JP6298224B1 - 反射防止構造体、カメラユニット、携帯機器および反射防止構造体の製造方法 - Google Patents

反射防止構造体、カメラユニット、携帯機器および反射防止構造体の製造方法 Download PDF

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Abstract

反射防止構造体は、一体成形品からなり、前記成形品の外面を構成するベース表面に形成された反射防止構造を含み、前記反射防止構造は、それぞれ、互いに隣り合う凹部から独立して前記ベース表面に対して凹んで形成され、前記ベース表面に対して傾斜し、底部において少なくとも1つの点状または線状の頂部を形成する傾斜面を有する複数の凹部を含む。

Description

本発明は、反射防止構造体、その反射防止構造体(レンズバレル)を備えるカメラユニット、そのカメラユニットを搭載する携帯機器、およびその反射防止構造体の製造方法に関する。
従来、光の反射を抑制する反射防止構造体として、例えば、特許文献1および2に記載の構造体が提案されている。
特許文献1は、基準面上に設けられ基準面とのなす角αが所定角度となる第1側面を有する構造単位が複数並んで構成された基礎構造部と、基礎構造部の表面に形成され、所定の波長以下の周期で規則的に配列された複数の微小凹凸部とを備える、反射防止構造部を開示している。
特許文献2は、少なくとも一方の表面側で、当該表面に入射する輻射線の波長に関し反射防止特性を示す光学的な透明な材料からなる基材層からなる反射防止膜を開示している。
特許第5512269号公報 特表2001−517319号公報
近年、工業製品のデザインが多様化しており、外観デザインが製品の売れ行きに影響を及ぼすことがある。そのため、製品のボディを構成する材質に加え、外から視認し得る材質にも多様な質感が要求される。
例えば、スマートフォンなどの携帯電話に搭載されるカメラユニットのレンズバレルは、機器本体に取り付けられた透明のカバーガラスを通して外観の一部として現れるため、外観デザインを損なわない質感に仕上げる必要がある。より具体的には、黒色のレンズバレルに対する光の反射を抑制する処理を施していないと、機器本体を外から見たときにカメラユニットの構造が目立ち、機器本体のデザインとの調和を図ることができない場合がある。このような課題は、近年のレンズの大口径化に伴ってレンズバレルの径が大きくなると、より顕著になると考えられる。また、レンズバレルの反射率の抑制は、余計な反射光がレンズ内に入り込むことも防止できるため、カメラユニットの光学特性の向上にも寄与する。
この点、特許文献1に記載の発明では、レンズバレルではないが、レンズ鏡筒ユニットのレンズ鏡筒の内周面に凸部からなる基礎構造部を形成し、さらに基礎構造部の側面に微小な凹凸構造を形成することによって、レンズ鏡筒内部での光の反射を抑制している。
しかしながら、特許文献1の基礎構造部のような凸部形状を反射防止構造体として製品の外面に形成すると、製造時のハンドリング時に何らかの接触によって凸部が欠け、不要なパーティクルが発生するおそれがある。特に、当該反射防止構造体が精密機器に使用される場合には、少しのパーティクルが機器に致命的な影響を与える場合がある。
一方、レンズバレルの表面に、蒸着によって反射防止膜を形成することも検討されるが、製造工程の工程数が増加し、また、膜内での色むら、指紋付着、ひっかき傷等の問題もある。
そこで、本発明の目的は、優れた反射抑制機能を発現できると共に、不良品の発生を抑制することができる反射防止構造体、その反射防止構造体を備えるカメラユニットおよびそのカメラユニットを搭載する携帯機器を提供することである。
また、本発明の他の目的は、上記反射防止構造体を低コストかつ簡単に製造することができる反射防止構造体の製造方法を提供することである。
本発明の反射防止構造体は、黒色の色料を含有する原料からなる一体の射出成形品からなり、前記成形品の外面を構成するベース表面に形成された反射防止構造を含み、前記反射防止構造は、それぞれ、互いに隣り合う凹部から独立して前記ベース表面に対して凹んで形成され、前記ベース表面に対して傾斜し、底部において少なくとも1つの点状または線状の頂部を形成する傾斜面を有する複数の凹部を含む。
この構成によれば、成形品の外面(ベース表面)に複数の凹部が配列されていることによって、ベース表面に入射した光の反射を抑制することができる。また、反射防止構造が凸構造ではなく、ベース表面に対して凹んだ構造であるため、成形品の外面に何らかの接触が生じても、凹部に影響を与えなくて済む。これにより、不要なパーティクルの発生を防止できると共に、凹部の形状変化を防止できるので、反射防止構造体の反射抑制機能を維持することができる。
また、反射防止構造体が一体成形品であるため、本発明の製造方法のように、金型への原料の注入および成形によって、低コストかつ簡単に製造することができる。すなわち、本発明の反射防止構造体の製造方法では、内面に複数の独立した凸部が配列された金型に黒色の色料を含有する原料を注入し、成形することによって、本発明の反射防止構造体が得られる。
本発明の反射防止構造体では、前記複数の凹部は、前記傾斜面が点状の頂部を形成する複数の錐形凹部を含んでいてもよい。
本発明の反射防止構造体は、前記錐形凹部が多角形の開口部を有する多角錐形凹部を含む場合、前記ベース表面において互いに隣り合う前記多角錐形凹部の間の境界部に設けられた稜線部を含んでいてもよい。
この構成によれば、ベース表面において平坦な原料領域(成形品原料が露出した領域)が存在せず、複数の錐形凹部が密接して形成されているので、ベース表面全体にわたって光の反射を効率よく抑制することができる。また、ベース表面に平行な原料領域が設けられていると、当該原料領域と錐形凹部の形成領域との間に反射率の差が生じ、ベース表面で色調のコントラストが発生して外観を損なうおそれがあるが、そのような課題を解決することもできる。また、ベース表面に指紋が付着したり、ひっかき傷が発生したりすることも防止することができる。
なお、ここでいう「稜線部」とは、例えば、隣り合う多角錐形凹部の境界部が、撥水防止膜や反射防止膜等の薄膜を形成するために必要な幅未満の幅で形成された直線部と定義される。当該稜線部の幅は、特に制限されず、例えば、0.001mm〜0.1mm程度であってもよい。
本発明の反射防止構造体では、前記錐形凹部が四角形の開口部を有する四角錐形凹部を含む場合、前記四角錐形凹部は、格子状に配列されていてもよい。
この構成によれば、四角錐形凹部が、互いに直交する縦方向(第1方向)および横方向(第2方向)に沿って規則正しく配列されているので、ベース表面における光の反射を均等に抑制することができる。
本発明の反射防止構造体では、互いに隣り合う前記錐形凹部のピッチ(頂部同士の距離)は、0.05mm〜0.4mmであってもよい。
本発明の反射防止構造体では、前記凹部は、四角形の開口部を有し、前記開口部の四辺のうち互いに対向する第1辺および第2辺からそれぞれ延びる第1傾斜面および第2傾斜面が、線状の頂部を形成しており、前記開口部の四辺の残りの第3辺および第4辺からそれぞれ延びる第3傾斜面および第4傾斜面が、前記線状の頂部の各端部において、前記第1傾斜面および前記第2傾斜面との間に点状の頂部を形成していてもよい。
本発明の反射防止構造体では、前記開口部は、前記第1辺および前記第2辺が、前記第3辺および前記第4辺よりも長くされた長方形状に形成されていてもよい。
本発明の反射防止構造体では、互いに隣り合う前記凹部のピッチ(前記線状の頂部同士の距離)は、0.05mm〜0.4mmであってもよい。
本発明の反射防止構造体では、前記凹部の傾斜面は、前記ベース表面の法線に対して10°〜45°の角度で傾斜していてもよい。
本発明の反射防止構造体では、前記凹部の開口部は、0.05mm〜0.4mmの径を有していてもよい。
この構成のように、凹部の開口部の径が上記の範囲であれば、従来のようにナノインプリント等の手法によってナノメートルオーダーの反射防止構造を形成する場合と異なり、成形金型によって精密な形状を簡単に形成することができる。
本発明の反射防止構造体では、前記凹部の深さは、0.05mm〜2.0mmであってもよい。
本発明の反射防止構造体では、前記ベース表面および前記凹部の傾斜面は、前記成形品の原料が露出した状態で仕上げられていてもよい。
この構成によれば、成形体のベース表面に反射防止膜等の薄膜をさらに形成する必要がないので、製造工程の工程数を減らすことができる。なお、「成形品の原料が露出した状態」とは、ベース表面および凹部の傾斜面が、成形品の原料とは異なる原料からなる薄膜等で覆われていないことを示している。
本発明の反射防止構造体では、前記成形品の原料は、黒色の色料を含有してい
この構成によれば、反射率の抑制によって高い黒色度を有する成形品を提供することができる。このような成形品は、レンズバレルとして好適に使用することができる。
つまり、本発明の反射防止構造体は、レンズを収容するための中空の内部空間を区画する筒状部と、前記筒状部の一端に一体的に形成され、光が入射するための開口を有する環状頂部とを有するレンズバレルを含んでいてもよい。その場合、前記反射防止構造は、前記環状頂部の前記内部空間の反対側の表面に形成されていてもよい。
本発明の携帯機器用カメラユニットは、本発明のレンズバレルと、前記レンズバレルの前記内部空間に収容されたレンズと、前記レンズバレルの前記環状頂部の反対側に配置された撮像素子とを含む。
また、本発明の携帯機器は、本発明のカメラユニットが搭載されている。
この構成によれば、本発明の黒色の反射抑制レンズバレルを備えているので、例えば、カメラユニットが取り付けられるベース部材の色が黒色の場合に、当該ベース部材の黒色とレンズバレルの黒色との調和を図ることができ、外観に優れる携帯機器を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るレンズバレルを上方から見た概略構成図である。 図2は、本発明の一実施形態に係るレンズバレルを下方から見た概略構成図である。 図3は、図1の反射防止構造(第1形態)の要部拡大図である。 図4Aおよび図4Bは、図3のIV−IV線に沿って前記反射防止構造を切断したときに現れる断面図である。 図5は、図1の反射防止構造(第2形態)の要部拡大図である。 図6Aおよび図6Bは、それぞれ、図5のVIA−VIA線およびVIB−VIB線に沿って前記反射防止構造を切断したときに現れる断面図である。 図7Aおよび図7Bは、図1〜図4A,4Bに示すレンズバレルの製造方法を工程順に示す図である。 図8Aおよび図8Bは、本発明の一実施形態に係るスマートフォンの概略構成図であり、図8Aが前記スマートフォンの正面側を示し、図8Bが前記スマートフォンの背面側を示している。 図9は、図8Aおよび図8Bのスマートフォンに搭載されたカメラユニットの概略構成を示す断面図である。 図10は、前記レンズバレルの複数の錐形凹部の配列パターンのバリエーションを示す図である。 図11は、前記レンズバレルの複数の錐形凹部の配列パターンのバリエーションを示す図である。 図12は、前記レンズバレルの複数の錐形凹部の配列パターンのバリエーションを示す図である。 図13は、本発明の他の実施形態に係る腕時計の概略構成図である。 図14は、本発明の他の実施形態に係るノートパソコンの概略構成図である。 図15は、実施例および比較例の反射率の測定に使用した装置の概略構成図である。 図16は、実施例および比較例の反射率測定結果を示す図である。
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1および図2は、それぞれ、本発明の一実施形態に係るレンズバレル1を上方および下方から見た概略構成図である。
本発明の反射防止構造体の一例としてのレンズバレル1は、後述するレンズ34を収容するための中空の内部空間の一例としてのレンズ収容部2を区画する筒状部3を本体部として備えている。
筒状部3は、相対的に径が大きい第1部分4と、第1部分4よりも径が小さい第2部分5とが連結された二段構造を有しており、これらの境界部に、筒状部3の全周にわたって段差部6が形成されている。第1部分4の内径は、例えば、3.0mm〜5.0mmであり、第2部分5の内径は、例えば、3.0mm〜5.0mmであってもよい。また、筒状部3の軸方向の高さは、例えば、0.50mm〜5.0mmであってもよい。図1および図2では省略するが、第1部分4の外周面には、後述するカメラユニット27の筐体33に螺合するための、ねじ部38(図9参照)が形成されていてもよい。
筒状部3において第2部分5側の端部(一端部)には、環状頂部7が設けられている。環状頂部7は、レンズ収容部2に光を取り入れるための開口8を中央部に有する円環板状に形成されている。環状頂部7のレンズ収容部2の反対側の表面(外面9)は、開口8を取り囲む円形領域を構成しており、この円形領域の全体にわたって反射防止構造11が形成されている。一方、環状頂部7のレンズ収容部2側の表面(内面10)は、反射防止構造11が形成されていない平滑面となっている。
環状頂部7の開口8は、環状頂部7を厚さ方向に貫通しており、当該厚さ方向においてレンズ収容部2の反対側に向かって径が広がるテーパー状の周面12を有する円形に形成されている。環状頂部7の開口8の径(最大径)は、例えば、環状頂部7の外径(例えば、4.0mm〜7.0mm)に対して、1.0mm〜3.0mmである。
また、筒状部3において第1部分4側の端部(他端部)は、第1部分4の内径寸法で開放されている。
そして、このレンズバレル1は、筒状部3および環状頂部7が一体となった成形品で形成されている。
成形品のベース原料としては、特に制限されず、例えば、天然ゴム、合成ゴム、(合成)樹脂等が挙げられ、好ましくは、合成樹脂が使用される。合成樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂、例えば、スチレン樹脂、ABS樹脂、PPS樹脂、PBT樹脂、COP樹脂、COC樹脂、LCP樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらのうち、より好ましくは、ポリカーボネート樹脂が使用される。なお、上記したベース原料は、それぞれ単独使用または併用することができる。
また、レンズバレル1のベース原料は、レンズバレル1に黒色を付与するための黒色の色料を含有している。黒色の色料としては、特に制限されず、例えば、カーボンブラック、グラファイト、チタンブラック等が挙げられる。また、ベース原料に対する黒色の色料の含有割合の一例としては、例えば、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、カーボンブラックが0.1〜15質量部である。黒色の色料の含有割合は、レンズバレル1の用途に合わせて適宜変更すればよい。
また、レンズバレル1のベース原料は、必要に応じて、ガラス繊維、炭素繊維、マイクロファイバー等のフィラーを含有していてもよい。
図3は、図1の反射防止構造11(第1形態)の要部拡大図である。図4Aおよび図4Bは、図3のIV−IV線に沿って反射防止構造11を切断したときに現れる断面図である。図3では、明瞭化のため、透視して見える錐形凹部15の傾斜面14や頭頂部18は、一部の錐形凹部15のみに示している。
図3および図4A,4Bに示すように、反射防止構造11は、複数の錐形凹部15と、隣り合う錐形凹部15の境界部からなり、各錐形凹部15を取り囲む枠部16とを含む。
各錐形凹部15は、枠部16の頂部17の高さ位置に設定されたベース表面13から、環状頂部7(レンズバレル1)の内部方向に向かって凹んで形成されている。つまり、各錐形凹部15は、環状頂部7の内部に配置された点状の頂部としての頭頂部18を中心に、ベース表面13へ向かって広がる傾斜面14を有する錐形の中空空間からなる凹部である。また、各錐形凹部15は、枠部16によって、隣り合う錐形凹部15から独立して設けられている。
錐形凹部15の形状を具体的に説明すると、図3の錐形凹部15は、四角形(正方形)の開口部19を有している。開口部19の径(幅)Wは、例えば、0.05mm〜0.4mmであってもよい。このように、錐形凹部15の開口部19の径が上記の範囲であれば、従来のようにナノインプリント等の手法によってナノメートルオーダーの反射防止構造を形成する場合と異なり、成形金型(例えば、後述する凹型20および凸型21)によって精密な形状を簡単に形成することができる。
錐形凹部15は、当該開口部19の各辺から頭頂部18に向かって傾斜し、頭頂部18で1つに合流する第1傾斜面14A、第2傾斜面14B、第3傾斜面14Cおよび第4傾斜面14Dを有する四角錐形凹部を構成している。なお、図3および図4A,4Bでは、明瞭化のため、一つの錐形凹部15にのみ、第1〜第4傾斜面14A,14B,14C,14Dを示している。
また、各錐形凹部15の傾斜面14は、図4A,4Bに示すように、ベース表面13の法線nに対して10°〜45°の角度θで傾斜していてもよい。また、各錐形凹部15の深さD(ベース表面13から頭頂部18までの距離)は、例えば、0.05mm〜2.0mmであってもよい。また、互いに隣り合う錐形凹部15のピッチP(頭頂部18同士の距離)は、0.05mm〜0.4mmであってもよい。
また、各錐形凹部15の頭頂部18は、図4Aに示すように、鋭く尖っていてもよいし、図4Bに示すように、丸く加工されることによって、弧状に形成されていてもよい。図4Bの場合、頭頂部18の弧の曲率半径Rは、例えば、0.01mm〜0.1mm程度であってもよい。
また、図3では、枠部16が格子状に形成されており、各格子窓の部分に錐形凹部15が1つずつ形成されている。これにより、複数の錐形凹部15が格子パターンに配列されている。枠部16の頂部17(隣り合う錐形凹部15の境界部)は、所定幅未満の稜線部として形成されている。例えば、図4Aに示すように、枠部16の頂部17は、撥水防止膜や反射防止膜等の薄膜を形成するために必要な幅未満の幅Wで形成された直線部が互いに直交して形成されている。当該稜線部としての頂部17の幅Wは、特に制限されず、例えば、0.001mm〜0.1mmであってもよい。また、枠部16の頂部17は、図4Bに示すように、断面視において鋭く尖るように形成されることによって(つまり、幅W=0μm)、直線であってもよい。なお、図4Bに示すように、枠部16の頂部17が幅W=0μmの稜線部として形成されている場合は、ピッチPと開口部19の径(幅)Wとが一致していてもよい。
そして、この反射防止構造11において、ベース表面13(頂部17)および錐形凹部15の傾斜面14は、レンズバレル1の原料が露出した状態で仕上げられている。つまり、ベース表面13および錐形凹部15の傾斜面14が、レンズバレル1の原料とは異なる原料からなる薄膜等で覆われておらず、また、錐形凹部15が、他の樹脂材料等で埋め戻されているわけでもなく中空状態で維持されている。
次に、反射防止構造11の第2形態について反射防止構造61として説明する。つまり、レンズバレル1の反射防止構造は、前述の反射防止構造11として説明した第1形態(図3、図4Aおよび図4B)であってもよいし、図5、図6Aおよび図6Bに反射防止構造61として開示された第2形態であってもよい。
図5は、図1の反射防止構造61(第2形態)の要部拡大図である。図6Aおよび図6Bは、それぞれ、図5のVIA−VIA線およびVIB−VIB線に沿って反射防止構造61を切断したときに現れる断面図である。
図5および図6A,6Bに示すように、反射防止構造61は、複数の凹部65と、隣り合う凹部65の境界部からなり、各凹部65を取り囲む枠部66とを含む。
各凹部65は、枠部66の頂部17の高さ位置に設定されたベース表面63から、環状頂部7(レンズバレル1)の内部方向に向かって凹んで形成されている。つまり、各凹部65は、環状頂部7の内部に配置された頭頂部68からベース表面63へ向かって広がる傾斜面64を有する中空空間からなる凹部である。また、各凹部65は、枠部66によって、隣り合う凹部65から独立して設けられている。
凹部65の形状を具体的に説明すると、図5の凹部65は、四角形(長方形)の開口部69を有している。開口部69の長手方向の径(長さ)Wは、例えば、0.05mm〜0.4mmであってもよい。また、開口部69の短手方向の径(幅)Wは、例えば、0.05mm〜0.4mmであってもよい。このように、凹部65の開口部69の径が上記の範囲であれば、従来のようにナノインプリント等の手法によってナノメートルオーダーの反射防止構造を形成する場合と異なり、成形金型(例えば、後述する凹型20および凸型21)によって精密な形状を簡単に形成することができる。
凹部65の開口部69は、互いに対向する第1辺70Aおよび第2辺70Bと、互いに対向する第3辺70Cおよび第4辺70Dとを有している。凹部65では、第1辺70Aおよび第2辺70Bからそれぞれ延びる第1傾斜面64Aおよび第2傾斜面64Bが、線状の頂部としての頭頂部68を形成している。一方、第3辺70Cおよび第4辺70Dからそれぞれ延びる第3傾斜面64Cおよび第4傾斜面64Dは、線状の頭頂部68の各端部71,71において、第1傾斜面64Aおよび第2傾斜面64Bとの間に点状の頂部を形成している。なお、図5および図6A,6Bでは、明瞭化のため、一つの凹部65にのみ、第1〜第4傾斜面64A,64B,64C,64Dを示している。
また、各凹部65の傾斜面64は、図6A,6Bに示すように、ベース表面63の法線nに対して10°〜45°の角度θで傾斜していてもよい。また、各凹部65の深さD(ベース表面63から頭頂部68までの距離)は、例えば、0.05mm〜2.0mmであってもよい。また、互いに隣り合う凹部65のピッチP(線状の頭頂部68同士の距離)は、0.05mm〜0.4mmであってもよい。
また、各凹部65の頭頂部68は、図6Aおよび図6Bに示すように、鋭く尖っていてもよいし、前述の図4Bの頭頂部18のように、丸く加工されることによって、弧状に形成されていてもよい。
また、図5では、枠部66が格子状に形成されており、各格子窓の部分に凹部65が1つずつ形成されている。これにより、複数の凹部65が格子パターンに配列されている。枠部66の頂部67(隣り合う凹部65の境界部)は、所定幅未満の稜線部として形成されている。例えば、図6Aに示すように、枠部66の頂部67は、撥水防止膜や反射防止膜等の薄膜を形成するために必要な幅未満の幅Wで形成された直線部が互いに直交して形成されている。当該稜線部としての頂部67の幅Wは、特に制限されず、例えば、0.001mm〜0.1mmであってもよい。また、枠部66の頂部67は、前述の図4Bの頂部17のように、断面視において鋭く尖るように形成されることによって(つまり、幅W=0μm)、直線であってもよい。
そして、この反射防止構造61において、ベース表面63(頂部67)および凹部65の傾斜面64は、レンズバレル1の原料が露出した状態で仕上げられている。つまり、ベース表面63および凹部65の傾斜面64が、レンズバレル1の原料とは異なる原料からなる薄膜等で覆われておらず、また、凹部65が、他の樹脂材料等で埋め戻されているわけでもなく中空状態で維持されている。
次に、レンズバレル1の製造方法を、図7Aおよび図7Bを参照して説明する。
図7Aおよび図7Bは、図1〜図4A,4Bのレンズバレル1の製造方法を工程順に示す図である。なお、図7Aおよび図7Bでは、図1〜図4A,4Bに示したレンズバレル1の構成のうち、説明に必要な構成のみを図示し、それ以外は省略する。
レンズバレル1を製造するには、図7Aに示すように、成形用の金型(例えば、凹型20および凸型21)が準備される。凹型20の内面(内部底面)には、環状頂部7の開口8に対応する凸部22と、この凸部22を取り囲むように多数配列された複数の錐形凸部23が形成されている。錐形凸部23は、レンズバレル1の錐形凹部15の反対パターンで形成されている。そして、凹型20および凸型21を合わせることで、型締め工程が行われる。
次に、図7Bに示すように、型締めされた状態の凹型20と凸型21との間に、溶融した状態のベース原料24が注入される。ベース原料24としては、前述のベース原料が使用される。また、ベース原料24がフィラーや添加剤を含有する場合には、金型への注入に先立ってベース原料24にフィラーを混合しておけばよい。このときの樹脂温度は、例えば、280℃〜350℃であり、充填圧力は、例えば、50MPa〜230MPaであり、射出速度は、例えば、50mm/s〜220mm/sであってもよい。
次に、注入されたベース原料24が保圧、冷却される。このときの保持圧力は、例えば、50MPa〜140MPaであってもよい。また、充填時間と保圧時間とを合わせた射出時間は、例えば、1秒〜10秒であってもよい。冷却後、型開きが行われ、前述の反射防止構造11を有するレンズバレル1が得られる。
なお、レンズバレル1が図5、図6Aおよび図6Bに示した反射防止構造61を有する場合には、反射防止構造61の凹部65の形状に合わせて、錐形凸部23の形状を変更すればよい。
以上、この実施形態のレンズバレル1によれば、環状頂部7の外面9(ベース表面13)に複数の錐形凹部15(凹部65)が配列されていることによって、ベース表面13に入射した光の反射を抑制することができる。また、反射防止構造11(反射防止構造61)が凸構造ではなく、ベース表面13に対して凹んだ構造であるため、環状頂部7の外面9に何らかの接触が生じても、錐形凹部15(凹部65)に影響を与えなくて済む。これにより、不要なパーティクルの発生を防止できると共に、錐形凹部15(凹部65)の形状変化を防止できるので、レンズバレル1の反射抑制機能を維持することができる。
さらに、レンズバレル1の枠部16の頂部17(枠部66の頂部67)が稜線部として形成されており、複数の錐形凹部15(凹部65)が密接して形成されているので、ベース表面13全体にわたって光の反射を効率よく抑制することができる。また、枠部16の頂部17(枠部66の頂部67)が比較的幅広な平坦領域として形成されていると、当該平坦領域と錐形凹部15(凹部65)の形成領域との間に反射率の差が生じ、ベース表面13で色調のコントラストが発生して外観を損なうおそれがあるが、そのような課題を解決することもできる。また、頂部17(頂部67)が格子ライン状であるため、ベース表面13に指紋が付着したり、ひっかき傷が発生したりすることも防止することができる。
さらに、この実施形態では、反射防止構造11(反射防止構造61)において、四角錐形凹部15(凹部65)が、互いに直交する縦方向および横方向に沿って規則正しく配列されているので、ベース表面13における光の反射を均等に抑制することができる。
また、レンズバレル1が樹脂等の一体成形品であるため、図7Aおよび図7Bで示した製造方法のように、金型(凹型20および凸型21)へのベース原料24の注入および成形(図7B)によって、低コストかつ簡単に製造することができる。しかも、図7Bに示すように、成形工程の完了を以てレンズバレル1が得られ、その後、レンズバレル1に反射防止膜等の薄膜をさらに形成する必要がない。そのため、製造工程の工程数を減らすことができる。
次に、図8A、図8Bおよび図9を参照して、前述のレンズバレル1に使用形態の一例を説明する。
図8Aおよび図8Bは、本発明の一実施形態に係るスマートフォン25の概略構成図であり、図8Aがスマートフォン25の正面側を示し、図8Bがスマートフォン25の背面側を示している。図9は、図8Aおよび図8Bのスマートフォン25に搭載されたカメラユニット27の概略構成を示す断面図である。
スマートフォン25は、扁平な直方体形状の筐体26を有している。筐体26の内部には、各種電子部品の他、本発明の一実施形態にかかるカメラユニット27が収納されている。
図8Aに示すように、筐体26の正面には、液晶パネル等で構成された表示パネルの表示面28が露出している。筐体26の一つの短辺に沿う部分には、ボタン29が1つ設けられている。使用者は、ボタン29の操作によって、スマートフォンの各種操作を行うことができる。また、筐体26のもう一つの短辺に沿う部分には、カメラ用のレンズ窓30が形成されている。
一方、図8Bに示すように、筐体26の背面には、筐体26の一つの角部に、カメラ用レンズ窓31が形成されている。
カメラ用レンズ窓30,31を介して筐体26の内部には、図9に示すように、カメラユニット27が配置されている。
図9に示すように、カメラユニット27は、筐体26の内部において、基板32上に配置されている。基板32は、例えば、公知のプリント回路基板(PCB)で構成されている。基板32には、カメラユニット27の他に、当該カメラユニット27を制御するためのICチップ(図示せず)等も搭載されていてもよい。なお、カメラユニット27は、公知のフレキシブル基板(FPC)に接続されていてもよい。
カメラユニット27は、筐体33、レンズバレル1、レンズ34、センサカバー35、撮像センサ36を含む。
筐体33は、例えば、両端部が開放された筒状に形成されている。筐体33の内周面には、ねじ部37が形成されている。このねじ部37に、レンズバレル1の第1部分4の該周面に形成されたねじ部38が螺合することによって、レンズバレル1が筐体33に固定されている。
レンズバレル1は、筐体33の軸方向一端部から第2部分5が突出するように(露出するように)設けられている。レンズ34は、レンズバレル1のレンズ収容部2に設けられている。なお、レンズ34は、図9では2枚のみ示しているが、2枚以上配置されていてもよい。
レンズバレル1の第1部分4側の端部(他端部)には、光学フィルタ39が設けられている。光学フィルタ39としては、例えば、赤外線カットフィルタ(フィルム)等が挙げられる。
センサカバー35は、筐体33の軸方向他端部(レンズバレル1の反対側)に取り付けられている。センサカバー35は、内部にセンサ収容部40を区画する椀状に形成され、当該センサ収容部40に、撮像センサ36が配置されている。センサ収容部40は、カバー部材(例えば、カバーガラス)41によって閉塞されている。
そして、このカメラユニット27は、レンズバレル1の開口8がレンズ窓30,31に対向するように配置されている。レンズバレル1の開口8の径はレンズ窓30,31の径よりも小さく、これにより、レンズバレル1の環状頂部7の一部が、レンズ窓30,31を通して、スマートフォン25の外観の一部として視認され得る状態となっている。
スマートフォン25を操作して写真を撮る場合、被写体から反射した光は、レンズ窓30,31のカバー部材42およびレンズバレル1の開口8を通過してレンズ34で集光され、撮像センサ36で検出される。そして、検出された信号が処理され、スマートフォン25の表示面28に画像が表示される。
以上、このスマートフォン25によれば、カメラユニット27のレンズバレルとして、上記のレンズバレル1が搭載されている。そのため、レンズ窓30,31を通って入射し、レンズバレル1の環状頂部7で反射される光の反射率を抑制することができる。その結果、レンズ窓30,31を通してスマートフォン25の内部を見ても、レンズバレル1が高い黒色度で目立たないので、スマートフォン25の外観を損ねることを防止することができる。さらに、スマートフォン25の筐体26が黒色の場合には、筐体26の色とレンズバレル1の色とが調和し、デザイン的にも優れたものとなる。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
例えば、前述の実施形態では、レンズバレル1の枠部16の頂部17が稜線部として形成されていたが、頂部17は、図10に示すように、比較的幅広な平坦領域として形成されていてもよい。
また、前述の実施形態では、錐形凹部15は、四角錐形凹部15として形成されていたが、例えば、図11に示す円錐形凹部15であってもよいし、図12に示す三角錐形凹部15であってもよい。三角錐形凹部15の場合、複数の三角錐形凹部15をトラス状に配列することによって、頂部17を稜線部として形成することができる。
また、前述の実施形態では、凹部65の開口部69は、第1辺70Aおよび第2辺70Bが、第3辺70Cおよび第4辺70Dよりも長くされた長方形状に形成されていたが、第1辺70A〜第4辺70Dの長さが全て同じとされた正方形状に形成されていてもよい。
また、前述の実施形態では、レンズバレル1の使用形態の一例として、スマートフォン25を示したが、レンズバレル1は、図13に示すように、腕時計43の文字盤44の裏側に収容されるカメラユニット27に使用されてもよいし、ノートパソコン46の表示面47の上側に収容されるカメラユニット27に使用されてもよい。その他、携帯ゲーム機、携帯音楽プレーヤー等の各種携帯機器に搭載されるカメラユニットに使用することができる。
また、前述の実施形態では、本発明の反射防止構造が備える反射防止構造体の一例としてレンズバレル1のみを取り上げたが、本発明の反射防止構造は、レンズバレル等の光学部品だけでなく、自動車の内装材等の意匠部品にも好適に使用することができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
本出願は、2016年11月21日に日本国特許庁に提出された特願2016−226195号に対応しており、この出願の全開示はここに引用により組み込まれるものとする。
次に、本発明を実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は下記の実施例によって限定されるものではない。
(1)レンズバレルの製造
<実施例1>
カーボンブラックが配合されたポリカーボネート樹脂(住化スタイロンポリカーボネート株式会社製 カリバー301−22)のペレットを使用して、図7Aおよび図7Bの工程に倣ってレンズバレルを射出成形した。これにより、環状頂部7に複数の四角錐形凹部15からなる反射防止構造11を有するレンズバレル1を得た。
成形条件は、例えば、樹脂温度=約320℃、射出圧力(充填圧力=約210MPa、保持圧力=約110MPa)、射出速度=約200mm/s、射出時間(充填時間+保圧時間)=約1.6秒とした。
また、得られたレンズバレル1の四角錐形凹部15に関して、ピッチP=0.1mm、深さD=0.08mm、傾斜面14の角度θ=30°であった。
<実施例2>
四角錐形凹部15を、図5、図6Aおよび図6Bに示した凹部65としたこと以外は、実施例1と同様の工程によって、レンズバレルを得た。得られたレンズバレル1の凹部65に関して、ピッチP=0.1mm、深さD=0.1mm、傾斜面64の角度θ=30°であった。
<比較例1>
環状頂部7の外面9に四角錐形凹部15を形成せず、当該外面9を平滑面としたこと以外は、実施例1と同様の工程によって、レンズバレルを得た。得られたレンズバレルの環状頂部7の外面9に対しては、ブラスト処理にて金型表面を荒らすことによって、シボ加工を施した。
<比較例2>
シボ加工を施さなかったこと以外は、比較例1と同様の工程によって、レンズバレルを得た。すなわち、比較例2のレンズバレルでは、環状頂部7の外面9を平滑面として形成した。
(2)反射率の測定
反射率の測定は、図15に示す測定装置48を用いて行った。具体的には、積分半球49上の測定位置(スリット部50)に、実施例1、実施例2、比較例1および比較例2のそれぞれで得られたサンプル51を配置し、光源52から照射した光を反射させた。反射光は、周囲の積分半球49で散乱され、平均化した光を検出器53で検出することによって、全反射率(正反射率+拡散反射率)を求めた(測定波長範囲:380nm〜800nm)。拡散反射率は、正反射光を除外するため、光源52と対象位置にある蓋54を外した状態で測定した。結果を、図16に示す。なお、図16では、アルミ鏡面(基準器)の反射率を100%とした場合の相対反射率を示している。
(3)評価
図16から、本発明の反射防止構造を有する実施例1および実施例2のレンズバレルが、比較例1および2のレンズバレルに比べて、低い反射率を実現できることを確認できた。例えば、波長435nm、460nm、546nmおよび700nmでの反射率は、下記表1の通りであった。
Figure 0006298224
1 レンズバレル
2 レンズ収容部
3 筒状部
7 環状頂部
8 開口
9 (環状頂部の)外面
11 反射防止構造
13 ベース表面
14 傾斜面
14A 第1傾斜面
14B 第2傾斜面
14C 第3傾斜面
14D 第4傾斜面
15 錐形凹部
16 枠部
17 (枠部の)頂部
18 頭頂部
19 開口部
20 凹型
21 凸型
23 錐形凸部
24 ベース原料
25 スマートフォン
27 カメラユニット
34 レンズ
36 撮像センサ
43 腕時計
46 ノートパソコン
61 反射防止構造
63 ベース表面
64 傾斜面
64A 第1傾斜面
64B 第2傾斜面
64C 第3傾斜面
64D 第4傾斜面
65 凹部
66 枠部
67 (枠部の)頂部
68 頭頂部
69 開口部
70 辺
70A 第1辺
70B 第2辺
70C 第3辺
70D 第4辺
71 (頭頂部の)端部

Claims (30)

  1. 黒色の色料を含有する原料からなる一体の射出成形品からなり、
    前記成形品の外面を構成するベース表面に形成された反射防止構造を含み、
    前記反射防止構造は、それぞれ、互いに隣り合う凹部から独立して前記ベース表面に対して凹んで形成され、前記ベース表面に対して傾斜し、底部において少なくとも1つの点状または線状の頂部を形成する傾斜面を有する複数の凹部を含み、
    前記複数の凹部は、前記傾斜面が点状の頂部を形成する複数の錐形凹部を含み、
    互いに隣り合う前記錐形凹部のピッチ(頂部同士の距離)は、0.05mm〜0.4mmである、反射防止構造体。
  2. 前記錐形凹部は、多角形の開口部を有する多角錐形凹部を含み、
    前記ベース表面において互いに隣り合う前記多角錐形凹部の間の境界部に設けられた稜線部を含む、請求項に記載の反射防止構造体。
  3. 前記錐形凹部は、四角形の開口部を有する四角錐形凹部を含み、
    前記四角錐形凹部が、格子状に配列されている、請求項1または2に記載の反射防止構造体。
  4. 黒色の色料を含有する原料からなる一体の射出成形品からなり、
    前記成形品の外面を構成するベース表面に形成された反射防止構造を含み、
    前記反射防止構造は、それぞれ、互いに隣り合う凹部から独立して前記ベース表面に対して凹んで形成され、前記ベース表面に対して傾斜し、底部において少なくとも1つの点状または線状の頂部を形成する傾斜面を有する複数の凹部を含み、
    前記凹部は、四角形の開口部を有し、
    前記開口部の四辺のうち互いに対向する第1辺および第2辺からそれぞれ延びる第1傾斜面および第2傾斜面が、線状の頂部を形成しており、
    前記開口部の四辺の残りの第3辺および第4辺からそれぞれ延びる第3傾斜面および第4傾斜面が、前記線状の頂部の各端部において、前記第1傾斜面および前記第2傾斜面との間に点状の頂部を形成しており、
    互いに隣り合う前記凹部のピッチ(前記線状の頂部同士の距離)は、0.05mm〜0.4mmである、反射防止構造体。
  5. 前記開口部は、前記第1辺および前記第2辺が、前記第3辺および前記第4辺よりも長くされた長方形状に形成されている、請求項に記載の反射防止構造体。
  6. 前記凹部の傾斜面は、前記ベース表面の法線に対して10°〜45°の角度で傾斜している、請求項1〜5のいずれか一項に記載の反射防止構造体。
  7. 前記凹部の開口部は、0.05mm〜0.4mmの径を有している、請求項1〜6のいずれか一項に記載の反射防止構造体。
  8. 前記凹部の深さは、0.05mm〜2.0mmである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の反射防止構造体。
  9. 前記ベース表面および前記凹部の傾斜面は、前記成形品の原料が露出した状態で仕上げられている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の反射防止構造体。
  10. 黒色の色料を含有する原料からなる一体の射出成形品からなり、
    前記成形品の外面を構成するベース表面に形成された反射防止構造を含み、
    前記反射防止構造は、それぞれ、互いに隣り合う凹部から独立して前記ベース表面に対して凹んで形成され、前記ベース表面に対して傾斜し、底部において少なくとも1つの点状または線状の頂部を形成する傾斜面を有する複数の凹部を含み、
    前記凹部の開口部は、0.05mm〜0.4mmの径を有している、反射防止構造体。
  11. 前記複数の凹部は、前記傾斜面が点状の頂部を形成する複数の錐形凹部を含む、請求項10に記載の反射防止構造体。
  12. 前記錐形凹部は、多角形の開口部を有する多角錐形凹部を含み、
    前記ベース表面において互いに隣り合う前記多角錐形凹部の間の境界部に設けられた稜線部を含む、請求項11に記載の反射防止構造体。
  13. 前記錐形凹部は、四角形の開口部を有する四角錐形凹部を含み、
    前記四角錐形凹部が、格子状に配列されている、請求項11または12に記載の反射防止構造体。
  14. 前記凹部は、四角形の開口部を有し、
    前記開口部の四辺のうち互いに対向する第1辺および第2辺からそれぞれ延びる第1傾斜面および第2傾斜面が、線状の頂部を形成しており、
    前記開口部の四辺の残りの第3辺および第4辺からそれぞれ延びる第3傾斜面および第4傾斜面が、前記線状の頂部の各端部において、前記第1傾斜面および前記第2傾斜面との間に点状の頂部を形成している、請求項10に記載の反射防止構造体。
  15. 前記開口部は、前記第1辺および前記第2辺が、前記第3辺および前記第4辺よりも長くされた長方形状に形成されている、請求項14に記載の反射防止構造体。
  16. 前記凹部の傾斜面は、前記ベース表面の法線に対して10°〜45°の角度で傾斜している、請求項10〜15のいずれか一項に記載の反射防止構造体。
  17. 前記凹部の深さは、0.05mm〜2.0mmである、請求項10〜16のいずれか一項に記載の反射防止構造体。
  18. 前記ベース表面および前記凹部の傾斜面は、前記成形品の原料が露出した状態で仕上げられている、請求項10〜17のいずれか一項に記載の反射防止構造体。
  19. 黒色の色料を含有する原料からなる一体の射出成形品からなり、
    前記成形品の外面を構成するベース表面に形成された反射防止構造を含み、
    前記反射防止構造は、それぞれ、互いに隣り合う凹部から独立して前記ベース表面に対して凹んで形成され、前記ベース表面に対して傾斜し、底部において少なくとも1つの点状または線状の頂部を形成する傾斜面を有する複数の凹部を含み、
    前記凹部の深さは、0.05mm〜2.0mmである、反射防止構造体。
  20. 前記複数の凹部は、前記傾斜面が点状の頂部を形成する複数の錐形凹部を含む、請求項19に記載の反射防止構造体。
  21. 前記錐形凹部は、多角形の開口部を有する多角錐形凹部を含み、
    前記ベース表面において互いに隣り合う前記多角錐形凹部の間の境界部に設けられた稜線部を含む、請求項20に記載の反射防止構造体。
  22. 前記錐形凹部は、四角形の開口部を有する四角錐形凹部を含み、
    前記四角錐形凹部が、格子状に配列されている、請求項20または21に記載の反射防止構造体。
  23. 前記凹部は、四角形の開口部を有し、
    前記開口部の四辺のうち互いに対向する第1辺および第2辺からそれぞれ延びる第1傾斜面および第2傾斜面が、線状の頂部を形成しており、
    前記開口部の四辺の残りの第3辺および第4辺からそれぞれ延びる第3傾斜面および第4傾斜面が、前記線状の頂部の各端部において、前記第1傾斜面および前記第2傾斜面との間に点状の頂部を形成している、請求項19に記載の反射防止構造体。
  24. 前記開口部は、前記第1辺および前記第2辺が、前記第3辺および前記第4辺よりも長くされた長方形状に形成されている、請求項23に記載の反射防止構造体。
  25. 前記凹部の傾斜面は、前記ベース表面の法線に対して10°〜45°の角度で傾斜している、請求項19〜24のいずれか一項に記載の反射防止構造体。
  26. 前記ベース表面および前記凹部の傾斜面は、前記成形品の原料が露出した状態で仕上げられている、請求項19〜25のいずれか一項に記載の反射防止構造体。
  27. 前記反射防止構造体は、レンズを収容するための中空の内部空間を区画する筒状部と、前記筒状部の一端に一体的に形成され、光が入射するための開口を有する環状頂部とを有するレンズバレルを含み、
    前記反射防止構造は、前記環状頂部の前記内部空間の反対側の表面に形成されている、請求項1〜26のいずれか一項に記載の反射防止構造体。
  28. 請求項27に記載のレンズバレルと、
    前記レンズバレルの前記内部空間に収容されたレンズと、
    前記レンズバレルの前記環状頂部の反対側に配置された撮像素子とを含む、携帯機器用カメラユニット。
  29. 請求項28に記載のカメラユニットが搭載された、携帯機器。
  30. 内面に複数の独立した凸部が配列された金型に黒色の色料を含有する原料を注入し、成形することによって、請求項1〜27のいずれか一項に記載の反射防止構造体を製造する方法。
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