JP6300460B2 - 化合物、および前記化合物を有する光音響イメージング用造影剤 - Google Patents

化合物、および前記化合物を有する光音響イメージング用造影剤 Download PDF

Info

Publication number
JP6300460B2
JP6300460B2 JP2013150763A JP2013150763A JP6300460B2 JP 6300460 B2 JP6300460 B2 JP 6300460B2 JP 2013150763 A JP2013150763 A JP 2013150763A JP 2013150763 A JP2013150763 A JP 2013150763A JP 6300460 B2 JP6300460 B2 JP 6300460B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
integer
independently
peg
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013150763A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014185138A (ja
Inventor
淳 ▲高▼橋
淳 ▲高▼橋
健吾 金崎
健吾 金崎
文生 山内
文生 山内
南 昌人
昌人 南
賢史 小河
賢史 小河
湯浅 聡
聡 湯浅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2013150763A priority Critical patent/JP6300460B2/ja
Publication of JP2014185138A publication Critical patent/JP2014185138A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6300460B2 publication Critical patent/JP6300460B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、化合物、および前記化合物を有する光音響イメージング用造影剤に関する。
生体内部の情報を可視化する装置の1つとして、光音響トモグラフィー(Photoacoustic tomography、以下PATと略すことがある)装置が知られている。PAT装置を用いる測定においては、被測定体に光を照射したときに被測定体内部で光を吸収した物質(光吸収体)が発する光音響信号の強度と発生時刻を測定することにより、被測定体内部の物質分布を演算した画像を得ることができる。
ここで、光吸収体としては、生体内で光を吸収して音響波を発するものであればいかなるものをも用いることができる。例えば人体内の血管や悪性腫瘍などを光吸収体とすることが可能である。その他にも、インドシアニングリーン(Indocyanine Green、以下ICGと略すことがある)などの分子を体内に投与し、造影剤として利用することもできる。ICGは、人体に照射した際の影響が少なくかつ生体への透過性が高い近赤外波長領域の光をよく吸収することから、PAT装置における造影剤として好適に用いることができる。なお、本明細書において、ICGとは下記の構造で示される化合物を指す。
ただし、対イオンはNaでなくてもよく、HあるいはKなど任意の対イオンをもちいることができる。
しかし、ICGは血中での半減期が数分程度と非常に短いことが知られている。
非特許文献1では、単独のICGを用いてラットの脳血管の光音響イメージングを行った例が報告されている。この報告によると、単独のICGを血中に投与してから数十分後に、光音響信号強度が血液と同じレベルにまで低下しており、投与した物質が投与後速やかに血中から消失することが示唆されている。
このように、単独のICGは血中に投与してから数十分後に血中から消失してしまうことから、投与後時間がたったときの腫瘍への集積性が低いと考えられる。
Optics Letters,29(7),730(2004)
そこで本発明では、投与後時間がたったときでも、腫瘍への集積性が高く、腫瘍から発せられる光音響信号強度が大きい、化合物を提供することを目的とする。
本発明に係る化合物は下記式(1)乃至(6)のいずれかで示されることを特徴とする。
上記式(1)において、Aは近赤外波長領域の光を吸収する有機色素であり、Lは−NH−、−CO−、−O−、−S−のいずれかであるか、または−NH−、−CO−、−O−、−S−のいずれか1つ以上を含むリンカー部位である。qは1乃至5のいずれかの整数であり、m、nはそれぞれ独立に10以上2500以下のいずれかの整数である。R、Rはそれぞれ独立に炭素数1乃至5のアルキル基である。
上記式(2)において、Aは近赤外波長領域の光を吸収する有機色素であり、Lは−NH−、−CO−、−O−、−S−のいずれかであるか、または−NH−、−CO−、−O−、−S−のいずれか1つ以上を含むリンカー部位である。p、qはそれぞれ独立に1乃至5のいずれかの整数であり、l、m、nはそれぞれ独立に10以上2500以下のいずれかの整数である。R、Rはそれぞれ独立に炭素数1乃至5のアルキル基である。
上記式(3)において、Aは近赤外波長領域の光を吸収する有機色素であり、Lは−NH−、−CO−、−O−、−S−のいずれかであるか、または−NH−、−CO−、−O−、−S−のいずれか1つ以上を含むリンカー部位である。qは1乃至5の整数であり、l、m、nはそれぞれ独立に10以上2500以下のいずれかの整数である。R、Rはそれぞれ独立に炭素数1乃至5のアルキル基である。
式(4)において、A、Aはそれぞれ独立に近赤外波長領域の光を吸収する有機色素であり、L、Lはそれぞれ独立に−NH−、−CO−、−O−、−S−のいずれかであるか、またはそれぞれ独立に−NH−、−CO−、−O−、−S−のいずれか1つ以上を含むリンカー部位である。p、q、rはそれぞれ独立に1乃至5のいずれかの整数であり、m、nはそれぞれ独立に10以上2500以下のいずれかの整数である。R、Rはそれぞれ独立に炭素数1乃至5のアルキル基である。
式(5)において、A、A、A、Aはそれぞれ独立に近赤外波長領域の光を吸収する有機色素であり、L、L、L、Lはそれぞれ独立に−NH−、−CO−、−O−、−S−のいずれかであるか、またはそれぞれ独立に−NH−、−CO−、−O−、−S−のいずれか1つ以上を含むリンカー部位である。p、qはそれぞれ独立に1乃至5のいずれかの整数であり、nは10以上2500以下のいずれかの整数である。
式(6)において、Aは近赤外波長領域の光を吸収する有機色素であり、Lは−NH−、−CO−、−O−、−S−のいずれかであるか、または−NH−、−CO−、−O−、−S−のいずれか1つ以上を含むリンカー部位である。p、qはそれぞれ独立に1乃至5のいずれかの整数であり、nは10以上2500以下のいずれかの整数である。
別の本発明に係る化合物は、近赤外波長領域の光を吸収する有機色素と、分岐を有するポリエチレングリコールとが共有結合した化合物であって、前記分岐を有するポリエチレングリコールが、下記式(9)乃至(14)のいずれかで表わされることを特徴とする。
上記式(9)において、Lは−NH、−COOH、−OH、−SH、スルフヒドリル基、エポキシ基、グリシジル基、N−サクシイミジルオキシ基、N−スルホサクシイミジルオキシ基、およびN−マレイミドアルキル基のいずれか1つ以上を含む。qは1乃至5のいずれかの整数であり、m、nはそれぞれ独立に10以上2500以下のいずれかの整数である。R、Rはそれぞれ独立に炭素数1乃至5のアルキル基である。
上記式(10)において、Lは−NH、−COOH、−OH、−SH、スルフヒドリル基、エポキシ基、グリシジル基、N−サクシイミジルオキシ基、N−スルホサクシイミジルオキシ基、およびN−マレイミドアルキル基のいずれか1つ以上を含む。p、qはそれぞれ独立に1乃至5の整数であり、l、m、nはそれぞれ独立に10以上2500以下のいずれかの整数である。R、Rはそれぞれ独立に炭素数1乃至5のアルキル基である。
上記式(11)において、Lは−NH、−COOH、−OH、−SH、スルフヒドリル基、エポキシ基、グリシジル基、N−サクシイミジルオキシ基、N−スルホサクシイミジルオキシ基、およびN−マレイミドアルキル基のいずれか1つ以上を含む。qは1乃至5のいずれかの整数であり、l、m、nはそれぞれ独立に10以上2500以下のいずれかの整数である。R、Rはそれぞれ独立に炭素数1乃至5のアルキル基である。
上記式(12)において、L、Lはそれぞれ独立に−NH、−COOH、−OH、−SH、スルフヒドリル基、エポキシ基、グリシジル基、N−サクシイミジルオキシ基、N−スルホサクシイミジルオキシ基、およびN−マレイミドアルキル基のいずれか1つ以上を含む。p、q、rはそれぞれ独立に1乃至5の整数であり、m、nはそれぞれ独立に10以上2500以下のいずれかの整数である。R、Rはそれぞれ独立に炭素数1乃至5のアルキル基である。
上記式(13)において、L、L、L、Lはそれぞれ独立に−NH、−COOH、−OH、−SH、スルフヒドリル基、エポキシ基、グリシジル基、N−サクシイミジルオキシ基、N−スルホサクシイミジルオキシ基、およびN−マレイミドアルキル基のいずれか1つ以上を含む。p、qはそれぞれ独立に1乃至5のいずれかの整数であり、nは10以上2500以下のいずれかの整数である。
上記式(14)において、Lは−NH、−COOH、−OH、−SH、スルフヒドリル基、エポキシ基、グリシジル基、N−サクシイミジルオキシ基、N−スルホサクシイミジルオキシ基、およびN−マレイミドアルキル基のいずれか1つ以上を含む。p、qはそれぞれ独立に1乃至5のいずれかの整数であり、nはそれぞれ独立に10以上2500以下のいずれかの整数である。
本発明に係る化合物によれば、分岐を有するポリエチレングリコール(polyethylene glycol、以下PEGと略すことがある)と、ICGなどの近赤外波長領域に吸収がある有機色素とが共有結合した構造であるため、ICGを単独で生体に投与した場合に比べて、腫瘍への集積性が高く、腫瘍から発せられる光音響信号強度が大きい。
近赤外波長領域の光を吸収する有機色素と分岐を有するPEGとが共有結合した化合物の模式図である。 本発明の実施例で行われた腫瘍集積性および血液中の存在量の評価実験で得られた結果を示すグラフである。
本発明の実施形態に係る化合物について説明する。本実施形態に係る化合物は、分岐を有するPEG102と、近赤外波長領域の光を吸収する有機色素101(以下、近赤外有機色素と略すことがある)とが、−NH−、−CO−、−O−、−S−のいずれかであるか、または−NH−、−CO−、−O−、−S−のいずれか1つ以上を含むリンカー部位103に共有結合していることを特徴とする。
ここで、ICGなどの近赤外有機色素は、血中に投与した場合、血中のタンパク質と吸着した上で体外へと排出されやすい。また、近赤外有機色素は血中の水分子と反応して分解してしまう可能性がある。その結果、単独の近赤外有機色素を生体の血中に投与しても、血中滞留性が低く、腫瘍への集積性が低いため、腫瘍から発せられる光音響信号強度は小さい。
一方、本実施形態に係る化合物は、近赤外有機色素が分岐を有するPEGと共有結合しているため、PEGが、近赤外有機色素への血中のタンパク質の吸着を抑制する。そのため、本実施形態に係る化合物を生体の血中に投与しても、体外へと排出されにくい性質(ステルス効果)が得られる。このステルス効果により本発明の化合物は高い血中滞留性、腫瘍集積性を獲得する。さらに近赤外有機色素とPEGが共有結合していることで、血中の水分子が近赤外有機色素に接近しにくく、近赤外有機色素は分解しにくい。
さらに、本実施形態に係る分岐を有するPEGは、分子内に少なくとも1つの分岐鎖構造を有する複数のPEGユニットから構成されていることを特徴とする(以下、分岐鎖PEGと呼ぶことがある)。分岐鎖PEGの一本鎖PEGに対する特徴として次のようなことが挙げられる。分岐鎖PEGは一本鎖PEGに比べてPEGの分子量当たりの粘性が低いため拡散しやすい。そのために血中滞留性および組織浸透性が一本鎖PEGに比べて向上することが期待される。また、粘性が低いために調製時のハンドリングが容易となることが期待される。さらに、分岐鎖PEGにおいては、分岐点にPEGユニットが結合している分子構造であるため、PEG分子量当たりの分子運動が一本鎖PEGに比べて制限される結果、相対的に分子の占有体積が小さくなることで組織浸透性が向上することが期待される。また、分岐を有するPEGでは近赤外有機色素などの光音響発生源の結合点を複数持たせる分子を選択することで、一本鎖PEGに比べて化合物あたりの光音響信号を高めることもできる。このような理由から本実施形態に係る化合物は腫瘍から発せられる光音響信号強度が大きい。
本実施形態に係る化合物において、分岐鎖PEGと、少なくとも1つの近赤外有機色素とが式(1)乃至(6)におけるL乃至Lのいずれかと共有結合していればよく、分岐鎖PEGに対して複数の近赤外有機色素とが結合していてもよい。また、本実施形態に係る化合物が、分岐鎖PEGと複数の近赤外有機色素を有する場合、少なくとも1つの近赤外有機色素が、分岐鎖PEGと共有結合していればよく、それ以外の近赤外有機色素は非共有結合であってもよい。同様に、近赤外有機色素と複数の、分岐鎖PEGを有する場合、少なくとも1つの、分岐鎖PEGが近赤外有機色素と共有結合していればよく、それ以外の、分岐鎖PEGは非共有結合であってもよい。また、L乃至Lはそれぞれ独立に−NH−、−O−、−S−、−CO−のいずれか1つ以上を含むリンカー部位であってもよい。ここでリンカー部位とは、分岐鎖PEGと、近赤外有機色素とを結合させる機能を有する部位である。例えば、1,6−BismaleimidohexaneやSuccinimidyl trans−4−(N−Maleimidylmethyl)−Cyclohexane−1−Carboxylateなどの2官能性の化合物が挙げられる。別の例では、カルボニル基、アミド基、エステル基、ピペラジル基などを含んでなるアルキル基を挙げることができる。更に別の例では任意の鎖長のポリペプチドを使用することもでき、該ポリペプチドが後述の捕捉分子であってもよい。ポリペプチドは、鎖中のカルボニル基、アミノ基、チオール基のいずれかを使用して共有結合を形成することができる。例えば、N−PEGマレイミド基とチオール基は中性条件下、室温においてマレイミド−チオール結合を形成することができる。
また、本実施形態おける化合物は標的部位に特異的に結合する捕捉分子を有していてもよい。
本実施形態に係る化合物は具体的には下記式(1)乃至(6)のいずれかで示されることを特徴とする化合物である。
上記式(1)において、Aは近赤外波長領域の光を吸収する有機色素であり、Lは−NH−、−CO−、−O−、−S−のいずれかであるか、または−NH−、−CO−、−O−、−S−のいずれか1つ以上を含むリンカー部位である。qは1乃至5のいずれかの整数であり、m、nはそれぞれ独立に10以上2500以下のいずれかの整数である。R、Rはそれぞれ独立に炭素数1乃至5のアルキル基である。
上記式(2)において、Aは近赤外波長領域の光を吸収する有機色素であり、Lは−NH−、−CO−、−O−、−S−のいずれかであるか、または−NH−、−CO−、−O−、−S−のいずれか1つ以上を含むリンカー部位である。p、qはそれぞれ独立に1乃至5のいずれかの整数であり、l、m、nはそれぞれ独立に10以上2500以下のいずれかの整数である。R、Rはそれぞれ独立に炭素数1乃至5のアルキル基である。
上記式(3)において、Aは近赤外波長領域の光を吸収する有機色素であり、Lは−NH−、−CO−、−O−、−S−のいずれかであるか、または−NH−、−CO−、−O−、−S−のいずれか1つ以上を含むリンカー部位である。qは1乃至5の整数であり、l、m、nはそれぞれ独立に10以上2500以下のいずれかの整数である。R、Rはそれぞれ独立に炭素数1乃至5のアルキル基である。
式(4)において、A、Aはそれぞれ独立に近赤外波長領域の光を吸収する有機色素であり、L、Lはそれぞれ独立に−NH−、−CO−、−O−、−S−のいずれかであるか、またはそれぞれ独立に−NH−、−CO−、−O−、−S−のいずれか1つ以上を含むリンカー部位である。p、q、rはそれぞれ独立に1乃至5のいずれかの整数であり、m、nはそれぞれ独立に10以上2500以下のいずれかの整数である。R、Rはそれぞれ独立に炭素数1乃至5のアルキル基である。
式(5)において、A、A、A、Aはそれぞれ独立に近赤外波長領域の光を吸収する有機色素であり、L、L、L、Lはそれぞれ独立に−NH−、−CO−、−O−、−S−のいずれかであるか、またはそれぞれ独立に−NH−、−CO−、−O−、−S−のいずれか1つ以上を含むリンカー部位である。p、qはそれぞれ独立に1乃至5のいずれかの整数であり、nは10以上2500以下のいずれかの整数である。
式(6)において、Aは近赤外波長領域の光を吸収する有機色素であり、Lは−NH−、−CO−、−O−、−S−のいずれかであるか、または−NH−、−CO−、−O−、−S−のいずれか1つ以上を含むリンカー部位である。p、qはそれぞれ独立に1乃至5のいずれかの整数であり、nは10以上2500以下のいずれかの整数である。
上記式(1)乃至(6)において、A、A、A、Aはそれぞれ独立に下記式(7)または式(8)のいずれかで表わされることが好ましい。
上記式(7)および式(8)の*は、前記式(1)乃至(6)のL、L、L、Lのいずれかに結合する。
なお、本明細書において、*は構造式中の
と同義である。
上記式(7)および式(8)において、Zは水素原子、スルホン酸基、またはZに結合したインドール環と共にベンズ[e]インドール環、ベンズ[f]インドール環、またはベンズ[g]インドール環からなる環状芳香族環を形成し、さらに該環状芳香族環の水素原子は炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数1乃至10のアルコキシ基、スルホン酸基で置換されていてもよい。
上記式(7)および式(8)において、Rは、炭素数1乃至10のアルキル基、−(CH−SO (bは1乃至10のいずれかの整数)のいずれかである。Rがアルキル基である場合、ハロゲンイオン、または有機酸イオンが対イオンとして含まれていても良い。
、Rはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数1乃至10のアルコキシ基、−(CH−SO (bは1乃至10のいずれかの整数)、−(CH−SOX(bは1乃至10のいずれかの整数であり、Xはナトリウム、カリウム、アンモニウム、トリエチルアンモニウム、リジン、アルギニンのいずれかである)のいずれかである。
上記式(7)および式(8)において、aは1乃至10のいずれかの整数であり、sは2または3である。
上記式(8)において、Rは炭素数1乃至10のアルキル基、−(CH−SO (bは1乃至10の整数)、−(CH−SOX(bは1乃至10のいずれかの整数であり、Xはナトリウム、カリウム、アンモニウム、トリエチルアンモニウム、リジン、アルギニンのいずれかである)のいずれかである。
本実施形態において、式(7)におけるaは2乃至6のいずれかの整数であることが好ましく、式(7)のR、R、Rにおけるbは2乃至6のいずれかの整数であることが好ましい。
本実施形態において、式(8)におけるaは2乃至6のいずれかの整数であることが好ましく、式(8)のR、R、Rにおけるbは2乃至6のいずれかの整数であることが好ましい。
上記のaおよびbが、6以下である場合、疎水性が高くならないため、生体中において非特異吸着しにくい。
本実施形態において、上記式(7)が下記式(21)乃至(26)のいずれかで表わされることが好ましい。

(21)

(22)
式(22)において、Yは塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲンイオン、または酢酸イオン、酒石酸イオン、コハク酸イオン等の有機酸イオンのいずれかである。

(23)

(24)

(25)

(26)
上記式(23)乃至(26)において、Xはナトリウム、カリウム、アンモニウム、トリエチルアンモニウム、リジン、アルギニンのいずれかである。
本実施形態において、上記式(8)が、下記式(27)または(28)のいずれかで表されることが好ましい。

(27)

(28)
上記式(27)または(28)において、Xはナトリウム、カリウム、アンモニウム、トリエチルアンモニウム、リジン、アルギニンのいずれかである。
上記式(1)乃至(6)においてL乃至Lのうち1つ以上のリンカー部分がポリペプチド、または一本鎖抗体であってもよい。
また、上記式(1)乃至(6)においてL乃至Lのうち1つ以上が下記式(46)で表わされてもよい。
ここで、Lはポリペプチド、または一本鎖抗体であり、―NH―はポリペプチドまたは一本鎖抗体中のアミノ酸のアミノ基を介した結合を、−S−はポリペプチドまたは一本鎖抗体中のアミノ酸のチオール基を介した結合を表わす。Lはカルボニル基、アミド基、エステル基、ピペラジル基などを含む炭素数1乃至10のアルキル鎖である。**はA乃至Aのうち1つ以上へ結合し、***は式(1)乃至(6)のアルキル鎖側またはエチレングリコール鎖側に結合する。
上記式(46)において、Lが−(CH−C(=O)−NH−であってもよい。ここで、エチレン基側がマレイミド基の窒素原子へ結合し、アミド基側が***へ結合する。
(分岐を有するPEG)
本実施形態に係る分岐を有するPEGは、水溶性の高分子であり、タンパク質の血清半減期の増加や免疫原性の低下などの効果を奏する。PEGの分子量は、400以上100000以下の範囲であることが好ましく、20000以上であることがさらに好ましい。分子量が20000以上であれば、EPR(Enhanced Permeability and Retention)効果により、生体内の正常部位に比べて腫瘍部位により多くのPEGを集積させることができると考えられる。また、分子量が20000以上において腎臓からの排泄が抑制されるため、低分子量のPEGに比較して、血中滞留性が長くなることが期待できる。また、PEGの分子量増大に伴い、溶液粘性が増大するため、PEGの分子量は100000以下であることが好ましい。
また、本実施形態において、近赤外有機色素と共有結合できる反応性の官能基がPEG1分子に少なくとも1つ以上有するPEGを用いることが好ましい。ここで反応性の官能基とは、結合させる色素の有する官能基によって適宜選択することができる。反応性官能基とは例えば、アミノ基、水酸基、チオール基、カルボニル基、スルフヒドリル基、エポキシ基、グリシジル基、N−サクシイミジルオキシ基、N−スルホサクシイミジルオキシ基、およびN−マレイミドアルキル基等であることが好ましい。
近赤外有機色素と反応する、分岐を有するPEGは、下記式(9)乃至(14)のいずれかで表わされることが好ましい。
上記式(9)において、Lは−NH、−COOH、−OH、−SH、スルフヒドリル基、エポキシ基、グリシジル基、N−サクシイミジルオキシ基、N−スルホサクシイミジルオキシ基、およびN−マレイミドアルキル基のいずれか1つ以上を含む。qは1乃至5のいずれかの整数であり、m、nはそれぞれ独立に10以上2500以下のいずれかの整数である。R、Rはそれぞれ独立に炭素数1乃至5のアルキル基である。
上記式(10)において、Lは−NH、−COOH、−OH、−SH、スルフヒドリル基、エポキシ基、グリシジル基、N−サクシイミジルオキシ基、N−スルホサクシイミジルオキシ基、およびN−マレイミドアルキル基のいずれか1つ以上を含む。p、qはそれぞれ独立に1乃至5のいずれかの整数であり、l、m、nはそれぞれ独立に10以上2500以下のいずれかの整数である。R、Rはそれぞれ独立に炭素数1乃至5のアルキル基である。
上記式(11)において、Lは−NH、−COOH、−OH、−SH、スルフヒドリル基、エポキシ基、グリシジル基、N−サクシイミジルオキシ基、N−スルホサクシイミジルオキシ基、およびN−マレイミドアルキル基のいずれか1つ以上を含む。qは1乃至5のいずれかの整数であり、l、m、nはそれぞれ独立に10以上2500以下のいずれかの整数である。R、Rはそれぞれ独立に炭素数1乃至5のアルキル基である。
上記式(12)において、L、Lはそれぞれ独立に−NH、−COOH、−OH、−SH、スルフヒドリル基、エポキシ基、グリシジル基、N−サクシイミジルオキシ基、N−スルホサクシイミジルオキシ基、およびN−マレイミドアルキル基のいずれか1つ以上を含む。p、q、rはそれぞれ独立に1乃至5のいずれかの整数であり、m、nはそれぞれ独立に10以上2500以下のいずれかの整数である。R、Rはそれぞれ独立に炭素数1乃至5のアルキル基である。
上記式(13)において、L、L、L、Lはそれぞれ独立に−NH、−COOH、−OH、−SH、スルフヒドリル基、エポキシ基、グリシジル基、N−サクシイミジルオキシ基、N−スルホサクシイミジルオキシ基、およびN−マレイミドアルキル基のいずれか1つ以上を含む。p、qはそれぞれ独立に1乃至5のいずれかの整数であり、nは10以上2500以下のいずれかの整数である。
上記式(14)において、Lは−NH、−COOH、−OH、−SH、スルフヒドリル基、エポキシ基、グリシジル基、N−サクシイミジルオキシ基、N−スルホサクシイミジルオキシ基、およびN−マレイミドアルキル基のいずれか1つ以上を含む。p、qはそれぞれ独立に1乃至5のいずれかの整数であり、nは10以上2500以下のいずれかの整数である。
本実施形態に係る近赤外有機色素と反応する分岐を有するPEGの例として、下記式(15)乃至下記式(20)および式(40)のいずれかで示される各化合物が挙げられる。

(15)

(16)

(17)

(18)

(19)

(20)

(40)
上記式(15)で示される化合物のうち、分子量が20000、40000、60000のものとして、それぞれSUNBRIGHT GL2−200PA(日油製)、SUNBRIGHT GL2−400PA(日油製)、SUNBRIGHT GL2−600PA(日油製)が挙げられる。
上記式(16)で示される化合物のうち、分子量が50000のものとして、SUNBRIGHT GL3−400PA 100U(日油製)が挙げられる。
上記式(17)で示される化合物のうち、分子量が60000、80000のものとして、それぞれSUNBRIGHT GL4−600PA(日油製)、SUNBRIGHTGL4−800PA(日油製)が挙げられる。
上記式(18)で示される化合物のうち、分子量が40000のものとして、SUNBRIGHT PTE−400EA(日油製)が挙げられる。
上記式(19)で示される化合物のうち、分子量が40000のものとして、SUNBRIGHT PTE−400PA(日油製)が挙げられる。
上記式(20)で示される化合物のうち、分子量が15000、40000のものとして、それぞれSUNBRIGHT HGEO−150PA(日油製)、SUNBRIGHT HGEO−400PA(日油製)が挙げられる。
上記式(40)で示される化合物のうち、分子量が20000、40000のものとして、それぞれSUNBRIGHT PTE2−200MA2(日油製)、SUNBRIGHT PTE−400MA2(日油製)が挙げられる。
(近赤外有機色素)
本実施形態において近赤外有機色素としては、近赤外波長領域の光を吸収して音響波を発するものであれば特に限定されない。ここで、近赤外波長領域とは、600nm以上1300nm以下の範囲である。
本実施形態における近赤外有機色素としては、例えば、アジン系色素、アクリジン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素、シアニン系色素、フタロシアニン系色素、スチリル系色素、ピリリウム系色素、アゾ系色素、キノン系色素、テトラサイクリン系色素、フラボン系色素、ポリエン系色素、BODIPY(登録商標)系色素、インジゴイド系色素を挙げることが出来る。
上記シアニン系色素としては、例えば、インドシアニングリーン(ICG)、Alexa 750などのAlexa Fluor(登録商標)系色素(インビトロジェン社製)、Cy(登録商標)系色素(GE ヘルスケア バイオサイエンス社製)、IR−783、IR−806、IR−820(シグマ アルドリッチ ジャパン株式会社製)、IRDye 800CW、IRDye 800RS(登録商標)(LI−COR社製)、ADS780WS、ADS795WS、ADS830WS、ADS832WS(American Dye Source社製)を挙げることが出来る。
本実施形態において、分岐を有するPEGと反応する近赤外有機色素の構造は、下記式(29)で表される。
B−B’ (29)
式(29)において、Bは上記式(7)または式(8)で表される。
また、式(29)において、B’は下記式(30)乃至(33)のいずれかで表される。
上記式(29)の例として、下記式(34)で示される化合物(ICG−Sulfo−OSu(Dojindo Laboratories製、登録商標))、下記式(35)で示される化合物、下記式(36)示される化合物、下記式(37)で示される化合物、下記式(38)で示される化合物、下記式(39)で示される化合物のいずれかであることが好ましい。

(34)

(35)

(36)

(37)

(38)

(39)
(化合物の調製方法)
本実施形態において、化合物は分岐を有するPEGと近赤外有機色素を、アミノ基、チオール基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、スルフヒドリル基、エポキシ基、グリシジル基、N−サクシイミジルオキシ基、N−スルホサクシイミジルオキシ基、またはN−マレイミドアルキル基のいずれか1つ以上を介して公知のカップリング反応によって結合することによって調製する。特に、アミノ基を介して結合させることが好ましい。分岐を有するPEGの末端などにアミノ基が存在するようにしておき、弱アルカリ性のpH領域において効率的かつ選択的に反応する。前記反応により分岐を有するPEGと結合した近赤外有機色素は、限外濾過法、サイズ排除カラムクロマトグラフィー法等の公知のタンパク質精製法により洗浄、精製することができる。
分岐を有するPEGと近赤外有機色素の結合はPEGに存在する前記アミノ基、チオール基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、スルフヒドリル基、エポキシ基、グリシジル基、N−サクシイミジルオキシ基、N−スルホサクシイミジルオキシ基、またはN−マレイミドアルキル基のいずれか1つ以上と近赤外有機色素の誘導体とで直接結合されていても良いし、種々の架橋材(クロスリンカー)を介してPEGと近赤外有機色素が結合されていても良い。
(添加剤)
本実施形態に係る光音響イメージング用造影剤は、凍結乾燥時に使用する添加剤を含んでいてもよい。添加剤の一例としてグルコース、ラクトース、マンニトール、ポリエチレングリコール、グリシン、塩化ナトリウム、リン酸水素ナトリウムが挙げられる。添加剤は1種類のみを用いても、複数種類を併用してもよい。
(光音響イメージング用造影剤)
本実施形態に係る光音響イメージング(Photoacoustic Imaging、以下PAIと略すことがある)用造影剤は、上記化合物と分散媒とを有する。なお、PAIは、光音響トモグラフィー(断層撮影法)を含む概念である。分散媒として例えば、生理食塩水、注射用蒸留水、リン酸緩衝生理食塩水、ブドウ糖水溶液が挙げられる。また本実施形態に係るPAI用造影剤は、必要に応じて薬理上許容できる添加物、例えば血管拡張剤などを有していても良い。
本実施形態に係るPAI用造影剤は、上記の分散媒に予め分散させておいてもよいし、キットにしておき、生体内に投与する前に分散媒に分散させて使用してもよい。
本実施形態に係るPAI用造影剤は、EPR効果を利用することで、生体内に投与したときに、生体内の正常部位に比べて腫瘍部位により多く集積させることができる。その結果、粒子を生体内に投与した後、生体に光を照射して、生体からの音響波を検出するときに、腫瘍部位から発せられる音響波を正常部位から発せられる音響波よりも大きくすることができる。したがって、本実施形態に係るPAI用造影剤は腫瘍の造影に用いられることが好ましい。
また、本実施形態に係るPAI用造影剤はリンパ節の造影に用いることもできる。さらに、センチネルリンパ節(Sentinel Lymph Node、以下SLNと略すことがある)の造影剤に用いることが特に好ましい。これは色素単独と比べてもサイズが大きいためにセンチネルリンパ節により留まりやすく集積性が向上することが期待されるためである。
(捕捉分子)
本実施形態における捕捉分子とは、腫瘍などの標的部位に特異的に結合する物質、標的部位の周辺に存在する物質に特異的に結合する物質などであり、生体分子や医薬品等の化学物質などから任意に選択することができる。具体的には、抗体、抗体フラグメント、一本鎖抗体などの人工抗体、酵素、生物活性ペプチド、グリコペプチド、糖鎖、脂質、分子認識化合物などが挙げられる。これらの物質は単独で用いることもできるし、あるいは複数を組み合わせて用いることもできる。捕捉分子が化学結合された化合物を用いることで、標的部位の特異的な検出、標的物質の動態、局在、薬効、代謝等の追跡を行うことができる。
(光音響イメージング方法)
生体内に投与された本実施形態に係る化合物を、光音響イメージング装置を用いて検出する方法について説明する。本実施形態に係る化合物を検出する方法は以下の(a)、(b)の工程を有する。但し、本実施形態に係る光音響イメージング方法は、以下に示す工程以外の工程を含んでいても良い。
(a)本実施形態に係る化合物が投与された検体に600nm乃至1300nmの波長領域の光を照射する工程
(b)前記検体内に存在する前記化合物から発生する音響波を検出する工程
また、本実施形態に係る化合物は、前記(b)で得られた音響波の波長、位相および時間情報等から空間的な光音響信号強度分布を再構成する工程を有していてもよい。なお、前記(b)の工程で得られた光音響信号の波長、位相および時間情報を基に3次元的な画像再構成を行うことができる。画像再構成によって得られるデータは光音響信号の強度分布の位置情報が把握できるものであればどのような形態を取っても構わない。例えば3次元空間上に光音響信号強度が表現されるようなもの構わないし、2次元平面上に光音響信号強度に表現されるようなものでも構わない。また、同一の観察対象に対して異なる撮像方法で情報を取得し、それらの情報と光音響の強度分布の位置的な対応関係を取得することも可能である。
上記(a)の工程において、経口投与や注射等の方法によって本実施形態に係る化合物を投与された検体を用いることができる。
また、上記(b)の工程において、検体に照射する光を発生させる装置、本実施形態に係る化合物から発せられる光音響信号を検出する装置は特に限定されない。
上記(b)の工程において検体に光を照射する光源としては、前記検体に対し600nm乃至1300nmの範囲から選択される少なくとも1つの波長のレーザーパルス光を照射させることのできるものであれば限定されない。レーザーパルス光を照射する装置として、例えば、チタンサファイアレーザー(LT−2211−PC、Lotis社製))、OPOレーザー(LT−2214 OPO、Lotis社製)、アレキサンドライトレーザーが挙げられる。
音響波を検出する装置は特に制限されず種々のものを用いることが可能である。例えば、市販の光音響イメージング装置(Nexus128,Endra Inc.製)を用いて行うことができる。
本実施形態に係る化合物を用いたイメージング方法は、上記(a)、(b)の工程を経ることで腫瘍、リンパ節あるいは血管などの目的とする部位を造影することができる。
以下、実施例を用いて更に詳細に本発明を説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。なお以下でMwは分子量を表す。
(光音響信号強度の計測方法)
本発明の実施例において光音響信号強度は以下のように計測した。
市販の光音響イメージング装置(Nexus128,Endra.Inc.製)を用いて行い、調製した化合物を投与する前、投与後の任意のタイミングにおいて光音響信号を測定し、それぞれの3次元再構成データを得た。得られた3次元再構成データから関心領域(ROI:Region of Interest)中の光音響強度を計測した。
(腫瘍塊への移行量評価例)
本発明の実施例において腫瘍塊への化合物の移行量の評価は腫瘍移植モデルマウスを用いて行った。腫瘍移植マウスは、マウス大腸がん細胞株(Colon26)をヌードマウス皮下に移植し作製した。腫瘍移植マウスへ造影剤を投与し、光音響イメージングを行った。さらに、比較例として投与1日後における腫瘍移植マウスの蛍光イメージングも実施した。蛍光イメージングはIVIS(登録商標) Imaging Systemを用いて行い、腫瘍部分の関心領域(ROI:Region of Interest)の蛍光強度を計測した。
(造影剤の腫瘍集積性評価)
BALB/c Slc−nu/nuマウスに各種細胞を皮下に移植した腫瘍マウスモデルに対して各種ICG−PEG水溶液を、100μL(ICGとして13nmol)静脈注射することにより腫瘍への集積性を評価した。投与24時間後にマウスを炭酸ガスで安楽死させた後、癌組織をそれぞれ摘出した。癌組織をプラスチックチューブに移し、癌組織の重量に対し1.25倍量の1%TritonX−100水溶液を添加し、プラスチックペッスルを用いてホモジネートした。次いで、癌組織重量の20.25倍量のDMSOを加えて、腫瘍組織中の色素抽出液を調製した。次いで、既知濃度のICG−PEG溶液を前記癌組織のTritonX−100溶液で種々の濃度へ希釈し、この希釈溶液に対し、20.25倍量のDMSOを加えて検量用標準液を調製した。IVIS(登録商標)Imaging System 200 Series(Caliper社製)を用いて、プラスチックチューブの状態で、腫瘍組織中の色素抽出液および検量用標準液の蛍光強度を測定することで癌組織中の色素量(%ID/g)を定量した。
(実施例1)
(近赤外有機色素と分岐を有するPEGとが共有結合した化合物の調製)
近赤外有機色素はICG−Sulfo−OSu(Dojindo Laboratories,code:I254、上記式(34)で示される化合物)を用いた。ICG−Sulfo−OSu 1mg(1.25μmol)をDMSO 100μLで溶解させた。一方で、1.5mLプラスチックチューブに各種のPEGを秤量した。50mMカーボネートバッファー(pH9.0)でPEGを溶解させ、NH濃度を0.625mMとした(表1)。
本実施例で用いた分岐鎖PEGは、モノアミン分岐鎖状SUNBRIGHT GL2−200PA(日油製,Mw20000)、モノアミン分岐鎖状SUNBRIGHT GL2−400PA(日油製,Mw40000)、モノアミン分岐鎖状SUNBRIGHT GL2−600PA(日油製,Mw60000)、モノアミン分岐鎖状SUNBRIGHT GL3−400PA 100U(日油製,Mw50000)、モノアミン分岐鎖状SUNBRIGHT GL4−600PA(日油製,Mw60000)、モノアミン分岐鎖状SUNBRIGHT GL4−800PA(日油製,Mw80000)、ジアミン分岐鎖状SUNBRIGHT PTE2−400EA(日油製,Mw40000)、テトラアミン分岐鎖状SUNBRIGHT PTE−400PA(日油製,Mw40000)、オクタアミン分岐鎖状SUNBRIGHT HGEO−150PA(日油製,Mw15000)、オクタアミン分岐鎖状 SUNBRIGHT HGEO−400PA(日油製,Mw40000)である。
PEGのカーボネートバッファー溶液(400μL)に、ICG−Sulfo−OSuのDMSO溶液 20μL([ICG−Sulfo−OSu]=0.25μmol)を加えた。ICG−Sulfo−OSuはNH残基の2倍のモル数で反応させた。ICG−Sulfo−OSuの反応時の濃度は0.6mMとした。遮光下、室温で24時間回転かくはんした後、0.22μmシリンジフィルターで反応溶液をろ過し近赤外有機色素とPEGが結合した化合物を得た。モノアミン分岐鎖状PEG、ジアミン分岐鎖状PEG、テトラアミン分岐鎖状PEG、オクタアミン分岐鎖状PEGとICG−Sulfo−OSuの結合体を、表2に示す。トリカルボシアニン色素とPEGの結合体のことを本明細書中では造影剤ということがある。また、ICG−Sulfo−OSuをグリシンとモル比10で反応させたICG−Glyも合成し、対照サンプルとした(表2)。本実施例において調製した各サンプル、MB2_20k−ICG、MB2_40k−ICG、MB2_60k−ICGの代表的な構造は式40で表され、分子量がそれぞれ20k、40k、60kである。MB3_30k−ICGの構造は式41で表され、分子量が50kである。MB4_60k−ICG、MB4_80k−ICGの構造は式42で表され、分子量がそれぞれ60k、80kである。DB_40k−ICG2の構造は式43(式中q=3)で表され、分子量が40kである。TB_40k−ICG4の構造は式44(式中q=3)で表され、分子量が40kである。OB_15k−ICG8、OB_40k−ICG8の構造は式45(式中q=3)で表され、分子量がそれぞれ15k、40kである。
(実施例2)
(化合物の吸収測定)
MB2_40k−ICG、MB3_50k−ICG、MB4_80k−ICG、TB_40k−ICG4、OB_15k−ICG8、OB_40k−ICG8ならびにICG−Glyの溶液中での吸光スペクトル測定を行った。50mMの4−(2−hydroxyethyl)−1−piperazineethanesulfonic acid(HEPES)溶液で希釈し、吸収スペクトルから極大波長(λmax)を測定した。表3にそれぞれの吸収極大波長の結果を示す。
700nm付近の吸収は、会合状態にある色素の吸収であり、一方、785nm付近の吸収は単量体として存在する近赤外有機色素による吸収である。表3の結果から分岐鎖PEGと近赤外有機色素とが結合した化合物(は、水中で良好な分散性を示すことが明らかとなった。一方で、ICG−Glyは水中で凝集体が観察されたことから、水中では不安定であることが示唆された。以上のことから、PEGとの共有結合体とすることで近赤外有機色素の安定性が向上することが示唆された。
(実施例3)
(化合物の血中滞留性の評価)
化合物の血中滞留性を確認するために、各種化合物をヌードマウス尾静脈に投与し化合物の血中残存量を評価した。本実施例で用いた化合物の一覧を表4に示す。化合物の作製方法は実施例1に示した通りである。表4においてkは1000を表す。例えば、5kは5000を表す。
化合物の血中滞留性評価は以下ように行った。投与1時間後、3時間後、1日後、2日後および、1週間後にマウスから採血し、IVIS(登録商標)Imaging System 200Series(CALIPER社製)を用いて、血液の蛍光強度を測定した。投与量は色素量として0.5mg/kgをマウスに投与した。表5には投与1日後のICGの血中濃度を1とした場合の相対血中濃度を示す。さらに投与1日後のICGの血中濃度を1とした場合の相対血中濃度の経時変化を表6に示す。表5、6より、対照であるICG、ICG−Glyに比べて、PEGはその分子量が増大するとともに血中滞留性が向上する傾向を示した。一方で、ICGやICG−Glyなどの対照サンプルは血中から速やかに消失した。これは血清タンパク質との相互作用により速やかに肝臓に集積される一方で、近赤外有機色素に分岐鎖PEGを結合させることで肝臓集積が低下した結果、血中滞留性を獲得したことが考えられる。
(実施例4)
(化合物の腫瘍集積性)
化合物の腫瘍集積性を評価するために、Colon26細胞株を移植した腫瘍移植マウスに対して、造影剤を尾静脈に投与した。投与量は色素量として32nmolとした。そして、腫瘍移植マウスへ造影剤を投与1日後における腫瘍集積性を光音響イメージングと蛍光により評価した。マウスの光音響イメージングは市販の光音響イメージング装置(Nexus128,Endra.Inc.製)を造影剤の投与前と投与1日後に実施した。測定波長は797nmとした。そして、投与前に対する投与1日後の相対光音響信号強度を算出した。マウスの腫瘍集積量評価は蛍光を用いて次のように行った。投与24時間後にマウスを炭酸ガスで安楽死させた後、腫瘍組織を摘出した。腫瘍組織をプラスチックチューブに移し、腫瘍組織の重量に対し1.25倍量の1% TritonX−100水溶液を添加し、プラスチックペッスルを用いてホモジネートした。次いで、腫瘍組織重量の20.25倍量のジメチルスルホキシド(DMSO)を加えた。IVIS(登録商標) Imaging System 200Series(CALIPER社製)を用いて、プラスチックチューブの状態で、ホモジネート溶液の蛍光強度を測定することで腫瘍組織中の色素量を定量した。腫瘍組織の単位重量あたりの、投与量に対する腫瘍組織への色素移行量の割合(%injected dose: %IDと略す)を、化合物の腫瘍集積量(%ID/g)として算出した。表7にその結果を示した。
対照であるICGやICG−Glyの腫瘍集積性に比べて、分岐鎖PEG結合ICGでは、分子量増大とともに腫瘍集積量が増加し、腫瘍集積性に対するPEG分子量と形態は重要なパラメータであることが示された。
(実施例5)
(PEGへの捕捉分子(Affibody(登録商標))の修飾)
本実施例で用いた分岐PEGは、ジマレイミド分岐状PTE2−200MA2(日油社製、MW20000)、ジマレイミド分岐状PTE2−400MA2(日油社製、MW40000)である。
HER2へ結合するAffibody(登録商標)溶液(Affibody社製)へ、終濃度20mMとなるようジチオスレイトール(DTT)溶液を添加し、遮光下で25度で2時間、還元処理した。次いで、PD−10カラム(GEヘルスケア社製)を用いて、反応溶液からDTTを除去した。次いで、1.5mLプラスチックチューブに、ジマレイミド分岐状PTE2−200MA2(日油社製、MW20000)または、ジマレイミド分岐状PTE2−400MA2(日油社製、MW40000)を秤量した。秤量したPEGを、EDTAを含まないリン酸バッファーで各143μMとなるよう希釈し、前記還元処理したAffibody(登録商標)と混合し、25度で15時間以上反応させた。仕込みの反応モル比(Affibody(登録商標)/PEG)は、2でおこなった。次いで、ICG−Sulfo−OSuのDMSO溶液(12.5mM)と、前記Affibody(登録商標)とPEGの混合溶液とを混合し、25度で2時間反応させた。仕込みの反応モル比(ICG−Sulfo−OSu/Affibody(登録商標))は、1でおこなった。この溶液をフィルターろ過(ポアサイズ1.2μm)した後、10kDaのポアサイズのアミコンウルトラ−4(日本ミリポア社)を用いた限外ろ過によりPEGへ結合しなかったAffibody(登録商標)を除去して、ICGおよびAffibody(登録商標)が修飾されたPEGを得た。得られたこの化合物のうち、PTE2−200MA2を使用したものをAf−PTEPEG20、PTE2−400MA2を使用したものをAf− PTEPEG40と略す。
(捕捉分子を有するPEGのHER2結合性評価)
捕捉分子を有するPEGについて表面プラズモン共鳴法(SPR)によって、標的分子であるHER2に対する結合性を評価した。SPRはProteon(登録商標)XPR36(バイオラッドラボラトリーズ社製)を用いて測定した。Recombinant Human ErbB2/Fc Chimera(R&D Systems社製)を酢酸バッファー(pH5.0)に溶解させ、GLMセンサーチップ表面のカルボキシル基へのアミンカップリングにより固定化した。固定化量は、約3000RU(Resonance Unit)であった。次に、捕捉分子を有するPEGを0.005%のTween20を含むリン酸バッファー(pH7.4)で種々の濃度へ希釈した後、流速50μL/分でフローセルへ注入した。測定時間は、注入時間(結合)120秒、注入停止後経過時間(解離)120秒であった。結合速度論解析実験においては、1:1ラングミュアフィッティングモデルを用いてセンサーグラムを分析した。算出された結合解離定数(K)を表8にまとめた。いずれのサンプルでもHER2に対する結合性が確認された。
(捕捉分子を有するPEGの腫瘍集積性評価)
腫瘍集積性の評価においては、雌の非近交系BALB/c Slc−nu/nuマウス(購入時6週齢)(日本エスエルシー株式会社)を用いた。マウスに担癌させる前の1週間、標準的な食餌、寝床を用い、自由に食餌および飲料水を摂取できる環境下でマウスを順応させた。イメージング実験の約1週間前に1x10個のColon26マウス大腸癌細胞(理化学研究所)を、マウスの右肩および右腿に、1x10個のHER2遺伝子を人工的に導入したColon26マウス大腸癌細胞をマウスの左肩および左腿にそれぞれ皮下注射した。実験時までに、腫瘍は全て定着しており、マウスの体重は17〜22gであった。担癌させたマウスに捕捉分子を有するPEGまたは、MB3_50k−ICGを、200μL(ICGとして13nmol)を静脈注射した。投与24時間後にマウスを炭酸ガスで安楽死させた後、癌組織をそれぞれ摘出した。癌組織をプラスチックチューブに移し、癌組織の重量に対し1.25倍量の1%TritonX―100水溶液を添加し、プラスチックペッスルを用いてホモジネートした。次いで、癌組織重量の20.25倍量のDMSOを加えて、腫瘍組織中の色素抽出液を調製した。一方で、捕捉分子を有するPEGを投与していない担癌させたマウスから癌組織を摘出した。癌組織をプラスチックチューブに移し、癌組織の重量に対し1.25倍量の1%TritonX―100水溶液を添加し、プラスチックペッスルを用いてホモジネートすることで、癌組織のTritonX―100溶液を調製した。次いで、既知濃度の捕捉分子を有するPEG溶液を、前記癌組織のTritonX―100溶液で種々の濃度へ希釈し、この希釈溶液に対し、20.25倍量のDMSOを加えて検量用標準液を調製した。IVIS(登録商標)Imaging System 200 Series(CALIPER)を用いて、プラスチックチューブの状態で、腫瘍組織中の色素抽出液および検量用標準液の蛍光強度を測定することで癌組織中の色素量を定量した。
前記腫瘍集積性評価において、24時間後にマウスを炭酸ガスで安楽死させる直前に、尾静脈から血液を採取した。採取した血液をプラスチックチューブに移し、血液の体積に対し4.5倍量の1%TritonX―100水溶液を添加した。次いで、血液の体積の4.5倍量のDMSOを加えて、血液溶解液を作製した。IVIS(登録商標)Imaging System 200 Series(CALIPER)を用いて、プラスチックチューブの状態で、血液溶解液の蛍光強度を測定した。一方で、既知の濃度の粒子溶液を、1%TritonX―100水溶液で種々の濃度に希釈し、希釈した粒子溶液と、同量の未投与マウスから採取した血液とを混合した。次いで、血液の体積に対し、前述の希釈した粒子溶液と合わせて4.5倍量となるよう1%TritonX―100水溶液を添加した。次いで、血液の体積の4.5倍量のDMSOを添加して検量線用血液粒子溶液を作製した。採取した血液サンプルと同様に、蛍光強度を測定し検量線を作成した。次に、血液溶解液の蛍光強度、作成した検量線を用いて、血中濃度を算出した。算出されたそれぞれの血中濃度を全投与量で除することで、投与量あたりの血液中の存在量の割合(%ID)を算出した。
腫瘍集積性の結果および血液中の存在量の結果を図2にまとめた。捕捉分子を有するPEGはいずれもMB3_50k−ICGに比較して血液中の存在量が低下し、それに伴い腫瘍集積量が低下する傾向がみられた。更にColon26マウス大腸癌細胞へ集積した量に対するHER2遺伝子を人工的に導入したColon26マウス大腸癌細胞へ集積した量を算出し、表9にまとめた。捕捉分子を有するPEGはいずれもMB3_50k−ICGに比較して、HER2遺伝子を人工的に導入したColon26マウス大腸癌細胞へ多く集積しており、捕捉分子によるHER2結合性の効果を確認した。

Claims (5)

  1. 下記式(40)乃至(45)のいずれかで示される化合物。






    上記式(40)において、nは10以上2500以下の整数であり、
    上記式(41)において、n、mはそれぞれ独立に10以上2500以下の整数であり、
    上記式(42)において、m、lはそれぞれ独立に10以上2500以下の整数であり、
    上記式(43)において、nは10以上2500以下の整数であり、qは1乃至5の整数であり、
    上記式(44)において、nは10以上2500以下の整数であり、qは1乃至5の整数であり、
    上記式(45)において、nは10以上2500以下の整数であり、qは1乃至5の整数である。
  2. 腫瘍の造影に用いられることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
  3. リンパ節の造影に用いられることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の化合物と分散媒とを有する光音響イメージング用造影剤。
  5. 添加剤をさらに有することを特徴とする請求項4に記載の光音響イメージング用造影剤。
JP2013150763A 2012-07-20 2013-07-19 化合物、および前記化合物を有する光音響イメージング用造影剤 Active JP6300460B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013150763A JP6300460B2 (ja) 2012-07-20 2013-07-19 化合物、および前記化合物を有する光音響イメージング用造影剤

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012161641 2012-07-20
JP2012161641 2012-07-20
JP2013033510 2013-02-22
JP2013033510 2013-02-22
JP2013150763A JP6300460B2 (ja) 2012-07-20 2013-07-19 化合物、および前記化合物を有する光音響イメージング用造影剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014185138A JP2014185138A (ja) 2014-10-02
JP6300460B2 true JP6300460B2 (ja) 2018-03-28

Family

ID=51833052

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013150763A Active JP6300460B2 (ja) 2012-07-20 2013-07-19 化合物、および前記化合物を有する光音響イメージング用造影剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6300460B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20160142199A (ko) 2015-06-02 2016-12-12 삼성메디슨 주식회사 광음향 영상화를 위한 조영 조성물 및 그를 사용한 광음향 영상화하는 방법
WO2019176875A1 (ja) * 2018-03-13 2019-09-19 日油株式会社 主鎖および側鎖に単分散ポリエチレングリコールを有するヘテロ二官能性化合物

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
LT1675622T (lt) * 2003-09-17 2017-09-11 Nektar Therapeutics Daugiašakio polimero provaistai
AU2010321882B2 (en) * 2009-11-18 2016-01-14 Nektar Therapeutics Salt form of a multi-arm polymer-drug conjugate

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014185138A (ja) 2014-10-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9517278B2 (en) Compound and photoacoustic imaging contrast medium containing the compound
EP2863957B1 (en) Compound and photoacoustic imaging contrast medium containing the compound
CN104487098B (zh) 光声成像用造影剂
Kobayashi et al. Multimodal nanoprobes for radionuclide and five-color near-infrared optical lymphatic imaging
Luciano et al. A nonaggregating heptamethine cyanine for building brighter labeled biomolecules
JP6288970B2 (ja) 化合物、および、前記化合物を有する光音響イメージング用造影剤
Sato et al. Impact of C4′-O-alkyl linker on in vivo pharmacokinetics of near-infrared cyanine/monoclonal antibody conjugates
JP6736278B2 (ja) 重合体、前記重合体を有する光音響イメージング用造影剤
JP2017128532A (ja) 光学イメージング用造影剤の製造方法、及び光学イメージング用造影剤
JP6552236B2 (ja) 近赤外色素結合トランスフェリン、前記近赤外色素結合トランスフェリンを有する光音響イメージング用造影剤
Huang et al. Light‐emitting agents for noninvasive assessment of kidney function
Inagaki et al. Fluorescence imaging of tumor-accumulating antibody-IR700 conjugates prior to near-infrared photoimmunotherapy (NIR-PIT) using a commercially available camera designed for indocyanine green
JP6300460B2 (ja) 化合物、および前記化合物を有する光音響イメージング用造影剤
JP6177036B2 (ja) 光音響イメージング用造影剤
JP6652808B2 (ja) 重合体、前記重合体を有する光音響イメージング用造影剤
US10828380B2 (en) Conjugate of polysarcosine and NIR contrast agent for photoacoustic imaging
US8974830B2 (en) Particles and contrast agent including the same for optical imaging
JP6752582B2 (ja) 光音響イメージング用造影剤
WO2020037752A1 (zh) 一种被修饰的吲哚菁绿及其制备方法和应用
Hettie et al. Off-peak near-infrared-II (NIR-II) bioimaging of an immunoconjugate having peak fluorescence emission in the NIR-I spectral region for improving tumor margin delineation
JP6711601B2 (ja) 光音響イメージング用造影剤
Exner et al. Unraveling the Chemistry of meso-Cl Tricarbocyanine Dyes in Conjugation Reactions for the Creation of Peptide Bonds
WO2017057653A1 (en) Conjugate of polysarcosine and nir contrast agent for photoacoustic imaging
Qi et al. Surgical imaging of pancreatic cancer using polysaccharide-delivered near infrared fluorophores
Sudam Multifunctional platforms for cancer theranosis

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160715

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170223

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170314

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170515

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170905

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171106

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180130

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180227

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6300460

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151