JP6300298B2 - 美容機器 - Google Patents

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Description

本発明は、肌面に回転刺激を付与できる美容機器に関する。美容機器は例えば手持ち型のマッサージ器として使用することができる。
本発明にかかる美容機器は、押圧体が配置された複数個の回転体を、平行な軸回りに回転駆動して肌面に回転刺激を付与するが、このような美容機器は、例えば特許文献1に開示されている。かかる特許文献1のローリングあんま器は、ケース内に複数の車軸を備えており、周面に凸部と凹部とが波状に設けられたローラー(押圧体)を先の車軸に装着している。車軸は、プーリーと螺旋ベルトで構成された巻掛け伝動機構でモーターに接続されており、モーターを回転させることにより、各ローラーを同一方向に回転駆動できる。ローラーの一部はケースの底面から突出しており、回転するローラーを肌面に軽く触れるように当接させることにより、ローラー周面の凸部で肌面に回転刺激を付与できる。
特開昭53−41890号公報(第2頁、第3頁左上欄、図4)
特許文献1のローリングあんま器では、ローラーの凸部でローラーの回転方向に沿って肌面に回転刺激を付与することができ、刺激部位の血液やリンパ液を強制的に回転方向下手側に圧送してうっ血状態を解消できる。これにより、刺激部位の血流を改善して肌を活性化でき美容効果を得ることができる。しかし、車軸を両持ち状態で回転支持しているので、ローラーの周面側による回転刺激は可能であるが、ローラーの回転平面側による回転刺激は行えず、多様な回転刺激を使用者に付与できない。
本発明の目的は、異なる回転刺激を使用者に付与できる美容機器を提供することにある。
本発明の目的は、回転刺激による血液やリンパ液の圧送効果を向上して、効果的に美容効果を得ることができる美容機器を提供することにある。
本発明に係る美容機器は、回転体14には、肌面に回転刺激を付与する少なくとも1個の押圧体15が設けられている。押圧体15は、回転体14の回転軸心方向に突出する状態で設けられている。回転体14から突出する押圧体15の先端部15aまたは先端部15aに連続する周面部15bにより肌面に回転刺激を付与できる。
本発明に係る美容機器は、回転体14には、肌面に回転刺激を付与する押圧体15・155が設けられている。回転体14の回転平面には、少なくとも1個の押圧体155が設けられている。回転体14の回転周面には、少なくとも1個の押圧体15が設けられている。回転体14の回転平面から突出する押圧体155の先端部155aまたは回転体14の回転周面から突出する押圧体15の先端部15aにより肌面に回転刺激を付与できる。
平行な軸回りに回転駆動される複数個の回転体14を備える。各回転体14は、駆動機構13で同一方向へ回転駆動されている。
平行な軸回りに回転駆動される複数個の回転体14を備える。各回転体14に設けた押圧体15の位相位置が、隣接する回転体14で異ならせてある。
平行な軸回りに回転駆動される複数個の回転体14を備える。各押圧体15の回転軌跡Tの直径を同一に設定する。
平行な軸回りに回転駆動される複数個の回転体14を備える。各回転体14の回転速度を同一に設定する。
平行な軸回りに回転駆動される複数個の回転体14を備える。隣接する回転体14のうち、回転方向下手側に位置する回転体14の回転速度を、回転方向上手側に位置する回転体14の回転速度より速く設定する。
本発明においては、回転体14から突出する押圧体15の先端部15aまたは先端部15aに連続する周面部15bで肌面に回転刺激を付与できるので、押圧体15の先端部15aと周面部15bとで異なる回転刺激を肌面に付与できる。押圧体15の先端部15aでの回転刺激は、先端部15aの水平回転による連続する回転刺激となる。一方、押圧体15の周面部15bでの回転刺激は、周面部15bの一方向の回転による直線状の回転刺激となる。つまり、異なる回転刺激を選択的に肌面に付与することができる。
本発明においては、回転体14の回転平面から突出する押圧体155の先端部155aまたは回転体14の回転周面から突出する押圧体15の先端部15aで肌面に回転刺激を付与できるので、回転平面から突出する押圧体155の先端部155aと回転周面から突出する押圧体15の先端部15aとで異なる回転刺激を肌面に付与できる。回転平面から突出する押圧体155の先端部155aでの回転刺激は、先端部155aの水平回転による連続する回転刺激となる。一方、回転周面から突出する押圧体15の先端部15aでの回転刺激は、一方向の回転による直線状の回転刺激となる。つまり、異なる回転刺激を選択的に肌面に付与することができる。
各回転体14が、駆動機構13で同一方向へ回転駆動されていると、回転周面側の押圧体15により、回転体14の回転方向に沿って肌面に回転刺激を付与することができ、刺激部位の血液やリンパ液を強制的に回転方向下手側に圧送できる。
各回転体14に設けた押圧体15の位相位置を、隣接する回転体14で異ならせたので、隣接する回転体14の回転周面側の押圧体15が同時に肌面に接触して回転刺激を付与することを回避できる。これにより、押圧体15で圧送された血液やリンパ液の流れが、下手側の押圧体15で堰き止められて圧送効果が低下することを防止できる。従って、回転刺激による血液やリンパ液の圧送効果を向上することができる。
各押圧体15の回転軌跡Tの直径が同一に設定されていると、回転周面側の押圧体15の肌面への接触状態を各押圧体15で同一にすることができ、肌面に回転刺激を付与する際の肌当たりを均一にできる。
各回転体14の回転速度が同一に設定されていると、肌面へリズムよく回転刺激を付与でき、美容機器を心地よく快適に使用することができる。
隣接する回転体14のうち、回転方向下手側に位置する回転体14の回転速度が、回転方向上手側に位置する回転体14の回転速度より速く設定されていると、下手側の押圧体15は、上手側から圧送されてきた血液やリンパ液を滞ることなくすばやく回転方向下手側へ圧送できる。従って、回転刺激による血液やリンパ液の圧送効果をさらに向上できる。
第1実施例に係る美容機器の概略横断平面図である。 第1実施例に係る美容機器の概略正面図である。 第1実施例に係る美容機器の概略縦断正面図である。 図3におけるA−A線断面図である。 美容機器の動きを説明するための概略平面図である。 第2実施例に係る美容機器の概略縦断側面図である。 第3実施例に係る美容機器の概略正面図である。 第3実施例に係る美容機器の概略横断平面図である。 第3実施例に係る美容機器の概略縦断正面図である。 第3実施例に係る美容機器の概略縦断側面図である。 第4実施例に係る美容機器の概略正面図である。 第4実施例に係る美容機器の概略縦断正面図である。 第4実施例に係る美容機器の概略横断平面図である。 第5実施例に係る押圧体を示す断面図である。 第6実施例に係る美容機器の概略正面図である。 第6実施例に係る美容機器の概略縦断正面図である。 第6実施例に係る美容機器の概略横断平面図である。
(第1実施例) 図1から図5に、手持ち型のマッサージ器(美容機器)(以下、単にマッサージ器と言う。)に適用した第1実施例を示す。なお、前後、左右、上下とは、図1、図2および図4に示す交差矢印と、各矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。図2においてマッサージ器は、上下縦長の本体ケース1を備え、本体ケース1の上半部がマッサージヘッド2として構成されており、マッサージヘッド2の内部には、マッサージユニット3が配置されている。本体ケース1の下半部はグリップ4を兼ねており、その内部には、マッサージユニット3を駆動するモーター5と、モーター5に駆動電流を供給する電池6と、モーター5の動作を制御する制御基板7などが配置されている。モーター5は、グリップ4の前面に設けられた作動スイッチ8をオン操作することにより起動して、マッサージユニット3を駆動する。図2において、符号9はモーター5の回転方向を切り換える正逆転スイッチである。
図3、図4に示すように、マッサージユニット3は、支持ベース12と、支持ベース12上に配置される駆動機構13と、駆動機構13で回転駆動される円盤状の3個の回転台(回転体)14と、各回転台14に設けられる押圧棒(押圧体)15などで構成されている。押圧棒15は、上端部が半球状に形成されたローラー軸16と、ローラー軸16で回転自在に軸支される筒状のローラー17とで構成される棒状体からなり、ローラー軸16の下端が回転台14の回転平面に固定されている。ローラー17の横断面形状は、円形状に形成されている。押圧棒15が、ローラー軸16とローラー17とで構成されていると、回転刺激を付与する際に、押圧棒15と後述するカバー29との間の摩擦を軽減することができ、カバー29が破損するのを防止できる。
図1、図3に示すように、各回転台14の回転平面には2個の押圧棒15が回転軸心方向に突出した状態で設けられている。また、図1に示すように各押圧棒15は回転中心に対して点対称位置に設けられている。2個の押圧棒15がローラー17を有しない単に回転台14から突出する棒状の押圧棒15であれば、2個の押圧棒15間に補強用の板状のリブを一体で形成することができる。このときリブと回転台14と2個の押圧棒15とが一体で連結された構成とすることができる。これにより、押圧棒15が押圧棒15の周面部15bを利用しての回転刺激時に反作用によって大きく撓んで押圧棒15が破損してしまうのを防止できる。つまり一方の押圧棒15が他方の押圧棒15によって支える構成となっている。もちろん、1個の押圧棒15に対して、1つのリブを個別に設けて回転台14に一体で連結されたそのリブで押圧棒15を支える構成とすることができる。回転台14が回転駆動されるときの各押圧棒15の回転軌跡Tの直径は同一に設定されている。押圧棒15は、ローラー軸16上端の半球状の半球面(先端部)15aと、半球面15aに連続するローラー17の周面(周面部)15bとで、肌面に異なる回転刺激を付与できる。各回転台14は、それぞれの回転軸心が同一平面上に並列し、かつ平行な状態で配置されている。さらに各回転台14は、隣接する押圧棒15の回転軌跡Tが干渉しないように配置されている。3個の回転台14は同一部材であり、後述する駆動軸20にそれぞれ固定されている。
回転台14から突出する長さ、すなわち回転台14から突出する押圧棒15の長軸方向の長さは45mm、長軸方向と直交する径方向の長さ(棒の径寸法)は10mmに設定されている。これら長さ設定は一例であって、これに限定されるものではなく適宜変更できる。ただ、その設定としては、押圧棒(押圧体)15の長軸方向と直交する径方向の長さに対して押圧棒(押圧体)15の長軸方向の長さを、2倍以上、10倍未満に設定する。好ましくは、押圧棒(押圧体)15の長軸方向と直交する径方向の長さに対して押圧棒(押圧体)15の長軸方向の長さを、4倍以上、6倍未満に設定する。この構成により、押圧棒(押圧体)15の強度不足を抑制しながらも押圧体15の周面(周面部)15bでの回転刺激を十分な幅で付与できる。また、図1、図5に示すように、回転台14の回転軸方向視において押圧棒(押圧体)15の外郭線が、回転台(回転体)14の外郭線から外側に食み出る形態となるように配設されている。この構成により、押圧体15の周面(周面部)15bでの回転刺激を肌面に確実に付与できる。さらに回転台(回転体)14の本体ケース1などへの干渉を抑制できる。
上記構成に係る美容機器は以下の態様で実施できる。
(態様1)
回転体14には、肌面に回転刺激を付与する少なくとも1個の棒状体からなる押圧体15が設けられており、
押圧体15は、回転体14の回転軸心方向に突出する状態で設けられており、
回転体14から突出する押圧体15の先端部15aまたは先端部15aに連続する周面部15bにより肌面に回転刺激を付与でき、
押圧体15の長軸方向と直交する長さに対して押圧体15の長軸方向の長さを、2倍以上、10倍未満に設定することを特徴とする美容機器。
(態様2)
態様1において、
押圧体15の長軸方向と直交する長さに対して押圧体15の長軸方向の長さを、4倍以上、6倍未満に設定することを特徴とする美容機器。
態様1、2の構成により、押圧棒(押圧体)15の強度不足を抑制しながらも押圧体15の周面(周面部)15bでの回転刺激を十分な幅で付与できる。
(態様3)
回転体14には、肌面に回転刺激を付与する少なくとも1個の棒状体からなる押圧体15が設けられており、
押圧体15は、回転体14の回転軸心方向に突出する状態で設けられており、
回転体14から突出する押圧体15の先端部15aまたは先端部15aに連続する周面部15bにより肌面に回転刺激を付与でき、
回転体14の回転軸方向視において押圧体15の外郭線が、回転体14の外郭線から外側に食み出る形態となっていることを特徴とする美容機器。
態様3の構成により、押圧体15の周面(周面部)15bでの回転刺激を肌面に確実に付与できる。
図3、図4に示すように、駆動機構13は中央の駆動軸20に固定される駆動ギヤ19と、左右両側の駆動軸20に固定される受動ギヤ21と、これら両ギヤ19・21の間に配置されるカウンターギヤ22とで構成されている。駆動軸20とカウンターギヤ22を支持するギヤ軸23のそれぞれは、支持ベース12に設けられた図示しない軸受体で回転自在に軸支されており、中央の駆動軸20は、支持ベース12を貫通して下方に延伸されている。モーター5のモーター軸は、減速機25に接続されており、減速機25の出力軸と中央の駆動軸20の下端とがカップリング26で連結されている。
作動スイッチ8をオン操作してモーター5を駆動すると、減速機25を介して中央の駆動軸20が回転駆動され、中央の回転台14および駆動ギヤ19が回転駆動される。駆動ギヤ19の回転は、両カウンターギヤ22を介して左右の受動ギヤ21に伝動され、左右の駆動軸20に固定された回転台14を回転駆動する。このとき、3個の回転台14は同一方向に回転駆動される。駆動ギヤ19と2個の受動ギヤ21の歯数は同じであり、また、2個のカウンターギヤ22の歯数も同じであるので、各回転台14の回転速度は同一に設定されている。モーター5を正転させたとき、各回転台14は図1において反時計回りに回転するように設定されており、その回転数は60rpmに設定した。
図1、図4に示すように、マッサージヘッド2には、上面と、上面に連続する前後面にわたって開口28が形成されている。各回転台14の押圧棒15は、この開口28に臨む状態で配置されており、各押圧棒15の回転軌跡Tは、開口28の前後面から本体ケース1の外側に食み出している。また、各押圧棒15の先端部分も開口28の上面から本体ケース1の外側に食み出している。開口28は、柔軟性を有するカバー29で覆われており、本体ケース1の外側に食み出す押圧棒15の一部が直接肌面などに接触しないようになっている。モーター5を駆動して、マッサージヘッド2を肌面に当接させることにより、カバー29を介して各押圧棒15の半球面15aあるいは周面15bで肌面に回転刺激を付与することができる。マッサージヘッド2の前面または後面を肌面に当接させた場合には、押圧棒15の周面15bで回転方向に沿って直線状の回転刺激を肌面に付与することができ、また、マッサージヘッド2の上面を肌面に当接させた場合には、水平回転する半球面15aで回転刺激を肌面に付与することができる。つまり、押圧棒15の先端部15aでの回転刺激は、先端部15aの水平回転による連続する回転刺激となり、一方、押圧棒15の周面部15bでの回転刺激は、周面部15bの一方向の回転による直線状の回転刺激となることから多様な回転刺激を使用者の意思で選択的に肌面に付与することができる。
本実施例においては、各回転台14に設けた押圧棒15の位相位置を、隣接する回転台14で異ならせる点に特徴がある。図1に示すように、右端に配置された回転台14の押圧棒15が前後端の位置にあるとき、中央に配置された回転台14の押圧棒15のそれぞれは、平面視において時計回り方向に60度位相を異ならせた位置に設けられている。また、左端に配置された回転台14の押圧棒15は、時計回り方向にさらに60度位相を異ならせた位置に設けられている。これにより、例えばマッサージヘッド2の後面を肌面に当接させたときには、右側の回転台14の押圧棒15肌面に回転刺激を付与したのち(図5(a))、中央の回転台14の押圧棒15が肌面に回転刺激を付与する(図5(b))。次いで、左側の回転台14の押圧棒15が肌面に回転刺激を付与する(図5(c))。このように、回転台14の回転方向上手側から下手側へと押圧棒15の周面15bで順に肌面に回転方向に沿った直線状の回転刺激を付与できる。回転台14の回転方向と血液の流れ方向とを一致させてマッサージヘッド2を肌面に当接させた場合には、直線状の回転刺激を肌面に付与して、血液やリンパ液を回転方向下手側に圧送することができる。
また、本実施例に係るマッサージ器は、1個のモーター(駆動源)5で3個の回転台14を回転駆動している。このため、例えば、隣接する押圧棒15の位相位置が同じであると、3個の押圧棒15が同じタイミングで肌面を押圧するため、回転刺激を付与している間のモーター5には大きな負荷が作用する。しかし、各回転台14に設けた押圧棒15の位相位置を、隣接する回転台14で異ならせると、複数の押圧棒15が同じタイミングで肌面に回転刺激を付与することがなく、モーター5に作用する負荷が大きくなることを回避して、モーター5の寿命を向上できる。
以上のように、本実施例のマッサージ器においては、各回転台14に設けた押圧棒15の位相位置を、隣接する回転台14で異ならせたので、隣接する回転台14の押圧棒15が同時に肌面に接触して回転刺激を付与することを回避できる。これにより、押圧棒15で圧送された血液やリンパ液の流れが、下手側の押圧棒15で堰き止められて圧送効果が低下することを防止できる。従って、回転刺激による血液やリンパ液の圧送効果を向上して、効果的に美容効果を得ることができる。各回転台14に設けた押圧棒15の位置は、回転台14の組付け時に、各回転台を所定角度(本実施例では60度)ずつずらして組付けるだけで、位相位置を異ならせることができるので、マッサージユニット3の構造が複雑化することはない。
また、各押圧棒15の回転軌跡Tの直径を同一に設定するので、押圧棒15の肌面への接触状態を各押圧棒15で同一にすることができ、回転刺激を付与する際の肌当たりを均一にできる。さらに、各回転台14の回転速度を同一に設定するので、肌面へリズムよく回転刺激を付与でき、心地よく快適にマッサージ器を使用することができる。具体的には、本実施例では、右側の回転台14から左側の回転台14へ行くに従って、押圧棒15の位相位置を回転台14の回転方向とは反対である時計回り方向に60度ずつ位相をずらした状態で配置してある。これにより、例えばマッサージヘッド2の後面を肌面に当接させた場合には、右側の回転台14の押圧棒15から左側の回転台14の押圧棒15へと順を追って規則的に肌面に回転刺激を付与する。すなわち、右、中央、左、次いで右と、それぞれ同一の時間差でもって、順に押圧棒15による押圧を伴う回転刺激を肌面に付与できる。
回転台14から突出する棒状体からなる押圧棒15の半球面15aおよび半球面15aに連続する周面15bとで肌面に回転刺激を付与できるようにしたので、押圧棒15の半球面15aと周面15bとで、回転する回転刺激と直線状の回転刺激との異なる回転刺激を肌面に付与でき、多様な回転刺激を肌面に付与できるマッサージ器を提供できる。
上記構成を備えたマッサージ器(美容機器)は、次の形態で実施できる。すなわち、平行な軸回りに回転駆動される複数個の回転台(回転体)14を備え、各回転台14には、肌面に回転刺激を付与する少なくとも1個の押圧棒(押圧体)15が設けられており、各回転台14が、1個のモーター(駆動源)5で駆動される駆動機構13で同一方向へ回転駆動されており、各回転台14に設けた押圧棒15の位相位置が、隣接する回転台14で異ならせてあるマッサージ器。
上記のように、各回転台14に設けた押圧棒15の位相位置を、隣接する回転台14で異ならせると、モーター5の寿命を向上できる。具体的には、例えば、隣接する押圧棒15の位相位置が同じであると、複数個の押圧棒15が同じタイミングで肌面を押圧し、押圧を伴う回転刺激を付与している間のモーター5には大きな負荷が作用する。しかし、各回転台14に設けた押圧棒15の位相位置を、隣接する回転台14で異ならせると、複数の押圧棒15が同じタイミングで肌面に回転刺激を付与することがない。従って、モーター5に作用する負荷が大きくなることを回避して、モーター5の寿命を向上できる。また、モーター5に大きな負荷が作用することによる電池6の消耗を抑制できる。さらに、負荷によるモーター5の加熱を防止して、マッサージ器の信頼性を向上できる。
上記の実施例では、押圧棒15(ローラー17)の横断面形状は円形に形成したが、非円形コロ形状、楕円形状、または多角形状に形成してもよい。押圧棒15は、ローラー軸16と、ローラー17とで構成する必要はなく、回転体14の回転平面に一体で回転軸心方向に突出形成された先端が丸められた丸軸であってもよい。この場合には、丸められた先端が先端部15aとして機能し、丸軸の周囲面が周面部15bとして機能する。また、上記丸軸は、回転体14の回転平面から突出するものではなく、回転体14の回転周面から径方向に突出し中途で屈曲して回転軸心方向に突出するような形態であってもよい。また、本実施例では、3個の回転体14が設けられているが、4個以上であってもよいし、2個の回転体14を備えるものであってもよい。さらに、押圧棒(押圧体)15の先端と周囲面とで選択的な回転刺激を行うことができれば、1個の回転体を備えるものであってもよい。
(第2実施例) 図6に美容機器の第2実施例を示す。第2実施例に係る美容機器(マッサージ器)は、押圧棒15のローラー17の形状を変更した点が第1実施例のマッサージ器と異なる。なお、それ以外の点は、先の第1実施例と同様であるので、同一の部材には、同一の符号を付して、その説明を省略する。以下の実施例においても同様とする。
ローラー17は、ローラー筒32と、ローラー筒32の外周面に周回状に突出する4個の刺激ローラー33とで構成されている。このように、ローラー筒32の外周面に、刺激ローラー33を形成すると、押圧棒15と肌面との接触面積を小さくして、肌面にマッサージヘッド2を軽く押し当てるだけで、強い回転刺激を肌面に付与できる。本実施例においても回転体14の回転平面から突出する押圧体15の先端部15aまたは先端部15aに連続する周面部15bで肌面に回転刺激を付与できるので、押圧体15の先端部15aと周面部15bとで異なる回転刺激を肌面に付与できる。押圧体15の先端部15aでの回転刺激は、先端部15aの水平回転による連続する回転刺激となる。一方、押圧体15の周面部15bでの回転刺激は、周面部15bの一方向の回転による直線状の回転刺激となる。つまり、多様な回転刺激を選択的に肌面に付与することができる。また、本実施例においても回転台14の回転数を60rpmに設定した。
(第3実施例) 図7から図10に、美容機器の第3実施例を示す。第3実施例に係る美容機器(マッサージ器)は、左右に長い本体ケース1の前面に開口28を設けた点と、マッサージユニット3の構成を変更した点が、第1実施例のマッサージ器と異なる。図7においてマッサージ器は、左右横長の本体ケース1を備え、本体ケース1の左半部がマッサージヘッド2として構成されており、マッサージヘッド2の内部にマッサージユニット3が配置されている。本体ケース1の右半部はグリップ4を兼ねており、その内部には、モーター5、電池6、制御基板7などが配置されている。作動スイッチ8および正逆転スイッチ9は、グリップ4の上面部に設けられている。
図8から図10に示すように、マッサージユニット3は、上下に配置した一対の支持ベース12と、一対の支持ベース12の間に配置される駆動機構13と、駆動機構13で回転駆動される円盤状の3個の回転台(回転体)14と、各回転台14に設けられる円柱状の押圧棒(押圧体)15などで構成されている。回転台14は駆動軸20に固定されており、隣接する回転台14が、各駆動軸20の一端寄りと他端寄りに交互に配置されて回転軸心方向に対向させてある。各回転台14には、1個の押圧棒15が対向相手側の回転台14へ向かって突設されている。3個の回転台14は同一部材であり、それぞれの回転中心が同一平面上に並列する状態で、かつ隣接する回転台14の外郭形状が重複する状態で配置されている。回転台14が回転駆動されたときの各押圧棒15の回転軌跡Tの直径は同一に設定されており、図8に示すように、回転台14の回転軸方向視において、隣接する回転台14の一方側の押圧棒15の全体が、隣接する回転台14の他方側の押圧棒15の回転軌跡T内に入り込むようオーバーラップさせている。例えば、図8に向かって左側の押圧棒15は、さらに時計回りに回転すると、中央の回転台14の駆動軸(回転軸)20に近づいていく。この左側の押圧棒15が、中央の回転台14の駆動軸(回転軸)20に最接近したとき、回転軸方向視において左側の押圧棒15の全体が中央の押圧棒15の回転軌跡T内にすっぽりと収まる。つまり、隣接する回転台14の一方側の押圧棒15が、隣接する他方側の回転台14の駆動軸(回転軸)20に最接近したとき、一方側の押圧棒15と他方側の押圧棒15の回転軌跡Tとが所定の距離が得られるようにオーバーラップしている。
図7、図9に示すように、駆動機構13は、3個の駆動軸20と、各駆動軸20に固定される受動ギヤ21と、各受動ギヤ21を駆動するウォーム軸35と、ウォーム軸35の右端に設けられる駆動ギヤ36とで構成されている。各駆動軸20は、一対の支持ベース12に設けられた図示しない軸受体で回転自在に軸支されている。モーター5のモーター軸には、ギヤ群で構成される減速機構37の初段ギヤが固定されており、減速機構37の終段ギヤが駆動ギヤ36に噛合されている。
作動スイッチ8をオン操作してモーター5を駆動すると、減速機構37を介して駆動ギヤ36およびウォーム軸35が回転駆動される。これにより、ウォーム軸35で3個の受動ギヤ21が回転駆動されて、各駆動軸20に固定された回転台14を同一方向に回転駆動できる。3個の受動ギヤ21は同一の歯数のギヤで構成されており、各回転台14の回転速度は同一に設定されている。モーター5を正転させたとき、各回転台14は図8において時計回りに回転するように設定されており、その回転数は60rpmに設定した。
図9、図10に示すように、マッサージヘッド2には、前面に開口28が形成されており、開口28は柔軟性を有するカバー29で覆われている。各回転台14の押圧棒15の回転軌跡Tは、開口28の前後面から本体ケース1の外側に食み出している。マッサージヘッド2の前面を肌面に当接させると、押圧棒15の周面15bで回転方向に沿って直線状の押圧を伴う回転刺激を肌面に付与することができる。
図8に示すように、右端に配置された回転台14の押圧棒15が前端の位置にあるとき、中央に配置された回転台14の押圧棒15は、平面視おいて反時計回り方向に60度位相を異ならせた位置に設けられている。左端に配置された回転台14の押圧棒15は、反時計回り方向にさらに60度位相を異ならせた位置に設けられている。これにより、マッサージヘッド2の前面を肌面に当接させると、右側の回転台14の押圧棒15が肌面に回転刺激を付与したのち、中央の回転台14の押圧棒15が肌面に回転刺激を付与する。次いで、左側の回転台14の押圧棒15が肌面に回転刺激を付与する。このように、回転台14の回転方向上手側から下手側へと押圧棒15の周面15bで順に肌面に直線状の押圧を伴う回転刺激を付与できる。
以上のように、本実施例のマッサージ器においては、各回転台14を、隣接する押圧棒15の回転軌跡Tどうしがオーバーラップする状態で配置したので、隣接する押圧棒15どうしの距離を近づけることができる。これにより、隣接する押圧棒15の間に位置して回転刺激が付与されない肌面部分を可及的に狭くすることができ、むらなく肌面に回転刺激を付与できる。また、押圧棒15の隣接距離が小さくなる分だけ美容機器を小形化しコンパクト化できる。さらに、隣接する回転台14が同一方向に回転する構成であるので、押圧棒15の隣接距離が小さくなることと相俟って回転刺激による血液やリンパ液の圧送効果を向上できる。なお、本実施例においては、回転台14が同一方向に回転する構成となっているが、隣接する回転台14が逆方向に回転する構成であってもよい。この場合、隣接する回転台14を同時に肌面に当接させれば複数の回転台14による揉み作用を伴う回転刺激を付与することができ、端部にある1つの回転台14を肌面に当接させれば一方向の回転刺激による血液やリンパ液の圧送が可能となる。
隣接する回転台14が、各駆動軸20の一端寄りと他端寄りに交互に配置されて回転軸心方向に対向しており、各回転台14における押圧棒15が、対向相手側の回転台14へ向かって突設されていると、押圧棒15による回転刺激の付与範囲を直線状に連続させて、回転台14の回転方向の上手側から下手側へ向かって、血液やリンパ液を確実に圧送することができる。
(第4実施例) 図11から図13に、美容機器の第4実施例を示す。第4実施例に係る美容機器(マッサージ器)は、本体ケース1の上面に開口28を設けた点と、マッサージユニット3の構成を変更した点が、第1実施例のマッサージ器と異なる。図11においてマッサージ器は、本体ケース1を備え、本体ケース1の上半部がマッサージヘッド2として構成されており、マッサージヘッド2の内部にマッサージユニット3が配置されている。マッサージヘッド2の後端から下方に伸びる本体ケース1はグリップ4を兼ねており、その内部には、モーター5、電池6、制御基板7などが配置されている。
図12、図13に示すように、マッサージユニット3は、前後一対の支持ベース12と、一対の支持ベース12の間に配置される駆動機構13と、駆動機構13で回転駆動される円形の板状体からなる4個の回転体14と、各回転体14に設けられる押圧体15などで構成されている。押圧体15は、回転体14の周面に、外突状の突部40として形成されており、各回転台14には等角度間隔で3個の突部40が設けられている。
回転体14は駆動軸20に固定されており、隣接する回転体14は、回転軸心方向にずらした状態で、その外郭形状が重複する状態で配置されている。4個の回転台14は同一部材であり、回転台14が回転駆動されたときの各押圧体15の回転軌跡Tの直径は同一に設定されており、突部40の回転軌跡Tは回転体14の回転軸方向視においてオーバーラップしている。図12に示すように、回転体14の回転軸方向視において、隣接する回転体14の一方側の突部40の全体が、隣接する回転体14の他方側の突部40の回転軌跡T内に入り込むようオーバーラップさせている。例えば、図12に向かって左側の突部40は、さらに反時計回りに回転すると、中央の回転体14の回転軸に近づいていく。この左側の突部40が、中央の回転体14の回転軸に最接近したとき、回転軸方向視において左側の突部40の全体が中央の突部40の回転軌跡T内にすっぽりと収まる。つまり、隣接する回転体14の一方側の突部40が、隣接する他方側の回転体14の突部40の回転軸に最接近したとき、一方側の突部40と他方側の突部40の回転軌跡Tとが所定の距離が得られるようにオーバーラップしている。4個の回転台14は、各回転台14が回転駆動されたときの各押圧体15の回転軌跡Tの直径が、それぞれ異なるように設定された状態で、突部40の回転軌跡Tはオーバーラップしたものであってもよい。
図12、図13に示すように、駆動機構13は、2個の駆動軸20と、各駆動軸20に固定される受動ギヤ21と、受動ギヤ21間に配置される駆動ギヤ41とで構成されている。駆動軸20は、支持ベース12に設けられた図示しない軸受体で回転自在に軸支されている。左右の受動ギヤ21は歯数を異ならせてあり、右側の駆動軸20に固定される受動ギヤ21aよりも、左側の駆動軸20に固定される受動ギヤ21bの方が、歯数が少なく設定されている。モーター5のモーター軸には、ピニオンギヤとフェースギヤとで構成される減速機構42のピニオンギヤが固定されており、フェースギヤと駆動ギヤ41とは、回転軸で連結されている。モーター5の出力軸にはピニオンギヤが固定されており、このピニオンギヤとフェースギヤとで減速機構42が構成されている。フェースギヤに固定したギヤ軸に先の駆動ギヤ41が固定されている。
作動スイッチ8をオン操作してモーター5を駆動すると、減速機構42を介して駆動ギヤ41が回転駆動され、これにより、左右の受動ギヤ21a・21bが駆動されて、各駆動軸20に装着した回転台14を回転駆動できる。各回転台14は図12において反時計回りに回転するように設定されている。左側の受動ギヤ21bの歯数が少なく設定されているので、回転方向下手側である左側の回転台14の回転速度は、右側の回転台14の回転速度よりも速く回転駆動される。本実施例では、左側の回転台14の回転速度は80rpmに設定し、右側の回転台14の回転速度は60rpmに設定した。
図12に示すように、マッサージヘッド2には、上面に開口28が形成されており、開口28は柔軟性を有するカバー29で覆われている。各回転台14は、この開口28に臨む状態で配置されており、各突部40の回転軌跡Tは、開口28の前後面から本体ケース1の外側に食み出している。右側に配置された回転台14と左側に配置された回転台14とは、突部40の位置を60度ずらした状態で駆動軸20に固定されている。マッサージヘッド2の上面を肌面に当接させると、突部40で直線状の回転刺激を肌面に付与することができる。本実施例においても、突部40の回転軌跡Tがオーバーラップしているので、隣接する突部40どうしの距離を近づけることができる。これにより、隣接する突部40の間に位置して回転刺激が付与されない肌面部分を可及的に狭くすることができ、むらなく肌面に回転刺激を付与できる。また、突部40の隣接距離が小さくなる分だけ美容機器を小形化しコンパクト化できる。さらに、隣接する回転台14が同一方向に回転する構成であるので、押圧体15の隣接距離が小さくなることと相俟って回転刺激による血液やリンパ液の圧送効果を向上できる。なお、本実施例においても、回転台14が同一方向に回転する構成となっているが、隣接する回転台14を逆方向に回転する構成とすることができる。この場合、隣接する回転台14を同時に肌面に当接させれば複数の回転台14による揉み作用を伴う回転刺激を付与することができ、端部にある1つの回転台14を肌面に当接させれば一方向の回転刺激による血液やリンパ液の圧送が可能となる。
また、本実施例では、マッサージ器の組立て時に突部40の位相位置を60度ずらした状態で駆動軸20に固定するが、マッサージ器を動作させると、左右の回転台14の回転速度が異なるため、突部40の位相位置は常に変化することになる。従って、両回転台14の突部40が同時に肌面に接触する場合も発生するが、これは一時的なものであり、回転刺激を肌面に付与する際のほとんどは左右の突部40が異なるタイミングで接触して回転刺激を付与できる。
以上のように、隣接する回転台14のうち、回転方向下手側に位置する回転台14の回転速度を、回転方向上手側に位置する回転台14の回転速度より速く設定すると、下手側の突部40は、上手側から圧送されてきた血液やリンパ液を滞ることなくすばやく圧送できる。従って、回転刺激による血液やリンパ液の圧送効果をさらに向上して、効果的に美容効果を得ることができる。回転刺激は、突部40による押圧に加えて突部40が一方向に回転する直線状の擦り動作を伴うものであり、血液やリンパ液の圧送効果をも有するものである。なお、回転刺激としては、回転台14に突部40を有しなくて単純な円形の回転台14にすれば、弱い押圧ながら一方向に回転する直線状の擦り動作は行え、血液やリンパ液の圧送効果を有するので、このような弱い押圧を伴う回転刺激も含むものとする。さらに、回転台14に突部40を有しなくても回転台14を楕円形にすれば、上述の実施例と略同様の押圧を伴う回転刺激とすることができる。
(第5実施例) 図14に、美容機器の第5実施例を示す。第5実施例に係る美容機器(マッサージ器)は、突部40を回転体14と別体で構成した点が第4実施例のマッサージ器と異なる。図14に示すように、突部40は、回転体14の周面に形成された保持凹部44に嵌め込まれた球体45で構成されている。このように、突部40を球体45で構成すると、回転刺激を付与する際に、突部40とカバー29との間の摩擦を軽減することができ、カバー29が破損するのを防止できる。本実施例においても、左側の回転台14の回転速度は80rpmに設定し、右側の回転台14の回転速度は60rpmに設定した。
(第6実施例) 図15から図17に、美容機器の第6実施例を示す。第6実施例に係る美容機器(マッサージ器)は、本体ケース1の上面に開口28を設けた点と、マッサージユニット3の構成を変更した点が、第1実施例のマッサージ器と異なる。図15においてマッサージ器は、本体ケース1を備え、本体ケース1の上半部がマッサージヘッド2として構成されており、マッサージヘッド2の内部にマッサージユニット3が配置されている。マッサージヘッド2の後端から下方に伸びる本体ケース1はグリップ4を兼ねており、その内部には、モーター5、電池6、制御基板7などが配置されている。
図16、図17に示すように、マッサージユニット3は、支持ベース12と、支持ベース12に配置される駆動機構13と、駆動機構13で回転駆動される円形の板状体からなる2個の回転体14と、各回転体14に設けられる押圧体15などで構成されている。押圧体15は、回転体14の回転周面に、外突状の突部40として形成されており、各回転台14には等角度間隔で3個の突部40が設けられている。また、回転体14の回転平面には、回転軸心方向に突出する丸棒状の押圧棒(押圧体)155が形成されている。押圧棒(押圧体)155の先端は丸められており、その先端部155aにより水平回転による連続する回転刺激を柔軟性を有するカバー29を介して肌面に付与できる。
回転体14は駆動軸20に固定されており、隣接する回転体14は、回転軸心方向にずらした状態で、その外郭形状が重複する状態で配置されている。2個の回転台14は同一部材であり、回転台14が回転駆動されたときの各押圧体15の回転軌跡Tの直径は同一に設定されており、突部40の回転軌跡Tは回転体14の回転軸方向視においてオーバーラップしている。図16に示すように、回転体14の回転軸方向視において、隣接する回転体14の一方側の突部40の全体が、隣接する回転体14の他方側の突部40の回転軌跡T内に入り込むようオーバーラップさせている。例えば、図16に向かって左側の突部40は、さらに反時計回りに回転すると、中央の回転体14の回転軸に近づいていく。この左側の突部40が、中央の回転体14の回転軸に最接近したとき、回転軸方向視において左側の突部40の全体が中央の突部40の回転軌跡T内にすっぽりと収まる。つまり、隣接する回転体14の一方側の突部40が、隣接する他方側の回転体14の突部40の回転軸に最接近したとき、一方側の突部40と他方側の突部40の回転軌跡Tとが所定の距離が得られるようにオーバーラップしている。4個の回転台14は、各回転台14が回転駆動されたときの各押圧体15の回転軌跡Tの直径が、それぞれ異なるように設定された状態で、突部40の回転軌跡Tはオーバーラップしたものであってもよい。
図16、図17に示すように、駆動機構13は、2個の駆動軸20と、各駆動軸20に固定される受動ギヤ21と、受動ギヤ21間に配置される駆動ギヤ41とで構成されている。駆動軸20は、支持ベース12に設けられた図示しない軸受体で回転自在に軸支されている。左右の受動ギヤ21は歯数を異ならせてあり、右側の駆動軸20に固定される受動ギヤ21aよりも、左側の駆動軸20に固定される受動ギヤ21bの方が、歯数が少なく設定されている。モーター5のモーター軸には、ピニオンギヤとフェースギヤとで構成される減速機構42のピニオンギヤが固定されており、フェースギヤと駆動ギヤ41とは、回転軸で連結されている。モーター5の出力軸にはピニオンギヤが固定されており、このピニオンギヤとフェースギヤとで減速機構42が構成されている。フェースギヤに固定したギヤ軸に先の駆動ギヤ41が固定されている。
作動スイッチ8をオン操作してモーター5を駆動すると、減速機構42を介して駆動ギヤ41が回転駆動され、これにより、左右の受動ギヤ21a・21bが駆動されて、各駆動軸20に装着した回転台14を回転駆動できる。各回転台14は図16において反時計回りに回転するように設定されている。左側の受動ギヤ21bの歯数が少なく設定されているので、回転方向下手側である左側の回転台14の回転速度は、右側の回転台14の回転速度よりも速く回転駆動される。本実施例では、左側の回転台14の回転速度は80rpmに設定し、右側の回転台14の回転速度は60rpmに設定した。
図16に示すように、マッサージヘッド2には、上面に開口28が形成されており、開口28は柔軟性を有するカバー29で覆われている。各回転台14は、この開口28に臨む状態で配置されており、各突部40の回転軌跡Tは、本体ケース1の上面から外側に食み出している。右側に配置された回転台14と左側に配置された回転台14とは、突部40の位置を60度ずらした状態で駆動軸20に固定されている。マッサージヘッド2の上面を肌面に当接させると、突部40で直線状の回転刺激を肌面に付与することができる。本実施例においても、突部40の回転軌跡Tがオーバーラップしているので、隣接する突部40どうしの距離を近づけることができる。これにより、隣接する突部40の間に位置して回転刺激が付与されない肌面部分を可及的に狭くすることができ、むらなく肌面に回転刺激を付与できる。また、突部40の隣接距離が小さくなる分だけ美容機器を小形化しコンパクト化できる。さらに、隣接する回転台14が同一方向に回転する構成であるので、押圧体15の隣接距離が小さくなることと相俟って回転刺激による血液やリンパ液の圧送効果を向上できる。なお、本実施例においても、回転台14が同一方向に回転する構成となっているが、隣接する回転台14を逆方向に回転する構成とすることができる。この場合、隣接する回転台14を同時に肌面に当接させれば複数の回転台14による揉み作用を伴う回転刺激を付与することができ、端部にある1つの回転台14を肌面に当接させれば一方向の回転刺激による血液やリンパ液の圧送が可能となる。
また、本実施例では、マッサージ器の組立て時に突部40の位相位置を60度ずらした状態で駆動軸20に固定するが、マッサージ器を動作させると、左右の回転台14の回転速度が異なるため、突部40の位相位置は常に変化することになる。従って、両回転台14の突部40が同時に肌面に接触する場合も発生するが、これは一時的なものであり、回転刺激を肌面に付与する際のほとんどは左右の突部40が異なるタイミングで接触して回転刺激を付与できる。
以上のように、隣接する回転台14のうち、回転方向下手側に位置する回転台14の回転速度を、回転方向上手側に位置する回転台14の回転速度より速く設定すると、下手側の突部40は、上手側から圧送されてきた血液やリンパ液を滞ることなくすばやく圧送できる。従って、回転刺激による血液やリンパ液の圧送効果をさらに向上して、効果的に美容効果を得ることができる。回転刺激は、突部40による押圧に加えて突部40が一方向に回転する直線状の擦り動作を伴うものであり、血液やリンパ液の圧送効果をも有するものである。なお、回転刺激としては、回転台14に突部40を有しなくて単純な円形の回転台14にすれば、弱い押圧ながら一方向に回転する直線状の擦り動作は行え、血液やリンパ液の圧送効果を有するので、このような弱い押圧を伴う回転刺激も含むものとする。さらに、回転台14に突部40を有しなくても回転台14を楕円形にすれば、上述の実施例と略同様の押圧を伴う回転刺激とすることができる。
本実施例においては、回転台(回転体)14の回転平面から突出する押圧棒(押圧体)155の先端部155aと回転台(回転体)14の回転周面から突出する突部40、すなわち押圧体15とにより使用者の意思で選択的に肌面に回転刺激を付与できる。これにより、回転台14の回転平面から突出する押圧体155と回転台14の回転周面から突出する突部40、すなわち押圧体15とで異なる回転刺激を肌面に付与できる。押圧体155の先端部155aでの回転刺激は、先端部155aの水平回転による連続する回転刺激となる。一方、突部40、すなわち押圧体15での回転刺激は、一方向の回転による直線状の回転刺激となる。つまり、使用者の意思により多様な回転刺激を選択的に肌面に付与することができる。
本実施例において、突部40は、ローラーで形成することができる、この場合、ローラーは回転台14に回転自在に軸着する。また、突部40は、回転台14の回転周面に形成された保持凹部に嵌め込まれた球体で構成することができる。何れの構成も、回転刺激を付与する際に、突部40とカバー29との間の摩擦を軽減することができ、カバー29が破損するのを防止できる。また、押圧体155は、その先端に保持凹部を形成し、そこに球体を嵌め込んで先端部155aを構成したものであってもよい。この構成により回転刺激を付与する際に、先端部155aとカバー29との間の摩擦を軽減することができ、カバー29が破損するのを防止できる。また、本実施例に係る美容機器は、図15〜図17に向かって左側の回転体14を省略して右側の1個の回転体14でマッサージユニット3を構成できる。この場合、回転周面の突部40による血液やリンパ液の圧送効果が減少するが、多様な回転刺激は可能となる。
また、本実施例は、回転台(回転体)14の回転平面から突出する押圧体155の突出長さが、回転台(回転体)14の回転周面から突出する突部40、すなわち押圧体15の突出長さに比べて長くなるよう設定されている。具体的には、突部40の突出長さは4mmで、押圧体155の突出長さは8mmに設定されている。このように突出長さを異ならせると、使用者が選択的に回転刺激を行う際、メリハリ(強弱)の利いた回転刺激を肌面に付与できる。特に、突部40の突出長さが押圧体155の突出長さよりも短いため、突部40によって血液やリンパ液を圧送する際に肌面に過度な押圧力を加えるのを防止でき、血管やリンパ管にストレスがかかるのを防止できる。
上記構成に係る美容機器は以下の態様で実施できる。
(態様4)
回転体14には、肌面に回転刺激を付与する押圧体15・155が設けられており、
回転体14の回転平面には、少なくとも1個の押圧体155が設けられており、
回転体14の回転周面には、少なくとも1個の押圧体15が設けられており、
回転体14の回転平面から突出する押圧体155の先端部155aまたは回転体14の回転周面から突出する押圧体15の先端部15aにより肌面に回転刺激を付与でき、
回転体14の回転平面から突出する押圧体155の突出長さが、回転体14の回転周面から突出する押圧体15の突出長さに比べて長くなるよう設定されていることを特徴とする美容機器。
態様4の構成のように、突出長さを異ならせると、使用者が選択的に回転刺激を行う際、メリハリの利いた回転刺激を肌面に付与できる。
上記の第1実施例から第6実施例では、回転台(回転体)14と駆動ギヤ19あるいは受動ギヤ21が固定される駆動軸20およびカウンターギヤ22が固定されるギヤ軸23は、支持ベース12に対して回転自在に支持したが、駆動軸20およびギヤ軸23は支持ベース12に固定することができる。その場合には、回転台14と受動ギヤ21とを連結固定し、これら14・21を支持ベース12に固定した駆動軸20に対して回転自在に支持する構造とする。
本発明における美容機器(マッサージ器)を構成する回転体(回転台)14および押圧体(押圧棒)15の個数は、上記の各実施例に示した数に限られない。また、上記の各実施例では、位相位置を60度ずつ異ならせたが、60度に限られず適宜設定することができる。回転体14の回転数は、上記の各実施例に示した回転数に限られず、適宜変更することができ、実施例4および5においては、左側の回転体14の回転速度が右側の回転体14の回転速度よりも速ければよい。
13 駆動機構
14 回転体(回転台)
15 押圧体(押圧棒)
15a 先端部(半球面)
15b 周面部(周囲面)
20 駆動軸
21 受動ギヤ
22 カウンターギヤ
51 フレーム(可動フレーム)
155 押圧体(押圧棒)
155a 先端部
T 回転軌跡

Claims (1)

  1. 回転体(14)には、肌面に回転刺激を付与する少なくとも1個の押圧体(15)が設けられており、
    押圧体(15)は、回転体(14)の回転軸心方向に突出する状態で設けられており、
    回転体(14)から突出する押圧体(15)の先端部(15a)または先端部(15a)に連続する周面部(15b)により肌面に回転刺激を付与できる構成となっており、
    押圧体(15)は、上端部が半球状に形成されたローラー軸(16)と、ローラー軸(16)で回転自在に軸支される筒状のローラー(17)とで構成されており、
    ローラー軸(16)の下端が回転体(14)に固定されており、
    回転体(14)の回転軸方向視において押圧体(15)の外郭線が、回転体(14)の外郭線から外側に食み出る形態となっていることを特徴とする美容機器。
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