JP6279935B2 - 変位計測装置 - Google Patents
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Description
図7(a)、(b)は、非特許文献1に記載された従来技術を説明するための図である。従来技術では、ターゲット703を橋梁スパンに固定する。また、図7(a)に示したように、レーザ光の光源701と受光部702とを、ターゲット703の表面に向けてレーザ光を照射し、その反射光を受光できる位置に設置する。光源701は、レーザ光を照射光p1として照射する。照射光p1はターゲット703の表面で反射され、反射光p2となって受光部702に受光される。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、構造物の変位を複数の方向について計測することができる変位計測装置を提供することを目的とする。
D=(D x 2 +D y 2 ) 1/2 式(1)
(ただし、D x は前記距離Dのx成分、D y は前記距離Dのy成分である。)
と表したときに、前記(1)式のD x に補正係数C x を乗じ、D y に補正係数C y (ただし、C x ≠C y )を乗じて前記式(1)を補正してなる補正後の式(2)によって得られた値を各反射面の高さとすることで、
D={(C x ×D x ) 2 +(C y ×D y 2 )} 1/2 式(2)
前記光照射部によって前記光が同時に照射され得る複数の前記反射面について、前記表面上の基準点からの高さが全て異なっていることを特徴とする。
[第1実施形態] ・構成
図1は、第1実施形態の変位計装置の全体構成を説明するための図である。図1に示した変位計測装置は、構造物として例えば建物に生じる層間変形によって生じる変位を計測することに適用される。なお、第1実施形態において、構造物の変形によって生じる変位は、外力によって生じる床(以下、「床スラブ」と記す)面101と天井面102との間の面方向の相対的な変位を指す。
レーザ光照射装置105及びハーフミラー106は、ターゲット104の表面104bに向けて平行光を照射する光照射部として機能する。平行光の光軸は、反射面204と直交する。即ち、図1に示したように、レーザ光照射装置105は、図示しない点光源から照射された光をパラボラ反射鏡105aを用いて反射させ、互いに平行な複数の光束を含む照射光p1を生成してハーフミラー106の反射面106aに向けて照射する。照射光p1は、図1に示したように、一辺がSの長さを有する一定の面積の範囲(以下、「光照射範囲」と記す)に照射される。第1実施形態では、反射面204が一辺がSの長さを有する正方形の形状をしていて、1つの光照射範囲と反射面204との形状及びサイズが一致する。
第1実施形態では、CCDイメージセンサ103を二次元のCCDイメージセンサとした。二次元のCCDイメージセンサでは、例えば、受光した光を電荷に変換する複数のフォトトランジスタと、電荷を転送する転送部とが平面上に配置されている。第1実施形態では、複数のフォトトランジスタの光を受光する面全体を、CCDイメージセンサ103の受光面103aと記す。
第1実施形態では、ターゲット104が相対的に変位が生じ得る天井面102の側に固定される。レーザ光照射装置105、ハーフミラー106及びCCDイメージセンサ103は、床スラブ面101の側に固定される。なお、第1実施形態は、レーザ光照射装置105、ハーフミラー106及びCCDイメージセンサ103を床スラブ面101に設け、ターゲット104を天井面に設ける構成に限定されるものではない。第1実施形態は、レーザ光照射装置105、ハーフミラー106及びCCDイメージセンサ103を天井面102に設け、ターゲット104を床スラブ面101に設けてもよい。さらに、ターゲット104とCCDイメージセンサ103との位置関係は、両者を相対的に変位し得る位置に対向するように固定するのであれば、どのようなものであってもよい。さらに、第1実施形態の受光部はCCDイメージセンサに限定されるものでなく、光強度と受光のタイミングとを測定できる素子であればどのような構成であってもよい。
図2(a)、(b)、(c)に示したように、表面104bの表面には裏面104aと平行な反射面204がマトリックス状に複数配置されている。複数の反射面204は、全て面積及び形状が等しい。ここで、図2(b)を用い、複数の反射面204と基準反射面Cとの距離(以下、「高さ」と記す)について説明する。図2(a)に示すように、第1実施形態では、複数の反射面204のうちの図中左下に示した反射面を基準反射面Cとし、他の反射面204と区別する。
即ち、基準反射面Cから各反射面204までの距離Dは、以下の式によって決定される。なお、式(1)では、距離Dを、基準反射面Cの中心から各反射面204の中心までの距離とする。また、Dxは、基準反射面Cから各反射面204までの距離のx成分(x座標)、Dyは、基準反射面Cから各反射面204までの距離のy成分(y座標)である。
第1実施形態では、上記式(1)のDxに補正係数Cx(第1実施形態では「0.5」)を乗じ、Dyに補正係数Cy(第1実施形態では「1.0」)を乗じて式(1)を補正し、補正後の式(2)によって得られた値を高さhとする。式(2)は、以下のとおりである(Cx≠Cy)。
第1実施形態では、先に述べたように、光照射範囲と反射面204とが一致している。このため、照射光p1は、一度に最大4つの反射面204に光を照射することができる。第1実施形態は、上記構成により、高さhが、方向毎に基準反射面Cからの距離に比例し、かつ、平行光が同時に照射され得る4つの反射面204の間で全て異なるようになる。
また、平行光が同時に照射され得る4つの反射面204の組合せ(以下、単に「組合せ」とも記す)は、表面104b上において複数存在し得る。第1実施形態では、上記したように、式(1)のDxに補正係数Cxを乗じ、Dyに補正係数Cyを乗じて式(1)を補正し(Cx≠Cy)、補正後の式(2)によって得られた値を高さhとすることにより、複数の組合せのうちの一の組合せと他の組合せとの間で、反射面204の高さhと距離との両方が等しい反射面204が含まれることがない。
このような構成により、第1実施形態は、一の組合せと他の組合せとの間において高さhが等しい反射面204が含まれる場合にも、他の反射面204の高さが異なるようになる。このため、第1実施形態は、1つの組合せと他の組合せとを確実に判別することができる。
図3から図5は、第1実施形態の変位計測装置が変位を計測する原理を説明するため図である。図3は、床スラブ面101に対して天井面102に取り付けられたターゲット104が相対的に変位している状態を示している。変位の計測に先だって、第1実施形態では、照射光p1が表面104b上の特定の反射面にだけ照射されるように、ターゲット104とレーザ光照射装置105及びハーフミラー106とが位置合わせされている。図3に示した変位が生じると、ターゲット104は、図中に示したΔd分だけ移動する。ターゲット104が移動すると、移動前と移動後においてターゲット104において照射光p1を反射する位置は変化するが、照射光p1の反射光p2が受光面103aにおいて受光される位置は変化しない。
第1実施形態では、構造物に変位が生じる前、照射光p1が反射面A0に受光されるように、レーザ光照射装置105及びハーフミラー106の位置を設定する。このとき、照射光p1の中心は、反射面A0の中心点Da0に照射される。第1実施形態では、中心点Da0の位置を「イニシャル位置」とも記す。照射光p1の中心がイニシャル位置にあるとき、計測される変位量は、原点oを基準にした長さDa0として表される。第1実施形態では、長さDa0のx方向の距離Dx0、y方向の距離Dy0を予め求めておく。
構造物に変位が生じたとき、ターゲット104が移動して表面104bにおける照射光p1の照射位置が変化する。第1実施形態では、図4に示したように、変位前にあってはイニシャル位置に照射されていた照射光p1が、構造物の変位によって反射面A1、A2、A3及び反射面A4のそれぞれ一部に照射されるようになる。
なお、第1実施形態では、反射光p2_1、p2_2、p2_3及びp2_4が予め設定されている比較的短い時間内に受光面103aに受光された場合に限り、上記動作をする。予め設定された比較的短い時間は、反射面204間の高さの相違に応じて決定する。このようにすることにより、第1実施形態は、一の組合せの反射面204で反射された反射光と他の組合せの反射面で反射された反射光とが混同されることを防ぐことができる。
具体的には、反射光p2_1、p2_2、p2_3及びp2_4の強度比と光照射範囲の反射面に対する位置とには、以下の式(3)〜(6)に示す関係がある。
(α3+α4)×S2={(S/2)+xd}×S 式(3)
(α1+α2)×S2={(S/2)−xd}×S 式(4)
y方向
(α2+α4)×S2={(S/2)+yd}×S 式(5)
(α1+α3)×S2={(S/2)−yd}×S 式(6)
Dy=(Da1y−Da0y)+(S/2)+xy 式(8)
以上説明したように、第1実施形態によれば、構造物の層間変形によって生じる面方向の変位をx方向、y方向毎に計測可能である。このような第1実施形態は、面方向に生じる構造物の変位を高精度に計測することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態において、構造物の変形によって生じる変位は、外力によって生じる床スラブ面101と天井面102との間の回転方向の相対的な変位を指す。
天井面102に回転方向の変位が生じると、天井面102に固定されているターゲット104も床スラブ面101に対して回転方向に変位する。第2実施形態では、図6に示したように、天井面102に生じた回転方向の変位によってターゲット104の裏面104aと変位前の天井面102との間に角度φが生じる。このような変位を、「回転角φの変位」とも記す。
l1=S/cos(θ+φ) 式(9)
なお、式(9)中の角度θは、ターゲット104の表面104bに反射面204がないと仮定した場合に得られる仮想的な斜面と裏面104aとがなす角度である。
また、図6中に示したl2の長さは、以下の式(10)によって表される。
l2=l1×cosθ=Scosθ/cos(θ+φ) 式(10)
そして、範囲S’は、長さl2より、以下の式(11)によって求められる。
S´=l2/cosφ=S・cosθ/{cosφ・cos(θ+φ)} 式(11)
上記した式(11)中の範囲Sと範囲S’は計測によって得られる。また、角度θは、ターゲット104の設計値より既知である。したがって、上記式(11)に範囲S、範囲S’、角度θの値を代入することにより、ターゲット104の回転角φを計測することができる。
第2実施形態は、上記した構成に限定されるものではない。例えば、第2実施形態は、複数の反射面が設けられた表面を有するターゲットを使用するものに限定されるものではなく、ターゲットは、表面の裏面に対する高さが少なくとも一方向に単調に変化するものであればよい。なお、このようなターゲットを用いた場合、第2実施形態では、範囲Sが上記した式(9)から式(11)とは別の式によって求められることは言うまでもない。
103a:受光面、104:ターゲット、104a:裏面
104b:表面、105:レーザ光照射装置
105a:パラボラ反射鏡、106:ハーフミラー、106a:反射面
110:変位検出部、204:反射面
Claims (2)
- 平面である裏面と、前記裏面に平行な複数の反射面を有する表面と、を有し、前記反射面は、互いに直交するx方向及びy方向に並ぶことで前記表面においてマトリックス状に配置され、前記裏面と平行な方向に変位が生じ得る一方の側に固定されるターゲットと、
前記反射面と直交する光軸を有し、かつ、一つの前記反射面以上の光照射範囲を有する光を前記ターゲットの前記表面に向けて照射し、前記一方の側に対して前記変位が相対的に生じ得る他方の側に固定される光照射部と、
前記表面の前記反射面において反射された前記光の反射光を受光する受光面を有し、前記受光面により、予め設定された時間の範囲内で複数の前記反射光が互いに異なるタイミングで受光された場合、各前記反射光の受光タイミングと強度比とを検出する受光部と、
を備え、
複数の反射面のうちの一つを基準反射面とし、その基準反射面の中心から各反射面の中心までの距離Dを、
D=(D x 2 +D y 2 ) 1/2 式(1)
(ただし、D x は前記距離Dのx成分、D y は前記距離Dのy成分である。)
と表したときに、
前記(1)式のD x に補正係数C x を乗じ、D y に補正係数C y (ただし、C x ≠C y )を乗じて前記式(1)を補正してなる補正後の式(2)によって得られた値を各反射面の高さとすることで、
D={(C x ×D x ) 2 +(C y ×D y 2 )} 1/2 式(2)
前記光照射部によって前記光が同時に照射され得る複数の前記反射面について、前記表面上の基準点からの高さが全て異なっていることを特徴とする変位計測装置。 - 前記光照射部によって前記ターゲットの前記表面に照射される1つの光照射範囲と前記反射面との形状及びサイズが一致することを特徴とする請求項1に記載の変位計測装置。
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