JP6292628B2 - 出射光量計測装置およびそれを用いた光ファイバ接続損失測定方法 - Google Patents

出射光量計測装置およびそれを用いた光ファイバ接続損失測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、光ファイバの端面からの出射光量を計測する装置および当該装置を用いて光ファイバの接続部の損失を測定する方法に関する。
光ファイバやその接続部の損失を測定することは、光設備の建設・保守、光ファイバや光コネクタなどの光部品の開発において重要である。これらの損失の測定方法には、代表的なものが二つある。一つはOTDR(Optical Time Domain Reflectometer)等を用いた光パルス試験であり、もう一つは光量計測を用いた損失測定方法である(参考文献1参照)。
光パルス試験は、光ファイバの一端から光パルスを入射し、当該光ファイバからの反射光を同じ光ファイバの一端で測定することで、光ファイバやその接続部の損失を測定する方法である。この方法は、光ファイバの一方の端部からの入射・出射で測定することができるため、非常に効率が良い測定方法である。ただし、測定や解析に少し時間を必要とするため、リアルタイムの連続測定には不向きであるという特徴を有する。さらに、OTDR装置は高価であるため、光ファイバの作業者が常に所持しているとは限らない。
一方、光量計測を用いた損失測定方法は、レーザなどの光源と光パワーメータを用いる。これらの光源と光パワーメータは、OTDR装置と比べて低価格であるため、光ファイバやその接続部の損失の測定方法としては、最も普及している。光量計測を用いた損失測定方法は、光源と光パワーメータに工場作製の単心コネクタ、例えばSCコネクタやFCコネクタが両端に取り付けられている光ファイバを接続し、初期の光量を測定する。その後、光ファイバを切断し、被測定対象である光ファイバやその接続部を前記の切断した光ファイバの間に融着接続して挿入し、その時の光量を測定する。融着接続部の損失が無いと仮定して、初期の光量から被測定対象を挿入した時の光量の差が損失であるとする測定方法である。
上記の損失測定方法は、工場作製の単心コネクタを使用する以外にも、ファイバカッタを用いて切断した光ファイバを機械固定する簡易なコネクタ(参考文献2参照)を使用して行う場合もある。これは、光パワーメータの内部の受光系が単心コネクタ同士の接続ではなく、光ファイバや光コネクタの直角端面からの出射光を空気中を介して空間伝搬させ、光センサを用いて受光する場合に適用可能である。このような光センサを内蔵した光パワーメータと光源を用いた光ファイバやその接続部の損失測定方法は広く普及している。
しかしながら、上記のファイバカッタで切断した光ファイバの直角端面からの出射光量を測定する方法では、光ファイバを切断するため、ある程度の長さが必要であり、余長がほとんど無い状況、例えば架空ケーブルの中の光ファイバ心線に対しては、用いることが出来ない。
加えて、ファイバカッタで切断された光ファイバの端面が必ず直角端面になるとは限らない。例えば、ファイバカッタを落としたり、ぶつけたりして、ファイバカッタの精密機構にずれが生じている場合、当該ファイバカッタを用いて切断した光ファイバの端面は、直角端面ではなく、凸凹した端面になることがある(参考文献3参照)。このように光ファイバの端面が凸凹した端面となった場合、その光ファイバの端面からの出射光は当該端面で四方八方へ散乱され、または乱反射されて、正しい光量を測定することができないという問題があった。
そこで本発明は、かかる問題を解決するため、光ファイバの端面が直角端面でない場合であっても、当該端面からの出射光量を正確に計測できる装置およびそれを用いて光ファイバの接続部の損失を測定できる方法を提案する。
このような目的を達成するために、
本発明の出射光量計測装置は、
光ファイバの端面からの出射光量を計測する出射光量計測装置であって、
光ファイバホルダと、光出射部と、屈折率整合材と、光センサとを少なくとも具備し、
前記光ファイバホルダは計測対象光ファイバをその先端部が当該光ファイバホルダの一端よりわずかに突出した状態で着脱自在に固定可能な構造を有し、
前記光出射部は前記計測対象光ファイバの前記光ファイバホルダからの突出長より長い長さおよび前記計測対象光ファイバの先端部の外径以上の内径を備えた貫通孔を有し、当該貫通孔内に前記計測対象光ファイバの先端部が収納されるように前記光ファイバホルダの一端に取り付けられ、
前記屈折率整合材は、少なくとも前記光ファイバの先端部の端面に塗布された状態となるように前記光出射部の貫通孔内に表面張力で留まっている状態で充填され、かつ空気と接している表面は凸凹しておらず前記光ファイバの軸方向に対して直角に近い境界面になっており、
前記光センサは前記光出射部からの出射光を受光し、当該受光した光量に比例した電気信号に変換する機能を有し、
さらに、前記光ファイバホルダおよび光センサ間の相対的な位置関係を、前記光出射部から出射された光が全て光センサに照射されるように、前記光ファイバホルダに固定された計測対象光ファイバと光センサとを軸合わせしかつ前記光出射部の先端面と光センサの受光面との間の距離を所定の長さ以下に維持するようにしたことを特徴とする。
また、前記光ファイバホルダの一端側および光センサの受光面側にそれぞれ対応した形状の着脱自在の嵌合部を有するアタッチメントを用いて、前記光ファイバホルダおよび光センサ間の相対的な位置関係を維持することを特徴とする。
また、前記アタッチメントとして、光ファイバホルダの一端側の嵌合部が、工場作製の光ファイバコネクタに対応した形状を有するアタッチメントをさらに具備することを特徴とする。
また、前記光センサの受光波長を選択制御するとともに、前記受光した光量を表示する機能を有する制御・表示部をさらに具備することを特徴とする。
加えて、メカニカルスプライスなどの現場組立の光ファイバの接続部の接続損失を測定する光ファイバ接続損失測定方法であって、前述したいずれかの出射光量計測装置を用いて、組立前の光ファイバの端面からの出射光量と組立後の光ファイバの端面からの出射光量とを計測し、その結果から現場組立の光ファイバの接続部の接続損失を測定することを特徴とする。
本発明によれば、従来、光ファイバの凸凹端面からの出射光量は測定できなかったのに対し、屈折率整合材を介在して凸凹端面からの出射光量を測定する新しい装置と、それを用いた新しく、有効な光ファイバ接続損失方法を提供する。
本発明の実施の形態に係る出射光量計測装置の模式図である。 光ファイバの端面からの出射光量計測の概要を示した図である。 図2の4つの出射光量計測における、波長1.31μmの実験結果のデータとグラフである。 図2の4つの出射光量計測における、波長1.55μmの実験結果のデータとグラフである。 メカニカルスプライスによる接続損失の測定方法を示した図である。 図5のメカニカルスプライスによる接続損失の測定方法を用いた、波長1.31μmの実験結果のデータとグラフである。 図5のメカニカルスプライスによる接続損失の測定方法を用いた、波長1.55μmの実験結果のデータとグラフである。 光アクセス網および各種の光ファイバの接続部を表した概要図である。 従来の損失異常箇所を特定するための方法を表した模式図である。 従来の損失異常箇所を特定するための手順を説明するフローチャート図である。 本発明の出射光量計測装置を用いた損失異常箇所を特定するための方法を表した模式図である。 本発明の出射光量計測装置を用いた損失異常箇所を特定するための手順を説明するフローチャート図である。
以下、本発明の出射光量計測装置およびそれを用いた光ファイバ接続損失測定方法の実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
図1に、本発明の実施の形態に係る出射光量計測装置の模式図を示す。本装置は、光ファイバホルダ11と、光出射部12と、屈折率整合材13と、光センサ14と、アタッチメント15と、制御・表示部16とから構成されている。
光ファイバホルダ11は、計測対象光ファイバA(以下、単に「光ファイバA」と称す。)をその先端部が当該光ファイバホルダ11の一端よりわずかに突出した状態で着脱自在に固定可能な構造を有する。具体的には例えば、光ファイバAの被覆部および裸光ファイバ部分に対応したV溝が一直線状に連続して設けられた本体と、当該本体のV溝が設けられた面に対してヒンジ部を介して開閉自在かつ固定可能に取り付けられた蓋体と、当該蓋体の前記本体のV溝(特に光ファイバAの被覆部に対応する部位のV溝)と向かい合う面に形成された滑り止め部とを少なくとも備えた構造を有し、光ファイバAを固定する際、裸光ファイバ部分をわずかだけ、例えば2mm程度の長さだけ光ファイバホルダ11から突き出して設置する。
光出射部12は、光ファイバAの光ファイバホルダ11からの突出長より長い長さおよび光ファイバAの先端部の外径(ここでは裸光ファイバ部分の外径)以上の内径を備えた貫通孔12aを有し、当該貫通孔12a内に光ファイバAの先端部が収納されるように光ファイバホルダ2の一端に取り付けられる。
屈折率整合材13は、光出射部12の貫通孔12a内に充填され、これにより当該貫通孔12a内に収納された光ファイバAの先端部の端面は屈折率整合材13が塗布された状態になる。なお、屈折率整合材13は、固体状のものよりも液体状に近いものを使用した方が好ましい。そのため、屈折率整合材13の硬さ・軟らかさ・流動性などを意味するパラメータの「ちょう度」は所定の値のもの、例えば「ちょう度」が300以上の屈折率整合材を使用し、光出射部12内に表面張力で留まっている状態、すなわち屈折率整合材13の空気と接している表面は凸凹しておらず、直角に近い境界面になっていることが望ましい。このことにより、光ファイバAの端面から出射された光は、屈折率整合材13を介して光出射部12から光センサ14の方向へ出射される。
光センサ14は、光出射部3からの出射光を受光し、当該受光した光量に比例した電気信号に変換する機能を有する。
ところで、光出射部3から出射された円形光、つまり空間(通常、空気)中に放射された円形光は回折によって広がってしまう。その時の広がり角Δθは、
Δθ=1.22(λ/D)
となる(参考文献4参照)。ここで、λは光の波長、Dは光のモードフィールド直径を表している。例えば、光出射部3での波長1.31μmの光のモードフィールド直径が10μmの時の広がり角Δθは0.16rad、すなわち約9°となる。
この広がり角を用いると光出射部3から出射され、距離Lを経過した後の円形光は直径にして2L・tan(Δθ)だけ光が広がる。このことから、光センサ14の受光エリア
の大きさや光の波長、モードフィールド径を考慮して、光出射部3の先端面と光センサ14の受光面との間の距離Lを決める必要がある。
つまり、あらかじめ光ファイバホルダに固定された光ファイバAと光センサ14とが軸合わせされ、かつ光出射部3の先端面と光センサ14の受光面との間の距離Lが所定の長さ以下であれば、光出射部3から出射された光は空間中で少し広がるものの、全ての光が光センサ14に照射され、その光量を正確に計測することができる。
アタッチメント15は、前述した光ファイバホルダ11および光センサ14間の相対的な位置関係を、光出射部3から出射された光が全て光センサ14に照射されるように、光ファイバホルダ11に固定された光ファイバAと光センサ14とを軸合わせしかつ光出射部3の先端面と光センサ14の受光面との間の距離Lを所定の長さ以下に維持する機能を有するもので、光ファイバホルダ11の一端側および光センサ14の受光面側にそれぞれ対応した形状の着脱自在の嵌合部を備えている。なお、アタッチメント15として、光ファイバホルダ1の一端側の嵌合部が、工場作製の光ファイバコネクタに対応した形状を有するものを用意しておくことにより、工場作製の光ファイバコネクタが取り付けられた光ファイバからの出射光量の計測に本装置を使用することができる。
制御・表示部16は、光センサ3の受光波長を選択制御するとともに、前記受光した光量を表示する機能を有する。
上記で説明した本発明の出射光量計測装置による出射光量計測を検証するため、従来の方法と比較して実験を行った。図2に、従来の方法と本発明装置による出射光量計測の概要を示す。なお、図2では簡単化のためアタッチメントを省略して示した。
ここで、図2(a)はファイバカッタで切断した光ファイバの端面(直角端面)からの従来の方法による出射光量計測、図2(b)はニッパで切断した光ファイバの端面(凸凹端面)からの従来の方法による出射光量計測、図2(c)はファイバカッタで切断した光ファイバの端面(直角端面)からの本発明装置による出射光量計測、図2(d)はニッパで切断した光ファイバの端面(凸凹端面)からの本発明装置による出射光量計測、のようすを表している。
実験では、同じ光源からの同じ光量、同じシングルモード光ファイバおよび同じ光ファイバホルダ、同じ光センサ等を用いて計測した。ここで、(c),(d)の光出射部12の屈折率整合材が13充填されている長さは3mmとし、光ファイバAの先端部の端面が光出射部12の貫通孔12aの内部、すなわち屈折率整合材13内に確実に位置するようにした。また、Lの長さは3.3mmを採用した。
図3および図4に、上記の4つの出射光量計測における波長1.31μmおよび波長1.55μmの実験結果のデータとグラフをそれぞれ示す。
図3の波長1.31μmの結果をみると、(a)ファイバカッタで切断した直角端面からの従来の方法による出射光量の計測では、サンプル数5回に対して、-2.89〜-2.92dBmと安定して計測できていることが分かる。それに対して、(b)ニッパで切断した凸凹端面からの従来の方法による出射光量の計測では、-8.41〜-15.99dBmと著しく光量が小さくなり、かつばらつきが大きくなった。これは、直角端面から出射された光は直進し、その光量のほとんどが光センサ14に照射・計測されたのに対し、凸凹端面から出射された光は、端面で散乱・乱反射され、出射された光量の一部が光センサ14に照射され、計測されたためであると考えられる。そのため、従来の方法では、光ファイバAの端面が直角であることが重要であることが分かる。
一方、(c)ファイバカッタで切断した直角端面からの本発明装置による出射光量の計測では、-2.88〜-2.94dBm、(d)ニッパで切断した凹凸端面からの本発明装置による出射光量の計測では、-2.89〜-3.10dBmと、(a)ファイバカッタで切断した直角端面からの従来の方法による出射光量の計測結果と同様に、安定して計測できることが分かる。波長1.55μmの結果も同じである。
これは、光ファイバAの端面が直角端面であっても凸凹端面であっても、屈折率整合材13が塗布され、その境界面での屈折率差がほとんど無いため、境界面での反射や散乱があまり生じず、光ファイバAの端面から出射された光は屈折率整合材13の中を直進する。その後、屈折率整合材13の空気との境界面(光出射部)から光が出射されるが、その境界面は、屈折率整合材13の表面張力により凸凹しておらず、直角に近い境界面になっているため、出射光は直進し、光センサ14に照射・計測される。そのため、光ファイバAの端面が直角であっても凸凹面であっても、光ファイバあの端面からの出射光量が正しく計測される。
以上のことから、図1に示した本発明の出射光量計測装置によれば、ファイバカッタで切断した直角端面からの従来の方法による出射光量の計測と同様に、光量を正しく計測できることを明らかにした。
次に、本発明の出射光量計測装置を用いて、現場組立の光ファイバ接続技術であるメカニカルスプライスによる接続損失を測定し、有効性を検証した。
図5に、メカニカルスプライスによる接続損失の測定方法を示す。ここで、図5(a)は本発明の出射光量計測装置を用いたメカニカルスプライスによる接続損失の測定方法、図5(b)は従来の挿入損失測定法を用いたメカニカルスプライスによる接続損失の測定方法を示している。
本発明の出射光量計測装置(本装置)を用いる方法(a)は、まず最初に、一端が光源に光コネクタ接続されている光ファイバ1の他端に対し、本装置を用いて出射光量を計測する。その時の光量をP0dBmとする。次に、その計測した光ファイバ1の他端に新たな光ファイバ2の一端をメカニカルスプライスを用いて接続する。その後、接続した光ファイバ2の他端に対し、本装置を用いて出射光量を計測する。その時の光量をP1dBmとする。そうすると、光ファイバ2の損失を無しと仮定すると、メカニカルスプライス接続の接続損失αはP0−P1(dB)で求めることができる。
一方、従来の方法(b)では、光源および光パワーメータ(OPM)を、両端に光コネクタが取付けられている光ファイバ3で接続する。その時の光パワーメータを用いて、光パワーメータに接続されている光コネクタにおける出射光量を計測する。その時の光量をP0dBmとする。次に、光ファイバ3をある位置で切断し、そこに上記の方法(a)で作製したメカニカルスプライス接続されている光ファイバ1’,2’を、融着接続を用いて挿入する。この際、光源とパワーメータに接続されている光コネクタはそのままの状態である。この時の出射光量をパワーメータで計測し、その値をP1dBmとする。光ファイバ1’,2’の損失と2点の融着接続の損失とが無しと仮定すると、メカニカルスプライス接続の接続損失αは、(a)と同様にP0−P1(dB)で求めることができる。
上記の方法を検証する実験を実施した。図6および図7に、上記の2つの方法で行った波長1.31μmおよび波長1.55μmの実験結果のデータとグラフをそれぞれ示す。
図6の結果を元にすると、(b)従来の挿入損失測定法で得られたメカニカルスプライスの接続損失と、(a)本発明の出射光量計測装置を用いてメカニカルスプライスの接続損失を測定した結果は、ファイバカッタで切断した直角端面の場合も、ニッパで切断した凸凹端面の場合も、多少のばらつきはあるものの、ほとんど同様に接続損失を測定できることが分かる。これは、図6の測定波長1.31μm、図7の測定波長1.55μmのどちらの計測でも同じであった。
以上の結果から、本発明の出射光量計測装置を用いた光ファイバの接続部の損失を測定する方法は有効であることを明らかにした。
次に、現在の光アクセス網の光ファイバ工事における本発明の実施例を説明する。図8に光アクセス網の構成および当該光アクセス網における各種の光ファイバの接続部を表した概要図を示す。
光アクセス網は様々な光ファイバの接続部を有している。また光アクセス網を構築するためには、大きく分けて2つの工事が必要である。一つが建設工事であり、もう一つが開通(SO:Service Order)工事である。
建設工事では、一般に、セントラルビルからユーザ宅内近くの架空クロージャまで光ファイバを敷設し、融着接続などで光ファイバを接続する工事を行っている。光ファイバの敷設および接続後は、正しく光ファイバがつながれているかを検査するため、セントラルビルからOTDR等のパルス試験を実施し、光ファイバ設備の損失状況を計測する。
一方、開通工事においては、FASコネクタやメカニカルスプライス、ターミネーションコネクタ等の現場組立の光ファイバの接続部を作製し、それらを接続することで架空クロージャからユーザ宅内のONU(光終端装置)までを光ファイバでつなぐ工事を行っている。その作業の検査は、図9、図10に示すような方法と手順を用いて行う。
即ち、ONUに接続する光コネクタの端面からの出射光量(1)を光パワーメータで計測し、サービス毎に定められている規格値以上であれば架空クロージャ以降のつないだ光ファイバ領域は問題無しと判定し、光ファイバ敷設の作業を終了する。もしONUに接続する光コネクタの端面からの出射光量が規格値以下であれば、敷設した現場組立の接続部を含んだ光ファイバ領域のどこかの箇所で異常な状態になって大きな光損失が発生していると判定する。
その場合は、光ファイバの損失異常箇所を特定する。即ち、光パルス試験機であるOTDR装置を用いて敷設した光ファイバ領域の損失測定(2)を実施して、敷設した光ファイバ領域の中で大きな損失が発生している箇所を特定し、その箇所を作り直す作業を行う。もし、OTDR装置を所持していない場合はパワーメータを用いて、ユーザ宅内から架空クロージャの方向へ、コネクタ端面からの出射光量(3)を測定し、どの光ファイバ区間の損失が大きいかを特定し、その区間を作り直す作業を行う。
この作り直し作業後に、再度ONUに接続する光コネクタの端面からの出射光量(1)をパワーメータで計測し、規格値以上か以下かを判定し、規格値以上になるまで作業を繰り返すという工程で実施している。
開通工事者がOTDR装置を所持していることはめったにないため、大きな損失発生箇所の特定は、光パワーメータを用いて行うことが一般的である。ただし、この光パワーメータを用いての損失発生箇所の特定は、ユーザ宅内や屋外の柱上の架空クロージャ内での計測と作業が煩雑である。
さらに重要な点として、上記の開通工事の検査方法は、ユーザ宅内でのONUに接続する光コネクタの端面からの出射光量を計測し、セントラルビルからユーザ宅内までの光ファイバの線路損失が許容範囲内であるかのみを検査していることになる。そのため、架空クロージャからユーザ宅内までの個々の接続点の接続損失を把握することはできておらず、異常な接続状態になっている現場組立の光ファイバの接続部でも開通してしまうことがある。
異常な接続状態のまま放置されている現場組立の光ファイバの接続部は、初期の接続損失がそれほど大きくなくても、時間が経過した後に突然大きな損失増加が発生し、これが突発故障の原因になる場合があると考えられている。そのため、開通工事時の作製した現場組立の光ファイバの接続部ごとの接続損失を測定することは、接続部故障の低減、撲滅のためには非常に重要である。しかしながら、現在の開通工事では、この現場組立の光ファイバの接続部ごとの接続損失は測定されていない。
そこで、本発明の出射光量計測装置を用いた光ファイバ接続損失測定方法を、前記の開通工事に実施する例を説明する。図11、図12に、本発明の光ファイバ端からの出射光量計測装置を用いた光ファイバ損失異常箇所を特定するための方法と手順を示す。
まず、開通工事で、架空クロージャ内接続用の現場組立のFASコネクタを作製する。次に、作製したFASコネクタを接続する相手のFASコネクタに、計測用のFASコネクタ、SCコネクタ付きの光ファイバを介して、本発明の出射光量計測装置に接続し、出射光量(1)P0dBmを測定する。次に、現場で作製したFASコネクタを架空クロージャ内のFASコネクタに接続し、作製したFASコネクタが取付けられている反対側の光ファイバの端面(凸凹端面でも直角端面でもどちらでも良い)と本発明の出射光量計測装置を用いて、出射光量(1’)P1dBmを測定し、接続損失α=P0−P1(dB)が、FASコネクタの接続損失の規格値以下であるか以上であるかを判定する。
もし、規格値以上であれば、作製したFASコネクタが何らかの原因で損失が大きかった、つまり接続状態が異常であったことが想定されるため、最初のFASコネクタ作製からやり直す。もし、規格値以下であれば、作製したFASコネクタは正しく作製されていると判定し、次の工事に行く。
次に、メカニカルスプライスの現場接続を行う場合は、まず、メカニカルスプライスに接続する光ファイバ端(凸凹端面でも直角端面でもどちらでも良い)と本発明の出射光量計測装置を用いて、出射光量(2)P0dBmを測定する。その後、メカニカルスプライスを現場作製する。その後、作製したメカニカルスプライス接続されている反対側の光ファイバの端面(凸凹端面でも直角端面でもどちらでも良い)と本発明の出射光量計測装置を用いて、出射光量(2’)P1dBmを測定し、接続損失α=P0−P1(dB)が、メカニカルスプライスの接続損失の規格値以下であるか以上であるかを判定する。
もし、規格値以上であれば、作製したメカニカルスプライスが何らかの原因で損失が大きかった、つまり接続状態が異常であったことが想定されるため、直前のメカニカルスプライス作製からやり直す。もし、規格値以下であれば、作製したメカニカルスプライスは正しく作製されていると判定し、次の工事に行く。
ターミネーションコネクタの現場接続を行う場合も、前記同様に本発明の出射光量計測装置を用いて、出射光量(3)P0dBmおよび出射光量(3’)P1dBmを測定し、接続損失α=P0−P1(dB)が、ターミネーションコネクタの接続損失の規格値以下であるか以上であるかの判定と、その結果に応じた作業を行う。また、必要に応じて本発明の出射光量計測装置を用いて、ONUに接続する光コネクタの端面からの出射光量(4)を測定しても良い。
以上のような流れで、本発明の光ファイバの端面からの出射光量計測装置を用いて、現場組立の光ファイバの接続部の前後での光量を測定し、その光量差を当該接続部の接続損失として計測し、規格値以上か以下を判定することで、異常な接続状態にある光ファイバの接続部を、光アクセス網の中に放置しておくことを防止し、後々の光ファイバの接続部の突発的な故障低減や撲滅に大きく貢献する。
11:光ファイバホルダ、12:光出射部、13:屈折率整合材、14:光センサ、15:アタッチメント、16:制御・表示部。
編集委員長 川瀬正明,「JIS使い方シリーズ 光ファイバ実用マニュアル」,4章,日本規格協会,1994. Yoshiteru Abe, Mitsuru Kihara, Masaru Kobayashi, Shinsuke Matsui, Shuichiro Asakawa, Ryo Nagase, and Shigeru Tomita, "Design and performance of field installable optical connector realizing physical contact connection without fiber endface polishing", IEICE Trans. on Electron., Vol. E93-C, pp. 1411-1415,(2010). Mitsuru Kihara, Yuichi Yajima, and Hiroshi Watanabe, "Analyzing deterioration in optical performance of fiber connections with refractive index matching material using incorrectly cleaved fiber ends", IEICE Trans. on Commun., Vol. E96-B, pp. 2206-2212,(2013). 末松康晴・伊賀健一 著,光ファイバ通信入門,8章,オーム社,2013.

Claims (7)

  1. 光ファイバの端面からの出射光量を計測する出射光量計測装置であって、
    光ファイバホルダと、光出射部と、屈折率整合材と、光センサとを少なくとも具備し、
    前記光ファイバホルダは計測対象光ファイバをその先端部が当該光ファイバホルダの一端よりわずかに突出した状態で着脱自在に固定可能な構造を有し、
    前記光出射部は前記計測対象光ファイバの前記光ファイバホルダからの突出長より長い長さおよび前記計測対象光ファイバの先端部の外径以上の内径を備えた貫通孔を有し、当該貫通孔内に前記計測対象光ファイバの先端部が収納されるように前記光ファイバホルダの一端に取り付けられ、
    前記屈折率整合材は、少なくとも前記光ファイバの先端部の端面に塗布された状態となるように前記光出射部の貫通孔内に表面張力で留まっている状態で充填され、かつ空気と接している表面は凸凹しておらず前記光ファイバの軸方向に対して直角に近い境界面になっており、
    前記光センサは前記光出射部からの出射光を受光し、当該受光した光量に比例した電気信号に変換する機能を有し、
    さらに、前記光ファイバホルダおよび光センサ間の相対的な位置関係を、前記光出射部から出射された光が全て光センサに照射されるように、前記光ファイバホルダに固定された計測対象光ファイバと光センサとを軸合わせしかつ前記光出射部の先端面と光センサの受光面との間の距離を所定の長さ以下に維持するようにした
    ことを特徴とする出射光量計測装置。
  2. 前記光ファイバホルダの一端側および光センサの受光面側にそれぞれ対応した形状の着脱自在の嵌合部を有するアタッチメントを用いて、前記光ファイバホルダおよび光センサ間の相対的な位置関係を維持する
    ことを特徴とする請求項1に記載の出射光量計測装置。
  3. 前記アタッチメントとして、光ファイバホルダの一端側の嵌合部が、工場作製の光ファイバコネクタに対応した形状を有するアタッチメントをさらに具備する
    ことを特徴とする請求項2に記載の出射光量計測装置。
  4. 前記光センサの受光波長を選択制御するとともに、前記受光した光量を表示する機能を有する制御・表示部をさらに具備する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の出射光量計測装置。
  5. 前記計測対象光ファイバの端面は、ファイバカッタで切断したときの直角端面およびニッパで切断したときの凸凹した端面を含む任意の形状を有する端面である
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の出射光量計測装置。
  6. 前記屈折率整合材は、ちょう度が300以上である
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の出射光量計測装置。
  7. メカニカルスプライスなどの現場組立の光ファイバの接続部の接続損失を測定する光ファイバ接続損失測定方法であって、
    請求項1乃至のいずれかに記載の出射光量計測装置を用いて、組立前の光ファイバの端面からの出射光量と組立後の光ファイバの端面からの出射光量とを計測し、その結果から現場組立の光ファイバの接続部の接続損失を測定する
    ことを特徴とする光ファイバ接続損失測定方法。
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