JP6294853B2 - レーダ装置およびレーダ装置の制御方法 - Google Patents

レーダ装置およびレーダ装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、レーダ装置およびレーダ装置の制御方法に関するものである。
近年、自動車等の車両に搭載され、他の車両等を検出して衝突回避の制御を行うためのレーダ装置が普及しつつある。
このようなレーダ装置では、例えば、パルス信号を送信し、対象物によって反射されたパルス信号を受信し、送信から受信までに要した時間と、受信信号の周波数等に基づいて、対象物の位置および速度等を検出する。
ところで、このようなレーダ装置は、車両の組み立て工程を初期状態とし、この初期状態を基準として対象物を検出するため、初期状態から状態が変化した場合には、対象物を正確に検出できない場合がある。
例えば、レーダ装置に衝撃が加わることにより、取り付け角度が変化した場合には、対象物の位置を正確に検出できなくなる場合がある。また、レーダ装置の表面に泥等の異物が付着したり、着水、着氷、または、着雪等が生じたりした場合には、パルス信号の送受信感度が低下することから、初期状態に比較して対象物の検出可能範囲が狭くなる場合がある。
そこで、特許文献1に開示された技術では、静止物に対する相対速度の方位角度依存性を利用して、光軸ずれ量を算出し、光軸ずれ量に基づいて物体の方位角を補正するようにしている。
また、特許文献2に開示された技術では、送受信アンテナが第1の方位を向いたときに受信して取得した第1のビート信号と、送受信アンテナが第2の方位を向いたときに受信して取得した第2のビート信号とに基づいて、第1および第2のビート信号の差分スペクトルを算出し、この差分スペクトルに基づいてレドームの汚れを検知するようにしている。
特開2002−228749号公報 特開2003−156560号公報
ところで、特許文献1に開示された技術では、検出した物体の角度を演算に用いるため、相対速度に誤差が含まれている場合には演算結果への影響が大きくなるという問題点がある。
また、特許文献2に開示された技術では、通常、汚れるのはレドームではなく、外界に面しているバンパであり、レーダ装置とバンパの間の特性は車種毎に違うため、同じアルゴリズムおよび閾値が使用できないという問題点がある。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、初期状態から状態が変化した場合でも、搭載される車種に拘わらず、精度良く補正することが可能なレーダ装置およびレーダ装置の制御方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、車両に搭載され、対象物によって反射された信号を受信して解析することで当該対象物を検出するレーダ装置において、前記対象物の相対速度を検出する相対速度検出手段と、前記対象物の観測角度を検出する観測角度検出手段と、自車両の速度を検出する自車速度検出手段と、前記レーダ装置の前記車両への取り付け角度を示す情報を格納する格納手段と、前記取り付け角度、前記観測角度、および、前記自車両の速度に基づいて推定した前記対象物の推定相対速度と、前記相対速度検出手段によって検出した相対速度との差分値を、複数の静止物または静止物の複数の対象点について算出する差分値算出手段と、前記差分値出手段によって求めた複数の前記差分値のヒストグラムを生成し、当該ヒストグラムの中央値または複数の前記差分値の平均値を求め求出手段と、前記差分値の中央値または平均値が0でない場合には、前記取り付け角度の初期値からの角度ずれが生じていると判断する角度ずれ判断手段と、を有することを特徴とする。
このような構成によれば、初期状態から状態が変化した場合でも、搭載される車種に拘わらず、精度良く補正することが可能となる。
また、本発明は、前記角度ずれ判断手段によって角度ずれが生じていると判断された場合には、前記差分値が0になるように前記取り付け角度の値を補正することを特徴とする。
このような構成によれば、取り付け角度の値を補正することで、対象物を正確に検出することができる。
また、本発明は、前記差分値算出手段は、前記車両の角速度も参照して前記推定相対速度を算出することを特徴とする。
このような構成によれば、車両が直進している場合でなく、右折または左折している場合も角度ずれを検出することができる。
また、本発明は、車両に搭載され、対象物によって反射された信号を受信して解析することで当該対象物を検出するレーダ装置の制御方法において、前記対象物の相対速度を検出する相対速度検出ステップと、前記対象物の観測角度を検出する観測角度検出ステップと、自車両の速度を検出する自車速度検出ステップと、前記レーダ装置の前記車両への取り付け角度を示す情報を格納する格納ステップと、前記取り付け角度、前記観測角度、および、前記自車両の速度に基づいて推定した前記対象物の推定相対速度と、前記相対速度検出ステップによって検出した相対速度との差分値を、複数の静止物または静止物の複数の対象点について算出する差分値算出ステップと、前記差分値出ステップにおいて求めた複数の前記差分値のヒストグラムを生成し、当該ヒストグラムの中央値または複数の前記差分値の平均値を求め求出ステップと、前記差分値の中央値または平均値が0でない場合には、前記取り付け角度の初期値からの角度ずれが生じていると判断する角度ずれ判断ステップと、を有することを特徴とする。
このような方法によれば、初期状態から状態が変化した場合でも、搭載される車種に拘わらず、精度良く補正することが可能となる。
本発明によれば、初期状態から状態が変化した場合でも、搭載される車種に拘わらず、精度良く補正することが可能なレーダ装置およびレーダ装置の制御方法を提供することができる。
本発明の第1実施形態の構成例を示す図である。 第1実施形態の動作原理を説明する図である。 第1実施形態の動作原理を説明する図である。 第1実施形態の動作を説明する図である。 第1実施形態の動作の詳細を説明するフローチャートである。 本発明の第2実施形態の動作を説明する図である。 第2実施形態の動作の詳細を説明するフローチャートである。
次に、本発明の実施形態について説明する。
(A)第1実施形態の構成の説明
図1は、本発明の第1実施形態に係るレーダ装置の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、本発明の第1実施形態に係るレーダ装置1は、送信アンテナTX、受信アンテナRX、受信部10、制御部11、送信部12、発振部13、A/D(Analog to Digital)変換部14、および、速度検出・物体検出部15を主要な構成要素としている。なお、第1実施形態に係るレーダ装置1は、例えば、自動車等の車両に搭載され、他の車両や、障害物や、歩行者等を検出する装置として動作する。もちろん、車両以外の移動体に装備することも可能である。
ここで、送信アンテナTXは、送信部12から供給されるパルス信号を電波として対象物に送信するアンテナである。受信アンテナRXは、送信アンテナTXから送信され、対象物によって反射された電波を受信し、電気信号として受信部10に供給するアンテナである。
受信部10は、制御部11によって制御され、受信アンテナRXから供給される電気信号を発振部13から供給される高周波信号によって復調し、A/D変換部14に供給する。
制御部11は、送信部12を制御し、所定のタイミングでパルス信号を送出するとともに、後述するように、レーダ装置1の取り付け角度のずれを検出して補正したり、レーダ装置1が内蔵されている部分のバンパに付着した異物を検出して補正したりする処理を実行する。
送信部12は、発振部13から供給される高周波信号を変調し、高周波パルス信号を生成して送信アンテナTXを介して空間に放射する。
発振部13は、所定の周波数で発振し、得られた高周波信号(ローカル信号)を受信部10および送信部12に供給する。
A/D変換部14は、受信部10から供給される信号を所定の周期でサンプリングするとともに、A/D変換によってデジタル信号に変換し、速度検出・物体検出部15に供給する。
速度検出・物体検出部15は、A/D変換部14から供給されるデジタル信号に対して、プリサム処理およびDFT(Discrete Fourier Transform)等の処理を実行し、受信信号の速度検出を行い、物体のドップラ周波数の情報と距離の情報とから対象物を検出し、対象物情報として出力する。
(B)第1実施形態の動作の説明
つぎに、第1実施形態の動作について説明する。以下では、図2〜図4を参照して、第1実施形態の動作原理について説明した後、図5を参照して詳細な動作を説明する。
図2および図3は、第1実施形態の動作原理を説明するための図である。図2の例では、車両30の右側後部にレーダ装置1が配置されている。なお、レーダ装置1は、実際にはバンパ内に配置されているが、説明を簡略化するためにバンパの外側に示している。また、レーダ装置1は、右側後方だけでなく、左側後方、右側前方、および、左側前方等にも配置されるが、説明を簡略化するために図示を省略している。図2では車両30は図の上方向に向かって直進する状態であり、車両30の進行方向に平行するように、複数の静止物50が配置されている。なお、静止物50は、地面に対して固定して配置されている。
ここで、線分DOはレーダ装置1の軸を示す。レーダ装置1は取り付け角度∠EODによって車両30に取り付けられている。また、角度∠DOAはレーダ座標系における対象物の観測角度(レーダ装置1によって検出された対象物の角度)である。対象物の観測角度は、Oを中心として線分DOに対する角度で示し、線分DOに対して時計回りを正とする。なお、取り付け角度∠EODを示す情報は、初期値として制御部11内の図示しないメモリに記憶されている。
このような場合、∠CABは、以下の式(1)で表すことができる。ここで、Vmeasはレーダ装置1によって検出される対象物50の相対速度であり、Vcarは自車の速度である。
∠CAB=180°−∠EOA=180°−(∠EOD+∠DOA) ・・・(1)
このため、相対速度Vmeasと、自車速度Vcarの間には、以下の式(2)が成立する。
Vmeas=−Vcar×cos(∠CAB)=Vcar×cos(∠EOD+∠DOA) ・・・(2)
以上のような関係が成立している場合に、図3に示すように、レーダ装置1の取り付け角度∠EODにずれが生じ、取り付け角度が∠EOD’になったとする。より詳細には、図3に示すように、レーダ装置1が破線で示す状態から、実線で示す状態に時計方向に回転して角度ずれを生じたとする。そのような場合には、式(2)は以下の式(3)になる。
Vmeas=Vcar×cos(∠EOD’+∠D’OA)≠Vcar×cos(∠EOD+∠D’OA) ・・・(3)
図3に示すように、角度ずれによって、レーダ装置1の取り付け角度が∠EOD’になると、レーダ装置1によって検出される対象物の観測角度は∠D’OAになる。このため、レーダ装置1によって観測される対象物の相対速度Vmeasは、Vcar×cos(∠EOD’+∠D’OA)となる。しかしながら、レーダ装置1の角度ずれが生じた場合でも、制御部11のメモリ内に記憶されている取り付け角度を示す値は∠EODのままであるので、レーダ装置1によって推定される推定相対速度は、Vcar×cos(∠EOD+∠D’OA)となり、これはレーダ装置1によって実測される相対速度Vmeasとは異なる(Vmeas≠Vcar×cos(∠EOD+∠D’OA))。
そこで、Vcar×cos(∠EOD+∠D’OA)によって推定される推定相対速度と、レーダ装置1によって観測される相対速度Vmeasとの差ΔVを計算し、この差ΔV≠0の場合には、レーダ装置1の取り付け角度にずれが生じていると判断することができる。
なお、レーダ装置1の相対速度Vmeasおよび推定相対速度には誤差が含まれ、また、対象物としてはノイズも含まれることから、1つの対象物に基づいて角度ずれ量を同定することは困難である。このため、第1実施形態では、まず、複数の対象物または対象物の複数の対象点に対して以下の式(4)によって表されるΔVを求める。
ΔV=Vmeas−Vcar×cos(∠EOD+∠DOA) ・・・(4)
そして、求めた複数のΔVから、横軸をΔVとし縦軸をカウントとするヒストグラムを生成する。この結果、例えば、図4(A)に示すヒストグラムを得る。より詳細には、図4(A)に示す例では、山型分布のヒストグラムが示されており、破線で示す中央値は、ΔV=0から図の左側に所定のずれ量を有している。このような場合、第1実施形態では、図4(B)に示すように、ずれ量ΔVが0になるように補正する。より詳細には、取り付け角度∠EODの値を微調整しながらΔVが0になるように補正する。例えば、図2において、レーダ装置1が時計方向に回転する角度ずれが生じた場合はΔV<0の方向に位置ずれを生じ、レーダ装置1が反時計方向に回転する角度ずれが生じた場合はΔV>0の方向に位置ずれを生じる。このため、ΔV<0の場合には取り付け角度∠EODの値を微増しながらΔV=0になるように測定を繰り返し、ΔV>0の場合には取り付け角度∠EODの値を微減しながらΔV=0になるように観測を繰り返すことで、回転ずれ後の取り付け角度∠EODを得ることができる。
以上に説明したように、本発明の第1実施形態によれば、取り付け角度∠EOD、観測角度∠DOA、および、自車両の速度Vcarに基づいて推定した対象物の推定相対速度と、レーダ装置1が検出した対象物の相対速度Vmeasとの差分値ΔVを、複数の静止物(または対象物の複数の対象点)について算出し、算出した複数の差分値ΔVの中央値をヒストグラムから求め、求めた中央値から角度ずれを検出して補正するようにしたので、誤差の影響を受けることなく、角度ずれを正確に検出して補正することができる。
つぎに、図5を参照して、第1実施形態において実行される処理の詳細について説明する。なお、図5に示す処理は、例えば、車両が直線走行中に実行される。図5に示す処理が開始されると、以下のステップが実行される。
ステップS10では、制御部11は、対象物の検出動作を実行する。より詳細には、制御部11は、送信部を制御してパルス信号を送信アンテナTXから送信し、対象物で反射されて受信アンテナRXで受信された信号を、受信部10を介して受信する。このようにして受信された反射信号は、A/D変換部14によってデジタル信号に変換され、速度検出・物体検出部15によって対象物を検出する処理が実行される。
ステップS11では、速度検出・物体検出部15は、検出された対象物の中から、静止物を特定する。例えば、静止物として、図2に示す複数の静止物50のいずれかが特定される。
ステップS12では、速度検出・物体検出部15は、ステップS11で特定した静止物の相対速度Vmeasを検出する。例えば、図2に示す静止物50の相対速度Vmeasが検出される。
ステップS13では、速度検出・物体検出部15は、ステップS11で特定した静止物の観測角度∠DOAを検出する。例えば、図2に示す静止物50の観測角度∠DOAが検出される。
なお、このようにして速度検出・物体検出部15によって検出された相対速度Vmeasと観測角度∠DOAは、制御部11に通知される。
ステップS14では、制御部11は、自車速度Vcarを検出する。より詳細には、制御部11は、例えば、車速パルス信号に基づいて自車速度Vcarを検出する。
ステップS15では、制御部11は、前述した式(4)に基づいてΔVを算出する。より詳細には、制御部11は、ステップS12で検出した静止物の相対速度Vmeas、ステップS13で検出した観測角度∠DOA、ステップS14で検出した自車速度Vcar、および、メモリに格納している取り付け角度∠EODの値を式(4)に代入し、ΔVを求める。
ステップS16では、制御部11は、所定数の対象物について検出を実行したか否かを判定し、所定数の対象物について検出を実行したと判定した場合(ステップS16:Yes)にはステップS17に進み、それ以外の場合(ステップS16:No)にはステップS10に戻って前述の場合と同様の処理を繰り返す。なお、複数の対象物について検出するのではなく、例えば、同じ対象物(例えば、壁等)の複数の対象点について検出を行うようにしてもよい。
ステップS17では、制御部11は、複数のΔVについてヒストグラムを生成する。より詳細には、制御部11は、ステップS10〜ステップS16のループ処理によって検出された複数の対象物について得られたΔVの値とそのカウント数とに基づいて、図4に示すようなヒストグラムを生成する。
ステップS18では、制御部11は、中央値のずれ量を特定する。より詳細には、制御部11は、図4に示すようなヒストグラムの中央値を検出し、この中央値の原点からのずれをずれ量として特定する。
ステップS19では、制御部11は、ステップS18で特定したずれ量が所定の閾値Th未満であるか否かを判定し、ずれ量<Thである場合(ステップS19:Yes)には処理を終了し、それ以外の場合(ステップS19:No)にはステップS20に進む。例えば、制御部11は、対象物の検出精度を十分に確保できるThを選択し、ずれ量<Thとなった場合に処理を終了する。
ステップS20では、制御部11は、ずれ量に応じて取り付け角度の値を補正し、ステップS10に戻って同様の処理を繰り返す。例えば、ΔV<0の場合には取り付け角度∠EODの値を微増し、ΔV>0の場合には取り付け角度∠EODの値を微減し、ステップS10に戻って前述の場合と同様の処理を繰り返す。この結果、ΔV=0になるように処理を繰り返すことで、回転ずれ後の取り付け角度∠EODを得ることができる。
(C)第2実施形態の説明
つぎに、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態の構成は、第1実施形態と同様であり、制御部11等によって実行される処理の内容が異なっているので、動作の異なる点を詳細に説明する。
図6は第2実施形態の動作原理を示す図である。図6の0m付近に示す車両はレーダ装置1が搭載された車両を示している。なお、図6では、図面の説明を簡略化するために、レーダ装置1は車両のバンパの外側に配置されているが、実際には車両のバンパに内蔵されている。レーダ装置1は、バンパの表面に異物等が付着しておらず、きれいな場合には自車両から60〜70m離れた対象物(図6では他の車両)を検出することができる。しかしながら、バンパの表面に異物が付着した場合、より詳細には、泥等の汚れが付着したり、着水、着氷、または、着雪等が生じたりした場合には、8〜30dB程度の損失が生じることがある。これは、レーダ装置1の検出距離に換算すると、数十m程度に該当することから、対象物を検出可能な距離が数十m短縮する可能性がある。このため、図6(A)に示すように、異物が付着していない場合には自車両から30m以内に存在する対象物も30m以遠に存在する対象物も検出比率の差は小さい。ここで、検出比率とは、所定回数観測を行った場合に、同じ対象物を検出できる比率をいう。例えば、10回観測して8回検出した場合には検出比率は0.8である。一方、バンパの表面に異物が付着している場合には、前述したように8〜30dBの損失によって、数十m程度の検出距離の短縮が生じることから、30m以内と30m以遠では検出比率の差が大きくなる。
そこで、第2実施形態では、工場出荷時等の初期状態において、バンパに異物が付着していない状態における検出可能範囲(例えば、自車両から70mの範囲)よりも短い所定の距離(例えば、30m)を境界とし、当該境界以遠で検出比率が低下する場合には、バンパが汚れていると判定する。そして、バンパの汚れが検出された場合には、送信信号のレベルを増加するか、受信感度を増加することで、検出比率の低下を防ぐことができる。
つぎに、図7を参照して、第2実施形態において実行される処理の詳細について説明する。図7に示す処理は、例えば、所定の頻度(例えば、数分間隔)で実行される。図7の処理が開始されると、以下のステップが実行される。
ステップS30では、制御部11は、対象物の検出動作を実行する。より詳細には、制御部11は、送信部を制御してパルス信号を送信アンテナTXから送信し、対象物で反射されて受信アンテナRXで受信された信号を、受信部10を介して受信する。このようにして受信された反射信号は、A/D変換部14によってデジタル信号に変換され、速度検出・物体検出部15によって対象物を検出する処理を実行する。
ステップS31では、速度検出・物体検出部15は、検出された対象物の中から、前方または後方の車両を特定する。例えば、車両として、図6に示す後方を走行中の他の車両が特定される。
ステップS32では、速度検出・物体検出部15は、ステップS31で特定した他の車両までの距離を検出する。例えば、図6に示す他の車両までの距離として、20mが検出される。
ステップS33では、制御部11は、対象物の検出比率を算出する。より詳細には、例えば、所定の時間内において対象物を検出できた回数を、検出できなかった回数も含めたトータルの観測回数で除することにより、検出比率を算出する。例えば、10回観測を行って、8回検出できた場合には検出比率は0.8(=8/10)となる。
ステップS34では、制御部11は、ステップS33で検出した検出比率が低下する距離dが存在するか否かを判定する。そして、検出比率が低下する距離が存在する場合(ステップS34:Yes)にはステップS35に進み、それ以外の場合(ステップS34:No)にはステップS30に戻って前述の場合と同様の処理を繰り返す。例えば、バンパに異物が付着している場合には、他の車両との距離が30m未満で低下する場合があるので、そのような場合にはステップS35に進む。
ステップS35では、制御部11は、ステップS34において検出された距離dが所定の閾値Th未満であるか否かを判定し、d<Thである場合(ステップS35:Yes)にはステップS36に進み、それ以外の場合(ステップS35:No)には処理を終了する。例えば、検出比率が低下する距離dが30m(=Th)未満である場合には、Yesと判定してステップS36に進む。
ステップS36では、制御部11は、ステップS30〜ステップS34の繰り返し処理によって検出された対象物の検出信号のうち、所定の距離における信号強度を特定する。例えば、一例として、距離が30mの場合における対象物に対する検出信号の信号強度Sを特定する。
ステップS37では、制御部11は、基準信号強度Srを内蔵しているメモリから読み出す。ここで、基準信号強度Srとは、初期状態(例えば、工場出荷時)において、対象物が所定の距離(例えば、30m)離れている場合の検出信号の信号強度を示している。
ステップS38では、制御部11は、ステップS36で特定した信号強度Sと、ステップS37で読み出した基準信号強度の比(=Sr/S)を計算し、得られた比に基づいて、例えば、送信信号を増加する。より詳細には、バンパに汚れ等が付着している場合には、初期状態に比較して信号強度が低下する。低下する割合は、S/Sr(<1)によって表すことができるので、その逆数であるSr/Sに基づいて送信信号の強度を増加することで、受信信号の信号強度を初期状態と同じにすることができる。
以上に説明したように、本発明の第2実施形態によれば、レーダ装置1が内蔵されているバンパに異物が付着したことを確実に検出することができる。また、バンパに異物が付着した場合であっても、送信信号の強度を増加することで、初期状態に比較して検出可能距離を短縮することなく、対象物を確実に検出することができる。
(D)変形実施形態の説明
以上の実施形態は一例であって、本発明が上述したような場合のみに限定されるものでないことはいうまでもない。例えば、第1実施形態では、複数の対象物に対するΔVを算出するようにしたが、例えば、同じ対象物の複数の対象点についてΔVを算出するようにしてもよい。
また、第1実施形態では、ΔVのヒストグラムの中央値を用いてずれ量を特定するようにしたが、例えば、ΔVの平均値を用いてずれ量を特定するようにしてもよい。
また、第1実施形態では、ずれ量が所定の閾値Th未満になるように取り付け角度を補正するようにしたが、例えば、以下の式(5)を用いて取り付け角度∠EODを直接求めるようにしてもよい。より詳細には、式(5)は、式(4)のΔV=0として変形して得たものである。ここで、右辺のACOS()は括弧内のアークコサインを求める関数である。取り付け角度∠EODを求める処理としては、例えば、レーダ装置1によって測定された観測角度∠DOA、対象物50の相対速度Vmeas、および、自車速度Vcarを式(5)に代入して取り付け角度∠EODを求める処理を繰り返し、得られた複数の∠EODによってヒストグラムを生成し、その中央値を求める∠EODとすることができる。
∠EOD=∠DOA+ACOS(Vmeas/Vcar) ・・・(5)
以上のような処理によって、回転ずれ後の新たな取り付け角度∠EODを直接得ることができるので、その後は、この新たに得た取り付け角度∠EODを用いて補正することで、対象物の正確な位置を求めることができる。
また、第1実施形態では、車両が直進時にΔVを求めるようにしたが、例えば、車両が回転している場合にはヨーレート(Yaw Rate)を考慮して、ΔVを算出するようにしてもよい。具体的には、ヨーレートをY(deg/sec)とし、測定に要する時間をtとし、測定中の角度変化をθとした場合に、以下に示す式(6)に基づいてΔVを算出するようにしてもよい。なお、θ=Y・tであり、θは図2において時計方向をプラス方向としている。
ΔV=Vmeas−Vcar×cos(∠EOD+∠DOA+θ) ・・・(6)
また、第1実施形態では、図5に示すフローチャートのステップS16において、対象物を所定数測定した場合に、観測対象についてヒストグラムを生成するようにしたが、過去の所定の期間における観測結果に基づいてヒストグラムを生成し、当該ヒストグラムによって判定するようにしてもよい。
また、第2実施形態では、バンパに異物が付着している場合には、ステップS38において送信信号を増加するようにしているが、受信部10の受信感度をSr/Sに応じて増加するようにしてもよい。
また、第2実施形態では、バンパに異物が付着している場合には、送信信号を増加または受信感度を増加するようにしたが、これらの策を講じても検出比率が改善しない場合には、アラームを発呼したり、上位のECU(Electric Control Unit)に通知したりするようにしてもよい。
また、第2実施形態では、対象物の検出比率と、距離とに基づいて、バンパへの異物の付着を判定するようにしたが、例えば、受信した信号強度と距離とに基づいて判定するようにしてもよい。
また、第2実施形態では、図7に示す処理において、検出比率が低下する距離d<Thの場合には、直ちに送信信号を増加するようにしたが、観測を複数回行ってヒストグラムを生成して中央値を求めたり、測定を複数回行って平均値を求めたりし、その結果に基づいて判定するようにしてもよい。
TX 送信アンテナ
RX 受信アンテナ
10 受信部
11 制御部(自車速度検出手段、格納手段、差分値算出手段、中央値求出手段、角度ずれ検出手段)
12 送信部
13 発振部
14 A/D変換部
15 速度検出・物体検出部(相対速度検出手段、観測角度検出手段)

Claims (4)

  1. 車両に搭載され、対象物によって反射された信号を受信して解析することで当該対象物を検出するレーダ装置において、
    前記対象物の相対速度を検出する相対速度検出手段と、
    前記対象物の観測角度を検出する観測角度検出手段と、
    自車両の速度を検出する自車速度検出手段と、
    前記レーダ装置の前記車両への取り付け角度を示す情報を格納する格納手段と、
    前記取り付け角度、前記観測角度、および、前記自車両の速度に基づいて推定した前記対象物の推定相対速度と、前記相対速度検出手段によって検出した相対速度との差分値を、複数の静止物または静止物の複数の対象点について算出する差分値算出手段と、
    前記差分値出手段によって求めた複数の前記差分値のヒストグラムを生成し、当該ヒストグラムの中央値または複数の前記差分値の平均値を求め求出手段と、
    前記差分値の中央値または平均値が0でない場合には、前記取り付け角度の初期値からの角度ずれが生じていると判断する角度ずれ判断手段と、
    を有することを特徴とする記載のレーダ装置。
  2. 前記角度ずれ判断手段によって角度ずれが生じていると判断された場合には、前記差分値が0になるように前記取り付け角度の値を補正することを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
  3. 前記差分値算出手段は、前記車両の角速度も参照して前記推定相対速度を算出することを特徴とする請求項1または2に記載のレーダ装置。
  4. 車両に搭載され、対象物によって反射された信号を受信して解析することで当該対象物を検出するレーダ装置の制御方法において、
    前記対象物の相対速度を検出する相対速度検出ステップと、
    前記対象物の観測角度を検出する観測角度検出ステップと、
    自車両の速度を検出する自車速度検出ステップと、
    前記レーダ装置の前記車両への取り付け角度を示す情報を格納する格納ステップと、
    前記取り付け角度、前記観測角度、および、前記自車両の速度に基づいて推定した前記対象物の推定相対速度と、前記相対速度検出ステップによって検出した相対速度との差分値を、複数の静止物または静止物の複数の対象点について算出する差分値算出ステップと、
    前記差分値出ステップにおいて求めた複数の前記差分値のヒストグラムを生成し、当該ヒストグラムの中央値または複数の前記差分値の平均値を求め求出ステップと、
    前記差分値の中央値または平均値が0でない場合には、前記取り付け角度の初期値からの角度ずれが生じていると判断する角度ずれ判断ステップと、
    を有することを特徴とするレーダ装置の制御方法。
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