<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機10という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図である。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット(図示略)とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、パチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニットが回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
前扉枠14は内枠13における前面側のほぼ全域を覆うようにして設けられている。前扉枠14には後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部21が形成されている。窓部21は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス22が嵌め込まれている。
窓部21の周囲には、LED等の発光手段を内蔵したランプ部23と、効果音などが出力されるスピーカ部24とが設けられ、それぞれ遊技状態に応じた演出が行われる。窓部21の下方には、前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
内枠13には、遊技盤(図示略)が設けられている。遊技盤の前面を前扉枠14の窓部21が覆うことにより、パチンコ機10における遊技が主に行われる遊技領域が形成されている。また、前扉枠14における下皿34の右方には、前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル35が設けられ、遊技球発射ハンドル35が操作されることにより、遊技領域に遊技球が発射される。遊技盤には、一般入賞口(図示略)、可変入賞装置(図示略)、作動口(図示略)、可変表示ユニット(図示略)等がそれぞれ設けられている。一般入賞口、可変入賞装置及び作動口に遊技球が入ると、所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤の最下部にはアウト口(図示略)が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘(図示略)が植設されているとともに、風車等の各種部材(図示略)が配設されている。これら釘や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
可変表示ユニットは、作動口への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置(図示略)を備えている。図柄表示装置は、液晶ディスプレイ(表示画面)を備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置によりその表示内容が制御されている。具体的には、表示画面においては、上段,中段及び下段に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示される。そして、大当たり発生時には、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示され、特別遊技状態へと移行される。
可変入賞装置は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞しにくい閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、同可変入賞装置の開放が複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として繰り返されるように設定されている。
遊技盤の背面には、図柄表示装置を制御する表示制御装置(図示略)と、表示制御装置やランプ部23、スピーカ部24を制御する音声ランプ制御装置(図示略)とが取り付けられている。これらについては後に説明する。
裏パックユニットは、遊技ホールの島設備からの遊技球の供給を払出装置(図示略)により払出しを行う払出機構部(図示略)と、遊技球の払出しに際して通過通路となる排出通路盤(図示略)と、制御装置集合ユニット(図示略)とが取り付けられている。制御装置集合ユニットには、払出装置を制御する払出制御装置(図示略)と島設備からの電源供給や遊技球発射ハンドル35の操作による遊技球の発射制御に関連した電源・発射制御装置(図示略)とが搭載されている。これらについては後に説明する。
(遊技機本体12の支持機構)
次に遊技機本体12の支持機構40について、図2及び図3を参照して説明する。図2はパチンコ機10の遊技機本体12を一部破断した破断図であり、図3(a)は支持機構40の主要な構成を示す正面図であり、図3(b)は図2におけるA1−A1線断面図であり、図3(c)は図3(b)におけるB1−B1線断面図であり、図3(d)は図3(b)におけるC1−C1線断面図である。
図2に示すように、支持機構40はパチンコ機10の外枠11と遊技機本体12との横側の一端に備えられ、詳細には正面視で左方に備えられている。支持機構40は、上端に配置される上側支持機構41と下端に配置される下側支持機構42と、当該上側支持機構41と当該下側支持機構42とに挟まれるように配置される移動体43とにより構成されている。また、パチンコ機10には、支持機構40を遊技機本体12の前面から操作可能とする操作機構44が備えられている。
図3(a)及び図3(b)に示すように、上側支持機構41は、外枠11に備えられた金属製の上側支持体45と、遊技機本体12に備えられた金属製の上側被支持体46とからなる。上側支持機構41は上側支持体45と上側被支持体46とにより、外枠11に対して遊技機本体12を回動可能に支持している。下側支持機構42は、外枠11に備えられた金属製の下側支持体47と、遊技機本体12に備えられた金属製の下側被支持体48と、外枠11に備えられ下側被支持体48を下方から受ける金属製の支持板49とからなる。下側支持機構42は、下側支持体47と下側被支持体48とにより外枠11に対して遊技機本体12を回動可能に支持するとともに、支持板49により遊技機本体12を下方から支持している。
外枠11の上側支持機構41と下側支持機構42との間には、金属製の移動体43が縦方向に延在している。移動体43の側面は外枠11の左側の側枠部と平行となり、また、移動体43の外枠11とは反対側の側面には横方向へ膨出した段差部430が形成されている。当該段差部430の縦方向の長さは移動体43の縦方向の長さと略同一であり、また、当該段差部430の前面には遊技機本体12の背面の一部と当接するための鉛直な押圧面431が形成されている。また移動体43には、移動体43の移動規制手段として上下一対の移動体規制部432が形成され、移動体43の移動付勢手段として上下一対の移動体付勢部433が形成されている。ここで移動体43の移動について図3(c)及び図3(d)を用いて説明する。
移動体規制部432には図3(c)に示すとおり、移動体43を横方向に貫通し前後方向に長い貫通孔である横側移動孔432aが形成されている。また、外枠11の左側の側枠部からは移動体43へ向け横側シャフト432bが起立し、当該横側シャフト432bが横側移動孔432aに挿通されている。これにより移動体43は横側移動孔432aの前後方向の長さの範囲で移動可能となっている。また、横側シャフト432bの先端は縦方向に折れ曲がっており、横側シャフト432bから移動体43が横方向に抜け出ることが防止されている。なお、移動体43の側面には横側シャフト432bの折れ曲がりに対応して凹みが形成され、横側シャフト432bが移動体43の側面から突出しないようになっている。
移動体付勢部433は図3(d)に示すとおり、移動体43の後面が前方向に凹んだ移動体凹部433aが形成されている。また、外枠11の左側の側枠部からは横方向に起立した後側壁部433bが形成されている。移動体凹部433aと後側壁部433bとの間にはコイルバネである移動体バネ433cが配置され、移動体43は前方に付勢されている。
上記構成により、移動体43は後方に移動し横側シャフト432bが横側移動孔432aの前端と当接する第1位置から、前方に移動し横側シャフト432bが横側移動孔432aの後端と当接する第2位置までの間で前後方向に移動可能であり、移動体バネ433cにより前方に付勢されている。なお、移動体バネ433cは、移動体43がいずれの位置に配置されても移動体付勢部433から抜け出ないように、後側壁部433bへ固定されている。
次に、上側支持機構41について図4を用いて説明する。図4(a)は図3におけるD1−D1線断面を一部破断した破断図であり、図4(b)は図4(a)におけるE1−E1線断面を一部破断した破断図である。なお、図4においては、他の構成との区別のため移動体43にドットハッチングを付与している。
上側支持機構41では、上側支持体45の下面に形成され下方に起立した上側支持軸450を、上側被支持体46に形成され縦方向に貫通した貫通孔である上側軸孔460へ挿通することで、外枠11に対して遊技機本体12を回動可能に支持している。上側被支持体46は、移動体43が前方へ移動した場合に移動体43の前面と当接するように、その後側が下方に折れ曲っている。上側支持体45の後部の下面からは上側移動規制部451が移動体43へ向けて膨出し、移動体43の上端と当接している。上側移動規制部451には、横方向に貫通し縦方向に長い貫通孔である上側移動孔452が形成されている。また、外枠11の左側の側枠部からは移動体43へ上側シャフト453が起立し、当該上側シャフト453が上側移動孔452に挿通されている。これにより、上側支持体45は上側移動孔452の縦方向の長さの範囲で縦方向に移動可能となっている。
ここで、上側移動孔452の縦方向の長さは、上側支持体45の上側支持軸450の縦方向の長さよりも長く設定されている。また、上側シャフト453の先端は横方向に折れ曲がっており、上側シャフト453から上側支持体45が横方向に抜け出ることが防止されている。なお、上側移動規制部451の側面には上側シャフト453の折れ曲がりに対応して凹みが形成され、上側シャフト453が上側移動規制部451の側面から突出しないようになっている。また、上側支持体45の上面と外枠11の上側の壁部との間にはコイルバネである上側バネ454が配置され、上側支持体45を下方へ付勢している。
上記構成により、上側支持体45は上側移動孔452の縦方向の長さの範囲で移動可能であり、上側支持体45が当該移動範囲の最下端である上側支持位置へ移動すると、上側支持軸450は上側軸孔460へ挿通された状態となり、上側支持体45は遊技機本体12を外枠11に対して軸支した状態となる。一方で、上側支持体45が移動範囲の最上端である上側解除位置へ移動すると、上側支持軸450は上側軸孔460から抜け出した状態となり、上側支持体45は遊技機本体12を外枠11に対して軸支しない状態となる。また、上側バネ454により上側支持体45は上側支持位置側へ付勢されているため、上側支持体45は遊技機本体12を軸支した状態に保たれることとなる。
上側支持体45は、移動体43の移動に伴って上側支持位置と上側解除位置との間を移動可能となっている。この移動は、上側支持体45における上側移動規制部451の下面が移動体43の上面に当接することにより実現されている。具体的には、移動体43の上面は、前方に行くほど下方に向かうように傾斜している上側傾斜面434と、当該上側傾斜面434よりも後側の略水平な面とからなり、これに対して上側移動規制部451の下面は前方に行くほど下方に向かうように傾斜している。また、移動体43が第1位置に配置される場合には、上側移動規制部451の下面と上側傾斜面434とが当接し、上側支持体45は上側支持位置に配置されている。
これにより、移動体43が第1位置から前方へ移動すると、上側傾斜面434が上側移動規制部451を前方に押圧してその傾斜により上側支持体45を上方に移動させ、上側支持体45は上側解除位置へと移動する。また、移動体43の移動範囲内において、上側移動規制部451と上側傾斜面434よりも後側の面とが当接している間は、上側支持体45は移動せず上側解除位置に保たれる。これにより、移動体43の移動に伴い、上側支持体45の軸支と軸支の解除とを可能とし、また、軸支に伴う上側支持体45の移動範囲を省スペースに限ることが可能となっている。
また、移動体43が第1位置から前方へ移動して、上側被支持体46の背面と移動体43の前面とが当接するまでの間に、上側支持体45の上側支持軸450は上側被支持体46の上側軸孔460から抜け出した状態となるように、上側傾斜面434及び上側移動規制部451の傾斜と移動体43の配置箇所とが設定されている。これにより、遊技機本体12を移動させずに上側支持機構41の軸支を解除させることが可能となっている。また、上側支持軸450に対する上側軸孔460の遊びを、軸支の安定性の観点から狭く設定することが可能となっている。
ここで、上側支持体45に直接外力を付与して上側支持体45を上側解除位置へ移動させられないように、上側移動規制部451に形成された上側移動突起455が、移動体43に形成された上側移動レール434aによって上方から支持されている。具体的には、上側移動突起455は上側移動規制部451の下端から横方向に突出して形成され、また上側移動レール434aは移動体43の上面から上方に起立し前後方向に延在するように形成されており、上側移動レール434aが横方向に折れ曲ることで上側移動突起455と係合している。
これにより、移動体43の移動を伴わない上側支持体45の縦方向の移動を制限している。また、上側支持体45がいずれの位置に配置される場合においても、移動体43の移動を伴わずに上側支持体45を移動させることが不可となっている。ただし、上側移動レール434aは、少なくとも上側支持体45が上側被支持体46を軸支している場合において、上側支持体45に直接外力を付与して、移動体43の移動を伴わずに上側支持体45を上方へ移動させられなければよい。つまり、上側支持体45が上側支持位置に配置される場合において上側支持体45が移動体43に対して係止されていればよく、上側支持体45が上側解除位置に配置されている場合には上側支持体45は移動体43に対して係止されていなくてもよい。
また、外枠11には上側支持体45を上方から覆い包むように上側保護カバー456が形成されている。当該上側保護カバー456の下端は上側被支持体46の上面と略水平となっている。これにより、少なくとも遊技機本体12が外枠11に対して軸支されている状態では、遊技機本体12の前方から上側支持体45を操作することが不可となっている。
ここで、遊技機本体12は外枠11に対して、外枠11の上枠部の外縁と遊技機本体12の上端とが重なるように、かつ外枠11の左右の側枠の外縁と遊技機本体12の左右の側端とが重なるように、装着される。このようなパチンコ機10において、上側支持機構41は外枠11の上枠部及び左側の側枠部の外縁より内方に配置されている。詳細には、外枠11に設けられた上側支持体45は、外枠11の上枠部の外縁よりも下方であり、且つ外枠11の左側の側枠部の外縁よりも右方に配置されている。また、上側支持体45は上側支持位置、上側解除位置のいずれの位置に配置される場合においても、外枠11の上枠部の外縁よりも下方に配置される。さらに上側保護カバー456の上端は外枠11の上枠部の外縁よりも下方に配置され、上側保護カバー456の左端は外枠11の左側の側枠部の外縁よりも右方に配置されている。これにより、上側支持機構41は外枠11の外縁よりも外方に突出しない範囲で配置されることとなり、限られた島設備のスペースの中で、上述の如く外枠11に対して遊技機本体12を回動可能に支持することを可能としている。
また、上側支持体45が上側支持位置に配置される場合、上側支持体45の下面と上側被支持体46における上面とが当接している。そして、上側支持体45の上側支持軸450が上側被支持体46における上側軸孔460に上方から差し込まれている。これにより、上側軸孔460を上方へ移動させようとしても、その周縁が上側支持軸450のベース板に下方から当接しているため上方へは移動できない。したがって、遊技機本体12は、少なくとも上側支持体45が上側支持位置に配置される場合には、上方への移動が制限されている。
次に、下側支持機構42について図5を用いて説明する。図5(a)は図3におけるF1−F1線断面を一部破断した破断図であり、図5(b)は図5(a)におけるG1−G1線断面を一部破断した破断図である。なお、図5においては、他の構成との区別のため移動体43にドットハッチングを付与している。
下側支持機構42では、下側支持体47の上面に形成され上方に起立した下側支持軸470を、下側被支持体48に形成され縦方向に貫通した貫通孔である下側軸孔480へ挿通することで、外枠11に対して遊技機本体12を回動可能に支持している。下側被支持体48は、移動体43が前方へ移動した場合に移動体43の前面と当接するように、その後側が上方に折れ曲っている。また、下側支持体47と下側被支持体48との間には板状の支持板49が配置されている。当該支持板49にも下側軸孔480と対応する位置に縦方向に貫通した貫通孔である支持板貫通孔490が形成され、下側支持軸470が支持板貫通孔490に挿通されている。これにより、下側支持体47は遊技機本体12を外枠11に対して回動可能に支持している。
支持板49は、外枠11の下枠部に対して上面が略同一面となるように外枠11に支持されている。また支持板49及び外枠11の下枠部は、遊技機本体12が外枠11に装着された場合における遊技機本体12の底面よりも前方に突出して延在している。支持板49の上面と下側被支持体48の下面とは面で接触している。これにより、支持板49は遊技機本体12の下側被支持体48を下方から支持し、遊技機本体12が下側支持体47による軸支が可能な位置よりも前方に移動した場合おいても、下側被支持体48を下方から支持することが可能となっている。また、遊技機本体12の安定性を確保すべく、遊技機本体12は、支持板49と外枠11の下枠部とによって、遊技機本体12の底面の横方向の長さ全体において下方から支持されている。なお、支持板49の上面は低摩擦化処理が施されていてもよい。
下側支持体47の後部の上面からは下側移動規制部471が移動体43へ向けて膨出し、移動体43の下端と当接している。下側移動規制部471には、横方向に貫通し縦方向に長い貫通孔である下側移動孔472が形成されている。また、外枠11の左側の側枠部からは移動体43へ向け下側シャフト473が起立し、当該下側シャフト473が下側移動孔472に挿通されている。これにより、下側支持体47は下側移動孔472の縦方向の長さの範囲で縦方向に移動可能となっている。ここで、下側移動孔472の縦方向の長さは、下側支持体47の下側支持軸470の縦方向の長さよりも長く設定されている。また、下側シャフト473の先端は横方向に折れ曲がっており、下側シャフト473から下側支持体47が横方向に抜け出ることが防止されている。なお、下側移動規制部471の側面には下側シャフト473の折れ曲がりに対応して凹みが形成され、下側シャフト473が下側移動規制部471の側面から突出しないようになっている。また、下側支持体47の下面と外枠11の下側の壁部との間にはコイルバネである下側バネ474が配置され、下側支持体47を上方へ付勢している。
上記構成により、下側支持体47は下側移動孔472の縦方向の長さの範囲で移動可能であり、下側支持体47が当該移動範囲の最上端である下側支持位置へ移動すると、下側支持軸470は下側軸孔480と支持板貫通孔490とへ挿通された状態となり、下側支持体47は遊技機本体12を外枠11に対して軸支した状態となる。一方で、下側支持体47が移動範囲の最下端である下側解除位置へ移動すると、下側支持軸470は下側軸孔480から抜け出した状態となり、下側支持体47は遊技機本体12を外枠11に対して軸支しない状態となる。また、下側バネ474により下側支持体47は下側支持位置側へ付勢されているため、下側支持体47は遊技機本体12を軸支した状態に保たれることとなる。さらに、下側支持体47はいずれの位置に配置されせる場合においても外枠11の下縁又はそれよりも上方に配置されることから、下側支持体47の移動範囲が外枠11の縦方向及び横方向の範囲内となり、島設備の限られたスペース内で上記の動作を可能としている。
下側支持体47は、移動体43の移動に伴って下側支持位置と下側解除位置との間を移動可能となっている。この移動は、下側支持体47における下側移動規制部471の上面が移動体43の下面に当接することにより実現されている。具体的には、移動体43の下面は、前方に行くほど上方に向かうように傾斜している下側傾斜面435と、当該下側傾斜面435よりも後側の略水平な面とからなり、これに対して下側移動規制部471の上面は前方に行くほど上方に向かうように傾斜している。また、移動体43が第1位置に配置される場合には、下側移動規制部471の上面と下側傾斜面435とが当接し、下側支持体47は下側支持位置に配置されている。これにより、移動体43が第1位置から前方へ移動すると、下側傾斜面435が下側移動規制部471を前方に押圧してその傾斜により下側支持体47を下方に移動させ、下側支持体47は下側解除位置へと移動する。また、移動体43の移動範囲内において、下側移動規制部471と下側傾斜面435よりも後側の面とが当接している間は、下側支持体47は移動せず下側解除位置に保たれる。これにより、移動体43の移動に伴い、下側支持体47の軸支と軸支の解除とを可能とし、また、軸支に伴う下側支持体47の移動範囲を省スペースに限ることが可能となっている。
また、移動体43が第1位置から前方へ移動して、下側被支持体48の背面と移動体43の前面とが当接するまでの間に、下側支持体47の下側支持軸470は下側被支持体48の下側軸孔480から抜け出した状態となるように、下側傾斜面435及び下側移動規制部471の傾斜と移動体43の配置箇所とが設定されている。これにより、遊技機本体12を移動させずに下側支持機構42の軸支を解除させることが可能となっている。また、下側支持軸470に対する下側軸孔480の遊びを、軸支の安定性の観点から狭く設定することが可能となっている。
ここで、下側支持体47に直接外力を付与して下側支持体47を下側解除位置へ移動させられないように、下側移動規制部471に形成された下側移動突起475が、移動体43に形成された下側移動レール435aによって下方から支持されている。具体的には、下側移動突起475は下側移動規制部471の上端から横方向に突出して形成され、また下側移動レール435aは移動体43の下面から下方に起立し前後方向に延在するように形成されており、下側移動レール435aが横方向に折れ曲ることで下側移動突起475と係合している。これにより、移動体43の移動を伴わない上側支持体45の縦方向の移動を制限している。また、下側支持体47がいずれの位置に配置される場合においても、移動体43の移動を伴わずに下側支持体47を移動させることが不可となっている。ただし、下側移動レール435aは、少なくとも下側支持体47が下側被支持体48を軸支している場合において、下側支持体47に直接外力を付与して、移動体43の移動を伴わずに下側支持体47を下方へ移動させられなければよい。つまり、下側支持体47が下側支持位置に配置される場合において下側支持体47が移動体43に対して係止されていればよく、下側支持体47が下側解除位置に配置されている場合には下側支持体47は移動体43に対して係止されていなくてもよい。
また、外枠11には下側支持体47を下方から覆い包むように下側保護カバー476が形成されている。当該下側保護カバー476の上端は支持板49の上面と略水平となっている。これにより、少なくとも遊技機本体12が外枠11に対して軸支されている状態では、遊技機本体12の前方から下側支持体47を操作することが不可となっている。
ここで、外枠11の下枠部は下側保護カバー476よりも下方まで延在している。また下側保護カバー476の左端は、外枠11の左側の側枠部の外縁よりも右方に配置されている。したがって、下側支持体47は、下側支持位置及び下側解除位置のいずれに配置される場合であっても外枠11の下枠部の内部に配置されることとなる。これにより、下側支持機構42は外枠11の外縁よりも外方に突出しない範囲で配置されることとなり、限られた島設備のスペースの中で、上述の如く外枠11に対して遊技機本体12を回動可能に支持することを可能としている。
また、下側被支持体48の下面と支持板49における上面とが当接している。そして遊技機本体12の底面と外枠11の下枠部における上面とが当接している。上述の通り遊技機本体12の上方への移動は制限されているため、遊技機本体12の底面と外枠11の下枠部との間に隙間を生じさせることが不可となっている。
次に、上側支持機構41、下側支持機構42及び移動体43の動作について図6を用いて説明する。図6(a)は移動体43が第1位置に配置される場合において、移動体43と上側支持機構41と下側支持機構42とを側面から示す概略図であり、図6(b)は移動体43が第1位置よりも前方へ移動した場合において、移動体43と上側支持機構41と下側支持機構42とを側面から示す概略図である。なお、図6においては、他の構成との区別のため移動体43にドットハッチングを付与している。
図6(a)のとおり、移動体43が第1位置に配置された状態において、上側支持機構41では、移動体43の上側傾斜面434と、上側支持体45における上側移動規制部451の下面とが当接しており、且つ上側移動突起455が上側移動レール434aに係合し、上側支持体45は上側支持位置に配置される。また、下側支持機構42では、移動体43の下側傾斜面435と、下側支持体47における下側移動規制部471の上面とが当接しており、且つ下側移動突起475が下側移動レール435aに係合し、下側支持体47は下側支持位置に配置される。
移動体43が前方に移動すると、上側移動規制部451の下面は移動体43の上側傾斜面434に押圧され、上側支持体45が上方に移動する。また、下側移動規制部471の下面は移動体43の下側傾斜面435に押圧され、下側支持体47が下方に移動する。この移動に伴い、上側移動突起455は上側移動レール434aに沿って移動し、下側移動突起475は下側移動レール435aに沿って移動する。図6(b)に示すとおり、移動体43の前面が遊技機本体12の上下の被支持体46,48の背面に当接する位置においては、上下の支持軸450,470は対応する軸孔460,480から抜け出した状態となる。またこの位置において、移動体43の押圧面431は図示しない遊技機本体12の背面の一部に当接する。これにより、移動体43が第1位置から上下の被支持体46,48の背面及び遊技機本体12の背面の一部と当接する位置まで移動する間に上下の支持機構41,42の軸支は解除されることとなる。
上記のように上下の支持機構41,42の軸支を解除させるためには移動体43を前方へ移動させることが必要であり、反対に上下の支持機構41,42を軸支させるためには移動体43を後方へ移動させる必要がある。また、上側支持体45が上側支持位置に配置される場合には、上側支持体45の下面と上側被支持体46における上面とが当接しているため、遊技機本体12は上方への移動が制限されている。さらに移動体43によって上側支持体45は上方への移動が制限されているため、より確実に、不正目的で遊技機本体12を上方へ移動させることを防止することが可能となっている。
ここで本パチンコ機10は、移動体43の前後方向の動作を操作する操作機構44を備え、また、移動体43を第1位置に保持するべくロック機構440を備えている。
まずロック機構440について図7を用いて説明する。図7(a)は図3(a)におけるH1−H1線断面図であり、図7(b)は図7(a)におけるI1−I1線断面図である。なお、図7においては、他の構成との区別のため移動体43にドットハッチングを付与している。
ロック機構440は、外枠11の横側の壁部に配置されたロック板441と、移動体43に形成されたロック孔442とからなり、ロック板441がロック孔442に嵌合することで移動体43を第1位置に保持している。詳細には、外枠11の左側の側枠部には移動体43の移動を制限しないように移動体43の反対方向へ凹んだロック板収納部443が形成されており、当該ロック板収納部443において前後方向に架橋されたロック板回動軸444によりロック板441は回動可能に支持されている。なお、ロック板収納部443には図示しない板バネが配置されており、当該板バネの付勢力により、ロック板441の回動は横方向に起立する方向へ付勢されている。また、ロック板441が横方向に起立した状態において、ロック板441の上面とロック板収納部443の上側の壁面とが当接しており、ロック板441の回動は横方向に起立した状態で保持されている。またロック孔442は、ロック板441が横方向から嵌合可能な大きさで横方向に貫通し縦方向に長い貫通孔として移動体43に形成されている。またロック孔442は、移動体43が第1位置に配置される場合にロック板441が嵌合可能で、移動体43が第2位置に配置される場合には嵌合不可である位置に形成されている。これにより、移動体43が第1位置に配置される場合において、ロック板441は移動体43のロック孔442に嵌合している。
上記構成により、ロック板441は横方向に起立したロック位置と下方へ回動したロック解除位置との範囲で回動可能であり、板バネによりロック位置へと付勢されている。また、移動体43の左側の壁部とロック孔442とにより、移動体43が第1位置に配置される場合にはロック板441はロック孔442と勘合したロック位置に配置され、移動体43の前方への移動をロックする。また、移動体43が第2位置に配置される場合には、ロック板441はロック解除位置に配置され移動体43の左側の壁部とロック板収納部443とに挟まれた状態となる。
次に操作機構44について説明する。
操作機構44は、遊技機本体12の前面から操作する部材であるT字状の操作レバー445と、当該操作レバー445から後方に延びる操作棒446とからなる。操作機構44は、内枠13に形成され前後方向に貫通した図示しない貫通孔に挿通されており、内枠13に対して前後方向に移動可能に支持されている。また、操作機構44は、当該貫通孔により前後方向の回動軸を中心として回動可能に支持されている。操作レバー445及び操作棒446は一体的に上記の動作が可能となっている。操作レバー445の後方と当該内枠13の貫通孔との間にはコイルバネである操作機構バネ446bが配置され、操作棒446が当該操作機構バネ446bの中央を貫通し操作機構44は前方へ付勢されている。
操作機構44が最後部に配置される場合、操作棒446の最後部は移動体43の押圧面431と当接している。操作棒446の最後部は、ロック孔442に嵌合可能な突起として解除突起部446aが形成されており、操作機構44が最後部に配置される場合において、上方に起立している。また、操作レバー445の前側は操作レバー445を握ることが可能な取っ手として操作取っ手445aが形成され、操作機構44が最後部に配置される場合において、操作棒446に対して上下に起立している。
操作機構44は図1に示すように、操作機構44が最後部に配置される場合において、操作取っ手445aが遊技機本体12の内枠13の前面に埋設されており、操作取っ手445aの前面が遊技機本体12の前面と同一面となるように配置されている。前扉枠14の前面は操作取っ手445aを囲うように破断されており、内枠13と操作取っ手445aとが前方へ露出している。
上記構成により、前扉枠14を内枠13に対して閉鎖した場合においては、操作機構44は遊技機本体12の前面に操作取っ手445aが露出し、操作棒446の最後部が移動体43の押圧面431と当接した状態で配置される。また前扉枠14を内枠13に対して回動した場合においても、操作機構44は内枠13に保持され、上記の状態は保たれることとなる。
また、操作機構44は図2に示すとおり、シリンダ錠36からリンクしたリンク棒447により前方の移動が制限されている。詳細には、リンク棒447は、横方向に延在する棒状の部材であり、内枠13に形成され横方向に貫通した図示しない貫通孔に挿通され、内枠13に対して横方向に移動可能に支持されている。また、操作レバー445には横方向に貫通した貫通孔である操作貫通孔445bが形成されており、当該操作貫通孔445bにリンク棒447が挿通されている。リンク棒447の当該操作貫通孔445bへ挿通されている側と反対側は、シリンダ錠36とリンクしている。詳細には、リンク棒447とシリンダ錠36とはラックアンドピニオンの関係にあり、シリンダ錠36の外周に形成されたラック(歯車)36aとリンク棒447の上側に形成されたピニオン(歯竿)447aとがかみ合っており、シリンダ錠36の回動がリンク棒447へ横方向の運動として伝わるようになっている。すなわちシリンダ錠36の鍵穴に差し込んだキーを左(反時計回り)に回すとリンク棒447は右方に移動し、逆に右(時計回り)に回すとリンク棒447は左方に移動することとなる。
上記構成により、シリンダ錠36の鍵穴に差し込んだキーを回さない状態においては、リンク棒447は操作貫通孔445bへ挿通されており、操作機構44の前方への移動は阻止されている。また、キーを左に回すと、リンク棒447は右方へ移動し、操作貫通孔445bから抜け出し、操作機構44の前方への移動が解除される。一方で、キーを右に回すと、リンク棒447は左方へ移動するが、操作貫通孔445bへは挿通されたままであり操作機構44の前方への移動は解除されない。
図示はしないが、本実施の形態では、シリンダ錠36の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと遊技機本体12の外枠11に対する施錠が解かれ、逆に右に回すと前扉枠14の内枠13に対する施錠が解かれる。したがって、上記の操作機構44の解除操作は遊技機本体12の施錠の解除とともに行われることとなる。また、前扉枠14の施錠の解除によっては操作機構44の解除操作は行われない。
ここで、図6に示すとおり、ロック孔442は操作機構44が前方へ移動した場合において解除突起部446aが嵌合可能な位置に配置されている。そのため、ロック孔442に解除突起部446aを嵌合させためには、作業者は操作機構44を前方へ移動させ嵌合可能な位置に位置合わせを行い、回動させることで、ロック孔442へ解除突起部446aが嵌合する。なお、操作機構44の簡素化のため、この位置合わせは作業者によって行われるものとしたが、構造上自ずと位置決めされるものとしてもよい。例えば、操作機構44が前方へ移動すると当該嵌合可能な位置へ一時保持され得るように、内枠13等に操作機構44と当接する当接部を設け、嵌合とともに当該当接が解けるような構成が考えられる。
次に操作機構44とロック機構440と移動体43との連動について図8を用いて説明する。図8(a−1)〜(a―3)は操作機構44とロック機構440と移動体43とを側面から見た概略図であり、図8(b−1)〜(b−3)は、それぞれ(a−1)〜(a−3)におけるI1−I1線断面図である。なお、図7においては、他の構成との区別のため移動体43にドットハッチングを付与している。
まず、図8(a−1)及び図8(b−1)に示すとおり、遊技機本体12が外枠11に対して施錠されている状態においては、操作機構44は最後部に配置されている。この状態においては、操作機構44は、リンク棒447により前方への移動が制限されているため、操作機構44は操作不可となっている。また、移動体43は、移動体43のロック孔442へロック板441が嵌合しているため、移動体43は第1位置に保持されている。ここで、前述の通りシリンダ錠36に差し込んだキーを左に回すと、遊技機本体12の施錠が解除されるとともに操作機構44が前方へ移動するが、移動体43はロック機構440により第1位置に保持される。
操作機構44が前方へ移動し、操作レバー445の操作取っ手445aが遊技機本体12の前面よりも突出すると、操作機構44は回動可能となる。操作機構44の解除突起部446aを移動体43のロック孔442と位置合わせし、操作取っ手445aを左(反時計回り)に回動させると、図8(a−2)及び図8(b−2)に示すとおり、解除突起部446aがロック孔442に嵌合するとともに、解除突起部446aの回動によりロック板441がロック位置からロック解除位置に回動しロック孔442とロック板441との嵌合が解除される。これにより、移動体43を操作機構44により操作可能となり、またロック機構440による移動体43のロックが解除される。解除突起部446aがロック孔442に勘合した状態において、操作レバー445を前方に引き出すと、図8(a−3)及び図8(b−3)に示すとおり、操作機構44とともに移動体43が第2位置まで移動する。
外枠11に対する遊技機本体12の取り外し作業について図9を用いて説明する。図9は遊技機本体12の取り外し作業を側方から見た概略図である。なお、図9においては、他の構成との区別のため移動体43にドットハッチングを付与している。また、図9においては遊技機本体12の外周を2点鎖線により表示している。
外枠11から遊技機本体12を取り外す作業前においては、図9(a)に示すように、移動体43は第1位置に配置され、上下の支持体45,47はそれぞれの支持位置に配置されており、遊技機本体12は外枠11に対して支持されている。操作機構44は、最後部にてリンク棒447により前方への移動が阻止されている。
ここで、シリンダ錠36に差し込んだキーを左に回し、操作レバー445の操作取っ手445aが遊技機本体12の前面よりも突出した位置にて操作機構44を左に回動させると、図9(b)に示すとおり、移動体43は操作機構44により操作可能となり、ロック機構440による移動体43のロックが解除される。この状態において、操作機構44を前方に引き出すと、操作機構44とともに移動体43が前方に移動する。
移動体43が前方へ移動すると図9(c)に示すとおり、上側支持体45は上方へ移動し、下側支持体47は下方へ移動し、上下の支持機構41,42の軸支は解除される。また、移動体43がさらに前方へ移動し、移動体43の前面が遊技機本体12の上下の被支持体46,48の背面に当接し、且つ移動体43の押圧面431が遊技機本体12の背面の一部に当接する。
ここで、作業者が左手で操作機構44をさらに前方へ引き出すと、図9(d)に示すように、移動体43の前面が遊技機本体12の上下の被支持体46,48の背面を前方へ押圧し、また移動体43の押圧面431が遊技機本体12の背面の一部を前方へ押圧する。それに合わせて、右手で遊技機本体12の回動先端側を前方へ引き出すことで、遊技機本体12は支持板49に沿って前方へ移動する。この際、遊技機本体12の下面は、支持板49の上をスライド移動するとともに、外枠11の下枠部の上をスライド移動する。
移動体43が前方への移動限界である第2位置まで移動した状態において、操作機構44を右に回動させることで移動体43との嵌合が解除され、遊技機本体12は支持板49及び外枠11の下枠部に乗った状態となり取り外すことが可能となる。
次に遊技機本体12を外枠11に対して取り付ける作業について図10を用いて説明する。図10は遊技機本体12の取り付け作業を側方から見た概略図である。なお、図10においては、他の構成との区別のため移動体43にドットハッチングを付与している。また、遊技機本体12の外周を2点鎖線により表示している。
遊技機本体12を外枠11に取り付ける際には、上下の支持体45,47の移動よりも先に遊技機本体12を支持可能な位置へと移動させるべく、操作機構44が最後部から前方に移動した状態において作業を行う。詳細には、支持板49に遊技機本体12を載せた状態において、シリンダ錠36を左に回し操作取っ手445aを遊技機本体12よりも前方へ突出させたうえで、操作機構44を回動させずに作業を行う。また、取り付け作業前においては、移動体43は第2位置にあり、上下の支持体45,47はそれぞれの解除位置に配置されている。遊技機本体12を支持板49に載せて支持板49の上を水平移動させて後方へ移動させると、図10(a)に示すように、遊技機本体12の上下の被支持体46,48の背面が移動体43の前面に当接し移動体43を後方へ押圧し、且つ遊技機本体12の背面の一部が移動体43の押圧面431と当接し移動体43を後方へ押圧し、移動体43は後方に移動する。移動体43が後方へ移動することで、上側支持体45は下方へ移動し、下側支持体47は上方へ移動するが、図10(b)に示すように、遊技機本体12が上下の支持機構41,42により支持可能な位置に移動した状態においては、上下の支持機構41,42は遊技機本体12を軸支していない。この状態において、操作機構44を後方へ押し込むことで、操作機構44の先端が移動体43の押圧面431と当接し、移動体43はさらに後方へと移動する。移動体43の移動に伴い、上下の支持体45,47も移動し、それぞれ上下の支持機構41,42の軸支が行われる。操作機構44を操作機構44の前面が遊技機本体12の前面と同一面となる位置まで押し込むと、移動体43は第1位置まで移動し、ロック機構440により移動体43は第1位置に保持される。この状態において、シリンダ錠36に差し込んだキーを時計回りに回すと、リンク棒447が操作貫通孔445bに差し込まれ、操作機構44の操作は不可となり、取り付け作業が完了する。
取り付け作業後は、移動体43はロック機構440により第1位置に保持されるため、移動体43及び上下の支持体45,47は移動しない。すなわち上下の支持体45,47をそれぞれの支持位置に保った状態で、上下の支持機構41,42を利用して遊技機本体12を外枠11に対して回動させることが可能となっている。また、上下の支持体45,47は、それぞれ移動突起455,475と移動レール434a,435aとが係合しているため、移動体43の移動を伴わずそれぞれの解除位置へと移動させることは不可となっている。また、上下の保護カバー456,476によっても、上下の支持体45,47の操作は不可となっている。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図11のブロック図に基づき説明する。図11では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置に設けられた主制御基板801には、主制御回路802と停電監視回路803とが内蔵されている。主制御回路802には、MPU811が搭載されている。MPU811には、当該MPU811により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM812と、そのROM812内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM813と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM813は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御装置に設けられた電源・発射制御基板821からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
MPU811には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。主制御回路802の入力側には、主制御基板801に設けられた停電監視回路803、払出制御装置に設けられた払出制御基板822及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路803には電源・発射制御基板821が接続されており、主制御回路802には停電監視回路803を介して電力が供給される。
一方、主制御回路802の出力側には、停電監視回路803、払出制御基板822及び中継端子板823が接続されている。払出制御基板822には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板823を介して主制御回路802から音声ランプ制御装置に設けられた音声ランプ制御基板824に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路803は、主制御回路802と電源・発射制御基板821とを中継し、また電源・発射制御基板821から出力される最大電源である直流安定24ボルトの電源を監視する。
払出制御基板822は、払出装置により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU831は、そのMPU831により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM832と、ワークメモリ等として使用されるRAM833とを備えている。
払出制御基板822のRAM833は、主制御回路802のRAM813と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御基板821からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
払出制御基板822のMPU831には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。払出制御基板822の入力側には、主制御回路802、電源・発射制御基板821、及び裏パック基板829が接続されている。また、払出制御基板822の出力側には、主制御回路802及び裏パック基板829が接続されている。裏パック基板829には払出装置が接続され、裏パック基板829から入力される払出コマンドに基づいて、遊技球の払出しが行われる。
電源・発射制御基板821は、電源部と発射制御部とを備えている。電源部は、二重線矢印で示す経路を通じて、主制御回路802や払出制御基板822等に対して各々に必要な動作電力を供給する。発射制御部は、遊技者による遊技球発射ハンドル35の操作にしたがって遊技球発射機構の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御基板824は、ランプ部23やスピーカ部24、及び表示制御装置825を制御するものである。演算装置であるMPU841は、そのMPU841により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM842と、ワークメモリ等として使用されるRAM843とを備えている。
音声ランプ制御基板824のMPU841にはアドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。音声ランプ制御基板824の入力側には中継端子板823に中継されて主制御回路802が接続されており、主制御回路802から出力される各種コマンドに基づいて、ランプ部23、スピーカ部24、及び表示制御装置825を制御する。表示制御装置825は、音声ランプ制御基板824から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置を制御する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
支持機構40は、外枠11に設けられた上下の支持体45,47の支持軸450,470を、遊技機本体12に設けられた上下の被支持体46,48の軸孔460,480に挿通させることで、遊技機本体12を外枠11に回動可能に支持している。上下の支持体45,47は上下の被支持体46,48を支持する支持位置と、支持しない解除位置とに移動可能である。上下の支持体45,47が解除位置に配置される場合、上下の支持体45,47と上下の被支持体46,48とは干渉しない位置に配置される。
したがって、取り付け作業に際して、遊技機本体12を後方へ移動させることで支持可能な位置へ配置させることができ、支持機構40による軸支が可能となる。これにより、取り付け作業に際して、遊技機本体12を縦方向に移動する必要がなく、取り付け作業の効率化を図ることが可能となる。
下側被支持体48を下方から支持する支持板49を備え、取り付けに際し当該支持板49の上に遊技機本体12を載せ、支持板49の上をスライド移動させることが可能となっている。これにより、取り付けに際し、遊技機本体12を支持板49に沿って後方へ移動させることで、上記の軸支を行うことが可能であり、作業の作業効率と安全性の向上を図ることが可能となっている。
特に、支持板49は遊技機本体12が外枠11に装着された場合に底面となる部位よりも前方に突出して延在している。また、支持板49の上面と同一面となるように外枠11の下枠部が形成されている。したがって、取り付けに際して、支持板49と外枠11の下枠部とに遊技機本体12を載せたうえで後方へと移動させることが可能であり、遊技機本体12の底面の横方向の長さ全体で下方から支持するため、安定性を保ちつつ軸支させることが可能となっている。
また、下側支持体47とは別に支持板49が設けられていることから、下側支持体47において遊技機本体12の荷重を支える必要がなく、下側支持機構42の安定性を高めることが可能となっている。
外枠11に備えられた上下の支持体45,47は、遊技機本体12の上下の被支持体46,48を支持する支持位置と支持しない解除位置とに移動が可能である。これにより、上記の通り軸支を可能にするとともに、遊技機本体12側の上下の被支持体46,48は変位する必要がない。したがって、取り付けに際して、作業者は外枠11側の各部在を操作する必要がなく作業効率が向上し、また、一方のみが変位することから支持機構40の構成を簡素なものとすることが可能となる。
特に、上下の支持体45,47は回動等の複雑な動作はせず、それぞれ縦方向に移動することで支持位置と解除位置とを移動する。これにより、上下の支持体45,47の移動機構を簡素なものとすることを可能としている。
前後に移動可能な移動体43を備え、移動体43の移動に伴い、上下の支持体45,47は移動する。すなわち、遊技機本体12を支持可能な位置へ移動させ、遊技機本体12側の操作機構44を後方へ押すと、移動体43は後方へ移動し、移動体43の移動に伴い上下の支持体45,47はそれぞれの支持位置へと移動する。これにより、上述の如く遊技機本体12を後方へ移動させることで外枠11に支持させる構成において、上下の支持体45,47を解除位置から支持位置へと移動させることを可能としている。
上下の支持体45,47は、いずれの位置に配置される場合においても、外枠11の外周の範囲内に収まる。これにより限られたスペースである島設備の中で、上記の効果を奏することが可能となっている。
遊技機本体12の前面側から操作可能な操作機構44を備え、操作機構44は前後に移動可能となっている。操作機構44を後方へ移動させると移動体43を後方へ移動させることが可能であり、前方へ移動させると移動体43を前方へ移動させることが可能である。したがって、遊技機本体12の前面側から上下の軸支及び軸支の解除を行うことが可能となっている。これにより、遊技機本体12の内部を操作することなく上下の軸支及び軸支の解除が可能なことから、作業の効率化が図られている。
また、移動体43が後方へ移動すると、上下の支持体45,47はまとめて支持位置へと移動し、前方へ移動すると上下の支持体45,47はまとめて解除位置へと移動する。これにより、取り付け作業又は取り外し作業の作業効率の向上を図ることが可能となっている。
ここで、移動体43と上下の支持体45,47とは、それぞれ、移動体43における上下の傾斜面434,435と上下の支持体45,47の移動規制部451,471とが当接していることで、移動体43が後方へ移動すると上下の支持体45,47もそれぞれの支持位置へ移動し、移動体43が前方へ移動すると上下の支持体45,47はそれぞれの解除位置へと移動する。これにより、上述の如く移動体43の移動に伴い上下の支持体45,47が移動する構成において、複雑な動作を必要とせず構成の簡素化を図ることが可能となっている。
取り付けに際しては、遊技機本体12を支持可能な位置に配置させてから、操作機構44を前方へ押して上下の軸支を行う。また、取り外しに際しては、遊技機本体12を支持可能な位置から移動させずに操作機構44により上下の軸支の解除を行ってから、前方へ移動させる。これにより、支持軸450,470に対する軸孔460,480の遊びを、軸支の安定性の観点から狭く設定することが可能となっている。
また、上下の支持体45,47は、それぞれ移動突起455,475と移動レール434a,435aとが係合している。したがって、移動体43の移動を伴わずそれぞれの解除位置へと移動させることは不可となっている。また、上下の保護カバー456,476により上下の支持体45,47の操作は不可となっている。これらにより、上下の支持体45,47を不正目的で解除位置へと移動させることを防止している。
上下の軸支の解除を行ってから、操作機構44を更に前方へ引き出し、移動体43を移動させると、移動体43の前面が遊技機本体12の上下の被支持体46,48の背面と当接する。したがって、操作機構44を更に前方へ引き出すと、遊技機本体12を前方へ引き出すことが可能となっている。これにより、移動体43を前方へ移動させることで、上下の支持体45,47の解除位置への移動と、引き出し作業における遊技機本体12の押圧と、をいずれも行うことができ、これらの構成の簡素化を図ることが可能となっている。
特に引き出し作業に際して、移動体43の前面が、遊技機本体12の上下の被支持体46,48の背面を押圧するだけでなく、移動体43の押圧面431が遊技機本体12の背面の一部を押圧する。したがって、引き出し作業の安定性を更に高めることが可能である。
移動体43を遊技機本体12の前面から操作可能な操作機構44を備え、操作機構44はシリンダ錠36とリンクし、シリンダ錠36を回動させない限り操作が不可となっている。これにより、遊技機本体12を不正目的で外枠11から取り外されてしまうことを防止している。特に本実施の形態によれば、遊技機本体12や前扉枠14の施錠機構と操作機構44の施錠を連動させたことにより、差し込み可能な鍵穴の数を増やすことなく、不正目的で鍵穴を操作される可能性を減少している。
また、シリンダ錠36に差し込んだキーを左に回すと、遊技機本体12の施錠が解除されるとともに、上記のように操作機構44を操作可能となる。これにより、遊技機本体12が施錠されている状態では、操作機構44の操作を不可とし、不正行為を防止することが可能となっている。
移動体43は、ロック機構440により後方に位置する第1位置に保持される。これにより、移動体43が前方へ移動することが阻止でき、上下の支持体45,46を支持位置に保持することが可能となっている。
このロック機構440は、遊技機本体12の前面から操作可能な操作機構44により、ロック解除を行うことができる。すなわち、取り外し作業においては、操作機構44の解除突起部446aをロック機構440のロック孔442に嵌合させることで、ロック板441はロック解除位置へと移動する。またこの状態で操作機構44を前方へ引き出すことで、移動体43を前方へ移動させることが可能である。移動体43が前方へ移動すると、上述の如く、上下の支持体45,47は解除位置へと移動し、軸支が解除される。これにより、上下の支持体45,46の軸支の解除と、遊技機本体12の引き出し作業と、を同じ部材を操作して一連の動作により行うことが可能となり、取り外し作業の効率化を図ることが可能となっている。
上側支持体45が上側支持位置に配置される場合、上側支持体45の下面と上側被支持体46における上面とが当接している。また、上側支持体45の上側支持軸450は、上側被支持体46の上側軸孔460へ上方から差し込まれている。これにより、遊技機本体12を上方へ移動させようとしても、上側軸孔460の周縁が上側支持軸450のベース板に下方から当接しているため、遊技機本体12を上方へ移動させることが不可となっている。また、下側被支持体48の下面と支持板49における上面とが当接している。そして遊技機本体12の底面と外枠11の下枠部における上面とが当接している。上述の通り遊技機本体12の上方への移動は制限されているため、遊技機本体12の底面と外枠11の下枠部との間に隙間を生じさせることが不可となっている。したがって、遊技機本体12を上方へ移動して生じる隙間から、不正治具等を挿入する不正行為を防止することが可能となっている。
さらに、移動体43が移動することなく上側支持体45は上側支持位置から移動しない構成であることから、上記の不正行為に対する防止策をより強固なものとすることが可能となっている。
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、支持機構の構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における支持機構の構成について図12を用いて説明する。図12(a)は本実施の形態における支持機構(以下、支持機構50)の主要な構成を示す正面図であり、図12(b)は図12(a)におけるA2−A2線断面図である。なお、図12(b)においては、遊技機本体12の外周を2点鎖線により表示している。
本実施形態における支持機構50は、第1の実施の形態と同様に、上側支持機構51と、下側支持機構52と、上側支持機構51と下側支持機構52の間に配置され前後に移動可能な移動体53と、当該移動体53を遊技機本体12の前面から操作可能な操作機構54とを備えており、それぞれの構成が第1の実施の形態と異なっている。
移動体53は、第1の実施の形態と同様に、移動体規制部533によって後方に配置される第1位置から前方に配置される第2位置までの範囲で移動可能である。また、移動体付勢部534により前方へ付勢されているが、第1の実施の形態と異なり、移動体53の移動を制限するロック機構440を備えていないため、第1位置に保持されない。したがって、移動体付勢部534によって前方へ付勢されていることから、第2位置に配置されている。また操作機構54は、第1の実施の形態と同様に、シリンダ錠36からリンクしたリンク棒548により前後の移動が制限されているが、第1の実施の形態と異なり、操作レバー445を備えておらず、前後に延在する操作棒540のみの構成となっている。なお、リンク棒548は、操作棒540に形成され横方向に貫通した貫通孔である操作貫通孔541に差し込まれ、操作棒540の前方への移動を阻止している。また、操作棒540は、移動体53が第2位置に配置される状態で、その後側の先端が移動体53の前面と当接し前側の先端は遊技機本体12の前面と同一面となっている。
次に、上側支持機構51についての差異点を、図13を用いて説明する。図13(a)は図12(a)における、D2−D2線断面図であり、図13(b)は図13(a)におけるE2−E2線断面図であり、図13(c)は図13(a)におけるE3−E3断面図である。なお、図13においては、他の構成との区別のため移動体53にドットハッチングを付与している。
本実施の形態における上側支持機構51は、第1の実施の形態と同様に、上側支持体55の上側支持軸550を上側被支持体56の上側軸孔560に挿通することで遊技機本体12を外枠11に対して回動可能に支持している。上側支持体55は、第1の実施の形態と異なり、複数の折れ曲りを有する部材である。詳細には、上側支持体55には、上側支持軸550を支持する支持部551と、当該支持部551の最後部から下方に起立し上側被支持体56の背面と当接する押圧部552と、当該押圧部552の最下端から後方に起立した連結部553と、当該連結部553の最後部から下方に起立したロック板当接部554とが形成されている。
また、支持部551と押圧部552との連続部分であって、折れ曲り箇所には、外枠11に形成され横方向に架橋した支持体回動軸555が挿通されており、当該支持体回動軸555により、上側支持体55は横方向の回動軸を中心に縦方向に回動可能に支持されている。また、押圧部552の背面と外枠11の上側の壁部との間にはコイルバネである上側バネ556が配置されており、上側支持体55の回動は前方へ付勢されている。これにより、上側支持体55は上側支持軸550を上側軸孔560に挿通した上側支持位置と、上側支持位置から縦方向に回動することで上側支持軸550が上側軸孔560から抜け出した上側解除位置とに変位が可能である。一方で、上側支持体55は外枠11に備えられたロック機構557により上側支持位置に保持されている。
ロック機構557は、外枠11の左側の側枠部から横方向に起立したロック板557aが、上側支持体55のロック板当接部554の前面と当接することで、上側支持体55の回動を阻止している。詳細には、外枠11の左側の側枠部には移動体53の移動を制限しないように移動体53の反対方向へ凹んだロック板収納部557bが形成されており、当該ロック板収納部557bの前側からロック板557aが横方向に起立してロック板当接部554と当接している。ロック板収納部557bには縦方向に架橋したロック板回動軸557cが設けられており、ロック板557aは当該ロック板回動軸557cにより回動可能に支持されている。
ロック板収納部557bには板バネであるロックバネ557dが配置され、ロック板557aの回動は前方へ付勢されている。また、ロック板557aが横方向に起立した状態において、ロック板557aの前面とロック板収納部557bの前側の壁部とが当接しており、ロック板557aの回動は後方へ行くほどロック板収納部557bから離れるように傾斜した状態で保持されている。これにより、ロック板557aは、ロック板557aの前面とロック板収納部557bの前側の壁部とが当接し且つロック板557aとロック板当接部554の前面とが当接したロック位置と、ロック板収納部557bに収納されたロック解除位置との範囲で回動可能であり、ロックバネ557dによりロック位置へと付勢されている。
また、図13(c)に示すように、外枠11の左側の側枠部と移動体53との間には、ロック機構557のロックを解除する解除部材557eが縦方向に起立して配置されている。解除部材557eはその下部において、外枠11から横方向に起立した解除部材回動軸557fにより回動可能に支持されている。移動体53の上部からは、解除部材557eを回動させるための解除突起557gが、外枠11へ向けて突出している。解除部材回動軸557fは解除突起557gよりも後方で且つ下方に配置され、さらにロック板557aよりも前方で且つ下方に配置されている。また、解除部材557eが前方へ回動する軌道上にはロック板557aが配置されている。なお、解除部材557eの回動は図示しないねじりコイルバネにより前方へ付勢されており、解除部材557eの前面と解除突起557gの背面とが当接している。
上記構成により、移動体53が後方へ移動すると、解除突起557gが解除部材557eを押圧し後方へ回動させ、解除部材557eがロック板557aをロック位置からロック解除位置へと回動させることが可能となっている。なお、ロック板557aの回動に伴い、上側支持体55のロック板当接部554も後方へ押圧され、上側支持体55が回動し支持部551も下方へ移動するが、この移動によって支持部551と上側被支持体56とが当接しないように、支持部551と上側被支持体56との間には縦方向に空間が設けられている。また上側支持軸550の移動も、上側軸孔560内での移動に収まるように上側軸孔560の開口の大きさが定められている。
次に、下側支持機構52についての差異点を、図14を用いて説明する。図14(a)は図12(a)におけるF2−F2線断面図であり、図14(b)は図14(a)におけるG2−G2線断図である。なお、図14においては、他の構成との区別のため移動体53にドットハッチングを付与している。
本実施の形態における下側支持機構52では、第1の実施の形態とは異なり、下側支持体57が、下側軸受け570が形成された軸受け基板571と、当該軸受け基板571と横方向に離間した位置に配置される支持基板572と、軸受け基板571と支持基板572との間に配置されるストッパー573とにより形成されている。下側軸受け570は後方へ凹んだ形状であり、下側被支持体58の下側支持軸580が下側軸受け570に収まるように配置されている。また、ストッパー573は下側支持軸580を前方から押さえるように配置されている。これにより下側支持機構52は、下側軸受け570とストッパー573とにより下側支持軸580を挟持することで遊技機本体12を外枠11に対して回動可能に支持している。また支持板59が下側支持軸580を下方から受け、また軸受け基板571と支持基板572とが下側被支持体58を下方から受けることで、遊技機本体12を下方から支持している。
下側支持軸580よりも前方で且つ横方向(左方)には、支持板59から上方へ起立したストッパー回動軸591が形成され、当該ストッパー回動軸591によりストッパー573は縦方向の回動軸を中心に横方向に回動可能に支持されている。ストッパー573はストッパー回動軸591を基点として横方向に折れ曲っており、ストッパー573は、ストッパー回動軸591から横方向に延び下側支持軸580を前方から押さえる閉鎖部573aと、ストッパー回動軸591よりも後方の滑り移動部573bとにより形成されている。滑り移動部573bと支持基板572との間にはスプリングバネであるストッパーバネ573cが配置され、ストッパー573の回動は横方向(上から見て時計回り)に付勢されている。
一方で、ストッパー573の回動は、移動体53から前方へ延びるストッパー制御棒531により制限されている。詳細には、滑り移動部573bは後方に行くほど横方向(右方)へ向くように傾斜した滑り斜面573dが形成されている。また、ストッパー制御棒531の前側の先端には横方向(左方)へ突出した滑り部532が形成されている。当該滑り部532が滑り移動部573bの滑り斜面573dの前側と当接し、ストッパー573の回動が阻止されている。移動体53が後方に移動すると、ストッパー制御棒531も後方へ移動し、それに伴い滑り部532も移動する。滑り部532は、滑り斜面573dに沿って滑り移動部573bを横方向(左方)に押圧しながら移動する。これによりストッパー573は横方向(上から見て反時計回り)に回動する。移動体53が第2位置まで移動すると、ストッパー573の閉鎖部573aは下側支持軸580よりも横方向(左方)へ移動することとなる。
上記構成により、下側支持体57はストッパー573の閉鎖部573aが下側支持軸580を前方から押さえる下側支持位置と、閉鎖部573aが下側支持軸580よりも横方向(左方)にずれた下側解除位置とに変位が可能となっている。また、ストッパーバネ573cとストッパー制御棒531により下側支持位置に保持され、移動体53が後方へ移動することで下側解除位置に変位する。
次に、外枠11から遊技機本体12を取り外す作業について図15を用いて説明する。図15(a−1)及び図15(a−2)は遊技機本体12の取り外し作業を側方から見た概略図であり、図15(b−1)及び図15(b−2)は図15(a−1)及び図15(a−2)を上方から見た正面図を一部破断した破断図であり、図15(c−1)及び図15(c−2)は図15(a−1)及び図15(a−2)におけるG2−G2線断図である。なお、図16においては、他の構成との区別のため移動体53にドットハッチングを付与している。また、遊技機本体12の外周を2点鎖線により表示している。
遊技機本体12を外枠11から取り外す作業前には、第1の実施の形態と異なり、移動体53は第2位置に配置されている。ここで第1の実施の形態と同様に、シリンダ錠36を回動させると、リンク棒548が操作棒540から抜け出して操作棒540は前方へ移動可能となる。図15(a−1)に示すとおり、操作棒540を後方へ押圧すると、操作棒540の後側の先端が移動体53の前面を後方に押圧し、移動体53は第1位置に移動する。移動体53が第1位置に移動すると、下側支持機構52では、図15(c−1)に示すとおり、移動体53の移動に伴いストッパー制御棒531が後方へ移動し、ストッパー573の閉鎖部573aは下側支持軸580よりも横方向に移動する。これにより、下側支持体57は解除位置に変位する。上側支持機構51では、図15(b−1)に示すように、移動体53の解除突起557gが解除部材557eを回動させて、ロック板557aはロック解除位置に移動する。これにより上側支持体55は回動可能となり、上側バネ556の付勢力により上側支持体55の押圧部552が上側被支持体56の背面を押圧する。
上側支持体55の押圧部552が上側被支持体56の背面を押圧すると、遊技機本体12の上側に前方へ移動させる力が加わることとなるため、遊技機本体12の下側を手で引くと、図15(a−2)に示すとおり、支持板59の上をスライド移動して前方に移動する。遊技機本体12が前方へ移動すると、上側支持体55は上側解除位置へと変位する。遊技機本体12の移動に伴い、操作棒540と移動体53との当接が離れ、移動体53は移動体付勢部534の付勢力により第1位置に移動する。この状態において、図15(b−2)に示すように、ロック板557aが上側支持体55のロック板当接部554の側部と外枠11とに挟まれてロック解除位置に保たれ、上側支持体55は上側解除位置に変位した状態で留まることとなる。また、下側支持体57は、図15(c−2)に示すとおり、下側支持軸580が前方へ移動することで、下側支持軸580がストッパー573の閉鎖部573aと下側軸受け570とに横方向から挟持される状態となり、下側支持体57は解除位置に変位した状態で留まることとなる。これにより、遊技機本体12を外枠11から取り外すことが可能となる。遊技機本体12を外枠11から取り外すと下側支持体57はストッパーバネ573cにより支持位置に変位する。
次に、外枠11に対して遊技機本体12を取り付ける作業について図16を用いて説明する。図16(a−1)及び図16(a−2)は遊技機本体12の取り付け作業を側方から見た概略図であり、図16(b−1)及び図16(b−2)は図16(a−1)及び図16(a−2)を上方から見た正面図を一部破断した破断図であり、図16(c−1)及び図16(c−2)は図16(a−1)及び図16(a−2)におけるG2−G2線断図である。なお、図16においては、他の構成との区別のため移動体53にドットハッチングを付与している。また、遊技機本体12の外周を2点鎖線により表示している。
遊技機本体12を外枠11に取り付ける際は、上側支持体55は上側解除位置に、下側支持体57は下側支持位置に配置された状態で行う。また、移動体53は第2位置に配置されている。図16(a−1)に示すとおり、支持板59の上に遊技機本体12を載せ、前方へスライド移動すると、図16(c−1)に示すように、下側被支持体58の下側支持軸580がストッパー573の閉鎖部573aの前面を押圧し下側支持体57を解除位置に変位させる。また、図16(b−1)に示すとおり、上側被支持体56の背面が、上側支持体55の押圧部552の前面と当接する。図16(a−2)に示すとおり、遊技機本体12をさらに前方へ移動させて上下の支持体55,57により支持可能な位置まで移動させると、図16(b−2)に示すとおり、上側支持体55は押圧部552が押圧されることで支持位置に変位し、上側支持機構51の軸支が行われる。上側支持体55が上側支持位置に変位するとロック板557aがロック位置へ回動し、上側支持体55は上側支持位置に保持される。図16(c−2)に示すとおり、下側支持体57は、下側支持軸580が下側軸受け570に収まると、ストッパー573が回動して下側支持位置に変位する。これにより、上下の支持機構51,52によって、遊技機本体12は外枠11に対して回動可能に支持される。
以上詳述した本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果のほかに、上下の支持体55,57の軸支は、上側支持機構51においては、遊技機本体12の上側被支持体56の背面が上側支持体55の押圧部552を押圧することで上側支持体55を支持位置へと変位させ、下側支持機構52においては、下側被支持体58の下側支持軸580がストッパー573の閉鎖部573aを押圧して下側支持体57を解除位置へ変位させるとともに、さらに下側支持軸580が後方へ移動すると下側支持体57は支持位置へと変位する。これにより、遊技機本体12を後方にスライド移動させることのみで軸着作業が完了し、操作機構54の操作を必要としないことから、軸着作業の効率性を更に向上することが可能となっている。
また、本実施の形態によれば、取り外し作業において、操作機構54の操作棒540を押圧することで、移動体53の移動とともに上下の支持体55,57を解除位置に変位させ、上側バネ556の付勢力により、遊技機本体12が支持板59の上を前方へ押圧する力が加わることとなる。これにより、遊技機本体12を引き出す作業を上側バネ556の付勢力に委ねることができ、軸着解除作業の作業性を更に向上することが可能となっている。
<他の実施の形態>
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)パチンコ機10において外枠11は必須の構成でなく、上記第1,第2実施の形態において外枠11に備えられた各部材(上側支持体45,55、下側支持体47,57、移動体43,53及びロック機構440,557)は島設備に備えられていてもよい。この形態においては、パチンコ機10を交換する場合に、島設備に備えられた各部材は再度利用することができることから製造コストの低減を図ることが可能となる。
(2)上記第1,第2の実施の形態において、上側支持機構41,51では上側支持体45,55の上側支持軸450,550を上側被支持体46,56の上側軸孔460,560に挿通させて支持していたが、その逆の形態としてもよい。すなわち外枠11の上側支持体45,55に上側軸孔460,560を、遊技機本体12の上側被支持体46,56に上側支持軸450,550をそれぞれ設けてもよい。これらの形態においても、上側支持体45,55の上側軸孔460,560に、上側被支持体46,56の上側支持軸450,550を挿通させることで、遊技機本体12を外枠11に対して回動可能に支持することが可能となる。
(3)上記第1の実施の形態において、下側支持機構42では下側支持体47の下側支持軸470を下側被支持体48の下側軸孔480に挿通させて支持していたが、その逆の形態としてもよい。すなわち外枠11の下側支持体47に下側軸孔480を、遊技機本体12の下側被支持体48に下側支持軸470をそれぞれ設けてもよい。この形態においては、下側支持体47の下側軸孔480に下側被支持体48の下側支持軸470を挿通させることで、遊技機本体12を外枠11に対して回動可能に支持することが可能となる。
(4)上記第1,第2の実施の形態において、上下の支持体45,47をそれぞれの支持位置と解除位置とに変位させるべく移動体43,53を備えていたが、遊技機本体12を外枠11に対して取り付ける作業及び取り外す作業の作業効率を向上させるためには、移動体43,53は必須の構成ではなく、軸支及び軸支の解除を手動で行う構成としてもよい。すなわち、上下の支持体45,47をそれぞれ手動で支持位置と解除位置とに変位可能とし、取り付け作業及び取り外し作業においては、当該上下の支持体を手動で変位させる構成としてもよい。この場合、上下の軸支においては、軸部を軸孔に縦方向に挿通させる形態に限られず、軸部を軸受け部で横方向から受ける形態としてもよい。これらの形態においても、遊技機本体12を外枠11に対して軸支させるためには、遊技機本体12を縦方向に移動させる必要はなく、後方への移動で外枠11に軸支させることが可能である。また、取り外し作業においても、前方への移動で取り外すことが可能である。ただし、上下の支持機構の軸支を不正目的で解除させないためには、支持機構の変位を制限する施錠機構を設ける形態、または遊技機本体12の施錠を解除して遊技機本体12を開放した状態でそれぞれの軸支及び軸支の解除を行う形態とし、これらの施錠を解除しない限り上下の軸支の解除を行えない形態とすることが望ましい。
(5)上記第1,第2の実施の形態において、取り外しの際、遊技機本体12を手動で引き出したが、遊技機本体12が前方に押し出される構成としてもよい。例えば、遊技機本体12を前方へ押し出す機構として、外枠11の下枠部が電気的な駆動装置を利用して前方へ移動可能である機構を設けてもよい。この場合、外枠11の下枠部がレール上を前後に移動可能とし、それを電動駆動で前方へ移動させる形態等が考えられる。また、第2の実施の形態で示した上側支持機構51における、遊技機本体12を前方へ付勢する機構(上側バネ556による前方への付勢)を上下に設けることで、遊技機本体12を前方へ押し出す構成としてもよい。これらの形態、またはこれらの組み合わせにより、取り外し作業における作業効率を更に向上させることが可能となる。
(6)上記第1の実施の形態において、上下の支持軸450,470はそれぞれ対応する軸孔460,480に縦方向に挿通し、上側支持体45と上側被支持体46との間、及び下側被支持体48と支持板49との間に隙間が生じない構成としたが、遊技機本体12を縦方向に移動させ生じた隙間から不正治具を挿入させない構成とするためには、少なくとも遊技機本体12が支持された状態で、縦方向に移動することを規制する部位を有していればよい。例えば、軸部を軸受け部で横方向から受ける形態とし、上下に遊技機本体12と隙間無く当接する部位を外枠11に設ける形態が考えられる。この形態においても、遊技機本体12を縦方向に移動させて生じた隙間から不正治具を挿入する不正行為を、抑制することが可能である。
(7)上記第1,第2の実施の形態においては、移動体43,53を操作可能な操作機構44,54を備える構成としたが、遊技機本体12を外枠11へ取り付ける作業及び作業後において回動可能に支持する構成としては、操作機構44,54は必須の構成でなく、少なくとも上側支持機構41,51、下側支持機構42,52及び移動体43,53を備えていればよい。
(8)上記第1,第2の実施の形態においては、操作機構44,54を操作不可とすべくリンク棒447,548を介してシリンダ錠36とリンクさせたが、操作機構44,54により移動体43,53を操作するためにはリンク棒447,548と操作機構44,54とのリンクは必須の構成でなく、少なくとも操作機構44,54を備えていればよい。ただし、操作機構44,54が常時操作可能な構成とすると不正に軸支が解除される可能性もあるため、シリンダ錠36とリンクしない場合は、例えば、操作機構44,54を遊技機本体12の前面側に露出させない構成、シリンダ錠36とは別の施錠機構を装備し操作機構44,54を操作不可とする構成、又は、遊技機本体12を外枠11に対して開放した状態でのみ操作機構44,54が操作可能となる構成などが考えられる。
操作機構44,54を遊技機本体12の前面側に露出させない構成の場合、操作機構44,54は遊技機本体12の内部に配置されているため、遊技機本体12を外枠11に対して開放した状態でなければ操作不可である。遊技機本体12はシリンダ錠36により施錠されているので、操作機構44,54は常時操作可能ではなくなる。
また、シリンダ錠36とは別の施錠機構を装備し操作機構44,54を操作不可とする構成の場合、遊技機本体12の前面側からキーを差し込めるように当該別の施錠機構を配置して、当該別の施錠機構の施錠を解除しない限り操作機構44,54の操作を不可とするとよい。
さらに、遊技機本体12を外枠11に対して開放した状態でのみ操作機構44,54が操作可能となる構成の場合、第1の実施の形態において、上下の支持体45,47をそれぞれの支持位置に保持すべく、遊技機本体12の内部に、回動先端側から回動基端側に向けて横方向へ突出した突起を上下に設ける。当該突起の配置箇所は、上側の突起は、上側支持体45が上側支持位置に配置される場合にはそれよりも上方で、かつ上側支持体45が上側解除位置に配置される場合にはそれよりも下方に配置する。また下側の突起は、下側支持体47が下側支持位置に配置される場合にはそれよりも下方で、かつ下側支持体47が下側解除位置に配置される場合にはそれよりも上方に配置する。さらに当該突起は、遊技機本体12を外枠11に対して閉鎖した状態では上下の支持体45,47と縦方向に重なり、遊技機本体12を外枠11に対して開放した状態では上下の支持体45,47と縦方向に重ならない位置に突出させる。
これにより、遊技機本体12が外枠11に対して閉鎖されている場合は、上下の突起により、上下の支持体45,47はそれぞれの解除位置へと移動できず、遊技機本体12を外枠11に対して開放すると、上下の突起が上下の支持体45,47と縦方向で重ならくなるため、上下の支持体45,47はそれぞれの解除位置へと移動可能となる。本形態において取り外し作業は、遊技機本体12を外枠11に対して開放した状態で行うこととなる。また、取り付け作業は、遊技機本体12を上下の支持機構による支持可能位置まで移動した後、遊技機本体12を外枠11に対して閉鎖し、操作機構44により軸支の操作を行うこととなる。この形態によれば、施錠機構を利用せずに不正目的で上下の支持体45,47を解除位置へ移動させることを防止することが可能となる。
(9)上記第1の実施の形態において、遊技機本体12を外枠11から取り外す際は、上下の軸支の解除を行った後に支持可能位置から前方へ移動させることで取り外し可能な構成としたが、遊技機本体12を外枠11に対して支持させた状態で縦方向に移動させることを不可とする構成としては、本形態に限定されず、少なくとも、遊技機本体12を外枠11に対して支持させた状態で、支持軸が軸孔から抜け出る方向へ変位することが規制されていればよい。例えば、遊技機本体12に設けられた軸孔部に、外枠11に設けられた軸部を下方から挿通して外枠11に対して遊技機本体12を軸支する構成とすると、遊技機本体12を上方に変位させることで軸孔部から軸部が抜け出る形態となる。この形態において、軸孔部を有する軸孔部材が上方に変位することを規制するロック機構を外枠11に設けることで、支持軸が軸孔から抜け出る方向へ変位することを規制し、遊技機本体12を外枠11に対して支持させた状態で遊技機本体12を縦方向に変位させることを防止できる。このロック機構としては、少なくとも遊技機本体12が外枠11に対して閉鎖された状態では軸孔部材と上方から当接する突起を外枠11に設けてもよく、また、軸孔部材を上方から支持するロック状態と支持しない非ロック状態とに遷移可能な機構を設けてもよい。さらにバネ等により軸孔部材を下方へ付勢する機構を設けてもよい。これらの形態においても、遊技機本体12を外枠11に対して支持させた状態で、不正目的で遊技機本体12を上方へ移動させることを防止することが可能である。
(10)上記第1の実施の形態において、上側支持体45が上側支持位置に配置される場合、上側支持体45の下面と上側被支持体46の上面とが当接することで、遊技機本体12を上方に変位させることを防止する構成としたが、遊技機本体12を上方に変位させて生じる隙間から不正治具を挿入される不正行為を防止するためには、少なくとも上側支持体45と上側被支持体46とが不正治具が挿入されない程度に接近していればよい。この形態でも遊技機本体12を上方に変位させて、遊技機本体12の底面と外枠11の下枠部との間に隙間が生じたとしても不正治具を挿入される不正行為を防止することが可能である。
(11)上記第1の実施の形態において、上側支持体45が上側支持位置に配置される場合に、上側支持体45の上方への変位を規制する手段として、移動体43の上側移動レール434aと上側移動突起455とが係合し、移動体43の移動を伴わない上側支持体45の変位を規制する構成としたが、遊技機本体12を上方に変位させて生じる隙間から不正治具を挿入される不正行為を抑制するための構成としては、少なくとも、上側支持体45の上方への移動が抑制される構成であればよい。すなわち、上側移動レール434aと上側移動突起455とが係合していなくとも、上側バネ454により上側支持体45は下方に付勢されているため、この付勢力により、遊技機本体12を上方へ変位させる行為は抑制されている。これにより、片手で遊技機本体12を持ち上げもう一方の手で不正治具を隙間から挿入させる行為に対して障壁になりえる。
(12)上記第1の実施の形態において、移動体43を後方へ移動させることで、上下の軸支が解除される構成としてもよく、第2の実施の形態において移動体53を前方へ移動させることで上下の軸支が解除される構成としてもよい。すなわち、第1の実施の形態においては、操作機構44を第2の実施の形態における操作機構54としたうえで、上下の支持体45,47の移動規制部451,471及び移動体43における上下の傾斜面434,435の傾斜をいずれも前後逆向きにすることで、移動体43が後方へ移動すると上下の軸支が解除される。
(13)いずれの実施の形態においても、上下の支持機構はそれぞれ、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。ただし、各実施の形態においてそれぞれ移動体の移動方向によって軸支及び軸支の解除が異なるため、(12)で記載したとおり、それぞれの支持機構を変更して適用すべきである。
(14)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.支持対象(外枠11)に回動可能に支持される遊技機本体を備え、
前記支持対象及び前記遊技機本体のうち一方に設けられた支持部(上下の支持体45,47,55,57)と、他方に設けられ前記支持部を受ける支持受け部(上下の被支持体46,48,56,58)と、の組み合わせを有する複数の支持手段(上下の支持機構41,42,51,52)を利用して、前記支持対象に対して前記遊技機本体が回動可能に支持される遊技機であって、
前記各支持手段は、
前記遊技機本体が前記支持対象に対して支持可能位置に配置されている場合に、前記支持受け部により前記支持部が受けられて、前記支持対象に対して前記遊技機本体が回動可能に支持される支持状態(上下の支持体45,47,55,57をそれぞれの支持位置に配置)と、
前記支持可能位置に対して遊技機前方に存在する所定位置から前記支持可能位置に向けた前記遊技機本体の遊技機後方への移動を可能とするように、前記支持部と前記支持受け部との干渉を回避させる回避状態(上下の支持体45,47,55,57をそれぞれの解除位置に配置)と、
のそれぞれの状態に遷移可能な構成であることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、遊技機本体を支持対象に支持させる場合においては支持部と支持受け部との干渉が回避されているため、遊技機本体を支持可能位置へ移動させることが可能で、且つ取り付け後は支持対象へ回動可能に支持させることが可能となる。したがって、取り付け作業に際しては、遊技機本体を縦方向に移動させる必要が無く、遊技機本体を取り付ける作業の作業効率の向上を図ることが可能となる。
特徴A2.前記支持対象に対して前記遊技機本体を支持させる際に当該遊技機本体を下方から支持する支持面(支持板49,59)を備え、
当該支持面に沿って前記遊技機本体を後方へ移動させることにより前記支持可能位置へ配置させることが可能な構成であることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、遊技機本体を支持面に沿って後方へ移動させることで、遊技機本体の回動支持手段を支持対象に支持させることが可能となる。したがって、遊技機本体を支持面に載せて取付け作業を行うことができるため、作業の安全性や効率性の向上を図ることが可能となる。
特徴A3.前記支持手段は、前記支持部及び前記支持受け部のうち少なくとも一方が変位することで前記支持状態と前記回避状態との間での遷移が可能な構成であることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、取り付けに際し、すくなくとも一方が変位することで取付けが可能となり、取り付け作業の安易化、及び、支持手段の構成の簡素化を図ることが可能となる。
特徴A4.前記支持手段は、前記支持部及び前記支持受け部のうち、前記支持対象に設けられている側が変位し、前記遊技機本体に設けられている側は変位しない構成であることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、取り付けに際し、遊技機本体側の部材を変位させる必要がない。したがって、取り付け作業の作業効率の向上を図ることが可能となる。
特徴A5.前記支持部及び前記支持受け部のうち、前記支持対象に設けられている側は、前記遊技機本体に直接押されることにより、又は前記遊技機本体に設けられた操作部が操作されることに基づき変位する構成であることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
特徴A5によれば、支持対象に設けられた側を直接操作しながら遊技機本体を移動させるという作業を行う必要がない。したがって、取付け作業の作業性が向上する。
特徴A6.前記支持手段は、前記支持対象の上下左右の縁部から外方に突出しない範囲で遷移する構成であることを特徴とする特徴A1乃至特徴A5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、限られた島設備のスペースの中で、上述の効果を奏することが可能である。
特徴A7.前記各支持手段が前記支持状態から前記回避状態に遷移することに基づいて、前記支持可能位置から前記遊技機本体を前方へ移動させることが可能(上下の支持体45,47,55,57がそれぞれの支持位置から解除位置に移動)な構成であることを特徴とする特徴A1乃至特徴A6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A7によれば、取り外しに際し、遊技機本体を支持可能位置から前方へ移動させることで支持対象から取り外すことが可能となる。したがって、取り付けだけでなく、取り外しに際しても遊技機本体を縦方向に移動させる必要がなくなり、取り外し作業の作業効率も向上させることが可能となる。
特徴A8.前記遊技機本体の前面から操作可能な操作部(操作機構44,54)を備え、
当該操作部を操作する(操作機構44を前方へ引き出す、操作機構54を後方へ押す)ことによって、前記各支持手段を前記支持状態から回避状態に遷移させることが可能な構成であることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、各支持手段を遊技機本体の前面から回避状態とすることができる。したがって、遊技機本体を閉鎖した状態でも軸支の解除が可能となり、取り外し作業の効率化を図ることができる。
特徴A9.前記遊技機本体が前記支持対象に対して閉鎖されている場合又は施錠されている場合には、前記操作部の操作が不可となる構成であることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、遊技機本体が支持対象に対して閉鎖されている場合、又は施錠されている場合には、操作部を操作できないことから、不正目的で各支持手段を回避状態とすることを防止することができる。
特徴A10.前記複数の支持手段を有する支持機構は、各支持手段とは別体で設けられ、且つ外力が加えられることにより移動する移動体(移動体43,53)を備え、
当該移動体が移動することに基づき、前記各支持手段のうち少なくとも一つの状態が遷移される構成であることを特徴とする特徴A1乃至特徴A9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A10によれば、各支持対象の少なくとも一つの状態遷移を移動体に委ねることとなる。したがって、各支持手段の構成を複雑化することなく、上述の如く状態遷移を行うことが可能となる。
特徴A11.前記移動体は、前記遊技機本体に直接押されることにより、又は前記遊技機本体に設けられた操作部が操作されることに基づき移動する構成であることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
特徴A11によれば、移動体の動作が遊技機本体、又は遊技機本体に設けられた操作部の動作と連動することとなる。したがって、移動体が移動する動力を別途必要とせず、構成の簡素化を図ることが可能となる。
特徴A12.前記移動体が移動することに基づき、前記複数の支持手段をまとめて前記支持状態へと遷移可能な構成であることを特徴とする特徴A10又は特徴A11に記載の遊技機。
特徴A12によれば、移動体の移動により、各支持手段はまとめて支持状態へと遷移する。したがって、取り付け作業の作業効率を向上させることが可能となる。
特徴A13.前記移動体が移動することに基づき、前記複数の支持手段をまとめて前記回避状態へと遷移可能な構成であることを特徴とする特徴A10乃至特徴A12いずれか1に記載の遊技機。
特徴A13によれば、移動体の移動により、各支持手段はまとめて回避状態へと遷移する。したがって、取り外し作業の作業効率を向上させることが可能となる。
特徴A14.前記移動体は、前記遊技機本体を前記支持対象に支持させる場合に、その開始時においては前記複数の支持手段を前記回避状態に保持し、前記遊技機本体が前記支持可能位置に移動した後に前記複数の支持手段を前記支持状態に遷移させることが可能な構成であることを特徴とする特徴A10乃至特徴A13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A14によれば、取り付け作業に際して、移動体によって各支持手段を回避状態とし、遊技機本体が支持可能位置に移動した後に各支持手段を支持状態に遷移させる構成となる。したがって、取り付け作業の開始時においては各支持手段を移動体が回避状態に保持していることから、遊技機本体を支持可能位置まで移動させることができ、取り付け作業の作業性の向上を図ることが可能である。また、遊技機本体を支持可能位置に移動させた後に、各支持手段を支持状態に遷移させることから、支持部に対する支持受け部の遊びを狭く設定でき支持の安定性の向上を図ることが可能である。さらに、これらを移動体の移動により実現させることから、操作性の向上を図ることが可能である。
特徴A15.前記移動体は前記遊技機本体を直接押圧する押圧部(段差部430)を有し、
前記遊技機本体を前記支持対象から取り外す作業に際し、前記移動体の押圧部が前記遊技機本体を背面から押圧することにより前記遊技機本体を前記支持可能位置から前方へ移動させることが可能な構成であることを特徴とする特徴A14に記載の遊技機。
特徴A15によれば、移動体が移動することにより押圧部が遊技機本体の背面から押圧し、遊技機本体が支持可能位置から前方へ移動する。したがって、移動体が、取り外し作業における引き出し作業と、軸支の解除と、を行うことが可能となる。
特徴A16.前記移動体は、前記遊技機本体の背面において前記支持手段の回動軸側に配置され、且つ縦方向に延在し、前記遊技機本体における回動軸側の背面に後方から当接する面(移動体43の前面、押圧面431)を有していることを特徴とする特徴A14又は特徴A15に記載の遊技機。
特徴A16によれば、引き出し作業に際して、移動体は遊技機本体の背面を面で押圧するため、移動体から遊技機本体へ力が分散することなく伝わり、引き出し作業の安定性を高めることが可能となる。
特徴A17.前記移動体は、前記遊技機本体の背面と当接しない範囲で移動することにより、前記各支持手段の状態を遷移させることが可能な構成であることを特徴とする特徴A16に記載の遊技機。
特徴A17によれば、遊技機本体の背面と当接しない範囲で移動体が移動して各支持手段の状態遷移が行われるため、移動体による各支持手段の状態遷移と、遊技機本体の移動と、を別々に行うことが可能となる。したがって、遊技機本体を支持可能位置から移動させずに各支持手段の状態遷移を行えることから、各支持手段における支持部に対する支持受け部の遊びを狭く設定でき、各支持手段の支持の安定性を向上することが可能となる。
特徴A18.前記各支持手段は、前記支持部及び前記支持受け部のうち少なくとも一方である変位対象部が変位することで前記支持状態と前記回避状態との間での遷移が可能な構成であり、
前記支持手段を有する支持機構は、前記各支持手段のうち少なくとも一方について、前記支持状態となる位置に配置されている前記変位対象部が前記回避状態となる位置に配置されることを、当該変位対象部が前記回避状態となる位置に配置される前に当該変位対象部と当接することにより阻止する阻止手段(移動レール434a,435a、上下の移動突起455,475)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A17のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A18によれば、支持手段が回避状態となることを、変位対象部と阻止手段とが当接し阻止することができる。したがって、遊技機本体が支持対象に支持されている場合に不正目的で支持手段を回避状態に遷移させることを防止することが可能となる。
特徴A19.前記各支持手段は、前記支持部及び前記支持受け部のうち少なくとも一方である変位対象部が変位することで前記支持状態と前記回避状態との間での遷移が可能な構成であり、
前記支持手段を有する支持機構は、前記各支持手段のうち少なくとも一方について、前記支持状態となる位置に配置されている前記変位対象部に対して遊技機前方から対向し、当該変位対象部が遊技機前面側に露出されないようにする対向部(上下の保護カバー456,476)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A18のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A19によれば、不正目的で遊技機本体の前面側から支持手段を回避状態とすることを防止することができる。
特徴A20.前記各支持手段は、前記遊技機本体を前記支持対象から取り外す作業に際し、前記遊技機本体の移動よりも先に前記各支持手段を前記支持状態から前記回避状態に遷移させることが可能な構成であることを特徴とする特徴A1乃至特徴A19のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A20によれば、各支持手段が回避状態となった後で、遊技機本体は支持可能位置から移動する。これにより、各支持部に対する各支持受け部の遊びを狭く設定することが可能となり、軸支の安定性に優れた支持機構とすることが可能となる。
特徴A21.前記各支持手段は、前記遊技機本体を前記支持対象へ取り付ける作業に際し、前記遊技機本体が前記支持可能位置へ配置された後に前記回避状態から前記支持状態へ遷移させることを可能とする構成であることを特徴とする特徴A1乃至特徴A20のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A21によれば、遊技機本体が支持可能位置へ移動してから各支持手段が支持状態へと遷移する。これにより、各支持部に対する各支持受け部の遊びを狭く設定することが可能となり、軸支の安定性に優れた支持機構とすることが可能となる。
特徴A22.前記支持対象に対して前記遊技機本体を支持させる際に当該遊技機本体を下方から支持する支持面を備え、
当該支持面よりも下方に設けられた前記支持対象側の支持部又は支持受け部により、前記遊技機本体側の支持部又は支持受け部が支持される構成であることを特徴とする特徴A1乃至特徴A21のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A22によれば、支持面が遊技機本体の荷重を支えるため、各支持手段は遊技機本体の荷重を支える必要がなくなる。これにより、遊技機本体の荷重を支える役割を支持面に委ね、各支持手段を状態遷移が可能なものとし、各支持手段の支持を強固なものとすることが可能となる。したがって、安定性に優れた支持機構とすることができる。
上記特徴A群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機は、支持機構を介して、島設備に対して回動可能に支持される遊技機本体を備えている。遊技機本体は島設備側に対して着脱可能となっており、遊技機本体を島設備側から取り外した状態での点検、交換作業等を行うことが可能となっている。
上記支持機構としては、貫通孔を備えた回動軸受けと、当該貫通孔に挿通可能な回動軸とからなることが一般的である。
しかし、作業者が遊技機本体を島設備へ支持させるためには、遊技機本体を保持しながら回動軸受けと回動軸との位置合わせを行い、且つ回動軸受けへ回動軸を挿通する作業を行う必要がある。この場合、回動軸受けと回動軸との位置合わせの際には水平方向に遊技機本体を移動させ、回動軸受けに回動軸を挿通する際には鉛直方向に遊技機本体を移動させる必要があり、安全性や作業性の向上等、未だ改良の余地がある。
<特徴B群>
特徴B1.支持対象に対して軸支手段を利用して軸支される遊技機本体を備え、
当該軸支手段は、前記支持対象及び前記遊技機本体のうち一方に設けられ軸部(上下の支持軸450,470)を有する軸部材(上下の支持体45,47)と、他方に設けられ前記軸部を受ける軸孔部(上下の軸孔460,480)を有する軸孔部材(上下の被支持体46,48)と、
を備え、
前記軸部材及び前記軸孔部材のうち一方が他方に対して縦方向に変位することで、前記軸部が前記軸孔部に挿通される構成であり、
前記軸支手段を有する軸支機構(支持機構40)は、前記軸部材及び前記軸孔部材のうち、変位する側の部材が挿通方向とは逆方向に変位することを、当該変位する側の部材に外力を付与することで規制する変位規制手段(上下のバネ545,474、又は上下の移動レール434a,435aと上下の移動突起455,475との係合)を備えることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、軸孔部に軸部を挿通させて支持対象に対して遊技機本体を軸支させる構成の遊技機においては、軸孔部に対して縦方向に軸部を挿通することから、軸孔部を分割等して横方向から軸部を保持する必要が無い。ただしこの構成の遊技機では、軸支の安定化を図った場合、軸部を軸孔部に対して確実に挿通させるため、軸部の長さを軸孔部に対してある程度長く設定する必要があり、遊技機本体は抜け方向への変位が比較的容易になり易い。これに対して、特徴B1の遊技機では、軸支機構が、軸部材及び軸孔部材のうち一方を挿通方向と逆方向に変位することを、その一方に外力を付与することで規制する変位規制手段を備えていることから、遊技機本体の抜け方向への変位を規制することが可能となる。したがって、軸支の安定化を図るとともに、遊技機本体の抜け方向への変位を規制することが可能となる。
特徴B2.前記支持機構は、前記軸部材及び前記軸孔部材のうち前記支持対象に設けられている側の部材が他方に対して上方に存在し、軸支に際しては前記支持対象に設けられている側の部材が変位して軸支される構成であり、
前記変位規制手段は、当該支持対象に設けられている側の部材の変位を規制することを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、遊技機本体を上方に変位させるためには、軸部材及び軸孔部材のうち、支持対象側の部材を変位させる必要が生じる。一方で、支持対象側の部材は変位規制手段によりその変位が規制されている。したがって、遊技機本体を上方に変位させることを規制することが可能となる。
特徴B3.特定解除操作(移動体43を移動させることで上下の支持体45,47を移動させる)に基づいて、前記変位規制手段の規制を解除することが可能な構成であることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、取り外しに際しては、変位規制手段の規制を制限手段の特定解除操作に基づいて解除可能となる。これにより、変位規制手段により遊技機本体の移動を規制するとともに、取り外し作業に優れた軸支機構とすることができる。
特徴B4.前記遊技機本体が前記支持対象に対して閉鎖されている状態において、前記特定解除操作を行うことが可能な構成であることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、遊技機本体が支持対象に対して閉鎖されている状態で、特定解除操作を行うことが可能となる。これにより、取り外し作業の効率化を図ることが可能となる。
特徴B5.前記軸支機構は、前記特定解除操作を前記遊技機本体の前面側から操作可能な操作部(操作機構44)を備え、
前記遊技機本体が前記支持対象に対して閉鎖されている場合又は施錠されている場合には、前記操作部の操作が不可となる構成であることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、遊技機本体を閉鎖状態で又は施錠されている状態で、操作部を操作して特定解除操作を行うことを不可とすることが可能となる。したがって、不正目的で操作部が操作されることを防止することができる。
特徴B6.前記軸支手段は、前記軸部及び前記軸孔部のうち少なくとも一方である変位対象部が変位することで、前記遊技機本体を前記支持対象に対して軸支する構成であり、
前記軸支手段を有する軸支機構は、前記軸支手段について、前記変位対象部に対して遊技機前方から対向し、当該変位対象部が遊技機前面側に露出されないようにする対向部(上下の保護カバー456,476)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B6によれば、不正目的で遊技機本体の前面側から軸支手段による軸支の解除を防止することができる。
特徴B7.前記変位規制手段による前記遊技機本体の規制の解除とともに、各軸支手段の軸支が解除される構成であることを特徴とする特徴B1乃至特徴B6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B7によれば、取り外しに際し、変位規制手段によって遊技機本体の変位規制の解除とともに軸支の解除を行うことができ、取り外し作業における作業効率の向上を図ることが可能となる。
特徴B8.前記軸支機構は、複数の前記軸支手段と、
当該複数の軸支手段とは別体で設けられ、外力が加えられることにより移動する移動体と、
を備え、
当該移動体が移動することにより、前記変位規制手段による規制の解除がまとめて行われる構成であることを特徴とする特徴B1乃至特徴B7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B8によれば、複数の軸支手段によって支持対象に対して遊技機本体を軸支させる構成であり、軸支の安定性を向上させることが可能となる。さらに移動体が移動することにより変位規制手段の規制の解除がまとめて行われる。これにより、変位規制手段自体を複雑な構成とすることなく、遊技機本体における変位の規制を解除することが可能となり、軸支機構の構成を簡素なものとすることが可能となる。
特徴B9.前記変位規制手段は、前記支持対象に対する前記遊技機本体の全回動位置において、前記遊技機本体の変位を規制することを可能とする構成であることを特徴とする特徴B1乃至特徴B8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B9によれば、支持対象に対して遊技機本体を回動した状態でも変位規制手段による規制が行われる構成となる。したがって、いずれの回動位置においても遊技機本体は抜け方向の変位が規制されるため、軸支の安定性を向上させることが可能となる。
上記特徴B群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機は、支持機構を介して、島設備に対して回動可能に支持される遊技機本体を備えている。遊技機本体は島設備側に対して着脱可能となっており、遊技機本体を島設備側から取り外した状態での点検、交換作業等を行うことが可能となっている。
上記支持機構としては、貫通孔を備えた回動軸受けと、当該貫通孔に挿通可能な回動軸とからなることが一般的である。
しかし、閉鎖状態にある遊技機本体が上方に持ち上げられ、遊技機本体の底面と外枠の下枠部との間から、不正用治具を挿入されることも考えられる。したがって、これらの不正行為を防止するため、支持機構の軸支を強固なものとする必要があるが、遊技機本体の取り外し作業の作業性が低下することは好ましくない。
<特徴C群>
特徴C1.支持対象に支持手段によって支持される遊技機本体を備え、
当該支持手段は、
前記遊技機本体を前記支持対象に対して支持する支持状態(上下の支持体45,47,55,57がそれぞれの支持位置に配置)と、
前記遊技機本体を前記支持対象に対して支持しない解除状態(上下の支持体45,47,55,57がそれぞれの解除位置に配置)と、
のそれぞれの状態に遷移可能であり、且つ前記遊技機本体が前記支持対象に対して支持可能位置に配置されている状態で、前記支持手段を前記支持状態から前記解除状態へと遷移させることが可能な構成であり、
前記支持手段を有する支持機構は、前記支持手段を解除状態で保持する保持手段(ロック機構440により移動体43を第1位置に保持し上下の支持体45,47をそれぞれの支持位置に保持する構成,上側支持体55を上側支持位置に保持するロック機構557)を備えることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、遊技機本体が支持可能位置に配置されている状態で、支持手段の支持の解除が可能となる。したがって、遊技機本体を移動させることなく支持の解除を行うことができ、支持対象から取り外し可能となる。さらに保持手段により支持手段を解除状態に保持することが可能な構成であることから、取り外し作業における作業効率の向上を図ることが可能となる。
特徴C2.前記支持手段が前記解除状態となった場合に、前記支持可能位置から当該支持可能位置に対して遊技機前方に存在する所定位置に向けた前記遊技機本体の遊技機前方への移動が可能となる構成であることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、遊技機本体を取り外す場合には、支持手段を解除状態としたうえで、支持可能位置から前方に移動させることで取り外すことが可能となる。したがって、取り外しに際して、遊技機本体を縦方向に移動させる必要がなく、取り外し作業の作業効率の向上を図ることが可能となる。
特徴C3.前記支持対象に対して前記遊技機本体を取り外す際に当該遊技機本体を下方から支持する支持面(支持板49,59)を備え、
前記遊技機本体を当該支持面に沿って前記支持可能位置から前記所定位置へ移動させることが可能な構成であることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、遊技機本体を支持面に沿って前方へ移動させることで、遊技機本体を支持対象から取り外すことが可能となる。したがって、遊技機本体を支持可能位置から前方に移動させても支持面に載った状態となるため、取り外し作業の安全性や効率性の向上を図ることが可能となる。
特徴C4.前記遊技機本体の前面から操作可能な操作部(操作機構44,54)を備え、
当該操作部を操作する(操作機構44を前方へ引き出す、操作機構54を後方へ押す)ことによっては、前記支持手段を前記支持状態から前記解除状態に遷移させることが可能な構成であることを特徴とする特徴C1乃至特徴C3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C4によれば、支持手段を遊技機本体の前面から解除状態とすることができる。したがって、遊技機本体を閉鎖した状態でも支持の解除が可能となり、取り外し作業の効率化を図ることができる。
特徴C5.前記遊技機本体が前記支持対象に対して閉鎖されている場合又は施錠されている場合には、前記操作部の操作が不可となる構成であることを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
特徴C5によれば、遊技機本体が支持対象に対して閉鎖されている回動が阻止されている場合状態で、又は施錠されている場合には、操作部を操作できないことから、不正目的で各支持手段を解除状態とすることを防止することができる。
特徴C6.前記支持機構は、前記支持手段とは別体で設けられ、且つ外力が加えられることにより移動する移動体(移動体43,53)を備え、
当該移動体が移動することに基づき、前記支持手段の状態が遷移される構成であることを特徴とする特徴C1乃至特徴C5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C6によれば、支持手段の状態遷移を移動体に委ねることとなる。したがって、支持手段の構成を複雑化することなく、上述の如く状態遷移を行うことが可能となる。
特徴C7.前記支持機構は前記支持手段を複数備え、
前記移動体が移動することに基づき、前記複数の支持手段をまとめて前記解除状態へと遷移可能な構成であることを特徴とする特徴C6に記載の遊技機。
特徴C7によれば、支持手段を複数備えることから支持の安定性を向上させることが可能である。また、これらの支持手段は移動体の移動によりまとめて解除状態へと遷移する。したがって、取り外し作業の作業効率を低下させることなく支持の安定性を向上させることが可能となる。
特徴C8.前記移動体は前記遊技機本体を直接押圧する押圧部(段差部430)を有し、
前記遊技機本体を前記支持対象から取り外す作業に際し、前記移動体の押圧部が前記遊技機本体を背面から押圧することにより前記遊技機本体を前記支持可能位置から前方へ移動させることが可能な構成であることを特徴とする特徴C6又は特徴C7に記載の遊技機。
特徴C8によれば、移動体が移動することにより押圧部が遊技機本体の背面から押圧し、遊技機本体が支持可能位置から前方へ移動する。したがって、移動体が、取り外し作業における引き出し作業と、軸支の解除と、を移動体が行うことが可能となる。
特徴C9.前記移動体は、前記遊技機本体の背面において前記支持手段の回動軸側に配置され、且つ縦方向に延在し、前記遊技機本体における回動軸側の背面に後方から当接する面(移動体43の前面、押圧面431)を有していることを特徴とする特徴C8に記載の遊技機。
特徴C9によれば、引き出し作業に際して、移動体は遊技機本体の背面を面で押圧するため、移動体から遊技機本体へ力が分散することなく伝わり、引き出し作業の安定性を高めることが可能となる。
特徴C10.前記移動体は、前記遊技機本体の背面と当接しない範囲で移動することにより、前記支持手段の状態を遷移させることが可能な構成であることを特徴とする特徴C6乃至特徴C9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C10によれば、遊技機本体の背面と当接しない範囲で移動体が移動して支持手段の状態遷移が行われるため、移動体による各支持手段の状態遷移と、遊技機本体の移動と、を別々に行うことが可能となる。したがって、遊技機本体を支持可能位置から移動させずに支持手段の状態遷移を行えることから、支持手段における支持部に対する支持受け部の遊びを狭く設定でき、支持手段の支持の安定性を向上することが可能となる。
特徴C11.前記支持手段は、前記支持対象及び前記遊技機本体のうち一方に設けられた支持部(上下の支持体45,47,55,57)と、他方に設けられ前記支持部を受ける支持受け部(上下の被支持体46,48,56,58)とを備え、前記支持部及び前記支持受け部のうち少なくとも一方である変位対象部が変位することで前記支持状態と前記解除状態との間での遷移が可能な構成であり、
前記支持手段を有する支持機構は、前記各支持手段のうち少なくとも一方について、前記支持状態となる位置に配置されている前記変位対象部が前記解除状態となる位置に配置されることを、当該変位対象部が前記解除状態となる位置に配置される前に当該変位対象部と当接することにより阻止する阻止手段(移動レール434a,435a、上下の移動突起455,475)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C11によれば、支持手段が解除状態となることを、変位対象部と阻止手段とが当接し阻止することができる。したがって、遊技機本体が支持対象に支持されている場合に不正目的で支持手段を解除状態に遷移させることを防止することが可能となる。
特徴C12.前記各支持手段は、前記支持対象及び前記遊技機本体のうち一方に設けられた支持部(上下の支持体45,47,55,57)と、他方に設けられ前記支持部を受ける支持受け部(上下の被支持体46,48,56,58)とを備え、前記支持部及び前記支持受け部のうち少なくとも一方である変位対象部が変位することで前記支持状態と前記解除状態との間での遷移が可能な構成であり、
前記支持手段を有する支持機構は、前記各支持手段のうち少なくとも一方について、前記支持状態となる位置に配置されている前記変位対象部に対して遊技機前方から対向し、当該変位対象部が遊技機前面側に露出されないようにする対向部(上下の保護カバー456,476)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C12によれば、不正目的で遊技機本体の前面側から支持手段を解除状態とすることを防止することができる。
特徴C13.前記支持手段は、前記支持対象及び前記遊技機本体のうち一方に設けられた支持部(上下の支持体45,47,55,57)と、他方に設けられ前記支持部を受ける支持受け部(上下の被支持体46,48,56,58)と、を利用して、前記支持対象に対して前記遊技機本体を支持する構成であり、
前記支持対象に対して前記遊技機本体を取り外す際に当該遊技機本体を下方から支持する支持面を備え、
当該支持面よりも下方に設けられた前記支持対象側の前記支持部又は前記支持受け部により、前記遊技機本体側の前記支持部又は前記支持受け部が支持される構成であることを特徴とする特徴C1乃至特徴C12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C13によれば、支持面が遊技機本体の荷重を支えるため、各支持手段は遊技機本体の荷重を支える必要がなくなる。これにより、遊技機本体の荷重を支える役割を支持面に委ね、各支持手段を状態遷移が可能なものとし、各支持手段の支持を強固なものとすることが可能となる。したがって、安定性に優れた支持機構とすることができる。
特徴C14.前記支持対象を有する支持機構は、前記支持手段とは別体で設けられ、前記遊技機本体を前記支持可能位置から前方へ変位させる変位手段(上側バネ556)を備えることを特徴とする特徴C1乃至特徴C13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C14によれば、変位手段によって、遊技機本体は支持可能位置から前方に移動する。したがって、作業者が遊技機本体を支持可能位置から引き出す際に加える力を軽減することが可能であり、引き出し作業における作業効率の向上を図ることが可能である。
上記特徴C群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機は、支持機構を介して、島設備に対して回動可能に支持される遊技機本体を備えている。遊技機本体は島設備側に対して着脱可能となっており、遊技機本体を島設備側から取り外した状態での点検、交換作業等を行うことが可能となっている。
上記支持機構としては、貫通孔を備えた回動軸受けと、当該貫通孔に挿通可能な回動軸とからなることが一般的である。
しかし、作業者が遊技機本体を島設備から取り外すためには、遊技機本体を保持しながら回動軸受けから回動軸を抜き出す必要がある。この場合、遊技機本体を上方に持ち上げるとともに支持機構から前方に移動させる必要があり、安全性や作業性の向上等、未だ改良の余地がある。