JP6281152B2 - 化粧料及びその製造方法 - Google Patents

化粧料及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6281152B2
JP6281152B2 JP2013132653A JP2013132653A JP6281152B2 JP 6281152 B2 JP6281152 B2 JP 6281152B2 JP 2013132653 A JP2013132653 A JP 2013132653A JP 2013132653 A JP2013132653 A JP 2013132653A JP 6281152 B2 JP6281152 B2 JP 6281152B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
emulsion
cosmetic
polycondensation polymer
closed
polymer particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013132653A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015007007A (ja
Inventor
田嶋 和夫
和夫 田嶋
今井 洋子
洋子 今井
山下 和也
和也 山下
英晴 奥村
英晴 奥村
隆一 高本
隆一 高本
小枝子 岡
小枝子 岡
高垣 欣也
欣也 高垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanagawa University
Toyo Shinyaku Co Ltd
Original Assignee
Kanagawa University
Toyo Shinyaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanagawa University, Toyo Shinyaku Co Ltd filed Critical Kanagawa University
Priority to JP2013132653A priority Critical patent/JP6281152B2/ja
Publication of JP2015007007A publication Critical patent/JP2015007007A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6281152B2 publication Critical patent/JP6281152B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)

Description

本発明は、化粧料及びその製造方法に関する。
従来、化粧料として、エマルション形態のものが用いられている。エマルション形態の化粧料では、水相及び油相の乳化状態を安定に維持することが重要であり、そのために、種々の界面活性剤や、水及び油の撹拌方法等が開発されてきた(例えば、特許文献1参照)。
これらの乳化は、界面活性作用により内相及び外相の界面張力を下げることで、実現されている。しかし、この界面活性剤による乳化機構では、界面張力を十分に下げる界面活性剤を、用いる内相及び外相への親和性(HLB値)に対応させて細かく使い分ける必要があり、それだけ、十分安定な乳化を実現するには困難がともなうことが多かった。そこで、親水性である重縮合ポリマー粒子を乳化剤として用い、重縮合ポリマー粒子が分子間力によって内相及び外相の間に介在することで、界面活性作用に依らずに乳化させたエマルション形態の化粧料が開示されている(特許文献2参照)。
特開2008−253865号公報 特開2008−007442号公報
重縮合ポリマー粒子を用いたエマルション形態の化粧料は、優れた乳化安定性を有する。しかし、化粧料としての特性、特に保湿感を含む総合的なバランスの面で、更なる向上への要請は強い。
本発明は、以上の実情に鑑みてなされたものであり、化粧料としての特性、特に保湿感を含む総合的なバランスに優れ、かつ安定な化粧料及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体、又は水酸基を有する重縮合ポリマー粒子を含むO/W型エマルションと、界面活性剤を含むW/O型エマルションとを混合することで、安定性が維持されつつ、化粧料としての特性、中でも保湿感を含む総合的なバランスが向上することを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明は以下のものを提供する。
(1) 自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体、又は水酸基を有する重縮合ポリマー粒子を含む、O/W型の第1エマルションと、
前記閉鎖小胞体又は前記重縮合ポリマー粒子の形態ではない界面活性剤を含む、W/O型の第2エマルションと、を混合する工程を有する化粧料の製造方法。
(2) 前記閉鎖小胞体又は前記重縮合ポリマー粒子は、8nm以上800nm以下の平均粒子径を有する(1)記載の方法。
(3) 前記閉鎖小胞体又は前記重縮合ポリマー粒子は、水相及び油相の界面に介在する(1)又は(2)記載の方法。
(4) 自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体、又は水酸基を有する重縮合ポリマー粒子の被乳化物への付着作用で乳化状態が維持されたO/W型の第1エマルションと、界面活性剤による界面活性作用で乳化状態が維持されたW/O型の第2エマルションと、を含む化粧料。
本発明によれば、両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体、又は水酸基を有する重縮合ポリマー粒子を含むO/W型エマルションと、界面活性剤を含むW/O型エマルションとを混合することで、安定性が維持されつつ、化粧料としての特性、特に保湿感を含む総合的なバランスを向上することができる。
以下、本発明の実施形態を説明するが、これらに本発明が限定されるものではない。
本発明に係る化粧料の製造方法は、自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体、又は水酸基を有する重縮合ポリマー粒子を含む、O/W型の第1エマルションと、閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子の形態ではない界面活性剤を含む、W/O型の第2エマルションと、を混合する工程を有する。また、本発明に係る化粧料は前記の第1エマルションと第2エマルションとを含むものである。閉鎖小胞体及び重縮合ポリマー粒子は、相間の界面張力を下げることで乳化状態を維持する界面活性剤(両親媒性物質)とは全く異なり、いずれも親水性の粒子であり、ファンデルワールス力によって水相と油相との界面に介在することで、乳化状態を維持する。このように閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子と、界面活性剤(両親媒性物質)との乳化機構は互いに全く異なるため、本発明は、乳化作用が補完されあい、安定性が維持されつつ、化粧料としての特性、中でも保湿感を含む総合的なバランスを向上することができると推測される。
第1エマルションは、水相と油相との界面に閉鎖小胞体及び/又は上記粒子が介在することで乳化状態を維持している。この状態は、化粧料を原子間力顕微鏡(AFM)で観察することで確認される(例えば、特許第3855203号公報)。
第1エマルション及び第2エマルションは、公知の方法等に従って調製されてよい。なお、閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子は、両親媒性物質の二分子膜の層状体を水に分散させ、又は水酸基を有する重縮合ポリマーを水中に単粒子化させ、それらが分散した乳化剤分散液を形成することで得られる。
二分子膜の層状体は、両親媒性物質を投入した水溶液を撹拌し続けることで得られる。また、単粒子化は、重縮合ポリマー粒子の結合体を含む顆粒を、水に分散して分散液を調製した後、顆粒を膨潤し、更に顆粒に由来する水素結合を可逆的条件下で切断することで、結合体の高次構造が緩和された緩和物を生成し、時間を置いた後、結合体内の水素結合を切断し、重縮合ポリマー粒子を水中に分離することで行われることが好ましい。この過程を経ない場合、重縮合ポリマー粒子(単粒子〜数個の単粒子の集合)が十分には得られにくい。
閉鎖小胞体及び重縮合ポリマー粒子は、エマルション形成前では平均粒子径8nm〜800nm程度であるが、エマルション構造においては平均粒子径8nm〜500nm程度である。なお、両親媒性物質の閉鎖小胞体及び水酸基を有する重縮合ポリマーの粒子は、一方のみが含まれても、双方が含まれてもよい。双方が含まれる場合には、例えば、別々に乳化したエマルションを混合して、第1エマルションを構成してもよい。
別の観点で、乳化物の油剤の特性を最大化するためには、塗布等の際の外力によりエマルション粒子が十分に壊れ、内相の成分が均一に塗布対象(例えば皮膚、毛髪)に広がることが望ましい。内相の粒子径が小さすぎると、使用時にも外力がエマルション粒子に十分に負荷せず、エマルション粒子を十分に壊すことが困難である(結果的に、内相に含まれる有効成分の経皮吸収性が十分に向上しにくい)。そこで、内相の平均粒子径が1.0μm以上であることが好ましく、より好ましくは3.0μm以上、最も好ましくは5.0μm以上である。これにより、上記の特性がより向上するとともに、塗布対象への広がり(伸びの良さ)が飛躍的に向上する。また、製造の容易さと上記効果とのバランスの観点から、内相の平均粒子径は、特に限定されないが、20μm以下、15μm以下、10μm以下であってよい。内相の平均粒子径は、乳化物の粘度が十分に低い(必要に応じ、希釈する)状態で、レーザー回折散乱式粒度分布計(島津製作所 SALD2100)により測定される。
化粧料は、O/W型エマルション、W/O型エマルション、O/W/O型エマルション、W/O/W型エマルション等の1以上が入り混じった形態であると推測される。このような複雑な構造により、従来のW/O又はO/W型の各々のエマルションからは予想されない物性が呈されると推測される。O/W型エマルション、W/O/W型エマルションは、皮膚に接する最外相が水相であるため、皮膚への潤い付与力、保湿性等に優れ、また皮膚のてかりを抑制しつつ、親水性である閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子が化粧料と空気との界面を囲むことで、汗等による流失が抑制され、効果を持続することができると考えられる。
自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質としては、特に限定されないが、下記の一般式1で表されるポリオキシエチレン硬化ひまし油の誘導体、もしくは一般式2で表されるジアルキルアンモニウム誘導体、トリアルキルアンモニウム誘導体、テトラアルキルアンモニウム誘導体、ジアルケニルアンモニウム誘導体、トリアルケニルアンモニウム誘導体、又はテトラアルケニルアンモニウム誘導体のハロゲン塩の誘導体が挙げられる。
一般式1
Figure 0006281152
式中、エチレンオキシドの平均付加モル数であるEは、3〜100である。Eが過大になると、両親媒性物質を溶解する良溶媒の種類が制限されるため、親水性ナノ粒子の製造の自由度が狭まる。Eの上限は好ましくは50であり、より好ましくは40であり、Eの下限は好ましくは5である。
一般式2
Figure 0006281152
式中、R1及びR2は、各々独立して炭素数8〜22のアルキル基又はアルケニル基であり、R3及びR4は、各々独立して水素又は炭素数1〜4のアルキル基であり、XはF、Cl、Br、I又はCH3COOである。
両親媒性物質としては、リン脂質やリン脂質誘導体等、特に疎水基と親水基とがエステル結合したものを採用してもよい。
リン脂質としては、下記の一般式3で示される構成のうち、炭素鎖長12のDLPC(1,2−Dilauroyl−sn−glycero−3−phospho−rac−1−choline)、炭素鎖長14のDMPC(1,2−Dimyristoyl−sn−glycero−3−phospho−rac−1−choline)、炭素鎖長16のDPPC(1,2−Dipalmitoyl−sn−glycero−3−phospho−rac−1−choline)が採用可能である。
一般式3
Figure 0006281152
また、下記の一般式4で示される構成のうち、炭素鎖長12のDLPG(1,2−Dilauroyl−sn−glycero−3−phospho−rac−1−glycerol)のNa塩又はNH4塩、炭素鎖長14のDMPG(1,2−Dimyristoyl−sn−glycero−3−phospho−rac−1−glycerol)のNa塩又はNH4塩、炭素鎖長16のDPPG(1,2−Dipalmitoyl−sn−glycero−3−phospho−rac−1−glycerol)のNa塩又はNH4塩を採用してもよい。
一般式4
Figure 0006281152
更に、リン脂質として卵黄レシチン又は大豆レシチン等のレシチンを採用してもよい。
水酸基を有する重縮合ポリマーは、天然高分子又は合成高分子のいずれであってもよく、乳化剤の用途に応じて適宜選択されてよい。ただし、安全性に優れ、一般的に安価である点で、天然高分子が好ましく、乳化機能に優れる点で以下に述べる糖ポリマーがより好ましい。なお、粒子とは、重縮合ポリマーが単粒子したもの、又はその単粒子同士が連なったもののいずれも包含する一方、単粒子化される前の凝集体(網目構造を有する)は包含しない。
糖ポリマーは、セルロース、デンプン等のグルコシド構造を有するポリマーである。例えば、リボース、キシロース、ラムノース、フコース、グルコース、マンノース、グルクロン酸、グルコン酸等の単糖類の中からいくつかの糖を構成要素として微生物が産生するもの、キサンタンガム、アラビアゴム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、フコイダン、クインシードガム、トラントガム、ローカストビーンガム、ガラクトマンナン、カードラン、ジェランガム、フコゲル、カゼイン、ゼラチン、デンプン、コラーゲン等の天然高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、セルロース結晶体、デンプン・アクリル酸ナトリウムグラフト重合体、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の半合成高分子、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸塩、ポリエチレンオキシド等の合成高分子が挙げられる。
閉鎖小胞体及び重縮合ポリマー粒子の量は、油相の量に応じて適宜設定されてよく、特に限定されないが、化粧料に対し合計で0.0001〜5質量%であってよい。
他方、閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子の形態ではない界面活性剤としては、
塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アラキルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム等のカチオン界面活性剤、
アルキル(又はアルケニル)硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸塩、アルカンスルホン酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル(又はアルケニル)スルホコハク酸塩、ジアルキル(又はジアルケニル)スルホコハク酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)スルホコハク酸塩、アルキル(又はアルケニル)エーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテルリン酸塩、脂肪酸塩、N−アシルグルタミン酸塩、N−アシルタウリン酸塩、N−アシルメチルタウリン等のアニオン界面活性剤、
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、高級脂肪酸ショ糖エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、高級脂肪酸モノ又はジエタノールアミド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド、アルキルアミンオキサイド、アルキルアミドアミンオキサイド等の非イオン界面活性剤、
SH3773M(HLB=8,PEG−12ジメチコン;東レ・ダウコーニング社製)、SH3775M(HLB=5,PEG−12ジメチコン;東レ・ダウコーニング社製)、SH3749(HLB=8,PEG/PPG−20/20ジメチコン;東レ・ダウコーニング社製)、SS2910(HLB=4,PEG−10ジメチコン;東レ・ダウコーニング社製)、BY25−339(HLB=8.5,PEG/PPG−30/10ジメチコン;東レ・ダウコーニング社製)、KF−6012(HLB=7,PEG/PPG−20/22ブチルエーテルジメチコン;信越化学社製)、KF−6015(HLB=4.5,PEG−12ジメチコン;信越化学社製)、KF−6016(HLB=4.5,PEG−9メチルエーテルジメチコン;信越化学社製)、KF−6017(HLB=4.5,PEG−10ジメチコン;信越化学社製)、KF−6028(HLB=4,PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン;信越化学社製)、SILSOFT305(HLB=5〜8、PEG/PPG−5/3ジメチコン;モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)、SILSOFT805(HLB=5〜8PEG‐8ジメチコン;モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)、SILSOFT810(HLB=5〜8PEG‐8ジメチコン;モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)等のシリコーン系界面活性剤が挙げられる。
閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子の形態ではない界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、化粧料に対して0.1〜30質量%であってよい。
第1エマルションに対する第2エマルションの混合比(重量比)は、過大であると、乳化安定性が不十分になり、化粧料の使用感(伸び)、仕上がり(皮膚のてかり抑制、保湿感、自然な仕上がり感、透明感、明るさ)が損なわれやすい一方、過小であると、化粧料の使用感(伸び)、仕上がり(皮膚のてかり抑制、透明感、明るさ)が損なわれやすい。したがって、第2エマルション/第1エマルション(重量比)は、特に限定されないが、99/1〜1/99であることが好ましい。第2エマルション/第1エマルション(重量比)の下限は、より好ましくは5/95、10/90、15/85、20/80、25/75である。第2エマルション/第1エマルション(重量比)の上限は、より好ましくは、95/5、90/10、80/20、70/30、60/40、50/50、40/60、30/70、25/75である。
本発明に係る化粧料は、任意成分を含んでよく、例えば保湿剤、粉体、ゲル化剤、増粘剤、界面活性剤、乳化剤、抗炎症剤、抗酸化剤、pH調整剤、キレート剤、増粘剤、色素、香料や、コラーゲン等の皮膚老化防止・改善剤、発毛抑制剤、防腐剤、紫外線吸収剤、紫外線分散剤等を適宜含んでもよい。
第1エマルション及び第2エマルションに、異なる機能性成分を用いることで、各機能性成分が補完しあって、化粧料としての特性、特に保湿感を含む総合的なバランスをより向上することができる。ただし、第1エマルション及び第2エマルションに用いる機能性成分は、同一であってもよい。
化粧料の具体的な形態は、特に限定されず、クリーム、乳液、化粧水、美容液、洗顔料、クレンジング、ボディソープ等の皮膚用化粧料、シャンプー、リンス、コンディショナー、トリートメント、スタイリング剤、育毛剤、石鹸、パーマ・カラーの前後処理剤等の髪用化粧料、化粧品と類似した剤型で薬事法の対象外の製品(いわゆる、雑品)であってよい。化粧料に対する要求に応じて、化粧料はエマルションに加え、適宜他の成分を含んでよい。
表1に示す配合で、重縮合ポリマー粒子(ヒドロキシプロピルメチルセルロース誘導体)で乳化されたO/W型エマルションを調製した。
Figure 0006281152
表2に示す配合で、閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子の形態ではない界面活性剤(PEG−10ジメチコン)で乳化されたW/O型エマルションを調製した。
Figure 0006281152
上記2種のエマルションを、界面活性剤を含むW/O型エマルションと、重縮合ポリマー粒子を含むO/W型エマルションとの重量比が表3に示すとおりになるよう、混合し、試料1〜7の化粧料を調製した。
Figure 0006281152
(評価)
パネリスト(女性5名)の前腕部を洗顔料で洗浄した後、試料1〜7の各々の化粧料を直径2〜3cmの範囲に塗布した(片腕に3〜4箇所)。塗布時及び塗布直後において、化粧料の伸びの良さ、皮膚のてかり、仕上がりの自然さ、透明感、明るさを目視で確認し、保湿感を、塗布部を触ったときの質感(乾燥していないか)に基づき評価した。また、塗布2〜3時間後に塗布部を触ったときの質感に基づき、保湿感の持続性を評価した。この結果を表4に示す。
Figure 0006281152
表4に示されるように、閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子を含むO/W型エマルションと、そのいずれでもない界面活性剤を含むW/O型エマルションとを含む化粧料である試料2〜6は、一方しか含まない化粧料である試料1又は7に比べ、化粧料としての特性の総合的なバランス(特に保湿感を含む)に優れることが分かった。

Claims (3)

  1. 自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体、又は水酸基を有する重縮合ポリマー粒子が水相及び油相の界面に介在するO/W型の第1エマルションと、
    前記閉鎖小胞体又は前記重縮合ポリマー粒子の形態ではない界面活性剤による界面活性作用で乳化状態が維持された、W/O型の第2エマルションと、を混合する工程を有する化粧料の製造方法。
  2. 前記閉鎖小胞体又は前記重縮合ポリマー粒子は、8nm以上800nm以下の平均粒子径を有する請求項1記載の方法。
  3. 自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体、又は水酸基を有する重縮合ポリマー粒子の被乳化物への付着作用で乳化状態が維持されたO/W型の第1エマルションと、界面活性剤による界面活性作用で乳化状態が維持されたW/O型の第2エマルションと、が混合されてなる化粧料。
JP2013132653A 2013-06-25 2013-06-25 化粧料及びその製造方法 Active JP6281152B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013132653A JP6281152B2 (ja) 2013-06-25 2013-06-25 化粧料及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013132653A JP6281152B2 (ja) 2013-06-25 2013-06-25 化粧料及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015007007A JP2015007007A (ja) 2015-01-15
JP6281152B2 true JP6281152B2 (ja) 2018-02-21

Family

ID=52337618

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013132653A Active JP6281152B2 (ja) 2013-06-25 2013-06-25 化粧料及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6281152B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107530260B (zh) * 2015-05-11 2021-08-27 株式会社林原 皮肤外用制剂
JP6725137B1 (ja) * 2019-02-28 2020-07-15 学校法人神奈川大学 皮膚又は毛髪の洗浄剤及びその製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03293024A (ja) * 1990-04-11 1991-12-24 Nikko Kemikaruzu Kk レシチンが水相に分散して成る油中水型エマルション
US5935589A (en) * 1997-10-17 1999-08-10 Chesebrough-Pond's Usa Co. Stable cosmetic compositions with different pH emulsions
EP1820538A4 (en) * 2004-09-07 2012-06-20 Hakuto Kk COSMETICS AND MANUFACTURING METHOD THEREFOR
JP2013006822A (ja) * 2011-05-24 2013-01-10 Kanagawa Univ 乳化物及び乳化物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015007007A (ja) 2015-01-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5254645B2 (ja) ベシクル組成物及び該ベシクル組成物を配合した皮膚外用剤
JP5064717B2 (ja) リポソーム及びリポソーム含有化粧料
EP0782846B1 (en) O/W/O type multiple emulsion and method of preparing the same
JP6707727B2 (ja) 乳化物及び乳化物の製造方法
EP1786388A1 (en) Enhanced oil delivery from structured surfactant formulations
JP2010174012A (ja) 緩和された目への刺激を有するパーソナル・ケア日焼け止め剤組成物
EP2628477B1 (en) Water-in-oil type emulsion cosmetic
JP4304352B2 (ja) ソホロリピッドを含む経皮吸収制御剤及びその製造方法
JP4563194B2 (ja) 外用組成物
JP6417181B2 (ja) エアゾール作製用乳化組成物、及びエアゾール剤
KR20100052457A (ko) 베시클 조성물, 및 피부 외용제
JP6281152B2 (ja) 化粧料及びその製造方法
JP6959596B2 (ja) 皮膚外用剤および皮膚バリア機能改善剤
JP4637992B2 (ja) マイクロカプセル及びその製造方法
JP6111176B2 (ja) 抗ニキビ活性能を有する皮膚外用剤
JP6865409B2 (ja) フォーム剤作製用乳化組成物、フォーム剤、泡形成力を向上させる方法、泡形成力向上剤、及び化粧方法
JP6281153B2 (ja) ヘアケア用又は爪ケア用化粧品
JP4566010B2 (ja) 外用組成物
JP6820463B2 (ja) 皮膚外用剤および抗シワ剤
US9056208B2 (en) Personal care compositions that include enrobed sugar
JP6900002B2 (ja) 液晶混晶型乳化組成物、液晶型乳化化粧料、液晶混晶型乳化組成物の製造方法および液晶型乳化化粧料の製造方法
JP7057938B2 (ja) メイクアップ化粧料
JP4571514B2 (ja) ベシクル系外用組成物
JP6976543B2 (ja) 起泡性乳化組成物、起泡性組成物、起泡物、起泡性を向上させる方法、起泡性向上剤、及び泡の固さを調整する方法
JP6099127B2 (ja) 育毛用外用剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160325

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170314

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170328

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170522

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170718

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171228

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6281152

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250