JP6282671B2 - エネルギー線検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、格子状に配置された半導体を備え、該半導体の電気的特性の変化によってエネルギー線の検出を行うエネルギー線検出装置に関するものである。
従来、X線等のエネルギー線(放射線)を検出するエネルギー線検出器としては、大きく分けて2種類の検出器が知られている。1つは、シンチレータでエネルギー線を光に変換し、フォトダイオード等の光電変換素子で光を電気信号に変換する間接変換方式を用いたシンチレーション検出器である。もう1つは、エネルギー線を半導体層で直接電荷に変換する直接変換方式を用いた半導体検出器である。
しかしながら、シンチレーション検出器は、入射されたエネルギー線を一旦光に変換し、その後、光電子増倍管やフォトダイオード等の光電変換素子で光を電気信号に再変換して読み出す必要があり、エネルギー変換効率が悪い。また、シンチレーション検出器は、分子を励起するために必要なエネルギーが大きく、1キャリアを得るのに100eV程度のエネルギーを必要とする。
これに対し、半導体検出器では、1対のキャリアを得るのに必要なエネルギーが数eV程度でよく、シンチレーション検出器と比較して、同じエネルギーで多くのキャリアを得ることができる。また、シンチレーション検出器のようにシンチレータ内での光学的な散乱による影響を受けないため、分解能が高い。しかも、半導体検出器は、半導体中をキャリアが伝わる速度がシンチレーション検出器に比べて速いため、タイミング特性にも優れている。
このため、近年、フラットパネル型放射線検出器には、直接変換方式を用いた半導体検出器が使用されることが多い。このようなフラットパネル型放射検出器は、例えば、特許文献1、2に開示されている。
直接変換方式を用いたフラットパネル型放射検出器は、略正方形のアクティブマトリクス基板と、略正方形の半導体層(半導体基板)と、バイアス電極とを備えている。
アクティブマトリクス基板には、複数のピクセルが格子状に配されている。アクティブマトリクス基板における各ピクセルは、複数のゲート配線と複数のソース配線とからなるXYマトリクス状の電極配線と、TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)と、アクティブマトリクス基板に対して形成されたCs(Charge storage:電荷蓄積容量)とを備えている。
アクティブマトリクス基板には、液晶表示装置を製造する過程で形成されるアクティブマトリクス基板を流用することが可能である。
例えば、AMLCD(Active Matrix Liquid Crystal Display:アクティブマトリクス型液晶表示装置)に用いられるアクティブマトリクス基板の各ピクセルは、a−Si(アモルファスシリコン)またはp−Si(ポリシリコン)で形成されたトランジスタと、XYマトリクス電極と、Csとを備えている。このため、若干の設計変更を行うだけで、フラットパネル型放射線検出器用のアクティブマトリクス基板として容易に利用することができる。
半導体層は、アクティブマトリクス基板上に、アクティブマトリクス基板と中心を同じくして形成されている。バイアス電極は、上記半導体層におけるアクティブマトリクス基板との対向面上の略全面に形成されている。
半導体層には、X線等の放射線を照射することにより電荷が発生する光導電性を示す物質が用いられる。ここで、光導電性とは、X線等の照射により電荷を発生する性質を言う。
例えば、特許文献1では、半導体層に、暗抵抗が高く、X線照射に対して良好な光導電性を示し、蒸着により大面積の成膜が容易なa−Se(アモルファスセレニウム)が用いられている。また、特許文献2では、半導体層に、結晶(もしくは多結晶)材料で、かつX線に対する感度(S/N比)が優れた光導電膜材料であるテルル化カドミウムが用いられている。
ここで、半導体検出器を用いた従来のフラットパネル型放射線検出器の機能について説明する。
a−Se膜等の半導体層に、X線等の放射線が照射されると、該半導体層内に電荷が発生する。ここでバイアス電極に電圧を印加しておくと、半導体層内で発生した電荷が、それぞれ正(+)電位側と負(−)電位側とに移動する。その結果、アクティブマトリクス基板に形成されているCsに電荷が蓄積される。
このように、Csに蓄積された電荷は、ゲート配線からの入力信号によりトランジスタをオン状態にすることで、ソース配線を通じて外部に取り出すことが可能である。
また、ゲート配線とソース配線とからなる電極配線、トランジスタ、Cs等は、全て、アクティブマトリクス基板上に、XYマトリクス状に設けられている。
したがって、各ゲート配線について入力信号を順次に走査することにより、各TFTをオン状態にして、各Csに蓄積された画像情報としての電荷を、各ソース配線を通じて外部に取り出して、二次元的にX線の画像情報を得ることが可能となる。
日本国公開特許公報「特開2002−040145号公報(2002年2月6日公開)」 日本国公開特許公報「特開2007−173861号公報(2007年7月5日公開)」 日本国公開特許公報「特開2013−003094号公報(2013年1月7日公開)」
このように、半導体検出器は、シンチレーション検出器と比べて前述した利点を有し、フラットパネル型放射線検出器として使用される。
しかしながら、その一方で、半導体検出器は、放射線を吸収し、検出するためには、半導体層の十分な層厚を確保する必要があるという欠点を有している。
例えば、上述したフラットパネル型放射検出器では、X線の吸収効率を向上させるために、数百μm〜1mm程度の厚さの半導体層が形成される。
特許文献1あるいは特許文献2のように、半導体材料の中で吸収係数が大きいa−Seもしくはテルル化カドミウムを半導体層に使用したとしても、半導体層の厚さを薄くすることはできない。例えば、特許文献2のように半導体層としてテルル化カドミウムを採用した場合でも、その層厚は、100μm〜1mmの範囲内である。
アクティブマトリスク基板との対向面側にバイアス電極が設けられた半導体層とアクティブマトリスク基板との貼り合わせは、絶縁樹脂を介して行われる。
このため、半導体検出器をフラットパネル型放射検出器に使用すると、アクティブマトリクス基板上に形成される絶縁性樹脂の厚さが、アクティブマトリクス基板上において半導体層が形成されている領域と、その周辺の、半導体層が形成されていない領域とで、異なってしまう。すなわち、半導体層が形成されていない領域に形成される絶縁性樹脂の厚さは、半導体層が形成されている領域に形成される絶縁性樹脂の厚さに比べて、半導体層の厚さ分だけ厚くなる。
絶縁性樹脂として用いられる光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、2液硬化性樹脂等の樹脂材料は、硬化反応に伴い、5〜10%程度の体積収縮を伴う。例えば、半導体層の厚さが1mmの場合、半導体層が形成されている領域と、その周辺の領域とでは、絶縁性樹脂の厚さに、1mmの差が生じる。したがって、この場合、半導体層が形成されている領域と、その周辺の領域とでは、絶縁性樹脂の厚さ方向の硬化収縮量の差は、50〜100μm程度にもなる。
このように、アクティブマトリクス基板上において半導体層が形成されている領域と、その周辺の領域とで絶縁性樹脂に厚さ方向の硬化収縮量の差が生じると、絶縁性樹脂における、下層に半導体層が形成されている領域と形成されていない領域との境目近傍で、大きな内部応力が蓄積されてしまう。
前述したように、半導体層は、アクティブマトリクス基板上に、アクティブマトリクス基板と中心を同じくして形成されている。したがって、内部応力は、アクティブマトリクス基板周縁部における、絶縁性樹脂に蓄積される。
この結果、従来のフラットパネル型放射検出器は、アクティブマトリクス基板周縁部で、絶縁性樹脂に蓄積された内部応力によるアクティブマトリクス基板の反りが生じ、衝撃に対するフラットパネル型放射検出器の耐性が劣化する等、信頼性に欠けるという問題点を有している。
なお、特許文献3には、医療、核関連、および他の産業分野の作業要員が使用する個人用の放射線量計として、金属酸化物半導体電界効果型トランジスタ(MOSFET)を有する放射線集積回路からなるMOSFET放射線量計が開示されている。
MOSFET放射線量計は、一般に放射線電界効果型トランジスタ(RADFET)として知られており、特許文献3では、放射線によって生じたRADFETの閾値電圧のシフトを測定することにより放射線量を測定する。
放射線量計に、特許文献3に記載のRADFETを使用すれば、特許文献1、2のように、放射線を検出するために、アクティブマトリクス基板上に、絶縁性樹脂を介して、厚みが大きい半導体層(半導体基板)を貼り合わせる必要がなく、上述した問題は生じない。
しかしながら、特許文献3によれば、閾値電圧を測定するために、1対のRADFETに対し、RADFET毎に接続する負荷を必要とする。
このため、放射線検出素子をマトリクス状に配置するフラットパネル型放射線検出器に、特許文献3に記載の放射線集積回路を使用すると、放射線の測定に使用される素子数が多くなり、放射線検出器自体が大きくなるという別の問題が発生する。
また、半導体検出器を用いた従来のフラットパネル型放射検出器は、半導体層に放射線を照射することで半導体層内に発生した電荷をCsに蓄積し、蓄積した電荷を、各ソース配線を通じて外部に取り出すことで放射線を検出する。このため、半導体層に長時間放射線を照射してCsを十分に充電してからでないと情報を読み出すことができない。したがって、情報を高速読み出しすることができない。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、軽量で薄く、高信頼性かつ高速読出し可能なエネルギー線検出装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るエネルギー線検出装置は、格子状に配され、照射されたエネルギー線の量に応じて特性が変化する酸化物半導体で活性層を構成する複数の半導体素子と、上記複数の半導体素子全てに流れる電流を同時に測定し、上記活性層の特性変化による、半導体素子に流れる電流の増加割合とエネルギー線の量との関係から、上記半導体素子各々に対応するエネルギー線の量を演算により求める検出部と、を備えている。
本発明の一態様によれば、格子状に配され、照射されたエネルギー線の量に応じて電気的特性が変化する半導体の電気的特性の変化からエネルギー線の情報を検出する。このため、特許文献1、2のように半導体膜に放射線(エネルギー線)を照射することで半導体膜内に発生した電荷を電荷蓄積容量に蓄積し、蓄積した電荷を取り出すことで放射線を検出する場合のように半導体の膜厚を大きくする必要がなく、半導体、ひいては装置全体の厚みを薄くすることができる。
また、このように半導体の厚みを薄くすることができるので、半導体層が形成されている領域とそうでない領域との境目近傍で硬化収縮量の厚さの差から大きな内部応力が蓄積されることにより、反りや衝撃に対する耐性の劣化等、信頼性が欠けるという問題を招来することがない。
さらに、特許文献1、2のように半導体膜に放射線を照射することで半導体膜内に発生した電荷を電荷蓄積容量に蓄積し、蓄積した電荷を取り出すことで放射線を検出する場合、長時間放射線を照射して電荷蓄積容量を十分に充電してからでないと情報を読み出すことができない。しかしながら、本発明の一態様に係るエネルギー線検出装置は、このような充電時間を必要としないことから、情報の高速読み出しが可能である。
また、本発明の一態様に係るエネルギー線検出装置は、特許文献3のように、放射線の検出に、1対の放射線電界効果型トランジスタとトランジスタ毎に接続する負荷を必要としない。本発明の一態様に係るエネルギー線検出装置は、格子状に配されたそれぞれの半導体がエネルギー線検出素子として機能する。このため、エネルギー検出素子が格子状に配置された、小型で軽量のエネルギー線検出装置を実現することができる。
したがって、本発明の一態様によれば、軽量で薄く、高信頼性かつ高速読出し可能なエネルギー線検出装置を提供することができる。
(a)は、実施形態1に係るエネルギー線検出装置における、1ピクセル当たりの基本的な回路構成を示す回路図であり、(b)は、実施形態1に係るエネルギー線検出装置の概略構成の一例を示すブロック図である。 実施形態1に係るトランジスタに、放射線を照射したときの該トランジスタの閾値電圧のシフト量と放射線検出量との関係の一例を示すグラフである。 特性変動の測定に用いた、実施形態1に係るトランジスタの回路構成を示す図である。 図3に示すトランジスタのゲート−ソース間電圧を可変としたときのドレイン−ソース間電圧とドレイン電流との関係を示すグラフである。 図3に示すトランジスタに放射線を照射したときの該トランジスタの電気的特性の一例を示すグラフである。 実施形態1に係るエネルギー線検出装置における、特性検出回路部および制御装置の概略構成を示すブロック図である。 実施形態1に係るエネルギー線検出装置の要部の概略構成を示す断面図である。 実施形態1において半導体素子としてダイオードを用いたエネルギー線検出装置の概略構成の一例を示すブロック図である。 (a)は、実施形態2に係るエネルギー線検出装置における、1ピクセル当たりの基本的な回路構成を示す回路図であり、(b)は、実施形態2に係るエネルギー線検出装置の概略構成の一例を示すブロック図である。 (a)は、実施形態3に係るエネルギー線検出装置における、1ピクセル当たりの基本的な回路構成を示す回路図であり、(b)は、実施形態3に係るエネルギー線検出装置の概略構成の一例を示すブロック図である。 (a)は、実施形態4の例1に係るエネルギー線検出装置における要部の概略構成を示す平面図であり、(b)は、(a)に示すアクティブマトリクス基板のA−A線矢視断面図である。 実施形態4の例2に係るエネルギー線検出装置の要部の概略構成を示す断面図である。 実施形態5に係る医療用X線一般撮影装置の概略構成の一例を示す模式図である。 実施形態5に係る医療用CT装置の概略構成の一例を示す模式図である。 実施形態5に係る産業用CT装置の概略構成の一例を示す模式図である。 実施形態5に係るマンモグラフィの概略構成の一例を示す模式図である。 実施形態5に係る荷物検査装置の概略構成の一例を示す模式図である。 実施形態5に係る非破壊検査装置の概略構成の一例を示す模式図である。 実施形態5に係る線量計の概略構成の一例を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
<実施形態概要>
本発明の各実施形態に係るエネルギー線検出装置は、格子状に配置された半導体を備え、該半導体の電気的特性の変化によってエネルギー線の検出を行うエネルギー線検出装置(エネルギー線半導体検出装置)である。
以下の各実施形態に係るエネルギー線検出装置は、半導体の電気的特性がエネルギー線量によって変化することを用いてエネルギー線を検出する。具体的には、上記エネルギー線検出装置は、フラットパネル型エネルギー線検出装置であり、格子状に配置された半導体に照射されたエネルギー線によって変化する、該半導体の電気的特性の変化を検出することで、例えば、上記エネルギー線(つまり、照射されたエネルギー線)の有無あるいは上記エネルギー線の量といった、上記エネルギー線の情報を検出する。
エネルギー線としては、例えば、放射線が挙げられる。放射線の種類は特に限定されるものではなく、例えば、X線、γ線等の電波放射線であってもよく、α線、β線、電子線、陽子線、重陽子線等の荷電粒子線であってもよく、中性子線等の非荷電粒子線であってもよい。
但し、上記エネルギー線としては、放射線に限定されるものではなく、所定の電磁波等、放射線以外のエネルギー線であってもよく、放射線等から構成されるエネルギー線であってもよい。
使用する半導体が、放射線だけでなく、例えば可視光または赤外光に対しても同様の特性変化を示す場合、上記エネルギー線検出装置を、可視光または赤外光の二次元画像検出器として用いることもできる。
<エネルギー線の測定原理>
まず、本発明の各実施形態に係るエネルギー線検出装置によるエネルギー線の測定原理について図2〜図5を参照して以下に説明する。
上述したように半導体で活性層を構成したトランジスタにエネルギー線を照射すると、エネルギー線が照射されたトランジスタの電気的特性が変化する。特に、酸化物半導体で活性層を構成したトランジスタにおいては、エネルギー線の照射量に応じて電気的特性が大きく変化する。
図2は、半導体で活性層を構成したトランジスタに、放射線として例えばX線を照射したときの該トランジスタの閾値電圧のシフト量と放射線検出量との関係の一例を示すグラフである。
図2に示すように、半導体で活性層を構成したトランジスタに放射線を照射すると、照射された放射線量に応じて、トランジスタの閾値電圧のシフト(遷移)量が線形に変化する。例えば、トランジスタとして、活性層にSiを使用したMOSFET(metal-oxide-semiconductor filed-effect transistor)を使用した場合、n型トランジスタ(nチャンネルトランジスタ)において閾値電圧は負方向、p型トランジスタ(pチャンネルトランジスタ)において閾値電圧は正方向に、放射線の照射量に応じて遷移する。
上述したように、トランジスタの閾値電圧は、照射された放射線量が高いほど遷移量が大きい。したがって、この閾値電圧の変化量(遷移量)を測定することで、放射線量を検出することができる。
また、上記性質を利用し、放射線を照射しないときはトランジスタがオフの状態になり、放射線を照射しているときには、閾値のシフトによりトランジスタがオンの状態となるようにゲート電極に印加する電圧を調整し、トランジスタの出力値をモニタリングすることによって、放射線を検出することも可能である。
また、放射線が多く照射された領域に配置されているトランジスタは、閾値電圧の遷移が大きくなり、放射線量が少ない箇所においては閾値電圧の遷移が小さくなるとともに、上述したように、遷移量は、放射線の照射量に応じて線形に変化する。したがって、トランジスタを格子状に配列し、各トランジスタの閾値電圧の遷移量からそれぞれのトランジスタに照射された放射線量を検出することで、照射された放射線のエネルギー分布を検出することができる。
しかしながら、トランジスタの閾値電圧を直接測定することは容易ではない。
このため、以下では、トランジスタの閾値電圧の変動によるトランジスタの特性変動を電気的に測定し、測定によって得られた値と放射線量との関係から放射線量を特定する場合を例に挙げて説明する。
なお、勿論、図2に示したように、トランジスタの閾値電圧から放射線を検出してもよく、本発明の各実施形態は、トランジスタの閾値電圧から放射線を検出する場合を否定するものではない。
閾値電圧の変動によるトランジスタの特性変動を電気的に測定するのに都合が良いのは、例えば、トランジスタに流れる電流(ドレイン電流)を測定することである。
図3に、トランジスタの特性変動の測定に用いた、実施形態1等の、後述する実施形態に係るトランジスタの回路構成を示す。なお、以下では、トランジスタとして、半導体で活性層を構成した、n型のトランジスタを用いた場合を例に挙げて説明する。
図3中、G、D、Sは、順に、ゲート電極、ドレイン電極、ソース電極を示し、ソース電極Sは、GND(グランド)に接続している。
また、図4は、図3に示すトランジスタのゲート−ソース間電圧VGSを可変(パラメータ)としたときのドレイン−ソース間電圧VDSとドレイン電流Iとの関係を示すグラフである。図3に示すようにドレイン−ソース間電圧VDSに対して、ゲート−ソース間電圧VGSに応じたドレイン電流Iがドレイン電極Dに流れる。図4に示すように、ドレイン電流Iは、ゲート−ソース間電圧VGSが大きいほど大きくなる。
また、図4に示すように、ドレイン−ソース間電圧VDSを増加させると、最初、ドレイン電流Iは増加するが、やがて殆ど一定になる。このため、トランジスタの作動領域には、ドレイン−ソース間電圧VDSが低く、ドレイン−ソース間電圧VDSの変化に応じてドレイン電流Iが線形に変化する非飽和領域(線形領域)と、ドレイン−ソース間電圧VDSが変化してもドレイン電流Iが殆ど変化しない飽和領域とが存在する。
後述する実施形態では、上述したように、複数のトランジスタを格子状に配列し、各トランジスタの閾値電圧の遷移量からそれぞれのトランジスタに照射された放射線量を検出する。このため、各トランジスタにおけるドレイン−ソース間電圧VDSの差(ばらつき)により、ドレイン電流Iの変化が少ないように、飽和領域の範囲内において、ドレイン−ソース間電圧VDSを設定する。
図5は、図3に示すトランジスタに放射線として例えばX線を照射したときの該トランジスタの電気的特性の一例を示すグラフである。図5中、横軸はゲート電圧Vgを示し、縦軸はトランジスタのドレイン電流Iを示している。
図3に示すトランジスタに放射線を照射すると、トランジスタの閾値電圧がマイナス側に遷移するため、トランジスタに流れる電流(ドレイン電流I)が増加する。なお、p型のトランジスタを用いた場合には、図3に示すn型のトランジスタを用いた場合とは逆に、トランジスタに流れる電流(ドレイン電流)が減少する。
図5において、点線で示すように、X線照射前(つまり、放射線を照射していない場合)には、ゲート電圧が5Vのとき、トランジスタがオン状態の電流(オン電流)が、5×10−8A程度流れている。
一方、X線照射後(つまり、放射線が照射された場合)には、図5に実線で示すように、オン電流が増加し、8×10-7A程度になる。
したがって、このようにトランジスタに流れる電流の増加割合を測定すれば、放射線の照射の有無が判る。また、トランジスタに流れる電流の増加割合と放射線量との関係から、トランジスタに流れる電流の増加割合に対応する放射線量を、演算により求めることができる。
また、オフしているトランジスタに、放射線により電流が流れ始めることを利用することもできる。
図5に示す例では、点線で示すようにX線照射前には、ゲート電圧が−2Vのとき、ドレイン電流はほぼ0A(1×10−12A以下)だが、実線で示すようにX線が照射された場合、1×10−8Aのドレイン電流が流れる。これにより、放射線の有無を検出することができる。
以下の実施形態では、上記半導体がトランジスタ(半導体素子)を構成しており、エネルギー線検出装置が、格子状に配列された、活性層を有しているトランジスタを備え、該トランジスタの特性変化により、放射線の情報を検出する場合を例に挙げて説明する。
なお、以下の各実施形態において、半導体とは、n型、p型等の1種類の不純物で構成された部分を示し、半導体素子とは、トランジスタ、ダイオード、コンデンサ等のように、半導体を組み合わせて作成したものを示す。
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について、図1の(a)・(b)〜図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
<エネルギー線検出装置1の概略構成>
まず、図5に示すゲート電圧−ドレイン電流特性を有する、図3に示すトランジスタとして、TFTを用いた、本実施形態に係るエネルギー線検出装置の概略構成の一例について説明する。
図1の(a)は、本実施形態に係るエネルギー線検出装置1における、1ピクセル当たりの基本的な回路構成を示す回路図であり、図1の(b)は、本実施形態に係るエネルギー線検出装置1の概略構成の一例を示すブロック図である。
図1の(b)に示すように、本実施形態に係るエネルギー線検出装置1は、アクティブマトリクス基板2と、駆動回路としてのゲート電圧発生回路部3および基準電圧発生回路部4と、特性検出回路部5と、制御装置6と、を備えている。
以下に、各構成要素について詳細に説明する。
(アクティブマトリクス基板2)
本実施形態に係るエネルギー線検出装置1は、図1の(b)に示すように、該アクティブマトリクス基板2に格子状に配列された、複数(n×m個)のピクセルS1〜Snm(nおよびmはそれぞれ1以上の任意の整数を示す)を備えている。なお、以下、これらピクセルS1〜Snmを総称して、ピクセルSxと称する。アクティブマトリクス基板2は、例えば略正方形状に形成されている。
図1の(b)に示すように、各ピクセルSxは、複数(n本)のゲート配線11(走査配線)と複数(m本)のソース配線12(センサ行選択線)とからなるXYマトリクス状の電極配線と、TFT20と、出力信号取り出し用端子31とを備えている。TFT20は、図5に示すゲート電圧―ドレイン電流特性を有するトランジスタである。TFT20は、放射線検出素子として機能し、TFT20の活性層は、放射線検出層として機能する。したがって、アクティブマトリクス基板2における各ピクセルSxは、放射線検出部として機能する。なお、TFT20の構成、すなわち、本実施形態で用いられるトランジスタの構成については、後で詳述する。
ゲート配線11とソース配線12とは、図1の(b)に示すように互いに格子状に配されており、これらゲート配線11とソース配線12との組み合わせ毎に、各ピクセルSxが設けられている。したがって、アクティブマトリクス基板2には、TFT20が、格子状に配置されている。
図1の(a)に示すように、各ピクセルSxにおけるTFT20のゲート電極G(図3参照)は、対応するピクセルSxにおけるゲート配線11に接続されている。また、各ピクセルSxにおけるTFT20のソース電極S(図3参照)およびドレイン電極D(図3参照)のうち一方の電極は、対応するピクセルSxにおけるソース配線12に接続されている。また、各ピクセルSxにおけるTFT20のソース電極Sおよびドレイン電極Dのうち他方の電極は、ピクセルSx毎に設けられた出力信号取り出し用端子31に接続されており、該出力信号取り出し用端子31を介して、特性検出回路部5の信号配線SL1〜SLnmに接続されている。
各ゲート配線11は、それぞれ行方向(図1の(a)・(b)中、左右方向)に延設されており、それぞれゲート電圧発生回路部3の出力に接続されている。また、各ソース配線12は、それぞれ列方向(図1の(a)・(b)中、上下方向)に延設されており、それぞれ基準電圧発生回路部4の出力に接続されている。
(ゲート電圧発生回路部3および基準電圧発生回路部4)
ゲート電圧発生回路部3は、例えば、ゲート配線11の延設方向の一方側に設けられている。また、基準電圧発生回路部4は、例えば、ソース配線12の延設方向の一方側に設けられている。
ゲート電圧発生回路部3は、TFT20のゲート電圧を与える回路であり、各ピクセルSxのTFT20を動作させるためのゲート電圧をゲート配線11に与える。ゲート電圧発生回路部3は、TFT20がON(オン)またはOFF(オフ)する電圧をゲート配線11に与えることで、TFT20のON(オン)と、OFF(オフ)とを切り替える。ゲート電圧発生回路部3は、制御装置6からの制御信号に基づいて、ゲート電圧の印加タイミングを制御する。
基準電圧発生回路部4は、ソース配線12に、基準電圧として一定電圧(図5に示す特性を測定したときのソース電圧)を与える。
各ピクセルSxにおいて、ソース配線12に基準電圧が印加され、ゲート配線11にTFT20がオンする電圧が印加されたピクセルSxは、出力信号取り出し用端子31に電流が流れる。これにより、任意のピクセルSxにのみ電流を流すことができるため、TFT20の電流を、全てのピクセルSxで一度に測定することも、任意のピクセルSxのみで測定することもできる。
(特性検出回路部5)
本実施形態に係る特性検出回路部5は、ドレイン電流検出回路部であり、TFT20の特性として、TFT20に流れる電流(ドレイン電流)を検出する。
図6は、特性検出回路部5および制御装置6の概略構成を示すブロック図である。
本実施形態に係る特性検出回路部5は、図6に示すように、信号配線SL1〜SLnmと、ドレイン電流を電圧信号に変換する電流−電圧変換回路41と、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器42(アナログ−デジタル変換器)とを備えている。
各TFT20に接続された出力信号取り出し用端子31は、電流−電圧変換回路41に接続された各信号配線SL1〜SLnmを介して、電流−電圧変換回路41に接続されている。また、電流−電圧変換回路41の出力側には、A/D変換器42が接続されている。
なお、電流−電圧変換回路41の出力側には、電流−電圧変換回路41から出力された電圧信号の振幅レベルを、A/D変換器42によって変換できるレベルに調整するレベル調整器(図示せず)が設けられ、該レベル調整器を介してA/D変換器42に接続されていてもよい。
各TFT20に流れる電流は、電流−電圧変換回路41に入力され、該電流−電圧変換回路41で電圧に変換された後、A/D変換器42でデジタル信号に変換されて制御装置6に送られる。
(制御装置6)
特性検出回路部5および制御装置6は、半導体の電気的特性としてTFT20の電気的特性の変化を検出することで該半導体に照射された放射線の情報を検出する検出部として機能する。
本実施形態に係る制御装置6は、図6に示すように、記憶部50と、制御部60とを備えている。まず、記憶部50について説明する。
記憶部50は、図6に示すように、第1記憶部51と第2記憶部52とを有している。
第1記憶部51には、放射線が無い状態で基準電圧発生回路部4から各ピクセルSxのTFT20に流れる電流により特性検出回路部5で作成されたデジタル値が記憶される。
また、第2記憶部52には、予め測定した、TFT20の電気的特性の変化量とエネルギー線量との関係が記憶されている。
第2記憶部52には、例えば、TFT20の電気的特性の変化量から該変化量に対応するエネルギー線量を算出する関係式が記憶されていてもよく、TFT20の電気的特性の変化量から該変化量に対応するエネルギー線量を導出するためのLUT(ルックアップテーブル、変換テーブル)が記憶(格納)されていてもよい。
第1記憶部51には、例えば、フラッシュメモリ等の、書き換え可能な不揮発性のメモリが用いられる。また、第2記憶部52には、例えば、電源を切ってもデータが保持され続ける、半導体メモリであるEEPROM(登録商標)等が用いられる。
次に、制御部60について説明する。
制御部60は、マイクロプロセッサや、DSP(Digital Signal Processor:デジタルシグナルプロセッサ)等のプロセッサを備えている。
制御部60は、基準電圧発生回路部4およびゲート電圧発生回路部3に制御信号を出力するタイミング制御部を備え、制御信号により、上記(アクティブマトリクス基板2)の項で説明したように、所定の動作の間、行および列に配置された複数のTFT20それぞれに対して、電流測定のタイミングを制御することができる。なお、このタイミング制御を行う例については後述するとして、先に、制御部60でのエネルギー線検出について説明する。
制御部60は、特性検出回路部5でデジタル信号に変換されたTFT20の電圧値からエネルギー線量を算出するエネルギー線検出処理部61を備えている。
エネルギー線検出処理部61は、変化量算出と放射線量算出とを行う。
変化量算出では、放射線量に応じて各TFT20に生じた電気的特性の変化量を算出する。
放射線照射後に各ピクセルSxのTFT20に流れる電流値は、特性検出回路部5で処理された後、エネルギー線検出処理部61にて、第1記憶部51に記憶された値と比較される。
TFT20に放射線が照射されると、放射線が照射されたTFT20の電流が増加する。このため、変化量算出では、この増加した電流の値を、第1記憶部51に記憶された、放射線が無い状態でピクセルSxのTFT20に流れる電流の値と比較することにより、放射線によるTFT20の電気的特性の変化量を検出している。
放射線量算出は、第2記憶部52に記憶された、TFT20の電気的特性の変化量とエネルギー線量との関係と、変化量算出で算出した各TFT20の電気的特性の変化量とを比較することにより、変化量算出で検出した各TFT20の電気的特性の変化量に対応する放射線量(エネルギー線量)を検出する。
なお、検出は、関係式による演算により行われてもよく、LUTを用いて行われても構わない。また、第2記憶部52にLUTが記憶されている場合、LUTに含まれない特性変化量に対しては、LUTで得られるエネルギー線量から補間演算されてエネルギー線量が決定されてもよい。また、一定範囲の特性変化量に対して一定範囲のエネルギー線量が対応付けられていてもよい。
(放射線量の分布の検出方法)
以下に、本実施形態の応用例として放射線量の分布を検出する方法を示す。
図1の(b)に示す各ピクセルSxにおけるTFT20の電流を測定する場合、全てのピクセルSxでTFT20の電流を同時に測定することもできるし、時分割で順次測定することもできる。
全てのピクセルSxにおけるTFT20の電流を同時に測定する場合には、制御部60からの制御信号により、基準電圧発生回路部4とゲート電圧発生回路部3とを制御して、全ソース配線12に基準電圧を与えると共に、全ゲート配線11にトランジスタがオンする電圧を与える。このように制御することにより、全てのピクセルSxに流れる電流を測定することができる。このため、上述したように、放射線の照射前後での電流値の増加を測定することにより、全てのピクセルSxに照射された放射線量を測定することができる。なお、各ピクセルSxのTFT20の出力信号取り出し用端子31が独立して特性検出回路部5に接続されていることから、ピクセルSx毎の放射線量の検出が可能である。
次に、全てのピクセルSxにおけるTFT20の電流を時分割で順次測定する例として、1個のピクセルSx毎に順次測定を行う場合について説明する。
図1の(b)に示すピクセルS1のTFT20の電流を測定する場合、まず、制御部60からの制御信号により、基準電圧発生回路部4とゲート電圧発生回路部3とを制御して、ピクセルS1に繋がるソース配線12のみに基準電圧を与えると共に、ピクセルS1に繋がるゲート配線11にのみトランジスタがオンする電圧を与える。このように制御することにより、ピクセルS1にのみ流れる電流を測定することができる。このため、上述したように、放射線の照射前後での電流値の増加を測定することにより、ピクセルS1に照射された放射線量を測定することができる。同様にして、ピクセルSnmまでの全てのピクセルSxの放射線量を測定することにより、アクティブマトリクス基板2上に照射される放射線の分布を検出することができる。
このように、二次元的な放射線の線量分布(エネルギー分布)を測定することにより、被写体を透過した透過画像に画像処理で再構成する元となる、各ピクセルSxの放射線量値とを得ることが可能になる。得られた放射線量値は、表示モニタ等の表示パネルに表示させることで、視覚化することができる。
なお、図1の(b)では、各ピクセルSxの出力信号取り出し用端子31は、それぞれ独立して特性検出回路部5の信号配線SL1〜SLnmに繋がる構成としている。しかしながら、各ピクセルSxを個別に順次測定する場合には、各ピクセルSxの出力信号取り出し用端子31をそれぞれ独立して設ける必要はない。制御部60からの信号で、どのピクセルSxの電流を測定しているか確認できるので、各ピクセルSxの出力信号取り出し用端子31を一つにして特性検出回路部5に接続しても電流の測定は可能である。
しかしながら、例えば、エネルギー線検出装置1のピクセルサイズを50μmで作成した場合、あるアプリケーションでは、200μmの分解能しか必要ではない場合、50μmのセルをサブピクセルとして扱い、4つのサブピクセルを纏めたものを1ピクセルとして取り扱うことも可能である。制御信号により2本のソース配線と2本のゲート配線とを選択してトランジスタがオンするようにすれば、4つのサブピクセルを1ピクセルとして取り扱うことができる。
すなわち、本実施形態では、各ピクセルSxに配置された各TFT20の電気的特性を検出するが、検出そのものは、必ずしもピクセルSx毎に行われる必要はなく、予め設定した単位領域毎に行われてもよい。この場合、単位領域は、1ピクセルであってもよく、複数ピクセルであってもよい。この場合、各ピクセルSxの出力信号取り出し用端子31は、独立して特性検出回路部5に繋がる必要がある。
上記のように、各ピクセルSxを個別に順次測定する場合以外は、出力信号取り出し用端子31は、独立して特性検出回路部5に繋がる必要がある。このため、本実施形態では図1の(b)に示すように、出力信号取り出し用端子31が独立して特性検出回路部5に繋がる図を用いて説明した。
(トランジスタの構成)
次に、本実施形態で用いられるトランジスタの構成について説明する。
本実施形態において放射線検出層を形成するトランジスタの活性層は、トランジスタの電気的特性とエネルギー線量とに一定の相関関係が得られるものであればよいが、そのなかでも、上述したように、放射線量に応じて、トランジスタの電気的特性が、エネルギー線量に応じて電気的特性が線形に変化する半導体であることが好ましい。
トランジスタの電気的特性とエネルギー線量とが一定の相関関係を有することで、トランジスタの電気的特性の変化量からエネルギー線量を求めることが可能になる。しかしながら、トランジスタの電気的特性が、エネルギー線量に応じて電気的特性が線形に変化することで、エネルギー線量の検出を容易に行うことができる。
したがって、本実施形態に係るトランジスタの活性層を構成する半導体は、放射線照射により、トランジスタの電気的特性(例えば、閾値電圧、オン電流、オフ電流)が線形的に変化するような材料が好適であり、放射線照射により、トランジスタの電気的特性(例えば、閾値電圧、オン電流、オフ電流)が線形的に変化するような酸化物半導体がより好適である。
前述したように、酸化物半導体で活性層を構成したトランジスタにおいては、エネルギー線の照射量に応じて電気的特性が大きく変化する。
例えば、酸化物半導体のバンドギャップは、該酸化物半導体が例えばIn−Zn−Ga−O系酸化物の場合、2.8〜3.3eVである。可視光や紫外光等、光子のエネルギーがバンドギャップエネルギーの数倍程度までの範囲においては、電子−正孔対が発生した後に、エネルギーは熱エネルギー等に変わって失われてしまう。
しかしながら、バンドギャップエネルギーの数千倍から数万倍のエネルギーを持った放射線が活性層に照射されると、光誘起キャリア(電子−正孔対)が、半導体や酸化物半導体等で活性層を構成したトランジスタ内で連鎖的に発生する。
また、酸化物半導体はリーク電流が極めて少ないことから、一旦照射された放射線量を、外部からデータ保持用の電圧を印加せずに、情報として、トランジスタに長期間保持することも可能となる。このため、酸化物半導体を用いたエネルギー線検出装置1は、例えばモニタリング用途等に特に好適に用いることができる。
このため、トランジスタの活性層を構成する半導体としては、酸化物半導体が好適である。なお、好ましい半導体材料の例としては、例えば、In−Zn−Ga−O系酸化物、In−Zn−Ga−Mg−O系酸化物、In−Zn−O系酸化物、In−Sn−系酸化物、In−O系酸化物、In−Ga−O系酸化物、Sn−In−Zn−O系酸化物のうちの少なくとも一つを含む非晶質酸化物を有している酸化物半導体が挙げられる。
但し、本実施形態においてトランジスタの活性層に用いられる半導体としては、酸化物半導体に限定されず、導電性が半導体を示す材料であればよい。このような半導体における酸化物半導体以外に好ましい例としては、例えば、Si、Ga、GaAs、GaN、GaP、SiC、グラフェン、硫化モリブデン等が挙げられる。
また、酸化物半導体を含め、本実施形態で用いられる半導体の結晶構造は、非単結晶に限定されず、単結晶でもよく、非単結晶においては非晶質もしくは多結晶でもよい。また、非晶質中に結晶性を有する部分を含む構造もしくは非晶質構造でもよい。また、低分子系および高分子系を問わず、有機半導体材料を使用してもよい。
また、非晶質酸化物の電子キャリア濃度は、酸化物半導体層の酸素濃度等によって変化するが、1018/cm(つまり、1×1018/cm)以下が好適である。なお、上記非晶質酸化物は、少なくとも一部が非晶質の酸化物で構成されていればよい。
また、本実施形態に係るトランジスタの導電型は限定されず、上述したn型導電の他に、p型導電でもよく、また、真性(intrinsic:イントリンシック)層を用いたi型導電でもよい。
また、ゲート電極材料は、TaN、TaC、TiN、TiCN、TiAlN、W、WNMoのうち少なくとも一つを含んでいることが好適であるが、本実施形態に係るトランジスタのゲート電極材料は、ゲート電極の仕事関数が所望の特性を満たせばよく、これらに限定されるものではない。
なお、上記トランジスタの活性層が、非晶質酸化物を有している酸化物半導体である場合、ゲート電極G、ソース電極S、ドレイン電極Dのうち少なくとも1つが酸化物で構成されていることが好ましい。
また、トランジスタの活性層は、スパッタリング法によって作製することが好適であるが、製造プロセスは、本方式に限定されるものではない。
本実施形態は、上述したようにアクティブマトリクス基板2の表面に設けたトランジスタの特性変化を利用して放射線を検出するものであり、そのトランジスタの活性層の膜厚は、例えば1μm以下でも、良好に放射線を検出することができる。
(トランジスタの好適例)
次に、本実施形態で用いられるトランジスタの好適な構成について説明する。
本実施形態で用いられるトランジスタ、つまり、例えば図1の(a)・(b)に記載のトランジスタとしては、通常のMOS(metal oxide semiconductor)トランジスタを用いてもよい。しかしながら、放射線に対するトランジスタの特性変化が大きいことから、図7に示す構造を有するTFT20を用いることが好ましい。
図7は、本実施形態に係るエネルギー線検出装置1の要部の概略構成を示す断面図である。図7に、本実施形態に係るアクティブマトリクス基板2におけるTFT20の好適な構成の一例を示す。
TFT20は、図7に示すように、ガラス基板等の絶縁性基板10上に設けられた活性層21上に、ソース電極Sおよびドレイン電極Dが設けられているとともに、ソース電極Sとドレイン電極Dとの間の活性層21上に、ゲート絶縁膜22を介してゲート電極Gが設けられた構成を有している。
ゲート絶縁膜22は、珪素と酸素とを含むことが好ましい。また、ゲート絶縁膜22は、珪素と窒素とを含むことが好ましい。
本実施形態では、活性層21に、半導体として、酸化物半導体を使用するとともに、ゲート絶縁膜22を、窒素と珪素とを含む第1の絶縁膜23と、酸素と珪素とを含む第2の絶縁膜24との積層構造としている。
上述したように、酸化物半導体のバンドギャップエネルギーの数千倍から数万倍のエネルギーを持った放射線が活性層21に照射されると、光誘起キャリアが、半導体や酸化物半導体等で活性層21を構成したTFT20内で連鎖的に発生する。
ゲート絶縁膜22を第1の絶縁膜23と第2の絶縁膜24とからなる積層構造とし、かつ第1の絶縁膜23は窒素と珪素とを含み、第2の絶縁膜24は酸素と珪素とを含む構成とすることにより、この連鎖的に発生した光誘起キャリアのうち、ゲート絶縁膜22の電界によって誘導される正孔を、効率的に捕集することができる。
また、ゲート絶縁膜22は、窒素と酸素と珪素とを含む第1の絶縁膜23と、窒素と酸素と珪素とを含む第2の絶縁膜24との積層構造としてもよく、この場合、第1の絶縁膜23において、窒素は酸素よりも多く含まれ、第2の絶縁膜24において、酸素は窒素よりも多く含まれていることが好ましい。
なお、第1の絶縁膜23は、窒素と酸素と珪素とを含む膜に限定されず、電子または正孔を捕獲する能力があれば他の絶縁膜でもよく、例えば、HfAlO等からなる高誘電体膜や、シリコン窒化膜、HfAlO膜、およびアルミナ膜等の、複数の膜からなる積層膜とすることもできる。
また、ゲート絶縁膜22を第1の絶縁膜23と第2の絶縁膜24とからなる積層構造とする場合、第1の絶縁膜23の膜厚は、第2の絶縁膜24よりも厚いことが好ましい。
この理由の一つとしては、第1の絶縁膜23の膜厚を第2の絶縁膜24よりも厚くすることで、キャリアの捕獲総数を確保することができることが挙げられる。また、他の理由として、第1の絶縁膜23の膜厚が第2の絶縁膜24よりも薄いと、ゲート絶縁膜22に求められる絶縁破壊耐性や被覆性等の信頼性に関する仕様を十分に満たすことが難しいことが挙げられる。
但し、必ずしも上記構成に限定されるものではなく、第1の絶縁膜23の膜厚を第2の絶縁膜24よりも薄くしても構わない。このように第1の絶縁膜23の膜厚を薄膜化する際の対策として、例えば、第1の絶縁膜23を酸化し、第1の絶縁膜23上に酸化膜を形成してもよい。第1の絶縁膜23上に酸化膜を形成することで、酸化膜と第1の絶縁膜23との界面のキャリア捕獲数が増加し、第1の絶縁膜23に存在するピンホールを埋めることで、信頼性の向上も期待できる。
なお、トランジスタの閾値電圧の変動量は、ゲート絶縁膜22の種類や膜質や構造に加え、半導体および酸化物半導体のキャリア濃度によっても変化するため、プロセス・デバイス構造から、最適な閾値電圧の変動量に制御することが可能である。
例えば、第1の絶縁膜23にSiNx膜を使用した場合、Siに対するNのモル比xが、0.67<x<1.33の範囲内の値であり、第1の絶縁膜23の膜厚Tct1は、10nm<Tct1<990nmの範囲内の値とすることが好適である。但し、本実施形態は、上記値に限定されるものではない。
SiNx膜の化学量論的組成はSiであり、その場合のSiに対するNのモル比xはx=1.33となる。x<1.33のSiNx膜は、Siの組成比が大きいSiリッチな組成となり、Si原子のダングリングボンドにより、キャリアトラップが生成されると考えられる。
キャリアトラップの密度は、Siに対するNのモル比xが1.33よりも低下するに従って増加する傾向にある。x=0.67は、平均的に、Siの4つの結合手のうち2つが未結合手となるか、隣接Siと共有結合を形成する組成に相当するので、共有結合が大量に存在することになり、SiNx膜の絶縁性が劣化して、ゲートリーク電流が著しく増大する。
従って、Siに対するNのモル比xは、0.67<xであることが望ましいが、上記値に限定されない。例えば、第1の絶縁膜23にSiOxNy膜を使用した場合、SiとOとNとの合計に対するNのモル比xは、N/(Si+N+O)で表される。N/(Si+N+O)は、最小で0、最大で0.35である。従って、SiとOとNとの合計に対するNのモル比xは、0.35<xが望ましいが、上記値に限定されない。
また、上記TFT20において、ゲート絶縁膜22の膜厚Tox(すなわち、第1の絶縁膜23と第2の絶縁膜24との合計の膜厚)は、1μm以下が好適である。
トランジスタの電気的特性の変化量は、絶縁膜の厚さに比例し、厚いほど変化量が大きくなる傾向にある。しかしながら、一般的に、トランジスタの電源電圧(VDD)は、オン状態のトランジスタのゲート絶縁膜の電界Fcxが、5〜6MV/cmとなるように設計される。このため、上記TFT20における、ゲート絶縁膜22の膜厚Toxは、1μm以下であることが望ましい。
また、第2の絶縁膜24にSiOx膜を使用した場合、シリコン酸化物におけるシリコンに対する酸素のモル比は0〜2とされていることから、Siに対するOのモル比xは、1≦x≦2の範囲内の値であり、第2の絶縁膜24の膜厚Tct2は、10nm<Tct2<990nmの範囲内の値とすることが好適である。但し、本実施形態は、上記値に限定されるものではない。
また、上述した説明では、ゲート絶縁膜22を、第1の絶縁膜23と第2の絶縁膜24との積層構造とした場合を例に挙げて説明したが、本実施形態に係るトランジスタは、図7に示すように第1の絶縁膜23と第2の絶縁膜24とを有する構造に限定されるものではない。
なお、絶縁性基板10は、放射線のエネルギーが非常に大きく、活性層21を突き抜けてしまう可能性があるため、耐放射線性に優れる絶縁材料で構成することが好適である。
<効果>
本実施形態に係るエネルギー線検出装置1では、上述したように、アクティブマトリクス基板2上に照射された放射線(エネルギー線)によって、半導体からなる、TFT20の活性層21に発生する光誘起キャリア(電子−正孔対)による電気的特性の変化量を検出することで、放射線を検出する。このため、本実施形態に係るエネルギー線検出装置1では、特許文献1、2のように半導体膜に放射線を照射することで半導体膜内に発生した電荷を電荷蓄積容量に蓄積し、蓄積した電荷を取り出すことで放射線を検出する場合のように半導体の膜厚を大きくする必要がなく、半導体、ひいては装置全体の厚みを薄くすることができる。
すなわち、エネルギー線検出装置1は、上述したようにアクティブマトリクス基板2の表面に設けたトランジスタの特性変化を利用して放射線を検出するものであり、そのトランジスタの活性層の膜厚は、例えば1μm以下でも、良好に放射線を検出することができる。このため、従来の半導体検出器のように厚い放射線変換膜は不要である。
また、このように半導体の厚みを薄くすることができるので、半導体層が形成されている領域とそうでない領域との境目近傍で硬化収縮量の厚さの差から大きな内部応力が蓄積されることにより、反りや衝撃に対する耐性の劣化等、信頼性が欠けるという問題を招来することがない。このため、本実施形態によれば、信頼性の高いエネルギー線検出装置1を提供することができる。
さらに、従来のように半導体膜にエネルギー線を照射することで半導体膜内に発生した電荷を電荷蓄積容量に蓄積し、蓄積した電荷を取り出すことでエネルギー線を検出する場合、長時間エネルギー線を照射して電荷蓄積容量を十分に充電してからでないと情報を読み出すことができない。
しかしながら、本実施形態に係るエネルギー線検出装置1は、このような充電時間を必要としないことから、情報の高速読み出しが可能である。しかも、放射線に対する感度(S/N比)が高いことから、放射線の照射時間は短時間でよく、被爆線量を低減させることができる。
また、本実施形態によれば、放射線が多く照射されたピクセルSx(単位領域)に配置されているトランジスタは閾値電圧の遷移が大きくなり、放射線量が少ないピクセルSx(単位領域)においては閾値電圧の遷移が小さくなり、かつ、遷移量は、放射線の照射量に応じて線形に変化する。このため、微弱な放射線量から、広範囲の放射線量を確実に検出することができる。
また、本実施形態に係るエネルギー線検出装置1は、特許文献3のように、放射線の検出に、1対の放射線電界効果型トランジスタとトランジスタ毎に接続する負荷をとしない。本実施形態に係るエネルギー線検出装置1は、格子状に配されたそれぞれのTFT20が放射線検出素子(エネルギー検出素子)として機能する。このため、本実施形態によれば、放射線検出素子(エネルギー検出素子)としてのTFT20が格子状に配置された、小型で軽量のエネルギー線検出装置1を提供することができる。
また、本実施形態で用いられるトランジスタは、放射線照射後、無照射期間を設けることで、閾値電圧の遷移(例えばn型であれば上述したように負方向への遷移)が旧に復する。このため、本実施形態に係るエネルギー線検出装置1は、放射線照射後、無照射期間を設けることで、繰り返し、放射線の検出に用いることができる。
さらに、本実施形態によれば、本実施形態で用いられるトランジスタと同一工程で、アンプ、スイッチ、レベルシフタ、バッファ等、その他の周辺回路に用いるトランジスタを一括で形成することもできる。このように複数のトランジスタを同一工程で形成することにより、工程数の増加を低減することが可能となる。
<ダイオード>
図8は、半導体素子としてダイオードを用いたエネルギー線検出装置1の概略構成の一例を示すブロック図である。
図8に示すエネルギー線検出装置1は、半導体素子として、ダイオード91を備えている。このように、本実施形態の半導体素子は、トランジスタ以外のダイオード素子で構成することも可能である。
上記ダイオード(例えばダイオード91)としては、例えば、PNダイオード、ショットキーダイオード、PINダイオード、MIM(Metal Insulator Metal)ダイオード、MIS(Metal Insulator Semiconductor)ダイオード等が挙げられる。また、上記ダイオードは、例えばTFT20の一方の導通端子をゲート電極Gに繋いでダイオード接続した、ダイオード接続TFTであってもよい。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図9の(a)・(b)に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施形態では、実施形態1との相違点について説明するものとし、実施形態1で用いた構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態でも、発明の概要から見た基本的な考え方並びにエネルギー線の検出原理そのものは、実施形態1と同じである。
実施形態1では、各ピクセルSxにおけるTFT20がオンしているときの電流の増加から放射線量を検出する場合を例に挙げて説明した。本実施形態では、放射線照射による閾値電圧の変化により、オフしているTFT20がオンの状態に変化するときの電流増加から放射線量を検出する場合を例に挙げて説明する。
<エネルギー線検出装置1の概略構成および放射線の検出方法>
図9の(a)は、本実施形態に係るエネルギー線検出装置1における、1ピクセル当たりの基本的な回路構成を示す回路図であり、図9の(b)は、本実施形態に係るエネルギー線検出装置1の概略構成の一例を示すブロック図である。
以下では、本実施形態に係るエネルギー線検出装置1による放射線の検出方法について、制御装置の機能および記憶部50の構成を交えて説明する。
まず、基準電圧発生回路部4にて、ソース配線12に、基準電圧として一定電圧(図5に示す特性を測定したときのソース電圧)を与え、ゲート電圧発生回路部3にて、ゲート配線11に−2Vのゲート電圧を与える。
本実施形態では、図9の(a)に示すように、出力信号取り出し用端子31をアクティブマトリクス基板2の図示しない共通電極に接地している。本実施形態では、基準電圧発生回路部4から各ピクセルSxのTFT20を介してアクティブマトリクス基板2の共通電極に流れる電流を、特性検出回路部7で検出する。検出は、基準電圧を与える電源と基準電圧発生回路部4との間に、特性検出回路部5内の電流−電圧変換回路41を設けることにより行うことができる。
実施形態1で説明したように、アクティブマトリクス基板2に放射線が照射されると、各ピクセルSxのTFT20に流れる電流量が増加する。
本実施形態でも、この増加した電流量に対応する放射線量を求めることで、照射された放射線量を検出することができる。
但し、本実施形態では、まず、放射線照射前の、放射線が無い状態で、基準電圧発生回路部4から各ピクセルSxのTFT20を介してアクティブマトリクス基板2の共通電極に流れる電流の総和(Ioff)を測定して、第1記憶部51に記憶する。
なお、放射線が無いあるいは放射線量が少ない状態では、各ピクセルSxのトランジスタはオフしているため、このときのドレイン電流の電流量は、0A付近の小さい値である。
次いで、放射線照射後に基準電圧発生回路部4から各ピクセルSxのTFT20を介して共通電極に流れる電流の総和(Isum)を測定して、エネルギー線検出処理部61に送る。そして、エネルギー線検出処理部61で、Isumを、第1記憶部51に記憶されたIoffと比較することで、増加した電流量を検出する。
放射線が照射された場合、各ピクセルSxのトランジスタには、図5で説明したように、1×10−8Aのドレイン電流が流れる。したがって、基準電圧発生回路部4から各ピクセルSxのトランジスタを介して共通電極に流れる電流の総和(Isum)は、1×10−8×(n×m)Aになる。
そこで、本実施形態でも、エネルギー線検出処理部61で、この増加した電流量に対応する放射線量を求めることで、照射された放射線量を検出することができる。
この場合、第2記憶部52に、TFT20の電気的特性の変化量とエネルギー線量との関係として、アクティブマトリクス基板2のメタル層に流れる電流の変化量(Isum−Ioff)とエネルギー線量との関係を記憶しておけばよい。
但し、本実施形態において、上述したように、放射線が無いあるいは放射線量が少ない状態では、各ピクセルSxのトランジスタはオフしているため、このときのドレイン電流の電流量は、0A付近の小さい値である。
したがって、本実施形態によれば、Isumを測定するだけで、一定量以上の放射線量を検出することもできる。
この場合、第2記憶部52に、TFT20の電気的特性の変化量とエネルギー線量との関係として、放射線照射後に共通電極に流れる電流(Isum)とエネルギー線量との関係を記憶しておけばよい。なお、このとき、予め、Ioffとの差を考慮し、Isumと、(Isum−Ioff)に対応したエネルギー線量との関係が記憶されていてもよい。
これにより、エネルギー線検出処理部61における放射線量検出部で、Isumから放射線量を求めることで、照射された放射線量を検出することができる。この場合、第1記憶部51を省略することができるので、部品点数を削減することができる。また、Isumを変化量として用いることで、(Isum−Ioff)を演算する必要がなく、解析処理を簡素化することができる。言い換えれば、この場合、特性検出回路部7が変化量検出部として機能するため、エネルギー線検出処理部61における解析部としての変化量算出を省くことができる。
また、放射線量ではなく放射線の有無を検出する場合には、エネルギー線検出処理部61で、IsumとIoffとの差を考慮し、(Isum−Ioff)もしくはIsumが、(Isum−Ioff)もしくはIsumと、(Isum−Ioff)もしくはIsumに対応した放射線量との関係から予め決定した閾値を超えた場合、放射線が照射されていると判断することにより、放射線を検知したと判断することができる。
また、(Isum−Ioff)もしくはIsumの値が、予め小さい場合、基準電圧発生回路部4の電圧を上げ、ゲート電圧発生回路部3の電圧を再検討することで、(Isum−Ioff)もしくはIsumの値を大きくしてもよい。
なお、ピクセルSxを構成するトランジスタの特性を変更した場合、図5と同様の測定を行って、ソース電圧およびゲート電圧を決定すればよい。
検知した放射線は、例えば、音、光、振動、画像等により使用者に報知することができる。すなわち、上記エネルギー線検出装置1は、報知部(報知手段)として例えば、図示しないスピーカを備え、該スピーカにより、音声、音楽、警告音等の音により放射線の検知を使用者に報知してもよい。また、上記エネルギー線検出装置1は、報知部(報知手段)として例えば、パイロットランプ等の図示しない報知光出力部を備え、放射線の検知を、光によって使用者に報知してもよい。さらに、上記エネルギー線検出装置1は、報知部(報知手段)として振動部(振動手段)を備え、放射線の検知を、振動によって使用者に報知してもよい。なお、報知部(報知手段)は、1つに限定されず、複数備えていてもよい。言い換えれば、報知部は、上述した各報知手段のうち少なくとも1つを備えていてもよい。
なお、本実施形態では、各ピクセルSxのTFT20に流れる電流を総和(全て合計)することにより、全ピクセルSxのTFT20に流れる電流の変化量の和(合計の変化量)を検出した。しかしながら、本実施形態は、これに限定されるものではなく、全ピクセルSxを複数のソース配線毎の単位領域に分け、各単位領域を構成する複数のピクセルSxのTFT20に流れる電流の和(合計)を求めることにより、該複数のピクセルSxのTFT20に流れる電流の変化量の和を検出してもよい。
<効果>
以上のように、本実施形態は、エネルギー線検出装置1全体の概略構成、並びに、発明の概要から見た基本的な考え方やエネルギー線の検出原理そのものは実施形態1と同じであることから、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態では、以上のように、各ピクセルSxにおけるTFT20の特性変化の総和を検出して変化量を増幅させることで、実施形態1よりも微弱な放射線量から、放射線の有無あるいは放射線量を、確実に検出することができる。
さらに、本実施形態によれば、上述したように、Isumから閾値を超えた放射線量もしくは放射線の有無を検出することもできる。この場合、実施形態1と比較して、部品点数を削減したり、解析処理を簡素化したりすることができる。また、ある閾値を超えた放射線が照射された場合、放射線源(例えばX線管)のオン・オフ制御を行うシステム制御を行って、検出に必要な線量以上の放射線をカットすることで被爆線量を低減することもできる。
〔実施形態3〕
本発明のさらに他の実施形態について、図10の(a)・(b)に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施形態では、実施形態1、2との相違点について説明するものとし、実施形態1、2で用いた構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
半導体で活性層を構成したトランジスタで構成した容量素子は、該容量素子に放射線を照射すると、照射された放射線量に応じて、容量値が線形に遷移する。
したがって、半導体の電気的特性の変化量として、半導体で活性層を構成したトランジスタで構成した容量素子の容量値の変化量(遷移量)を検出することで、この容量値の変化量から放射線量を求めることができる。
<エネルギー線検出装置1の概略構成>
図10の(a)は、本実施形態に係るエネルギー線検出装置1における、1ピクセル当たりの基本的な回路構成を示す回路図であり、図10の(b)は、本実施形態に係るエネルギー線検出装置1の概略構成の一例を示すブロック図である。
図10の(b)に示すように、本実施形態に係るエネルギー線検出装置1は、アクティブマトリクス基板2と、駆動回路としてのゲート電圧発生回路部3およびスイッチ駆動回路部8と、特性検出回路部5と、制御装置6と、を備えている。また、本実施形態に係るエネルギー線検出装置1は、放射線発生装置71をさらに備えたシステムであってもよい。
本実施形態でも、アクティブマトリクス基板2は、図10の(b)に示すように、複数(n×m個)のピクセルS1〜Snm(nおよびmはそれぞれ1以上の任意の整数を示す)が格子状に配された、例えば略正方形状を有している。
図10の(b)に示すように、アクティブマトリクス基板2における各ピクセルSxは、複数(n本)のゲート配線11と複数(m本)のスイッチ信号配線13(センサ行選択線)とからなるXYマトリクス状の電極配線と、TFT20と、出力信号取り出し用端子31と、接地用端子32と、を備えている。
本実施形態でも、ゲート配線11は、ゲート電圧発生回路部3に接続されている。スイッチ信号配線13は、スイッチ駆動回路部8に接続されている。
TFT20は、ソース電極Sとドレイン電極Dとを短絡して、ゲート電極Gとソース電極Sおよびドレイン電極Dとの間に(ゲート−ソース・ドレイン間容量;以下、単に「容量」と記す)を形成している。
TFT20のゲート電極Gはゲート配線11に接続されており、ソース電極Sおよびドレイン電極Dは、スイッチSwに接続されている。
スイッチSwは、スイッチ駆動回路部8からの信号に基づいて、ソース電極Sおよびドレイン電極Dの接続先を、出力信号取り出し用端子31側および接地用端子32側の何れかに切り替える。
スイッチ駆動回路部8は、スイッチ信号配線13を介して、各ピクセルSxに設けられたスイッチSwに、該スイッチSwの接続先を切り替える信号を送る。
各ピクセルSxの出力信号取り出し用端子31は、特性検出回路部5の信号配線SL1〜SLnmに接続されている。
特性検出回路部5には、容量検出回路が設けられている。容量検出回路は、例えば、チャージセンシングアンプ、もしくは、共振周波数または位相の遷移量を測定する回路で構成される。但し、これに限定されるものではなく、上記方式とは異なる方式を用いて容量を検出する回路で構成されていてもよい。
チャージセンシングアンプは、例えばオペアンプと容量素子とにより構成され、電荷を容量素子に保持することで積分して増幅し、電気信号を出力する。なお、容量値は、各ピクセルSxに含まれるそれぞれの容量素子において計測され、特定の容量素子に対する放射線入射の有無および放射線量の多寡を表すことになる。
共振周波数または位相の遷移量を測定する回路は、自励発振回路、利得変化補正回路、アンプからなる読出し回路とトランジスタとで構成した容量素子との間で帰還回路を形成し、放射線照射前後における共振周波数または位相の遷移量を検出する。
具体的には、上記帰還回路においては、利得=1かつ位相条件が0なら正帰還がかかり、特定の周波数で共振する。しかし、放射線照射により容量値が遷移することで、共振周波数が変化した場合は位相差が0にならず、利得は共振周波数の利得よりも小さくなるので、帰還回路の利得・位相条件が満たされず、自励発振の発振が停止する。しかしながら、利得変化補正回路で共振周波数を調整し、位相差が0となるように帰還回路で制御を行えば、発振が再開される。これにより、帰還回路で、放射線照射前後における周波数差および位相の遷移量が検出(計測)される。
<放射線の検出方法>
次に、本実施形態に係るエネルギー線検出装置1による放射線の検出方法について、制御装置60の機能および記憶部50の構成を交えて説明する。
まず、容量に蓄えられた電荷を除去して、TFT20の容量を検出する。
具体的には、まず、各ピクセルSxに設けられたスイッチSwを、スイッチ駆動回路部8からのからの信号により、接地用端子32側にして、各TFT20のソース電極Sおよびドレイン電極Dを接地することにより、上記容量に蓄えられた電荷を除去する。
次に、各ピクセルSxに設けられたスイッチSwを、スイッチ駆動回路部8からのからの信号により、出力信号取り出し用端子31側にして、各TFT20のソース電極Sおよびドレイン電極Dを、出力信号取り出し用端子31に接続し、該出力信号取り出し用端子31を介して特性検出回路部5に接続することで、各ピクセルSxのTFT20の容量値を測定する。放射線が無いときの容量値と、放射線が有るときの容量値とを、実施形態1、2と同様に比較して、容量値の変化量(遷移量)を検出する。
放射線をエネルギー線検出装置1に照射すると、ピクセルSx毎に配置されたトランジスタを用いた容量素子の容量値の変化が放射線量に応じて発生する。そこで、本実施形態でも、ゲート配線11からの入力電圧により容量素子に保持される電荷量を、各信号配線SL1〜SLnmを通じて外部に取り出すことで、例えば、二次元的に、放射線の線量と、被写体を透過した透過画像とを得ることが可能となる。本実施形態では、容量素子に蓄積された電荷を、特性検出回路部5に送り、信号として読み出す。
特性検出回路部5には、前述したように容量検出回路が設けられており、各ピクセルSxのTFT20の容量値を読み出すことができる。
このとき、容量検出回路に、前述したようにチャージセンシングアンプを用いることで、電荷を容量素子に保持することで積分して増幅し、電気信号を出力することができる。
また、容量値を直接読み出す代わりに、前述したように、例えば自励発振回路、利得変化補正回路、アンプからなる読出し回路とトランジスタで構成した容量素子との間で帰還回路を形成し、放射線照射前後における共振周波数もしくは位相の遷移量を測定することで、二次元的な放射線の線量分布と被写体を透過した透過画像に画像処理で再構成する元となるピクセルSxの放射線量値とを検出する構成としてもよい。
第2記憶部52には、容量値の変化量と放射線量との関係が記憶されている。
エネルギー線検出処理部61は、放射線量検出部にて、第2記憶部52に記憶された、容量値の変化量と放射線量との関係から、特性検出回路部5で検出された容量値の変化量に対応する放射線量を検出する。
なお、容量検出回路で、TFT20の電気的特性として各ピクセルSxのTFT20の容量値を検出する場合には、放射線照射前の各ピクセルSxのTFT20の容量値を第1記憶部51に記憶することで、実施形態1と同様にしてTFT20の電気的特性の変化量を求めることができる。
すなわち、本実施形態でも、第1記憶部51を用いて、変化量検出部にて、特性検出回路部5で検出された、放射線照射前後の各ピクセルSxのTFT20の容量値から、容量値の変化量を検出してもよい。なお、容量値の変化量から放射線量を検出する方法は、容量検出回路でTFT20の容量値の変化量を検出する場合と同じである。
本実施形態のように放射線検出素子として容量素子を用いる場合、上述したように、容量素子を構成するトランジスタの活性層に放射線が照射されると、光誘起キャリア(電子−正孔対)が連鎖的に発生し、放射線の照射量に応じた容量値の遷移が発生する。
この結果、放射線が多く照射されたピクセルSxに配置されているトランジスタは、容量値の遷移が大きくなり、放射線量が少ないピクセルSxに配置されているトランジスタは、容量値の遷移が小さくなるとともに、遷移量は、放射線の照射量に応じて線形に変化する。このため、本実施形態でも、微弱な放射線量から、広範囲の放射線量を確実に検出することができる。
また、本実施形態に係るエネルギー線検出装置1も、従来のように充電時間を必要としないことから、情報の高速読み出しが可能である。しかも、放射線に対する感度(S/N比)が高いことから、放射線の照射時間は短時間でよく、被爆線量を低減させることができる。
なお、解像度の向上を図るためには、ピクセルサイズの縮小が行われるが、ピクセルサイズの縮小に伴って容量素子の容量値が小さくなると、各ピクセルSxの電荷量が小さくなる。このため、トランジスタのリーク電流ばらつきによる、各ピクセルSx間の電荷量ばらつきが顕著化し、データの正確さを維持することが困難となるが、前述したように、半導体として、リーク電流が極めて少ない酸化物半導体を用いることで、大面積の検出器においても、ピクセルSx毎の容量値を正確に測定することができる。
本実施形態において、ピクセルSx毎に配置される容量の大きさは、ピクセルSxに配置されるトランジスタのリーク電流等を勘案し、所定の期間、電荷を保持できるように設定される。
例えば、酸化物半導体の活性層を有するトランジスタで構成した容量素子を用いることで、従来のアモルファスシリコンで形成された容量素子に比べ、その容量値は1/2以下、好ましくは1/5以下の容量値でもよく、ピクセルサイズの縮小と、ピクセルの高開口率化とを図ることができる。
また、本実施形によれば、容量値を小さくできることから、例えば上述したように帰還回路を形成する場合、該帰還回路の共振点をシステム仕様に合せて任意に設定することができる。
なお、本実施形態では、各ピクセルSxのTFT20の容量値の変化量から該変化量に対応する放射線量を検出する場合を例に挙げて説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではない。
例えば、本実施形態でも、実施形態2で説明したように、各ピクセルSxのTFT20の容量値の変化量から閾値を超える放射線の有無を検出したり、各ピクセルSxの容量値の総和の変化量を検出することで、放射線量を増幅して微弱な放射線量を検出したりしてもよい。
また、上述したようにエネルギー線検出装置1が放射線発生装置71(エネルギー線発生装置)を備える場合等において、ある閾値を超えた放射線が照射された場合、放射線発生装置71における放射線源(例えばX線管)のオン・オフ制御を行うシステム制御を行う構成としてもよい。
また、本実施形態でも、出力信号取り出し用端子31および接地用端子32を各ピクセルSxに設ける場合を例に挙げて説明したが、本実施形態は、これに限定されるものではない。
例えば、接地用端子32を、全ピクセルに対して1つ、もしくは、数ピクセル毎に設けてもよい。接地は、容量に蓄えられた電荷を除去するために必要であるが、このように各TFT20に対し、接地用端子32を共通化することで、アクティブマトリクス基板2における、セレクト用のスイッチSwが占有する面積を抑制することができる。
また、出力信号取り出し用端子31を各TFT20で共通にして、TFT20の出力、つまり、容量値または容量値の変化量を、時分割で読み出してもよい。
また、ピクセルSxの開口率の低下を防ぐために、各ピクセルSxに電極を配置し、配線で各TFT20を、各TFT20に共通のスイッチング素子に接続してもよい。
<効果>
以上のように、本実施形態もまた、発明の概要から見た基本的な考え方やエネルギー線の検出原理そのものは、実施形態1および2と同じである。
したがって、本実施形態でも、実施形態1、2と同様の効果を得ることができる。
〔実施形態4〕
本発明のさらに他の実施形態について、図11の(a)・(b)および図12に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施形態では、実施形態1〜3との相違点について説明するものとし、実施形態1〜3で用いた構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
絶縁性基板10には耐放射線性に優れる絶縁材料を用いることが望ましく、実施形態1では、一例として、絶縁性基板10としてガラス基板を用いた。
本実施形態では、アクティブマトリクス基板2における絶縁性基板の構成の他の例について説明する。
<例1>
図11の(a)は、本例に係るエネルギー線検出装置1における要部の概略構成を示す平面図であり、図11の(b)は、図11の(a)に示すアクティブマトリクス基板2のA−A線矢視断面図である。なお、図11の(b)は、図11の(a)に示す1ピクセルの断面を示している。
前述したように、トランジスタの活性層に用いる半導体は、酸化物半導体であることが望ましい。酸化物半導体は、基本的にアルカリイオンによる特性変動を受けにくい。このため、基本的に、アクティブマトリクス基板のベース基板として用いられる絶縁性基板は、絶縁性と平坦性とが確保されていればよい。
また、トランジスタの活性層に用いる酸化物半導体は、低温で成膜できる。
このため、TFT20の活性層21に酸化物半導体を用いる場合、図11の(b)に示すように、フィルムやポリエチレン等の樹脂板やプラスチック板等、有機材料や高分子材料による可曲性を備えた可曲性絶縁基板80上に、フレキシブルなTFT20を形成することができる。
また、前述したように、TFT20の活性層21には、低分子系および高分子系を問わず、有機半導体材料を使用することができる。このようにTFT20の活性層21に、有機半導体材料を用いる場合にも、図11の(b)に示すように、フィルムやポリエチレン等の樹脂板やプラスチック板等、有機材料や高分子材料による可曲性を備えた可曲性絶縁基板80上に、フレキシブルなTFT20を形成することができる。
(効果)
上述したように、本例によれば、一般的にはアクティブマトリックス基板としては使用が困難であるとされているフィルムやポリエチレン等の樹脂板やプラスチック板等が使用可能である。このため、本例によれば、従来の検出器に比べて軽量で薄く、可曲性を備えたエネルギー線検出装置1を実現することができる。したがって、本例に係るエネルギー線検出装置1は、例えば、非平面型のエネルギー線検出装置として用いることもできる。
また、上述したように可曲性を備えたエネルギー線検出装置1の用途は、医療用途以外にも、産業用途での利用が想定できる。
例えば、本例に係るエネルギー線検出装置1は、原子力発電所やプラント、船内や機械内の配管、車両や船舶や航空機のエンジンルーム等、限られた狭い範囲に、複雑に折り重なるように配管や配線等が敷設されている場所での使用に、好適に用いることができる。
本例に係るエネルギー線検出装置1は、可曲性を備え、かつ、従来の半導体検出器と比べて厚さも薄く、軽くできることから、複雑な配管や配線の間に挿入し、対象となる箇所だけの放射線透過像を確認することができる。
<例2>
図12は、本例に係るエネルギー線検出装置1の要部の概略構成を示す断面図である。
本例に係るエネルギー線検出装置1は、図12に示すように、アクティブマトリクス基板2の絶縁性基板として、薄いガラス板からなるガラス基板81と、可曲性絶縁基板80とを接合してなる絶縁性基板を備えている。
なお、可曲性絶縁基板80には、上述したように、例えば、可曲性を備えた有機材料や高分子材料からなる基板を用いることができる。
ガラス基板81と、可曲性絶縁基板80との接合に際し、TFT20の活性層21に用いられる酸化物半導体は、低温で成膜できる。このため、図12に示すように、活性層21側から、可曲性絶縁基板80/ガラス基板81の順に積層されている構成としてもよく、活性層21側から、ガラス基板81/可曲性絶縁基板80の順に積層されている構成としてもよい。
(効果)
本例によれば、絶縁性基板の一部に、フィルムやポリエチレン等の樹脂板やプラスチック板等の可曲性絶縁基板80を用いていることから、本例でも、従来の検出器に比べて軽量で薄いエネルギー線検出装置1を実現することができる。
〔実施形態5〕
実施形態1〜4に係るエネルギー線検出装置1を用いた装置の一例について、図13〜図19に基づいて説明すれば、以下の通りである。
上述したように、実施形態1〜4に係るエネルギー線検出装置1を用いれば、実施形態1〜4で説明したように、エネルギー線の情報として、例えば、放射線の有無や放射線量といった放射線の情報を検出することができる。
例えば、実施形態1〜4に係るエネルギー線検出装置1を用いれば、放射線検出面での放射線量の分布を測定することができる。したがって、この分布を画像として処理すれば、放射線透過画像を作成することができるため、例えば、X透過画像のモニタとして使用が可能である。
以下では、主に、アクティブマトリクス基板2の半導体上のエネルギー線被照射体を被写体とし、該被写体を透過するエネルギー線を検出して該エネルギー線のエネルギー分布を作成する場合を例に挙げて説明する。
以下に、実施形態1〜4に係るエネルギー線検出装置1の利用例について説明する。
<医療用X線一般撮影装置>
図13は、本実施形態に係る医療用X線一般撮影装置の概略構成の一例を示す模式図である。
図13に示す医療用X線一般撮影装置は、制御ユニット、X線検出ユニット、X線発生ユニット、表示モニタ、操作パネル、架台等を備えている。
エネルギー線検出装置1は、図13に示す医療用X線一般撮影装置、あるいは、その一部であってもよい。この場合、例えば、X線検出ユニットを、アクティブマトリクス基板2およびその周辺回路(例えばゲート電圧発生回路部3、基準電圧発生回路部4、スイッチ駆動回路部8等)により構成し、制御ユニットを制御装置6により構成し、X線発生ユニットに、例えば放射線発生装置71を用いることができる。
なお、X線検出ユニット、あるいは、X線検出ユニットおよび制御ユニットにエネルギー線検出装置1を用いてもよい。
前述したように、制御装置6は制御部60を備え、該制御部60で、エネルギー線検出装置1全体の制御が行われる。なお、エネルギー線検出処理部61による制御以外は、公知の医療用X線一般撮影装置の制御と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
上記医療用X線一般撮影装置の例としては、例えば、レントゲン、歯科用レントゲン、Cアーム、アンギオグラフィ等が挙げられる。但し、本実施形態は、これに限定されるものではなく、上記医療用X線一般撮影装置は、X線を含む放射線検出用途に幅広く利用可能であり、医療用としても上記用途に限定されない。
<医療用CT(computerized tomography)装置>
図14は、本実施形態に係る医療用CT装置の概略構成の一例を示す模式図である。
図14に示す医療用CT装置は、制御ユニット、X線検出ユニット、X線発生ユニット、表示モニタ、操作パネル、ガントリー、架台等を備えている。
エネルギー線検出装置1は、図14に示す医療用CT装置、あるいは、その一部であってもよい。この場合にも、例えば、X線検出ユニットを、アクティブマトリクス基板2およびその周辺回路により構成し、制御ユニットを制御装置6により構成し、X線発生ユニットに、例えば放射線発生装置71を用いることができる。
また、本例でも、X線検出ユニット、あるいは、X線検出ユニットおよび制御ユニットにエネルギー線検出装置1を用いてもよい。
なお、本例でも、前述したように、制御装置6は制御部60を備え、該制御部60で、エネルギー線検出装置1全体の制御が行われる。なお、エネルギー線検出処理部61による制御以外は、公知の医療用CT装置の制御と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
<産業用CT装置>
図15は、本実施形態に係る産業用CT装置の概略構成の一例を示す模式図である。
図15に示す産業用CT装置は、制御ユニット、X線検出ユニット、X線発生ユニット、表示モニタ、操作パネル、コ−ンビーム発生ユニット、架台等を備えている。
エネルギー線検出装置1は、図15に示す産業用CT装置、あるいは、その一部であってもよい。この場合にも、例えば、X線検出ユニットを、アクティブマトリクス基板2およびその周辺回路により構成し、制御ユニットを制御装置6により構成し、X線発生ユニットに、例えば放射線発生装置71を用いることができる。
また、本例でも、X線検出ユニット、あるいは、X線検出ユニットおよび制御ユニットにエネルギー線検出装置1を用いてもよい。
なお、本例でも、前述したように、制御装置6は制御部60を備え、該制御部60で、エネルギー線検出装置1全体の制御が行われる。なお、エネルギー線検出処理部61による制御以外は、公知の産業用CT装置の制御と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
<マンモグラフィ>
図16は、本実施形態に係るマンモグラフィの概略構成の一例を示す模式図である。
図16に示すマンモグラフィは、制御ユニット、X線検出ユニット、X線発生ユニット、表示モニタ、操作パネル、架台、圧迫板等を備えている。
エネルギー線検出装置1は、図16に示すマンモグラフィ、あるいは、その一部であってもよい。この場合にも、例えば、X線検出ユニットを、アクティブマトリクス基板2およびその周辺回路により構成し、制御ユニットを制御装置6により構成し、X線発生ユニットに、例えば放射線発生装置71を用いることができる。
また、本例でも、X線検出ユニット、あるいは、X線検出ユニットおよび制御ユニットにエネルギー線検出装置1を用いてもよい。
なお、本例でも、前述したように、制御装置6は制御部60を備え、該制御部60で、エネルギー線検出装置1全体の制御が行われる。なお、エネルギー線検出処理部61による制御以外は、公知のマンモグラフィの制御と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
<荷物検査装置>
図17は、本実施形態に係る荷物検査装置の概略構成の一例を示す模式図である。
図17に示す荷物検査装置は、制御ユニット、X線検出ユニット、X線発生ユニット、表示モニタ、操作パネル、ベトコンベア等を備えている。
エネルギー線検出装置1は、図17に示す荷物検査装置、あるいは、その一部であってもよい。この場合にも、例えば、X線検出ユニットを、アクティブマトリクス基板2およびその周辺回路により構成し、制御ユニットを制御装置6により構成し、X線発生ユニットに、例えば放射線発生装置71を用いることができる。
また、本例でも、X線検出ユニット、あるいは、X線検出ユニットおよび制御ユニットにエネルギー線検出装置1を用いてもよい。
なお、本例でも、前述したように、制御装置6は制御部60を備え、該制御部60で、エネルギー線検出装置1全体の制御が行われる。なお、エネルギー線検出処理部61による制御以外は、公知の荷物検査装置の制御と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
<非破壊検査装置>
図18は、本実施形態に係る非破壊検査装置の概略構成の一例を示す模式図である。
図18に示す非破壊検査装置は、制御ユニット、X線検出ユニット、X線発生ユニット、表示モニタ、操作パネル等を備えている。
エネルギー線検出装置1は、図18に示す非破壊検査装置、あるいは、その一部であってもよい。この場合にも、例えば、X線検出ユニットを、アクティブマトリクス基板2およびその周辺回路により構成し、制御ユニットを制御装置6により構成し、X線発生ユニットに、例えば放射線発生装置71を用いることができる。
また、本例でも、X線検出ユニット、あるいは、X線検出ユニットおよび制御ユニットにエネルギー線検出装置1を用いてもよい。
なお、本例でも、前述したように、制御装置6は制御部60を備え、該制御部60で、エネルギー線検出装置1全体の制御が行われる。なお、エネルギー線検出処理部61による制御以外は、公知の非破壊検査装置の制御と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
<線量計>
図19は、本実施形態に係る線量計の概略構成の一例を示す模式図である。
図19に示す線量計は、X線検出ユニット、ケース等を備えている。また、図19に示す線量計は、X線量あるいはX線の有無を使用者に報知する、表示モニタ(図示せず)等の報知部(報知手段)や、操作パネル(図示せず)等を備えていてもよい。
すなわち、上記線量計は、報知部として例えば表示モニタを備えていてもよく、スピーカや、パイロットランプ、振動源等を内蔵していてもよい。
エネルギー線検出装置1は、図19に示す線量計、あるいは、その一部であってもよく、例えば、X線検出ユニットにエネルギー線検出装置1を用いてもよい。
なお、本例でも、前述したように、制御装置6は制御部60を備え、該制御部60で、エネルギー線検出装置1全体の制御が行われる。なお、エネルギー線検出処理部61による制御以外は、公知の線量計の制御と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
前述したように、エネルギー線検出装置1は、可曲性を有するエネルギー線検出装置とすることができることから、携帯用フィルムバッチ、携帯端末(携帯情報端末)等の携帯用の線量計に搭載したり、そのような携帯用の線量計として用いたりすることができる。
なお、図19では、携帯用の線量計を例に挙げて図示しているが、据置型の線量計にも使用可能であることは、言うまでもない。
また、上記例示はあくまでも一例であって、エネルギー線としては、X線以外のエネルギー線であってもよいことも言うまでもない。
エネルギー線検出装置1は、前述したように、例えば、各ピクセルSxの半導体に流れる電流の総和を測定することで、微弱な放射線による電気的特性の変化量(例えばトランジスタに流れる電流量等)をピクセル数倍することができる。このため、線量計等、微弱な放射線の測定に応用することができる。
この場合、前述したように、例えば、総和した電気的特性の変化量に対応する放射線量を予め測定しておけば、各ピクセルSxの半導体に照射される放射線量や、単位面積当たりに放射される放射線量を算出することが可能である。
以上のように、本発明の一態様に係るエネルギー線検出装置1は、上述したように、放射線検査装置等、エネルギー線の検出に用いられる様々な電子機器、あるいは、該電子機器に搭載されるエネルギー線検出器として好適に適用することができる。
本発明の一態様により設計したエネルギー線検出装置1を、エネルギー線検出部あるいはエネルギー線検出器として用いることにより、医療用途、産業用用途を問わず、放射線検査装置等の、エネルギー線の検出を必要とする各種電子機器を提供することができる。
なお、本実施形態は、他の実施形態と適宜組み合わせることが可能である。
上述した説明では、以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、これら実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってその範囲が解釈されるべきであり、当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載並びに技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができる。また、本明細書において引用した文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るエネルギー線検出装置1は、格子状に配され、照射されたエネルギー線の量に応じて電気的特性が変化する半導体(例えばTFT20やダイオード91を構成する半導体)と、各半導体の電気的特性の変化からエネルギー線の情報を検出する検出部(例えば特性検出回路部5・7および制御装置6)と、を備えている。
本発明の態様2に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様1において、上記検出部は、各半導体の電気的特性の変化として、各半導体の電気的特性の変化量を検出し、該変化量から、上記エネルギー線の情報として、各半導体に照射されたエネルギー線の量を検出してもよい。
本発明の態様3に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様1または2において、上記検出部は、各半導体の電気的特性の変化から、上記エネルギー線の情報として、各半導体に照射されたエネルギー線のエネルギー分布を得るものであってもよい。
本発明の態様4に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様3において、上記エネルギー分布を視覚化する表示部(例えば表示モニタ)をさらに備えていてもよい。
本発明の態様5に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様1〜4の何れかにおいて、上記検出部は、上記半導体上のエネルギー線被照射体を透過したエネルギー線のエネルギー分布を検出してもよい。
本発明の態様6に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様1において、上記検出部は、各半導体の電気的特性の変化から、上記エネルギー線の情報として、上記エネルギー線の有無を検出してもよい。
本発明の態様7に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様1において、上記検出部は、各半導体の電気的特性の変化量の和から上記エネルギー線の情報を検出してもよい。
なお、各半導体の電気的特性の変化量の和は、上記全ての半導体の電気的特性の変化量の総和であってもよく、複数の半導体毎の和であってもよい。すなわち、例えば、上記検出部は、各半導体の電気的特性の変化量の総和から上記エネルギー線の情報を検出してもよい。
本発明の態様8に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様1または7において、上記検出部は、各半導体の電気的特性の変化量の和から、上記エネルギー線の情報として、単位面積当たりに照射されたエネルギー線の量を検出してもよい。
本発明の態様9に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様1〜8の何れかにおいて、上記半導体の活性層が酸化物半導体であってもよい。
本発明の態様10に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様1または7において、上記検出部は、各半導体の電気的特性の変化量の和から、上記エネルギー線の情報として、閾値を超える上記エネルギー線の有無を検出してもよい。
本発明の態様11に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様1または7において、上記検出部は、各半導体の電気的特性の変化量の和から、上記エネルギー線の情報として、各半導体に照射されたエネルギー線の量の和を検出してもよい。
本発明の態様12に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様1、2、6〜11の何れかにおいて、上記エネルギー線の情報を報知する報知部(例えば表示モニタ)をさらに備えていてもよい。
本発明の態様13に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様12において、上記報知部は、音、光、振動、画像のうち少なくとも1つを用いて上記エネルギー線の情報を報知してもよい。
本発明の態様14に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様12または13において、上記報知部は、上記エネルギー線の情報を視覚化する表示部(例えば表示モニタ)を備えていてもよい。
本発明の態様15に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様1〜14の何れかにおいて、上記半導体は、可曲性を備えた絶縁基板(可曲性絶縁基板80)上に形成されていてもよい。
本発明の態様16に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様1〜15の何れかにおいて、上記半導体は半導体素子(例えばTFT20、ダイオード91)を構成していてもよい。
本発明の態様17に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様16において、上記電気的特性が上記半導体素子を流れる電流であってもよい。
本発明の態様18に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様16または17において、上記電気的特性が上記半導体素子のオン電流であってもよい。
本発明の態様19に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様16または17において、上記電気的特性が上記半導体素子のオフ電流であってもよい。
本発明の態様20に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様16において、上記電気的特性が上記半導体素子の相互コンダクタンスであってもよい。
本発明の態様21に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様16において、上記電気的特性が上記半導体素子の閾値電圧であってもよい。
本発明の態様22に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様1〜15の何れかにおいて、上記半導体が、電荷を蓄積する容量素子(例えばTFT20やダイオード91で構成される容量素子)を構成していてもよい。
本発明の態様23に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様22において、上記電気的特性が上記容量素子の容量であってもよい。
本発明の態様24に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様22または23において、上記容量素子が、半導体素子(例えばTFT20、ダイオード91)で構成されていてもよい。
本発明の態様25に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様16〜21、24の何れかにおいて、上記半導体素子はトランジスタ(例えばTFT20)であってもよい。
本発明の態様26に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様16〜21、24の何れかにおいて、上記半導体素子はダイオード(例えばダイオード91)であってもよい。
本発明の態様27に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様16〜21、24〜26の何れかにおいて、上記半導体素子が、第1の絶縁膜23と第2の絶縁膜24との積層構造を有するゲート絶縁膜22を備えていてもよい。
本発明の態様28に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様27において、上記第1の絶縁膜23が窒素と珪素とを含むとともに、上記第2の絶縁膜24が酸素と珪素とを含んでいてもよい。
本発明の態様29に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様16〜21、24〜28の何れかにおいて、上記半導体素子の活性層21の膜厚が1μm以下であってもよい。
本発明の態様30に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様16〜21、24〜29の何れかにおいて、上記半導体素子の活性層21の結晶構造が単結晶であってもよい。
本発明の態様31に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様16〜21、24〜30の何れかにおいて、上記半導体素子の活性層21の結晶構造が非単結晶であってもよい。
本発明の態様32に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様16〜21、24〜29の何れかにおいて、上記半導体素子の活性層21の結晶構造が非単結晶かつ非晶質であってもよい。
本発明の態様33に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様16〜21、24〜29の何れかにおいて、上記半導体素子の活性層21の結晶構造が非単結晶かつ多結晶であってもよい。
本発明の態様34に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様16〜21、24〜29の何れかにおいて、上記半導体素子の活性層21の結晶構造が非晶質中に結晶構造を有する部分を含んでいてもよい。
本発明の態様35に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様16〜21、24〜29の何れかにおいて、上記半導体素子の活性層21が、非晶質酸化物を有し、In−Zn−Ga−O系酸化物、In−Zn−Ga−Mg−O系酸化物、In−Zn−O系酸化物、In−Sn−系酸化物、In−O系酸化物、In−Ga−O系酸化物、Sn−In−Zn−O系酸化物のうちの少なくとも一つを含む非晶質酸化物を有していてもよい。
本発明の態様36に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様35において、上記非晶質酸化物は、少なくとも一部が非晶質の酸化物であり、かつ、電子キャリア濃度が1018/cmであってもよい。
本発明の態様37に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様35または36において、上記半導体素子が、ゲート電極G、ソース電極S、およびドレイン電極Dを備え、かつ、上記ゲート電極G、ソース電極S、およびドレイン電極Dのうち少なくとも1つの電極が酸化物で形成されていてもよい。
本発明の態様38に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様16〜21、24〜26の何れかにおいて、上記半導体素子が、珪素と酸素とを含むゲート絶縁膜22を備えていてもよい。
本発明の態様39に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様16〜21、24〜26の何れかにおいて、上記半導体素子が、珪素と窒素とを含むゲート絶縁膜22を備えていてもよい。
本発明の態様40に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様27において、上記第1の絶縁膜23が窒素と酸素と珪素とを含むとともに窒素を酸素よりも多く含み、上記第2の絶縁膜24が窒素と酸素と珪素とを含むとともに酸素を窒素よりも多く含んでいてもよい。
本発明の態様41に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様27、28、40の何れかにおいて、上記第1の絶縁膜23の膜厚は上記第2の絶縁膜24の膜厚よりも厚くてもよい。
本発明の態様42に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様16〜21、24〜36、38〜41の何れかにおいて、上記半導体素子が、TaN、TaC、TiN、TiCN、TiAlN、W、WN、Moの少なくとも一つを含むゲート電極材料からなるゲート電極Gを備えていてもよい。
本発明の態様43に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様16〜21の何れかにおいて、各半導体の電気的特性は、各半導体素子に接続された信号線を介して上記検出部に出力されてもよい。
本発明の態様44に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様16〜21、24〜42の何れかにおいて、上記検出部は、各半導体の電気的特性を時系列で検出することにより、各半導体の電気的特性の変化を検出してもよい。
本発明の態様45に係るエネルギー線検出装置1は、上記態様1において、上記半導体は半導体素子(例えばTFT20、ダイオード91)であり、上記半導体素子にエネルギー線が照射されていないときは上記半導体素子がオフの状態になり、上記半導体素子にエネルギー線が照射されているときは上記半導体素子がオンの状態になるように、上記半導体素子に印加する駆動電圧(ゲート電圧)が調整されていてもよい。
以上のように、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
本発明に係るエネルギー線検出装置は、放射線等のエネルギー線の検出に利用することができる。
1 エネルギー線検出装置
2 アクティブマトリクス基板
3 ゲート電圧発生回路部
4 基準電圧発生回路部
5 特性検出回路部(検出部)
6 制御装置(検出部)
7 特性検出回路部
8 スイッチ駆動回路部
10 絶縁性基板
11 ゲート配線
12 ソース配線
13 スイッチ信号配線
20 TFT(半導体素子)
21 活性層
22 ゲート絶縁膜
23 第1の絶縁膜
24 第2の絶縁膜
31 出力信号取り出し用端子
32 接地用端子
41 電流−電圧変換回路
42 A/D変換器
50 記憶部
51 第1記憶部
52 第2記憶部
60 制御部(検出部)
61 エネルギー線検出処理部(検出部)
71 放射線発生装置
80 可曲性絶縁基板
81 ガラス基板
91 ダイオード
G ゲート電極
S ソース電極
D ドレイン電極
S1〜Snm ピクセル
SL1〜SLnm 信号配線
Sw スイッチ

Claims (6)

  1. 格子状に配され、照射されたエネルギー線の量に応じて特性が変化する酸化物半導体で活性層を構成する複数の半導体素子と、
    上記複数の半導体素子全てに流れる電流を同時に測定し、上記活性層の特性変化による、半導体素子に流れる電流の増加割合とエネルギー線の量との関係から、上記複数の半導体素子各々に対応するエネルギー線の量を演算により求める検出部と、を備えていることを特徴とするエネルギー線検出装置。
  2. 格子状に配され、照射されたエネルギー線の量に応じて特性が変化する酸化物半導体で活性層を構成する複数の半導体素子と、
    上記複数の半導体素子全てに流れる電流を同時に測定し、上記活性層の特性変化による、半導体素子に流れる電流の増加割合とエネルギー線の量との関係から、上記複数の半導体素子各々において、あらかじめ決めた量以上のエネルギー線の有無を検出する検出部と、を備えていることを特徴とするエネルギー線検出装置。
  3. 上記検出部は、上記複数の半導体素子に照射されたエネルギー線のエネルギー分布を得ることを特徴とする請求項1または2に記載のエネルギー線検出装置。
  4. 上記エネルギー分布を視覚化する表示部をさらに備えていることを特徴とする請求項3に記載のエネルギー線検出装置。
  5. 上記検出部は、上記複数の半導体素子の電気的特性の変化量の和から、上記エネルギー線の情報として、単位面積当たりに照射されたエネルギー線の量を検出することを特徴とする請求項1に記載のエネルギー線検出装置。
  6. 上記半導体素子はトランジスタであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のエネルギー線検出装置。
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