以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機10」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技場の島設備に設置される。
この外枠11によって遊技機主部12が開閉可能な状態で支持されている。具体的には、後述する支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている。
図2に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前面扉14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。
内枠13には、図2に示すように、前面扉14が支持されており、同前面扉14はパチンコ機10の正面視における左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
次に、前面扉14について説明する。なお、以下の説明では、図1及び図2を参照するとともに、前面扉14の背面の構成については図4を参照する。図4は前面扉14の背面図である。
図2に示すように、前面扉14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20と、同枠体20の前面側に固定された前面カバー21とを主体に構成されており、内枠13における前面側のほぼ全域を覆っている。枠体20及び前面カバー21の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部20a,21aが形成されており、同窓部20a,21aはガラスユニット30によって同前面扉14の背面側から覆われている。
図4に示すように、枠体20には窓部20aを囲むようにしてガラスユニット設置部22が形成されている。詳しくは、ガラスユニット設置部22は、枠体20の背面側に配されているとともにパチンコ機10の前方に向けて凹んでおり、その底部に上記窓部20aが配設されている。ガラスユニット30は、ガラスユニット設置部22に嵌まることで上下方向及び左右方向への変位が規制されている。
ガラスユニット30は、透明性を有するガラスパネル31,32とそれらガラスパネル31,32を保持するガラスホルダ33とを有してなり、同ガラスホルダ33が枠体20に取り付けられたレバー部材23と同枠体20とによって挟持されることで、当該枠体20に対して一体化されている。なお、ガラスパネル31,32の間に所定の隙間が確保されており、それらガラスパネル31,32によって遊技領域PEがパチンコ機10の正面側から2重に覆われた状態となっている。
再び図1を参照して説明すれば、窓部20a,21aの周囲には各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部20a,21aの周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部24が設けられている。環状電飾部24では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部24の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部25が設けられ、窓部20a,21aの左右両側には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部26が設けられている。また、中央のエラー表示ランプ部25に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部27が設けられている。
前面扉14(詳しくは前面カバー21)における窓部21aの下方には、手前側へ膨出した上側膨出部28と下側膨出部29とが上下に並設されている。上側膨出部28内側には上方に開口した上皿28aが設けられており、下側膨出部29内側には同じく上方に開口した下皿29aが設けられている。上皿28aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導く機能を有している。また、下皿29aは、上皿28a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有している。
下側膨出部29並びとなる位置には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前面扉14の背面には、図2及び図4に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により成形されており、上皿28aに通じる前扉側上皿通路51と、下皿29aに通じる前扉側下皿通路52とが形成されてなる。通路形成ユニット50において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部53が形成されており、当該受口部53を仕切壁54によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路51の入口部分と前扉側下皿通路52の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路51及び前扉側下皿通路52は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路51に入った遊技球は上皿28aに導かれ、前扉側下皿通路52に入った遊技球は下皿29aに導かれる。
次に、図1,図5及び図6に基づき内枠13と同内枠13及び外枠11の関係とについて詳細に説明する。図5は内枠13の正面図、図6は内枠13から主要な構成を取り外した状態を示す正面斜視図である。なお、図5においては、図2と同様にパチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース60を主体に構成されている。樹脂ベース60の高さ寸法(上下方向における長さ寸法)は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、樹脂ベース60は外枠11の上側枠部に寄せて配置され、外枠11の下側枠部と樹脂ベース60との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板17が装着されている。幕板17は、樹脂ベース60(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では同樹脂ベース60が幕板17の上に載ることとなる。
幕板17は着色された不透明な樹脂により薄板状に形成されており、同幕板17の前面にはパチンコ機10のメーカ名(図示略)が記されている。図1に示すように幕板17の後方となる領域にはスピーカユニット18が配されており、同スピーカユニット18が外枠11の下側枠部に固定されている。スピーカユニット18は、その一部が幕板17に形成された開口部を通じてパチンコ機10の前方に露出した状態となっている。
これらスピーカユニット18は、後述する音声ランプ制御装置に配線Hを用いて電気的に接続されており、同音声ランプ制御装置から入力される信号に基づいて音声を出力する。既に説明したようにパチンコ機10(詳しくは前面扉14)の上部にはスピーカ部27が設けられており、同スピーカ部27とスピーカユニット18とを併用することで、すなわちパチンコ機10の上部及び下部に配することで、パチンコ機10の音響に関する機能の向上を図っている。なお、スピーカユニット18は必須の構成ではなくこれを省略することも可能である。
図5に示すように、樹脂ベース60の回動基端側(図5の左側)には、後述する支持機構が設けられており、この支持機構によって前面扉14が内枠13に対する回動が許容された状態で支持されている。
内枠13(詳しくは樹脂ベース60)の前面において、同内枠13の回動先端側となる部位には施錠装置75が設けられている。施錠装置75は、前面扉14に向けて延びる複数の前扉用鉤部材76を有している。これら前扉用鉤部材76に対応させて、前面扉14の背面には内枠13側に延びる鉤受け部材59が複数設けられている。前扉用鉤部材76が鉤受け部材59に引っ掛かることにより前面扉14が閉じた状態で施錠される。また、施錠装置75は、内枠13の後方へ延びる内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11の鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
樹脂ベース60の右下隅部には、施錠装置の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置に一体化されており、その先端部分(鍵穴部分)が上記前面扉14に設けられた孔部を通じてパチンコ機10の前方に露出している。シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右に回すことで内枠13に対する前面扉14の施錠が解除され、同キーを左に回すことで外枠11に対する内枠13の施錠が解除される。
図6に示すように、樹脂ベース60の前面における略中央部分には、遊技盤80を収容する遊技盤収容部61が形成されている。遊技盤収容部61は、パチンコ機10の後方に凹み、遊技盤80を収容する収容空間を区画形成しており、樹脂ベース60に取り付けられた遊技盤80がその収容空間に嵌まった状態となっている。
遊技盤収容部61は、遊技盤80の背面に対向する平板状の対向板部62と、同対向板部62から起立し遊技盤80の周縁に沿って延びる周壁部63とによって構成されている。対向板部62は、その略中央に上述した中央開口64が形成されており、内枠13の正面視において略矩形枠状をなしている。周壁部63は、遊技盤80における上下左右の各端面に対して個々に対向する上側壁部65,下側壁部66,左側壁部67,右側壁部68が連なってなり、全体として遊技盤80を囲む環状をなしている。なお、周壁部63は中央開口64を囲むようにして形成されているとも言える。
遊技盤80は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が遊技盤収容部61の開放部分を通じて樹脂ベース60の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤80の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。既に説明したように遊技領域PEはガラスユニット30(詳しくはガラスパネル32)によって覆われている。ガラスパネル32は、遊技盤80の前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。なお、遊技盤80は木製に限定されるものではなく、合成樹脂材料製とすることも可能である。
また、本実施の形態における遊技盤80は樹脂ベース60に対して着脱可能な構成となっており、遊技盤収容部61には遊技盤80の取り外しを許容する許容状態と、同遊技盤80の取り外しを不可とする阻止状態とに切替可能なロック装置70が複数設けられている。このようにロック装置70を用いて遊技盤80を着脱可能な構成を採用することで、メンテナンス作業等の容易化が図られている。
以下、図7に基づき遊技盤80(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図7は遊技盤80の正面図である。
遊技盤80には、ルータ加工が施されることによって自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83b、スルーゲート84及び可変表示ユニット85等がそれぞれ設けられている。一般入賞口81、可変入賞装置82及び作動口83a,83bに遊技球が入ると、それら遊技球が後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤80の最下部にはアウト口86が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口86を通って遊技領域PEから排出される。
また、遊技盤80には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘87が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘87や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確立で発生するように調整されている。
可変入賞装置82は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置82の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、同可変入賞装置82の開放が複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として繰り返されるように設定されている。
可変表示ユニット85は遊技盤80の中央上寄りに配置されており、その下方に作動口83a,83bが配置されている。より詳しくは、作動口83a,83bは、作動口83aを上側、作動口83bを下側として上下に並設されている。可変表示ユニット85及び作動口83a,83bは、遊技性を司る部位であり遊技者の注意が集まりやすい。それら可変表示ユニット85及び作動口83a,83bを遊技機中央において上下に並べて配置することで両者間での視線の移動量を抑え、遊技者の目に生じる負担の低減に貢献している。
可変表示ユニット85は、作動口83a,83bへの入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置94を備えている。図柄表示装置94は、液晶ディスプレイ(表示画面94a)を備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置によりその表示内容が制御されている。具体的には、表示画面94aにおいては、上段,中段及び下段に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示される。そして、大当たり発生時には、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示され、特別遊技状態へと移行される。なお、表示画面94aにおける表示態様を以下のように変更してもよい。すなわち、左,中及び右に並べて図柄を表示し、それら図柄を上下スクロールさせるようにして変動表示させてもよい。
また、可変表示ユニット85は、図柄表示装置94を囲むようにして形成されたセンターフレーム95を備えている。センターフレーム95の上部には、第1特定ランプ部96及び第2特定ランプ部97が設けられている。また、センターフレーム95の上部及び下部にはそれぞれ保留ランプ部98,99が設けられている。下側の保留ランプ部98は、図柄表示装置94及び第1特定ランプ部96に対応しており、遊技球が作動口83を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部98の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部99は、第2特定ランプ部97に対応しており、遊技球がスルーゲート84を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部99の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
再び図5を用いて説明すれば、樹脂ベース60における遊技盤収容部61(遊技盤80)の下方には、遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が樹脂ベース60用の補強プレートを介して樹脂ベース60に取り付けられている。
発射レール112は、遊技盤80側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤80側、詳しくは遊技盤80に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域区画部材と共に遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分104と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分105とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分104→出口部分105)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技盤80において出口部分105の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。
誘導レール100は、遊技球発射ハンドル41が遊技球を遊技領域PEに到達させることができる程度に操作された場合に、すなわち遊技球発射ハンドル41の操作量が第1の規定量を超えた場合に、発射レール112から打ち出された遊技球が当該誘導レール100の入口部分104、詳しくは外レール102において発射レール112の延長上に位置する特定部位に着地するように形成されている。なお、外レール102は、その特定部位における接線の向きが発射レール112のレール方向と略同一となるように形成されている。発射された遊技球の移動方向と、特定部位の接線方向を揃えることにより、遊技球の着地によって生じる衝撃を低減するとともに同遊技球の跳ね返りを抑え、誘導レール100によるそれら遊技球の円滑な誘導を可能としている。
同図5に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤80の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分104と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路55が配設されている。ファール球通路55は前面扉14の通路形成ユニット50に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路55内に入ることとなる。ファール球通路55は前扉側下皿通路52に通じており、ファール球通路55に入った遊技球は図1に示した下皿29aに排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
樹脂ベース60において発射レール112の左方(詳しくは前面扉14を支持している側)には樹脂ベース60を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース60に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前面扉14に取り付けられた通路形成ユニット50の受口部53が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路51が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路51が配置されている(図2参照)。
樹脂ベース60において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123からの遊技球の流出を規制するシャッタ124が設けられている。シャッタ124は、両通路の出口部分を狭め遊技球の流出を阻止する阻止位置と、遊技球の流出を許容する許容位置との両位置に切り替え可能な状態で樹脂ベース60によって支持されている。また、樹脂ベース60にはシャッタ124を阻止位置に向けて付勢する付勢部材が取り付けられており、前面扉14を内枠13に対して開いた状態では付勢部材の付勢力によってシャッタ124が阻止位置に留まる構成となっている。これにより、本体側上皿通路122又は本体側下皿通路123に遊技球が貯留されている状態で前面扉14を開放した場合に、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が回避されている。これに対し、前面扉14を閉じた状態では、前面扉14の通路形成ユニット50に設けられた受口部53により上記付勢力に抗してシャッタ124が許容位置に押し戻される。この状態では、本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路51と、本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路52とがそれぞれ連通し、遊技球の移動が許容されることとなる。
次に、図8に基づき内枠13(樹脂ベース60及び遊技盤80)の背面構成について説明する。図8は内枠13の背面図である。
樹脂ベース60の背面における回動基端側(図8の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、樹脂ベース60の背面には、裏パックユニット15を内枠13に固定するための固定レバー134が複数設けられている。
既に説明したように樹脂ベース60における遊技盤収容部61の底部分、すなわち上記対向板部62には樹脂ベース60の厚さ方向に貫通し同樹脂ベース60の背面側に開放された中央開口64が形成されており、その中央開口64が遊技盤収容部61に収容された遊技盤80によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤80の背面には制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は中央開口64を通じて内枠13の背側に露出した状態となっている。ここで、図9に基づき遊技盤80の背面の構成について詳細に説明する。図9は遊技盤80を後方から見た斜視図である。
遊技盤80の背面には、可変表示ユニット85を遊技盤80に対して搭載する合成樹脂製の台座部材141が固定されている。台座部材141は、遊技盤80側に開放された略箱状をなしており遊技盤80の背面のほぼ全域を覆っている。台座部材141の一部は樹脂ベース60の中央開口64を通じて同樹脂ベース60の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した図柄表示装置94と、その図柄表示装置94を駆動するための表示制御装置とが取り付けられている。これら図柄表示装置94及び表示制御装置は前後方向(樹脂ベース60の厚さ方向)に図柄表示装置が前側且つ表示制御装置が後側となるように重ねて配置されている。さらに、遊技盤80には、表示制御装置の後方に位置するようにして音声ランプ制御装置ユニット142が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット142は、音声ランプ制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に音声ランプ制御装置143が装着されている。
音声ランプ制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
音声ランプ制御装置ユニット142の下方には、台座部材141を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤80の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としてのボックス封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。ボックス封印部164は、基板ボックス163の短辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも1つが用いられて封印処理が行われる。
ボックス封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス封印部164を構成する係止孔部に係止ピンを挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。ボックス封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス封印部164のうち、少なくとも1つの係止孔部に係止ピンを挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止ピンが挿入されたボックス封印部と基板ボックス163本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の係止孔部に係止ピンを挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163と取付台161とは台座封印部165によって開封不能に連結されている。詳しくは、台座封印部165は、ボックス封印部164と同様に係止孔部及び係止ピンを有しており、係止孔部に対して係止ピンが挿入されることで基板ボックス163と取付台161とが分離不能に結合されるようになっている。これにより、基板ボックス163の不正な取り外しが行われた場合に、その事実を把握しやすくなっている。
台座部材141において遊技盤80の背面と対向している部分には、前記一般入賞口81,可変入賞装置82,上作動口83a,下作動口83bの遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤80の下方に集合する構成となっている。つまり、台座部材141には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
遊技盤80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口86についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口86を介して排出通路内に導出される。
また、上記回収通路には、遊技盤80表側の一般入賞口81に入賞した遊技球を検知する入賞口スイッチと、可変入賞装置82に入賞した遊技球を検知するカウントスイッチと、作動口83a,83bに入った遊技球を検知する作動口スイッチとが装着されており、それら各種スイッチによって入賞検知機構が構成されている。更に、台座部材141において可変表示ユニット85の左右両側には、スルーゲート84を通過する遊技球を検知するゲートスイッチが設けられている。これら各種スイッチは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各スイッチによる検知情報が同主制御装置162に出力される構成となっている。
次に、図3,図10及び図11に基づき裏パックユニット15について説明する。図10はパチンコ機10の背面図、図11は裏パックユニット15の正面図である。
図10に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、図11に示すように払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット85を囲むのに十分な大きさを有する(図10参照)。
ベース部211には、その右上部に外部端子板(図示略)が設けられている。外部端子板には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。ベース部211には、内枠13に設けられた固定レバー134が挿通される複数の挿通部215が形成されており、固定レバー134が挿通部215に挿通された状態にてベース部211に後方から当接することにより内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿28a、下皿29a又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路51を介して上皿28aに通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路52を介して下皿29aに通じるように形成されている(図2及び図3参照)。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
図11に示すように、制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置243にはRAM消去スイッチ247が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ247を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
(内枠13及び前面扉14の支持機構)
本実施の形態においては、外枠11に対して内枠13を回動可能な状態で支持するとともに内枠13に対して前面扉14を回動可能な状態で支持する支持機構300が設けられている。ここで、図1,図2,図12〜図14に基づき支持機構300の具体的構成について説明する。図12(a)は図1における上側の1点鎖線部分を拡大して示す拡大斜視図、図12(b)は図1における下側の1点鎖線部分を拡大して示す拡大斜視図、図13は外枠11の正面斜視図、図14は内枠13の正面斜視図である。なお、便宜上図12(a)においては後述するスペーサ部材を取り外した状態を示しており、図14においては内枠13から遊技盤80及び施錠装置75を取り外した状態を示している。
図1に示すように、支持機構300は、パチンコ機10の上部(詳しくは左上の隅部)に配設された上側支持機構部301と、同パチンコ機10の下部(詳しくは左下の隅部)に配設された下側支持機構部302とによって構成されており、これら両支持機構部301,302によって内枠13及び前面扉14が支えられている。このように支持機構300をパチンコ機10の上部及び下部に分けて配置することにより、支持機構300の占有領域の拡がりを抑え、限られた領域にて各種遊技部品と支持機構300とを好適に共存させることが可能となっている。特に、支持機構部301,302を上下の隅部に配置することにより、遊技領域PEの拡張に寄与している。
以下、先ず支持機構300において外枠11及び内枠13に関連している構成について説明する。
図12(a)に示すように、外枠11における上枠部11a及び左枠部11bの連結部分と左枠部11b及び前記幕板17の連結部分とには金属製の板材を折り曲げて形成された外枠金具310,330が設けられている。一方、内枠13には、これら各外枠金具310,330に対応する位置、詳しくは上側枠部13a及び左側枠部13cの連結部分と下側枠部13b及び左側枠部13cの連結部分とに金属製の板材を折り曲げて形成された内枠金具360,380が設けられている。これら外枠金具310,330及び内枠金具360,380が互いに組み合わせられることにより、内枠13が外枠11によって支持された状態となっている。
図13に示すように、上側の外枠金具310(以下便宜上、上側外枠金具310と称する)は、上枠部11a及び左枠部11bの両者に沿うようにして折り曲げて形成された略L字状の取付部311を有しており、この取付部311が上記各枠部11a,11bにネジ止めされることで外枠11と上側外枠金具310とが一体化されている。
取付部311において上枠部11aに当接している部分には、パチンコ機10の前方へ延出する延出部312が設けられている。延出部312は水平方向に拡がる平板状をなしており、当該延出部312に内枠13(詳しくは上側内枠金具360)を支持する機能が付与されている。
図14に示すように、上側の内枠金具360(以下便宜上、上側内枠金具360)は、樹脂ベース60の前面と対向するベース部361を有しており、このベース部361が樹脂ベース60にネジ止めされることで内枠13と上側内枠金具360とが一体化されている。ベース部361は左右に延びる長板状をなしており、その上端縁及び下端縁にはパチンコ機10の前方へ起立するとともに隙間を隔てて相対向する対向部362,363が設けられている。
図12(a)に示すように、対向部362,363は上側外枠金具310の延出部312と平行となる平板状をなしており、これら両対向部362,363の隙間に延出部312が挿入されている。より詳しくは上側の対向部362が上側外枠金具310の延出部312に載っている。これにより、上側内枠金具360が上側外枠金具310によって支えられた状態となっている。
上側内枠金具360には、両対向部362,363の先端部分に跨るようにして円柱状の軸体364が取り付けられている。軸体364は、その中心軸線が上下方向に延び、各対向部362,363に直交するように配設されている。一方、上側外枠金具310の先端部分には、軸体364に対応する軸受け部313が形成されている。図13に示すように、軸受け部313は、延出部312の厚さ方向に貫通する丸孔状をなしているとともに、その一部がパチンコ機10の前方に開放されている。この開放部314を通じて軸体364が挿通されることにより、上側内枠金具360が軸受け部313(詳しくはその中心軸線)を中心として回動可能となっている。
ここで、図15を参照して軸体364と軸受け部313との関係について補足説明する。図15(a)は上側内枠金具360の正面斜視図、図15(b)は上側内枠金具360の正面図、図15(c)は上側内枠金具360の側面図である。なお、図15(a)においては枠体20を2点差線によって表しており、図15(b)においては上側外枠金具310等の他の金具を2点鎖線によって表している。
図15に示すように、軸体364の中央部分(中間部分)には、括れが形成されている。言い換えれば、軸体364の中央部分には、直径寸法が部分的に小さくなるように抑えられた小径部365が形成されている。小径部365の直径寸法D1は、軸受け部313の開放部314の幅寸法L1よりも小さく設定されており、軸体364において小径部365以外の部分の直径寸法D2,D3は同開放部314の幅寸法L1よりも大きく設定されている。
このため、上側外枠金具310に上側内枠金具360を組み合わせる場合には、軸体364の小径部365が軸受け部313の開放部314を通過するようにして軸体364を軸受け部313に押し込み、その後、軸体364の軸線方向に沿って上側内枠金具360を降下させることで、軸受け部313が軸体364の小径部365以外の大径部366(上側の大径部366U)に係合することとなる。
より詳しくは、上側内枠金具360のベース部361が上側外枠金具310の延出部312に当接した状態では、軸受け部313が軸体364の大径部366Uに係合し、内枠13の自重によって小径部365への移動が抑えられることとなる。これにより、外枠11からの内枠13の脱落が抑制される。
本実施の形態においては、上側支持機構部301を構成する上側外枠金具310によって内枠13の全重量が支えられているのではなく、同内枠13の重量の一部が下側の外枠金具330(以下便宜上、下側外枠金具330と称する)によって支えられている。これにより、重量負荷の分散が図られている。ここで、図12〜図14及び図16を参照して下側支持機構部302を構成する下側外枠金具330及び下側の内枠金具380(以下便宜上、下側内枠金具380と称する)について説明する。図16(a)は下側支持機構部302の平面図、図16(b)は図16(a)のA−A線部分断面図である。なお、図16においては便宜上、外枠11,内枠13及び前面扉14を2点鎖線を用いて表している。
図13に示すように、下側外枠金具330は上述した幕板17の上方に配置されている。下側外枠金具330は、水平方向に拡がるベース部331と、同ベース部331から起立し外枠11の左枠部11bに沿って延びる起立部332とを有してなり、ベース部331が幕板17にネジ止めされるとともに起立部332が左枠部11bにネジ止めされることで外枠11に一体化されている。
一方、下側内枠金具380は、下側外枠金具330のベース部331に対して上方から対向する対向板部381と、同対向板部381から起立し、樹脂ベース60の背面に対向する板状の取付部382とを有してなり、この取付部382が樹脂ベース60にネジ止めされることで内枠13に一体化されている(図14参照)。
図12(b)に示すように下側内枠金具380の対向板部381が下側外枠金具330のベース部331に載ることにより、下側内枠金具380が下側外枠金具330によって支えられた状態となっている。
再び図13を参照して説明すれば、下側外枠金具330のベース部331は幕板17よりも前方に突出しており、この突出している部分には、上側内枠金具360の軸体364と同様に上下方向に延びる軸ピン333が取り付けられている。軸ピン333は、円柱状をなしており、当該軸ピン333の中心軸線が上側外枠金具310における軸受け部313の中心軸線と同一直線上に位置するように配置されている。
図16(b)に示すように、下側内枠金具380の対向板部381には、軸ピン333に対応する軸受け部材383が設けられている。軸受け部材383は、対向板部381から上方に凸となっており、対向板部381に形成された貫通孔に嵌まった状態で固定されている。より詳しくは、軸受け部材383は、当該軸受け部材383の根元側に位置する大径部384及び先端側に位置する小径部385からなる段付円柱状をなしており、その大径部384にはベース部331側(パチンコ機10の下方)に開放された凹状の軸受け部386が形成されている。その開放部分を通じて軸受け部386に軸ピン333が挿通されることにより、下側内枠金具380が軸受け部386の中心軸線を中心として回動可能となっている。
なお、下側外枠金具330のベース部331には、上方に隆起する2条の突条部334が形成されている(図13参照)。それら突条部334は軸ピン333を中心とする円弧状をなしているとともに、軸ピン333の放射方向に並設されており、下側内枠金具380(詳しくは対向板部381)がこれら突条部334に載った状態となっている。これは下側内枠金具380の対向板部381と下側外枠金具330のベース部331との当接箇所のばらつきを抑えるための工夫である。
以上詳述したように、外枠金具310,330及び内枠金具360,380によって内枠13が回動可能に支持されている点に着目すれば、これら外枠金具310,330及び内枠金具360,380によって内枠用支持機構が構成されているといえる。
次に、図12、図14,図16,図17を参照して、支持機構300における前面扉14の支持に関する構成について説明する。図17(a)は上側前扉金具410の正面斜視図、図17(b)は上側前扉金具410の平面図、図17(c)は上側前扉金具410の正面図である。
図12に示すように、前面扉14において各内枠金具360,380に対応する位置には金属製の板材を折り曲げて形成された前扉金具410,430が設けられている。これら前扉金具410,430が内枠金具360,380に対して組み合わせられることにより、前面扉14が内枠13によって支持された状態となっている。
図12(a)に示すように、上側の前扉金具410(以下便宜上、上側前扉金具410と称する)は上側内枠金具360の両対向部362,363の間に挿通される挿通部411と前面扉14の枠体20に対する取付部412とを有してなり、当該取付部412が枠体20にネジ止めされることで枠体20と上側前扉金具410とが一体化されている。
挿通部411は、両対向部362,363と平行な平板状をなしており、当該挿通部411が下側の対向部362に載ることで、上側前扉金具410が上側内枠金具360によって下側から支えられた状態となっている。
挿通部411には、軸体364に対応する軸受け部413が設けられている。軸受け部413は、挿通部411の厚さ方向に貫通する孔状をなしているとともに、その一部がパチンコ機10の前方に開放されている(図17参照)。この開放部414を通じて軸受け部413に軸体364が挿通されることにより、上側前扉金具410が軸体364の中心軸線を中心として回動可能となっている。
ここで、軸体364と軸受け部413との関係について補足説明する。図17に示すように、軸受け部413における開放部414の幅寸法L2は、軸体364における小径部365の直径寸法D1よりも大きく設定されているとともに、軸体364の各大径部366U,366Lの直径寸法D2,D3よりも小さく設定されている。このため、上側内枠金具360に上側前扉金具410を組み合わせる場合には、軸受け部413の開放部414が軸体364の小径部365を通過するようにして当該軸受け部313を押し込み、その後、軸体364の軸線方向に沿って上側前扉金具410を降下させることで、軸受け部413が軸体364の大径部366Lに係合することとなる。
より詳しくは、上側前扉金具410の挿通部411が上側内枠金具360の対向部363に当接した状態では、軸受け部413が軸体364の大径部366Lに係合し、前面扉14の自重によって小径部365への移動が抑えられることとなる。これにより、内枠13からの前面扉14の脱落が抑制される。
また、本実施の形態においては、図15に示すように、上側内枠金具360の対向部362,363の隙間寸法が、上側外枠金具310の延出部312の厚さ寸法及び上側前扉金具410の挿通部411の厚さ寸法の和よりも大きく設定されており、それら延出部312及び挿通部411は軸体364の小径部365を挟んで対向している。これにより、上側外枠金具310と上側内枠金具360とが組み合わせられた状態での上側前扉金具410の着脱経路が確保されているとともに、上側内枠金具360と上側前扉金具410とが組み合わせられている状態での上側外枠金具310の着脱経路が確保されている。
これら延出部312と挿通部411との間には、合成樹脂製のスペーサ部材460が設けられており、同スペーサ部材460によって各金具310,360,410の分離が阻止されている。ここで、図12及び図15を参照してこのスペーサ部材460について説明する。なお、図15においては他の構成と区別ためスペーサ部材460にドットハッチングを付与している。
スペーサ部材460は延出部312及び挿通部411に平行な厚肉の平板状をなしている。スペーサ部材460の厚さ寸法は、延出部312及び挿通部411の隙間寸法と同等に設定されており、当該スペーサ部材460の上板面が延出部312の下面に当接しているとともに同スペーサ部材460の下板面が挿通部411の上面に当接している。つまり、延出部312,挿通部411及びスペーサ部材460によって対向部362,363間に形成されている隙間が埋められている。これにより、対向部352と延出部312との離れを抑制するとともに、対向部353と挿通部411との離れを抑制することが可能となっている。
スペーサ部材460には、軸体364と係合する係合爪部461が形成されており、この係合爪部461が軸体364(詳しくは小径部365)に係合することにより、同スペーサ部材460の脱落が阻止されている。係合爪部461は軸体364に対する係合状態と係合解除状態とに撓み変形可能に形成されており、スペーサ部材460の着脱が許容されている。
本実施の形態においては、上側内枠金具360によって前面扉14の全重量を支えるのではなく、同前面扉14の重量の一部を下側の内枠金具360(以下便宜上、下側内枠金具380と称する)によって支える構成としている。これにより、重量負荷を好適に分散させることが可能となっている。ここで、下側内枠金具380及び下側の前扉金具430(以下便宜上、下側前扉金具430と称する)について説明する。
同図12(b)に示すように、下側前扉金具430は、対向板部381に対して上方から対向するベース部431と、同ベース部431から起立し枠体20の前面に沿って延びる取付部432とを有しており、当該取付部432が枠体20にネジ止めされることで、前扉金具430と枠体20とが一体化されている。
図16(b)に示すように、ベース部431には、下側内枠金具380の軸受け部材383(詳しくは小径部385)に対応する軸受け部433が形成されている。軸受け部433は、ベース部431の厚さ方向に貫通する孔状をなしており、その内径寸法が、小径部385の外径寸法よりも僅かに大きくなるように形成されている。また、軸受け部433の内径寸法は軸受け部材383の大径部384Lの外径寸法よりも小さく設定されており、ベース部431が軸受け部材383における大径部384L及び小径部385の段差部分に載った状態となっている。これにより、下側前扉金具430が下側内枠金具380によって回動可能な状態で支えられている。
なお、軸受け部材383が軸受け部としての機能と軸部としての機能とを併有している点に着目すれば、当該軸受け部材383を「軸体383」と称することも可能である。また、軸受け部材383における大径部384及び小径部385の段差部387に下側前扉金具430が載る点に着目すれば、同段差部387を「載置部387」と称することも可能である。
以上詳述したように、内枠金具360,380及び前扉金具410,430によって内枠13が中心軸線CL2を中心に回動可能に支持されている点に着目すれば、これら内枠金具360,380及び前扉金具410,430によって前面扉用支持機構が構成されているといえる。
(内枠13及び前面扉14の開放制限に関する構成)
内枠13や前面扉14の開放可能とした場合、例えば遊技ホール等の島設備にパチンコ機10が設置されている状態にて同内枠13等が過度に大きく開放されると、前面扉14が隣接する他の遊技機に干渉したり、干渉が生じないまでも隣接する遊技機での遊技を妨げたりするといった不都合が発生し得る。つまり、メンテナンス作業の容易化に貢献することができる反面、パチンコ機10の機能や外観の保護等の面で不都合が生じる可能性がある。そこで、本実施の形態においては、上記支持機構300に内枠13及び前面扉14の開放を制限する制限手段を設けた。以下、この制限手段について説明する。
図12(b)に示すように、外枠11の下側外枠金具330には、内枠13及び前面扉14が開放された場合に、それら内枠13及び前面扉14に対して当接することで同内枠13等のそれ以上の開放を制限する制限手段としてストッパ部335が設けられている。
ストッパ部335は、ベース部331の端部を下側内枠金具380の対向板部381側(パチンコ機10の上方)に折り曲げて形成されており、内枠13の回動中心軸線CL1や前面扉14の回動中心軸線CL2と同じ方向に延びる板状をなしている。
図14の部分拡大図や図15(a)に示すように、下側内枠金具380の対向板部381には、ストッパ部335に対応させて切欠き部388が形成されている。切欠き部388は、内枠13の回動中心軸線CL1を中心とした円弧状をなしており、同切欠き部388にストッパ部335が嵌まっている。切欠き部388は、ストッパ部335が嵌まっている位置から遊技機正面側に延びており、同切欠き部388が形成されている範囲にて対向板部381とストッパ部335との相対変位が許容されている。
内枠13が開放された場合には、図15(a)の2点鎖線に示すように、切欠き部338が同内枠13と共に移動する。ストッパ部335は、内枠13の開放時に切欠き部338が移動する経路上に配置されており、内枠13の開放量(閉位置からの回転角度)が予め定められた値(本実施の形態においては110°)に達することで同切欠き部338を形成している前側の壁面部388aがストッパ部335に当たる。これにより、内枠13のそれ以上の開放が制限されることとなる。
再び図12(b)を参照して説明すれば、下側前扉金具430のベース部431には、同ベース部331の端部を下側外枠金具330のベース部331側に折り曲げて形成されたフランジ部435が設けられている。前面扉14が開放された場合には、図15(a)に示すように、フランジ部435が同前面扉14と共に移動する。ストッパ部335の先端部分は、切欠き部338から上方に突出しているとともに前面扉14の開放時にフランジ部435が移動する経路上に配されており、前面扉14の開放量(閉位置からの回転角度)が予め定められた値(本実施の形態においては凡そ110°)に達することで同フランジ部435がストッパ部335の先端部分に当たる。これにより、前面扉14のそれ以上の開放が制限される。
本実施の形態においては特に、ストッパ部335は、その板面が軸ピン333(すなわち回動中心軸線CL2)側を向くように形成されており、その端面が上記壁面部388a及びフランジ部435の移動経路上に位置している。このため、壁面部388a及びフランジ部435は、ストッパ部335の端面に当たることとなる。このように、ストッパ部335の板面ではなく端面にて壁面部388a及びフランジ部435を受けることにより、ストッパ部335の変形を抑制している。
ここで、図16(a)を参照して、切欠き部388とストッパ部335との関係について補足説明する。切欠き部388においてストッパ部335よりも後方となる部位には壁面部388bが設けられている。壁面部388bは、ストッパ部335の後側端面に対して若干の隙間を隔てて対向している。
内枠13が閉じている状態で前面扉14が勢いよく開放され、フランジ部435によってストッパ部335が後方に押された場合には、衝突時の衝撃によってストッパ部335が後方へ変形する可能性がある。仮にこのような変形が生じた場合には、ストッパ部335が壁面部388bに当接することで、その衝撃の一部が内枠金具380に分散されることとなる。また、壁面部388bとストッパ部335との隙間は、同ストッパ部335の変形が弾性領域内で収まるように設定されている。これにより、ストッパ部335が塑性変形することを抑制し、同ストッパ部335の阻止機能が損なわれることを回避している。言い換えれば、内枠金具380の壁面部388bには、ストッパ部335に対するバックアップ機能が付与されており、この壁面部388bによって前面扉14等の最大開放量の変化が抑えられている。
以下、図18〜図20に基づき、パチンコ機10のメンテナンス作業の流れについて説明する。図18は内枠13及び前面扉14を閉じた状態を示す概略図であり、図19は前面扉14を開放した状態を示す概略図であり、図20は内枠13を開放した状態を示す概略図である。また、図18〜図20の(a)群は支持機構300を下方から見た概略図であり、図18〜図20の(b)群は支持機構300を上方から見た概略図である。なお、図18〜図20の(a)群については前面扉14の前面カバー21を省略しており、図18〜図20の(b)群については便宜上外枠金具330及び内枠金具380にドットハッチングを付与している。
遊技領域PEや遊技球発射機構110等の清掃等のメンテンナンスを行う場合には、図18→図19に示すように前面扉14を開放する。この際、図19に示すように、前面扉14が所定の位置まで開放されることにより、前面扉14の下側前扉金具430に設けられたフランジ部435が外枠11の下側外枠金具330に設けられたストッパ部335に対して当たり、それ以上の開放が制限されることとなる。
前面扉14の開放限界位置は、パチンコ機10が遊技ホール等の島設備に設置された状態にて、隣接する他の遊技機の前方となる位置に同前面扉14が張り出さないように設定されている。このため、前面扉14を開放したとしても、同前面扉14によって隣接する他の遊技機での遊技が困難になるといった不都合は生じにくくなっている。
内枠13の背面側に設けられた払出機構部202の清掃等のメンテナンスや、制御装置242,243に設けられた各種スイッチ245,247を操作する場合には、図18→図20に示すように、内枠13を開放する。この際、前面扉14を開放する必要は無いため、同前面扉14を内枠13に対して閉じた状態のまま、同内枠13を開放するとよい。内枠13が所定の位置まで開放されることにより、内枠13の下側内枠金具380に設けられた壁面部388aが下側外枠金具330に設けられたストッパ部335に対して当たり、それ以上の開放が制限されることとなる。
内枠13の開放限界位置は、パチンコ機10が遊技ホール等の島設備に設置された状態にて、隣接する他の遊技機の前方となる位置に前面扉14が張り出さないように設定されている。このため、内枠13を開放したとしても、同内枠13によって隣接する他の遊技機での遊技が困難になるといった不都合は生じにくくなっている。
例えば、パチンコ機10において、球詰まり等が発生した場合には、同球詰まりを解消すべく、その要因が前面扉14側、内枠13側の何れにあるかを確かめる必要がある。この場合、内枠13に対して前面扉14を開放した状態で、更に内枠13を外枠11に対して開放するといった手順で作業が行われる可能性がある。この際、前面扉14の最大開放量と内枠13の最大開放量とは同等に設定されているため、外枠11のストッパ部335に対して前面扉14のフランジ部435と内枠13の壁面部388aとの両者が当接することとなる。この際、前面扉14は開放限界位置で留まっている状態で、内枠13によって押されることで、内枠13に対して閉じた状態となる。これにより、前面扉14を閉じるための別途作業を必要がなくなり、作業が簡略化されることとなる。つまり、球詰まりを解消した後は、内枠13を外枠11に対して閉じることにより作業が完了することとなる。
次に、図21及び図22に基づき、外枠11に対する内枠13の着脱作業について説明する。図21はパチンコ機10を上方から見た概略図であり、図22はパチンコ機10を側方から見た概略図である。
外枠11に内枠13を組み付ける際には、外枠11に対して内枠13が十分開放された状態となる位置関係、すなわち外枠11に対し内枠13を略直角に配置した位置関係とした上で、図21(a)及び図22(a)に示すように、先ず内枠13を上側内枠金具360の軸体364(詳しくは小径部365)が上側外枠金具310の開放部314の前方となる位置に移動させる。次に、図21(b)及び図22(b)に示すように、小径部365を開放部314に挿入し、同小径部365が軸受け部313に遊挿される位置まで移動させる。
その後、図22(b)に示すように、内枠13における下側内枠金具380の軸受け部386と外枠11における下側外枠金具330の軸ピン333とが同軸上に位置するように内枠13の位置を調整する。このように位置調整を行った後、内枠13を降下させることにより、図22(c)に示すように、上側内枠金具360の軸体364(詳しくは大径部366)と上側外枠金具310の軸受け部313とが係合すると同時に、下側内枠金具380の軸受け部386と下側外枠金具330の軸ピン333とが係合する。この結果、内枠13が外枠11によって回動可能に支持された状態となる。
内枠13が回動可能に支持された後は、図21(b)に示すように、内枠13を外枠11に対する閉位置へ向けて回動させることにより、同内枠13が外枠11に対して閉じた状態となる。
なお、上記作業例においては、内枠13に前面扉14が組み付けられていない状態での外枠11に対する内枠13の取り付け作業について説明したが、内枠13に前面扉14が組み付けられている状態であっても一連の作業の流れは同じである。但し、前面扉14が組み付けられている場合には、内枠13を閉じた後にスペーサ部材460を装着するとよい。
内枠13を外枠11から取り外す場合には、図21(c)→図21(b)に示すように、先ず内枠13を予め定められた位置へ回動させる。詳しくは閉位置からの回動角度が60°〜110°(ストッパ部335によって規定された限界開放角度)となるように、内枠13を回動させる。その後、図22(c)→図22(b)に示すように、上側内枠金具360の小径部365が上側外枠金具310の開放部314と同じ高さ位置となるように内枠13を上昇させる。
このように小径部365と開放部314との高さ位置を合わせた状態では、軸受け部313と軸体(詳しくは大径部366)との係合が解除されるとともに、下側内枠金具380の軸受け部386と下側外枠金具330の軸ピン333との係合が解除されることとなる。
そして、図21(a)及び図22(a)に示すように、内枠13を遊技機前方へ移動させることで、外枠11からの内枠13の取り外しが完了する。
なお、上記作業例においては、内枠13に前面扉14が組み付けられていない状態での外枠11からの内枠13の取り外しについて説明したが、内枠13に前面扉14が組み付けられている状態であっても一連の作業の流れは同じである。
次に、図23及び図24に基づき、内枠13に対する前面扉14の着脱作業について説明する。図23はパチンコ機10を上方から見た概略図であり、図24はパチンコ機10を側方から見た概略図である。
内枠13に前面扉14を組み付ける際には、内枠13に対して前面扉14が十分開放された状態となる位置関係、すなわち内枠13に対し前面扉14を略直角に配置した位置関係とした上で、図23(a)及び図24(a)に示すように、先ず上側前扉金具410の開放部414と上側内枠金具360の軸体364の小径部365とを対向させる。次に、図23(b)及び図24(b)に示すように、小径部365を開放部314に挿入し、同小径部365が軸受け部313に遊挿される位置まで前面扉14を移動させる。
その後、図24(b)に示すように、内枠13における下側内枠金具380の軸受け部材383(詳しくは小径部385)と前面扉14における下側前扉金具430の軸受け部433とが同軸上に位置するように前面扉14の位置を調整する。このように位置調整を行った後、前面扉14を降下させることにより、図24(c)に示すように、上側内枠金具360の軸体364(詳しくは大径部366)と上側前扉金具410の軸受け部413とが係合すると同時に、下側内枠金具380の小径部385と下側前扉金具430の軸受け部433とが係合する。この結果、前面扉14が内枠13によって回動可能に支持された状態となる。
前面扉14が軸支された後は、同前面扉14を閉位置へ回動させることにより、両対向部362,363の間に上側の取付部412が挿通されることとなる。つまり、上側の取付部412が外枠金具310の延出部312に対して下側から若干の隙間を隔てて対向した状態となる。これにより、前面扉14の浮き上がりが制限され、開放部414の軸体364における小径部365の高さ位置への移動が不可となる。
なお、取付部412は、各対向部362,363、軸体364及びベース部361によって囲まれた領域に位置している。このため、取付部412が延出部312に当接した場合に発生する負荷は、内枠金具360の全体で好適に分散され、上側の対向部362に対して負荷が集中することを抑制される。
因みに、上記作業例においては、外枠11に内枠13が組み付けられていない状態での内枠13に対する前面扉14の取り付け作業について説明したが、外枠11に内枠13が組み付けられている状態であっても一連の作業の流れは同じである。但し、外枠11に内枠13が組み付けられている場合には、前面扉14を閉じた後にスペーサ部材460を装着するとよい。
前面扉14を内枠13から取り外す場合には、図23(c)→図23(b)に示すように、先ず前面扉14を予め定められた位置へ回動させる。詳しくは閉位置からの回動角度が60°〜110°(ストッパ部335によって規定された限界開放角度)となるように、前面扉14を回動させる。これにより、上記上側の取付部412が対向部362,363によって挟まれた領域から離脱し、前面扉の上方への移動制限が解除される。
その後、図24(c)→図24(b)に示すように、上側前扉金具410の軸受け部413が上側内枠金具360の小径部365と同じ高さ位置となるように前面扉14を上昇させる。このように小径部365と開放部414との高さ位置を合わせた状態では、軸受け部413と軸体364(詳しくは大径部366)との係合が解除されるとともに、下側前扉金具430の軸受け部433と下側内枠金具380の小径部385との係合が解除されることとなる。
そして、図23(a)及び図24(a)に示すように、前面扉14を遊技機前方へ移動させることで、内枠13からの前面扉14の取り外しが完了する。
なお、上記作業例においては、外枠11に内枠13が組み付けられていない状態における同内枠13からの前面扉14の取り外しについて説明したが、外枠11に内枠13が組み付けられている状態であっても一連の作業の流れは同じである。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図25のブロック図に基づき説明する。図25では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置162に設けられた主制御基板801には、主制御回路802と停電監視回路803とが内蔵されている。主制御回路802には、MPU811が搭載されている。MPU811には、当該MPU811により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM812と、そのROM812内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM813と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM813は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御装置243に設けられた電源・発射制御基板821からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
MPU811には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。主制御回路802の入力側には、主制御基板801に設けられた停電監視回路803、払出制御装置242に設けられた払出制御基板822及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路803には電源・発射制御基板821が接続されており、主制御回路802には停電監視回路803を介して電力が供給される。
一方、主制御回路802の出力側には、停電監視回路803、払出制御基板822及び中継端子板823が接続されている。払出制御基板822には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板823を介して主制御回路802から音声ランプ制御装置143に設けられた音声ランプ制御基板824に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路803は、主制御回路802と電源・発射制御基板821とを中継し、また電源・発射制御基板821から出力される最大電源である直流安定24ボルトの電源を監視する。
払出制御基板822は、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU831は、そのMPU831により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM832と、ワークメモリ等として使用されるRAM833とを備えている。
払出制御基板822のRAM833は、主制御回路802のRAM813と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御基板821からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
払出制御基板822のMPU831には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。払出制御基板822の入力側には、主制御回路802、電源・発射制御基板821、及び裏パック基板829が接続されている。また、払出制御基板822の出力側には、主制御回路802及び裏パック基板829が接続されている。
電源・発射制御基板821は、電源部と発射制御部とを備えている。電源部は、二重線矢印で示す経路を通じて、主制御回路802や払出制御基板822等に対して各々に必要な動作電力を供給する。発射制御部は、遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作にしたがって遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御基板824は、各種ランプ部24〜26やスピーカ部18,27、及び表示制御装置825を制御するものである。演算装置であるMPU841は、そのMPU841により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM842と、ワークメモリ等として使用されるRAM843とを備えている。
音声ランプ制御基板824のMPU841にはアドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。音声ランプ制御基板824の入力側には中継端子板823に中継されて主制御回路802が接続されており、主制御回路802から出力される各種コマンドに基づいて、各種ランプ部24〜25、スピーカ部18,27、及び表示制御装置825を制御する。表示制御装置825は、音声ランプ制御基板824から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置94を制御する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
支持機構300によって前面扉14を開閉可能な状態で支持する構成としたことにより、同前面扉14を内枠13から取り外すことなく同内枠13(例えば遊技盤80等)へアクセス可能となっている。つまり、メンテンナンス等際して遊技盤80等にアクセスする場合に前面扉14を取り外す必要がない。これにより、メンテナンス作業等の容易化を図っている。
但し、このように前面扉14を開閉可能な構成を採用した場合、島設備等にパチンコ機10が設置されている状態にて同前面扉14が大きく開放されると、例えば当該パチンコ機10に隣接する他の遊技機等に同前面扉14が干渉するといった不都合が生じ得る。このような干渉の発生は、前面扉14の機能担保及び外観保護の観点から好ましくない。また、前面扉14が開放されて隣接する遊技機の前方に張り出した場合には、同隣接する遊技機での遊技が難しくなると想定される。これは、円滑な遊技進行の妨げとなり得る。この点、外枠11にストッパ部335を設け、このストッパ部335によって前面扉14の開放限界位置が上記不都合を回避可能となるように規定した。これにより、前面扉14を開放可能とすることによる各種メリットを享受しつつ、上記各種不都合を好適に払拭することが可能となっっている。
本実施の形態においては特に、ストッパ部335を外枠11に設けたことで、同ストッパ部335に相当する構成を内枠13に設けた場合と比較して以下の効果が期待できる。仮に内枠13にストッパ部に相当する構成を設けた場合には、外枠11に対して内枠13が開放されている状態で更に前面扉14が開放されることで前面扉14の開放量に内枠13の開放量が上乗せされて前面扉14の待機位置(すなわち内枠13及び前面扉14が共に閉じている状態での前面扉14の位置)からの変位量が過度に大きくなり得る。これは、上記干渉等の不都合が発生しやすくなる要因となり得るため好ましくない。
一方、このような開放量の上乗せを考慮して前面扉14の最大開放量が小さくなるようにストッパ部を設けることは、前面扉14を開放して行われるメンテナンス作業を行いにくくする要因となり得る。このため、前面扉14を開閉可能な構成を採用することによるメリットを享受しにくくなると懸念される。この点、本特徴に示すようにストッパ部335を外枠11に設ける構成とすれば、上述した内枠13の開放の影響を抑えることができ、上記不都合の発生を抑制することができる。故に、前面扉14を開閉可能な構成を採用してメンテナンス作業の容易化を図りつつ、それによって生じる周辺機器(例えば隣り合う遊技機)との干渉等の各種不都合を抑えることができ、前面扉14の開閉機能を好適なものとすることができる。
前面扉14を内枠13によって支持することにより、前面扉14を外枠11によって支持する場合と比較して前面扉14の内枠13に対する位置精度を高めることができる。これにより、例えば内枠13と前面扉14との境界部位の拡がりを抑え、同境界部位を通じて不正具等が挿入されるといった不都合を生じにくくすることができる。これにより、パチンコ機10の防犯機能の向上に貢献することができる。
前面扉は必ずしも単独で開放されるものではなく、内枠を開放している状態で開放されることも想定される。内枠によって前面扉を支持する構成においては、内枠が開放されることにより、前面扉開放時に同前面扉が移動する移動経路が多様化し得る。外枠に設けられたストッパ部において、このような前面扉の多様な移動経路を許容しようとすれば、同阻止部が大型化(占有領域の拡張)すると想定される。このような阻止部の大型化は、遊技部品等との共存を困難にする要因となり得るため好ましくない。
そこで、本実施の形態においては前面扉14を内枠13に搭載することで、そのような不都合の発生を抑えている。更には、内枠13の回動中心軸線CL1と前面扉14の回動中心軸線CL2とを同一直線上に配したことにより、内枠13が開放されることに起因した前面扉14の通過経路の変化を抑えることができ、ストッパ部335の大型化を好適に抑制している。
内枠13を支持する外枠金具330にストッパ部335を設けた。外枠金具330は、内枠13を支える機能が付与されており、ある程度の強度が確保されている部材である。ストッパ部335についても強度を高めておくことが望ましい。そこで、ストッパ部335を外枠金具330に対して一体成形することにより、ストッパ部335の強度確保を容易なものとし、さらには同強度確保ための占有領域の拡がりを抑えることが可能となっている。
ストッパ部335には、前面扉14の開放限界位置を規定する機能だけでなく、内枠13の開放限界位置を規定する機能が付与されている。このように、ストッパ部335を共用する構成とすれば、内枠13用のストッパ部を別途設ける場合と比較して、構成の簡略化を図ることができる。
前面扉14の開放を制限する構成においては、内枠13の開放制限機能を同前面扉14に委ねることも可能である。しかしながら、このような構成においては、前面扉14に対して内枠13が衝突し、それら前面扉14や内枠13の変形や破損等の不都合が生じやすくなると想定される。この点、上記実施の形態においては、ストッパ部335によって内枠13の開放を制限することにより、前面扉14と内枠13との衝突を好適に回避することができる。これにより、内枠13や前面扉14を好適に保護することができる。
本実施の形態においては特に、スピーカユニット18を内枠13ではなく外枠11に配設することにより、外枠11において内枠13を支持している部分に生じる負担の低減を図っている。また、内枠13を開放可能としたことで幕板17の後方領域にデッドスペースが生じているがこのデッドスペースにスピーカユニット18を配設することにより、幕板17の後方領域を有効利用している。
スピーカユニット18は内枠13の音声ランプ制御装置143に対して配線Hを用いて電気的に接続されている。配線Hに対して、内枠13の開放を許容する余裕代を付与することが好ましいが、この余裕代が過度に大きくなると同配線の引っ掛かり等が生じやすくなると想定される。この点、上述の如くストッパ部335によって内枠13の開放制限を行う構成とすれば、配線の余裕代を小さくすることが可能となり、上記不都合の発生を抑えることができる。
外枠金具330において内枠13が載るベース部331にストッパ部335を設けることにより、同ストッパ部335における内枠13(詳しくは壁面部388a)や前面扉14(フランジ部435)との当接位置のばらつきを好適に抑えることができる。これにより、ストッパ部335の変形等を抑制し、同ストッパ部335の保護を図ることができる。故に、ストッパ部335の変形等に起因した開放限界位置の変化を好適に抑制することができる。
内枠13によって前面扉14が支持されている構成においては、前面扉14を閉じた状態にて内枠13がストッパ部335に当たった場合には前面扉14単体がストッパ部335に当たった場合と比較して同ストッパ部335に生じる負荷が大きくなると想定される。そこで、本体側当接部としての壁面部388aは、扉側当接部としてのフランジ部435よりもストッパ部335の根元寄り(載置部寄り)となる位置にて同ストッパ部335に当接するように形成した。これにより、ストッパ部335に生じる負荷によって同ストッパ部335が変形することを抑制し、開放制限機能を好適に担保することが可能となっている。
上記実施の形態に示したように、各金具310,330,360,380,410,430によって内枠13や前面扉14を支えるとともに、それら内枠13や前面扉14の回動中心を定める構成においては、内枠13や前面扉14の自重等によって金具310,330,360,380,410,430が変形した場合に、それら内枠13や前面扉14の位置精度が低下すると想定される。仮にこのような位置精度の低下が生じると、外枠11と内枠13との隙間や同内枠13と前面扉14との隙間が拡がる等して防犯機能が低下するといった不都合が生じ得る。
特に、内枠金具360,380については外枠金具310,330及び前扉金具410,430の両者に組み合わせられているため、同内枠金具360,380に変形等が生じると、内枠13の開閉機能及び前面扉14の開閉機能の両者に影響がでると懸念される。
そこで、本特徴においては、内枠金具360に、外枠金具310及び前扉金具410の両金具の軸受け部313,413に対応させて軸体364を設けるとともに、その軸体364によって「本体側上支持部」としての対向部362と「本体側下支持部」としての対向部363とを繋ぐ構成とした。これにより、各対向部362,363に個別に軸体を設ける場合と比較して、軸体364を両持ちにすることができ、当該軸体364の強度向上を実現している。更には、両対向部362,363を軸体364によって繋ぐことにより、それら対向部362,363の撓み変形等を抑えることが可能となっている。総じて、内枠金具360の強度向上を実現している。このように、内枠金具の強度向上を図ることで、内枠13の開閉機能及び前面扉14の開閉機能を好適なものとすることが可能となっている。
「本体側上支持部」として対向部362と「本体側下支持部」としての対向部362とを個別に有する構成を採用した場合、それら各対向部362,363に対してなるべく近い位置にて内枠13(詳しくは樹脂ベース60)への内枠金具360の取り付けを行うことにより、各対向部362,363の撓み変形等を好適に抑えることができる。しかしながら、それら各対向部362,363に個々に対応させて取付部を設けた場合、内枠金具360の占有領域が拡がったり、作業工程が増加したりするといった不都合が生じ得る。この点、上記実施の形態に示すように両対向部362,363を繋ぐようにして「取付部」としてのベース部361を形成すれば、上記各不都合を好適に払拭することができる。更には、ベース部361、対向部362,363、軸体364によって内枠金具360の環状部位が形成されることで、両対向部362,363の間に形成される隙間を他の金具310,410との組み合わせを行う領域として活用しつつ、内枠金具360の強度を好適に向上させることが可能となっている。
上述の如く内枠金具360が軸体364を有する構成において、外枠金具310の軸受け部313と前扉金具410の軸受け部413がそれぞれ軸体364の根元部分に係合する構成とした。これにより、前面扉14や内枠13を回動させる際に軸体364に大きな負荷が加わった場合であっても当該軸体364が変形することを抑制できる。すなわち、軸体364の保護機能を向上させることができる。故に、上記開閉機能の安定化に貢献することができる。
上述の如く軸体364に内枠金具360を補強する機能を付与した場合、当該軸体364に生じる負荷が大きくなって同軸体364が撓むことは好ましくない。この点、上記実施の形態においては軸体364を鉛直方向に延びる柱状に形成するとともに、当該軸体364が固定された各対向部362,363を水平に拡がる平板状に形成したことで、そのような不都合の発生を好適に抑制している。つまり、前面扉14の重量負荷等を軸体364の軸線方向(詳しくは引っ張り方向)で受けることができる。つまり、軸体364と交差する方向への負荷の発生を抑えることができる。これにより、軸体364の撓み変形を抑制し、上記開閉機能の更なる安定化に貢献することが可能となっている。
外枠金具310と前扉金具410との中間に配される内枠金具360に軸体364を設けるとともに、外枠金具310と前扉金具410とに軸受け部313,413を設けることにより、上側支持機構部301全体での省スペース化を実現している。
前扉金具410の軸受け部413については、前面扉14が閉じている状態にて開放部414が遊技機前方を向くように構成することで、同前面扉14の着脱方向が限定されている。前面扉14を内枠13に対して閉じている場合には、この開放部414が遊技機前方を向くことで、軸体364と軸受け部413との離脱方向が限定される。つまり、前面扉14が閉じている場合には、開放部414の開放側とは反対側(すなわち内枠13側)に前面扉14を移動させる必要が生じる。この際、前面扉14の背後には内枠13が位置しており、同前面扉14の移動が内枠13によって妨げられることとなる。言い換えれば、前面扉14を内枠13から取り外すには、同前面扉14の取り外し経路上に内枠13が位置しないように、当該前面扉14を大きく開放する必要がある。従来のパチンコ機においては、前面扉14を少し開放すれば内枠13から容易に取り外せるため、パチンコ機10が遊技場のスタッフや監視カメラから死角となるようパチンコ機周辺に人だかりをつくり、前面扉14を内枠13から取り外して遊技領域に不正行為を行う問題が生じ得た。しかし、前面扉14の取り外しの際に同前面扉14を大きく開かなくてはならないため、遊技場のスタッフや監視カメラから死角を作りづらくなり、不正行為を防止することができる。また、仮にそのような不正行為が行われたとしても、遊技場のスタッフや監視カメラに捉えられやすいため、容易に不正行為を発見することが可能である。これにより、防犯性の向上が図られている。
また、仮に、前面扉14が内枠13側に押された場合であっても、軸体364に負荷が集中することを回避し、同行為に基づいて発生する不可を内枠13全体で分散させることができる。これにより、軸体364の保護を図りつつ、防犯機能を向上することができ、実用上好ましい構成を実現できる。
このように、前面扉14の取付対象としての内枠13に軸体364を設け、同内枠13に対して開閉可能な前面扉14に軸受け部413及び開放部414を設ける構成においては、別途構成の追加を必要とすることなく軸体364と軸受け部413との着脱方向を規定することが可能となり、これを利用して上記防犯機能の向上に貢献できる。つまり、構成の煩雑化を抑えつつ上記各種効果を享受できる点に着目すれば、このような軸体及び軸受け部の配設は実用上好ましいものであるといえる。
上側支持機構部301を構成する各金具310,360,410が組み合わせられた状態にて、外枠金具310の延出部312と、前扉金具410の挿通部411との間にスペーサ部材460を装着する構成とした。このスペーサ部材460によって、前扉金具410や内枠金具360の浮き上がりを阻止することにより、各金具310,360,410の分離が好適に回避されている。
特にスペーサ部材460を、軸体364を囲むように形成し、外枠金具310の延出部312と前扉金具410の挿通部411とに当接する構成としたことで、以下の効果が期待できる。すなわち、スペーサ部材460によって上記延出部312や挿通部411等の撓み変形等を抑制し、同変形に起因した軸体364の変形を好適に抑制することができる。これにより、軸体364の保護を図ることができる。特にスペーサ部材460を軸体364を囲むように形成していることで、軸体364周辺での上記変形を好適に抑えることが可能となり、前面扉14や内枠13の開閉機能の安定化に貢献している。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(a1)上記実施の形態では、「外枠側構成体」としての外枠金具330に「阻止部」としてのストッパ部335を設けたが、これ限定されるものではなく、ストッパ部を外枠金具330とは別体で設けてもよい。例えば、外枠11において外枠金具330が設けられている側の枠部とは反対側の枠部に「ストッパ部」としてのワイヤの一端を固定し、同ワイヤの他端を前面扉14に固定する構成とすることにより、前面扉14の開放を制限する構成とすることも可能である。
但し、ストッパ部に内枠13を受け止める程度の強度が必要となる点を考慮した場合、ストッパ部の大型化やストッパ部の取付構造等の強化等が必要になると想定される。これはストッパ部及びそれに付随する構成の占有領域が拡がる要因となり得るため好ましくない。故に、望ましくは、外枠金具330等、内枠13等を支えることができる程度の強度が確保されている部品にストッパ部を設けることが好ましい。
なお、ストッパ部と同様の構成を上側外枠金具310に移設することも可能であり、更には、両外枠金具310,330にそれぞれストッパ部を設けることも可能である。
(a2)上記実施の形態では、内枠13の内枠金具380にストッパ部335に当接する壁面部389を設けたが、これに限定されるものではない。また、前面扉14の前扉金具430にストッパ部335に当たるフランジ部435を設けたが、これに限定されるものではない。
但し、内枠13や前面扉14の回動が阻止された際に、内枠13や前面扉14に生じる反力は大きいと想定されるため、ストッパ部335に当接する部分に関してもある程度の強度を付与する必要がある。故に、上記変形例(1)にて説明した理由と同様の理由から、内枠金具380及び前扉金具430がストッパ部335に当たる構成とすることが望ましい。
(a3)上記実施の形態では、ストッパ部335がフランジ状をなす構成としたが、ストッパ部は少なくとも前面扉14の回動軌跡に対して重なるように配されていればよく、必ずしもフランジ状をなす必要はない。例えば、載置部から突出する凸部によって阻止部を構成してもよい。
(a4)上記実施の形態では、1のストッパ部335によって内枠13の開放、及び前面扉14の開放を制限する構成としたが、このように1のストッパ部を併用するのではなく、内枠13用のストッパ部と前面扉14用のストッパ部とを個別に設けてもよい。
(a5)上記実施の形態では、ストッパ部335に対して、その根元寄りとなる部位に内枠13(詳しくは壁面部389)が当接し、先端寄りとなる部位に前面扉14(詳しくはフランジ部435)が当接する構成としたが、これを逆にすることも可能である。
但し、内枠13が前面扉14を支持しており、少なくとも前面扉14よりも重いことを想定すれば、内枠13がストッパ部335へ衝突した際に発生する負荷は、前面扉14がストッパ部335に衝突した際に発生する負荷よりも大きくなり得る。故に、望ましくは上記実施の形態に示したように内枠13がストッパ部335の根元寄りとなる位置に当たる構成を採用するとよい。
(a6)上記実施の形態では、遊技機主部12が外枠11に対して取り付けられた状態にて、前面扉14の開放制限を行う構成としたが、遊技機主部12が外枠11から取り外されている状態にて前面扉14の開放制限を行うためのストッパ部を別途設けてもよい。
例えば、内枠13に前面扉14の開放量が所定量に達した場合に、同前面扉14の開放を阻止する内枠側ストッパ部を設けるとよい。但し、このような変更を行う場合、遊技機主部12を外枠11に搭載している状態で前面扉14が開放された際に、同前面扉14が内枠側ストッパ部に当たる前に上記ストッパ部335に対して当たる構成とし、内枠側ストッパ部の機能が無効化される構成とすることが望ましい。
(a7)上記実施の形態では、内枠13の最大開放量と前面扉14の最大開放量とを同一としたが、両者を相違させることも可能である。
例えば、前面扉14の最大開放量を内枠13の最大開放量よりも大きく設定すれば、以下の効果が期待できる。すなわち、前面扉14を開放している状態で更に内枠13を開放した場合、内枠13を開放限界位置へ移動させたとしても、前面扉14がストッパ部におされて内枠13に対して閉じることを抑制することができる。これにより、例えば、配線等が前面扉14と内枠13との間に挟まれるといった不都合を好適に回避することができる。
なお、最大開放量に差を生じさせる場合、必ずしもストッパ部を変更する必要は無く、内枠13の壁面部389の位置や前面扉14のフランジ部435の位置を変更することで対応してもよい。
(a8)上記実施の形態では、前面扉14の最大開放量を100°に設定したが、この値は任意である。但し、前面扉14の最大開放量は、遊技ホール等の島設備に設置された状態にて隣接する遊技機との干渉や隣接する遊技機における遊技の妨げを回避しつつ、内枠13(詳しくは遊技盤80や遊技球発射機構110等)へのアクセスを許容する程度に設定することが望ましい。
(a9)上記実施の形態では、内枠13の回動中心軸線CL1と前面扉14の回動中心軸線CL2とが同一直線上に位置する構成としたが、各回動中心軸線CL1,CL2を前後・左右にずらす構成としてもよい。
但し、このような変更を行った場合、前面扉14の移動経路が多様化することとなる。このような多様な移動経路をストッパ部335の大型化によって許容することが可能であるが、これはストッパ部335の占有領域を拡張する要因となり得るため好ましくない。故に、望ましくは、上記実施の形態に示したように、内枠13の回動中心軸線CL1と、前面扉14の回動中心軸線CL2とを揃えるとよい。
(a10)上記実施の形態では、1の前面扉14によって内枠13前面の全域を覆う構成としたが、これに限定されるものではない。独立して開閉可能な複数の前面扉を併用し、それら複数の前面扉によって内枠13を覆う構成としてもよい。
(a11)上記実施の形態では、「電気機器」としてスピーカユニット18を設けたが、これに代えて、ランプ部等を配設することも可能である。また、スピーカユニット18を外枠11におけるどの位置に配置するかは任意であり、幕板17の後方領域への配置に限定されるものではない。例えば、外枠11の上枠部11a等にスピーカユニット18を配設してもよい。
更には、「制御装置」として音声ランプ制御装置143を利用したが、例えば表示制御装置825や主制御装置162によってスピーカユニット18の制御を行ってもよい。また、音声ランプ制御装置143は必ずしも遊技盤80や樹脂ベース60に搭載されている必要はなく、例えば裏パックユニット15等に搭載することも可能である。
(b1)上記実施の形態では、「軸部」としての軸体364が鉛直方向に延びる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、軸体が鉛直方向とは異なる方向に延びる構成とすることも可能である。但し、このような変更を行った場合、前面扉14や内枠13の開閉時の作業負荷が大きくなったり、軸体に生じる負荷が大きくなったりすると想定される。これは、軸体の変形を招来する要因となり得る。故に、望ましくは、軸体は鉛直方向に延びる構成とすることが好ましい。
また、軸体364は必ずしも柱状である必要は無く、例えば外枠金具310の軸受け部313に挿通される部分と、前扉金具410の軸受け部413に挿通される部分とが、クランク状に繋げる構成としてもよい。これにより、前面扉14の回動中心と内枠13の回動中心とをずらすことができる。
更には、軸体364を円柱状としたが、矩形の角柱等の断面非円形の軸を使用してもよい。例えば、角柱を用いる場合には、その断面形状において、一辺の長さを開放部314,414の幅と同程度とし、別の辺の長さを軸受け部313,413の孔径と同程度とすることにより、軸体と軸受け部との係合に方向性を持たせる構造とすればよい。
(b2)上記実施の形態では、軸体364を「本体側上支持部」としての対向部362と、「本体側下支持部」としての対向部363とは別体で形成したが、これら軸体364及び対向部362,363を一体成形することも可能である。
(b3)上記実施の形態では、軸体364の中間部位に各軸受け部313,413を組み合わせるための1の小径部365を設けたが、小径部を個々の軸受け部313,413に個別に対応させて設けてもよい。但し、このような変更を行った場合には、内枠金具360の厚みが嵩み、上側支持機構部301の占有領域が無駄に拡張されると想定される。これは、支持機構300と遊技盤80等の各種遊技部品との共存を難しく要因となり得るため好ましくない。特に、支持機構300大型化により、遊技領域PEの拡張が制限されることは好ましくない。故に、小径部については両軸受け部313,413で共用することが好ましい。
(b4)上記実施の形態では、「本体側上支持部」としての対向部362と、「本体側上支持部」としての対向部363とに跨るようにして「取付部」としてのベース部361を設けたが、これに限定されるものではない。例えば、上側の対向部362用の取付部と下側の対向部363用の取付部とを別個独立して設けてもよい。
但し、このような変更を行った場合には、内枠金具360の占有領域が拡がるだけでなく、同内枠金具360の組付作業時の工程数が無駄に増加すると想定される。故に、望ましくは、上記実施の形態に示したベース部361のように、両対向部362,363に跨っている部分に「取付部」としての機能を付与するとよい。
(b5)上記実施の形態では、「規制部材」としてのスペーサ部材460によって外枠11に対する内枠13の浮き上がりと、内枠13に対する前面扉14の浮き上がりとを規制する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、スペーサ部材によって外枠11に対する内枠13の浮き上がりと内枠13に対する前面扉14の浮き上がりとのうち一方を規制する構成とすることも可能である。更には、同スペーサ部材を省略し、外枠11に対する内枠13の浮き上がりと、内枠13に対する前面扉14の浮き上がりとを許容する構成としてもよい。
また、内枠13及び前面扉14を閉じた状態でのスペーサ部材460を装着を許容する構成としたが、内枠13及び前面扉14のうち少なくともいずれか一方を開放した状態でのみ、同スペーサ部材460の着脱を許容する構成としてもよい。
(b6)上記実施の形態では、スペーサ部材460が外枠金具310の延出部312と前扉金具410の挿通部411との両者にし軸体364の小径部365側から当接する構成としたが、これに限定されるものであはない。例えば、外枠金具310の延出部312と前扉金具410の挿通部411との少なくとも一方に対して、所定の隙間を隔てて対向する構成とすることも可能である。但し、このような変更を行った場合、スペーサ部材460に付与された各金具310,360,410の撓み抑制機能が消失することとなる。故に、望ましくは、スペーサ部材460を延出部312及び挿通部411に当接させるとよい。
(b7)上記実施の形態では、「本体側上支持部」としての対向部362及び「本体側下支持部」としての対向部363を平板状に形成したが、これに限定されるものではない。これら対向部に関しては、外枠金具310の延出部312によって支持される機能、及び前扉金具410の挿通部411を支持する機能を付与されるとともに、「軸部」としての軸体364によって連結されるものであれば足り、それらの形状については任意である。
(b8)上記実施の形態では、上下の対向部362,363を軸体364に対して直交させる構成としたが、これら各対向部362,363は軸体364に対して必ずしも直交させる必要は無い。但し、対向部362,363と軸体364とが直交しない構成を採用した場合、軸体364に生じる負荷が増大すると想定される。これは、支持機構300による、内枠13及び前面扉14の開閉機能を低下させる要因となり得るため好ましくない。故に、望ましくは、対向部362,363は、軸体364に対して直交する構成とするとよい。
(b9)上記実施の形態では、内枠13に対して前面扉14を閉じた状態にて前扉金具410の開放部414がパチンコ機10の前方を向く構成としたが、開放部414の向きは前面扉14が所定位置まで開放された場合に、同前面扉14の内枠13からの取り外しが許容されるのであれば任意に設定してよい。但し、前面扉14が内枠13に対して遊技機前方から組み付けられている点に着目すれば、同開放部414は少なくとも遊技機における前側を向いていることが好ましい。これにより、前面扉14の取り外し阻止機能を内枠13に付与することが可能となり、実用上好ましい構成を実現できる。
(b10)上記実施の形態に示した上側支持機構部301の構成を下側支持機構部302に適用することも可能である。
また、支持機構300を個別に設けられた上側支持機構部301及び下側支持機構部302によって構成したが、これら上側支持機構部301及び下側支持機構部302を一体化することも可能である。但し、このような変更を行った場合には、支持機構300の占有領域が無駄に拡張されると想定される。故に、望ましくは、上記実施の形態に示したように支持機構300を独立して設けられた複数の支持部によって構成するとよい。
(b11)上記実施の形態では、軸体364が上側の対向部362及び下側の対向部363に跨って延びる構成としたが、軸体を上下に2分することも可能である。つまり、上側の対向部362から下側に起立する軸体と、下側の対向部363から上側に起立する軸体とを個別に設けることも可能である。但し、このような変更を行った場合、対向部362,363等の撓み変形等をベース部361との連結部分によって支える必要が生じる。これは、内枠金具360の強度が低下する要因となり得、結果として内枠13や前面扉14の開閉機能が低下すると想定される。故に、望ましくは、軸体によって両対向部362,363を繋ぐ構成とするとよい。
(b12)上記実施の形態では、外枠11の外枠金具310,330を同外枠11とは別体で形成したが、これに限定されるものではない。例えば、外枠11を金属製又は合成樹脂製とする場合、外枠と外枠金具とを一体成形することも可能である。これと同様に、内枠金具360,380や前扉金具410,430についてもそれぞれの配設対象と一体成形するとも可能である。
(c1)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴A1.外枠(外枠11)と、
前記外枠に対して開閉可能に設けられている遊技機本体(内枠13)と、
前記遊技機本体の前方に配されているとともに、同遊技機本体に対して開閉可能に設けられている前面扉(前面扉14)と、
前記外枠に設けられ、前記前面扉が開放された場合に同前面扉に対して当接することにより当該前面扉の開方向への移動を阻止する阻止部(ストッパ部335)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、前面扉を開閉可能とすることにより、同前面扉を取り外すことなく遊技機本体へアクセス可能となる。これにより、メンテナンス作業等の容易化に貢献することができる。
但し、このように前面扉を開閉可能な構成を採用した場合、所定の設置箇所(遊技ホールの島設備等)に遊技機が設置されている状態にて前面扉が大きく開放されると、例えば当該遊技機に隣接する他の遊技機等に同前面扉が干渉するといった不都合が生じ得る。このような干渉の発生は、前面扉の機能担保及び外観保護の観点から好ましくない。また、前面扉が開放されて隣接する遊技機の前方に張り出した場合には、同隣接する遊技機での遊技が難しくなると想定される。これは、円滑な遊技進行を妨げる要因となり得る。この点、阻止部によって前面扉の過度な開放を抑えることができれば、上記各種不都合の発生を抑制することができる。例えば、阻止部を、前面扉開放時に同前面扉が移動する経路上に配するとよい。
本特徴においては特に、阻止部を外枠に設けたことで、同阻止部に相当する構成を遊技機本体に設ける場合と比較して以下の効果が期待できる。仮に遊技機本体に阻止部に相当する構成を設けた場合には、外枠に対して遊技機本体が開放されている状態で更に前面扉が開放されることで前面扉の開放量に遊技機本体の開放量が上乗せされ前面扉の変位量が過度に大きくなり得る。これは、上記干渉等の不都合が発生しやすくなる要因となり得るため好ましくない。一方、このような開放量の上乗せを考慮して前面扉の最大開放量が小さくなるように阻止部を設けることは、前面扉を開放して行われるメンテナンス作業等を行いにくくする要因となり得る。このため、前面扉を開放可能な構成を採用することによるメリットを享受しにくくなると懸念される。この点、本特徴に示すように阻止部を外枠に設ける構成とすれば、遊技機本体の開放の影響を抑えることができ、上記不都合の発生を抑制することができる。故に、前面扉を開閉可能な構成を採用してメンテナンス作業の容易化を図りつつ、それによって生じる周辺機器(例えば隣り合う遊技機)との干渉等の各種不都合を抑えることができ、前面扉の開閉機能を好適なものとすることができる。
なお、本特徴に示した技術的思想を、遊技機本体が外枠によって回動可能に支持されているとともに、前面扉が遊技機本体の回動基端側にて同遊技機本体により回動可能に支持されている構成に適用するとよい。更には、遊技機本体の回動中心軸線と前面扉の回動中心軸線とが同一直線上に位置する構成とすることが望ましい。
特徴A2.前記外枠に対する前記遊技機本体の開閉を許容した状態で同遊技機本体を支持するとともに、前記遊技機本体に対する前記前面扉の開閉を許容した状態で同前面扉を支持する支持機構(支持機構300)を備え、
前記支持機構は、前記外枠に設けられた外枠側構成体(外枠金具330)を有し、
前記阻止部は、前記外枠側構成体に設けられていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2に示すように支持機構によって遊技機本体や前面扉を支持する場合には、同支持機構の強度確保が必要となる。このように強度確保が必要となる構成、詳しくは外枠側構成体に阻止部を設けることにより、同阻止部の占有領域の拡がりを抑えつつ当該阻止部の強度向上を実現することができる。
特徴A3.前記支持機構は、
前記遊技機本体に設けられ、前記外枠側構成体によって支持されている本体側構成体(内枠金具380)と、
前記前面扉に設けられ、前記本体側構成体によって支持されている扉側構成体(前扉金具430)と
を有し、
前記扉側構成体には、前記前面扉が開放された場合に前記阻止部に当接する扉側当接部(フランジ部435)が設けられていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3に示すように扉側構成体を用いて前面扉を支える構成においては、同扉側構成体の強度確保が必要となる。このように強度確保が必要となる部材に扉側当接部を設けることにより、同扉側当接部の占有領域の拡がりを抑えつつ当該扉側当接部の強度向上を実現することができる。
特徴A4.前記本体側構成体は、前記阻止部において前記扉側当接部が当接する部位とは反対側となる部位に対向する対向部(壁面部388b)を有していることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、本体側構成体に阻止部のバックアップ機能を付与することができる。例えばメンテナンス時等に前面扉が力任せに開放された場合等には、扉側当接部が阻止部に対して勢いよく衝突し、扉側当接部によって押されることにより阻止部が対向部側に変形し得る。この際、阻止部が対向部に当たると、阻止部に生じる負荷の一部が本体側構成体に伝わることとなる。本体側構成体についても外枠側構成体と同様にある程度の強度が確保されている部材であるため、当該本体側構成体に伝わった負荷が、遊技機本体側にて好適に分散される。これにより、阻止部を好適に保護することができる。
なお、対向部と阻止部とが隙間を隔てて対向する構成を採用した場合には、併せて以下の構成を採用することが好ましい。すなわち、同隙間を利用して阻止部の弾性変形を許容しつつ、対向部によって阻止部の塑性変形を抑える構成を採用するとよい。
特徴A5.前記本体側構成体及び前記扉側構成体の何れか一方は軸部(小径部385)を有するとともに、他方はその軸部が挿通される軸受け部(軸受け部433)を有し、
前記前面扉は、前記軸部を中心に回動可能となっており、
前記扉側構成体は、前記前面扉に対する取付部(取付部432)を有し、
前記扉側当接部は、前記回動中心を挟んで前記取付部とは反対側となる位置に配されていることを特徴とする特徴A3又は特徴A4に記載の遊技機。
特徴A5によれば、前面扉を開放側へ向けて回動させると、外枠側構成体の阻止部に対して扉側構成体の扉側当接部が当接することにより、それ以上の開放が阻止される。
本特徴においては特に、扉側当接部を、軸部を挟んで取付部とは反対側となる位置に配したことにより、扉側当接部が阻止部に当接することによって生じる負荷(詳しくは衝撃)を抑えることができる。具体的には、上記衝撃における前面扉の重量の影響を抑え、同衝撃を緩和することができる。これにより、阻止部や扉側当接部を保護し、特徴A1等に示した阻止機能を好適に維持することが可能となる。
特徴A6.前記本体側構成体は、前記遊技機本体が開放された場合に、前記阻止部に対して当接する本体側当接部(壁面部388a)を有し、
前記阻止部は、当該阻止部に対して前記本体側当接部が当接することにより、前記遊技機本体の開方向への移動を阻止することを特徴とする特徴A3乃至特徴A5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A1等に示したように阻止部によって前面扉の開放制限を行う構成においては、前面扉を開放した状態で遊技機本体を開放した場合に遊技機本体の開方向への移動が前面扉に当たることで阻止されると想定される。しかしながら、このように遊技機本体の開放が前面扉によって阻止されると、遊技機本体が前面扉に衝突することで同前面扉や遊技機本体の変形や破損等が生じやすくなると懸念される。この点、本特徴に示すように、阻止部によって遊技機本体の開放を阻止する構成とすれば、遊技機本体と前面扉との衝突を抑制し、上記破損等の発生を抑えることができる。
また、前面扉や遊技機本体の開放量を制限する構成においては、阻止部にある程度の強度を付与することが好ましいが、強度向上のために阻止部の占有領域が拡がることは好ましくない。この点、本特徴に示すように、強度が要求される阻止部を前面扉及び遊技機本体の開放制限に併用することで、阻止部の強度確保に伴う占有領域の拡がりを抑え、同阻止部の省スペース化に貢献することができる。
特徴A7.前記外枠側構成体は、前記本体側構成体が載置される載置部(ベース部331)を有し、
前記阻止部は、前記載置部から起立しており、
前記本体側当接部は、前記扉側当接部よりも前記載置部寄りとなる位置にて前記阻止部に当接するように形成されていることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
前面扉が遊技機本体の本体側構成体によって支持されている構成においては、前面扉を閉じた状態にて遊技機本体の開放が阻止された場合に阻止部等に生じる負荷が、前面扉の開放が阻止された場合に阻止部等に生じる負荷よりも大きくなると想定される。そこで、本特徴に示すように本体側当接部が阻止部において扉側当接部よりも載置部寄りとなる位置にて同阻止部に当接する構成を採用すれば、前面扉や遊技機本体の開放阻止時に生じる負荷によって阻止部が破損等することを好適に抑制することができる。これにより、阻止機能の担保に貢献できる。
特徴A8.前記阻止部、前記本体側当接部及び前記扉側当接部は、それら阻止部及び扉側当接部によって定められる前記前面扉の開放量が、前記阻止部及び前記本体側当接部によって定められる前記遊技機本体の開放量よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする特徴A6又は特徴A7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、前面扉が開放されている状態にて遊技機本体が開放され、同遊技機本体と前面扉が当たった場合であっても、その衝撃を前面扉の開方向への移動を許容することで緩和することができる。特に遊技機本体に押されて同遊技機本体及び前面扉の両者が開放限界位置へと移動した場合であっても、前面扉が阻止部と遊技機本体とによって挟まれることを回避し、上記衝撃の発生を好適に抑制することができる。
また、前面扉及び遊技機本体の両者を開放している状態にて遊技機本体が更に開放され、同遊技機本体が開放限界位置まで移動された場合であっても、前面扉が阻止部によって遊技機本体に対する閉位置へ押されることを回避できる。つまり、遊技機本体を開放限界位置へ移動させた場合に、作業者の意図に反して前面扉が閉じることを回避できる。これにより、例えば遊技機本体を開放限界位置へ移動させた際に遊技機本体と前面扉との間に配線等が挟まるといった不都合を生じにくくすることができる。
特徴A7との組み合わせにおいては特に、前面扉を遊技機本体に対して閉じた状態で同遊技機本体を開放した場合には、本体側当接部が阻止部に対して当接することとなる。これにより、特徴A7に示した効果を好適に享受することができる。
特徴A9.前記遊技機本体は、
絵柄を可変表示する絵柄表示装置(図柄表示装置94)と、
前記絵柄表示装置を制御する制御装置(表示制御装置825等)と、
それら絵柄表示装置及び制御装置を背面側から覆う背面カバー(裏パックユニット15)と、
前記背面カバーに設けられ、遊技媒体の払い出しを行う払出機構部(払出機構部202)と
を有していることを特徴とする特徴A6乃至特徴A8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A9に示すように遊技機本体に遊技機における主たる構成が設けられている場合には、遊技機本体の重量が嵩み、前面扉と比較して重くなると想定される。このため、前面扉(詳しくは扉側当接部)が阻止部に当たった場合と遊技機本体(詳しくは本体側当接部)が阻止部に当たった場合とを比較すれば後者にて発生する負荷のほうが大きくなると考えられる。
そこで、このような構成に特徴A6乃至特徴A8に示した技術的思想を適用すれば、以下の効果が期待できる。つまり、阻止部において遊技機本体が当接する位置を、同阻止部に対して前面扉が当接する位置と比較して載置部寄りに設定することにより、阻止部の変形等を抑制し、開放制限機能の低下を抑えることができる。
特徴A10.前記遊技機本体は、前記外枠によって着脱可能に支持されており、
前記前面扉は、前記遊技機本体によって支持されており、
前記阻止部とは別に設けられているとともに、前記遊技機本体に配されており、前記前面扉が開放された場合に同前面扉に対して当接することにより当該前面扉の開方向への移動を阻止する扉本体間阻止部を備え、
前記阻止部によって定められる前記前面扉の開放量は、前記扉本体間阻止部によって定められる同前面扉の開放量よりも小さく設定されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A10によれば、遊技機本体を外枠に対して着脱可能とすることにより、遊技機の輸送やメンテンナンス作業等の容易化に貢献することができる。遊技機本体が外枠に取り付けられている場合には、阻止部によって前面扉の開放が制限される。但し、特徴A1に示したように、阻止部は外枠に設けられているため、遊技機本体を外枠から取り外している場合には、同阻止部による前面扉の開放制限が無効となる。そこで、本特徴においては、遊技機本体を外枠から取り外した場合には、扉本体間阻止部によって前面扉の開放が制限される構成とした。これにより、前面扉等の保護を図ることができる。
特に、遊技機本体を外枠に取り付けている場合には、阻止部による阻止機能が扉本体間阻止部の阻止機能に対して優先される。これにより、遊技機本体のおかれた状況に応じて阻止機能を発揮させることができる。
なお、本特徴においては特徴A1等に示した[阻止部]を「外枠側阻止部」と称することも可能である。
特徴A11.外枠(外枠11)と、
前記外枠によって開閉可能に支持されている遊技機本体(内枠13)と、
前記遊技機本体を遊技機前方から覆う前面扉(前面扉14)と、
前記外枠に設けられている電気機器(スピーカユニット18)と、
前記遊技機本体に設けられているとともに前記電気機器に配線接続され、同電気機器を制御する制御装置(音声ランプ制御装置143)と、
前記外枠に設けられ、前記遊技機本体が開放された場合に同遊技機本体に対して当接することにより当該遊技機本体の開方向への移動を阻止する阻止部(ストッパ部335)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A11に示すように、電気機器(例えばランプ部やスピーカ)を外枠に設けるとともに、遊技機本体の制御装置によって同電気機器を制御する構成においては、以下の点を考慮することが望ましい。つまり、電気機器と制御装置とを接続する配線に、外枠と遊技機本体との相対位置の変化を考慮して、配線の長さに余裕代を付与することが望ましい。但し、この余裕代が過度に大きくなることは配線の引っ掛かり等を招来し、断線等の不都合が生じやすくなる要因になると想定されるため好ましくない。この点、本特徴に示すように阻止部によって遊技機本体の開放量を制限する構成とすれば、上記配線の余裕代が無駄に大きくなることを抑制することができ、上記不都合の発生を抑えることができる。これにより、本来遊技機本体に設けられることが多い電気機器の外枠への移設を促進し、同遊技機本体の軽量化に貢献することができる。このように遊技機本体の軽量化を図ることは、阻止部を用いて遊技機本体の開放を阻止する構成において同阻止部に生じる負荷の抑制に効果的であると考えられる。
なお、外枠が遊技機本体よりも下側となる部位に設けられた幕板部(幕板17)を有する構成に本特徴に示した技術的思想を適用する場合には、以下の点に配慮するとよい。すなわち、同幕板部の後方領域は遊技機本体が位置することが困難なデッドスペースとなり得る。そこで、上記電気機器をこのデッドスペースに配設する構成とすれば、幕板部の後方領域を有効利用でき実用上好ましい構成を実現できる。
特徴A12.外枠(外枠11)と、
前記外枠に対して開閉可能に設けられている遊技機本体(内枠13)と、
前記遊技機本体の前方に配されているとともに、同遊技機本体に対して開閉可能に設けられている前面扉(前面扉14)と、
前記遊技機本体を支持するとともに、前記前面扉を支持する支持機構(支持機構300)と
を備え、
前記支持機構は、
前記外枠に設けられた外枠側支持プレート(外枠金具330)と、
前記遊技機本体に設けられているとともに、前記外枠側支持プレートの上方に配置され、同外枠側支持プレートによって支持されている本体側支持プレート(内枠金具380)と、
前記前面扉に設けられているとともに前記本体側支持プレートの上方に配置され、同本体側支持プレートによって支持されている前面扉側支持プレート(前扉金具430)と、
前記外枠側支持プレートから上方に延びる軸部(軸ピン333や小径部385)と、
前記本体側支持プレート及び前記前面扉側支持プレートに設けられ、前記軸部が挿通される挿通部(軸受け部386,433)と
を有し、
前記各挿通部に前記軸部が嵌まることにより、前記外枠に対する前記遊技機本体の開閉が許容された状態で同遊技機本体が支持されているとともに、前記遊技機本体に対する前記前面扉の開閉が許容された状態で同前面扉が支持されており、
前記外枠側支持プレートは、上方に起立する起立部(ストッパ部335)が設けられており、
前記外枠に対して前記遊技機本体が開放された場合には、前記起立部に対して前記本体側支持プレートが当接することにより同遊技機本体の開方向への移動が阻止され、前記遊技機本体に対して前記前面扉が開放された場合には、前記起立部に対して前記前面扉側支持プレートが当接することにより同前面扉の開方向への移動が阻止されることを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特徴A1乃至特徴A11に示した技術的思想を好適に実現することができる。なお、本特徴に示す「起立部」を特徴A1等に示した「阻止部」と同一のものとしてもよい。
上記特徴A群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、遊技ホール等の島設備に固定される外枠と、同外枠によって開閉可能に支持されている遊技機本体とを備えているものがある。遊技機本体の前方には前面扉が配置されており、同前面扉によって遊技機本体が覆われている。
また、遊技機本体は制御装置等の遊技に関する各種構成が本体枠に搭載されてなり、前面扉によって上記遊技に関する各種構成を覆うことにより、同構成に対する不正なアクセスを抑制し、遊技機における防犯性の向上が図られている。
上述の如く前面扉を有する遊技機においては同前面扉を開閉可能とすることが一般的であり、遊技機のメンテナンス時に前面扉を取り外すことなく作業を行うことが可能となっていることが多い。これにより、上述した防犯性の向上とメンテナンス作業等の容易化とが両立されている。
しかしながら、前面扉を開閉可能な構成を採用した場合、上記効果を享受することができる反面、以下の不都合が生じ得る。つまり、例えば遊技機が島設備に設置されている状態にて前面扉が開放された際に、同前面扉が当該遊技機に隣接する他の遊技機に干渉した場合には前面扉が破損する可能性がある。また、仮に干渉が発生しない場合であっても、前面扉が他の遊技機の前方に張り出すことでそれら他の遊技機における遊技が困難となり円滑な遊技進行が妨げられると懸念される。このように、前面扉を開閉可能とする構成においては、同前面扉の開閉機能に関しては未だ改善の余地がある。
特徴B1.外枠(外枠11)と、
前記外枠に対して支持機構(支持機構300)によって回動可能に支持されている遊技機本体(内枠13)と、
前記遊技機本体の前面側に配置され、前記遊技機本体に対して前記支持機構によって回動可能に支持されている前面扉(前面扉14)と
を備え、
前記支持機構は、
前記遊技機本体に設けられ、上下に互いに離間して設けられた本体側上支持部(上側内枠金具360の対向部362)及び本体側下支持部(上側内枠金具360の対向部363)と、
前記外枠に設けられ、前記本体側上支持部及び本体側下支持部の間にて前記本体側上支持部に下側から当接する外枠側支持部(上側外枠金具310の延出部312)と、
前記前面扉に設けられ、前記本体側上支持部及び本体側下支持部の間にて前記本体側下支持部に上側から当接する扉側支持部(上側前扉金具410の挿通部411)と、
前記外枠側支持部及び前記扉側支持部にそれぞれ形成され、上下方向へ延びる軸が挿通可能な外枠側軸孔(軸受け部313)及び扉側軸孔(軸受け部413)と、
上下方向へ延びるとともに前記本体側上支持部に上端側が前記本体側下支持部に下端側がそれぞれ固定され、前記両軸孔に挿通されることにより前記外枠側支持部及び前記扉側支持部を前記本体側支持部に対してそれぞれ相対回動可能に支持する軸部(軸体364)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1に示すように支持機構によって遊技機本体や前面扉を支えるとともにそれら遊技機本体や前面扉の回動中心を定める構成においては、遊技機本体や前面扉の自重等によって支持機構が変形した場合に、それら遊技機本体や前面扉の位置精度が低下すると想定される。仮にこのような位置精度の低下が生じると、外枠と遊技機本体との隙間や遊技機本体と前面扉との隙間が拡がる等して防犯機能が低下するといった不都合が生じ得る。特に、支持機構のうち遊技機本体に設けられている構成(以下便宜上、本体側構成体と称する)に変形等が生じると、遊技機本体の開閉機能及び前面扉の開閉機能の両者に影響がおよびやすくなると懸念される。
そこで、本特徴においては、遊技機本体に両軸孔に挿通されることにより外枠側支持部及び扉側支持部を本体側支持部に対してそれぞれ相対回動可能に支持する軸部を設け、その軸部の上端側を本体側上支持部に固定するとともに、当該軸部の下端側を本体側下支持部に固定する構成とした。これにより、軸部の補強を図るだけでなく、両本体側支持部の補強を図り、支持機構のうち遊技機本体に設けられている構成の強度向上を実現している。故に、遊技機本体の開閉機能及び前面扉の開閉機能を好適なものとすることができる。
特徴B2.前記遊技機本体に取り付けられているとともに前記軸部と並行して配置されている取付部(ベース部361)を備え、
前記取付部に前記本体側上支持部及び前記本体側下支持部が一体的に設けられていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B1に示したように本体側上支持部と本体側下支持部とを個別に有する構成を採用した場合、それら本体側上支持部及び本体側下支持部に対してなるべく近い位置で遊技機本体への取り付けを行うことにより、各本体側支持部の変形を好適に抑えることができる。但し、本体側上支持部と本体側下支持部とが個別に設けられている構成においては、それら各本体側支持部に個々に対応させて取付部を設けた場合、本体側構成体の占有領域の拡張や、作業工程の増加等が生じ得る。
そこで、本特徴に示すように取付部を軸部と並行して配置するとともに両本体側支持部と一体的に設ける構成とすれば、本体側構成体の取付部を本体上支持部及び本体側下支持部の強度向上に併用することが可能となり、上記各種不都合を好適に払拭することができる。
更には、両本体側支持部,軸部,取付部によって本体側構成体に環状部位が形成されることで、両本体側支持部の間に形成される隙間を他の支持機構構成体(詳しくは外枠側支持部や扉側支持部)との組み合わせを行う領域として活用しつつ、本体側構成体の強度を好適に向上させることが可能となっている。
特徴B3.前記本体側上支持部と前記本体側下支持部との間において、前記軸部の中間部が小径部(小径部365)とされるとともにその小径部の上下両端側が当該小径部よりも大径となる大径部(大径部366U,366L)とされており、
前記外枠側支持部及び前記扉側支持部には、前記外枠側軸孔及び前記扉側軸孔に前記軸部を導入する導入通路(開放部314,414)がそれぞれ形成されており、
前記各導入通路における通路幅の最小値が前記小径部よりも大きくかつ前記大径部よりも小さくなるように設定されていることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
特徴B1等に示したように本体側支持部と本体側被支持部とを軸部によって繋ぐ構成を採用した場合には、本体側支持機構構成体の強度向上に基づく上記各種効果を享受することができる反面、軸部と軸孔との組み付け作業の容易化と、軸部と軸受け部との外れ防止とを両立することが困難になり得る。そこで、本特徴に示すように小径部及び大径部と導入通路とを併用すれば、そのような不都合を好適に払拭することができる。
また、本特徴においては、小径部(導入位置)を外枠側支持部の組み付け及び扉側支持部の組み付けに共用することで、軸部の必要長さ、特に強度が低くなりがちな小径部を短くすることができ、軸部ひいては本体側構成体全体での強度向上に貢献できる。
特徴B4.前記外枠側軸孔及び前記扉側軸孔が前記小径部の高さ位置に移動することを規制する規制部材(スペーサ部材460)を備えていることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、規制部材によって外枠側軸孔及び扉側軸孔が小径部の高さ位置に移動することを規制することにより、それら軸孔が小径部に達して前面扉や遊技機本体の支持状態が解除されることを回避することができる。
特徴B5.前記規制部材は、前記外枠側支持部及び前記扉側支持部の間で前記軸部を囲むように取り付けられており、その上下が前記外枠側支持部及び前記扉側支持部に当接することにより前記移動を規制するものであることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B4に示した技術的思想を実現するには、本特徴に示す構成を採用するとよい。これにより、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴B6.前記支持機構は、前記前面扉に設けられているとともに前記扉側支持部を有する扉側金具(前扉金具410)を有し、
前記扉側金具には、前記軸部を中心として前記前面扉が前記遊技機本体に対する閉位置へ移動することにより前記両本体側支持部の間に挿通される挿通部(例えば取付部412)が形成されており、
前記挿通部が前記外枠側支持部又は前記本体側上支持部に対して下側から当接することにより、前記前面扉の上方への移動が規制されることを特徴とする特徴B3乃至特徴B5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B6によれば、導入通路が小径部の高さ位置に移動することを規制することが可能となる。このように、予めある程度の強度が確保されている金具に上記規制機能を付与することで、構造の簡素化を図りつつ、同規制機能を好適に発揮させることができる。
特徴B2との組み合わせにおいては特に、挿入部が前記両本体側支持部,軸部,取付部によって囲まれた領域に挿入される構成とすることが好ましい。これにより、挿通部が外枠側支持部又は本体側上支持部に対して当接した際に生じる負荷を、本体側構成体にて好適に分散させることができ、軸部や各本体側支持部の変形を抑えることができる。
特徴B7.前記軸部は、前記扉側支持部の前記導入通路と前記遊技機本体との間に配置されていることを特徴とする特徴B3乃至特徴B6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B3等に示したように軸部を扉側軸孔に導入する導入通路を有する構成を採用した場合、前面扉が上方に持ち上げられて導入部通路が小径部の高さ位置に移動することにより、前面扉を開放することなく(すなわち遊技機本体に対して閉じたまま)軸部が扉側軸孔から離脱し得る。仮にこのような行為が行われると、前面扉と遊技機本体との隙間を目立たないようにして拡張されやすくなると想定される。これは、同隙間を通じた不正具等の挿入が容易になるだけでなく、同不正行為を発見することが困難となり得るため好ましくない。
この点、前面扉に軸孔が設けられている構成にて本特徴に示すように導入通路,軸部,遊技機本体の位置関係を工夫すれば、そのような不都合の発生を好適に抑制することができる。すなわち、前面扉が遊技機本体に対して閉じた状態で前面扉が後方に押された場合には遊技機本体によって同前面扉の移動が妨げられ、前面扉が前方に引っ張られた場合には軸部によって同前面扉の移動が妨げられることとなる。つまり、前面扉を遊技機本体に対して閉じた状態のまま軸部から軸孔を離脱させることが困難になる。これにより、上記離脱を阻止するための別途構成の追加を抑制しつつ、前面扉を閉じたまま上記隙間を拡張するといった行為を難しくすることができ、防犯機能の向上に貢献できる。
例えば、前記扉側支持部の前記導入通路を、前記前面扉が前記遊技機本体に閉じている状態にて遊技機正面側を向くように形成するとよい。
特徴B8.枠体(内枠13)と、
前記枠体の前方に配されている扉体(前面扉14)と、
前記枠体に対する前記扉体の開閉を許容した状態で同枠体を支持する支持機構(支持機構300)と
を備え、
前記支持機構は、
前記枠体に設けれられ、軸部(軸体364)を有する枠体側構成体(上側内枠金具360)と、
前記扉体に設けられ、前記軸部が挿通される軸受け部(軸受け部413)を有する扉体側構成体(上側前扉金具410)と
を有し、
前記軸受け部に前記軸部が嵌まることにより、前記扉体が前記軸部を中心として回動可能となっており、
前記扉体側構成体は、前記軸部を前記軸受け部に導入する導入通路(開放部414)を有し、
前記軸部は、前記枠体と前記導入通路との間に配置されていることを特徴とする遊技機。
仮に扉体を開放することなく(すなわち枠体に対して閉じたまま)軸部が軸受け部から離脱すると、扉体と枠体との隙間を目立たないようにして拡張されやすくなると想定される。これは、同隙間を通じた不正具等の挿入が容易化される要因となり得るだけでなく、同不正行為を発見することが困難となり得るため好ましくない。
この点、扉体(詳しくは扉体側構成体)に軸受け部及び導入通路が設けられている構成にて、本特徴に示すように導入通路,軸部,枠体の位置関係を工夫すれば、そのような不都合の発生を好適に抑制することができる。すなわち、扉体が枠体に対して閉じた状態で同扉体が後方に押された場合には枠体によって同扉体の移動が妨げられ、扉体が前方に引っ張られた場合には軸部によって同扉体の移動が妨げられることとなる。つまり、扉体を枠体に対して閉じた状態のまま軸部から軸孔を離脱させることが困難になる。これにより、上記離脱を阻止するための別途構成の追加を抑制しつつ、扉体を閉じたまま上記隙間を拡張するといった行為を難しくすることができ、防犯機能の向上に貢献できる。例えば、前記扉側支持部の前記導入通路を、前記扉体が前記枠体に閉じている状態にて遊技機正面側を向くように形成するとよい。
また、扉体側構成体及び枠体側構成体の一方に軸部と軸受け部との離脱を規制とするストッパ部を設け、扉体を所定位置へ回動(開放)させることにより同ストッパ部による離脱規制を解除する構成を採用することも可能ではある。しかしながら、このような構成を採用した場合、扉体が無理に動かされることでストッパ部に負荷が集中する可能性がある。これは、ストッパ部の変形を招来し、上記規制機能を低下させる要因となり得るため好ましくない。また、ストッパ部の強度を向上すべく、同ストッパ部を大型化することは遊技機におけるストッパ部の占有領域を拡張する要因となり得るため好ましくない。この点、本特徴においては、枠体そのものにストッパ部としての機能を付与することでそのような不都合の発生を好適に回避することができる。これにより、防犯機能を好適に向上させつつそれに起因した構成の煩雑化を抑制することが可能となり、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴B9.外枠(外枠11)と、
前記外枠に対して支持機構(支持機構300)によって回動可能に支持されている遊技機本体(内枠13)と、
前記遊技機本体の前面側に配置され、前記遊技機本体に対して前記支持機構によって回動可能に支持されている前面扉(前面扉14)と
を備え、
前記支持機構は、遊技機上部に配設された上側支持機構部及び遊技機下部に配設された下側支持機構部を有してなり、
前記上側支持機構部及び前記下側支持機構部の一方は、
前記遊技機本体に設けられ、上下に互いに離間して設けられた本体側上支持部(上側内枠金具360の対向部362)及び本体側下支持部(上側内枠金具360の対向部363)と、
前記外枠に設けられ、前記本体側上支持部及び本体側下支持部の間にて前記本体側上支持部に下側から当接する外枠側支持部(上側外枠金具310の延出部312)と、
前記前面扉に設けられ、前記本体側上支持部及び本体側下支持部の間にて前記本体側下支持部に上側から当接する扉側支持部(上側前扉金具410の挿通部411)と、
前記外枠側支持部及び前記扉側支持部にそれぞれ形成され、上下方向へ延びる軸が挿通可能な外枠側軸孔(軸受け部313)及び扉側軸孔(軸受け部413)と、
上下方向へ延びるとともに前記本体側上支持部に上端側が前記本体側下支持部に下端側がそれぞれ固定され、前記両軸孔に挿通されることにより前記外枠側支持部及び前記扉側支持部を前記本体側支持部に対してそれぞれ相対回動可能に支持する軸部(軸体364)とを有し、
前記上側支持機構部及び前記下側支持機構部の他方には、前記外枠に配されているとともに前記前面扉が開放された場合に同前面扉に対して当接することにより当該前面扉の開方向への移動を阻止する阻止部(ストッパ部335)が設けられていること特徴とする遊技機。
特徴B9に示すように支持機構によって遊技機本体や前面扉を支えるとともにそれら遊技機本体や前面扉の回動中心を定める構成においては、遊技機本体や前面扉の自重等によって支持機構が変形した場合に、それら遊技機本体や前面扉の位置精度が低下すると想定される。仮にこのような位置精度の低下が生じると、外枠と遊技機本体との隙間や遊技機本体と前面扉との隙間が拡がる等して防犯機能が低下するといった不都合が生じ得る。特に、支持機構のうち遊技機本体に設けられている構成(以下便宜上、本体側構成体と称する)に変形等が生じると、遊技機本体の開閉機能及び前面扉の開閉機能の両者に影響がおよびやすくなると懸念される。
そこで、本特徴においては、遊技機本体に両軸孔に挿通されることにより外枠側支持部及び扉側支持部を本体側支持部に対してそれぞれ相対回動可能に支持する軸部を設け、その軸部の上端側を本体側上支持部に固定するとともに、当該軸部の下端側を本体側下支持部に固定する構成とした。これにより、軸部の補強を図るだけでなく、両本体側支持部の補強を図り、支持機構のうち遊技機本体に設けられている構成の強度向上を実現している。故に、遊技機本体の開閉機能及び前面扉の開閉機能を好適なものとすることができる。
また、前面扉を開閉可能とすることにより、同前面扉を取り外すことなく遊技機本体へアクセス可能となる。これにより、メンテナンス作業等の容易化に貢献することができる。
但し、このように前面扉を開閉可能な構成を採用した場合、所定の設置箇所(遊技ホールの島設備等)に遊技機が設置されている状態にて前面扉が大きく開放されると、例えば当該遊技機に隣接する他の遊技機等に同前面扉が干渉するといった不都合が生じ得る。このような干渉の発生は、前面扉の機能担保及び外観保護の観点から好ましくない。また、前面扉が開放されて隣接する遊技機の前方に張り出した場合には、同隣接する遊技機での遊技が難しくなると想定される。これは、円滑な遊技進行を妨げる要因となり得る。この点、阻止部によって前面扉の過度な開放を抑えることができれば、上記各種不都合の発生を抑制することができる。例えば、阻止部を、前面扉開放時に同前面扉が移動する経路上に配するとよい。
本特徴においては特に、阻止部を外枠に設けたことで、同阻止部に相当する構成を遊技機本体に設ける場合と比較して以下の効果が期待できる。仮に遊技機本体に阻止部に相当する構成を設けた場合には、外枠に対して遊技機本体が開放されている状態で更に前面扉が開放されることで前面扉の開放量に遊技機本体の開放量が上乗せされ前面扉の変位量が過度に大きくなり得る。これは、上記干渉等の不都合が発生しやすくなる要因となり得るため好ましくない。一方、このような開放量の上乗せを考慮して前面扉の最大開放量が小さくなるように阻止部を設けることは、前面扉を開放して行われるメンテナンス作業等を行いにくくする要因となり得る。このため、前面扉を開放可能な構成を採用することによるメリットを享受しにくくなると懸念される。この点、本特徴に示すように阻止部を外枠に設ける構成とすれば、遊技機本体の開放の影響を抑えることができ、上記不都合の発生を抑制することができる。故に、前面扉を開閉可能な構成を採用してメンテナンス作業の容易化を図りつつ、それによって生じる周辺機器(例えば隣り合う遊技機)との干渉等の各種不都合を抑えることができ、前面扉の開閉機能を好適なものとすることができる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導通路103)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘87等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。