JP6287158B2 - 太陽電池モジュール封止材の製造方法及び太陽電池モジュール封止材 - Google Patents

太陽電池モジュール封止材の製造方法及び太陽電池モジュール封止材 Download PDF

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Description

本発明は太陽電池モジュール用封止材の製造方法及び当該製法によって得られる太陽電池モジュール封止材に関する。
太陽電池モジュール用封止材としては、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)をベース樹脂とし、架橋剤と、架橋助剤とを含有する構成が知られている。この場合、上記の組成物は、押し出し成形時に架橋反応が進むと、成形時の負荷が過大となり生産性が低下、或いは成形不能となってしまうため、一般的に50℃〜90℃の低温加熱による押し出しで未架橋のまま成形される。そして、通常は成形後に応力緩和のためのアニール処理を経て、真空加熱ラミネートによるモジュール化工程又はその後の加熱工程によって架橋される。
一方、EVAの欠点である水蒸気バリア性の低下という問題を解決するため、ポリエチレン系樹脂ベースの封止材も知られている。
特許文献1には、密度0.900g/cm以下のポリエチレン系樹脂と、組成物中に0.02質量%以上0.5質量%未満含有する重合開始剤と、を含む樹脂組成物を溶融成形する太陽電池モジュール用封止材の製造方法が開示されており、少量の架橋剤を高温で製膜することにより、製膜時にいわゆる弱架橋を形成して架橋済となり、後のモジュール化工程における架橋処理を不要とするものである。
特許文献2には、密度0.900g/cm以下の低密度ポリエチレンと、架橋剤と、架橋助剤と、を含有する封止材組成物を溶融成形して未架橋の封止材シートを得るシート化工程と、この未架橋の封止材シートを、ゲル分率が2%以上80%以下となるように架橋処理する架橋工程と、を備える太陽電池モジュール用封止材の製造方法が開示されており、特許文献1と同様に、後のモジュール化工程における架橋処理を不要とする架橋済の封止材が得られる。
WO2011/152314国際公開パンフレット 特開2012−248605号公報
特許文献1の弱架橋した封止材は、製膜性と、太陽電池モジュールとした際の耐熱性と、を両立させているが、耐熱性の更なる改善の要求がある。
特許文献2の架橋済の封止材は、後の架橋工程によって耐熱性を向上できる。しかしながら、モジュール化工程のラミネート時や、モジュール化後の耐久試験において、封止材中に気泡が発生する。この問題は、架橋剤の含有量と関係があり、組成物中に多量の架橋剤が存在することが気泡発生の原因となっている。しかし、気泡が発生しない程度まで架橋剤の含有量を減らすと、耐熱性が低下してしまうので、耐熱性と気泡抑制の両立は従来困難であった。
本発明者らは、架橋剤の使用を2段階に分け、製膜時に少量の第1の架橋剤を含有して製膜して弱架橋を形成させ、その後、第2の架橋剤を表面に塗布含浸させることにより、その後のモジュール化工程における十分な架橋処理と、上記の気泡抑制の両立が可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 密度0.900g/cm以下のポリエチレン系樹脂と、組成物中に0.02質量%以上0.5質量%未満含有する1分間半減期温度が160℃以上200℃以下の第1の架橋剤と、を含む樹脂組成物を、前記第1の架橋剤の1分間半減期温度以上の温度で溶融成形して基材シートを得た後に、
前記基材シートの少なくとも一方の面上に、1分間半減期温度が130℃以上170℃未満の第2の架橋剤を0.5g/m以上7.5g/m以下の塗布量で塗布して得られる太陽電池モジュール用封止材の製造方法。
(2) (1)に記載の製造方法によって得られる太陽電池モジュール用封止材であって、
前記基材シート中に、
前記第1の架橋剤を実質的に含有せず、
前記第2の架橋剤を0.1質量%以上1.5質量%以下含有し、
ゲル分率が0%以上1%以下である太陽電池モジュール用封止材。
(3) (2)に記載の太陽電池モジュール用封止材を130℃で15分間加熱し、150℃で20分間キュアした際のゲル分率が1%以上40%以下である太陽電池モジュール用封止材。
本発明の太陽電池モジュール用封止材の製造方法及び当該製法によって得られる太陽電池モジュール封止材によれば、耐熱性を有し、かつ、モジュール化の際のラミネート工程や耐久試験後における気泡発生を抑制できる。
本発明の封止材を用いた太陽電池モジュールについて、その層構成の一例を示す断面図である。
本発明は、(A)密度0.900g/cm以下のポリエチレン系樹脂と、組成物中に0.02質量%以上0.5質量%未満含有する1分間半減期温度が160℃以上200℃以下の第1の架橋剤と、を含む樹脂組成物を、前記第1の架橋剤の1分間半減期温度以上の温度で溶融成形して基材シートを得る工程と、(B)基材シートの少なくとも一方の面上に、1分間半減期温度が130℃以上170℃未満の第2の架橋剤を0.5g/m以上7.5g/m以下の塗布量で塗布する工程と、からなる。以下、それぞれの工程に分けて順次説明する。
<(A)基材シートを得る工程>
本発明の基材シートを製造するための組成物(以下、単に、「組成物」ともいう)は、密度が0.900g/cm以下のポリエチレン系樹脂を90%以上含有する樹脂組成物と、第1の架橋剤と、を必須成分として含有する。
[ポリエチレン系樹脂]
ベース樹脂として、本発明においては密度が0.900g/cm以下の低密度ポリエチレン(LDPE)、好ましくは直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)を用いる。直鎖低密度ポリエチレンはエチレンとα−オレフィンとの共重合体であり、本発明においては、その密度が0.900g/cm以下、好ましくは0.870〜0.890g/cmの範囲である。この範囲であれば、シート加工性を維持しつつ良好な透明性と耐熱性を付与することができる。
本発明においてはメタロセン系直鎖低密度ポリエチレンを用いることが好ましい。メタロセン系直鎖低密度ポリエチレンは、シングルサイト触媒であるメタロセン触媒を用いて合成されるものである。このようなポリエチレンは側鎖の分岐が少なく、コモノマーの分布が均一である。このため、分子量分布が狭く、上記のような超低密度にすることが可能である。また、結晶性分布が狭く、結晶サイズが揃っているので、結晶サイズの大きいものが存在しないばかりでなく、低密度であるために結晶性自体が低い。このため、シート状に加工した際の透明性に優れる。したがって、本発明の太陽電池モジュール用封止材が透明前面基板と太陽電池素子との間に配置されても発電効率はほとんど低下しない。
直鎖低密度ポリエチレンのα−オレフィンとしては、好ましくは分枝を有しないα−オレフィンが好ましく使用され、これらの中でも、炭素数が6〜8のα−オレフィンである1−ヘキセン、1−ヘプテン又は1−オクテンが特に好ましく使用される。α−オレフィンの炭素数が6以上8以下であることにより、太陽電池モジュール用封止材に良好な柔軟性を付与することができるとともに良好な強度を付与することができる。その結果、太陽電池モジュール用封止材と基材との密着性が高まり、太陽電池モジュール用封止材と基材との間への水分の浸入を抑えることができる。
ポリエチレン系樹脂のメルトマスフローレート(MFR)は、190℃、荷重2.16kg、において1.0g/10分以上40g/10分以下であることが好ましく、2g/10分以上40g/10分以下であることが更に好ましい。MFRが上記の範囲であることにより、製膜時の加工適性に優れる。
本明細書中におけるMFRとは、特に断りのない限り、以下の方法により得られた値である。
MFR(g/10min):JIS K7210に準拠して測定。具体的には、ヒーターで加熱された円筒容器内で合成樹脂を、190℃で加熱・加圧し、容器底部に設けられた開口部(ノズル)から10分間あたりに押出された樹脂量を測定した。試験機械は押出し形プラストメータを用い、押出し荷重については2.16kgとした。
尚、多層フィルムである封止材シートについては、全ての層が一体積層された多層状態のまま、上記処理による測定を行い、得た測定値を当該多層の封止材シートのMFR値とした。
本発明における「ポリエチレン系樹脂」には、エチレンを重合して得られる通常のポリエチレンのみならず、α−オレフィン等のようなエチレン性の不飽和結合を有する化合物を重合して得られた樹脂、エチレン性不飽和結合を有する複数の異なる化合物を共重合させた樹脂、及びこれらの樹脂に別の化学種をグラフトして得られる変性樹脂等が含まれる。
なかでも、少なくともα−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物とをコモノマーとして共重合してなるシラン共重合体を好ましく使用することができる。このような樹脂を使用することにより、透明前面基板や太陽電池素子等といった部材と太陽電池モジュール用封止材との接着性が得られる。
シラン共重合体は、例えば、特開2003−46105号公報に記載されているものである。当該共重合体を太陽電池モジュールの封止材組成物の成分として使用することにより、強度、耐久性等に優れ、且つ、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐風圧性、耐降雹性、その他の諸特性に優れ、更に、太陽電池モジュールを製造する加熱圧着等の製造条件に影響を受けることなく極めて優れた熱融着性を有し、安定的に、低コストで、種々の用途に適する太陽電池モジュールを製造し得る。
シラン共重合体は、少なくともα−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物をコモノマーとし、必要に応じて更にその他の不飽和モノマーをコモノマーとして共重合して得られる共重合体であり、該共重合体の変性体ないし縮合体も含むものである。
具体的には、例えば、α−オレフィンの1種ないし2種以上と、エチレン性不飽和シラン化合物の1種ないし2種以上と、必要ならば、その他の不飽和モノマーの1種ないし2種以上とを、所望の反応容器を使用し、例えば、圧力500〜4000kg/cm位、好ましくは、1000〜4000kg/cm位、温度100〜400℃位、好ましくは、150〜350℃位の条件下で、ラジカル第1の架橋剤及び必要ならば連鎖移動剤の存在下で、同時に或いは段階的にランダム共重合させ、更には、必要に応じて、その共重合によって生成するランダム共重合体を構成するシラン化合物の部分を変性ないし縮合させて、α−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体又はその変性ないし縮合体を製造することができる。
また、α−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体又はその変性ないし縮合体としては、例えば、α−オレフィンの1種ないし2種以上と、必要ならば、その他の不飽和モノマーの1種ないし2種以上とを、所望の反応容器を使用し、上記と同様に、ラジカル第1の架橋剤及び必要ならば連鎖移動剤の存在下で、同時に或いは段階的に重合させ、次いで、その重合によって生成するポリオレフィン系重合体に、エチレン性不飽和シラン化合物の1種ないし2種以上をグラフト共重合させ、更には、必要に応じて、その共重合体によって生成するグラフト共重合体を構成するシラン化合物の部分を変性ないし縮合させて、α−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体又はその変性ないし縮合体を製造することができる。
α−オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンより選択される1種以上を使用することができる。
エチレン性不飽和シラン化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリペンチロキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリベンジルオキシシラン、ビニルトリメチレンジオキシシラン、ビニルトリエチレンジオキシシラン、ビニルプロピオニルオキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリカルボキシシランより選択される1種以上を使用することができる。
その他の不飽和モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、ビニルアルコールより選択される1種以上を使用することができる。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、ラウロイルパーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物、分子状酸素、アゾビスイソブチロニトリルアゾイソブチルバレロニトリル等のアゾ化合物等を使用することができる。
連鎖移動剤としては、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン等のパラフィン系炭化水素、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン等のα−オレフィン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、n−ブチルアルデヒド等のアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン、芳香族炭化水素、塩素化炭化水素等を使用することができる。
ランダム共重合体を構成するシラン化合物の部分を変性ないし縮合させる方法、或いは、グラフト共重合体を構成するシラン化合物の部分を変性ないし縮合させる方法としては、例えば、錫、亜鉛、鉄、鉛、コバルト等の金属のカルボン酸塩、チタン酸エステル及びキレート化物等の有機金属化合物、有機塩基、無機酸、及び、有機酸等のシラノール縮合触媒等を使用し、α−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物とのランダム共重合体或いはグラフト共重合体を構成するシラン化合物の部分のシラノール間の脱水縮合反応等を行うことにより、α−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体の変性ないし縮合体を製造する方法が挙げられる。
シラン共重合体としては、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、及びグラフト共重合体のいずれであっても好ましく使用することができるが、グラフト共重合体であることがより好ましく、重合用ポリエチレンを主鎖とし、エチレン性不飽和シラン化合物が側鎖として重合したグラフト共重合体が更に好ましい。このようなグラフト共重合体は、接着力に寄与するシラノール基の自由度が高くなるため、太陽電池モジュールにおける他の部材への太陽電池モジュール用封止材の接着性を向上することができる。
α−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体を構成する際のエチレン性不飽和シラン化合物の含有量としては、全共重合体質量に対して、例えば、0.001〜15質量%位、好ましくは、0.01〜5質量%位、特に好ましくは、0.05〜2質量%位が望ましいものである。本発明において、α−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体を構成するエチレン性不飽和シラン化合物の含有量が多い場合には、機械的強度及び耐熱性等に優れるが、含有量が過度になると、引っ張り伸び及び熱融着性等に劣る傾向にある。
樹脂組成物に含まれる上記の密度0.900g/cm以下のポリエチレン系樹脂の含有量は、封止材組成物中に90質量%以上であればよく、99.9%以上であることが好ましい。その範囲内において、その他の樹脂を含んでいてもよい。その他の樹脂としては、例えば0.900g/cmを超える他のポリエチレン系樹脂等が例示できる。これらは、例えば添加用樹脂として用いてもよく、後述のその他の成分をマスターバッチ化するために使用できる。
[第1の架橋剤]
本発明においては、従来知られている太陽電池モジュール用封止材組成物の一般的な架橋処理を行う場合とは異なり、組成物に対する第1の架橋剤の含有量が、一般的な架橋処理の場合よりも少ない特定の範囲の含有量となるように第1の架橋剤を使用する。第1の架橋剤の含有量は、太陽電池モジュール用封止材組成物中に0.02質量%以上0.5質量%未満であり、上限は好ましくは0.2質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下である。この範囲未満であると上記ポリエチレン系樹脂の弱架橋が進まず耐熱性が不足し、透明性も低下する。また、この範囲を超えると、成形中にゲルが発生する等して製膜性が低下する。
第1の架橋剤は1分間半減期温度が160℃以上200℃以下である。1分間半減期温度が160℃未満であると成形中に第1の架橋剤を十分に分散させてから架橋反応を進行させることが困難である点から好ましくない。200℃を超えると、製膜温度が230℃超必要となり、ベースのポリエチレン系樹脂の酸化劣化やシラン変性樹脂の架橋による劣化が生じるので不適である。
第1の架橋剤の具体例としては、例えば公知のラジカル第1の架橋剤を用いることができる。ラジカル第1の架橋剤としては、例えば、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ヒドロパーオキシ)ヘキサン等のヒドロパーオキサイド類;ジ‐t‐ブチルパーオキサイド、t‐ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐パーオキシ)ヘキシン‐3等のジアルキルパーオキサイド類;ビス‐3,5,5‐トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、o‐メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4‐ジクロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;t‐ブチルパーオキシアセテート、t‐ブチルt‐‐エチルヘキサノエート、t‐ブチルパーオキシピバレート、t‐ブチルパーオキシオクトエート、t‐ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t‐ブチルパーオキシベンゾエート、ジ‐t‐ブチルパーオキシフタレート、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン‐3、t‐ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート等のパーオキシエステル類;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;t−アミル−パーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、t−ブチルパーオキシ2―エチルヘキシルカーボネート等のパーオキシカーボネート類、等の有機過酸化物、又は、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4‐ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジクミルパーオキサイド、といったシラノール縮合触媒等を挙げることができる。
上記のなかでも、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等が好ましく使用できる。これらは、活性酸素量が5%以上と高く、また第1の架橋剤の1分間半減期温度が160から200℃であり成形時点で消費されて、ポリエチレンを効率良く架橋させることができる。
[架橋助剤]
本発明においては、実質的に架橋助剤は使用しないことが好ましい。ここで架橋助剤とは、例えば、多官能ビニル系モノマー及び/又は多官能エポキシ系モノマー等であり、具体的には、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアリルシアヌレート、ジアリルフタレート、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート等のポリアリル化合物、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート等のポリ(メタ)アクリロキシ化合物、二重結合とエポキシ基を含むグリシジルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル及びエポキシ基を2つ以上含有する1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物を挙げることができる。
なお、実質的に架橋助剤を使用せずとは、架橋効果を示さない程度の量が不純物的に含有しても本発明の範囲内であることを意味し、その量は例えば組成物中に0.01質量%未満である。
[その他の成分]
組成物には、更にその他の成分を含有させることができる。例えば、本発明の太陽電池モジュール用封止材組成物から作製された太陽電池モジュール用封止材に耐候性を付与するための耐候性マスターバッチ、各種フィラー、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等の成分が例示される。これらの含有量は、その粒子形状、密度等により異なるものではあるが、それぞれ太陽電池モジュール用封止材組成物中に0.001〜5質量%の範囲内であることが好ましい。これらの添加剤を含むことにより、太陽電池モジュール用封止材組成物に対して、長期に亘って安定した機械強度や、黄変やひび割れ等の防止効果等を付与することができる。
耐候性マスターバッチとは、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤及び上記の酸化防止剤等をポリエチレン等の樹脂に分散させたものであり、これを封止材組成物に添加することにより、太陽電池モジュール用封止材に良好な耐候性を付与することができる。耐候性マスターバッチは、適宜作製して使用してもよいし、市販品を使用してもよい。耐候性マスターバッチに使用される樹脂としては、本発明に用いる直鎖低密度ポリエチレンでもよく、上記のその他の樹脂であってもよい。
なお、これらの光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤及び酸化防止剤は、それぞれ1種単独でも2種以上を組み合わせて用いることもできる。
更に、本発明の太陽電池モジュール用封止材組成物に用いられる他の成分としては上記以外に、シランカップリング剤等の接着性向上剤、核剤、分散剤、レベリング剤、可塑剤、消泡剤、難燃剤等を挙げることができる。
<基材シート>
基材シートは、上記の組成物を、従来公知の方法で成形加工する過程で、成形中に上記の弱架橋処理を施すことにより得られるものであり、単層又は多層のシート状又はフィルム状としたものである。なお、本発明におけるシート状とはフィルム状も含む意味であり両者に差はない。
上記基材シートのシート化は、通常の熱可塑性樹脂において通常用いられる成形法、すなわち、射出成形、押出成形、中空成形、圧縮成形、回転成形等の各種成形法により行われる。尚、基材シートが多層フィルムである場合のシート化の方法としては、一例として、2種以上の溶融混練押出機による共押出により成形する方法が挙げられる。ただし、いずれの方法においても、成形中に弱架橋反応を促進させるために、成形温度は前記ポリエチレン系樹脂の融点+50℃以上であることが好ましい。具体的には150から250℃の高温とすることが好ましく、より好ましくは190から230℃の範囲である。このように、本発明においては、第1の架橋剤の添加が少量であるため、MFRが低下するものの、その低下の程度が小さい。このため溶融成形中に弱架橋を進行させることができる。そして、たとえ少量の第1の架橋剤であって実質的に架橋助剤がなくても、ポリエチレン系樹脂の弱架橋が進行する。なお、この成形温度は第1の架橋剤の1分間半減期温度以上であるので、成形後には第1の架橋剤はほとんど残留しない。このため、弱架橋はこの成形段階で終了する。
このようにして弱架橋処理された本発明の太陽電池モジュール用封止材は、その物性面からは、i)低密度を維持しつつ、ii)耐熱性が向上しているが充分な製膜性を有する、という特徴がある。i)について、本発明の太陽電池モジュール用封止材の密度は、主たる原料である低密度のポリエチレン系樹脂の密度とほぼ同等の凡そ0.900g/cm以下で増加せず、溶融成形前後の前記樹脂組成物の密度差が0.05g/cm以内である。このため、透明性は維持したままである。
一方、ii)耐熱性は、MFRが0.1g/10min以上1.0g/10min未満であり、好ましくは溶融成形前後の前記樹脂組成物のMFR差が1.0g/10min以上10.0g/10min以下であることから、成形可能なMFRの範囲内でありながら耐熱性が向上している。これが本発明における弱架橋処理の効果である。通常、樹脂のMFRと密度とは正の相関があるところ、本発明においては、密度を変えずに、成形可能なMFRの範囲内でMFRを低下させることを可能としたものである。
なお、上記の弱架橋処理の結果は、そのゲル分率からも理解できる。本発明の太陽電池モジュール用封止材のゲル分率は25%以下であり、好ましくは10%以下であり、より好ましくはゼロも含む1%以下である。このことから、上記の従来技術の特許文献2のように30%以上のゲル分率となるように架橋処理して難燃性を付与する技術思想と、本発明の弱架橋処理とは根本的に異なるものである。なお、ここでいうゲル分率とは以下の方法により得られた値である。
ゲル分率(%):架橋後封止材1g秤量し、80メッシュの金網袋に入れる。次いで、ソックスレー抽出器内に金網ごとサンプル投入し、キシレンを沸点下において還流させる。10時間連続抽出したのち、金網ごとサンプルを取出し乾燥処理後秤量し、抽出前後の質量比較を行い残留不溶分の質量%を測定しこれをゲル分率とした。なお、多層フィルムである封止材シートのゲル分率については、全ての層が積層された多層状態のままで、上記処理を行い、得られた測定値を、当該多層の封止材シートのゲル分率とした。
また、別の側面として、弱架橋処理を分子量の観点から確認することもできる。本発明の太陽電池モジュール用封止材のポリスチレン換算の重量平均分子量が12万以上30万以下であり、弱架橋後の封止材/架橋前ポリエチレン系樹脂、の重量平均分子量の比が1.5以上3.0以下の範囲である。このことからも、巨大分子化しているが密な架橋構造は形成しておらず、弱架橋が形成されていることが理解できる。なお、本発明における重量平均分子量は、キシレン6wt%となるように溶解して粘度を測定し、その粘度から、ポリスチレン標品との換算より重量平均分子量を求めたものである。なお、多層フィルムである封止材シートの分子量については、全ての層が積層された多層状態のままで、上記処理を行い、得られた測定値を、当該多層の封止材シートのゲル分率とした。
多層フィルムである封止材シートにおいては、各層ごとのMFRが異なる封止材シートとすることがより好ましい。封止材シートは、後に説明する通り、太陽電池モジュール内において、一方の面が太陽電池素子の電極面と密着して使用されることが一般的である。その場合、封止材シートには、該電極面の凹凸にかかわらず高い密着性を有するものであることが求められる。本発明の封止材シートは、単層の封止材シートである場合においても、好ましい透明性、柔軟性及び耐熱性を備えるものではあるが、太陽電池素子の電極面と密着する面については、更にこのようなモールディング特性に優れるものであることがより好ましい。各層のMFRが異なる多層フィルムである本発明の封止材シートは、MFRの高い層を太陽電池素子の電極面と密着させて使用する側の最外層に配置することにより、封止材シートとして上記の好ましい透明性及び耐熱性を保持しつつ、更に太陽電池素子との密着面におけるモールディング特性を高めることができる。
例えば、3層以上の層からなる多層フィルムである封止材シートにおいては、最外層の厚さは、30μm以上120μm以下であり、且つ、最外層以外の全ての層からなる中間層と最外層の厚さの比は、最外層:中間層:最外層=1:3:1〜1:8:1の範囲であることが好ましい。このようにすることにより、封止材としての好ましい耐熱性を保持しつつ、最外層における好ましいモールディング特性を備えることができ、更に製造コストも低く抑えることができる。
<(B)第2の架橋剤を塗布する工程>
次に、上記の基材シートの少なくとも一方の面上に、1分間半減期温度が130℃以上170℃未満の第2の架橋剤を0.5g/m以上7.5g/m以下の塗布量で塗布して、本発明の太陽電池モジュール用封止材が得られる。
第2の架橋剤は、1分間半減期温度が130℃以上170℃未満である。この温度範囲内であれば、モジュール化工程におけるラミネート時の温度で架橋剤が反応するので耐熱性が向上する。
第2の架橋剤の塗布量は、0.5g/m以上7.5g/m以下である。なお、両面に塗布する場合には両面合計で上記の範囲内とする。0.5g/m未満であると耐熱性が不足し、7.5g/m超であると気泡の発生を抑制できない。
太陽電池モジュール用封止材中の第2の架橋剤の含有量としては、0.1質量%以上1.5質量%以下が好ましく、より好ましい上限は1質量%以下である。0.1質量%未満であると耐熱性が不足し、1.5質量%超であると気泡の発生を抑制できない。
第2の架橋剤の塗布は、トルエンなどの溶剤に溶解して従来公知の塗布方法にて塗布すればよく特に限定されない。この第2の架橋剤の塗布によって、第2の架橋剤は表面から内部に含浸されていき、略均一に、又は高濃度の表面側から所定の濃度勾配をもって低濃度の内部に分散する。このことは、後述する実施例において。反射IR法では塗布直後でないと架橋剤の検出は困難であったが、透過IRでは塗布後2週間が経過しても1700cm−1付近に第2の架橋剤であるTBEC特有のピークを明確に確認可能できたことから、架橋剤が最表面に局在せず内部に含浸していると推定でき、封止材中の架橋剤量はガスクロマトグラフにより定量が可能である。このため、後の架橋処理によって耐熱性を向上できる。また、先の第1の架橋剤は既に製膜時に消費されていて実質的に存在しない(0.1質量%以下、好ましくは0.01質量%以下である)。このため、この段階では第2の架橋剤のみが存在するので、架橋剤量としては0.1質量%以上2質量%以下、好ましくは0.1質量%以上0.5質量%以下と少なく、これにより気泡の発生を抑制できる。このように、架橋剤を2段階使用することで、架橋処理前の封止材中における架橋剤量を減らすことができ、また、2段階目を架橋剤の塗布含浸とすることにより、耐熱性と気泡発生抑制を両立できる点が本発明の特徴である。
<太陽電池モジュール>
図1は、本発明の封止材を用いた太陽電池モジュールについて、その層構成の一例を示す断面図である。本発明の太陽電池モジュール1は、入射光の受光面側から、透明前面基板2、前面封止材層3、太陽電池素子4、背面封止材層5、及び裏面保護シート6が順に積層されている。本発明の太陽電池モジュール1は、前面封止材層3及び背面封止材層5の少なくとも一方に上記の封止材を使用する。
[太陽電池モジュールの製造方法]
太陽電池モジュール1は、例えば、上記の透明前面基板2、前面封止材層3、太陽電池素子4、背面封止材層5、及び裏面保護シート6からなる部材を順次積層してから真空吸引等により一体化し、その後、真空ラミネート法等の成形法により、上記の部材を一体成形体として加熱圧着成形して製造することができる。
なお、本発明の太陽電池モジュール1において、前面封止材層3及び背面封止材層5以外の部材である透明前面基板2、太陽電池素子4及び裏面保護シート6は、従来公知の材料を特に制限なく使用することができる。また、本発明の太陽電池モジュール1は、上記部材以外の部材を含んでもよい。なお、本発明の封止材は単結晶型に限らず、薄膜型その他の全ての太陽電池モジュールに適用できる。
ここで、本発明の封止材においては、上記のモジュール化工程又は別途の架橋処理工程において第2の架橋剤による架橋処理が進行する。ラミネート工程における条件は、例えば、温度130から180℃、時間は10分から120分の範囲である。これにより、例えば、太陽電池モジュール用封止材を130℃で15分間加熱し、150℃で20分間キュアした際のゲル分率が1%以上40%以下となり、耐熱性が十分に向上する。しかし、上記のように第2の架橋剤の使用量が少ないので、気泡の発生も抑制できる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1/比較例1]
<ポリエチレン系樹脂の原料>
以下の原料を使用した。
ベース樹脂:密度0.880g/cm、190℃でのMFRが3.1g/10分のメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(M−LLDPE1)ペレットを用いた。
シラン変性透明樹脂:密度0.881g/cmであり、190℃でのMFRが2g/10分であるM−LLDPE2の98質量部に対して、ビニルトリメトキシシラン2質量部と、ラジカル発生剤(反応触媒)としてのジクミルパーオキサイド0.1質量部とを混合し、200℃で溶融、混練し、シラン変性透明樹脂を得た。
架橋剤マスターバッチ:M−LLDPE1ペレット100質量部に対して、第1の架橋剤として、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパーオキシ)ヘキサン(アルケマ吉富株式会社製、商品名ルペロックス101、1分間半減期温度が181℃)0.5質量部を含浸させ、マスターバッチを得た。
耐候性マスターバッチ:密度0.880g/cmのチーグラー直鎖状低密度ポリエチレンを粉砕したパウダー100質量部に対して、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤3.8質量部とヒンダードアミン系光安定化剤5質量部と、リン系熱安定化剤0.5質量部とを混合して溶融、加工し、ペレット化したマスターバッチを得た。
<(A)基材シートの製造>
ベース樹脂79質量部、シラン変性透明樹脂5質量部、架橋剤マスターバッチ7質量部、耐候性マスターバッチ9質量部、を組成物とし(第1の架橋剤量として0.035質量%)、単層φ30mm押出し機、200mm幅のTダイスを有するフィルム成形機を用いて、押出し温度210℃、引き取り速度1.1m/minで押し出し成形して厚さ600μmの基材シートを製造した。この封止材シートの密度は0.880g/cm、190℃でのMFRは0.24g/10分であった。この基材シートを比較例1の太陽電池モジュール用封止材とした。この比較例1の太陽電池モジュール用封止材のゲル分率はゼロであった。
<(B)第2の架橋剤の塗布>
次に、上記の基材シートの一方の面上に、第2の架橋剤として、t‐ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート(アルケマ吉富株式会社製、商品名ルペロックスTBEC、1分間半減期温度が166℃)をトルエンに溶解し、第2の架橋剤の塗布量として0.5g/m(封止材シート中で0.1質量%)となるようにバーコーターで塗布して乾燥させ、実施例1の太陽電池モジュール用封止材を得た。実施例1の太陽電池モジュール用封止材のゲル分率は10%であった。
[実施例2]
上記実施例1の基材シートの一方の面上に、上記実施例1と同様に第2の架橋剤をトルエンに溶解し、第2の架橋剤の塗布量として7.5g/m(封止材シート中で1.5質量%)となるようにバーコーターで塗布して乾燥させ、実施例2の太陽電池モジュール用封止材を得た。実施例2の太陽電池モジュール用封止材のゲル分率は33%であった。
[比較例2]
上記実施例1の基材シートの一方の面上に、上記実施例1と同様に第2の架橋剤をトルエンに溶解し、第2の架橋剤の塗布量として10.0g/m(封止材シート中で2.0質量%)となるようにバーコーターで塗布して乾燥させ、比較例2の太陽電池モジュール用封止材を得た。比較例2の太陽電池モジュール用封止材のゲル分率は46%であった。
[比較例3]
EVA系の太陽電池モジュール用封止材600μm(真空加熱ラミネート工程で架橋完了し、キュア不要の高速架橋タイプ)を比較例3とした。
[比較例4]
ベース樹脂72質量部、シラン変性透明樹脂5質量部、架橋剤マスターバッチ14質量部、耐候性マスターバッチ9質量部、の組成物(第1の架橋剤量として0.070質量%)とした以外は比較例1と同様にして、比較例4の基材シートを製膜したが、架橋剤の量が多くゲルが発生して製膜不能であった。
<評価例>
実施例1、2及び比較例1から3の太陽電池モジュール用封止材を、130℃で15分間、圧力30kPaでガラス間にラミネートして耐熱性について目視で評価した。また、実施例及び比較例の太陽電池モジュール用封止材を、ホットプレート上で180℃以上220℃以下に5分間キープして直後に冷却し、目視にて気泡の発生有無を比較した。その結果を表1に示す。
なお、耐熱性は、下記測定条件による耐熱クリープテストにより評価した。
評価手順:250mm×250mmのガラスの中央付近に、封止材5.0mm×7.5mm×2枚と、ガラス5.0mm×7.5mm×1枚を積層し、ラミネート条件130℃×15分後、キュア150℃×20分でラミネートした。その後、試験サンプルを130℃オーブンに12時間垂直に設置し、オーブン投入前後でのガラスの移動距離を計測し、移動距離0mm以上2.0mm以下を○、2.0mmを超えて5.0mm以下を△、として評価した。
Figure 0006287158
表1の結果から、本発明の太陽電池モジュール用封止材は、比較例1から3と比べて、耐熱性と気泡抑制を両立できていることが理解できる。
1 太陽電池モジュール
2 透明前面基板
3 前面封止材層
4 太陽電池素子
5 背面封止材層
6 裏面保護シート

Claims (3)

  1. 密度0.900g/cm以下のポリエチレン系樹脂と、組成物中に0.02質量%以上0.5質量%未満含有する1分間半減期温度が160℃以上200℃以下の第1の架橋剤と、を含む樹脂組成物を、前記第1の架橋剤の1分間半減期温度以上の温度で溶融成形する過程において、弱架橋処理を施すことにより、前記第1の架橋剤の含有量が0質量%以上0.01質量%以下であって、ゲル分率が0%以上1%以下である、基材シートを得た後に、
    前記基材シートの少なくとも一方の面上に、1分間半減期温度が130℃以上170℃未満の第2の架橋剤を0.5g/m以上7.5g/m以下の塗布量で塗布して得られる太陽電池モジュール用封止材の製造方法。
  2. 前記ポリエチレン系樹脂の前記該弱架橋処理後におけるポリスチレン換算の重量平均分子量が、該弱架橋処理前の該重量平均分子量の1.5倍以上3.0以下の範囲となっている、請求項1に記載の太陽電池モジュール用封止材の製造方法。
  3. 請求項又は2に記載の製造方法によって得られる太陽電池モジュール用封止材を、130℃で15分間加熱し、150℃で20分間キュアすることにより、該キュア後の封止材のゲル分率1%以上40%以下とする工程を含む、太陽電池モジュールの製造方法
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