JP6283523B2 - 水溶性酢酸セルロース系樹脂組成物、水溶性酢酸セルロース複合体成形品及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の他の目的は、溶融状態で紡糸することができ、比較的繊度が低く(細く)着色が少ない、水溶性且つ生分解性を有する酢酸セルロース系繊維を得ることのできる水溶性酢酸セルロース系樹脂組成物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、上記の水溶性酢酸セルロース系樹脂組成物から形成される水溶性酢酸セルロース複合体成形品と、その工業的に効率のよい製造方法を提供することにある。
CDI=(組成分布半値幅の実測値)/(組成分布半値幅の理論値)
組成分布半値幅の実測値:酢酸セルロース(試料)の残存水酸基をすべてプロピオニル化して得られるセルロースアセテートプロピオネートをHPLC分析して求めた組成分布半値幅
DPw:重量平均重合度(酢酸セルロース(試料)の残存水酸基をすべてプロピオニル化して得られるセルロースアセテートプロピオネートを用いてGPC−光散乱法により求めた値)
本発明の水溶性酢酸セルロース複合体成形品の製造方法によれば、水溶性且つ生分解性を有する酢酸セルロース系樹脂成形品、特に、比較的繊度が低く、着色が少ない、水溶性且つ生分解性を有する酢酸セルロース系繊維を工業的に効率よく製造することができる。また、溶融状態を経由して成形できるので、乾式紡糸のように400℃程度の乾燥空気を使う必要がなく、省エネルギー化できる。
(アセチル総置換度)
本発明における酢酸セルロースは、アセチル総置換度(平均置換度)が0.5〜1.0である。アセチル総置換度がこの範囲であると水に対する溶解性に優れ、この範囲を外れると水に対する溶解性が低下する傾向となる。前記アセチル総置換度の好ましい範囲は0.6〜0.95であり、さらに好ましい範囲は0.6〜0.92である。アセチル総置換度は、酢酸セルロースを水に溶解し、酢酸セルロースの置換度を求める公知の滴定法により測定できる。また、該アセチル総置換度は、酢酸セルロースの水酸基をプロピオニル化した上で(後述の方法参照)、重クロロホルムに溶解し、NMRにより測定することもできる。
DS=162.14×AV×0.01/(60.052−42.037×AV×0.01)
DS:アセチル総置換度
AV:酢化度(%)
まず、乾燥した酢酸セルロース(試料)500mgを精秤し、超純水とアセトンとの混合溶媒(容量比4:1)50mlに溶解した後、0.2N−水酸化ナトリウム水溶液50mlを添加し、25℃で2時間ケン化する。次に、0.2N−塩酸50mlを添加し、フェノールフタレインを指示薬として、0.2N−水酸化ナトリウム水溶液(0.2N−水酸化ナトリウム規定液)で、脱離した酢酸量を滴定する。また、同様の方法によりブランク試験(試料を用いない試験)を行う。そして、下記式にしたがってAV(酢化度)(%)を算出する。
AV(%)=(A−B)×F×1.201/試料重量(g)
A:0.2N−水酸化ナトリウム規定液の滴定量(ml)
B:ブランクテストにおける0.2N−水酸化ナトリウム規定液の滴定量(ml)
F:0.2N−水酸化ナトリウム規定液のファクター
本発明において、前記酢酸セルロースの組成分布(分子間置換度分布)は特に限定されず、組成分布指数(CDI)は、例えば1.0〜3.0である。組成分布指数(CDI)は、好ましくは1.0〜2.0、より好ましくは1.0〜1.8、さらに好ましくは1.0〜1.6、特に好ましくは1.0〜1.5である。組成分布指数(CDI)が2.0以下であると、前記酢酸セルロース(A)と水溶性有機添加剤(B)との相溶性が向上するためか、成形品の強度(繊維の場合は糸強度)が大きく向上する。
組成分布半値幅(置換度分布半値幅)は確率論的に理論値を算出できる。すなわち、組成分布半値幅の理論値は以下の式(1)で求められる。
p:酢酸セルロース1分子中の水酸基がアセチル置換されている確率
q=1−p
DPw:重量平均重合度(GPC−光散乱法による)
なお、重量平均重合度(DPw)の測定法は後述する。
DPw:重量平均重合度(GPC−光散乱法による)
なお、重量平均重合度(DPw)の測定法は後述する。
本発明において、組成分布半値幅の実測値とは、酢酸セルロース(試料)の残存水酸基(未置換水酸基)をすべてプロピオニル化して得られるセルロースアセテートプロピオネートをHPLC分析して求めた組成分布半値幅である。
装置: Agilent 1100 Series
カラム: Waters Nova−Pak phenyl 60Å 4μm(150mm×3.9mmΦ)+ガードカラム
カラム温度:30℃
検出: Varian 380−LC
注入量: 5.0μL(試料濃度:0.1%(wt/vol))
溶離液: A液:MeOH/H2O=8/1(v/v),B液:CHCl3/MeOH=8/1(v/v)
グラジェント:A/B=80/20→0/100(28min);流量:0.7mL/min
Z=(X2−Y2)1/2
[式中、Xは所定の測定装置および測定条件で求めた置換度分布半値幅(未補正値)である。Y=(a−b)x/3+b(0≦x≦3)である。ここで、aは前記Xと同じ測定装置および測定条件で求めた総置換度3のセルロースアセテートの見掛けの置換度分布半値幅(実際は総置換度3なので、置換度分布は存在しない)、bは前記Xと同じ測定装置および測定条件で求めた総置換度3のセルロースプロピオネートの見掛けの置換度分布半値幅である。xは測定試料のアセチル総置換度(0≦x≦3)である]
本発明において、前記酢酸セルロースのグルコース環の2,3,6位の各アセチル置換度は、手塚(Tezuka,Carbonydr.Res.273,83(1995))の方法に従いNMR法で測定できる。すなわち、酢酸セルロース試料の遊離水酸基をピリジン中で無水プロピオン酸によりプロピオニル化する。得られた試料を重クロロホルムに溶解し、13C−NMRスペクトルを測定する。アセチル基の炭素シグナルは169ppmから171ppmの領域に高磁場から2位、3位、6位の順序で、そして、プロピオニル基のカルボニル炭素のシグナルは、172ppmから174ppmの領域に同じ順序で現れる。それぞれ対応する位置でのアセチル基とプロピオニル基の存在比から、元のセルロースジアセテートにおけるグルコース環の2,3,6位の各アセチル置換度を求めることができる。なお、このように求めた2,3,6位の各アセチル置換度の和はアセチル総置換度であり、この方法でアセチル総置換度を求めることもできる。なお、アセチル総置換度は、13C−NMRのほか、1H−NMRで分析することもできる。
本発明において、分子量分布(重合度分布)の多分散性(Mw/Mn)は、酢酸セルロース(試料)の残存水酸基をすべてプロピオニル化して得られるセルロースアセテートプロピオネートを用いてGPC−光散乱法により求めた値である。
装置:Shodex製 GPC 「SYSTEM−21H」
溶媒:アセトン
カラム:GMHxl(東ソー)2本、同ガードカラム
流速:0.8ml/min
温度:29℃
試料濃度:0.25%(wt/vol)
注入量:100μl
検出:MALLS(多角度光散乱検出器)(Wyatt製、「DAWN−EOS」)
MALLS補正用標準物質:PMMA(分子量27600)
本発明において、重量平均重合度(DPw)は、酢酸セルロース(試料)の残存水酸基をすべてプロピオニル化して得られるセルロースアセテートプロピオネートを用いてGPC−光散乱法により求めた値である。
本発明における前記酢酸セルロースの6%粘度は、例えば5〜500mPa・s、好ましくは6〜300mPa・sである。6%粘度が高すぎると濾過性が悪くなる場合がある。
50mlのメスフラスコに乾燥試料3.00gを入れ、蒸留水を加え溶解させる。得られた6wt/vol%の溶液を所定のオストワルド粘度計の標線まで移し、25±1℃で約15分間整温する。計時標線間の流下時間を測定し、次式により6%粘度を算出する。
6%粘度(mPa・s)=C×P×t
C:試料溶液恒数
P:試料溶液密度(0.997g/cm3)
t:試料溶液の流下秒数
試料溶液恒数は、粘度計校正用標準液[昭和石油社製、商品名「JS−200」(JIS Z 8809に準拠)]を用いて上記と同様の操作で流下時間を測定し、次式より求める。
試料溶液恒数={標準液絶対粘度(mPa・s)}/{標準液の密度(g/cm3)×標準液の流下秒数}
本発明における前記酢酸セルロース(低置換度酢酸セルロース)は、例えば、(A)中乃至高置換度酢酸セルロースの加水分解工程(熟成工程)、(B)沈殿工程、及び、必要に応じて行う(C)洗浄、中和工程により製造できる。
この工程では、中乃至高置換度酢酸セルロース(以下、「原料酢酸セルロース」と称する場合がある)を加水分解する。原料として用いる中乃至高置換度酢酸セルロースのアセチル総置換度は、例えば、1.5〜3、好ましくは2〜3である。原料酢酸セルロースとしては、市販のセルロースジアセテート(アセチル総置換度2.27〜2.56)やセルローストリアセテート(アセチル総置換度2.56超〜3)を用いることができる。
この工程では、加水分解反応終了後、反応系の温度を室温まで冷却し、沈殿溶媒を加えて低置換度酢酸セルロースを沈殿させる。沈殿溶媒としては、水と混和する有機溶剤若しくは水に対する溶解度の大きい有機溶剤を使用できる。例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール;酢酸エチル等のエステル;アセトニトリル等の含窒素化合物;テトラヒドロフラン等のエーテル;これらの混合溶媒などが挙げられる。
沈殿工程(B)で得られた沈殿物(固形物)は、メタノール等のアルコール、アセトン等のケトンなどの有機溶媒(貧溶媒)で洗浄するのが好ましい。また、塩基性物質を含む有機溶媒(例えば、メタノール等のアルコール、アセトン等のケトンなど)で洗浄、中和することも好ましい。なお、中和工程は加水分解工程の直後に設けても良く、その場合には塩基性物質またはその水溶液を加水分解反応浴に添加するのが好ましい。
水溶性有機添加剤としては、水溶性の有機化合物であれば特に限定されず、用途に応じて適宜選択できる。水溶性有機添加剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。水溶性有機添加剤として、例えば、水溶性高分子、水溶性低分子化合物などが挙げられる。
本発明の水溶性酢酸セルロース系樹脂組成物は、前記アセチル総置換度が0.5〜1.0である酢酸セルロース(A)を50〜95重量%、及び水溶性有機添加剤(B)を5〜50重量%含む。本発明の水溶性酢酸セルロース系樹脂組成物は、前記酢酸セルロース(A)及び水溶性有機添加剤(B)を上記の範囲で含有するので、比較的低い温度にて溶融状態とすることができ、比較的低い温度で成形が可能となるため、着色の少ない成形物を製造することができる。また、繊維を得る場合、比較的繊度が低く(例えば、2デニール程度)、水溶性で且つ生分解性の酢酸セルロース繊維を得ることができる。前記酢酸セルロース(A)の含有量が50重量%未満の場合や、前記水溶性有機添加剤(B)の含有量が50重量%を超えると、酢酸セルロース本来の特性が得られず、また、成形品の強度が低下するため好ましくない。また、酢酸セルロース(A)の含有量が95重量%を超える場合や、前記水溶性有機添加剤(B)の含有量が5重量%未満の場合は、組成物のガラス転移温度が上がり、溶融温度が高くなり、成形品の着色が顕著となる。また、成形性が低くなるためか、成形品(例えば、繊維)の強度(例えば、糸強度)が低下する。
本発明の水溶性酢酸セルロース複合体成形品は、前記本発明の水溶性酢酸セルロース系樹脂組成物を溶融状態を経由して成形することにより製造できる。すなわち、溶融紡糸法(メルトブロー紡糸法を含む)を用いることにより前記水溶性酢酸セルロース複合体成形品を製造することができる。
酢酸セルロース(ダイセル社製、商品名「L−50」、アセチル基総置換度2.43、6%粘度:110mPa・s)1重量部に対して、5.1重量部の酢酸および2.0重量部の水を加え、40℃で5時間撹拌して外観均一な溶液を得た。この溶液に0.13重量部の硫酸を加え、得られた溶液を70℃に保持し、加水分解(部分脱アセチル化反応;熟成)を行った。なお、この熟成過程においては、途中で2回、水を系に添加した。すなわち、反応を開始して1時間後に0.67重量部の水を加え、さらに2時間後、1.67重量部の水を加え、さらに6時間反応させた。合計の加水分解時間は9時間である。なお、反応開始時から1回目の水の添加までを第1熟成、1回目の水の添加から2回目の水の添加までを第2熟成、2回目の水の添加から反応終了(熟成完了)までを第3熟成という。
加水分解を実施した後、系の温度を室温(約25℃)まで冷却し、反応混合物に15重量部のアセトン/メタノール=1/2(重量比)混合溶媒(沈殿化剤)を加えて沈殿を生成させた。
固形分15重量%のウェットケーキとして沈殿を回収し、8重量部のメタノールを加え、固形分15重量%まで脱液することにより洗浄した。これを3回繰り返した。洗浄した沈殿物を、酢酸カリウムを0.004重量%含有するメタノール8重量部でさらに2回洗浄して中和し、乾燥して、酢酸セルロース(低置換度酢酸セルロース)を得た。
反応温度、第1熟成時間、第2熟成時間、第3熟成時間、沈殿化剤を表1に示すように変更したこと以外は、合成例1と同様にして酢酸セルロース(低置換度酢酸セルロース)を得た。
針葉樹サルファイトパルプ(αセルロース含量96%)13重量部、硫酸2重量部、無水酢酸35重量部および氷酢酸50重量部からなる混合物を、36℃で3時間アセチル化反応を行い、反応後反応物を酢酸カリウムで部分中和し、残存する硫酸を1重量部、揮発分中の水の量を10重量%とし、60℃で9時間加水分解し、その後完全中和、沈澱化、洗浄、乾燥して酢化度40.2%(置換度(DS)1.51)の酢酸セルロース(CA−40)を得た。この酢酸セルロースを、特開平10−317228号公報(段落0016)に記載される方法で極限粘度を定め、平均重合度を求めたところ、107であった。また、後述の方法で測定したDPwは210、DPw/DPnは2.1であった。
手塚の方法(Carbohydr. Res. 273, 83(1995))に準じて水溶性酢酸セルロース試料の未置換水酸基をプロピオニル化した。プロピオニル化低置換度酢酸セルロースのアセチル基総置換度は、手塚の方法(同)に準じて13C−NMRにおける169〜171ppmのアセチルカルボニルのシグナルおよび172〜174ppmのプロピオニルカルボニルのシグナルから決定した。
酢酸セルロースのCDIは、プロピオニル化酢酸セルロースに導いた後に次の条件でHPLC分析を行うことで決定した。
装置: Agilent 1100 Series
カラム: Waters Nova−Pak phenyl 60Å 4μm(150mm×3.9mmΦ)+ガードカラム
カラム温度: 30℃
検出: Varian 380−LC
注入量: 5.0μL(試料濃度:0.1%(wt/vol))
溶離液: A液:MeOH/H2O=8/1(v/v),B液:CHCl3/MeOH=8/1(v/v)
グラジェント:A/B=80/20→0/100(28min);流量:0.7mL/min
まず、アセチルDS(アセチル基総置換度)が0〜3の範囲でDS既知の標品をHPLC分析することで、溶出時間対DSの較正曲線を作成した。較正曲線に基づき、未知試料の溶出曲線(時間対検出強度曲線)をDS対検出強度曲線(組成分布曲線)に変換し、この組成分布曲線の未補正半値幅Xを決定し、次式により組成分布の補正半値幅Zを決定した。
Z=(X2−Y2)1/2
なお、Yは次式で定義される装置定数である。
Y=(a−b)x/3+b
a: アセチルDS=3の標品のX値
b: アセチルDS=0の標品のX値
x: 未知試料のアセチルDS
補正半値幅Zから、次式により組成分布指数(CDI)を決定した。
CDI=Z/Z0
ここに、Z0は全ての部分置換酢酸セルロースの調製におけるアセチル化および部分脱アセチル化が全ての分子の全ての水酸基(又はアセチル基)に対して等しい確率で生じた場合に生成する組成分布であり、次式で定義される。
p:(未知試料のアセチルDS)/3
q:1−p
このように求めた水溶性酢酸セルロースのCDIは1.4であった。
酢酸セルロースの重量平均重合度および分散度は、プロピオニル化酢酸セルロースに導いた後に次の条件でGPC−光散乱測定を行うことで決定した。
装置:Shodex製 GPC 「SYSTEM−21H」
溶媒:アセトン
カラム:GMHxl(東ソー)2本、同ガードカラム
流速:0.8ml/min
温度:29℃
試料濃度:0.25%(wt/vol)
注入量:100μl
検出:MALLS(多角度光散乱検出器)(Wyatt製、「DAWN−EOS」)
MALLS補正用標準物質:PMMA(分子量27600)
(ペレット調製)
所定量の酢酸セルロースと添加剤をヘンシェルミキサーで混合した後、エクストルーダーに移し、所定の紡糸温度よりも10℃低い温度で溶融し、ストランドとして押し出し、冷却した後長さ3mmに切断し、80℃の熱風乾燥機中で10時間乾燥させペレット状のサンプルを調製した。添加剤として以下のものを用いた。
比較例1:ダイセル社製、商品名「プラクセル405D」(カプロラクトンテトラオール、分子量500)
DSC−Q2000(TAインスツルメント社製)を用いてペレット状サンプルの小片を使いTgを測定した。まず、サンプルを40℃から250℃に10℃/分で昇温し、その後室温付近まで降温させた。その後、1℃/分で昇温し、このときのDSC曲線からTgを求めた。結果を表2に示す。なお、実施例3及び4ではTgが2つ存在するが、高温側は酢酸セルロースのTg、低温側は複合体(酢酸セルロース−添加剤複合体)のTgと考えられる。
特開平10−317228号公報に記載された方法に準じ、前記各ペレットを用いて溶融紡糸した。
キャピラリーレオメーター(株式会社東洋精機製作所製、キャピログラフ1B)のシリンダーにペレット状サンプルを入れ、シリンダーを所定の紡糸温度とし、口径0.3mmのキャピラリーから吐出し、吐出したフィラメントをエジェクターを通すことで線速3450m/分、ドラフト比550で紡糸し、1.9デニール(d)の糸を得た。溶融条件を表2に示す。
(糸強度)
実施例、比較例で得られた糸の糸強度を、JIS L 1013に記載される方法に準じて測定した。結果を表2に示す。
実施例、比較例で得られた糸の色相を目視観察した。結果を表2に示す。
実施例、比較例で得られた糸約2×10-5g(約10cm)を、水100gと混合し、よく振り混ぜた後、糸の水溶性を目視観察した。
装置:大倉電気(株)クーロメータOM3001
活性汚泥:福岡県多々良川浄化センターから入手した活性汚泥。1時間静置して得られる上澄み液を1培養瓶あたり300ml使用(活性汚泥濃度360ppm)。
被検体量:30mg
温度:25℃
クーロメータで培養瓶中の生物化学的酸素要求量(BOD)を測定した(培養開始から10日後、20日後、30日後、60日後)。ブランク測定を行い、BODは被検体の値からブランクの値を差し引いたものとした。被検体の化学組成に基づく完全分解における理論上のBOD値を求め、これに対する実測値のパーセンテージを分解率とした。結果を表2に示す。
Claims (6)
- アセチル総置換度が0.6〜0.95である酢酸セルロース(A)を50〜90重量%、及び水溶性有機添加剤(B)を10〜50重量%含む水溶性酢酸セルロース系樹脂組成物。
- 前記水溶性有機添加剤(B)がポリエチレングリコール又はポリエチレンオキサイドである請求項1記載の水溶性酢酸セルロース系樹脂組成物。
- 前記水溶性有機添加剤(B)の含有量が20〜50重量%である請求項1又は2に記載の水溶性酢酸セルロース系樹脂組成物。
- 請求項1〜4の何れか1項に記載の水溶性酢酸セルロース系樹脂組成物から形成された水溶性酢酸セルロース複合体成形品。
- 請求項1〜4の何れか1項に記載の水溶性酢酸セルロース系樹脂組成物を溶融状態を経由して成形することを特徴とする水溶性酢酸セルロース複合体成形品の製造方法。
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