、略くの字状に形成され、接続部分を挟んで上部側フィンと下部側フィンとを有しており、
前記上部側フィンの前縁および後縁は、少なくとも1つの直線部を有しており、
前記下部側フィンの前縁および後縁は、空気流れ方向の上流側から下流側に向けて湾曲する少なくとも1つの湾曲部を有しており、
前記直線部と水平線とのなす角度のうち、大きい方の角度をθ1、
前記接続部分の前縁に沿う基準線と水平線とのなす角度のうち、小さい方の角度をθ3、
前記湾曲部の上端における接線と水平線とのなす角度のうち、小さい方の角度をθ2としたときに、これらが、
θ1>θ3>θ2の関係を満たしており、
前記接続部分の前縁および後縁は、空気流れ方向の下流側から上流側に向けて湾曲状に突出する少なくとも1つの湾曲突出部を有しており、
前記基準線は、前記湾曲突出部上における前記貫流ファンから最も離れた部分の接線であることを特徴とする空気調和機。 - 前記接続部分は、前記フィンの長手方向における前記伝熱管同士の間隔の2倍を超えない大きに設定されていることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
- 前記湾曲突出部の前縁および後縁は、円弧状であることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
- 前記前面側熱交換器の前記伝熱管は、空気流れ方向に同じ列数で配置されていることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
- 前記伝熱管は、空気流れ方向に3列配置されていることを特徴とする請求項4に記載の空気調和機。
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