JP6294155B2 - アレルゲン検査装置 - Google Patents

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本発明は、ダニアレルゲン等の抗原の濃度を検査するアレルゲン検査装置に関し、更に詳細には、室内の布団、枕、座布団、床、ソファなどに堆積したダニアレルゲン等の抗原を採集して、現場で抗原濃度を簡単に測定できるアレルゲン検査装置に関する。
この種のアレルゲン検査装置としては、実用新案登録第3066597号公報(特許文献1)が知られている。本願の図面の図12に示されるように、このアレルゲン検査装置は、ケーシング101の中に、サンプリング用のぬぐい取りピン102を抗原採取部として立設し、その周囲に錐体を形成し、更にその周囲に捕集溝103を形成した吸込部が形成されている。ぬぐい取りピン102の先端で床面等を擦過してハウスダストを付着させ、その上から抽出液を滴下してハウスダストに含まれる抗原を下方に流下させ、錐体の周壁から外方に流下する抽出液は不要液として捕集溝103で回収する。抗原を含有する抽出液は輸送ゾーン104に吸い込まれ、毛管現象により複合体ゾーン105に浸入する。複合体ゾーンには金コロイド等で着色された着色標識抗体が配置され、流入した抗原は着色標識抗体と結合して抗原着色標識抗体複合体となって反応ゾーン106に抽出液と共に流入する。反応ゾーン106には、抗原着色標識抗体複合体の抗原を結合捕獲する固定化抗体が信号ゾーン107、107として2本配置されている。つまり、抗原着色標識抗体複合体は信号ゾーン107、107の固定化抗体に結合し、信号ゾーン107、107は捕獲した抗原の濃度に応じて着色される。金コロイドであれば赤色であり、信号ゾーン107、107は赤色に着色される。浸入した抽出液は収容ゾーン109に収容される。検査者は開放された信号窓110から信号ゾーンを透視し、信号ゾーン107、107の着色の程度で抗原濃度を判定する。
しかし、特許文献1のケーシング101の構造から分かるように、内蔵部材はケーシング101の中に分離できないように収蔵されている。そのため、検査前に試験片などの内蔵部材をケーシング101の内部で位置調整することが不可能であり、位置がずれている場合には不良品として廃棄しなければならない無駄が生じる。更に、検査終了後はそのまま全体を廃棄することになるから、内蔵部材とケーシング101を分別廃棄することも不可能である。また、捕集溝103に溜まった抽出液は無駄に捨てられることになり、一定量をぬぐい取りピン102の中に浸透させる為には、過剰な抽出液を注入する必要が生じる。特に、信号ゾーン107は2本しかなく、アレルゲン濃度の精細な判定が困難である。
精細なアレルゲン濃度を測定するために、特開2002−267670号公報(特許文献2)に示されるアレルゲン検査装置が開発された。本願の図面の図13に示されるように、このアレルゲン検査装置は、装置カバー203の外面側にぬぐい取りピン201とその周囲に液溜め202を設け、測定窓210から透視できる部位に3本の信号ゾーン207、信号ゾーン208及び信号ゾーン209を設けている。信号ゾーン207は抗原着色標識抗体複合体を捕獲するテストラインAと称され、信号ゾーン208は同じく抗原着色標識抗体複合体を捕獲するテストラインBと称され、信号ゾーン209は未反応の着色色標識抗体を捕獲するコントロールラインと称されている。ぬぐい取りピン201の先端にハウスダストを採集し、この上から着色標識抗体を含有する抽出液を滴下し、抗原が抽出液中で着色標識抗体と結合して抗原着色標識抗体複合体となる。抗原着色標識抗体複合体は2本の信号ゾーン207、208に結合して信号ゾーン207、208は抗原濃度に従って着色される。抗原と結合しなかった着色標識抗体は信号ゾーン209に結合して、信号ゾーン209は着色される。従って、3本の信号ゾーン207、208、209を使用しており、3本線の着色状態から抗原濃度を測定するため、特許文献1よりは精細な抗原濃度を検出することができる点で進歩している。
しかしながら着色標識抗体を含んだ抽出液を滴下させるため、抽出液の長期保存による着色標識抗体の発色低下が必然的に生じる弱点を有する。また、ぬぐい取りピン201の中を浸透しないで、外壁を流下する余分な抽出液は液溜め202に溜められて廃棄されるため、過剰な抽出液を必要とし、しかも液溜め202に溜まる金コロイド等の着色標識抗体は高価であるにも拘わらず廃棄される欠点がある。図から判断する限り、内蔵部材は装置カバー203の中に分離できないように収蔵されている。そのため、検査前に試験片などの内蔵部材を装置カバー203の内部で位置調整することが不可能であり、位置がずれている場合には不良品として廃棄しなければならない無駄が生じる。更に、検査終了後はそのまま全体を廃棄することになるから、内蔵部材と装置カバー203を分別廃棄することも不可能である。
更に、より精細な抗原濃度を検査するために、特許第4933258号公報(特許文献3)が開示されている。この特許文献3については後述する。
実用新案登録第3066597号公報 特開2002−267670号公報 特許第4933258号公報
本願の図面の図14に示されるように、特許文献3のアレルゲン検査装置では、ハウスダストから抽出された抗原は抽出液と共に、試料受入ゾーン301、標識ゾーン302、試験領域303へと矢印方向に流動する。即ち、試料受入ゾーン301で抗原は抽出液に分散し、標識ゾーン302で抗原は着色標識抗体と結合して抗原着色標識抗体複合体になり、試験領域303で抗原着色標識抗体複合体は試験ゾーンで捕獲固定され、且つ抗原と結合しないで流れる着色標識抗体はコントロールゾーンで捕獲固定されて、試験ゾーンとコントロールゾーンは着色化して抗原濃度が判定される。
しかしながら、特許文献3のアレルゲン検査装置は、発明の名称が「試料中の複数分析物の検出装置」であるように、採取した試料中の2以上の異なる分析物(アレルゲン)を同時に検出することを目的としている。本願の図14に示されるように、検出例として、Aは試験ゾーン→コントロールゾーン→試験ゾーンの3本線、Bは試験ゾーン→コントロールゾーン→試験ゾーン→コントロールゾーン→試験ゾーンの5本線、Cは試験ゾーン→コントロールゾーン→試験ゾーン→試験ゾーン→コントロールゾーン→試験ゾーンの6本線、Dは試験ゾーン→試験ゾーン→コントロールゾーンの3本線が図示されている。また、複数の分析物として、インフルエンザ、肺炎連鎖球菌、HIV、狼そう、ピロリ、トキソプラズマ、ヘルペス、ボレリア菌、風疹、サイトメガロウイルス、リュウマチ性関節炎などが例示され、これらから選択された2以上の分析物の検査装置が提案されているのである。
しかし、この様に2種以上の抗原を分析する場合には、現場で簡易にしかも正確に検査することはかなり困難である。通常は、試料を病院や研究所に持ち帰って検査し、2種以上の抗原を特定するという次第になる。従って、特許文献3は現場における簡易分析からかけ離れたアレルゲン検査装置を提案しており、簡易検査装置としては不適と云わざるを得ない。
しかも、2種以上の抗原を分析する具体的なアレルゲン検査装置の構造は全く開示されておらず、実現性が極めて不明である。
従って、本発明の目的は、布団、枕、座布団、床、ソファなどの建物内の対象物に堆積したダニアレルゲン等の抗原をハウスダストと共に採集し、ハウスダストの中に含まれる特定の抗原の濃度を現場で簡単に測定できるアレルゲン検査装置を提供し、蓋体と本体容器を手指で簡単に分離結合できるようにして、内部の試験片の位置調整を容易にすると共に、試験片と蓋体・本体容器の分別廃棄を可能にし、また試験片を設定位置に容易に配置できると共に内部で試験片が設定位置からずれない構造を有し、同時に蓋体を本体容器に嵌合するだけで蓋体と本体容器が固く一体化するアレルゲン試験装置を提供することである。
更に、本発明の他の目的は、試験片の判定部にテストライン1とテストライン2とコントロールラインの3本線の検出ラインを設け、抗原の濃度に依存して前記テストライン1と前記テストライン2と前記コントロールラインの着色の程度の組合せが、この順に、(なし、なし、濃色)、(淡色、なし、濃色)、(淡色、なし、淡色)、(濃色、なし、淡色)、(濃色、淡色、淡色)、(濃色、濃色、淡色)の6段階に判定され、前記着色の程度が前記組合せのいずれかになるときに、前記組合せの順番に抗原濃度が、なし、超低、低、中、高、超高の6段階に精細に判定することができるアレルゲン試験装置を提供することである。
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、本発明の第1の形態は、抗原を含有した抽出液を吸い込む吸込部と抗原濃度を外部から視認により判定する透視窓と吸い込んだ抽出液を蒸発させる空気孔を天板に穿孔した長手状の蓋体と、前記吸込部から外方に吸込芯突部を突出させ吸込芯基部を内部に配置した吸込芯と、吸込部から吸込んだ抽出液を吸引する浸透部と抽出液に含有される抗原と反応する反応部と検出ラインの着色によりアレルゲン濃度を判定する判定部と吸い込んだ抽出液を吸収させる吸収部からなる試験片と、前記浸透部を載置する浸透部載置台と前記判定部を載置する判定部載置台と前記吸収部を載置する吸収部載置台を底板に突設した長手状の本体容器から構成され、前記蓋体は前記本体容器に嵌合して一体化され、前記蓋体の周壁の一部に蓋開放片が突設され、前記本体容器の本体周壁で前記蓋開放片の近傍に本体開放片が突設され、前記蓋開放片と前記本体開放片を手指で相互に離間可能にして前記蓋体を前記本体容器から開放又は分離するアレルゲン検査装置である。
本発明の第2の形態は、前記浸透部載置台の上面である浸透部載置面の側縁から前記本体容器の本体側壁内面に向かって上昇するスロープを形成し、前記試験片の浸透部を前記スロープに沿って滑らせて前記浸透部載置面に配置可能にしたアレルゲン検査装置である。
本発明の第3の形態は、前記浸透部載置面の左右の側縁から前記本体容器の左右の本体側壁内面に向かって上昇する左右のスロープを形成したアレルゲン検査装置である。
本発明の第4の形態は、前記スロープの長さを前記浸透部載置台の長さより短く形成したアレルゲン検査装置である。
本発明の第5の形態は、前記試験片の前記反応部には抗原と結合する着色標識抗体が配置され、前記検出ラインがテストライン1とテストライン2とコントロールラインの順番に配置された3本線からなり、前記テストライン1と前記テストライン2には同一の抗原が結合する第1固定化抗体が配置されており、抽出液と共に前記反応部に流入する抗原は前記着色標識抗体と結合して抗原着色標識抗体複合体を形成し、抽出液と共に前記判定部に流入する前記抗原着色標識抗体複合体は前記テストライン1と前記テストライン2の第1固定化抗体と結合して複合体固定化抗体となり、前記テストライン1と前記テストライン2は前記複合体固定化抗体によって着色されて視覚化され、前記コントロールラインには着色標識抗体が結合する第2固定化抗体が配置され、前記抗原と結合しなかった着色標識抗体は抽出液と共に前記コントロールラインに到達し第2固定化抗体と結合して着色標識抗体固定化抗体になり、前記コントロールラインは前記着色標識抗体固定化抗体によって着色されて視覚化されるアレルゲン検査装置である。
本発明の第6の形態は、前記抗原の濃度に依存して前記テストライン1と前記テストライン2と前記コントロールラインの着色の程度の組合せが、この順に、(なし、なし、濃色)、(淡色、なし、濃色)、(淡色、なし、淡色)、(濃色、なし、淡色)、(濃色、淡色、淡色)、(濃色、濃色、淡色)の6段階に判定され、前記着色の程度が前記組合せのいずれかになるときに、前記組合せの順番に抗原濃度が、なし、超低、低、中、高、超高の6段階に判定することができるアレルゲン検査装置である。
本発明の第7の形態は、前記吸込部は抽出液を先細り状に流下させるすり鉢状の吸込面を有し、吸込面の先端には抽出液を前記吸込芯基部に浸入させる注出口が形成されるアレルゲン検査装置である。
本発明の第8の形態は、前記蓋体の長手方向の後端壁に補助開放片が突設され、前記補助開放片を押圧して前記蓋体を前記本体容器から分離するアレルゲン検査装置である。
本発明の第9の形態は、前記蓋体の周壁で前記蓋開放片の位置と反対側に連結片を突設し、前記本体容器の周壁に前記連結片を接続させ、前記連結片をヒンジとして機能させて、前記蓋体を前記本体容器から開放したときに前記蓋体を前記本体容器から分離不能にするアレルゲン検査装置である。
本発明の第10の形態は、前記蓋体の左右の側壁の内面に複数の側壁挿込片を突設し、前記側壁挿込片を前記本体容器の左右の本体側壁の内面に摺接するように挿込んで、前記蓋体を前記本体容器に嵌合するアレルゲン検査装置である。
本発明の第11の形態は、前記蓋体の前端壁の内面に前端挿込片を突設し及び/又は前記蓋体の後端壁の内面に後端挿込片を突設し、前記前端挿込片及び/又は前記後端挿込片を前記本体容器の前後にある本体前端壁及び/又は本体後端壁の内面に摺接するように挿込んで、前記蓋体を前記本体容器に嵌合するアレルゲン検査装置である。
本発明の第12の形態は、前記透視窓の周囲を囲うように前記蓋体の天板内面に透視窓枠体を突設し、前記透視窓枠体が判定部に接近するに従って枠体矩形面積が縮小するように錐枠状に形成され、前記透視枠体を通して前記判定部の肉眼判定を容易にするアレルゲン検査装置である
本発明の第13の形態は、前記透視窓を挟むように浸透部側に押え突起を且つ空気孔側に吸収部押え突起を前記蓋体の天板内面に形成し、前記押え突起の先端が保護シールを介して試験片の反応部の表面を規制し、前記吸収部押え突起が保護シールを介して吸収部の表面を規制して、試験片の上下動きを規制するアレルゲン検査装置である。
本発明の第14の形態は、前記試験片の吸収部を判定部側から小厚の前段吸収部とその後方に大厚の後段吸収部に分割し、前記吸収部押え突起が前段押え突起と後段押え突起に2個配置され、前段押え突起が保護シールを介して前段吸収部の表面を規制し、後段押え突起が直接的に後段吸収部の表面を規制して、試験片の上下動きを規制するアレルゲン検査装置である。
本発明の第15の形態は、前記本体容器の底板内面で、前記浸透部載置台の前側に本体前端規制片を突設し及び/又は前記吸収部載置台の後側に本体後端規制片を突設し、試験片を浸透部載置台と判定部載置台と吸収部載置台に載置したときに、本体前端規制片と本体後端規制片により前記試験片の縦ずれを規制するアレルゲン検査装置である。
本発明の第16の形態は、前記本体容器の浸透部載置台及び/又は吸収部載置台の左右の側縁から横ずれ防止壁を突設し、試験片を載置したときに、試験片の左右の側縁が左右の横ずれ防止壁に規制され、前記試験片の横ずれを規制するアレルゲン検査装置である。
本発明の第1の形態によれば、抗原を含有した抽出液を吸い込む吸込部と抗原濃度を外部から視認により判定する透視窓と吸い込んだ抽出液を蒸発させる空気孔を天板に穿孔した長手状の蓋体を設けているから、空気孔によりアレルゲン検査装置の内外は連通しており、このため抽出液は円滑に継続的に吸い込まれると共に空気孔から蒸発放出される構造を有し、抽出液が効率的に吸い込まれて検査効率が向上する効果を有する。
また、前記吸込部から外方に吸込芯突部を突出させ吸込芯基部を内部に配置した吸込芯と、吸込部から吸込んだ抽出液を吸引する浸透部と抽出液に含有される抗原と反応する反応部と検出ラインの着色によりアレルゲン濃度を判定する判定部と吸い込んだ抽出液を吸収する吸収部からなる試験片を配置するから、吸込芯基部を浸透部に全面接触するように配置すれば、吸込芯から吸い込まれた抽出液が抗原と共に吸込芯基部から浸透部へと円滑に流動して行くことができる。
更に、試験片の前記浸透部を載置する浸透部載置台と前記判定部を載置する判定部載置台と前記吸収部を載置する吸収部載置台を底板に突設した長手状の本体容器から構成されるから、試験片の配置と設定が容易に行える利点を有する。
また更に、前記蓋体は前記本体容器に嵌合して一体化され、前記蓋体の周壁の一部に蓋開放片が突設され、前記本体容器の本体周壁で前記蓋開放片の近傍に本体開放片が突設されるから、前記蓋開放片と前記本体開放片を手指で相互に離間させれば前記蓋体を前記本体容器から簡単に分離することができ、試験片が外れたりしている場合には試験片を正しい位置に再配置することが簡単に行え、同様に、検査の終了後には、蓋体を本体容器から開放又は分離して試験紙を燃えるごみとして廃棄し、蓋体と本体容器はプラスチックとして分別廃棄することが可能になる利点を有する。
本発明の第2の形態によれば、前記浸透部載置台の上面である浸透部載置面の側縁から前記本体容器の本体側壁内面に向かって上昇するスロープを形成し、前記試験片の浸透部を前記スロープに沿って滑らせて前記浸透部載置面に配置可能にしたアレルゲン検査装置が提供できる。試験片を正しい位置に配置する場合に、試験片の浸透部を前記スロープに当接させ、スロープに沿って下方へと滑らせて下降させるだけで、最下端位置にある前記浸透部載置面に試験片の浸透部を簡単に配置することができる。その結果、試験片を正しい位置に簡単に配置設定することが可能になる。スロープは浸透部載置台の片側に配置しても、両側に配置しても構わない。
本発明の第3の形態によれば、前記浸透部載置面の左右の側縁から前記本体容器の左右の本体側壁内面に向かって上昇する左右のスロープを形成したアレルゲン検査装置が提供される。特に、浸透部載置面の左右に前記スロープが形成されているから、試験片の浸透部を前記浸透部載置面の右のスロープからでも、左のスロープからでも下方へと滑らせて、試験片を正しい位置に簡単に配置設定することができ、右利き及び左利きの組立て作業実行者に対応したアレルゲン検査装置を提供することが可能になった。
本発明の第4の形態によれば、前記スロープの長さを前記浸透部載置台の長さより短く形成したアレルゲン検査装置が提供できる。上方から抗原を含んだ抽出液が流下したときに、抽出液が直ちに試験片に吸収されずに、スロープの長さ方向に沿って流動して目減りする場合が有り、この様な場合には、試験片に吸収される抽出液量が減少し、測定されるべき抗原量が低減する事態が生じる。これを未然に防止するために、本形態ではスロープの長さを短くすることにより、抗原を含んだ抽出液が直ちに試験片に吸収されるように調整され、抗原の反応効率を向上させることができるようになった。
本発明の第5の形態によれば、前記試験片の前記反応部には抗原と結合する着色標識抗体が配置され、前記検出ラインがテストライン1とテストライン2とコントロールラインの順番に配置された3本線からなり、前記テストライン1と前記テストライン2には同一の抗原が結合する第1固定化抗体が配置されており、抽出液と共に前記反応部に流入する抗原は前記着色標識抗体と結合して抗原着色標識抗体複合体を形成し、抽出液と共に前記判定部に流入する前記抗原着色標識抗体複合体は前記テストライン1と前記テストライン2の第1固定化抗体と結合して複合体固定化抗体となり、前記テストライン1と前記テストライン2は前記複合体固定化抗体によって着色されて視覚化されるから、前記テストライン1と前記テストライン2の2本で同種の抗原を捕獲して固定化でき、2本のテストラインで抗原の濃度を着色表現することができる。
前記コントロールラインには着色標識抗体が結合する第2固定化抗体が配置され、前記抗原と結合しなかった着色標識抗体は抽出液と共に前記コントロールラインに流下して第2固定化抗体と結合して着色標識抗体固定化抗体になる。前記コントロールラインは前記着色標識抗体固定化抗体によって着色されて視覚化されるから、抗原と結合できずに抽出液と一緒に流下する着色標識抗体をコントロールラインで確実に捕捉でき、2本のテストラインの着色と1本のコントロールラインの着色により、抗原の濃度を精細に判定できるアレルゲン検査装置が提供できる。
本発明の第6の形態によれば、前記抗原の濃度に依存して前記テストライン1と前記テストライン2と前記コントロールラインの着色の程度の組合せが、この順に、(なし、なし、濃色)、(淡色、なし、濃色)、(淡色、なし、淡色)、(濃色、なし、淡色)、(濃色、淡色、淡色)、(濃色、濃色、淡色)の6段階に判定され、前記着色の程度が前記組合せのいずれかになるときに、前記組合せの順番に抗原濃度が、なし、超低、低、中、高、超高の6段階に判定することができるアレルゲン検査装置が提供される。
抽出液に抗原が含まれない場合には、抽出液と共に着色標識抗体のみが流下するためテストライン1、2には全く捕獲されず、コントロールラインの第2固定化抗体に捕獲されるだけであるから、テストライン1、2は着色無く、コントロールラインだけの着色で、(なし、なし、濃色)となる。
抽出液に抗原が含まれる場合には、抗原が反応部で着色標識抗体と結合して抗原着色標識抗体複合体が形成され、テストライン1及びテストライン2の第1固定化抗体に捕獲され、テストライン1及びテストライン2が着色される。着色の濃淡の判定は個人差があるから、本発明では個人差を無くして正確度を高めるために、着色がない・淡色・濃色の3種類とし、淡淡色や淡濃色や濃濃色のような淡色と濃色の中間色は間違いが生じるために判定しないこととした。
従って、抗原濃度が(なし、超低、低、中、高、超高)の6段階とすると、これらの抗原濃度段階に応じて、テストライン1は(なし、淡色、淡色、濃色、濃色、濃色)の6段階となり、テストライン2は(なし、なし、なし、なし、淡色、濃色)の6段階となり、コントロールラインは(濃色、濃色、淡色、淡色、淡色、淡色)の6段階となる。
抗原濃度が(超低、低、中)では、抗原量が少ないから、抗原着色標識抗体複合体も少なく、全量がテストライン1で捕獲され、テストライン1は(淡色、淡色、濃色)となり、捕獲のないテストライン2は(なし、なし、なし)となる。抗原量が少なくても抽出液は同量だけ流下するから、着色標識抗体も比例的に流れ、コントロールラインは(濃色、淡色、淡色)に着色される。
また、抗原濃度が(高、超高)では、抗原量が多いから、抗原着色標識抗体複合体も多く、テストライン1で捕獲されきれずに、溢れた過剰な抗原着色標識抗体複合体がテストライン2で捕獲される。従って、テストライン1は(濃色、濃色)となり、溢れた結果、テストライン2は(淡色、濃色)となる。着色標識抗体は殆どが複合体となって消費されているから、コントロールラインは(淡色、淡色)となる。
以上の様に、本発明により、テストライン1とテストライン2とコントロールラインの着色度を(なし、淡色、濃色)の3段階と判定することによって、3本線の着色度の組合せにより、抗原濃度を(なし、超低、低、中、高、超高)の6段階で判定することが可能になった。
本発明の第7の形態によれば、前記吸込部は抽出液を先細り状に流下させるすり鉢状の吸込面を有し、吸込面の先端には抽出液を前記吸込芯基部に浸入させる注出口が形成されるアレルゲン検査装置が提供できる。
このアレルゲン検査装置の使用方法は、吸込芯突部を吸込部の中心から外方に突出させて吸込芯突面で対象物を擦過し、吸込芯突面の表面にハウスダストを採集してハウスダストに向けて抽出液を注出すると、この抽出液はハウスダスト中の抗原を溶解分散して吸込芯突部の中を流下して吸込芯基部へと到達する。しかし、溢れた抽出液は、前記吸込部が先細り状であるすり鉢状の吸込面を有しているから、吸込面に沿って注入口へと流下し、抽出液のほぼ全量が無駄なく吸込芯基部に到達することができる。従って、本発明では、抽出液の一部を廃棄するといった無駄を無くすことに成功した。
本発明の第8の形態によれば、前記蓋体の長手方向の後端壁に補助開放片が突設され、前記補助開放片を押圧して前記蓋体を前記本体容器から分離するアレルゲン検査装置が提供できる。
前述したように、本発明のアレルゲン検査装置では、主として蓋体と本体容器との分離は蓋開放片と本体開放片の離間操作により行われるが、補助的に蓋体の後端壁に形成された補助開放片の開放方向への押圧によっても行うことができる。従って、本発明では、主として蓋体の前端壁側で分離操作を行い、補助的に蓋体の後端壁側で分離操作できる点で、分離操作の向上化が図られている。
本発明の第9の形態によれば、前記蓋体の周壁で前記蓋開放片の位置と反対側に連結片を突設し、前記本体容器の周壁に前記連結片を接続させ、前記連結片をヒンジとして機能させて、前記蓋体を前記本体容器から開放したときに前記蓋体を前記本体容器から分離不能にすることができるアレルゲン検査装置が提供できる。
連結片を設けて蓋体と本体容器を分離不能にしておけば、蓋体を本体容器から開放しても、蓋体と本体容器は一体に繋がっており、蓋体と本体容器がバラバラになることは無い。つまり、開放して試験片の位置調整をした後に直ぐに蓋体を本体容器に嵌合できるし、また使用後に試験片だけを廃棄した後でも、蓋体と本体容器を一体に廃棄できる利点を有する。
本発明の第10の形態によれば、前記蓋体の左右の側壁の内面に複数の側壁挿込片を突設し、前記側壁挿込片を前記本体容器の左右の本体側壁の内面に摺接するように挿込んで、前記蓋体を前記本体容器に嵌合するアレルゲン検査装置が提供できる。
本発明のアレルゲン検査装置は蓋体と本体容器の嵌合だけで一体化される。嵌合したときに、蓋体と本体容器とが摩擦的に一体化するように、蓋体の左右に突設された複数の側壁挿込片を前記本体容器の左右の本体側壁の内面に摺接しながら摩擦するように挿込むから、蓋体と本体容器とは摩擦的に一体となり、両者を分離するには前記摩擦に抗するだけの外力を要する。従って、蓋体と本体容器を嵌合すると、前述したように、両者の分離は主分離操作と補助分離操作で容易に行うことができ、他の力任せの分離操作では難しい。
本発明の第11の形態によれば、前記蓋体の前端壁の内面に前端挿込片を突設し及び/又は前記蓋体の後端壁の内面に後端挿込片を突設し、前記前端挿込片及び/又は前記後端挿込片を前記本体容器の前後にある本体前端壁及び/又は本体後端壁の内面に摺接するように挿込んで、前記蓋体を前記本体容器に嵌合するアレルゲン検査装置が提供できる。
本形態では、前述した蓋体と本体容器の嵌合強度を一層上げるために、蓋体の前端壁内面に前端挿込片を突設し、また前記蓋体の後端壁の内面に後端挿込片を突設し、これらの前端挿込片また後端挿込片を本体容器の前後にある本体前端壁また本体後端壁の内面に摺接するように挿込む構造を採用した。前端挿込片だけでも良く、また後端挿込片だけでも良く、更に強度向上のため前端挿込片と後端挿込片の両者を設けて、本体前端壁と本体後端壁の内面に摩擦摺接するように嵌合するから、蓋体と本体容器の嵌合強度を一層に向上することができる。
本発明の第12の形態によれば、前記透視窓の周囲を囲うように前記蓋体の天板内面に透視窓枠体を突設し、前記透視窓枠体が判定部に接近するに従って枠体矩形面積が縮小するように錐枠台状に形成され、前記透視枠体を通して前記判定部の肉眼判定を容易にするアレルゲン検査装置が提供できる。
透視窓はテストライン1、2とコントロールラインの着色度を外部から透視するための窓であり、一定の面積を有して開口されるから、その周囲を補強するために、透視窓の内部側を強化するために透視窓枠体が形成される。しかも、透視窓枠体が判定部に接近するに従って枠体矩形面積が縮小するように錐枠台状に形成することにより、強度の向上を図ると同時に、外部から視認するときに判定部を視覚的に見え易くする効果を有する。
本発明の第13の形態によれば、前記透視窓を挟むように浸透部側に押え突起を且つ空気孔側に吸収部押え突起を前記蓋体の天板内面に形成し、前記押え突起の先端が保護シールを介して試験片の浸透部又は反応部の表面を規制し、前記吸収部押え突起が保護シールを介して吸収部の表面を規制して、試験片の上下動きを規制するアレルゲン検査装置が提供できる。
試験片は浸透部、反応部、判定部、吸収部を直列にした長手状シート片であり、アレルゲン検査装置の内部で試験片を更に安定に固定するために、押え突起の先端で保護シールを介して試験片の浸透部又は反応部の表面を規制するから、試験片に傷がつかず安全且つ長期に使用が可能になる。また、吸収部押え突起で保護シールを介して吸収部の表面を規制するから、吸収部に傷がつかず安全且つ長期に使用が可能になり、アレルゲン検査装置内における試験片と吸収部の安定度と固定度を向上することができる。
本発明の第14の形態によれば、前記試験片の吸収部を判定部側から小厚の前段吸収部とその後方に大厚の後段吸収部に分割し、前記吸収部押え突起が前段押え突起と後段押え突起に2個配置され、前段押え突起が保護シールを介して前段吸収部の表面を規制し、後段押え突起が後段吸収部の表面を規制して、試験片の上下動きを規制するアレルゲン検査装置が提供できる。
本形態は、試験片の吸収部を小厚の前段吸収部とその後方に大厚の後段吸収部に2分割し、試験片全体としては、浸透部、反応部、判定部、前段吸収部、後段吸収部吸収部の直列構成となる。抽出液を吸収保持する役割の吸収部は一般に厚く設計されるが、抽出液をより効率的に吸収するために、小厚の前段吸収部とその後方に大厚の後段吸収部に2分割された。これらの前段吸収部と後段吸収部を上方から規制するために、高めの前段押え突起により保護シールを介して前段吸収部の上面を規制するから、吸収部の安定度と固定度を向上することができる。また、低めの後段押え突起により後段吸収部の上面を規制する構造を採用した。これにより前段吸収部と後段吸収部を確実に規制でき、前段吸収部と後段吸収部の上下動きを確実に規制することができる。
本発明の第15の形態によれば、前記本体容器の底板内面で、前記浸透部載置台の前側に本体前端規制片を突設し及び/又は前記吸収部載置台の後側に本体後端規制片を突設し、試験片を浸透部載置台と判定部載置台と吸収部載置台に載置したときに、本体前端規制片と本体後端規制片により前記試験片の縦ずれを規制するアレルゲン検査装置が提供できる。
本形態では、アレルゲン検査装置の内部において試験片が長手方向にずれる縦ずれを規制する構造が提供される。本体容器の底板内面で、浸透部載置台の前側に本体前端規制片を突設し、また前記吸収部載置台の後側に本体後端規制片を突設し、本体前端規制片と本体後端規制片により試験片の前後端を狭着することにより、試験片の縦ずれを防止できる。吸収部載置台に本体後端規制部材が存在する場合には本体前端規制片だけでよく、このときには試験片は本体前端規制片と本体後端規制部材により縦ずれ規制が行われる。また、浸透部載置台に本体前端規制部材が存在する場合には本体後端規制片だけでよく、このときには試験片は本体前端規制部材と本体後端規制片により縦ずれ規制が行われる。
本発明の第16の形態によれば、前記本体容器の浸透部載置台及び/又は吸収部載置台の左右の側縁から横ずれ防止壁を突設し、試験片を載置したときに、試験片の左右の側縁が左右の横ずれ防止壁に規制され、前記試験片の横ずれを規制するアレルゲン検査装置が提供できる。
本形態では、アレルゲン検査装置の内部において試験片が幅方向にずれる横ずれを規制する構造が提供される。本体容器の浸透部載置台と吸収部載置台の左右の側縁から横ずれ防止壁を突設し、試験片を載置したときに、試験片の左右の側縁が左右の横ずれ防止壁に規制されて、試験片の横ずれが防止される。勿論、浸透部載置台の左右の側縁だけに横ずれ防止壁を突設してもよいし、吸収部載置台の左右の側縁だけに横ずれ防止壁を突設してもよい。
図1は、本発明に係るアレルゲン検査装置の第1実施形態の分解斜視図である。 図2は、本発明において抗原検査シートとなる試験片を浸透部載置面に載置する手順説明図である。 図3は、本発明に係るアレルゲン検査装置に用いられる試験片の概略断面図である。 図4は、本発明に係るアレルゲン検査装置の第2実施形態の分解斜視図である。 図5は、本発明に係るアレルゲン検査装置の全体斜視図である。 図6は、本発明において図5のX−X線及びY−Y線断面端面図である。 図7は、本発明に係るアレルゲン検査装置を蓋体と本体容器に分離する手順斜視図である。 図8は、本発明に係るアレルゲン検査装置を手指で挟んで吸込芯突面を対象面に擦過して抗原をハウスダストと共に捕集する操作図である。 図9は、本発明において、吸込芯突面のハウスダストに抽出液を滴下してハウスダスト中の抗原を検査する状態の検査説明断面図である。 図10は、本発明において、抽出液により抗原を溶解分散させて着色標識抗体に結合させ、抗原濃度を判定部の3本線の着色により判定する判定説明図である。 図11は、本発明において、蓋体を本体容器に対し連結片により開閉可能かつ分離不能にした第3実施形態を示す概略斜視図である。 図12は、従来技術である実用新案登録3066597号公報特許文献1)に記載のアレルゲン検出装置の概略説明図である。 図13は、従来技術である特開2002−267670号公報(特許文献2)に記載のアレルゲン検出装置の3本線の概略説明図である。 図14は、従来技術である特許第4933258号公報(特許文献3)に記載のアレルゲン検査装置のマルチラインの概略説明図である。
以下に示すように、本発明に係るアレルゲン検査装置の実施形態を図面及び表に従って詳細に説明する。
図1は、本発明に係るアレルゲン検査装置の第1実施形態の分解斜視図である。アレルゲン検査装置1は、大きく分けて蓋体2と試験片30と本体容器50から構成され、試験片30を本体容器50の中の所定位置に配置した後、蓋体2をを本体容器50に嵌合して一体化される。以下に、蓋体2と試験片30と本体容器50の順に詳説する。
蓋体2は、長手状に形成された天板3と、天板3の左右の側縁に立設された長辺状の側壁4、4と、天板3の前後の端縁に立設された短辺状の前端壁10と後端壁6から構成される。後端壁6の上面である後端壁頂面7と面一になるように補助開放片8、8が突設され、後端壁6の内面に接して天板内面3aから後端挿込片9が後端壁頂面7から突出するように形成されている。
前端壁10には、上端壁頂面11と面一になるように略1/4楕円板状の蓋開放片12が外方に突設され、蓋開放片端部12aの根元で前端壁10に連続している。また、前端壁6の内面に接して天板内面3aから前端挿込片13が前端壁頂面11から突出するように形成されて、その突出端面が前端挿込片頂面13aとなっている。
左右の側壁4、4の内面に接するように、左右に複数個の側壁4、4・・が突設され、側壁頂面4aは側壁4から上方に突出している。また、天板3の所定位置には矩形状の透視窓16が開口され、透視窓16を囲うように天板内面3aから透視窓枠体16aが突設されており、透視窓枠体16aにより透視窓16の補強がなされている。透視窓16は後述する試験片30の判定部35が外部から透視できる位置に開口されている。
また、天板3には空気孔15、15が穿設されており、この空気孔15は後述する試験片30の吸収部31に対向する位置に設けられている。空気孔15によりアレルゲン検査装置1の内部と外部とが連通し、その内部が大気圧になるように設けられている。後述するように、空気孔15の存在により抽出液が吸収部31に円滑に吸収されて行き、吸収部31に吸収された抽出液は空気孔15から蒸発するように設計されている。
更に、蓋体2の前端側にはすり鉢状の吸込部19が形成され、後述する吸込芯20の吸込芯突部22が吸込部19から外方に突出するように配置され、長方体状の吸込芯基部21は吸込部19の内面に接触配置されている。
また、天板3の天板内面3aには、透視窓16を長手方向から挟むように、押え突起18と吸収部押え突起17が突設されている。後述するように、押え突起18は保護シール36の反応部保護シール端36bを介して試験片30の浸透部33又は反応部34を上方から規制し、その表面に接触してもよいし、微小間隙をあけて配置されてもよく、浸透部33又は反応部34の上下動きを規制する役目を有する。同様に、吸収部押え突起17は保護シール36の吸収部保護シール端36aを介して吸収部31を上方から規制し、その表面に接触してもよいし、微小間隙をあけて配置されてもよく、吸収部31の上下動きを規制する役目を有する。反応部保護シール端36b及び吸収部保護シール端36aを介して試験片30を規制するため、試験片30の表面が傷つけられることは無く、試験片の安定性と安全性と長寿命性を確保することができる。
試験片30は、基板テープ32の上に浸透部33と反応部34と判定部35と吸収部31を長手状に直列配置して構成されている。浸透部33の先端は試験片前端30aであり、吸収部31の後端は試験片後端30bである。浸透部33はセルロースなどの浸透部材33aから形成され、反応部34はガラス繊維などの反応部材34aから形成され、判定部35はセルロースなどの判定部材35aから形成され、吸収部31はガラス繊維などの吸収部材31aから形成されている。後述するように、反応部34には着色粒子を抗体に結合させた着色標識抗体が配置されて流入する抗原と結合して抗原着色標識抗体複合体を形成する。着色粒子としては赤色の金コロイドや着色されたラテックス粒子などがある。
判定部35には3本の検出ラインが形成され、前半2本はテストライン1(37)とテストライン2(38)であり、最後にコントロールライン39が配置されている。テストライン1、2には抗原と結合する同一の抗体が固定され、第1固定化抗体と称し、抗原着色標識抗体複合体を捕獲して結合する。また、コントロールラインには抗原と結合しなかった着色標識抗体と結合する抗体が固定されており、第2固定化抗体と称する。
本体容器50は、底板53の周囲を取り囲むように長手方向の左右に本体側壁52、52が立設され、同様に前端と後端には本体前端壁60と本体後端壁56が立設され、本体側壁頂面55と本体前端壁頂面61と本体後端壁頂面57とは面一に形成されている。本体前端壁60には、外方に向かって略1/4楕円板状の本体開放片62が本体前端壁頂面61と面一になるように突設され、本体開放片端部62aが本体前端壁60にほぼ直角に形成されている。
底板内面53aには長手方向に浸透部載置台65と判定部載置台70と吸収部載置台73が直列状に配置されている。面一になるように形成された浸透部載置面68と判定部載置面72と吸収部載置面76の上に試験片30が載置される。浸透部載置台65は強度を有するために縦状壁66と横状壁67を格子状に組み込んで形成され、同様に吸収部載置台73も強度を有するために縦状壁74と横状壁75を格子状に組み込んで形成されている。判定部載置台70は縦状壁71だけから形成されているが、強度を有するように横状壁を組み込むことができる。
本体前端壁内面60aと浸透部載置台65の間には、底板内面53aから本体前端規制片63が突設され、吸収部載置台73と本体後端壁内面56aの間には本体後端規制片79が底板内面53aから突設されている。本体前端規制片頂面63aと本体後端規制片頂面79aは浸透部載置面68と吸収部載置面76より上方に突出するように配置される。試験片30を浸透部載置面68と判定部載置面72と吸収部載置面76の上に載置したときに、試験片前端30aが本体前端規制片63に当接して規制され、同時に試験片後端30bが本体後端規制片79に当接して規制され、縦ずれ、即ち長手方向に試験片がずれることを防止している。
また、浸透部載置面68の左右側縁から左右の本体側壁内面54、54に上昇するように傾斜するスロープ69a、69bが形成されている。これらのスロープ69a、69bの役割は、試験片30の浸透部33の下面を前記スロープ69a、69bのいずれかに載せて滑り下らせば、浸透部30がスロープ69a、69bの間にある最下部、即ち浸透部載置面68に自動的に載置されるという利点を有する。試験片30の浸透部33を浸透部載置面68に載せれば、判定部35及び吸収部31を判定部載置面72と吸収部載置面76の上に載置することは極めて素早く容易にできる利点を有する。
また、吸収部載置台73の左右の縦状壁74を中央の縦状壁74より上方に突出させて、横ずれ防止壁77、77が形成される。これらの横ずれ防止壁77、77の間に吸収部31を載置して、吸収部31が横ずれ防止壁77、77に左右から狭着されるようにしておけば、吸収部31は横方向にずれることは無く、試験片30の横ずれ防止が達成される。
図2は、本発明において試験片を本体容器の載置面に載置する手順説明図である。(2A)は、試験片30をスロープ69に載せて滑らせる状態の斜視図を示している。試験片30を本体容器50の浸透部載置面68に素早く載置するには、まず試験片30の吸収部31の両サイドを親指と人差し指で摘まみ、試験片30の浸透部33の裏面を本体容器50の右のスロープ69aに載せる。この状態で、浸透部33をスロープ69a上で滑らせながら下降させると、浸透部33が浸透部載置面68に自然に辿り着き、浸透部33は浸透部載置面68の上で安定する。
(2B)は、試験片30を浸透部載置面68と判定部載置面72と吸収部載置面76の上に載置した状態の斜視図である。(2A)から(2B)に移るには、浸透部33を浸透部載置面68の上に置いたまま、試験片前端30aを本体前端規制片63に押し当てて試験片後端30bを下降させれば、判定部35が判定部載置面72の上に、また吸収部31が吸収部載置面76の上に自然に載置されることになる。このとき、試験片後端30bは本体後端規制片79の内側に自然に入り、試験片30の前後は本体前端規制片63と本体後端規制片79の間に規制されて、その縦ずれが規制される。また、試験片30は横ずれ防止壁77、77の間に挟まれて、その横ずれが規制される。
図3は、本発明に係るアレルゲン検査装置に用いられる試験片の概略断面図である。前述したように、試験片30は、基板テープ32の上に浸透部33と反応部34と判定部35と吸収部31を長手状に直列配置して構成されている。浸透部33の先端は試験片前端30aであり、吸収部31の後端は試験片後端30bである。保護シール36の反応部保護シール端36bにより反応部34は保護されており、また吸収部保護シール端36aにより吸収部31の開始領域が保護されている。他の構成は既に図1で説明したから、ここでは説明を省略する。
図4は、本発明に係るアレルゲン検査装置の第2実施形態の分解斜視図である。図1と同一符号は既に説明したから此処では再説明を省略し、異なる構成と符号及び作用効果について説明する。
蓋体2の長手方向の長さは図1と比べて短縮されている。透視窓16の開口縁に形成されている透視窓枠体16aの構造が図1とは異なっている。即ち、前記透視窓枠体16aは試験片30の判定部35に接近するに従って枠体矩形面積が縮小するように錐枠状に形成され、透視窓枠体16aの頂上を形成する透視窓枠体先端面16bが試験片30の保護シール36を規制する位置までに達する。即ち、この透視窓枠体先端面16bにより試験片30の判定部35の上下動きを規制する。また、図1では吸収部押え突起17は1個であったが、図4では前段押え突起17aと後段押え突起17bの2個が吸収部押え突起に相当する。これは試験片30の吸収部31が小厚の前段吸収部31bと第厚の後段吸収部31cに2分割されている点に対応している。吸収部31の前段を薄くして後段を厚くすると、抽出液を吸収部に吸引し易い効果が有る。前記前段押え突起17aをやや高めに形成し、前記後段押え突起17bをやや低めに形成すると、前段押え突起17aは前段吸収部31bを上から規制でき、後段押え突起17bは後段吸収部31cを上から規制することができる。
蓋体2と同様に、本体容器50の長手方向の長さは図1と比べて短縮されている。図4では、本体容器50に設けられた左右のスロープ69a、69bの長さが、浸透部載置台65の長さの略半分にまで短縮されている。この理由は以下の通りである。吸込部19から下方に流下してくる抽出液は表面張力などの影響でスロープ69a、69bの表面に乗り上がり広がることで浸透部33や反応部34を通過せず、判定部35に先回りしてしまう傾向があるから、スロープ69a、69bの長さを短縮して抽出液の先回り現象を防止し、抽出液の浸透部33への浸透力を増大させて検査精度の向上を期すためである。
また、本体前端規制片63が浸透部載置台65の前端と接触する位置に配置されている。これは本体前端規制片63の強度を増強させ、試験片30の試験片前端30aとの間に極力隙間を無くして規制力を強化するためでもある。
更に、本体後端規制片79は吸収部載置台73の後端と本体後端壁内面56aの間に狭着されるように形成され、しかも本体後端規制片79は板状でなく棒状に形成されている。この理由は、本体後端規制片79の機械的強度を増強させ、同時に本体容器50短縮化を期すためである。
図5は、本発明に係るアレルゲン検査装置の全体斜視図である。アレルゲン検査装置1は蓋体2の外方から描かれており、吸込芯20の吸込芯突部22は吸込部19の注入口19bから外方に突出している。吸込芯突部22の先端は吸込芯突面23になっており、床などの対象面を擦過するために平坦にされている。また、吸込部19はすり鉢状に形成されており、吸込面19aが形成されている。抽出液は吸込芯突面23に注出されるが、吸込芯突面23の周囲にこぼれた抽出液は吸込面19aに落下して、吸込面19aに沿って流下してゆき、吸込面19aの存在により抽出液を無駄にしない利点がある。
蓋開放片12は蓋体2の前端壁10に突設され、本体開放片62は本体容器50の本体前端壁60に突設されているから、とは段違いに配置されることになる。また、前述したように、蓋開放片12と本体開放片62とは略1/4楕円板状に形成されており、蓋開放片端部12aと本体開放片端部62aとの間には微細な間隙が形成されている。蓋開放片12と本体開放片62の段違い性と両者間の間隙により、後述するように、手指により蓋開放片12と本体開放片62とが容易に離間され、蓋体2と本体容器50とが容易に分離できる利点がある。
図6は、本発明において図5のX−X線及びY−Y線断面端面図であり、本発明に係るアレルゲン検査装置の長手方向断面及び幅方向断面が示されている。
(6A)は図5のX−X線断面端面図であり、蓋体2と試験片30と吸込芯20と本体容器50との配置関係が明瞭に示されている。詳細は図1で説明しているので、補足する事項に限定して説明する。吸込芯20は例えばポリエステル製フェルトで作製され、吸込芯基部21は浸透部33に全面が密着している。吸込芯基部21から注入口19bを介して吸込芯突部22が突出し、吸込芯突面23を対象面に擦過して、吸込芯突面23上に抗原を含むハウスダストを採集する。吸込部19はすり鉢状の吸込面19aを有し、吸込芯突面23に滴下された抽出液は抗原を溶解分散させて吸込芯突部22から吸込芯基部21へと流下する。吸込芯突面23から外周に漏れ出た抽出液は吸込面19aを傾斜して流下し、注入口19bから吸込芯基部21に浸透し、吸込芯基部21が密着する浸透部33へと浸透しながら流動して行く。また、(6A)に示された透視窓枠体16aの構造は図4の第2実施形態の構造が示されており、押え突起18の押え突起下端18cが反応部保護シール端36bを上方から規制している。また、蒸発部押え突起17の蒸発部押え突起下端17cが吸収部保護シール端36aを上方から規制している。この規制により、試験片30の判定部35は上下の動きが無いように規制される。傾斜状に縮径した透視窓枠体先端16bにより判定部35の肉眼判定が容易になっている。アレルゲン検査装置1の全体構造は第1実施形態の構造を有しているので、既に図1にて説明されており、これ以上言及しない。
(6B)は図5のY−Y線断面端面図である。吸込部19の吸込面19aの先端にある注入口19bから吸込芯突部22が上方に突出する状態が明瞭に理解される。浸透部33の基板テープ32が浸透部載置台65の縦状壁66の上面に載置されていることが分かる。また、左右のスロープ69a、69bの間の最下位置に浸透部載置面68が配置されており、左右のスロープ69a、69bのいずれかから浸透部33を滑り下ろせば自動的に浸透部33は浸透部載置面68の上に配置されることが分かる。
図7は、本発明に係るアレルゲン検査装置を蓋体と本体容器に分離する手順斜視図である。この手順斜視図は本発明の第1特徴を示す。
(7A)は手指85を蓋開放片12と本体開放片62に掛けて両者を分離する状態の斜視図である。具体的には、手指85として親指を蓋開放片12の下面に引っ掛け、手指86として人差し指を本体開放片62の上面に引っ掛ける。親指で蓋開放片12を上方に押し上げ、人差し指で本体開放片62を下方に押し下げると、蓋体2と本体容器50は(7A)に示すように相互に簡単に開離する。
(7B)は蓋体2と本体容器50が開離した状態の斜視図である。蓋体2と本体容器50を少しだけ開離させれば、蓋体2の両サイドを指で摘まむだけで、蓋体2は本体容器50から分離できる。分離の目的は二つある。検査開始前には、蓋体2と本体容器50を分離させて、内部に配置された試験片30が正しい位置にあるかどうかを確認し、正しい位置に無ければ試験片30を正しい位置に再配置し、蓋を閉じればよい。検査終了後には、蓋体2と本体容器50を分離させて、内部の検査済みの試験片30を取り出し、試験片30を燃えるゴミに出し、蓋体2と本体容器50とはプラスチック廃棄物として分別廃棄できる。
図8は、本発明に係るアレルゲン検査装置を手指で挟んで吸込芯突面を対象面に擦過して抗原をハウスダストと共に捕集する操作図である。抗原を採取するには、対象面からハウスダストを採集し、対象面に抗原が存在するならこのハウスダスト中に含有されることになる。
手指85と手指86で、具体的には親指と人差し指でアレルゲン検査装置1の両サイドを摘まみ、蓋体2から突出している吸込芯突部22の吸込芯突面23で床や壁などの対象面87を矢印A方向に往復動させる。このとき、対象面87の上に抗原(アレルゲン)が存在すれば、にハウスダストと一緒に抗原も付着し、吸込芯突面23の上に抗原が採集される。布団や枕や座布団などの対象物の場合には、まず掃除機でこれらの対象物を吸引してハウスダストを回収する。次に、回収されたハウスダストに対し吸込芯突面23を擦過させて、吸込芯突面23の上に抗原をハウスダストと共に採集する。
図9は、本発明において、吸込芯突面のハウスダストに抽出液を滴下してハウスダスト中の抗原を検査する状態の検査説明断面図である。
まず、抽出液90aを内蔵したスポイトなどの抽出液供給体90から吸込芯突面23に採集されたハウスダスト93に対し、抽出液を滴下する。滴下された液滴92はハウスダスト93に含まれる抗原を溶解分散し、抗原を含んだ抽出液は吸込芯突部22と吸込芯基部21を矢印C方向に流下する。抗原を含んだ抽出液は毛管現象により浸透部33を矢印D方向へと流動し、矢印E方向に示すように反応部34に流入する。反応部34には着色標識抗体が含有されており、反応部34にて殆どの抗原は着色標識抗体と抗原抗体反応により結合して抗原着色標識抗体複合体になる。抽出液は毛管現象により更に流動し、この流動する抽出液に中に抗原着色標識抗体複合体が含まれるだけでなく、抗原と結合しなかった着色標識抗体も混入する。
矢印F方向で示すように、反応部34から判定部35に流入した抽出液は抗原着色標識抗体複合体と着色標識抗体を含みながら、テストライン1(37)とテストライン2(38)とコントロールライン39へと流動する。抗原着色標識抗体複合体は、その中の抗原がテストライン1(37)とテストライン2(38)の第1固定化抗体と結合し、つまり抗原着色標識抗体複合体が第1固定化抗体に捕獲されて複合体固定化抗体としてテストライン1(37)とテストライン2(38)に留まり、テストライン1(37)とテストライン2(38)は、その中の着色標識抗体の作用で着色される。抗原濃度が低い場合には、全ての抗原着色標識抗体複合体がテストライン1(37)で捕獲されて、テストライン1(37)が着色される。抗原濃度が高い場合には、多くの抗原着色標識抗体複合体がテストライン1(37)で捕獲され、残りの少ないて抗原着色標識抗体複合体がテストライン2(38)で捕獲され、テストライン1(37)が濃色に着色され、テストライン2(38)は淡色に着色される。他方、テストライン1(37)とテストライン2(38)に全く捕獲されない単独の着色標識抗体はコントロールライン39の第2固定化抗体に捕獲されて着色標識抗体固定化抗体としてコントロールライン39に留まり、コントロールライン39が着色標識抗体により着色される。
最後に、抽出液は矢印I方向に流動し、判定部35から吸収部31へと吸収されてゆく。吸収部31に対向するように蓋体2には空気孔15が穿孔されており、アレルゲン検査装置1の内外は連通状態にあり、アレルゲン検査装置1の内部は常に大気圧下にある。従って、アレルゲン検査装置1の内外には圧力差がないため、抽出液は常に吸収部31に継続的に吸収され、矢印J方向に示すように、抽出液は吸収部31の全体に吸水保持される。また、吸収部31に吸収保持された抽出液は空気孔15から矢印K方向に示すように蒸発してゆく。
図10は、本発明において、抽出液により抗原を溶解分散させて着色標識抗体に結合させ、抗原濃度を判定部の3本線の着色により判定する判定説明図である。
その中でも、(10A)は、反応部34と判定部35の内部の材料配置を説明する材料構成図である。反応部34には着色標識抗体95が多数包含されており、着色標識抗体95は着色粒子95aに抗原94と結合する抗体95bが一体に結合されている。着色粒子は、例えば赤色の金コロイドでも良いし、着色されたラテックス粒子でも構わず、本発明では赤色の金コロイド粒子が使用されている。
判定部35において、テストライン1(37)とテストライン2(38)には目的とする抗原94に結合するY字型の抗体が固定されており、第1固定化抗体96と称する。従って、抗原94は第1固定化抗体96にも結合することができるが、抗原と着色標識抗体が結合した抗原着色標識抗体複合体の捕獲を目的として配置されている。また、コントロールライン39には、第2固定化抗体97が固定状態で配置されており、抗原94と結合せずに流下してきた着色標識抗体95の捕獲を目的としている。
(10B)は抗原94と着色標識抗体95と抗原着色標識抗体複合体98の捕獲状態の概念図である。抗原94を含んだ抽出液の液滴92が浸透部33に矢印D方向に流入する。反応部34には多数の着色標識抗体95が配置されており、抗原94は反応部34にある着色標識抗体95と結合して抗原着色標識抗体複合体98となって矢印F方向に判定部35へと流入してゆく。抗原94は着色標識抗体95の抗体95bと結合している訳である。抽出液が反応部34を流通するときに、抗原94と結合しない着色標識抗体95も抽出液に流されて矢印F方向に判定部35へと流入してゆく。従って、判定部35には抗原着色標識抗体複合体98と着色標識抗体95の両者が流入することになる。
テストライン1(37)とテストライン2(38)には同一のY字型の第1固定化抗体96が配置されているから、抗原着色標識抗体複合体98はまずテストライン1(37)の第1固定化抗体96で捕獲されて複合体固定化抗体99aになる。抗原着色標識抗体複合体98の量が多い為にテストライン1(37)で捕獲されなかったものは更に矢印G方向へと流下してテストライン2(38)の第1固定化抗体96で捕獲されて、複合体固定化抗体99aになる。このように、抗原着色標識抗体複合体98のほぼ全量がテストライン1(37)とテストライン2(38)で捕獲され、テストライン1(37)とテストライン2(38)は着色されるため視覚化される。最後に、抽出液と共に矢印H方向に流下した着色標識抗体95はコントロールライン39の第2固定化抗体97で捕獲されて着色標識抗体固定化抗体99bになり、コントロールライン39も着色されるため視覚化される。
更に、抽出液は矢印I方向に吸収部31へと流入し、吸収部31は抽出液を吸収しながら保持する役割を果たす。吸収部31が抽出液を吸収し続けるのは、前述したように、蓋体2の天板3に空気孔15が穿孔されて外部の大気と連通しているからである。また、空気孔15を介して吸収部31では抽出液が矢印K方向へと蒸発し、空気孔15から排出されることになる。
次に、表1〜表3を用いて、2本のテストラインと1本のコントロールラインの着色度による抗原濃度の6段階表示の原理を説明する。表1と表2により数量を仮定的に用いて説明し、表3により定性的な説明を行う。
本発明では抗原(アレルゲン)としてダニアレルゲンや花粉アレルゲン等の各種抗原の濃度を測定できるが、ここではダニアレルゲンに絞って説明する。通常、ダニアレルゲン(抗原)としてはDerf1、Derp1が知られており、室内を清掃したときに得られるハウスダストに含まれることが知られている。また、布団、枕、毛布、座布団などにも含まれており、ハウスダストを採集して本発明のアレルゲン検査装置で抗原濃度を測定する。従って、着色標識抗体95や第1固定化抗体96や第2固定化抗体97もDerf1、Derp1を測定できるように選択されている。
Figure 0006294155
表1は、ダニアレルゲン抗原と着色標識抗体との結合による3本線の着色濃度の6段階の量的説明を行う表である。今、仮にダニアレルゲンの抗原濃度を、0、20、40、60、80、90の6段階に分けてみる。0とは抗原が全く含まれていないことを示す。これらの6段階は仮に数量化しただけに過ぎないものである。
また検査時に供給される抽出液の量は一定と考える。抗原は反応部で着色標識抗体と結合して抗原着色標識抗体複合体になるが、ここではこれを短縮して抗原抗体複合体と呼ぶ。反応部から判定部に流出するのは、抗原抗体複合体と着色標識抗体の2種であり、夫々の濃度をと着色標識抗体濃度と呼ぶ。抽出液の供給量が一定であるから、流出する抗原抗体複合体と着色標識抗体の総量も一定と考え、反応部から流出する成分濃度の和、即ち抗原抗体複合体濃度+着色標識抗体濃度=100と仮定する。更に、全ての抗原は反応部で着色標識抗体と結合すると考えると、抗原濃度と抗原抗体複合体濃度とは同一で、抗原濃度=抗原抗体複合体濃度と考えられる。
以上から、抗原濃度が0、20、40、60、80、90に対応して、抗原抗体複合体濃度も0、20、40、60、80、90となることが分かる。合計が100という条件から、着色標識抗体濃度は100、80、60、40、20、10となることも理解できる。
判定部では、着色標識抗体の全量がコントロールラインで捕獲されるから、上述したように、着色標識抗体濃度が100、80、60、40、20、10であれば、これに対応して、コントロールライン濃度も100、80、60、40、20、10となることは自明である。
他方、抗原抗体複合体はテストライン1とテストライン2で捕獲される。テストライン1での抗原抗体複合体の捕獲が飽和すると、残りの全量はテストライン2で捕獲されると考えられる。数式で言えば、抗原抗体複合体濃度=テストライン1濃度+テストライン2濃度である。今、テストライン1では抗原抗体複合体濃度は60まで捕獲されると考えると、それを超えた量はテストライン2で捕獲される。従って、抗原抗体複合体濃度が0、20、40、60までの範囲では、それに応じてテストライン1濃度も0、20、40、60となり、何も捕獲しないテストライン2濃度は0、0、0、0となる。抗原抗体複合体濃度が80、90の場合には、テストライン1濃度は最高値の60、60であるから、残量を捕獲するテストライン2濃度は20、30になることは明らかであろう。
以上により、表1の数量関係が理解できる。
Figure 0006294155
表2は、3本線の着色によるダニアレルゲンの抗原濃度の6段階表示を説明する表である。ダニアレルゲンの抗原濃度において、0、20、40、60、80、90は仮の数値であるから、抗原濃度の段階として、なし、超低、低、中、高、超高の6段階を表示すると考える。テストライン1、テストライン2及びコントロールラインの3本線の着色濃度(合計100)は表1の3本線の着色濃度と同一である。
テストライン1では、0<濃度≦50では淡色と考え、50<濃度では濃色と考えるから、テストライン1が0、20、40、60、60、60に対応して、テストライン1は、なし、淡色、淡色、濃色、濃色、濃色となる。
テストライン2では、0<濃度≦25では淡色と考え、25<濃度では濃色と考えるから、テストライン2が0、0、0、0、20、30に対応して、テストライン2は、なし、なし、なし、なし、淡色、濃色となる。
コントロールラインでは、0<濃度≦70では淡色と考え、70<濃度では濃色と考えるから、コントロールラインが、100、80、60、40、20、10に対応して、コントロールラインは、濃色、濃色、淡色、淡色、淡色、淡色、となる。
コントロールラインが濃度=0、即ち「なし」の場合には、コントロールラインに着色標識抗体が到達していないということを示すから、アレルゲン検査は「失敗」と判断する。
以上から、定量表現と共に定性表現が明確になった。即ち、抗原濃度が、なし、超低、低、中、高、超高の6段階に対応して、テストライン1は、なし、淡色、淡色、濃色、濃色、濃色となり、テストライン2は、なし、なし、なし、なし、淡色、濃色となり、コントロールラインは、濃色、濃色、淡色、淡色、淡色、淡色となることが分かった。
Figure 0006294155
表3は、ダニアレルゲン抗原濃度の3本線着色による6段階濃度判定を説明する表である。表3は、表1から定量表現を削除して残った定性表現だけを示している。
表3から分かるように、抗原濃度が、なし、超低、低、中、高、超高の6段階に対応して、(テストライン1、テストライン2、コントロールライン)の着色濃度の程度の組合せは、この順に、(なし、なし、濃色)、(淡色、なし、濃色)、(淡色、なし、淡色)、(濃色、なし、淡色)、(濃色、淡色、淡色)、(濃色、濃色、淡色)の6段階になることが分かる。従って、3本線のなし、淡色、濃色の組合せが上記6種のいずれに対応するかを判断して、抗原濃度を、なし、超低、低、中、高、超高の6段階で判定することになる。
本発明の6段階判定の特徴は、次の4点にまとめられる。(1)コントロールラインのみ着色の場合には、抗原濃度は「なし」と判定される。(2)テストライン2の着色が「なし」の場合には、テストライン1とコントロールラインの着色が、「淡濃」、「淡淡」、「濃淡」に対応して、抗原濃度は「超低」、「低」、「中」と判定される。(3)3本線の全てが着色の場合には、テストライン2が「淡」、「濃」に対応して、抗原濃度は「高」、「超高」と判定できる。更に詳しく確実には、テストライン1、テストライン2、コントロールラインの3本線が、「濃淡淡」、「濃濃淡」に対応して、抗原濃度を「高」、「超高」と判定すればよい。(4)コントロールラインが「なし」の場合には、コントロールラインに着色標識抗体が到達していないということを示すから、アレルゲン検査は「失敗」と判定する。
図11は、本発明において、蓋体を本体容器に対し連結片により開閉可能かつ分離不能にした第3実施形態を示す概略斜視図である。第3実施形態のアレルゲン検査装置1は、蓋体2と本体容器50が連結片40、40により一体に繋がっている。蓋体2の後端壁6の後端壁外面6bは、本体容器50の本体後端壁56の本体後端壁外面56bに対し、連結片40、40で接続されて一体化している。また、連結片40、40は柔軟性があるためヒンジとして機能し、蓋体2は本体容器50に嵌合でき、また蓋体2は本体容器50から開放できる。しかし、蓋体2と本体容器50は連結片40、40により一体化されているから分離不能に構成される。つまりアレルゲン検査装置1を使用する前に試験片を調整するために蓋体2を開放しても、両者は繋がれているため、調整後に直ぐに嵌合できる。また、アレルゲン検査装置1の使用後に、試験片を廃棄するために蓋体2を開放しても、試験片の廃棄後に両者を直ぐに一体化でき、アレルゲン検査装置1の蓋体2と本体容器50の一体的な廃棄も容易に行える利点がある。前記連結片40は図11では2個形成されているが、1個でも3個でもよく、幅狭でも幅広でもよく、更に前端壁や後端壁以外の側壁でもよいなど、適宜調整できることは云うまでもない。
本発明は、上記実施形態や表に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
以上詳述したように、本発明者は鋭意研究した結果、布団、枕、座布団、床、ソファなどの建物内の対象物に堆積したダニアレルゲン等の抗原をハウスダストと共に採集し、ハウスダストの中に含まれる特定の抗原の濃度を現場で簡単に測定できるアレルゲン検査装置を提供したものである。
本発明により、蓋体と本体容器を手指で簡単に分離結合できるようにして、内部の試験片の位置調整を容易にすると共に、試験片と蓋体・本体容器の分別廃棄を可能にし、また試験片を設定位置に容易に配置できると共に内部で試験片が設定位置からずれない構造を有し、同時に蓋体を本体容器に嵌合するだけで蓋体と本体容器が固く一体化するアレルゲン試験装置を提供することに成功した。
また、本発明により、試験片の判定部にテストライン1とテストライン2とコントロールラインの3本線の検出ラインを設け、抗原の濃度に依存してテストライン1とテストライン2とコントロールラインの着色の程度の組合せが、この順に、(なし、なし、濃色)、(淡色、なし、濃色)、(淡色、なし、淡色)、(濃色、なし、淡色)、(濃色、淡色、淡色)、(濃色、濃色、淡色)の6段階に判定され、前記着色の程度が前記組合せのいずれかになるときに、前記組合せの順番に抗原濃度が、なし、超低、低、中、高、超高の6段階に精細に判定することができるアレルゲン試験装置を提供することに成功したものである。
1 アレルゲン検査装置
2 蓋体
3 天板
3a 天板内面
4 側壁
5 側壁頂面
6 後端壁
6b 後端壁外面
7 後端壁頂面
8 補助開放片
9 後端挿込片
9a 後端補強片
10 前端壁
11 前端壁頂面
12 蓋開放片
12a 蓋開放片端部
13 前端挿込片
13a 前端挿込片頂面
14 側壁挿込片
15 空気孔
16 透視窓
16a 透視窓枠体
16b 透視窓枠体先端面
17 蒸発部押え突起
17a 前段押え突起
17b 後段押え突起
17c 蒸発部押え突起下端
18 押え突起
18c 押え突起下端
19 吸込部
19a 吸込面
19b 抽入口
20 吸込芯
21 吸込芯基部
22 吸込芯突部
23 吸込芯突面
30 試験片
30a 試験片前端
30b 試験片後端
31 吸収部
31a 吸収部材
31b 前段吸収部
31c 後段吸収部
32 基板テープ
33 浸透部
33a 浸透部材
34 反応部
34a 反応部材
35 判定部
35a 判定部材
36 保護シール
36a 吸収部保護シール端
36b 反応部保護シール端
37 テストライン1
38 テストライン2
39 コントロールライン
40 連結片
50 本体容器
52 本体側壁
53 底板
53a 底板内面
54 本体側壁内面
55 本体側壁頂面
56 本体後端壁
56a 本体後端壁内面
56b 本体後端壁外面
57 本体後端壁頂面
60 本体前端壁
60a 本体前端壁内面
61 本体前端壁頂面
62 本体開放片
62a 本体開放片端部
63 本体前端規制片
63a 本体前端規制片頂面
65 浸透部載置台
66 縦状壁
67 横状壁
68 浸透部載置面
69a スロープ
69b スロープ
70 判定部載置台
71 縦状壁
72 判定部載置面
73 吸収部載置台
74 縦状壁
75 横状壁
76 吸収部載置面
77 横ずれ防止壁
79 本体後端規制片
85 手指(親指)
86 手指(人差し指)
87 対象面
90 抽出液供給体(スポイト)
90a 抽出液
91 注出部
92 液滴
93 ハウスダスト
94 抗原
95 着色標識抗体
95a 着色粒子
95b 抗体
96 第1固定化抗体
97 第2固定化抗体
98 抗原着色標識抗体複合体
99a 複合体固定化抗体
99b 着色標識抗体固定化抗体
101 ケーシング
102 ぬぐい取りピン
103 捕集溝
104 輸送ゾーン
105 複合体ゾーン
106 反応ゾーン
107 信号ゾーン
108 プラスチックラミネート
109 収容ゾーン
110 信号窓
201 ぬぐい取りピン
202 液溜め
203 装置カバー
207 信号ゾーン
208 信号ゾーン
209 信号ゾーン
210 測定窓
301 試料受入ゾーン
302 標識ゾーン
303 試験領域

Claims (16)

  1. 抗原を含有した抽出液を吸い込む吸込部と抗原濃度を外部から視認により判定する透視窓と吸い込んだ抽出液を蒸発させる空気孔を天板に穿孔した長手状の蓋体と、前記吸込部から外方に吸込芯突部を突出させ吸込芯基部を内部に配置した吸込芯と、吸込部から吸込んだ抽出液を吸引する浸透部と抽出液に含有される抗原と反応する反応部と検出ラインの着色によりアレルゲン濃度を判定する判定部と吸い込んだ抽出液を吸収させる吸収部からなる試験片と、前記浸透部を載置する浸透部載置台と前記判定部を載置する判定部載置台と前記吸収部を載置する吸収部載置台を底板に突設した長手状の本体容器から構成され、前記蓋体は前記本体容器に嵌合して一体化され、前記蓋体の周壁の一部に蓋開放片が突設され、前記本体容器の本体周壁で前記蓋開放片の近傍に本体開放片が突設され、前記蓋開放片と前記本体開放片を手指で相互に離間可能にして前記蓋体を前記本体容器から開放又は分離することを特徴とするアレルゲン検査装置。
  2. 前記浸透部載置台の上面である浸透部載置面の側縁から前記本体容器の本体側壁内面に向かって上昇するスロープを形成し、前記試験片の浸透部を前記スロープに沿って滑らせて前記浸透部載置面に配置可能にした請求項1に記載のアレルゲン検査装置。
  3. 前記浸透部載置面の左右の側縁から前記本体容器の左右の本体側壁内面に向かって上昇する左右のスロープを形成した請求項2に記載のアレルゲン検査装置。
  4. 前記スロープの長さを前記浸透部載置台の長さより短く形成した請求項2又は3に記載のアレルゲン検査装置。
  5. 前記試験片の前記反応部には抗原と結合する着色標識抗体が配置され、前記検出ラインがテストライン1とテストライン2とコントロールラインの順番に配置された3本線からなり、前記テストライン1と前記テストライン2には同一の抗原が結合する第1固定化抗体が配置されており、抽出液と共に前記反応部に流入する抗原は前記着色標識抗体と結合して抗原着色標識抗体複合体を形成し、抽出液と共に前記判定部に流入する前記抗原着色標識抗体複合体は前記テストライン1と前記テストライン2の第1固定化抗体と結合して複合体固定化抗体となり、前記テストライン1と前記テストライン2は前記複合体固定化抗体によって着色されて視覚化され、前記コントロールラインには着色標識抗体が結合する第2固定化抗体が配置され、前記抗原と結合しなかった着色標識抗体は抽出液と共に前記コントロールラインに到達し第2固定化抗体と結合して着色標識抗体固定化抗体になり、前記コントロールラインは前記着色標識抗体固定化抗体によって着色されて視覚化される請求項1〜4のいずれかに記載のアレルゲン検査装置。
  6. 前記抗原の濃度に依存して前記テストライン1と前記テストライン2と前記コントロールラインの着色の程度の組合せが、この順に、(なし、なし、濃色)、(淡色、なし、濃色)、(淡色、なし、淡色)、(濃色、なし、淡色)、(濃色、淡色、淡色)、(濃色、濃色、淡色)の6段階に判定され、前記着色の程度が前記組合せのいずれかになるときに、前記組合せの順番に抗原濃度が、なし、超低、低、中、高、超高の6段階に判定することができる請求項5に記載のアレルゲン検査装置。
  7. 前記吸込部は抽出液を先細り状に流下させるすり鉢状の吸込面を有し、吸込面の先端には抽出液を前記吸込芯基部に浸入させる注出口が形成される請求項1〜6のいずれかに記載のアレルゲン検査装置。
  8. 前記蓋体の長手方向の後端壁に補助開放片が突設され、前記補助開放片を押圧して前記蓋体を前記本体容器から分離する請求項1〜7のいずれかに記載のアレルゲン検査装置。
  9. 前記蓋体の周壁で前記蓋開放片の位置と反対側に連結片を突設し、前記本体容器の周壁に前記連結片を接続させ、前記連結片をヒンジとして機能させて、前記蓋体を前記本体容器から開放したときに前記蓋体を前記本体容器から分離不能にする請求項1〜7のいずれかに記載のアレルゲン検査装置。
  10. 前記蓋体の左右の側壁の内面に複数の側壁挿込片を突設し、前記側壁挿込片を前記本体容器の左右の本体側壁の内面に摺接するように挿込んで、前記蓋体を前記本体容器に嵌合する請求項1〜9のいずれかに記載のアレルゲン検査装置。
  11. 前記蓋体の前端壁の内面に前端挿込片を突設し及び/又は前記蓋体の後端壁の内面に後端挿込片を突設し、前記前端挿込片及び/又は前記後端挿込片を前記本体容器の前後にある本体前端壁及び/又は本体後端壁の内面に摺接するように挿込んで、前記蓋体を前記本体容器に嵌合する請求項1〜10のいずれかに記載のアレルゲン検査装置。
  12. 前記透視窓の周囲を囲うように前記蓋体の天板内面に透視窓枠体を突設し、前記透視窓枠体が判定部に接近するに従って枠体矩形面積が縮小するように錐枠状に形成され、前記透視枠体を通して前記判定部の肉眼判定を容易にする請求項1〜11のいずれかに記載のアレルゲン検査装置。
  13. 前記透視窓を挟むように浸透部側に押え突起を且つ空気孔側に吸収部押え突起を前記蓋体の天板内面に形成し、前記押え突起の先端が保護シールを介して試験片の反応部の表面を規制し、前記吸収部押え突起が保護シールを介して吸収部の表面を規制して、試験片の上下動きを規制する請求項1〜12のいずれかに記載のアレルゲン検査装置。
  14. 前記試験片の吸収部を判定部側から小厚の前段吸収部とその後方に大厚の後段吸収部に分割し、前記吸収部押え突起が前段押え突起と後段押え突起に2個配置され、前段押え突起が保護シールを介して前段吸収部の表面を規制し、後段押え突起が直接的に後段吸収部の表面を規制して、試験片の上下動きを規制する請求項13に記載のアレルゲン検査装置。
  15. 前記本体容器の底板内面で、前記浸透部載置台の前側に本体前端規制片を突設し及び/又は前記吸収部載置台の後側に本体後端規制片を突設し、試験片を浸透部載置台と判定部載置台と吸収部載置台に載置したときに、本体前端規制片と本体後端規制片により前記試験片の縦ずれを規制する請求項1〜14のいずれかに記載のアレルゲン検査装置。
  16. 前記本体容器の浸透部載置台及び/又は吸収部載置台の左右の側縁から横ずれ防止壁を突設し、試験片を載置したときに、試験片の左右の側縁が左右の横ずれ防止壁に規制され、前記試験片の横ずれを規制する請求項1〜15のいずれかに記載のアレルゲン検査装置。
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