JP6289020B2 - 加熱炉 - Google Patents

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Description

本発明は、長尺状の炉体の内部に形成される長尺状の燃焼空間に対して燃料及び酸化剤ガスを供給するガス供給手段が設けられ、
前記燃焼空間の空間温度が、当該燃焼空間における燃料と酸化剤ガスとの混合ガスの自着火温度よりも高温となり、かつ、燃焼ガスが前記燃焼空間の長手方向の一端側から他端部側に向けて流動するように構成された加熱炉に関する。
かかる加熱炉は、金属材等の各種の被加熱物を加熱するのに用いられることになり、例えば、鋼材等の被加熱物を焼き入れのために加熱するのに使用されることになる。
ちなみに、加熱炉が、被加熱物を連続的に搬送しながら加熱する連続炉として構成される場合には、炉体がトンネル状に構成されて、炉体の内部に、複数の燃焼空間が、炉体の長手方向に並ぶ状態でかつ互いに連通する状態で設けられることになり、複数の燃焼空間の空間温度は、一般に、加熱の目的に応じて燃焼空間ごとに異なる場合が多いが、全て同じ温度となる場合もある。
加熱炉の従来例として、ガス供給手段が、酸化剤ガスとしての燃焼用空気を、燃焼空間の一端側から端部側に向けて供給し、かつ、ガス燃料を、燃焼空間の長手方向の複数箇所に分割して供給するように構成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
ちなみに、特許文献1に開示された加熱炉は、炉体の内部の一つの燃焼空間の長手方向の両端部に、蓄熱部を備えたリジェネレータが、燃焼用空気の供給部と燃焼ガスの排出部とに切換え自在に装備されて、一対のリジェネレータを、燃焼用空気の供給部と燃料の排出部とに交互に切換えながら、いわゆる交番燃焼を行うように構成されている。
特開平7−280210号公報
特許文献1の加熱炉は、燃焼空間の長手方向の複数箇所に分割して供給される燃料ガス(燃料の一例)が、酸化剤ガスとしての燃焼用空気と各別に混合しながら燃焼する、いわゆる多段燃焼を行うこと、並びに、燃料ガス及び酸化剤ガスが、燃焼空間に充満する燃焼ガスを巻き込みながら混合して燃焼することによって、全体として、緩慢な燃焼を行って、火炎の温度を低下させることができるため、窒素酸化物の生成を抑制できるものである。
しかしながら、緩慢な燃焼を行うだけでは、窒素酸化物の生成を十分に抑制できない虞があり、また、省エネルギー化を図ることができないものであり、改善が望まれるものであった。
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、窒素酸化物の生成を十分に抑制し、しかも、省エネルギー化を図ることができ、さらには、被加熱物の加熱を適正に行うことが可能な加熱炉を提供する点にある。
本発明の加熱炉は、長尺状の炉体の内部に形成される長尺状の燃焼空間に対して燃料及び酸化剤ガスを供給するガス供給手段が設けられ、
前記燃焼空間の空間温度が、当該燃焼空間における燃料と酸化剤ガスとの混合ガスの自着火温度よりも高温となり、かつ、燃焼ガスが前記燃焼空間の長手方向の一端側から他端側に向けて流動するように構成されたものであって、その第1特徴構成は、
前記ガス供給手段が、前記燃焼空間の前記空間温度が前記自着火温度以上の場合には、前記燃焼空間に存在する被加熱物と接触して熱交換する火炎を前記燃焼空間の長手方向の複数の火炎形成箇所に形成すべく、前記燃焼空間における燃焼速度よりも高速で、燃料と酸化剤ガスとのうちの一方又は両者を複数の前記火炎形成箇所に分割して供給する状態で、且つ、前記燃焼空間の全体に対する当量比が1.0よりも小さく且つ0.8以上となる範囲で、燃料と酸化剤ガスとを供給するように構成され、
前記燃焼空間の前記空間温度が前記自着火温度以上の場合には、複数の前記火炎形成箇所に燃料と酸化ガスとの一方又は両者を分割して供給するガス供給条件が、複数の前記火炎形成箇所に形成される複数の火炎夫々の温度を設定火炎温度以下とする条件に定められている点を特徴とする。
本願において「燃料」とは燃焼空間に供給可能な燃料を意味し、気体状の所謂燃料ガスの他、液体燃料(燃焼空間への導入前に予蒸発させて燃料ガスとして燃焼空間に導入するもの、及び液体のまま燃焼空間に噴霧した後蒸発して燃料ガスとなるもの)をも含む。
本願の加熱炉では、燃焼空間の空間温度が自着火温度以上の場合には、燃焼空間に存在する被加熱物と接触して熱交換する火炎を燃焼空間の長手方向の複数の火炎形成箇所に形成すべく、燃焼空間における燃焼速度よりも高速で、燃料と酸化剤ガスとのうちの一方又は両者が、燃焼空間の長手方向の複数の火炎形成箇所に分割して供給されて、燃焼空間の長手方向の複数の火炎形成箇所に火炎を形成する状態で燃焼されることになるから、いわゆる多段燃焼が行われること、及び、燃料及び酸化剤ガスが、燃焼空間に充満する燃焼ガスを巻き込みながら混合して燃焼することによって、全体として、緩慢な燃焼を行って、火炎の温度を低下させることができるため、窒素酸化物の生成を抑制できる。
また、燃焼空間における燃焼速度よりも高速となる状態で燃焼空間に噴出された燃料又は酸化剤ガス又はその両者は、燃焼空間に充満する炉内ガスを巻き込みながら減速して、燃焼速度よりも低くなると燃焼することになるから、燃焼空間に充満する燃焼ガスを多量に巻き込みながら燃焼することになるため、火炎の温度を一層低下させることができる。このように、燃焼空間に充満する燃焼ガスを多量に巻き込みながら燃焼させて、火炎の温度を一層低下させることができるため、窒素酸化物の生成を十分に抑制することが可能となる。
しかも、燃焼空間の全体に対する当量比が1.0よりも小さく且つ0.8以上となる範囲で、燃料と酸化剤ガスとが供給されるものであるから、炉外に排出される熱量を十分に少なくして、省エネルギー化を十分に図ることできる。
さらには、燃焼空間の空間温度が自着火温度以上の場合には、複数の火炎形成箇所に燃料と酸化ガスとの一方又は両者を分割して供給するガス供給条件が、複数の火炎形成箇所に形成される複数の火炎夫々の温度を設定火炎温度以下とする条件に定められ、しかも、複数の火炎形成箇所の火炎が被加熱物と接触して熱交換するように形成されるものであるから、設定温度以下となる状態で形成される火炎の温度を、被加熱物との熱交換により低下させることができるため、被加熱物を適切に加熱しながらも、複数の火炎形成箇所に形成される火炎の温度が、高温になることを的確に抑制できるため、窒素酸化物の生成を十分に抑制することができる。
ちなみに、火炎形成箇所の火炎が被加熱物と熱交換するとは、火炎が被加熱物と接触する状態に形成されて、火炎の熱が被加熱物に移動される状態、換言すれば、火炎が被加熱物にて冷却される状態を意味するものである。
また、設定火炎温度とは、例えば、被加熱物の加熱処理に対して好適な温度範囲において、窒素酸化物の発生を抑制するのに好都合な温度として設定される温度である。
要するに、本発明の第1特徴構成によれば、窒素酸化物の生成を十分に抑制し、しかも、省エネルギー化を図ることができ、さらには、被加熱物の加熱を適正に行うことが可能な加熱炉を提供できる。
本発明の加熱炉の第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記ガス供給手段が、前記燃焼空間の前記空間温度が前記自着火温度未満の場合には、燃料と酸化剤ガスとを前記燃焼空間の長手方向の一つの特定箇所に供給して、前記特定箇所に火炎を形成するように構成されている点を特徴とする。
すなわち、燃焼停止状態から定常運転状態に立ち上げる際等において、燃焼空間の炉内ガスとの混合・伝熱によって混合ガスがその自着火条件(温度)を満たさないと推定される場合には、燃料と酸化剤ガスとを燃焼空間の長手方向の一つの特定箇所に供給して、特定箇所に火炎を形成させるようにするから、燃焼空間の空間温度が自着火温度未満の場合においても、燃料と酸化剤ガスとを適切に混合させながら、燃焼させることが可能となる。
つまり、燃焼空間の空間温度が自着火温度未満の場合においては、燃料と酸化剤ガスとを、特定箇所に集中して供給して、燃料に対して燃焼に必要な酸化剤ガスが適切に供給される状態にすることにより、燃焼空間の空間温度が自着火温度未満であっても、良好に燃焼させることが可能となるのである。
尚、特定箇所とは、例えば、燃焼空間を早期に昇温させるのに好適な箇所である。
要するに、本発明の第2特徴構成によれば、上記第1特徴構成による作用効果に加えて、燃焼停止状態から定常運転状態に立ち上げる際等の燃焼空間の空間温度が自着火温度未満の場合においても、良好に燃焼させることが可能な加熱炉を提供できる。
本発明の加熱炉の第3特徴構成は、上記第1、又は、第2特徴構成に加えて、
前記炉体の内部に、複数の前記燃焼空間が、前記炉体の長手方向に並ぶ状態でかつ互い
に連通する状態で設けられ、
前記ガス供給手段が、複数の前記燃焼空間の夫々に対して、その燃焼速度よりも高速となる状態で、燃料又は酸化剤ガス又はその両者を噴出するように構成されている点を特徴とする。
すなわち、炉体の内部に、複数の燃焼空間が、炉体の長手方向に並ぶ状態でかつ互いに連通する状態で設けられているから、被加熱物を複数の燃焼空間を通して移動させるようにすることにより、複数の燃焼空間の夫々における加熱作用により、被加熱物を適切に加熱処理することができる。
そして、複数の燃焼空間の夫々に対して、その燃焼速度よりも高速となる状態で、燃料又は酸化剤ガス又はその両者を噴出するように構成されているから、複数の燃焼空間の夫々において、燃焼空間に充満する燃焼ガスを多量に巻き込みながら燃焼させて、複数の燃焼空間のいずれにおいても、窒素酸化物の生成を十分に抑制することができる。
要するに、本発明の第3特徴構成によれば、上記第1、又は、第2特徴構成の作用効果に加えて、複数の燃焼空間を用いて、被加熱物を適切に加熱処理することができ、しかも、複数の燃焼空間のいずれにおいても、窒素酸化物の生成を十分に抑制することができる加熱炉を提供できる。
本発明の加熱炉の第4特徴構成は、上記第1〜第3特徴構成に加えて、
前記ガス供給手段が、前記燃焼空間の前記空間温度が前記自着火温度未満の場合には、前記燃焼空間に対して、その燃焼速度よりも低速となる状態で燃料及び酸化剤ガスを噴出して、ガス噴出部に付着する付着火炎を形成するように構成されている点を特徴とする。
すなわち、燃焼停止状態から定常運転状態に立ち上げる際等において、複数の燃焼空間の空間温度が自着火温度未満の場合には、燃焼空間に対して、その燃焼速度よりも低速となる状態で燃料及び酸化剤ガスを噴出して、ガス噴出部に付着する付着火炎を形成するようにするから、燃焼空間の空間温度が自着火温度未満の場合においても、燃料と酸化剤ガスとを適切に混合させながら、燃焼させることが可能となる。
つまり、燃焼空間の空間温度が自着火温度未満の場合においては、燃料と酸化剤ガスとを、燃焼速度よりも低速で噴出して、燃料と酸化剤ガスとを拡散混合させながら、良好に燃焼させることが可能となるのである。
要するに、本発明の第4特徴構成によれば、上記第1〜第3特徴構成による作用効果に加えて、燃焼停止状態から定常運転状態に立ち上げる際等の燃焼空間の空間温度が自着火温度未満の場合においても、拡散混合させながら良好に燃焼させることが可能な加熱炉を提供できる。
本発明の第5特徴構成は、上記第1〜第4特徴構成のいずれかに加えて、
前記酸化剤ガスが、前記燃焼空間から排出される燃焼ガスとの熱交換により予熱されている点を特徴とする。
すなわち、燃焼空間排出される燃焼ガスにて酸化剤ガスを予熱するから、炉外に排出される熱量を一層減少させて、一層の省エネルギー化を図ることできるのである。
ちなみに、酸化剤ガスが予熱されると、火炎の温度が上昇する傾向となるが、上述の如く、火炎温度が設定火炎温度に以下に維持されることになるため、窒素酸化物の生成を十分に抑制することができる。
要するに、本発明の第5構成によれば、一層の省エネルギー化を図ることできる加熱炉を提供できる。
本発明の第6特徴構成は、上記第1〜第5特徴構成のいずれかに加えて、
前記ガス供給条件が、前記被加熱物の温度を目標加熱温度に加熱する条件に設定されている点を特徴とする。
すなわち、複数の火炎形成箇所に燃料と酸化ガスとの一方又は両者を分割して供給するガス供給条件が、被加熱物の温度を目標加熱温度に加熱する条件に設定されているから、被加熱物を目標加熱温度に適切に加熱することができる。
つまり、ガス供給条件が、複数の火炎形成箇所に形成される複数の火炎温度を設定火炎温度以下となるようにしながらも、被加熱物を目標加熱温度に加熱する条件に定められているから、窒素酸化物の生成を適切に抑制しながら、被加熱物を目標加熱温度に適切に加熱することができる。
要するに、本発明の第6構成によれば、被加熱物が目標加熱温度に加熱することできる加熱炉を提供できる。
本発明の第7特徴構成は、上記第1〜第6特徴構成のいずれかに加えて、
前記ガス供給手段が、前記被加熱物に対して上部又は下部或いはそれらの両方に設けられ、当該ガス供給手段により形成される燃焼ガスが、前記燃焼空間において、前記被加熱物の炉体出口側から炉体入口側に向けられていることにある。
このように構成することで、被加熱物に対して燃焼ガスを、その上方又は下方或いはその両方から、被加熱物の移動方向に於ける移動下手側から移動上手側に向けて当てて、被加熱物の加熱を良好に行なえる。さらに、燃焼ガス及び高温の排ガスは移動上手側に移動するため、炉体入口側に位置する被加熱物の加熱に排ガス等の熱を有効に利用できる。
このように炉内において被加熱物の加熱に利用する場合、例えば、被加熱物が板状体である場合に、ガス供給手段を被加熱物の上側に配置して、被加熱物の上面側を炉体入口側に燃焼ガス・排ガスが流れるように構成し、ある程度、炉体入口側に近接した位置で、板状体の下面側に導いて、被加熱物の加熱を行なってもよい。さらに、燃焼ガス・排ガスの被加熱物の移動に関して、炉体入口から炉外に排出する必要はない。また、排ガスによりガス供給手段に送る酸化剤ガスを予熱する構成において、その予熱部をガス供給手段の近傍としておくと、予熱酸化剤管を短くできるので経済的である。このようにする場合は、排ガス移流部の炉体入口側端より上流側の部位は、予熱ゾーンとして無加熱で長くとることができ、有利である。
第1実施形態の加熱炉の模式図 第1実施形態の加熱炉のフローシート 断熱平衡火炎温度と当量比との関係を示す図 窒素酸化物発生量と当量比との関係を示す図 第2実施形態の加熱炉の模式図 第2実施形態の加熱炉のフローシート 第3実施形態の加熱炉の模式図
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
(加熱炉の全体構成)
図1に示すように、例示する加熱炉は、被加熱物Dとしての鉄製の線材1を加熱処理するものであって、トンネル状でかつ長尺状の炉体2の炉体入口2iから炉体出口2eに向かって、線材1を炉体2の底部2Tに沿って搬送しながら、線材1を目標加熱温度(例えば、1000℃)に加熱処理するように構成されている。
炉体2の内部には、長尺状の一つの燃焼空間Nが形成され、炉体2の天井壁部2Uには、メタンを主成分とする都市ガス等の燃料ガスG(燃料の一例)と酸化剤ガスとしての燃焼用空気Aとを燃焼空間Nに噴出する噴出部Bとして、線材1の搬送方向下手側から上手側に向けて、第1噴出体B1、第2噴出体B2、第3噴出体B3が並設されている。
第1噴出体B1は、燃料ガスGと燃焼用空気Aとを別々に噴出するように構成され、第2噴出体B2及び第3噴出体B3が、燃焼用空気Aのみを噴出するように構成されている。
ちなみに、炉体2の内部の温度、つまり、燃焼空間Nの空間温度は、定常運転状態においては、例えば、900℃〜1000℃程度であり、燃料ガスGが自己着火する自着火温度よりも高温である。
燃焼用空気Aを送風する送風ファン3が設けられ、送風ファン3にて送風される燃焼用空気Aを案内する空気供給路4が、空気予熱用熱交換器5を経由して噴出部Bに接続されている。
炉体2の天井壁部2Uにおける炉体入口2iに近接する箇所に形成した排ガス流路6を通して炉外に導かれた燃焼ガスが、空気予熱用熱交換器5を経由する排ガス排出路7を通して排気用煙突(図示せず)に導かれている。
つまり、燃焼空間Nの内部での燃焼により生じた燃焼ガスが、燃焼空間Nの一端側としての炉体出口2eの存在側から、燃焼空間Nの他端側としての炉体入口2iの存在側に向けて流動して燃焼空間Nから排出され、その後、空気予熱用熱交換器5を経由して排気用煙突から排出されることになる。
そして、送風ファン3にて送風される燃焼用空気Aが、空気予熱用熱交換器5によって予熱されたのち、噴出部Bに供給されるように構成されている。
(燃焼制御構成)
空気供給路4における送風ファン3と空気予熱用熱交換器5との間に位置する部分には、噴出部Bに供給する燃焼用空気Aの供給量を調整する主空気調整ダンパ8が設けられ、また、空気供給路4における空気予熱用熱交換器5と第1噴出体B1との間、空気供給路4における空気予熱用熱交換器5と第2噴出体B2との間、及び、空気供給路4における空気予熱用熱交換器5と第3噴出体B3との間の夫々に、燃焼用空気Aの供給量を調整する補助空気調整ダンパ9が設けられている。
したがって、主空気調整ダンパ8の調整によって、第1噴出体B1、第2噴出体B2及び第3噴出体B3に供給する燃焼用空気Aの全体量を調整できるように構成されている。
また、3つの補助空気調整ダンパ9の調整によって、第1噴出体B1、第2噴出体B2及び第3噴出体B3に分割して供給する燃焼用空気Aの分割比を調整できるように構成されている。
噴出部Bにおける第1噴出体B1に燃料ガスGを供給する燃料供給路11に、燃料供給を断続する開閉弁12及び燃料ガスGの供給量を調整する燃料調整弁13が設けられている。
したがって、燃料調整弁13の調整によって、第1噴出体B1から噴出される燃料ガスGの噴出量、つまり、燃焼量を調整できるように構成されている。
加熱炉の燃焼を制御する燃焼制御部Cが、燃焼開始、燃焼停止等の燃焼指令情報を指令する手動設定器14の指令情報に基づいて、主空気調整ダンパ8、補助空気調整ダンパ9、開閉弁12及び燃料調整弁13の作動を制御して、燃焼空間Nにおける燃料ガスGの燃焼状態を制御するように構成されている。
すなわち、燃焼制御部Cは、燃焼開始が指令されると、燃料ガスGを初期燃焼状態で燃焼させる立ち上げ運転を行い、立ち上げ運転の終了後に、燃料ガスGを定常燃焼状態で燃焼させる定常運転を行うことになり、また、燃焼停止指令が指令されると、燃焼を停止させる停止運転を行うことになる。
つまり、燃焼空間Nの空間温度が燃料ガスGの自着火温度未満となる場合には、初期燃焼状態での燃焼が行われることになり、この初期燃焼状態では、燃焼空間Nの長手方向の特定箇所として、第1噴出体B1に対応する火炎形成箇所のみにて燃料ガスGを燃焼させることになる。
燃焼空間Nの空間温度が燃料ガスGの自着火温度以上となる場合には、定常燃焼状態の燃焼が行われることになり、この定常燃焼状態では、第1噴出体B1、第2噴出体B2及び第3噴出体B3の夫々に対応する火炎形成箇所にて、線材1と熱交換する火炎Fを形成する状態で燃料ガスGを燃焼させることになり、初期燃焼状態及び定常燃焼状態の詳細は後述する。
(噴出部の詳細)
第1噴出体B1には、燃料ガスGを噴出する燃料噴出孔Bgと、燃焼用空気Aを噴出する空気噴出孔Baとが、燃料ガスGと燃焼用空気Aと同じ方向に向けて噴出するように、平行姿勢で設けられている。
第2噴出体B2及び第3噴出体B3には、燃焼用空気Aを噴出する空気噴出孔Baが形成されている。
また、第1噴出体B1、第2噴出体B2及び第3噴出体B3の夫々が、下方側ほど炉体2の炉体入口2iの存在側に位置する傾斜姿勢で設けられており、第1噴出体B1、第2噴出体B2及び第3噴出体B3の夫々に対応する火炎形成箇所に、下向きでかつ炉体2の炉体入口2iの存在側に傾斜する姿勢となる火炎Fが形成されるように構成されている。
(初期燃焼状態)
燃焼制御部Cは、初期燃焼状態において、燃焼空間Nの空間温度を燃料ガスGの自着火温度よりも高くなるように昇温させることができる燃焼量となる状態で、かつ、当量比が量論の近傍の設定当量比となる状態で、燃料ガスGと燃焼用空気Aとを第1噴出体B1から噴出させように構成されている。
尚、量論の近傍の設定当量比は、1.0よりも小さく且つ0.8以上となる範囲に定められることになり、例えば、0.9に定められることになる。
また、燃焼制御部Cは、初期燃焼状態においては、第1噴出体B1から噴出された燃料ガスGと燃焼用空気Aとの混合ガスが燃焼空間Nを流動する流速が、燃焼空間Nにおける混合ガスの燃焼速度以下となる状態で、燃料ガスGと燃焼用空気Aとを燃焼空間Nに噴出させるように構成されており、この初期燃焼状態においては、第1噴出体B1に付着する付着火炎を生成する状態で燃料ガスGが燃焼することになる。
つまり、初期燃焼状態においては、燃焼空間Nの空間温度が燃料ガスGの自着火温度未満であっても、第1噴出体B1に付着する付着火炎を生成する状態で燃料ガスGを燃焼させることにより、良好な燃焼状態を維持できることになる。
(定常燃焼状態)
燃焼制御部Cは、定常燃焼状態においては、燃料ガスGを第1噴出体B1から集中して噴出し、かつ、燃焼用空気Aを第1噴出体B1、第2噴出体B2及び第3噴出体B3に分割して噴出する状態で、且つ、燃焼空間Nの全体に対する当量比が、初期燃焼状態と同様に、量論の近傍の設定当量比となる状態で、燃料ガスGと燃焼用空気Aとを噴出して、上述の如く、第1噴出体B1、第2噴出体B2及び第3噴出体B3の夫々に対応する3個の火炎形成箇所にて、線材1と接触して、線材1と熱交換する火炎Fを形成する状態で燃料ガスGを燃焼させることになる。
すなわち、燃焼用空気Aが第1噴出体B1、第2噴出体B2及び第3噴出体B3から分割して噴出されるため、第1噴出体B1から噴出された燃料ガスGが第1噴出体B1から噴出された燃焼用空気Aとの混合により燃焼するものの、燃料ガスGの一部が不完全燃焼となって、燃焼空間Nにおける炉体入口2iの存在側に流動することになる。
不完全燃焼状態で流動する燃料ガスGは、次に、第2噴出体B2から噴出された燃焼用空気Aとの混合により燃焼するものの、燃料ガスGの一部が不完全燃焼となって、燃焼空間Nにおける炉体入口2iの存在側に流動することになり、その流動する燃料ガスGが、第3噴出体B3から噴出された燃焼用空気Aとの混合により燃焼を完結することになる。
つまり、燃料ガスGが3段階に分けて燃焼されることになるので、第1噴出体B1、第2噴出体B2及び第3噴出体B3の夫々に対応する3個の火炎形成箇所にて形成される火炎Fの温度を低下させて、窒素酸化物の生成を抑制することができる。
そして、定常燃焼状態において、第1噴出体B1、第2噴出体B2及び第3噴出体B3の夫々に対応する3個の火炎形成箇所に対して燃焼用空気Aを分割した状態で、燃料ガスGと燃焼用空気Aとを供給するガス供給条件が、3個の火炎形成箇所に形成される3個の火炎Fの温度を設定火炎温度(例えば、1700℃)以下とし、加えて、被加熱物Dとしての線材1の温度を目標加熱温度(例えば、1000℃)に加熱する条件に設定されている。
つまり、3個の火炎形成箇所に形成される3個の火炎Fの温度を設定火炎温度(例えば、1700℃)以下とすることにより、窒素酸化物の生成を的確に抑制することができ、また、被加熱物Dとしての線材1の温度を目標加熱温度(例えば、1000℃)に加熱することにより、線材1の加熱処理を良好に行うことができる。
ガス供給条件は、本実施形態においては、第1噴出体B1、第2噴出体B2及び第3噴出体B3に分割して供給する燃焼用空気Aの分割比を、体積割合で、第1噴出体B1から6割、第2噴出体B2から3割、第3噴出体B3から1割を噴出させる分割比とする状態に定め、かつ、第1噴出体B1から噴出する燃料ガスGの噴出量を、線材1を目標加熱温度に加熱するのに足る噴出量とする状態に定められている。
また、定常燃焼状態においては、燃焼空間Nにおける燃焼速度よりも高速となる状態で、燃料ガスG及び燃焼用空気Aを噴出して、第1噴出体B1から噴出された燃料ガスGと燃焼用空気Aとの混合ガスが燃焼空間Nを流動する流速、第2噴出体B2から噴出された燃焼用空気Aと燃焼空間Nを流動する燃料ガスGとの混合ガスが燃焼空間Nを流動する流速、第3噴出体B3から噴出された燃焼用空気Aと燃焼空間Nを流動する燃料ガスGとの混合ガスが燃焼空間Nを流動する流速が、燃焼速度よりも高速となる状態を現出させるように構成されている。
燃焼速度よりも高速となる状態で流動する混合ガスは、燃焼空間Nの内部に存在する内部ガスとの接触や線材1との衝突により、燃焼速度以下に減速した後に、着火して、線材1と接触する火炎Fを形成して燃焼することになる。
尚、燃焼空間Nの燃焼速度は、燃焼空間N内の温度や圧力、及び、混合ガスの流動状態(層流であるか、乱流であるか)等を考慮して定められることになる。
つまり、定常燃焼状態においては、燃焼空間Nにおける燃焼速度よりも高速となる状態で、燃料ガスG及び燃焼用空気Aを噴出することにより、燃焼空間Nに存在する燃焼ガスを巻き込みながら、燃料ガスG及び燃焼用空気Aとを混合させることができるため、燃焼温度が局部的に高温になることを適切に抑制できる。
ちなみに、この第1実施形態においては、上記したガス給条件で、かつ、燃焼空間Nの全体に対する当量比が設定当量比となる状態で、燃料ガスGと燃焼用空気Aとを燃焼空間Nに供給するガス供給手段Uが、噴出部B及び燃焼制御部Cを主要部として構成されることになる。
(定常燃焼状態の詳細)
定常燃焼状態の燃焼過程について、図2のフローシートに基づいて説明を加える。
このフローシートは、エクセルギーを評価するように作成され、そして、プロセスシュミレータ(VMGSim)による計算結果が併記されている。
すなわち、燃焼空間Nの全体に対する当量比が0.9(空気過剰率1.1)で、25℃の燃焼用空気Aが、空気予熱部20にて、燃焼空間Nから排出される燃焼ガスにて300℃に予熱され、予熱された燃焼用空気Aが、分配部21にて、第1噴出体B1に対応する第1混合部M1、第2噴出体B2に対応する第2混合部M2、及び、第3噴出体B3に対応する第3混合部M3に分配される。
尚、分配部21の分配比は、上述の燃焼用空気Aの分割比に対応させて、体積割合で、第1混合部M1に6割、第2混合部M2に3割、第3混合部M3に1割を分配する分配比に定められる。
25℃の280KW(HHV)の燃料ガスGが、第1混合部M1に供給され、第1噴出体B1に対応する第1反応部R1にて、第1混合部M1に供給された燃料ガスGと燃焼用空気Aとが燃焼され、その燃焼にて生成される火炎Fと線材1とが、第1熱交換部H1にて熱交換される。
尚、第1反応部R1にて反応した燃焼ガスの温度は、1580℃である。
第1反応部R1にては不完全燃焼状態となる燃料ガスGが、第2噴出体B2に対応する第2混合部M2に供給され、第2噴出体B2に対応する第2反応部R2にて、第2混合部M2に供給された燃料ガスGと燃焼用空気Aとが燃焼され、その燃焼にて生成される火炎Fと線材1とが、第2熱交換部H2にて熱交換される。
尚、第2反応部R2にて反応した燃焼ガスの温度は、1663℃である。
第2反応部R2にては不完全燃焼状態となる燃料ガスGが、第3噴出体B3に対応する第3混合部M3に供給され、第3噴出体B3に対応する第3反応部R3にて、第3混合部M3に供給された燃料ガスGと燃焼用空気Aとが燃焼され、その燃焼にて生成される火炎Fと線材1とが、第3熱交換部H3にて熱交換される。
尚、第3反応部R3にて反応した燃焼ガスの温度は、1186℃である。
そして、フローシートに併記の如く、25℃の線材1は、第3熱交換部H3にて、372℃に加熱され、第2熱交換部H2にて、745℃に加熱され、第1熱交換部H1にて、1000℃に加熱されることになるから、線材1は、目標加熱温度に加熱できることが明らかである。
また、第1反応部R1にて反応した燃焼ガスの温度が、1580℃であり、第2反応部R2にて反応した燃焼ガスの温度が、1663℃であり、第3反応部R3にて反応した燃焼ガスの温度が、1186℃であるから、第1噴出体B1、第2噴出体B2及び第3噴出体B3の夫々に対応する3個の火炎形成箇所に形成される3個の火炎Fの温度を設定火炎温度(例えば、1700℃)以下にして、窒素酸化物(NOx)の生成を的確に抑制できることが明らかである。
説明を加えると、図3に示すように、燃焼用空気Aが予熱されている場合には、予熱されていない場合に較べて、火炎Fの温度(断熱平衡火炎温度)が高くなり、当量比が量論の近傍の場合に、最も高くなる傾向にあり、また、図4に示すように、窒素酸化物(NOx)の発生量(平衡濃度)は、当量比が0.8〜1.0の間では、当量比が高くなるほど高くなる傾向になる。
したがって、燃焼空間Nの全体に対する当量比を、量論の近傍の設定値(1.0よりも小さくかつ0.8以上となる範囲)に定めた状態で、3個の火炎形成箇所に形成される3個の火炎Fの温度を設定火炎温度(例えば、1700℃)以下にすることにより、窒素酸化物(NOx)の発生量を低下させることができるのである。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明するが、この第2実施形態は、上述の第1実施形態が、燃焼用空気Aを分割して複数段燃焼を行うようにしたのに対して、燃料ガスGを分割して複数段燃焼を行うようにする場合を例示するものであり、上述の第1実施形態と同様な構成部分については、同様な符号を付して説明を省略し、第1実施例と異なる部分について詳述する。
(加熱炉の構成)
図5に示すように、上記第1実施形態と同様に、炉体2の天井壁部2Uに、噴出部Bとして、線材1の搬送方向下手側から上手側に向けて、第1噴出体B1、第2噴出体B2、第3噴出体B3が並設されている。
第1噴出体B1には、燃料ガスGを噴出する燃料噴出孔Bgと、燃焼用空気Aを噴出する空気噴出孔Baとが、燃料ガスGと燃焼用空気Aと同じ方向に向けて噴出するように、平行姿勢で設けられている。
第2噴出体B2及び第3噴出体B3には、燃料ガスGを噴出する燃料噴出孔Bgが形成されている。
燃料供給路11の燃料調整弁13の下方側部分が、3つに分岐されて、各分岐部分が第1噴出体B1、第2噴出体B2及び第3噴出体B3に接続されている。
そして、燃料供給路11の3つの分岐部分の夫々には、補助燃料調整弁16が設けられており、3つの補助燃料調整弁16の調整によって、第1噴出体B1、第2噴出体B2及び第3噴出体B3に分割して供給する燃料ガスGの分割比を調整できるように構成されている。
(燃焼制御)
加熱炉の燃焼を制御する燃焼制御部Cが、燃焼開始、燃焼停止等の燃焼指令情報を指令する手動設定器14の指令情報に基づいて、主空気調整ダンパ8、開閉弁12、燃料調整弁13及び補助燃料調整弁16の作動を制御して、燃焼空間Nにおける燃料ガスGの燃焼状態を制御するように構成されている。
すなわち、燃焼制御部Cは、燃焼開始が指令されると、燃料ガスGを初期燃焼状態で燃焼させる立ち上げ運転を行い、立ち上げ運転の終了後に、燃料ガスGを定常燃焼状態で燃焼させる定常運転を行うことになり、また、燃焼停止指令が指令されると、燃焼を停止させる停止運転を行うことになる。
つまり、燃焼空間Nの空間温度が燃料ガスGの自着火温度未満となる場合には、初期燃焼状態での燃焼が行われることになり、この初期燃焼状態では、燃焼空間Nの長手方向の特定箇所として、第1噴出体B1に対応する火炎形成箇所のみにて燃料ガスGを燃焼させることになる。
燃焼空間Nの空間温度が燃料ガスGの自着火温度以上となる場合には、定常燃焼状態の燃焼が行われることになり、この定常燃焼状態では、第1噴出体B1、第2噴出体B2及び第3噴出体B3の夫々に対応する火炎形成箇所にて、線材1と熱交換する火炎Fを形成する状態で燃料ガスGを燃焼させることになる。
(初期燃焼状態)
初期燃焼状態は、第1実施形態と同様であり、燃焼制御部Cは、燃焼空間Nの空間温度を燃料ガスGの自着火温度よりも高くなるように昇温させることができる燃焼量となる状態で、かつ、当量比が量論の近傍の設定当量比となる状態で、燃料ガスGと燃焼用空気Aとを第1噴出体B1から噴出させように構成されている。
尚、量論の近傍の設定当量比が、1.0よりも小さく且つ0.8以上となる範囲に定められることになり、例えば、0.9に定められることになる。
また、燃焼制御部Cは、初期燃焼状態においては、第1噴出体B1から噴出された燃料ガスGと燃焼用空気Aとの混合ガスが燃焼空間Nを流動する流速が、燃焼空間Nにおける混合ガスの燃焼速度以下となる状態で、燃料ガスGと燃焼用空気Aとを燃焼空間Nに噴出させるように構成されており、この初期燃焼状態においては、第1噴出体B1に付着する付着火炎を生成する状態で燃料ガスGが燃焼することになる。
つまり、初期燃焼状態においては、燃焼空間Nの空間温度が燃料ガスGの自着火温度未満であっても、第1噴出体B1に付着する付着火炎を生成する状態で燃料ガスGを燃焼させることにより、良好な燃焼状態を維持できることになる。
(定常燃焼状態)
燃焼制御部Cは、定常燃焼状態においては、燃焼用空気Aを第1噴出体B1から集中して噴出し、かつ、燃料ガスGを第1噴出体B1、第2噴出体B2及び第3噴出体B3に分割して噴出する状態で、且つ、燃焼空間Nの全体に対する当量比が、初期燃焼状態と同様に、量論の近傍の設定当量比となる状態で、燃料ガスGと燃焼用空気Aとを噴出して、第1噴出体B1、第2噴出体B2及び第3噴出体B3の夫々に対応する3個の火炎形成箇所にて、線材1と熱交換する火炎Fを形成する状態で燃料ガスGを燃焼させることになる。
すなわち、燃焼用空気Aが第1噴出体B1から集中して噴出され、燃料ガスGが第1噴出体B1、第2噴出体B2及び第3噴出体B3から分割して噴出されるため、第1噴出体B1から噴出された燃焼用空気Aの一部が、第1噴出体B1から噴出された燃料ガスGの燃焼に消費されるものの、燃焼用空気Aの過剰部分が、燃焼空間Nにおける炉体入口2iの存在側に流動することになる。
燃焼用空気Aの過剰部分は、次に、第2噴出体B2から噴出された燃料ガスGの燃焼に消費されるものの、燃焼用空気Aの過剰部分が、燃焼空間Nにおける炉体入口2iの存在側に流動することになり、その流動する燃焼用空気Aの過剰酸素が、第3噴出体B3から噴出された燃料ガスGの燃焼に消費されることになる。
つまり、燃料ガスGが3段階に分けて燃焼されることになるので、第1噴出体B1、第2噴出体B2及び第3噴出体B3の夫々に対応する3個の火炎形成箇所にて形成される火炎Fの温度を低下させて、窒素酸化物の生成を抑制することができる。
そして、定常燃焼状態において、第1噴出体B1、第2噴出体B2及び第3噴出体B3の夫々に対応する3個の火炎形成箇所に対して燃料ガスGを分割した状態で、燃料ガスGと燃焼用空気Aとを燃焼空間Nに供給するガス供給条件が、3個の火炎形成箇所に形成される3個の火炎Fの温度を設定火炎温度(例えば、1700℃)以下とし、加えて、被加熱物Dとしての線材1の温度を目標加熱温度(例えば、1000℃)に加熱する条件に設定されている。
つまり、3個の火炎形成箇所に形成される3個の火炎Fの温度を設定火炎温度(例えば、1700℃)以下とすることにより、窒素酸化物の生成を的確に抑制することができ、また、被加熱物Dとしての線材1の温度を目標加熱温度(例えば、1000℃)に加熱することにより、線材1の加熱処理を良好に行うことができる。
ガス供給条件は、本実施形態においては、第1噴出体B1、第2噴出体B2及び第3噴出体B3に分割して供給する燃料ガスGの分割比を、体積割合で、第1噴出体B1から6割、第2噴出体B2から3割、第3噴出体B3から1割を噴出させる分割比とする状態に定め、かつ、燃料ガスGの全噴出量を、線材1を目標加熱温度に加熱するのに足る噴出量とする状態に定められている。
また、定常燃焼状態においては、燃焼空間Nにおける燃焼速度よりも高速となる状態で、燃料ガスG及び燃焼用空気Aを噴出して、第1噴出体B1から噴出された燃料ガスGと燃焼用空気Aとの混合ガスが燃焼空間Nを流動する流速、第2噴出体B2から噴出された燃料ガスGと燃焼空間Nを流動する燃焼用空気Aとの混合ガスが燃焼空間Nを流動する流速、第3噴出体B3から噴出された燃料ガスGと燃焼空間Nを流動する燃焼用空気Aとの混合ガスが燃焼空間Nを流動する流速が、燃焼速度よりも高速となる状態を現出させるように構成されている。
燃焼速度よりも高速となる状態で流動する混合ガスは、燃焼空間Nの内部に存在する内部ガスとの接触や線材1との衝突により、燃焼速度以下に減速した後に、着火して、線材1と接触する火炎Fを形成して燃焼することになる。
尚、燃焼空間Nの燃焼速度は、燃焼空間N内の温度や圧力、及び、混合ガスの流動状態(層流であるか、乱流であるか)等を考慮して定められることになる。
つまり、定常燃焼状態においては、燃焼空間Nにおける燃焼速度よりも高速となる状態で、燃料ガスG及び燃焼用空気Aを噴出することにより、燃焼空間Nに存在する燃焼ガスを巻き込みながら、燃料ガスG及び燃焼用空気Aとを混合させることができるため、燃焼温度が局部的に高温になることを適切に抑制できる。
ちなみに、この第2実施形態においては、上記したガス給条件で、かつ、燃焼空間Nの全体に対する当量比が設定当量比となる状態で、燃料ガスGと燃焼用空気Aとを燃焼空間Nに供給するガス供給手段Uが、噴出部B及び燃焼制御部Cを主要部として構成されることになる。
(定常燃焼状態の詳細)
定常燃焼状態の燃焼過程について、図6のフローシートに基づいて説明を加える。
このフローシートは、エクセルギーを評価するように作成され、そして、プロセスシュミレータ(VMGSim)による計算結果が併記されている。
すなわち、25℃の280KW(HHV)の燃料ガスGが、燃料分配部22にて、第1噴出体B1に対応する第1混合部M1、第2噴出体B2に対応する第2混合部M2、及び、第3噴出体B3に対応する第3混合部M3に分配される。
尚、燃料分配部22の分配比は、上述の燃料ガスGの分割比に対応させて、体積割合で、第1混合部M1に6割、第2混合部M2に3割、第3混合部M3に1割を分配する分配比に定められる。
燃焼空間Nの全体に対する当量比が0.9で、25℃の燃焼用空気Aが、空気予熱部20にて、燃焼空間Nから排出される燃焼ガスにて300℃に予熱され、予熱された燃焼用空気Aが、第1混合部M1に供給され、第1噴出体B1に対応する第1反応部R1にて、第1混合部M1に供給された燃料ガスGと燃焼用空気Aとが燃焼され、その燃焼にて生成される火炎Fと線材1とが、第1熱交換部H1にて熱交換される。
尚、第1反応部R1にて反応した燃焼ガスの温度は、1503℃である。
第1反応部R1にては余剰となる燃焼用空気Aが、第2噴出体B2に対応する第2混合部M2に供給され、第2噴出体B2に対応する第2反応部R2にて、第2混合部M2に供給された燃料ガスGと燃焼用空気Aとが燃焼され、その燃焼にて生成される火炎Fと線材1とが、第2熱交換部H2にて熱交換される。
尚、第2反応部R2にて反応した燃焼ガスの温度は、1420℃である。
第2反応部R2にては余剰となる燃焼用空気Aが、第3噴出体B3に対応する第3混合部M3に供給され、第3噴出体B3に対応する第3反応部R3にて、第3混合部M3に供給された燃料ガスGと燃焼用空気Aとが燃焼され、その燃焼にて生成される火炎Fと線材1とが、第3熱交換部H3にて熱交換される。
尚、第3反応部R3にて反応した燃焼ガスの温度は、1170℃である。
そして、フローシートに併記の如く、25℃の線材1は、第3熱交換部H3にて、361℃に加熱され、第2熱交換部H2にて、639℃に加熱され、第1熱交換部H1にて、1000℃に加熱されることになるから、線材1は、目標加熱温度に加熱できることが明らかである。
また、第1反応部R1にて反応した燃焼ガスの温度が、1503℃であり、第2反応部R2にて反応した燃焼ガスの温度が、1420℃であり、第3反応部R3にて反応した燃焼ガスの温度が、1170℃であるから、第1噴出体B1、第2噴出体B2及び第3噴出体B3の夫々に対応する3個の火炎形成箇所に形成される3個の火炎Fの温度を設定火炎温度(例えば、1700℃)以下にして、窒素酸化物(NOx)の生成を的確に抑制できることが明らかである。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明するが、この第3実施形態は、上記第1実施形態の燃焼空間Nを複数備えさせる場合を説明するものであり、上述の第1実施形態と同様な構成部分については、同様な符号を付して説明を省略し、第1実施例と異なる部分について詳述する。
(加熱炉の構成)
図7に示すように、炉体2が、上記実施形態よりも長尺となるように形成されて、炉体2の内部に、複数(例示図では3個)の燃焼空間Nが、炉体2の長手方向に並ぶ状態でかつ互いに連通する状態で設けられている。
3個の燃焼空間のNの夫々には、上述の第1実施形態で説明した噴出部Bが装備されている。
ただし、この第3実施形態では、第3噴出体B3が省かれて、第1噴出体B1と第2噴出体B2とが装備されている。
3個の燃焼空間Nの第1噴出体B1の夫々には、上記第1実施形態と同様に、燃料ガスGと燃焼用空気Aとが供給され、第2噴出体B2には、上記実施形態と同様に、燃焼用空気Aが供給される。
空気供給路4の空気予熱用熱交換器5の下流側部分が、3個の燃焼空間Nに対応させて3つに分岐され、それら3つの分岐部分に、各燃焼空間Nの第1噴出体B1と第2噴出体B2とが並列状態に接続されている。
3つの分岐部分の夫々には、3個の燃焼空間Nに供給する燃焼用空気Aの分配比を調整するための空間調整ダンパ17が装備され、また、各燃焼空間Nの第1噴出体B1及び第2噴出体B2と分岐部分との間には、上記第1実施形態と同様に、第1噴出体B1と第2噴出体B2と供給する燃焼用空気Aの分配比を調整するための補助空気調整ダンパ9が装備されている。
燃料供給路11の燃料調整弁13の下流部分が、3つに分岐されて、3個の燃焼空間Nの第1噴出体B1に接続されている。
そして、燃料供給路11の3つの分岐部分の夫々には、空間燃料調整弁18が設けられて、3つの空間燃料調整弁18の調整によって、3個の燃焼空間Nの第1噴出体B1に分割して供給する燃料ガスGの分割比を調整できるように構成されている。
(燃焼制御)
加熱炉の燃焼を制御する燃焼制御部Cが、燃焼開始、燃焼停止等の燃焼指令情報を指令する手動設定器14の指令情報に基づいて、主空気調整ダンパ8、空間調整ダンパ17、補助空気調整ダンパ9、開閉弁12、燃料調整弁13及び空間燃料調整弁18の作動を制御して、燃焼空間Nにおける燃料ガスGの燃焼状態を制御するように構成されている。
すなわち、燃焼制御部Cは、燃焼開始が指令されると、3個の燃焼空間Nの夫々において、燃料ガスGを初期燃焼状態で燃焼させる立ち上げ運転を行い、立ち上げ運転の終了後に、3個の燃焼空間Nの夫々において、燃料ガスGを定常燃焼状態で燃焼させる定常運転を行うことになり、また、燃焼停止指令が指令されると、燃焼を停止させる停止運転を行うことになる。
つまり、3個の燃焼空間Nの夫々において、燃焼空間Nの空間温度が燃料ガスGの自着火温度未満となる場合には、初期燃焼状態での燃焼が行われることになり、この初期燃焼状態では、燃焼空間Nの長手方向の特定箇所として、第1噴出体B1に対応する火炎形成箇所のみにて燃料ガスGを燃焼させることになる。
3個の燃焼空間Nの夫々において、燃焼空間Nの空間温度が燃料ガスGの自着火温度以上となる場合には、定常燃焼状態の燃焼が行われることになり、この定常燃焼状態では、第1噴出体B1及び第2噴出体B2の夫々に対応する火炎形成箇所にて、線材1と熱交換する火炎Fを形成する状態で燃料ガスGを燃焼させることになる。
(初期燃焼状態)
初期燃焼状態は、第1実施形態と同様であり、燃焼制御部Cは、燃焼空間Nの空間温度を燃料ガスGの自着火温度よりも高くなるように昇温させることができる燃焼量となる状態で、かつ、当量比が量論の近傍の設定当量比となる状態で、燃料ガスGと燃焼用空気Aとを第1噴出体B1から噴出させように構成されている。
尚、量論の近傍の設定当量比が、1.0よりも小さく且つ0.8以上となる範囲に定められることになり、例えば、0.9に定められることになる。
また、燃焼制御部Cは、初期燃焼状態においては、第1噴出体B1から噴出された燃料ガスGと燃焼用空気Aとの混合ガスが燃焼空間Nを流動する流速が、燃焼空間Nにおける混合ガスの燃焼速度以下となる状態で、燃料ガスGと燃焼用空気Aとを燃焼空間Nに噴出させるように構成されており、この初期燃焼状態においては、第1噴出体B1に付着する付着火炎を生成する状態で燃料ガスGが燃焼することになる。
つまり、初期燃焼状態においては、燃焼空間Nの空間温度が燃料ガスGの自着火温度未満であっても、第1噴出体B1に付着する付着火炎を生成する状態で燃料ガスGを燃焼させることにより、良好な燃焼状態を維持できることになる。
(定常燃焼状態)
燃焼制御部Cは、定常燃焼状態においては、燃料ガスGを第1噴出体B1から集中して噴出し、かつ、燃焼用空気Aを第1噴出体B1及び第2噴出体B2に分割して噴出する状態で、且つ、燃焼空間Nの全体に対する当量比が、初期燃焼状態と同様に、量論の近傍の設定当量比となる状態で、燃料ガスGと燃焼用空気Aとを噴出して、第1噴出体B1及び第2噴出体B2の夫々に対応する2個の火炎形成箇所にて、線材1と接触して、線材1と熱交換する火炎Fを形成する状態で燃料ガスGを燃焼させることになる。
すなわち、燃焼用空気Aが第1噴出体B1及び第2噴出体B2から分割して噴出されるため、第1噴出体B1から噴出された燃料ガスGが第1噴出体B1から噴出された燃焼用空気Aとの混合により燃焼するものの、燃料ガスGの一部が不完全燃焼となって、燃焼空間Nにおける炉体入口2iの存在側に流動することになる。
不完全燃焼状態で流動する燃料ガスGは、次に、第2噴出体B2から噴出された燃焼用空気Aとの混合により燃焼を完結することになる。
つまり、燃料ガスGが2段階に分けて燃焼されることになるので、第1噴出体B1及び第2噴出体B2の夫々に対応する3個の火炎形成箇所にて形成される火炎Fの温度を低下させて、窒素酸化物の生成を抑制することができる。
そして、定常燃焼状態において、第1噴出体B1及び第2噴出体B2の夫々に対応する2個の火炎形成箇所に対して燃料ガスGを分割した状態で、燃料ガスGと燃焼用空気Aとを燃焼空間Nに供給するガス供給条件が、2個の火炎形成箇所に形成される3個の火炎Fの温度を設定火炎温度(例えば、1700℃)以下とし、加えて、被加熱物Dとしての線材1の温度を目標加熱温度(例えば、1000℃)に加熱する条件に設定されている。
ちなみに、この第3実施形態においては、3個の燃焼空間Nによる加熱作用によって、線材1の温度を順次目標加熱温度(例えば、1000℃)に向けて昇温させることになるから、線材1の搬送方向で最も上手側に位置する燃焼空間Nが線材1を加熱する目標温度は、最終的な目標加熱温度(例えば、1000℃)よりも十分低い温度に設定される。
また、線材1の搬送方向で中間に位置する燃焼空間Nが線材1を加熱する目標温度は、最終的な目標加熱温度(例えば、1000℃)よりも低く、最も上手側に位置する燃焼空間Nが線材1を加熱する目標温度よりも高い温度に設定される。
つまり、3個の燃焼空間Nの夫々において2個の火炎形成箇所に形成される2個の火炎Fの温度を設定火炎温度(例えば、1700℃)以下とすることにより、窒素酸化物の生成を的確に抑制することができ、また、被加熱物Dとしての線材1の温度を、3個の燃焼空間Nの加熱作用により目標加熱温度(例えば、1000℃)に加熱することにより、線材1の加熱処理を良好に行うことができる。
3個の燃焼空間Nの夫々についてのガス供給条件は、第1噴出体B1及び第2噴出体B2に分割して供給する燃料ガスGの分割比を、体積割合で、例えば、第1噴出体B1から7割、第2噴出体B2から3割噴出させる分割比とする状態に定め、かつ、燃料ガスGの全噴出量を、線材1を目標加熱温度に加熱するのに足る噴出量とする状態に定められている。
また、定常燃焼状態においては、燃焼空間Nにおける燃焼速度よりも高速となる状態で、燃料ガスG及び燃焼用空気Aを噴出して、第1噴出体B1から噴出された燃料ガスGと燃焼用空気Aとの混合ガスが燃焼空間Nを流動する流速、第2噴出体B2から噴出された燃焼用空気Aと燃焼空間Nを流動する燃料ガスGとの混合ガスが燃焼空間Nを流動する流速が、燃焼速度よりも高速となる状態を現出させるように構成されている。
燃焼速度よりも高速となる状態で流動する混合ガスは、燃焼空間Nの内部に存在する内部ガスとの接触や線材1との衝突により、燃焼速度以下に減速した後に、着火して、火炎Fを形成して燃焼することになる。
尚、燃焼空間Nの燃焼速度は、燃焼空間N内の温度や圧力、及び、混合ガスの流動状態(層流であるか、乱流であるか)等を考慮して定められることになる。
つまり、定常燃焼状態においては、燃焼空間Nにおける燃焼速度よりも高速となる状態で、燃料ガスG及び燃焼用空気Aを噴出することにより、燃焼空間Nに存在する燃焼ガスを巻き込みながら、燃料ガスG及び燃焼用空気Aとを混合させることができるため、燃焼温度が局部的に高温になることを適切に抑制できる。
ちなみに、この第3実施形態においては、上記したガス給条件で、かつ、燃焼空間Nの全体に対する当量比が設定当量比となる状態で、燃料ガスGと燃焼用空気Aとを燃焼空間Nに供給するガス供給手段Uが、噴出部B及び燃焼制御部Cを主要部として構成されることになる。
〔別実施形態〕
次に、別実施形態を列記する。
(1)上記第1〜第3実施形態においては、燃料として、都市ガス等の燃料ガスG(気体燃料)を用いるようにしたが、先にも示したように、例えば、液体燃料(燃焼空間への導入前に予蒸発させて燃料ガスとして燃焼空間に導入するもの、及び液体のまま燃焼空間に噴霧した後蒸発して燃料ガスとなるもの)も燃料とすることができる。
(2)上記第1〜第3実施形態においては、酸化剤ガスとして、燃焼用空気Aを用いるようにしたが、例えば、空気に酸素を加えた酸素富化空気を用いるようにする等、酸化剤ガスとしては、酸素を含有する種々のガスを利用することができる。
(3)上記第1〜第3実施形態においては、燃料と燃焼用空気Aとを燃焼空間Nに各別に噴出する場合を例示したが、例えば、第1噴出体B1から燃料と燃焼用空気Aとを噴出させる場合において、予め燃料と燃焼用空気Aとを混合させた予混合ガスを噴出させるようにする等、一つの火炎形成箇所に、燃料と燃焼用空気Aとを噴出させる場合には、予混合ガスを噴出させるようにしてもよい。
(4)上記第1実施形態においては、燃焼用空気Aを3段に分割し、上記第3実施形態においては、燃焼用空気Aを2段に分割して、燃焼空間Nに供給する場合を例示したが、燃焼用空気Aを4段以上に分割して供給する形態で実施してもよい。
(5)上記第2実施形態においては、燃料を3段に分割して燃焼空間Nに供給する場合を例示した、2段や4段以上に分割して供給する形態で実施してもよい。
(6)上記第1〜第3実施形態においては、燃料と燃焼用空気Aとの一方のみを分割して供給する場合を例示したが、燃料と燃焼用空気Aとの両者を、複数段に分割して供給する形態で実施してもよい。
(7)上記第3実施形態においては、3個の燃焼空間Nが炉体2の内部に形成される場合を例示したが、2個や4個以上の燃焼空間Nを炉体2の内部に形成する状態で実施してもよい。
(8)上記第1〜第3実施形態においては、被加熱物Dとして、金属の線材1を例示したが、被加熱物Dとしては、線材が複数本である場合のほか燃焼空間Nの内部を搬送される熱処理を要する金属の帯状体や塊状体を対象とすることができる。
(9)上記第1実施形態では、排ガス流路6を炉体入口2i側に設けて、ガス供給手段Uにより形成される燃焼ガスが、被加熱物である線材1の炉体出口2e側から炉体入口2i側に向けられている構成を示した。このような燃焼ガス、排ガスの移動形態は、本願において被加熱物1が配置される燃焼空間Nに関する要件であり、燃焼空間Nから直に外部に排出される必要はなく、さらに被加熱物と熱交換しながら或いは炉壁を加熱しながら、例えば、炉体出口側から排出されても一向に差支えない。即ち、本願に係る加熱炉が、前記燃焼空間Nとは別に炉内と見なされる排ガス通路を別途備えることも、熱利用を上で好ましい形態である。
2 炉体
A 酸化剤ガス
D 被加熱物
F 火炎
G 燃料ガス(燃料)
N 燃焼空間
U ガス供給手段

Claims (7)

  1. 長尺状の炉体の内部に形成される長尺状の燃焼空間に対して燃料及び酸化剤ガスを供給するガス供給手段が設けられ、
    前記燃焼空間の空間温度が、当該燃焼空間における燃料と酸化剤ガスとの混合ガスの自着火温度よりも高温となり、かつ、燃焼ガスが前記燃焼空間の長手方向の一端側から他端側に向けて流動するように構成された加熱炉であって、
    前記ガス供給手段が、前記燃焼空間の前記空間温度が前記自着火温度以上の場合には、前記燃焼空間に存在する被加熱物と接触して熱交換する火炎を前記燃焼空間の長手方向の複数の火炎形成箇所に形成すべく、前記燃焼空間における燃焼速度よりも高速で、燃料と酸化剤ガスとのうちの一方又は両者を複数の前記火炎形成箇所に分割して供給する状態で、且つ、前記燃焼空間の全体に対する当量比が1.0よりも小さく且つ0.8以上となる範囲で、燃料と酸化剤ガスとを供給するように構成され、
    前記燃焼空間の前記空間温度が前記自着火温度以上の場合には、複数の前記火炎形成箇所に燃料と酸化剤ガスとの一方又は両者を分割して供給するガス供給条件が、複数の前記火炎形成箇所に形成される複数の火炎夫々の温度を設定火炎温度以下とする条件に定められている加熱炉。
  2. 前記ガス供給手段が、前記燃焼空間の前記空間温度が前記自着火温度未満の場合には、燃料と酸化剤ガスとを前記燃焼空間の長手方向の一つの特定箇所に供給して、前記特定箇所に火炎を形成するように構成されている請求項1に記載の加熱炉。
  3. 前記炉体の内部に、複数の前記燃焼空間が、前記炉体の長手方向に並ぶ状態でかつ互いに連通する状態で設けられ、
    前記ガス供給手段が、複数の前記燃焼空間の夫々に対して、その燃焼速度よりも高速となる状態で、燃料又は酸化剤ガス又はその両者を噴出するように構成されている請求項1または2に記載の加熱炉。
  4. 前記ガス供給手段が、前記燃焼空間の前記空間温度が前記自着火温度未満の場合には、前記燃焼空間に対して、その燃焼速度よりも低速となる状態で燃料及び酸化剤ガスを噴出して、ガス噴出部に付着する付着火炎を形成するように構成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の加熱炉。
  5. 前記酸化剤ガスが、前記燃焼空間から排出される燃焼ガスとの熱交換により予熱されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の加熱炉
  6. 前記ガス供給条件が、前記被加熱物の温度を目標加熱温度に加熱する条件に設定されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の加熱炉。
  7. 前記ガス供給手段が、前記被加熱物に対して上部又は下部或いはそれらの両方に設けられ、当該ガス供給手段により形成される燃焼ガスが、前記燃焼空間において、前記被加熱物の炉体出口側から炉体入口側に向けられている請求項1〜6のいずれか1項に記載の加熱炉。
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