JP6286928B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機には音出力手段としてのスピーカが設けられており、スピーカが遊技状態に応じて多様な演出音を出力することで、遊技への注目度を高めることができる。また、スピーカからの出力音が報知音とされることで、遊技機の状態を報知することや不正発生を報知することが可能となる。
スピーカは、アンプから音信号が入力されることで音を出力するものであり、アンプにて音信号の増幅率が設定されることで、スピーカから出力される音量が定められる。アンプの増幅率が可変設定される遊技機においては、アンプの増幅率に応じてスピーカからの出力音量を変更することが可能となっている。例えば、音量スイッチが設けられている遊技機においては、音量スイッチが操作されることでアンプの増幅率が変更され、それによって、スピーカからの出力音量が変更される(例えば特許文献1)。
特開2005−261808号公報
しかしながら、設計者等が作成した音データと、スピーカの許容入力レベルとが適合しているとは限らない。例えば、スピーカの製造メーカや種類が決定する前に音データを作成しなければならない場合や、設計変更によりスピーカの製造メーカや種類が変更された場合などは、大音量部分の音レベルがスピーカの許容入力レベルよりも大きくなってしまうことがあり、やはり、大音量部分にて音割れが発生したり非大音量部分が過剰に小さな音量になったりするという問題が生じてしまう。このため、設計者等は、出力音の音量レベルを多数の種類のスピーカのいずれにも適合させるために、抑揚のない演出音などを出力する音データを作成せざるを得ず、音データの作成自由度が低下してしまう。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、音データの作成自由度が低下することを抑制でき、しかも、音出力手段での音割れ発生により遊技者に不快感を与えてしまうということを好適に抑制できる遊技機を提供することを目的とするものである。
以下、上記課題を解決するための手段について記載する。
本発明は、
遊技機本体と、
前記遊技機本体に対し、遊技機前方に回動可能に設けられた遊技機前面体と、
音データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記音データにより生成された音信号を増幅する増幅手段と、
前記増幅手段により増幅された前記音信号が入力されることで、該音信号の音量レベルに応じた音量で音を出力するための音出力手段と、
を備え、
前記記憶手段は前記遊技機本体に設けられ、前記音出力手段は前記遊技機前面体に設けられている遊技機であって、
前記増幅手段により増幅された前記音信号が入力され、該音信号の音量レベルが所定の基準レベルを超えたことを検出するレベル超過検出回路と、
前記増幅手段の動作制御を行う音制御手段と、
を備え
前記レベル超過検出回路は、前記音信号の音量レベルが前記基準レベルよりも大きいことを検出した場合に、その旨を示す超過信号を前記音制御手段に対して出力するものであり、
前記音制御手段は、
前記レベル超過検出回路から前記超過信号が出力された場合に前記増幅手段での前記音信号の増幅率を小さくする増幅率制限手段と、
前記増幅率制限手段による前記増幅率の制限が行われている場合に、あらかじめ定められた所定のタイミングに合わせて、前記増幅率制限手段による前記増幅率の制限を解除する制限解除手段と、
前記音出力手段からの出力音が、遊技演出を行うための演出音であるか否かを判定する演出音判定手段と、
を有しており、
前記増幅率制限手段は、前記演出音判定手段により前記出力音が前記演出音であると判定された場合に、該演出音の増幅率を小さくする演出音制限手段を有しており、
前記制限解除手段は、前記演出音の出力を伴う遊技回が終了される場合にその終了タイミングに合わせて前記増幅率の制限を解除する遊技回解除手段を有していることを特徴とする。
本発明によれば、音データの作成自由度が低下することを抑制でき、しかも、音出力手段での音割れ発生により遊技者に不快感を与えてしまうということを好適に抑制できる。
第1の実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 (a),(b)図柄表示装置の表示面における表示内容を説明するための説明図である。 外枠の構成を示す斜視図である。 外枠の構成を示す分解斜視図である。 下側スピーカ部及びその周辺の横断面図である。 パチンコ機の構成を示す背面図である。 本体枠の構成を示す背面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。 メインMPUにて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 メインMPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 メインMPUにて実行される不正検知処理を示すフローチャートである。 メインMPUにて実行される電波検知用処理を示すフローチャートである。 メインMPUにて実行される遊技停止判定処理を示すフローチャートである。 メインMPUにて実行される特図特電制御処理を示すフローチャートである。 (a)は変動表示態様の種類を示す概略図、(b)群は各変動表示態様の概要を示す概略図である。 保留予告用の確認処理を示すフローチャートである。 保留コマンドの設定処理を示すフローチャートである。 払出制御装置78にて実行される払出状態検知処理を示すフローチャートである。 メインMPUにて実行される払出状態受信処理を示すフローチャートである。 演出の実行制御に係る電気的構成を示すブロック図である。 (a)は直接用ROMのデータ構成を説明するための説明図、(b)は共通用ROMのデータ構成を説明するための説明図である。 音割れ検出回路175の電気的構成を示す回路図である。 音割れ検出回路175の検出態様について説明するための図である。 サブMPUにて実行される報知及び演出制御処理を示すフローチャートである。 サブMPUにて実行される保留コマンドの対応処理を示すフローチャートである。 音出力LSIに設けられた音データ処理部における動作を示すフローチャートである。 サブMPUにて実行される音量設定処理を示すフローチャートである。 サブMPUにて実行される案内音の音量設定処理を示すフローチャートである。 サブMPUにて実行される音量制限解除処理を示すフローチャートである。 サブMPUにて実行される演出音の音量設定処理を示すフローチャートである。 サブMPUにて実行される音量調和処理を示すフローチャートである。 各スピーカのそれぞれに入力される音信号の実音量レベルの変化態様を例示するタイムチャートである。 サブMPUにて実行される演出音の音量制限解除処理を示すフローチャートである。 スピーカについての実音量レベルの変化態様を例示するタイムチャートである。 第2の実施の形態における音割れ検出回路175の電気的構成を示す回路図である。 第3の実施の形態におけるサブMPUにて実行される演出音の音量制限解除処理を示すフローチャートである。 サブMPUにて実行される音量制限の段階解除処理を示すフローチャートである。 サブMPUにて実行される別の音量設定処理を示すフローチャートである。
<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。図4は遊技盤24の正面図である。
遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口33,下作動口34,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34への入球が発生すると、それが遊技盤24の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合、上作動口33への入球が発生した場合及び下作動口34への入球が発生した場合には3個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の賞球の払い出しが実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しが実行される。但し、これら賞球の個数は任意であり、例えば上作動口33に係る賞球個数よりも下作動口34に係る賞球個数が多いといったように、両作動口33,34の賞球個数が相違していてもよい。また、可変入賞装置32に係る賞球個数が他の賞球個数に比べて多い構成に限定されることはなく、例えば一般入賞口31に係る賞球個数よりも少ない構成としてもよい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34は共に上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は鉛直方向に並んでいる。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての電動役物34aが設けられている。
電動役物34aは遊技盤24の背面側に搭載された電動役物駆動部34bに連結されており、当該電動役物駆動部34bにより駆動されて閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。電動役物34aの閉鎖状態では遊技球が下作動口34に入賞できず、電動役物34aが開放状態となることで下作動口34への入賞が可能となる。
なお、これに限定されず、下作動口34への遊技球の入賞が発生し易い状態と、入賞が不可ではないが上記入賞が発生し易い状態よりも入賞が発生しづらい状態とに、電動役物34aが切り換えられる構成としてもよい。また、電動役物34aを不具備とし、入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが、下作動口34自身の変位により行われる構成としてもよい。
可変入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる図示しない大入賞口を備えているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉扉32aを備えている。開閉扉32aは可変入賞装置32として一体的に設けられた可変入賞駆動部32bに連結されており、当該可変入賞駆動部32bにより駆動されて、閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。具体的には、通常は遊技球が入賞できない閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した場合に遊技球が入賞可能な開放状態に切り換えられるようになっている。ちなみに、開閉実行モードとは、大当たり当選又は特別外れとなった場合に移行することとなるモードである。なお、閉鎖状態では入賞が不可ではないが開放状態よりも入賞が発生しづらい状態となる構成としてもよい。
メイン表示部43では、上作動口33又は下作動口34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。つまり、本パチンコ機10では、上作動口33への入賞と下作動口34への入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域であるメイン表示部43にて明示される。そして、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、メイン表示部43にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
なお、メイン表示部43は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、メイン表示部43にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
役物用表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット36には、絵柄の一種である図柄を変動表示する図柄表示装置41が設けられているとともに、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置41では、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて図柄の変動表示が開始される。すなわち、メイン表示部43において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。
図柄表示装置41の表示内容について、図5を参照して詳細に説明する。図5は図柄表示装置41の表示面Gを示す図である。
図示は省略するが、絵柄の一種である図柄は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」〜「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図5(a)に示すように、図柄表示装置41の表示面Gには、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。
図5(b)に示すように、表示面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。
上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて表示面Gにおいて遊技回用の演出が行われる場合には、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示が開始される。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示から待機表示に切り換えられ、最終的に各図柄列Z1〜Z3にて所定の図柄を静止表示した状態で遊技回用の演出が終了される。
また、遊技回用の演出が終了する場合、後述する高確大当たり結果の発生に対応した遊技回であれば、いずれかの有効ラインに同一の奇数の数字が付された図柄の組み合わせが形成され、後述する低確大当たり結果の発生に対応した遊技回であれば、いずれかの有効ラインに同一の偶数の数字が付された図柄の組み合わせが形成される。各大当たり結果の内容については、後に説明する。
なお、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、メイン表示部43及び図柄表示装置41にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
また、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置41にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
センターフレーム42の前面側における左上部分には、図4に示すように、メイン表示部43及び図柄表示装置41に対応した第1保留発光部(第1保留ランプ部)45が設けられている。遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留発光部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
センターフレーム42の右上部分には、役物用表示部44に対応した第2保留発光部(第2保留ランプ部)46が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第2保留発光部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留発光部45,46の機能が図柄表示装置41の一部の領域における表示により果たされる構成としてもよい。
ここで、本パチンコ機10では遊技盤24に、異常検知手段として、磁石検知センサ47aと、電波検知センサ47bとが設けられている。
磁石検知センサ47aは、上作動口33周辺における遊技盤24の背面側に設置されている。上記のとおり上作動口33は内部抽選のトリガとなるため、窓パネル57の前方において上作動口33周辺に磁石を近付け、不正に上作動口33へと遊技球を誘導させようとする行為が想定される。これに対して、磁石検知センサ47aが設けられていることにより、上記磁石を用いた不正行為が行われた場合に、それを検知することが可能となる。磁石検知センサ47aは後述する主制御装置と電気的に接続されており、磁石検知センサ47aの検知結果は主制御装置に入力される。
なお、磁石検知センサ47aの位置は、上記のものに限定されることはなく、例えば、上記磁石を用いて一般入賞口31への入賞を不正に行わせようとする不正行為を抑制すべく、一般入賞口31周辺に磁石検知センサ47aを配置してもよい。
電波検知センサ47bは、上作動口33及び下作動口34周辺における遊技盤24の背面側に設置されている。この位置についてより詳細には、電波検知センサ47bは高さ方向において上作動口33及び下作動口34の両方と略同一の高さ位置に配置されているとともに、横方向において上作動口33及び下作動口34よりも遊技機本体12の回動基端側に配置されている。ここで、遊技球の払出を実行する後述する払出装置は遊技機本体12の回動基端側寄りの位置に配置されているため、電波検知センサ47bは横方向において作動口装置と払出装置との間に配置されているとも言える。
上記のとおり上作動口33及び下作動口34は内部抽選のトリガとなるため、パチンコ機10前方において上作動口33又は下作動口34に向けて電波を不正に出力し、上作動口33の検知センサ又は下作動口34の検知センサに遊技球の通過を誤検知させようとする行為が想定される。これに対して、電波検知センサ47bが設けられていることにより、上記電波を用いた不正行為が行われた場合に、それを検知することが可能となる。電波検知センサ47bは後述する主制御装置と電気的に接続されており、電波検知センサ47bの検知結果は主制御装置に入力される。
なお、電波検知センサ47bの位置は、上記のものに限定されることはなく、例えば、作動口装置よりも遊技機本体12の回動先端側であってもよく、作動口装置と可変入賞装置32との間の高さ位置に配置してもよい。また、電波検知センサ47bは所定の周波数として50MHz〜3GHzの電波を検知可能となっているが、上作動口33又は下作動口34への誤検知を行わせ得る周波数の電波を検知可能であれば当該周波数の範囲は任意であり、さらに検知対象とする周波数の範囲を変更できる構成としてもよい。
遊技盤24には、内レール部48と外レール部49とが取り付けられており、これら内レール部48と外レール部49とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構51から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構51は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、誘導レールに向けて延びる発射レール52と、後述する上皿61aに貯留されている遊技球を発射レール52上に供給する球送り装置53と、発射レール52上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイド54と、を備えている。前扉枠14に設けられた発射ハンドル55が操作されることによりソレノイド54が駆動制御され、遊技球が発射される。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部56が形成されている。窓部56は、略楕円形状をなし、窓パネル57が嵌め込まれている。窓パネル57は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機10前方から窓パネル57を通じて遊技領域を視認可能であれば有色透明に形成されていてもよい。
窓部56の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。各種ランプ部の一部として表示ランプ部58が窓部56の上方に設けられている。
前扉枠14における窓部56の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部61と下側膨出部62とが上下に並設されている。上側膨出部61内側には上方に開口した上皿61aが設けられており、下側膨出部62内側には同じく上方に開口した下皿62aが設けられている。上皿61aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構51側へ導くための機能を有する。また、下皿62aは、上皿61a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
パチンコ機10は、そのパチンコ機10の上部に設けられた上側スピーカ部90と、下部に設けられた下側スピーカ部100とを有している。スピーカ部90,100は、演出音や報知音といった音(音声メッセージを含む可聴音)を出力することが可能となっている。演出音は、遊技中の演出効果を高めることが可能な音であり、演出音としては、演出に応じたメロディや遊技状態に応じた効果音などが挙げられる。報知音としては、遊技者にパチンコ機10の状態を知らせる案内音や、ホール管理者に不正発生を知らせる不正発生音などが挙げられる。
上側スピーカ部90は、前扉枠14の上部に複数設けられている。具体的には、上側スピーカ部90は、前扉枠14の上側の各隅角寄りの部分に1個ずつ設けられている。各上側スピーカ部90は、音信号が入力されることで音を出力する音出力手段としての上側スピーカ91と、上側スピーカ91をパチンコ機前面側から覆うスピーカカバー92とをそれぞれ有している。スピーカカバー92は、前扉枠14における前面の一部を形成しており、各上側スピーカ91は、スピーカカバー92の裏面側に配置されている。この場合、右の上側スピーカ91と左の上側スピーカ91とは一対になっている。
スピーカカバー92には、厚み方向に貫通する孔(図示略)が複数形成されており、上側スピーカ91から出力された音がスピーカカバー92の孔を通じてパチンコ機10の前方に伝わるようになっている。なお、スピーカカバー92は、音を伝えるための孔を有していなくても、音を伝えることが可能な構成とされていればよい。
下側スピーカ部100は、外枠11の下部に対して取り付けられている。ここでは、下側スピーカ部100について、図1、図6〜図8を参照しつつ説明する。図6は外枠11の斜視図、図7は外枠の分解斜視図、図8は下側スピーカ部100周辺の横断面図である。
図6、図7に示すように、外枠11は、矩形枠状に形成されており、四辺に配置された長尺状のフレーム材を互いに連結して構成されている。外枠11は、フレーム材として、上下に配置された下枠部11a及び上枠部11dと、左右に配置された枠部11b,11cとを有している。下枠部11aは、左右の枠部11b,11cよりも大きい板幅を有しており、左右の枠部11b,11cよりもパチンコ機10前方に延出している。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。なお、外枠11は、木材や、合成樹脂材料、金属材料などにより形成されている。
下側スピーカ部100は、音信号が入力されることで音を出力する音出力手段としての下側スピーカ101と、下側スピーカ101を支持しているスピーカ筐体102と、下側スピーカ101及びスピーカ筐体102をパチンコ機前面側から覆う幕板103とを有しており、それら下側スピーカ101、スピーカ筐体102及び幕板103が一体化されたスピーカユニットとなっている。
図1に示すように、遊技機本体12の下端部は外枠11の下枠部11aから上方に離間しており、その離間部分に幕板103が設けられている。幕板103は着色された不透明な樹脂により薄板状に形成されており、図示は省略するが、幕板103の前面にはパチンコ機10のメーカ名が記されている。なお、幕板103の前面に、パチンコ機10の機種名を記してもよく、これらメーカ名や機種名を記さなくてもよい。
図6〜図8に示すように、幕板103の後方にはスピーカ筐体102が設けられている。スピーカ筐体102は、遊技機本体12と下枠部11aとの間に配置されており、下枠部11aに沿ってパチンコ機10の幅方向に延びている。なお、下枠部11aは木材により形成されており、スピーカ筐体102は、下枠部11aに対してネジ止めされている。また、幕板103はスピーカ筐体102に対してネジ止めされている。
スピーカ筐体102は、合成樹脂材料等により横長の箱状に形成されており、下枠部11aの上に載置されている。スピーカ筐体102は、左右の枠部11b,11cの間の離間距離よりも小さい幅寸法を有しており、それら枠部11b,11cの間に配置されている。
下側スピーカ101は、スピーカ筐体102における左右両端側のそれぞれに対して1個ずつ設けられている。この場合、下側スピーカ101は、パチンコ機10の下部において左右両側のそれぞれに配置されていることになり、右の下側スピーカ101と左の下側スピーカ101とが一対となっている。
各下側スピーカ101は、前面側から音を出力する構成とされており、前面側をパチンコ機10の前方に向けた状態でスピーカ筐体102の内部に収納されている。スピーカ筐体102前面部には、各下側スピーカ101の取り付け位置のそれぞれに対応させてスピーカ用開口部105が形成されており、各スピーカ用開口部105を通じて各下側スピーカ101の前面がスピーカ筐体102の前面側に露出している。
下側スピーカ101は、その前面(音出力部分)の周囲において外側に向けて延びたフランジ部106を有している。フランジ部106は、スピーカ筐体102の前面部の外側面に重ねられた状態で、その前面部に対してビス等により固定されている。この場合、フランジ部106は、スピーカ筐体102の前面側に露出している。
スピーカ筐体102は、その内部空間を2つに仕切る仕切板107を有しており、その仕切板107により仕切られた各空間に対して下側スピーカ101が差し入れられている。スピーカ筐体102は、密閉型のエンクロージャになっており、スピーカ筐体102において、下側スピーカ101が差し入れられた各空間はそれぞれ密閉された空間とされている。
幕板103には、下側スピーカ101の前面と対向する位置にスピーカ孔103aが複数形成されており、下側スピーカ101から出力された音がスピーカ孔103aを通じて、パチンコ機10の前方に伝わるようになっている。このため、幕板103が下側スピーカ101をパチンコ機前面側から覆い隠している構成であっても、下側スピーカ101から出力された音が幕板103により遮断されて聞こえにくくなるということを抑制できる。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、遊技の主たる制御を司る主制御装置71と、音声やランプ表示及び図示しない表示制御装置の制御を司る音光制御装置72と、が搭載されている。
なお、主制御装置71の基板ボックス71aに対して、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックス71aを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックス71aを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。なお、このような痕跡構造を、後述する払出制御装置78の基板ボックスに設けてもよい。
主制御装置71や音光制御装置72を含めて内枠13の背面側を覆うようにして裏パックユニット15が設置されている。裏パックユニット15は、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック73を備えており、当該裏パック73に対して、払出機構部74及び制御装置集合ユニット75が取り付けられている。
払出機構部74は、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク76と、当該タンク76に貯留された遊技球を払い出すための払出装置77と、を備えている。払出装置77より払い出された遊技球は、当該払出装置77の下流側に設けられた払出通路を通じて、上皿61a又は下皿62aに排出される。なお、払出機構部74には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチを有する裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット75は、払出装置77を制御する機能を有する払出制御装置78と、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力されるとともに遊技者による発射ハンドル55の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる電源及び発射制御装置79と、を備えている。これら払出制御装置78と電源及び発射制御装置79とは、払出制御装置78がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
裏パック73には、払出機構部74及び制御装置集合ユニット75以外にも、外部端子板81が設けられている。外部端子板81は、パチンコ機10の背面において裏パックユニット15の回動基端側であって上側の隅角部分に設置されている。外部端子板81は、パチンコ機10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために、所定の信号出力を行うための基板である。
遊技機本体12の裏面側には、スピーカ91,101から出力される音の大きさ(音量)を調整するための音量スイッチ111が設けられている。ここでは、音量スイッチ111について、図1、図9、図10を参照しつつ説明する。図9はパチンコ機10の背面図、図10は内枠13の背面図である。なお、図9は、裏パックユニット15が装着された状態の内枠13の背面側を見た図ともなっている。
図10に示すように、音量スイッチ111は、音光制御装置72の外周面に取り付けられており、人が遊技機本体12の裏面側から操作することが可能な操作手段となっている。音量スイッチ111は、ダイヤル式のスイッチ(ロータリースイッチ)とされており、人が回転させることで複数の状態(ポジション)のいずれかに切り替えられる。音光制御装置72の表面には、音量スイッチ111が複数のポジションのいずれにあるのかを示す目盛りが複数表示されている。
例えば、音量スイッチ111は、例えば7つのポジションのいずれかに切り替え可能とされており、各ポジションを示す7つの目盛り(0〜5、F)が表示されている。音量スイッチ111には、ポジションを示す目印が設けられており、音量スイッチ111の目印を複数の目盛りのいずれかに合わせることで、スピーカ91,101から出力される音量が目盛りに応じた大きさになる。
なお、音量スイッチ111は、複数のポジションのいずれかに切り替えられるスイッチであれば、スライド式のスイッチや、ディップスイッチなどとされていてもよい。また、音量スイッチ111は、複数のポジションを有しておらず、自身の状態を連続的に変更することが可能なスイッチであってもよい。
音光制御装置72の外周面には、音量スイッチ111に加えて、後述する音割れ検出回路175(図24参照)の基準レベルを可変設定するための操作つまみ112が設けられている。操作つまみ112は、音量スイッチ111と同様にダイヤル式のスイッチとされており、操作つまみ112が回転操作されることで前記基準レベルが変更される。この場合、操作つまみ112の操作状態に応じて基準レベルが設定される。操作つまみ112は、基準レベルを無段階で設定可能であり、右回し及び左回しのうち一方に回動されることで基準レベルを徐々に大きくし、他方に回動されることで基準レベルを徐々に小さくする。なお、操作つまみ112は、音量スイッチ111と同様に、スライド式のスイッチや、ディップスイッチなどとされていてもよい。
操作つまみ112は、スピーカ91,101ごとに個別に設けられており、音光制御装置72の外周面に複数(例えば4つ)並べて配置されている。各操作つまみ112の設置位置は各スピーカ91,101の設置位置に対応している。例えば、内枠13を背面側から見て、4つの操作つまみ112のうち左上に配置された操作つまみ112は、2つの上側スピーカ91のうち左側(パチンコ機10を正面から見た場合には右側)の上側スピーカ91に対応しており、左下に配置された操作つまみ112は、2つの下側スピーカ101のうち右側(パチンコ機10を正面から見た場合には左側)の下側スピーカ101に対応している。
図9に示すように、音光制御装置72はパチンコ機裏面側から裏パック73により覆われており、裏パック73には、音量スイッチ111をパチンコ機背面側に露出させるためのスイッチ用開口部113が形成されている。スイッチ用開口部113は、裏パック73における音量スイッチ111を覆う部分に配置されており、スイッチ用開口部113には、開閉可能なスイッチ用蓋部114が取り付けられている。スイッチ用蓋部114は、裏パック73に対して回動可能に軸支されており、パチンコ機裏面側に向けて回動させることでスイッチ用開口部113を開放する。スイッチ用蓋部114を開放させた場合、裏パックユニット15が内枠13に装着された状態のまま音量スイッチ111を操作することが可能となる。
スイッチ用開口部113は、裏パック73における操作つまみ112を覆う部分までは開口していない。なお、操作つまみ112は、基準レベルを一旦設定してしまえばその後に操作される頻度が低く、スイッチ用開口部113に重ならない位置に配置されていることで、操作つまみ112が誤操作されることを抑制できる。
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図11のブロック図に基づき説明する。
主制御装置71は、遊技の主たる制御を司る主制御基板121と、電源を監視する停電監視基板(電断監視基板)125と、を具備している。主制御基板121には、メインMPU122が搭載されている。メインMPU122には、制御部及び演算部を含む中央演算処理装置であるCPUの他に、ROM123及びRWM124が内蔵されている。
ROM123は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該ROM123は、メインMPU122により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。
RWM124は、SRAMやDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合にROM123よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。当該RWM124は、ROM123内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。
また、メインMPU122又は主制御基板121には、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが設けられている。なお、メインMPU122に対してROM123及びRWM124が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
メインMPU122には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。メインMPU122の入力側には、停電監視基板125、払出制御装置78及び各種入賞検知センサ126a〜126hなどが接続されている。停電監視基板125には電源及び発射制御装置79が接続されており、メインMPU122には停電監視基板125を介して電力が供給される。
また、各種入賞検知センサ126a〜126hには、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35といった入賞対応入球部に対して1対1で設けられた検知センサが含まれており、各種入賞検知センサ126a〜126hの検知結果に基づいて、メインMPU122において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、メインMPU122では、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて大当たり抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいてサポート抽選を実行する。
メインMPU122の入力側には、さらに、磁石検知センサ47a及び電波検知センサ47bが電気配線を介して電気的に接続されている。メインMPU122では、磁石検知センサ47a及び電波検知センサ47bから信号を受信し、その受信結果に基づいて、それぞれの検知対象となっている異常の発生の有無が判定される。
メインMPU122の出力側には、停電監視基板125、払出制御装置78及び音光制御装置72が接続されている。払出制御装置78には、例えば、上記入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。音光制御装置72には、変動用コマンド、種別コマンド、最終停止コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。
また、メインMPU122の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32aを開閉動作させる可変入賞駆動部32b、下作動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34b、メイン表示部43及び役物用表示部44が接続されている。主制御基板121には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてメインMPU122は各種駆動部の駆動制御を実行する。また、図示による説明は省略するが、第1保留発光部45及び第2保留発光部46の発光制御もメインMPU122により行われる。
停電監視基板125は、主制御基板121と電源及び発射制御装置79とを中継し、また電源及び発射制御装置79から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置78は、主制御装置71から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置77により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置79は、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板121や払出制御装置78等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源及び発射制御装置79は、遊技球発射機構51の発射制御を担うものであり、発射ハンドル55に対する所定の発射操作を特定したことに基づいて、遊技球発射機構51を駆動する。
払出制御装置78には、球受け皿としての下皿62aが遊技球で満杯状態となっているかを検知する満杯検知センサ131が電気的に接続されているとともに、タンク76が球無状態となっているかを検知する球無し検知センサ132が電気的に接続されている。満杯検知センサ131は、下皿62aに遊技球を排出するための通路に設けられており、タンク球無し検知センサ132は、タンク76から払出装置77に遊技球を供給するための通路に設けられている。満杯検知センサ131及びタンク球無し検知センサ132は、検知信号を払出制御装置78に対して出力する。
音光制御装置72には、表示ランプ部58及び表示制御装置128が接続されており、音光制御装置72は、主制御装置71から入力された各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられた表示ランプ部58を駆動制御するとともに、表示制御装置128を制御するものである。表示制御装置128では、音光制御装置72から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。
また、音光制御装置72には、音量スイッチ111、操作つまみ112、上側スピーカ91及び下側スピーカ101が接続されている。音量スイッチ111は、自身のポジション(音量スイッチ111の目印が合わせられている目盛り)に応じた検出信号を音光制御装置72に対して出力し、音光制御装置72は、その検出信号に基づいて音量スイッチ111のポジションを判定する。また、音光制御装置72においては、操作つまみ112の操作状態に応じて音割れ検出回路175の基準レベルが設定される。
音光制御装置72は、音量スイッチ111のポジションに応じた音信号をスピーカ91,101に対して出力するものであり、スピーカ91,101は、音光制御装置72からの音信号が入力されることでその音信号の音量レベルに応じた大きさの音を出力する。各上側スピーカ91及び各下側スピーカ101は、それぞれスピーカ経路135を介して音光制御装置72に個別に接続されている。スピーカ経路135は、電気配線等により形成されている。
<メインMPU122にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、メインMPU122にて各種抽選を行うための電気的な構成について、図12を用いて説明する。
メインMPU122は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図12に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43及び図柄表示装置41における表示継続時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、RWM124の抽選用カウンタエリア137aに設けられている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新される。大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留格納エリア137bに格納される。
保留格納エリア137bは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、上作動口33又は下作動口34への入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、上作動口33又は下作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングで保留格納エリア137bに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM123における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリアに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングで保留格納エリア137bに格納される。
本パチンコ機10では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードのいずれであっても、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行される。
ここで、ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間(上限継続期間)が経過すること、及び予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置32の大入賞口に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。また、大当たり結果が契機となった開閉実行モードにおけるラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり結果の種類がいずれであっても固定ラウンド回数で同一となっている。具体的には、いずれの大当たり結果となった場合であっても、ラウンド遊技の上限回数は15ラウンド(15R)に設定されている。
また、本パチンコ機10では、可変入賞装置32の1回の開放態様が、大入賞口が開放されてから閉鎖されるまでの開放継続時間(開放継続期間)を相違させて、複数種類設定されている。詳細には、開放継続時間が長時間である29secに設定された長時間態様(長期間態様)と、開放継続時間が上記長時間よりも短い短時間である0.06secに設定された短時間態様(短期間態様)と、が設定されている。
本パチンコ機10では、発射ハンドル55が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構51が駆動制御される。また、ラウンド遊技は終了条件の上限個数が9個に設定されている。そうすると、上記開放態様のうち長時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技との積よりも長い時間の開放継続時間が設定されていることとなる。一方、短時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技との積よりも短い時間、より詳細には、遊技球の発射周期よりも短い時間の開放継続時間が設定されている。したがって、長時間態様で可変入賞装置32の1回の開放が行われた場合には、大入賞口に対して、1回のラウンド遊技における上限個数分の入賞が発生することが期待され、短時間態様で可変入賞装置32の1回の開放が行われた場合には、大入賞口への入賞が発生しないこと又は入賞が発生するとしても1個程度となることが期待される。
高頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において長時間態様による大入賞口の開放が1回行われる。一方、低頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において短時間態様による大入賞口の開放が1回行われる。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口の開閉回数、ラウンド遊技の回数、1回の開放に対する開放継続時間及び1回のラウンド遊技における上限個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。
下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモードとしては、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)と低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間として短い時間が選択されるように設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口34よりも上作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口33よりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート35への入賞に基づき役物用表示部44にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、役物用表示部44における1回の変動表示時間を短くする)、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM123における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリアに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、低確大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)と、低入賞高確大当たり結果(明示高確率対応遊技結果又は突然確変状態となる結果)と、最有利大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)とが設定されている。
低確大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
低入賞高確大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
最有利大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、開閉実行モード(特別遊技状態)ではなく、さらに当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。また、遊技結果として、低入賞高確大当たり結果が設定されていない構成としてもよい。
振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が低確大当たり結果に対応しており、「10〜14」が低入賞高確大当たり結果に対応しており、「15〜29」が最有利大当たり結果に対応している。
なお、高確大当たり結果の一種として、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードがそれまでのモードに維持されることとなる非明示の低入賞高確大当たり結果(非明示高確率対応遊技結果又は潜伏確変状態となる結果)が含まれていてもよい。この場合、大当たり結果のさらなる多様化が図られる。
さらにまた、当否抽選における外れ結果の一種として、低頻度入賞モードの開閉実行モードに移行するとともに、その終了後において当否抽選モード及びサポートモードの移行が発生しない特別外れ結果が含まれていてもよい。上記のような非明示の低入賞高確大当たり結果と当該特別外れ結果との両方が設定されている構成においては、開閉実行モードが低頻度入賞モードに移行すること、及びサポートモードがそれまでのモードに維持されることで共通しているのに対して、当否抽選モードの移行態様が異なっていることにより、例えば通常遊技状態において非明示の低入賞高確大当たり結果又は特別外れ結果の一方が発生した場合に、それが実際にいずれの結果に対応しているのかを遊技者に予測させることが可能となる。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングで保留格納エリア137bに格納される。
ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置41における表示演出の一種としてリーチ表示が設定されている。リーチ表示とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
リーチ表示には、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画像において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
リーチ表示は、高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに移行する遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、開閉実行モードに移行しない遊技回では、ROM123のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して、所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43における変動表示時間(表示継続期間)と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間(表示継続期間)とをメインMPU122において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述するメイン処理及びタイマ割込み処理のそれぞれにて更新され、メイン表示部43における変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSの値が取得される。なお、変動表示時間の決定に際しては、ROM123の変動表示時間テーブル記憶エリア(変動表示時間情報記憶手段)に予め記憶されている変動表示時間テーブル(変動表示時間情報群)が参照される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRWM124に設けられた電役保留エリア137cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
<メインMPU122にて実行される各種処理について>
次に、メインMPU122にて遊技を進行させるために実行される各処理を説明する。かかるメインMPU122の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に起動されるタイマ割込み処理とがある。
<メイン処理>
先ず、図13のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。
先ずステップS101では、電源投入ウェイト処理を実行する。当該電源投入ウェイト処理では、例えばメイン処理が起動されてから1secが経過するまで次の処理に進行することなく待機する。続くステップS102ではRWM124のアクセスを許可するとともに、ステップS103にてメインMPU122の内部機能レジスタの設定を行う。
その後、ステップS104では、電源及び発射制御装置79に設けられたRWM消去スイッチが手動操作されているか否かを判定し、続くステップS105では、RWM124の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。また、ステップS106ではチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し、続くステップS107ではそのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
本パチンコ機10では、例えば遊技ホールの営業開始時など、電源投入時にRWMデータを初期化する場合にはRWM消去スイッチを押しながら電源が投入される。したがって、RWM消去スイッチが押されていれば、ステップS108の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS108の処理に移行する。ステップS108では、RWM124の初期化として当該RWM124をクリアする。その後、ステップS109に進む。
一方、RWM消去スイッチが押されていない場合には、停電フラグに「1」がセットされていること、及びチェックサムが正常であることを条件に、ステップS108の処理を実行することなくステップS109に進む。ステップS109では、電源投入設定処理を実行する。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といったRWM124の所定のエリアを初期値に設定するとともに、現状の遊技状態を認識させるために現状の遊技状態に対応したコマンドを音光制御装置72に送信する。また、払出制御装置78のRWMの初期化を実行すべきことを示す払出初期化コマンドを払出制御装置78に送信する。さらに、タイマ割込み処理の発生を許可するために割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS110〜ステップS113の残余処理に進む。つまり、メインMPU122はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS110〜ステップS113の残余処理を繰り返し実行する。この点、当該ステップS110〜ステップS113の残余処理は非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、先ずステップS110にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS111では、乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS112にて変動種別カウンタの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。これらの更新処理では、RWM124の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS113にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS113の処理を実行したら、ステップS110に戻り、ステップS110〜ステップS113の処理を繰り返す。
<タイマ割込み処理>
次に、図14のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。
ここで、メインMPU122にてタイマ割込み処理を定期的に実行するためのハード構成について説明する。主制御基板121には所定周期でパルス信号を出力するパルス信号出力手段としてクロック回路が設けられており、さらに当該クロック回路とメインMPU122との間の信号経路の途中位置に存在するように分周回路が設けられている。
分周回路は、クロック回路からのパルス信号の周期を変更する周波数変更手段として機能し、タイマ割込み処理の起動タイミングをメインMPU122にて特定するためのパルス信号を出力するように構成されている。つまり、分周回路からメインMPU122に対して特定周期である4msec周期の間隔でパルス信号が供給されるようになっている。メインMPU122では、かかるパルス信号の立ち上がり又は立下りといった特定の信号形態の発生を確認する処理を実行し、特定の信号形態の発生を確認したことを少なくとも一の条件としてタイマ割込み処理を起動して実行する。
この場合、タイマ割込み処理の起動が禁止されている状況において上記特定の信号形態の発生を確認した場合には、その割込みが禁止されている状態から割込みが許可された状態となった場合にタイマ割込み処理が起動される。つまり、メインMPU122における処理の実行状況によっては前回のタイマ割込み処理が開始されてから4.1msec経過後に次のタイマ割込み処理が開始される場合が生じ、このような事象が発生した場合には次のタイマ割込み処理は直前のタイマ割込み処理が開始されてから3.9msec経過後に開始されることとなる。
但し、上記分周回路からのパルス信号の出力はメインMPU122における処理の経過内容に関係なく4msecといった特定周期で行われるため、基本的にはタイマ割込み処理は特定周期で起動される。さらにまた、メインMPU122の処理構成は、所定のタイミングにおけるタイマ割込み処理が前回のタイマ割込み処理が起動されてから特定周期を超える期間が経過した後に起動されたとしても、当該所定のタイミングの次のタイミングにおけるタイマ割込み処理にてその特定周期を超えた分が吸収されて、さらに次のタイミングにおけるタイマ割込み処理ではパルス信号の入力を確認したタイミングで起動されるように設定されている。
さて、タイマ割込み処理では、先ずステップS201にて停電情報記憶処理を実行する。停電情報記憶処理では、停電監視基板125から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には停電時処理を実行する。
続くステップS202では抽選用乱数更新処理を実行する。抽選用乱数更新処理では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。
その後、ステップS203ではステップS111と同様に乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS204にてステップS112と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する。続くステップS205では、遊技停止判定処理を実行する。遊技停止判定処理では、遊技の進行を停止すべき状況であるか否かを監視し、遊技の進行を停止すべき状況であれば遊技を進行させるための処理の実行を停止する。
その後、ステップS206では遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定し、遊技の進行を停止していない状態であることを条件に、ステップS207以降の処理を実行する。
ステップS207では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部32b,34bに行うための処理を実行する。例えば、可変入賞装置32の大入賞口を開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には可変入賞駆動部32bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、下作動口34の電動役物34aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には電動役物駆動部34bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
続くステップS208では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
続くステップS209では入賞検知処理を実行する。当該入賞検知処理では、各入賞検知センサ126a〜126hから受信している信号を読み込むとともに、一般入賞口31、可変入賞装置32の大入賞口、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35への入賞の有無を特定する処理を実行する。
続くステップS210では、RWM124に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。この場合、記憶されている数値情報が減算されて更新されるタイマカウンタを集約して扱う構成であるが、減算式のタイマカウンタの更新及び加算式のタイマカウンタの更新の両方を集約して行う構成としてもよい。
続くステップS211では、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行する。当該不正検知処理では、複数種類の事象の発生を監視し、所定の事象が発生していることを確認することで、次回のタイマ割込み処理における上記ステップS205にて遊技停止用の設定を行い、ステップS206にて肯定判定するようになる。
続くステップS212では、遊技球の発射制御を行うための発射制御処理を実行する。発射ハンドル55に対して発射操作が継続されている状況では、既に説明したとおり、所定の発射周期である0.6secに1個の遊技球が発射される。
続くステップS213では、入力状態監視処理として、ステップS208の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、各入賞検知センサ126a〜126hの断線確認や、遊技機本体12や前扉枠14の開放確認を行う。
続くステップS214では、遊技回の実行制御及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行する。当該特図特電制御処理では、保留格納エリア137bに記憶されている保留情報の数が上限数未満である状況で上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合に、その時点における大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を保留情報として、保留格納エリア137bに時系列的に格納していく処理を実行する。また、特図特電制御処理では、遊技回中及び開閉実行モード中ではなく且つ保留情報が記憶されていることを条件に、その保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定する当否判定処理、及び大当たり当選に対応している場合にはその保留情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを判定する振分判定処理を実行する。また、特図特電制御処理では、当否判定処理及び振分判定処理だけでなく、その保留情報が大当たり当選に対応していない場合には、その保留情報がリーチ発生に対応しているか否かを判定するリーチ判定処理を実行するとともに、その時点における変動種別カウンタCSの数値情報を利用して遊技回の継続時間を選択する継続時間の選択処理を実行する。そして、それら各処理の結果に応じた継続時間の情報を含む変動用コマンドと、遊技結果の情報を含む種別コマンドとを、音光制御装置72に送信するとともに、メイン表示部43における絵柄の変動表示を開始させる。これにより、1遊技回が開始された状態となり、メイン表示部43及び図柄表示装置41にて遊技回用の演出が開始される。
また、特図特電制御処理では、1遊技回の実行中にはその遊技回の終了タイミングであるか否かを判定し、終了タイミングである場合には遊技結果に対応した表示を行った状態で、その遊技回を終了させる処理を実行する。この場合、遊技回を終了させるべきことを示す最終停止コマンド(又は確定コマンド)を音光制御装置72に送信する。また、特図特電制御処理では、遊技回の結果が開閉実行モードへの移行に対応した結果である場合には、当該開閉実行モードを開始させるための処理を実行する。この開始に際しては、開閉実行モードが開始されることを示すオープニングコマンドを音光制御装置72に送信する。また、特図特電制御処理では、各ラウンド遊技を開始させるための処理及び各ラウンド遊技を終了させるための処理を実行する。これら各処理に際して、ラウンド遊技が開始されること(又は可変入賞装置32が開放状態となること)を示す開放コマンドを音光制御装置72に送信するとともに、ラウンド遊技が終了されること(又は可変入賞装置32が閉鎖状態となること)を示す閉鎖コマンドを音光制御装置72に送信する。また、特図特電制御処理では、開閉実行モードを終了させる場合にそのことを示すエンディングコマンドを音光制御装置72に送信するとともに、開閉実行モード後の当否抽選モードやサポートモードを設定するための処理を実行する。
タイマ割込み処理においてステップS214の特図特電制御処理を実行した後は、ステップS215にて普図普電制御処理を実行する。普図普電制御処理では、スルーゲート35への入賞が発生している場合に普図側の保留情報を取得するための処理を実行するとともに、普図側の保留情報が記憶されている場合にその保留情報について開放判定を行い、さらにその開放判定を契機として普図用の演出を行うための処理を実行する。また、開放判定の結果に基づいて、下作動口34の電動役物34aを開閉させる処理を実行する。
続くステップS216では、直前のステップS214及びステップS215の処理結果に基づいて、メイン表示部43に係る保留情報の増減個数を第1保留発光部45に反映させるための出力情報の設定を行うとともに、役物用表示部44に係る保留情報の増減個数を第2保留発光部46に反映させるための出力情報の設定を行う。また、ステップS216では、直前のステップS214及びステップS215の処理結果に基づいて、メイン表示部43の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、役物用表示部44の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
続くステップS217では、遊技回及び開閉実行モードのいずれもが実行されていない状況において図柄表示装置41の表示内容を待機表示用のものとするためのデモ表示用処理を実行するとともに、ステップS218では、払出制御装置78から受信したコマンド及び信号の内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する。また、ステップS219では、賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する。
続くステップS220では、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するための外部情報設定処理を実行する。また、ステップS221では、試射試験情報を編集するための処理を実行する。
ステップS206にて肯定判定をした場合、又はステップS207〜ステップS221の処理を実行した後は、ステップS222に進む。ステップS222では、割込み終了宣言の設定を実行する。メインMPU122では、一度タイマ割込み処理が起動された場合、次のタイマ割込み処理が起動されるための条件の1つとして割込み終了宣言の設定を行うことが定められており、ステップS222では、次のタイマ割込み処理の実行を可能とするために割込み終了宣言の設定を行う。また、ステップS223では、割込み許可の設定を行う。メインMPU122では、タイマ割込み処理が一旦起動されると、割込み禁止の状態に設定されるため、ステップS223では、次のタイマ割込み処理の実行を可能とするために割込み許可の設定を行う。その後、本タイマ割込み処理を終了する。
<不正検知処理>
次に、タイマ割込み処理(図14)のステップS211にて実行される不正検知処理について説明する。
不正検知処理では、予め定められている複数種類の検知対象の不正が発生しているか否かを監視し、不正が発生していることを特定した場合にそれに対処するための処理を実行する。かかる複数種類の検知対象の不正として、磁石を用いて遊技球の入賞を不正に発生させようとする行為、可変入賞装置32の大入賞口検知センサに遊技球の入賞を誤検知させようとする行為、及び電波を用いて遊技球の入賞を不正に発生させようとする行為が含まれている。
さて、不正検知処理では、図15のフローチャートに示すように、先ずステップS301にて、磁石検知センサ47aがONとなっているか否かを判定する。具体的には、磁石検知センサ47aは、磁石による磁気の発生を検知していない場合に非検知中に対応したLOWレベルの磁石検知信号を出力するとともに、磁石による磁気の発生を検知している場合に検知中に対応したHIレベルの磁石検知信号を出力する。なお、これらLOWレベルとHIレベルとの関係が逆であってもよい。かかる磁石検知信号は、ドライバによって当該信号がメインMPU122への入力対象として設定されている場合に当該メインMPU122の入力ポートへ入力される。ステップS301では、入力ポートを監視することで、磁石検知センサ47aが磁気の発生を検知中であるか否かを判定する。
ステップS301にて否定判定をした場合には、ステップS302にて、RWM124に設けられた磁石検知カウンタを「0」クリアする。磁石検知カウンタは、磁石検知センサ47aが磁気の発生を検知中であることを確認した回数をメインMPU122にて特定するためのカウンタである。
一方、ステップS301にて肯定判定をした場合には、ステップS303にて、磁石検知カウンタを1加算するための処理を実行し、ステップS304にて、その加算後の数値情報が「2」であるか否かを判定する。つまり、磁石検知センサ47aが磁気の発生を検知中であることをメインMPU122にて複数回に亘って確認したか否かを判定する。
ステップS304にて肯定判定をした場合には、ステップS305にて、RWM124の磁石検知済みフラグに「1」をセットすることで磁石検知済み状態に設定する。続くステップS306では、磁石検知コマンドを出力対象に設定する。磁石検知コマンドは、磁石を用いた不正行為の発生をメインMPU122にて特定したことをサブ側の制御装置である音光制御装置72に認識させるためのコマンドでる。なお、メインMPU122では出力対象として設定されたコマンドは、メインMPU122のプログラム上の処理にて特別な処理を実行することなく出力先の制御装置に送信される。
ステップS307では、磁石を用いた不正行為の発生を特定したことを遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために異常用の外部出力開始処理を実行する。なお、外部端子板81に対する出力設定は、タイマ割込み処理(図14)の外部情報設定処理(ステップS220)にて実行される。これは以下の外部出力に係る処理についても同様である。
ステップS302の実行後、ステップS304にて否定判定をした場合又はステップS307の実行後は、ステップS308に進む。ステップS308では、RWM124の大入賞フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、可変入賞装置32への入賞が発生しているか否かを判定する。可変入賞装置32への入賞が発生している場合にはステップS309にて、RWM124に設けられた特図特電カウンタが「4」であるか否かを判定する。特図特電カウンタの内容については後に詳細に説明するが、当該カウンタが「4」である場合とは可変入賞装置32の開閉扉32aが開放中であることを意味する。
特図特電カウンタが「4」ではない場合、すなわち可変入賞装置32の開閉扉32aが閉鎖中である場合には、可変入賞装置32において、開閉扉32aが閉鎖中であるにも関わらず大入賞口検知センサにて遊技球が検知されたことを意味する。この場合には、ステップS310に進み、RWM124の不正入賞フラグに「1」をセットすることで不正入賞状態に設定する。続くステップS311では、不正入賞コマンドを出力対象に設定する。不正入賞コマンドは、可変入賞装置32の大入賞口検知センサに入賞を誤検知させる不正行為が発生したことをサブ側の制御装置である音光制御装置72に認識させるためのコマンドである。
ステップS312では、不正入賞させる不正行為の発生を特定したことを遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために異常用の外部出力開始処理を実行する。なお、ステップS309では、正規に開放されている可変入賞装置32の開閉扉32aの閉鎖間際に遊技球の入賞が発生した場合を考慮して閉鎖タイミングから遊技球の検知に要する時間分が経過するまで否定判定をしない構成としてもよい。
ステップS308にて否定判定をした場合、ステップS309にて肯定判定をした場合又はステップS312の実行後は、ステップS313にて電波検知用処理を実行した後に、本不正検知処理を終了する。
ここで、図16のフローチャートを参照しながら電波検知用処理を説明する。
電波検知用処理では、図16のフローチャートに示すように、ステップS401では先ず、電波検知センサ47bがONとなっているか否かを判定する。具体的には、電波検知センサ47bは、電波を検知していない場合に非検知中に対応したLOWレベルの電波検知信号を出力するとともに、電波を検知している場合に検知中に対応したHIレベルの電波検知信号を出力する。なお、これらLOWレベルとHIレベルとの関係が逆であってもよい。かかる電波検知信号は、ドライバによって当該信号がメインMPU122への入力対象として設定されている場合に当該メインMPU122の入力ポートへ入力される。ステップS401では、入力ポートを監視することで、電波検知センサ47bが電波を検知中であるか否かを判定する。ステップS401にて肯定判定をした場合には、ステップS402へ進む。
ステップS402では、電波検知コマンド設定済み状態であるか否かを判定する。具体的には、RWM124に設けられた電波検知コマンド設定済みフラグに「1」がセットされているか否かを判定する。ステップS402にて否定判定をした場合には、ステップS403に進む。
ステップS403では、電波検知済み状態であるか否かを判定する。具体的には、RWM124に設けられた電波検知済みフラグに「1」がセットされているか否かを判定する。ステップS403にて否定判定をした場合には、ステップS404に進むとともにRWM124に設けられた電波検知済みカウンタを1加算する。
続くステップS405では、電波検知済みカウンタの値が「2」であるか否かを判定する。ステップS405にて肯定判定した場合には、ステップS406に進むとともに電波検知済み状態に設定する。具体的には、電波検知済みフラグに「1」をセットする。
ステップS403にて肯定判定をした場合又はステップS406の実行後は、ステップS407にて、主制御基板121に搭載された送信データ記憶部の容量に空きがあるか否かを判定する。ステップS407にて肯定判定をした場合には、続くステップS408にて電波検知コマンドを送信データ記憶部に格納することで出力対象に設定する。
電波検知コマンドは、電波検知状態であることをメインMPU122にて特定したことをサブ側の制御装置である音光制御装置72に認識させるためのコマンドである。音光制御装置72では、電波検知コマンドを受信している場合には電波検知用の音声発光パターンを設定する。具体的には、電波検知コマンドは2バイトの情報からなる。電波検知コマンド、上位情報と下位情報とを備え、それら各情報はそれぞれ1バイトで構成されている。上位情報には不正検知用のコマンドであることを特定する情報が設定されており、下位情報には具体的に電波を用いた不正行為を検知したことを特定する情報が設定されている。電波検知コマンドは、送信データ記憶部に格納することで出力対象に設定する。
続くステップS409では、電波検知済みフラグをクリアする。続くステップS410では電波検知済みカウンタの値をクリアした後、続くステップS411では電波検知コマンド設定済み状態に設定する。具体的には電波検知コマンド設定済みフラグに「1」をセットする。
続くステップS412では、電波を用いた不正行為の発生を特定したことを遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために異常用の外部出力開始処理を実行する。なお、外部端子板81に対する出力設定は、タイマ割込み処理(図14)におけるステップS220の外部情報設定処理にて実行される。
ステップS407にて否定判定をした場合又はステップS412の実行後は、本不正検知処理を終了する。
ステップS401にて否定判定をした場合には、ステップS413にて電波検知コマンド設定済みフラグをクリアする。ステップS402にて肯定判定をした場合、ステップS405にて否定判定をした場合又はステップS413の実行後は、本不正検知処理を終了する。
<遊技停止判定処理>
次に、タイマ割込み処理(図14)のステップS205にて実行される遊技停止判定処理について図17のフローチャートを参照しながら説明する。
遊技停止判定処理では、ステップS501にて磁石検知済み状態であるか否かを判定し、ステップS502にて不正入賞状態であるか否かを判定し、さらにステップS503にて電波検知状態であるか否かを判定する。そして、ステップS501〜ステップS503の全てにおいて否定判定をした場合には、そのまま本遊技停止判定処理を終了する。
一方、ステップS501〜ステップS503のいずれかにて肯定判定をした場合には、ステップS504に進む。ステップS504では、メインMPU122の出力ポートにおける出力状態を全て「0」にセットする処理を実行する。これにより、例えば可変入賞装置32の開閉扉32aが開放状態である状況であっても、可変入賞駆動部32bへの駆動信号の出力が停止されることで可変入賞装置32の開閉扉32aが閉鎖状態に切り換えられる。また、下作動口34の電動役物34aが開放状態である状況であっても、電動役物駆動部34bへの駆動信号の出力が停止されることで電動役物34aが閉鎖状態に切り換えられる。また、メインMPU122から電源及び発射制御装置79に向けてHIレベルの発射許可信号が出力されている状況であっても、それがLOWレベルの発射許可信号に切り換えられ、遊技球の発射が禁止される。
続くステップS505では、RWM124に設けられた遊技停止フラグに「1」をセットすることで、遊技停止状態とする。続くステップS506では、その他の解除処理を実行する。例えば、払出制御装置78に対して遊技停止コマンドを出力し、それによって、払出装置77による遊技球の払出を停止させる。また、音光制御装置72に対して遊技停止コマンドを出力し、それによって、メイン表示部43や役物用表示部44における絵柄の変動表示を停止させる。その後、本遊技停止判定処理を終了する。
上記のように遊技停止判定処理にて遊技停止状態に設定することにより、その後のタイマ割込み処理(図14)におけるステップS206にて肯定判定をすることとなる。そして、ステップS206にて肯定判定をした場合には、ステップS207〜ステップS221の処理をスキップする。これらステップS207〜ステップS221の処理は、実質的に遊技を進行させるための処理であり、かかる処理をスキップすることで、遊技の進行を停止させることができる。
但し、遊技停止状態であっても、タイマ割込み処理(図14)におけるステップS201の停電情報記憶処理はスキップされない。これにより、遊技停止状態中に停電が発生したとしても、正常に停電時処理を実行することが可能となる。遊技停止状態中には停電時処理が正常に実行されない構成を想定すると、遊技停止状態となった際にパチンコ機10の電源が遮断された場合、停電フラグのセットやチェックサムの算出が正常に行われないことを通じてメイン処理の起動に際してRWM124の初期化が実行されてしまう。そうすると、パチンコ機10の単純な電源遮断を通じて遊技停止状態を解除できてしまう。このような場合、例えば不正行為により遊技球の払出を不正に発生させた後にパチンコ機10の電源を遮断させる行為が行われると、かかる不正行為を発見しづらくなるとともにその後にパチンコ機10が正常に動作することに起因してかかる不正行為を繰り返すことが可能となってしまう。これに対して、遊技停止状態中であっても停電時処理が正常に実行されるため、仮に上記不正行為を行った後にパチンコ機10の電源が遮断されたとしても、復電後には遊技停止状態に復帰することとなり、上記のような不都合の発生を阻止することが可能となる。
上記のとおり遊技停止状態は、パチンコ機10の電源を遮断したとしても解除されないが、電源及び発射制御装置79に設けられたRWM消去スイッチを手動操作し且つ電源を遮断することで、メイン処理(図13)におけるステップS108の処理を通じて遊技停止フラグが「0」クリアされて解除される。また、この際に不正の検知に関して外部出力を行う状態も解除される。この場合に、電源及び発射制御装置79はパチンコ機10の最背面に設けられているため、不正行為者にとってはRWM消去スイッチを手動操作しづらくなっている。ちなみに、かかる操作性をより困難なものとするために、裏パック73や他の部材により背面側から覆われる位置にRWM消去スイッチが設けられている構成としてもよい。
ちなみに、遊技停止状態であっても各種抽選用のカウンタC1〜C4,CINI,CSを更新する処理はスキップされることなく継続される。これにより、遊技停止状態中であっても各種抽選用のカウンタC1〜C4,CINI,CSの更新を継続することができる。なお、当該構成は、RWM消去スイッチを操作し且つパチンコ機10の電源を遮断したとしても、各種抽選用のカウンタC1〜C4,CINI,CSの初期化が実行されない構成や、遊技停止状態の解除に際してRWM124の初期化を必須としない構成に適用するとより効果的である。
以上のとおり、遊技停止の対象となる不正行為が複数種類設定されている構成において、タイマ割込み処理(図14)において各不正行為の発生を特定する処理ではかかる不正行為の発生の有無を特定することに留め、具体的な遊技停止用の処理は、タイマ割込み処理において実質的に遊技を進行させるための処理を実行する前のタイミングで実行する。これにより、各不正行為の発生を特定した場合に即座に遊技停止用の処理を実行する場合に比べて、かかる遊技停止用の処理を一の処理に集約させることができ、処理の簡素化が図られる。
また、不正行為の発生を特定した場合に即座に遊技停止用の処理を実行しない構成であっても、不正行為の発生を特定した場合には即座にそれに対する報知が実行される。よって、遊技ホールの管理者は不正行為の発見を早期に行うことが可能となる。また、異常用の外部出力も不正行為の発生を特定した場合に即座に行われるため、例えばその外部出力が行われた時間を遊技ホールの管理コンピュータにて管理データとして記憶する構成とすれば、不正行為の発生を特定した瞬間の時間を遊技ホールの管理者が把握することが可能となる。
<特図特電制御処理>
次に、タイマ割込み処理(図14)のステップS214にて実行される特図特電制御処理について説明する。
特図特電制御処理では、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生している場合に保留情報を取得するための処理を実行するとともに、保留情報が記憶されている場合にその保留情報について当否判定を行い、さらにその当否判定を契機として遊技回用の演出を行うための処理を実行する。また、当否判定の結果に基づいて、遊技回用の演出後に開閉実行モードに移行させる処理を実行するとともに、開閉実行モード中及び開閉実行モード終了時の処理を実行する。
図18のフローチャートに示すように、先ずステップS601にて、保留情報の取得処理を実行する。保留情報の取得処理では、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生しているか否かを判定し、入賞が発生している場合には保留格納エリア137bにおける保留数が上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定する。保留数が上限値未満である場合には、保留数を1加算するとともに、タイマ割込み処理(図14)の前回のステップS202にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリアに格納する。
なお、上作動口33及び下作動口34への入賞が同時に発生している場合には、保留情報の取得処理を1回実行する範囲内において、上記保留情報を取得するための処理を複数回実行する。
ステップS601にて保留情報の取得処理を実行した後は、ステップS602、S603に進む。ステップS602及びステップS603では、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生したことを音光制御装置72及び表示制御装置128に認識させるための処理である保留予告用の確認処理及び保留コマンドの設定処理を実行する。
ステップS603の保留コマンドの設定処理にて設定された保留コマンドは音光制御装置72に送信される。なお、ステップS602,S603の各処理についての詳細な説明は後述する。
続くステップS604では、RWM124に設けられた特図特電カウンタの情報を読み出す処理を実行し、ステップS605にてROM123から特図特電アドレステーブルを読み出す処理を実行する。そして、ステップS606にて、特図特電アドレステーブルから特図特電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する処理を実行する。
ここで、ステップS604〜ステップS606の処理内容について説明する。
既に説明したとおり特図特電制御処理には、遊技回用の演出に係る処理と、開閉実行モードに係る処理と、が含まれている。この場合に、遊技回用の演出に係る処理として、遊技回用の演出を開始させるための処理である特図変動開始処理(ステップS608)と、遊技回用の演出を進行させるための処理である特図変動中処理(ステップS609)と、遊技回用の演出を終了させるための処理である特図確定中処理(ステップS610)と、が設定されている。
また、開閉実行モードに係る処理として、開閉実行モードのオープニングを制御するための処理である特電開始処理(ステップS611)と、可変入賞装置32の大入賞口の開放中の状態を制御するための処理である特電開放中処理(ステップS612)と、大入賞口の閉鎖中の状態を制御するための処理である特電閉鎖中処理(ステップS613)と、開閉実行モードのエンディング及び開閉実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための処理である特電終了処理(ステップS614)と、が設定されている。
このような処理構成において、特図特電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかをメインMPU122にて把握するためのカウンタであり、特図特電アドレステーブルには、特図特電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムの開始アドレスが設定されている。
この場合、開始アドレスSA0は、特図変動開始処理(ステップS608)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA1は、特図変動中処理(ステップS609)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA2は、特図確定中処理(ステップS610)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA3は、特電開始処理(ステップS611)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA4は、特電開放中処理(ステップS612)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA5は、特電閉鎖中処理(ステップS613)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA6は、特電終了処理(ステップS614)を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
特図特電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における特図特電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算又は「0」クリア(初期化)される。したがって、各処理回における特図特電制御処理では、特図特電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。
ステップS606の処理を実行した後は、ステップS607にて、ステップS606において取得した開始アドレスの示す処理にジャンプする処理を実行する。具体的には、取得した開始アドレスがSA0である場合にはステップS608の特図変動開始処理にジャンプする。
特図変動開始処理では、保留情報が保留記憶されていることを条件に、その保留情報を保留格納エリア137bの実行エリアAEにシフトする処理を実行するとともに、各保留エリアRE1〜RE4のデータを上位側(すなわち第1保留エリアRE1側)にシフトする処理を実行する。その後、実行エリアAEにシフトされた保留情報について、大当たり当選に対応しているか否かを判定する当否判定処理、及び大当たり当選に対応している場合にはその保留情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを判定する振分判定処理を実行する。当否判定処理に際しては、保留情報において大当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が、大当たり当選に対応した数値情報であるか否かの判定を行う。また、振分判定処理に際しては、保留情報において大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報が、いずれの大当たり結果の区分に対応しているか否かの判定を行う。
当否判定処理及び振分判定処理だけでなく、その保留情報が大当たり当選に対応していない場合には、その保留情報がリーチ発生に対応しているか否かを判定するリーチ判定処理を実行するとともに、その時点における変動種別カウンタCSの数値情報を利用して遊技回の継続時間を選択する継続時間の選択処理を実行する。なお、リーチ判定処理に際しては、保留情報においてリーチ乱数カウンタC3から取得した数値情報が、リーチ発生の数値情報に対応しているか否かの判定を行う。
継続時間の情報を選択した場合には、当該継続時間の情報を含む変動用コマンドと遊技結果の情報を含む種別コマンドとを音光制御装置72に送信するとともに、メイン表示部43における絵柄の変動表示を開始させる。これにより、1遊技回が開始された状態となり、メイン表示部43及び図柄表示装置41にて遊技回用の演出が開始される。
ちなみに、このように遊技回用の演出を開始させた場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特図変動開始処理に対応したものから特図変動中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA1である場合にはステップS609の特図変動中処理にジャンプする。特図変動中処理では、遊技回の継続時間中であって、確定表示前のタイミングであるか否かを判定する処理を実行し、確定表示前であればメイン表示部43における絵柄の表示態様を規則的に変化させるための処理を実行する。
ちなみに、確定表示させるタイミングとなるまで特図変動中処理にて待機するのではなく、確定表示させるタイミングではない場合には上記規則的に変化させるための処理を実行した後に、本特図変動中処理を終了する。したがって、遊技回用の演出が開始された後は、確定表示させるタイミングとなるまで、特図特電制御処理が起動される度に特図変動中処理が起動される。また、確定表示させるタイミングとなった場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特図変動中処理に対応したものから特図確定中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA2である場合にはステップS610の特図確定中処理にジャンプする。特図確定中処理では、図柄表示装置41にて今回の遊技回の停止結果を最終停止表示させるために、最終停止コマンドを音光制御装置72に送信するとともに、メイン表示部43における絵柄の表示態様を今回の遊技回の抽選結果に対応した表示態様とする。また、特図確定中処理では、確定表示中の期間が経過したか否かを判定し、当該期間が経過している場合には開閉実行モードへの移行が発生するか否かの判定を行い、開閉実行モードへの移行が発生する場合には当該モード移行用の処理を実行する。
ちなみに、確定表示中の期間が経過するまで特図確定中処理にて待機するのではなく、当該期間が経過していない場合には本特図確定中処理を終了する。したがって、確定表示が開始された後は、確定表示中の期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特図確定中処理が起動される。また、確定表示中の期間が経過した場合には、開閉実行モードへの移行が発生しない状況では特図特電カウンタの数値情報を初期化(すなわち「0」クリア)し、開閉実行モードへの移行が発生する状況では特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特図確定中処理に対応したものから特電開始処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA3である場合にはステップS611の特電開始処理にジャンプする。特電開始処理では、開閉実行モードが開始されることを示すオープニングコマンドを音光制御装置72に送信する。また、特電開始処理では、開閉実行モードのオープニング期間が経過したか否かを判定する。オープニング期間が経過していない場合には特電開始処理にて待機するのではなく本特電開始処理を終了する。したがって、開閉実行モードのオープニング演出が開始された後は、オープニング期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特電開始処理が起動される。また、オープニング期間が経過した場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特電開始処理に対応したものから特電開放中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA4である場合にはステップS612の特電開放中処理にジャンプする。特電開放中処理では、1のラウンド遊技を開始させるとともに、当該ラウンド遊技の終了条件が成立したか否かを判定する。終了条件が成立していない場合には特電開放中処理にて待機するのではなく、上記終了条件の成立を監視するための処理を実行した後に本特電開放中処理を終了する。上記終了条件が成立している場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特電開放中処理に対応したものから特電閉鎖中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA5である場合にはステップS613の特電閉鎖中処理にジャンプする。特電閉鎖中処理では、1のラウンド遊技を終了させる処理を実行する。また、ラウンド遊技間のインターバル期間においては、インターバル期間が経過したか否かを判定する。インターバル期間が経過していない場合には特電閉鎖中処理にて待機するのではなく本特電閉鎖中処理を終了する。したがって、インターバル期間が開始された場合には当該期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特電閉鎖中処理が起動される。また、インターバル期間が経過した場合には、特図特電カウンタの数値情報を1減算することで、当該カウンタの数値情報を特電閉鎖中処理に対応したものから特電開放中処理に対応したものに更新する。
一方、最後のラウンド遊技に対する特電閉鎖中処理では1のラウンド遊技を終了させる処理を実行した後に、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特電閉鎖中処理に対応したものから特電終了処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA6である場合にはステップS614の特電終了処理にジャンプする。特電終了処理では、開閉実行モードが終了されることを示すエンディングコマンドを音光制御装置72に送信する。また、特電終了処理では、開閉実行モードのエンディング期間が経過したか否かを判定する。エンディング期間が経過していない場合には特電終了処理にて待機するのではなく本特電終了処理を終了する。したがって、開閉実行モードのエンディング演出が開始された後は、エンディング期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特電終了処理が起動される。また、エンディング期間が経過した場合には、開閉実行モード後の遊技状態(当否抽選モード及びサポートモード)を設定するための処理を実行した後に、特図特電カウンタの数値情報を初期化することで、当該カウンタの数値情報を特電終了処理に対応したものから特図変動開始処理に対応したものに更新する。
次に、遊技回用の演出として、図柄表示装置41(表示面G)にて表示される図柄の変動表示態様について、図19を参照しつつ説明する。図19(a)は変動表示態様の種類を示す概略図、図19(b)群は各変動表示態様の概要を示す概略図である。
図19(a)に示すように、図柄表示装置41の表示面Gにて実行される図柄の変動表示態様については、完全外れ,ノーマルリーチA,ノーマルリーチB,スーパーリーチA,スーパーリーチB,スーパーリーチCの5つに大別される。これら各変動表示態様については、変動表示時間が異なるように設定されており、主制御装置71からのコマンドに付与され変動表示時間に係る情報に基づいて遊技回毎の変動表示態様の概要を把握可能となっている。
具体的には、完全外れの変動表示時間については「3sec〜8sec」(保留数に応じて差が設定されている)、ノーマルリーチAの変動表示時間については「10sec」、ノーマルリーチBの変動表示時間についてはノーマルリーチAの変動表示時間よりも長い「15sec」、スーパーリーチAの変動表示時間についてはノーマルリーチA,Bの変動表示時間よりも長い「16sec」、スーパーリーチBの変動表示時間についてはスーパーリーチAの変動表示時間よりも長い「17sec」、スーパーリーチCの変動表示時間については他のスーパーリーチA,Bの変動表示時間よりも長い「18sec」となっており、変動表示時間が長くなるにつれて大当たりの当選期待度が高くなるように設定されている。例えば、主制御装置71からのコマンドに付与された変動表示時間に関する情報が「15sec」である場合には、表示制御装置128にてノーマルリーチBを実行すべき旨が把握されることとなる。
ここで、図19(b1)を参照してノーマルリーチA,Bの変動表示態様について説明する。ノーマルリーチA,Bが選択された場合には、先ず停止表示されている全ての図柄列の変動表示(スクロール表示)を開始し、その後、上段の図柄列Z1において図柄の変動表示を終了し(停止表示させ)、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示を終了する(停止表示させる)。このようにして上下の図柄列Z1,Z3を停止表示した状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5(図5参照)に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成される。そして、当該リーチラインが形成されている状況下において中段の図柄列Z2の変動表示が行われることでリーチ表示となる。リーチ表示となった後、中段の図柄列Z2を停止表示することにより、変動表示が終了する。そして、リーチライン上に当該リーチ表示を構成している図柄と同一の図柄が停止することで大当たりに当選した旨が報知され、同リーチライン上にそれ以外の図柄が停止することで大当たりに当選していない旨が報知されることとなる。このようにして、最終停止表示された図柄の組み合わせについては所定期間に亘ってそのまま維持される。つまり、停止表示期間が経過するまでは今回の遊技回が続いており、当該停止表示期間が経過することにより次の遊技回への移行が許容されることとなる。
本実施の形態においてはリーチラインが形成された後の中図柄列Z2の変動表示時間に差を設定することにより、ノーマルリーチAとノーマルリーチBとの変動表示時間の差が確保されているが、両者の差の設定の仕方については任意である。例えば、変動表示が開始されてからリーチラインが形成されるまでの時間に差を設定することにより、上記変動表示時間の差を確保することも可能である。
次に、上述したノーマルリーチA,Bの変動表示態様を踏まえてスーパーリーチA,B,Cの変動表示態様について説明する。図19(b2)〜(b4)に示すように、スーパーリーチA,B,Cについては、ノーマルリーチA,Bと同様の過程を経て上述したリーチラインを形成する。そして、リーチラインを形成した後、中図柄列Z2の変動表示に併せて、所定のキャラクタを動画として表示することによりリーチ演出を行う構成となっている。具体的には、スーパーリーチAにおいてはリーチラインが形成された後、中図柄列Z2の変動表示領域の中央(変動表示領域MEの中央)に妖精を模したキャラクタが表示され、スーパーリーチBにおいてはリーチラインが形成された後、中図柄列Z2の変動表示領域の中央(変動表示領域MEの中央)に男の子を模したキャラクタが表示され、スーパーリーチCにおいてはリーチラインが形成された後、中図柄列Z2の変動表示領域の中央(変動表示領域MEの中央)に女の子を模したキャラクタが表示されることとなる。
<保留予告用の確認処理>
次に、特電特図制御処理(図18)のステップS602にて実行される保留予告用の確認処理について図20のフローチャートを参照しながら説明する。
保留予告用の確認処理においては、先ずステップS701にて、特図特電制御処理(図18)での直前のステップS601における保留情報の取得処理にて新たに取得された保留情報を、メインMPU122のレジスタに記憶する。その後、ステップS702〜S7036にて今回の入賞によって取得された保留情報に大当たり当選の情報が含まれているか否かを確認する。
具体的には、先ずステップS702にて、上作動口33又は下作動口34への今回の入賞に基づき、新たに取得した保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち取得済みの大当たり乱数カウンタC1の値を把握する。
続くステップS703では、低確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RWM124の各種フラグ格納エリアに高確率モードフラグが格納されているか否かを判定することで、現状の当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。低確率モードである場合にはステップS704に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照してステップS702にて把握した大当たり判定用の情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選に対応する情報群に含まれているかを特定する。また、高確率モードである場合にはステップS705に進み、上述した高確率モード用の当否テーブルを参照して、大当たり乱数カウンタC1の値が大当たり当選として設定された情報に含まれているかを特定する。
ステップS704又はステップS705の後はステップS706に進み、ステップS702にて把握した大当たり判定用の情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選に対応しているか否かを判定する。大当たり当選に対応している場合には、ステップS707にてメインMPU122のレジスタに大当たり情報を記憶し、そのまま本保留予告用の確認処理を終了する。
一方、ステップS706にて否定判定をした場合には、ステップS708に進む。ステップS708では、上作動口33又は下作動口34への今回の入賞に基づき、新たに取得した保留情報のうち外れリーチ判定用の情報、すなわち取得済みのリーチ乱数カウンタC3の値を把握する。
続くステップS709では、ROM123のリーチ判定用テーブル記憶エリア(リーチ判定用情報群記憶手段)に記憶されているリーチ判定用テーブル(リーチ判定用情報群)を参照して、ステップS708にて把握したリーチ判定用の情報(リーチ乱数カウンタC3の値)がリーチ当選として設定された情報に含まれているかを特定する。
ステップS709の処理を実行した後はステップS710に進み、ステップS708にて把握したリーチ判定用の情報(リーチ乱数カウンタC3の値)がリーチ発生に対応しているか否かを判定する。リーチ発生に対応している場合には、ステップS711にて、メインMPU122のレジスタにリーチ発生情報を記憶した後に、本確認処理を終了する。一方、リーチ発生に対応していない場合には、そのまま本確認処理を終了する。
<保留コマンドの設定処理>
次に、図21のフローチャートを参照して保留コマンドの設定処理について説明する。
保留コマンドの設定処理においては先ず、ステップS801にて、メインMPU122のレジスタに大当たり情報が記憶されているか否かを判定することで、特図特電制御処理(図18)での直前の保留予告用の確認処理(図20)において大当たり判定用の情報が大当たり当選に対応していると特定されたか否かを判定する。大当たり情報が記憶されている場合にはステップS802に進み、大当たり対応保留コマンドを設定する。なお、上記コマンドの設定や後述する各種コマンドの設定は、RWM124に設けられたコマンド設定エリアに対してコマンド情報を格納することにより行われる。
一方、ステップS801にて否定判定をした場合、すなわちメインMPU122のレジスタに大当たり情報が記憶されていないと判定した場合には、ステップS803に進み、メインMPU122のレジスタにリーチ発生情報が記憶されているか否かを判定することで、特図特電制御処理(図18)での直前の保留予告用の確認処理(図20)においてリーチ判定用の情報がリーチ発生に対応していると特定されたか否かを判定する。リーチ発生情報が記憶されている場合には、ステップS804にて外れリーチ対応保留コマンドを設定し、リーチ発生情報が記憶されていない場合には、ステップS805にて完全外れ対応保留コマンドを設定する。
ステップS802,S804,S805にて保留コマンドの設定を行う場合には、記憶されている大当たり種別カウンタC2の値や変動種別カウンタCSの値等を参照して変動表示時間を決定し、同変動表示時間にかかる情報を当該保留コマンドに格納する。変動表示時間の決定に際しては、変動表示時間テーブルが参照される。このようにして設定された保留コマンドが表示制御装置128に送信され、同表示制御装置128においては同保留コマンドに基づいて図柄の変動表示態様等を把握可能となる。
ステップS802、ステップS804、ステップS805のいずれかのコマンド設定処理を実行した後は、ステップS806にて、保留個数の情報を上記保留コマンドに対して設定する処理を実行する。かかる処理として具体的には、上記設定された保留コマンドの情報は、複数バイトの情報として構成されており、そのうちの一部のビットに対して、自身が保留コマンドである旨の情報や保留コマンドの種別の情報が含まれているとともに、保留個数の情報が設定可能となっている。この場合に、ステップS806では、先ず直前の保留予告用の確認処理(図20)におけるステップS701にてメインMPU122のレジスタに記憶された保留個数の情報を読み出し、その後に、既に設定されている保留コマンドにおける保留個数の情報用のビットに対して上記読み出した保留個数の情報を論理和などの演算処理によって格納する。これにより、ステップS802、ステップS804、ステップS805のいずれかの処理にて設定された保留コマンドに対して、かかる保留コマンドに対応した保留情報が何個目のものであるかを特定するための情報が含まれることとなる。以上詳述したステップS806の処理を実行した後に、本保留コマンド設定処理を終了する。
なお、ステップS806にて保留個数の情報が含められた保留コマンドは、音光制御装置72に送信される。音光制御装置72では、かかる保留コマンドを受信することにより、保留情報が増加したことを特定する。また、音光制御装置72では、保留コマンドをその形態を維持したまま表示制御装置128に送信する。表示制御装置128では、その受信した保留コマンドに基づいて画像データ準備用の処理等を実行する。当該準備用の処理については後に詳細に説明する。
また、保留コマンドの設定の仕方は、表示制御装置128において保留コマンドによって、大当たり当選の有無、大当たり当選の場合にはその際の大当たり種別、大当たり当選でない場合にはリーチ発生の有無等、言い換えれば図柄の変動表示態様を特定することができるのであれば任意である。例えば、大当たり対応保留コマンド,外れリーチ対応保留コマンド,完全外れ対応保留コマンドの組み合わせが、各保留個数に対応させて個別に設定されており、保留コマンドの設定処理では、保留予告用の確認処理(図20)における確認結果に応じて一の保留コマンドを選択する構成とすることも可能である。
<払出状態受信処理>
次に、タイマ割込み処理(図14)のステップS218にて実行される払出状態受信処理について説明する。
ここで、払出制御装置78は、図22のフローチャートにて示すような払出状態検知処理を定期的(例えば2msec周期)に実行しており、当該処理にて各種コマンドの受信に対応した処理を実行する。ここでは、まず、払出制御装置78による払出状態検知処理について説明し、その後、主制御装置71による払出状態受信処理について説明する。
払出状態検知処理では、先ずステップS901にて賞球完了状態を検知しているか否かを判定する。具体的には、主制御装置71から受信した賞球コマンドの賞球数に対応した遊技球が払出装置77から払い出された(払い出しが完了した)ことを確認する。なお、払出装置77には、その下流側へと送り出される遊技球を個別に検知する払出検知センサが設けられており、その払出検知センサの出力結果に基づいて払い出しが完了したことの確認を行う。
ステップS901にて肯定判定をした場合には、ステップS902にて払出モータ異常コマンドを送信データ記憶部に格納することで出力対象に設定する。ステップS901にて否定判定をした場合又はステップS902の実行後は、ステップS903にてタンク球無状態を検知しているか否かを判定する。具体的には、球無し検知センサ132の出力結果を確認することによってタンク76の球無し状態の検知を行っている。球無し検知センサ132は、タンク76に貯留されている遊技球が所定数以上である場合には、非検知中に対応したLOWレベルの検知信号を出力する。また、所定数よりも少ない場合には、検知中に対応したHIレベルの検知信号を出力する。LOWレベルからHIレベルへ検知信号が変化し、その後も複数処理回に亘ってHIレベルの検知信号が検出されている場合には、タンク球無状態であると判断される。
ステップS903にて肯定判定をした場合には、ステップS904にてタンク球無コマンドを送信データ記憶部に格納することで出力対象に設定する。ステップS903にて否定判定をした場合又はステップS904の実行後は、ステップS905にて下皿満杯状態を検知しているか否かを判定する。具体的には、満杯検知センサ131の出力結果を確認することによって下皿62aの満杯状態の検知を行っている。満杯検知センサ131は、下皿62aに貯留されている遊技球が所定数よりも少ない場合には、非検知中に対応したLOWレベルの入賞検知信号を出力するとともに、所定数以上である場合には、検知中に対応したHIレベルの入賞検知信号を出力する。LOWレベルからHIレベルへ検知信号が変化し、その後も複数処理回に亘ってHIレベルの検知信号が検出されている場合には、下皿満杯状態であると判断される。
ステップS905にて肯定判定をした場合には、ステップS906にて下皿満杯コマンドを送信データ記憶部に格納することで出力対象に設定する。ステップS905にて否定判定をした場合又はステップS906の実行後は、ステップS907にて異常終了状態を検知しているか否かを判定する。具体的には、既に説明した払出モータ異常状態、タンク球無状態及び下皿満杯状態のいずれかの状態が検知された状態から、検知されていない状態となり、複数の処理回に亘って上記各状態が検知されていない場合には、異常終了状態であると判断される。
ステップS907にて肯定判定をした場合には、ステップS908にて異常終了コマンドを送信データ記憶部に格納することで出力対象に設定する。ステップS907にて否定判定をした場合又はステップS908の実行後は、本払出状態検知処理を終了する。
ここで、本パチンコ機10では、電源及び発射制御装置79からの電力は、主制御装置71のRWM124に供給されるが、払出制御装置78のRWMには供給されない。当該構成とすることにより、電源及び発射制御装置79の小容量化が図られ、それに伴ってパチンコ機10のコストの削減が図られる。
但し、当該構成においては、外部電源からのパチンコ機10への電力供給が停止されると、払出制御装置78のRWMに記憶されている情報は全て消去されてしまう(破壊されてしまう)。この場合、従来のパチンコ機のように未払出の賞球数の情報を全て払出制御装置78のRWMに記憶しておく構成とすると、未払出の賞球数がある状況でパチンコ機10への電力供給が停止された場合にはその未払出の賞球数の全てが払い出されることなく消去されてしまう。そうすると、遊技者に多大な不利益を及ぼすこととなってしまう。
これに対して、本パチンコ機10では、未払出の賞球情報は基本的にRWM124に記憶し、メインMPU122は払出制御装置78からHIレベルの払出許可信号を受信している場合に当該払出制御装置78に対して賞球コマンドを送信する。そして、払出制御装置78では、払出制御装置78のRWMに記憶される賞球数の情報が、最大でも、1回の入賞に対する最大賞球数(15個賞球数)と、後述する許可基準数との和となるように払出許可信号をHIレベルとLOWレベルとの間で切り換えるタイミングを設定する。なお、この許可基準数は、1回の入賞に対する最小賞球数又はそれ未満となっている。これにより、未払出の賞球数が多数残っている状況でパチンコ機10への電力供給が停止されたとしても、その際に消去される賞球数を極力少なくすることが可能となる。つまり、払出許可信号とは、メインMPU122において賞球コマンドの出力タイミングを特定するために、払出制御装置78からメインMPU122に出力される情報である。
払出状態受信処理では、払出許可信号を含めて払出制御装置78から受信した情報に基づいて、当該払出制御装置78に対して賞球コマンドを出力可能な状況であるか否かの判定を行うための設定を行う。
さて、主制御装置71により実行される払出状態受信処理では、図23のフローチャートに示すように、先ずステップS1001にて、払出制御装置78からタンク球無しコマンドを受信しているか否かを判定する。タンク球無しコマンドは、既に説明したとおり、球無し検知センサ132によってタンク76の球無し状態が検知されている場合に払出制御装置78から送信されるものであり、払出異常コマンドに相当する。
タンク球無しコマンドを受信している場合には、ステップS1002にて払出異常用の処理を実行する。払出異常用の処理として、RWM124に設けられた払出異常フラグに「1」をセットすることで、払出異常状態に設定する。また、タンク球無しコマンドを払出異常コマンドとしてサブ側の制御装置である音光制御装置72に送信する。この場合、音光制御装置72では当該払出異常コマンドの受信を契機として払出異常報知が表示ランプ部58やスピーカ91,101にて実行される。なお、かかる払出異常報知が図柄表示装置41にて実行されるようにしてもよい。
ステップS1001にて否定判定をした場合又はステップS1002の処理を実行した後は、ステップS1003にて、払出制御装置78から下皿満杯コマンドを受信しているか否かを判定する。下皿満杯コマンドは、既に説明したとおり、満杯検知センサ131によって下皿62aの満杯状態が検知されている場合に払出制御装置78から送信されるものであり、払出異常コマンドに相当する。
タンク球無しコマンドを受信している場合には、ステップS1004にて払出異常用の処理を実行する。払出異常用の処理として、RWM124に設けられた払出異常フラグに「1」をセットすることで、払出異常状態に設定する。また、下皿満杯コマンドを払出異常コマンドとしてサブ側の制御装置である音光制御装置72に送信する。この場合、音光制御装置72では当該払出異常コマンドの受信を契機として払出異常報知が表示ランプ部58やスピーカ91,101にて実行される。なお、かかる払出異常報知が図柄表示装置41にて実行されるようにしてもよい。
ステップS1003にて否定判定をした場合又はステップS1004の処理を実行した後は、ステップS1005にて、払出制御装置78から異常終了コマンドを受信しているか否かを判定する。異常終了コマンドは、既に説明したとおり、遊技球の払出に関して所定の異常が解除された場合に払出制御装置78から送信される。異常終了コマンドを受信している場合にはステップS1006にて異常終了用の処理を実行する。具体的には、RWM124の払出異常フラグを「0」クリアすることで、払出異常状態を解除する。
払出異常用の処理として上記のように払出異常コマンドを送信する構成において、異常終了用の処理として、払出異常解除コマンドを音光制御装置72に送信する。この場合、音光制御装置72では既に実行している払出異常報知を終了させる。
ステップS1005にて否定判定をした場合又はステップS1006の処理を実行した後は、ステップS1007にて、払出制御装置78から賞球完了コマンドを受信している否かを判定する。賞球完了コマンドは、既に説明したとおり、賞球が完了した場合に払出制御装置78から送信されるとともに、その賞球が完了した個数の情報が含まれる。
賞球完了コマンドを受信していない場合にはそのまま本払出状態受信処理を終了し、賞球完了コマンドを受信している場合にはステップS1008にて賞球数の外部出力処理を実行した後に、本払出状態受信処理を終了する。賞球数の外部出力処理では、今回完了した賞球の個数の情報を遊技ホールの管理コンピュータに認識させる外部出力を行うための処理を実行する。
なお、賞球完了コマンドが払出制御装置78から送信されない構成としてもよい。また、当該構成においては払出制御装置78も外部端子板81に対して電気的に接続し、賞球が完了したことやその完了した賞球数の情報の外部出力がメインMPU122を介することなく払出制御装置78にて実行される構成としてもよい。
<演出の実行制御に係る電気的構成>
次に、演出の実行制御に係る電気的構成について、図24のブロック図を参照しながら説明する。
既に説明したとおり、主制御装置71からの指示に基づき演出の実行を制御するための制御装置として、音光制御装置72及び表示制御装置128を備えている。音光制御装置72は、図24に示すように、サブMPU142が搭載された音光制御基板141を備えている。サブMPU142には、制御部及び演算部を含む中央演算処理装置であるCPU143の他に、直接用ROM144及びRWM145が内蔵されている。これらCPU143、直接用ROM144及びRWM145はバスを介して相互に接続されている。
直接用ROM144は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該直接用ROM144は、各種の制御プログラムやそのプログラムに応じた処理の実行に際して利用される固定値データを記憶しており、CPU143は、直接用ROM144に記憶されている制御プログラムに従って処理を実行することで、主制御装置71からの指示に基づく演出の実行を制御する。直接用ROM144は、サブMPU142内の内部バスを介してCPU143と接続されていることに起因して、そのデータ容量を増大化することが比較的困難であり、具体的にはそのデータ容量は2Mバイトとなっている。
RWM145は、SRAMやDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合に直接用ROM144よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。当該RWM145は、直接用ROM144内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するものであり、各種フラグ格納エリアや各種カウンタ格納エリアを有している。なお、サブMPU142に対して直接用ROM144及びRWM145が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
サブMPU142では、主制御装置71からの指示に基づき、所定期間における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容に応じたコマンドを表示制御装置128に送信する。かかるコマンドは、サブMPU142と表示MPU162とを接続するように設けられた信号経路が利用される。
表示制御装置128は、表示MPU162、描画LSIとして設けられたVDP163及び画像用ROM164が搭載された表示制御基板161を備えており、表示MPU162ではサブMPU142から受信したコマンドに応じて所定期間における表示演出の内容を決定し、その決定した表示演出の内容に応じた内部コマンドをVDP163に対して定期的に送信する。
VDP163では、表示MPU162から受信した内部コマンドに応じて画像用ROM164から画像データを読み出し、その読み出した画像データを利用して各画像の更新タイミングにおける描画データを作成する。そして、その作成した描画データに応じた描画信号を図柄表示装置41に出力することで、各更新タイミングに対応した画像を図柄表示装置41の表示面Gにて表示させる。
音光制御装置72の説明に戻り、サブMPU142は、所定期間における演出の内容を決定した場合、表示制御装置128だけでなく表示ランプ部58の発光制御を実行する。この場合、図24では、サブMPU142と表示ランプ部58とが直接接続されているように記載されているが、これに限定されることはなく、サブMPU142と表示ランプ部58との間に駆動回路が介在していてもよく、中継基板が介在していてもよい。
サブMPU142は、所定期間における演出の内容を決定した場合、スピーカ91,101の駆動制御を実行する。かかるスピーカ91,101の駆動制御に際しては、音出力LSI146及び共通用ROM147が利用される。
共通用ROM147は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該共通用ROM147は、CPU143に直接接続されているのではなく、音出力LSI146に対して外付けされていることに起因して、そのデータ容量を増大化することは直接用ROM144に比べて容易であり、具体的にはそのデータ容量は1Gビットとなっている。但し、このデータ容量は任意であり、500Mビットや、4Gビットであってもよい。
音出力LSI146は、I/F151と、レジスタ152と、音データ処理部153と、DAC154と、データ転送部155と、を備えており、サブMPU142から送信されるデータに従ってスピーカ91,101から音を出力するための制御を実行する。
I/F151は、双方向通信用の信号経路群として設けられたバスB1を介してサブMPU142との間で音出力LSI146が通信を行うためのインターフェースである。このI/F151に接続されたバスB1は8本の信号経路J1〜J8から構成されており、各信号経路J1〜J8を介して、サブMPU142と音出力LSI146との間でデータの送受信が行われる。
レジスタ152は、音出力LSI146にて利用される各種データを一時的に記憶するための記憶手段としての機能を有しており、記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリを読み書き両用として利用するように構成されている。また、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合に、直接用ROM144及び共通用ROM147よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。
当該レジスタ152は、複数のデータを同時に記憶保持可能なように、多数バイトのデータ容量を有しており、キロバイト又はメガバイトの単位のデータ容量を有している。具体的には、10キロバイト程度のデータ容量を有している。
レジスタ152には、複数のパラメータ用のエリア及びシーケンスデータ用のエリアが設けられている。パラメータ用のエリアには、メロディや効果音の出力を行う上で必要なパラメータデータが格納されるとともに、音声の出力を行う上で必要なパラメータデータが格納される。パラメータ用のエリアが複数設けられていることにより、複数の音をスピーカ91,101から同時に出力することが可能となっている。シーケンスデータ用のエリアには、シーケンスデータが格納される。
音データ処理部153は、サブMPU142から送信されレジスタ152に記憶されているシーケンスデータ及びパラメータデータを音の出力を行う上で利用可能なように変換するとともに、その変換結果の内容と共通用ROM147から読み出された音データとを利用してデジタル楽音データを作成する機能を有する。ちなみに、シーケンスデータには、一連の音の出力開始タイミングや出力順序を示す時間データが含まれており、パラメータデータには、所定のタイミングにおける音の音高、音量及び音色などを定めるデータが含まれている。
また、音データ処理部153は、同時に複数の異なる音を出力可能とするように複数の発音チャンネルの機能を有しており、発音チャンネル毎に作成したデジタル楽音データを合成してデジタル合成楽音データを作成する機能を有する。なお、複数の発音チャンネルとして、16チャンネル分の機能を有しているが、このチャンネル数は任意である。また、仮想トラックを利用することにより、実際の発音チャンネル数よりも多い数のトラック(例えば64トラック)を利用可能となっているが、かかる仮想トラックを利用しない構成としてもよい。
DAC154は、デジタル/アナログコンバータである。DAC154では、音データ処理部153にて作成されたデジタル楽音データ又はデジタル合成楽音データをアナログ信号に変換した音信号をアナログ音声信号としてスピーカ91,101に出力する機能を有している。つまり、音データから音信号を生成する機能を有している。
スピーカ91,101は、音信号を増幅するアンプ171を介してDAC154に接続されている。アンプ171は、音光制御基板141においてDAC154の出力側に接続されており、各スピーカ91,101は、別々のスピーカ経路135を介してアンプ171に対して個別に接続されている。DAC154から出力された音信号は、アンプ171により増幅された後に、スピーカ91,101に入力される。
なお、アンプ171は、音信号としてのアナログ信号を対象として増幅を行うものであり、アンプ171とスピーカ91,101とはライン端子同士で接続されている。また、図24では、アンプ171に対して上側スピーカ91と下側スピーカ101とが1つずつ接続されているように図示されているが、アンプ171に対しては2つの上側スピーカ91がそれぞれ接続されているとともに、2つの下側スピーカ101がそれぞれ接続されている。
アンプ171は、各スピーカ91,101のそれぞれに対して異なる音信号を出力することが可能となっており、それによって、各スピーカ91,101から異なる種類の音を出力させることが可能となっている。例えば、演出音を出力させるための音信号がDAC154から出力された場合、演出音のうち中高音を出力させるための音信号を上側スピーカ91に対して出力し、中高音よりも低い低音を出力させるための音信号を下側スピーカ101に対して出力する。これにより、上側スピーカ91からは中高音の演出音が出力され、下側スピーカ101からは低音の演出音が出力される。
また、アンプ171は、各スピーカ91,101のそれぞれに対して出力する音信号の増幅率を個別に設定することが可能となっており、それによって、各スピーカ91,101から異なる音量で音を出力させることが可能となっている。例えば、上側スピーカ91に対して出力する音信号の増幅率を、下側スピーカ101に対して出力する音信号の増幅率よりも大きくする。これにより、上側スピーカ91からは下側スピーカ101よりも大きい音量の音が出力される。
アンプ171は、前置増幅手段としてのプリ部172と、電力増幅手段としてのパワー部173とを有しており、プリ部172の出力側にパワー部173が配置されている。プリ部172は、DAC154からアンプ171に入力された音信号の信号レベルをラインレベルまで増幅する機能や、各スピーカ91,101のそれぞれに対応させて異なる音信号を出力することが可能な機能などを有しており、これら機能により処理した音信号をパワー部173に対して出力する。
パワー部173は、プリ部172にてラインレベルまで増幅された音信号の音量レベルを、音量スイッチ111のポジションに応じて更に増幅する機能を有しており、この増幅機能により処理した音信号を各スピーカ91,101に対して出力する。パワー部173は、各スピーカ91,101のそれぞれに対応した音信号を個別に増幅し、スピーカ91,101のそれぞれに対して個別に出力する。
ここで、アンプ171からスピーカ91,101に入力される各音信号の音量レベルが、スピーカ91,101の許容入力レベルを超えている場合、音信号の波形が歪み、それによって、スピーカ91,101から出力される音に音割れ(クリッピング)が生じたように聞こえることがある。なお、スピーカ91,101の定格入力レベルや最大入力レベルを超えた場合に、出力音に音割れが生じたように聞こえると想定してもよい。
そこで、アンプ171には、スピーカ91,101から出力される音に音割れが生じることを検出する音割れ検出回路175が接続されている。音割れ検出回路175は、アンプ171からスピーカ91,101に入力される音信号の音量レベルが、所定の基準レベルを超えたことを検出するものであり、各上側スピーカ91及び下側スピーカ101のそれぞれに対応させて個別に設けられている。
基準レベルは、各音割れ検出回路175について、それぞれが対応するスピーカ91,101の許容入力レベルに合わせて個別に設定されている。基準レベルは、例えば、スピーカ91,101の許容入力レベルと同じ又はそれよりも若干小さく設定されている。この場合、音割れ検出回路175は、対応するスピーカ91,101に入力される音信号の音量レベルが、そのスピーカ91,101の許容入力レベルを超えたことを検出することになる。
各音割れ検出回路175には、操作つまみ112がそれぞれ接続されている。音割れ検出回路175においては、操作つまみ112が操作されることで基準レベルが増減する。この場合、ホール管理者等は、操作つまみ112を操作することで、音割れ検出回路175の基準レベルを、その音割れ検出回路175が対応するスピーカ91の許容入力レベルに合わせて可変設定することが可能になっている。
音割れ検出回路175は、音信号の音量レベルの最大値をピーク値として取得するとともに、そのピーク値を所定の周期で更新し、都度のピーク値と基準レベルとを比較することで、音量レベルが基準レベルを超えたことを検出する回路である。音割れ検出回路175の詳細な構成については後述する。
なお、アンプ171には、上側スピーカ91と下側スピーカ101とが2つずつ接続されており、全てのスピーカ91,101のそれぞれに対応させて個別に音割れ検出回路175が設けられている。これに対して、図24においては、上側スピーカ91と下側スピーカ101とを省略して1つずつ図示し、それらスピーカ91,101に対応した音割れ検出回路175だけを図示している。つまり、実際には、アンプ171に接続されている音割れ検出回路175は4つであるが、図24においては音割れ検出回路175を2つだけ図示している。
各音割れ検出回路175は、音光制御基板141に搭載されており、各スピーカ経路135のそれぞれから分岐した各分岐経路176を介してアンプ171に接続されている。この場合、各分岐経路176は各音割れ検出回路175の入力側に接続されている。各音割れ検出回路175は、アンプ171に対して各スピーカ91,101と並列に接続されており、アンプ171から出力された音信号は、スピーカ経路135を介してスピーカ91,101に入力されるとともに、スピーカ経路135及び分岐経路176を介して、前記スピーカ91,101に対応する音割れ検出回路175にも入力される。このため、音割れ検出回路175は、スピーカ91,101に入力される音信号を対象として、音割れ検出を行うことになる。
各音割れ検出回路175は、それぞれ出力側経路178を介してサブMPU142に対して個別に接続されており、検出信号をサブMPU142に対して出力する。サブMPU142は、各音割れ検出回路175の検出信号に基づいて、各スピーカ91,101のそれぞれについて、出力音に音割れが生じているか否かの判定を個別に行う。例えば、各音割れ検出回路175は、音信号の音量レベルが基準レベルよりも大きいことを検出した場合、音割れ発生のおそれがあるとして音割れ信号を検出信号として出力し、サブMPU142は、音割れ信号を受信した場合に、スピーカ91,101からの出力音に音割れが生じていると判定する。なお、音割れ信号は超過信号に相当する。
また、サブMPU142には、音量スイッチ111及びアンプ171が接続されている。音量スイッチ111は、サブMPU142の入力側に接続されており、サブMPU142に対して検出信号を出力する。サブMPU142は、音量スイッチ111の検出信号に基づいて音量スイッチ111のポジションを判定する。
アンプ171は、サブMPU142の出力側に接続されており、サブMPU142により動作制御される。サブMPU142は、アンプ171のうちプリ部172の動作制御を行うことで、スピーカ91,101ごとに出力音の種類を設定し、パワー部173の動作制御を行うことで、スピーカ91,101ごとにパワー部173の増幅率を設定し、それによって、各スピーカ91,101についての音量を調整する。
サブMPU142は、パワー部173の増幅率を音量スイッチ111のポジションに応じて設定する。ここで、本実施の形態では、音量スイッチ111のポジションが目盛り0〜5に加えて目盛りFに切り替え可能とされており、ポジションとして目盛りFを有していない従来の音量スイッチとは、ポジションのそれぞれに対応したパワー部173の増幅率が異なっている。
まず、目盛りFを有していない従来の音量スイッチについて説明する。従来の音量スイッチであれば、サブMPU142は、例えば、音量スイッチのポジションが目盛り5にある場合には、パワー部173の定格出力まで音信号が増幅されるようにパワー部173の増幅率を最大値(100%)に設定し、目盛り3(最大値の3/5)にある場合には、パワー部173の定格出力の60%まで音信号が増幅されるようにパワー部173の増幅率を例えば最大値の60%に設定する。また、音量スイッチのポジションが目盛り0(音出力停止)にある場合には、スピーカ91,101からの音の出力を停止させるべく、パワー部173の増幅率をゼロにする。
これに対して、本実施の形態では、音量スイッチ111のポジションが目盛り1〜5にある場合には、スピーカ91,101からの出力音量が音割れの生じにくい大きさとなるようにされており、音量スイッチ111のポジションが目盛りFにある場合には、スピーカ91,101からの出力音量が音割れの生じやすい大きさとなるようにされている。つまり、音量スイッチ111のポジションが目盛りFにある場合には、スピーカ91,101の出力音に音割れが生じることをある程度許容している。
音量スイッチ111のポジションが目盛り1〜5にある場合、サブMPU142は、パワー部173の増幅率を従来の音量スイッチの各ポジションに比べて小さく設定しており、それによって、音割れが生じにくくなっている。例えば、音量スイッチ111のポジションが目盛り5にある場合には、パワー部173の増幅率を最大値の60%(従来の音量スイッチにおいては目盛り3に相当する値)に設定し、目盛り3にある場合には、パワー部173の増幅率を最大値の36%に設定する。
これに対して、音量スイッチ111のポジションが目盛りFにある場合、サブMPU142は、パワー部173の増幅率を音量スイッチ111が目盛り5にある場合よりも大きく設定しており、それによって、目盛り5に比べて音割れが生じやすくしている。例えば、音量スイッチ111のポジションが目盛りFにある場合には、パワー部173の増幅率を最大値(従来の音量スイッチにおける目盛り5に相当する値)に設定する。ちなみに、スピーカ91,101の性能等に応じて、パワー部173の増幅率を最大値よりも大きい値(例えば最大値の120%)に設定してもよい。
ここで、サブMPU142は、音量スイッチ111のポジションに加えて、音割れ検出回路175によりの検出結果に応じてパワー部173の増幅率を設定する。サブMPU142は、スピーカ91,101の出力音に音割れが発生していると判定した場合(音割れ検出回路175から音割れ信号が入力された場合)に、パワー部173の増幅率を下げることで、スピーカ91,101に入力される音信号の音量レベルを小さくし、それによって、スピーカ91,101からの出力音にて発生した音割れを解消することが可能となっている。
なお、音量スイッチ111のポジションが目盛り0にある場合には、サブMPU142は、従来の音量スイッチについてと同様に、スピーカ91,101からの音の出力を停止させるべく、パワー部173の増幅率をゼロにする。この場合、音割れが発生しないことは言うまでもない。
データ転送部155は、双方向通信用の信号経路群として設けられたバスB2を介して共通用ROM147と接続されており、当該共通用ROM147から読み出したデータをレジスタ152に転送する機能を有している。このデータ転送部155と共通用ROM147との間に設けられたバスB2は16本の信号経路から構成されており、その信号経路の数はサブMPU142とI/F151との間のバスB1よりも多い数となっている。そして、データ転送部155と共通用ROM147との間のデータの通信速度は、サブMPU142とI/F151との間のデータの通信速度よりも速いものとなっている。データ転送部155では、音データ処理部153においてシーケンスデータ及びパラメータデータから変換されたデータに基づき、音の出力に必要な音データを共通用ROM147から読み出し、レジスタ152に記憶させる。
ここで、データ転送部155は、音データ処理部153において必要な音データをレジスタ152に転送する機能だけでなく、サブMPU142において必要なデータを共通用ROM147から読み出してレジスタ152に記憶させるとともに、そのレジスタ152に記憶させたデータをサブMPU142に転送する機能を有している。かかるデータ転送に係る構成について以下に説明する。
<直接用ROM144及び共通用ROM147のデータ構成>
先ず、直接用ROM144及び共通用ROM147のデータ構成について、図25を参照しながら説明する。図25(a)は直接用ROM144のデータ構成を説明するための説明図であり、図25(b)は共通用ROM147のデータ構成を説明するための説明図である。
図25(a)に示すように、直接用ROM144には、サブMPU142のCPU143にて演出制御用の処理及び報知制御用の処理を実行するためのプログラム及び処理用データ(1),プログラム及び処理用データ(2),・・・,プログラム及び処理用データ(P)が予め記憶されている。これらプログラム及び処理用データには、各演出や報知を実行するために利用されるデータテーブルや、音出力LSI146に提供するためのシーケンスデータ及びパラメータデータを含む。当該CPU143にて演出制御用の処理及び報知制御用の処理を実行するために必要なプログラム及び処理用データは、直接用ROM144に全て記憶されている。
直接用ROM144には、プログラム及び処理用データ(1),プログラム及び処理用データ(2),・・・,プログラム及び処理用データ(P)だけでなく、表示ランプ部58の発光制御を行うために利用される発光データ(1),発光データ(2),・・・,発光データ(Q)が予め記憶されている。これら各発光データには、所定の演出の期間において、表示ランプ部58のうち点灯対象となる発光部の種類、点灯期間、及び点灯順序の情報が設定されており、これらの発光パターンの内容が各発光データの種類に応じて異なっている。直接用ROM144に記憶されている各発光データは、対象となる発光制御の期間が相違しているとともに、発光パターンの内容が異なっている。
一方、図25(b)に示すように、共通用ROM147には、スピーカ91,101から所定の音を出力するために利用される音データ(1),音データ(2),・・・,音データ(S)が予め記憶されている。これら各音データは、各種の音色に対応する楽器によって実際に発音させたメロディや音をサンプリングして得られた波形データを含むとともに、歌詞付きのメロディについては、各種の音色に対応する楽器によって発音させたメロディ及び音声をサンプリングして得られた波形データを含む。また、これら音データにより演出音や報知音が形成され、これら音データは、全て共通用ROM147に記憶されている。
共通用ROM147には、音データ(1),音データ(2),・・・音データ(S)だけでなく、発光データ(Q+1),発光データ(Q+2),・・・,発光データ(R)が予め記憶されている。これら各発光データは、対象となる発光制御の期間が相違しているとともに、発光パターンの内容が異なっている。
上記のようにサブMPU142にて利用される発光データは、当該サブMPU142のCPU143に対してバスを介して直接接続された直接用ROM144だけではなく、音出力LSI146に接続された共通用ROM147にも記憶されている。換言すれば、発光データは、直接用ROM144と、共通用ROM147とに分配して記憶されている。
<音割れ検出回路175について>
次に、音割れ検出回路175の構成について図26を参照しつつ説明する。図26は音割れ検出回路175の電気的構成を示す回路図である。
図26に示すように、音割れ検出回路175は、アンプ171から入力された音信号のピーク値をホールド値Vphとしてホールド(保持)するピークホールド部182と、ピークホールド部182のホールド値Vphを更新するリセット部183と、ピークホールド部182のホールド値Vphと基準レベルとしての基準電圧Vaとを比較する比較部184とを有している。図24に基づいて既に説明したとおり、アンプ171及びサブMPU142に接続されている音割れ検出回路175においては、ピークホールド部182が分岐経路176を介してアンプ171に接続され、比較部184が出力側経路178を介してサブMPU142に接続されている。
ピークホールド部182は、音信号により充電される充電部としてのホールドコンデンサ191と、ホールドコンデンサ191の上流側において順方向に配置されたダイオード192とを有している。ダイオード192は、その出力側(カソード側)がホールドコンデンサ191に接続された整流素子であり、ホールドコンデンサ191からアンプ171に向けて電流が逆流することを規制している。つまり、ダイオード192は、音信号の負側の電流がホールドコンデンサ191に流れ込むことを規制する一方で、正側の電流がホールドコンデンサ191に流れ込むことを許可している。この場合、音信号の正側の電流によりホールドコンデンサ191が充電され、その充電電圧が音信号の音量レベルのピーク値となる。
ピークホールド部182は、ホールドコンデンサ191及びダイオード192に加えて、インピーダンス変換を行うバッファ部193を有している。バッファ部193は、オペアンプ194を含んで構成されたボルテージフォロワ(増幅率が1倍の非反転増幅回路)であり、バッファ部193においては、入力インピーダンスが十分に大きくされているとともに、出力インピーダンスが十分に小さくされている。したがって、音割れ検出回路175がアンプ171の出力側に接続されている構成において、アンプ171の出力インピーダンスにより音信号の電圧(入力電圧Vi)が増減してしまうということが抑制されている。
バッファ部193のオペアンプ194においては、その非反転入力端子(+入力端子)がアンプ171に接続され、反転入力端子(−入力端子)と出力端子とが帰還経路195を介して接続されている。この場合、ボルテージフォロワにおいては、オペアンプ194の+入力端子と−入力端子とが仮想短絡(バーチャルショート)の状態になっているため、−入力端子が+入力端子と同じ電位となる。したがって、音信号の入力電圧Viが+入力端子に印加された場合、−入力端子及び帰還経路195に入力電圧Viが印加されることになる。
ピークホールド部182においては、バッファ部193にダイオード192が組み込まれている。ダイオード192は、バッファ部193におけるオペアンプ194と帰還経路195との間に配置されており、その入力側(アノード側)がオペアンプ194の出力側に接続され、出力側(カソード側)が帰還経路195(ホールドコンデンサ191)に接続されている。
ここで、ダイオード192は順方向電圧を有する整流素子であるため、例えばダイオード192が、バッファ部193内に組み込まれているのではなく、バッファ部193とホールドコンデンサ191との間に設けられている場合(帰還経路195よりも下流側に設けられている場合)、ピークホールド部182に音信号が入力されていても、その音信号の入力電圧Viがダイオード192の順方向電圧(例えば0.6V)よりも小さければ、ダイオード192には電流が流れず、ホールドコンデンサ191の充電が行われない。つまり、ホールドコンデンサ191が音信号のピーク値を保持することができない。
これに対して、上記のように、ダイオード192がバッファ部193に組み込まれている構成では、音信号の入力電圧Viがダイオード192の順方向電圧より小さい場合でも、その入力電圧Viが帰還経路195を通じてホールドコンデンサ191に印加されるため、ホールドコンデンサ191により音信号のピーク値がホールド値Vphとして保持されることになる。
比較部184は、基準電圧Vaを生成する電圧生成部201と、ピークホールド部182により保持されたホールド値Vphと基準電圧Vaとを比較する比較部としてのコンパレータ202とを有している。音割れ検出回路175においては、基準レベルが基準電圧Vaとされており、操作つまみ112の操作状態に合わせて基準電圧Vaが可変設定され、電圧生成部201は、基準電圧Vaを所定の電圧値に保持する機能を有している。つまり、電圧生成部201は、基準電圧Vaの電圧値を操作つまみ112の操作状態に応じた値に保持する機能を有している。
基準電圧Vaの電圧値は、操作つまみ112によってスピーカ91,101の許容入力レベルに応じた値に設定されていることが好ましい。本実施の形態では、基準電圧Vaの電圧値はスピーカ91,101の許容入力レベルと同じ値に設定されている。ちなみに、基準電圧Vaの電圧値はスピーカ91,101の許容入力レベルとの誤差が大きくなり過ぎない範囲であれば、その許容入力レベルより大きい値や小さい値に設定されていてもよい。
コンパレータ202は、ピークホールド部182に接続された反転入力端子(−入力端子)と、電圧生成部201が接続された非反転入力端子(+入力端子)とを有しており、それら入力端子に入力された電圧値を比較する。コンパレータ202においては、−入力端子がピークホールド部182のホールドコンデンサ191に接続され、+入力端子が電圧生成部201に接続されている。
この場合、ピークホールド部182から音信号のホールド値Vphが−入力端子に入力され、電圧生成部201から基準電圧Vaが+入力端子に入力される。このため、コンパレータ202(音割れ検出回路175)は、ホールド値Vphよりも基準電圧Vaが大きい場合に、HIレベルの信号をサブMPU142に対して出力し、ホールド値Vphよりも基準電圧Vaが小さい場合に、LOWレベルの信号をサブMPU142に対して出力する。したがって、コンパレータ202から出力されるLOWレベルの信号が、上述した音割れ信号として音割れ検出回路175からサブMPU142に対して出力されることになる。
なお、オペアンプ194及びコンパレータ202は、いずれも+入力端子と−入力端子とに入力された各信号を比較する比較素子であるが、オペアンプ194は帰還回路に組み込まれることを想定して形成されているのに対して、コンパレータ202は帰還回路に組み込まれることを想定せずに形成されている。具体的には、オペアンプ194は、発振防止用の位相補償コンデンサを有しているが、コンパレータ202は、発振防止用の位相補償コンデンサを有しておらず、オペアンプ194に比べてコンパレータ202の方が応答性が高くなっている。つまり、オペアンプ194は、信号が入力されてから出力を行うまでの所要時間がコンパレータ202に比べて小さくなっている。
電圧生成部201は、基準電圧Vaを所定の電圧値に保持するシャントレギュレータ203と、シャントレギュレータ203に直列に接続された直列抵抗R0と、基準電圧Vaを分圧する第1抵抗R1及び第2抵抗R2とを有している。シャントレギュレータ203は、リファレンスとカソードとアノードとを有しており、そのカソードが、端子電圧Vccを印加する+V端子208に直列抵抗R0を介して接続されている。また、直列抵抗R0とシャントレギュレータ203との間にコンパレータ202の+入力端子が接続されている。
なお、シャントレギュレータ203は、オペアンプ及びトランジスタを含んで構成された周知の電圧レギュレータであり、シャントレギュレータ203においては、リファレンスにリファレンス電圧Vrefが印加され、リファレンス電流Irefが流れる。ただし、リファレンスに流れるリファレンス電流Irefは、カソード及びアノードに流れる電流に比べて極めて小さくなっている。
第1抵抗R1と第2抵抗R2とは互いに直列に接続されており、第1抵抗R1における第2抵抗R2とは反対側がコンパレータ202の+入力端子に接続されている。この場合、第1抵抗R1及び第2抵抗R2は、コンパレータ202に対してシャントレギュレータ203と並列に配置された状態となっており、その一方で、第1抵抗R1と第2抵抗R2との間にはシャントレギュレータ203のリファレンスが接続されている。
電圧生成部201においては、コンパレータ202に入力される基準電圧Vaは、
Va=(R1/R2+1)×Vref+Iref×R1…(1)
という式により算出される。ここで、上述したように、Irefは十分に小さいため、Irefをゼロとして基準電圧Vaを算出してもよい。なお、例えば、R1=10kΩ、R2=10kΩ、Va≒2.5V、R1への印加電圧VR1=1.25V、R2への印加電圧VR2=1.25Vとされている。
シャントレギュレータ203は、カソードに流れ込む電流が動作に必要な最小入力値よりも大きいことで正常に動作するものであり、+V端子208から供給される端子電流Iiを、カソードに流れ込む電流が最小入力値よりも大きくなるように設定する必要がある。電圧生成部201に流れ込む端子電流Iiの値は、直列抵抗R0、端子電圧Vcc及び基準電圧Vaにより規定されるものである。
なお、例えば、Vcc=5V、R0=100Ωとされている。この場合、+V端子208に印加されている端子電圧Vccにより、その端子電圧Vccよりも小さい基準電圧Vaが生成される。また、直列抵抗R0は、シャントレギュレータ203のカソードに流れる電流値を規定するものであり、シャントレギュレータ203のカソードに過電流が流れることを規制している。
電圧生成部201においては、基準電圧Vaの電圧値を可変設定することが可能となっている。具体的には、第2抵抗R2が可変抵抗とされており、第2抵抗R2の抵抗値を変更することで基準電圧Vaが変更される。第2抵抗R2は、その抵抗値が操作つまみ112の操作に伴って変更される構成になっている。例えば、第2抵抗R2に操作つまみ112が取り付けられており、操作つまみ112の回動に合わせて第2抵抗R2の抵抗値が増減する。
上述したように、操作つまみ112は音光制御装置72の外周面に設けられている(図10等参照)。このため、音光制御装置72を分解して音光制御基板141を露出させるという作業を行わなくても、内枠13に対して裏パックユニット15を開放させて音光制御装置72をパチンコ機背面側に露出させることで、操作つまみ112を操作することが可能になる。つまり、第2抵抗R2の取り替えや音光制御装置72の分解を行わなくても、対応するスピーカ91,101の許容入力レベルに合わせて、基準レベルとしての基準電圧Vaを設定することができる。
基準電圧Vaは、上記(1)式により算出されるため、第2抵抗R2が小さくされることで大きくなり、第2抵抗R2が大きくされることで小さくなる。つまり、基準電圧Vaを大きくしたい場合には、第2抵抗R2が小さくなるように操作つまみ112を操作し、基準電圧Vaを小さくしたい場合には、第2抵抗R2が大きくなるように操作つまみ112を操作する。
なお、電圧生成部201においては第1抵抗R1が可変抵抗とされていてもよい。この場合、基準電圧Vaは、第1抵抗R1が大きくされることで大きくなり、第1抵抗R1が小さくされることで小さくなる。つまり、第1抵抗R1及び第2抵抗R2のうち少なくとも一方が可変抵抗とされていれば、その可変抵抗の抵抗値を変更することで基準電圧Vaを変更することができる。ただし、第1抵抗R1が大きくされた場合、リファレンス電流Irefが第1抵抗R1を流れることによる電力損失が大きくなってしまう。このため、基準電圧Vaを大きくするには、第1抵抗R1を大きくするのではなく第2抵抗R2を小さくすることが好ましい。したがって、第1抵抗R1ではなく第2抵抗R2が可変抵抗とされていることが好ましい。
リセット部183は、ホールドコンデンサ191の放電を行う放電部211と、ホールドコンデンサ191に対して放電部211を導通状態又は非導通状態に切り替えるスイッチ部212とを有している。放電部211は放電抵抗213を有しており、その放電抵抗213は接地されているとともに、スイッチ部212を介してホールドコンデンサ191に接続されている。したがって、スイッチ部212により放電抵抗213がホールドコンデンサ191と導通状態にされることで、ホールドコンデンサ191が放電抵抗213を介して接地される。
スイッチ部212は、電磁リレー等のリレーとされている。スイッチ部212は、ホールドコンデンサ191に対して放電部211及びコンパレータ202のいずれか一方を導通させる切替スイッチ214と、その切替スイッチ214を動作させるリレーコイル215とを有しており、切替スイッチ214は、ホールドコンデンサ191と放電部211とコンパレータ202との接続部分に設けられている。リレーコイル215に電流が流れていないことでスイッチ部212がOFF状態になっている場合、切替スイッチ214は、ホールドコンデンサ191とコンパレータ202とを導通状態にする一方で、ホールドコンデンサ191と放電部211とを遮断状態にする。また、リレーコイル215に電流が流れていることでスイッチ部212がON状態になっている場合、切替スイッチ214は、ホールドコンデンサ191とコンパレータ202とを遮断状態にする一方で、ホールドコンデンサ191と放電部211とを導通状態にする。
リセット部183においては、リレーコイル215に発振抵抗218が接続されており、リレーコイル215に流れる電流の大きさが発振抵抗218により規定されている。この場合、発振抵抗218の抵抗値は、リレーコイル215に流れる電流が、リレーコイル215が切替スイッチ214を動作させることが可能な大きさであり、且つリレーコイル215にとって過電流とならない大きさになるように設定されている。
スイッチ部212がOFF状態にある場合、ホールドコンデンサ191の充電が行われるとともに、その充電電圧がホールド値Vphとしてコンパレータ202の−入力端子に入力され、コンパレータ202によりホールド値Vphと基準電圧Vaとの比較が行われる。一方、スイッチ部212がON状態にある場合、ホールドコンデンサ191から切替スイッチ214を介して放電部211に電流が流れ込み、それによって、ホールドコンデンサ191の放電が行われる。
リレーコイル215には、所定周期(例えば2msec)で発振する発振信号を出力する発振回路217が接続されている。発振回路217から出力された信号がHIレベルである場合、リレーコイル215に電流が流れてスイッチ部212がON状態とされ、LOWレベルである場合、リレーコイル215に電流が流れずにスイッチ部212がOFF状態とされる。このため、ホールドコンデンサ191の放電が発振信号の発振周期で繰り返し行われる。
発振信号がHIレベルにある期間は、発振抵抗218の大きさによって規定されている。ここで、発振信号がHIレベルにある期間は、ホールドコンデンサ191の放電が行われている所定の放電期間(例えば0.6msec)とされており、この放電期間は、ホールドコンデンサ191の充電電圧が放電によってゼロになるまでに要する期間とされていることが好ましい。このため、発振抵抗218の抵抗値は、ホールドコンデンサ191の大きさに合わせて設定されている。
ここで、音割れ検出回路175における音信号が入力された場合の検出態様について、図27を参照しつつ説明する。図27は、音割れ検出回路175の検出態様について説明するための図である。なお、図27においては、(a)に音割れ検出回路175に入力される音信号の入力電圧Viの推移を示し、(b)に発振回路217の出力信号の推移を示し、(c)にホールドコンデンサ191のホールド値Vphの推移を示し、(d)にコンパレータ202の出力信号の推移を示す。
図27(a)に示すような音信号が、アンプ171からスピーカ91,101及び音割れ検出回路175に対して出力された場合、その音信号の波形及び音量レベルに応じた音がスピーカ91,101から出力されるとともに、その音信号が入力電圧Viとして音割れ検出回路175に入力される。また、図27(b)に示すように、発振回路217からは周期TでHIレベルの信号が出力されている。
図27(c)に示すように、ピークホールド部182においては、周期Tにおける音信号の入力電圧Viの最大値(ピーク値)がホールド値Vphとして保持されている。周期Tにおいて、発振回路217の出力信号がHIレベルになることで、ホールドコンデンサ191の放電が行われ、ピークホールド部182のホールド値Vphがリセットされてゼロになる。その後、発振回路217の出力信号がLOWレベルになることで、ホールドコンデンサ191の放電が停止され、音信号の音量レベルについて都度の最大値がホールド値Vphとして保持される。そして、周期Tが経過することでホールドコンデンサ191の放電が再び行われ、ホールド値Vphが再びリセットされてゼロになる。
図27(d)に示すように、コンパレータ202の出力信号は、ホールド値Vphが基準電圧Vaよりも小さい場合にHIレベルとされ、ホールド値Vphが基準電圧Vaよりも大きい場合にLOWレベルとされる。このため、音割れ検出回路175においては、コンパレータ202からLOWレベルの信号を出力することで、ホールド値Vphが基準電圧Vaよりも大きい旨、すなわち、音信号の入力電圧Vi(音量レベル)がスピーカ91,101の許容入力レベルを超えた旨を示す信号を比較部184から出力したことになる。
なお、例えば、音割れ検出回路175がピークホールド部182を有しておらず、音信号がコンパレータ202の−入力端子に入力されている構成では、コンパレータ202において、所定周期でサンプリングされた音信号の入力電圧Viと基準電圧Vaとが比較されることになる。この場合、音信号が振動していることに起因して、サンプリングされた入力電圧Viが所定期間における最大値(ピーク値)であるとは限らず、音信号の入力電圧Viが基準電圧Vaを超えていることの検出精度が低いと考えられる。これに対して、本実施の形態では、コンパレータ202に入力される音信号の入力電圧Viがピーク値(ホールド値Vph)とされているため、音信号の入力電圧Viが基準電圧Vaを超えていることの検出精度が高められている。
<サブMPU142にて実行される各種処理について>
次に、サブMPU142にてプログラムに基づき実行される処理を説明する。
サブMPU142では、図28のフローチャートに示す報知及び演出制御処理を、所定の周期(例えば2msec)で繰り返し実行する。ここで、報知及び演出制御処理は、音割れ検出回路175においてピークホールド部182のホールド値(音信号の音量レベルのピーク値)の更新周期(発振回路217の発振周期)と同じ周期で、ホールド値が更新される直前に実行される。換言すれば、ホールド値の更新は、報知及び演出制御処理が実行された後に連続して行われる。また、報知及び演出制御処理を実行する前段階において、当該演出及び演出制御処理を実行するためのプログラムが直接用ROM144から読み出されている。
報知及び演出制御処理では、先ずステップS1101にて、主制御装置71から報知系コマンド又は演出系コマンドを受信しているか否かを判定する。報知系コマンドとしては、既に説明した、磁石検知コマンド、不正入賞コマンド、電波検知コマンド、タンク球無しコマンド及び下皿満杯コマンドが挙げられ、演出系のコマンドとしては、既に説明した、変動用コマンドと種別コマンドとの組合せ、最終停止コマンド、オープニングコマンド、開放コマンド、閉鎖コマンド、エンディングコマンドが挙げられる。報知系コマンド又は演出系コマンドを受信している場合には、ステップS1102に進む。
ステップS1102では、データテーブルの読み出し処理を実行する。当該読み出し処理では、今回受信した報知系コマンド又は演出系コマンドに対応したデータテーブルを直接用ROM144から読み出す。当該データテーブルは、図25(a)についての説明において既に述べたように、直接用ROM144においてプログラム及び処理用データとして記憶されており、報知又は演出の種類に応じて複数種類設定されている。そして、サブMPU142では、このデータテーブルを参照しながら、それに定められている処理を実行することで、報知系コマンド又は演出系コマンドの種別に応じた発光制御及び音出力制御を実行する。
具体的には、データテーブルには、対応する報知系コマンド又は演出系コマンドの概要が時間の経過に即して定められており、サブMPU142ではデータテーブルを参照することで、読み出すべき発光データの種類の情報、実行すべき発光データの種類や内容の情報、出力指示すべきシーケンスデータやパラメータデータの種類の情報を把握する。ちなみに、サブMPU142では、データテーブルのポインタの更新を利用して、各処理タイミングにおいてデータテーブルの参照すべき情報を特定する。
続くステップS1103では、表示系コマンドの出力処理を実行する。当該出力処理では、ステップS1102にて読み出したデータテーブルに対して1対1で対応する表示系コマンドを直接用ROM144から読み出し、その読み出した表示系コマンドを表示制御装置128に出力する。これにより、表示制御装置128において今回の実行指示に係る報知に対応した画像を図柄表示装置41に表示させることが可能となる。なお、表示系コマンドは、直接用ROM144においてプログラム及び処理用データとして記憶されている。
ステップS1101にて否定判定をした場合、又はステップS1103の処理を実行した場合には、ステップS1104に進む。ステップS1104では、データテーブルの情報に基づいて、音出力制御の実行タイミングであるか否かを判定する。音出力制御の実行タイミングである場合には、ステップS1105にて、今回の音出力制御対象のシーケンスデータ及びパラメータデータを直接用ROM144のプログラム及び処理用データから読み出し、続くステップS1106にて、その読み出したシーケンスデータ及びパラメータデータをバスB1を介して音出力LSI146に送信する。この場合、音出力LSI146に送信されたパラメータデータ及びシーケンスデータは、音出力LSI146のレジスタ152に保存される。
ステップS1107では、音出力制御の演出処理を実行するのか否かを判定する。ここでは、直接用ROM144から読み出したデータテーブルが演出系コマンドに対応したものであるか否かを判定し、演出系コマンドに対応したものである場合に演出処理を実行すると判定する。演出処理を実行する場合、ステップS1108に進み、主制御装置71から出力された保留コマンドに対応するための保留コマンド対応処理を行う。
ステップS1104にて否定判定をした場合、ステップS1107にて否定判定をした場合、又はステップS1108の処理を実行した場合には、ステップS1109に進み、音量設定処理を行う。音量設定処理では、アンプ171(パワー部173)の増幅率を設定することで音信号の音量レベルを設定する。なお、ステップS1108,S1109についての詳細な説明は後述する。
ステップS1110では、音出力中信号を受信しているか否かを判定する。音出力中信号は、音出力LSI146においてサブMPU142からの出力指示に係る音の出力を実行できている状況で定期的に音出力LSI146からバスB1を介して出力される信号であり、サブMPU142では当該報知及び演出制御処理とは別の処理にてその音出力中信号を定期的に監視している。そして、本来なら受信しているはずの状況で音出力中信号を受信していない場合に、ステップS1110にて音出力中信号を受信していないと判定する。
音出力中信号を受信している場合には、ステップS1110にて肯定判定をし、そのまま本報知及び演出制御処理を終了する。一方、音出力中信号を受信していない場合には、ステップS1111にて非出力時の処理を実行した後に、本報知及び演出制御処理を終了する。非出力時の処理では、音の出力が良好に実行できない状況であることを示す報知用の処理を実行する。当該報知用の処理としては、例えば所定の発光部を所定の態様で発光させる構成が考えられ、それに加えて又は代えて、表示制御装置128へのエラーコマンドの出力を通じて、図柄表示装置41にてエラー表示を行わせる構成が考えられる。
<保留コマンド対応処理>
本実施の形態では、スピーカ91,101にて音割れが発生した場合、その音割れを演出に利用した音割れ演出を行うことが可能となっている。例えば、図柄表示装置41における図柄の変動表示態様がスーパーリーチA〜Cのいずれかである場合に、音割れ演出を実行するか否かの抽選処理を行う。
図25(a)に示すように、直接用ROM144には、音割れ演出の抽選用テーブル(音割れ演出抽選用情報群)があらかじめ記憶されている。直接用ROM144は、抽選用テーブル記憶エリア(抽選用情報群記憶手段)を有しており、音割れ演出の抽選用テーブルは抽選用テーブル記憶エリアに格納されている。この場合、音割れ演出の抽選用テーブルと、RWM145の各種カウンタエリアに格納されている音割れ演出の抽選用カウンタの値(数値情報)とを照らし合わせることで、音割れ演出を行うか否かが決定される。
音割れ演出の抽選用テーブルとしては、大当たり結果用と外れ結果用とがそれぞれ直接用ROM144に記憶されており、大当たり結果に対応する抽選テーブルでは、外れ結果に対応する抽選テーブルよりも音割れ演出が選択されやすくなっている。この結果、音割れ演出が行われる場合の方が音割れ演出が行われない場合よりも大当たりの当選期待度が高くなるように設定されていることになる。
音割れ演出の実行処理についての詳細は後述するため、ここでは音割れ演出について簡単に説明する。
音割れ演出に当選していない場合、音割れ検出回路175により音割れ発生が検出されると、アンプ171での増幅率を制限した音量制限状態に移行されることで、スピーカ91,101からの出力音量が小さくなり、音割れ発生を解消することが可能となる。この場合、音量制限状態は、音割れ発生が検出されたタイミングで行われている遊技回が終了するまで継続される。
一方、音割れ演出に当選している場合、発生した音割れを一遊技回の所要期間よりも短い所定期間(例えば2秒)だけ継続させた後に音量制限状態に移行し、音量制限状態が一遊技回の所要期間よりも短い所定期間(例えば2秒)で解除される。ところが、音量制限状態が解除されても、同一遊技回中に再び音割れが発生すれば、その音割れを所定時間だけ継続させ、その後、再び音量制限状態に移行する。つまり、一遊技回中において音量制限がされた期間と音量制限がされていない期間とが繰り返される。この場合、音割れした演出音と音割れしていない演出音とが交互に出力されることになり、音割れ演出が行われている場合と行われていない場合とで、遊技者への聞こえ方が差別化され、音による演出態様の多様化を図ることができる。しかも、音割れしている場合は、演出音の音データが同一であってもスピーカ91,101から出力される音の波形(音色)が異なるため、遊技者にとっては異なる音色の演出音が聞こえることになる。
ここでは、報知及び演出制御処理(図28)のステップS1108にて実行される保留コマンド対応処理について、図29のフローチャートを参照しつつ説明する。ここで、保留コマンド対応処理は、主制御装置71から音光制御装置72へコマンドが送信された場合に同音光制御装置72にて実行されるコマンド対応処理のうち保留コマンドに対応するものである。
保留コマンド対応処理においては先ず、ステップS1201にて大当たり対応コマンドを受信しているか否かを判定する。ここで、音光制御装置72のサブMPU142ではコマンドの受信を主制御装置71から行うが、この受信したコマンドはRWM145のコマンド格納エリアに一旦格納される。当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されており、複数のコマンドを同時期に受信した場合であってもそれら各コマンドに対応した処理を良好に実行できるようになっている。ステップS1201の判定に際しては、コマンド格納エリアにおける今回の読み出し対象のエリアに大当たり対応保留コマンドを受信しているか否かを判定する。なお、かかるコマンドの読み出しの構成は、以下のコマンドの読み出しにおいても同様である。
大当たり対応保留コマンドを受信している場合には、ステップS1202にて、今回受信したコマンドに含まれる保留個数の情報を特定し、その特定した保留個数の情報をRWM145の各種カウンタエリアに格納された消去用カウンタに設定する。当該消去用カウンタに設定された保留個数の情報は、後述するように、新たに遊技回が開始されるたびに1ディクリメントされるように更新される。
ステップS1202にて消去用カウンタの設定を行った後は、ステップS1203〜S1207にて、大当たり対応設定処理を実行する。
大当たり対応設定処理では、先ずステップS1203にて今回受信した保留コマンドがスーパーリーチA〜Cの何れかに対応しているか否かを判定する。本実施の形態では大当たりの当選期待度が異なるようにして図柄の変動表示態様が複数設定されており、各変動表示態様によって遊技回における大当たりの当選期待度が報知される構成が採用されているが、上記ステップS1203においては直接用ROM144の変動表示パターン記憶エリアを参照して保留コマンドがスーパーリーチA〜Cに対応するものであるか否かを判定する。
ステップS1203にて否定判定をした場合には、そのまま本設定処理を終了する。一方、ステップS1203にて肯定判定をした場合、すなわち保留情報の中にスーパーリーチA〜Cに対応するものがある場合には、ステップS1204に進む。ステップS1204では直接用ROM144の抽選用テーブル記憶エリアに記憶された大当たり対応の音割れ演出の抽選処理用テーブルを参照し、続くステップS1205にて、上述した音割れ演出を実行するか否かの抽選処理を実行する。
具体的には、RWM145の抽選用カウンタから音割れ演出の抽選用カウンタの値を読み出し、直接用ROM144に記憶されている音割れ演出の抽選用テーブル(音割れ演出抽選用情報群)を参照して、上記読み出した抽選用カウンタの値が当選結果に対応しているか否かを判定する。なお、抽選用カウンタの値は、保留コマンド対応処理が起動される度に、すなわち約2msec周期で更新(1インクリメント)される構成となっている。
ステップS1205の処理を実行した後はステップS1206に進み、音割れ演出に当選したか否かを判定する。ステップS1206にて否定判定をした場合には、そのまま本設定処理を終了する。一方、ステップS1206にて肯定判定をした場合には、ステップS1207に進み、音割れ演出フラグをセットする。音割れ演出フラグは、RWM145の各種フラグ格納エリアにセットされるフラグであり、セットされていることで、大当たり対応保留コマンドを受信している場合(大当たりリーチ)において音割れ演出を行うことを示すものである。
ステップS1207の処理を実行した後は、ステップS1208に進み、RWM145の保留情報格納エリア(詳しくは第1エリア〜第8エリアにおいて保留情報が格納されていないエリアのうち最も若いエリア)に大当たりに対応する保留情報(詳しくは、音割れ演出の可否にかかる情報)をセットし、本保留コマンド対応処理を終了する。
ここで、保留情報格納エリアにかかる構成について補足説明する。保留情報格納エリアは、上述の如く第1エリア〜第8エリアを有しており、各エリアにつき1の保留情報を格納可能な構成となっている。第1エリア〜第8エリアに格納された保留情報は、主制御装置71からシフト時コマンドを受信することにより、すなわち遊技回が開始された場合に、下位エリア側に順にシフトされることとなる。具体的には、第1エリアのデータをクリアするとともに、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリア ・・・ 第8エリア→第7エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。なお、主制御装置71の保留球格納エリアにおいては、上作動口用保留エリアと下作動口用保留エリアとが区別して設けられていたが、音光制御装置72の保留情報格納エリアにおいては入球先に関係なく保留情報が時系列的にまとめて記憶される構成となっている。
再びステップS1201の説明に戻り、同ステップS1201にて大当たり対応保留コマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS1209に進む。ステップS1209では、外れリーチ対応保留コマンドを受信しているか否かを判定する。
ステップS1209にて肯定判定をした場合、すなわち外れリーチ対応保留コマンドを受信していると判定した場合にはステップS1210〜S1214にて、外れリーチ対応設定処理を実行する。
外れリーチ対応設定処理では、先ずステップS1210にて、今回受信した保留コマンドがスーパーリーチA〜Cの何れかに対応しているか否かを判定する。本実施の形態では大当たりの当選期待度が異なるようにして図柄の変動表示態様が複数設定されており、各変動表示態様によって遊技回における大当たりの当選期待度が報知される構成が採用されているが、上記ステップS1210においては直接用ROM144の変動表示パターン記憶エリアを参照して保留コマンドがスーパーリーチA〜Cに対応するものであるか否かを判定する。
ステップS1210にて否定判定をした場合には、そのまま本設定処理を終了する。一方、ステップS1210にて肯定判定をした場合、すなわち保留情報の中にスーパーリーチA〜Cに対応するものがある場合には、ステップS1211に進む。ステップS1211では直接用ROM144の抽選用テーブル記憶エリアに記憶された外れ対応の音割れ演出の抽選処理用テーブルを参照し、続くステップS1212にて上述した音割れ演出を実行するか否かの抽選処理を実行する。
具体的には、RWM145の抽選用カウンタから音割れ演出の抽選用カウンタの値を読み出し、直接用ROM144に記憶されている音割れ演出の抽選用テーブルを参照して、上記読み出した抽選用カウンタの値が当選結果に対応しているか否かを判定する。なお、抽選用カウンタの値は、保留コマンド対応処理が起動される度に、すなわち約2msec周期で更新(1インクリメント)される構成となっている。
ステップS1212の処理を実行した後はステップS1213に進み、音割れ演出に当選したか否かを判定する。ステップS1213にて否定判定をした場合には、そのまま本設定処理を終了する。一方、ステップS1213にて肯定判定をした場合には、ステップS1214に進み、音割れ演出フラグをセットする。音割れ演出フラグは、RWM145の各種フラグ格納エリアにセットされるフラグであり、セットされていることで、外れリーチ対応保留コマンドを受信している場合(外れリーチ)において音割れ演出を行うことを示すものである。
ステップS1214の処理を実行した後は、ステップS1208に進み、RWM145の保留情報格納エリア(詳しくは第1エリア〜第8エリアにおいて保留情報が格納されていないエリアのうち最も若いエリア)に外れに対応する保留情報(詳しくは、音割れ演出の可否にかかる情報)をセットし、本保留コマンド対応処理を終了する。
以上詳述した、保留コマンド対応処理においては、保留コマンドを参照して音割れ演出を実行するか否かを決定し、その結果が保留情報格納エリアに記憶されることとなる。
音光制御装置72においては、主制御装置71から変動開始コマンドを受信した際に、改めて変動表示の態様等の演出態様を特定する構成となっている。この際、保留情報格納エリアにおいて当該変動開始コマンドに対応するエリアを参照して音割れ演出を行うか否かを特定する。つまり、音割れ演出の可否については変動開始コマンドを受信する前の保留コマンド受信時に特定される構成となっており、変動開始コマンドを受信した際には、その特定された結果を参照するに過ぎず再度音割れ演出の抽選を行うことはない。
<音出力LSI146の音データ処理部153における動作>
次に、音出力LSI146の音データ処理部153における動作について図30のフローチャートを参照しながら説明する。
音データ処理部153は、サブMPU142及びデータ転送部155とは独立して動作する専用回路として設けられており、サブMPU142から送信されたシーケンスデータ及びパラメータデータに基づいてデジタル楽音データを作成し、その作成したデジタル楽音データをDAC154に供給することで、スピーカ91,101から報知音や演出音を出力するものである。デジタル楽音データには、案内音としてのメッセージや、不正発生音としての警報音(ベル音、ブザー音、サイレン音など)といった報知音を出力するためのデータと、歌詞無しのメロディや歌詞付きのメロディ、効果音、音声といった演出音を出力するためのデータとが含まれている。
その動作を詳細に説明すると、先ず処理対象のシーケンスデータ及びパラメータデータがレジスタ152における各パラメータ用のエリア及びシーケンスデータ用のエリアに格納されているか否かを判定する(ステップS1301)。この判定に際しては、例えば、シーケンスデータ用のエリア及びパラメータ用のエリアには、サブMPU142からの信号出力により新たにシーケンスデータ及びパラメータデータが設定された場合に「1」がセットされるとともに、音データ処理部153において処理した際に「0」がセットされるエリアが設けられており、音データ処理部153ではそのエリアのデータに基づいて、処理対象のシーケンスデータ及びパラメータデータが存在しているか否かを判定する。
処理対象のシーケンスデータ及びパラメータデータが存在している場合(ステップS1301:YES)には、処理対象のシーケンスデータに含まれる時間データに従って、各パラメータデータを、レジスタ152に設けられた各発音チャンネル用のエリアのうち、シーケンスデータにより定められた対応するエリアに書き込む(ステップS1302)。ちなみに、音データ処理部153は、各パラメータ用のエリア及びシーケンスデータ用のエリアにアクセス可能となっている。
1回に設定されるシーケンスデータ及び各パラメータデータは、複数の発音チャンネルについて連続する複数サンプル分のデジタル楽音データを作成可能なデータとして設定されている。そして、シーケンスデータに含まれる時間データに従うことで、各発音チャンネル用のエリアに対して、対応する複数サンプル分のパラメータデータが1サンプル分ずつ時系列で書き込まれる。
また、ここで書き込みが行われるパラメータデータには、対応する発音チャンネル及び対応する出力タイミングにおいて必要となる音データのアドレスが設定されている。データ転送部155は、各発音チャンネル用のエリアにアクセス可能であり、直近のサンプル分のパラメータデータに設定されているアドレスの音データを共通用ROM147から読み出してレジスタ152に書き込む。
なお、上記複数サンプルは、一連の音(例えばメロディについてその開始から終了まで)の全部であっても一部であってもよいが、一度に転送するデータ量を抑える上では一部であることが好ましい。また、音データ処理部153では、既に受け取っているシーケンスデータ及びパラメータデータに従って一連の音の出力を行っている途中であっても、サブMPU142からの指示に基づき中止し、新たな一連の音の出力を開始可能な構成としてもよい。
音データ処理部153では、音出力LSI146に設けられた図示しないクロック回路からの信号入力に基づきデジタル楽音データの作成タイミングであるか否かを判定する(ステップS1303)。このクロック回路からの信号出力周期はサンプリング周期に対応している。
作成タイミングである場合(ステップS1303:YES)には、各発音チャンネルについて、該当するサンプルのパラメータデータと、データ転送部155により既にレジスタ152に転送されている音データとに基づき、デジタル楽音データを作成する(ステップS1304)。また、それら各発音チャンネルに対して作成した各デジタル楽音データを合成してデジタル合成楽音データを作成する(ステップS1305)。ちなみに、各発音チャンネル用のエリアに書き込まれているパラメータデータのうちデジタル楽音データの作成が完了したものは消去され、直近のサンプル分のパラメータデータが更新される。
音データ処理部153では、音出力LSI146に設けられた図示しないクロック回路であってステップS1303の場合とは異なるタイミングで信号出力を行うクロック回路からの信号入力に基づき、デジタル合成楽音データの出力タイミングであるか否かを判定する(ステップS1306)。このクロック回路からの信号出力周期はサンプリング周期に対応している。なお、報知音を出力するためのデジタル合成楽音データの出力タイミングである場合、演出音を出力するためのデジタル楽音データの出力は行わない。これにより、スピーカ91,101から報知音が出力されている場合には演出音が出力されないようになっている。
出力タイミングである場合(ステップS1306:YES)には、今回の出力に対応した作成済みのデジタル合成楽音データをDAC154に供給する(ステップS1307)。DAC154では、音データ処理部153から供給されてくるデジタル合成楽音データをアナログ信号に変換してアナログ楽音信号としてそれをアンプ171(スピーカ91,101)に出力する。これにより、当該スピーカ91,101から所定の音が出力される。なお、複数種類の音が同時に出力されない場合もあり、この場合にはデジタル合成楽音データの作成は行われず、単一のデジタル楽音データがDAC154に供給されて、それに対応する単一の音がスピーカ91,101から出力される。
音データ処理部153では、データ転送部155からレジスタ152への音データの転送が必要に応じて行われているか否か、及びDAC154からアンプ171へのアナログ楽音信号の出力が行われているか否かといった監視を行うことを通じて音の出力中であるか否かを判定する(ステップS1308)。そして、音の出力中である場合(ステップS1308:YES)に、サブMPU142と音出力LSI146とを接続するバスB1を介して音出力中信号を出力する。この場合、バスB1において利用する信号経路は、サブMPU142からセレクタ用エリアにアクセスする場合に利用される第8信号経路J8であり、サブMPU142において当該第8信号経路J8を介した信号出力を行わないタイミングで、音出力中信号の出力が行われる。
<音量設定処理>
次に、報知及び演出制御処理(図28)のステップS1109にて実行される音量設定処理について、図31のフローチャートを参照しつつ説明する。
音量設定処理において、ステップS1401では、スピーカ91,101からの出力音が報知音であるか否かを判定する。ここでは、直接用ROM144から読み出したデータテーブルが報知系コマンドに対応したものであるか否かを判定し、報知系コマンドに対応したものである場合には、出力音が報知音であるとする。
出力音が報知音である場合は、ステップS1402に進み、出力音が報知音のうち不正発生音であるか否かを判定する。ここでは、直接用ROM144から読み出したデータテーブルが、報知系コマンドのうち不正発生コマンドであるか否かを判定する。不正発生コマンドとしては、磁石検知コマンド、不正入賞コマンド、電波検知コマンドが挙げられる。不正発生音としては、遊技盤24の上作動口33に磁石が近付けられていることや、可変入賞装置32の大入賞口に遊技球が不正に入賞されたこと、上作動口33や下作動口34に向けて電波が発振されていることなどを報知するための警報音や音声メッセージが挙げられる。
出力音が不正発生音である場合、ステップS1403に進み、音量スイッチ111のポジションに関係なく、アンプ171の増幅率を最大値(定格値)に設定する。アンプ171の増幅率は、各スピーカ91,101から出力される不正発生音が最大音量となるように設定する。なお、出力音が不正発生音である場合、各スピーカ91,101に同じ音信号が入力され、それによって、全てのスピーカ91,101から同じ内容の不正発生音が出力される。
出力音が不正発生音でない場合は、出力音が案内音であるとして、ステップS1404に進み、案内音の音量設定処理を行う。ここで、出力音が報知音のうち不正発生音でない場合には、直接用ROM144から読み出したデータテーブルが報知系コマンドのうち払出異常コマンドである場合が含まれており、出力音は案内音であるということになる。ここで、払出異常コマンドとしてはタンク球無しコマンド及び下皿満杯コマンドが挙げられ、案内音としては、タンク76が球無状態になっていることや、下皿62aが遊技球で満杯状態になっていることなど、遊技球の払い出しに関して所定の異常が発生していることを報知するための音声メッセージなどが挙げられる。
案内音の音量設定処理についての詳細な説明は後述する。なお、出力音が案内音である場合、出力音が不正発生音である場合と同様に、各スピーカ91,101に同じ音信号が入力され、それによって、全てのスピーカ91,101から同じ内容の案内音が出力される。
ステップS1401にて否定判定をした場合、ステップS1403の処理を実行した後、又はステップS1404の処理を実行した後は、ステップS1405に進む。ステップS1405では、スピーカ91,101からの出力音が演出音であるか否かを判定する。ここでは、直接用ROM144から読み出したデータテーブルが演出系コマンドに対応したものであるか否かを判定し、演出系コマンドに対応したものである場合には、出力音が演出音であるとする。
出力音が演出音である場合は、ステップS1406に進み、現在の音量調整モードが音量制限を行うための音量制限モードに設定されているか否かを判定する。ここでは、音量スイッチ111の検出信号に基づいて、音量スイッチ111のポジションが目盛りFにあるか否かを判定し、目盛りFにある場合に音量制限モードに設定されているとする。
音量制限モードに設定されていない場合、つまり、音量スイッチ111のポジションが目盛り0〜5のいずれかに設定されている場合、ステップS1407に進み、音量スイッチ111の検出信号に基づいて音量スイッチ111のポジションを判定し、アンプ171の増幅率を音量スイッチ111のポジションに応じた値に設定する。なお、上述したように、音量スイッチ111のポジションが目盛り0〜5にある場合、スピーカ91,101からの出力音量は音割れが発生しにくい大きさとされているため、音割れが発生するとしてもその原因は音信号のノイズに限られると考えられる。この場合、仮に音信号のノイズにより演出音に音割れが発生したとしても、その音割れは一瞬で終わると想定され、音割れ発生によって遊技者に不快感を継続して与えるという事態にはなりにくい。
音量制限モードに設定されている場合、つまり、音量スイッチ111のポジションが目盛りFに設定されている場合、ステップS1408に進み、演出音の音量設定処理を行う。上述したように、アンプ171の増幅率が最大値に設定されていることで、スピーカ91,101から出力される演出音に音割れが発生しやすいため、演出音の音量設定処理では、音割れ発生に応じてアンプ171の増幅率を変更することが可能になっている。演出音の音量設定処理についての詳細な説明は後述する。ステップS1407にて処理を実行した後、又はステップS1408にて処理を実行した後は、そのまま音量設定処理を終了する。
<案内音の音量設定処理>
次に、案内音の音量設定処理について、図32のフローチャートを参照しつつ説明する。本実施の形態では、スピーカ91,101から出力される案内音の音量は、全てのスピーカ91,101について一様に(まとめて)設定されるようになっている。
案内音の音量設定処理では、ステップS1501にて、スピーカ91,101の音量制限をしているか否かを判定する。ここでは、案内音制限フラグがセットされているか否かを判定し、案内音制限フラグがセットされている場合に、音量制限をしていると判定する。案内音制限フラグは、RWM145の各種フラグ格納エリアにセットされるフラグであり、セットされている場合に、アンプ171(パワー部173)の増幅率が制限されている(音量制限している)ことを示すものである。
なお、案内音制限フラグがセットされている場合、後述するように、全てのスピーカ91,101について、アンプ171の増幅率を最大値よりも小さい値に設定していることになる。つまり、全てのスピーカ91,101からの出力音量を制限していることになる。
スピーカ91,101の音量制限をしていない場合は、ステップS1502に進み、アンプ171の増幅率を設定する処理を行う。この処理では、スピーカ91,101から案内音を最大音量で出力させるために、音量スイッチ111のポジションに関係なく、アンプ171の増幅率を最大値(目盛りFの場合の増幅率と同じ値)に設定する。この場合、上述したように、スピーカ91,101から出力される案内音に音割れが生じやすくなっている。一方、音量制限をしている場合は、全てのスピーカ91,101について既にアンプ171の増幅率が設定されているとして、ステップS1502には進まない。つまり、アンプ171の増幅率を最大値に設定する処理を行わない。
ステップS1501にて肯定判定をした場合、又はステップS1502の処理を実行した後は、ステップS1503に進む。ステップS1503では、音割れ検出回路175から音割れ信号を受信しているか否かの音割れ判定を行う。ここでは、複数の音割れ検出回路175のそれぞれから音割れ信号を受信しているか否かを判定し、少なくとも1つの音割れ検出回路175から音割れ信号を受信していれば、音割れ信号を受信しているとする。つまり、全ての音割れ検出回路175から音割れ信号を受信していない場合に限って、音割れ信号を受信していないとする。
音割れ検出回路175から音割れ信号を受信している場合、ステップS1504に進み、音割れ継続タイマカウンタTaがセットされているか否かを判定する。音割れ継続タイマカウンタTaは、RWM145の各種カウンタ格納エリアにセットされるタイマカウンタであり、スピーカ91,101の少なくとも1つにて発生している音割れの継続期間を計測するためのものである。
音割れ継続タイマカウンタTaがセットされていない場合、ステップS1505に進み、音割れ継続タイマカウンタTaをゼロでセットする。音割れ継続タイマカウンタTaをセットすることにより、現在のアンプ171の増幅率にて発生した音割れの継続期間の計測を開始することになる。音割れ継続タイマカウンタTaが既にセットされている場合は、ステップS1505に進まず、音割れ継続タイマカウンタTaをゼロでセットする処理を行わない。
ステップS1504にて肯定判定をした場合、又はステップS1505の処理を実行した後は、ステップS1506に進み、音割れ継続タイマカウンタTaを1インクリメント(Ta=Ta+1)する。つまり、音割れの継続期間を音割れ継続タイマカウンタTaにより計測する。
ステップS1507では、音割れ継続期間があらかじめ定められた音割れ継続判定期間(例えば100msec)を超えたか否かを判定することで、スピーカ91,101のいずれかが音割れ継続状態にあるか否かを判定する。ここでは、音割れ継続判定期間に相当する所定値Na(例えば50)をあらかじめ設定しておき、音割れ継続タイマカウンタTaが所定値Naよりも大きい(Ta>Na)か否かを判定し、Ta>Naである場合に音割れ継続期間が音割れ継続判定期間を超えているとする。つまり、音割れ継続状態になっているとする。
スピーカ91,101のいずれかが音割れ継続状態にある場合は、ステップS1508に進み、全てのスピーカ91,101について音量制限処理を行う。この処理では、アンプ171の増幅率を現在の増幅率よりも所定率(例えば5%)だけ小さい値に変更する。ここで、増幅率の下げ幅は、音量スイッチ111のポジションを1段階小さくした場合の増幅率の下げ幅よりも小さくされている。この音量制限処理が行われることで、スピーカ91,101に入力される音信号の音量レベルがそれぞれのスピーカ91,101の基準レベル以下になった場合は、スピーカ91,101のいずれかにて発生していた音割れが解消されることになる。
ただし、この音量制限処理が行われても、入力される音信号の音量レベルが基準レベル以下になっていないスピーカ91,101が存在することがあり、この場合、音量レベルが基準レベル以下になっていないスピーカ91,101においては音割れが解消されないことになる。これに対して、案内音の音量設定処理(図31のステップS1404)は所定の周期で繰り返し実行されるため、アンプ171の増幅率を所定率だけ小さい値に変更設定した後に、全てのスピーカ91,101を対象として音割れについての判定が再び行われる。そして、増幅率を小さくしてもスピーカ91,101のいずれかが音割れ継続状態になっている場合には、アンプ171の増幅率がさらに所定率だけ小さい値に変更される。つまり、アンプ171の増幅率が段階的に小さくされる。これにより、スピーカ91,101の音量が過剰に小さくなることを回避しつつ、スピーカ91,101での音割れ発生を確実に解消することができる。
ステップS1509では、案内音制限フラグがセットされているか否かを判定する。案内音制限フラグがセットされていない場合、案内音の音量制限を行っているにもかかわらず案内音制限フラグがセットされていないことになるため、ステップS1510に進み、案内音制限フラグをセットする。案内音制限フラグをセットすることは、音割れ継続状態になっていたスピーカ91,101を対象として音量制限を行っていることを記憶することに相当する。
ステップS1509にて肯定判定をした場合、又はステップS1510の処理を実行した後は、ステップS1511に進む。ステップS1511では、音割れ継続タイマカウンタTaをクリアする。この処理により、現在のアンプ171の増幅率においては、音割れ発生の継続期間の計測を終了することになる。また、この処理は、音量制限を行っているにもかかわらず、スピーカ91,101のいずれかが再び音割れ継続状態になった場合に、音割れ発生の継続期間をゼロから新たに計測するために音割れ継続タイマカウンタTaをリセットする処理でもある。
ステップS1503にて否定判定をした場合、ステップS1507にて否定判定をした場合、又はステップS1511の処理を実行した後は、ステップS1512に進み、音量制限を解除するための演出音の音量制限解除処理を行う。ステップS1512の処理を実行した後は、そのまま案内音の音量設定処理を終了する。
案内音の音量制限解除処理については、図33のフローチャートを参照しつつ説明する。
案内音の音量制限解除処理では、ステップS1601にて、スピーカ91,101からの案内音の出力を終了するか否かを判定する。ここでは、主制御装置71から払出異常解除コマンドを受信しているか否かを判定し、払出異常解除コマンドを受信している場合に、案内音の出力を終了すると判定する。案内音の出力を終了すると判定した場合、ステップS1602に進み、スピーカ91,101の音量制限を行っているか否かを判定する。ここでは、案内音制限フラグがセットされているか否かを判定し、案内音制限フラグがセットされている場合に、スピーカ91,101の音量制限を行っているとする。
ステップS1601,S1602の両方にて肯定判定をした場合、ステップS1603に進み、音量制限を解除する。ここでは、音量スイッチ111の検出信号に基づいて音量スイッチ111のポジションを判定し、アンプ171の増幅率を音量スイッチ111のポジションに応じた値に設定する。ステップS1604では、案内音制限フラグをクリアする。この処理を行うことで、音量制限を行っていたというデータをリセットすることになる。
ステップS1602,S1602の一方にて否定判定をした場合、そのまま本案内音の音量制限解除処理を終了する。
<演出音の音量設定処理>
次に、演出音の音量設定処理について、図34のフローチャートを参照しつつ説明する。本実施の形態では、スピーカ91,101からの出力音が演出音である場合、出力音が案内音である場合とは異なり、スピーカ91,101から出力される演出音の音量は、各スピーカ91,101のそれぞれについて個別に設定されるようになっている。
演出音の音量設定処理では、ステップS1701にて、音量制限していないスピーカ91,101があるか否かを判定する。ここでは、各スピーカ91,101のそれぞれについて演出音制限カウンタSがセットされているか否かを判定し、演出音制限カウンタSがセットされていないスピーカ91,101がある場合に、音量制限していないスピーカ91,101があるとする。演出音制限カウンタSは、音量制限しているスピーカ91,101に対応させてRWM145の各種フラグ格納エリアにセットされるフラグであり、セットされている場合に、アンプ171の増幅率が制限されていることを示すものである。各種フラグ格納エリアには、スピーカ91,101のそれぞれに対応させて演出音制限カウンタSを個別にセットすることが可能となっている。
なお、演出音制限カウンタSがセットされている場合、後述するように、その演出音制限カウンタSが対応するスピーカ91,101について、アンプ171の増幅率を最大値よりも小さい値に設定していることになる。つまり、演出音制限カウンタSが対応するスピーカ91,101からの出力音量を制限していることになる。
音量制限していないスピーカ91,101がある場合は、ステップS1702に進み、アンプ171の増幅率を設定する処理を行う。この処理では、音量制限していないスピーカ91,101について、音量スイッチ111のポジションが目盛りFにあることに合わせて、アンプ171の増幅率を最大値に設定する。なお、音量制限している(演出音制限カウンタSがセットされている)スピーカ91,101については、既にアンプ171の増幅率が設定されていることになるため、本ステップS1702では増幅率を設定しない。
一方、音量制限していないスピーカ91,101がない場合(全てのスピーカ91,101を音量制限している場合)は、全てのスピーカ91,101について既にアンプ171の増幅率が設定されているとして、ステップS1702には進まない。つまり、アンプ171の増幅率を最大値に設定する処理を行わない。
ステップS1701にて否定判定をした場合、又はステップS1702の処理を実行した後は、ステップS1703に進む。ステップS1703では、音割れ検出回路175から音割れ信号を受信しているか否かの音割れ判定を行う。ここでは、複数の音割れ検出回路175のそれぞれから音割れ信号を受信しているか否かを判定し、少なくとも1つの音割れ検出回路175から音割れ信号を受信していれば、音割れ信号を受信しているとする。つまり、全ての音割れ検出回路175から音割れ信号を受信していない場合に限って、音割れ信号を受信していないとする。
なお、都度の遊技回において変動表示が行われている場合や、開閉実行モードにある場合は、通常遊技状態にある場合に比べて、メロディに加えて効果音やメッセージがスピーカ91,101からまとめて出力される頻度が高くなり、それらメロディや効果音、メッセージが重なることで出力音量が基準レベルを超えやすくなる。つまり、音割れが発生しやすくなる。したがって、出力音においては、遊技回や開閉実行モードに合わせて出力される部分が大音量部分となりやすく、通常遊技状態に合わせて出力される部分が、大音量部分に比べて音量が小さい非大音量部分となりやすい。
音割れ検出回路175から音割れ信号を受信している場合、ステップS1704に進み、スピーカ91,101のいずれかを音割れスピーカとして特定する。ここでは、複数の音割れ検出回路175のいずれが音割れ信号の出力元となっているのかを判定し、出力元とされた音割れ検出回路175に対応するスピーカ91,101を、音割れ発生の可能性が高くなっている音割れスピーカとして特定する。
ステップS1705では、直前のステップS1704にて特定された音割れスピーカについて、音割れ継続タイマカウンタTbがセットされているか否かを判定する。音割れ継続タイマカウンタTbは、音割れスピーカに対応させてRWM145の各種カウンタ格納エリアにセットされるタイマカウンタであり、音割れスピーカにて発生している音割れの継続期間を計測するためのものである。各種カウンタ格納エリアには、スピーカ91,101のそれぞれに対応させて音割れ継続タイマカウンタTbを個別にセットすることが可能となっている。
直前のステップS1704にて特定された音割れスピーカについて音割れ継続タイマカウンタTbがセットされていない場合、ステップS1706に進み、直前のステップS1704にて特定された音割れスピーカについて、音割れ継続タイマカウンタTbをRWM145の各種カウンタ格納エリアにゼロでセットする。音割れ継続タイマカウンタTbをセットすることにより、現在のアンプ171の増幅率にて発生した音割れの継続期間の計測を開始することになる。直前のステップS1704にて特定された音割れスピーカについて音割れ継続タイマカウンタTbが既にセットされている場合は、ステップS1705に進まず、音割れ継続タイマカウンタTbをゼロでセットする処理を行わない。
ステップS1705にて肯定判定をした場合、又はステップS1706の処理を実行した後は、ステップS1707に進み、音割れスピーカについて、音割れ継続タイマカウンタTbを1インクリメント(Tb=Tb+1)する。つまり、音割れスピーカでの音割れの継続期間を音割れ継続タイマカウンタTbにより計測する。ここで、演出音制限タイマカウンタが複数セットされている場合は、全ての演出音制限タイマカウンタを1インクリメントする。これにより、音割れスピーカが複数ある場合に、全ての音割れスピーカについて音割れの継続期間を個別に計測することになる。
ステップS1708では、音割れスピーカについて、音割れ継続期間があらかじめ定められた音割れ継続判定期間(例えば100msec)を超えて継続しているか否かを判定することで、音割れスピーカが音割れ継続状態になっているか否かを判定する。ここでは、音割れ継続判定期間に相当する所定値Nb(例えば50)をあらかじめ設定しておき、音割れ継続タイマカウンタTbが所定値Nbよりも大きい(Tb>Nb)か否かを判定し、Tb>Nbである場合に音割れ継続期間が音割れ継続判定期間を超えているとする。つまり、音割れスピーカが音割れ継続状態になっているとする。
なお、音割れスピーカが複数ある場合は、音割れスピーカごとに対応してセットされている音割れ継続タイマカウンタTbのそれぞれについて、Tb>Nbであるか否かの判定を行い、Tb>Nbであると判定された音割れスピーカが1つでもあれば、音割れ継続状態の音割れスピーカが少なくとも1つあるとして、ステップS1708を肯定判定する。
音割れ継続状態の音割れスピーカがある場合は、ステップS1709に進み、音割れ演出を行うか否かを判定する。ここでは、音割れ演出フラグがセットされているか否かを判定し、音割れ演出フラグがセットされている場合に、音割れ演出を行うとする。なお、音割れ演出フラグは、既に述べたように、保留コマンドの対応処理(図29)のステップS1207,S1214にてセットされ、セットされていることで音割れ演出への当選を示すフラグである。
音割れ演出を行わない場合、ステップS1710に進み、その音割れ継続状態の音割れスピーカについて音量制限処理を行う。この処理では、現在のアンプ171の増幅率において音割れ継続状態になっている音割れスピーカを音割れ解消の対象として、アンプ171の増幅率を現在の増幅率よりも所定率(例えば5%)だけ小さい値に変更する。ここで、増幅率の下げ幅は、音量スイッチ111のポジションを1段階小さくした場合の増幅率の下げ幅よりも小さくされている。音割れ解消対象のスピーカについては、音量制限処理が行われることで入力音信号の音量レベルが基準レベル以下になった場合に、音割れが解消されることになる。
ただし、音割れ解消対象のスピーカについては、音量制限処理が行われても、入力音信号の音量レベルが基準レベル以下にならない場合があり、この場合は音割れが解消されない。しかし、案内音の音量設定処理は所定の周期で繰り返し実行されるため、アンプ171の増幅率を所定率だけ小さい値に変更設定した後に、全てのスピーカ91,101を対象として音割れについての判定が再び行われる。そして、音割れ解消対象のスピーカであっても音割れが発生し且つ音割れ継続状態になっている場合には、アンプ171の増幅率がさらに所定率だけ小さい値に変更される。つまり、アンプ171の増幅率が段階的に小さくされる。これにより、スピーカ91,101の音量が過剰に小さくなることを回避することができ、しかも、スピーカ91,101での音割れ発生を確実に解消することができる。
ステップS1711では、直前のステップS1710にて音量制限されたスピーカについて、演出音制限カウンタSがセットされているか否かを判定する。直前のステップS1710にて音量制限されたにもかかわらず、演出音制限カウンタSがセットされていないスピーカがある場合、ステップS1712に進み、直前のステップS1710にて音量制限されたスピーカについて、演出音制限カウンタSをセットする。演出音制限カウンタSをセットすることは、音割れ継続状態になっていた音割れスピーカについて音量制限を施したことを記憶することに相当する。なお、音割れ解消対象とされているスピーカであっても、既に演出音制限カウンタSがセットされている(直前のステップS1710よりも以前に音量制限された)スピーカについては、演出音制限カウンタSをセットしない。
ステップS1711にて肯定判定をした場合、又はステップS1712の処理を実行した後は、ステップS1713に進む。ステップS1713では、直前のステップS1710にて音量制限されたスピーカについて、演出音制限カウンタSを1インクリメント(S=S+1)する。つまり、音量制限されたスピーカについて、アンプ171の増幅率を所定値だけ小さくした回数(重ねて実行された音量制限の段階数)を演出音制限カウンタSによりカウントする。なお、直前のステップS1710にて音量制限されたスピーカが複数ある場合は、それらスピーカの全てについて、重ねて実行された音量制限の段階数をカウントするべく、演出音制限カウンタSを1インクリメントする。
ステップS1714では、直前のステップS1710にて音量制限されたスピーカについて、音割れ継続タイマカウンタTbをクリアする。この処理により、現在のアンプ171の増幅率において音量制限されたスピーカ91,101については、音割れ発生の継続期間の計測を終了することになる。この処理は、音量制限されたスピーカについて、音量制限を行っているにもかかわらず再び音割れが発生した場合に、音割れ発生の継続期間をゼロから新たに計測するために音割れ継続タイマカウンタTbをリセットするという処理でもある。
ステップS1714の処理を実行した後は、ステップS1715にて、音割れスピーカと音割れしていない非音割れスピーカとの音量のバランスをとるための音量調和処理を実行する。また、ステップS1703にて否定判定をした場合、ステップS1708にて否定判定をした場合、又はステップS1715の処理を実行した後は、ステップS1716に進み、音量制限を解除するための演出音の音量制限解除処理を行う。この音量制限解除処理についての詳細な説明は後述する。
一方、音割れ演出を行う場合(ステップS1709がYES判定の場合)、ステップS1717に進み、演出音制限カウンタSがセットされているか否かを判定する。演出音制限カウンタSがセットされていない場合、音割れ継続状態の音割れスピーカが存在するが、その音割れスピーカについて音量制限処理をまだ行っていないとして、ステップS1718に進む。
ステップS1718では、音割れ演出において音量制限を開始するタイミングであるか否かを判定する。ここでは、音割れスピーカが音割れ継続状態になってからの経過期間を計測するとともに、その経過期間が演出用音割れ期間を超えたか否かを判定し、経過期間が演出用音割れ期間を超えた場合に音量制限開始タイミングであるとする。演出用音割れ期間は、主制御装置71から受信した保留コマンドがスーパーリーチA〜Cのいずれに対応しているかに関係なく、あらかじめ定められた所定期間(例えば2秒)に設定されている。
なお、演出用音割れ期間は、保留コマンドが対応するリーチ態様に合わせて設定されていてもよい。例えば、保留コマンドに対応するリーチ態様の当選期待度が高いほど演出音割れ期間が短くなるように設定されていてもよい。具体的には、演出用音割れ期間は、保留コマンドが最も当選期待度が高いスーパーリーチCに対応する場合に最も短い期間(例えば1秒)に設定され、最も当選期待度が低いスーパーリーチAに対応する場合に最も長い期間(例えば3秒)に設定されていてもよい。この場合、スーパーリーチBに対応する場合には、スーパーリーチA及びスーパーリーチCに対応する各期間の間の長さ(例えば2秒)に設定されていることが好ましい。
音量制限開始タイミングでない場合は、そのままステップS1716に進み、音量制限開始タイミングになるまで本音量設定処理を繰り返し実行する。なお、音量制限開始タイミングでない場合、音量制限開始タイミングになるまでステップS1718にて待機する構成としてもよい。この場合、S1718にて待機している期間においては、本音量設定処理を実行しない構成とすることが好ましい。
ステップS1717にて肯定判定をした場合、又はステップS1718にて肯定判定をした場合は、ステップS1709にて否定判定をした場合と同様に、ステップS1710〜S1715の処理を実行する。つまり、音量制限開始タイミングになった後は、音割れ解消対象のスピーカについて音量制限を実施する。
<音量調和処理>
各スピーカ91,101に音割れ解消対象のスピーカと音割れ解消対象でないスピーカとが混在している場合、音割れ解消対象のスピーカだけについて音量制限が行われると、音割れ解消対象のスピーカと音割れ解消対象でないスピーカとでアンプ171の増幅率の差異(出力音量の差異)が過剰に大きくなり、それらスピーカの間で出力音量のバランスが崩れてしまうことが懸念される。かといって、音割れ解消対象でないスピーカについて、音割れ解消対象のスピーカと同じように音量制限が行われると、全てのスピーカ91,101からの出力音量が単に小さくなって、出力音が有する効果が低下してしまうことが懸念される。
そこで、音割れ解消対象のスピーカに対する音量制限の段階数が所定数に達した場合に、音割れ解消対象のスピーカと音割れ解消対象でないスピーカとの出力音量のバランスをとることを目的として、音割れ解消対象でないスピーカについても音量制限をする音量調和処理を行う。音量設定処理では、例えば、音割れ解消対象のスピーカに対する音量制限の段階数が2段階又は4段階に達するごとに、音割れ解消対象でないスピーカについても音量制限を1段階だけ実施されるようになっている。
ここでは、演出音の音量設定処理(図34)のステップS1714にて実行される音量調和処理について、図35のフローチャートを参照しつつ説明する。
音量調和処理では、ステップS1801にて、音割れ解消対象ではないスピーカがあるか否かを判定する。ここでは、各スピーカ91,101のそれぞれについて演出音制限カウンタSがセットされているか否かを判定し、演出音制限カウンタSがセットされていないスピーカが1つでもある場合に、音割れ解消対象ではないスピーカがあるとする。ここで、演出音制限カウンタSは、ステップS1713についての説明にて既に述べたように、音量制限されているスピーカについて、重ねて実行された音量制限の段回数をカウントするものであり、例えば、演出音制限カウンタSが1であれば音量制限は1段階だけ実施されており、演出音制限カウンタSが4であれば音量制限は4段階実施されていることになる。
音割れ解消対象ではないスピーカがある場合は、ステップS1802に進み、音割れ解消対象ではないスピーカがない場合、つまり、全てのスピーカ91,101が音割れ解消対象である場合は、そのまま音量調和処理を終了する。
ステップS1802では、演出音制限カウンタSが4のM倍(Mは自然数)になっている(S=4×M)か否かを判定する。つまり、実施されている音量制限が4段階、8段階、12段階といった4の倍数の段階に達したか否かを判定する。ここでは、音割れ解消対象のスピーカについて行われた音量制限の段階数が第1判定値のM倍になっているか否かの判定を、第1判定値に4を代入して行ったものであり、音量制限の段階数が4の倍数のいずれか(4,8,12…)になっている場合に肯定判定する。
演出音制限カウンタSが4のM倍になっている場合(音量制限が4の倍数の段階に達した場合)は、ステップS1803に進み、音割れ解消対象ではないスピーカについて、音量制限処理を行うことで1段階だけ音量制限を行う。ここでは、現在のアンプ171の増幅率において音割れ継続状態になっていないスピーカを音割れ解消対象ではないスピーカとして、アンプ171の増幅率を現在の増幅率よりも所定率(音割れ解消対象のスピーカの下げ幅と同じ)だけ小さい値に変更する。音割れ解消対象ではないスピーカが複数ある場合には、それら音割れ解消対象ではないスピーカの全てについてアンプ171の増幅率を1段階下げる。
かかる処理を行った場合、音割れ解消対象のスピーカについてアンプ171の増幅率を4段階(第1判定値の段階数)下げるに伴って、音割れ解消対象ではないスピーカについてアンプ171の増幅率を1段階下げることになる。つまり、音割れスピーカの増幅率と、非音割れスピーカの増幅率とを4:1の比率で下げることになる。これにより、音割れ解消対象のスピーカの出力音量が音割れ解消対象ではないスピーカの出力音量に比べて極端に小さくなることを抑制し、それによって、それら出力音量のバランスを保つことができる。
演出音制限カウンタSが4のM倍になっていない場合(音量制限が4の倍数の段階に達していない場合)は、ステップS1804に進み、演出音制限カウンタSが2のM倍(Mは自然数)になっている(S=2×M)か否かを判定する。つまり、実施されている音量制限が2段階、6段階、10段階といった4の倍数を除く2の倍数の段階に達したか否かを判定する。ここでは、音割れ解消対象のスピーカについて行われた音量制限の段階数が、第1判定値よりも小さい第2判定値のM倍になっているか否かの判定を、第2判定値に2を代入して行ったものであり、音量制限の段階数が4の倍数を除く2の倍数のいずれか(2,6,10…)になっている場合に肯定判定する。
演出音制限カウンタSが2のM倍になっている場合(音量制限が4の倍数を除く2の倍数の段階に達した場合)は、ステップS1805に進み、下側スピーカ101が音割れ解消対象になっているか否かを判定する。ここでは、一対の下側スピーカ101のそれぞれについて音割れ解消対象になっているか否かを判定し、一対の下側スピーカ101のうち少なくとも一方が音割れ解消対象になっている場合に、下側スピーカ101が音割れ解消対象になっているとする。
下側スピーカ101が音割れ解消対象になっている場合は、ステップS1806に進み、音割れ解消対象ではないスピーカについて、音量制限処理を行うことで1段階だけ音量制限を行う。ここでは、ステップS1802と同様に、音割れ解消対象ではない全てのスピーカについて、アンプ171の増幅率を現在の増幅率よりも所定率(音割れ解消対象のスピーカの下げ幅と同じ)だけ小さい値に変更する。音割れ解消対象ではないスピーカが複数ある場合には、それら音割れ解消対象ではないスピーカの全てについてアンプ171の増幅率を1段階下げる。
かかる処理を行った場合、音割れ解消対象のスピーカについてアンプ171の増幅率を2段階(第2判定値の段階数)下げるに伴って、音割れ解消対象ではないスピーカについてアンプ171の増幅率を1段階下げることになる。つまり、音割れスピーカの増幅率と非音割れスピーカの増幅率とを2:1の比率で下げることになる。これにより、音割れ解消対象のスピーカの出力音量が音割れ解消対象ではないスピーカの出力音量に比べて極端に小さくなることを抑制し、それによって、それら出力音量のバランスを保つことができる。
一対の下側スピーカ101の両方が音割れ解消対象になっていない場合、つまり、一対の上側スピーカ91のうち一方が音割れ解消対象になっている場合は、ステップS1807に進み、一対の上側スピーカ91のうち音割れ解消対象ではないスピーカについて、音量制限処理を行うことで1段階だけ音量制限を行う。ここでは、音割れ解消対象ではない上側スピーカ91について、アンプ171の増幅率を現在の増幅率よりも所定率(音割れ解消対象のスピーカの下げ幅と同じ)だけ小さい値に変更する。
かかる処理を行った場合、音割れ解消対象のスピーカについてアンプ171の増幅率を2段階(第2判定値の段階数)下げるに伴って、上側スピーカ91のうち音割れ解消対象ではないスピーカについてアンプ171の増幅率を1段階下げることになる。これにより、一対の上側スピーカ91のうち、音割れ解消対象のスピーカの出力音量が音割れ解消対象ではないスピーカの出力音量に比べて極端に小さくなることを抑制し、それによって、それら出力音量のバランスを保つことができる。その一方で、一対の下側スピーカ101については音割れ解消対象ではなくても、アンプ171の増幅率は小さくせずに現在の増幅率のまま保持する。これにより、上側スピーカ91から中高音が出力され、下側スピーカ101から低音が出力される構成において、音量調和のために下側スピーカ101の出力音量が小さくなり過ぎて低音が聞き取りにくくなるということを抑制できる。
演出音制限カウンタSが4のM倍及び2M倍のいずれでもない場合(音量制限が奇数の段階に達した場合)は、音割れ解消対象ではないスピーカについての音量制限処理を行わないとして、そのまま本音量調和処理を終了する。このように、音割れ解消対象のスピーカについての音量制限が1段階実施されても、音割れ解消対象ではないスピーカについて音量制限が実施されない段階を確保することで、音割れ解消対象のスピーカと音割れ解消対象ではないスピーカとで音量制限の段階数に差異を付与することができる。
ステップS1803を実行した後、ステップS1806を実行した後、又はステップS1807を実行した後は、ステップS1808に進む。ステップS1808では、直前のステップS1803,S1806,S1807のいずれかにて、音割れ解消対象のスピーカとの音量調和を目的として、音割れ解消対象ではないにもかかわらず音量制限がなされているスピーカについて、音量調和フラグをセットする。音量調和フラグは、RWM145の各種フラグ格納エリアにセットされるフラグであり、セットされている場合に、音割れ解消対象ではないにもかかわらずアンプ171の増幅率が制限されていることを示すものである。
ここで、音量調和処理が実行された場合における、音割れ解消対象のスピーカ及び音割れ解消対象ではないスピーカのそれぞれに入力される音信号の音量レベルの変化態様について、図36を参照しつつ説明する。図36は、各スピーカ91,101のそれぞれに入力される音信号の実音量レベルの変化態様を例示するタイムチャートであり、(a)に一対の下側スピーカ101のうちの一方が音割れ解消対象とされた場合のタイムチャートを示し、(b)に一対の上側スピーカ91のうちの一方が音割れ解消対象とされた場合のタイムチャートを示す。なお、図36においては、縦軸を音量レベルとしており、音信号の音量レベルのホールド値を実音量レベルとして図示している。ここでは、実音量レベルの振動を省略し、実音量レベルの変動を簡略化して図示している。
図36(a)においては、一対の下側スピーカ101のうち左の下側スピーカ101について、実音量レベルが許容入力レベル(基準レベル)を上回っており、音割れが発生している。これに対して、タイミングT1にて、当該左の下側スピーカ101を音割れ解消対象として増幅率が1段階下げられることで、実音量レベルが1段階下げられている。当該左の下側スピーカ101については、実音量レベルが1段階下げられても音割れが解消されず、さらに増幅率が段階的に下げられ、合計4段階下げられることでようやく実音量レベルが許容入力レベルを下回り、音割れが解消されている。
全てのスピーカ91,101のうち左の下側スピーカ101を除くその他のスピーカ91,101(一対の上側スピーカ91及び右の下側スピーカ101)については、タイミングT1の時点で、実音量レベルが許容入力レベルを下回っており、音割れは発生していない。ここで、音割れしていないその他のスピーカ91,101について、音割れしていた左の下側スピーカ101と同じ段階数だけ増幅率が下げられると、全てのスピーカ91,101からの出力音量が小さくなって、演出音による演出効果が低下するおそれがある。かといって、音割れしていないその他のスピーカ91,101の増幅率を下げないと、左の下側スピーカ101での音割れは解消できても当該左の下側スピーカ101(音割れスピーカ)とその他のスピーカ91,101(非音割れスピーカ)との間で実音量レベルの差が大きくなり過ぎて、下側スピーカ101とその他のスピーカ91,101との出力音量のバランスが崩れてしまう。
これに対して、その他のスピーカ91,101の全てについて、音割れしている左の下側スピーカ101の実音量レベルが2段階下げられたタイミングT2と、4段階下げられたタイミングT3とで、それぞれ1段階ずつ実音量レベルが下げられている。これにより、左の下側スピーカ101とその他のスピーカ91,101との間で実音量レベルの差が大きくなり過ぎることが抑制されている。この場合、一対の下側スピーカ101のうち一方について音割れを解消するために音量が小さくされていても、左右の下側スピーカ101について音量のバランスをとることができ、さらに、上側スピーカ91と下側スピーカ101とについても音量のバランスをとることができる。したがって、全てのスピーカ91,101について、音割れが発生しているスピーカと発生していないスピーカとで音量のバランスをとることができる。
ちなみに、左の下側スピーカ101の実音量レベルとその他のスピーカ91,101の実音量レベルとは、2:1の比率で下げられている。
図36(b)においては、一対の上側スピーカ91のうち右の上側スピーカ91について、実音量レベルが許容入力レベルを上回っており、音割れが発生している。これに対して、タイミングT4にて、当該右の上側スピーカ91を音割れ解消対象として実増幅率が1段階下げられることで、実音量レベルが1段階下げられている。当該右の上側スピーカ91については、実音量レベルが1段階下げられても音割れが解消されず、さらに実音量レベルが段階的に下げられ、合計5段階下げられることでようやく実音量レベルが許容入力レベルを下回り、音割れ解消されている。
全てのスピーカ91,101のうち右の上側スピーカ91を除くその他のスピーカ91,101については、タイミングT4の時点で、実音量レベルが許容入力レベルを下回っており、音割れは発生していない。
これに対して、一対の上側スピーカ91のうち音割れしていない左の上側スピーカ91については、音割れしている右の上側スピーカ91の実音量レベルが2段階下げられたタイミングT5と、4段階下げられたタイミングT6とで、それぞれ1段階ずつ実音量レベルが下げられている。これにより、一対の上側スピーカ91について、右の上側スピーカ91(音割れスピーカ)と左の上側スピーカ91(非音割れスピーカ)との間で実音量レベルの差が大きくなり過ぎることが抑制されている。この場合、一対の上側のスピーカ91のうち一方について音割れを解消するために音量が小さくされていても、左右の上側スピーカ91について音量のバランスをとることができる。
また、音割れしていない一対の下側スピーカ101については、音割れしている右の上側スピーカ91の実音量レベルが4段階下げられたタイミングT5で、実音量レベルが1段階下げられているが、右の上側スピーカ91の実音量レベルが4段階下げられたタイミングT4では、実音量レベルは下げられていない。この場合、一対の上側スピーカ91について、右の上側スピーカ91の実音量レベルと左の上側スピーカ91の実音量レベルとが2:1の比率で下げられている一方で、右の上側スピーカ91の実音量レベルと各下側スピーカ101の実音量レベルとは4:1の比率で下げられている。つまり、音割れしている右の上側スピーカ91と左右に並んだ左の上側スピーカ91の実音量レベルに比べて、右の上側スピーカ91と上下に並んだ各下側スピーカ101の実音量レベルの下げ幅が小さくされている。これにより、一対の下側スピーカ101の出力音を極力大きい音量で保つことができる。
ここで、上側スピーカ91から中高音が出力され、下側スピーカ101から低音が出力される構成では、上側スピーカ91及び下側スピーカ101についての実音量レベルが同じであっても、下側スピーカ101から出力される低音の方が、上側スピーカ91から出力される中高音に比べて目立ちにくいと考えられる。そこで、一対の下側スピーカ101が両方とも音割れしていない場合であれば、上側スピーカ91の実音量レベルの下げ幅に対して、各下側スピーカ101の実音量レベルの下げ幅が小さくされていても、下側スピーカ101から出力される低音が、上側スピーカ91から出力される中高音よりも過剰に目立つという状態は生じにくい。したがって、一対の下側スピーカ101からの出力音を極力大きい音量で保つことで、全てのスピーカ91,101の出力音量が小さくなって演出効果が低下するということを抑制できる。
<案内音の音量制限解除処理>
次に、演出音の音量設定処理(図34)のステップS1715にて実行される演出音の音量制限解除処理について、図37を参照しつつ説明する。
演出音の音量制限解除処理では、ステップS1901にて、音割れ解消対象のスピーカがあるか否かを判定する。ここでは、各スピーカ91,101のそれぞれについて、演出音制限カウンタSがセットされているか否かを判定し、演出音制限カウンタSがセットされている場合に、音割れ解消対象のスピーカがあるとする。
音割れ解消対象のスピーカがある場合、ステップS1902に進み、音割れ演出を行うか否かを判定する。ここでは、音割れ演出フラグがセットされているか否かを判定し、音割れ演出フラグがセットされている場合に、音割れ演出を行うとする。なお、音割れ演出フラグは、既に述べたように、保留コマンド対応処理(図29)のステップS1207,S1214にてセットされ、セットされていることで音割れ演出への当選を示すフラグである。
音割れ演出を行う場合、ステップS1903に進み、音割れ演出を終了するタイミングであるか否かを判定する。ここでは、図柄表示装置41における図柄の変動表示を開始させてからの経過期間を計測するとともに、その経過期間が、スーパーリーチA〜Cのそれぞれに対応した図柄の変動表示時間を超えたか否かを判定し、経過期間が図柄の変動表示時間を超えた場合に音割れ演出の終了タイミングであるとする。つまり、都度の遊技回が終了されるタイミングを音割れ演出を終了させるタイミングとする。
音割れ演出の終了タイミングでない場合、ステップS1904に進み、音量制限を解除するタイミングであるか否かを判定する。ここでは、音割れ解消対象のスピーカについて音量制限を開始してからの経過期間を計測するとともに、その経過期間が演出用制限期間を超えたか否かを判定し、経過期間が演出用制限期間を超えた場合に音量制限解除の実行タイミングであるとする。この場合、演出用制限期間は、主制御装置71から受信した保留コマンドがスーパーリーチA〜Cのいずれに対応しているかに関係なく、演出用音割れ期間と同じ期間(例えば2秒)に設定されている。また、演出用制限期間と演出用音割れ期間との合計は、図柄の変動表示期間の1/2よりも小さくされており、それによって、変動表示期間において音割れの発生と解消との繰り返しが複数回行われることになる。
なお、演出用制限期間は、演出用音割れ期間と異なる期間に設定されていてもよい。また、演出用制限期間は、保留コマンドが対応するリーチ態様に合わせて設定されていてもよい。例えば、保留コマンドに対応するリーチ態様の当選期待度が高いほど演出音割れ期間が短くなるように設定されていてもよい。具体的には、演出用制限期間は、保留コマンドが最も当選期待度が高いスーパーリーチCに対応する場合に最も短い期間(例えば1秒)に設定され、最も当選期待度が低いスーパーリーチAに対応する場合に最も長い期間(例えば3秒)に設定されていてもよい。この場合、スーパーリーチBに対応する場合には、スーパーリーチA及びスーパーリーチCに対応する各期間の間の長さ(例えば2秒)に設定されていることが好ましい。
音量制限解除の実行タイミングである場合、ステップS1905に進み、音量制限されているスピーカについて音量制限を解除する。ここでは、音量スイッチ111のポジションが目盛りFにあることに合わせて、各スピーカ91,101のそれぞれについて、アンプ171の増幅率を最大値に戻す。なお、本処理で音量制限を解除するスピーカには、音割れ解消対象であるスピーカはもちろんのこと、音割れ解消対象でないスピーカ(音量調和処理にて音量制限されているスピーカ)も含まれる。ここで、音割れ解消対象でないスピーカについて音量制限を解除した場合には、そのスピーカについてセットされている音量調和フラグ(音量調和処理のステップS1808でセットしたフラグ)をクリアする。
ステップS1904にて否定判定をした場合、又はステップS1905の処理を実行した後は、音量制限を解除せずに、そのまま本演出音の音量制限解除処理を終了する。
音割れ演出の終了タイミングである場合(ステップS1903がYES判定の場合)は、ステップS1904に進み、音割れ演出フラグをクリアする。この処理を行うことで、音割れ演出を行っていたというデータをリセットすることになる。
ステップS1907では、ステップS1905と同様に、音量制限されているスピーカについて演出音の音量制限を解除する。ここでは、音量スイッチ111のポジションが目盛りFにあることに合わせて、各スピーカ91,101のそれぞれについて、アンプ171の増幅率を最大値に設定する。また、音割れ解消対象のスピーカ及び音割れ解消対象でないスピーカの両方について音量制限を解除し、音割れ解消でないスピーカについては音量調和フラグのクリアも行う。
ステップS1908では、演出音制限カウンタSをクリアする。この処理を行うことで、演出音の音量制限を行っていたというデータをリセットすることになる。
音割れ演出を行わない場合(ステップS1902がNO判定の場合)は、ステップS1909に進み、通常遊技状態において変動表示(遊技回)の最中であるか否かを判定する。つまり、図柄表示装置41において図柄の変動表示が開始されてから変動表示時間が経過したか否かを判定し、経過していない場合に変動表示中であるとする。変動表示中の場合、ステップS1910に進み、現在の変動表示が終了するか否かを判定する。ここでは、図柄の変動表示が開始されてから変動表示時間が経過したか否かを判定し、経過した場合に変動表示が終了されるとする。
現在の変動表示が終了される場合は、ステップS1906の処理を実行した後と同様に、ステップS1907,S1908の処理を実行する。これにより、音割れ演出が行われない場合でも、変動表示の終了を区切りとして音量制限が解除されることになる。
変動表示中でない場合は、ステップS1911に進み、演出音の音量制限を解除するタイミングであるか否かを判定する。ここでは、通常遊技状態であるか否かを判定し、通常遊技状態である場合には、演出音の音量制限を開始してからの経過期間が、演出用制限期間よりも長い通常制限期間(例えば10秒)を経過したか否かを判定し、経過期間が通常制限期間を経過したタイミングを音量制限の解除タイミングとする。また、通常遊技状態でない場合、つまり、開閉実行モード(特別遊技状態)である場合には、開閉実行モードが終了されるか否かを判定し、開閉実行モードが終了されるタイミングを音量制限の解除タイミングとする。
演出音の音量制限を解除するタイミングである場合、ステップS1912に進み、ステップS1905,S1907と同様に、音量制限されているスピーカについて音量制限を解除する。ここでは、音量スイッチ111のポジションが目盛りFにあることに合わせて、各スピーカ91,101のそれぞれについて、アンプ171の増幅率を最大値に戻す。また、音割れ解消対象のスピーカ及び音割れ解消対象でないスピーカの両方について音量制限を解除し、音割れ解消でないスピーカについては音量調和フラグのクリアも行う。
ここで、スピーカ91,101から出力されている不正発生音、案内音、演出音の各音信号について、音量制限の実行及び解除がされた場合の実音量レベルの変化態様を、図38を参照しつつ説明する。図38は、スピーカ91,101についての実音量レベルの変化態様を例示するタイムチャートであり、(a)に不正発生音のタイムチャートを示し、(b)に案内音のタイムチャートを示し、(c)に音割れ演出が行われていない場合の演出音のタイムチャートを示し、(d)に音割れ演出が行われている場合の演出音のタイムチャートを示す。
なお、図38においては、図36と同様に、縦軸を実音量レベルとしており、音信号の音量レベルのホールド値を実音量レベルとして図示している。また、(a)〜(d)においては、各スピーカ91,101のうち音割れが発生しているスピーカについての実音量レベルの変化態様を図示している。
図38(a)においては、タイミングT7にて、スピーカから不正発生音の出力が開始され、その開始と同時に実音量レベルが許容入力レベル(基準レベル)を上回っており、音割れが発生している。これに対して、音割れが発生しているスピーカについて音量制限は行われず、タイミングT8にて不正発生音の出力が終了されるまで、音割れ発生が継続している。この場合、不正発生音での音割れ発生を抑制することよりも、不正発生音を大音量でホール管理者等に聞こえるように出力することが優先されるため、音割れが発生していても不正発生音の出力が終了するまで音量が小さくされることはない。これにより、不正が発生していることを大音量の不正発生音によってホール管理者等に確実に知らせることができる。
図38(b)においては、タイミングT9にて、スピーカから案内音の出力が開始され、その開始と同時に実音量レベルが許容入力レベルを上回っており、音割れが発生している。これに対して、音割れしているスピーカについて音量制限が行われる。具体的には、音割れしているスピーカについて増幅率が段階的に下げられ、増幅率が2段階下げられたタイミングT10の時点で、実音量レベルが許容入力レベルを下回り、音割れが解消される。音量制限は、タイミングT11にて案内音の出力が終了されるまで継続されている。
この場合、案内音の音量が段階的に小さくされるため、案内音の音量が初めから音割れしない程度の大きさ(例えば音量スイッチ111のポジションが目盛り5に相当する大きさ)に設定されている場合や、音割れ発生後に案内音の音量が音割れしない程度の大きさまで一気に小さくされた場合などとは異なり、案内音に音割れが生じない範囲で極力大きい音量を確保できる。これにより、スピーカ91,101から出力された案内音が音声によるメッセージであっても、聞き取るには十分な音量を確保でき、しかも、音割れによってメッセージが聞き取りにくい音質になってしまうということを抑制できる。
なお、出力音が案内音である場合、各スピーカ91,101のうち1つでも音割れが発生すれば、全てのスピーカについて音量制限が行われる。
図38(c),(d)においては、スーパーリーチA〜Cのいずれかに対応する変動表示が開始された場合に、その開始と同時に演出音の実音量レベルが許容入力レベルを上回っており、音割れが発生している。
これに対して、図38(c)に示すように、音割れ演出の抽選に当選しておらず、音割れ演出が行われない場合、タイミングT12にて音割れ発生が開始された後、音割れしているスピーカについて音量制限が行われる。具体的には、音割れしているスピーカが音割れ継続状態にある場合に、そのスピーカについて増幅率が段階的に下げられ、増幅率が3段階下げられたタイミングT13の時点で、実音量レベルが許容入力レベルを下回り、音割れが解消される。ここでは、音割れ演出が行われないため、音量制限は、タイミングT14にて今回の変動表示が終了されるまで継続されている。これにより、変動表示中に音割れにより遊技者に対して不快感を与えるということを抑制できる。
一方、図38(d)に示すように、音割れ演出の抽選に当選しており、音割れ演出が行われる場合、タイミングT15にて音割れ発生が開始された後、音割れしているスピーカについて一時的に音量制限が行われる。具体的には、音割れしているスピーカが音割れ継続状態にある場合に、音割れ発生後の経過期間が演出用音割れ期間Laを超えたタイミングT16の時点で、音割れスピーカについて増幅率が段階的に下げる処理が開始され、増幅率が3段階下げられたタイミングT17の時点で、実音量レベルが許容入力レベルを下回り、音割れが解消される。そして、タイミングT17から音量制限を行っている継続期間が演出用制限期間Lbを超えたタイミングT18にて、音量制限を解除する。なお、演出用音割れ期間Laと演出用制限期間Lbとは、同じ大きさ(例えば2秒)に設定されている。
タイミングT18にて、音量制限の解除に伴って再び音割れが発生した場合、タイミングT15〜T18の期間と同様に、演出用音割れ期間Laが経過するのを待って再び音量制限を行い、演出用制限期間Lbが経過するのを待って再び音量制限を解除する。この場合、今回の変動表示が終了されるタイミングT19まで、音量が制限せずに音割れを発生させた状態と、音量を制限して音割れを発生させない状態とが繰り返される。このようにして、音割れを所定周期で繰り返し発生させることにより、音割れ演出に当選していない場合に比べて、リーチ演出が行われている最中の当選期待度を高めることができる。
音割れ演出が行われているか否かに関係なく、演出音の音割れを解消する場合には、案内音の音割れを解消する場合と同様に、演出音の音量が段階的に小さくされるため、演出音に音割れが生じない範囲で極力大きい音量を確保できる。これにより、スピーカ91,101から出力された演出音について、演出効果を高めるには十分な音量を確保でき、しかも、音割れにより遊技者にとって不快な音質になってしまうということを抑制できる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
<分岐経路176がスピーカ経路135から分岐している構成について>
スピーカ91,101に対して音割れ検出回路175が設けられているため、スピーカ91,101からの出力音に音割れが発生していることを検出することができる。これにより、スピーカ91,101にて音割れが生じたタイミングに合わせて、アンプ171での増幅率を小さくして音割れを解消することが可能となる。
しかも、音割れ検出回路175は、各スピーカ91,101が接続されたスピーカ経路135からの分岐経路176に接続されているため、各音割れ検出回路175は、実際にスピーカ91,101に入力される音信号を対象として音割れ検出を行うことができる。この場合、各スピーカ91,101と各音割れ検出回路175とがアンプ171に対して個別に接続されている構成に比べて、音割れ検出回路175によるスピーカ91,101での音割れ発生の検出精度を高めることができる。これにより、スピーカ91,101にて音割れが生じていないにもかかわらず音割れ検出回路175により音割れが誤検出されるということや、音割れが生じているにもかかわらず音割れ検出回路175により音割れが検出されないということを抑制できる。
音割れ検出回路175によりスピーカ91,101での音割れ発生が検出された場合、スピーカ91,101について音量制限が行われるため、音割れを速やかに解消することができる。しかも、その音量制限は、音光制御装置72のサブMPU142によりアンプ171での音信号の増幅率が小さくされることで実現されるため、例えば音割れ発生を報知する構成とは異なり、ホール管理者等が音量スイッチ111を操作して音量を小さくするなどの手間がかからず、音割れが発生したタイミングに対してスピーカ91,101からの出力音量を小さくするタイミングが遅れることを抑制できる。つまり、スピーカ91,101での音割れを速やかに解消することができる。
スピーカ91,101にて音割れが発生している場合に、音量制限が複数段階で行われることにより、スピーカ91,101からの出力音量が過剰に小さくされるということを抑制できる。これにより、案内音や演出音が聞こえにくくなったり遊技性が低下したりする、といった違和感を遊技者に与えないようにすることができる。
音割れ発生に伴う音量制限が複数段階で行われる場合に、音量制限が1段階行われるたびに、音割れが発生しているか否かの音割れ判定が行われるため、音信号の音量レベルが基準レベルを超えていないにもかかわらず音量制限がさらに行われるということを抑制できる。したがって、スピーカ91,101からの出力音量が過剰に小さくなることを抑制できる。
音割れ発生に伴って音量制限を1段階行ってから次に音量制限を行うまでの間に音割れ継続判定期間が待機期間として確保されるため、音量制限が一気に複数段階小さくされるのではなく、音量制限を行う回数に音割れ継続判定期間を乗算した期間をかけて、出力音量を徐々に小さくすることができる。したがって、出力音量が一気に小さくされることで遊技者に与えてしまう違和感を和らげることができる。
音割れ検出回路175により音割れが検出された場合、音割れの継続期間が音割れ継続判定期間に達したことを条件として音量制限が行われるため、音信号にノイズが一瞬だけ発生しても音量制限は行われない。これにより、音信号のノイズに過剰に反応してスピーカ91,101からの出力音量が小さくされるということを回避できる。しかも、音量制限を1段階行ってから次に音量制限を1段階行うまでの間に確保した待機期間を利用して、音割れの継続期間を計測することができる。この場合、音割れの継続期間を計測するタイミングと待機期間とが時系列で順番に並べられた構成とは異なり、音割れの計測タイミングと待機期間とが時系列で同時に確保されるため、待機期間や音量制限を余分に確保することが必要なくなる。
音割れ検出回路175においては、音信号の音量レベルと基準レベルとがコンパレータ202により比較されるため、例えばオペアンプにより比較される構成に比べて、音割れ検出の応答性を高めることができる。したがって、音割れ検出回路175とスピーカ91,101とがアンプ171に対して並列に接続されている構成では、スピーカ91,101にて音割れが生じたタイミングに対して、音割れ検出回路175による音割れ検出のタイミングが遅れることを抑制できる。
基準レベルとしての基準電圧Vaが電圧生成部201により定電圧とされているため、基準レベルが電源電圧変動により増減することを抑制できる。これにより、基準レベルをスピーカ91,101の許容入力レベルに合わせて一定に保つことができる。したがって、音割れ検出回路175の検出精度が電源電圧の変動により低下するということを抑制できる。しかも、定電圧としての基準電圧Vaは、+V端子208に印加されている端子電圧Vccよりも小さい電圧値とされているため、端子電圧Vccを昇圧して基準電圧Vaを生成する場合に比べて、基準電圧Vaを生成するための回路構成を簡易化することができる。
ピークホールド部182により音信号のピーク値がホールド値として保持されるため、コンパレータ202においては音信号のピーク値と基準レベルとを比較することができる。したがって、音信号のピーク値が基準レベルより大きいにもかかわらず音割れ検出回路175により音割れ発生を検出することができないということを回避できる。
ピークホールド部182においては、ホールドコンデンサ191の充電電圧が自然放電によって低下するということをダイオード192により規制できる。これにより、ピークホールド部182のホールド値と、実際の音信号のピーク値との間に誤差が生じることを抑制できる。
ピークホールド部182においては、オペアンプ194の帰還回路を有するバッファ部193にダイオード192が組み込まれているため、音信号の音量レベルがダイオード192の順方向電圧より小さくても、音信号によりホールドコンデンサ191を充電することができる。つまり、音信号のピーク値をホールド値として保持することができる。
リセット部183は、ピークホールド部182により保持されたホールド値を消去してゼロにすることにより、音信号の都度のピーク値をホールド値として繰り返し保持することができる。そして、都度のホールド値がコンパレータ202に繰り返し入力されるため、コンパレータ202は、音信号の都度のピーク値について基準レベルとの比較を行うことができる。
ホールドコンデンサ191は、切替スイッチ214により放電部211及びコンパレータ202のうち一方と導通されている場合に他方とは遮断されているため、ホールドコンデンサ191の放電が行われている最中には、ホールドコンデンサ191の充電電圧がコンパレータ202に入力されないようになっている。これにより、ピークホールド部182のリセット中にホールドコンデンサ191の充電電圧と基準レベルとが比較されてコンパレータ202による比較精度が低下するということを回避できる。
しかも、切替スイッチ214は発振回路217により所定周期で切り替えられるため、ホールドコンデンサ191の放電と、ホールドコンデンサ191からコンパレータ202へのホールド値の入力とを繰り返し行わせることができる。また、放電部211は、放電抵抗213を介してホールドコンデンサ191を接地させるため、ホールドコンデンサ191の放電に伴って放電部211に大電流が流れることを抑制できる。したがって、リセット部183によりホールドコンデンサ191の放電を好適に行うことができる。
リセット部183によるホールド値のリセット動作は、音光制御装置72のサブMPU142により報知及び演出制御処理(ステップS1503,S1703の音割れ判定)が実行された直後に行われるため、ホールド値がリセットされる1周期(発振回路217の1周期)において音信号の最大値がホールド値として保持されているタイミングで、ホールド値と基準レベルとの比較結果を音割れ検出回路175の検出結果としてサブMPU142が取得することになる。このため、音割れ検出回路175により音割れ発生が検出された場合、音割れ検出回路175から出力されている音割れ信号をサブMPU142が確実に受信することが可能となる。これにより、報知及び演出制御処理において実行される音割れ判定(ステップS1503,S1703の処理)の判定精度を高めることができる。
これに対して、例えば、ホールド値のリセット動作が報知及び演出制御処理の実行直前に行われる場合は、発振回路217の1周期での音信号のピーク値がピークホールド部182により保持されても、そのピーク値をクリアした後のホールド値と基準レベルとの比較結果をサブMPU142が取得することになる。このため、音割れ検出回路175により音割れ発生が検出されていても、サブMPU142は音割れ検出回路175から出力されている音割れ信号を受信することができない可能性が高くなってしまう。これにより、音割れ判定の判定精度が低くなってしまう。
<スピーカ91,101と共通用ROM147との取付対象が異なることについて>
スピーカ91,101での音割れ発生が音割れ検出回路175により検出されるため、音割れが発生したタイミングに合わせて音割れ発生を解消することが可能となる。この場合、出力音が大音量部分と非大音量部分とを有するような抑揚の大きい音であっても、大音量部分については音量を小さくして音割れを解消することができ、非大音量部分については音量が過剰に小さくなることを回避できる。したがって、設計者等が作成した音データについて、上側スピーカ91及び下側スピーカ101が前扉枠14及び外枠11に設けられ、且つ音データを記憶する共通用ROM147が内枠13に設けられていることに起因して、大音量部分と非大音量部分とで音量レベルのバランスがスピーカ91,101の性能(許容入力レベル)に適合していなくても、スピーカ91,101から演出音等を好適に出力させることができる。これにより、設計者等が音データを作成する際に、その作成自由度が低下することを抑制できる。
音割れ検出回路175が内枠13に設けられているため、パチンコ機10の機種変更に伴って新規の内枠13が設置される場合に前扉枠14などと共にスピーカ91,101が既設のパチンコ機10から流用されていたとしても、音割れ検出回路175をパチンコ機10に対して新規に設置することができる。しかも、音割れ検出回路175が共通用ROM147と共に音光制御装置72に設けられる構成では、音割れ検出回路175がパチンコ機10に搭載されることを設計者等が音データを作成するよりも前に知ることが可能となる。これにより、設計者等は、演出音等を出力するための音データを作成する際の自由度が高いことを認識した上で、音データを作成することができる。
さらに、音割れ検出回路175が内枠13に設けられている構成では、音割れ検出回路175と音光制御装置72とを接続する配線(スピーカ経路135や分岐経路176を形成する配線)が内枠13と前扉枠14とを跨いだ状態にならないため、その配線が不正に切断されてしまうということや、音割れ検出回路175に代えて不正基板が音光制御装置72に接続されてその不正基板により音光制御装置72が不正に制御されてしまうということに対して抑止力を発揮できる。
スピーカ91,101が前扉枠14に設けられているパチンコ機10において、アンプ171が内枠13に設けられているため、アンプ171の定格出力とスピーカ91、101の許容入力レベルとが適合していないことに起因してスピーカ91,101にて音割れの発生が懸念されるが、音割れ検出回路175により音割れ発生が検出されるため、好適に音割れ発生を解消することができる。
スピーカ91,101での音割れを解消するためにスピーカ91,101からの出力音量が制限されている場合に、その音量制限が、変動表示が終了するタイミングや音量制限の継続期間が通常制限期間に達したタイミングなどで解除されるため、出力音の大音量部分については音割れを解消でき、非大音量部分については音量が過剰に小さくなるということを回避できる。この場合、非大音量部分が聞こえにくくなるということを抑え、演出音等の抑揚により発揮される演出効果が低下するということを抑制できる。
案内音の音割れ解消を目的としてスピーカ91,101からの出力音量が制限されている場合、案内音の出力を終了させるタイミングに合わせて出力音量の制限が解除されるため、音割れの原因となっていた案内音の出力が終了したにもかかわらず音量制限が継続されるということを回避できる。これにより、案内音の出力終了後に出力された演出音等の他の種類の音について、音割れが発生していないにもかかわらず音量が過剰に小さくされるということを回避できる。つまり、案内音の音割れ解消を実行した後に、案内音とは異なる他の音が有する効果が低下するということを抑制できる。
演出音の音割れ解消を目的としてスピーカ91,101からの出力音量が制限されている場合、都度の変動表示が終了するタイミングに合わせて出力音量の制限が解除されるため、音割れの原因となっていた変動表示が終了したにもかかわらず音量制限が継続されるということを回避できる。これにより、音割れが発生していた変動表示が終了した後に出力された他の演出音や報知音などについて、音割れが発生していないにもかかわらず音量が過剰に小さくされるということを回避できる。つまり、現在の変動表示について演出音の音割れ解消を実行した後に、次の変動表示に応じた演出音による演出効果が低下するということを抑制できる。
音割れ検出回路175においては、音割れが発生しているか否かの基準となる基準レベルをスピーカ91,101の許容入力レベルに合わせて変更することが可能であるため、スピーカ91,101の製造メーカや種類に関係なく、スピーカ91,101の許容入力レベルと基準レベルとが適合していないということを回避できる。したがって、音データにより生成される音信号の音量レベルがスピーカ91,101の許容入力レベルに適合していない場合や、スピーカ91,101の許容入力レベルに公差が含まれている場合などにおいて、スピーカ91,101の実際の許容入力レベルに合わせて基準レベルを設定することにより、音割れ検出回路175による音割れ発生の検出精度を高めることができる。
音割れ検出回路175においては、電圧生成部201にて生成される基準電圧Vaの電圧値が基準レベルとされているため、基準電圧Vaの電圧値を変更することで基準レベルを容易に変更することができる。基準電圧Vaは、電圧生成部201において可変抵抗とされている第2抵抗R2の抵抗値を変更するという容易な作業により変更することができる。
電圧生成部201はシャントレギュレータ203を含んで構成されているため、基準電圧Vaの電圧値(基準レベル)を所定値に保持する保持精度を高めることができる。したがって、基準レベルが変動して音割れ検出回路175の検出精度が低下するということを抑制できる。電圧生成部201において、直列接続された第1抵抗R1と第2抵抗R2のうち第1抵抗R1が固定抵抗とされているため、第1抵抗R1が可変抵抗とされている構成とは異なり、第1抵抗R1の抵抗値が大きくされてシャントレギュレータ203のリファレンスを流れるリファレンス電流により第1抵抗R1での電力損失が大きくなるということを回避できる。
音割れ検出回路175の基準レベルを調整するための操作つまみ112が音光制御装置72の外周面に設けられているため、例えば基準レベルの初期値(パチンコ機10が遊技ホールに納入された時の基準レベルの値)がスピーカ91,101の許容入力レベルに適合した値になっていなくても、基準レベルをスピーカ91,101の許容入力レベルに適合した値に容易に変更することができる。しかも、操作つまみ112は、裏パック73に形成されたスイッチ用開口部113とは重ならない位置に配置されているため、基準レベルを一旦設定した後には、操作つまみ112が遊技者等により誤操作されて基準レベルが意図せずに変更されるということを抑制できる。その一方で、基準レベルを変更する際には、内枠13に対して裏パックユニット15を開放させるという容易な作業で操作つまみ112がパチンコ機背面側に露出するため、操作つまみ112を操作することが過剰に困難になることを抑制できる。したがって、ホール管理者が基準レベルを好適に管理することができる。
<スピーカ91,101が複数設けられていることについて>
各スピーカ91,101のそれぞれに対して音割れ検出回路175が個別に設けられているため、音割れが発生しているスピーカについては音量制限を行い、音割れが発生していないスピーカについては音量制限を行わないということが可能となる。したがって、各スピーカ91,101のうち一部のスピーカにて音割れが生じている場合に、音割れを解消することができ、しかも、全てのスピーカの出力音が小さくされてそれら出力音が有する効果が低下するということを回避できる。
各音割れ検出回路175には操作つまみ112が個別に設けられているため、各操作つまみ112をそれぞれ操作することにより、各音割れ検出回路175のそれぞれについて基準レベルを個別に設定することができる。したがって、各音割れ検出回路175のそれぞれについて音割れ発生の検出精度を高めることができる。
各音割れ検出回路175により音割れ発生が検出されたスピーカ91,101を対象として、音量制限を行うことで音割れを速やかに解消することができる。しかも、音量制限は音光制御装置72のサブMPU142によりアンプ171での増幅率が小さくされることで実現されるため、ホール管理者や遊技者等が、音割れを解消するために音量スイッチ111を操作するなどの作業を行う必要がない。
各スピーカ91,101のうち一部のスピーカにて音割れが生じている場合に、その音割れが発生しているスピーカに加えて、音割れが発生していないスピーカについても音量制限が行われるため、音割れが発生しているスピーカと音割れが発生していないスピーカとで音量の差が過剰に大きくならない。これにより、上側スピーカ91から出力される中高音に音割れが発生している場合に、中高音だけ音量が小さくされて下側スピーカ101から出力される低音だけが目立つということや、下側スピーカ101から出力される低音に音割れが発生している場合に、低音だけ音量が小さくされて上側スピーカ91から出力される中高音だけが目立つということを抑制できる。したがって、音割れが発生しているスピーカと音割れが発生していないスピーカとで、音量のバランスを好適に保つことができる。
音割れが発生していないスピーカについての出力音量の下げ幅が、音割れが発生しているスピーカについての出力音量の下げ幅に比べて小さくされているため、全てのスピーカ91,101についての出力音量の下げ幅が均一にされる場合とは異なり、出力音による演出効果等が低下することを抑制しつつ、音割れを解消することができる。
音割れが発生しているスピーカに加えて、音割れが発生していないスピーカについても音量制限が複数段階で行われるため、音割れが発生していないスピーカの出力音量が過剰に小さくなるということを抑制できる。しかも、音割れが発生していないスピーカについての音量が小さくされる段階数が、音割れが発生しているスピーカについての音量が小さくされる段階数よりも少なくされているため、全てのスピーカ91,101の出力音量が単に小さくされて演出効果等が低下するということを抑制できる。
各スピーカ91,101にて音割れが発生しており、音割れが発生していないスピーカが複数ある場合、それらスピーカについて音量制限が個別に行われるため、音割れが発生していない全てのスピーカの出力音量が単に小さくされて演出効果等が低下するということを抑制しつつ、それらスピーカからの出力音量のバランスを好適にとることが可能となる。
しかも、音割れが発生していないスピーカに上側スピーカ91と下側スピーカ101とがそれぞれ含まれている場合、上側スピーカ91と下側スピーカ101とで出力音量の下げ幅に差異を生じさせることで、遊技者にとって上側スピーカ91及び下側スピーカ101からの各出力音の聞こえ方に違和感が生じることを抑制できる。これは、上側スピーカ91と下側スピーカ101とでは遊技者の頭部に対する距離が異なり、それらスピーカ91,101からの出力音の聞こえ方も異なると考えられるためである。
また、中高音を出力する上側スピーカ91と低音を出力する下側スピーカ101とでは、出力音の高さ(周波数帯)が異なるため、上側スピーカ91と下側スピーカ101とで出力音量の下げ幅に差異を生じさせることで、遊技者にとって中高音と低音との聞こえ方に違和感が生じることを抑制できる。これは、中高音と低音とではスピーカ91,101からの出力音の聞こえ方も異なると考えられるためである。
各上側スピーカ91の少なくとも一方にて音割れが発生しており、各下側スピーカ101にて音割れが発生していない場合に、それら下側スピーカ101を一組として出力音量の下げ幅が同一にされているため、低音を出力する下側スピーカ101同士の出力音量の下げ幅を相違させることで却って遊技者にとっての低音の聞こえ方に違和感を生じさせるということを抑制できる。また、各下側スピーカ101が前扉枠14の下部に配置されたという共通点からも、それら下側スピーカ101からの出力音量の下げ幅を相違させないことで、各下側スピーカ101からの出力音の聞こえ方に違和感が生じにくくなる。
<音割れが発生した場合に音量制限処理が行われる構成について>
音割れ検出回路175により音割れ発生が検出された場合、音割れが発生しているスピーカ91,101について、サブMPU142による音量制限処理(ステップS1508,S1710の処理)が行われることで、音割れを速やかに解消することができる。具体的には、音量スイッチ111のポジションが目盛りFにある場合、音割れ発生に伴って出力音量が小さくされるため、音割れを速やかに解消することができる。その一方で、音量スイッチ111のポジションが目盛りFにない場合は、音割れが発生していても音量制限処理が行われないため、音割れを解消することよりも音量を維持することを優先させることができる。これは、音量スイッチ111を操作することが、スピーカ91,101からの出力音について、音割れの解消と出力音量の維持とのいずれを優先させるのかを選択することになる。しかも、その選択を音量スイッチ111を操作するという容易な作業により行うことができる。
スピーカ91,101からの出力音が演出音である場合、音量スイッチ111のポジションが目盛りFにあることを条件として、音割れ解消を目的とした音量制限が行われるため、パチンコ機10において遊技性を高めることに対する演出音の貢献度などに応じて、ホール管理者等は、音割れの解消と音量の維持とのいずれを優先させるのかを音量スイッチ111を操作することで適宜選択することができる。
しかも、出力音が演出音である場合、音量スイッチ111のポジションが目盛りFに設定されていなければ、音割れ発生が音割れ検出回路175により検出されたか否かの音割れ判定(ステップS1503,S1703の処理)が行われないため、音量スイッチ111のポジションが目盛りFにある場合でも音割れ判定が行われる構成に比べて、サブMPU142での処理負担を軽減させることができる。
出力音が不正発生音である場合、その不正発生音に音割れが生じており且つ音量スイッチ111のポジションが目盛りFに設定されていても、音割れ解消を目的とした音量制限が行われないため、不正発生音の音量が小さくされてその不正発生音が他のパチンコ機10の演出音等に比べて目立たなくなるという不都合を抑制できる。つまり、不正発生音特有の不正報知効果が低下するということを抑制できる。しかも、出力音が不正発生音である場合には、音量スイッチ111のポジションに関係なく音割れ判定が行われないため、出力音が不正発生音である場合でも音割れ判定が行われる構成に比べて、サブMPU142での処理負担を軽減させることができる。
出力音が案内音である場合、その案内音に音割れが生じていれば、音量スイッチ111のポジションが目盛りFに設定されていなくても、音割れ解消を目的とした音量制限が強制的に行われるため、案内音が音声メッセージであってもその音声メッセージが音割れによって聞き取りにくくなるということを抑制できる。したがって、音声メッセージによる案内音特有の案内効果が低下するということを抑制できる。
音量スイッチ111のポジションが目盛りFにある場合、アンプ171での音信号の増幅率は、音量スイッチ111のポジションが目盛り5にある場合よりも大きい値に設定されることで出力音に音割れが生じやすくなってはいるが、ホール管理者等にとっては、音量スイッチ111のポジションを目盛りFに設定することが、演出音について音割れ解消を優先して行うことと、出力音量を設定することの両方の作業を行うことになる。したがって、出力音量の設定及び音割れ解消の設定を行う作業を音量スイッチ111により容易化することができる。
ここで、音量スイッチ111は、遊技者による操作が困難になるように内枠13の背面側に設けられているため、ホール管理者が音量スイッチ111の状態を好適に管理することができる。その一方で、ホール管理者は音量スイッチ111を操作するために前扉枠14及び内枠13を開放させる必要があるため、音量スイッチ111に関する作業が容易化されることはホール管理者にとって好適である。
音量スイッチ111は、音割れ解消を目的とした音量制限を行うか否かの選択を行う機能に加えて、スピーカ91,101からの出力音量をホール管理者等が可変設定するための機能を有しているため、それら機能を有する専用の操作手段が個別に設けられている構成に比べて、両機能をパチンコ機10に付与するための部材数を低減することができる。これにより、パチンコ機10のコスト負担や組立工数を低減することが可能となる。
音量スイッチ111及び音割れ検出回路175が、主制御装置71ではなく音光制御装置72に接続されているため、仮に音量スイッチ111や音割れ検出回路175に代えて不正基板が音光制御装置72に接続されたとしても、その不正基板により主制御装置71が制御されて、大当たり抽選に当選することや特別遊技状態に移行することが不正に行われる、ということを回避できる。これにより、音量スイッチ111や音割れ検出回路175が設けられているパチンコ機10に、特典が不正に付与させることなどに対する対策を好適に付与できる。
<音割れが発生したことを判定する音割れ判定について>
音割れ検出回路175により演出音での音割れ発生が検出された場合、音割れが発生しているか否かの音割れ判定がサブMPU142により行われるため、都度の遊技状況に適したタイミングで音割れを好適に解消することができる。演出音に音割れが発生した場合に、その都度、音割れを解消するタイミングを相違させることにより、音割れを継続させていることにより大当たりへの期待度を高めることができる。つまり、演出音による演出効果を音割れにより高めることが可能となる。
音割れ演出の抽選に当選した場合と当選しない場合とで、演出音について音割れが発生してからその音割れを解消するまでの継続期間が異なるため、音割れにより演出音の差別化を図ることができる。音割れ演出の抽選に当選した場合は、演出用音割れ期間だけ音割れを継続させるため、抽選に当選せずに音割れが速やかに解消される場合と遊技者が対比することで、本来であれば遊技者に不快感を与えるであろう音割れという事象により、演出音による演出効果を高めることができる。
ここで、1つの音データから形成された演出音であっても音割れが発生している場合と発生していない場合とでは、スピーカ91,101から出力された音の波形が異なることになる。つまり、1つの音データを用いて音色の異なる複数種類の演出音を出力していることになる。この場合、音光制御装置72の共通用ROM147に記憶されている音データを増やさなくても、スピーカ91,101から出力される演出音の種類が増えることになるため、共通用ROM147の容量を大きくしなくても演出音の多様化を図ることができ、ひいては、演出音による演出効果を高めることができる。
音割れ解消を目的として演出音の音量制限が行われている状態では、音割れ演出の抽選に当選していない場合、当選している場合に比べて長い通常制限期間だけ音量制限が継続されるため、音量制限が解除されたタイミングでは演出音の大音量部分が終了している可能性が高く、そのタイミングで再び音割れが発生するということを抑制できる。この場合、音量制限を解除したタイミングで再び音量制限を行うという事態が生じにくいため、音量制限の実行と解除とが繰り返されることを抑制できる。したがって、演出音での音割れ発生を好適に抑制できる。
一方、音割れ演出の抽選に当選している場合、当選していない場合に比べて短い演出用制限期間だけしか音量制限が継続されないため、音量制限が解除されたタイミングで演出音の大音量部分が終了していない可能性が高く、そのタイミングで再び音割れが発生しやすい状況になっている。この場合、音量制限を解除したタイミングで再び音量制限を行うことになり、音量制限の実行と解除との繰り返しが生じやすく、その繰り返しが意図的であることを遊技者が察知しやすくなる。つまり、音割れ演出を遊技者に認識させることで遊技性を高めることができる。
上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて音割れ演出の抽選が行われるため、図柄表示装置41での図柄の変動表示が行われている最中に演出音にて音割れが発生していれば、音割れ演出を実行することができる。これにより、変動表示の停止結果に対する期待度を、音割れ演出によりさらに高めることができる。しかも、図柄の変動表示の中でもリーチ演出に合わせて音割れ演出が行われるため、変動表示の停止結果に対する期待度を高める上で好適である。さらに、図柄の変動表示の中でもスーパーリーチA〜Cの演出に合わせて音割れ演出が行われるため、変動表示の停止結果に対する期待度を高める上でより一層好適である。
図柄表示装置41での図柄の変動表示に合わせて音割れ演出が行われる場合に、音割れの発生と解消との継続期間である演出用音割れ期間と演出用制限期間との合計が、図柄の変動表示期間の1/2よりも小さくされているため、音割れ演出において音割れの発生と解消との繰り返しを複数回行わせることができる。これにより、音割れ演出が行われていることを遊技者が認識しやすくなる。
音割れ演出は、図柄の変動表示の終了に合わせて終了されるため、例えば変動表示の実行の有無に関係なく音割れ演出が行われる構成に比べて、変動表示が行われている場合と行われていない場合との演出音を音割れ演出により差別化することができる。このため、音割れ演出により変動表示中の大当たりに対する期待度を好適に高めることができる。
<第2の実施の形態>
本第2の実施の形態では、音割れ検出回路175の構成が上記第1の実施の形態と異なっており、音割れ検出回路175の構成について図39を参照しつつ、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。図39は、第2の実施の形態における音割れ検出回路175の電気的構成を示す回路図である。
図39に示すように、音割れ検出回路175のピークホールド部182には、FET221が整流素子として設けられている。FET221は、接合型の電界効果トランジスタ(JFET)であり、ゲートとソース及びドレインとがダイオード構造とされ、このダイオード構造においては、逆方向に流れる漏れ電流が極めて小さくなっている。FET221は、ソースとドレインとが接続された状態で、ホールドコンデンサ191の上流側において順方向に配置されている。FET221においては、ゲートがオペアンプ194の出力側に接続され、ソース及びドレインがホールドコンデンサ191の入力側に接続されている。
FET221は、上記第1の実施の形態におけるダイオード192と同様に、音信号の負側の電流がホールドコンデンサ191に流れ込むことを規制する一方で、正側の電流がホールドコンデンサ191に流れ込むことを許容している。ここで、FET221は、ダイオード192に比べて、逆方向に流れる漏れ電流が小さくされており、ホールドコンデンサ191の充電電圧によって音信号のピーク値がホールド値として保持されている場合に、ホールドコンデンサ191から電流が逆流しにくくなっている。つまり、ホールドコンデンサ191の充電電圧が低下しにくくなっている。これにより、ピークホールド部182により保持される音信号のホールド値と、音信号の実際のピーク値との間に誤差が生じることを抑制できる。
リセット部183のスイッチ部212は、ホールドコンデンサ191と放電部211とコンパレータ202との接続部分に設けられた切替スイッチ214に代えて、ホールドコンデンサ191と放電部211との接続部分に設けられた切替スイッチ222を有している。切替スイッチ222は、ホールドコンデンサ191と放電部211とを接続する経路を遮断することが可能である一方で、ホールドコンデンサ191とコンパレータ202とを接続する経路を遮断しない。つまり、ホールドコンデンサ191とコンパレータ202とは、切替スイッチ222の状態に関係なく導通状態となっている。
リレーコイル215に電流が流れていないことでスイッチ部212がOFF状態にある場合、ホールドコンデンサ191の充電が行われるとともに、その充電電圧がホールド値としてコンパレータ202に入力される。一方、リレーコイル215に電流が流れていることでスイッチ部212がON状態にある場合、放電部211によりホールドコンデンサ191の放電が行われるとともに、放電の最中であってもホールドコンデンサ191の充電電圧がコンパレータ202に入力される。この場合でも、ホールドコンデンサ191の放電中を除いて、音信号のピーク値をピークホールド部182のホールド値として、コンパレータ202にて基準レベルと比較することができる。
電圧生成部201には、シャントレギュレータ203に代えて、ツェナーダイオード223が設けられている。ツェナーダイオード223は、+V端子208に対して逆方向に配置されており、ツェナーダイオード223のカソードが、直列抵抗R0を介して+V端子208に接続されている。また、直列抵抗R0とツェナーダイオード223との間にコンパレータ202の+入力端子が接続されている。この場合、ツェナーダイオード223の逆方向電圧が基準電圧Vaとされ、それによって、基準電圧Vaが所定の電圧値に保持される。
また、本実施の形態では、電圧生成部201に対して操作つまみ112が設けられておらず、基準電圧Vaを変更するにはツェナーダイオード223を取り替えるなどの作業が必要になってしまう。この場合、基準電圧Vaの電圧値がスピーカ91,101の許容入力レベルに応じた値となるように、ツェナーダイオード223をその逆方向電圧に応じて選定することが好ましい。これにより、基準電圧Vaの電圧値がスピーカ91,101の許容入力レベルよりも大きくなってしまい、音データの音量レベルが基準レベル(基準電圧Va)よりも小さいにもかかわらずスピーカ91,101からの出力音に音割れが生じてしまう、ということを抑制できる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
音割れ検出回路175の電圧生成部201においては、基準電圧Vaがツェナーダイオード223により定電圧とされているため、基準レベルが電源電圧変動により増減することを抑制できる。しかも、基準電圧Vaがツェナーダイオード223の逆方向電圧により規制されているため、例えばシャントレギュレータ203に対して設けられた分圧抵抗により基準電圧Vaが定められる構成に比べて、構成を簡易化することができる。
切替スイッチ214によりホールドコンデンサ191に対して放電部211が遮断される構成において、ホールドコンデンサ191とコンパレータ202とが遮断されないため、ホールドコンデンサ191は、その充電電圧をコンパレータ202に対して常に出力することができる。
ホールドコンデンサ191からの放電を規制するFET221が、ホールドコンデンサ191に対して整流素子として接続されているため、整流素子での漏れ電流の発生を極力小さくすることができる。つまり、ホールドコンデンサ191での自然放電によってホールド値が変化することを抑制できる。
<第3の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、演出音の音量制限解除処理(ステップS1716の処理)において、音量制限を解除する場合に、アンプ171の増幅率を最大値に戻す処理(ステップS1905,S1907,S1912の処理)が瞬時に行われる構成としたが、本第3の実施の形態では、アンプ171の増幅率を最大値に段階的に徐々に近づけていく構成とする。
ここでは、第3の実施の形態について、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。まず、演出音の音量設定処理(図34)のステップS1716にて実行される案内音の音量制限解除処理について、図40のフローチャートを参照しつつ説明する。
演出音の音量設定処理では、先ず、ステップS1913にて、解除フラグがセットされているか否かを判定する。解除フラグは、RWM145の各種フラグ格納エリアにセットされるフラグであり、セットされることで、音量制限の解除を許可することを示すものである。
解除フラグがセットされていない場合、ステップS1901に進み、上記第1の実施の形態にて説明したように、ステップS1901以下の処理を実行する。ただし、第2の実施の形態では、音量制限を解除する処理(ステップS1905,S1907,S1912の処理)に代えて、解除フラグをセットする処理(ステップS1915〜S1917の処理)を実行する。この場合、上記第1の実施の形態において増幅率を瞬時に変更していたタイミングで、増幅率を瞬時には変更せずに、増幅率の変更を許可することを示す解除フラグをセットする。
解除フラグがセットされている場合、ステップS1914に進み、アンプ171の増幅率を段階的に変更するとして、音量制限の段階解除処理を実行する。音量制限の段階解除処理については、図41のフローチャートを参照しつつ説明する。
音量制限の段階解除処理では、ステップS2001にて、増幅率保持タイマカウンタTcがセットされているか否かを判定する。増幅率保持タイマカウンタTcは、音量制限されているスピーカ91,101のそれぞれに対応させて、RWM145の各種カウンタ格納エリアにセットされるタイマカウンタであり、音量制限を段階的に解除する場合に1段階にて増幅率を保持する期間を計測するためのものである。
音量制限されているスピーカがあるにもかかわらず、そのスピーカに対応した増幅率保持タイマカウンタTcがセットされている場合、ステップS2002に進み、音量制限されているスピーカに対応させて増幅率保持タイマカウンタTcをゼロでセットする。増幅率保持タイマカウンタTcをセットすることにより、現在のアンプ171の増幅率が保持されている継続期間の計測を開始することになる。
ステップS2001にて肯定判定をした場合、又はステップS2002の処理を実行した後は、ステップS2003に進み、音量制限されているスピーカについて、増幅率保持タイマカウンタTcを1インクリメント(Tc=Tc+1)する。つまり、音量制限されているスピーカについて、現在のアンプ171の増幅率にある継続期間を増幅率保持タイマカウンタTcにより計測する。ここで、増幅率保持タイマカウンタTcが複数セットされている場合は、全ての増幅率保持タイマカウンタTcを1インクリメントする。これにより、音量制限されているスピーカが複数ある場合に、それらスピーカの全てについて増幅率が保持されている継続期間を個別に計測することになる。
ステップS2004では、音量制限されているスピーカについて、増幅率の保持期間があらかじめ定められた解除判定期間(例えば100msec)を超えて継続しているか否かを判定することで、増幅率を変更するか否かを判定する。ここでは、解除判定期間に相当する所定値Nc(例えば50)をあらかじめ設定しておき、増幅率保持タイマカウンタTcが所定値Ncよりも大きい(Tc>Nc)か否かを判定し、Tc>Ncである場合に増幅率の保持期間が解除判定期間を超えているとする。つまり、増幅率の変更が許可されたとする。
なお、音量制限されているスピーカが複数ある場合は、それらスピーカごとに対応してセットされている増幅率保持タイマカウンタTcのそれぞれについて、Tc>Ncであるか否かの判定を行い、Tc>Ncであると判定された音量制限されているスピーカが1つでもあれば、増幅率の変更が許可されたスピーカが少なくとも1つあるとして、ステップS2004を肯定判定する。
増幅率を変更するスピーカがある場合は、ステップS2005にて、そのスピーカの実増幅率を取得し、ステップS2006にて、音量スイッチ111のポジションが目盛りFにあることに合わせて、アンプ171の増幅率の最大値を目標増幅率として取得する。なお、目標増幅率は、目盛り5に相当する値や、最大値の120%の値などとしてもよい。これは、上記第1の実施の形態において、音量制限を解除した場合に設定するアンプ171の増幅率についても同様である。
ステップS2007では、実増幅率と目標増幅率との差異を算出するとともに、その差異が所定率K(例えば5%)よりも小さいか否かを判定する。ここでは、実増幅率から目標増幅率を引いた値の絶対値が所定率Kよりも小さいか否かを判定する。
実増幅率と目標増幅率との差異が所定率Kよりも小さい場合、ステップS2008に進み、増幅率の変更が許可されたスピーカを対象として、実増幅率が目標増幅率に一致するようにアンプ171の増幅率を変更する。
ステップS2009では、増幅率の変更が許可されたスピーカについて増幅率を変更したとして、増幅率保持タイマカウンタTcをクリアする。この処理により、増幅率を変更したスピーカについては、増幅率が保持されている継続期間の計測を終了することになる。ステップS2010では、増幅率の変更が許可されたスピーカについて、音割れ解消を目的とした音量制限の解除が終了したとして、そのスピーカに対応してセットされていた解除フラグをクリアする。
実増幅率と目標増幅率との差異が所定率Kよりも小さくない場合、ステップS2011に進み、実増幅率が目標増幅率よりも大きいか否かを判定する。実増幅率が目標増幅率よりも大きい場合、ステップS2012に進み、増幅率の変更が許可されたスピーカについて、アンプ171の増幅率を所定率Kだけ小さくする。これにより、増幅率の変更が許可されたスピーカについて、実増幅率を1段階だけ目標増幅率に近い側に変更したことになる。
ステップS2013では、増幅率の変更が許可されたスピーカについて増幅率を1段階だけ変更したとして、ステップS2009と同様に、増幅率保持タイマカウンタTcをクリアする。ステップS2014では、直前のステップS2013にて増幅率を変更したスピーカについて、実増幅率と目標増幅率とが同じ値になっているか否かを判定する。実増幅率と目標増幅率とが同じ値になっている場合、直前のステップS2013にて増幅率を変更したスピーカについて、音割れ解消を目的とした音量制限の解除が終了したとして、そのスピーカに対応してセットされていた解除フラグをクリアする。
一方、直前のステップS2013にて増幅率を変更したスピーカについて、実増幅率と目標増幅率とが同じ値になっていない場合、そのまま本音量制限の段階解除処理を終了する。このスピーカについては、音量制限の解除が終了していないため、本音量制限の段階解除処理が繰り返し実行されることで、再び増幅率の変更が行われることになる。この場合、増幅率が段階的に小さくされ、やがて、実増幅率と目標増幅率とが一致したタイミングで音量制限の解除が終了する。
実増幅率が目標増幅率よりも小さい場合、ステップS2015に進み、増幅率の変更が許可されたスピーカについて、アンプ171の増幅率を所定率Kだけ大きくする。これにより、増幅率の変更が許可されたスピーカについて、実増幅率を1段階だけ目標増幅率に近い側に変更したことになる。その後、実増幅率が目標増幅率よりも大きかった場合と同様に、ステップS2013,S2014,S2010の処理が行われ、今回の処理で音量制限の解除が終了しなくても、本音量制限の段階解除処理が繰り返し実行されることで、増幅率が段階的に大きくされ、やがて、実増幅率と目標増幅率とが一致したタイミングで音量制限の解除が終了する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
演出音の音割れ解消を目的とした音量制限が行われている状態で、その音量制限が解除される場合、その解除が複数段階で徐々に行われるため、音量制限の解除に伴う演出音の音量の変化によって遊技者に違和感を与えないようにすることができる。しかも、音量制限を解除する場合の増幅率の変化態様が、音割れ解消を目的とした音量制限を複数段階で行う場合の増幅率の変化態様と同じにされているため、演出音の音量制限を実行する場合と解除する場合とで出力音量の変化態様が異なる構成に比べて、演出音の音量変化に関して違和感が生じにくくなる。
<他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記各実施の形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。
(a1)上記第1の実施の形態では、ホールドコンデンサ191と放電部211とコンパレータ202との接続部分に切替スイッチ214が設けられていたが、ホールドコンデンサ191と放電部211との接続経路、ホールドコンデンサ191とコンパレータ202との接続経路のそれぞれに切替スイッチ214が設けられていてもよい。この場合でも、切替部としての各切替スイッチ214により、ホールドコンデンサ191の接続対象を放電部211としている場合に、ホールドコンデンサ191とコンパレータ202とを遮断状態とすることが可能となる。
また、ホールドコンデンサ191に切替部としての切替スイッチ214が接続されていなくてもよい。この場合、ホールドコンデンサ191が常に放電部211と導通状態にあるため、ホールドコンデンサ191が放電されることで音信号のピーク値は保持されにくくなるが、音信号のピーク値がホールドコンデンサ191からコンパレータ202に対して出力される構成にはなっている。
(a2)上記各実施の形態では、切替スイッチ214の状態が発振回路217からの発信信号により所定周期で切り替えられる構成としたが、切替スイッチ214の状態が任意のタイミングで切り替えられる構成としてもよい。例えば、音光制御装置72のサブMPU142から切替信号が出力され、その切替信号に応じて切替スイッチ214の状態が切り替えられる構成とする。
この構成において、サブMPU142は、ピークホールド部182のホールド値をリセットするリセット処理を、音量設定処理(報知及び演出制御処理のステップS1109の処理)にて実行する。リセット処理では、切替信号としてON信号をリレーコイル215に対して出力し、スイッチ部212をON状態に移行させてホールドコンデンサ191の放電を行わせる。ON信号は、スイッチ部212を所定の放電期間(例えば0.6msec)だけ継続してON状態に保持する信号であり、それによって、ホールドコンデンサ191の放電が放電期間だけ継続して行われる。このため、ホールドコンデンサ191の充電電圧を放電によって確実にゼロにすることが可能となる。なお、放電期間は、報知及び演出制御処理の実行周期(例えば2msec)よりも短くされている。
サブMPU142は、図42のフローチャートに示す音量設定処理において、出力音が報知音のうち案内音であれば、アンプの増幅率設定処理(ステップS1403の処理)を実行した後に、ステップS1409にてリセット処理を行う。また、出力音が報知音のうち不正発生音であれば、案内音の音量設定処理(ステップS1404の処理)を実行した後に、ステップS1410にてリセット処理を行う。さらに、出力音が演出音であれば、演出音の音量設定処理(ステップS1408の処理)を実行した後に、ステップS1411にてリセット処理を行う。
例えば、案内音の音量設定処理の後にステップS1410にてリセット処理を行う場合について説明すると、リセット処理は、案内音の音量設定処理のステップS1503にて音割れ判定を行った後に実行されることになる。このため、上記第1の実施の形態と同様に、音割れ検出回路175により音割れ発生が検出された場合に、音割れ検出回路175から出力されている音割れ信号をサブMPU142が確実に受信することが可能となる。これにより、音割れ判定の判定精度を高めることができる。
演出音の音量設定処理の後にステップS1411にてリセット処理を行う場合についても、上記と同様の効果を奏することができる。
(a3)上記各実施の形態では、リセット部183によるピークホールド部182のホールド値のリセットが、音光制御装置72のサブMPU142により実行される報知及び演出制御処理の処理周期と同じ周期で行われているが、報知及び演出制御処理の処理周期よりも長い周期及び短い周期で行われてもよい。例えば、リセット部183(発振回路217)によるリセット周期が1秒や1分とされていてもよい。この場合でも、音割れが継続しているか否かの判定処理(ステップS1507,S1708)を行うための音割れ継続判定期間をリセット周期よりも長い期間に設定することで、音割れが継続していることを判定することができる。
(a4)上記各実施の形態では、比較部184において音信号のホールド値と基準レベルとがコンパレータ202により比較される構成としたが、オペアンプにより比較される構成としてもよい。この場合でも、音信号のホールド値が基準レベルを超えたことを比較部184により検出することができる。
(a5)上記第1の実施の形態では、コンパレータ202に入力される基準電圧Vaの電圧値(基準レベル)が、電圧生成部201により可変設定される構成としたが、複数の電圧生成部201が設けられ、コンパレータ202に対して導通する電圧生成部201がスイッチ手段により切り替えられる構成としてもよい。この構成でも、各電圧生成部201により生成される基準電圧Vaが異なる電圧値に設定されていれば、コンパレータ202に入力される基準電圧Vaの電圧値を切り替えることができる。これにより、コンパレータ202に入力される基準レベルを可変設定することが可能となる。
(a6)上記各実施の形態では、音割れ検出回路175のコンパレータ202から出力されるLOWレベルの信号が音割れ信号とされているが、HIレベルの信号が音割れ信号とされてもよい。つまり、コンパレータ202の+入力端子に音信号が入力され、−入力端子に基準電圧Va(基準レベル)が入力される構成としてもよい。要は、音割れ検出回路175は、音割れ発生を検出した場合に音割れ信号を音光制御装置72に対して出力すればよい。
(a7)上記各実施の形態では、ピークホールド部182により音信号の正側のピーク値がホールド値とされるが、音信号の負側のピーク値がホールド値とされてもよい。例えば、ピークホールド部182においてホールドコンデンサ191に対してダイオード192等の整流素子が逆方向に接続された構成とする。この構成では、電圧生成部201により負の基準電圧Vaが生成され、コンパレータ202には負のホールド値と負の基準電圧Va(基準レベル)とが入力される。この場合でも、コンパレータ202によりホールド値の絶対値が基準レベルの絶対値を超えたことを検出することができる。つまり、音割れ検出回路175によりスピーカ91,101での音割れ発生を検出することができる。
(a8)上記各実施の形態では、ピークホールド部182にバッファ部193が設けられていたが、バッファ部193は設けられていなくてもよい。つまり、オペアンプ194及び帰還経路195は設けられていなくてもよい。この場合でも、第1の実施の形態において、音信号の音量レベルがダイオード192の順方向電圧よりも大きい範囲では、ホールドコンデンサ191の充電電圧により音信号のピーク値を保持することができる。
(a9)上記第1の実施の形態では、電圧生成部201がシャントレギュレータ203を有しているが、電圧生成部201は、トランジスタを含んで構成されたシリーズレギュレータを有していてもよい。この場合でも、基準電圧Vaを所定の電圧値に保持することが可能となる。
(a10)上記第1の実施の形態では、シャントレギュレータ203に対して接続された第1抵抗R1及び第2抵抗R2のうち第1抵抗R1が固定抵抗とされたが、第1抵抗R1及び第2抵抗R2の両方が固定抵抗とされてもよい。この場合でも、電圧生成部201にて基準電圧Vaを所定の電圧値に保持することができる。
(a11)上記第2の実施の形態において、電圧生成部201での基準電圧Vaの電圧値を調整可能な構成としてもよい。例えば、逆方向電圧の異なるツェナーダイオード223を複数並列に配置し、コンパレータ202に対して各ツェナーダイオード223を導通状態又は遮断状態に個別に切り替えることが可能な切替手段が設けられている構成とする。この構成によれば、コンパレータ202と導通状態とされるツェナーダイオード223が切り替えられることにより、コンパレータ202に入力されるツェナーダイオード223の逆方向電圧(基準電圧Va)が変更される。つまり、基準レベルを可変設定することが可能となる。
(a12)上記各実施の形態では、音割れ検出回路175により音割れ発生が検出された場合に、音信号の音量レベルを小さくするための処理として、アンプ171の増幅率を小さくする音量制限処理が音光制御装置72のサブMPU142により行われるが、音信号の音量レベルを小さくするための処理として、音割れが発生している旨を報知する報知処理や、アンプ171からの音信号の出力を停止する処理、音割れ発生を示す信号を管理コンピュータに対して出力する処理、遊技球発射機構51からの遊技球の発射を停止させる処理などが行われてもよい。
例えば、音割れが発生している旨を報知する報知音がスピーカ91,101から出力される構成とする。この場合、ホール管理者は、スピーカ91,101にて音割れが発生していることを報知音により知ることができ、それによって、報知元のパチンコ機10に対して音量を小さくするなど音割れを解消する作業を行うことができる。遊技者は、音割れが発生していてもホール管理者に知らせることなく我慢して遊技を行う可能性が高いと考えられるため、音割れ発生を報知することは音割れを解消する上で効果的である。
(a13)上記各実施の形態では、アンプ171の増幅率を複数段階で小さくすることが可能な構成としたが、アンプ171の増幅率を1段階だけ小さくすることが可能な構成としてもよい。例えば、ステップS1501,S1701にてスピーカ91,101について音量制限していると判定された場合は、音量制限処理を実行しない構成とする。ただし、この構成では、アンプ171の増幅率を1段階だけ小さくしただけでは増幅率の下げ幅が不足しており、音信号の音量レベルが基準レベルを下回っていないこと(音割れが解消されていないこと)が懸念される。このため、増幅率の下げ幅を十分に大きい値に設定しておくことが好ましい。ちなみに、アンプ171の増幅率が0%となるように増幅率の下げ幅を設定してもよい。
(a14)上記各実施の形態では、音割れ検出回路175により音割れ発生が検出された場合に、アンプ171の増幅率が1段階ずつ小さくされるが、アンプ171の増幅率はまとめて複数段階小さくされてもよい。つまり、1回の音量制限処理(ステップS1508,S1710の処理)にて増幅率が複数段階小さくされてもよい。例えば、各スピーカ91,101のうち音割れが発生しているスピーカが1つである場合には、1回の音量制限処理にて増幅率が1段階だけ小さくされ、音割れが発生しているスピーカが複数ある場合には、1回の音量制限処理にて増幅率が複数段階小さくされる構成とする。また、増幅率が段階的に小さくされる場合に、各段階での増幅率の下げ幅は同じでなくてもよい。
(a15)上記各実施の形態では、音量制限処理において、アンプ171の増幅率が、パワー部173の定格出力に対して所定割合だけ小さくされる構成としたが、都度の設定されている増幅率に対して所定割合だけ小さくされる構成としてもよい。また、音信号の音量レベルのピーク値が所定値(例えば数dB)だけ小さくされる構成としてもよい。
(a16)上記各実施の形態では、音割れ検出回路175により音割れが検出されても、その音割れの継続期間が音割れ継続判定期間を超えていない場合(ステップS1507,S1708がNO判定の場合)には音量制限処理が行われない構成としたが、音割れが検出されれば、音割れが継続していなくても音量制限処理が行われる構成としてもよい。この構成によれば、音割れが発生した場合にその音割れを速やかに解消することができる。
また、音割れが継続していなくても音量制限が行われる構成では、増幅率を小さくした後も音割れが検出されている場合には、次に増幅率を小さくするまでの間に待機期間が確保されないことになる。この場合でも、アンプ171の増幅率は段階的に小さくされていることになる。
ちなみに、音量制限処理が実行された後、次の音量制限処理が実行されるまでの間に待機期間が確保されていても、その待機期間が音割れ継続判定期間として使用されなくてもよい。つまり、音割れの継続期間が音割れ継続判定期間を超えたか否かの判定は行われなくてもよい。
また、待機期間が音割れ継続判定期間として使用される場合でも、待機期間と音割れ継続判定期間とは異なる長さに設定されていてもよい。例えば、待機期間の方が音割れ継続判定期間よりも長い期間として設定されている構成とする。
(a17)上記各実施の形態では、音量制限処理を行う条件に、音割れが音割れ継続判定期間を超えて継続していること(ステップS1507,S1708がYES判定の場合)が含まれているが、音割れ検出回路175による音割れ検出が音割れ継続判定期間の間に所定回数(例えば10回)以上行われたことが含まれていてもよい。つまり、音割れが断続的に発生している場合に音量制限処理が実行されてもよい。
(b1)上記各実施の形態では、上側スピーカ91が前扉枠14に設けられ、下側スピーカ101が外枠11に設けられているが、少なくとも1つのスピーカが音出力手段として前扉枠14に設けられていればよい。この場合でも、音出力手段としてのスピーカが遊技機前面体に設けられ、音データを記憶する記憶手段としての共通用ROM147が遊技機本体としての内枠13に設けられている構成を実現できる。なお、音出力手段が設けられている位置は、任意に設定されていればよく、前扉枠14の中央部分などとされていてもよい。
また、少なくとも1つの音出力手段が前扉枠14に設けられている構成において、少なくとも1つの音出力手段が外枠11に設けられていることが好ましい。これにより、音出力手段が遊技機前面体及び外枠に設けられ、記憶手段が遊技機本体に設けられている構成を実現できる。
(b2)上記各実施の形態では、記憶手段としての共通用ROM147を有する音光制御装置72が内枠13に設けられているが、音光制御装置72は裏パックユニット15に設けられていてもよい。この場合、裏パックユニット15が内枠13と共に遊技機本体に含まれている構成であれば、共通用ROM147が遊技機本体に設けられていることになる。また、共通用ROM147は、音光制御装置72ではなく、主制御装置71や払出制御装置78、電源及び発射制御装置79、表示制御装置128などに設けられていてもよい。いずれの場合でも、記憶手段は遊技機本体に設けられていることになる。
共通用ROM147と同様に、増幅手段としてのアンプ171やレベル超過検出手段としての音割れ検出回路175についても、音光制御装置72ではなく、主制御装置71や払出制御装置78、電源及び発射制御装置79、表示制御装置128などに設けられていてもよい。いずれの場合でも、増幅手段やレベル超過検出手段は遊技機本体に設けられていることになる。また、増幅手段やレベル超過検出手段の設置対象は、記憶手段の設置対象と異なっていてもよい。
(b3)上記各実施の形態では、音光制御装置72において音データが共通用ROM147に記憶されていたが、音データは、直接用ROM144に記憶されていてもよい。また、音データは、主制御装置71のROM123に記憶されていてもよい。
(b4)上記各実施の形態では、操作つまみ112が裏パックユニット15のスイッチ用開口部113とは重ならない位置に配置されているが、操作つまみ112はスイッチ用開口部113と重なる位置に配置されていてもよい。この場合、ホール管理者等は内枠13に対して裏パックユニット15を回動させなくても、スイッチ用蓋部114を開放するという容易な作業を行うことで操作つまみ112をパチンコ機背面側に露出させることが可能になる。このため、操作つまみ112を操作する際の準備作業を容易化できる。
なお、裏パックユニット15にはスイッチ用開口部113が設けられていなくてもよい。この場合、音量スイッチ111及び操作つまみ112の両方について、操作するには内枠13に対して裏パックユニット15を開放させる必要が生じる。
(b5)上記各実施の形態では、音割れ検出回路175の基準レベルを変更可能な操作つまみ112が内枠13の背面側に設けられているが、操作つまみ112は、内枠13の前面側に設けられていてもよく、裏パックユニット15や前扉枠14に設けられていてもよい。また、操作つまみ112は、音光制御装置72ではなく、主制御装置71や払出制御装置78、電源及び発射制御装置79、表示制御装置128などに設けられていてもよい。いずれの場合でも、ホール管理者が操作つまみ112を操作可能な構成を実現できる。また、操作つまみ112がパチンコ機10の前面側に設けられていれば、ホール管理者だけでなく遊技者も操作つまみ112を操作することが可能となる。
(b6)スピーカ91,101での音割れ発生を解消することを目的として音量制限が行われている場合に、その音量制限は、パチンコ機10の電源がOFFされるまで継続されてもよく、出力音の種類や遊技状態に関係なく常に所定の期間(例えば1分)だけ継続されてもよい。いずれの場合でも、あらかじめ定められた所定のタイミングに合わせて音量制限を解除する構成を実現できる。
(b7)上記各実施の形態では、音割れ解消を目的として音量制限が行われている場合でも、スピーカ91,101にて音割れが発生しているか否かの音割れ判定(ステップS1503,S1703の処理)が行われる構成としたが、音量制限が行われている場合には、音割れ判定が行われない構成としてもよい。また、音量制限が行われている場合には、仮に音割れが発生していても、音割れ検出回路175から音光制御装置72のサブMPU142に音割れ信号が入力されない構成としてもよい。
(b8)上記各実施の形態では、スピーカ91,101から出力されている案内音にて音割れが生じている場合、常に音割れ解消を目的として音量制限が行われる構成としたが、案内音の内容に応じて音量制限が行われる構成や、案内音を対象としては音量制限が行われない構成としてもよい。音量制限が行われない構成では、音割れが生じても案内音を大音量で出力することが可能となるため、案内音が出力されていることを遊技者やホール管理者に認識させやすくなる。
(b9)上記各実施の形態では、演出音の音割れ解消を目的として音量制限が行われている場合に、変動表示が終了するタイミングに合わせて音量制限が解除される構成としたが、音量制限が変動表示中ではなく通常遊技状態や特別遊技状態にある場合に行われていれば、それら通常遊技状態や特別遊技状態が終了するタイミングに合わせて音量制限が解除される構成としてもよい。
(c1)各スピーカ91,101等の複数の音出力手段は、パチンコ機10のどの部分に設けられていてもよい。例えば、全てのスピーカ91,101が前扉枠14に設けられていてもよく、スピーカ91,101が外枠11、内枠13及び前扉枠14のそれぞれに設けられていてもよい。
(c2)上記各実施の形態では、各スピーカ91,101が各スピーカ経路135を介してアンプ171に対して個別に接続されていたが、それらスピーカ91,101は、複数に分岐した1つのスピーカ経路135によりアンプ171に対してまとめて接続されていてもよい。この場合、アンプ171から出力された音信号は各スピーカ91,101にまとめて入力されることになる。ところが、この場合でも、各スピーカ91,101の許容入力レベルは公差などにより互いに異なっていると、各スピーカ91,101に入力される音信号の音量レベルが同じであっても音割れが発生するスピーカと発生しないスピーカとが混在することになる。したがって、各スピーカ91,101での音割れ発生を音割れ検出回路175により検出することが、各スピーカ91,101での音割れ発生を解消する上で好適である。
(c3)上記各実施の形態では、アンプ171の増幅率が各スピーカ91,101のそれぞれについて個別に設定することが可能となっているが、アンプ171の増幅率は各スピーカ91,101についてまとめて設定される構成としてもよい。この場合でも、各スピーカ91,101の少なくとも1つにて音割れが発生した場合に、全てのスピーカ91,101について増幅率を小さくすることで、音割れが発生しているスピーカについてその音割れを解消することが可能となる。
(c4)上記各実施の形態では、音割れ検出回路175が各スピーカ91,101のそれぞれに対して個別に設けられていたが、音割れ検出回路175は、各スピーカ91,101に対して1つだけ設けられていてもよい。例えば、各スピーカ経路135から分岐した各分岐経路176がまとめて1つの音割れ検出回路175に接続されている構成とする。この構成でも、各スピーカ91,101の少なくとも1つにて音割れが発生したことを、音割れ検出回路175により検出することが可能である。
(c5)上記各実施の形態では、各音割れ検出回路175において基準レベルが可変設定可能とされていたが、基準レベルは固定値とされていてもよい。また、基準レベルは全ての音割れ検出回路175において同じ値とされていてもよい。この場合、各スピーカ91,101の許容入力レベルが交差などにより互いに異なっていても、基準レベルが許容入力レベルに合わせて設定されていれば、それらスピーカ91,101にて音割れが発生したこと、又は音信号の音量レベルが許容入力レベルに近い値になっていることを、音割れ検出回路175により検出することができる。
(c6)上記各実施の形態では、各スピーカ91,101のいずれかにて音割れが発生した場合に、そのスピーカを対象として、音信号の音量レベルを小さくするための処理として、アンプ171の増幅率を小さくする音量制限処理が音光制御装置72のサブMPU142により行われるが、音信号の音量レベルを小さくするための処理として、各スピーカ91,101のいずれにて音割れが発生しているのかを報知する報知処理や、音割れが生じているスピーカからの音の出力を停止させる処理などを行ってもよい。
(c7)上記各実施の形態では、音割れが発生しているスピーカについて増幅率を下げる段階数と、音割れが発生していないスピーカについて増幅率を下げる段階数との割合が、1:2や1:4とされていたが、この割合は任意に設定されていればよい。ただし、音割れが発生していないスピーカについて増幅率を下げる段階数は、音割れが発生しているスピーカについて増幅率を下げる段階数よりも小さくされることが好ましい。また、音割れが発生していないスピーカについての音量制限は、(a12)〜(a14)に記載されている、音割れが発生しているスピーカについての音量制限と同様に行われてもよい。
(c8)上記各実施の形態では、各スピーカ91,101のいずれかにて音割れが発生している状態で、音割れが発生していないスピーカに上側スピーカ91及び下側スピーカ101の両方が含まれている場合(ステップS1715にて音量調和処理が行われる場合)、それらスピーカ91,101について、上側スピーカ91の方が下側スピーカ101よりも出力音量の下げ幅が大きくされる場合があるが、下側スピーカ101の方が上側スピーカ91よりも出力音量の下げ幅が大きくされてもよい。また、上側スピーカ91と下側スピーカ101とで出力音量の下げ幅が常に同じとされていてもよい。
また、各上側スピーカ91が1つのグループ(組)、各下側スピーカ101が1つのグループというグループ分け(組分け)ではなく、例えば右側のスピーカ91,101同士が1つのグループ、左側のスピーカ91,101同士が1つのグループというグループ分けとし、音割れが発生していない右側のスピーカと左側のスピーカとで出力音量の下げ幅が相違する構成としてもよい。また、各スピーカ91,101を配置に応じてグループ分けするのではなく、出力音の種類や音の高さ(周波数帯)に応じてグループ分けしてもよい。
(c9)上記各実施の形態では、スピーカ91,101からの出力音が演出音である場合に、音量調和処理(ステップS1715の処理)が実行される構成としたが、音量調和処理は、出力音が不正発生音や案内音などの報知音である場合に実行されてもよい。例えば、出力音が案内音である場合、各スピーカ91,101の少なくとも1つにて音割れが発生していれば、音割れが発生しているスピーカを特定し、その特定したスピーカを対象として音量制限を行い、その音量制限の段階数に応じて、音割れが発生していないスピーカについても音量制限を行う構成とする。
(c10)上記各実施の形態では、上側スピーカ91から中高音が出力され、下側スピーカ101から低音が出力される構成としたが、上側スピーカ91から低音が出力され、下側スピーカ101から中高音が出力される構成としてもよい。また、上側スピーカ91及び下側スピーカ101のそれぞれから中高音及び低音の両方が出力される構成としてもよい。
(d1)上記各実施の形態では、裏パックユニット15に設けられたスイッチ用開口部113を通じて音量スイッチ111が遊技機後方に露出可能な構成とされているが、スイッチ用開口部113は設けられていなくてもよい。この場合でも、裏パックユニット15を内枠13に対して回動させることで、音量スイッチ111を遊技機後方に向けて露出させて操作することが可能となる。
また、音量スイッチ111は、内枠13の背面側に設けられいるが、内枠13の前面側に設けられていてもよく、裏パックユニット15や内枠13に設けられていてもよい。また、音量スイッチ111は、音光制御装置72ではなく、主制御装置71や払出制御装置78、電源及び発射制御装置79、表示制御装置128などに設けられていてもよい。いずれの場合でも、ホール管理者が音量スイッチ111を操作可能な構成を実現できる。また、音量スイッチ111がパチンコ機10の前面側に設けられていれば、ホール管理者だけでなく遊技者も音量スイッチ111を操作することが可能となる。
(d2)上記各実施の形態では、音量スイッチ111が、音割れ解消を目的とした音量制限を行うか否かの選択を行う選択機能と、スピーカ91,101からの出力音量をホール管理者等が調整するための音量調整機能との両方を有していたが、それら機能を個別に有する専用スイッチが設けられていてもよい。例えば、音量スイッチ111が音量調整機能を有し、別の専用スイッチが音割れ解消の選択機能を有する構成とする。
この構成では、専用スイッチが複数の状態に切り替え可能とされており、専用スイッチのポジションには目盛りFが含まれている。この場合、専用スイッチのポジションが目盛りFにあっても、音量スイッチ111のポジションを目盛り0〜5のいずれかに切り替えることが可能になっている。つまり、専用スイッチにより、出力音にて発生した音割れを解消するモードに設定されていても、そのモードでの出力音量を音量スイッチ111により可変設定することができる。
また、専用スイッチは遊技機前面において遊技者が操作可能に設けられていてもよい。例えば、押しボタン式の専用スイッチが下皿62aの周辺に設けられている構成とする。この構成では、専用スイッチが押される度に、音割れを解消するモードと、音割れを解消しないモードとに切り替えられ、音割れを解消するモードでは、音割れ演出の抽選に当選したことを条件として、スピーカ91,101にて音割れが発生した場合に音割れ演出の実行が可能となる。
(d3)上記各実施の形態では、スピーカ91,101からの出力音が不正発生音である場合に、サブMPU142の音量設定処理にて、音割れ検出回路175から音割れ信号が出力されているか否かを判定する音割れ判定(ステップS1503,S1703の処理)が行われないが、出力音が不正発生音であっても音割れ判定が行われる構成としてもよい。また、出力音が演出音とされ、且つ音量スイッチ111のポジションが目盛りFにある場合に音割れ判定が行われる構成としてもよい。
(d4)上記各実施の形態では、音量スイッチ111のポジションが目盛りFにある場合、スピーカ91,101からの出力音が不正発生音であれば、仮に不正発生音に音割れが発生していても、音割れ解消を目的とした音量制限は行われないが、音量スイッチ111のポジションに関係なく音量制限が行われない出力音は、演出音や案内音とされていてもよい。この場合、演出音や案内音について、音割れを解消することよりも音量を維持することを優先することになり、音量が小さくされることで演出音や案内音特有の演出効果や案内効果が却って低下してしまうという事態を抑制できる。
(d5)上記各実施の形態では、音量スイッチ111のポジションが目盛りFにない場合でも、スピーカ91,101から出力される案内音に音割れが発生していれば、音割れ解消を目的とした音量制限が行われるが、音量スイッチ111のポジションに関係なく音量制限が行われる出力音は、不正発生音や演出音とされていてもよい。この場合、不正発生音や演出音について、音量を維持することよりも音割れを解消することを優先することになり、音量を維持することで不正発生音や演出音特有の不正報知効果や演出効果が却って低下してしまうという事態を抑制できる。
(d6)上記各実施の形態では、スピーカ91,101から不正発生音が出力される場合のアンプ171での音信号の増幅率が常に最大値(アンプ171の定格出力)に設定されているが、この場合の増幅率は、音量スイッチ111のポジションに応じた値に設定されてもよい。この構成においては、不正発生音が音量スイッチ111のポジションに応じた音量で出力されることになる。
(d7)上記各実施の形態では、音量スイッチ111のポジションが目盛りFにある場合、スピーカ91,101からの出力音に音割れが発生していなければ、アンプ171での音信号の増幅率が常に最大値に設定されているが、この場合の増幅率は、最大値よりも小さい値に設定されていてもよい。なお、この場合の増幅率が音量スイッチ111とは異なる専用の操作スイッチにより選択される構成としてもよい。
(d8)上記各実施の形態では、払出制御装置78にて取得された払出異常を報知するための音が、スピーカ91,101から出力される案内音とされていたが、電源及び発射制御装置79にて取得された遊技球の発射に関する異常を報知するための音が、案内音とされていてもよい。要は、パチンコ機10において発生した異常を報知するための音が案内音とされていればよい。
(d9)スピーカ91,101から出力される不正発生音としては、前扉枠14が不正に開放されたことを報知する音や、施錠装置16が不正に解錠されたことを示す音などが挙げられる。要は、パチンコ機10に対して不正が行われたことを報知するための音が不正発生音とされていればよい。
(d10)上記各実施の形態では、スピーカ91,101から演出音及び報知音のうち一方を出力している場合には、他方を出力しない構成としたが、演出音と報知音とを同時に出力する構成としてもよい。例えば、音量スイッチ111のポジションが目盛りFにある状態で、スピーカ91,101からの出力音に報知音としての不正発生音と演出音とが含まれていれば、出力音にて音割れが発生しても音量制限が行われない構成とする。この場合、演出音を対象とした音割れ解消よりも、不正発生音を対象とした音量の維持を優先することになる。
(d11)上記各実施の形態では、スピーカ91,101からの出力音量を設定するための音量設定処理が音光制御装置72にて実行されているが、音量設定処理は主制御装置71や表示制御装置128にて実行されてもよい。この場合でも、出力音にて発生した音割れを好適に解消することができる。また、この場合、アンプ171や音割れ検出回路175は、音量設定処理を実行する制御装置に搭載されていることが好ましい。
(e1)上記各実施の形態では、音量スイッチ111のポジションが目盛りFにある場合に、音割れ演出を実行可能としたが、音量スイッチ111のポジションに関係なく音割れ演出を実行可能としてもよい。
(e2)上記各実施の形態では、図柄表示装置41での変動表示の態様がスーパーリーチA〜Cのいずれかである場合に音割れ演出を実行可能としたが、ノーマルリーチA,Bのいずれかである場合や、完全外れである場合に音割れ演出を実行可能としてもよい。いずれの場合でも、変動表示の停止結果に対する遊技者の期待度を高めることができる。
(e3)上記各実施の形態では、遊技回が行われている場合、すなわち、図柄表示装置41にて図柄の変動表示が行われている場合に、音割れ演出を実行可能としたが、図柄の変動表示が行われていない場合に音割れ演出を実行可能としてもよい。例えば、パチンコ機10が開閉実行モード(特別遊技状態)にある場合や、当否抽選モードが高確率モードにある場合に音割れ演出を実行可能としてもよい。いずれの場合でも、遊技者にとって特典が付与される可能性が高い状態と高くない状態とが音割れ演出により差別化されるため、音割れ演出により特典付与への期待度を高めることができる。
(e4)上記各実施の形態では、音割れ演出が行われている場合に、音量制限を行わない演出用音割れ期間と、音量制限を行っている演出用制限期間との長さを同じとしたが、これら期間の長さは異なっていてもよい。また、演出音にて音割れが発生している場合に、音量制限の実行と解除とを繰り返し行うことを音割れ演出としたが、演出用音割れ期間を変動表示期間とほぼ同じ長さに設定し、音割れを変動表示が終了するまで継続して発生させることを音割れ演出としてもよい。さらに、音割れ演出が音量制限の態様を有しており、いずれの態様の音割れ演出が実行されるかによって、変動表示の停止結果に対する期待度が相違するようにしてもよい。
(e5)上記各実施の形態では、演出用音割れ期間と演出用制限期間との合計が1回の変動表示に要する所要期間の1/2よりも小さくされているが、演出用音割れ期間と演出用制限期間との合計は、任意に設定されていればよく、前記所要期間の1/4よりも小さくされていてもよい。
(e6)上記第3の実施の形態では、演出音の音割れ解消を目的として音量制限されている場合に、その音量制限の解除を複数段階で行うことが可能な構成としたが、音量制限の解除を複数段階で行うことは、案内音等の報知音の音割れ解消を目的として音量制限されている場合に適用されてもよい。これにより、報知音を対象とした音量制限が解除される場合に、報知音の音量変化に関して違和感が生じにくくなる。
(f1)上記各実施の形態では、アンプ171とスピーカ91,101とがスピーカ経路135により接続された構成において、スピーカ経路135から分岐した分岐経路176に音割れ検出回路175が接続されているが、音割れ検出回路175は、スピーカ経路135とは独立した別の経路を介してアンプ171に接続されていてもよい。
この場合、アンプ171からスピーカ91,101に対して音信号が出力されるタイミングと、音割れ検出回路175に対して音信号が出力されるタイミングとを相違させることが可能となる。例えば、音割れ検出回路175に対して音信号が出力されてから、スピーカ91,101に対して音信号が出力されるまでに所定のタイムラグが確保される構成とする。この構成では、音割れ検出回路175により、音信号の音量レベルが基準レベルを超えていることが検出された場合に、アンプ171での音信号の増幅率を制限し、その制限された音信号をスピーカ91,101に対して出力することが可能となる。これにより、音信号が音割れ検出回路175とスピーカ91,101とに対して同時に出力される構成とは異なり、音割れ検出回路175にて音割れ発生が検出されたタイミングと同時にスピーカ91,101にて音割れが発生するという事態を回避することができる。
(f2)上記各実施の形態では、スピーカ91,101等の音出力手段がパチンコ機10に複数設けられていたが、音出力手段は1つだけ設けられていてもよい。また、音出力手段は、人の頭部に装着するヘッドホンスピーカとされていてもよい。さらに、音出力手段は、パチンコ機10に外付けされるヘッドホンスピーカ等のスピーカに対して音信号を出力する出力端子であってもよい。要は、音出力手段は、音信号の音量レベルに応じた音量で音を出力するための手段であればよい。
(f3)上記実施の形態では、下側スピーカ部100において、スピーカ筐体102は密閉型のエンクロージャとされているが、バスレフ型のエンクロージャとされていてもよい。例えば、スピーカ筐体102にスピーカ用開口部105とは別にバスレフポートが形成されている構成とする。この構成では、スピーカ筐体102の内部空間において、下側スピーカ101が、その音出力部分をスピーカ用開口部105から離間させた位置に配置されている。この場合、下側スピーカ101から出力された音は、スピーカ筐体102の内部空間を通じてスピーカ用開口部105からパチンコ機10の前方に向けて伝搬される。
(f4)音データを利用して音の出力制御を実行する制御手段と、画像データを利用して画像の表示制御を実行する制御手段との間で、予めデータを記憶する共通のメモリが利用される構成としてもよい。例えば、音出力LSI146と、描画LSIとして設けられたVDP163との間で、共通のROMが利用される構成としてもよい。本構成においては、音出力LSI146に接続されたROMに、音データとともに画像データの少なくとも一部が記憶される構成としてもよく、これに代えて、VDP163に接続されたROMに、画像データとともに音データの少なくとも一部が記憶される構成としてもよい。この場合、音出力LSI146とVDP163とが、それらの従属するMPU142,162を介することなく直接接続される構成としてもよく、従属するMPU142,162を介して接続される構成としてもよい。
(f5)共通用ROM147が音出力LSI146に直接接続されており、サブMPU142には直接接続されていない構成としたが、これに代えて、音出力LSI146とサブMPU142とを繋ぐバスに対して共通用ROM147が接続されている構成としてもよい。この場合、音出力LSI146とサブMPU142とが共通用ROM147に同時にアクセスしないように、両者のアクセスタイミングを調整する回路を別途設けることが好ましい。
(f6)音出力LSI146における音源の方式は上記実施の形態におけるものに限定されることはなく、例えば波形メモリ方式、FM方式又はAM方式などを採用してもよい。
(f7)バスB1を利用して音出力LSI146のレジスタ152にサブMPU142がアクセスする構成は、上記実施の形態の構成に限定されない。例えば、レジスタ152のいずれのエリアにアクセスする場合であってもバスB1の全ての信号経路J1〜J8を利用してパラレルで情報の伝送が行われる構成としてもよい。
(f8)共通用ROM147から読み出された音データはレジスタ152に転送されるのではなく、音データ処理部153に転送される構成としてもよい。この場合、共通用ROM147から音出力LSI146に向けて音データが転送されている期間と、共通用ROM147から音出力LSI146に向けて発光データが転送されている期間とが重ならないように各タイミングを調整すればよく、音出力LSI146からサブMPU142に向けて発光データが転送されている期間は音データが共通用ROM147から転送されている期間と重複しても構わない。
また、上記構成に加えて、シーケンスデータ及びパラメータデータを解析した後のデータは、レジスタ152に保存されるのではなく、音データ処理部153にて保存され、音データ処理部153からの指示に基づきデータ転送部155が音データの転送を実行する構成としてもよい。
(f9)上作動口33への入賞に係る保留情報と下作動口34への入賞に係る保留情報とが区別して記憶されるとともに、下作動口34への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよく、これとは逆に上作動口33への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよい。
また、上記構成において、複数の作動口が上下に並設されているのではなく、上作動口33に対応した第1作動口と、下作動口34に対応した第2作動口とが左右に並設された構成としてもよく、これら両作動口が斜めに並設された構成としてもよい。さらにまた、発射ハンドル55の操作態様に応じて、第1作動口への入賞のみ又は第2作動口への入賞のみを狙えるように、両作動口を離間して配置する構成としてもよい。
また、上記構成において、メイン表示部43に、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定の結果を表示する第1表示領域と、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定の結果を表示する第2表示領域とを設けてもよい。この場合、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報が当否判定の対象となることに先立って又は当否判定の対象となったことに基づいて、第1表示領域において絵柄の変動表示が開始されるとともに当該当否判定に対応した停止結果を表示し係る1遊技回の変動表示が終了される。また、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報が当否判定の対象となることに先立って又は当否判定の対象となったことに基づいて、第2表示領域において絵柄の変動表示が開始されるとともに当該当否判定に対応した停止結果を表示し係る1遊技回の変動表示が終了される。
(f10)上作動口33への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合と、下作動口34への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合とで、遊技者が得られる利益が異なる構成としてもよい。また、作動口を複数設ける構成においては、作動口の数は2個に限定されることはなく、3個以上であってもよい。また、作動口が1個のみ設けられた構成としてもよい。
(f11)主制御装置71から出力されるコマンドに基づいて、音光制御装置72により表示制御装置128が制御される構成に代えて、主制御装置71から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置128が音光制御装置72を制御する構成としてもよい。また、音光制御装置72と表示制御装置128とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置が一の制御装置として設けられた構成としてもよく、それら両制御装置のうち一方の機能が主制御装置71に集約されていてもよく、それら両制御装置の両機能が主制御装置71に集約されていてもよい。また、主制御装置71から音光制御装置72に出力されるコマンドの構成や、音光制御装置72から表示制御装置128に出力されるコマンドの構成も任意である。
(f12)遊技回用の演出が実行される装置は、図柄表示装置41に限定されることはなく、可動式に設けられた装飾部材が動作することで遊技回用の演出が実行される構成としてもよく、所定の発光部を点灯させることで遊技回用の演出が実行される構成としてもよく、上記各態様の全部又は一部の組み合わせによって遊技回用の演出が実行される構成としてもよい。
(f13)上記各実施の形態では、主制御装置71において当否判定が行われたことに基づいてメイン表示部43における一の遊技回が開始される構成としたが、これに限定されることはなく、主制御装置71において当否判定が行われる条件が成立した場合に実際に当否判定が行われるタイミングよりも前のタイミングで上記遊技回が開始され、その後に当否判定が行われたことに基づいてその遊技回におけるその後の表示態様、表示継続時間及び停止結果が決定される構成としてもよい。この場合、主制御装置71では遊技回の開始タイミングとなった場合に、先ず変動用コマンドを送信し、その後に当否判定、表示継続時間の決定及び種別判定を行った場合に、時間コマンド及び種別コマンドを送信する構成としてもよく、これら時間コマンド及び種別コマンドの送信タイミングもずれている構成としてもよい。
(f14)上記各実施の形態では、メイン表示部43において各遊技結果に対応した停止結果が表示される構成としたが、これに代えて、メイン表示部43を不具備としてもよく、いずれの遊技結果であってもメイン表示部43において共通の停止結果が表示される構成としてもよく、メイン表示部43において停止結果がランダムに表示されることで、結果的にメイン表示部43の表示からはいずれの遊技結果であるかを識別できない構成としてもよい。
(f15)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
下記特徴A群の発明は、以下の課題に対して効果的である。
パチンコ機等の遊技機には音出力手段としてのスピーカが設けられており、スピーカが遊技状態に応じて多様な演出音を出力することで、遊技への注目度を高めることができる。また、スピーカからの出力音が報知音とされることで、遊技機の状態を報知することや不正発生を報知することが可能となる。
スピーカは、アンプから音信号が入力されることで音を出力するものであり、アンプにて音信号の増幅率が設定されることで、スピーカから出力される音量が定められる。アンプの増幅率が可変設定される遊技機においては、アンプの増幅率に応じてスピーカからの出力音量を変更することが可能となっている。例えば、音量スイッチが設けられている遊技機においては、音量スイッチが操作されることでアンプの増幅率が変更され、それによって、スピーカからの出力音量が変更される(例えば特許文献1:特開2005−261808号公報参照)。
しかしながら、スピーカに入力される音信号の音量レベルがスピーカの許容入力レベルよりも大きい場合、音信号の波形が歪むことなどによりスピーカからの出力音に音割れが生じたように聞こえることがある。この場合、遊技性や利便性を高めるはずの出力音が遊技者に不快感を与えることになってしまう。
これに対して、アンプの増幅率が小さくなるように音量スイッチが操作されると、スピーカに入力される音信号の音量レベルが小さくなり、スピーカにて発生している音割れを解消することが可能となる。
ところが、ホール管理者や遊技者などが音量スイッチを操作する場合、その操作態様が都度の音割れに適した態様になっているとは限らない。例えば、音量スイッチが遊技機の背面側に配置されている構成では、遊技ホールの営業時間外(例えば開店前、閉店後、定休日等)に、ホール管理者が音割れが発生しない程度にアンプの増幅率が小さくなるように音量スイッチを操作しておくことが想定されるが、これでは、実際に音割れが発生したタイミングに合わせて音割れを解消することにはならない。また、音量スイッチが遊技機の前面側に配置されている構成では、遊技者が遊技中に音量スイッチを操作することが可能となるが、音割れが発生するたびに音量スイッチを操作するのでは音量スイッチの操作頻度が高くなり、遊技者にとって現実的ではない。
特徴A1.音信号を増幅する増幅手段(アンプ171)と、
前記増幅手段により増幅された前記音信号が入力されることで、該音信号の音量レベルに応じた音量で音を出力するための音出力手段(上側スピーカ91、下側スピーカ101)と、
を備え、
前記増幅手段と前記音出力手段とは音出力経路(スピーカ経路135)により電気的に接続されており、前記増幅手段により増幅された前記音信号が、前記音出力経路を通じて前記音出力手段に入力される遊技機であって、
前記音出力経路から分岐した分岐経路(分岐経路176)により前記増幅手段に接続されており、該増幅手段により増幅された前記音信号が前記分岐経路を通じて入力され、該音信号の音量レベルが所定の基準レベルを超えたことを検出するレベル超過検出回路(音割れ検出回路175)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、レベル超過検出回路により、音出力手段に入力される音信号の音量レベルが基準レベルを超えたことが検出されるため、基準レベルを音出力手段の許容入力レベルとすれば、音信号の音量レベルが音出力手段の許容入力レベルを超えたことを、音割れ発生として検出できる。この場合、音割れが発生したタイミングに合わせて増幅手段での音信号の増幅率を小さくし、それによって、音出力手段での音割れ発生を好適に解消することが可能となる。
ここで、例えば、増幅手段に対して音出力手段及びレベル超過検出回路がそれぞれ独立した経路で接続されていると、音出力手段に入力された音信号とレベル超過検出回路に入力された音信号とで音量レベルが異なっている可能性がある。この場合、レベル超過検出回路による音割れ検出の精度が低くなってしまう。
これに対して、レベル超過検出回路は、音出力手段が接続された音出力経路からの分岐経路に接続されているため、増幅手段にて増幅された音信号が音出力手段及びレベル超過検出回路の両方に入力されることになる。この場合、レベル超過検出回路は、実際に音出力手段に入力される音信号を対象として音割れ検出を行うことになるため、レベル超過検出回路による音割れ発生の検出精度を高めることができる。これにより、音出力手段からの出力音に音割れが生じていないにもかかわらずレベル超過検出回路により音割れ発生が誤検出されてしまうことや、音割れが生じているにもかかわらずレベル超過検出回路により音割れ発生が検出されないということを抑制できる。
以上により、音出力手段での音割れ発生により遊技者に不快感を与えてしまうことを好適に抑制できる。
特徴A2.前記レベル超過検出回路は、
前記増幅手段から入力された前記音信号の音量レベルと前記基準レベルとを比較する比較手段(コンパレータ202)を有し、前記比較手段が前記音信号の音量レベルと前記基準レベルとを比較することで、前記音信号の音量レベルが前記基準レベルを超えたことを検出するものであり、
前記比較手段は位相補償コンデンサを有していないことを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、音信号の音量レベルと基準レベルとを比較する比較手段が位相補償コンデンサを有していないため(例えばコンパレータであるため)、例えば比較手段が位相補償コンデンサを有している構成(例えばオペアンプ)に比べて、レベル超過検出回路により音割れ検出を行う場合の応答性を高めることができる。したがって、レベル超過検出回路と音出力手段とが増幅手段に対して並列に接続されている構成において、音出力手段にて音割れが生じたタイミングに対して、レベル超過検出回路による音割れ検出のタイミングが遅れることを抑制できる。これにより、レベル超過検出回路による音割れ発生の検出精度をさらに高めることができる。
特徴A3.前記レベル超過検出回路は、
電圧値が前記基準レベルとされた基準電圧(基準電圧Va)を生成する電圧生成部(電圧生成部201)を有しており、
前記比較手段は、前記増幅手段から前記音信号が入力される端子(−入力端子)と、前記電圧生成部により生成された前記基準電圧が入力される端子(+入力端子)とを有し、前記音信号と前記基準電圧とを比較するものであり、
前記電圧生成部は、前記基準電圧の電圧値を所定値に保持するものであることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、音信号の音量レベルと基準レベルとが比較手段により比較される構成において、比較手段に入力される基準電圧の電圧値が基準レベルとして所定値に保持されるため、音信号の音量レベルの比較対象である基準レベルが電源電圧の変動により増減することを抑制できる。これにより、基準レベルとして比較手段に入力される基準電圧を、音出力手段の許容入力レベルに合わせて所定値に固定することが可能となる。したがって、レベル超過検出回路による音割れ発生の検出精度が電源電圧の変動により低下するということを抑制できる。
特徴A4.前記レベル超過検出回路は、
前記音信号の音量レベルのピーク値をホールド値として保持するピーク保持手段(ピークホールド部182)を有しており、
前記比較手段は、前記ピーク保持手段が保持した前記ホールド値と前記基準レベルとを比較するものであることを特徴とする特徴A2又はA3に記載の遊技機。
音信号は振動しているため、音信号の音量レベルについて所定のタイミングでサンプリングされ、そのサンプリング値と基準レベルとが比較手段において比較される構成では、サンプリング値が音量レベルのピーク値であるとは限らない。したがって、音量レベルのピーク値は基準レベルを超えているにもかかわらず、サンプリング値が基準レベルを超えていないために、レベル超過検出回路により音割れ発生を検出することができない、という事態が生じるおそれがある。
これに対して、特徴A4によれば、ピーク保持手段において音信号の音量レベルのピーク値がホールド値とされるため、比較手段により音信号のピーク値と基準レベルとを比較することができる。したがって、音信号のピーク値が基準レベルより大きいにもかかわらずレベル超過検出回路にて音割れ発生を検出することができないということを回避できる。
特徴A5.前記ピーク保持手段は、
前記増幅手段から入力された前記音信号により充電されるホールドコンデンサ(ホールドコンデンサ191)と、前記ホールドコンデンサから前記増幅手段側に向けて電流が逆流することを規制する整流素子(ダイオード192)とを有し、前記ホールドコンデンサの充電電圧を前記ピーク値として保持するものであることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
特徴A5によれば、ホールドコンデンサの充電電圧が音信号のピーク値として保持される構成において、ホールドコンデンサから増幅手段に向けての放電が整流素子により規制されるため、ホールドコンデンサの充電電圧が自然放電によって低下するということを抑制できる。これにより、ピーク保持手段により保持されるホールド値と、実際の音信号のピーク値との間に誤差が生じることを抑制できる。
特徴A6.前記ピーク保持手段は、
オペアンプ(オペアンプ194)の出力端子と反転入力端子(−入力端子)とが帰還経路(帰還経路195)により接続されることで形成されたバッファ部(バッファ部193)を有しており、
前記ホールドコンデンサは、前記オペアンプの出力端子及び前記帰還経路に接続されており、
前記整流素子は、順方向電圧を有するダイオードであり、前記バッファ部において前記オペアンプの前記出力端子と前記ホールドコンデンサとの間に配置されていることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
ホールドコンデンサから増幅手段に向けての放電がダイオードにより規制されている構成では、音信号によりダイオードに印加される電圧が順方向電圧よりも小さい場合、順方向であってもダイオードに電流が流れない。このため、音信号の音量レベルがダイオードの順方向電圧よりも小さい場合には、音信号によるホールドコンデンサの充電が行われず、ピーク保持手段において音信号のピーク値をホールド値として保持することができない。つまり、レベル超過検出回路により音割れ発生を検出することができない。
これに対して、特徴A6によれば、ダイオードがバッファ部に組み込まれた状態となっている。この場合、オペアンプにおいて反転入力端子と非反転入力端子とが仮想短絡の状態であるため、音信号の音量レベルがダイオードの順方向電圧より小さい場合でも、音信号によりホールドコンデンサが充電され、ピーク保持手段において音信号のピーク値をホールド値として保持することができる。つまり、レベル超過検出回路により音割れ発生を検出することができる。
特徴A7.前記レベル超過検出回路は、
前記ピーク保持手段の前記ホールド値をクリアし、前記ピーク保持手段に前記音信号の新たなピーク値をホールド値として保持させるリセット手段(リセット部183)を有していることを特徴とする特徴A4乃至A6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A7によれば、リセット手段によりピーク保持手段が初期化されるため、ピーク保持手段は、音信号の音量レベルの最大値を所定期間ごとにピーク値として保持することが可能となる。つまり、音信号の都度のピーク値をホールド値としてピーク保持手段から比較手段に対して繰り返し出力させることができる。この場合、音信号の都度のピーク値が比較手段に繰り返し入力されるため、比較手段は音信号の都度のピーク値について基準レベルとの比較を行うことができる。したがって、音割れが継続して発生していることをレベル超過検出回路により検出できる。
これに対して、ピーク保持手段が初期化されない構成では、音量レベルの増減を繰り返す音信号について、例えば1日での音信号の最大値がピーク保持手段により保持されると、その後、音信号の音量レベルが下がっても、比較手段は常に前記最大値と基準レベルとの比較を行うことになってしまい、音割れ検出が継続していることを音割れ検出回路では検出することができない。
特徴A8.前記ピーク保持手段は、
前記増幅手段から入力された前記音信号により充電されるホールドコンデンサ(ホールドコンデンサ191)を有し、前記ホールドコンデンサの充電電圧を前記ピーク値として保持するものであり、
前記リセット手段は、
前記ホールドコンデンサに接続され、前記ピーク保持手段の前記ホールド値をクリアするために前記ホールドコンデンサの放電を行う放電部(放電部211)と、
前記ホールドコンデンサの接続対象を前記比較手段及び前記放電部のうち一方に切り替える切替部(切替スイッチ214)と、
を有しており、
前記切替部は、前記ホールドコンデンサの接続対象を前記放電部としている場合に、前記ホールドコンデンサと前記比較手段とを遮断状態とするものであることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
ホールドコンデンサを放電させることでピーク保持手段のホールド値が消去される構成では、ホールドコンデンサの放電に伴ってピーク保持手段のホールド値が変動(減少)し、ホールド値の変動中においては比較手段による音信号の音量レベルと基準レベルとの比較精度が低下してしまう。
これに対して、特徴A8によれば、放電部によりホールドコンデンサの放電が行われている場合には、切替部によりホールドコンデンサと比較手段とが遮断されているため、比較手段による音信号の音量レベルと基準レベルとの比較が行われない。したがって、ピーク保持手段のリセット中(ホールド値の変動中)にホールドコンデンサの充電電圧と基準レベルとが比較されて比較手段による比較精度が低下するということを回避できる。
特徴A9.前記ピーク保持手段について前記ホールド値のクリア及び保持を、前記リセット手段に所定周期で繰り返し実行させるリセット実行手段(発振回路217)を備えていることを特徴とする特徴A7又はA8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、ピーク保持手段のホールド値を繰り返し更新させるとともに、音信号の都度のピーク値を比較手段に繰り返し入力させる構成を、リセット実行手段により実現することができる。
なお、前記増幅手段の動作制御を行う音制御手段を備え、前記レベル超過検出回路は、前記音信号の音量レベルが前記基準レベルよりも大きいことを検出した場合に、その旨を示す超過信号を前記制御装置に対して出力するものであり、前記音制御手段による前記超過信号の受信が行われた後に、前記リセット実行手段による前記ホールド値のクリアが前記受信に対して連続して行われる構成とすることが好ましい。
この構成によれば、レベル超過検出回路により音割れ発生が検出された場合、超過信号が音制御手段に入力されてからピーク保持手段のホールド値がクリアされるため、レベル超過検出回路から超過信号が出力されているにもかかわらず、超過信号が音制御手段に入力される前にホールド値がクリアされて超過信号の出力も停止されてしまう、という不都合を回避できる。
特徴A10.前記増幅手段の動作制御を行う音制御手段(音光制御装置72のサブMPU142)を備え、
前記レベル超過検出回路は、前記音信号の音量レベルが前記基準レベルよりも大きいことを検出した場合に、その旨を示す超過信号(音割れ信号)を前記制御手段に対して出力するものであり、
前記音制御手段は、前記レベル超過検出回路から前記超過信号が出力された場合に前記音信号の音量レベルを小さくするための処理を行う音量レベル低減手段(音光制御装置72のサブMPU142におけるステップS1404,S1408の処理を実行する機能)を有していることを特徴とする特徴A1乃至A9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A10によれば、音出力手段からの出力音に音割れが発生したタイミングに対して、音信号の音量レベルを小さくするタイミングが遅れることを抑制できる。これにより、音割れを解消するために出力音量を速やかに小さくすることができる。
特徴A11.前記音量レベル低減手段は、
前記レベル超過検出回路から前記超過信号が出力された場合に前記増幅手段での前記音信号の増幅率を小さくする増幅率制限手段(音光制御装置72のサブMPU142におけるステップS1508,S1710の処理を実行する機能)を有していることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
特徴A11によれば、音量を小さくすることは増幅率制限手段により行われるため、ホール管理者や遊技者等が、音出力手段での音割れを解消するために音量スイッチを操作するなどの作業を行う必要がなく、出力音量を速やかに小さくすることで音割れ解消を可能とする構成を好適に実現できる。
特徴A12.前記音量レベル低減手段は、前記レベル超過検出回路から前記超過信号が出力されなくなるまで、前記増幅率制限手段により前記増幅率を複数段階で小さくすることが可能であることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
音出力手段が接続された音出力経路の分岐経路にレベル超過検出回路が接続されている構成では、レベル超過検出回路により音出力手段での音割れ発生が検出された時、既に音出力手段からの出力音量は音割れが生じるほど大きくなっている可能性が高い。この場合、増幅手段における増幅率の1回の下げ幅が過剰に大きくされていると、音出力手段での音割れを速やかに解消することはできるが、音出力手段からの出力音量が大幅に小さくなって遊技者に違和感を与えることが懸念される。
これに対して、特徴A12によれば、音出力手段からの出力音に音割れが生じている場合に、増幅手段にて増幅率が複数段階で小さくされるため、音割れ発生に伴って増幅手段での増幅率が過剰に小さくされるということを抑制できる。これにより、音出力手段からの出力音量の下げ幅が大き過ぎて遊技者に違和感を与えるということを抑制できる。
特徴A13.前記音量レベル低減手段は、
前記増幅率制限手段により前記増幅率を複数段階で小さくする場合、前記増幅率制限手段が前記増幅率を小さくした後、次に前記増幅率を小さくするまでの間に、所定の待機期間(音割れ継続判定期間)を確保する待機手段(音光制御装置72のサブMPU142におけるステップS1507の処理を実行する機能)を有していることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
特徴A13によれば、増幅手段にて増幅率が複数段階で小さくされる場合に、それら段階の間に待機期間が確保されるため、増幅率がまとめて複数段階小さくされるのではなく、増幅率をある程度の時間をかけて徐々に小さくすることができる。したがって、出力音量が小さくされることで遊技者に与えてしまう違和感を和らげることができる。
特徴A14.前記音量レベル低減手段は、前記レベル超過検出回路から前記超過信号が出力された場合に、該超過信号が継続して出力されている継続期間を計測する計測手段(音光制御装置72のサブMPU142におけるステップS1506の処理を実行する機能)を有しており、
前記待機手段は、前記計測手段により計測された前記継続期間が前記待機期間に達したか否かを判定するものであり、
前記増幅率制限手段は、前記待機手段により前記継続期間が前記待機期間に達したと判定された場合に、前記増幅率を下げるものであることを特徴とする特徴A13に記載の遊技機。
特徴A14によれば、音出力手段からの出力音にて音割れが継続して発生している場合に、音量を小さくして音割れを解消することができる。したがって、音信号にノイズが一瞬だけ発生した時に音量制限がなされてしまうということを抑制できる。しかも、増幅手段の増幅率が段階的に徐々に小さくされる構成において、待機期間を利用して音割れの継続期間を計測することができる。この場合、音割れの継続期間を計測するタイミングと待機期間とが時系列で順番に並べられる構成とは異なり、音割れの計測タイミングと待機期間とが時系列で同時に確保されるため、待機期間を連続して確保することや、増幅率を段階的に下げた際に音割れ計測を連続して行うことが可能となる。
特徴A15.前記音量レベル低減手段は、
前記レベル超過検出回路から前記超過信号が出力されているか否かを判定する超過判定手段(音光制御装置72のサブMPU142におけるステップS1503,S1703の処理を実行する機能)を有し、前記増幅率制限手段により前記増幅率が1段階小さくされた後に、前記超過信号の出力判定を前記超過判定手段に行わせるものであることを特徴とする特徴A12乃至A14のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A15によれば、増幅手段での増幅率が複数段階で小さくされる構成において、増幅率が1段階小さくされるたびに、音信号について音量レベルが基準レベルを超えているか否かの超過判定(音割れ判定)が行われるため、音信号の音量レベルが基準レベルを超えていないにもかかわらず増幅率がさらに小さくされるということを抑制できる。したがって、増幅率を過剰に小さくしないための構成を実現することができる。
<特徴B群>
下記特徴B群の発明は、以下の課題に対して効果的である。
パチンコ機等の遊技機には音出力手段としてのスピーカが設けられており、スピーカが遊技状態に応じて多様な演出音を出力することで、遊技への注目度を高めることができる。また、スピーカからの出力音が報知音とされることで、遊技機の状態を報知することや不正発生を報知することが可能となる。
スピーカは、アンプから音信号が入力されることで音を出力するものであり、アンプにて音信号の増幅率が設定されることで、スピーカから出力される音量が定められる。アンプの増幅率が可変設定される遊技機においては、アンプの増幅率に応じてスピーカからの出力音量を変更することが可能となっている。例えば、音量スイッチが設けられている遊技機においては、音量スイッチが操作されることでアンプの増幅率が変更され、それによって、スピーカからの出力音量が変更される(例えば特許文献1:特開2005−261808号公報参照)。
しかしながら、スピーカに入力される音信号の音量レベルがスピーカの許容入力レベルよりも大きい場合、音信号の波形が歪むことなどによりスピーカからの出力音に音割れが生じたように聞こえることがある。この場合、遊技性や利便性を高めるはずの出力音が遊技者に不快感を与えることになってしまう。
これに対して、アンプの増幅率が小さくなるように音量スイッチが操作されると、スピーカに入力される音信号の全ての部分について音量レベルが小さくなり、スピーカにて発生している音割れを解消することが可能となる。
ここで、スピーカから出力される音に音量で抑揚がつけられている場合、他の部分に比べて音が大きい大音量部分が出力音に含まれていることで、演出効果や報知効果が高められている。
ところが、出力音の大音量部分では音量レベルがスピーカの許容入力レベルを超えやすく、音割れが発生しやすい。その一方で、非大音量部分では、音量レベルがスピーカの許容入力レベルを超えにくく、音割れが発生しにくい。したがって、音量スイッチにより音信号の全ての部分について音量レベルが小さくされると、大音量部分が出力されている期間では音割れを解消することはできるが、非大音量部分が出力されている期間では、音割れは発生しないものの音量がさらに小さくなって聞こえにくくなるという問題が生じてしまう。
そこで、出力音において大音量部分と非大音量部分との音量レベルの差異が小さくされていれば、大音量部分にて音割れが発生すること、及び非大音量部分での音量が過剰に小さくなることの両方を解消することが可能となる。しかしながら、大音量部分と非大音量部分との音量レベルの差異を小さくしたのでは、演出音などに抑揚をつけることができなくなってしまい、演出効果が低減するおそれがある。
また、大音量部分の音量レベルに対してスピーカの許容入力レベルが適度に大きい場合は、大音量部分と非大音量部分との音量レベルの差異が比較的大きくても、大音量部分での音割れ発生、及び非大音量部分での過剰な小音量化を抑制することができる。したがって、遊技機を設計する設計者等が、演出音や報知音などを出力するための音データを、大音量部分の音量レベルがスピーカの許容入力レベルに適した大きさとなるように作成することが好ましい。
しかし、設計者等が作成した音データと、スピーカの許容入力レベルとが適合しているとは限らない。例えば、スピーカの製造メーカや種類が決定する前に音データを作成しなければならない場合や、設計変更によりスピーカの製造メーカや種類が変更された場合などは、大音量部分の音レベルがスピーカの許容入力レベルよりも大きくなってしまうことがあり、やはり、大音量部分にて音割れが発生したり非大音量部分が過剰に小さな音量になったりするという問題が生じてしまう。このため、設計者等は、出力音の音量レベルを多数の種類のスピーカのいずれにも適合させるために、抑揚のない演出音などを出力する音データを作成せざるを得ず、音データの作成自由度が低下してしまう。
特徴B1.遊技機本体(内枠13)と、
前記遊技機本体に対し、遊技機前方に回動可能に設けられた遊技機前面体(前扉枠14)と、
音データを記憶する記憶手段(音光制御装置72の共通用ROM147)と、
前記記憶手段に記憶された前記音データにより生成された音信号を増幅する増幅手段(アンプ171)と、
前記増幅手段により増幅された前記音信号が入力されることで、該音信号の音量レベルに応じた音量で音を出力するための音出力手段(上側スピーカ91,下側スピーカ101)と、
を備え、
前記記憶手段は前記遊技機本体に設けられ、前記音出力手段は前記遊技機前面体に設けられている遊技機であって、
前記増幅手段により増幅された前記音信号が入力され、該音信号の音量レベルが所定の基準レベルを超えたことを検出するレベル超過検出回路(音割れ検出回路175)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1では、音データを記憶する記憶手段が遊技機本体に設けられ、音出力手段が遊技機前面体に設けられているため、遊技機本体と遊技機前面体とが別々に製作されることなどに起因して、音信号を生成するための音データが音出力手段に適合していないことがある。この場合、抑揚のある演出音等が音出力手段から出力されると、大音量部分での音割れ発生や非大音量部分での過剰な小音量化が懸念される。
これに対して、レベル超過検出回路により、音出力手段に入力される音信号の音量レベルが基準レベルを超えたことが検出されるため、基準レベルを音出力手段の許容入力レベルとすれば、音信号の音量レベルが音出力手段の許容入力レベルを超えたことを、音割れ発生として検出できる。この場合、音割れが発生したタイミングに合わせて増幅手段での音信号の増幅率を小さくすることで、抑揚のある演出音等が音出力手段から出力されても、音割れが発生している大音量部分については音量を小さくして音割れを解消することが可能となり、音割れが発生していない非大音量部分については音量が過剰に小さくなることを回避可能となる。したがって、設計者等が作成した音データについて、その音量レベルが音出力手段の許容入力レベルに適合していなくても、音出力手段から音を好適に出力させることができる。
以上により、音データの作成自由度が低下することを抑制でき、しかも、音出力手段での音割れ発生により遊技者に不快感を与えてしまうということを好適に抑制できる。
特徴B2.前記レベル超過検出回路は、前記遊技機本体及び前記遊技機前面体のうち前記遊技機本体に設けられていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、レベル超過検出回路が遊技機本体に設けられているため、遊技機の機種変更に伴って新規の遊技機本体が設置される場合に遊技機前面体などと共に音出力手段が既設の遊技機から流用されていたとしても、レベル超過検出回路を遊技機に対して新規に設置することができる。
特徴B3.前記増幅手段は、前記遊技機本体及び前記遊技機前面体のうち前記遊技機本体に設けられていることを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
特徴B3のように、増幅手段と音出力手段とが適合していない場合、増幅手段の増幅率が音出力手段の許容入力レベルに対して大き過ぎたり小さ過ぎたりすることで、音データと音出力手段とが適合していない場合と同様に、大音量部分にて音割れが発生することや非大音量部分にて音量が過剰に小さくなることが懸念される。
この場合でも、レベル超過検出回路により音割れ発生が検出されるため、音割れ発生が検出されたタイミングに合わせて増幅手段での音信号の増幅率を小さくすることが可能である。つまり、大音量部分での音割れ発生や非大音量部分での過剰な小音量化を抑制できる。
特徴B4.前記増幅手段の動作制御を行う音制御手段(音光制御装置72のサブMPU142)を備え、
前記レベル超過検出回路は、前記音信号の音量レベルが前記基準レベルよりも大きいことを検出した場合に、その旨を示す超過信号(音割れ信号)を前記音制御手段に対して出力するものであり、
前記音制御手段は、
前記レベル超過検出回路から前記超過信号が出力された場合に前記増幅手段での前記音信号の増幅率を小さくする増幅率制限手段(音光制御装置72のサブMPU142におけるステップS1508,S1710の処理を実行する機能)と、
前記増幅率制限手段による前記増幅率の制限が行われている場合に、あらかじめ定められた所定のタイミングに合わせて、前記増幅率制限手段による前記増幅率の制限を解除する制限解除手段(音光制御装置72のサブMPU142におけるステップS1603,S1905,S1907,S1912の処理を実行する機能)と、
を有していることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B4によれば、増幅率制限が所定のタイミングで解除されるため、大音量部分については増幅率を制限することで音割れを解消でき、非大音量部分については増幅率の制限を解除することで音量の過剰な低減を回避できる。この場合、非大音量部分が聞こえにくくなるということを抑え、出力音の抑揚により発揮される演出効果等の効果が低下することを抑制できる。
特徴B5.前記音制御手段は、前記音出力手段からの出力音が、異常が発生したことを報知するための報知音(不正発生音及び案内音を含む報知音)であるか否かを判定する報知音判定手段(音光制御装置72のサブMPU142におけるステップS1401の処理を実行する機能)を有しており、
前記増幅率制限手段は、前記報知音判定手段により前記出力音が前記報知音であると判定された場合に、該報知音の増幅率を小さくする報知音制限手段(音光制御装置72のサブMPU142におけるステップS1508の処理を実行する機能)を有しており、
前記制限解除手段は、前記報知音の出力が終了される場合にその終了タイミングに合わせて前記増幅率の制限を解除する報知音解除手段(音光制御装置72のサブMPU142におけるステップS1603の処理を実行する機能)を有していることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、報知音を対象として増幅率が制限されている場合、報知音出力の終了タイミングに合わせて報知音の増幅率制限が解除されるため、音割れの原因となっていた報知音の出力が終了したにもかかわらず演出音等を対象として増幅率の制限が継続して行われるということを回避できる。したがって、音出力手段からの出力音のうち報知音が音割れしている場合に、その音割れを解消できるとともに、報知音ではない演出音等の音量が過剰に小さくなるという不都合を回避できる。
特徴B6.前記音制御手段は、前記音出力手段からの出力音が、遊技演出を行うための演出音であるか否かを判定する演出音判定手段(音光制御装置72のサブMPU142におけるステップS1405の処理を実行する機能)を有しており、
前記増幅率制限手段は、前記演出音判定手段により前記出力音が前記演出音であると判定された場合に、該演出音の増幅率を小さくする演出音制限手段(音光制御装置72のサブMPU142におけるステップS1710の処理を実行する機能)を異有しており、
前記制限解除手段は、前記演出音の出力を伴う遊技回が終了される場合にその終了タイミングに合わせて前記増幅率の制限を解除する遊技回解除手段(音光制御装置72のサブMPU142におけるステップS1907の処理を実行する機能)を有していることを特徴とする特徴B4又はB5に記載の遊技機。
特徴B6によれば、演出音を対象として増幅率が制限されている場合、都度の遊技回の終了タイミングに合わせて演出音の増幅率制限が解除されるため、現在の遊技回の演出音の出力が終了したにもかかわらず、次の遊技回の演出音や報知音等を対象として増幅率の制限が継続して行われるということを回避できる。したがって、音出力手段からの出力音のうち演出音が音割れしている場合に、その音割れを解消できるとともに、次の遊技回の演出音や報知音等が過剰に小さくなるという不都合を回避できる。
なお、1回の遊技回は、表示部において絵柄の変動表示を開始してから、遊技者に特典を付与するか否かの付与判定の結果に対応した停止結果を表示することで前記絵柄の変動表示が終了されるまでのことである。
特徴B7.前記レベル超過検出回路は、前記基準レベルを可変設定することが可能な可変設定手段(第2抵抗R2)を有していることを特徴とする特徴B1乃至B6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B7によれば、基準レベルを音出力手段の許容入力レベルに合わせて変更することが可能であるため、音出力手段の製造メーカや種類に関係なく、その音出力手段の許容入力レベルと基準レベルとが適合していないということを回避できる。したがって、音出力手段の実際の許容入力レベルに合わせて基準レベルを設定することにより、レベル超過検出回路の検出精度を高めることができる。
特徴B8.前記レベル超過検出回路は、前記増幅手段から入力された前記音信号の音量レベルと基準レベルとを比較する比較手段(コンパレータ202)と、電圧値が前記基準レベルとされた基準電圧(基準電圧Va)を生成する電圧生成部(電圧生成部201)とを有し、前記比較手段が前記音信号と前記基準電圧とを比較することで、前記音信号の音量レベルが前記基準レベルを超えたことを検出するものであり、
前記電圧生成部は、前記基準電圧の電圧値を所定値に保持するものであり、
前記可変設定手段は、前記電圧生成部により保持される前記基準電圧の電圧値を可変設定するものであることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
特徴B8によれば、比較手段により音信号の音量レベルと基準レベルとが比較されることで音割れ発生が検出されるレベル超過検出回路において、基準レベルを可変設定することが可能な構成を実現できる。しかも、基準電圧の電圧値が基準レベルとされているため、単に電圧値を変更することで基準レベルを容易に変更することができる。
なお、比較手段はコンパレータとされていることが好ましい。この場合、比較手段がオペアンプとされた場合に比べて、音割れ検出を行う場合の応答性を高めることができる。
特徴B9.前記可変設定手段は、抵抗値を可変とする可変抵抗(第2抵抗R2)を有し、前記可変抵抗の前記抵抗値が変更されることで、前記基準電圧の電圧値を変更するものであることを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
特徴B9によれば、可変抵抗の抵抗値を変更するという容易な作業により基準レベルを変更することができる。
特徴B10.前記比較手段は、前記増幅手段から前記音信号が入力される第1端子(−入力端子)と、前記電圧生成部により生成された前記基準電圧が入力される第2端子(+入力端子)とを有しており、
前記電圧生成部は、
前記基準電圧の電圧値を前記所定値に保持するシャントレギュレータ(シャントレギュレータ203)と、
直列に接続された第1抵抗(第1抵抗R1)及び第2抵抗(第2抵抗R2)と、
を有しており、
前記シャントレギュレータは、
前記第1抵抗と前記第2抵抗との間に接続されたリファレンスと、
前記第1抵抗における前記第2抵抗とは反対側に接続され、且つ前記比較手段の前記第2端子に接続されているカソードと、
を有しており、
前記第1抵抗及び前記第2抵抗の少なくとも一方が前記可変抵抗とされていることを特徴とする特徴B9に記載の遊技機。
特徴B10によれば、可変抵抗体の抵抗値を変更することで基準レベルを変更できる構成を実現できる。しかも、電圧生成部がシャントレギュレータを含んで構成されているため、基準電圧を所定値に保持する保持精度を高めることができる。したがって、基準レベルが変動してレベル超過検出回路の検出精度が低下するということを抑制できる。
特徴B11.前記第1抵抗が、抵抗値を可変としない固定抵抗であり、
前記第2抵抗が、前記可変抵抗であることを特徴とする特徴B10に記載の遊技機。
シャントレギュレータのリファレンスが第1抵抗と第2抵抗との間に接続され、カソードが第1抵抗と接続されている構成では、リファレンスを流れるリファレンス電流が第1抵抗に流れることで、第1抵抗にて電力損失が生じることになる。
これに対して、特徴B11によれば、第1抵抗が固定抵抗とされているため、第1抵抗の抵抗値が大きくされてリファレンス電流により第1抵抗での電力損失が大きくなるということを回避できる。したがって、第1抵抗R1での電力損失を抑制しつつ、基準レベルを変更可能な構成を実現できる。
特徴B12.前記可変設定手段は、前記遊技機本体の背面側に設けられた可変操作部(操作つまみ112)を有し、該可変操作部が操作されることで前記基準レベルを変更するものであることを特徴とする特徴B7乃至B11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B12によれば、基準レベルを変更可能な可変操作部が設けられているため、仮に、記憶手段に記憶された音データが音出力手段の許容入力レベルに適合していなくても、許容入力レベルに合わせて基準レベルを容易に可変設定することができる。つまり、基準レベルを、レベル超過検出回路により音出力手段での音割れを検出できる値に容易に設定できる。しかも、可変操作部は遊技機本体の背面側に設けられているため、遊技者が可変操作部を操作することは困難であり、ホール管理者が可変操作部の状態(基準レベル)を好適に管理することができる。
特徴B13.前記遊技機本体を開閉可能に支持する外枠(外枠11)を備え、
前記音出力手段は、前記遊技機前面体に加えて前記外枠に設けられていることを特徴とする特徴B1乃至B12のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技機本体が外枠により支持されている構成においては、遊技機本体と外枠とが別々に製作されることなどに起因して、音データが、遊技機本体の音出力手段に加えて、外枠の音出力手段に合わせた内容となっていないことが懸念される。
これに対して、特徴B13によれば、レベル超過検出回路により、遊技機本体の音出力手段に加えて、外枠の音出力手段での音割れ発生を検出することができる。この場合、遊技機本体の音出力手段と同様に、外枠の音出力手段について、出力音のうち音割れが発生している部分の音量を小さくして音割れを解消することが可能となり、音割れが発生していない部分の音量が過剰に小さくされることを回避可能となる。
<特徴C群>
下記特徴C群の発明は、以下の課題に対して効果的である。
パチンコ機等の遊技機には音出力手段としてのスピーカが設けられており、スピーカが遊技状態に応じて多様な演出音を出力することで、遊技への注目度を高めることができる。また、スピーカからの出力音が報知音とされることで、遊技機の状態を報知することや不正発生を報知することが可能となる。
スピーカは、アンプから音信号が入力されることで音を出力するものであり、アンプにて音信号の増幅率が設定されることで、スピーカから出力される音量が定められる。アンプの増幅率が可変設定される遊技機においては、アンプの増幅率に応じてスピーカからの出力音量を変更することが可能となっている。例えば、音量スイッチが設けられている遊技機においては、音量スイッチが操作されることでアンプの増幅率が変更され、それによって、スピーカからの出力音量が変更される(例えば特許文献1:特開2005−261808号公報参照)。
しかしながら、スピーカに入力される音信号の音量レベルがスピーカの許容入力レベルよりも大きい場合、音信号の波形が歪むことなどによりスピーカからの出力音に音割れが生じたように聞こえることがある。この場合、遊技性や利便性を高めるはずの出力音が遊技者に不快感を与えることになってしまう。
これに対して、アンプの増幅率が小さくなるように音量スイッチが操作されると、スピーカに入力される音信号の音量レベルが小さくなり、スピーカにて発生している音割れを解消することが可能となる。
ここで、複数のスピーカが設けられている遊技機においては、スピーカごとに異なる音信号が入力されることや、公差によって許容入力レベルがスピーカごとに異なることなどにより、全てのスピーカから音が出力されていても、一部のスピーカにだけ音割れが発生している場合があると考えられる。
この場合、音量スイッチを操作することで全てのスピーカの出力音量をまとめて小さくすれば、一部のスピーカにて発生している音割れを解消することができる。ところが、これでは、音割れしていないスピーカについても出力音量が小さくなってしまい、音割れを解消できる一方で、各スピーカからの演出音や報知音による演出効果や報知効果が低下するおそれがある。そこで、全てのスピーカに対して個別に音量スイッチを設けることも考えられるが、ホール管理者等にとって、複数のスピーカのうち音割れが発生しているスピーカを判別し、そのスピーカについて音割れが解消される程度に音量を小さくするという作業は、困難性が高くなってしまう。
特徴C1.音信号を増幅する増幅手段(アンプ171)と、
前記増幅手段により増幅された前記音信号が入力されることで、該音信号の音量レベルに応じた音量で音を出力するための複数の音出力手段(上側スピーカ91、下側スピーカ101)と、
前記増幅手段により増幅された前記音信号が入力され、該音信号の音量レベルが所定の基準レベルを超えたことを検出するレベル超過検出回路(音割れ検出回路175)と、
を備え、
前記レベル超過検出回路は、各音出力手段のそれぞれについて設けられ、対応する前記音出力手段に入力される前記音信号を対象として、前記音量レベルが前記基準レベルよりも大きいことを検出するものであることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、レベル超過検出回路により、音出力手段に入力される音信号の音量レベルが基準レベルを超えたことが検出されるため、基準レベルを音出力手段の許容入力レベルとすれば、音信号の音量レベルが音出力手段の許容入力レベルを超えたことを、音割れ発生として検出できる。この場合、音割れが発生したタイミングに合わせて増幅手段での音信号の増幅率を小さくし、それによって、音出力手段での音割れ発生を好適に解消することが可能となる。したがって、音出力手段での音割れ発生により遊技者に不快感を与えてしまうということを抑制できる。
しかも、各音出力手段のそれぞれについて各レベル超過検出回路により個別に音割れ発生が検出されるため、音割れが発生している音出力手段については音量を小さくして音割れを解消し、音割れが発生していない音出力手段については音量を小さくせずにそのまま保持するということが可能となる。したがって、複数の音出力手段のうち一部の音出力手段にて音割れが発生している場合に、音割れを解消することができ、しかも、全ての音出力手段の出力音が小さくされて演出効果や報知効果が低下するということを回避できる。
以上により、音出力手段が複数設けられている遊技機において、それら音出力手段にて音割れが発生した場合にその音割れを好適に解消することが可能であり、しかも、音割れ解消に伴って演出効果や報知効果が低下するということを抑制できる。
特徴C2.前記増幅手段の動作制御を行う音制御手段(音光制御装置72のサブMPU142)を備え、
前記各レベル超過検出回路は、対応する前記音出力手段に入力される前記音信号の音量レベルが前記基準レベルよりも大きいことを検出した場合に、その旨を示す超過信号(音割れ信号)を前記音制御手段に対してそれぞれ出力するものであり、
前記音制御手段は、
前記各レベル超過検出回路のうち少なくとも1つから前記超過信号が出力された場合に、該レベル超過検出回路に対応する前記音出力手段について、前記音信号の音量レベルを小さくするための処理を行う音量レベル低減手段(音光制御装置72のサブMPU142におけるステップS1404,S1408の処理を実行する機能)を有していることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、複数の音出力手段のうち一部の音出力手段にて発生した音割れを解消する場合に、音割れが発生したタイミングに対して、音信号の音量レベルを小さくするタイミングが遅れることを抑制できる。これにより、一部の音出力手段を対象として、音割れを解消するために出力音を速やかに小さくすることができる。
特徴C3.前記音量レベル低減手段は、
前記各レベル超過検出回路のうち少なくとも1つから前記超過信号が出力された場合に、前記超過信号の出力元を特定することで、前記複数の音出力手段のいずれを音量レベル低減対象とするのかを特定する音割れ特定手段(音光制御装置72のサブMPU142におけるステップS1704の処理を実行する機能)と、
前記音割れ特定手段により特定された前記音出力手段に入力される前記音信号を対象として、前記増幅手段での増幅率を小さくする増幅率制限手段(音光制御装置72のサブMPU142におけるステップS1710の処理を実行する機能)と、
を有していることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、複数の音出力手段のうち一部の音出力手段にて発生した音割れを解消する場合に、音量制限が増幅率制限手段により実施されるため、ホール管理者や遊技者等が、音割れを解消するために音量スイッチを操作するなどの作業を行う必要がなく、音割れを解消するために出力音を速やかに小さくする構成を好適に実現できる。
特徴C4.前記音量レベル低減手段は、
前記増幅率制限手段により小さくされた前記増幅率の下げ幅(演出音制限カウンタSの値)が、所定の判定値(2のM倍)よりも大きいか否かを判定する下げ幅判定手段(音光制御装置72のサブMPU142におけるステップS1804の処理を実行する機能)と、
前記下げ幅判定手段により前記音信号の増幅率の下げ幅が前記判定値よりも大きいと判定された場合に、前記音割れ特定手段により特定されていない前記音出力手段に入力される前記音信号を対象として、前記増幅手段での増幅率を小さくするサブ制限手段(音光制御装置72のサブMPU142におけるステップS1803,S1806,S1807の処理を実行する機能)を有していることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
複数の音出力手段のうち一部の音出力手段にて音割れが発生している場合、音割れが発生している音出力手段だけを対象として出力音量を小さくすることで音割れを解消することはできるが、音量の下げ幅がある程度大きくなると、音割れが発生している音出力手段と音割れが発生していない音割れ手段とで出力音量の差が大きくなり、各音出力手段のそれぞれからの出力音について音量のバランスが崩れることが懸念される。
これに対して、特徴C4によれば、音割れが発生している音出力手段からの出力音だけでなく、音割れが発生していない音出力手段からの出力音についても音量が適宜小さくされるため、音割れが発生している音出力手段と音割れが発生していない音出力手段とで、音量の差が過剰に大きくならない。したがって、音割れが発生している音出力手段と音割れが発生していない音出力手段とで、音量のバランスが崩れることを抑制できる。
特徴C5.前記サブ制限手段により前記増幅率が小さくされる割合は、前記増幅率制限手段により前記増幅率が小さくされる割合に比べて小さいことを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
特徴C5によれば、音割れが発生していない音出力手段についての出力音量の下げ幅が、音割れが発生している音出力手段についての出力音量の下げ幅に比べて小さくされているため、全ての音出力手段からの出力音量が同じ下げ幅で小さくされる場合とは異なり、演出効果等が低下することを抑制しつつ、音割れを解消することができる。
特徴C6.前記音量レベル低減手段は、前記レベル超過検出回路から前記超過信号が出力されなくなるまで、前記増幅率制限手段により前記増幅率を複数段階で小さくすることが可能であり、
前記サブ制限手段により前記増幅率が小さくされる段階数は、前記増幅率制限手段により前記増幅率が小さくされる段階数に比べて小さいことを特徴とする特徴C4又はC5に記載の遊技機。
特徴C6によれば、音割れが生じている音出力手段について、増幅手段にて増幅率が複数段階で小さくされるため、音割れ発生に伴って増幅手段での増幅率が過剰に小さくされるということを抑制できる。これにより、音出力手段からの出力音量の下げ幅が大き過ぎて遊技者に違和感を与えるということを抑制できる。
しかも、音割れが発生していない音出力手段についての音量を小さくする段階数が、音割れが発生している音出力手段についての音量を小さくする段階数に比べて少なくされているため、全ての音出力手段からの出力音量が同じ段階数で小さくされる場合とは異なり、演出効果や報知効果が低下するということを抑制できる。
特徴C7.前記サブ制限手段は、前記音割れ特定手段により特定されていない前記音出力手段が複数ある場合に、それら音出力手段に入力される各音信号の前記増幅率を小さくする割合を個別に設定するものであることを特徴とする特徴C4乃至C6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C7によれば、音割れが発生している音出力手段と音割れが発生していない音出力手段とについて出力音量のバランスをとることができる構成において、音割れが発生していない音出力手段が複数ある場合、音割れが発生していない各音出力手段について出力音量の下げ幅が個別に設定されるため、音割れが発生していない音出力手段同士について出力音量のバランスをとることができる。これにより、音出力手段での音割れ発生を解消した上で、全ての音出力手段からの出力音について音量の調和を図ることができる。
特徴C8.前記複数の音出力手段には、前記遊技機の上部に設けられた上側音出力手段(上側スピーカ91)と、前記遊技機の下部に設けられた下側音出力手段(下側スピーカ101)とが含まれており、
前記サブ制限手段は、前記音割れ特定手段により特定されていない前記音出力手段が複数あり、それら音出力手段に前記上側音出力手段及び前記下側音出力手段の両方が含まれている場合に、該上側音出力手段に入力される前記音信号の増幅率を小さくする割合と、該下側音出力手段に入力される前記音信号の増幅率を小さくする割合とを相違させて設定するものであることを特徴とする特徴C7に記載の遊技機。
上側音出力手段からの出力音と下側音出力手段からの出力音とでは、それら音出力手段と遊技者の頭部との離間距離が異なることなどに起因して、遊技者にとっての聞こえ方が異なる場合があると考えられる。
そこで、特徴C8によれば、音割れが発生している音出力手段と音割れが発生していない音出力手段とについて出力音量のバランスをとることができる構成において、音割れが発生していない音出力手段に上側音出力手段及び下側音出力手段の両方が含まれている場合に、上側音出力手段と下側音出力手段とで出力音量の下げ幅に差異を生じさせている。これにより、音割れが発生していない各音出力手段からの出力音について、遊技者にとっての出力音の聞こえ方に違和感が生じることを抑制できる。
特徴C9.前記複数の音出力手段には、少なくとも高音を出力させるための音信号が入力される高音出力手段(上側スピーカ91)と、少なくとも低音を出力させるための音信号が入力される低音出力手段(下側スピーカ101)とが含まれており、
前記サブ制限手段は、前記音割れ特定手段により特定されていない前記音出力手段が複数あり、それら音出力手段に前記高音出力手段及び前記低音出力手段の両方が含まれている場合に、該高音出力手段に入力される前記音信号の増幅率を小さくする割合と、該低音出力手段に入力される前記音信号の増幅率を小さくする割合とを相違させて設定するものであることを特徴とする特徴C7又はC8に記載の遊技機。
高音出力手段からの出力音と低音出力手段からの出力音とでは、高音と低音とでは周波数帯が異なることなどに起因して、遊技者にとっての聞こえ方が異なる場合があると考えられる。
そこで、特徴C9によれば、音割れが発生している音出力手段と音割れが発生していない音出力手段とについて出力音量のバランスをとることができる構成において、音割れが発生していない音出力手段に高音出力手段及び低音出力手段の両方が含まれている場合に、高音出力手段と低音出力手段とで出力音量の下げ幅に差異を生じさせている。これにより、音割れが発生していない高音と低音とについて、遊技者にとっての聞こえ方に違和感が生じることを抑制できる。
特徴C10.前記複数の音出力手段には、一組の音出力手段が含まれており、
前記サブ制限手段は、前記音割れ特定手段により特定されていない前記音出力手段が複数あり、それら音出力手段に前記一組の音出力手段が両方とも含まれている場合に、該一組の音出力手段に入力される各音信号の増幅率を小さくする割合を同じに設定するものであることを特徴とする特徴C4乃至C9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C10によれば、出力音の高さ(周波数帯)が同じことや、設置高さが同じことなどに起因して、複数の音出力手段からの出力音であっても遊技者にとっての聞こえ方が同じ場合があると考えられる。
そこで、特徴C10によれば、音割れが発生している音出力手段と音割れが発生していない音出力手段とについて出力音量のバランスを取ることができる構成において、音割れが発生していない音出力手段が複数ある場合でも、それら音出力手段に一組の音出力手段が含まれている場合には、その一組の音出力手段については出力音量の下げ幅を同一にしている。これにより、音割れが発生していない一組の音出力手段について、出力音量の下げ幅を相違させることが却って遊技者にとっての出力音の聞こえ方に違和感を生じさせるということを抑制できる。
特徴C11.前記各レベル超過検出回路は、それぞれの前記基準レベルを個別に可変設定することが可能な可変設定手段(第2抵抗R2)を有していることを特徴とする特徴C1乃至C10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C11によれば、各レベル超過検出回路のそれぞれについて、基準レベルを音出力手段の許容入力レベルに合わせて設定することが可能であるため、各音出力手段の製造メーカや種類に関係なく、それら音出力手段での音割れ発生をレベル超過検出回路により個別に検出することができる。したがって、音出力手段ごとに性能が異なる場合や、各音出力手段の許容入力レベルに公差が含まれている場合などにおいて、音出力手段ごとに実際の許容入力レベルに合わせて基準レベルを設定することにより、各レベル超過検出回路のそれぞれについて検出精度を高めることができる。
<特徴D群>
下記特徴D群の発明は、以下の課題に対して効果的である。
パチンコ機等の遊技機には音出力手段としてのスピーカが設けられており、スピーカが遊技状態に応じて多様な演出音を出力することで、遊技への注目度を高めることができる。また、スピーカからの出力音が報知音とされることで、遊技機の状態を報知することや不正発生を報知することが可能となる。
スピーカは、アンプから音信号が入力されることで音を出力するものであり、アンプにて音信号の増幅率が設定されることで、スピーカから出力される音量が定められる。アンプの増幅率が可変設定される遊技機においては、アンプの増幅率に応じてスピーカからの出力音量を変更することが可能となっている。例えば、音量スイッチが設けられている遊技機においては、音量スイッチが操作されることでアンプの増幅率が変更され、それによって、スピーカからの出力音量が変更される(例えば特許文献1:特開2005−261808号公報参照)。
しかしながら、スピーカに入力される音信号の音量レベルがスピーカの許容入力レベルよりも大きい場合、音信号の波形が歪むことなどによりスピーカからの出力音に音割れが生じたように聞こえることがある。この場合、遊技性や利便性を高めるはずの出力音が遊技者に不快感を与えることになってしまう。
これに対して、アンプの増幅率が小さくなるように音量スイッチが操作されると、スピーカに入力される音信号の音量レベルが小さくなり、スピーカにて発生している音割れを解消することが可能となる。
ところが、ホール管理者や遊技者などが音量スイッチを操作する場合、その操作態様が都度の音割れに適した態様になっているとは限らない。例えば、音量スイッチが遊技機の背面側に配置されている構成では、遊技ホールの営業時間外(例えば開店前、閉店後、定休日等)に、ホール管理者が音割れが発生しない程度にアンプの増幅率が小さくなるように音量スイッチを操作しておくことが想定されるが、これでは、実際に音割れが発生したタイミングに合わせて音割れを解消することにはならない。また、音量スイッチが遊技機の前面側に配置されている構成では、遊技者が遊技中に音量スイッチを操作することが可能となるが、音割れが発生するたびに音量スイッチを操作するのでは音量スイッチの操作頻度が高くなり、遊技者にとって現実的ではない。
特徴D1.音信号を増幅する増幅手段(アンプ171)と、
前記増幅手段により増幅された前記音信号が入力されることで、該音信号の音量レベルに応じた音量で音を出力するための音出力手段(上側スピーカ91,下側スピーカ101)と、
前記増幅手段により増幅された前記音信号が入力され、該音信号の音量レベルが所定の基準レベルを超えたことを検出するレベル超過検出回路(音割れ検出回路175)と、
前記増幅手段の動作制御を行う音制御手段(音光制御装置72のサブMPU142)と、
を備え、
前記レベル超過検出回路は、前記音信号の音量レベルが前記基準レベルよりも大きいことを検出した場合に、その旨を示す超過信号(音割れ信号)を前記音制御手段に対して出力するものであり、
前記音制御手段は、遊技機が特定状態にある状況において、前記レベル超過検出回路から前記超過信号が出力された場合に、前記音信号の音量レベルを小さくするための音量レベル低減処理を行う音量レベル低減手段(音光制御装置72のサブMPU142におけるステップS1404,S1408の処理を実行する機能)を有していることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、レベル超過検出回路により、音出力手段に入力される音信号の音量レベルが基準レベルを超えたことが検出されるため、基準レベルを音出力手段の許容入力レベルとすれば、音信号の音量レベルが音出力手段の許容入力レベルを超えたことを、音割れ発生として検出できる。このため、遊技機が特定状態にある場合に、音割れが発生したタイミングに合わせて音量レベル低減処理が行われることで、音出力手段での音割れ発生を好適に解消することが可能となる。したがって、出力音の音割れを解消するか否かを、遊技状態や出力音の種別などに合わせて使い分けることが可能となる。
しかも、音割れを解消する際には、レベル超過検出回路は音割れ発生を検出した場合に超過信号を出力するため、音出力手段からの出力音に音割れが発生したタイミングに対して、音信号の音量レベルを小さくするタイミングが遅れることを抑制できる。したがって、音割れを解消するために出力音量を速やかに小さくすることができる。
以上により、音出力手段での音割れ発生により遊技者に不快感を与えてしまうことを好適に抑制できる。
特徴D2.操作されることで複数の状態に切り替え可能な操作手段(音量スイッチ111)を備え、
前記音量レベル低減手段は、
前記レベル超過検出回路から前記超過信号が出力された場合に、前記操作手段の状態に応じて前記増幅手段での前記音信号の増幅率を小さくする増幅率制限手段(音光制御装置72のサブMPU142におけるステップS1508,S1710の処理を実行する機能)を有していることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、レベル超過検出回路により音割れ発生が検出された場合に、増幅率制限手段により出力音量が小さくされるため、ホール管理者や遊技者等が音割れ発生のタイミングで音量スイッチなどを操作する必要がなく、出力音量を速やかに小さくすることで音割れ解消を可能とする構成を好適に実現できる。
ここで、音出力手段からの出力音にて音割れが発生した場合に音量を小さくする構成では、音割れを解消することはできても、音量が小さくされることで出力音による演出効果や報知効果が低下するおそれがある。
これに対して、本構成によれば、音出力手段からの出力音量は操作手段の状態に応じて小さくされるため、操作手段を操作することで、音割れが生じていてもその音割れを解消しないモードに切り替えることができる。したがって、出力音に生じた音割れの解消と、出力音量の維持とのいずれを優先させるのかを選択することができ、しかも、その選択を操作手段の操作という容易な作業により行うことができる。
特徴D3.前記操作手段は、第1状態(ポジションが目盛りFに合わせられた状態)と、該第1状態とは異なる第2状態(ポジションが目盛り1〜5のいずれかに合わせられた状態)とに切り替え可能であり、
前記増幅率制限手段は、前記操作手段が前記第1状態にある場合に前記増幅率を小さくし、前記操作手段が前記第2状態にある場合に前記増幅率を小さくしないものであることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、操作手段をあらかじめ第1状態に設定しておくことで、音割れが生じている場合にその音割れを解消するモードとすることができ、操作手段をあらかじめ第2状態に設定しておくことで、音割れが生じていてもその音割れを解消しないモードとすることができる。したがって、操作手段を第1状態又は第2状態に切り替えておくという容易な作業により、音割れの解消と出力音量の維持とのいずれを優先させるのかを選択することができる。
特徴D4.前記増幅率制限手段は、前記音出力手段から出力される音が遊技演出を行うための演出音であることを条件として、前記操作手段が前記第1状態にある場合に前記増幅率を小さくし、前記操作手段が前記第2状態にある場合に前記増幅率を小さくしないものであることを特徴とする特徴D3に記載の遊技機。
特徴D4によれば、遊技機において遊技性を高めることに対する演出音の貢献度などに応じて、音割れの解消と音量の維持とのいずれを優先させるのかを操作手段により適宜選択することができる。
特徴D5.前記音量レベル低減手段は、前記レベル超過検出回路から前記超過信号が出力されているか否かを判定する超過判定手段(音光制御装置72のサブMPU142におけるステップS1703の処理を実行する機能)を有し、
前記超過判定手段は、前記音出力手段から出力される音が前記演出音であることを条件として、前記操作手段が前記第1状態にある場合に前記超過信号の出力判定を行い、前記操作手段が前記第2状態にある場合に前記超過信号の出力判定を行わないものであることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
特徴D5によれば、音出力手段から演出音が出力されている状態で、操作手段が第2状態になっている場合は、演出音に音割れが生じていてもその音割れを解消する処理が行われない。このため、音割れが発生しているか否かの判定を行わなくても支障がないことを条件として、音制御手段での処理負荷を低減することができる。
特徴D6.前記増幅率制限手段は、前記操作手段が前記第1状態にある場合でも、前記音出力手段から出力される音の種類に応じて前記増幅率を小さくしないことが可能であることを特徴とする特徴D3乃至D5のいずれか1つに記載の遊技機。
例えば演出音について大音量の保持よりも音割れの解消を優先することを目的として、操作手段が第1状態に設定されている場合、出力音にて音割れが発生していれば、演出音だけでなく例えば報知音についても音割れ解消のために音量が小さくされ、報知音の報知効果が低下するおそれがある。つまり、音出力手段から出力されている音の種類によっては、音割れ解消を目的として音量が小さくされることで、その音特有の効果が低下するおそれがある。
これに対して、特徴D6によれば、操作手段が音割れ解消を出力音量の維持より優先する状態(第1状態)になっている場合でも、出力音の種類によっては、音割れを解消することよりも、その音が有する効果を保ったり高めたりすることが強制的に優先される。このため、異なる種類の出力音がそれぞれ備える特有の効果が低下することを抑制できる。
特徴D7.前記増幅率制限手段は、前記音出力手段から出力される音が不正発生を報知するための不正発生音であることを条件として、前記操作手段が前記第1状態にある場合でも前記増幅率を小さくしないものであることを特徴とする特徴D6に記載の遊技機。
特徴D7によれば、音出力手段からの出力音が不正発生音である場合は、その不正発生音の不正防止効果が低下しないようにするために、出力音量の維持が音割れ解消よりも強制的に優先される。これにより、操作手段の状態に関係なく不正発生音に不正防止効果を好適に発揮させることができる。
なお、前記音制御手段は、前記音出力手段に入力される前記音信号が、前記音出力手段から不正発生音を出力させるための信号であるか否かを判定する手段を備え、前記増幅率制限手段は、前記音信号が前記不正発生音を出力させるための信号であると判定されたことを条件として、前記操作手段が前記第1状態にある場合でも前記増幅率を小さくしないものであることが好ましい。
特徴D8.前記音量レベル低減手段は、前記レベル超過検出回路から前記超過信号が出力されているか否かを判定する超過判定手段(音光制御装置72のサブMPU142におけるステップS1703の処理を実行する機能)を有し、
前記超過判定手段は、前記音出力手段から出力される音が前記不正発生音である場合、前記超過信号の出力判定を行わないものであることを特徴とする特徴D7に記載の遊技機。
特徴D8によれば、音出力手段から不正発生音が出力されている場合に、操作手段の状態に関係なく、不正発生音に音割れが生じていてもその音割れを解消する処理が行われない。このため、音割れが発生しているか否かの判定を行わなくても支障がないことを条件として、音制御手段での処理負荷を低減することができる。
特徴D9.前記増幅率制限手段は、前記操作手段が前記第2状態にある場合でも、前記音出力手段から出力される音の種類に応じて前記増幅率を小さくすることが可能であることを特徴とする特徴D3乃至D8のいずれか1つに記載の遊技機。
例えば演出音について音割れの解消よりも演出効果の向上を優先することを目的として、操作手段が第2状態に設定されている場合、出力音にて音割れが発生していても、演出音だけでなく例えば音声メッセージについても出力音量が小さくされず、音割れが生じている音声メッセージでは遊技者が聞き取りにくくなってしまう。つまり、音割れ解消よりも出力音量の維持を優先することで、音出力手段から出力されている音の種類によっては、その音特有の効果が却って低下するおそれがある。
これに対して、特徴D9によれば、操作手段が出力音量の維持を音割れ解消より優先する状態(第2状態)になっている場合でも、出力音の種類によっては、出力音量を維持することよりも、音割れを解消することでその音が有する効果を保ったり高めたりすることが強制的に優先される。このため、異なる種類の出力音がそれぞれ有する特有の効果が低下することを抑制できる。
特徴D10.前記増幅率制限手段は、前記音出力手段から出力される音が遊技者に遊技機の状態を案内するための案内音であることを条件として、前記操作手段が前記第2状態にある場合でも前記増幅率を小さくするものであることを特徴とする特徴D9に記載の遊技機。
特徴D10によれば、音出力手段からの出力音が案内音である場合は、その案内音の案内効果が低下しないようにするために、音割れ解消が出力音量の維持よりも強制的に優先される。これにより、例えば案内音が音声メッセージである場合に、音声メッセージが音割れしていてその内容を聞き取ることができないという事態になることを回避できる。つまり、操作手段の状態に関係なく案内音に案内効果を好適に発揮させることができる。
なお、前記音制御手段は、前記音出力手段に入力される前記音信号が、前記音出力手段から前記案内音を出力させるための信号であるか否かを判定する手段を備え、前記増幅率制限手段は、前記音信号が前記案内音を出力させるための信号であると判定されたことを条件として、前記操作手段が前記第2状態にある場合でも前記増幅率を小さくするものであることが好ましい。
特徴D11.前記操作手段は、前記第1状態とは異なる、前記第2状態を含んだ複数の状態に切り替え可能であり、
前記音制御手段は、
前記操作手段が前記第1状態にない場合に、前記操作手段の状態に応じて前記増幅手段での前記音信号の増幅率を設定する第1増幅率設定手段(音光制御装置72のサブMPU142におけるステップS1407の処理を実行する機能)を有していることを特徴とする特徴D3乃至D10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D11によれば、操作手段を操作することで、音割れ解消と出力音量の維持とのいずれを優先させるのかを選択することができるとともに、音出力手段からの出力音量の変更を行うことができる。また、音割れ解消と出力音量の維持との選択をするためのスイッチと、音量調整を行うためのスイッチとがまとめて操作手段として設けられていることになるため、それらスイッチが別々に設けられている構成に比べて、遊技機を構成するための部材数を低減することができる。
特徴D12.前記音制御手段は、
前記操作手段が前記第1状態にあり、且つ前記レベル超過検出回路から前記超過信号が出力されていない場合に、前記増幅手段での前記音信号の増幅率をあらかじめ定められた所定値(アンプ171の最大値)に設定する第2増幅率設定手段(音光制御装置72のサブMPU142におけるステップS1502,1702の処理を実行する機能)を有していることを特徴とする特徴D3乃至D11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D12によれば、操作手段が、出力音量の維持よりも音割れの解消が優先される状態(第1状態)にある場合、音出力手段からの出力音量があらかじめ定められた所定の音量とされる。この場合、操作手段を第1状態に設定する作業を行うことが、出力音量を設定する作業を行うことにもなるため、音量調整に要する作業を容易化できる。
特徴D13.遊技機前面部を構成し遊技機前方に回動可能に設けられた遊技機前面体(前扉枠14)と、
前記遊技機前面体の後側に設けられた遊技機本体(内枠13)と、
を備え、
前記操作手段は前記遊技機本体の背面側に設けられていることを特徴とする特徴D2乃至D12のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D13によれば、遊技者が操作手段を操作することが困難になっているため、ホール管理者が操作手段の状態を好適に管理することができる。
特徴D14.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、遊技者に特典を付与するか否かの付与判定を行うとともに、その付与判定の結果に基づいて、遊技者に特典が付与されるようにする主制御手段(主制御装置71)を備え、
前記音制御手段は、前記主制御手段から出力された情報に基づいて所定の報知処理を行う副制御手段であり、
前記操作手段は、前記主制御手段及び前記音制御手段のうち前記音制御手段に接続されており、当該操作手段の状態を示す信号を前記音制御手段に対して出力するものであることを特徴とする特徴D2乃至D13のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D14によれば、操作手段の状態を示す信号がその操作手段から音制御手段に対して出力されるため、仮に操作手段に代えて不正基板が音制御手段に接続されたとしても、その不正基板により主制御手段が制御されて特典が不正に付与されるということを回避できる。これにより、操作手段が設けられた遊技機に対して、不正対策を好適に付与することができる。
特徴D15.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、遊技者に特典を付与するか否かの付与判定を行うとともに、その付与判定の結果に基づいて、遊技者に特典が付与されるようにする主制御手段(主制御装置71)を備え、
前記音制御手段は、前記主制御手段から出力された情報に基づいて所定の報知処理を行う副制御手段(音光制御装置72)であり、
前記レベル超過検出回路は、前記主制御手段及び前記音制御手段のうち前記音制御手段に接続されていることを特徴とする請求項D1乃至D14のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D15によれば、音割れ発生を示す超過信号がレベル超過検出回路から音制御手段に対して出力されるため、仮にレベル超過検出回路に代えて不正基板が音制御手段に接続されたとしても、その不正基板により主制御手段が制御されて特典が不正に付与されるということを回避できる。これにより、レベル超過検出回路が設けられた遊技機に対して、不正対策を好適に付与することができる。
<特徴E群>
下記特徴E群の発明は、以下の課題に対して効果的である。
パチンコ機等の遊技機に音出力手段としてのスピーカが設けられている場合、遊技状態に応じて多様な演出音がスピーカから出力されることで、遊技への注目度を高めることができる。また、報知音がスピーカから出力されることで、遊技機の状態を報知することや不正発生を報知することができる。
スピーカは、アンプから音信号が入力されることで音を出力するものであり、アンプにて音信号の増幅率が設定されることで、スピーカから出力される音量が定められる。アンプの増幅率が可変設定される遊技機においては、アンプの増幅率に応じてスピーカからの出力音量を変更することが可能となっている。例えば、音量スイッチが設けられている遊技機においては、音量スイッチが操作されることでアンプの増幅率が変更され、それによって、スピーカからの出力音量が変更される(例えば特許文献1:特開2005−261808号公報参照)。
しかしながら、スピーカに入力される音信号の音量レベルがスピーカの許容入力レベルよりも大きい場合、音信号の波形が歪むことなどによりスピーカからの出力音に音割れが生じたように聞こえることがある。この場合、遊技性や利便性を高めるはずの出力音が遊技者に不快感を与えることになってしまう。
これに対して、アンプの増幅率が小さくなるように音量スイッチが操作されると、スピーカに入力される音信号の音量レベルが小さくなり、スピーカにて発生している音割れを解消することが可能となる。
ところが、ホール管理者や遊技者などが音量スイッチを操作する場合、その操作態様が都度の音割れに適した態様になっているとは限らない。例えば、音量スイッチが遊技機の背面側に配置されている構成では、遊技ホールの営業時間外(例えば開店前、閉店後、定休日等)に、ホール管理者が音割れが発生しない程度にアンプの増幅率が小さくなるように音量スイッチを操作しておくことが想定されるが、これでは、実際に音割れが発生したタイミングに合わせて音割れを解消することにはならない。また、音量スイッチが遊技機の前面側に配置されている構成では、遊技者が遊技中に音量スイッチを操作することが可能となるが、音割れが発生するたびに音量スイッチを操作するのでは音量スイッチの操作頻度が高くなり、遊技者にとって現実的ではない。
特徴E1.音信号を増幅する増幅手段(アンプ171)と、
前記増幅手段により増幅された前記音信号が入力されることで、該音信号の音量レベルに応じた音量で音を出力するための音出力手段(上側スピーカ91,下側スピーカ101)と、
前記増幅手段により増幅された前記音信号が入力され、該音信号の音量レベルが所定の基準レベルを超えたことを検出するレベル超過検出回路(音割れ検出回路175)と、
前記増幅手段の動作制御を行う音制御手段(音光制御装置72のサブMPU142)と、
を備え、
前記レベル超過検出回路は、前記音信号の音量レベルが前記基準レベルよりも大きいことを検出した場合に、その旨を示す超過信号(音割れ信号)を前記音制御手段に対して出力するものであり、
前記音制御手段は、
前記音出力手段から出力される音が、遊技機が特定状態にある状況において所定の遊技演出を行うための演出音である場合に、前記レベル超過検出回路から前記超過信号が出力されたか否かを判定する超過判定手段(音光制御装置72のサブMPU142におけるステップS1703の処理を実行する機能)を有していることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、レベル超過検出回路により、音出力手段に入力される音信号の音量レベルが基準レベルを超えたことが検出されるため、基準レベルを音出力手段の許容入力レベルとすれば、音信号の音量レベルが音出力手段の許容入力レベルを超えたことを、音割れ発生として検出できる。
しかも、音出力手段から出力される演出音を対象として、音割れが生じているか否かの判定が行われるため、演出音に音割れが発生したと判定された場合に、都度の遊技状況に適したタイミングで増幅手段での音信号の増幅率を小さくすることが可能となり、ひいては、音割れ発生を好適に解消することが可能となる。さらに、演出音に音割れが発生している場合に、その音割れを解消するか否かを遊技状態などに合わせて使い分けることが可能となる。これにより、音割れの解消が行われる場合と行われない場合とで、遊技性の多様化を図ることが可能となる。
以上により、音出力手段から出力される演出音に生じた音割れを好適に解消することができ、さらに、音割れを利用して演出効果を高めることが可能となる。
特徴E2.前記音制御手段は、
前記超過判定手段により前記超過信号の出力が判定された場合に、あらかじめ定められた所定のタイミングに合わせて、前記増幅手段での前記音信号の増幅率を小さくする増幅率制限手段(音光制御装置72のサブMPU142におけるステップS1710の処理を実行する機能)を有していることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E2によれば、演出音に音割れが生じている場合、所定のタイミングで演出音の音量が小さくされるため、演出音の内容や遊技状況に適したタイミングまで音割れを継続させ、その後、音割れを解消させることが可能となる。この場合、音割れを解消することで却って遊技者に違和感を与えてしまうということを抑制できる。その一方で、演出音の音割れを解消するタイミングが、音割れの開始に対して常に一定のタイミングではなく異なるタイミングとされることで、遊技中における大当たりへの期待度を高めることが可能となる。
特徴E3.前記音制御手段は、
前記音出力手段から出力される演出音により特定演出(音割れ演出)を行うか否かを判定する特定演出判定手段(音光制御装置72のサブMPU142におけるステップS1709の処理を実行する機能)と、
前記超過判定手段により前記超過信号の出力が判定された場合、前記特定演出判定手段により前記特定演出を行うと判定されたことを条件として、前記増幅率制限手段により前記増幅率を小さくする前に、所定の保持期間(演出用音割れ期間La)だけ前記増幅率を小さくせずに保持する増幅率保持手段(音光制御装置72のサブMPU142におけるステップS1718の処理を実行する機能)を有していることを特徴とする特徴E2に記載の遊技機。
特徴E3によれば、演出音に生じた音割れにより特定演出を行う場合には、演出音にて音割れが発生してもすぐにその音割れを解消するのではなく、音割れをある程度(保持期間だけ)継続させることで、特定演出を行わない場合との差別化を図ることができる。この場合、音割れが継続することにより、音割れが継続しない場合に比べて大当たり等への期待度を高めることができる。つまり、本来であれば遊技者に不快感を与えるであろう音割れという事象を演出効果を高めるために利用することができる。
ここで、音割れは音信号の波形に歪みが生じることで発生すると考えられるため、1つの音データから形成された演出音であっても音割れが発生している場合と発生していない場合とでは、音出力手段から出力された音の波形が異なることになる。つまり、1つの音データを用いて音色の異なる複数種類の演出音を出力していることになる。この場合、記憶手段に記憶されている音データを増やさなくても、音出力手段から出力される演出音の種類が増加することになるため、記憶手段の容量を大きくしなくても演出音の多様化を図ることができ、ひいては、演出音による演出効果を高めることができる。
特徴E4.前記音制御手段は、
前記増幅率制限手段により前記増幅率が制限されている状態で、前記特定演出判定手段により前記特定演出を行わないと判定された場合に、当該増幅率が制限されている状態を非演出用制限期間(通常演出期間)だけ継続させた後に、前記増幅率制限手段による前記増幅率の制限を解除する非演出用解除手段(音光制御装置72のサブMPU142におけるステップS1912の処理を実行する機能)と、
前記増幅率制限手段により前記増幅率が制限されている状態で、前記特定演出判定手段により前記特定演出を行うと判定された場合に、当該増幅率が制限されている状態を前記非演出用制限期間よりも短い演出用制限期間(演出用制限期間Lb)だけ継続させた後に、前記増幅率制限手段による前記増幅率の制限を解除する演出用解除手段(音光制御装置72のサブMPU142におけるステップS1905の処理を実行する機能)と、
を有していることを特徴とする特徴E3に記載の遊技機。
特徴E4によれば、音割れによる特定演出が行われない場合は、音量制限の継続期間が比較的長くされているため、音量制限を解除したタイミングで再び音割れが発生するということを抑制できる。この場合、音量制限の実行と解除との繰り返しが生じにくいため、演出音での音割れ発生を好適に抑制することができる。
一方、音割れによる特定演出が行われる場合は、音量制限の継続期間が比較的短くされているため、音量制限を解除することで再び音割れが発生しやすい状況にすることができる。この場合、音量制限の実行と解除との繰り返しが生じやすいため、その繰り返しが意図的であることを遊技者が察知しやすくなる。つまり、音割れによる特定演出が行われていることを遊技者が認識しやすい構成を実現できる。
特徴E5.前記特定演出が遊技回中に行われる場合、前記増幅率保持手段が前記増幅率を小さくせずに保持する前記保持期間と、前記演出用解除手段が前記増幅率の制限されている状態を継続させる前記演出用制限期間との合計が、1回の遊技回に要する所要期間の1/2よりも小さくされていることを特徴とする特徴E4に記載の遊技機。
特徴E5によれば、1回の遊技回において音量制限の実行と解除との繰り返しを複数回生じさせることが可能となるため、音割れによる特定演出が行われていることを遊技者がさらに認識しやすくなる。
なお、絵柄表示装置による絵柄の変動表示が開始されてから該変動表示の停止結果が表示されるまでを1回の遊技回としている。
特徴E6.前記演出用解除手段及び前記非演出用解除手段は、前記特定演出が遊技回中に行われており、且つ前記増幅率制限手段により前記増幅率が制限されている場合、当該遊技回が終了するタイミングで前記増幅率制限手段による前記増幅率の制限を解除するものであることを特徴とする特徴E4又はE5に記載の遊技機。
特徴E6によれば、遊技回が終了した後に音割れを使用した特定演出が継続して行われることを回避できる。この場合、遊技回が行われている場合と行われていない場合との演出音が特定演出により差別化することができる。このため、特定演出により遊技回中の期待度を好適に高めることができる。
特徴E7.複数種の絵柄の変動表示を行う絵柄表示装置(図柄表示装置41)と、
前記複数種の絵柄の変動開始条件が成立した場合に、前記複数種の絵柄の変動表示を開始させ、あらかじめ設定された変動態様に従って変動表示させた後に停止結果を表示するように前記絵柄表示装置を表示制御する表示制御手段(表示制御装置128)と、
を備え、
前記増幅率保持手段は、前記超過判定手段により前記超過信号の出力が判定され、且つ前記特定演出判定手段により前記特定演出を行うと判定された場合に、前記絵柄表示装置にて前記変動表示が行われていることを条件として、前記保持期間だけ前記増幅率を小さくせずに保持するものであることを特徴とする特徴E3乃至E6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴E7によれば、絵柄の変動表示が行われている最中に演出音に音割れが生じた状況で、音割れが速やかに解消される場合と、音割れがすぐには解消されずある程度継続してから解消される場合とで、音割れの発生態様を差別化することができる。特に、変動表示が行われている最中は、遊技者にとっては変動表示の停止結果に対して期待するタイミングであり、音割れを利用した特定演出により遊技者の期待度をさらに高めることができる。
特徴E8.前記絵柄表示装置に表示される変動表示の態様には、遊技者に特典を付与すると定められた絵柄の組み合わせが成立する可能性のある各絵柄のうち最終停止絵柄を除く他の絵柄を、前記変動表示を開始した後に停止表示させている状況下にて該最終停止絵柄を変動表示させるリーチ変動表示が含まれており、
前記増幅率保持手段は、前記超過判定手段により前記超過信号の出力が判定され、且つ前記特定演出判定手段により前記特定演出を行うと判定された場合に、前記絵柄表示装置にて前記リーチ変動表示が行われていることを条件として、前記保持期間だけ前記増幅率を小さくせずに保持するものであることを特徴とする特徴E7に記載の遊技機。
リーチ変動表示は他の変動表示に比べて停止結果に対する期待度が高くなっているため、特徴E6のように、リーチ変動表示が行われている場合に音割れを利用した特定演出が行われることは、遊技性を高める上で効果的である。しかも、同じ態様のリーチ変動表示であっても、音割れによる特定演出が行われる場合と行われない場合とで差別化される為、リーチ変動表示が行われている最中の演出効果をさらに高めることができる。
特徴E9.前記リーチ変動表示の態様には、第1リーチ変動表示(ノーマルリーチA,B)と、該第1リーチ変動表示よりも変動表示期間が長い第2リーチ変動表示(スーパーリーチA〜C)とが含まれており、
前記増幅率保持手段は、前記超過判定手段により前記超過信号の出力が判定され、且つ前記特定演出判定手段により前記特定演出を行うと判定された場合に、前記絵柄表示装置にて前記第2リーチ変動表示が行われていることを条件として、前記保持期間だけ前記増幅率を小さくせずに保持するものであることを特徴とする特徴E8に記載の遊技機。
第2リーチ変動表示は第1リーチ変動表示に比べて停止結果に対する期待度が高くなっているため、特徴E9のように、第2リーチ変動表示が行われている場合に音割れを利用した特定演出が行われることは、遊技性を高める上で効果的である。しかも、同じ態様の第2リーチ変動表示であっても、音割れによる特定演出が行われる場合と行われない場合とで差別化されるため、第2リーチ変動表示が行われている最中の演出効果をさらに高めることができる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
10…遊技機としてのパチンコ機、13…遊技機本体としての内枠、14…遊技機前面体としての前扉枠、71…主制御手段としての主制御装置、72…音制御手段を有する音光制御装置、87…記憶手段としての共通用ROM、91…音出力手段及び上側音出力手段としての上側スピーカ、101…音出力手段及び下側音出力手段としての下側スピーカ、111…操作手段としての音量スイッチ、112…可変操作部としての操作つまみ、135…音出力経路としてのスピーカ経路、142…音制御手段及び副制御手段としてのサブMPU、171…増幅手段としてのアンプ、175…レベル超過検出回路としての音割れ検出回路、176…分岐経路、182…ピーク保持手段としてのピークホールド部、183…リセット手段、191…ホールドコンデンサ、192…整流素子としてのダイオード、193…バッファ部、194…オペアンプ、201…電圧生成部、202…比較手段としてのコンパレータ、203…シャントレギュレータ、211…放電部、214…切替スイッチ、217…リセット実行手段としての発振回路、R1…第1抵抗、R2…可変設定手段を構成する可変抵抗としての第2抵抗。

Claims (1)

  1. 遊技機本体と、
    前記遊技機本体に対し、遊技機前方に回動可能に設けられた遊技機前面体と、
    音データを記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記音データにより生成された音信号を増幅する増幅手段と、
    前記増幅手段により増幅された前記音信号が入力されることで、該音信号の音量レベルに応じた音量で音を出力するための音出力手段と、
    を備え、
    前記記憶手段は前記遊技機本体に設けられ、前記音出力手段は前記遊技機前面体に設けられている遊技機であって、
    前記増幅手段により増幅された前記音信号が入力され、該音信号の音量レベルが所定の基準レベルを超えたことを検出するレベル超過検出回路と、
    前記増幅手段の動作制御を行う音制御手段と、
    を備え
    前記レベル超過検出回路は、前記音信号の音量レベルが前記基準レベルよりも大きいことを検出した場合に、その旨を示す超過信号を前記音制御手段に対して出力するものであり、
    前記音制御手段は、
    前記レベル超過検出回路から前記超過信号が出力された場合に前記増幅手段での前記音信号の増幅率を小さくする増幅率制限手段と、
    前記増幅率制限手段による前記増幅率の制限が行われている場合に、あらかじめ定められた所定のタイミングに合わせて、前記増幅率制限手段による前記増幅率の制限を解除する制限解除手段と、
    前記音出力手段からの出力音が、遊技演出を行うための演出音であるか否かを判定する演出音判定手段と、
    を有しており、
    前記増幅率制限手段は、前記演出音判定手段により前記出力音が前記演出音であると判定された場合に、該演出音の増幅率を小さくする演出音制限手段を有しており、
    前記制限解除手段は、前記演出音の出力を伴う遊技回が終了される場合にその終了タイミングに合わせて前記増幅率の制限を解除する遊技回解除手段を有していることを特徴とする遊技機。
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