JP6285882B2 - ヒアルロン酸誘導体および医療用製剤 - Google Patents

ヒアルロン酸誘導体および医療用製剤 Download PDF

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Description

本発明は、組織接着剤、膝関節軟骨損傷治療用等の用途に極めて有用な新規のヒアルロン酸誘導体に関する。
医療用の組織接着剤は、主に外科手術において、創傷部を迅速かつ簡便に貼り合わせるために用いられている。実際に手術で使用される接着剤は主に、シアノアクリレート系、ゼラチン−アルデヒド系、フィブリングルー系に大別される。このうち、シアノアクリレート系やゼラチン−アルデヒド系は生体内に存在しない原料を基にした、合成系の接着剤であり、接着剤の反応時、および分解時にアルデヒド化合物が関与することから、毒性が高く、患部の治癒も遅いといった問題点がある。一方、フィブリングルー系の組織接着剤は、生体親和性が高いものの接着力が低く、また血清成分を使用するため、未知のウィルス感染などの危険性を否定することができない。また、二液系の接着剤が使用されることが多く、接着前の準備に時間がかかることや使用時に目的の場所のみに塗布することが困難であった(例えば、特許文献1〜4、非特許文献1参照。)。
特に、これらの接着剤は一度、接着剤が硬化すると再度接着することはできず、接着剤をさらに塗布する必要があった。
膝関節軟骨損傷治療用のヒアルロン酸においては、これまでヒアルロン酸の生体吸収性を改善するため、ヒアルロン酸を架橋していた。このときの架橋方法には、共有結合からなる化学架橋以外に、静電相互作用によるイオン架橋、ファンデルワールス力、疎水性相互作用による物理架橋を含む。この架橋剤には非生体吸収性物質が使用されていることが多く、より安全性に優れた間接軟骨損傷治療用材料が求められている。さらに、架橋されたヒアルロン酸は非常に粘度が高くなるため、注射器を用いて関節内に打ち込むために粘度を下げる必要があり、低粘度のヒアルロン酸を混合して粘度を低下させている。
特許第5608751号公報 特許第5608751号公報 特許第4500263号公報 特許第4511470号公報
A.I.Neto, et.al, Small, 2014-10,No12,2459-2469
本発明の目的は生体適合性に優れ、かつ安全な、接着性を有するヒアルロン酸誘導体を提供することにある。本発明の別な目的は生体組織との接着性を有し、接着面を一度剥がしても再び接着できる、即ち繰り返して使用可能で、十分な接着性を有するヒアルロン酸誘導体を提供することにある。本発明のさらに別の目的は本発明の上記ヒアルロン酸化合物からなる医療用製剤を提供することにある。
我々は鋭意検討した結果、以下に示すヒアルロン酸誘導体により上記課題を解決することができることを見出し、本発明に到達した。すなわち本発明は、下記一般式(A)で表される構造を有するヒアルロン酸誘導体である。
(上記一般式(A)において、nは2以上の整数であり、Arは炭素数4以上の炭化水素基であり、Zはその一端は隣接するカルボニル基と一体としてアミド基またはエステル基を形成し、他の一端はヒアルロン酸のカルボキシル基またはヒドロキシル基と結合を形成しうる官能基であり、前記の一端の官能基および前記の他の一端の官能基は炭素数2〜450の2価の炭化水素基またはオキシアルキレン基で結合されている。)
更に本発明は、前記一般式(A)において、少なくとも2つのHO基が、官能基Ar上で隣接する炭素原子に結合している前記のヒアルロン酸誘導体である。
更に本発明は、前記一般式(A)で表される構造が、ヒアルロン酸構造が有する全カルボキシル基あたり1〜90モル%導入されている前記のヒアルロン酸誘導体である。
更に本発明は、ヒアルロン酸誘導体の粘度平均分子量が1,000〜15,000,000である前記のヒアルロン酸誘導体である。
本発明のヒアルロン酸誘導体は、高い接着性を活かした組織接着用途に利用できる。特に、生体組織上で体液により膨潤しているとき、接着面を一度剥がしても、接着面を可逆的に接着することができ、且つ接着力を高いレベルで維持することができる。故に本発明のヒアルロン酸誘導体を組織接着剤として用いた生体組織は、繰り返して使用することが可能となる。また、生体組織への接着性能が高いことより、高い滞留性が求められる用途、例えば関節治療、術後組織の癒着防止剤あるいは皮膚の保湿剤、創傷被覆材等にも使用することができる。
また本発明のヒアルロン酸誘導体を膝関節軟骨損傷治療用のヒアルロン酸製剤として用いたとき、架橋構造を形成しゲル化させた製剤に比べ、粘度が低く膝関節に注入しやすい利点がある。また、組織接着性が高いことから、滞留性も向上することが予想できる。そして、生体組織への接着性が向上することや、皮膚表面に保水し、乾燥を防ぐことができることから、化粧品等のスキンケア材料、形成外科領域に於ける皮膚のシワ取り用途や美容整形用途の皮内注、さらに眼科領域に於ける眼科用手術補助剤、点眼薬の効果を持続させるための添加剤等の用途においても、効果が長続きすることが予想できる。
実施例、比較例において行う接着力の評価を行う、ずりせん断破壊試験用のサンプルの平面図である。 実施例、比較例において行う接着力の評価を行う、ずりせん断破壊試験用のサンプルの側面図である。
以下、本発明について詳述する。なお、これらの実施例等および説明は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。本発明の趣旨に合致する限り他の実施の形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。
本発明はヒアルロン酸および、下記一般式(A)で表される構造を含むヒアルロン案誘導体である。
(上記一般式(A)において、nは2以上の整数であり、Arは炭素数4以上の炭化水素基であり、Zはその一端は隣接するカルボニル基と一体としてアミド基またはエステル基を形成し、他の一端はヒアルロン酸のカルボキシル基またはヒドロキシル基と結合を形成しうる官能基であり、前記の一端の官能基および前記の他の一端の官能基は炭素数2〜450の2価の炭化水素基またはオキシアルキレン基で結合されている。)
(ヒアルロン酸と一般式(A)の化学構造)
本発明で使用されているヒアルロン酸は、例えば動物組織から抽出したもの、または発酵法で製造したものどちらでも使用できる。発酵法で使用する菌株はストレプトコッカス属のヒアルロン酸生産能を有する微生物であり、ストレプトコッカス・エクイFM−100(特開昭63−123392号公報)、ストレプトコッカス・エクイFM−300(特開平2−234689号公報)が挙げられる。これらの変異株を用いて培養、精製されたものを用いる。またヒアルロン酸の分子量は、約1×10〜1×10ダルトンのものが好ましい。なお本発明でいうヒアルロン酸は、そのアルカリ金属塩、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウムの塩をも包含する。
一般式(A)において、ヒドロキシル基(OH)nは1つの一般式(A)で表される官能基について、2個以上含まれており、好ましくは2〜10個であり、より好ましくは2〜6個、更により好ましくは2〜4個であり、もっと好ましくはn=2、すなわちヒドロキシル基が2個の場合である。一般式(A)において、ヒドロキシル基がこれらの数値範囲内にあることにより、生体組織との接着力を向上することができる。ヒドロキシル基が1個以下の場合には、生体組織との十分な接着力を発揮することができない。好ましくは少なくとも2つのヒドロキシル基が官能基Ar上で隣接する炭素原子に結合していることが生体組織との接着力を発揮することができる観点から好ましい。
官能基Arは、炭素数4個以上の炭化水素基を表す。Ar基は脂肪族基であっても、脂環族基であってもよい。炭素数が6個以上の場合には、芳香族基が含まれていてもよい。具体的には、脂肪族基、脂環族基としてはn個のヒドロキシル基を有する、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノニルデシル基、エイコシル基、トリアコンチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、シクロドデシル基、シクロトリデシル基、シクロテトラデシル基、シクロペンタデシル基、シクロヘキサデシル基、シクロヘプタデシル基、シクロオクタデシル基、シクロノニルデシル基、シクロエイコシル基、シクロトリアコンチル基を挙げることができる。更に脂環族にあっては、環の数は2個以上であってもよく、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜6個、さらにより好ましくは1〜4個である。また更にこれらの脂肪族基、脂環族基にあっては、1個または2個以上の不飽和結合を含むパルミトレイル基、エライジル基、オレイル基、リノレイル基、エライリノレイル基、リノレニル基、エライドリノレニル基等であってもよい。これらの脂肪族基、脂環族基の官能基の中で好ましくは、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基である。
芳香族基としてはn個のヒドロキシル基を有する、フェニル基、ベンジル基、トリル基、キシリル基、トリメチルフェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナンスレン基、ビフェニル基、アズレニル基、クリセニル基、ピレニル基、コロネル基、ケクレン基、トリフェニル基、トリスフェニル基、テトラフェニル基を挙げることができ、これらの官能基の1又は2以上の水素原子が炭素数1〜8個のアルキル基もしくはシクロアルキル基、またはフェニル基、もしくはナフチル基に置換されていたり、これらの官能基の1又は2以上の不飽和結合部分に更にフェニル基、ナフチル基の炭素−炭素結合部分が結合しているような芳香族基を挙げることができる。これらの芳香族基の官能基の中で好ましくは、炭素数6〜12個の芳香族炭化水素基であることであり、より好ましくはフェニル基、ナフチル基である。これらの構造を組み合わせた炭素数4以上の炭化水素基のうち、好ましくは炭素数4〜32個、さらに好ましくは4〜26個、さらにより好ましくは5〜16個、さらにより好ましくは6〜12個である。
また、上記一般式(A)で表される構造のうち、下記一般式(B)で表される部分の化学構造が、3,4−ジヒドロキシベンゾイル基であることが好ましい。
(上記一般式(B)における、n、Arは一般式(A)に同じである。)
更に一般式(A)における、上記一般式(B)で表される部分の化学構造として更により好ましいのは、2,3-dihydroxybenzoyl基、3,4-dihydroxybenzoyl基、2,3,4-trihydroxybenzoyl基、3,4,5-trihydroxybenzoyl基、または2,3-dihydroxy-5-methyl-benzoyl基である。上述したような2以上のヒドロキシル基を有する各種のベンゾイル基を採用すると、当該官能基部分が酸化反応によりキノン体に変化し、接着力が低下することを抑制することができる。すなわち、例えば長期間保存後であっても接着力が維持発現できる観点から好ましい。
一般式(A)におけるZの部分は、その一端は隣接するカルボニル基と一体としてアミド基またはエステル基を形成し、他の一端はヒアルロン酸のカルボキシル基またはヒドロキシル基と結合を形成しうる官能基であり、前記の一端の官能基および前記の他の一端の官能基は、炭素数2〜450の2価の炭化水素基またはオキシアルキレン基で結合されている2価の官能基である。これらのうち、官能基Zの一端であり、カルボニル基と隣接する側の官能基としては、アミノ基成分またはヒドロキシル基成分(アルコール成分)を挙げることができる。これらのアミノ基成分またはヒドロキシル成分とはアミノ基またはヒドロキシル基の1つの水素がカルボニル基に置換された官能基となることを表している。官能基Zの他の一端は、ヒアルロン酸のカルボキシル基またはヒドロキシル基と結合を形成しうる官能基であり、具体的には、アミノ基成分、ヒドロキシル基成分(アルコール成分)、カルボキシル基成分、イソシアネート基成分を挙げることができる。好ましくは官能基Zが有する2つの末端官能基が、ジアミン成分、アミノアルコール成分、またはジアルコール成分であることである。これらの他の一端を構成する官能基成分もヒアルロン酸に含まれているカルボキシル基やヒドロキシル基と結合し、エステル、アミド、ウレタン、エーテル基を介してヒアルロン酸と化学結合されることを表す。
更に、末端官能基を除くZ基は炭素数2〜450の2価の炭化水素基であることが好ましく、好ましくは炭素数2〜450の2価の脂肪族炭化水素基である。炭化水素基または脂肪族炭化水素基の炭素数は好ましくは2〜200、より好ましくは2〜100、更により好ましくは4〜50である。具体的な官能基としては、より好ましくは、エチレン基、1,2−プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等のブチレン基、ペンタメチレン基。ネオペンチレン基などのペンチレン基、ヘキサメチレン基等のヘキシレン基、ヘプタメチレン基等のへプチレン基、オクタメチレン基等のオクチレン基、デカメチレン基等のデシレン基を挙げることができる。また炭素数2〜450のオキシアルキレン基とは、ジメチレングリコール基、ジエチレングリコール基、トリエチレングリコール基、ジプロピレングリコール基、トリプロピレングリコール基、ジテトラメチレングリコール基、トリテトラメチレングリコール基、ジネオペンチルグリコール基、トリネオペンチレングリコール基、ポリエチレングリコール基、ポリテトラメチレングリコール基等を挙げることができる。これらのオキシアルキレン基のうちポリエチレングリコール基、ポリテトラメチレングリコール基である場合には、そのオキシアルキレン基部分の数平均分子量は60〜10000が好ましく、200〜6000がより好ましく、300〜5000が更により好ましい。
また上記一般式(A)で表される官能基以外に、ヒアルロン酸のカルボン酸に対して、生体組織を構成または含まれている化合物である、アミノ酸のようなモノペプチド成分、またはジペプチド成分がヒアルロン酸のカルボキシル基に導入されていてもよい。そのようなアミノ酸としては、アラニン、セリン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、リジン、ロイシン、イソロイシン、バリン、フェニルアラニン等を挙げることができ、ジペプチドとしてはカルノシン、アンセリン、ホモアンセリン、キョートルフィン、バレニン、アステルパーム、グロリン、バレチン等を挙げることができる。更に生体脂質を形成している化合物の1種であるフォスファチジルエタノールアミンがヒアルロン酸のカルボキシル基、ヒドロキシル基に結合していても良い。
ここでヒアルロン酸に結合し得るフォスファチジルエタノールアミンとしては、動物組織から抽出したもの、または合成して製造したものどちらでも使用できる。フォスファチジルエタノールアミンとしては、例えばジラウロイルフォスファチジルエタノールアミン、ジミリストイルフォスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイルフォスファチジルエタノールアミン、ジステアロイルフォスファチジルエタノールアミン、ジアラキドイルフォスファチジルエタノールアミン、ジベヘノイルフォスファチジルエタノールアミン、ジリグノセロイルフォスファチジルエタノールアミン、ジセロチオイルフォスファチジルエタノールアミン、ジモンタノイルフォスファチジルエタノールアミン、ジラウロオレオイルフォスファチジルエタノールアミン、ジミリストオレオイルフォスファチジルエタノールアミン、シパルミトイルフォスファチジルエタノールアミン、ジオレオイルフォスファチジルエタノールアミン、ジネルボノイルフォスファチジルエタノールアミン、ジキメノイルフォスファチジルエタノールアミン、ジリノレノイルフォスファチジルエタノールアミン、ジヒラゴノイルフォスファチジルエタノールアミン、ジアラキドノイルフォスファチジルエタノールアミン、ジドコサヘキサエノイルフォスファチジルエタノールアミンを挙げることができる。その中でも、溶解性の面からジオレオイルフォスファチジルエタノールアミンが好ましい。
フォスファチジルエタノールアミンは、生体に安全な物質であり、本発明のヒアルロン酸化合物誘導体に導入する官能基としてヒアルロン酸を水素結合あるいは疎水性相互作用を利用した物理架橋等により架橋を促進する。そのため、フォスファチジルエタノールアミノ基を導入した本発明のヒアルロン酸化合物誘導体は、これらの架橋により後述するハイドロゲルや不溶性成型体にも形成することができる。
(ヒアルロン酸誘導体中における一般式(A)の官能基の導入率)
本発明におけるヒアルロン酸における結合性を有する官能基のモル数に対する、一般式(A)で表される官能基群のモル数の比率、即ち官能基の導入率(置換度)は、ヒアルロン酸に構造を構成している全カルボキシル基量に対して1〜90モル%であり、好ましくは5〜80モル%、より好ましくは10〜70モル%、更により好ましくは18〜49モル%である。但し、ヒアルロン酸における官能基とは具体的には6員環に結合しているカルボキシル基に限定されず、カルボキシル基もしくはヒドロキシル基、またはヒアルロン酸末端にのみ存在するヒドロキシル基のうちの1種または2種以上の官能基を表す。すなわち、一般式(A)はヒアルロン酸の末端ヒドロキシル基とエステル、エーテル基などで結合していても、環状6員環に結合しているカルボキシル基と、エステル基、アミド基により結合していてもよい。好ましくは後者であり、側鎖として上記一般式(A)で表されている化学構造式を有する基がヒアルロン酸と結合している場合である。側鎖に導入する上記式(A)の構造や導入率によって、接着性能は変化し、目的に応じた最適な接着性能を持つヒアルロン酸誘導体を設計し、かつ製造することができる。
また上述したアミノ酸のようなモノペプチド成分、またはジペプチド成分がヒアルロン酸構造を構成している全カルボキシル基量に対して1〜80モル%であり、好ましくは5〜70モル%、より好ましくは10〜50モル%、更により好ましくは18〜40モル%である。これらモノペプチド成分の導入によっても、接着性能は変化し、目的に応じた最適な接着性能を持つヒアルロン酸誘導体を得ることができる。但し、アミノ酸はヒアルロン酸のカルボキシル基1当量に対して、5当量以下であり、アミノ酸の結合のみでポリペプチドと呼べるほど十分な鎖長を有するものではない。
(平均分子量)
本発明のヒアルロン酸誘導体の粘度平均分子量は1000〜1500万であり、好ましくは低分子量領域では1100〜10000、高分子量領域では10万〜1000万であり、より好ましくは低分子量領域では2000〜8000、高分子量領域では50万〜1000万であり、更により好ましくは低分子量領域では3000〜7000、高分子量領域では80万〜1000万である。このとき、本発明のヒアルロン酸誘導体としては、共有結合からなる化学架橋や、静電相互作用によるイオン架橋、ファンデルワールス力、疎水性相互作用による物理架橋などの架橋構造を有し、粘度平均分子量が測定できないヒアルロン酸誘導体を含む。
低分子量側は、接着性に加えて皮膚表面から体内に吸収されるような美容用途や保水力を向上させるための添加剤用途で好ましく、高分子量側は接着性に加え、潤滑性が求められる膝関節軟骨損傷治療用などの用途において好ましい。
(粘弾性)
本発明のヒアルロン酸誘導体の好ましい粘弾性としては、温度30℃の条件で、レオメーターとよばれる動的粘弾性測定装置を用い、角速度10rad/secで測定したときの絶対粘度が、0.5〜100Pa・secが好ましく、さらに好ましくは2〜30Pa・secである。この範囲が注入型ゲルとしての取り扱い性の良さと体内での滞留性を同時に満足させられる範囲であるが、使用目的により適宜変更できる。
(一般式(A)で表される官能基部分の製造方法)
上記式(A)で表される化合物は、例えば、プロトカテク酸エチルとエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、2−アミノエタノール、4−アミノエタノール、エチレングリコール、テトラエチレングリコール等から通常用いられている合成方法により製造できる。さらに、上記式(A)で表される構造を側鎖に有するヒアルロン酸誘導体は、ヒアルロン酸ナトリウムと、プロトカテク酸とジアミン等より合成された化合物を適切な溶媒に溶解し、1-ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl) carbodiimide hydrochloride等を用いて反応させ、その後精製を行うことによって、製造できる。
(利用法)
本発明のヒアルロン酸誘導体は使用目的に応じて、種々の形態で提供できる。例えば、純水やリン酸緩衝生理食塩水の溶液の形態でも利用可能である。また、種々の成形体に加工することも可能で、例えばスポンジの如き多孔体、不織布、フィルム、シート等の形状に成形することができる。成形体を製造する方法としては、例えば凍結乾燥法、乾式製膜、湿式製膜、凝固紡糸、スパンボンド法、メルトブロー法、フラッシュ紡糸法などが挙げられる。
本発明のヒアルロン酸誘導体は、高い接着性を活かした組織接着用途に利用できる。特に、生体組織上で体液により膨潤しているとき、接着面を一度剥がしても、接着面を可逆的に接着できる。また、生体組織への接着性能が高いことより、高い滞留性が求められる用途、例えば膝関節軟骨損傷治療用途、関節治療用途、術後組織の癒着防止剤用途あるいは皮膚の保湿剤用途、創傷被覆材用途等の医療用製剤にも使用することができる。
本発明のヒアルロン酸誘導体が、接着面を一度剥がし、再度接着させた場合であっても優れた接着力を維持していることは実に驚くべき現象であり、そのような効果が奏する詳細な理由は不明であるが、水分を含有しているヒアルロン酸自身は元来粘弾性を有しており、そのヒアルロン酸の有するその粘弾性を損なうことなく、接着力を改善する官能基の種類、量を導入したものと思われる。さらに本発明で採用した官能基群により、本発明のヒアルロン酸誘導体は、同じ分子量のヒアルロン酸ナトリウム等と比較して粘度が低いので、注射器により直接患部に投与するという使用方法も可能となる。
以下の実施例により、本発明の詳細をより具体的に説明する。しかし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下の実施例に使用したヒアルロン酸ナトリウムは鶏冠由来、あるいはストレプトコッカス属由来のヒアルロン酸ナトリウムである。鶏冠由来のヒアルロン酸ナトリウムは粘度平均分子量が1,000,000Daのヒアルロン酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)、粘度平均分子量が1,600,000〜2,900,000Daのヒアルロン酸ナトリウム(キユーピー(株)製)等が市販されている。ストレプトコッカス属由来のヒアルロン酸ナトリウムは粘度平均分子量が1,800,000〜2,200,000Daのヒアルロン酸ナトリウム(キッコーマンバイオケミファ(株)製)等が市販されており、これらを購入して用いた。
更に以下に示す実施例、比較例のうち、実施例1〜15、実施例19、比較例1については粘度平均分子量100万Daのヒアルロン酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)を、実施例16では粘度平均分子量が160万〜2290万Daのヒアルロン酸ナトリウム(キユーピー(株)製)を、実施例17〜18では粘度平均分子量が180万〜220万Daのストレプトコッカス属由来のヒアルロン酸ナトリウム(キッコーマンバイオケミファ(株)製)をそれぞれ使用してヒアルロン酸誘導体を合成し、以下の評価を行った。
その他の試薬については、テトラヒドロフラン、プロトカテク酸エチル、エチレンジアミン、テトラエチレンジアミン、グルタミン酸、ヒスチジン、β−アラニル−L−ヒスチジン(L-Carnosine)は和光純薬工業(株)製を、1-ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl) carbodiimide hydrochloride(以下EDCと称する。)は東京化成工業(株)製を使用した。
(ア)化学構造の特定
一般式(A)で表される官能基等を導入したヒアルロン酸誘導体の官能基種類の特定、官能基の導入量(カルボキシル基の置換度)については、H−NMR(Bruker Biospin製 AVANCE III HD 500)測定を行い、その得られたスぺクトルを解析して求めた。具体的には、得られたNMRスペクトルのヒアルロン酸由来のメチルカルボニルアミノ基中のメチル基の水素原子に係る積分値と側鎖のカルボキシル基に導入した官能基のベンゼン環の水素原子に係る積分値より、ヒアルロン酸の側鎖に導入された官能基の定量を行い、側鎖のカルボキシル基に対する置換度を算出した。
(イ)粘度平均分子量
ヒアルロン酸誘導体を0.2mol/L塩化ナトリウム100mLに溶かした水溶液の流下時間が0.2mol/L塩化ナトリウム水溶液の試液の流下時間の2.0〜2.4倍となる量を求め,0.2mol/L塩化ナトリウム水溶液の試液に溶かして正確に100mLとし,試料溶液(1)とした.試料溶液(1)を16mL,12mL及び8mLずつを正確に量り,それぞれに0.2mol/L塩化ナトリウム試液を加えて正確に20mLとし,試料溶液(2),試料溶液(3)及び試料溶液(4)とする.試料溶液(1),試料溶液(2),試料溶液(3)及び試料溶液(4)につき,ウベローデ型粘度計を用いて30℃で試験を行った。
粘度平均分子量は、下記式に基づいて、算出した。
・原料のヒアルロン酸ナトリウムの平均分子量が80万〜120万のとき、以下式を用いて、粘度平均分子量を求めた。なお[η]はヒアルロン酸誘導体の固有粘度を表す。
・原料のヒアルロン酸ナトリウムの平均分子量が150万〜390万のとき、以下式を用いて、粘度平均分子量を求めた。なお[η]はヒアルロン酸誘導体の固有粘度を表す。
(ウ)接着力評価、再接着時の接着力評価
接着性能を評価するために、ブタモモ肉を使ったずりせん断破壊試験を行った。使用したブタモモ肉は20mm×60mm、厚み2mmの大きさにカットし2枚の試験片を切り出した。その2枚の試験片の重なり部分が20mm×20mmとなるようにして(図1、図2参照。)、テンシロン万能試験機を用いて試験を行った。
接着剤として用いるヒアルロン酸誘導体は次の方法でシート状のサンプルにした。まず、ヒアルロン酸誘導体の目付量が2.5mg/cmとなるように、ヒアルロン酸誘導体の水溶液を凍結乾燥し、シート状に加工した。このヒアルロン酸誘導体のシート状サンプルを10mm×20mmの大きさに切り出し、ずりせん断破壊試験用のサンプルとし、ブタモモ肉で挟み試験用サンプルを作成した。
作成した試験用サンプルは冷蔵庫中で12時間保管し、室温に戻した後、ずりせん断破壊試験に用いた。引張試験は50mm/分の一定速度で行い、サンプルのチャック間距離は50mmとした。
また実施例2,9においては、上記方法で一旦接着力を測定したずりせん断破壊試験用サンプルをはがし、接着剤やヒアルロン酸誘導体シート状サンプル、その他の接着剤となるものを新たに付けることなく、2枚の試験片を同じ位置同士が重なり部分となるように再度貼り合わせ、再度接着力を測定評価した。
(エ)絶対粘度
実施例1で得たヒアルロン酸誘導体、および市販のヒアルロン酸ナトリウムを1wt%の濃度でリン酸緩衝生理食塩水に溶解し、粘弾性測定装置(レオメータ)ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン製RFSIIIを用いて角速度10Rad/Sec、温度30℃で絶対粘度を測定した。絶対粘度が低い素材は、注射器を用いてヒアルロン酸誘導体を患部に直接投与すると言った利用法も可能となる。
[実施例1〜6、実施例16〜17]
プロトカテク酸エチル182重量部をエチレンジアミン300重量部に溶解し、窒素雰囲気下で130℃で還流した。二十時間反応させた後、減圧することにより、系中からエチレンジアミンを除去した。得られた生成物はクロロホルムで精製し、N−(2−アミノエチル)−3,4−ジヒドロキシベンズアミド(以下、C2アミンと称する。)186重量部(収率95%)を得た。同様の方法でN−(4−アミノブチル)−3,4−ジヒドロキシベンズアミド(以下、C4アミンと称する。)も合成した。
次に数平均分子量100万のヒアルロン酸ナトリウム300重量部をテトラヒドロフラン/水=1/1(v/v)1200000重量部に溶解し、0.1MのHCl溶液を用いて、pH=5.5に調整した。その後、C2アミン37重量部(ヒアルロン酸のカルボキシル基100等量に対し、25等量)とEDC36重量部を添加し、三時間反応させた。
その後、透析精製を行い、凍結乾燥し目的物を得た。確認はH−NMR(Bruker Biospin製 AVANCE III HD 500)により行い、目的物の生成を確認し、カルボキシル基に導入された置換基の種類と置換度を算出し、また置換基導入後の粘度平均分子量を測定した。
C2アミンの置換度の異なるヒアルロン酸誘導体のサンプルについては、表1に記載した官能基の種類、置換度となるように上記方法と同様にして合成し、H−NMR測定、粘度平均分子量、接着力評価を行った。なお、実施例1で用いたヒアルロン酸ナトリウムと、実施例1で得られたヒアルロン酸誘導体については、上述した方法により絶対粘度の測定を行い、上述のように実施例2については、再接着時の接着力評価も行った。結果を表1、表2、表3に纏めた。
[実施例7〜15、実施例18〜19、比較例1]
粘度平均分子量100万のヒアルロン酸ナトリウム300重量部をテトラヒドロフラン/水=1/1(v/v)1200000重量部に溶解し、0.1MのHCl溶液を用いて、pH=5.5に調整した。その後、C2アミン37重量部(ヒアルロン酸のカルボキシル基100等量に対し、25等量)とEDC144重量部、グルタミン酸28重量部(ヒアルロン酸のカルボキシル基100等量に対し、25等量)を添加し、三時間反応させた。
その後、透析精製を行い、凍結乾燥し目的物を得た。確認はH−NMR(Bruker Biospin製 AVANCE III HD 500)により行い、目的物の生成を確認し、カルボキシル基に導入された置換基の種類と置換度を算出し、また置換基導入後の粘度平均分子量を測定した。
N−(アミノエチル)−3,4−ジヒドロキシベンズアミド(C2アミン)やグルタミン酸の導入量の異なるサンプル、および、ヒスチジン、L−Carnosine等を導入したサンプルについても、上記方法と同様にして合成し、H−NMR測定、粘度平均分子量、接着力評価を行った。上述のように実施例9については、再接着時の接着力評価も行った。なお実施例19においては、上記のグルタミン酸、ヒスチジン、L−Carnosineの代わりに、L−α−ジオレオイルフォスファチジルエタノールアミンを表1に示した置換度となるような量用いてヒアルロン酸誘導体を合成した。結果を表1、表2に纏めた。
[比較例2]
生体用接着剤の比較サンプルとして帝人ファーマで販売しているフィブリングルー系の組織接着剤であるボルヒール(登録商標)をヒアルロン酸誘導体の代わりに用いた。ボルヒールを使用方法説明書通りに使用し、実施例1等と同じ大きさのブタモモ肉の試験片を同様の操作にて接着し、ずりせん断破壊試験を行い、接着力を評価した。結果を表1に纏めた。なお、この比較例2のずりせん断破壊試験用のサンプルは、実施例2,9のような再度接着力評価を試みたところ、接着剤の類を使用することなく、再度貼り合わせることができなかった。結果を表1、表2に纏めた。
[比較例3]
精製ヒアルロン酸ナトリウムの比較サンプルとして、生化学工業株式会社アルツディスポ(登録商標)関節注25mgを精製し、凍結乾燥し、実施例1と同様のシート状のサンプルを作成した。実施例1のC2アミンを導入したヒアルロン酸誘導体のシート状サンプルの代わりに、上記のヒアルロン酸ナトリウムのシート状サンプルを用いて、ずりせん断破壊試験を行い実施例1と同様に接着力を評価した。結果を表1に纏めた。
[参考例1](ブタモモ肉の引張強度試験)
参考例として、20mm×60mm、厚み2mmの大きさにカットしたブタモモ肉試験片1枚のみを用いて、接着力評価と同じ操作にてテンシロン万能試験機を用いて試験を行った。結果を表1に掲載した。
表1〜3に示したように、本発明のヒアルロン酸誘導体は、接着力に優れ、再接着時においてもその接着力を維持することができ、加えて一般式(A)等の官能基の修飾をすることにより衆力前と比べて、絶対粘度を低下させることができる。
本発明のヒアルロン酸誘導体は、高い接着性を活かした組織接着用途に利用できる。特に、生体組織上で体液により膨潤しているとき、接着面を一度剥がしても、接着面を可逆的に接着することができ、且つ接着力を高いレベルで維持することができる。故に繰り返して使用することが可能となる。また、生体組織への接着性能が高いことより、高い滞留性が求められる用途、例えば関節治療、術後組織の癒着防止剤あるいは皮膚の保湿剤、創傷被覆材等にも使用することができ、更に高分子量であっても粘度が低いので、注射器を用いて患部に打ち込むという使用方法も可能となる。このような材料を提供することができることは、医療分野等において産業上の意義は大きい。
1 所定の大きさにカットしたブタモモ肉の試験片の一方
2 所定の大きさにカットしたブタモモ肉の試験片の他方
3 2つの試験片を接着している本発明のヒアルロン酸誘導体等からなるシート状サンプル

Claims (4)

  1. 下記一般式(A)で表される構造を有するヒアルロン酸誘導体であり
    (上記一般式(A)においてZはその一端は隣接するカルボニル基と一体としてアミド基またはエステル基を形成し、他の一端はヒアルロン酸のカルボキシル基またはヒドロキシル基と結合を形成しうる官能基であり、前記の一端の官能基および前記の他の一端の官能基は炭素数2〜の2価の炭化水素基で結合されている。)、かつ、
    前記一般式(A)で表される構造のうち、下記一般式(B)で表される部分の化学構造が、2,3−ジヒドロキシベンゾイル基、3,4−ジヒドロキシベンゾイル基、2,3,4−トリヒドロキシベンゾイル基、3,4,5−トリヒドロキシベンゾイル基、または2,3−ジヒドロキシ−5−メチル−ベンゾイル基である前記ヒアルロン酸誘導体。
  2. 前記一般式(A)で表される構造が、ヒアルロン酸構造が有する全カルボキシル基あたり1〜90モル%導入されている請求項に記載のヒアルロン酸誘導体。
  3. ヒアルロン酸誘導体の粘度平均分子量が1,000〜15,000,000である請求項1または2に記載のヒアルロン酸誘導体。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載のヒアルロン酸誘導体を含む医療用製剤。
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