JP6295595B2 - 音響構造体 - Google Patents
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<第1実施形態>
図1(a)はこの発明による音響構造体の第1実施形態である調音パネルの構成を示す斜視図である。図1(b)は同調音パネルの一部を拡大した斜視図である。図1(a)に示すように、本実施形態による調音パネルは、軸方向を同じくする2本の管体1の組を横方向に複数並べて一体化したものである。ここで、横方向に並んだ2本の管体1の各組において、2本の管体1の間には所定長の隙間1dがある。また、2本の管体1の管長LaおよびLbとその隙間1dの長さLdの合計長L=La+Lb+Ldは各組間で同じである。また、隣り合う組間では、2本の管体1の隙間1dの位置がずれている。そして、図1(a)に示すように、調音パネルは、区々の管長La、Lbの管体1により構成されている。
<シミュレーション1>
シミュレーション1では、図3(a)のモデルにおいて管長Lを1000mm、中空領域の内径φを30mmとし、管体1mの開口端1bにおける空気粒子の速度(空気粒子速度の定在波の腹における速度)のピークから共鳴周波数を求めた。
<シミュレーション2>
シミュレーション2では、図3(b)のモデルにおいて円筒体2cの内径φxを15mmに固定し、円筒体2cの軸長(すなわち、管状の開口部の管長)t1を10mmm、25mm、50mm、75mm、100mmに切り換え、蓋1bの外側に突き出した円筒体2cの端部における空気粒子の速度のピークから共鳴周波数を求めた。
<シミュレーション3>
シミュレーション3では、図3(b)のモデルにおいて円筒体2cの軸長(すなわち、管状の開口部の管長)t1を50mmとし、円筒体2cの内径φxを10mmm、15mm、21mm、26mmに切り換え、蓋1bの外側に突き出した円筒体2cの端部における空気粒子の速度のピークから共鳴周波数を求めた。
図7(a)〜(e)、図8(a)〜(f)は、上記第1実施形態の変形例である音響構造体を管軸を含む平面により切断した構成を示す縦断面図である。上記第1実施形態では、管体1に周波数調整部材2または2aを装着することにより管状の音響構造体を構成したが、図7(a)〜(e)、図8(a)〜(f)は、上記第1実施形態における周波数調整部材としての役割を果たす部分を有し、一体成形された音響構造体が示されている。勿論、図7(a)〜(e)、図8(a)〜(f)において、周波数調整部材として機能する部分を他の部分に対して着脱自在な構成としてもよい。
図9(a)はこの発明の第2実施形態である音響構造体の構成を示す縦断面図である。この音響構造体の管体1Aは、一端が閉塞端、他端が開口端となった中空の管体である。この管体1Aの内壁における開口端近傍の位置には中央に貫通孔25Aの空いたストッパ25が設けられている。このストッパ25は、管体1A内において板状の周波数調整部材を支持するための部材である。
図10はこの発明の第3実施形態である音響構造体の構成を示す縦断面図である。図10において、この管体1Bは一端が閉塞端、他端が開口端となった中空円筒状の管体である。この管体1Bの開口端の周辺は円環状の縁11により覆われている。そして、縁11の中央には円筒状の支持部材12が管体1Bの内部に向けて管軸方向に突き出している。この支持部材12は、軸方向に貫通する貫通孔を有する円筒状の周波数調整部材2eを支持する部材である。周波数調整部材2eの外周面には雄ネジが形成されている。そして、支持部材12の内周面には、周波数調整部材2eの雄ネジと螺合する雌ネジ孔が形成されている。
図11(a)および(b)はこの発明の第4実施形態である音響構造体の構成を示す縦断面図である。本実施形態は、上記第3実施形態(図10)における支持部材12および周波数調整部材2eを排除し、その代わりに、蛇腹状(あるいはアコーディオン構造)の伸縮自在な周波数調整部材2fの端部を縁11の内周部に固定したものである。この周波数調整部材2fは、内側が中空であり、管体1B内の領域を管体1B外部の領域に連通させる管状の開口部である。周波数調整部材2fは、例えば形状記憶合金等、力を加えない限り、現状の形状を止める素材により構成することが好ましい。
図12(a)はこの発明の第5実施形態である音響構造体の構成を示す斜視図である。図12(a)において、管体1Cは、中空円筒状の管体であり、一端が閉塞し(図示略)、他端に図示の周波数調整部材2gを有している。周波数調整部材2gは、軸長t1を有する円筒体に対して複数の円状の貫通孔21を形成してなるものである。この周波数調整部材2g自体は、基本的に上記第1実施形態の周波数調整部材2(図2(a)(b)参照)と同様である。本実施形態の特徴は、図12(b)に示すように、周波数調整部材2gの貫通孔21に詰め込んで貫通孔21を塞ぐことが可能な形状の詰め物26が用意されている点にある。
図13(a)はこの発明の第6実施形態である音響構造体の構成を示す縦断面図である。この音響構造体の管体1Dは両端が閉塞した中空の管体であり、矩形の断面形状を有する。この管体1Dの一側壁面において両閉塞端間の途中の位置に矩形状の凹部13が形成されている。この凹部13は、中央の矩形の貫通孔13Aが開口しており、この貫通孔13Aが管体1D内の中空領域を管体1Dの外部の領域に連通させる。凹部13は、図13(b)に示す周波数調整部材2iを収容する役割を果たす。この周波数調整部材2iは凹部13に収まる程度の大きさの矩形板状の部材であり、中央に凹部13の貫通孔13Aと連通する貫通孔27を有している。
図14はこの発明の第7実施形態である音響構造体の構成を示す縦断面図である。この音響構造体の管体1Eは、上記第6実施形態の管体1Dと同様、両端が閉塞した中空の管体であるが、凹部13を有していない。その代りに管体1Eの一側面に貫通孔13Bが設けられている。この貫通孔13Bは、上記第7実施形態の周波数調整部材2iの貫通孔27(図13(b)参照)と同様な形状およびサイズを有している。本実施形態では、図14に示すように、管体1Eの貫通孔13Bの位置に周波数調整部材2iの貫通孔27の位置を合わせ、必要な個数の周波数調整部材2iを管体1Eの側面上に積み上げて接着剤等により固定する。本実施形態においても上記第6実施形態と同様な効果が得られる。
図15はこの発明の第8実施形態である音響構造体の構成を示す縦断面図である。この音響構造体の管体1Fは、上記第7実施形態の管体1Eと同様、両端が閉塞した中空の管体であるが、上記第7実施形態の貫通孔13Bの代わりに、上記第3実施形態(図10参照)のものと同様な支持部材12を一側面に有している。この支持部材12は、上記第3実施形態(図10参照)のものと同様な周波数調整部材2eを支持するための部材である。本実施形態によれば、周波数調整部材2eを支持部材12の軸方向(管体1Fの管軸と直交する方向)に移動させて、支持部材12の貫通孔と周波数調整部材2eの貫通孔とを繋いだ貫通孔の長さ(すなわち、管状の開口部の管長)および位置を変えることができる。従って、本実施形態によれば、周波数調整部材2eの移動により、管体1Fにおける第1の共鳴管の共鳴周波数f1および第2の共鳴管の共鳴周波数f2を調整することができる。
図16はこの発明の第9実施形態である音響構造体の構成を示す縦断面図である。この音響構造体は、上記第7実施形態の管体1E(図14参照)の貫通孔13Bの周辺部に、上記第4実施形態(図11参照)のものと同様な蛇腹状の周波数調整部材2fの端部を固定したものである。図16に示す例では、管体1Eの外側に向けて突き出すようの周波数調整部材2fが固定されているが、管体1Eの内側(管軸のある方向)に向けて突き出すように周波数調整部材2fを固定してもよい。本実施形態によれば、周波数調整部材2fを伸縮させて管状の開口部の管長を変えることにより、管体1Eにおける第1の共鳴管の共鳴周波数f1および第2の共鳴管の共鳴周波数f2を調整することができる。
図17(a)はこの発明の第10実施形態である音響構造体の構成を示す縦断面図、図17(b)は同音響構造体を上から見た平面図である。図17(a)は図17(b)のI−I’線断面図に当たる。この音響構造体の管体1Gは、上記第7実施形態の管体1E(図14参照)と同様、一側面に貫通孔13Bを有している。そして、管体1G内において、管軸方向に沿って貫通孔13Bの前後所定長の区間内の中空領域は、2枚の仕切り板101および102により3つの領域201、202および203に区分されている。貫通孔13Bは、この領域201、202および203を管体1Gの外部の領域に連通させる。また、貫通孔13Bは、仕切り板101および102により同じサイズの3つの領域13B1、13B2および13B3に区切られている。管体1G内の領域201、202および203の各々は、仕切り板101および102によって区切られていない管体1G内の他の領域よりも小さな断面積を有する。従って、これらの領域201、202および203は、上記各実施形態の周波数調整部材の貫通孔と同様な役割を果たす。
図18はこの発明の第11実施形態である音響構造体の構成を示す縦断面図である。この音響構造体の管体1Hは、両端が閉塞した中空の管体である。この管体1Hの側面において、管軸方向の途中の位置に貫通孔13Dが設けられている。この貫通孔13Dには、図18(b)に示す周波数調整部材2jが挿入される。この周波数調整部材2jは、傾いた中空の筒体2j1の上端に襟巻状のストッパ2j2を付加したものである。このストッパ2j2は、周波数調整部材2jが貫通孔13Dに挿入された状態において、管体1Hの側壁における貫通孔13Dの周辺領域と当接し、筒体2j1が管体1H内に落下するのを防止する。筒体2j1は、円筒形状でもよく、矩形筒形状であってもよい。
Claims (5)
- 内部に中空領域を有する管体と、
前記管体に挿入されることにより、前記管体の軸方向と直交する平面において切った前記中空領域の断面積よりも小さな開口面積を有し、前記中空領域を外部空間に連通させる管状の開口部を形成する周波数調整部材と
を具備することを特徴とする音響構造体。 - 前記管状の開口部の管長が調整可能であることを特徴とする請求項1に記載の音響構造体。
- 前記管状の開口部の一部を閉塞する手段を具備することを特徴とする請求項1または2に記載の音響構造体。
- 複数の前記管体をパネル状に一体化してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1の請求項に記載の音響構造体。
- 内部に中空領域を有する管体の開口部に挿入され、前記管体とともに音響構造体を構成する周波数調整部材であって、
前記中空領域を外部空間に連通させる管状の開口部を有し、前記管状の開口部が、前記管体の軸方向と直交する平面において切った前記中空領域の断面積よりも小さな開口面積を有することを特徴とする周波数調整部材。
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