JP6296590B2 - 経編包帯の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、経編包帯及びその使用方法に関する。
包帯(バンデージ)は、身体患部等の所定箇所に巻き付ける帯状の布帛である。旧来、包帯は綿の紡績糸が主に用いられている。綿の特徴としては、吸湿性がよいこと、肌触りがよいことなどが挙げられる。しかし、綿の紡績糸は、非伸縮性であることから一度巻いた包帯が緩み易いという難点があった。そこで、緩み防止のために、綿の紡績糸を製造する工程で芯部にスパンデックス繊維を挿入した伸縮性コア・スパンデックス糸が開発され、伸縮性の包帯として市販されるようになった。
応急処置においては、包帯で身体患部を圧迫させて止血させることが重要である。また、最近では、身体患部を冷却するために包帯を水で濡らす方法も知られている。
経編生地は、長手方向の伸縮性に富んでいるとともに、吸湿性と通気性に優れていることから、包帯生地として好ましい。
特許文献1は、伸縮性包帯に関し、ラッセル編機を用いた経編で鎖編みとするとの記述がある。特許文献1には、従来技術として、スパンデックス繊維をナイロンフィラメントまたはポリエステルフィラメントで被覆した伸縮性カバーリング糸や、綿の紡績糸を製造する工程で芯部にスパンデックス繊維を挿入した伸縮性コア・スパンデックス糸が用いられている、との記述がある(その段落0003)。
特許文献2は、伸縮性包帯に関し、非弾性糸の弾性糸に対する比率が1:1〜12:1であり、20〜60%の伸張度で2.7〜9.3kPa(20〜70mmHg)の有効圧縮力を示しさらに100%伸張時の応力が60%伸長時の応力より大きくかつ両応力の差が0.5MPa以下である弾性包帯が記載されている(その請求項1)。特許文献2には、ラッセル編機を用いた経編で鎖編みとするとの記述がある。
特許文献3は、経編生地に関し、伸縮性の経糸にて編目を作りながら伸縮性の挿入糸を経方向に編み込むとともに緯糸をコース方向に編み込んで形成された帯状の経編組織を有し、経糸と挿入糸がポリウレタン、ラテックス、エラストマー、天然ゴムのいずれかないしはいずれか2種以上を用いた弾性糸からなり、経糸と挿入糸の伸長率が200%以上500%未満に設定されてクロッシェ経編機にて編成され、長手方向の伸び率が50%のときのパワーをN1とし、長手方向の伸び率が150%のときのパワーをN2としたときに、N2がN1の3倍未満であることを特徴とする経編生地が記載されている(その請求項6)。
特許文献4は、アイシング材に関し、基材とこの基材中に充填されるゲル剤とからなり、前記ゲル剤には少なくともポリビニルアルコール、ゲル化剤、水とが含有されてなることを特徴とするアイシング材が記載されている(その請求項1)。
特開2005−080960号公報 特許第3025007号公報 特許第5038525号公報 特許第2795782号公報
上述のように、応急処置においては、包帯で身体患部を圧迫させて止血させることが重要であり、さらには、包帯を水で濡らすなどして身体患部を冷却することも重要である。
アウトドアやスポーツにおける応急処置の基本として、PRICES(プライシス)が知られている。PRICESとは、Protect(保護)、Rest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)、Stabilization/Support(安定/固定)の6つの頭文字で、捻挫(ねんざ)、打撲(だぼく)、挫傷(ざしょう)・肉ばなれ等のケガの多くに対応できる応急処置である。処置が早ければ早いほど回復は早くなる。PRICES処置を行うと、内出血や腫れ、痛みを抑えるのに効果的で、治りも早くなる。内出血や腫れ等は、体を良好な状態に回復するためには正常な反応であるが、過度な場合は逆にマイナスになることもあることから、内出血や腫れ等の反応を最小限にすることで、組織の回復を促す。スポーツ選手に対しては、PRICES処置を損傷の直後に行うことで治癒を早め競技への復帰を早めることができる。他方、身体の手足などのむくみを軽減する方法においても、冷却と圧迫によるむくみ改善効果が期待でき、例えば冷却ジェルを用いた痩身美容法などが考案されている。
しかしながら、特許文献1〜3記載の経編生地及び伸縮性包帯は、身体の圧迫は考慮されているが、身体の冷却については想定しておらず、応急処置等に使用するには保水性が不十分である。また、特許文献4記載のアイシング材(冷却ジェル)は、身体の冷却は考慮されているが、身体の圧迫については想定しておらず、冷却ジェルはその構造上、厚みが大きいことから身体への巻き付けには不適である。
ところで、本願発明者は、スポーツ競技者(アスリート)のパフォーマンス向上を目的とした、継続冷却可能なコンプレッション機能を有するストレッチバンデージとしての経編包帯が実用化できないか鋭意検討している。まず、冷却については、アスリートは運動を一定時間行うことにより筋温が上昇することが一般に知られているが、筋温はパフォーマンスと密接な関係にあり、競技する者にとっては筋温を適温に保つことが重要視される。例えば、マラソンランナーやサッカー選手が競技中に身体に水をかけるのは、過度に上昇した筋温を下げることによるパフォーマンスの向上を目的としたものである。しかし、水をかけたことによる効果は、水をかけた初期の瞬間冷却とその後の気化熱による冷却に限定される。よって、水をかけることによる冷却効果と冷却可能時間は数分程度の一時的なものであるといえる。また、競技前のウォーミングアップについても、特定部位を一旦冷却することによって、その特定部位には体温を元に戻そうとする人体反応が起こり、その状態で軽い運動をすることで、通常のウォーミングアップに比べて少ないエネルギー消費量で、しかも特定部位の筋温を上げる方法が知られている。次に、コンプレッションについては、アスリートの余分な筋振動を抑える、或いは筋肉のつりや肉離れを防ぐという意味でのコンプレッションは広くスポーツ分野で用いられている。これらはその機能を部分的に有する衣服という形体になっているか、部分的なサポーターという形体か、或いは片面が粘着性のあるテーピングという形体が主である。そのコンプレッション機能を部分的に有する衣服の場合、最初からコンプレッション機能を有する部位が決められており、万人に共通化するように製造されていることから、個別の体格や体躯に合わせた対応は出来ておらず、本来のコンプレッション効果が個々の身体に正しく効果的に作用しているとはいえない。部分的なサポーターの場合、本来のテーピングによる効果を簡易的に有するものであることから、その効果は高いとはいえない。また、着用については面ファスナーを用いることが多く、軽量で薄手のものにはならない。テーピングの場合、コンプレッション効果は確かに高く優れているが、専門的な理論に基づいた巻き方が必須であり、簡易的な方法によるコンプレッションは行えず、また基本的には圧迫(圧搾)や固定を目的としている為、動きを妨げない方法としては、上記の専門的な巻き方によって筋肉を動かしたい部分を避けてテーピングすることになり、専門的な技術を必要とするため簡易的な方法ではない。よって、既知の経編包帯のような簡便なものでありながら継続冷却可能なコンプレッション機能を有するストレッチバンデージが実用化できれば、アスリートのみならず一般人においてもスポーツ等の身体運動のパフォーマンス向上に大きく寄与するものと考える。
そこで、本発明の目的は、優れた伸縮性と保水性を備え、圧迫効果のみならず冷却効果が得易い構成の経編包帯並びにその好適な使用方法を提供することにある。
本発明の経編包帯は、伸縮性の経糸にて編目を作りながら伸縮性の挿入糸を経方向に編み込むとともに緯糸をコース方向に編み込んで形成された帯状の経編組織からなり、経糸と挿入糸の伸長率が200%以上500%未満に設定されてクロッシェ経編機にて編成され、前記経糸はウーリー加工された非弾性糸を弾性繊維にカバーリングした糸であり、前記挿入糸はウーリー加工された非弾性糸を弾性繊維にカバーリングした糸であり、かつ、前記緯糸はウーリー加工された非弾性糸であることを特徴とする。
本発明によれば、経糸及び挿入糸は弾性繊維によって優れた伸縮性を有する。尚且つ、経糸、挿入糸及び緯糸にはウーリー加工が施されているので優れた保水性を有する。そして、前記経編機としてクロッシェ経編機を用いることで、ラッセル機やトリコット機に比べて挿入糸に高い張力をかけることが容易となるうえ、生地の両端が耳部が形成された形状で製編される。よって、取り扱いが容易であり、圧迫効果のみならず冷却効果が得易い構成の経編包帯となる。
本発明は、前記挿入糸の番手が前記経糸の番手よりも大きいことを特徴とする。
本発明によれば、ウーリー加工された非弾性糸が弾性繊維にカバーリングされた糸において、挿入糸の番手を経糸の番手よりも大きくすることで、ウーリー加工された非弾性糸の割合をより一層高めることとなり、その結果、保水性を最大限まで高めた構成となる。
前記非弾性糸としては、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、アクリルなどの合成繊維や、綿、リンネルなどの天然繊維が挙げられる。
前記弾性繊維としては、ポリウレタン、ラテックス、エラストマー、天然ゴムが挙げられる。
本発明は、前記非弾性糸がナイロンであり、前記弾性繊維がポリウレタンであることを特徴とする。
本発明によれば、前記非弾性糸がナイロンであることで、吸水性と耐薬品性に優れた糸となる。また、前記弾性繊維がポリウレタンであることで、身体との馴染みがよく、アレルギー反応が生じ難い。前記ポリウレタンとしては親水性ポリウレタンが好ましい。親水性の材料を用いることで保水性がより高まるからである。
本発明は、伸長に際しては、長手方向の伸長率が50%のときのパワーをN1とし、長手方向の伸長率が150%のときのパワーをN3としたときに、N3がN1の4.0倍未満であり、かつ、収縮に際しては、長手方向の伸長率が150%のときのパワーをN6とし、長手方向の伸長率が50%のときのパワーをN4としたときに、N6がN4の2.0倍以上であることを特徴とする。
本発明によれば、大きな伸び率を得るためのパワーが小さくて済むうえ、ゴム紐(またはゴム生地)のような優れたキックバック効果が得られるので、身体に巻き易く、かつ、身体に巻いたときに優れた圧迫効果が得られる。
本発明は、前記経編組織を形成した後、浸水、蒸気加熱、洗浄、乾燥を行い、その後、前記編組織の長手方向を所定間隔で押さえながら加熱して熱収縮させることが好ましい。本発明によれば、従来よりも伸び率が大きくて、かつ、大きな伸び率を得るためのパワーが小さくて済む経編生地を形成することが容易に出来る。
本発明は、吸水させ凍らせて使用するのに好適な経編包帯といえる。
本発明によれば、優れた伸縮性と保水性を備えた前記経編包帯を、吸水させ凍らせて使用することで、内出血や腫れ等の反応を最小限にし、組織の回復を促す。また、スポーツ選手に対しては、PRICES処置を損傷の直後に行うことで治癒を早め競技への復帰を早めることができる。他方、身体の手足などのむくみを軽減する方法においても、冷却と圧迫による美容効果が期待できる。そして、前記経編包帯は、貯水量の多い構造を持つストレッチテープであるから、前記経編包帯に水を含ませて特定部位に巻きつけるだけで、パフォーマンス向上のためのコンプレッション作用を有しながら、効率的なウォーミングアップから競技中まで、運動による過度の筋温上昇を長時間にわたって防止することができる。
前記経編包帯を吸水させる方法としては、例えば、前記経編包帯を水に浸す方法、前記経編包帯に水を差す方法が挙げられる。
前記経編包帯を凍らせる方法としては、例えば、冷却スプレーによって冷却剤を吹き付けて凍らせる方法、冷凍庫で凍らせる方法が挙げられる。
本発明の経編包帯の使用方法は、前記経編包帯を、吸水させて身体の所定箇所に巻き付けた後に冷却剤を前記経編包帯にスプレーして使用するか、身体の所定箇所に巻き付けて吸水させた後に冷却剤を前記経編包帯にスプレーして使用するか、又は、吸水させて冷却剤をスプレーした後に身体の所定箇所に巻き付けて使用することを特徴とする。
本発明によれば、優れた伸縮性と保水性を備えた前記経編包帯を、水に浸し、患部とその周辺をテーピングのように巻きながら圧迫して、怪我をした特定部位に冷却スプレーを噴射することで内蔵する水分が氷となり患部を冷却する。また、前記経編包帯を、身体の所定箇所に巻き付けて吸水させた後に冷却剤を前記経編包帯に冷却スプレーを噴射することで前記経編包帯に急速に浸透した水分が氷となり患部を冷却する。或いは、前記経編包帯を吸水させて冷却剤をスプレーした後に身体の所定箇所に巻き付けることでも身体の特定個所を圧迫しながら冷却する効果が見込める。他方、身体の手足などのむくみを軽減する方法においても、冷却と圧迫による美容効果が期待できる。そして、本発明の経編包帯は、継続冷却可能なコンプレッション機能を有するストレッチバンデージとなるため、アスリートのみならず一般人においてもスポーツ等の身体運動のパフォーマンス向上に大きく寄与するものである。
前記経編包帯に冷却スプレーを噴射すると、10〜15秒の噴射で、約5分間の氷による冷却が可能となる。この5分間の氷による冷却はPRICES理論では最もIcing(冷却)性能が高いとされる。そして、更に氷による冷却が必要な場合には、再度、冷却スプレーを噴射することで冷却時間をコントロールできる。氷が溶けた後は冷水となり、徐々に水温が上昇し水が気化することから、既存の冷却装置などのように身体から一度取り外したりするなどの行為は不要となるばかりか、常にCompression(圧迫)処置が継続される。前記経編包帯は、ストレッチテープであることから、Icing(冷却)とCompression(圧迫)をしながら同時に運動することも出来る。前記経編包帯は、ストレッチテープであることから、特殊な留め具や粘着テープなどを使用しなくとも、巻き付けた所にテープ端を挟むだけで、しっかりと固定できる。前記経編包帯は、ストレッチテープであることから、身体への密着度が高く、冷却効率が高い。本発明によれば、アウトドアなどで軽装備が望まれる場合においても、前記経編包帯と市販の冷却スプレーと水分があれば、いつでもどこでも効果の高いアイシング処置が可能となり、クーラーボックスや事前の冷却などは要しない。
本発明の経編包帯の使用方法は、前記経編包帯を、吸水させて身体の所定箇所に巻き付けた後に冷却剤を前記経編包帯にスプレーしてスポーツを行うか、身体の所定箇所に巻き付けて吸水させた後に冷却剤を前記経編包帯にスプレーしてスポーツを行うか、又は、吸水させて冷却剤をスプレーした後に身体の所定箇所に巻き付けてスポーツを行うことを特徴とする。
本発明によれば、継続冷却可能なコンプレッション機能を有する前記経編包帯を冷却スプレーと組み合わせて使用することで、パフォーマンス向上のためのコンプレッション作用を有しながら、更に長時間にわたって冷却効果を得ることができ、スポーツ等の身体運動のパフォーマンス向上に大きく寄与するものである。前記経編包帯を、吸水させて身体の所定箇所に巻き付けた後に冷却剤を前記経編包帯にスプレーすることで、15秒ほどの冷却スプレー噴射で約5分間のアイシングが可能となり、その後は氷が解凍して水となることから、連続冷却による凍傷の心配もなく誰でも簡易的に、優れた冷却効果が得られる。そして、身体の特定部位への冷却度合いは冷却スプレーの噴射時間によって調整可能であるため、競技者自ら冷却効果を調整することが出来る。本発明は、貯水量の多い構造を持つストレッチテープとしての経編包帯を巻きつける方法の為、個別の体格や体躯に合わせたコンプレッションが可能となり、専門的な技術を要さず、簡易的でありながら高いパフォーマンス効果が得られる。
本発明の経編包帯によれば、経糸及び挿入糸は弾性繊維によって優れた伸縮性を有する。尚且つ、経糸、挿入糸及び緯糸にはウーリー加工が施されているので優れた保水性を有する。そして、前記経編機としてクロッシェ経編機を用いることで、ラッセル機やトリコット機に比べて挿入糸に高い張力をかけることが容易となるうえ、生地の両端が耳部が形成された形状で製編される。よって、取り扱いが容易であり、圧迫効果のみならず冷却効果が得易い構成の経編包帯となる。本発明によれば、ウーリー加工された非弾性糸が弾性繊維にカバーリングされた糸において、挿入糸の番手を経糸の番手よりも大きくすることで、ウーリー加工された非弾性糸の割合をより一層高めることとなり、その結果、保水性を最大限まで高めた構成となる。
本発明の経編包帯の使用方法によれば、優れた伸縮性と保水性を備えた前記経編包帯を、水に浸し、患部とその周辺をテーピングのように巻きながら圧迫して、怪我をした特定部位に冷却スプレーを噴射することで内蔵する水分が氷となり患部を冷却する。また、前記経編包帯を、身体の所定箇所に巻き付けて吸水させた後に冷却剤を前記経編包帯に冷却スプレーを噴射することで前記経編包帯に急速に浸透した水分が氷となり患部を冷却する。或いは、前記経編包帯を吸水させて冷却剤をスプレーした後に身体の所定箇所に巻き付けることでも身体の特定個所を圧迫しながら冷却する効果が見込める。本発明によれば、アウトドアなどで軽装備が望まれる場合においても、前記経編包帯と市販の冷却スプレーと水分があれば、いつでもどこでも効果の高いアイシング処置が可能となる。
本発明の経編包帯の編組織を例示する組織図である。 本発明の経編包帯を巻いた状態を示す図である。 本発明の経編包帯の使用態様を示す図である。 本発明の経編包帯の伸長率とパワーの関係を示すグラフ図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面を引用しながら説明する。
(本発明の実施の形態)
図1は本発明の経編包帯の編組織を例示する組織図である。本実施形態の経編包帯1は帯状であり、その長手方向には高い伸縮性を示し、その幅方向にはその長手方向における伸縮性の1/10以下の低い伸縮性を示す。符号2は編目を形成した伸縮性の経糸であり、符号3は経方向に編み込まれた伸縮性の挿入糸であり、符号4はコース方向に編み込まれた緯糸であり、これらの糸によって帯状の経編組織が形成されている。
本実施形態では、経糸2はウーリー加工された非弾性糸を弾性繊維にカバーリングした糸であり、挿入糸3はウーリー加工された非弾性糸を弾性繊維にカバーリングした糸であり、かつ、緯糸4はウーリー加工された非弾性糸である。より具体的には、前記非弾性糸がナイロンであり、前記弾性繊維がポリウレタンである。そして、経糸2と挿入糸3の伸長率が200%以上500%未満に設定されてクロッシェ経編機にて編成されている。これによって、長手方向への伸縮が一様となり、ほつれ難くストレッチ性の高い経編包帯1となっている。
本実施形態では、挿入糸3の番手が経糸2の番手よりも大きくなっている。これは、ウーリー加工された非弾性糸の割合をより一層高めることで、保水性を最大限まで高めた構成とするためである。
図2は、本実施形態の経編包帯1を巻いた状態を示す図である。本実施形態では生地がしっかりしているので既知の包帯よりも巻き易くなっている。
本実施形態の経編包帯1の製造手順は、製経、製編、浸水と蒸気加熱、洗浄と乾燥、加熱、巻き取りの各工程からなる。前記製経は、製編の準備工程であり、経糸2と挿入糸3のそれぞれについて、芯糸の弾性糸を伸長した状態で側糸を巻き付ける。カバーリングする際の伸長率設定の目安は、経糸2が350%〜450%であり、挿入糸が400%〜600%である。使用する経糸2の番手(太さ)の目安は、芯糸が20〜40デニールであり、側糸が30〜100デニールである。また、使用する挿入糸3の番手(太さ)の目安は、芯糸が140〜1680デニールであり、側糸が30〜300デニールである。なお、カバーリングした糸を購入する場合もある。次に、上記糸の供給量のばらつきを軽減するため、複数本揃えてビームに巻き取るビーム製経を行なう。
本実施形態では、経糸2と挿入糸3の伸長率がそれぞれ200%以上500%未満に設定されてクロッシェ経編機にて編成されている。クロッシェ経編機を用いることで、弾性糸である経糸2と挿入糸3の両方の糸に高い張力をかけることが容易となるからである。本実施形態では、経糸2と挿入糸3の伸長率をそれぞれ大きくしながら経編機に送り出すため、経糸2と挿入糸3の経路に、積極的送り手段をそれぞれ配置し、これら積極的送り手段によって経糸2と挿入糸3の送り量をそれぞれ一定に保ちながら経編機に送り出す構成となっている。尚且つ、挿入糸3の伸長率が経糸2の伸長率よりも大きく設定されている。
前記製編工程で製編された経編生地は、水タンクにて浸水され、スチーミングボックスにて高温蒸気で蒸して生地を熱収縮させる。水タンク内の水温は10〜30℃の常温である。スチーミングボックス内の高温蒸気の温度は104〜106℃である。ここで、水タンク内の水を染色液とすれば、上記と同じ工程にて、染色された経編生地とすることができる。
前記浸水と蒸気加熱で蒸気加熱された経編生地は、複数のソーピングタンクにて洗浄液に浸漬されて、乾燥ドラムにて乾燥される。前記ソーピングは、経編生地を構成する糸に付着している油分や汚れを既知の洗浄液で洗浄する工程であり、それら洗浄液の温度は40〜60℃である。そして、洗浄された経編生地は、乾燥温度が100〜120℃の温度で乾燥ドラムによって乾燥される。
前記洗浄と乾燥工程で洗浄され乾燥された経編生地は、タンブラーボックスにて加熱収縮され、自然冷却又は送風ファン等で強制冷却されて経編生地となる。前記タンブラーボックスは、トンネル形状で、加熱ヒータが備わったベルトコンベヤが配されている。前記タンブラーボックスの入口側には送り出し側ローラが配置されており、タンブラーボックスの出口側には巻き取り側ローラが配置されている。経編生地は、送り出し側ローラと巻き取り側ローラとで張力がほぼゼロの状態で狭持されてベルトコンベヤで加熱されながら送り出される。つまり、経編生地は、ある程度緩んだ状態を維持しつつ加熱収縮される。前記ベルトコンベヤによる加熱温度は190〜195℃であり、加熱時間は60〜90秒である。
(実施例)
本実施形態の経編包帯1の実施例を以下に説明する。経糸2と挿入糸3として、ウーリー加工されたナイロン糸をポリウレタン繊維にカバーリングした糸を用いた。また、緯糸4として、ウーリー加工されたナイロン糸を用いた。そして、クロッシェ編機にて製編し、経編包帯1を作製した。
そして、伸長時と収縮時のパワー試験を行なった。パワー試験は、一般財団法人日本繊維製品品質技術センターにて行い、試験方法は、定速伸長引張試験機を使用して、つかみ間隔10cmで全幅について、引張速度が30cm/分とした。結果を次の表1に示す。
Figure 0006296590
図5は、表1に示す経編包帯1の伸長率とパワーの関係を示したグラフである。グラフの横軸は伸長率[%]であり、グラフの縦軸はパワー[N]である。グラフ中のヒステリシス曲線は、ピーク点を境目として、上側の線が伸長曲線であり、下側の線が収縮曲線(回復曲線)である。前記ピーク点は、試験機による設定伸長率が最大となる測定点であり、経編包帯1の最大伸長率は、前記ピーク点よりも高い位置にある。図5より、本発明に係る経編包帯1は、キックバック性能に優れた経編生地となっていることがわかる。
表1と図5によれば、経編包帯1は、生地が伸長する際に、伸長率(長手方向の伸長率)が50%のときのパワーが5.95[N]であり、伸長率が100%のときのパワーが11.48[N]であるから、伸長率を2倍とするために、必要なパワーが1.93倍と小さい。また、伸長率(長手方向の伸長率)が50%のときのパワーが5.95[N]であり、伸長率が150%のときのパワーが18.63[N]であるから、伸長率を3倍とするのに対して、必要なパワーが3.13倍で済んでいる。すなわち、生地が伸長する際に、伸長率が50%のときのパワーをN1とし、伸長率が150%のときのパワーをN3としたときに、N3がN1の3.5倍未満となっている。そして、伸長率が50%のときのパワーをN1とし、伸長率が100%のときのパワーをN2としたときに、N2がN1の2倍未満となっている。
表1と図5によれば、経編包帯1は、は、生地が伸長してから収縮する際に、伸長率(長手方向の伸長率)が100%のときのパワーが5.33[N]であり、伸長率が50%のときのパワーが3.40[N]であるから、伸長率が1/2となる際のパワーが1.57倍となり、1.5倍以上ある。また、伸長率が150%のときのパワーが8.38[N]であり、伸長率が50%のときのパワーが3.40[N]であるから、伸長率が1/3となる際のパワーが約2.46倍となり、2倍以上ある。生地が伸長してから収縮する際に、長手方向の伸長率が150%のときのパワーをN6とし、長手方向の伸長率が50%のときのパワーをN4としたときに、N6がN4の2倍以上である。そして、長手方向の伸長率が100%のときのパワーをN5とし、長手方向の伸長率が50%のときのパワーをN4としたときに、N5がN4の1.5倍以上である。よって、本発明に係る経編包帯1は、キックバック性能に優れた経編生地といえる。
(使用例)
本実施形態の経編包帯1の使用例を図4を参照して以下に説明する。本使用例では、前記経編包帯1を、水に浸し、身体100の患部とその周辺をテーピングのように巻きながら圧迫して、怪我をした特定部位に冷却スプレー200から冷却剤201を噴射することで内蔵する水分が氷となり患部を冷却する。
前記経編包帯1に冷却スプレーを噴射すると、10〜15秒の噴射で、約5分間の氷による冷却が可能となる。この5分間の氷による冷却はPRICES理論では最もIcing(冷却)性能が高いとされる。そして、更に氷による冷却が必要な場合には、再度、冷却スプレーを噴射することで冷却時間をコントロールできる。氷が溶けた後は冷水となり、徐々に水温が上昇し水が気化することから、既存の冷却装置などのように身体から一度取り外したりするなどの行為は不要となるばかりか、常にCompression(圧迫)処置が継続される。前記経編包帯は、ストレッチテープであることから、Icing(冷却)とCompression(圧迫)をしながら同時に運動することも出来る。前記経編包帯1は、ストレッチテープであることから、特殊な留め具や粘着テープなどを使用しなくとも、巻き付けた所にテープ端を挟むだけで、しっかりと固定できる(図4を参照)。前記経編包帯1は、ストレッチテープであることから、身体への密着度が高く、冷却効率が高い。本発明によれば、アウトドアなどで軽装備が望まれる場合においても、前記経編包帯1と市販の冷却スプレーと水分があれば、いつでもどこでも効果の高いアイシング処置が可能となり、クーラーボックスや事前の冷却などは要しない。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。前記経編包帯1を、水溶性の薬液に浸して使用することもできる。また、前記経編包帯1を水に浸して冷凍庫にて凍らせて、クーラーボックスなどに入れておき、必要に応じて使用してもよい。
前記経編包帯1は、前記経糸2と挿入糸3とは同じ材質の糸でもよいし、異なる材質、径、色合いの糸とすることができる。前記挿入糸3と緯糸4との位置関係は実施例に限定されない。経編の編み方は、上述の実施例に限定されず、いわゆるシングル・デンピー、ヴァンダイク、シングル・コードが適用できる。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
1 本発明の経編包帯、
2 経糸、
3 挿入糸、
4 緯糸、
200 冷却スプレー

Claims (1)

  1. 伸縮性の経糸にて編目を作りながら伸縮性の挿入糸を経方向に編み込むとともに緯糸をコース方向に編み込んで形成された帯状の経編組織を形成する経編包帯の製造方法において、前記経糸と前記挿入糸の伸長率をそれぞれ200%以上500%未満に設定してクロッシェ経編機にて編成し、前記経糸はウーリー加工された非弾性糸を弾性繊維にカバーリングした糸であり、前記挿入糸はウーリー加工された非弾性糸を弾性繊維にカバーリングした糸であり、かつ、前記緯糸はウーリー加工された非弾性糸であることを特徴とする経編包帯の製造方法。
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