JP6287541B2 - アルミニウム電気めっき液の評価方法、アルミニウム電気めっき方法及びアルミニウム電気めっき物の製造方法 - Google Patents

アルミニウム電気めっき液の評価方法、アルミニウム電気めっき方法及びアルミニウム電気めっき物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6287541B2
JP6287541B2 JP2014090760A JP2014090760A JP6287541B2 JP 6287541 B2 JP6287541 B2 JP 6287541B2 JP 2014090760 A JP2014090760 A JP 2014090760A JP 2014090760 A JP2014090760 A JP 2014090760A JP 6287541 B2 JP6287541 B2 JP 6287541B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum
phenanthroline
aluminum electroplating
ppm
electroplating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014090760A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015209558A (ja
Inventor
哲 土子
哲 土子
健吾 後藤
健吾 後藤
崇康 杉原
崇康 杉原
浩二 粕谷
浩二 粕谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2014090760A priority Critical patent/JP6287541B2/ja
Publication of JP2015209558A publication Critical patent/JP2015209558A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6287541B2 publication Critical patent/JP6287541B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)

Description

本発明は、アルミニウム電気めっき液の評価方法、アルミニウム電気めっき方法及びアルミニウム電気めっき物に関する。
アルミニウムは導電性、耐腐食性、軽量性、無毒性など多くの優れた特徴を有しており、金属製品、樹脂製品等へのめっきに広く利用されている。この樹脂製品に対するアルミニウムの電気めっき法としては、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(EMIC)や、1−ブチルピリジニウムクロリド(BPC)などの有機塩化物と塩化アルミニウム(AlCl)とを混合して室温で液体のアルミニウムめっき浴を形成し、このめっき浴を用いて樹脂成形体の表面にアルミニウムを電気めっきすればよいことが記載されている(特開2012−144763号公報参照)。
また、上記特許文献には、アルミニウム電気めっき液に1,10−フェナントロリンを0.25g/L〜7.0g/Lの濃度で添加することにより、平滑なアルミニウム膜が形成されることが記載されている。
特開2012−144763号公報
但し、アルミニウム電気めっき液は通常何回も使用されるため、アルミニウム膜の平滑性を維持するためには、アルミニウム電気めっき液中の1,10−フェナントロリンの濃度を特定の範囲に管理、調整する必要がある。
従来のアルミニウム電気めっき方法の1,10−フェナントロリンの定量方法としては、めっき液から1,10−フェナントロリンを水で抽出し、Fe(II)を添加して1,10−フェナントロリンとFe(II)との錯体を紫外可視分光法によって検出する方法が一般的に採用されている。
しかし、従来の紫外可視分光法によって検出される1,10−フェナントロリンの定量では、1,10−フェナントロリンが所定量あるにも拘わらず、アルミニウム電気めっき膜の平滑性が維持されない事態が生じている。
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、アルミニウム電気めっき液中において、被めっき体に電着するアルミニウムの平滑性に寄与する1,10−フェナントロリンの濃度を適切に定量することが可能なアルミニウム電気めっき液の評価方法を提供することを目的とする。また、この評価方法を用い、被めっき体表面に安定して平滑なアルミニウム膜を電着させることが可能なアルミニウム電気めっき方法及び平滑なアルミニウム膜を備えるアルミニウム電気めっき物を提供することを目的とする。
本発明者等は、平滑なアルミニウム膜を得るためにアルミニウム電気めっき液の挙動を検討した結果、1,10−フェナントロリンがめっき液中でアルミニウムの平滑性に寄与する有効な1,10−フェナントロリンと、アルミニウムの平滑性に寄与しない無効な1,10−フェナントロリンとの2つの状態をとることを見出した。
加えて、本発明者等は、従来の紫外可視分光法による定量方法では上記2つの状態の1,10−フェナントロリンを区別して定量することができないが、NMRスペクトルを測定することで両者を区別してそれぞれ定量することができることを見い出した。
その結果得られた上記課題を解決するためになされた発明は、有機ハロゲン化物、アルミニウムハロゲン化物及び1,10−フェナントロリンを含有する溶融塩からなるアルミニウム電気めっき液の評価方法であって、上記溶融塩のNMRスペクトルを経時的に測定する工程と、上記スペクトルの経時的差分により有効な1,10−フェナントロリン又は無効な1,10−フェナントロリンを定量する工程とを備えるアルミニウム電気めっき液の評価方法である。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、有機ハロゲン化物、アルミニウムハロゲン化物及び1,10−フェナントロリンを含有する溶融塩を用いるアルミニウム電気めっき方法であって、上記溶融塩の1,10−フェナントロリンの平滑化性能を経時的に評価する工程と、上記評価工程での評価結果に基づき、溶融塩における有効な1,10−フェナントロリン量を調整する工程とを備え、上記評価工程で当該アルミニウム電気めっき液の評価方法を用いるアルミニウム電気めっき方法である。
上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、被めっき体と、この被めっき体の表面に積層されるアルミニウム電気めっき膜とを備えるアルミニウム電気めっき物であって、上記アルミニウム電気めっき膜が当該アルミニウム電気めっき方法で得られたアルミニウム電気めっき物である。
本発明のアルミニウム電気めっき液の評価方法は、溶融塩浴、つまりアルミニウム電気めっき液中において、電着するアルミニウムの平滑性に寄与する有効な1,10−フェナントロリンの濃度を適切に定量することができる。本発明のアルミニウム電気めっき方法によれば、被めっき体表面に安定して平滑なアルミニウム膜を電着させることが可能になる。本発明のアルミニウム電気めっき物は、アルミニウム電気めっき膜の平滑性が向上している。
実施例において測定した各アルミニウム電気めっき液のH−NMRスペクトルを表す図である。 実施例において測定したアルミニウム電気めっき液のH−NMRスペクトルを表す図である。 実施例において行ったアルミニウム電気めっきにおける有効な1,10−フェナントロリン濃度の経時的推移を表すグラフである。 実施例において行ったアルミニウム電気めっきにおける有効な1,10−フェナントロリン濃度と平滑性との関係を表すグラフである。 実施例1における有効な1,10−フェナントロリンのピーク強度と濃度との関係を表す検量線である。 実施例2における有効な1,10−フェナントロリンのピーク強度と濃度との関係を表す検量線である。
[本発明の実施形態の説明]
本発明は、有機ハロゲン化物、アルミニウムハロゲン化物及び1,10−フェナントロリンを含有する溶融塩からなるアルミニウム電気めっき液の評価方法であって、上記溶融塩のNMRスペクトルを経時的に測定する工程と、上記スペクトルの経時的差分により有効な1,10−フェナントロリン又は無効な1,10−フェナントロリンを定量する工程とを備える。
当該アルミニウム電気めっき液の評価方法によれば、アルミニウム電気めっき液中で、電着するアルミニウムの平滑性に寄与する有効な1,10−フェナントロリンと、電着するアルミニウムの平滑性に寄与しない無効な1,10−フェナントロリンとを区別して定量することが可能となる。
上記定量工程で、塩化1,10−フェナントロリニウム水和物を用いて作成した検量線により定量するとよい。かかる塩化1,10−フェナントロリニウム水和物は、上記溶融塩に添加する際、ほぼ全量が有効な1,10−フェナントロリンになるので、これを用いて作成した検量線により定量することにより、より正確に有効な1,10−フェナントロリン量を求めることができる。
上記定量工程で、テトラメチルシランを基準物質とした場合、7.7ppm以上8.0ppm以下、8.5ppm以上8.9ppm以下又は12.3ppm以上13.3ppm以下のピーク面積又はピーク高さを定量するとよい。有効な1,10−フェナントロリンは上記位置にピークを与えるため、このピークの面積又は高さを定量することにより、上記有効な1,10−フェナントロリンを定量することができる。
上記有機ハロゲン化物がアルキルイミダゾリウム塩で、上記アルミニウムハロゲン化物が塩化アルミニウムであるとよい。かかるアルキルイミダゾリウム塩と塩化アルミニウムとを含有する溶融塩は、従来の溶融塩に比べて融点が非常に低く、導電性を付与した樹脂製の被めっき体に対してもアルミニウム電気めっきが可能な優れた溶融塩である。当該アルミニウム電気めっき液の評価方法によれば、このような有望なアルミニウム電気めっき液における有効な1,10−フェナントロリンの濃度を正確に定量することができる。
上記1,10−フェナントロリンが、1,10−フェナントロリン水和物、1,10−フェナントロリン無水物又は塩化1,10−フェナントロリニウム水和物に由来するとよい。これらの1,10−フェナントロリンは、めっき液中で有効な1,10−フェナントロリンの状態になりうるため、めっき液を良好な状態に制御するために添加する添加剤として好ましい。
また、本発明は、有機ハロゲン化物、アルミニウムハロゲン化物及び1,10−フェナントロリンを含有する溶融塩を用いるアルミニウム電気めっき方法であって、上記溶融塩の1,10−フェナントロリンの平滑化性能を経時的に評価する工程と、上記評価工程での評価結果に基づき、溶融塩における有効な1,10−フェナントロリン量を調整する工程とを備え、上記評価工程で当該アルミニウム電気めっき液の評価方法を用いるアルミニウム電気めっき方法を含む。
当該アルミニウム電気めっき方法によれば、平滑な表面状態のアルミニウム膜を安定して製造することができる。
上記調整工程で、有効な1,10−フェナントロリン量を0.01g/L以上5g/L以下とするとよい。この有効な1,10−フェナントロリン量を上記範囲とすることで、アルミニウム膜の表面の算術平均粗さRaを0.1μm以下とすることが可能となる。
さらに、本発明は、被めっき体と、この被めっき体の表面に積層されるアルミニウム電気めっき膜とを備えるアルミニウム電気めっき物であって、上記アルミニウム電気めっき膜が、当該アルミニウム電気めっき方法で得られたアルミニウム電気めっき物を含む。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明に係るアルミニウム電気めっき液の評価方法、アルミニウム電気めっき方法及びアルミニウム電気めっき物の実施形態について、図面を参照しつつ詳説する。
<めっき液の評価方法>
本発明に係るアルミニウム電気めっき液の評価方法は、有機ハロゲン化物、アルミニウムハロゲン化物及び1,10−フェナントロリンを含有する溶融塩からなるアルミニウム電気めっき液の評価方法であって、上記溶融塩のNMRスペクトルを経時的に測定する工程と、上記スペクトルの経時的差分により有効な1,10−フェナントロリン又は無効な1,10−フェナントロリンを定量する工程とを備える。
(アルミニウム電気めっき液)
アルミニウム電気めっき液は、有機ハロゲン化物、アルミニウムハロゲン化物及び1,10−フェナントロリンを含有する溶融塩からなる。
上記有機ハロゲン化物は有機カチオンとハロゲン化物アニオンとを含む化合物である。有機ハロゲン化物としては、例えばアルキルイミダゾリウム塩、アルキルピリジニウム塩等が挙げられる。
上記アルキルイミダゾリウム塩としては、例えば1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(EMIC)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(BMIC)等が挙げられる。また、上記アルキルピリジニウム塩としては、例えばブチルピリジニウムクロリド(BPC)、メチルピリジニウムクロリド(MPC)等が挙げられる。
上記アルミニウムハロゲン化物としては、例えば塩化アルミニウム(AlCl)、臭化アルミニウム(AlBr)、ヨウ化アルミニウム(AlI3)等が挙げられる。
[測定工程]
測定工程では、溶融塩のNMRスペクトルを経時的に測定する。この測定工程は、アルミニウム電気めっきに用いる溶融塩を直接NMR分析することに特徴がある。これにより、有効な1,10−フェナントロリンと無効な1,10−フェナントロリンとを定量することができる。
有効な1,10−フェナントロリンとは、例えば1,10−フェナントロリンの窒素原子がプロトン化されているもの、窒素原子とアルミニウムハロゲン化物との間で相互作用が働いている状態のもの等と推定される。また、無効な1,10−フェナントロリンとは、例えば1,10−フェナントロリンの窒素原子がプロトン化されていないもの、窒素原子とアルミニウムハロゲン化物との間で相互作用が働いていない状態のもの、窒素原子が4級化されたもの等と推定される。無効な1,10−フェナントロリンは、アルミニウム電気めっきを継続すると、めっき液中に蓄積される。
測定工程では、具体的には、アルミニウム電気めっきを行っている溶融塩を経時的に採取し、異なる時刻における溶融塩の試料を得、それぞれのNMRスペクトルを測定する。
NMRスペクトルの測定は、H−NMR及び13C−NMRのいずれでもよいが、H−NMRの方が短時間で測定をすることができる点で好ましい。
[定量工程]
定量工程では、上記スペクトルの経時的差分により有効な1,10−フェナントロリン又は無効な1,10−フェナントロリンを定量する。具体的には、上記測定工程で得られたNMRスペクトルを経時的に差分処理し、有効な1,10−フェナントロリン量の減少又は無効な1,10−フェナントロリン量の増加を定量化する。これにより、平坦化に必要な1,10−フェナントロリンを溶融塩へ添加する時期を判断するための知見を得ることができる。
図1A及び図1Bに示すように1,10−フェナントロリンを含有するアルミニウム電気めっき液のH−NMRスペクトルを測定すると、テトラメチルシラン(TMS)を基準物質とした場合に、有効な1,10−フェナントロリンは7.7ppm以上8.0ppm以下(7.8ppm)と8.5ppm以上8.9ppm以下(8.7ppm)と12.3ppm以上13.3ppm以下(12.8ppm)との位置にピークが検出され、無効な1,10−フェナントロリンは7.4ppm以上7.6ppm以下(7.5ppm)と8.1ppm以上8.5ppm以下(8.3ppm、8.5ppm)との位置にピークが検出される。上記( )内は、最も標準的なピーク位置を示す。
上記定量においては、有効な1,10−フェナントロリンが与えるピークのうち、12.3ppm以上13.3ppm以下(12.8ppm)の位置のピークを用いて、定量を行うのが好ましい。上記位置付近には他の物質のピークがほとんど存在しないため、有効な1,10−フェナントロリン量をより正確に求めることができる。
なお、1,10−フェナントロリンのピークが上記位置に検出されるのは、アルミニウム電気めっき液が、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(EMIC)と塩化アルミニウムとを1:2のモル比で混合した組成の場合であるが、アルミニウム電気めっき液が他の組成の場合であっても1,10−フェナントロリンが別の物質に変化していない限り、NMR法により有効な1,10−フェナントロリンと無効な1,10−フェナントロリンとを区別して検出することができる。
例えば、上記組成以外のアルミニウム電気めっき液の場合、1,10−フェナントロリンのNMR測定におけるピーク位置が上記組成の場合とは変化したとしても、次のようにして、有効な1,10−フェナントロリンと無効な1,10−フェナントロリンとを区別して検出することができる。すなわち、測定するアルミニウム電気めっき液に有効な1,10−フェナントロリンを多く含有するものと、無効な1,10−フェナントロリンを多く含有するものとを用意し、両者のNMRスペクトルを測定して比較することで、有効な1,10−フェナントロリンが与えるピークの位置と、無効な1,10−フェナントロリンが与えるピークの位置とを把握することが可能である。
この場合に、有効な1,10−フェナントロリンを多く含有するアルミニウム電気めっき液としては、例えば1,10−フェナントロリンを添加した直後のものを利用することができる。また、無効な1,10−フェナントロリンを多く含有するアルミニウム電気めっき液としては、例えばアルミニウム電気めっき液に1,10−フェナントロリンを添加した後に、被めっき体表面にアルミニウムを電着させ続け、アルミニウム膜の表面が粗くなった状態のめっき液を利用することができる。
アルミニウム電気めっき液が含有する1,10−フェナントロリンの原料としては、例えば1,10−フェナントロリン水和物、1,10−フェナントロリン無水物、塩化1,10−フェナントロリニウム水和物等が挙げられる。これらの原料中で、1,10−フェナントロリン、塩化1,10−フェナントロリニウムが好ましい。これらの1,10−フェナントロリンはアルミニウム電気めっき液中で、高い確率で有効な1,10−フェナントロリンの状態になりうる。塩化1,10−フェナントロリニウム水和物は、アルミニウム電気めっき液に添加した場合に、ほぼ全量が有効な1,10−フェナントロリンとなるため、特に好ましい。
上述のNMRスペクトルから有効な1,10−フェナントロリンの濃度を算出する具体的な方法としては、例えば以下の検量線を利用する方法又は内部標準物質を利用する方法を挙げることができる。
[検量線を利用する方法]
この方法は、塩化フェナントロリニウム水和物がアルミニウム電気めっき液に添加された場合に、ほぼ全量が有効な1,10−フェナントロリンの状態となることを利用するものである。
具体的には、溶融塩に、塩化1,10−フェナントロリニウム一水和物をその濃度がそれぞれ異なるように添加した試料を複数用意し、これらのNMRスペクトルを測定する。このとき、有効な1,10−フェナントロリンに由来するピークの強度はその濃度との相関があるため、これを利用して検量線を作成する。これにより、有効な1,10−フェナントロリンの濃度が未知のアルミニウム電気めっき液であっても、NMRスペクトルを測定して、有効な1,10−フェナントロリンに由来するピークの強度から上記検量線を用いてその濃度を算出することができる。
[内部標準物質を利用する方法]
この方法は、アルミニウム電気めっき液に、1,10−フェナントロリンやめっき液の成分と化学反応をしない添加剤を内部標準物質として添加する方法である。具体的には、アルミニウム電気めっき液中に上記添加剤を所定量添加しNMRスペクトルを測定する。これにより、NMRスペクトル中の上記添加剤に由来するピークと有効な1,10−フェナントロリンに由来するピークとの強度の比と添加剤の濃度とから有効な1,10−フェナントロリンの濃度を算出することができる。
<アルミニウム電気めっき方法>
本発明に係るアルミニウム電気めっき方法は、有機ハロゲン化物、アルミニウムハロゲン化物及び1,10−フェナントロリンを含有する溶融塩を用いるアルミニウム電気めっき方法であって、上記溶融塩の1,10−フェナントロリンの平滑化性能を経時的に評価する工程と、上記評価工程での評価結果に基づき、溶融塩における有効な1,10−フェナントロリン量を調整する工程とを備える。当該アルミニウム電気めっき方法は、上記評価工程で当該アルミニウム電気めっき液の評価方法を用いる。
[調整工程]
調整工程では、上記評価工程での評価結果に基づき、溶融塩における有効な1,10−フェナントロリン量を調整する。具体的には、アルミニウム電気めっきを行っている溶融塩に、有効な1,10−フェナントロリンが所定範囲の濃度になるように、新たな1,10−フェナントロリンの添加、又は新たな有機ハロゲン化物、アルミニウムハロゲン化物等の溶融塩の成分の添加を行う。これにより、被めっき体表面に安定して平滑なアルミニウム膜を電着させることが可能になる。
電着するアルミニウムの表面の算術平均粗さ(Ra)としては、0.1μm以下が好ましく、0.08μm以下がより好ましい。算術平均粗さは、レーザー顕微鏡により測定される値である。
アルミニウム電気めっき液の有効な1,10−フェナントロリンの濃度の下限としては、0.01g/Lが好ましく、0.1g/Lがより好ましく、0.15g/Lがさらに好ましい。また、上記濃度の上限としては、5g/Lが好ましく、1g/Lがより好ましく、0.3g/Lがさらに好ましい。上記濃度が上記下限未満の場合、電着するアルミニウム膜の平滑性が十分得られないおそれがある。逆に、上記濃度が上記上限を超える場合、強すぎる平滑効果により電着が阻害され、めっきのコゲが発生するおそれがある。
溶融塩に新たに添加する1,10−フェナントロリンの原料としては、例えば1,10−フェナントロリン水和物、1,10−フェナントロリン無水物、塩化1,10−フェナントロリニウム水和物等が挙げられる。上述したように、添加したものがめっき液中で高い確率で有効な1,10−フェナントロリンになりうる観点から、これらの中で、1,10−フェナントロリン水和物、塩化1,10−フェナントロリニウム水和物が好ましく、塩化1,10−フェナントロリニウム水和物が特に好ましい。
<アルミニウム電気めっき物>
本発明に係るアルミニウム電気めっき物は、被めっき体と、この被めっき体の表面に積層されるアルミニウム電気めっき膜とを備えるアルミニウム電気めっき物である。上記アルミニウム電気めっき膜は、当該アルミニウム電気めっき方法で得られる。当該アルミニウム電気めっき物は、上述の当該アルミニウム電気めっき方法により得られるので、そのアルミニウム電気めっき膜の平滑性が向上している。
被めっき体は、表面にアルミニウムを形成する用途があるものであれば特に限定されない。被めっき体としては例えば銅板、鋼帯、銅線、鋼線、導電化処理を施した樹脂等が挙げられる。上記導電化処理を施した樹脂としては、例えばポリウレタン、メラミン樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等に導電化処理を施したもの等が挙げられる。
上記被めっき体としての樹脂の形状は特に限定されないが、三次元網目状構造を有する樹脂成形体を用いることが好ましい。これにより、最終的に各種フィルタ、触媒担体、電池用電極などの用途に優れた特性を発揮する三次元網目状構造を有するアルミニウム多孔体を作製することができる。また、不織布形状を有する樹脂を用いることによっても最終的に多孔質構造を有するアルミニウム多孔体を作製することができ、このようにして作製された不織布形状を有するアルミニウム多孔体も、各種フィルタ、触媒担体、電池用電極などの用途に好ましく用いることができる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<めっき液の評価>
(検量線の作成)
以下のようにして、有効な1,10−フェナントロリン量と、H−NMRスペクトルにおけるピークの積分値との関係を示す検量線を作成した。
(実施例1)
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリドと塩化アルミニウムとをモル比1:2で混合した溶融塩を調製した。この溶融塩に、塩化1,10−フェナントロリニウム一水和物を濃度がそれぞれ異なるように添加して、複数の検量線作成用試料を調製した。
次に、上記各検量線作成用試料を、露点−30℃のグローブボックス内で、直径5mmのNMRチューブに600μL測りとった。また、濃度既知であるマレイン酸のジメチルスルホキシド(DMSO)溶液を直径1mmのキャピラリに封入したものを、上記NMRチューブ内にセットした。
次いで、上記各試料について、核磁気共鳴装置(ブルカーバイオスピン社の「AVANCE III HD」を使用し、核種をHとして、待ち時間60秒、積算128回の条件で、室温下でH−NMRスペクトルを測定した。この測定結果を表1に示す。またこれを検量線としてグラフに表したものを図4に示す。
Figure 0006287541
(実施例2)
ブチルピリジニウムクロリドと塩化アルミニウムとをモル比1:2で混合した溶融塩を調製した。これらの溶融塩に、塩化1,10−フェナントロリニウム一水和物を濃度がそぞれ異なるように添加して、複数の検量線作成用試料を調製した。
次に、上記各検量線作成用試料について、上記実施例1と同様の手順及び条件でH−NMRスペクトルを測定した。この測定結果を表2に示す。またこれを検量線(1.1ppmのBPC由来のピークを基準とした)としてグラフに表したものを図5に示す。
Figure 0006287541
(実施例3)
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリドとブチルピリジニウムクロリドとをモル比1:5、1:1、及び5:1で混合し、この混合物と塩化アルミニウムとをモル比1:2で混合した複数の溶融塩を調製した。これらの溶融塩に、塩化1,10−フェナントロリニウム一水和物を濃度がそれぞれ異なるように添加して、複数の検量線作成用試料を調製した。
次に、上記各検量線作成用試料について、上記実施例1と同様の手順及び条件でH−NMRスペクトルを測定した。その結果、検出ピークの位置の平均値は、7.8ppm、8.7ppm、及び12.8ppmであった。
(アルミニウム電気めっき液のH−NMRスペクトル測定)
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリドと塩化アルミニウムをモル比1:2で混合した溶融塩を調製した。この溶融塩に、1,10−フェナントロリン一水和物、1,10−フェナントロリン無水物又は塩化1,10−フェナントロリニウム一水和物を5g/Lの濃度となるように加えたものを調製し、それぞれ[A]液、[B]液、[C]液とした。さらに[B]液を用いて繰り返しアルミニウム電気めっきを行い、その使用後のめっき液を[D]液とした。
上記[A]液〜[D]液の各試料について、上記検量線作成用試料の場合と同様の方法により、H−NMRスペクトルを測定した。[A]液〜[D]液のH−NMRスペクトルの測定結果(7.3ppm〜9ppm)を図1Aに示す。また、[C]液のH−NMRスペクトルの測定結果(7.7ppm〜13ppm)を図1Bに示す。
(有効な1,10−フェナントロリン量の定量)
6.3ppm付近に現れるマレイン酸のピークを基準に、有効な1,10−フェナントロリンに由来するピークの積分値を算出した。
上記作成した有効な1,10−フェナントロリンの積分値と濃度との関係を示す検量線を用いて、[A]液〜[D]液における有効な1,10−フェナントロリンの濃度を算出した。結果を表3に示す。
Figure 0006287541
<アルミニウム電気めっきの実施>
めっき液として、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(EMIC)と塩化アルミニウムをモル比1:2で混合した溶融塩に、さらに1,10−フェナントロリン一水和物を5.0g/Lの濃度になるように添加したものを調製した。
被めっき体として銅板を用い、上記調製したアルミニウム電気めっき液を用いて、アルミニウム電気めっきを実施し、銅板表面にアルミニウムを電着させた。そして、180分間隔でアルミニウム電気めっき液を採取し、そのH−NMRスペクトルを測定し、それぞれについて有効な1,10−フェナントロリンの濃度を算出した。算出した有効な1,10−フェナントロリンの濃度の値に基づいて、この濃度が0.01g/L以上5.00g/L以下の範囲になるように、塩化1,10−フェナントロリニウム一水和物を適宜添加しながらアルミニウム電気めっきを継続した。
図2に、アルミニウム電気めっき継続時におけるアルミニウム電気めっき液中の有効な1,10−フェナントロリン濃度の経時的推移を示す。
また、上述のアルミニウム電気めっきを、有機塩化物として、EMICの代わりに1−ブチルピリジニウムクロリド(BPC)を用いて、同様に行った。これらのアルミニウム電気めっきにおける測定されたアルミニウム電気めっき液中の有効な1,10−フェナントロリンの濃度と、表面の算術平均粗さRaで表される形成されたアルミニウム電気めっき膜の平滑性との関係を図3に示す。
上記アルミニウム電気めっきの結果、銅板表面には算術平均粗さRaが0.1μm以下の平滑なアルミニウム電気めっき膜が安定して形成されていた。なお、比較として、有効な1,10−フェナントロリンの濃度を制御せずに、最初に調製しためっき液をそのまま使用し続けた以外は上記と同様にして銅板にアルミニウム電気めっきを行ったところ、360分後あたりから、算術平均粗さRaが0.1μm程度の岩肌の粗いアルミニウム電気めっき膜が形成され始めた。
本発明のアルミニウム電気めっき液の評価方法は、溶融塩浴、つまりアルミニウム電気めっき液中において、電着するアルミニウムの平滑性に寄与する有効な1,10−フェナントロリンの濃度を適切に定量することができる。本発明のアルミニウム電気めっき方法によれば、被めっき体表面に安定して平滑なアルミニウム膜を電着させることが可能になる。本発明のアルミニウム電気めっき物は、アルミニウム電気めっき膜の平滑性が向上している。

Claims (7)

  1. 有機ハロゲン化物、アルミニウムハロゲン化物及び1,10−フェナントロリンを含有する溶融塩からなるアルミニウム電気めっき液の評価方法であって、
    上記溶融塩のNMRスペクトルを経時的に測定する工程と、
    上記スペクトルの経時的差分により有効な1,10−フェナントロリン又は無効な1,10−フェナントロリンを定量する工程と
    を備え
    上記定量工程で、塩化1,10−フェナントロリニウム水和物を用いて作成した検量線により定量するアルミニウム電気めっき液の評価方法。
  2. 上記定量工程で、テトラメチルシランを基準物質とした場合、7.7ppm以上8.0ppm以下、8.5ppm以上8.9ppm以下又は12.3ppm以上13.3ppm以下のピーク面積又はピーク高さを定量する請求項1に記載のアルミニウム電気めっき液の評価方法。
  3. 上記有機ハロゲン化物がアルキルイミダゾリウム塩で、上記アルミニウムハロゲン化物が塩化アルミニウムである請求項1又は請求項2に記載のアルミニウム電気めっき液の評価方法。
  4. 上記1,10−フェナントロリンが、1,10−フェナントロリン水和物、1,10−フェナントロリン無水物又は塩化1,10−フェナントロリニウム水和物に由来する請求項1、請求項2又は請求項3に記載のアルミニウム電気めっき液の評価方法。
  5. 有機ハロゲン化物、アルミニウムハロゲン化物及び1,10−フェナントロリンを含有する溶融塩を用いるアルミニウム電気めっき方法であって、
    上記溶融塩の1,10−フェナントロリンの平滑化性能を経時的に評価する工程と、
    上記評価工程での評価結果に基づき、溶融塩における有効な1,10−フェナントロリン量を調整する工程とを備え、
    上記評価工程で請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のアルミニウム電気めっき液の評価方法を用いるアルミニウム電気めっき方法。
  6. 上記調整工程で、有効な1,10−フェナントロリン量を0.01g/L以上5g/L以下とする請求項5に記載のアルミニウム電気めっき方法。
  7. 被めっき体と、この被めっき体の表面に積層されるアルミニウム電気めっき膜とを備えるアルミニウム電気めっき物の製造方法であって、
    上記アルミニウム電気めっき膜が、請求項5又は請求項6に記載のアルミニウム電気めっき方法で得られたアルミニウム電気めっき物の製造方法
JP2014090760A 2014-04-24 2014-04-24 アルミニウム電気めっき液の評価方法、アルミニウム電気めっき方法及びアルミニウム電気めっき物の製造方法 Active JP6287541B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014090760A JP6287541B2 (ja) 2014-04-24 2014-04-24 アルミニウム電気めっき液の評価方法、アルミニウム電気めっき方法及びアルミニウム電気めっき物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014090760A JP6287541B2 (ja) 2014-04-24 2014-04-24 アルミニウム電気めっき液の評価方法、アルミニウム電気めっき方法及びアルミニウム電気めっき物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015209558A JP2015209558A (ja) 2015-11-24
JP6287541B2 true JP6287541B2 (ja) 2018-03-07

Family

ID=54612008

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014090760A Active JP6287541B2 (ja) 2014-04-24 2014-04-24 アルミニウム電気めっき液の評価方法、アルミニウム電気めっき方法及びアルミニウム電気めっき物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6287541B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017206739A (ja) * 2016-05-18 2017-11-24 住友電気工業株式会社 アルミニウム合金及びアルミニウム合金の製造方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2963815B2 (ja) * 1992-02-12 1999-10-18 日新製鋼株式会社 溶融塩型電気Al系めっき浴中の水分管理方法
JP5950162B2 (ja) * 2012-09-18 2016-07-13 住友電気工業株式会社 アルミニウム膜の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015209558A (ja) 2015-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Abbott et al. Electrodeposition of copper–tin alloys using deep eutectic solvents
Abbott et al. Electrodeposition of copper composites from deep eutectic solvents based on choline chloride
Bobrova et al. Effects of temperature and water content on physicochemical properties of ionic liquids containing CrCl3· xH2O and choline chloride
Shin et al. Effects of crystallographic orientation on corrosion behavior of magnesium single crystals
Yapontseva et al. Study of the composition, corrosion, and catalytic properties of Co-W alloys electrodeposited from a citrate pyrophosphate electrolyte
JP2009541581A (ja) 亜鉛合金被覆の電気的析出のための、シアン化物を含有しない水性アルカリ性の浴
TWI548782B (zh) 無氰化物之酸性消光銀電鍍組成物及方法
Ibrahim et al. Noncrystalline cobalt coatings on copper substrates by electrodeposition from complexing acidic glycine baths
DE112013004530T5 (de) Verfahren zur Erzeugung eines Aluminiumfilmes
JP6287541B2 (ja) アルミニウム電気めっき液の評価方法、アルミニウム電気めっき方法及びアルミニウム電気めっき物の製造方法
Karahan Effects of pH Value of the Electrolyte and Glycine Additive on Formation and Properties of Electrodeposited Zn‐Fe Coatings
KR0127832B1 (ko) 낮은 내부 응력을 갖는 체(sieve)재료의 형성방법 및 그에따라 수득된 체 재료
Lin et al. Nucleation mechanism of silver during electrodeposition on a glassy carbon electrode from a cyanide-free bath with 2-hydroxypyridine as a complexing agent
Kamel Anomalous codeposition of Co–Ni: alloys from gluconate baths
KR20170021252A (ko) 알루미늄 도금액, 알루미늄막의 제조 방법 및, 알루미늄 다공체
WO2017199564A1 (ja) アルミニウム合金及びアルミニウム合金の製造方法
Rao et al. Synergistic effect of gelatin and glycerol on electrodeposition of Zn-Ni alloy
Gabrielli et al. An investigation of copper interconnect deposition bath ageing by electrochemical impedance spectroscopy
JP2002053994A (ja) 銅電気めっき組成物
JP2015140441A (ja) アルミニウムめっき液及びアルミニウム膜の製造方法
KR101325430B1 (ko) 도금 용액 내의 uss-p 및 폴리에틸렌 글리콜계유기물의 농도를 정량적으로 분석하는 방법
MELCIU et al. Pulse-electroplating: Process parameters and their influence on the formed microstructure
JP6011874B2 (ja) めっき液に含まれる抑制剤の評価方法
Dahms et al. Characterization of bright/semi-bright nickel electrolytes & corrosion properties of the corresponding nickel deposits
JP2009052118A (ja) 硫酸銅めっき液における含窒素有機化合物濃度の測定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170213

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171004

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180122

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6287541

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250