JP6288504B2 - 金属多孔体の切断方法および金属多孔体 - Google Patents

金属多孔体の切断方法および金属多孔体 Download PDF

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Description

本発明は、三次元網目状構造を有する金属多孔体の切断方法及び前記切断方法により切断加工して得られる金属多孔体に関する。
三次元網目状構造を有する金属多孔体は、各種フィルタ、触媒担体、電池用電極など多方面に用いられている。例えば三次元網目状構造を有するニッケル多孔体(以下「ニッケル多孔体」という)からなるセルメット(住友電気工業(株)製:登録商標)は、ニッケル水素電池やニッケルカドミウム電池等の電池の電極材料として使用されている。セルメットは連通気孔を有する金属多孔体であり、金属不織布など他の多孔体に比べて気孔率が高い(90%以上)という特徴がある。
このようなニッケル多孔体は、発泡ウレタン等の連通気孔を有する樹脂成形体の骨格表面にニッケル層を形成した後、熱処理して発泡樹脂成形体を分解し、さらにニッケルを還元処理することで得られる。ニッケル層の形成は、発泡樹脂成形体の骨格表面にカーボン粉末等を塗布して導電化処理した後、電気めっきによってニッケルを析出させることで行われる。
また、ニッケルと同様にアルミニウムも導電性、耐腐食性、軽量などの優れた特徴があり、電池用途では例えば、リチウムイオン電池の正極として、アルミニウム箔の表面にコバルト酸リチウム等の活物質を塗布したものが使用されている。
このアルミニウムを用いた正極の容量を向上するためには、アルミニウムの表面積を大きくした三次元網目状構造を有するアルミニウム多孔体(以下「アルミニウム多孔体」という)を用い、アルミニウム多孔体の気孔部にも活物質を充填することが考えられる。アルミニウム多孔体を用いることで、電極を厚くしても活物質を保持でき、単位面積当たりの活物質利用率が向上するからである。
前記アルミニウム多孔体の製造方法としては、三次元網目状構造を有する発泡樹脂成形体にアルミニウムめっきを施す方法があり、特開2011−225950号公報(特許文献1)には、このめっき法によって得られるアルミニウム多孔体を電極として用いるキャパシタについての発明が記載されている。特許文献1に記載の方法によれば、三次元網目構造を有する多孔質樹脂成形体に対して純度の高いアルミニウムを均一にめっきすることが可能であり、高品質のアルミニウム多孔体を製造することができる。
特開2011−225950号公報
前記三次元網目状構造を有する金属多孔体(以下、「金属多孔体」とも記す)は、電池やキャパシタのような電気化学デバイスの電極に用いる他にも、様々な分野への応用が期待されている。
例えば、本発明者等は、熱交換器の伝熱フィンにアルミニウム多孔体を用いることを検討した。金属多孔体を熱交換器の伝熱フィンとして用いる場合には、金属多孔体を冷媒管の形状に合わせて切断加工し、その金属多孔体(伝熱フィン)の切断面と冷媒管とをロウ付け等によって接合する必要がある。しかしながら、金属多孔体の切断面と冷媒管とを接合した場合に、金属多孔体(伝熱フィン)と冷媒管との熱伝導性が悪くなってしまうことが確認された。
上記の問題点について本発明者等が鋭意検討を重ねた結果、金属多孔体の切断方法に問題があることが見出された。すなわち、三次元網目状構造を有する金属多孔体は一本一本の骨格が非常に細いことから、従来は、所望のサイズへの加工はハサミ、カッターや回転刃などを用いて行われていた。しかしながら、金属多孔体をハサミ、カッターや回転刃などによって機械的に切断した場合には金属多孔体に機械応力がかかるため切断面において骨格の端部に折れが発生しており、それぞれの骨格の端部の位置が同一面上に揃っていないことが見出された。
上記のように、金属多孔体の切断面において骨格の端部の位置が同一面上に揃っていない、すなわち、切断面の凹凸が激しいと、伝熱フィンである金属多孔体を冷媒管に溶接する際の接触点が少なくなってしまい、金属多孔体と冷媒管との熱伝導性が悪くなってしまっていた。
そこで本発明者等は、切断面において金属多孔体の骨格の折れを発生させない切断方法として、レーザー照射による切断方法を検討した。三次元網目状構造を有する金属多孔体ではなく、一般的な金属板については、従来においてもレーザー照射による切断加工が行われている(例えば、特表平11−513935号公報、特開平07−100682号公報など)。
しかしながら前記文献に記載の切断方法により三次元網目状構造を有する金属多孔体を切断したところ、熱影響が大き過ぎて寸法精度が悪くなったり、酸化により変色や脆くなる等の不具合が発生したりしてしまうことが見出された。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みて、三次元網目状構造を有する金属多孔体を切断する方法であって、切断面における金属多孔体の骨格の折れの発生が少なく、かつ、高寸法精度で金属多孔体を切断する方法を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決すべく以下の構成を採用する。
すなわち、本発明の実施形態に係る金属多孔体の切断方法は、三次元網目状構造を有する金属多孔体に、100ms未満のパルス光で、エネルギーが1kW以上のレーザー光を1×10W/m以上、1×1012W/m以下の照射密度で照射し、切断部を10mm/s以上でスキャンして切断する金属多孔体の切断方法、である。
本発明により、三次元網目状構造を有する金属多孔体を切断する方法であって、切断面における金属多孔体の骨格の折れの発生が少なく、かつ、高寸法精度で金属多孔体を切断する方法を提供することができる。
実施例1において金属多孔体の切断面を横方向からみた写真である。 実施例1において金属多孔体の切断面を正面方向から顕微鏡で拡大観察した写真である。 比較例1において金属多孔体の切断面を横方向からみた写真である。 比較例1において金属多孔体の切断面を正面方向から顕微鏡で拡大観察した写真である。
最初に本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施形態に係る金属多孔体の切断方法は、三次元網目状構造を有する金属多孔体にレーザー光を1×108W/m2以上、1×1012W/m2以下の照射密度で照射して切断する金属多孔体の切断方法、である。
三次元網目状構造を有する金属多孔体は通常の板状の金属板に比べて部分的な断面積が小さいため、レーザー光が照射された場合に加熱効果が大きくなる。このため、レーザー光の照射密度を1×108W/m2以上、1×1012W/m2以下とすることで、高寸法精度での切断加工が可能となる。
(2)本発明の実施形態に係る金属多孔体の切断方法は、前記レーザー光の光源が、YAGレーザー、YVO4レーザー、ファイバーレーザー、SHG YAGレーザー、又はSHG YVO4レーザーであることが好ましい。
レーザー光源としては、例えば、ファイバーレーザー、YAGレーザー、YVO4レーザーの基本波が安価なものとして利用することができる。更に、熱影響層の低減や、より高い寸法精度が要求される切断加工の場合には、SHG YAGレーザーやSHG YVO4レーザーを用いることが好ましい。
(3)本発明の実施形態に係る金属多孔体の切断方法は、レーザー切断面にアシストガスを吹き付けて前記金属多孔体を切断することが好ましい。
レーザーの照射エネルギーが高い場合には、熱的影響や金属の酸化による変色が生じ、切断面において金属多孔体の骨格の表面が変色する場合がある。レーザー照射時において窒素ガス等のアシストガスを吹き付けることで、前記熱影響層や酸化による変色を低減させることが可能となる。
(4)本発明の実施形態に係る金属多孔体の切断方法は、前記金属多孔体が、アルミニウム多孔体、ニッケル多孔体、又は銅多孔体であることが好ましい。
熱交換器で代表的に用いられるアルミ多孔体、ニッケル多孔体、銅多孔体の加工には綺麗な切断面が要求される。このため本発明の実施形態に係る金属多孔体の切断方法を行う対象材料としてのこれらの多孔体は有用である。
(5)本発明の実施形態に係る金属多孔体は、上記(1)から上記(4)のいずれか一項に記載の金属多孔体の切断方法で切断した金属多孔体であって、切断面の骨格折れ発生率が5%以下である金属多孔体、である。
本発明の実施形態に係る金属多孔体は、前記本発明の実施形態に係る金属多孔体の切断方法によって切断されたものであり、切断面における骨格の折れが5%以下であるため、骨格の端部が略同一面上に揃ったフラットな切断面を有している。このため、前記金属多孔体を他の部材にロウ付けする場合などにおいて他の部材との接触部分を多くすることができる。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る金属多孔体の切断方法等の具体例を以下に説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
<金属多孔体の切断方法>
本発明の実施形態に係る金属多孔体の切断方法は、三次元網目状構造を有する金属多孔体にレーザー光を1×108W/m2以上、1×1012W/m2以下の照射密度で照射して切断する方法である。
切断対象となる前記金属多孔体は、特開2011−225950号公報に記載のような三次元網目状構造を有する金属多孔体である。三次元網目状構造を有する金属多孔体は通常の金属板に比べて剛性が小さく、大きな機械的応力がかかると骨格に折れが発生してしまう場合がある。このため、レーザー光を照射することによる切断方法は、フラットな切断面を得るうえで最適な方法である。
三次元網目状構造を有する金属多孔体は骨格の断面積が小さいため吸収された熱が伝わる範囲が小さい。このため、大きなレーザーパワーで長時間レーザー光を照射すると照射部における熱量が多くなり過ぎてしまい、骨格が熔ける範囲が大きくなって寸法精度が悪くなってしまう。
このため本発明の実施形態に係る金属多孔体の切断方法においては、レーザー光の照射密度を1×108W/m2以上、1×1012W/m2以下とする。前記照射密度が1×108W/m2未満であると金属多孔体の骨格を切断するのに充分な熱量を金属多孔体に与えることができず、金属多孔体を切断することができない。一方、前記照射密度が1×1012W/m2超であると、金属多孔体の骨格の熔ける範囲が広くなり過ぎ、切断の寸法精度が悪くなってしまう。
前記照射密度は、1×109W/m2以上、1×1011W/m2以下であることが好ましく、2×109W/m2以上、1×1010W/m2以下であることがより好ましい。
前記レーザー光の波長は、切断対象である金属多孔体の主成分である金属が吸収する波長を適宜選択すればよい。例えば、金属多孔体がアルミニウムを主成分とするアルミニウム多孔体の場合には、1064nmの波長に対して約5%の吸収をもつ。このため、1064nmの波長のレーザー光をアルミニウム多孔体に照射することでアルミニウムが加熱され、切断を行うことができる(溶断加工)。更に波長の短い532nmのレーザー光であれば、より効率よく切断を行うことができる。
本発明の実施形態に係る金属多孔体の切断方法においては、比較的高エネルギーのレーザー光を短いパルスで照射し、金属多孔体の切断部を高速でスキャンさせることが好ましい。これにより、切断面において金属多孔体の骨格の折れが少なく、高寸法精度での切断が可能となり、フラットな切断面が得られる。例えば、1kW以上の高エネルギーのレーザー光を100ms未満のパルス光として金属多孔体に照射し、切断部を10mm/s以上で高速スキャンさせることが好ましい。
なお、前記レーザー光はパルス光であっても連続光であっても構わないが、熱断面の熱的影響を小さくしてフラットな切断面を得る場合にはパルス光とすることが好ましい。一方、連続光を利用する場合には、切断面における骨格を比較的丸くしてクッション性を持たせることができ、電池の電極用途に用いた場合にはセパレーターを突き破らないようにすることができる。
また、水平に載置した金属多孔体にレーザー光を垂直に照射すると、作動距離によっては切断面が垂直にならず、水平面に対してやや傾いてしまう。例えば、金属多孔体の厚さが数ミリメートル程度の場合に前記切断面のテーパーを少なくするためには、作動距離を90mm以上、350mm以下程度とすることが好ましい。作動距離を90mm以上とすることで切断面の傾き具体を小さくすることができ、350mm以下とすることでレーザー密度が不足しないようにすることができる。これらの観点から作動距離は100mm以上、300mm以下とすることがより好ましく、100mm以上、200mm以下とすることが更に好ましい。
本発明の実施形態に係る金属多孔体の切断方法において前記レーザー光の光源は、例えば、YAGレーザー、YVO4レーザー又はファイバーレーザーであることが好ましい。これらのレーザーの基本波により金属多孔体の切断が可能であり、かつこれらのレーザーは安価なものとして利用することができる。
更に、前記レーザー光の光源は、SHG YAGレーザー、又はSHG YVO4レーザーであることが好ましい。これらのレーザーの基本を利用することで、熱的影響を低減し、かつ、より高い寸法精度での切断加工が可能となる。
本発明の実施形態に係る金属多孔体の切断方法においては、レーザー切断面にアシストガスを吹き付けて金属多孔体を切断することが好ましい。アシストガスを切断面に吹き付けることで、切断部を冷却して熱影響層を低減させることができ、また、金属の酸化を抑制することができる。特に、金属多孔体が銅を主成分とする銅多孔体のように、酸化による変色が顕著な場合には、酸化による変色の防止効果が高い。
前記アシストガスとしては、例えば、窒素ガスやアルゴンガスを好ましく利用することができる。窒素ガスの方が安価であり好ましい。
前記金属多孔体は構造が三次元網目状構造を有していればよく、金属の種類は特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウムを主成分とするアルミニウム多孔体、ニッケルを主成分とするニッケル多孔体、又は、銅を主成分とする銅多孔体であることが好ましい。これらの金属多孔体は導電性や熱伝導性等に優れていて種々の用途に応用が可能であり、本発明の実施形態に係る金属多孔体の切断方法によって切断加工を行うことで、より応用目的に即した加工が可能となる。
<金属多孔体>
本発明の実施形態に係る金属多孔体は、前記本発明の実施形態に係る金属多孔体の切断方法で切断した金属多孔体であって、切断面の骨格折れ発生率が5%以下である金属多孔体、である。
前述のように本発明の実施形態に係る金属多孔体の切断方法は、骨格の折れの発生が少ないフラットな切断面が得られる切断方法である。このため、当該切断方法を利用して得られる金属多孔体は切断面において金属多孔体の骨格の端部が略同一平面上にあり、骨格の折れ発生率も5%以下となっている。
前記骨格の折れ発生率(%)は次のようにして算出する。
(I)まず、金属多孔体の切断加工面を実体顕微鏡で拡大率を30倍にして観察する。観察範囲は3mm厚さ×10mm長さとする。なお、金属多孔体の厚さが3mm未満である場合には、「金属多孔体の厚さ×10mm長さ」を観察範囲とする。
(II)そして、切断加工面において「折れた骨格本数÷切断加工面の骨格本数の合計」から骨格の折れ発生率を算出する。このとき、切断加工面とピントが外れる骨格(切断部あり)については折れた骨格と判断するものとする。
例えば、金属多孔体の優れた熱伝導性を利用して金属多孔体を熱交換器の伝熱フィンとして用いる場合には、レーザー切断した前記本発明の実施形態に係る金属多孔体を用いることで、冷媒管と金属多孔体との接触点をより多くすることができる。これにより、フィンと冷媒管との熱伝導性が向上し、更に、金属多孔体の比表面積が大きいことによる空気と金属多孔体との間の熱伝達性向上効果もあり、熱交換効率の高い熱交換器が得られる。特に、アルミニウム多孔体は軽量でかつ安価であるため、安価な熱交換器材料として有用である。
なお、従来のハサミ、カッター、回転刃などによる機械切断では、切断時のダメージによって金属多孔体の切断面の骨格が5%よりも多く折れてしまう。
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、これらの実施例は例示であって、本発明の金属多孔体の切断方法等はこれらに限定されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲の範囲によって示され、特許請求の範囲の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
[実施例1]
3mmの厚さを持つ板状のアルミニウム多孔体を7mm角に切断した。アルミニウム多孔体は、気孔率92%、セル数20個/インチ、気孔径約1270μm、アルミニウム純度99質量%のものを用いた。
前記アルミニウム多孔体を水平に置き、垂直方向からレーザー光を照射した。切断条件は、表1に示すように、ファイバーレーザーマーカー(25W、波長1064nm、作動距離190mm)を用い、パワー20W、周波数25kHz、一パルスあたりのエネルギー0.8mJ/P、照射密度7×109W/m2、走査速度10mm/s、走査回数50〜100回とした。
切断方法3の条件によって切断して得たアルミニウム多孔体について、切断面を横方向から見た写真を図1に示す。図1において矢印で示している面が切断面である。また、切断面を正面から見た顕微鏡写真(倍率30倍)を図2に示す。
図1に示すように切断加工面においては、骨格の端部が略同一面上に揃っており、フラットな切断面が得られた。
切断加工後のアルミニウム多孔体の切断加工面を実体顕微鏡で観察し(拡大率30倍)、切断加工面における骨格の本数の合計と、折れていた骨格の本数を計測した。そして、切断加工面の骨格の折れ発生率を「折れた骨格の本数÷切断加工面の骨格の本数の合計×100」として算出した。その結果、骨格の折れが発生している部分はなく、骨格折れ発生率は0%であった。
これにより、レーザー切断後のアルミニウム多孔体の切断面は骨格の折れのないフラットな加工面であることが確認された。
[実施例2]
実施例1において、レーザー光の照射密度を1×108W/m2とした以外は実施例1と同様にしてアルミニウム多孔体の切断加工を行った。
その結果、実施例1よりも時間が多くかかったものの、骨格の折れ発生率が0%でありフラットな切断面が得られた。
[実施例3]
実施例1において、レーザー光の照射密度を1×1012W/m2とした以外は実施例1と同様にしてアルミニウム多孔体の切断加工を行った。
その結果、実施例1よりも熱影響層の発生が多かったものの、骨格の折れ発生率が0%でありフラットな切断面が得られた。
[実施例4]
実施例1において切断条件を、SHG YVO4レーザーマーカー(6W、波長532nm、作動距離189mm)を用い、パワー4W、周波数10kHz、一パルス当たりのエネルギー0.16mJ/P、照射密度1.4×109W/m2、走査速度10mm/s、走査回数50〜100回とした以外は実施例1と同様にしてアルミニウム多孔体を切断した。
切断面を観察したところ、実施例1のファイバーレーザーを用いた場合と同様に骨格の折れの発生がなく、更に熱影響層の少ないフラットな加工ができた。
[実施例5]
実施例1において、切断時にアシストガスとして窒素ガスを切断面に吹き付けた以外は実施例1と同様にして切断加工を行った。
その結果、骨格の折れ発生率が0%でフラットであり、かつ酸化層が形成されていない切断面が得られた。
[実施例6]
実施例1において、アルミニウム多孔体を、ニッケル多孔体(ニッケル純度99質量%)又は銅体孔体(銅純度99質量%)に変更した以外は実施例1と同様にしてニッケル多孔体及び銅多孔体の切断加工を行った。
その結果、ニッケル多孔体及び銅多孔体のどちらの場合にも、アルミニウム多孔体と同様に骨格の折れ発生率が0%でフラットな切断面が得られた。
[比較例1]
実施例1で用いたアルミニウム多孔体をハサミにより7mm角に切断した。
得られたアルミニウム多孔体について、切断面を横方向から見た写真を図3に示す。図3において矢印で示している面が切断面である。また、切断面を正面から見た顕微鏡写真(倍率30倍)を図4に示す。
図3に示すように切断加工面はフラットではなく、骨格が厚み方向中央部に寄って凸型の切断面となっていた。更に、骨格の折れ発生率も多く、実施例1と同様にして切断加工面における骨格の折れ発生率を算出したところ、骨格の折れ発生率は90%であった。
[比較例2]
実施例1において、レーザー光の照射密度を1×107W/m2とした以外は実施例1と同様にしてアルミニウム多孔体の切断加工を行った。
その結果、時間をかけてもアルミニウム多孔体を切断することができなかった。
[比較例3]
実施例1において、レーザー光の照射密度を1×1013W/m2とした以外は実施例1と同様にしてアルミニウム多孔体の切断加工を行った。
その結果、切断面において骨格が熔けており、熱影響層が多く寸法精度が悪くなっていた。

Claims (4)

  1. 三次元網目状構造を有する金属多孔体に、100ms未満のパルス光で、エネルギーが1kW以上のレーザー光を1×10W/m以上、1×1012W/m以下の照射密度で照射し、切断部を10mm/s以上でスキャンして切断する金属多孔体の切断方法。
  2. 前記レーザー光の光源が、YAGレーザー、YVOレーザー、ファイバーレーザー、SHG YAGレーザー、又はSHG YVOレーザーである請求項1に記載の金属多孔体の切断方法。
  3. レーザー切断面にアシストガスを吹き付けて前記金属多孔体を切断する請求項1又は請求項2に記載の金属多孔体の切断方法。
  4. 前記金属多孔体は、アルミニウム多孔体、ニッケル多孔体、又は銅多孔体である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の金属多孔体の切断方法。
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