JP6294347B2 - 洗濯槽の内周部分に対して部品を着脱するための着脱構造 - Google Patents

洗濯槽の内周部分に対して部品を着脱するための着脱構造 Download PDF

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Description

この発明は、洗濯槽の内周部分に対して部品を着脱するための着脱構造に関する。
下記特許文献1に記載の洗濯機では、洗濯槽内の側部に、洗濯槽の外方に膨出して溢水室が形成してある。そして、洗濯槽内の側部には、溢水室と洗濯槽とを仕切る溢水ストレーナが着脱自在に取着されている。溢水ストレーナは、縦長で、その中程には、リントフィルターが設けられている。
特開平6−285292号公報
特許文献1に記載の洗濯機のように洗濯槽の内周部分に部品(特許文献1の場合には溢水ストレーナ)が着脱される構成では、部品の着脱の容易性の向上が望まれる。たとえば、当該部品を着脱するために、洗濯機において当該部品とは別の部品の着脱までもが必要になると、着脱作業が面倒になる。
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、洗濯槽の内周部分に対する部品の着脱の容易性の向上を図ることができる着脱構造を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、洗濯物が出し入れされる出入口と前記出入口に対向配置された底壁とを有する有底円筒状の洗濯槽の内周部分に対して部品を着脱するための着脱構造であって、前記部品は、前記洗濯槽における前記出入口側に取り付けられたバランサーと前記底壁との間に架設される本体部と、前記本体部における底壁側の端部に設けられ、前記底壁に係合する第1係合部と、前記本体部において前記バランサー側の端部に設けられ、可撓性を有し、前記バランサーに係合する第2係合部と、を含み、前記底壁には、前記第1係合部を受け入れる第1受入部が設けられ、前記バランサーにおいて前記底壁に対向する面には、前記底壁から前記出入口側へ離れる方向へ窪んで前記第2係合部を受け入れる凹状の第2受入部が設けられ、前記第2係合部は、ヒンジ構造で前記本体部に接続されており、前記本体部から前記第2受入部へ向けて突出するように付勢されていることを特徴とする、洗濯槽の内周部分に対して部品を着脱するための着脱構造である。
請求項記載の発明は、前記本体部の長手方向における中央部分に対してヒンジ構造で接続された爪状であり、前記洗濯槽の内周部分に係合する第3係合部を含むことを特徴とする、請求項1記載の着脱構造である。
請求項1記載の発明によれば、洗濯槽の内周部分に装着された部品では、本体部が出入口側のバランサーと底壁との間に架設された状態となる。
洗濯槽の内周部分に部品を装着する場合、部品の第1係合部を底壁に係合させてから、本体部がバランサーと底壁との間に架設されるまで第2係合部を撓ませた後に、第2係合部を撓む前の状態に戻してバランサーに係合させればよい。つまり、バランサーを洗濯槽から取り外してから第1係合部を底壁に係合させ、その後にバランサーを洗濯槽に取り付け直して第2係合部をバランサーに係合させるといった手間を省くことができる。
洗濯槽の内周部分から部品を取り外す場合、第2係合部を撓ませてバランサーから外した後に第1係合部を底壁から外し、部品全体を洗濯槽の内周部分から引き出せばよい。つまり、バランサーを洗濯槽から取り外すことで第2係合部をバランサーから外し、第1係合部を底壁から外して部品全体を洗濯槽の内周部分から引き出した後に、バランサーを洗濯槽に取り付け直すといった手間を省くことができる。
以上の結果、バランサーが洗濯槽に組み付けられたままの状態で洗濯槽の内周部分に対して部品を着脱できるので、洗濯槽の内周部分に対する部品の着脱の容易性の向上を図ることができる。
また、底壁に設けられた第1受入部が第1係合部を受け入れるので、第1係合部を底壁に確実に係合させることができる。また、バランサーにおいて底壁に対向する面に設けられた第2受入部が第2係合部を受け入れるので、第2係合部をバランサーに確実に係合させることができる。
また、第2係合部をヒンジ構造で本体部に接続し、本体部から突出するように付勢しておくことによって、第2係合部を撓み可能かつバランサーに係合可能にすることができる。
請求項2記載の発明によれば、部品を洗濯槽の内周部分に装着する場合、本体部の長手方向における中央部分の第3係合部を洗濯槽の内周部分に係合させれば、当該中央部分が洗濯槽の内周部分から浮き上がることを防止できる。一方、部品を洗濯槽の内周部分から取り外す際には、第3係合部を洗濯槽の内周部分から外せばよい。以上により、部品が洗濯槽の内周部分に装着された状態における本体部の中央部分の浮き上がりを防止しつつ、洗濯槽の内周部分に対する部品の高い着脱性を実現できる。
図1は、この発明の一実施形態に係る洗濯槽1の縦断面を側方から見た図である。 図2は、洗濯槽1の内周部分1Aに着脱される部品20の正面図である。 図3は、部品20の背面図である。 図4は、正面上方から見たときの部品20の斜視図である。 図5は、背面上方から見たときの部品20の斜視図である。 図6は、図1において、洗濯槽1の内周部分1Aに対して部品20が着脱される途中の状態を示している。 図7は、内周部分1Aに部品20が装着された状態における洗濯槽1の要部を示す図である。
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る洗濯槽1の縦断面を側方から見た図である。
図1では、洗濯機100に内蔵された洗濯槽1を抜き出して示している。なお、洗濯機100は、洗濯槽1の他に、水槽2も含んでいる。
水槽2は、洗濯機100の筐体(図示せず)内に収容されていて、複数のダンパ(図示せず)を介して筐体によって弾性支持されている。水槽2は、中空体である。この実施形態の水槽2では、上端に開口部3が形成され、下端に底4が設けられている。水槽2の内部には、底4側から水(水道水や、風呂水や、洗剤が溶けた水も含む)が溜められる。
洗濯槽1は、いわゆる回転ドラムである。洗濯槽1には、洗濯物が収容される。洗濯槽1は、水槽2より一回り小さい有底円筒状であって、水槽2内に収容されている。洗濯槽1の中心軸(洗濯槽1の円中心を通る軸)5は、図1では、垂直方向(図1の上下方向)に沿って延びているが、垂直方向に対して交差した方向(垂直方向に対する傾斜方向や水平方向)に沿って延びていてもよい。ただし、以下の説明では、便宜上、中心軸5が垂直方向に延びている場合(洗濯機100がいわゆる縦型洗濯機である場合)を基準とし、図1の上下方向を、洗濯槽1の上下方向とする。
洗濯槽1は、図示しないモータからの駆動力を受けて中心軸5まわりに回転することができる。
洗濯槽1は、中心軸5と同心状をなす略円筒状の円周壁6と、円周壁6の一端部(図1では下端部)6Aに接続されて円周壁6の中空部分を当該一端部6A側(図1では下側)から塞ぐ円盤状の底壁7とを含んでいる。円周壁6と底壁7とは、同じ材料で一体形成されていてもよいし、たとえば円周壁6が金属製で底壁7が樹脂製というように、円周壁6と底壁7とが互いに別部品であって、これらが組み合わされて洗濯槽1が構成されてもよい。
円周壁6の他端部(図1では上端部)6Bは、上方へ開放されており、当該他端部6Bにおける円周壁6の内周面が、洗濯槽1に形成された出入口8を構成している。出入口8は、中心軸5の延びる方向(軸方向Xということにする)において底壁7に対向配置されている。出入口8は、中心軸5を円中心とする円形状であって、水槽2の開口部3よりも小径である。開口部3と出入口8とは、軸方向Xにおいてほぼ同じ位置にあって、互いに連通している。洗濯機100で洗濯される洗濯物は、連通状態の開口部3および出入口8を介して、洗濯槽1内に対して出し入れされる。
洗濯槽1の円周壁6の内周面6Cには、内周面6Cの径方向内側(中心軸5側)へ凸状に盛り上がりつつ軸方向Xに延びるバッフル9が複数設けられている。複数のバッフル9は、内周面6Cの周方向において略等間隔で配置されている。洗濯槽1の回転に伴い、各バッフル9は、洗濯槽1内の洗濯物を撹拌する。内周面6Cにおいてバッフル9を避けた位置には、円周壁6を厚さ方向(前述した径方向)に貫通する貫通孔10が多数形成されている。水槽2内に溜まった水は、貫通孔10を介して、水槽2と洗濯槽1との間を行き来することができる。
底壁7は、円周壁6の一端部6Aに接続された円環状の外周部7Aと、外周部7Aよりも円中心(中心軸5)側に位置する中心部7Bとを一体的に含んでいる。
外周部7Aは、円周壁6の一端部6Aに対して内嵌されており、ねじ14によって一端部6Aに固定されている。
中心部7Bは、出入口8から離れる方向(図1では下方)へ向けて膨らむように外周部7Aから軸方向Xにずれて配置されている。そのため、底壁7には、出入口8から離れる方向へ窪む窪み11が形成されている。窪み11は、外周部7Aおよび中心部7Bによって区画された空間であり、円周壁6の中空部分に対して連通しつつ、円周壁6の中空部分とともに洗濯槽1の内部空間を構成している。窪み11には、回転翼12が配置されている。回転翼12は、いわゆるパルセータであって、図示しないモータからの駆動力を受けて中心軸5まわりに回転することによって、洗濯槽1内の洗濯物を撹拌する。なお、底壁7にも、円周壁6の貫通孔10と同様の機能を有する貫通孔が形成されていてもよい。
洗濯槽1では、円周壁6の内周面6Cと、底壁7において窪み11を区画する面(外周部7Aの内周面7Cと、中心部7Bにおいて窪み11を下から臨む上面7D)とが、洗濯槽1の内周部分1Aを構成している。
このような洗濯槽1では、出入口8側にバランサー13が取り付けられている。バランサー13は、回転時(特に脱水回転時)の洗濯槽1における振動(洗濯槽1内の洗濯物の偏り等に起因する)を低減させるためのものであって、流体バランサーとかバランスボックスとも呼ばれる。バランサー13は、環状である。バランサー13は、洗濯槽1の円周壁6における出入口8側の端部(前述した他端部6B)に対して、同軸状で取り付けられている。詳しくは、バランサー13の一部が円周壁6の他端部6Bに対して内嵌されている。バランサー13では、当該一部が、ねじ15によって洗濯槽1に固定されている。バランサー13の外周面13Aは、円周壁6の外周面6Dとほぼ同径である。バランサー13の内周面13Bは、円周壁6の内周面6Cよりも小径である。そのため、バランサー13は、その周方向全域に亘って、円周壁6の内周面6Cから円中心側(中心軸5側)へはみ出ている。そのため、バランサー13には、軸方向Xにおいて出入口8側から底壁7に対向する面(「対向面」といい、図1における下端面)13Cが存在する。対向面13Cは、中心軸5を円中心とする環状である。バランサー13では、外周面13Aと内周面13Bとの間の領域に、空洞16が設けられており、この空洞16に、振動低減に寄与するための液体が収容されている。
そして、洗濯槽1の内周部分1Aには、以下で述べる部品20が着脱可能に装着される。
部品20は、たとえば樹脂製である。部品20は、軸方向Xに長手であって、装着状態では、バランサー13と洗濯槽1の底壁7との間に架設されている。部品20は、前述したバッフル9として機能してもよい。
または、部品20には、洗濯槽1の底壁7から出入口8側に延びる流路21が設けられていてもよい(太い破線矢印参照)。この場合、前述した回転翼12が、回転することによって、洗濯槽1内で底壁7側に溜まった水を流路21に送り込み、この水は、流路21内を上昇した後に出入口8側から洗濯槽1内に戻される(太い破線矢印参照)。これにより、洗濯槽1内の水が少量であっても、水を洗濯槽1内と流路21との間で循環させて、洗濯槽1内の洗濯物に出入口8側から水を浴びせることによって、効率的な洗濯を行うことができる。
部品20に流路21を設ける場合には、流路21の途中に、水の中の糸屑等を捕獲するフィルタ(図示せず)を配置してもよい。その場合、部品20は、フィルタを支持する枠としても機能する。
以下では、部品20に流路21が形成されているものとして説明する。
図2は、部品20の正面図である。図3は、部品20の背面図である。図4は、正面上方から見たときの部品20の斜視図である。図5は、背面上方から見たときの部品20の斜視図である。
図2を参照して、部品20は、軸方向Xに沿って長いカバー状をなす本体部22と、第1係合部23(図3参照)と、第2係合部24とを一体的に含んでいる。
本体部22は、図2に示すように正面側から見た場合には、軸方向Xに長い長方形状をなしている。なお、本体部22は、完全な平板状でなくてもよく、一部が湾曲していてもよい。正面視における本体部22において、最も大きく見えている面は、本体部22の表面22Aである。正面視における表面22Aの外側周縁部では、下端部を除くほぼ全域が、表面22Aから折れ曲がって背面側(図2における紙面奥側)へ延びるフランジ25となっている(図3参照)。
図3に示すように背面側から見たときのフランジ25の全体形状は、上下が逆になった略U字状になっている。フランジ25のうち、本体部22の上端に位置するフランジ25Aは、軸方向Xと直交する方向(水平方向であり、以下では「直交方向Y」ということにする)に延びている。
図3に示すように背面視における本体部22において、最も大きく見えている面は、本体部22の裏面22Bである。裏面22Bにおいて、前述した略U字状のフランジ25の内側の領域には、前述した流路21が設けられている。流路21に関連して、当該領域には、軸方向Xに延びる一対のリブ26が一体的に設けられていて、これら一対のリブ26に挟まれた空間が、流路21となっている。厳密には、流路21は、一対のリブ26と、本体部22の裏面22Bと、部品20が装着された洗濯槽1の円周壁6の内周面6Cとによって区画された空間である(図1および後述する図7も参照)。各リブ26は、その全域において、軸方向Xに沿って真っ直ぐに延びていなくてもよく、途中で折れ曲がっていてもよい。
また、裏面22Bにおいて流路21を避けた位置には、裏面22Bから突出する管状のボス40が一体的に設けられている。ボス40は、部品20を洗濯槽1に位置決めするために機能する(詳しくは後述する)。ボス40の個数は任意に設定できる。
図4を参照して、本体部22の表面22Aの下側領域には、本体部22を厚さ方向に貫通しつつ流路21の下端部に連通する連通孔27が形成されている。前述したように回転翼12によって流路21に送り込まれようとする水は、連通孔27から流路21内に進入してもよい。または、流路21の下端が、開放された入口41となっていて(図3参照)、水が、入口41から流路21内に進入してもよい。
本体部22の表面22Aの上側領域には、本体部22を厚さ方向に貫通しつつ流路21の上端部に連通する出口28が形成されている。前述したように回転翼12によって流路21に送り込まれた水は、流路21内を上昇した後に、出口28から流路21の外へ流出し、洗濯槽1内の洗濯物に出入口8側から降りかかる。なお、本体部22の表面22Aには、出入口8を開閉する扉29が設けられていてもよい。
このような本体部22は、部品20が洗濯槽1の内周部分1Aに装着された状態において、軸方向Xに沿って延びていて、バランサー13と洗濯槽1の底壁7との間に架設される(図1参照)。
部品20が洗濯槽1の内周部分1Aに装着された状態を基準として、第1係合部23は、本体部22における底壁7側の端部22C(ここでは下端部)に設けられている(図1参照)。図5を参照して、第1係合部23は、本体部22の下端面において、流路21を挟むように流路21の両側に1つずつ配置されていて、下方へ尖る杭状をなしている。なお、本体部22の端部22Cでは、第1係合部23の周囲に、フランジ状や爪状の位置決め部30が設けられていてもよい。部品20が洗濯槽1の内周部分1Aに装着される際、位置決め部30は、洗濯槽1の底壁7に当接することによって、本体部22の端部22Cを底壁7に対して位置決めする。
第2係合部24は、本体部22においてバランサー13側の端部22D(ここでは上端部)に1つ設けられている(図1参照)。端部22Dは、前述した(本体部22の上端に位置する)フランジ25Aのことである。フランジ25Aにおいて前述した直交方向Yにおける略中央部には切り欠き31が形成されている。切り欠き31は、上方から見て、直交方向Yに沿う矩形状であり、フランジ25Aを本体部22の裏面22B側から切り欠いている。そのため、切り欠き31では、裏面22B側が開放されている。
第2係合部24は、上から見て切り欠き31にちょうど収まる大きさの略直方体形状である。第2係合部24は、中実でもよいし、中空でもよい。この実施形態の第2係合部24は中空であり、第2係合部24の中空部分は、図5に示すように裏面22B側において開放されている。
第2係合部24は、切り欠き31の最深部31A(表面22A側の端部)においてフランジ25Aに連結されていて、最深部31A以外ではフランジ25Aに接触していない。つまり、第2係合部24は、最深部31Aを回動中心とするヒンジ構造で本体部22のフランジ25A(直交方向Yにおける略中央部)に接続されている。また、最深部31Aには、図4に示すように、架設部32が、部品20の一部として設けられている。架設部32は、フランジ25Aと第2係合部24との間に架設されている。架設部32は、単数でも複数でもよいが、複数設けられる場合には、直交方向Yに離れて配置されている。
このように本体部22のフランジ25Aに接続された第2係合部24は、可撓性を有し、最深部31Aを中心として上下に回動することができる。ちなみに、図1〜図7の各図における第2係合部24は、外力が作用してない状態(撓んでいない状態であり、「通常状態」ということにする)にある。通常状態の第2係合部24は、本体部22のフランジ25Aから上方へ突出している。最深部31Aにおけるフランジ25Aと架設部32とは、第2係合部24を、通常状態に維持するように(本体部22のフランジ25Aから突出するように)付勢している。
図6は、図1において、洗濯槽1の内周部分1Aに対して部品20が着脱される途中の状態を示している。図7は、内周部分1Aに部品20が装着された状態における洗濯槽1の要部を示す図である。
次に、図6および図7を参照して、洗濯槽1についてさらに説明する。
図6に示すように、洗濯槽1の底壁7において窪み11を区画する面(厳密には、前述した外周部7Aの内周面7Cと中心部7Bの上面7Dとの境界らへん)には、下方へ延びる凹状(孔形状)の第1受入部33が、第1係合部23と同数(ここでは2つ)設けられている。
図7に示すように、バランサー13の対向面13Cにおいて、バランサー13の外周面13A側へ偏った位置には、上方へ窪む凹状の第2受入部34が設けられている。そのため、軸方向Xにおける対向面13Cの位置は、外周面13A側と内周面13B側とで、第2受入部34の分だけずれている。
洗濯槽1の周方向において、第1受入部33と第2受入部34とはほぼ同じ位置にある。また、第1受入部33と第2受入部34との組は、部品20の数に対応している。そのため、部品20が単数存在すれば、当該組も単数存在し、部品20が複数存在すれば、当該組も複数存在する。
また、洗濯槽1の円周壁6の内周面6Cにおいて、第1受入部33と第2受入部34とに挟まれた領域には、中心軸5側へ突出するピン45が設けられている(図6参照)。ピン45は、部品20の本体部22の裏面22Bに設けられたボス40(図3および図5参照)と同数設けられている。
以上を踏まえて、洗濯槽1の内周部分1Aに対して部品20を装着する手順について説明する。
まず、図6に示すように、部品20を、第1係合部23が先頭となるように、出入口8から洗濯槽1内に収容する。そして、各第1係合部23を、対応する第1受入部33に上から(出入口8側から)差し込む。図6では、第1係合部23が第1受入部33に途中まで差し込まれた状態(第1係合部23が第1受入部33によって受け入れられ、底壁7に係合した状態)が示されている。この状態の部品20は、軸方向Xに対して傾いていて、部品20における第2係合部24側が、バランサー13の内周面13Bよりも中心軸5側にある。
次いで、部品20を、第1係合部23を中心として回動させ、第2係合部24側を円周壁6の内周面6Cに接近させる。すると、前述した通常状態の第2係合部24がバランサー13(内周面13Bと対向面13Cとの接続部分)にぶつかることで、部品20の回動が一旦停止する。そこで、ドライバー等の工具によって第2係合部24を下側へ押さえ付け、第2係合部24を通常状態から下側へ撓ませる。この状態で部品20を引き続き回動させると、下側へ撓んだ状態の第2係合部24は、バランサー13の対向面13C(第2受入部34と内周面13Bとの間の部分)をくぐる(図7も参照)。ちなみに、第2係合部24がバランサー13の対向面13Cをくぐっているときには、対向面13Cが第2係合部24を通常状態から下側へ撓ませているので、前述した工具を第2係合部24から離していてもよい。図7に示すように、部品20のフランジ25およびリブ26(どちらか一方でもよい)が円周壁6の内周面6Cに接触すると、部品20の回動が停止する。
このとき、第1係合部23が第1受入部33(図6参照)に完全に差し込まれた状態(底壁7に完全に係合した状態)となっている(図示せず)。また、部品20の回動が停止したとき、今まで下側へ撓んでいた第2係合部24が、第2受入部34の真下に到達する。第2係合部24が第2受入部34の真下に到達すると、第2係合部24を下側へ押さえ付けるものがいなくなる。そのため、第2係合部24は、通常状態に戻ろうとすることで本体部22から第2受入部34へ向けて突出するように(前述した最深部31Aにおけるフランジ25Aと架設部32とによって)付勢される。よって、第2係合部24は、第2受入部34に対して下から進入し、図7に示すように、第2受入部34によって受け入れられることで、バランサー13に係合する。この結果、洗濯槽1の内周部分1Aに対する部品20の装着が完了する。
なお、この状態では、洗濯槽1の円周壁6の内周面6Cに設けられたピン45(図6参照)が、部品20の本体部22の裏面22Bにおいて対応するボス40(図3および図5参照)の中空部分に刺さっている。これにより、部品20は、洗濯槽1の内周部分1Aに対して、確実に位置決めされた状態で装着されている。
一方、洗濯槽1の内周部分1Aから部品20を取り外す場合には、バランサー13の対向面13Cと部品20のフランジ25Aとの間に、マイナスドライバー等の工具35において尖った部分を差し込む。これにより、工具35の尖った部分で第2係合部24を下側へ押さえ付け、第2係合部24を通常状態から下側へ撓ませると、第2係合部24が第2受入部34から下方へ外れる。この状態で、部品20を、図6に示すように、第1係合部23を中心として中心軸5側へ回動させ、第2係合部24側を円周壁6の内周面6Cから離間させると、下側へ撓んだ状態の第2係合部24は、バランサー13の対向面13C(第2受入部34と内周面13Bとの間の部分)をくぐる。ちなみに、第2係合部24がバランサー13の対向面13Cをくぐっているときには、対向面13Cが第2係合部24を通常状態から下側へ撓ませているので、工具35を第2係合部24から離してもよい。また、部品20の回動に伴い、洗濯槽1の円周壁6の設けられたピン45(図6参照)が、部品20の本体部22のボス40(図3および図5参照)の中空部分から外れる。
第2係合部24がバランサー13の内周面13Bよりも中心軸5側にくると、第2係合部24が通常状態に戻る。次いで、部品20の回動を停止させて、部品20を出入口8側へ引き抜く。すると、各第1係合部23が第1受入部33から外れる。これにより、洗濯槽1の内周部分1Aに対する部品20の取り外しが完了する。
以上のように、部品20(特に、第1係合部23および第2係合部24)と、洗濯槽1における第1受入部33および第2受入部34とは、洗濯槽1の内周部分1Aに対して部品20を着脱するための着脱構造50を構成している(図6および図7参照)。
また、図7に示すように、洗濯槽1の内周部分1Aに装着された部品20では、本体部22が出入口8側のバランサー13と底壁7との間に架設された状態となる。
洗濯槽1の内周部分1Aに部品20を装着する場合、前述したように、部品20の第1係合部23を底壁7に係合させてから、本体部22がバランサー13と底壁7との間に架設されるまで第2係合部24を撓ませた後に、第2係合部24を撓む前の状態に戻してバランサー13に係合させればよい。つまり、バランサー13を洗濯槽1から取り外してから第1係合部23を底壁7に係合させ、その後にバランサー13を洗濯槽1に取り付け直して第2係合部24をバランサー13に係合させるといった手間を省くことができる。
洗濯槽1の内周部分1Aから部品20を取り外す場合、前述したように、第2係合部24を撓ませてバランサー13から外した後に第1係合部23を底壁7から外し、部品20全体を洗濯槽1の内周部分1Aから引き出せばよい。つまり、バランサー13を洗濯槽1から取り外すことで第2係合部24をバランサー13から外し、第1係合部23を底壁7から外して部品20全体を洗濯槽1の内周部分1Aから引き出した後に、バランサー13を洗濯槽1に取り付け直すといった手間を省くことができる。
以上の結果、バランサー13が洗濯槽1に組み付けられたままの状態で洗濯槽1の内周部分1Aに対して部品20を着脱できるので、洗濯槽1の内周部分1Aに対する部品20の着脱の容易性の向上を図ることができる。
また、部品20を洗濯槽1の内周部分1Aに固定するためのねじ等の別部品が不要になるので、部品20の着脱に関する工数およびコストの低減を図ることができる。
ちなみに、本願発明と異なり、部品20を洗濯槽1の底壁7とバランサー13とで挟み込んで支持する場合には、洗濯槽1におけるバランサー13および部品20の組付の順番が必然的に決まってしまい、順番を間違えた場合には、組み直しが必要となる。しかし、本願発明の場合には、洗濯槽1にバランサー13が組み付けられた後の任意のタイミングで部品20を洗濯槽1に組み付けることができるので、便利である。
そして、底壁7に設けられた第1受入部33が第1係合部23を受け入れるので、第1係合部23を底壁7に確実に係合させることができる(図6参照)。また、バランサー13において底壁7に対向する面(対向面13C)に設けられた第2受入部34が第2係合部24を受け入れるので、第2係合部24をバランサー13に確実に係合させることができる。
また、第2係合部24をヒンジ構造で本体部22に接続し、本体部22から突出するように付勢しておくことによって、第2係合部24を撓み可能かつバランサー13に係合可能にすることができる。
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、第1係合部23および第2係合部24のそれぞれは、洗濯槽1の内周部分1Aに係合できる爪として機能できるのであれば、任意の形状とすることができる。
また、第1係合部23および第2係合部24のそれぞれの数も任意に設定できるが、前述したように工具等を用いて撓ませる必要がある第2係合部24の数は、少ない方が好ましい。
また、図7に示すように部品20を洗濯槽1の内周部分1Aに装着した状態では、部品20全体が不自然に撓むことで、本体部22の長手方向(軸方向X)における中央部分22E(中央部分22Eおよびその周辺部分も含む)が内周部分1A(円周壁6の内周面6C)から中心軸5側へ不意に浮き上がってしまうことが想定される。中央部分22Eが浮き上がると、本体部22の裏面22Bにおけるリブ26と内周面6Cとの間に隙間が発生してしまい、前述した流路21の密閉性(連通孔27、入口41および出口28以外の領域における密閉性)が当該隙間において低下する虞がある。具体的には、流路21を流れる水が当該隙間から漏れ出ることで、洗濯槽1内と流路21との間で循環する水の量が減少する等の不具合が生じる虞がある。
そこで、中央部分22Eを洗濯槽1の内周部分1Aに対してねじ等で締結することが考えられるが、これでは、手間が煩わしく、部品点数の増加にもつながるので、図5に示すように、中央部分22Eに対して爪状の第3係合部43を設けるとよい。第3係合部43は、前述した着脱構造50に含まれる。なお、説明の便宜上、第3係合部43は、図5および図7だけにおいて図示されている。
図5を参照して、第3係合部43は、前述した直交方向Yにおける中央部分22Eの両端部(流路21を挟む一対のフランジ25)のそれぞれに1つずつ設けられていて、本体部22の表面22A側とは反対側(円周壁6の内周面6C側)に突出している。各第3係合部43の先端部43Aは、鉤状になっている。各第3係合部43は、その基端部43Bにおいて中央部分22Eに対してヒンジ構造で接続されており、各第3係合部43では、先端部43A側が基端部43Bを中心として撓むことができる。各第3係合部43は、本体部22に一体的に設けられていてもよい。
部品20を洗濯槽1の内周部分1Aに装着する際、図7を参照して、部品20における中央部分22Eらへんを円周壁6の内周面6Cに押し付ければ、各第3係合部43の先端部43Aが、円周壁6を貫通するように形成された取り付け孔44に嵌め込まれ、円周壁6における取り付け孔44の周縁部(つまり、洗濯槽1の内周部分1A)に係合する。
一方、部品20を洗濯槽1の内周部分1Aから取り外す際には、第2係合部24の場合と同様に、マイナスドライバー等の工具35において尖った部分を、取り付け孔44に差し込んで各第3係合部43の先端部43A側を撓ませ、先端部43Aを取り付け孔44から外す。これにより、各第3係合部43と洗濯槽1の内周部分1Aとの係合状態を簡単に解消することができる。
以上のように、第3係合部43を設けた構成であれば、部品20を洗濯槽1の内周部分1Aに装着する場合、本体部22の中央部分22Eの各第3係合部43を洗濯槽1の内周部分1Aに係合させれば、当該中央部分22Eが洗濯槽1の内周部分1Aから浮き上がることを防止できる。一方、部品20を洗濯槽1の内周部分1Aから取り外す際には、第3係合部43を洗濯槽1の内周部分1Aから外せばよい。以上により、部品20が洗濯槽1の内周部分1Aに装着された状態における本体部22の中央部分22Eの浮き上がりを防止しつつ、洗濯槽1の内周部分1Aに対する部品20の高い着脱性を実現できる。
なお、中央部分22Eは、本体部22の長手方向における厳密な中央位置に存在しなくてもよく、当該中央位置からずれていても構わない。また、中央部分22Eに設けられる第3係合部43の形状および個数は任意に変更可能である。
1 洗濯槽
1A 内周部分
7 底壁
8 出入口
13 バランサー
13C 対向面
20 部品
22 本体部
22C 端部
22D 端部
22E 中央部分
23 第1係合部
24 第2係合部
33 第1受入部
34 第2受入部
43 第3係合部
50 着脱構造
X 軸方向

Claims (2)

  1. 洗濯物が出し入れされる出入口と前記出入口に対向配置された底壁とを有する有底円筒状の洗濯槽の内周部分に対して部品を着脱するための着脱構造であって、
    前記部品は、
    前記洗濯槽における前記出入口側に取り付けられたバランサーと前記底壁との間に架設される本体部と、
    前記本体部における底壁側の端部に設けられ、前記底壁に係合する第1係合部と、
    前記本体部において前記バランサー側の端部に設けられ、可撓性を有し、前記バランサーに係合する第2係合部と、
    を含み、
    前記底壁には、前記第1係合部を受け入れる第1受入部が設けられ、
    前記バランサーにおいて前記底壁に対向する面には、前記底壁から前記出入口側へ離れる方向へ窪んで前記第2係合部を受け入れる凹状の第2受入部が設けられ、
    前記第2係合部は、ヒンジ構造で前記本体部に接続されており、前記本体部から前記第2受入部へ向けて突出するように付勢されていることを特徴とする、洗濯槽の内周部分に対して部品を着脱するための着脱構造。
  2. 前記本体部の長手方向における中央部分に対してヒンジ構造で接続された爪状であり、前記洗濯槽の内周部分に係合する第3係合部を含むことを特徴とする、請求項1記載の着脱構造。
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