JP6287925B2 - 繊維構造体およびその加工方法 - Google Patents

繊維構造体およびその加工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6287925B2
JP6287925B2 JP2015066447A JP2015066447A JP6287925B2 JP 6287925 B2 JP6287925 B2 JP 6287925B2 JP 2015066447 A JP2015066447 A JP 2015066447A JP 2015066447 A JP2015066447 A JP 2015066447A JP 6287925 B2 JP6287925 B2 JP 6287925B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber structure
straight line
point
curved line
fibrous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015066447A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016043412A (ja
Inventor
理恵 山田
理恵 山田
三浦 融
融 三浦
Original Assignee
東北電子産業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 東北電子産業株式会社 filed Critical 東北電子産業株式会社
Priority to JP2015066447A priority Critical patent/JP6287925B2/ja
Publication of JP2016043412A publication Critical patent/JP2016043412A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6287925B2 publication Critical patent/JP6287925B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Laser Beam Processing (AREA)
  • Cultivation Of Plants (AREA)

Description

本発明は、植物の葉や食品などの繊維構造体に、レーザ光によりマーキング加工する技術に関する。
近年、安定した市場規模を維持しているギフト市場において、例えば観賞用植物自体に名前やメッセージを印字し、高級感や独自性といった付加価値を高めたものがある。
観賞用植物の葉や花弁にメッセージ等を表現する方法としては、例えばインクジェットプリンタ等を使って印字する方法、レーザ加工による方法が提案されており、特許文献1には、レーザ加工による線文字を花に刻設することが記載されている。
また、繊維構造体にレーザ加工を施す技術としては特許文献2、特許文献3があり、特許文献2には、食品、医薬品等のトレーサビリティを管理するために、レーザビームにより、画像やコード、文字をマーキングする技術が記載されている。
特許文献3には、魚介類といった生鮮食料品に賞味期限や産地表示などの情報のマーキングをレーザ光により直接行う印字装置および印字方法が記載されている。
観賞用植物の観賞価値を高める技術としては、特許文献4、特許文献5があり、特許文献4には、生育中の植物の葉や花弁の表面等に蛍光成分を塗布した蛍光染色植物およびこの植物に紫外光を照射して可視光を発光させる装飾方法が記載されている。
特許文献5には、水及び水性混合溶媒に可溶な蛍光物質が吸収された栽培中の植物と、この植物に対して紫外線を照射可能な光源と、この植物を見る者に対し紫外線を遮断する手段を備えた、植物発光装置が記載されている。
特開2008−35832号公報 特許5274141号公報 特許国際公開2009−119061号公報 特開2005−238809号公報 特許4747000号公報
インクジェットプリンタを使った印字方法は、繊維構造体として栽培中の植物を想定した場合、植物への水やりや太陽光の照射によって、インク落ちやインク成分の劣化が発生し、印字内容が見え難くなるという問題がある。
また、特許文献1には、レーザ加工により、花弁に文字を刻設するとの記載はあるものの、実施のための具体的な技術に関する開示は全くなされていない。特に花弁や葉といった肉薄の繊維構造体に関しては、使用するレーザ光の波長やその他の照射条件等を詳細に設定する必要がある。すなわち、照射条件を調整しない場合は、レーザビームを照射された繊維構造体は、表面から内部にかけて高熱が発生するために細胞が焦げて茶色に変色し、繊維構造体自体に損傷が生じ、植物全体に対しても損傷を与える可能性が高いという問題がある。
特許文献2及び特許文献3に記載されている技術は、食品等のトレーサビリティ管理を主たる目的としているために、食品自体のダメージを極力小さくし、かつ大量の食品へのマーキングを自動化するものである。当然に、観賞上の付加価値を与えるという技術思想は皆無であるから、表面のマーキング痕は、白く変色した状態か、あるいは周囲の色と多少違う程度の変色状態のままである。すなわち、仮に、観賞用植物にこれらの技術を適用しようとしても、マーキングされた名前やメッセージ、模様をかろうじて認識することはできるであろうが、メッセージの視認性を高める、贈答品としてのインパクトを期待することはできないという問題がある。
特許文献4に記載されている技術は、植物の葉や花弁、茎全体に蛍光成分を塗布しているのみであることから、文字や模様を施し、メッセージ性を高めるという技術思想はない。
また、植物への水やりや植物の生長に伴い、蛍光成分は剥げ落ち、長期間安定して装飾効果を持続させることができないという問題がある。
特許文献5に記載されている技術も、特許文献4に記載の技術と同様に、栽培中に長期間安定して装飾効果を持続させることができず、文字や模様を施してメッセージ性を高めるという技術思想はない。
本発明は、上記問題点を解消し、長期間持続可能で、視認性向上や観賞上の付加価値などを有する文字や模様を施した繊維構造体およびその加工方法を提供するものである。
本発明はかかる課題を解決するために、特定の波長を有する、もしくは水に対する特定の吸収係数を有するレーザビームを照射し、例えば植物の葉のような、表層近傍が表皮又は膜の少なくとも一方で覆われた、水分を含有する繊維構造体の水分を部分的に蒸散させて凹状の露出部を形成することにより、文字や模様を施し、さらに染料や顔料、薬剤等、またはこれらのいずれかを含む媒体を露出部に含浸、又は付着、又は埋設させる、すなわち、繊維構造体の表層近傍の各細胞内の水分を選択的に蒸散させて、細胞壁や細胞を構成する繊維状部をある程度残存させ、残存した繊維状部の各繊維に媒体を含浸、又は付着、又は埋設させる、あるいは、染料、顔料、薬剤等を繊維に絡みつくように付着又は埋設させることにより、長期にわたって染料、顔料、薬剤等が残存し、視認性や鑑賞価値を高めるものである。
なお、繊維構造体の表層近傍の水分を、繊維状部に必要以上に大きな影響を及ぼすことなく蒸散させるためには、水に対する特定の吸収係数を有する、又は特定の波長を有するレーザ、例えば波長が2.94μmであるEr:YAGレーザを用いる。これは、水に光が吸収される係数が大きく、レーザビームが照射された繊維構造体の表層もしくは表層近傍にある水分にだけ反応し、瞬時に水を蒸散させることができるからである。この特徴を利用し、植物の葉のような、表層近傍が表皮、又は膜の少なくとも一方で覆われた水分を含有する繊維構造体に選択的にレーザビームを照射することで、水が蒸散すると同時に表皮や膜が切除され、意図した場所に繊維状部を露出させることができる。
本発明は、この露出させた繊維状部により、点や直線、曲線を構成し、文字や図形、画像等の模様を形成するとともに、露出した繊維状部に、例えば蛍光剤や絵

具などの粉末や固形物、又はこれらを溶かした液状やペースト状の媒体を含浸、又は付着、又は埋設させることで、文字や図形等を明瞭化し、必要に応じて発光、発色させて、視認性を高め、その状態を長期間持続させるものである。
本発明によれば、表層が表皮又は膜の少なくとも一方で覆われた水分を含有する繊維構造体に、波長が2μm以上かつ11μm以下、若しくは水への吸収係数が1mm−1以上のレーザビームを照射し、前記繊維構造体の少なくとも一部の水分を蒸散させて繊維状部を露出させた露出部に、染料、又は顔料、又は薬剤、又は食品、又は食品添加物の少なくとも一つを含浸、又は付着、又は埋設させることにより、点、又は直線、又は曲線、又はそれらを組合せた模様を付与することを特徴とする、繊維構造体の加工方法が得られる。
本発明によれば、表層が表皮又は膜の少なくとも一方で覆われた水分を含有する繊維構造体に、波長が2.6μm以上かつ3.5μm以下、又は5.6μm以上かつ6.8μm以下、又は8.8μm以上かつ10.9μm以下のいずれか、若しくは水への吸収係数が100mm−1以上のレーザビームを照射し、前記繊維構造体の少なくとも一部の水分を蒸散させて繊維状部を露出させた露出部に、染料、又は顔料、又は薬剤、又は食品、又は食品添加物の少なくとも一つを含浸、又は付着、又は埋設させることにより、点、又は直線、又は曲線、又はそれらを組合せた模様を付与することを特徴とする、繊維構造体の加工方法が得られる。
本発明によれば、表層が表皮又は膜の少なくとも一方で覆われた水分を含有する繊維構造体であって、前記繊維構造体の少なくとも一部の水分を蒸散させて繊維状部を露出させた露出部に、染料、又は顔料、又は薬剤、又は食品、又は食品添加物の少なくとも一つを含浸、又は付着、又は埋設されてなる、点、又は直線、又は曲線、又はそれらを組合せた模様を有することを特徴とする繊維構造体が得られる。
本発明によれば、前記の染料、又は顔料、又は薬剤は、蛍光、又は発光、又は燐光の少なくともいずれか1つを発するものであることを特徴とする繊維構造体が得られる。
本発明によれば、前記の点、又は直線、又は曲線、又はそれらを組み合わせた模様は、単色もしくは複数の色の組み合わせからなることを特徴とする繊維構造体が得られる。
本発明によれば、前記の点、又は直線、又は曲線、又はそれらを組み合わせた模様は、単一の波長もしくは複数の異なる波長の光を発することを特徴とする繊維構造体が得られる。
本発明によれば、前記の点、又は直線、又は曲線、又はそれらを組み合わせた模様は、情報格納機能を有することを特徴とする繊維構造体が得られる。
本発明によれば、前記繊維構造体を少なくとも一部に備えた物品が得られる。
本発明によれば、前記繊維構造体と、少なくとも前記の点、又は直線、又は曲線、又はそれらを組み合わせた模様を照射する光源とを備えてなる物品が得られる。
本発明によれば、需要者の要請に応じて前記の点、又は直線、又は曲線、又はそれらを組み合わせた模様を形成し、直接又は間接的に前記需要者に譲り渡すことを特徴とする繊維構造体の使用方法が得られる。
本発明によれば、前記情報格納機能に格納された情報を用いて、前記繊維構造体の管理を行うことを特徴とする繊維構造体の使用方法が得られる。
本発明により、長期間にわたって視認性向上や観賞上の付加価値などを有する文字や図形、画像等を施した繊維構造体およびその加工方法の提供が可能となる。
レーザ波長と水に対する吸収スペクトルの関係を示す図である。 本発明の実施の形態を示す植物の葉の断面模式図で、レーザビーム照射後を示す。 本発明の他の実施の形態を示す植物の葉の断面模式図で、レーザビーム照射後を示す。 本発明の実施の形態を示す植物の葉の断面模式図で、媒体付着後を示す。 本発明の他の実施の形態を示す植物の葉の断面模式図で、媒体付着後を示す。 本発明の実施例を示す植物の葉を拡大鏡で観察した画像で、(a)はレーザビーム照射後を、(b)は蛍光剤含浸後を示す。 本発明の実施例を示す画像で、(a)は植物の葉に太陽光を照射した状態を、(b)は植物の葉に紫外線を照射した状態を示す。 本発明の実施例を説明する図である。
以下、本発明を実施の形態を用いて詳細説明する。
図1はレーザ波長と水に対する吸収スペクトルの関係を示す図である。縦軸は水に対する吸収係数(mm−1)を示し、横軸はレーザ波長(μm)を示す。
本発明者等は、レーザビームにおける水に対する吸収係数に着目し、種々の実験を行った結果、繊維構造体の表層部の水分を選択的かつ効率良く蒸散させ、繊維状部を残存させるためには、水に対する吸収係数が1mm−1以上であるレーザを用いればよいことを見出した。
図1によれば、この条件を満たすのは、波長が2μm以上かつ11μm以下のレーザであり、具体的には、2.6μm以上かつ3.5μm以下、又は、5.6μm以上かつ6.8μm以下、又は、8.8μm以上かつ10.9μm以下のいずれかを満たすレーザを用いるのが好ましい。
なお、実験によれば、水に対する吸収係数が100mm−1(1000cm−1)以上であるレーザを用いるのがより好ましく、具体的には、波長が2.94μm、又は6.1μm、又は10.6μmのレーザを用いるのがより好ましい。
すなわち、水に対する吸収係数が最大となる波長2.94μmのEr:YAGレーザを用いるのがもっとも好ましい。
図2は本発明の実施の形態を示す植物の葉の断面模式図で、レーザビーム照射後を示す。
図3は本発明の他の実施の形態を示す植物の葉の断面模式図で、レーザビーム照射後を示す。
葉のおもて面の表層には表皮細胞1があり、表皮細胞1は細胞壁2で仕切られている。その下層に葉緑体3が存在し、うら面には気孔4が存在する。なお、葉緑体3は、葉緑体および葉緑体を含む組織を示す。
上述した所定の波長を有するレーザビームをおもて面の表皮細胞1に照射すると、表皮細胞1に含有される水分に反応し、瞬時に水が蒸散すると同時に、レーザビームが照射された表皮細胞1の表層部分が切除され、残った細胞壁2が繊維状部5となって露出する。この時、図3に示すように、表皮細胞1に近い葉緑体3も切除される場合があるが、葉の表面積に比し極微量で、かつ葉の厚み方向にも葉緑体3が充分に残存するため、生体機能への影響を最小限にすることができる。
なお、繊維構造体として、植物の葉を例示したが、表層近傍が表皮、又は膜の少なくとも一方で覆われた水分を含有する繊維状部を有するものであればいずれでもよい。すなわち、例えば、植物の茎、葉、花弁、果実等の植物の一部又は植物全体、肉類、魚類、昆布等の海産物、乾燥食品、加工食品、細胞シートや人工臓器等の医療用ポリマー・工業用膜・各種吸水ポリマー等の医療用・工業用・生活用品等に用いられる各種膜といった天然又は人工的な繊維構造体が含まれる。
図4は本発明の実施の形態を示す植物の葉の断面模式図で、媒体付着後を示す。
図5は本発明の他の実施の形態を示す植物の葉の断面模式図で、媒体付着後を示す。
表皮細胞1もしくは表皮細胞1とこれに隣接する葉緑体3のごく一部に形成された露出部たる繊維状部5に、染料や顔料、薬剤を、例えば水のような溶媒に溶かした媒体、すなわち、本実施の形態では液体状の蛍光剤6を、繊維状部5を構成する繊維に付着させ、露出した凹状の繊維状部5のみに蛍光部を形成している。
なお、例えば可溶性の媒体は、繊維状部に含浸されて繊維状部を構成する繊維を染色し、ペースト状の媒体は、繊維状部を構成する繊維に絡みついて付着又は埋設される。
さらに、例えば粉末状の染料や顔料、薬剤等であれば、媒体を介さずに直接、繊維状部に付着または埋設される。
繊維状部に含浸、付着、又は埋設させる物質は、例えば、蛍光増白剤、ローダミン誘導体、フルオレッセインなどの染料や蛍光塗料、蛍光絵具、蓄光塗料といった顔料、ジアミノスチルベンジスルホン酸、アルミン酸ストロンチウムといった薬剤であって、蛍光、発光、燐光を発するものであればいずれでもよく、必要に応じて用いる溶媒は、対象となる繊維構造体への影響を考慮すると水を用いるのが好ましいが、対象物に悪影響を与えるものでなければよく、アルコール、油脂、グリセリン等のいずれでもよい。
なお、繊維構造体の表面近傍、すなわち表層の一部分を消失又は破壊して水分を蒸散させ、繊維状部を露出させる手段として、上述したようにレーザを用いるのが水分を瞬時に蒸散させる上でもっとも好ましいが、結果的にこれと同様な状態に繊維状部を露出することができるのであれば、例えば超音波、熱線、光、金属、プラスチック等を用いたカッター、薬剤塗布・洗浄等の手段を用いてもよい。
(実施例1)
図6は本発明の実施例を示す植物の葉を拡大鏡で観察した画像で、(a)はレーザビーム照射後を、(b)は、蛍光剤含浸後を示す。
繊維構造体として、ポトスの葉を用意し、波長2.94μmのEr:YAGレーザを用いて、レーザビームを照射した。周辺部分を拡大鏡で観察したところ、レーザビームが照射された部分だけ、繊維状部5が露出した。
続いて、凹状に露出した繊維状部5に、蛍光剤として、蛍光増白剤を水に溶かした液体を用い、1分間含浸した。波長が365nmの紫外線ライトを照射し、繊維状部5を観察したところ、発光が確認された。拡大鏡で詳細観察し、繊維状部5に蛍光剤6が定着していることが確認された。
(実施例2)
図7は、本発明の実施例を示す画像で、(a)は植物の葉に太陽光を照射した状態を、(b)は植物の葉に紫外線を照射した状態を示す。
繊維構造体として、鉢植えされたポトスを用意し、葉の一部に波長2.94μmのEr:YAGレーザを用いて、「Hello!」という文字を形成するようにレーザビームを照射し、レーザマーキング加工を行った。「Hello!」の文字は、点、直線、曲線を組合せて形成した。
続いて、蛍光剤として、蛍光増白剤を水に溶かした液体を、綿棒を使って繊維状部5に塗布・含浸させ、乾燥後、葉全体を水洗いし、繊維状部5以外に付着した蛍光剤を除去した。太陽光下で、目視確認したところ、図7(a)に示すようにマーキング加工部分7の存在を確認することはできたが、判別は困難であり、目立たなかった。
次に、波長が365nmの紫外線ライトを照射し、同様に目視確認した。図7(b)に示すように、マーキング加工部分7は、「Hello!」と発光し、極めて明瞭に見えることを確認した。
(実施例3)
図8は、本発明の実施例を説明する図である。
繊維構造体として、鉢植えされた胡蝶蘭の葉8を用意し、これに実施例2と同様に、葉の一部に波長2.94μmのEr:YAGレーザを用いて、「Thank you!」の文字を形成した。
蛍光剤として、蛍光絵具を水に溶かした液体を、綿棒を使って繊維状部に塗布・付着させ、乾燥後、繊維状部以外に付着した蛍光剤を、水で濡らした布を使い、拭き取り除去した。
続いて、波長が385nmの紫外線ライトを有する光源10を備えたワイヤ形状の照明部材9を用意して鉢の用土に挿入し、光源10が、少なくとも葉8に形成した文字を含む照射範囲11を照らすように光源10の高さ、角度を調整し、物品たる観賞用植物鉢100とした。これを暗い空間に設置して、紫外線ランプを点灯したところ、「Thank you!」の文字が明瞭に浮かび上がった。なお、照明部材9は、図示しない電源および開閉器を備えている。
照明部材は、少なくとも、文字、図形、画像等を形成した部分を含む領域を照射することできるものであれば、いかなる形状であってもよく、いかなる材質からなるものでもよいが、鉢植えの用土に差し込むように先端が尖った形状や、クリップのような、植物本体や鉢等への簡易接続部材を備えたものがより好ましい。さらには、照射領域を任意に変更できる構成又は構造を有するものが好ましい。
電源は、公知の手段から適宜選択すればよいが、電池交換式がより好ましい。また、周囲の明度を感知して自動点灯消灯するセンサ部を備えたものも省エネルギー等の観点から好ましい。
光源は、LED、LD、紫外線、蛍光管等を用いた照明、文字、図形、画像等に施した染料、顔料、薬剤等の特性に合わせたもの、すなわち、蛍光、発光、又は燐光の発生を促すものを適宜選択して用いるのが好ましい。
なお、上記実施例では、繊維構造体に露出形成した繊維状部からなる文字や図形、画像等に1種類の蛍光剤を含浸させ、紫外線ライトで発光させた繊維構造体およびそれを備えた物品を例示したが、繊維状部の異なる領域毎に異なる染料、顔料又は薬剤を施すことにより、複数の色の組み合わせからなる文字や図形、画像等、複数の異なる波長の光を発する文字や図形、画像等、又はこれらを組み合わせた文字や図形、画像等を形成してもよい。
また、必ずしも蛍光、発光、又は燐光を発する染料、顔料又は薬剤を用いる必要はなく、自然光すなわち太陽光や蛍光灯によって視認性を有するものを用いてもよい。
上記実施例では、点、又は直線、又は曲線、又はそれらを組み合わせた模様として文字を例示したが、図形や画像、バーコード等もこれに含まれる。例えば、1次元バーコードや2次元バーコードといった情報格納機能を付与することにより、公知の情報管理手段を用いた、物品管理を行うのはより好ましい。
すなわち、携帯通信端末機器等で2次元バーコードを撮影し、生産者情報や物品の詳細情報を表示させて消費者の利便性を高める、又は、専用の読み取り装置を用いて、物品の情報を、電気通信回線を経由してサーバ等に蓄積し、商品流通管理を行うこと等に利用することは、より好ましい。
(実施例4)
繊維構造体として、昆布を用意し、波長2.94μmのEr:YAGレーザを用いて、「祝喜寿」という文字を形成した。
食品として小麦粉、香辛料、うまみ調味料を、食品添加物として赤色を発色させる天然着色料を用意して水に溶かして媒体とし、「祝喜寿」の文字形成部分に塗布、乾燥させて文字の視認性を向上させた。
文字によるメッセージ性、独自性の付与のみならず、食品たる繊維構造体に香辛料による香りの付加およびうまみ調味料によるうまみ成分の浸透を可能とし、付加価値を向上させることができた。
以上、実施例を用いて詳述したように、本発明による繊維構造体およびこれを備えた物品は、繊維構造体に施した点、又は直線、又は曲線、又はそれらを組合せた模様等、すなわち文言、メッセージ、図形、画像、情報等により、独自性を伴う付加価値をより高めることができる。
従って、これらの文言、メッセージ、図形、画像、情報等を、需要者の要求に応じて、都度、繊維構造体に施して、これを需要者に直接又は他の小売業者等を経由して譲り渡す、繊維構造体の使用は好ましい。
さらに、需要者の要求は、小売店の店頭もしくは、電気通信回線等を用いて受付け、本発明による加工を施して需要者に譲り渡すのはより好ましい。
以上、本発明の実施の形態および実施例を説明したが、本発明は、上記に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の変更や修正が可能である。
1 表皮細胞
2 細胞壁
3 葉緑体
4 気孔
5 繊維状部
6 蛍光剤
7 マーキング加工部分
8 葉
9 照明部材
10 光源
11 照射範囲
100 観賞用植物鉢

Claims (11)

  1. 表層が表皮又は膜の少なくとも一方で覆われた水分を含有する繊維構造体に、波長が2μm以上かつ11μm以下、若しくは水への吸収係数が1mm−1以上のレーザビームを照射し、前記繊維構造体の少なくとも一部の水分を蒸散させて繊維状部を露出させた露出部に、染料、又は顔料、又は薬剤、又は食品、又は食品添加物の少なくとも一つを含浸、又は付着、又は埋設させることにより、点、又は直線、又は曲線、又はそれらを組合せた模様を付与することを特徴とする繊維構造体の加工方法。
  2. 表層が表皮又は膜の少なくとも一方で覆われた水分を含有する繊維構造体に、波長が2.6μm以上かつ3.5μm以下、又は5.6μm以上かつ6.8μm以下、又は8.8μm以上かつ10.9μm以下のいずれか、若しくは水への吸収係数が100mm−1以上のレーザビームを照射し、前記繊維構造体の少なくとも一部の水分を蒸散させて繊維状部を露出させた露出部に、染料、又は顔料、又は薬剤、又は食品、又は食品添加物の少なくとも一つを含浸、又は付着、又は埋設させることにより、点、又は直線、又は曲線、又はそれらを組合せた模様を付与することを特徴とする繊維構造体の加工方法。
  3. 表層が表皮又は膜の少なくとも一方で覆われた水分を含有する繊維構造体であって、前記繊維構造体の少なくとも一部の水分を蒸散させて繊維状部を露出させた露出部に、染料、又は顔料、又は薬剤、又は食品、又は食品添加物の少なくとも一つを含浸、又は付着、又は埋設されてなる、点、又は直線、又は曲線、又はそれらを組合せた模様を有することを特徴とする繊維構造体。
  4. 前記染料、又は顔料、又は薬剤は、蛍光、又は発光、又は燐光の少なくともいずれか1つを発するものであることを特徴とする請求項3記載の繊維構造体。
  5. 前記点、又は直線、又は曲線、又はそれらを組合せた模様は、単色もしくは複数の色の組み合わせからなることを特徴とする請求項3又は4に記載の繊維構造体。
  6. 前記点、又は直線、又は曲線、又はそれらを組合せた模様は、単一の波長もしくは複数の異なる波長の光を発することを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の繊維構造体。
  7. 前記点、又は直線、又は曲線、又はそれらを組合せた模様は、情報格納機能を有することを特徴とする請求項3ないし6のいずれかに記載の繊維構造体。
  8. 請求項3ないし7のいずれかに記載の繊維構造体を少なくとも一部に備えたことを特徴とする物品。
  9. 請求項3ないし7のいずれかに記載の前記繊維構造体と、少なくとも前記点、又は直線、又は曲線、又はそれらを組合せた模様を照射する光源とを備えてなることを特徴とする物品。
  10. 需要者の要請に応じて前記点、又は直線、又は曲線、又はそれらを組合せた模様を形成し、直接又は間接的に前記需要者に譲り渡すことを特徴とする請求項3ないし7のいずれかに記載の繊維構造体の使用方法。
  11. 前記情報格納機能に格納された情報を用いて、前記繊維構造体の管理を行うことを特徴とする請求項7記載の繊維構造体の使用方法。
JP2015066447A 2014-08-20 2015-03-27 繊維構造体およびその加工方法 Active JP6287925B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015066447A JP6287925B2 (ja) 2014-08-20 2015-03-27 繊維構造体およびその加工方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014167357 2014-08-20
JP2014167357 2014-08-20
JP2015066447A JP6287925B2 (ja) 2014-08-20 2015-03-27 繊維構造体およびその加工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016043412A JP2016043412A (ja) 2016-04-04
JP6287925B2 true JP6287925B2 (ja) 2018-03-07

Family

ID=55634511

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015066447A Active JP6287925B2 (ja) 2014-08-20 2015-03-27 繊維構造体およびその加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6287925B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018047858A1 (ja) * 2016-09-06 2018-03-15 Necソリューションイノベータ株式会社 光る植物

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005238809A (ja) * 2004-02-27 2005-09-08 Toshihide Yamaoka 蛍光染色植物および該植物を用いる装飾方法
JP2008035832A (ja) * 2006-08-09 2008-02-21 Ishikame Kogyo:Kk 文字を刻設した花と、この文字を刻設した花を利用した花束と、文字を刻設した花を利用した生け花
JP5274141B2 (ja) * 2008-07-29 2013-08-28 東北電子産業株式会社 レーザマーキング装置、及びレーザマーキングシステム
JP3148375U (ja) * 2008-11-27 2009-02-12 株式会社もとなが レーザ加工により、文字、図柄又は画像を表示・描画した皮革製品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016043412A (ja) 2016-04-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
ES2642166T3 (es) Extremos de lata que tienen información legible por máquina
JP6982056B2 (ja) 葉色模様の生成
RU2009123410A (ru) Переносимый на кожу узор для оптических измерений при бритье
US11160348B2 (en) Artificial nail and production equipment employing 3D printing technique for UV LED curing
JP2008542077A (ja) アルギン酸塩を使用したレーザーイメージング方法
US8974230B2 (en) System and method for creating ink art
JP6287925B2 (ja) 繊維構造体およびその加工方法
US20160374322A1 (en) Protective wrap for reclaimed or new fishing lure
US20180027766A1 (en) Animal identification through ultraviolet light-reactive tattoo
CN105755621A (zh) 防伪纱
CN108603787A (zh) 用于检测暴露于紫外线的方法和设备
Etxeberria et al. Anatomical and morphological characteristics of laser etching depressions for fruit labeling
JP2006321062A (ja) レーザーマーキング用紙、ラベル及びラベルシート
US20080110065A1 (en) System and method for ink over laser label marking
WO2002051271A1 (en) Artificial plant and method of using it
JP4664059B2 (ja) 疑似葉の製造方法
US8057552B2 (en) System and method for creating ink art
JP3224660U (ja) 食品用差札
Steere Swift Creek paddle designs as tattoos
James The Intoxicant as Preservative and Scientific Instrument in the World of James Petiver
Mandrij Painted by nature, printed by artists: Butterfly materials in the work of Otto Marseus van Schrieck and Maximilian Prüfer
Bosch his workshop and his followers
US20120018319A1 (en) Method and Kit for Adorning Bouquets and Gifts with Personalized Messages
Andersson The Choirproject Considerations for the storage of a composite contemporary artwork: Tilda Lovell’s The Choirproject
JP2001122279A (ja) 染毛剤用容器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170207

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20170207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170207

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171020

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171031

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180122

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6287925

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250