JP6282014B2 - 自立角型タンク及び船舶 - Google Patents

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Description

本発明は、自立角型タンク及び船舶に関し、特に、製造コストの削減を図ることができる自立角型タンク及び船舶に関する。
液化ガス運搬船や液化ガス海洋構造物向け等の液化ガス貯蔵タンクとしては、例えば、モス方式に代表される球形タンク方式、円筒形のTYPE−C圧力容器方式、タンクと船体を一体に構成したメンブレン方式、自立角型方式等がある。これらのうち、自立角型タンクは、その構造の堅牢さ、スロッシングに対する安全性、容積効率の良さや形状計画の自由度等の利点から注目されている。
自立角型タンクは、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載されたように、複数の平板の外板を溶接することによって構成されており、外板の内側には、例えば、特許文献2に記載されたように、タンクの長手方向に沿って複数の補強材(ロンジ、防撓材等)が溶接されている。
特開平7−156860号公報 特開2013−116669号公報
自立角型タンクは、上述した他方式と比較して、部材数が多く、溶接長も長いことから、製造コストが高くなりやすいという問題がある。したがって、自立角型タンクにおいて、製造コストの削減を図るためには、部材数を低減し、溶接長を短くし、製造能率の向上を図る必要がある。
本発明は、上述した問題点に鑑み創案されたものであり、製造コストの削減を図ることができる自立角型タンク及び船舶を提供することを目的とする。
発明によれば、収容区画に配置される自立角型タンクにおいて、角部に半径Rが3000mm以上10000mm以下の湾曲した曲げ板と、前記曲げ板の湾曲方向の両端に溶接され内側に補強材を有する平板と、を備え、前記曲げ板は、内側に補強材が溶接されておらず、前記補強材は、少なくも、前記曲げ板に隣設した第一補強材と、該第一補強材の前記曲げ板と反対側に隣設した第二補強材と、該第二補強材の前記第一補強材と反対側に隣設した第三補強材と、を含み、前記第二補強材と前記第三補強材との間隔は所定の標準間隔に設定され、前記第一補強材と前記曲げ板のR終端部との間隔は前記標準間隔よりも小さく設定され、前記第一補強材と前記第二補強材との間隔は前記平板の傾斜角度が許容範囲に収まる範囲内で前記標準間隔よりも小さく設定されている、ことを特徴とする自立角型タンクが提供される。
また、本発明によれば、自立角型タンクの収容区画を備えた船舶において、前記自立角型タンクは、角部に半径Rが3000mm以上10000mm以下の湾曲した曲げ板と、前記曲げ板の湾曲方向の両端に溶接され内側に補強材を有する平板と、を備え、前記曲げ板は、内側に補強材が溶接されておらず、前記補強材は、少なくも、前記曲げ板に隣設した第一補強材と、該第一補強材の前記曲げ板と反対側に隣設した第二補強材と、該第二補強材の前記第一補強材と反対側に隣設した第三補強材と、を含み、前記第二補強材と前記第三補強材との間隔は所定の標準間隔に設定され、前記第一補強材と前記曲げ板のR終端部との間隔は前記標準間隔よりも小さく設定され、前記第一補強材と前記第二補強材との間隔は前記平板の傾斜角度が許容範囲に収まる範囲内で前記標準間隔よりも小さく設定されている、ことを特徴とする船舶が提供される。
上述した自立角型タンク及び船舶において、前記第一補強材と前記曲げ板のR終端部との間隔は、前記標準間隔に対して0.3〜0.6倍の大きさに設定されていてもよい。
上述した本発明に係る自立角型タンク及び船舶によれば、自立角型タンクの角部に半径Rの大きな曲げ板を配置することにより、角部の強度を容易に向上させることができ、角部の補強材を省略することができる。したがって、本発明を採用することによって、部材数を削減することができ、その分だけ溶接長を低減することが、製造能率の向上を図ることができ、最終的に製造コストの削減を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る船舶を示す横断面図である。 図1に示した自立角型タンクの角部を示す拡大図であり、(A)は第一例、(B)は第二例、を示している。 第一補強材の位置と平板の曲げ応力との関係を示す説明図であり、(A)は半径Rが1200mmの場合、(B)は半径Rが2000mmの場合、(C)は半径Rが3000mmの場合、(D)は半径Rが4000mmの場合、を示している。 第一補強材の位置と平板の曲げ応力との関係を示す説明図であり、(A)は半径Rが5000mmの場合、(B)は半径Rが6000mmの場合、(C)は半径Rが7000mmの場合、(D)は半径Rが9000mmの場合、を示している。 第一補強材と曲げ板のR終端部との間隔に関する説明図であり、(A)は第一補強材の位置と平板の傾斜角度との関係、(B)は半径Rの大きさと第一補強材の位置との相関関係、を示している。 第一補強材と第二補強材との間隔と平板の曲げ応力との関係を示す説明図である。 第一補強材と第二補強材との間隔と平板の傾斜角度との関係を示す説明図である。 半径Rの大きさと第一補強材の位置との相関関係を示す説明図であり、(A)はλ=0.8の場合、(B)はλ=0.6の場合、(C)はλ=0.4の場合、(D)はλ=0.2の場合、を示している。
以下、本発明の一実施形態に係る自立角型タンク及び船舶について、図1〜図8(D)を用いて説明する。ここで、図1は、本発明の一実施形態に係る船舶を示す横断面図である。図2は、図1に示した自立角型タンクの角部を示す拡大図であり、(A)は第一例、(B)は第二例、を示している。
本発明の一実施形態に係る船舶1は、図1に示したように、自立角型タンク2の収容区画11を備えた船舶であって、自立角型タンク2は、角部に半径Rが3000mm以上10000mm以下の湾曲した曲げ板21と、曲げ板21の湾曲方向の両端に溶接された平板22と、を備えている。なお、図1に示した断面図は、船舶1の横断面図(長手方向の軸に垂直な平面で切断した断面図)であり、説明の便宜上、中心線Lの左半分のみを図示している。
船舶1は、例えば、液化ガス運搬船であるが、所定の場所に一定期間停泊して使用される液化ガス海洋構造物も含む趣旨である。収容区画11は、例えば、二重隔壁等によって構成された船体12の内部に形成される。なお、船体12の構造又は構成は、単なる一例であって、図示した構造又は構成に限定されるものではない。例えば、収容区画11は、船体12とその上部を覆うタンクカバーとによって形成されていてもよい。
また、収容区画11の底部には、自立角型タンク2を滑動可能に支持する複数の台座13が配置されていてもよい。なお、図示しないが、収容区画11には、自立角型タンク2の傾倒や浮き上がりを防止するチョックが配置されていてもよいし、収容区画11の天井部には自立角型タンク2のタンクドームを挿通するハッチコーミングが形成されていてもよい。
自立角型タンク2は、例えば、LNG(液化天然ガス)やLPG(液化石油ガス)等の液化ガスを収容するアルミニウム合金製のタンクであるが、収容物は液化ガスに限定されず、素材はアルミニウム合金に限定されるものではない。また、本実施形態では、自立角型タンク2を船舶1に搭載する場合を図示しているが、自立角型タンク2は、地上の貯蔵設備に配置されるものであってもよい。なお、図示しないが、タンク頂部には、液化ガス等の収容物を給排するためのタンクドームを有していてもよい。
自立角型タンク2は、例えば、底部外面に配置された複数の枠体23と、枠体23に嵌合される支持ブロック24と、タンク表面(外面)を被覆する保冷材25と、を有している。枠体23は、収容区画11の底部に配置された台座13に対応する位置に配置されている。支持ブロック24は、木材や発泡樹脂等の断熱材により形成されており、台座13上で滑動可能に構成されている。保冷材25は、例えば、硬質ウレタンフォーム等により形成された複数の保冷ブロック又は保冷パネルにより構成されている。
船体12及び自立角型タンク2は、それぞれ個別に製造され、収容区画11内の台座13に支持ブロック24を介して自立角型タンク2を載置することによって、自立角型タンク2が収容区画11内に配置される。すなわち、自立角型タンク2は、船体12から独立した構造を有する独立タンク方式の範疇に含まれる。
自立角型タンク2は、例えば、図1に示したように、横断面図において、底部2a、肩部2b及び頂部2cの位置に角部を有している。これらの角部の全てに半径Rの大きな曲げ板21を使用してもよいし、これらの角部の一部に半径Rの大きな曲げ板21を使用してもよい。なお、本実施形態では、底部2a及び肩部2bの角部に半径Rの大きな曲げ板21を使用している。
曲げ板21は、例えば、中心軸を含む二枚の平面で円筒面を切断した円弧面と、円弧面の湾曲方向の両端から延設された掴み代と、を有している。本実施形態において、円弧面の端部をR終端部(Rエンド)と称し、「R.E.」と表記することとする。また、本実施形態において、曲げ板21は3000mm以上の大きな半径Rを有している。曲げ板21は、溶接部Pに生じる応力集中の観点から平板22と略同等の板厚を有することが好ましい。
また、角部に半径Rの大きな曲げ板21を使用することによって、角部を構成する板材の強度を向上させ、曲げ板21の内側(タンク内面側)にロンジや防撓材等の補強材を溶接していない。したがって、角部に大きな半径Rを有する曲げ板21を使用することによって、自立角型タンク2の角部を構成する部材数を削減することができ、溶接長も低減することができる。また、自立角型タンク2の軽量化を図ることもできる。なお、曲げ板21の半径Rの大きさは、曲げ板21に求められる板厚と座屈強度との関係から3000〜10000mmの範囲内で設定される。
船体12のビルジ部(船底の湾曲部)には、外圧や縦曲げ応力等による圧縮応力が作用するが、船体12の内部に配置される自立角型タンク2では、そのような圧縮応力が作用し難いことから、上述したように、補強材を有しない大きな半径Rを有する曲げ板21によって角部を構成することが可能である。しかしながら、曲げ板21の半径Rを大きくすると、隣設する平板22に配置されたロンジや防撓材等の補強材の位置が平板22の曲げ応力や傾斜角度に大きな影響を与えることが予測される。
平板22は、例えば、図2(A)に示したように、曲げ板21の湾曲方向の両端に溶接部Pによって接続されている。平板22は、内側(タンク内面側)にロンジや防撓材等の補強材26を有している。補強材26は、例えば、平板22に略垂直に溶接されるウェブと、ウェブの先端部に略垂直に溶接されたフランジと、により構成され、略T字形状の断面を有している。補強材26は、自立角型タンク2の長手方向(紙面の表裏方向)に沿って延設されている。なお、補強材26の構成は、図示した構成に限定されるものではない。
以下、図2(A)及び図2(B)を参照しつつ、自立角型タンク2の底部2aに配置された平板22の補強材26の位置について説明する。各図において、説明の便宜上、曲げ板21に隣設した補強材26を第一補強材26aとし、第一補強材26aの曲げ板21と反対側に隣設した補強材26を第二補強材26bとし、第二補強材26bの第一補強材26aと反対側に隣設した補強材26を第三補強材26cとし、第三補強材26cの第二補強材26bと反対側に隣設した補強材26を第四補強材26dとし、第四補強材26dの第三補強材26cと反対側に隣設した補強材26を第五補強材26eとする。
図2(A)に示した第一例では、第一補強材26aと第二補強材26bとの間隔、第二補強材26bと第三補強材26cとの間隔、第三補強材26cと第四補強材26dとの間隔、第四補強材26dと第五補強材26eとの間隔は、全て所定の標準間隔sに設定されている。そして、第一補強材26aと曲げ板21のR終端部R.E.との間隔aは、標準間隔sよりも小さく設定されている。
ここで、図3は、第一補強材の位置と平板の曲げ応力との関係を示す説明図であり、(A)は半径Rが1200mmの場合、(B)は半径Rが2000mmの場合、(C)は半径Rが3000mmの場合、(D)は半径Rが4000mmの場合、を示している。図4は、第一補強材の位置と平板の曲げ応力との関係を示す説明図であり、(A)は半径Rが5000mmの場合、(B)は半径Rが6000mmの場合、(C)は半径Rが7000mmの場合、(D)は半径Rが9000mmの場合、を示している。図5は、第一補強材と曲げ板のR終端部との間隔に関する説明図であり、(A)は第一補強材の位置と平板の傾斜角度との関係、(B)は半径Rの大きさと第一補強材の位置との相関関係、を示している。
図3(A)〜図4(D)に示した各図において、横軸は標準間隔sに対する間隔aの比率a/s、縦軸は平板22の曲げ応力(kgf/mm)、を示している。この曲げ応力試験(シミュレーション)では、平板22の板厚を20mm、加圧する圧力を200kN/m、標準間隔sを800mmに設定している。また、各図において、実線は第一補強材26aの位置における試験結果、一点鎖線は第二補強材26bの位置における試験結果、二点鎖線は第三補強材26cの位置における試験結果を示している。
これらの試験結果によれば、a/sの0〜1.0の範囲における平板22の曲げ応力の差分は、曲げ板21の半径Rを大きくするに連れて、約20kgf/mm、約35kgf/mm、約45kgf/mm、約60kgf/mm、約65kgf/mm、約70kgf/mm、約80kgf/mm、約85kgf/mm、と大きく変動することとなる。すなわち、平板22の曲げ応力は、曲げ板21の半径Rを大きくするとa/sに対する感度が高くなる傾向にある。
また、各図において、実線、一点鎖線及び二点鎖線の交点は、平板22の第一補強材26aの接続位置、第二補強材26bの接続位置、第三補強材26cの接続位置において、均等に曲げ応力が負荷されている状態を意味しており、ベストバランスであることを示している。この交点に着目すれば、図3(A)〜図4(D)に示したように、曲げ板21の半径Rが大きくなるに連れて、a/sの値は約0.55から約0.4に収斂することが見て取れる。
図5(A)において、横軸は標準間隔sに対する間隔aの比率a/s、縦軸は平板22の第一補強材26aの位置における傾斜角度(rad)、を示している。ここで、黒色実線は半径Rが1200mm、黒色点線は半径Rが2000mm、黒色一点鎖線は半径Rが3000mm、黒色二点鎖線は半径Rが4000mm、灰色実線は半径Rが5000mm、灰色点線は半径Rが6000mm、灰色一点鎖線は半径Rが7000mm、灰色二点鎖線は半径Rが9000mmの試験(シミュレーション)結果を示している。
この試験結果によれば、曲げ板21の半径Rが大きくなるに連れてa/sの変化に対する傾斜角度の変動が大きくなること、曲げ板21の半径Rの大きさに拘わらず傾斜角度が一定になる点が存在すること、曲げ板21の半径Rが大きくなるに連れて平板22の傾斜角度が0(rad)になるa/sの値が約0.55から約0.4に収斂すること、が見て取れる。
図5(B)において、横軸は曲げ板21の半径R(m)、縦軸は標準間隔sに対する間隔aの比率a/s、を示している。実線は上述したベストバランスの状態をプロットしたものであり、半径Rに対する最も好ましいa/sの値を求めることができる。ここで、半径Rに対するa/sの許容範囲について検討する。
平板22の曲げ応力については、例えば、平板22の増厚が20%以下に収まることを条件とする。曲げ応力σは、曲げモーメントM/断面係数Zにより計算されるところ、断面係数Zは板厚の二乗に比例することから、曲げ応力は1.2の二乗である1.44倍まで許容可能である。平板22の標準間隔sにおける曲げ応力の数値は、一般的な計算式を用いて160N/mm=16.31kgf/mmと求めることができ、これの1.44倍は23.49kgf/mmと求めることができる。この曲げ応力の許容値と図3(A)〜図4(D)の各図における実線との交点をプロットすれば、図5(B)における点線のように図示することができる。このとき、曲げ板21の半径Rが大きくなるに連れてa/sの値は約0.5に収斂することが見て取れる。
平板22の第一補強材26aの位置における傾斜角度については、例えば、傾斜角度が±0.02rad未満であることを条件とする。図5(A)を用いて、傾斜角度が−0.02radの場合をプロットすれば、図5(B)における一点鎖線のように図示することができ、傾斜角度が+0.02radの場合をプロットすれば、図5(B)における二点鎖線のように図示することができる。この結果、平板22の第一補強材26aの位置における傾斜角度は、曲げ板21の半径Rが大きくなるに連れて許容範囲が狭まることが見て取れる。
本実施形態において、曲げ板21の半径Rは3000mm以上、すなわち、3.0m以上であることから、図5(B)を参酌すれば、a/sの許容範囲は0.3≦a/s≦0.6と求めることができる。なお、この許容範囲を示す数値は単なる一例であってこれに限定されるものではない。例えば、平板22の板厚や標準間隔sの大きさが変動することによって、a/sの許容範囲は僅かに変動する可能性がある。
図2(B)に示した第二例では、第二補強材26bと第三補強材26cとの間隔、第三補強材26cと第四補強材26dとの間隔、第四補強材26dと第五補強材26eとの間隔は、全て所定の標準間隔sに設定されている。そして、第一補強材26aと曲げ板21のR終端部R.E.との間隔a及び第一補強材26aと第二補強材26bとの間隔bは、標準間隔sよりも小さく設定されている。間隔bは、例えば、標準間隔sのλ倍(0<λ<1)に設定される。
ここで、図6は、第一補強材と第二補強材との間隔と平板の曲げ応力との関係を示す説明図である。図7は、第一補強材と第二補強材との間隔と平板の傾斜角度との関係を示す説明図である。図8は、半径Rの大きさと第一補強材の位置との相関関係を示す説明図であり、(A)はλ=0.8の場合、(B)はλ=0.6の場合、(C)はλ=0.4の場合、(D)はλ=0.2の場合、を示している。
図6において、横軸はλ、縦軸は平板22の第一補強材26aの位置における曲げ応力(kgf/mm)、を示している。また、黒色実線は標準間隔sに対する間隔aの比率a/sが0.7の場合、黒色点線はa/sが0.6の場合、黒色一点鎖線はa/sが0.5の場合、黒色二点鎖線はa/sが0.4の場合、灰色実線はa/sが0.3の場合、灰色点線はa/sが0.2の場合、灰色一点鎖線はa/sが0.1の場合、灰色二点鎖線はa/sが0.0の場合、を示している。また、この曲げ応力試験(シミュレーション)における曲げ板21の半径Rは、5000mmに設定している。
図6に示した試験(シミュレーション)結果によれば、a/sの値が小さい場合(例えば、0.2以下)にはλの値が小さくなるに連れて平板22の曲げ応力は減少すること、a/sの値がある数値(例えば、0.3程度)を超えるとλの値が小さくなるに連れて平板22の曲げ応力は減少し中間点付近で増加に転じること、a/sの値が0.5程度を超えるとλの値が小さくなるに連れて平板22の曲げ応力は減少し中間点付近で増加に転じλ=1.0の場合よりも数値が大きくなること、が見て取れる。
また、図6において、第一例の場合と同様に、曲げ応力の許容値=23.49kgf/mmを考慮すれば、a/sの値は0.5以下であることが好ましく、この場合、λの値について特に制約はないことが見て取れる。すなわち、a/sの値が0.5以下の場合には、λは0<λ<1の範囲で任意に選定することができる。
図7において、横軸はλ、縦軸は平板22の第一補強材26aの位置における傾斜角度(rad)、を示している。また、黒色実線は標準間隔sに対する間隔aの比率a/sが0.7の場合、黒色点線はa/sが0.6の場合、黒色一点鎖線はa/sが0.5の場合、黒色二点鎖線はa/sが0.4の場合、灰色実線はa/sが0.3の場合、灰色点線はa/sが0.2の場合、灰色一点鎖線はa/sが0.1の場合、灰色二点鎖線はa/sが0.0の場合、を示している。また、この曲げ応力試験(シミュレーション)における曲げ板21の半径Rは、5000mmに設定している。
図7に示した試験(シミュレーション)結果によれば、全てのケースにおいてλを0に近付けることにより傾斜角度は0radに近付くこと、λの値を小さくすることにより傾斜角度は急激に減少すること、λの値が0.8以下の場合にはa/sの値が約0.35以下であれば常に傾斜角度の許容範囲である±0.02radの範囲内に収まること、が見て取れる。すなわち、第一補強材26aがR終端部R.E.に近付くことによる平板22の第一補強材26aの位置における傾斜角度の制約は、λを小さくする(例えば、0.8以下にする)ことにより解消することができる。
図8(A)〜図8(D)の各図において、横軸は曲げ板21の半径R、縦軸は標準間隔sに対する間隔aの比率a/s、を示している。また、各図において、実線は平板22の第一補強材26aの位置における傾斜角度が0radになる場合を示している。なお、λ=0.2,0.4の場合には、図7に示したように、傾斜角度が0radになる点が存在しないことから、図8(C)及び図8(D)は実線を引いていない。
ここで、上述した第一例の場合と同様に、平板22の曲げ応力について、例えば、平板22の増厚が20%以下に収まることを条件とし、平板22の第一補強材26aの位置における傾斜角度について、例えば、傾斜角度が±0.02rad未満であることを条件とし、a/sの許容範囲についてλごとに検討する。各図において、図5(B)に示した場合と同様に、点線は曲げ応力の許容値を示し、一点鎖線は傾斜角度の許容値の上限を示し、二点鎖線は傾斜角度の許容値の下限を示している。
図8(A)に示したように、λ=0.8の場合、曲げ応力の許容値を基準にすると、傾斜角度の許容範囲を超える場合があることから、a/sの許容範囲については実質的に平板22の第一補強材26aの位置における傾斜角度の値が支配的である。本実施形態において、曲げ板21の半径Rは3000mm(3.0m)以上であるから、λ=0.8におけるa/sの許容範囲は概ね0<a/s≦0.5と求めることができる。ただし、半径Rを大きくするに連れて、a/sの上限は約0.4に収斂し、a/sの下限は約0.1に収斂することから、λ=0.8におけるa/sの許容範囲は、0.1≦a/s≦0.4とすることが好ましい。
図8(B)に示したように、λ=0.6の場合も、a/sの許容範囲については、実質的に平板22の第一補強材26aの位置における傾斜角度の値が支配的である。本実施形態において、曲げ板21の半径Rは3000mm(3.0m)以上であるから、λ=0.6におけるa/sの許容範囲は概ね0<a/s≦0.4と求めることができる。ただし、半径Rを大きくするに連れて、a/sの上限は約0.35に収斂することから、λ=0.6におけるa/sの許容範囲は、0<a/s≦0.35とすることが好ましい。
図8(C)に示したように、λ=0.4の場合も、a/sの許容範囲については、実質的に平板22の第一補強材26aの位置における傾斜角度の値が支配的である。本実施形態において、曲げ板21の半径Rは3000mm(3.0m)以上であるから、λ=0.4におけるa/sの許容範囲は概ね0<a/s≦0.4と求めることができる。ただし、半径Rを大きくするに連れて、a/sの上限は約0.35に収斂することから、λ=0.4におけるa/sの許容範囲は、0<a/s≦0.35とすることが好ましい。
図8(D)に示したように、λ=0.2の場合も、a/sの許容範囲については、実質的に平板22の第一補強材26aの位置における傾斜角度の値が支配的である。本実施形態において、曲げ板21の半径Rは3000mm(3.0m)以上であるから、λ=0.2におけるa/sの許容範囲は概ね0<a/s≦0.55と求めることができる。ただし、半径Rを大きくするに連れて、a/sの上限は約0.5に収斂することから、λ=0.2におけるa/sの許容範囲は、0<a/s≦0.5とすることが好ましい。
これらの試験結果によれば、平板22の第一補強材26aの位置における傾斜角度の観点からは、a/sの値を0.1≦a/s≦0.35の範囲内に設定することにより、λは0<λ<0.8の範囲で任意に選定することができる。
ところで、第一補強材26aと第二補強材26bとの間隔bが標準間隔sである場合、すなわち、λ=1.0の場合におけるa/sの許容範囲は0.3≦a/s≦0.6であった(第一例参照)。これを踏まえて図8(A)〜図8(D)を参酌すれば、第一補強材26aと第二補強材26bとの間隔bを標準間隔sよりも小さくすることにより、a/sの許容範囲の下限を拡張することができる。これは、第一補強材26aと第二補強材26bとの間隔bを標準間隔sよりも小さくすることにより、第一補強材26aを曲げ板21のR終端部R.E.に接近させることができることを意味している。
また、λ=0.4,0.6の場合には、a/sの許容範囲の上限が低下することから、例えば、第一補強材26aと第二補強材26bとの間隔bを標準間隔sの半分程度にした場合には、第一補強材26aを曲げ板21のR終端部R.E.に接近させるようにした方が好ましい。なお、λ=0.2の場合、すなわち、第一補強材26aを第二補強材26bに近付けた場合には、第一補強材26aとR終端部R.E.との間隔aは標準間隔sの半分程度まで広げることができる。
また、λ=0.8の場合、すなわち、第一補強材26aを第二補強材26bから遠ざけた場合には、a/sの許容範囲の上限及び下限は僅かに上方にシフトすることから、第一補強材26aをR終端部R.E.に接近させ過ぎないようにすることが好ましい。
このように、第一補強材26aと第二補強材26bとの間隔bを標準間隔sより小さくすることによっても、平板22の第一補強材26aの位置における曲げ応力及び傾斜角度を抑制することができる。ただし、λの値に応じて、第一補強材26aとR終端部R.E.との間隔aについても併せて検討することが好ましい。なお、図8では、λ=0.2,0.4,0.6,0.8の場合について検討したが、これらは単なる一例であって、λは0〜1.0の範囲内で任意に選択することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
1 船舶
2 自立角型タンク
2a 底部
2b 肩部
2c 頂部
11 収容区画
12 船体
13 台座
21 曲げ板
22 平板
23 枠体
24 支持ブロック
25 保冷材
26 補強材
26a 第一補強材
26b 第二補強材
26c 第三補強材
26d 第四補強材
26e 第五補強材


Claims (3)

  1. 収容区画に配置される自立角型タンクにおいて、
    角部に半径Rが3000mm以上10000mm以下の湾曲した曲げ板と、前記曲げ板の湾曲方向の両端に溶接され内側に補強材を有する平板と、を備え、
    前記曲げ板は、内側に補強材が溶接されておらず、
    前記補強材は、少なくも、前記曲げ板に隣設した第一補強材と、該第一補強材の前記曲げ板と反対側に隣設した第二補強材と、該第二補強材の前記第一補強材と反対側に隣設した第三補強材と、を含み、
    前記第二補強材と前記第三補強材との間隔は所定の標準間隔に設定され、前記第一補強材と前記曲げ板のR終端部との間隔は前記標準間隔よりも小さく設定され、前記第一補強材と前記第二補強材との間隔は前記平板の傾斜角度が許容範囲に収まる範囲内で前記標準間隔よりも小さく設定されている、
    ことを特徴とする自立角型タンク。
  2. 前記第一補強材と前記曲げ板のR終端部との間隔は、前記標準間隔に対して0.3〜0.6倍の大きさに設定されている、ことを特徴とする請求項1に記載の自立角型タンク。
  3. 自立角型タンクの収容区画を備えた船舶において、前記自立角型タンクは、請求項1又は請求項2に記載の自立角型タンクである、ことを特徴とする船舶。
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