JP6291313B2 - 光周波数領域反射測定方法、光周波数領域反射測定装置およびそれを用いた位置または形状を測定する装置 - Google Patents

光周波数領域反射測定方法、光周波数領域反射測定装置およびそれを用いた位置または形状を測定する装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6291313B2
JP6291313B2 JP2014069662A JP2014069662A JP6291313B2 JP 6291313 B2 JP6291313 B2 JP 6291313B2 JP 2014069662 A JP2014069662 A JP 2014069662A JP 2014069662 A JP2014069662 A JP 2014069662A JP 6291313 B2 JP6291313 B2 JP 6291313B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
polarization
measured
measurement
optical fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014069662A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015190917A (ja
Inventor
森 隆
隆 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Anritsu Corp
Original Assignee
Anritsu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Anritsu Corp filed Critical Anritsu Corp
Priority to JP2014069662A priority Critical patent/JP6291313B2/ja
Publication of JP2015190917A publication Critical patent/JP2015190917A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6291313B2 publication Critical patent/JP6291313B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Testing Of Optical Devices Or Fibers (AREA)
  • Instruments For Measurement Of Length By Optical Means (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Description

本発明は、被測定光ファイバの歪み分布を測定する技術に関し、特に波長が掃引される光を測定光として被測定光ファイバに入力し、その測定光に対する被測定光ファイバからの反射光の2つの直交した偏波成分を測定する技術に関する。
従来から光周波数領域反射測定法(Optical Frequency Domain Reflectometry; OFDR)を用いた光ファイバの歪み測定が行なわれている。
光周波数領域反射測定装置(以下、単に測定装置と記す)200の基本構成を図18に示す。図18において、波長掃引光源1は、半導体レーザを含み、時間に対して光の周波数が直線的に変化する波長掃引光P0を出力する。
波長掃引光P0は、光カプラ等からなる分岐手段3に入力されて2分岐され、その一方の分岐光P1が測定光Pmes として光サーキュレータ等からなる方向性結合手段31を介して被測定光ファイバ38の一端側に導かれる。
被測定光ファイバ38の内部で反射して一端側に戻る反射光Pret は、方向性結合手段31を介して光カプラ等からなる合波手段41に入力される。合波手段41には、分岐手段3で分岐された他方の光P2(=基準光Pr)も入力され、反射光Pret と基準光Prが干渉する。
合波手段41から出力される2つの光Psum(+)、Psum(-)は、干渉する光の位相が互いに逆位相となる。合波手段41から出力される2つの光Psum(+)、Psum(-)をバランス受光器55に入力して被測定光ファイバ38からの反射光Pret と基準光Prの干渉によるビート信号を検出する。
バランス受光器55から出力されるアナログの電気信号AはA/D変換器65によりディジタル信号Dに変換され、信号処理部90にてフーリエ変換処理等が行なわれる。
ここで、図19の(a)に示すように、被測定光ファイバ38にa点、b点、c点の3つの反射点を想定し、被測定光ファイバ38の近端o点からの距離をLa、Lb、Lcとする。
また、分岐手段3から被測定光ファイバ38の近端o点で折り返して合波手段41に至る光路長と、基準光Prが伝搬する分岐手段3から合波手段41までの光路長を等しくすると、被測定光ファイバ38のa点で反射した光Pretaは基準光Prに比べてta=2nLa/cだけ時間が遅れて合波手段41で合波される。ここで、nは被測定光ファイバ38の屈折率、cは光速である。同様にb点、c点で反射した光Pretb、Pretcは、tb=2nLb/c、tc=2nLc/cだけ時間が遅れる。
したがって、基準光Prの光周波数νr、a点からの反射光の光周波数νa、b点からの反射光の光周波数νb、c点からの反射光の光周波数νcは、図19の(b)のように、基準光Prの時間に対する光周波数の変化特性(この場合傾き一定の直線とする)が、上記した各時間ta〜tc遅れて現れることになる。
波長掃引光P0の単位時間当たりの光周波数変化量をSとすると、a点からの反射光Pretaと基準光Prの干渉によるビート周波数は、
fa=|νa−νr|=S・ta=(2nS/c)La ……(1)
となる。同様にb点およびc点からの反射光と基準光の干渉によるビート周波数は、
fb=|νb−νr|=S・tb=(2nS/c)Lb ……(2)
fc=|νc−νr|=S・tc=(2nS/c)Lc ……(3)
となる。
よって、信号処理部90において、ディジタル信号Dをフーリエ変換すると、図19の(c)のように、被測定光ファイバ38の一端からそれぞれの反射点までの距離La、Lb、Lcに比例した周波数fa、fb、fcのビート信号が観測される。なお、各点での反射率は十分小さいと仮定し、多重反射は無視している。
以上のように、光周波数領域反射測定法によって、被測定光ファイバからの反射の長手方向の分布を測定することが出来る。
また、被測定光ファイバのレイリー散乱によって長手方向に連続的に光が反射するとともに、被測定光ファイバの長手方向に歪みが加わると、レイリー散乱による反射光の位相が変化する。
このため、上記光周波数領域反射測定法によって得られたビート信号の位相を観測することにより、被測定光ファイバの微小な歪みの長手方向の分布を測定することが出来る。
なお、特許文献1には、上記光周波数領域反射測定方法を、複数のコアを持ったマルチコアファイバに適用し、同ファイバの位置または形状を測定する方法が示されている。
上記した図18の構成例では、光の偏波について考慮していないが、通常の単一モードファイバでは光の偏波が保持されずファイバの曲げによって偏波が変化するため、被測定光ファイバからの反射光と基準光の偏波が直交すると干渉によるビート信号が得られなくなる問題がある。また、光ファイバが曲げられた場合、光の偏波状態によって屈折率が異なる複屈折が発生し、光周波数領域反射測定法による位相測定に影響を及ぼす。
これらの問題を解決するために、2つの直交した偏波状態の光を掃引毎に切り替えて光ファイバに入射すると共に、それぞれの偏波状態について、光ファイバからの反射光の2つの直交した偏波成分に分離して測定する偏波ダイバーシティ方式が用いられる。
図20は、従来の偏波ダイバーシティ方式を用いた測定装置210の構成例を示している。この測定装置210では、前記図18に示した測定装置200と同様に、波長掃引光源1から出力された波長掃引光P0を分岐手段3によって2分岐するが、その一方の分岐光P1を偏波コントローラ15に入力する。偏波コントローラ15は、出射光の偏波状態を第1の偏波状態と、それに直交する第2の偏波状態に切り替えるためのものであり、制御器16によって波長掃引光源1で1回の波長掃引が行なわれる毎にこの2つの偏波状態を切り替えている。
偏波コントローラ15の出力光P1′は、測定光Pmes として前記同様に方向性結合手段31を介して被測定光ファイバ38に入力され、その測定光Pmes に対する被測定光ファイバ38からの反射光Pret が、方向性結合手段31を介して合波手段41に入力される。
分岐手段3で分岐された光の他方P2は、偏波コントローラ25に入力される。この偏波コントローラ25は、後述の偏波分離手段45、46で2つに分岐される基準光の強度がほぼ等しくなるように調整するためのものであり、予め波長掃引光P0の偏波状態が偏波分離手段45、46で2つに分岐される基準光の強度がほぼ等しくなるように設定されている場合には不要である。
偏波コントローラ25から出力されたP2′は基準光Prとして、被測定光ファイバ38からの反射光Pret ともに合波手段41に入力されて合波され、反射光Pret と基準光Prが干渉する。前記したように合波手段41から出力される2つの光Psum(+)、Psum(-)は、干渉する光の位相が互いに逆位相となり、その一方の光Psum(+)は、偏光ビームスプリッタ(PBS)等からなる偏波分離手段45に入力され、2つの直交した偏波成分s(+)およびp(+)に分岐される。また、他方の光Psum(-)も、PBS等からなる偏波分離手段46に入力され、2つの直交した偏波成分s(-)およびp(-)に分岐される。
分離された偏波成分s(+)、s(-)がバランス受光器55に入力され、その偏波成分s(+)、s(-)の光強度の差に比例する電気信号Asが出力され、A/D変換器65によってディジタル信号Dsに変換される。同様に、分離された偏波成分p(+)、p(-)がバランス受光器56に入力され、そのp(+)、p(-)の光強度の差に比例する電気信号Apが出力され、A/D変換器66でディジタル信号Dpに変換される。
これらのディジタル信号Ds、Dpは、CPU等からなる信号処理部91に入力され、それぞれフーリエ変換処理を受ける。
特許文献1には、上記構成の測定装置210において、偏波コントローラ15を第1の偏波状態に設定して波長掃引した時に得られるディジタル信号Ds、Dpのフーリエ変換結果をそれぞれa、b、偏波コントローラ15を第2の偏波状態に設定して波長掃引した時に得られるディジタル信号Ds、Dpのフーリエ変換結果をそれぞれc、dとし、これら4種類のフーリエ変換結果a、b、c、dから、被測定光ファイバ38の複屈折を補正する技術が開示されている。
なお、被測定光ファイバ38の複屈折を補正しない場合でも、通常の単一モードファイバでは光の偏波が保持されずファイバの曲げによって偏波が変化するため、被測定光ファイバからの反射光と基準光の偏波が直交すると干渉によるビート信号が得られなくなる問題を解決するためには、偏波コントローラ25、偏波分離手段、2組の受光器とA/D変換器が必要であり、偏波分離手段で2つに分岐される基準光の強度がほぼ等しくなるように偏波コントローラ25を調整する必要がある。
図21は、従来の偏波ダイバーシティ方式を用いた別の測定装置220の構成例を示している。この測定装置220では、波長掃引光源1からの出力光P0を、分岐手段3で分岐する前に偏波コントローラ15に与え、波長掃引毎に出力光の偏波状態を第1の偏波状態とそれに直交する第2の偏波状態に切り替えている。
そして、被測定光ファイバ38からの反射光Pret と基準光Prを合波手段41で合波し、その合波光Psumを偏波コントローラ25に入力している。この偏波コントローラ25は前記同様に、後続の偏波分離手段45で2つに分岐される基準光の強度がほぼ等しくなるように調整されている。
偏波コントローラ25の出力光Psum′は、偏波分離手段45で偏波状態s、pの光に分離される。
図21では図20のバランス受光器55、56の代わりにシングルエンドの受光器57、58を用いている。偏波状態sの光からディジタル信号Dsが得られ、偏波状態pの光からディジタル信号Dpが得られ、図20で説明したように、偏波コントローラ15の出力光の偏波状態を第1の偏波状態にして波長掃引したときに得られるフーリエ変換結果a、bと、偏波コントローラ15の出力光の偏波状態を第2の偏波状態にして波長掃引したときに得られるフーリエ変換結果c、dとから、特許文献1に記載の方法にて被測定光ファイバ38の複屈折を補正することが出来る。
図22は、図21を基本構成として、マルチコアファイバ39を使用して3次元の位置または形状を測定する測定装置230の構成を示している。
この測定装置230では、波長掃引光源1からの出力光P0は、分岐手段2で分岐され、その一方の分岐光P1は前記同様に偏波コントローラ15に入力され、他方の分岐光P2は、監視部70に入力される。
監視部70は、図23に示しているように、入力光P2を分岐手段71で2分岐し、その一方をシアン化水素(hydrogen cyanide; HCN) のガスセル72に与え、ガスセル72を通過した光のパワーを受光器73とA/D変換器74で測定し、信号処理部92へ出力する。信号処理部92はガスの吸収波長に従って波長掃引光源1の絶対波長を校正する。
また、分岐手段71で分岐された他方の光は、光カプラ81、 遅延ファイバ82、ファラデー回転子型のミラー83、84からなる遅延干渉計に与えられる。この遅延干渉計の出力を受光器85、A/D変換器86で測定する。この遅延干渉計の出力から、波長掃引光源1の光周波数変化に応じたビート周波数の正弦波が得られる。実際の波長掃引光源1は時間に対する光周波数変化が完全に直線でないことが多いため、信号処理部92では、上記遅延干渉計の出力を用いて波長掃引の非直線性に対する補正処理を行なう。
一方、偏波コントローラ15からは前記同様に掃引掃引毎に偏波状態が切り替えられた光P1′が出力され、分岐手段30で4分岐される。4分岐されたそれぞれの光P3〜P6は、それぞれ分岐手段3A〜3Dに入力され、測定光Pmes1〜Pmes4と、基準光Pr1〜Pr4に分岐され、4つの測定光Pmes1〜Pmes4は、方向性結合手段31A〜31Dをそれぞれ介して、マルチコアファイバ用ファンアウト35に入力され、1本の被測定マルチコアファイバ39の各コアに入力される。
被測定マルチコアファイバ39の各コアからの反射光Pret1〜Pret4は、マルチコアファイバ用ファンアウト35および方向性結合手段31A〜31Dを介してそれぞれ合波手段41A〜41Dに入力される。
これら合波手段41A〜41Dには、それぞれ基準光Pr1〜Pr4も入力しており、図21の構成と同様に、被測定マルチコアファイバ39の各コアからの反射光と基準光とが合波され、その出力を受けた偏波分離手段45A〜45Dによりそれぞれ2つの偏波成分(s1、p1)〜(s4、p4)に分離され、それぞれ受光器57A〜57D、58A〜58Dで電気信号に変換され、A/D変換器65A〜65D、66A〜66Dでディジタル信号(Ds1、Dp1)〜(Ds4、Dp4)に変換され、信号処理部92に入力される。偏波コントローラ25A〜25Dは、前記同様に、それぞれ後続の偏波分離手段45A〜45Dで2つに分岐される基準光の強度がほぼ等しくなるように調整されている。
この構成によって、図21と同様に複屈折を補正して被測定マルチコアファイバ39の各コアの歪み分布を測定することが出来る。また、各コアの歪み分布から、被測定マルチコアファイバ39の位置または形状を算出することが可能である。
なお、特許文献2には、被測定光ファイバとしてファイバブラッグ回折格子(FBG)を用いる方法が示されている。FBGの反射率はレイリー散乱の反射率よりも高いため、被測定光ファイバの終端や光コネクタ、方向性結合手段(光サーキュレータ)等における反射、および被測定マルチコアファイバやファンアウトのクロストークの影響を低減できる特長を持つ。また、反射波長がチャープしたFBGを用いることにより、広い波長掃引範囲にわたって反射光が得られ、受光器のダイナミックレンジを抑えることが出来る。
特表2013−505441 国際公開WO−2013136247
上記の従来の偏波ダイバーシティ方式を用いた光周波数領域反射測定では、2つの直交した偏波成分の光を検出するために、1コアあたり受光器とA/D変換器がそれぞれ2個必要ずつ必要となり、偏波分離手段で2つに分岐される基準光の強度がほぼ等しくなるように偏波コントローラ25を調整する必要があるという問題があった。また、前記したようにマルチコアファイバを被測定光ファイバとする装置では、コアの数の増加により、装置が大規模となり高コストになってしまうという問題もあった。
本発明は、上記問題を解決し、1組の受光器とA/D変換器で被測定光ファイバからの反射光の2つの直交した偏波成分を検出でき、偏波分離のための偏波調整が不要で、マルチコアファイバを被測定光ファイバとする場合でも、その規模が小さく済み、低コストに構成できる光周波数領域反射測定法、光周波数領域反射測定装置およびそれを用いた位置または形状を測定する装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の請求項1の光周波数領域反射測定方法は、
波長が所定範囲連続的に掃引される波長掃引光から、該波長掃引光と波長掃引特性が同一の測定光と基準光を生成し、前記測定光を、格子間隔がチャープしたファイバブラッグ回折格子を有する被測定光ファイバ(37)に出力する段階と、
前記測定光に対する前記被測定光ファイバからの反射光を受け入れ、該反射光と、前記基準光とを合波して受光器に入力し、前記反射光と前記基準光の干渉によって生じるビートを電気信号として出力させる段階と、
前記電気信号をディジタル信号に変換してフーリエ変換処理を行なう段階とを含む光周波数領域反射測定方法において、
前記基準光として、互いに偏波が直交する第1の基準光と第2の基準光とが、前記ファイバブラッグ回折格子を光が往復する時間より短い所定の時間差をもって合波された偏波多重基準光を用い、
前記反射光と前記偏波多重基準光との合波によって得られる前記ディジタル信号に対するフーリエ変換処理を、前記反射光と前記偏波多重基準光に含まれる前記第1の基準光との干渉によって生じるビート周波数と、前記反射光と前記偏波多重基準光に含まれる前記第2の基準光との干渉によって生じるビート周波数とが重ならない複数の期間に分割して行ない、
前記複数の期間について得られたフーリエ変換結果を距離軸上で合成することで、前記反射光の互いに直交した2つの偏波成分の測定結果を得ることを特徴とする。
また、本発明の請求項2の光周波数領域反射測定方法は、請求項1記載の光周波数領域反射測定方法において、
前記測定光として、互いに偏波が直交する第1の測定光と第2の測定光とを、波長掃引毎に交互に切り替えて前記被測定光ファイバに与え、
前記第1の測定光および前記第2の測定光に対してそれぞれ前記被測定光ファイバから反射された反射光と前記偏波多重基準光との合波によって得られる前記ディジタル信号に対するフーリエ変換処理を、前記複数の期間に分割して行ない、
前記第1の測定光と前記第2の測定光に対してそれぞれ前記被測定光ファイバからの反射光の互いに直交した2つの偏波成分の測定結果を得ることを特徴とする。
また、本発明の請求項3の光周波数領域反射測定装置は、
波長が所定範囲連続的に掃引される波長掃引光を出力する波長掃引光源(1)と、
前記波長掃引光を第1光路で受けて分岐する分岐手段(3)と、
前記分岐手段で分岐されて第2光路に出力された第1分岐光を測定光として受け、格子間隔がチャープしたファイバブラッグ回折格子を有する被測定光ファイバ(37)に出力すると共に、該測定光に対する前記被測定光ファイバからの反射光を受け入れる方向性結合手段(31)と、
前記分岐手段で分岐されて第3光路に出力された第2分岐光を基準光として受け、該基準光と前記方向性結合手段から出力される前記被測定光ファイバからの反射光とを合波する合波手段(41)と、
前記合波手段の出力光を受けて前記反射光と前記基準光の干渉によって生じるビートを電気信号として出力する受光器(55、57)と、
前記電気信号をディジタル信号に変換するA/D変換器(65)と、
前記ディジタル信号に対するフーリエ変換処理を行なう信号処理部(101〜103)とを有する光周波数領域反射測定装置において、
前記第光路に挿入され、前記第2分岐光を受け、前記波長掃引光と同一の波長掃引特性を有し、互いに偏波が直交する第1の基準光と第2の基準光とが、前記ファイバブラッグ回折格子を光が往復する時間より短い所定の時間差をもって合波された偏波多重基準光を出力させる偏波多重部(10)を有し、
前記信号処理部は、
前記反射光と前記偏波多重基準光との合波によって得られるディジタル信号に対するフーリエ変換処理を、前記反射光と前記偏波多重基準光に含まれる前記第1の基準光との干渉によって生じるビート周波数と、前記反射光と前記偏波多重基準光に含まれる前記第2の基準光との干渉によって生じるビート周波数とが重ならない複数の期間に分割して行ない、該複数の期間について得られたフーリエ変換結果を距離軸上で合成することで、前記反射光の互いに直交した2つの偏波成分の測定結果を得るように構成されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項4の光周波数領域反射測定装置は、請求項3記載の光周波数領域反射測定装置において、
前記第1光路または第2光路のいずれかに挿入され、前記波長掃引光または前記第1分岐光を受け、前記波長掃引光と同一の波長掃引特性を有し、互いに偏波が直交する第1の測定光と第2の測定光を、波長掃引毎に切り替えて出力する偏波切替手段(15、16)を有し、
前記信号処理部は、
前記第1の測定光および前記第2の測定光に対してそれぞれ前記被測定光ファイバからの反射光と前記偏波多重基準光との合波によって得られるディジタル信号に対するフーリエ変換処理を、前記複数の期間に分割して行ない、
前記第1の測定光と前記第2の測定光に対してそれぞれ前記被測定光ファイバからの反射光の互いに直交した2つの偏波成分の測定結果を得るように構成されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項5の光周波数領域反射測定装置は、請求項3または請求項4記載の光周波数領域反射測定装置において、
前記被測定光ファイバが、長手方向に複数の領域に分割され、該複数の領域はそれぞれの格子間隔がチャープしたファイバブラッグ回折格子を有しており、
前記信号処理部は、前記測定光の波長が1回掃引されたときに得られる前記ディジタル信号に対するフーリエ変換処理を、前記測定光に対する前記被測定光ファイバの前記複数の領域からの反射光と前記偏波多重基準光に含まれる前記第1の基準光との干渉によって生じるビート周波数と、前記測定光に対する前記被測定光ファイバの前記複数の領域からの反射光と前記偏波多重基準光に含まれる前記第2の基準光との干渉によって生じるビート周波数とが重ならない複数の期間に分割して行なうことを特徴する。
また、本発明の請求項6の光周波数領域反射測定装置は、請求項5記載の光周波数領域反射測定装置において、
前記偏波多重部の所定の時間差が、前記被測定光ファイバの前記領域のいずれかを光が往復する時間より短く設定されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項7の光周波数領域反射測定装置は、請求項5または請求項6記載の光周波数領域反射測定装置において、
前記被測定光ファイバの複数の領域の反射波長範囲の一部が重複するように形成されており、
前記波長掃引光源の波長掃引範囲が、前記被測定光ファイバの前記波長掃引範囲の重複する部分に達していることを特徴とする。
また、本発明の請求項8の光周波数領域反射測定装置は、請求項3〜7のいずれかに記載の光周波数領域反射測定装置において、
前記被測定光ファイバが、複数M以上のコアを有するマルチコアファイバ(36)であって、
前記測定光を前記マルチコアファイバのコアのうちの複数Mのコアに与え、該複数Mのコアからの反射光と前記偏波多重基準光との干渉で得られるビート信号を得るために、前記方向性結合手段、前記合波手段、前記受光器および前記A/D変換器の組を前記複数M組設けたことを特徴する。
また、本発明の請求項9の光周波数領域反射測定装置は、請求項3〜7のいずれかに記載の光周波数領域反射測定装置において、
前記被測定光ファイバが、複数M以上のコアを有するマルチコアファイバ(36)であって、
前記測定光を前記マルチコアファイバのコアのうちの複数Mのコアに与え、該測定光に対する前記複数Mのコアからの反射光をそれぞれ受け入れるために前記方向性結合手段が前記複数M組設けられ、
前記複数Mのコアからの反射光を、前記方向性結合手段を介して合波する反射光合波手段(48)と、
前記反射光合波手段において前記複数Mのコアからの反射光が前記コア毎に異なる遅延時間をもって合波されるように遅延時間差を付与する手段(51A〜51D)とを有し、
前記反射光合波手段の出力に対する処理を、1組の前記合波手段、前記受光器および前記A/D変換器で行なうことを特徴する。
また、本発明の請求項10の光周波数領域反射測定装置は、請求項8または請求項9記載の光周波数領域反射測定装置において、
前記複数Mが4であることを特徴とする。
また、本発明の請求項11の位置または形状を測定する装置は、
前記請求項3〜10のいずれかに記載の光周波数領域反射測定装置を用いて、前記被測定光ファイバが固定された被測定物の位置または形状を測定することを特徴する。
また、本発明の請求項12の位置または形状を測定する装置は、請求項11記載の位置または形状を測定する装置において、
前記被測定物が、医療用カテーテル、医療用検査プローブ、医療用センサ、建築物検査センサ、海底センサ、または地質センサであることを特徴する。
上記したように、本発明では、波長掃引光源が出力する波長掃引光を測定光として被測定光ファイバに与え、基準光としては、互いに偏波が直交する第1の基準光と第2の基準光が、被測定光ファイバのファイバブラッグ回折格子を光が往復する時間より短い所定の時間差をもって合波された偏波多重基準光を用い、被測定光ファイバからの反射光と偏波多重基準光に含まれる第1の基準光との干渉によって生じるビート周波数と、被測定光ファイバからの反射光と偏波多重基準光に含まれる第2の基準光との干渉によって生じるビート周波数とが重ならない複数の期間に分割してフーリエ変換処理を行ない、その複数の期間について得られたフーリエ変換結果を距離軸上で合成することで、反射光の互いに直交した2つの偏波成分の測定結果を得るようにしている。
つまり、測定光を受けた被測定光ファイバから得られる反射光に対し、互いに偏波が直交する第1の基準光と第2の基準光で所定の時間差をもって干渉させてビートを得て、そのビート周波数が重複しないように期間を分割してフーリエ変換処理を行なうことで、反射光の直交する2つの偏波成分を演算で分離して得ることができ、従来装置のような光学的な偏波分離処理およびそのための偏波調整処理が不要となり、被測定光ファイバの1コア当り、1組の受光器、A/D変換器という簡単な構成で実現できる。
また、上記のように、コア当り受光器とA/D変換器が1組で済むから、被測定光ファイバがマルチコアファイバの場合でも、装置を簡単に低コストに構成できる。
本発明の実施形態の構成図 本発明の実施形態の要部の構成例を示す図 本発明の実施形態の要部を自由空間光学系で構成した例を示す図 被測定光ファイバの構造例を示す図 被測定光ファイバの反射波長特性と掃引波長との関係を示す図 本発明の実施形態の信号処理部の構成例を示す図 本発明の実施形態のフーリエ変換を2期間に分けて行なう場合の動作説明図 本発明の実施形態のフーリエ変換を3期間に分けて行なう場合の動作説明図 本発明の実施形態のフーリエ変換を窓関数処理後に行なう場合の動作説明図 本発明の実施形態の別の構成図 本発明の実施形態の要部を自由空間光学系で構成した例を示す図 本発明の実施形態の合波手段と受光器をシングルエンドにした構成例 チャープ領域が重複する光ファイバの反射波長特性と掃引波長との関係を示す図 チャープ領域が重複する光ファイバの反射波長特性と掃引波長との関係を示す図 マルチコアファイバに対応する実施形態の構成図 マルチコアファイバの構造例を示す図 マルチコアファイバに対応する実施形態の別の構成図 従来装置の基本構成図 光周波数領域反射測定法の基本原理を説明するための図 偏波を考慮した従来装置の構成図 偏波を考慮した従来装置の別の構成図 マルチコアファイバに対応した従来装置の別の構成図 図22の要部の構成例を示す図
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明を適用した光周波数領域反射測定装置(以下、単に測定装置と記す)100の構成例を示している。なお、以下の構成例において、前記した従来装置の構成要素と同等の要素には同一符号を付して説明する。
図1において、測定装置100の波長掃引光源1は、規定された波長範囲および掃引速度で出力光P0の波長を掃引する。波長掃引光源1は、例えば、回折格子を用いた外部共振器レーザにおいて、回折格子またはミラーの角度を変えて共振波長を変えることにより発振波長を掃引する構成で実現できる。
なお、一般に光周波数領域反射測定では、時間に対して光の周波数が直線的に変化する掃引が理想であるが、それに限られるものではなく、時間に対して光の波長が直線的に変化する掃引や、光の波長が正弦波的に変化する掃引でも良い。また、中心波長に対して波長掃引幅が十分小さい場合、波長が直線的に変化する掃引は、光周波数がほぼ直線的に変化することになる。正弦波的な掃引の場合は、正弦波のうちの比較的直線に近い領域のみを使用することにより、直線に近い掃引とみなすことが出来る。また、後述するように遅延干渉計を用いて掃引の非直線性を補正することも出来る。
波長掃引光源1の出力光P0は、所定光路(第1光路)を介して光カプラ等からなる分岐手段3に入力されて2分岐され、その一方の分岐光P1は、分岐手段3から方向性結合手段31に至る光路(第2光路)の間に挿入された偏波コントローラ15に入力され、他方の分岐光P2は、合波手段41との間の光路(第3光路)に挿入された偏波多重部10に入力される。
ここで、波長掃引光は単一偏波であり、直線偏波、円偏波、楕円偏波のいずれでも良い。
偏波コントローラ15は、制御器16とともに本実施例の偏波切替手段を構成するものである。分岐光P1を受け、分岐光P1の偏波を制御することにより、互いに偏波が直交する第1の測定光と第2の測定光とを、波長長掃引光源1で波長掃引が行なわれる毎に、交互に切り替えて出力する。
偏波コントローラ15は、波長掃引光の波長掃引毎に交互に2つの直交した偏波状態を出力するように制御器16によって制御されるが、波長掃引の往復を測定に使用し、往路と復路で偏波状態を切替えてもよく、波長掃引の往路のみを測定に使用し偶数回目の往路と奇数回目の往路とで偏波状態を変えるようにしても良い。
一方、偏波多重部10は、分岐手段3で分岐された分岐光P2を受け、波長掃引光P0と波長掃引特性が同一で、互いの偏波が直交する第1の基準光と第2の基準光とが、所定の時間差ΔTもって合波された光を偏波多重基準光として出力するものであり、基本的には、分岐手段11によって2分岐された光P2a、P2bの間に、偏波直交性付与手段12によって互いの偏波が直交する偏波直交性を付与するとともに、遅延時間差付与手段13によって偏波が直交した2つの光に所定の時間差ΔT1を付与して合波出力する。なお、この時間差ΔT1は、後述するファイバブラッグ回折格子を光が往復する時間または被測定光ファイバの1つの領域を光が往復する時間より短いものとする。偏波直交性付与手段12と遅延時間差付与手段13は、逆の順序であっても良い。
ここで、直交する偏波とは、ジョーンズベクトルで表した第1の偏波状態E1と第2の偏波状態E2がE1・E2=0の関係になる(ここで、記号・は内積、記号 は複素共役を表す)、もしくは、ポアンカレ球上で第1の偏波状態を表す点に対して、第2の偏波状態はポアンカレ球の中心に対して対称な点になるものである。
例えば、一方の光の偏波が直線偏波の場合は、その直線偏波と角度が90度異なる直線偏波を他方の光として生成し、両者に所定時間差を付与して合波する。また、一方の光の偏波が円偏波の場合は、その回転方向が逆の円偏波を他方の光として生成し、両者に所定時間差を付与して合波する。さらに、一方の光の偏波が楕円偏波の場合は、楕円の長軸の角度が90度異なり、楕円率が同じで回転方向が逆の楕円偏波を他方の光として生成し、所定時間差を付与して合波する。
図2は、この偏波多重部10のより具体的な構成例を示すものであり、図2の(a)では、分岐手段11で分岐された光の一方P2aを偏波直交変換手段12に入力して、その偏波が入力光に対して直交する光P2a′(第1の基準光)を生成する。偏波直交変換手段12は、例えばファイバを円形に所定の回数巻いた偏波コントローラや、1/2波長板や1/4波長板を組み合わせた偏波コントローラで構成することが出来る。また分岐手段11で分岐された他方の光P2bを遅延ファイバのような遅延手段13で所定時間ΔTだけ遅延させ、その遅延した光P2b′(第2の基準光)と偏波が直交変換された光P2a′とを合波手段14で合波する。なお、図2では入力光の偏波が直線偏波の例を示している。
遅延手段13として、屈折率n、長さΔL1の光ファイバを用いた場合、時間差ΔT1はnΔL1/cとなる。ここでcは光速である。
実際には、分岐手段11の出力光路の他方を偏波保持ではないファイバで構成すると、分岐手段11からの出力光路の他方の光の偏波が変化するため、光カプラからなる合波手段14で2つの光を合波する際に、2つの光の偏波状態が互いに直交する(ジョーンズベクトルがE1・E2=0の関係になる、もしくはポアンカレ球上で中心に対して対称な点になる)ように、偏波直交変換手段12として、偏波状態の調整可能な偏波コントローラを用いることが望ましい。
また、偏波コントローラ等の偏波直交変換手段12にも一定の遅延時間が存在するため、合波手段14で2つの光を合波する際に2つの光の遅延時間差がΔT1になるように遅延手段13の遅延時間(ファイバ長等)を設定する。
図2の(a)では、分岐手段11の出力の一方に偏波直交変換手段12、他方に遅延手段13を配置したが、図2の(b)のように分岐手段11の出力の一方に偏波直交変換手段12と遅延手段13の両方を配置しても良く、偏波直交変換手段12と遅延手段13の順序は逆でも良い。つまり、合波手段14で2つの光を合波する際に、互いに直交した偏波で時間差が所定値ΔT1であれば良く、2つの光のうちどちらの遅延時間が大きくても良い。
偏波多重部10は、偏波が互いに直交し遅延時間差を持つ2つの光を多重すれば良いため、(a)、(b)以外の構成も可能である。例えば、図2の(c)のように合波手段14として偏光ビームスプリッタ(PBS)を用いても良い。この場合、2つの光の偏波をPBSに合わせる必要があり、偏波直交性付与手段として、偏波コントローラ等からなる2つの偏波調整手段12a、12bが必要となるが、光カプラからなる合波手段で合波する際の3dB損失が無いため、低損失になる特長を持つ。
また、図2の(d)のように2つの偏波調整手段12a、12bのうちのどちらか一方は分岐手段11の前に配置することも出来る。
また、偏波多重部10は、図3のように自由空間光学系で構成することもできる。図3の(a)は、分岐手段および合波手段としてハーフミラー11、14、遅延手段として2つのミラー13a、13b、直交変換手段として、回転角度が調整可能な1/2波長板12を用いた例であり、図3の(b)は、遅延手段に直交可動ミラー13cを含めて遅延時間差を調整出来るようにした例である。また、図3の(c)は、分岐手段および合波手段として偏光ビームスプリッタ11、14を用い、直交変換手段としてファイバ型の偏波調整手段12bと自由空間の1/2波長板12aを組み合わせた例であり、その他、ファイバ型と自由空間型の素子は任意に組み合わせることが出来る。
偏波コントローラ15から波長掃引毎に第1の測定光と第2の測定光に切替られて出力される測定光Pmesは、光サーキュレータ等からなる方向性結合手段31を介して被測定光ファイバ37に入力される。なお、第1の測定光と第2の測定光に対する本実施例装置の処理は同一なので、以下の説明では、両者を区別せずに単に測定光と言う。
ここで、被測定光ファイバ37は、図4に示しているように、コア37a内の回折格子37cの間隔Λがチャープ(長手方向に変化)したファイバブラッグ回折格子(FBG)を含む光ファイバであり、FBGの反射波長λは、λ=2nΛで表される。nはコアの屈折率である。
よってチャープFBGの反射波長は、図5の(a)に示すように、距離によって変化する。距離に対して反射光周波数が直線的に変化するのが望ましいが、必ずしも直線である必要はなく、距離に対して反射波長が直線的に変化するものでも良い。
図4、図5では、3つの領域を模式的に図示しているが、領域の数は1つでも複数でも良い。領域長がセンチメートル程度のチャープFBGは容易に作製可能であるので、全長がメートル程度の被測定光ファイバでは、100程度の領域に分割しても良い。
図4、図5では回折格子間隔の変化が誇張して書かれているが、実際のチャープFBGでは、例えば反射波長の中心が1550nmに対して、反射波長の変化幅は数10nm程度の場合がある。また、図5の(a)では、同図の左側から見て長波長から短波長にチャープする例を示しているが、逆に短波長から長波長にチャープするようにしても良い。
このような反射波長特性を有する被測定光ファイバ37に対して、図5の(b)に示すように波長掃引される光を入力した場合、時間によってFBGで反射する位置が変化する。FBGの反射率が小さい場合、複数の領域のFBGによる多重反射は無視でき、FBGの領域毎に光が反射して被測定光ファイバ37から戻ってくる。
上記光周波数領域反射測定法では、被測定光ファイバ37からの反射光Pret と基準光Prが干渉してビートが発生するが、そのビート周波数は被測定光ファイバの距離に対応しているので、波長掃引された光に対し、図5の(c)のようにFBGの領域の数だけビートスペクトルのピークが発生し、時間によってそのピーク周波数が変化する。ここで被測定光ファイバの長手方向に連続した測定結果を得るためには、FBGの各領域を隙間無く配置し、波長掃引範囲λ1〜λ2は、FBGの反射波長範囲以上にする必要がある(図5は、波長掃引範囲λ1〜λ2とFBGの反射波長範囲が一致している例を示す)。
なお、図5は、チャープFBGに対して一つの波長掃引光を入射し、その反射光と一つの基準光との干渉で得られるビートスペクトルの例であり、実際には、実施形態の測定装置100では、互いに偏波が直交する2つの基準光が所定の時間差で多重化された偏波多重基準光が入力されることになるが、その動作については後述する。
上記したチャープFBG型の被測定光ファイバ37からの反射光Pret は、方向性結合手段31を介して合波手段41に入力される。方向性結合手段31は、光サーキュレータの他に、光ファイバカプラあるいはハーフミラーで構成することもできる。また、合波手段41としては、光ファイバカプラまたはハーフミラーで構成することができ、受光器としてバランス型を用いることを考慮して、合波される光の位相関係が反転した2系統の合波光を出力できるものが望ましいが、後述するように1系統出力のものでも使用できる。
合波手段41からは、反射光Pret と基準光Prとの合波で得られる2系統の光Psum(+)、Psum(-)が出力される。これら2系統の光は、干渉する光の位相が互いに逆位相となり、2つの光の干渉によるビートの位相が互いに逆位相となる。
合波光Psum(+)、Psum(-)はバランス受光器55に入力され、そのバランス受光器55から入力光Psum(+)、Psum(-)の光強度の差に比例する電気信号Aが出力され、A/D変換器65でディジタル信号Dに変換される。なお、バランス受光器は、入力光をそれぞれ独立に受ける二つの受光素子(例えばフォトダイオード)を直列接続し、その接続点から信号を取り出す構造のもの、または二つの受光素子と差動増幅器で構成されたものである。
前記したように、Psum(+)、Psum(-)はそれぞれビートの位相が逆位相となっているため、バランス受光器に入力することで、得られるビート信号の振幅が2倍になる。そして、波長掃引光源1の強度変動による雑音は打ち消され、ランダムな雑音は振幅が√2倍になるため、信号対雑音比が改善する。
A/D変換器65の出力Dは信号処理部101に入力される。信号処理部101は、例えば図6に示すように、ディジタル信号を一時記憶するバッファメモリ101a、一時記憶されたディジタル信号に対するフーリエ変換を行なうフーリエ変換部101b、フーリエ変換で周波数軸上に得られた結果を、被測定光ファイバの距離の情報に換算する距離換算部101c、複屈折の補正処理などを行なう補正部101dおよびこれらを制御する制御部101eによって構成されている。
制御部101eは、波長掃引光源1との掃引同期をとりながら、その掃引波長範囲等の波長掃引情報、偏波多重部における多重時間差(ΔT1)の情報および被測定ファイバ37に関する情報を受け、各部に対して必要なパラメータの設定、制御を行なうが、特に1回の波長掃引で得られるディジタル信号の時間領域を、偏波多重光を基準光として用いることで生じるビート周波数の重複が起きない複数の期間に分割し、これをフーリエ変換部101bに対して指定する。
フーリエ変換部101bは、制御部101dによって指定された期間に分けてディジタル信号に対するフーリエ変換を行なう。なお、補正部101dによる演算処理については、前記特許文献1に記載の処理と同等であるので、ここでは詳述しない。
(測定原理の説明)
次に、被測定光ファイバ37からの反射光から互いに直交した偏波成分を分離して検出できる原理を説明する。
被測定光ファイバ37は、図4と同様のチャープFBGを持つ光ファイバである。チャープFBGを光周波数領域反射測定法で測定すると、チャープの周期の数だけビートスペクトルのピークが発生し、時間によって周波数が一定割合で変化する。例えば、近端側より遠端側の格子間隔が短いチャープで、チャープ周期が3周期で、光源の掃引が時間的に光の周波数が増加する方向で、分岐手段3から合波手段41までの基準光の光路長を分岐手段3から被測定光ファイバ37の近端で反射して合波手段41までの光路長よりも短くした場合、図7の(a)の実線のように、時間的に周波数が増加する3つのビートスペクトルのピークが得られる。
そして、この実施例の測定装置100では、第1の基準光(例えばs偏波状態とする)と第2の基準光(例えばp偏波状態で、第1の基準光よりも時間ΔT1だけ遅れているとする)が多重化された偏波多重基準光を用いている。したがって、被測定光ファイバ37からの反射光と偏波多重基準光とが合波手段41で合波されると、被測定光ファイバ37からの反射光のs偏波成分と第1の基準光とが干渉してビートが発生し、被測定光ファイバ37からの反射光のp偏波成分と第2の基準光とが干渉してビートが発生する。
ここで、第2の基準光は、第1の基準光に比べて時間ΔT1だけ遅れているため、反射光のp偏波成分に対応するビートスペクトルのピークは、反射光のs偏波成分に対応するビートスペクトルのピークよりも周波数が低くなる。
例えば、偏波多重部10の光路長差ΔL1をFBGのチャープ周期の往復分の光路長の1/2に設定すると、図7の(a)の一点鎖線のように、反射光のs偏波成分に対応するビートスペクトルのピークB1s〜B3sに対し、その各ピーク間隔の1/2ずつ低い周波数方向にずれた周波数位置に反射光のp偏波成分に対応するビートスペクトルのピークB1p〜B3pが発生する。
ここで、波長掃引される時間範囲t1〜t2全体でみると、実線で表すピークが取る周波数範囲とその隣の一点鎖線で表すピークがとる周波数範囲はその周波数範囲のほぼ半分が重複しており、その周波数が重複した範囲を含めてフーリエ変換しても被測定光ファイバ37の長手方向の歪の分布を正しく求める事ができない。
そこで、実施形態の測定装置100では、図7の(b)のように各ピークの周波数範囲が重複しないように時間領域を複数(この例では2つ)の期間に分割し、その分割した各期間についてフーリエ変換(例えばCPUやFPGAを用いた高速フーリエ変換(FFT))を行なう。
図7の(c)は、2つの期間について行なわれたフーリエ変換処理の結果を示しており、期間毎のフーリエ変換処理で、反射光のs偏波成分に対応するフーリエ変換結果(B1sL)〜(B3sL)、(B1sH)〜(B3sH)と、反射光のp偏波成分に対応するフーリエ変換結果(B1pL)〜(B3pL)、(B1pH)〜(B3pH)とが分離して得られる。
図7の(c)で得られた結果を、横軸を被測定光ファイバ37上の距離に換算すると、反射光のp偏波成分に対応するフーリエ変換結果(B1pL)〜(B3pL)、(B1pH)〜(B3pH)は偏波多重部10の光路長差ΔL1の1/2だけ遠端側へ補正され、図7の(d)のように全ての距離範囲にわたって反射光のs偏波成分に対応する結果と反射光のp偏波成分に対応する結果の両方が得られる。
このように、全測定時間内では反射光のs偏波成分に対応するビートスペクトルと反射光のp偏波成分に対応するビートスペクトルを重複させることにより、反射光のs偏波成分に対応するビートスペクトルのみを測定する場合と比較して受光器やA/D変換器の帯域およびA/D変換器以降のサンプリング周波数を大幅に増加することなく、全測定時間を複数の領域に分割してフーリエ変換することにより、1組の受光器とA/D変換器で反射光のs偏波成分に対応するビートスペクトルと反射光のp偏波成分に対応するビート
スペクトルの両方を分離して得ることができる。
なお、被測定光ファイバ37に部分的に大きな歪みが加わると、歪みによってFBGの格子間隔が変化し、図7の(a)のビートスペクトルのピークが直線からずれる。光路長差ΔL1の誤差により図7の(a)の一点鎖線は実線の中間からずれる場合がある。また、被測定光ファイバ37の長手方向に欠損が無く連続的に歪みを測定することが望まれるが、チャープFBGを完全に隙間無く配置することは困難なため、チャープFBGを一部オーバラップさせて配置することが望ましい(その構造については後述する)。そして、ビートスペクトルのピークが完全に隙間無く並ぶように波長掃引範囲を設定することは難しいため、ビートスペクトルのピークの一部がオーバラップするように波長掃引範囲を設定することが望ましい。
これらの事情から、上記した2分割のフーリエ変換では、s偏波成分とp偏波成分が重複し分離できなくなる。この場合、時間軸上の分割数を増やすことにより重複を回避することが出来る。
図8の(a)は、ビートスペクトルのピークB2p、B2sが直線ではなく、前記光路長差ΔL1に誤差があり、ビートスペクトルのピークのオーバラップがある場合の例を示す。
この場合、図8の(b)のように時間軸上で期間1〜3に3分割することにより、ビート周波数の重複を回避し、図8の(c)のように、期間1〜3におけるs偏波成分のフーリエ変換結果(B1sL)〜(B3sL)、(B1sM)〜(B3sM)、(B1sH)〜(B3sH)、期間1〜3におけるp偏波成分のフーリエ変換結果(B1pL)〜(B3pL)、(B1pM)〜(B3pM)、(B1pH)〜(B3pH)を分離して求め、横軸を被測定光ファイバ37上の距離に換算すると図8の(d)のように全距離範囲にわたってs偏波成分とp偏波成分に対応する結果を分離して得ることが出来る。
なお、図8の(c)のフーリエ変換結果のように、各期間におけるビート周波数の変化幅が異なる場合があるが、フーリエ変換結果の振幅(強度)によって周波数の両端を検出することが出来る。
また、フーリエ変換時のスペクトルのサイドローブを低減するために、窓関数をかけた後フーリエ変換を行なうことも可能である。ただし、図7の(b)のように時間領域を2分割して窓関数をかけると、窓関数の両端部に対応する位置のビートスペクトルが得られない問題が発生する。この場合、図9の(a)のようにチャープFBGを一部オーバラップ(つまり実線部同士、一点鎖線部同士をオーバラップ)させ、図9の(b)のように窓関数を一部オーバラップさせて3分割のフーリエ変換を行なうと、図9の(c)のようにs偏波成分のビートスペクトルとp偏波成分のビートスペクトルの両端が一部重複するものの、図9の(d)のように光路長差ΔL1を補正し、ビートスペクトルの両端の一部重複部分を使用しないことで、領域1〜3に示すように全距離範囲にわたってp偏波成分とs偏波成分に対応する結果を分離して得ることが出来る。
なお、チャープの方向、チャープ周期の数、光源の掃引方向、偏波多重部の光路長差は、これに限られるものではない。他の条件においても、ビートスペクトルのピークの数、時間的な傾斜の方向、フーリエ変換分割数が異なるものの同様の効果を得ることが出来る。
このように、図1の構成の測定装置100は、多重化された2つの基準光で反射光の偏波成分を区別しているので、1組の受光器55とA/D変換器65で反射光のp偏波成分とs偏波性分を分離して測定することができ、光学的な偏波分離手段および2組の受光器とA/D変換器を使用する必要が無く、装置構成を簡単化できる。
また、前記したように光学的な偏波分離手段が不要となるので、従来のように偏波分離手段で2つに分岐される基準光の強度が等しくなるように調整するための偏波コントローラも不要となる。
なお、上記実施例の測定装置100では、上記処理を前記した第1の測定光に対する反射光と、第2の測定光に対する反射光について行い、第1の測定光の偏波に対するディジタル信号と第2の測定光の偏波に対するディジタル信号を得ることになる。
そして、第1の測定光に対する反射光のs偏波成分aとp偏波成分b、第2の測定光に対する反射光のs偏波成分cとp偏波成分dを求め、これら4つの信号a、b、c、dから、前記特許文献1に記載の方法にて被測定光ファイバ37の複屈折を補正する。
被測定光ファイバ37の複屈折の補正を行わない場合は、測定装置100から偏波コントローラ15と制御器16を省略することができる。通常の単一モードファイバでは光の偏波が保持されずファイバの曲げによって偏波が変化するため、被測定光ファイバ37からの反射光の偏波は不定であるが、前述のように時間軸上で複数の期間に分割してフーリエ変換することにより、反射光のs偏波成分とp偏波成分を分離して得ることが出来る。これにより、例えば反射光のs偏波成分とp偏波成分の自乗和を求めると、反射光の偏波によらずに反射光の強度の分布を得ることが出来る。
前記実施例の測定装置100では、偏波切替手段を構成する偏波コントローラ15が分岐手段3と方向性結合手段31の間の光路に挿入されていたが、図10に示す測定装置110のように、偏波コントローラ15を波長掃引光源1と分岐手段3の間の光路に挿入してもよい。
この場合、偏波コントローラ15によって被測定光ファイバへ入力する測定光と共に基準光の偏波も波長掃引毎に切り替わる。このため、第1の測定光に対するディジタル信号と第2の測定光に対するディジタル信号のどちらか一方について、反射光のp偏波成分に対応する結果と反射光のs偏波成分に対応する結果を入れ替える、または反射光のp偏波成分に対応する結果と反射光のs偏波成分に対応する結果のどちらか一方を逆位相にすることにより、同一偏波状態の基準光の場合に変換することが出来る。
合波手段41は図11に示すハーフミラーを用いた自由空間光学系で構成することも可能である。
また、図12に示すように、合波手段41から1系統で出力される合波光Psumをシングルエンドの受光器57で受光する構成でもよい。この場合も、合波手段41を光ファイバ光学系と自由空間光学系のどちらで構成してもよい。
次に、被測定光ファイバ37の長手方向に隣接したチャープFBGの領域が一部重複している場合の例について図13を用いて説明する。前記したように、複数の領域のFBGを完全に隙間無く配置することは難しいので、このように各領域1〜3の一部が重複するようにしても良い。重複した部分には、格子間隔の異なる2つの回折格子が存在し、2つの波長で反射することになる。このため図13の(b)に示すように、距離と反射波長の関係も重複した部分が存在する。なお、重複部分を多くして、3つ以上の領域が重複するようにしても良い。図13の(b)の特性に対して、図13の(c)のような制限された波長掃引を行なうことで、図13の(d)に示すように、ビートスペクトルのピークが重複しないようにできる。
また、図14に、チャープFBGの領域が重複し、ビートスペクトルのピークも重複している場合の例を示す。図14の(b)の特性に対して、波長掃引範囲を図14の(c)のようにチャープFBGの反射波長範囲よりも若干狭く設定し、図14の(d)のようにビート周波数の重複を発生させている。波長掃引光源1の波長掃引範囲はチャープFBGの反射波長範囲と等しいまたは広く設定しても良い。このように、チャープFBGの領域を重複させることによりチャープFBGを配置する位置精度が緩和され、ビートスペクトルのピークを重複させることにより、波長掃引光源1の波長掃引範囲の設定精度が緩和され、実施が容易になる。
前記各実施形態では、被測定光ファイバ37がシングルコアの例を説明したが、図15に、被測定光ファイバをマルチコアファイバとする測定装置120の構成例を示す。
この測定装置120は、図1に示した構成の測定装置100を4コアの被測定マルチコアファイバ36を測定するために拡張した構成となっている。
即ち、波長掃引光源1から出力された光P0を分岐手段2により2分岐し、その一方P1を分岐手段3に与え、その分岐光P3を偏波コントローラ15に入力し、別の分岐光P4を偏波多重部10に与える。
そして、偏波コントローラ15の出力光P3′を分岐手段30Aで4分岐し、4系統の測定光Pmes1〜Pmes4を各方向性結合手段31A〜31Dに出力する。また、偏波多重部10からの出力光P4′を分岐手段30Bで4分岐し、4系統の偏波多重基準光Pr1〜Pr4を各合波手段41A〜41Dに出力する。
各測定光Pmes1〜Pmes4は、各方向性結合手段31A〜31Dおよびマルチコアファイバ用ファンアウト35を介して1本の被測定マルチコアファイバ36の各コアに導かれる。各コアからの反射光Pret1〜Pret4は、マルチコアファイバ用ファンアウト35および各方向性結合手段31A〜31Dを介して各合波手段41A〜41Dに導かれ、各偏波多重基準光Pr1〜Pr4と合波される。
被測定マルチコアファイバ36は、空間多重光ファイバ伝送に用いられ、1つのクラッドの中に複数のコアを持つ。
図16の(a)は、チャープFBGを有するマルチコアファイバの例であり、中心のコア36aの周囲に3つのコア36b〜36dが配置され、各コア36a〜36dにチャープFBGが形成されている。
被測定光ファイバの3次元の位置または形状を測定するためには、ファイバの2方向の曲げとねじれの3次元の歪みを測定する必要がある。さらに、被測定光ファイバの温度補償を行なう必要があり、合計4本のコアが必要となる。もし2次元の位置または形状を測定する場合は3本のコアでよく、1次元の位置または形状を測定する場合は2本のコアでよい。図16の(a)では全てのコア36a〜36dを直線状に描いているが、被測定光ファイバのねじれを測定するためには、被測定光ファイバに力を加えない状態において図16の(b)のように中心のコアの周りに他のコアが螺旋状にねじれている必要がある。また、空間多重光ファイバ伝送用途において、図16の(c)のように中心のコア1の周囲に6つのコア2〜7が配置された7コアファイバが用いられており、この7コアファイバの中心のコア1と周囲の3つのコアのみを3次元の位置または形状測定に使用することも出来る。
合波手段41A〜41D以降の構成は、図1に示した構成の測定装置100の構成を4組分設けたものであり、各合波手段41A〜41Dの出力をそれぞれバランス受光器55A〜55Dに入力し、その出力A1〜A4をA/D変換器65A〜65Dでディジタル信号D1〜D4に変換して信号処理部102に与えている。
また、分岐手段2で分岐された他方の光P2は、監視部70に入力される。監視部70の構成および機能は、図23に示したものと同じである。
この構成の測定装置120では、被測定マルチコアファイバ36の各コアについて前記同様の測定を行なうことができ、それら複数のコアの状態から、被測定マルチコアファイバ36の各コアの歪みを正確に測定することができ、特許文献1に記載の方法にて被測定マルチコアファイバ36の位置または形状を測定することが出来る。
図17の測定装置130は、図15に示した測定装置120をさらに簡単化したものであり、図15の測定装置120の各コアからの反射光Pret1〜Prte4に対して、遅延ファイバ等からなる遅延手段51A〜51Dによりそれぞれ異なる遅延時間を与えて、反射光合波手段48で合波している。図17では、遅延手段51A〜51Dを方向性結合手段31A〜31Dから反射光合波手段48の間に挿入しているが、分岐手段30から方向性結合手段31A〜31Dの間や、方向性結合手段31A〜31Dからマルチコアファイバ用ファンアウト35の間に遅延手段51A〜51Dを設けてもよい。
反射光合波手段48からの出力光と偏波多重部10からの出力光(偏波多重基準光)Prを合波手段41に与え、その出力光Psum(+)、Psum(-)をバランス受光器55に入力し、その出力信号AをA/D変換器65でディジタル信号Dに変換して信号処理部103に与える。この場合、バランス受光器55の代わりにシングルエンドの受光器も使用できる。
この測定装置130の場合、被測定マルチコアファイバ36の4つのコアからの反射光の遅延時間と、偏波多重部10の遅延時間を、例えば0、1、2、3、4の比率に設定し、時間軸上で8以上の領域に分割してフーリエ変換を行なうことにより、一方の偏波状態の測定光について、図15と同様にして被測定マルチコアファイバ36の4つのコアそれぞれの反射光のs偏波成分に対応するフーリエ変換結果とp偏波成分に対応するフーリエ変換結果の8個の信号を分離することができ、2回の波長掃引で2つの偏波状態の測定光についてのフーリエ変換結果の16個の信号を得ることができる。
1……波長掃引光源、2、3、30A、30B……分岐手段、10……偏波多重部、31、31A〜31D……方向性結合手段、41、41A〜41D……合波手段、55、55A〜55D……バランス受光器、65、65A〜65D……A/D変換器、70……監視部、100、110、120、130……光周波数領域反射測定装置、101〜103……信号処理部

Claims (12)

  1. 波長が所定範囲連続的に掃引される波長掃引光から、該波長掃引光と波長掃引特性が同一の測定光と基準光を生成し、前記測定光を、格子間隔がチャープしたファイバブラッグ回折格子を有する被測定光ファイバ(37)に出力する段階と、
    前記測定光に対する前記被測定光ファイバからの反射光を受け入れ、該反射光と、前記基準光とを合波して受光器に入力し、前記反射光と前記基準光の干渉によって生じるビートを電気信号として出力させる段階と、
    前記電気信号をディジタル信号に変換してフーリエ変換処理を行なう段階とを含む光周波数領域反射測定方法において、
    前記基準光として、互いに偏波が直交する第1の基準光と第2の基準光とが、前記ファイバブラッグ回折格子を光が往復する時間より短い所定の時間差をもって合波された偏波多重基準光を用い、
    前記反射光と前記偏波多重基準光との合波によって得られる前記ディジタル信号に対するフーリエ変換処理を、前記反射光と前記偏波多重基準光に含まれる前記第1の基準光との干渉によって生じるビート周波数と、前記反射光と前記偏波多重基準光に含まれる前記第2の基準光との干渉によって生じるビート周波数とが重ならない複数の期間に分割して行ない、
    前記複数の期間について得られたフーリエ変換結果を距離軸上で合成することで、前記反射光の互いに直交した2つの偏波成分の測定結果を得ることを特徴とする光周波数領域反射測定方法。
  2. 前記測定光として、互いに偏波が直交する第1の測定光と第2の測定光とを、波長掃引毎に交互に切り替えて前記被測定光ファイバに与え、
    前記第1の測定光および前記第2の測定光に対してそれぞれ前記被測定光ファイバから反射された反射光と前記偏波多重基準光との合波によって得られる前記ディジタル信号に対するフーリエ変換処理を、前記複数の期間に分割して行ない、
    前記第1の測定光と前記第2の測定光に対してそれぞれ前記被測定光ファイバからの反射光の互いに直交した2つの偏波成分の測定結果を得ることを特徴とする請求項1記載の光周波数領域反射測定方法。
  3. 波長が所定範囲連続的に掃引される波長掃引光を出力する波長掃引光源(1)と、
    前記波長掃引光を第1光路で受けて分岐する分岐手段(3)と、
    前記分岐手段で分岐されて第2光路に出力された第1分岐光を測定光として受け、格子間隔がチャープしたファイバブラッグ回折格子を有する被測定光ファイバ(37)に出力すると共に、該測定光に対する前記被測定光ファイバからの反射光を受け入れる方向性結合手段(31)と、
    前記分岐手段で分岐されて第3光路に出力された第2分岐光を基準光として受け、該基準光と前記方向性結合手段から出力される前記被測定光ファイバからの反射光とを合波する合波手段(41)と、
    前記合波手段の出力光を受けて前記反射光と前記基準光の干渉によって生じるビートを電気信号として出力する受光器(55、57)と、
    前記電気信号をディジタル信号に変換するA/D変換器(65)と、
    前記ディジタル信号に対するフーリエ変換処理を行なう信号処理部(101〜103)とを有する光周波数領域反射測定装置において、
    前記第光路に挿入され、前記第2分岐光を受け、前記波長掃引光と同一の波長掃引特性を有し、互いに偏波が直交する第1の基準光と第2の基準光とが、前記ファイバブラッグ回折格子を光が往復する時間より短い所定の時間差をもって合波された偏波多重基準光を出力させる偏波多重部(10)を有し、
    前記信号処理部は、
    前記反射光と前記偏波多重基準光との合波によって得られるディジタル信号に対するフーリエ変換処理を、前記反射光と前記偏波多重基準光に含まれる前記第1の基準光との干渉によって生じるビート周波数と、前記反射光と前記偏波多重基準光に含まれる前記第2の基準光との干渉によって生じるビート周波数とが重ならない複数の期間に分割して行ない、該複数の期間について得られたフーリエ変換結果を距離軸上で合成することで、前記反射光の互いに直交した2つの偏波成分の測定結果を得るように構成されていることを特徴とする光周波数領域反射測定装置。
  4. 前記第1光路または第2光路のいずれかに挿入され、前記波長掃引光または前記第1分岐光を受け、前記波長掃引光と同一の波長掃引特性を有し、互いに偏波が直交する第1の測定光と第2の測定光を、波長掃引毎に切り替えて出力する偏波切替手段(15、16)を有し、
    前記信号処理部は、
    前記第1の測定光および前記第2の測定光に対してそれぞれ前記被測定光ファイバからの反射光と前記偏波多重基準光との合波によって得られるディジタル信号に対するフーリエ変換処理を、前記複数の期間に分割して行ない、
    前記第1の測定光と前記第2の測定光に対してそれぞれ前記被測定光ファイバからの反射光の互いに直交した2つの偏波成分の測定結果を得るように構成されていることを特徴とする請求項3記載の光周波数領域反射測定装置。
  5. 前記被測定光ファイバが、長手方向に複数の領域に分割され、該複数の領域はそれぞれの格子間隔がチャープしたファイバブラッグ回折格子を有しており、
    前記信号処理部は、前記測定光の波長が1回掃引されたときに得られる前記ディジタル信号に対するフーリエ変換処理を、前記測定光に対する前記被測定光ファイバの前記複数の領域からの反射光と前記偏波多重基準光に含まれる前記第1の基準光との干渉によって生じるビート周波数と、前記測定光に対する前記被測定光ファイバの前記複数の領域からの反射光と前記偏波多重基準光に含まれる前記第2の基準光との干渉によって生じるビート周波数とが重ならない複数の期間に分割して行なうことを特徴する請求項3または請求項4記載の光周波数領域反射測定装置。
  6. 前記偏波多重部の所定の時間差が、前記被測定光ファイバの前記領域のいずれかを光が往復する時間より短く設定されていることを特徴とする請求項5に記載の光周波数領域反射測定装置。
  7. 前記被測定光ファイバの複数の領域の反射波長範囲の一部が重複するように形成されており、
    前記波長掃引光源の波長掃引範囲が、前記被測定光ファイバの前記波長掃引範囲の重複する部分に達していることを特徴とする請求項5または請求項6記載の光周波数領域反射測定装置。
  8. 前記被測定光ファイバが、複数M以上のコアを有するマルチコアファイバ(36)であって、
    前記測定光を前記マルチコアファイバのコアのうちの複数Mのコアに与え、該複数Mのコアからの反射光と前記偏波多重基準光との干渉で得られるビート信号を得るために、前記方向性結合手段、前記合波手段、前記受光器および前記A/D変換器の組を前記複数M組設けたことを特徴する請求項3〜7のいずれかに記載の光周波数領域反射測定装置。
  9. 前記被測定光ファイバが、複数M以上のコアを有するマルチコアファイバ(36)であって、
    前記測定光を前記マルチコアファイバのコアのうちの複数Mのコアに与え、該測定光に対する前記複数Mのコアからの反射光をそれぞれ受け入れるために前記方向性結合手段が前記複数M組設けられ、
    前記複数Mのコアからの反射光を、前記方向性結合手段を介して合波する反射光合波手段(48)と、
    前記反射光合波手段において前記複数Mのコアからの反射光が前記コア毎に異なる遅延時間をもって合波されるように遅延時間差を付与する手段(51A〜51D)とを有し、
    前記反射光合波手段の出力に対する処理を、1組の前記合波手段、前記受光器および前記A/D変換器で行なうことを特徴する請求項3〜7のいずれかに記載の光周波数領域反射測定装置。
  10. 前記複数Mが4であることを特徴とする請求項8または請求項9記載の光周波数領域反射測定装置。
  11. 前記請求項3〜10のいずれかに記載の光周波数領域反射測定装置を用いて、前記被測定光ファイバが固定された被測定物の位置または形状を測定することを特徴する位置または形状を測定する装置。
  12. 前記被測定物が、医療用カテーテル、医療用検査プローブ、医療用センサ、建築物検査センサ、海底センサ、または地質センサであることを特徴する請求項11記載の位置または形状を測定する装置。
JP2014069662A 2014-03-28 2014-03-28 光周波数領域反射測定方法、光周波数領域反射測定装置およびそれを用いた位置または形状を測定する装置 Active JP6291313B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014069662A JP6291313B2 (ja) 2014-03-28 2014-03-28 光周波数領域反射測定方法、光周波数領域反射測定装置およびそれを用いた位置または形状を測定する装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014069662A JP6291313B2 (ja) 2014-03-28 2014-03-28 光周波数領域反射測定方法、光周波数領域反射測定装置およびそれを用いた位置または形状を測定する装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015190917A JP2015190917A (ja) 2015-11-02
JP6291313B2 true JP6291313B2 (ja) 2018-03-14

Family

ID=54425504

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014069662A Active JP6291313B2 (ja) 2014-03-28 2014-03-28 光周波数領域反射測定方法、光周波数領域反射測定装置およびそれを用いた位置または形状を測定する装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6291313B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3420306B1 (en) * 2016-02-24 2019-06-19 Koninklijke Philips N.V. Method and system for correcting for nonlinear twist response in optical shape sensing with spun multicore fibers
CN111856642B (zh) * 2016-05-11 2023-04-25 直观外科手术操作公司 具有用于安全性的冗余纤芯的多纤芯光学纤维
CN109073364B (zh) 2016-06-29 2021-02-05 直观外科手术操作公司 用于ofdr解调仪监测和优化的方法和装置
JP6828227B2 (ja) * 2017-04-27 2021-02-10 アンリツ株式会社 光周波数領域反射測定装置及び光周波数領域反射測定方法
JP6586186B1 (ja) * 2018-03-29 2019-10-02 アンリツ株式会社 波長掃引光源、それを用いたofdr装置及び測定方法
EP4253917A3 (en) 2018-06-04 2023-12-20 Intuitive Surgical Operations, Inc. Overlapping fiber gratings
WO2021033214A1 (ja) * 2019-08-16 2021-02-25 日本電信電話株式会社 振動分布測定装置および方法
CN113804299A (zh) * 2021-07-20 2021-12-17 广东工业大学 基于光频域干涉的光纤器件分布式双向偏振测量装置
WO2023170821A1 (ja) * 2022-03-09 2023-09-14 日本電信電話株式会社 複数の光ファイバの損失を一括で測定する装置及び方法
CN114383805B (zh) * 2022-03-23 2022-05-31 中国空气动力研究与发展中心超高速空气动力研究所 一种放电减阻设备的测量系统及测量方法
CN115127778B (zh) * 2022-05-25 2023-04-18 深圳大学 一种简化ofdr系统的方法和装置以及ofdr简化系统、控制装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6493088B1 (en) * 1999-10-04 2002-12-10 Nortel Networks Limited Method and apparatus for high resolution monitoring of optical signals
JP2008241580A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Anritsu Corp 光ヘテロダイン干渉装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015190917A (ja) 2015-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6291313B2 (ja) 光周波数領域反射測定方法、光周波数領域反射測定装置およびそれを用いた位置または形状を測定する装置
US9726573B2 (en) Optical frequency domain reflectometry, optical frequency domain reflectometer, and device for measuring position or shape using the same
JP6306922B2 (ja) 光周波数領域反射測定方法、光周波数領域反射測定装置およびそれを用いた位置または形状を測定する装置
CN101680781B (zh) 光频域反射测定方式的物理量测量装置、及使用了其的温度和应变的同时测量方法
AU2023270300A1 (en) Method and apparatus for optical sensing
US9009003B1 (en) Apparatus and method for elimination of polarization-induced fading in fiber-optic sensor system
JP5450408B2 (ja) 位相ベースのセンシング
US8909040B1 (en) Method and apparatus of multiplexing and acquiring data from multiple optical fibers using a single data channel of an optical frequency-domain reflectometry (OFDR) system
US20170276470A1 (en) Optical frequency domain reflectometer and optical frequency domain reflectometry
EP2907249A1 (en) An optical frequency domain reflectometry (ofdr) system
CN108332785B (zh) 一种大规模光纤光栅传感器的测量装置和方法
US20160266005A1 (en) Methods and apparatus for simultaneous optical parameter measurements
EP2721434A2 (en) Co-resistration of cores in multicore optical fiber sensing systems
CN105806379B (zh) 弱反射光纤布拉格光栅-珐泊腔传感器的解调系统
JP4930126B2 (ja) 物理量測定システム
JP7064425B2 (ja) 光学式エンコーダ
EP2986929B1 (en) Interferometric distance sensing device and method
WO2014072845A1 (en) Optical frequency domain reflectometry system with multiple fibers per detection chain
JP2012181098A (ja) 光強度スペクトル測定方法および装置
JP4329256B2 (ja) 干渉型光ファイバセンサの調節方法
JP5124223B2 (ja) 光チャープ特性測定装置
JPH06317478A (ja) 光波長・周波数検出装置
JP2002131022A (ja) 光ファイバセンサシステムおよびレーザ光の波長測定方法
RU2673507C1 (ru) Волоконно-оптический термометр
KR101527601B1 (ko) 위상광 측정 시스템과 그 측정방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170206

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171108

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171128

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180209

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6291313

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250